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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】電子部品モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/42 20060101AFI20240820BHJP
   H01R 12/55 20110101ALI20240820BHJP
   H02G 3/16 20060101ALI20240820BHJP
   H05K 1/14 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
H01R13/42 G
H01R12/55
H02G3/16
H05K1/14 G
H05K1/14 H
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022075179
(22)【出願日】2022-04-28
(65)【公開番号】P2023163936
(43)【公開日】2023-11-10
【審査請求日】2023-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】土井 哲平
(72)【発明者】
【氏名】藤本 譲
(72)【発明者】
【氏名】村山 翼
(72)【発明者】
【氏名】村井 剛太
(72)【発明者】
【氏名】塚本 朗仁
(72)【発明者】
【氏名】布谷 稔樹
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/087592(US,A1)
【文献】特開2014-049329(JP,A)
【文献】特開2007-103088(JP,A)
【文献】特開2008-053090(JP,A)
【文献】特開2018-067614(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/42
H01R 12/55
H02G 3/16
H05K 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに向かい合うように配置される第1基板及び第2基板と、
複数の棒状の端子部と、前記複数の前記端子部が互いに間隔をあけて挿入されて保持される複数の挿入孔を有する保持部と、を有し、前記第1基板と前記第2基板との間に配置される基板間接続部と、を備える、電子部品モジュールであって、
前記複数の前記端子部の各々は、
前記挿入孔への当該端子部の挿入方向における当該端子部の一端と他端との間に、前記挿入方向に交差する第1方向の両側に当該端子部から突出する突出部を、有するとともに、前記一端が前記第1基板に電気的に接続され、且つ、前記他端が前記第2基板に電気的に接続され、
前記保持部は、前記挿入方向における前記端子部の挿入向きと逆向き側の前記複数の前記挿入孔の端部の各々に、前記挿入向き側に窪み、前記逆向き側に開口し且つ前記突出部が収容された収容凹部を有し、
前記基板間接続部は、
前記第1方向に互いに隣り合う第1の前記収容凹部第2の前記収容凹部との間を仕切る第1隔壁の前記逆向き側の端面が、前記第1の前記収容凹部及び前記第2の前記収容凹部の各々に収容された記突出部の前記逆向き側の端面より前記逆向き側に位置し、前記挿入方向に交差し且つ前記第1方向に直交する第2方向に互いに隣り合う第3の前記収容凹部と第4の前記収容凹部との間を仕切る第2隔壁の前記逆向き側の端面が、前記第3の前記収容凹部及び前記第4の前記収容凹部の各々に収容された前記突出部の前記逆向き側の端面より前記挿入向き側に位置する、ように構成される、
電子部品モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の電子部品モジュールにおいて、
前記基板間接続部の前記第1隔壁は、
前記挿入方向における当該第1隔壁の前記逆向き側の端に近づくにつれて当該第1隔壁の断面積が小さくなる先細り形状を、少なくとも前記逆向き側の端の周辺に有する、
電子部品モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の電子部品を実装した複数の回路基板を備えた電子部品モジュールが提案されている。例えば、従来の電子部品モジュールの一つは、一対の回路基板を互いに向かい合うように配置するとともに、一方の回路基板に設けたオスコネクタと、他方の回路基板に設けたメスコネクタと、を嵌合させることで、一対の回路基板の間での電気的接続を図るようになっている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-067614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の電子部品モジュールでは、コネクタ嵌合で電気的接続を図る構造上、一方の回路基板と他方の回路基板との間に、少なくともオスコネクタ及びメスコネクタの外形に相当するスペースが求められる。その結果、このスペースの分だけ、電子部品モジュールが大型化することになる。更に、一方の回路基板に複数のオスコネクタを設け、他方の回路基板に複数のメスコネクタを設け、複数の箇所でコネクタ嵌合を図る場合、オスコネクタ及びメスコネクタの部品点数の増大や部品管理の煩雑化により、電子部品モジュールの製造コストが高まることになる。
【0005】
本発明の目的の一つは、小型化や製造コストの低減が可能な電子部品モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明に係る電子部品モジュールは、以下を特徴としている。
【0007】
互いに向かい合うように配置される第1基板及び第2基板と、
複数の棒状の端子部と、前記複数の前記端子部が互いに間隔をあけて挿入されて保持される複数の挿入孔を有する保持部と、を有し、前記第1基板と前記第2基板との間に配置される基板間接続部と、を備える、電子部品モジュールであって、
前記複数の前記端子部の各々は、
前記挿入孔への当該端子部の挿入方向における当該端子部の一端と他端との間に、前記挿入方向に交差する第1方向の両側に当該端子部から突出する突出部を、有するとともに、前記一端が前記第1基板に電気的に接続され、且つ、前記他端が前記第2基板に電気的に接続され、
前記保持部は、前記挿入方向における前記端子部の挿入向きと逆向き側の前記複数の前記挿入孔の端部の各々に、前記挿入向き側に窪み、前記逆向き側に開口し且つ前記突出部が収容された収容凹部を有し、
前記基板間接続部は、
前記第1方向に互いに隣り合う第1の前記収容凹部第2の前記収容凹部との間を仕切る第1隔壁の前記逆向き側の端面が、前記第1の前記収容凹部及び前記第2の前記収容凹部の各々に収容された記突出部の前記逆向き側の端面より前記逆向き側に位置し、前記挿入方向に交差し且つ前記第1方向に直交する第2方向に互いに隣り合う第3の前記収容凹部と第4の前記収容凹部との間を仕切る第2隔壁の前記逆向き側の端面が、前記第3の前記収容凹部及び前記第4の前記収容凹部の各々に収容された前記突出部の前記逆向き側の端面より前記挿入向き側に位置する、ように構成される、
電子部品モジュールであること。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る電子部品モジュールによれば、複数の棒状の端子部(例えば、ピン端子)が保持部に保持された基板間接続部(例えば、ピンヘッダ)が、第1基板と第2基板との間に配置される。更に、それら端子部の一端を第1基板に電気的に接続し、且つ、それら端子部の他端が第2基板に電気的に接続されることで、第1基板と第2基板との間の電気的接続が図られる。よって、従来の電子部品モジュールのようにコネクタ嵌合を用いる場合に比べ、部品点数が少なくなることで製造コストの低減を図ることができ、且つ、コネクタ嵌合よりもシンプルな接続構造であるため基板間のスペースが小さくなることで、電子部品モジュールの小型化を図ることができる。
【0009】
更に、基板間接続部に設けられる挿入孔の間が隔壁で仕切られるとともに、挿入孔に保持された端子部の突出部を挿入方向において超える位置まで、その隔壁が延びている。よって、隣り合う端子部の突出部同士の間の沿面距離が、突出部同士を直線状に結ぶ場合の沿面距離に比べ、突出部同士を結ぶ直線を隔壁が遮る分だけ、長くなる。その結果、複数の端子部を保持部に高密度に配置しても、端子部同士の間の適正な絶縁を図ることができる。この点も、電子部品モジュールの小型化や製造コストの低減に貢献する。
【0010】
したがって、本発明によれば、電子部品モジュールの小型化や製造コストの低減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る電子部品モジュールの斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る電子部品モジュールの分解斜視図である。
図3図3は、図1のA-A断面である。
図4図4は、電子部品モジュールに用いられるピンヘッダの斜視図である。
図5図5は、図4のB部分の拡大図である。
図6図6は、図5のC-C断面である。
図7図7は、ピン端子がハウジングに圧入される様子を表す、図6に相当する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態>
以下、図面を参照しながら、図1に示す本発明の実施形態に係る電子部品モジュール1について説明する。電子部品モジュール1は、典型的には、車両に搭載される通信、制御、電力分配、及び、電力供給等を目的とした電気接続箱に内蔵されて用いられる。
【0013】
以下、説明の便宜上、図1に示すように、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」及び「下」を定義する。「前後方向」、「左右方向」及び「上下方向」は、互いに直交している。なお、これら方向は、説明の便宜上定義されているものであり、電子部品モジュール1の車両搭載時における車両の前後方向、左右方向及び上下方向に必ずしも対応する必要はない。
【0014】
電子部品モジュール1は、第1基板10と、第2基板20と、第1基板10と第2基板20とを電気的に接続するピンヘッダ30と、を備える(図1図3を参照)。
【0015】
第1基板10は、電子部品モジュール1における補助基板であり、第2基板20と上下方向において対向して配置される。第1基板10は、平板形状に形成されており、硬質な材料、例えばベークライト、紙フェノール、ガラスエポキシ樹脂などで形成されており、第1基板10に実装された複数の電子部品11同士を接続するプリント配線(図示省略)、及び、第1基板10と第2基板20とを電気的に接続する際に用いられるプリント配線(図示省略)が表面又は裏面の少なくとも一面に形成されている(図1図2参照)。
【0016】
第1基板10には、表面から裏面まで貫通する複数の固定孔12が設けられている。固定孔12には、ピンヘッダ30が有する上部固定突起31が挿入されることになる。固定孔12は、ピンヘッダ30の数に応じて複数形成されている。更に、第1基板10には、表面から裏面まで貫通する複数の端子孔13が設けられている。端子孔13は、ピンヘッダ30に設けられるピン端子32の上端部32aが挿入されて、ピン端子32の上端部32aとプリント配線とをハンダ付けするように用いられる(図3参照)。
【0017】
第2基板20は、電子部品モジュール1における主基板である。第2基板20は、平板形状に形成されており、硬質な材料、例えばベークライト、紙フェノール、ガラスエポキシ樹脂などで形成されており、第2基板20に実装された複数の電子部品21同士を電気的に接続するプリント配線(図示省略)、第1基板10と第2基板20とを電気的に接続する際に用いられるプリント配線(図示省略)が表面又は裏面の少なくとも一面に形成されている。
【0018】
第2基板20には、表面から裏面まで貫通する複数の固定孔22が設けられている。固定孔22には、ピンヘッダ30が有する下部固定突起33が挿入されることになる。固定孔22は、ピンヘッダ30の数に応じて複数形成されている。更に、第2基板20には、表面から裏面まで貫通する複数の端子孔23が設けられている。端子孔23は、ピンヘッダ30に設けられるピン端子32の下端部32bが挿入されて、ピン端子32の下端部32bとプリント配線とをハンダ付けするように用いられる。
【0019】
第2基板20には、複数のコネクタ24が実装されている。複数のコネクタ24には、各種の外部機器や電源(図示省略)から延びる電線の端末等に設けられた相手側コネクタ(図示省略)が嵌合される。このようなコネクタ嵌合により、第1基板10に実装された電子部品11や第2基板20に実装された電子部品21と、外部機器や電源と、が電気的に接続されることになる。
【0020】
ピンヘッダ30は、複数のピン端子32と、複数のピン端子32が挿入(圧入)されて固定される複数の挿入孔34を有する樹脂製のハウジング35と、を有している。ハウジング35は、その左端部及び右端部において上下方向に伸びる基板固定部35aと、左端側の基板固定部35aと右端側の基板固定部35aとを繋ぐように左右方向に延びる端子保持部35bと、を有している。左端側の基板固定部35aの上面には、上部固定突起31が上方に向けて立設されている。右端側の基板固定部35aの上面には、上部固定突起31が上方に向けて立設され、右端側の基板固定部35aの下面には、下部固定突起33が下方に向けて立設されている(図4参照)。
【0021】
ピンヘッダ30の端子保持部35bには、左右方向に並ぶ複数の(本例では、7個の)挿入孔34が、前後方向に2列並ぶように、配置されている。挿入孔34の各々には、ピン端子32が圧入されている。ピン端子32は、上下方向に延びる棒状の形状を有し、その上端部32aと下端部32bとの間の略中央部において、挿入孔34への挿入方向に交差する方向に突出する突出部32cを有している。突出部32cは、図7に示すように、ピン端子32が挿入孔34に圧入される際に、圧入用治具51を押し当てるための部分である。ピン端子32が挿入孔34に圧入完了した状態で、突出部32cは、挿入孔34の上部に配置された収容空間36の中に収容された状態となる。
【0022】
ピン端子32は、突出部32cよりも下方の複数箇所において、ピン端子32から左右方向に突出する係合突起32dを有している(図6図7参照)。係合突起32dは、ピン端子32が挿入孔34に圧入されるとき、挿入孔34の内壁に押圧するように係合する。これにより、ピン端子32が上下方向において固定され、上下方向におけるピン端子32の位置ズレが抑制されている。
【0023】
図5及び図6に示すように、ピン端子32の突出部32cが収容される収容空間36同士は、左右方向において、隔壁37によって仕切られている。隔壁37の上端部(即ち、ピン端子32の挿入方向における延出端の部分)は、突出部32cの上面よりも距離D(D>0)だけ上方に位置している。換言すると、隔壁37は、端子部32の突出部32cを、挿入方向(上下方向)において上方に超える位置まで延出している。このように隔壁37が延出することで、隣り合うピン端子32の突出部32c同士の間の距離(沿面距離)が、突出部32c同士を直線状に結ぶ場合の沿面距離に比べ、突出部32c同士を結ぶ直線を隔壁37が遮る分だけ、長くなる。その結果、ピン端子32同士の間の絶縁性が向上することになる。
【0024】
更に、隔壁37の上端部(延出端)は、その上端部に近づくにつれて隔壁37の断面積が小さくなる(具体的には、左右方向における厚さが薄くなる)先細り形状を有している(図5図7参照)。隔壁37がこのような先細り形状を有することで、図7に示すように、圧入用治具51を用いてピン端子32を挿入孔34に圧入する際、隔壁37の上端部と圧入用治具51とが干渉することを避けられる。
【0025】
なお、本例では、前後方向において収容空間36同士を仕切る中央隔壁38(図5参照)は、中央隔壁38の上端部が突出部32cを挿入方向(上下方向)において上方に超える位置までは延出していないし、上述した先細り形状を有していない。しかし、隔壁37と同様、中央隔壁38の上端部が突出部32cを挿入方向(上下方向)において上方に超える位置までは延出してもよいし、上述した先細り形状を有してもよい。
【0026】
<作用・効果>
以上、本実施形態に係る電子部品モジュール1によれば、複数の棒状のピン端子32がハウジング35に保持されたピンヘッダ30が、第1基板10と第2基板20との間に配置される。更に、それらピン端子32の一端32aを第1基板10に電気的に接続し、且つ、それらピン端子32の他端32bが第2基板20に電気的に接続されることで、第1基板10と第2基板20との間の電気的接続が図られる。よって、従来の電子部品モジュールのようにコネクタ嵌合を用いる場合に比べ、部品点数が少なくなることで製造コストの低減を図ることができ、且つ、コネクタ嵌合よりもシンプルな接続構造であるため基板間のスペースが小さくなることで、電子部品モジュール1の小型化を図ることができる。
【0027】
更に、ピンヘッダ30に設けられる挿入孔34の間が隔壁37で仕切られるとともに、挿入孔34に保持されたピン端子32の突出部32cを挿入方向において超える位置まで、その隔壁37が延びている。よって、隣り合うピン端子32の突出部32c同士の間の沿面距離が、突出部32c同士を直線状に結ぶ場合の沿面距離に比べ、突出部32c同士を結ぶ直線を隔壁37が遮る分だけ、長くなる。その結果、複数のピン端子32をハウジング35に高密度に配置しても、ピン端子32同士の間の適正な絶縁を図ることができる。この点も、電子部品モジュール1の小型化や製造コストの低減に貢献する。
【0028】
したがって、本発明によれば、電子部品モジュール1の小型化や製造コストの低減が可能である。
【0029】
更に、ピンヘッダ30の隔壁37の上端部が、上述した先細り形状を有する。これにより、ピン端子32の突出部32cに圧入用治具51を押し当てながらピン端子32を挿入孔34に圧入する際、圧入用治具51が隔壁37に干渉しにくいことになる。これにより、沿面距離を長くするために上述したように隔壁37を延出させても、ピン端子32を圧入するための作業の作業性が損なわれない。よって、電子部品モジュール1を製造する際の生産性を向上できる。
【0030】
<他の形態>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0031】
ここで、上述した本発明に係る電子部品モジュール1の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[2]に簡潔に纏めて列記する。
【0032】
[1]
互いに向かい合うように配置される第1基板(10)及び第2基板(20)と、
複数の棒状の端子部(32)と、前記複数の前記端子部(32)が互いに間隔をあけて挿入されて保持される複数の挿入孔(34)を有する保持部(35)と、を有し、前記第1基板(10)と前記第2基板(20)との間に配置される基板間接続部(30)と、を備える、電子部品モジュール(1)であって、
前記複数の前記端子部(32)の各々は、
前記挿入孔(34)への当該端子部(32)の挿入方向における当該端子部(32)の一端(32a)と他端(32b)との間に、前記挿入方向に交差する方向に当該端子部(32)から突出する突出部(32c)を、有するとともに、前記一端(32a)が前記第1基板(10)に電気的に接続され、且つ、前記他端(32b)が前記第2基板(20)に電気的に接続され、
前記基板間接続部(30)は、
互いに隣り合う一の前記挿入孔(34)と他の前記挿入孔(34)との間を仕切る隔壁(37)が、前記一の前記挿入孔(34)及び前記他の前記挿入孔(34)の各々に保持された前記端子部(32)の前記突出部(32c)を、前記挿入方向において超える位置まで延出する、ように構成される、
電子部品モジュール(1)であること。
【0033】
上記[1]の構成の電子部品モジュールによれば、複数の棒状の端子部(例えば、ピン端子)が保持部に保持された基板間接続部(例えば、ピンヘッダ)が、第1基板と第2基板との間に配置される。更に、それら端子部の一端を第1基板に電気的に接続し、且つ、それら端子部の他端が第2基板に電気的に接続されることで、第1基板と第2基板との間の電気的接続が図られる。よって、従来の電子部品モジュールのようにコネクタ嵌合を用いる場合に比べ、部品点数が少なくなることで製造コストの低減を図ることができ、且つ、コネクタ嵌合よりもシンプルな接続構造であるため基板間のスペースが小さくなることで、電子部品モジュールの小型化を図ることができる。
【0034】
更に、基板間接続部に設けられる挿入孔の間が隔壁で仕切られるとともに、挿入孔に保持された端子部の突出部を挿入方向において超える位置まで、その隔壁が延びている。よって、隣り合う端子部の突出部同士の間の沿面距離が、突出部同士を直線状に結ぶ場合の沿面距離に比べ、突出部同士を結ぶ直線を隔壁が遮る分だけ、長くなる。その結果、複数の端子部を保持部に高密度に配置しても、端子部同士の間の適正な絶縁を図ることができる。この点も、電子部品モジュールの小型化や製造コストの低減に貢献する。
【0035】
[2]
上記[1]に記載の電子部品モジュール(1)において、
前記基板間接続部(30)の前記隔壁(37)は、
前記挿入方向における当該隔壁(37)の延出端に近づくにつれて当該隔壁(37)の断面積が小さくなる先細り形状を、少なくとも前記延出端の周辺に有する、
電子部品モジュール(1)であること。
【0036】
上記[2]の構成の電子部品モジュールによれば、基板間接続部の隔壁上端部が、上述した先細り形状を有する。これにより、端子部の突出部に所定の圧入用治具を押し当てながら端子部を挿入孔に圧入する際、圧入用治具が隔壁に干渉しにくいことになる。これにより、沿面距離を長くするために上述したように隔壁を延出させても、ピン端子を圧入するための作業の作業性が損なわれない。よって、電子部品モジュールを製造する際の生産性を向上できる。
【符号の説明】
【0037】
1 電子部品モジュール
10 第1基板
20 第2基板
30 ピンヘッダ(基板間接続部)
32 ピン端子(端子部)
32a 一端
32b 他端
34 挿入孔
35 ハウジング(保持部)
37 隔壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7