(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】レーザ処理システムの光学システムを特徴付ける方法およびレーザ処理システム
(51)【国際特許分類】
B23K 26/34 20140101AFI20240820BHJP
B23K 26/21 20140101ALI20240820BHJP
【FI】
B23K26/34
B23K26/21 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022073479
(22)【出願日】2022-04-27
【審査請求日】2022-08-15
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トラヴィス、レイトン セス
(72)【発明者】
【氏名】ブーア、ニコラス イー.
【審査官】松田 長親
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-090352(JP,A)
【文献】特開2018-183806(JP,A)
【文献】特開2017-208445(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00-26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ処理システム(140)の光学システム(160)を特徴付ける方法(700)であって、
所定の移動パターンに従って、前記光学システム(160)の調整可能なビーム方向変更要素(162)の方向を調整することによって、サンプル(318)の複数の部分にエネルギビーム(170)を向け、各部分において前記サンプル(318)に複数のテストパターン(320)を形成し、
前記光学システム(160)は期待焦点位置(328)を有するイメージングシステム(308)を含み、
前記移動パターンは各テストパターンの形成において、前記エネルギビーム(170)が前記サンプル(318)の複数の異なる方向に向けられるように、複数の移動を含み、
複数の前記テストパターン(320)のうちの少なくとも2つは、前記光学システム(160)の期待焦点位置から異なる較正距離で形成され、
前記サンプル(318)の複数の前記テストパターン(320)の各々は前記期待焦点位置から較正距離の範囲内の異なる較正距離で形成され、
前記テストパターン(320)の第1テストパターンは前記期待焦点位置に添った直線の第1側における第1端部較正距離で形成され、
前記テストパターン(320)の第2テストパターンは前記直線の第2側における第2端部較正距離で形成され、
前記期待焦点位置は前記第1端部較正距離と前記第2端部較正距離との間の中央に配置され、
複数の前記テストパターン
(320、512a、512b)の各テストパターン
(322、506a、508a、510a、506b、508b、510b、506c、508c、510c)は前記サンプル(318
、500)の複数の変更を含み、
前記サンプル(318、500)の複数の変更の各々の各変更は
、前記エネルギビーム(170)の前記移動パターンに含まれる複数の前記移動の少なくとも1つの移動によって形成され、
複数の前記テストパターン(320、512a、512b)の各テストパターン
(322、506a、508a、510a、506b、508b、510b、506c、508c、510c)に含まれる前記サンプル(318、500)の複数の変更の各々の各変更
(516、520、524、528、530、532)は
、複数の前記テストパターン(320)の少なくとも1つの他の変更と異なる向きを有し、
複数の前記テストパターン(320)において、前記エネルギビーム(170)によって引き起こされる前記サンプル(318)の変更のレベルを検出することによって、前記イメージングシステム(308)の前記期待焦点位置の精度を決定する、
方法(700)。
【請求項2】
前記移動パターンは、第1方向に延在する第1ライン(516)と、前記第1方向に対して鋭角の第1角度(522)で第2方向に延在する第2ライン(518)と、をさらに含む、請求項1に記載の方法(700)。
【請求項3】
前記移動パターンは前記第1方向に対して鋭角の第2角度(526)で第3方向に延在する第3ライン(520)をさらに含み、前記第2角度(526)は前記第1角度(522)よりも大きい、請求項2に記載の方法(700)。
【請求項4】
前記移動パターンの前記複数の移動が、前記サンプル(318)において前記エネルギビーム(170)を非線形曲線に向ける、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の方法(700)。
【請求項5】
前記移動パターンの間、前記エネルギビーム(170)が複数の前記異なる方向の1つの方向に向けられると、前記エネルギビーム(170)のエネルギ密度断面が前記方向とずれる、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の方法(700)。
【請求項6】
複数の前記テストパターン(320)は前記第1テストパターンと前記第2テストパターンとの間に複数の追加テストパターンを含み、
複数の前記追加テストパターンは、前記第1端部較正距離と前記第2端部較正距離との間の等間隔の較正距離で形成される、
請求項5に記載の方法(700)。
【請求項7】
前記光学システム(160)の前記期待焦点位置の精度を決定することは、前記期待焦点位置の前記第1側の第1数の完全なテストパターンと、前記期待焦点位置の前記第2側の第2数の完全なテストパターンとを決定することを含む、請求項6に記載の方法(700)。
【請求項8】
前記期待焦点位置の精度を決定することは、
検出器(324)を使用して、複数の前記テストパターン(320)を含む前記サンプル(318)の画像を捕捉し、
複数の前記テストパターン(320)のうちの少なくとも1つの完全性を判定するために、前記検出器(324)に通信可能に結合された計算システムを使用して、画像を処理する、
ことを含む、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の方法(700)。
【請求項9】
エネルギビーム(170)を放射するように構成されたエネルギビーム源(150)と、
調整可能なビーム方向変更要素(162)であって、調整可能な前記ビーム方向変更要素(162)の構成に基づいて、支持プラットフォーム(302)に向かって前記エネルギビーム(170)を向けるように構成された調整可能なビーム方向変更要素(162)と、
前記支持プラットフォーム(302)に連結された支持プラットフォームアクチュエータ(334)であって、前記支持プラットフォームアクチュエータ(334)は、前記支持プラットフォーム(302)と調整可能な前記ビーム方向変更要素(162)との間の距離を調整する方向に移動可能である、支持プラットフォームアクチュエータ(334)と、
前記エネルギビーム源(150)と前記支持プラットフォーム(302)との間に配置された光学システム(160)であって、前記エネルギビーム(170)のエネルギ密度が最大である焦点位置を有する光学システム(160)と、
前記支持プラットフォーム(302)を捕捉する視野を有する検出器(324)と、
調整可能な前記ビーム方向変更要素(162)、前記支持プラットフォームアクチュエータ(334)、および前記検出器(324)の各々に通信可能に結合されたコントローラであって、
調整可能な前記ビーム方向変更要素(162)からの距離範囲の複数の距離に移動するように前記支持プラットフォーム(302)を向け、
前記距離範囲は、前記光学システム(160)の期待焦点位置を含み、
複数の前記距離の各々の距離に対して、調整可能な前記ビーム方向変更要素(162)に、所定の移動パターンで前記支持プラットフォーム(302)上に配置されたサンプル(318)の別々の部分を介して前記エネルギビーム(170)を向けさせ、各部分において前記サンプル(318)に複数のテストパターン(320)を形成し、
所定の前記移動パターンは、各テストパターンの形成において、前記エネルギビーム(170)が前記サンプル(318)の複数の異なる方向に向けられるように、複数の移動を含み、
前記サンプル(318)の複数の前記テストパターン(320)の各々は前記期待焦点位置から較正距離の範囲内の異なる較正距離で形成され、
前記テストパターン(320)の第1テストパターンは前記期待焦点位置に添った直線の第1側における第1端部較正距離で形成され、
前記テストパターン(320)の第2テストパターンは前記直線の第2側における第2端部較正距離で形成され、
前記期待焦点位置は前記第1端部較正距離と前記第2端部較正距離との間の中央に配置され、
複数の前記テストパターン
(320、512a、512b)の各テストパターン
(322、506a、508a、510a、506b、508b、510b、506c、508c、510c)は前記サンプル
(318、500)の複数の変更を含み、
前記サンプル(318、500)の複数の変更の各々の各変更は
、前記エネルギビーム(170)の前記移動パターンに含まれる複数の前記移動の少なくとも1つの移動によって形成され、
複数の前記テストパターン(320、512a、512b)の各テストパターン
(322、506a、508a、510a、506b、508b、510b、506c、508c、510c)に含まれる前記サンプル(318、500)の複数の変更の各々の各変更は複数の前記テストパターン(320)の少なくとも1つの他の変更と異なる向きを有し、
前記検出器(324)を用いて複数の前記テストパターン(320)を含む画像を捕捉し、
複数の前記テストパターン(320)の各々において、前記サンプル(318)中のマテリアル変更量に基づいて、前記期待焦点位置の精度を決定するために、前記画像を分析する、
ように構成されたコントローラと、
を含む、レーザ処理システム(140)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、3次元空間内のエネルギビームを特徴付けるシステムおよび方法に関し、より詳細には、レーザ処理システムのビームプロファイルおよび焦点位置のアスペクトを測定するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークピース(例えば、付加製造装置、レーザ溶接装置、レーザ切断装置等)の特性を変更するためにエネルギビームに依存するマテリアル加工システムは所定のパターンでエネルギビームを方向付けて、所望の形状を有するマテリアル変更(例えば、マテリアルの一部を溶融又は融着させる)を生成することができる。エネルギビームがワークピース内に所望のマテリアル変更を生成することを確実にするために、エネルギビームがワークピースと相互作用するエネルギビームの種々のアスペクト(例えば、ビーム形状およびエネルギ密度プロファイル)に関する情報が必要である。例えば、マテリアル加工システムが光学システムを用いてエネルギビームをワークピースに向ける場合、光学システムの不正確な焦点位置に基づく所定のパターンの生成は、エネルギビームがワークピースを意図された方法で変更するために必要なエネルギ密度を欠く可能性があるため、望ましくないマテリアルの変更につながる可能性がある。
【0003】
特定のマテリアル加工システムは他の方向依存特性(例えば、ビーム形状)をエネルギビームに導入する要素を含んでもよい。このような方向依存性特性はまた、ワークピースを変更するエネルギビームの能力を変化させることがあり、従って、特定のパターンでエネルギビームを方向付けることがワークピースを意図した通りに変更することを確実にするために考慮されるべきである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一実施形態によれば、レーザ処理システムの光学システムを特徴付ける方法は、所定の移動パターンに従って、光学システムの調整可能なビーム方向変更要素の方向を調整することによって、サンプルの複数の部分にエネルギビームを向け、各部分においてサンプルに複数のテストパターンを形成することを含む。光学システムは期待焦点位置を有するイメージングシステムを含む。移動パターンは各テストパターンの形成において、エネルギビームがサンプルの複数の異なる方向に向けられるように、複数の移動を含む。複数のテストパターンのうちの少なくとも2つは、光学システムの期待焦点位置から異なる較正距離で形成される。複数のテストパターンにおいて、エネルギビームによって引き起こされるサンプルの変更のレベルを検出することによって、期待焦点位置の精度を決定する。
【0005】
本開示の別の実施形態によれば、レーザ処理システムの光学システムの焦点位置を決定する方法は、光学システムからの距離範囲の複数の異なる距離にサンプルを配置することを含む。距離範囲は、光学システムの期待焦点位置を含む。各距離に対して、レーザ処理システムの調整可能なビーム方向変更要素を使用して、所定の移動パターンで、サンプルの別個の部分を介してエネルギビームが向けられ、各部分においてサンプルに複数のテストパターンを形成する。移動パターンは、各テストパターンの形成においてサンプルの複数の異なる方向にエネルギビームが向けられるように、複数の移動を含む。該方法は、期待焦点位置が前記光学システムの実際の焦点距離と一致するか、または実質的に一致するかを判定するために、複数のテストパターンを検査することを含む。
【0006】
本開示の別の実施形態によれば、レーザ処理システムは、エネルギビームを放射するように構成されたエネルギビーム源と、調整可能なビーム方向変更要素の構成に基づいて、支持プラットフォームに向かってエネルギビームを向けるように構成された調整可能なビーム方向変更要素と、支持プラットフォームに連結された支持プラットフォームアクチュエータと、を含む。支持プラットフォームアクチュエータは、支持プラットフォームと調整可能なビーム方向変更要素との間の距離を調整する方向に移動可能である。レーザ処理システムは、また、エネルギビーム源と支持プラットフォームとの間に配置された光学システムを含み、光学システムは、エネルギビームのエネルギ密度が最大である焦点位置を有する。レーザ処理システムは、また、支持プラットフォームを捕捉する視野を有する検出器と、調整可能なビーム方向変更要素、支持プラットフォームアクチュエータ、および検出器の各々に通信可能に結合されたコントローラと、を含む。コントローラは、調整可能なビーム方向変更要素からの距離範囲の複数の距離に移動するように支持プラットフォームを向けるように構成されている。距離範囲は、光学システムの期待焦点位置を含む。コントローラは、また、複数の距離の各々の距離に対して、調整可能なビーム方向変更要素に、所定の移動パターンで支持プラットフォーム上に配置されたサンプルの別個の部分を介してエネルギビームを向けさせ、各部分においてサンプルに複数のテストパターンを形成する。所定の移動パターンは、各テストパターンの形成において、エネルギビームがサンプルの複数の異なる方向に向けられるように、複数の移動を含む。コントローラは、また、検出器を用いて複数のテストパターンを含む画像を捕捉し、複数のテストパターンの各々において、サンプルのマテリアル変更量に基づいて、期待焦点位置の精度を決定するために、前記画像を分析する、ように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本明細書に記載される1つ以上の実施形態による付加製造装置を示す。
【
図2A】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、焦点位置に対する複数の位置におけるレーザビームのエネルギ密度断面を示す。
【
図2B】本明細書に記載される1つ以上の実施形態による、異なる移動方向に対するレーザビームのエネルギ密度断面を概略的に示す。
【
図3A】本明細書に記載される1つ以上の実施形態による、光学システムを含むレーザ処理システムを概略的に描写する。
【
図3B】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、配置された複数のテストサンプルを有する支持プラットフォームの平面図を概略的に示す。
【
図4】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、レーザ処理システムの較正プロセスを示す。
【
図5A】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、複数のテストパターンが形成されたサンプルを概略的に示す。
【
図5B】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、複数のテストパターンが形成されたサンプルを概略的に示す。
【
図5C】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、複数のテストパターンが形成されたサンプルを概略的に示す。
【
図5D】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、複数のテストパターンが形成されたサンプルを概略的に示す。
【
図5E】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、
図5Aに示されるサンプルに形成される複数のテストパターンのうちの1つを概略的に示す。
【
図5F】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、
図5Bに示されるサンプルに形成される複数のテストパターンのうちの1つを概略的に示す。
【
図6】本明細書で説明する1つ以上の実施形態による、光学システムの較正モデルに期待焦点位置を組み込む方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書に記載されるプロセスおよびシステムのさらなる特徴および利点は以下の詳細な説明に記載され、一部はその説明から当業者に容易に明らかであり、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲、ならびに添付の図面を含む、本明細書に記載される実施形態を実施することによって認識される。
【0009】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方が様々な実施形態を説明し、特許請求される主題の性質および特徴を理解するための概観またはフレームワークを提供することを意図していることを理解されたい。添付の図面は、様々な実施形態のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。図面は本明細書で説明される様々な実施形態を示し、説明とともに、特許請求される主題の原理および動作を説明する役割を果たす。
【0010】
図面に記載された実施形態は本質的に例示的なものであり、特許請求の範囲によって定義される主題を限定することを意図するものではない。例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、同様の構造が同様の参照符号で示されている図面と併せて読むと理解することができる。
【0011】
エネルギビームの多方向移動パターンで形成された複数のテストパターンを分析することに基づいて、ビーム位置のファンクションとしてレーザ処理システムを特徴付けるシステムおよび方法について言及する。種々の実施形態では、エネルギビームがレーザ処理システムの調整可能なビーム方向変更要素のための所定の多方向移動パターンを用いて、サンプルの複数の部分を介して向けられ、複数のテストパターンを形成する。テストパターンの形成の間に、各テストパターンがレーザ処理システムの光学システムの期待焦点位置から異なる較正距離で形成され得るように、サンプルの位置決めが変更されてもよい。実施形態では、テストパターンの各々が期待焦点位置を含む較正距離範囲内の異なる較正距離で形成される。例えば、第1テストパターンは期待焦点位置の第1側上の第1較正距離で形成されてもよく、第2テストパターンは較正距離がゼロに等しい期待焦点位置で形成されてもよく、第3テストパターンは期待焦点位置の第2側上の第2較正距離で形成されてもよい。第2較正距離は期待焦点位置が較正距離範囲の中心に位置するように、第1較正距離と等しくてもよい。先の例における較正距離範囲は任意の数のテストパターン(例えば、期待焦点位置のいずれかの側の等しい数のテストパターン)を含むように拡張されてもよい。テストパターンの形成後、テストパターンは(例えば、ユーザによって直接、または画像分析によって)比較されて、テストパターンの各々の中のエネルギビームによって誘導されるマテリアル変更のレベルに基づいて、期待焦点位置の精度を決定することができる。
【0012】
本明細書に記載される多方向移動パターンは、既存の技術を介して特徴付けられないレーザ処理システムのいくつかのビーム変更アスペクトの特徴付けを有益に容易にする。例えば、ある種のレーザ処理システムは、レーザビームのビーム形状に楕円率を導入する撮像光学システムを含んでもよい。このような楕円率は、レーザビームの特定の移動方向に沿ってサンプル内に堆積されるレーザエネルギ量に影響を与える可能性がある。そのように、移動方向に沿って所望の方法でサンプルを変更するレーザビームの能力は、レーザが調整可能なビーム方向変更要素を介して方向付けられている方向に依存することができる。加えて、レーザ処理システムはレーザビームの他の方向依存性(例えば、ビームウエスト位置又は焦点位置)を生じさせる収差(例えば、非点収差)を有する光学システムを含んでもよい。このような付加的な方向依存性は、また、レーザビームがサンプルを変更する能力に影響を与える可能性がある。
【0013】
本明細書に記載される多方向移動パターンはレーザ処理システムを較正する際の方向依存性を説明し、従って、従来の特徴付け方法よりも、ビーム移動方向および位置のファンクションとしてレーザ処理システムのより完全な特徴付けを提供する。実施形態において、本明細書に記載される多方向移動パターンはテストパターンを形成する際にレーザ処理システムの方向依存性が考慮されるように、互いに対して角度をなして延びる少なくとも2つの部分を含む。実施形態において、互いに対して角度をなして延びる少なくとも2つの部分は各ラインにおける移動方向に対するエネルギビームのエネルギ密度断面の配向が変更するように、異なるラインを含むことができる。実施形態において、互いに対して角度をなして延びる少なくとも2つの部分は移動方向に対するエネルギビームのエネルギ密度断面の配向が非線形曲線に沿って変化するように、非線形曲線の異なるセグメントである。その結果、本明細書に記載されるテストパターンは移動方向依存性から生じるビームエネルギ密度の変化を組み込み、レーザ処理システムのより完全な特性評価および較正を提供する。
【0014】
次に、
図1を参照すると、一実施形態によるレーザ処理システム140が描かれている。
図1に示されるレーザ処理システム140はエネルギビーム源150によって生成されるエネルギビーム170を用いてビルドマテリアル(例えば、図示しない粉末)を焼結又は溶融することによって、物体又は物体の一部、例えば、物体153を層毎に構築する付加製造装置である。実施形態において、エネルギビーム源150はレーザであり、エネルギビーム170はレーザビームである。実施形態において、エネルギビーム源150はフィラメントおよび電流源であり、エネルギビーム170は電子ビームである。エネルギビーム170がレーザビームである実施形態では、エネルギビーム170が光学システム160の制御下でビルドマテリアルの断面層を焼結または溶融する。
【0015】
光学システム160は、イメージングシステム152と、調整可能なビーム方向変更要素162とを含んでもよい。図示の例では、調整可能なビーム方向変更要素162が複数の可動ミラー又は走査レンズを含むことができるガルボスキャナである。一実施形態では調整可能なビーム方向変更要素162が第1走査角Θ1が調整可能であるように第1方向(例えば、x方向)に回転可能に調整可能な第1走査ミラー(図示せず)を含み、その結果、エネルギビーム170はビルドプラットフォーム144の全体を、第1方向をカバーするように走査することができる。また、調整可能なビーム方向変更要素162は第2方向(例えばy方向)に回転可能に調整可能な第2走査ミラー(図示せず)を含み、エネルギビーム170を走査して第2方向のビルドプラットフォーム144の全体をカバーすることができる。調整可能なビーム方向変更要素162を所定の移動パターンで調整することによって、ビルドマテリアル内の対応するパターンを変更(例えば、硬化、溶融、焼結)して物体153を生成することができる。実施形態において、エネルギビーム170が移動する速度は、特定のスポットに送達されるエネルギ量に影響を与える制御可能なプロセスパラメータである。典型的なエネルギビームの移動速度は、毎秒10~数千ミリメートルのオーダーである。
【0016】
実施形態では、イメージングシステム152は、ビルドマテリアルが所望の方法で変更されるように、ビルド面148に必要なエネルギ密度を送達するようにエネルギビーム170を集束させる。イメージングシステム152は調整可能なビーム方向変更要素162の上流であるように描かれているが、本開示と一致するように、イメージングシステム152はエネルギビーム源150と物体153との間の任意の場所に配置されてもよいことが理解されるべきである。物体153の各層が光学システム160を介して形成されると、ビルドプラットフォーム144と光学システム160との間の相対距離が変化し(例えば、ビルドプラットフォーム144が下降してもよい)、物体153の追加の層が形成される(例えば、ビルド面148においてリコータ方向164で追加の粉体層を形成するリコータ146を介して、任意の余分な粉体が粉体タンク158に向けて押される)。例えば、ビルドプラットフォーム144を下降させた後、ビルドマテリアルの別の層をビルドプラットフォーム144および物体153の上に広げることができる。ビルドマテリアルの追加の層は、光学システム160を介してエネルギビーム170を別のパターンで移動させて物体の追加の層を形成することによって変更することができる。
【0017】
エネルギビーム170は、プロセッサおよびメモリ(図示せず)を含むコンピュータシステムによって制御されてもよい。コンピュータシステムは走査パターンに従ってビルドマテリアルを照射するために、各層および制御エネルギビーム170に対する走査パターンを決定することができる。物体153の製造が完了した後、様々な後処理手順を物体153に適用することができる。後処理手順は例えば、ブローイングまたは真空吸引による過剰の粉末の除去を含む。他の後処理手順には、応力除去熱処理プロセスが含まれる。さらに、熱および化学的後処理手順を使用して、物体153を仕上げることができる。
【0018】
所望の形状を有する物体153を生成するために、エネルギビーム170の移動パターンは、ビルド面148におけるエネルギビーム170のエネルギ密度プロファイルに基づいて決定される。例えば、あるビルドマテリアルは閾値エネルギ密度を変更し(例えば、溶融、焼結など)、最終的に物体153に組み込むために硬化させることを必要とし得る。エネルギビーム170のエネルギ密度分布は、典型的には不均一である。例えば、実施例では、エネルギ密度分布がエネルギビーム170の中央部分の最大エネルギ密度から徐々に減少する可変エネルギ密度分布を有するガウス分布又は他の統計分布を有することができる。そのように、エネルギビーム170の一部のみ(例えば、エネルギビーム170の中心を直に取り囲む)が、物体153内に組み込むためにビルドマテリアルを十分に変更するために必要なエネルギ密度を有する可能性がある。ビルドマテリアルを変更するのに充分なエネルギ密度を有するエネルギビーム170の一部はイメージングシステム152によって誘起されるエネルギビーム170のエネルギ密度プロファイルへの影響に起因して、ビルドプラットフォーム144上の位置の関数として(例えば、走査角Θ1の関数として)変化し得る。例えば、イメージングシステム152の非点収差はエネルギビーム170のビームウエスト(例えば、焦点位置、最大エネルギ密度の位置)の方向依存性を生成し得る。光学システム160の合焦位置は、光学システム160のホームポジション172における第1値と、ホームポジション172からある角度Θ1における第1値とは異なった第2値とを有することができる。
【0019】
図2Aは、光学システム160の焦点位置に対する複数の位置についてのエネルギビーム170に対する複数のエネルギ密度断面を示すチャート200を示す。実施形態では図示されたエネルギ密度断面202が光学システム160のホームポジション172におけるエネルギビーム170のエネルギ密度断面に対応することができ、一方、図示されたエネルギ密度断面204はホームポジション172から角度Θ1にあるエネルギ密度断面に対応することができる。示されるように、エネルギ密度断面202は焦点位置からある程度の距離(例えば、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm等)で、エネルギ密度断面204よりもはるかに小さな領域をカバーする。これにより、調整可能ビーム方向変更要素162の移動パターンが光学システム160の集束位置のそのような方向依存性を考慮に入れない場合、エネルギビーム170は、所望のパターンで物体153内に組み込むためのビルドマテリアルを変更するために必要なエネルギ密度を有していなくてもよい。そのように、調整可能なビーム方向変更要素162のための移動パターンをプログラムして特定の物体153を作成する前に、光学システム160が調整可能なビーム方向変更要素162の各位置に対してビルド面148に適切なエネルギ密度を提供することを確実にするために、レーザ処理システム140を較正することが有益である。
【0020】
実施形態では、エネルギ密度断面202が実質的に楕円形の形状を有する。実施形態において、エネルギビーム170の楕円率は、調整可能ビーム方向変更要素162の方向に依存することができる。例えば、
図2Aに示されるように、エネルギ密度断面204は、エネルギ密度断面202よりも大きい楕円率を有する。そのような方向依存性楕円率は、レーザ処理システム140の較正を更に複雑にし得る。例えば、
図2Bに描かれているように、エネルギビーム170の第1エネルギ密度断面206は調整可能なビーム方向変更要素162(例えば、移動パターンの第1ライン)についての第1移動方向208に関連する第1方向を有することができ、第2エネルギ密度断面210は調整可能なビーム方向変更要素162(例えば、移動パターンの第2ライン)に対する第2移動方向212に対する第2方向を有することができる。第2エネルギ密度断面210は実質的に楕円形であり、第2移動方向212と実質的に整列した長軸を有する。第1エネルギ密度断面の206は、第1エネルギ密度断面の206の長軸が第1移動方向208と整列しておらず、むしろ第1移動方向208に対して回転している点で、第2エネルギ密度断面の210と対照的である。その結果、第1移動方向208に沿って印加されるエネルギビーム170の平均エネルギ密度は、第2移動方向212に沿って印加されるエネルギビーム170の平均エネルギ密度よりも小さい。これを考慮すると、第1移動方向208と第1エネルギ密度断面206との間の位置合わせの不整合は、物体153内に組み込むために第1移動方向208に沿ってビルドマテリアルを十分に変更するために不十分なエネルギ密度を適用する結果となり得る。
【0021】
上記を念頭に置いて、レーザ処理システム140は、本明細書に記載される方法に従って較正されてもよい。テストマテリアルのサンプルは、ビルドプラットフォーム144上の種々の位置に配置され得る。実施形態では、テストマテリアルが物体153を構築するために使用されるビルドマテリアルとは異なってもよい。例えば、実施形態では、テストマテリアルは、エネルギビーム170が十分なエネルギ密度を有するときにエネルギビーム170によって燃焼または切除される金属箔である。本明細書に記載されるように、テストサンプルの様々な部分はテストサンプル中の各部分でテストパターンを生成するために、光学システム160を介して所定の移動パターンでエネルギビーム170を移動させることによって変更されてもよい。所定の移動パターンはビルドプラットフォーム144上の様々な位置(例えば、ホームポジション172に対する)におけるエネルギビーム170のエネルギ密度断面の方向依存性を組み込むために、調整可能なビーム方向変更要素162に対する複数の移動方向を含んでもよい。テストパターンの種々のものは、ビルドプラットフォーム144および光学システム160が互いに異なる相対距離(例えば、z方向)に配置されることによって形成されてもよい。テストマテリアルのサンプル内に形成された複数のテストパターンの分析および評価を使用して、ビルドプラットフォーム上の様々な位置(例えば、ホームポジション172から離れた位置)における光学システム160の焦点位置を決定してもよい。加えて、テストマテリアルのサンプル内に形成された複数のテストパターンの解析および評価を使用して、3次元空間において、エネルギビーム170が十分なエネルギ密度を有し、テストマテリアルのサンプル内に完全なテストパターンを形成する光学システム160マッピングの較正モデルを形成してもよい。そのような較正モデルは、較正後に物体153を構築するために光学システム160によって使用される移動パターンを決定するために使用され得る。
【0022】
図3Aを参照すると、較正プロセス下のレーザ処理システム300が概略的に描かれている。レーザ処理システム300は、エネルギビーム316を生成するエネルギビーム源306を含む。実施形態において、エネルギビーム源306はレーザであり、エネルギビーム316はレーザビームである。レーザ処理システム300は任意の方法で支持プラットフォーム302上に配置されたマテリアルを変更する(例えば、溶融、切除、融着、焼結など)ために、エネルギビーム316を利用する任意のレーザ加工装置(例えば、付加製造装置、レーザ溶接装置、レーザ切断装置など)であってもよい。レーザ処理システム300のさらなる構成要素はレーザ処理システム300の特定の目的に依存することができ、ここでの議論を簡略化する目的で放置される。例えば、実施形態において、レーザ処理システム300は、本明細書に記載されるレーザ処理システム140に対応することができる。
【0023】
レーザ処理システム300はまた、イメージングシステム308および調整可能なビーム方向変更要素310を含む光学システム304を含む。イメージングシステム308は様々な要素(例えば、レンズ、ミラーなど)を含み、支持プラットフォーム302上にエネルギビーム316を合焦させてもよい。イメージングシステム308はエネルギビーム源306と調整可能ビーム方向変更要素310との間に配置されるように示されるが、イメージングシステム308はエネルギビーム源306と支持プラットフォーム302との間の任意の場所に配置されてもよいことを理解されたい。調整可能ビーム方向変更要素310は少なくとも再構成可能要素(例えば、走査ミラー)を含んでもよく、その結果、エネルギビーム316は、移動範囲312の全体にわたって移動して、支持プラットフォーム302(又はその一部分)の全体を照射することができる。実施形態において、調整可能なビーム方向変更要素310は、
図1に関して説明した調整可能なビーム方向変更要素162と同様であってもよい。
【0024】
レーザ処理システム300は、コントローラ336をさらに含む。コントローラ336は、調整可能なビーム方向変更要素310、支持プラットフォームアクチュエータ334、および検出器324に通信可能に結合されている。実施形態において、コントローラ336は、レーザ処理システム300のための意図された動作モードに関連付けられたコントローラであってもよい。実施形態において、コントローラ336はレーザ処理システム300とは別個であり、特にレーザ処理システム300の較正モデルを生成する目的で使用される較正コントローラを構成することができる。実施形態では、コントローラ336が実行可能命令を記憶するメモリと、本明細書で説明する較正プロセスを実行するために命令を実行するように構成されたプロセッサとを含む。例えば、コントローラ336は、調整可能ビーム方向変更要素310を、支持プラットフォーム302上に配置された複数のサンプル318内でテストパターンを生成するための所定の多方向移動パターンで移動させるように構成された命令を含んでもよい。実施形態において、コントローラ336は較正プロセス中に、支持プラットフォームアクチュエータ334に、光学システム304に対する支持プラットフォーム302の相対位置を変更させるように構成された命令を含む。例えば、支持プラットフォームアクチュエータ334は、較正距離326の範囲全体にわたって、支持プラットフォーム302を移動させてもよい。
【0025】
実施形態において、較正距離326の範囲は、光学システム304の期待焦点位置328を含む。実施形態において、期待焦点位置328はホームポジション314における(例えば、光学モデルに基づく)イメージングシステム308の計算された焦点距離を構成してもよい。
図3Aに描かれた期待焦点位置328はエネルギビーム316の特定の位置(例えば、ホームポジション314)に対応し得ることを理解されたい。較正処理は本明細書では単一の期待焦点位置328を使用して行われるものとして説明されるが、処理は異なる期待焦点位置の数を使用して行われ得ることが理解されるべきである。例えば、実施形態では、較正プロセスがイメージングシステム308の焦点位置の方向変化を考慮するために、支持プラットフォーム302上に配置された各サンプル318に対して1つずつ、複数の異なる期待焦点位置を含むことができる。本開示による較正距離の任意の数の範囲を設定するために、任意の数の期待焦点位置を使用してもよい。
【0026】
エネルギビーム源306は、初期エネルギ密度断面を有するエネルギビーム316を生成することができる。実施形態では、イメージングシステム308が初期エネルギ密度断面の少なくとも1つのアスペクトを変更して、変更されたエネルギ密度断面を形成することができる。一例では、初期エネルギ密度断面がガウスプロファイルを有してもよく、イメージングシステム308は変更されたエネルギ密度断面が楕円プロファイルを有するように、初期エネルギ密度断面を変更してもよい。イメージングシステム308の追加の収差(例えば、非点収差)は、イメージングシステム308の焦点位置の方向依存性を引き起こすことがある。例えば、イメージングシステム308の焦点位置は光学システム304のホームポジション314に近接する第1位置に第1値を有し、ホームポジション314からさらに離れた第2位置(例えば、
図3Aに描かれたエネルギビーム316の位置)に第2値を有することができる。その結果、支持プラットフォーム302におけるエネルギビーム316のエネルギ密度断面のサイズは、ホームポジション314に対するエネルギビーム316の位置に依存し得る。
【0027】
本明細書に記載される較正プロセスはレーザ処理システム300のそのようなアスペクト(例えば、変更されたエネルギ密度プロファイル、焦点位置の方向依存性)を測定し、エネルギビーム316が意図された方法でマテリアルを変更するように、エネルギビーム316に対する移動パターンの生成を容易にする。較正プロセス下にあるとき、複数のサンプル318が支持プラットフォーム302上に配置される。
図3Bに示されるように、サンプル318は支持プラットフォーム302上の複数の異なる位置でエネルギビーム316を特徴付けるために、支持プラットフォーム302の全体にわたって分配されてもよい。実施形態において、サンプル318はエネルギビーム316の移動範囲312をカバーする3×3のアレイに配置され、その結果、3次元空間においてエネルギビーム316が必要なエネルギ密度を有し、サンプル318内に完全なテストパターンを形成する正確な較正モデルマッピングが行われる。任意の数のサンプル318を支持プラットフォーム302上に配置することができ、このようなサンプル318は、本開示と一致する任意の方法で配置することができることを理解されたい。
【0028】
サンプル318は、反復可能な様式でエネルギビーム316によって改変され得る任意のマテリアルから構築され得る。実施形態では、サンプル318が金属物品(例えば、金属インゴット、ブロックなどの三次元金属物品、金属プレートなど)である。実施形態では、サンプル318が金属物品と、金属物品の表面上に配置された粉末層(例えば、金属粉末)とを含む。実施形態では、サンプル318は、エネルギビーム316が必要なエネルギ密度でサンプルに入射するときに溶融する金属箔シートである。実施形態において、サンプル318はレーザペーパーから構成され、テストパターンはサンプル318上の焼成領域である。いくつかの実施形態ではエネルギビーム316が必要なエネルギ密度を有していない場合、サンプル318は溶融または燃焼しないが、目立たない方法で変更されてもよい。実施形態では、サンプル318は、レーザ処理システム300がその通常の動作過程で変更するマテリアルと同様のマテリアルで構成される。例えば、レーザ処理システム300がレーザ切断装置である場合、サンプル318はレーザ処理システム300が一旦較正された後に切断することができるマテリアル(例えば、ガラス、高分子マテリアル等)から構築されたワークピースを含むことができる。
【0029】
図3Bに示すように、本明細書で説明する較正プロセス中に、複数のテストパターン320がサンプル318の各々に形成される。図示の例では、複数のテストパターン320の各々のテストパターン322が同じ形状を有する(または同じ形状を有することが意図される)。実施形態では、各サンプル318の各テストパターン322が較正距離326の範囲内の異なる較正距離に形成される。換言すれば、各サンプル318に形成された複数のテストパターン320の各テストパターン322は、支持プラットフォーム302がイメージングシステム308から異なる相対距離に配置された状態で形成することができる。一実施形態ではサンプル318の各々におけるテストパターン322のうちの第1のものは較正距離326の範囲の第1端部において、期待焦点位置328の第1側にある第1較正距離330で形成され、サンプル318の各々におけるテストパターン322のうちの第2のものは較正距離326の範囲の第2端部において、期待焦点位置328の第2側にある第2較正距離332で形成される。実施形態において、第1および第2較正距離330および332は、期待焦点位置328から等距離である。複数の追加テストパターン322が、第1および第2較正距離330および332で形成された第1および第2テストパターンの間に形成される。例えば、各サンプル318内に複数のテストパターン320の各テストパターン322を形成する間に、コントローラ336は支持プラットフォームアクチュエータ334に制御信号を提供して、支持プラットフォームアクチュエータ334に、支持プラットフォーム302を所定の増分(例えば、
図3Aおよび3Bに描かれたz方向に)移動させることができる。したがって、実施形態では、各サンプル318内に形成された複数のテストパターン320の各個別テストパターン322は、期待焦点位置328から別個の較正距離に形成することができる。
【0030】
実施形態において、一旦、支持プラットフォーム302が所望の較正距離(例えば、較正距離326の範囲内)に位置決めされると、コントローラ336は調整可能なビーム方向変更要素310に制御信号を提供し、支持プラットフォーム302に対するエネルギビーム316の相対運動を提供する。例えば、第1較正距離330において、調整可能ビーム方向変更要素310の方向は、テストパターン322のうちの1つの開始点に移動されてもよい。開始点に到達すると、コントローラ336は調整可能ビーム方向変更要素310が所定の移動パターンで移動し、エネルギビーム316が所定の移動パターンに対応する方法で移動してテストパターン322のうちの1つを生成するように、調整可能ビーム方向変更要素310の移動を制御することができる。
【0031】
支持プラットフォーム302が依然として第1較正距離330にある間、コントローラ336は調整可能ビーム方向変更要素310を、テストパターン322のうちの別の1つ(例えば、支持プラットフォーム302上に配置されたサンプル318のうちの別の1つでの別のテストパターン322)を開始する別の1つに向けることができる。このようなプロセスは、支持プラットフォーム302上に配置されたサンプル318の各々に第1較正距離330でテストパターン322が形成されるまで繰り返されてもよい。サンプル318の各々の第1較正距離330においてテストパターン322が形成されると、支持プラットフォームアクチュエータ334は、較正距離326の範囲内で較正距離を調整するために再位置決めされてもよく、更新された較正距離において、サンプル318の各々に追加のテストパターンが形成されてもよい。実施形態において、このようなプロセスは、サンプル318の各々が較正距離326の範囲内の較正距離のセットにおいて同数のテストパターンを含むまで繰り返されてもよい。調整可能なビーム方向変更要素310および支持プラットフォーム302のための移動パターンは単に例示的であり、限定的であることを意味するものではないことを理解されたい。例えば、実施形態において、複数のテストパターン320は他のサンプル318のいずれかを変更するためにエネルギビーム316が再配置される前に、複数の較正距離でサンプル318の個々の1つに形成されてもよい。さらに、サンプル318の各々はその中に形成された複数のテストパターン320内に異なる数のテストパターンを有することができ、各サンプル318内の複数のテストパターン320の各々は、本開示と一致する較正距離および異なる較正距離範囲の異なるセットを使用して形成することができる。
【0032】
実施形態において、サンプル318内のテストパターン322を生成するために使用される調整可能ビーム方向変更要素310のための所定の移動パターンはイメージングシステム308によって引き起こされるエネルギビーム316のエネルギ密度断面における方向依存性を組み込むために、多方向である。実施形態において、調整可能ビーム方向変更要素310に対する所定の移動パターンは、互いに対して角度をなして延びる少なくとも2つの部分を含む。例えば、実施形態において、所定の移動パターンはエネルギビーム316の移動方向(例えば、
図2Bに関して本明細書に記載されているように)と潜在的に位置ずれしているエネルギビーム316のエネルギ密度断面の配向を説明するために、互いに対してある角度で延びる2つのラインでエネルギビームを移動させるように適合される。調整可能なビーム方向変更要素310のための移動パターンに関する詳細は、本明細書において、
図5B、6A、6B、6C、および6Dに関して提供される。
【0033】
さらに
図3Aを参照すると、レーザ処理システム300は、検出器324も含む。検出器324は、支持プラットフォーム302上に配置されたサンプル318内に形成されたテストパターン322を特徴付けるために使用される較正信号を生成する。検出器324によって生成される較正信号の性質は、実装に応じて変化し得る。例えば、実施形態では、検出器324が複数のテストパターン320が形成されたサンプル318の各々の画像を取り込むカメラを含むことができる。実施形態において、レーザ処理システム300のユーザは、検出器324を介して捕捉された画像を見て、複数のテストパターン320の各々における完全なテストパターンの数に基づいて、期待焦点位置328の精度を判断することができる。本明細書に記載されるように、複数のテストパターン320の各々は、較正距離326の範囲内の較正距離のセットを使用して形成されてもよい。実施形態において、期待焦点位置328は較正距離326の範囲内で中央に配置され、較正距離のセットは複数のテストパターン320の各々が期待焦点位置328のいずれかの側に配置された等しい数のテストパターンを含むように選択される。このような場合、期待焦点位置328がある閾値まで正確である場合、期待焦点位置328の第1側(例えば、第1較正距離330に近接している)上の完全なテストパターンの数は期待焦点位置の第2側(例えば、第2較正距離332に近接している)上の完全なテストパターンの数と等しいはずである。
【0034】
本明細書で使用される「完全なテストパターン」という用語は、エネルギビームの移動パターンに大部分が対応するサンプルに対する一セットの変更を指す。例えば、調整可能なビーム方向変更要素310がエネルギビーム316を所定の長さを有する直線に沿って方向付けるように調整される場合、この場合の完全なテストパターンは対応する形状(例えば、所定の長さを有するライン)を有する変更(例えば、溶融プール)を有するサンプル318に対応する。エネルギビーム316が焦点外れであり、サンプルが所定の長さを有する線形特徴を有するように変更されないように、意図された方法でサンプル318を変更するために必要なエネルギ密度を欠く場合、そのような結果は、完全なテストパターンとして特徴付けられない。言い換えれば、エネルギビーム316が、エネルギビーム316の移動パターンに沿った任意の点で所望の方法でサンプル318を変更することができない場合、不完全なテストパターンが生じることになる。
【0035】
実施形態において、コントローラ336はコントローラ336に、検出器324を介して捕捉された画像を分析させ、各テストパターン322が自動化された方法で完全であるか否かを判断させるイメージング処理モジュール等を含む。例えば、イメージング処理モジュールは各テストパターンを(例えば、期待焦点位置328に形成された)ベースラインテストパターンと比較し、テストパターン322の形状がベースラインテストパターンと著しく異ならない場合、特定のテストパターン322が完了したと判定することができる。実施形態において、コントローラ366は期待焦点位置が正確であるか否かを判断するために、期待焦点位置328のいずれかの側で完全であると特徴付けられるテストパターンの数を数えることができる。期待焦点位置328の両側の完全なテストパターンの数に不一致がある場合、コントローラ336はそれに応じて、支持プラットフォーム302上の特定の位置(例えば、サンプル318に対応する)の期待焦点位置を更新することができる。例えば、期待焦点位置328の第1側上の第1数の完全なテストパターンが期待焦点位置328の第2側上の第2数の完全なテストパターンよりも少ない場合、コントローラは、最初の期待焦点位置328の第2側上に配置されるべき期待焦点距離を更新することができる。このようにして、レーザ処理システム300の較正マップを生成するために、支持プラットフォーム302上の様々な位置について期待焦点位置を生成することができる。
【0036】
実施形態において、エネルギビーム316は調整可能ビーム方向変更要素310の所定の移動パターンを用いてサンプル318の様々な部分を通って方向付けられたときに、サンプル318の各々を溶融させて、複数のテストパターン320を生成する。サンプル318の溶融は、放射338を誘発することができる。例えば、実施形態では、放射338は溶融プール光放射である。検出器324は、テストパターン322の完全性を決定するために使用され得る特定のテストパターン322を形成するプロセスにおいて生成される放射338に応答して検出信号を生成する光検出器を含み得る。例えば、検出信号はテストパターン322のうちの特定の1つの完全性を判定するために、完全なテストパターンを形成する際に生成されるシグネチャ応答と比較されてもよい。
【0037】
実施形態では、検出器324がサンプル318内の特定のテストパターン322の生成直後の期間中にサンプル318の温度を測定する温度センサである。例えば、検出器324は、テストパターン322の形成後のサンプル318のレーザ熱影響ゾーン(HAZ)の温度を決定して、テストパターン322の完全性を決定することができる。単一の検出器324のみが描かれているが、レーザ処理システム300は本開示と一致する任意の数の検出器を含んでもよいことを理解されたい。例えば、実施形態では、レーザ処理システム300が本明細書に記載の較正プロセス中に支持プラットフォーム302上に配置された各サンプル318に対して1つの検出器を含み、各テストパターン322に対応する応答を測定するのに必要な時間を短縮する。実施形態において、検出器324(またはレーザ処理システム300に含まれる各検出器)は可動式(例えば、関節アームまたは他のアクチュエータに結合され、図示されない)であってもよく、サンプル318内に形成される各テストパターン322に対応する応答を捕捉する。
【0038】
図4を参照すると、較正プロセス400のフロー図が描かれている。実施形態において、較正プロセス400は期待焦点位置328に対する精度を決定するために、
図3Aおよび
図3Bに関して本明細書に記載されているレーザ処理システム300を介して実行されてもよい。実施形態において、較正プロセス400はエネルギビーム316の移動範囲312の全体にわたって、光学システム304を特徴付けるために、単一時間実行されてもよい。実施形態において、較正プロセス400はエネルギビーム316の移動範囲312の一部(例えば、
図3Bに示されるサンプル318のうちの1つに対応する移動範囲312の一部)の全体にわたって、光学システム304を特徴付けるために実行されてもよい。そのような実施形態では、較正プロセス400が移動範囲312の全体にわたって光学システム304を特徴付けるために、複数の異なる回数実行されてもよい。
【0039】
ブロック402において、テストマテリアルのサンプルが、レーザ処理システム300の支持プラットフォーム302上に提供される。例えば、複数のサンプル318を、所定の配置で支持プラットフォーム302上に配置することができる。所定の配置は、
図3Bに描かれている格子状の配置であってもよい。テストマテリアルは、反復可能かつ検出可能な様式でエネルギビーム316によって改変され得る任意のマテリアルであり得る。例えば、実施形態では、テストマテリアルは、エネルギビーム316が必要なエネルギ密度を有するときにエネルギビーム316を介して溶融される金属箔である。いくつかの実施形態では、テストマテリアルは、エネルギビーム316によって誘発されたテストマテリアル中の改変(例えば、溶融プール)が(例えば、顕微鏡を介してユーザの肉眼によって)視認可能であるような程度まで、エネルギビーム316によって改変される。
【0040】
ブロック404において、支持プラットフォーム302は、期待焦点位置428から較正距離だけ離れた位置に配置される。実施形態において、較正距離は、較正距離326の範囲の第1端部において、期待焦点位置328の第1側上の第1較正距離330である。例えば、コントローラ336は、支持プラットフォームアクチュエータ334に制御信号を提供して、サンプル318が期待焦点位置328から第1較正距離330に配置されるように、イメージングシステム308から第1相対距離に支持プラットフォーム302を配置してもよい。
【0041】
ブロック406において、エネルギビーム316はテストパターンを形成するために、サンプル318の一部を通って導かれる。例えば、コントローラ336は調整可能ビーム方向変更要素310に複数の制御信号を提供して、調整可能ビーム方向変更要素310に、サンプル318の部分で所定の移動パターンでエネルギビーム316を方向付けるようにすることができる。サンプル318においてエネルギビーム316が有するエネルギ密度に応じて、エネルギビーム316は、エネルギビーム316の移動パターンの形状に対応する完全なテストパターンを含むようにサンプル318の部分を変更することができる。エネルギビーム316がサンプル318を溶融するのに必要なエネルギ密度を欠いている場合(例えば、エネルギビーム316がサンプル318で焦点が外れているため)、不完全なテストパターンが生じることがある。実施形態において、サンプル318のうちの第1のものにテストパターン322を形成した後、コントローラ336は調整可能なビーム方向変更要素310に制御信号を送信して、調整可能なビーム方向変更要素310に、エネルギビーム316を追加のテストパターンの開始点に向けさせることができる。追加のテストパターンは、支持プラットフォーム302上に配置された別のサンプル318の一部に形成されてもよい。
【0042】
ブロック408において、支持プラットフォーム302は、較正距離を調整するために移動される。例えば、コントローラ336は支持プラットフォームアクチュエータ334に制御信号を提供して、ブロック404で支持プラットフォーム302が最初に移動された較正距離から支持プラットフォーム302を所定の増分(例えば、50μm、100μm、200μm、1mmなど)で前進させることができる。ブロック410において、エネルギビーム316は調整された較正距離において追加のテストパターンを形成するために、サンプル318の別の部分を通って方向付けられる。調整された較正距離は、追加のテストパターンがブロック406で形成された初期テストパターンと異なる程度まで、エネルギビーム316のエネルギ密度のエネルギ密度を変更することができる。いくつかの実施形態では、追加のテストパターンを、調整された較正距離で支持プラットフォーム302上に配置された他のサンプル318に形成することができる。
【0043】
ブロック412では、コントローラ336が所望のセットの較正距離についてテストパターンが形成されたか否かを判定する。較正距離のセットは、実装によって異なる場合がある。例えば、実施形態では、較正距離のセットが予め定められた増分だけ互いから分離された期待焦点位置328の両側に、等しい数の較正距離を含む。所望のセットの較正距離のためにテストパターンがまだ形成されていない場合、較正プロセス400はブロック408に戻り、較正距離が調整され、追加のテストパターンが形成される。
【0044】
所望のセットの較正距離の各較正距離に対してテストパターンが形成されている場合、較正プロセスはブロック414に進み、ここで、テストパターンにおけるマテリアルの変更のレベルが評価されて、期待焦点位置328の精度が決定される。
図5A、
図5B、
図5C、および
図5Dを参照すると、異なる複数のテストパターン512a、512b、512c、512dが形成されたサンプル500が各々概略的に示されている。実施形態によっては、サンプル500が期待焦点位置328の第1側に形成された複数の第1テストパターン502a、502b、502c、および502dと、期待焦点位置328の第2側に形成された複数の第2テストパターン504a、504b、504c、および504dとを含む。
【0045】
複数のテストパターン502a、502b、502c、502d、504a、504b、504c、および504dの異なる形状は、較正プロセス400の性能において使用され得るエネルギビーム316のための様々な移動パターンを表す。例えば、
図5Aに示す複数のテストパターン502aおよび504aの各テストパターンは互いに対して鋭角に延びる複数のラインを含み、エネルギビーム316の断面は、各ラインに対して異なる向きにすることができる。
図5Bに示される複数のテストパターン502bおよび504bにおける各テストパターンは、エネルギビーム316の断面形状と走査方向との間の異なる相対的配向をテストするために互いに様々な角度で延びる複数の連結された直線セグメントを含む八角形状である。
図5Cに示される複数のテストパターン502cおよび504cの各テストパターンは、ラインがその中心で交差してアスタリスクパターンを形成することを除いて、複数のテストパターン502aおよび504aのテストパターンと同様であってもよい。複数のテストパターン502dおよび504dにおける各テストパターンはエネルギビーム316の断面間の相対的配向がエネルギビーム316の移動パターン全体にわたって変化するように、実質的に円形状である。
【0046】
複数のテストパターン502a、502b、502c、502d、504a、504b、504c、および504dにおける各テストパターンは異なる完了レベル(例えば、サンプル500において生成されたテストパターンと、サンプルのその部分を通るエネルギビーム316の移動パターンとの間の異なる対応レベル)を有し得る。例えば、
図5A、5B、5C、および5Dの各々に示されるように、複数の第1テストパターン502a、502b、502c、および502dの各々は、実質的に不完全であり、サンプル500がその中でほとんど変更されない第1テストパターン506a、506b、506c、および506dを各々含む(例えば、較正距離326の範囲の端部に第1較正距離330で形成される)。複数の第1テストパターン502a、502b、502c、および502dの各々はさらに、第2テストパターン508a、508b、508c、および508dを各々含み(例えば、較正距離326の範囲内で第1較正距離330よりも近い較正距離で形成される)、これは、第1テストパターン506a、506b、506c、および506dにおけるよりも、実質的により目立つ(例えば、サンプル500はその中でより大きく変更される)。複数の第1テストパターン502a、502b、502c、および502dの各々はさらに、各々、第3テストパターン510a、510b、510c、および510d(例えば、第2テストパターン508a、508b、508c、および508dとは異なる較正距離で形成される)を含み、これは、そのサンプル500における第2テストパターン508a、508b、508c、および508dよりもさらに完全であり、かつ顕著である。
【0047】
図5Eを参照すると、
図5Aの第3テストパターン510aがより詳細に示されている。第3テストパターン510aは完全なテストパターンであり、したがって、サンプル500のその部分にわたるエネルギビーム316の移動パターンの形状にほぼ対応する。テストパターン510a(従って、調整可能なビーム方向変更要素310によって引き起こされるエネルギビーム316の関連する移動パターン)は、第1ライン516、第2ライン518、第3ライン520、および第4ライン524を含む。実施形態において、第1ライン516は、調整可能ビーム方向変更要素310の第1主走査軸に沿って延在する。例えば、調整可能なビーム方向変更要素310は第1主軸に沿ってエネルギビーム316を移動させるために回転可能な第1ミラー(例えば、
図5Bに描かれたx方向に延在する)と、第2主軸に沿ってエネルギビーム316を移動させるために回転可能な第2ミラー(例えば、
図5Bに描かれたy方向に延在する)とを有する2軸ガルボスキャナを含んでもよい。第1および第2ミラーの移動の組み合わせは、第1および第2主軸から外れる方向に沿って(例えば、第3および第4ライン520および524に沿って)エネルギビームを移動させることができる。(例えば、
図2Bに関して本明細書に記載されるように、エネルギビーム316の移動方向に関して、エネルギビーム316の楕円エネルギ密度断面の配向を回転させる効果をテストするために、)第1および第2ライン516および518をテストパターンに含めることは、主軸に沿ったエネルギビーム316のエネルギ密度を有益に特徴付ける。例えば、実施形態では、第1ライン516を生成するためにサンプル500に沿って走査されるとき、(例えば、
図2Bに関して説明した第2エネルギ密度断面210と同様に、)エネルギビーム316はエネルギビーム316の移動方向と整列した長軸を有する楕円形の断面を有することができる。
【0048】
第3ライン520は、第1ライン516に対して第1鋭角522で延在する。第4ライン524は、第3ライン520から第2鋭角526で延びる。第1ライン516から異なる角度で延びる第3および第4ライン520および524を含めることにより、エネルギビーム316の移動方向に関して、エネルギビーム316のエネルギ密度断面の異なる配向を考慮に入れることが容易になる。例えば、
図5Aに戻って参照すると、第2テストパターン508bにおいて、第1ライン516は実質的に完全であり、第3テストパターン510aにおける第1ライン516に対応するように見える。しかしながら、第2テストパターン508aの第2、第3、および第4ライン518、520、および524は実質的に不完全である(例えば、サンプル500は、第3テストパターン510aと比較して、第2テストパターン508aの第2、第3、および第4ライン518、520、および524に沿って同じ程度に変更されない)。第2テストパターン508aと第3テストパターン510aとの間のそのような差は、第2、第3、および第4ライン518、520、および524に沿った移動方向と、エネルギビーム316のエネルギ密度断面のミスアラインメントの結果として生じ得る。このような位置ずれは第3テストパターン510aの製造中に依然として存在し得るが、第3テストパターン510aは期待焦点位置328からより小さい較正距離で生成されてもよい。そのように、第3テストパターン510aの生成中、エネルギビーム316は一般に、第2テストパターン508aを生成するときよりも高いエネルギ密度を有し、したがって、より完全なテストパターンを生成する。
【0049】
図5Fを参照すると、
図5Bの第3テストパターン510bがより詳細に示されている。実施形態において、第3テストパターン510bは実質的に完全であり、その結果、サンプル500は、エネルギビーム316の移動パターンにほぼ対応するように変更される。図示されるように、第3テストパターン510bは実質的に八角形状であり、第1方向(例えば、
図5Fに描かれるY方向)に延在する第1セットのセグメント528と、第2方向(例えば、
図5Fに描かれるX方向)に延在する第2セットのセグメント530とを備える。実施形態において、第1および第2セットのセグメント528および530はそれらの軸に沿ったエネルギビーム316のマテリアル変更能力をテストするために、調整可能ビーム方向変更要素310の主走査軸に沿って延在する。第3セットのセグメント532は、第1セットのセグメント528と第2セットのセグメント530とを接続する。第3セットのセグメントは第2セットのセグメント530に対して第1角度534で延在し、第1セットのセグメント528に対して第2角度536で延在することができる。実施形態では第1角度534が第2角度536に等しく、八角形形状を形成するが、第1および第2角度534および536についての様々な値はエネルギビーム316の異なる相対的配向およびその移動方向をテストするために、第3テストパターン510b全体にわたって選択されてもよい。
【0050】
前述の議論によって例示されるように、較正プロセス400がエネルギビーム316のエネルギ密度の様々な方向依存性を組み込むように、較正プロセス400において使用されるエネルギビーム316の様々な多方向移動パターンは、エネルギビーム316のテストマテリアルを変更する能力のより完全な特徴付けを提供する。加えて、エネルギビーム316の異なる移動パターンが、較正プロセス400の単一の反復にわたって使用されてもよいことが理解されるべきである。
【0051】
実施形態において、期待焦点位置328の精度を決定するために、レーザ処理システム300のユーザは、期待焦点位置328のいずれかの側に形成された完全なテストパターンの数をカウントする。いくつかの実施形態では、コントローラ336が画像比較アルゴリズムによって完全なテストパターンの数を識別することができる。
図5Aに図示された例では複数の第1テストパターン502aが概ね1の完全なテストパターンを含んでいるように見えるのに対し、複数の第2テストパターン504aは概ね0の完全なテストパターンを含んでいるように見える。このような不均衡は、光学システム304の実際の焦点位置が期待焦点位置328の第1側にあることを示す。いくつかの実施形態では期待焦点位置の各側の完全なテストパターンの数に基づいて、コントローラ336は期待焦点位置を更新することができる。実施形態において、較正プロセス400は、更新された期待焦点位置を用いて繰り返され、更新された期待焦点位置の精度を決定してもよい。
【0052】
図6を参照すると、較正プロセス700のフロー図が描かれている。実施形態において、較正プロセス700は、
図3Aおよび3Bに関して本明細書に記載されるレーザ処理システム300を介して実行され、レーザ処理システム300の較正モデルに光学システム304の期待焦点位置328を組み込むことができる。例えば、期待焦点位置328は支持プラットフォーム302上の特定の位置(例えば、エネルギビーム316がホームポジション314から著しく逸脱するよう)に関連付けられてもよい。実施形態において、処理700は支持プラットフォーム302上の複数の異なる位置について繰り返されて、光学システム304の複数の期待焦点位置の精度を決定し、光学システム304のための3次元較正マップを生成してもよい。
【0053】
ブロック702において、テストマテリアルのサンプルが、レーザ処理システム300の支持プラットフォーム302上に提供される。例えば、サンプル318を支持プラットフォーム302上に配置することができる。実施形態では、複数のサンプル318を、所定の配置で支持プラットフォーム302上に配置することができる。所定の配置は、
図3Bに描かれている格子状の配置であってもよい。テストマテリアルは、反復可能かつ検出可能な様式でエネルギビーム316によって改変され得る任意のマテリアルであり得る。例えば、実施形態では、テストマテリアルは、エネルギビーム316が必要なエネルギ密度を有するときにエネルギビーム316を介して溶融される金属箔である。いくつかの実施形態では、テストマテリアルがエネルギビーム316によって誘発されたテストマテリアル中の改変(例えば、溶融プール)が(例えば、顕微鏡を介してユーザの肉眼によって)視認可能であるような程度まで、エネルギビーム316によって改変される。
【0054】
ブロック704において、複数のテストパターンがサンプルの複数の部分に形成される。例えば、実施形態では、ブロック704が
図4に関して説明した較正プロセス400のブロック404、406、408、410、および412に対応し、複数のテストパターンが光学システム304の期待焦点位置から様々な異なる較正距離でサンプル318の様々な部分に形成されるようにすることができる。各テストパターンを形成するために、エネルギビーム316を本明細書に記載される多方向移動パターンで移動させることができる。
【0055】
ブロック706では、ブロック704で形成された複数のテストパターンに基づいて、光学システム304の期待焦点位置の精度が決定される。いくつかの実施形態では、ブロック706中に、コントローラ336は期待焦点位置の精度を評価するために、期待焦点位置のいずれかの側に配置された完全なテストパターンの数を決定するために、画像(例えば、
図5Aに関して説明したサンプル500の画像と同様の)を分析することができる。いくつかの実施形態では、期待焦点位置の精度を決定する際に、テストパターンの追加のアスペクトを評価することができる。例えば、実施形態では、検出器324が複数のテストパターンの形成中に放射338(例えば、その赤外線成分)を測定することによって検出信号を生成することによって、(例えば、サンプル318が金属物品である場合に)溶融プールからの放射を測定することができる。実施形態では、カメラ(例えば、検出器324と同じ場所に配置され、および/または検出器324に組み込まれている)が複数のテストパターンの形成中に溶融プールの画像を捕捉する。実施形態において、複数のテストパターンが形成された後、サンプル318は少なくとも1つの区分(例えば、複数のテストパターンの少なくとも一部を通って延在し、複数の移動パターンにおいてエネルギビーム316の移動方向に対して垂直に延在する断面)に分割される。少なくとも1つの区分に分割した後、サンプル318を研磨し、顕微鏡下で検査して、テストパターンの完全性または期待焦点位置の精度を評価する際に、複数のテストパターンの溶融または燃焼断面を測定することができる。
【0056】
ブロック708において、コントローラ336は、期待焦点位置が閾値に対して正確であるかどうかを判定する。例えば、期待焦点位置のいずれかの側の完全なテストパターンの数が実質的に等しくない場合(例えば、互いに等しいか又は2のような閾値より小さく異なる場合)、コントローラ336は期待焦点位置が正確でないと判断し、ブロック710内の期待焦点位置を調整することができる。実施形態において、期待焦点位置を調整した後、較正プロセス700は、調整された期待焦点位置の精度を決定するために繰り返されてもよい。
【0057】
実施形態において、期待焦点位置のいずれかの側の完全なテストパターンの数が実質的に等しい場合(例えば、互いに等しいかまたは2のような閾値よりも小さく異なる場合)、コントローラ336は期待焦点位置が十分に正確であると判断し、期待焦点位置をレーザ処理システム300の較正モデルに組み込む。例えば、期待焦点位置は支持プラットフォーム302上の特定の位置(例えば、テストパターンがブロック704の間に形成されたときのサンプル318の中心の位置)に関連付けられ、将来のワークピースを処理するためのエネルギビーム316のための様々な移動パターンを形成するプロセスで使用され得る。
【0058】
前述の説明に鑑みて、光学システムの期待焦点位置の精度を評価するために、エネルギビームを多方向移動パターンで移動させてテストマテリアルのサンプル中に複数のテストパターンを形成することは、既存の方法よりも焦点位置のより正確な評価を提供することがここで理解されるべきである。特に、そのような方法は光学システムの様々な方向依存性をテストパターンの形成に組み込み、それにより、光学システムのより完全な特性評価を提供し、従って、レーザ加工装置が所望の方法でワークピースを変更するのに十分なエネルギ密度を有する特定の位置を決定するための、より正確な較正マップの生成を容易にする。
【0059】
本明細書で使用される「約」という語は、量、サイズ、式、パラメータ、および他の量および特性が厳密である必要はなく、必要に応じて、公差、変換率、四捨五入、計測誤差など、および当業者に知られている他の要因を反映して、近似的および/またはより大きく、またはより小さくてもよいことを意味する。用語「約」が、範囲の値または終点を記述する際に使用される場合、参照される特定の値または終点が含まれる。本明細書中の範囲の数値または終点が「約」と記載されているか否かにかかわらず、2つの実施形態が説明される。1つは「約」によって変更され、1つは「約」によって変更されない。範囲の各々の終点は、他の終点との関係において、および他の終点とは独立して、両方とも有意であることがさらに理解されるであろう。
【0060】
本明細書で使用される方向用語(例えば、上、下、右、左、前、後、上、下)は描かれた図を参照するだけであり、絶対的な向きを意味することを意図しない。
【0061】
特に明記しない限り、本明細書に記載される任意の方法は、そのステップが特定の順序で実行されることを必要とするものとして解釈されることも、任意の装置の特定の向きを必要とするものとして解釈されることも、決して意図されていない。したがって、方法クレームがそのステップが従うべき順序を実際に列挙していない場合、または任意の装置クレームが個々の構成要素に対する順序または向きを実際に列挙していない場合、またはステップが特定の順序に限定されるべきであること、または装置の構成要素に対する特定の順序または向きが列挙されていないことは、いかなる点においても、順序または向きが推論されることは決して意図されていない。これは、ステップの配置、動作フロー、構成要素の順序、または構成要素の向きに関する論理の事項、文法編成または句読点から導出される平易な意味、および本明細書に記載される実施形態の数またはタイプを含む、解釈のための任意の可能な非明示的な基礎に当てはまる。
【0062】
本明細書で使用される場合、単数形「1つの」などは文脈が明らかに別段の指示をしない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「1つの」構成要素への言及は文脈が別段に明確に示さない限り、2つ以上のそのような構成要素を有する態様を含む。
【0063】
開示のさらなる態様は、主題により以下の付記において提供される。
(付記1)
レーザ処理システムの光学システムを特徴付ける方法であって、
所定の移動パターンに従って、前記光学システムの調整可能なビーム方向変更要素の方向を調整することによって、サンプルの複数の部分にエネルギビームを向け、各部分において前記サンプルに複数のテストパターンを形成し、
前記光学システムは期待焦点位置を有するイメージングシステムを含み、
前記移動パターンは各テストパターンの形成において、前記エネルギビームが前記サンプルの複数の異なる方向に向けられるように、複数の移動を含み、
複数の前記テストパターンのうちの少なくとも2つは、前記光学システムの期待焦点位置から異なる較正距離で形成され、
複数の前記テストパターンにおいて、前記エネルギビームによって引き起こされる前記サンプルの変更のレベルを検出することによって、前記イメージングシステムの前記期待焦点位置の精度を決定する、
方法。
(付記2)
前記移動パターンは、第1方向に延在する第1ラインと、前記第1方向に対して鋭角の第1角度で第2方向に延在する第2ラインと、をさらに含む、付記1の方法。
(付記3)
前記移動パターンは前記第1方向に対して鋭角の第2角度で第3方向に延在する第3ラインをさらに含み、前記第2角度は前記第1角度よりも大きい、付記2の方法。
(付記4)
前記移動パターンの前記複数の移動が、前記サンプルにおいて前記エネルギビームを非線形曲線に向ける、付記1の方法。
(付記5)
前記移動パターンの間、前記エネルギビームが複数の前記異なる方向の1つの方向に向けられると、前記エネルギビームのエネルギ密度断面が前記方向とずれる、付記1の方法。
(付記6)
前記サンプルの複数の前記テストパターンの各々は前記期待焦点位置から較正距離の範囲内の異なる較正距離で形成され、
前記テストパターンの第1テストパターンは前記期待焦点位置の第1側における第1端部較正距離で形成され、
前記テストパターンの第2テストパターンは前記期待焦点位置の第2側における第2端部較正距離で形成され、
前記期待焦点位置は前記第1端部較正距離と前記第2端部較正距離との間の中央に配置される、
付記1の方法。
(付記7)
複数の前記テストパターンは前記第1テストパターンと前記第2テストパターンとの間に複数の追加テストパターンを含み、
複数の前記追加テストパターンは、前記第1端部較正距離と前記第2端部較正距離との間の等間隔の較正距離で形成される、
付記6の方法。
(付記8)
前記光学システムの前記期待焦点位置の精度を決定することは、前記期待焦点位置の前記第1側の第1数の完全なテストパターンと、前記期待焦点位置の前記第2側の第2数の完全なテストパターンとを決定することを含む、付記7の方法。
(付記9)
前記期待焦点位置の精度を決定することは、
検出器を使用して、複数の前記テストパターンを含む前記サンプルの画像を捕捉し、
複数の前記テストパターンのうちの少なくとも1つの完全性を判定するために、前記検出器に通信可能に結合された計算システムを使用して、画像を処理する、
ことを含む、付記1の方法。
(付記10)
前記サンプルは金属物品を含み、前記金属物品はインゴット、3次元金属物品、およびプレートのうちの少なくとも1つを含み、
複数の前記テストパターンを形成するために前記サンプルの複数の部分を通して前記エネルギビームを向けることは、複数の前記部分の各々で前記金属物品を溶融し、溶融プールを生成する、
付記1の方法。
(付記11)
前記サンプルが、前記金属物品の表面上に配置された粉末層をさらに含む、付記10の方法。
(付記12)
前記期待焦点位置の精度を決定することは、
複数の前記テストパターン形成中の前記溶融プールからの電磁放射を測定すること、
検出器を用いて複数の前記テストパターン形成中の前記溶融プールの画像を捕捉すること、
顕微鏡を用いて前記サンプルの断面を調べること、
の少なくとも1つを含み、
前記断面は、複数の前記テストパターンの少なくとも部分内で複数の前記テストパターンに垂直な面内でとられる、
付記10の方法。
(付記13)
前記サンプルはレーザペーパーを含み、複数の前記テストパターンは、前記サンプル上の燃焼領域を含む、付記1の方法。
(付記14)
レーザ処理システムの光学システムの焦点位置を決定する方法であって、
前記光学システムからの距離範囲の複数の異なる距離にサンプルを配置し、
前記距離範囲は、前記光学システムの期待焦点位置を含み、
各距離に対して、レーザ処理システムの調整可能なビーム方向変更要素を使用して、所定の移動パターンで、前記サンプルの別個の部分を通してエネルギビームを向け、各部分において前記サンプルに複数のテストパターンを形成し、
前記移動パターンは、各テストパターンの形成において前記サンプルの複数の異なる方向に前記エネルギビームが向けられるように、複数の移動を含み、
前記期待焦点位置が前記光学システムの実際の焦点距離と一致するか、または実質的に一致するかを判定するために、複数の前記テストパターンを検査する、
方法。
(付記15)
所定の前記移動パターンは複数のラインを含み、
複数の前記ラインの各々は異なる方向に延び、
複数の前記ラインの少なくとも2つは、調整可能な前記ビーム方向変更要素の主軸に対して鋭角に延びる、
付記14の方法。
(付記16)
前記移動パターンの複数の前記移動は、前記サンプルにおいて前記エネルギビームを非線形曲線に向ける、付記14の方法。
(付記17)
前記光学システムの前記期待焦点位置は前記距離範囲の中心にあり、
複数の前記距離は前記距離範囲全体にわたって等間隔であり、
前記期待焦点位置が前記光学システムの実際の焦点距離と一致するか、または実質的に一致するかを判定するために、複数の前記テストパターンを検査することは、前記期待焦点位置のいずれかの側の完全なテストパターンの数を判定することを含む、
付記14の方法。
(付記18)
エネルギビームを放射するように構成されたエネルギビーム源と、
調整可能なビーム方向変更要素であって、調整可能な前記ビーム方向変更要素の構成に基づいて、支持プラットフォームに向かって前記エネルギビームを向けるように構成された調整可能なビーム方向変更要素と、
前記支持プラットフォームに連結された支持プラットフォームアクチュエータであって、前記支持プラットフォームアクチュエータは、前記支持プラットフォームと調整可能な前記ビーム方向変更要素との間の距離を調整する方向に移動可能である、支持プラットフォームアクチュエータと、
前記エネルギビーム源と前記支持プラットフォームとの間に配置された光学システムであって、前記エネルギビームのエネルギ密度が最大である焦点位置を有する光学システムと、
前記支持プラットフォームを捕捉する視野を有する検出器と、
調整可能な前記ビーム方向変更要素、前記支持プラットフォームアクチュエータ、および前記検出器の各々に通信可能に結合されたコントローラであって、
調整可能な前記ビーム方向変更要素からの距離範囲の複数の距離に移動するように前記支持プラットフォームを向け、
前記距離範囲は、前記光学システムの期待焦点位置を含み、
複数の前記距離の各々の距離に対して、調整可能な前記ビーム方向変更要素に、所定の移動パターンで前記支持プラットフォーム上に配置されたサンプルの別々の部分を介して前記エネルギビームを向けさせ、各部分において前記サンプルに複数のテストパターンを形成し、
所定の前記移動パターンは、各テストパターンの形成において、前記エネルギビームが前記サンプルの複数の異なる方向に向けられるように、複数の移動を含み、
前記検出器を用いて複数の前記テストパターンを含む画像を捕捉し、
複数の前記テストパターンの各々において、前記サンプル中のマテリアル変更量に基づいて、前記期待焦点位置の精度を決定するために、前記画像を分析する、
ように構成されたコントローラと、
を含む、レーザ処理システム。
(付記19)
所定の前記移動パターンは複数のラインを含み、
複数の前記ラインの各々は、異なる方向に延びる、
付記18の走査システム。
(付記20)
前記サンプルが金属箔を含み、
複数の前記テストパターンを形成するために前記サンプルの部分を通して前記エネルギビームを向けることが、前記部分の各々において前記金属箔を溶融させ、溶融プールを生成する、付記18の走査システム。
【0064】
当業者には、特許請求される主題の思想および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される実施形態に対して様々な変更および変形を行うことができることが明らかであろう。したがって、本明細書はそのような変更および変形が添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内に入る限り、本明細書に記載される様々な実施形態の変更および変形を包含することが意図される。