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特許7541065単一ケーブルを撚り合わせるための装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】単一ケーブルを撚り合わせるための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01B 13/02 20060101AFI20240820BHJP
   H02G 1/14 20060101ALI20240820BHJP
   D01H 1/10 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
H01B13/02 Z
H02G1/14
D01H1/10
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022176441
(22)【出願日】2022-11-02
(65)【公開番号】P2023070154
(43)【公開日】2023-05-18
【審査請求日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】21206486
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506058451
【氏名又は名称】コマックス ホルディング アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】KOMAX HOLDING AG
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】デニス ファセンダ
【審査官】間宮 嘉誉
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-27478(JP,A)
【文献】特開2009-231157(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102017109791(DE,A1)
【文献】独国特許発明第102016109151(DE,B3)
【文献】欧州特許出願公開第3246463(EP,A1)
【文献】特開2001-35283(JP,A)
【文献】特開2002-50247(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0241314(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01H 1/00-17/02
H01B 13/02-13/20
H02G 1/14- 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ツイスト軸(V)を中心に単一ケーブル(11、12)を撚り合わせ、延長軸(A)に沿ってケーブル束(10)を形成する装置(100)であって、
前記単一ケーブル(11、12)の一端でケーブル端(15、16)を個別に保持するための、互いに間隔が空けられた単一回転ユニット(41、42)と、
前記単一ケーブル(11、12)の他端でケーブル端を保持して撚り合わせるツイストユニット(30、1030)と、
前記ツイストユニットによるツイストプロセス中、撚り合わされていない領域から撚り合わされた領域へ移行する少なくともいくつかの領域で前記単一ケーブル(11、12)を離間するための案内マンドレル(360)が固定された案内装置(35)と、
を有し、
前記案内装置(35、1035)は、前記案内マンドレル(360)を初期位置から外側の、前記案内マンドレルが前記ツイスト軸(V)に移動された、移動位置に移動させるための移動要素(355、1370)と、前記案内マンドレル(360)を前記ツイスト軸(V)に移動した位置で保持するためのロック要素(353、354;1353、1354、1355)とをさらに有する、装置(100)。
【請求項2】
前記案内マンドレル(360)は、前記ツイスト軸(V)に旋回可能に移動可能である、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項3】
前記案内装置(35)は、前記移動要素(355)を動作させるためのクランプ要素(352)をさらに有し、
前記動作は、ばね要素(351)の予圧力に抗して行われ、前記ロック要素(353)は、前記予圧力に抗して前記案内マンドレル(360)の前記移動位置をラッチイン方式で維持し、ラッチ解除方式で前記案内マンドレルの前記初期位置に後退させるように構成された、請求項に記載の装置(100)。
【請求項4】
前記案内マンドレル(360)が前記移動位置にあるとき、前記ロック要素(352)が爪(354)に抗して係止するように設計されている、請求項3に記載のデバイス(100)。
【請求項5】
前記案内装置(1035)は、前記移動要素(1370)を動作させるためにホルダ(1353)内に回転可能に取り付けられたロックローラ(1354)をさらに有し、
前記動作は、ばね要素(1351)の予圧力に抗して行われ
前記ロックローラ(1354)は、前記移動要素(1370)のロック形状及びロックばね(1355)によって、予圧力に抗して前記案内マンドレル(360)の前記移動位置を維持するように構成された、請求項に記載の装置(100)。
【請求項6】
前記移動要素(1370)の前記ロック形状は、前記ロックローラ(1354)が作用するロック外形(1371)を有する、請求項5に記載の装置(100)。
【請求項7】
前記ツイストユニット(1030)は、前記移動要素(1370)を前記案内マンドレル(360)の前記移動位置に移動させるためのクランプユニット(1032)をさらに有する、請求項に記載の装置(100)。
【請求項8】
前記移動要素(1370)は動作外形(1372)を含み、前記クランプユニット(1032)は前記移動要素(1370)を前記案内マンドレル(360)の移動位置に移動させるように作用する、請求項7に記載の装置(100)。
【請求項9】
前記案内マンドレル(360)を前記初期位置に移動させるために、前記ロックローラ(1354)のロック力に抗して前記移動要素(1370)のロック形状から解放するための解放要素(1040)をさらに有する、請求項に記載の装置(100)。
【請求項10】
前記解放要素(1040)は、前記ロックローラ(1354)を解放する方向に能動的に伸張可能に構成される、請求項9に記載の装置(100)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の装置(100)を用いて、ツイスト軸(V)を中心に単一ケーブル(11、12)を撚り合わせ、延長軸(A)に沿ってケーブル束(10)を形成する方法であって、
単一回転ユニット(41、42)によって前記単一ケーブル(11、12)の一端でケーブル端(15、16)を個別に保持し、
ツイストユニット(30)によって前記単一ケーブル(11、12)の他端でケーブル端を保持し、
案内マンドレル(360)を前記ツイスト軸(V)の外側に動かし、案内装置(35)を前記ツイストユニット(30)の方向に移動させ、
前記ツイストプロセス中に、前記ツイスト軸(V)の領域内に前記案内マンドレル(360)を移動させ、撚り合わされていない領域と撚り合わされた領域との間の境界を画定し、
前記ツイストユニット(30)を回転させて前記ツイストプロセスを実行し、
撚り合わされた前記ケーブル束(10)の第1の交点(P1)の時間に依存する所望の位置に従って案内ユニット(35)を移動させる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ケーブル束を形成するために単一ケーブルを撚り合わせる、特に単一ケーブルをペアで撚り合わせるための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の単一ケーブルを撚り合わせたケーブル束は様々な産業分野で必要とされている。撚り合わせる前に、単一ケーブルは、通常、切断、すなわち所定の長さに揃えられ、必要に応じて仕上げ処理が施される、すなわちコンタクト部品等が設けられる。
【0003】
先行技術によるいくつかの従来の装置及び方法において、複数の単一ケーブルから成るケーブルペアは、一方のケーブル端が保持ユニットでクランプされ、他方のケーブル端がツイストユニットでクランプされ、ツイストユニットを回転させることで撚り合わされる。結果として生じるケーブルペアの短縮は、ツイストユニットの長手方向の変位によって補償される。対応する装置は、例えば欧州特許第1032095号明細書に開示されている。このタイプの従来の装置及び方法では、単一ケーブルが捩じれる、すなわちそれ自体が単一ケーブル軸を中心に回転する。
【0004】
欧州特許第0917746号明細書は、単一ケーブルが許容できないほど捩じれることなく、ケーブルペアを撚り合わせることを可能にした装置を開示している。この場合、保持ユニットの代わりに撚り戻しユニットが使用される。この撚り戻しユニットは、ケーブルの一方の端部(後端)で単一ケーブルを個別に把持する。長手方向で移動可能な案内装置は、案内マンドレルを用いて2本の単一ケーブルを離間させ、ツイストプロセス中に撚り戻しユニットの方向に移動する。これにより、レイ長を一定に保つことができる。
【0005】
独国第102017109791号明細書は、ツイストプロセスの開始時に、互いに平行に配置され、ツイストプロセス中に電動で内側へ旋回する撚り戻しユニットを有する装置を開示している。旋回角度は、制御装置によってツイストプロセス中に連続的に増大する。
解決すべき問題
欧州特許第0917746号明細書の既知の装置では、案内マンドレルが設けられており、これにより単一ケーブル及びレイ長が均一になる。ツイストプロセスの開始前に、案内マンドレルを有する案内ユニットが移動によって位置決めされるが、案内マンドレルが単一ケーブルと干渉する可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
本開示の態様は前述した問題に対処する。一態様によれば、請求項1に記載の装置及び請求項11に記載の方法が提供される。さらなる態様、特徴、展開及び利点は、従属請求項、以下の説明及び添付の図面で見出すことができる。
【0007】
一態様によれば、ツイスト軸を中心に単一ケーブルを撚り合わせる、延長軸に沿ってケーブル束を形成する装置は、単一回転ユニット、ツイストユニット及び案内装置を有する。単一回転ユニット(個々の回転ユニット)は、互いに間隔を空けて配置されている。例えば、距離は可変である。単一回転ユニットは、単一ケーブルの一端でケーブル端を個別に保持する、例えば把持するように構成されている。各単一回転ユニットは、関連する旋回軸を中心に回転可能に取り付けられている。ツイストユニットは、単一ケーブルの他端でケーブル端を保持して撚り合わせるように構成されている。
【0008】
案内マンドレルが案内装置に固定されている。案内マンドレルは、単一ケーブルから成る撚り合わされていない領域からケーブル束から成る撚り合わされた領域へ遷移する領域において、ツイストユニットによって実行されるツイストプロセス中に、少なくともいくつかの領域で単一ケーブルを離間するために使用される。
【0009】
案内装置は案内マンドレルを初期位置から移動位置に移動させるための移動要素を備え、そこで案内マンドレルはツイスト軸に移動され、例えばツイスト軸に旋回される。案内装置は、案内マンドレルをツイスト軸に移動した位置で保持するためのロック要素も備える。
【0010】
初期位置において、案内マンドレルは、ツイストプロセスの開始前に、案内マンドレルが単一ケーブルに干渉することなく配置できる。ツイストプロセスのために、案内マンドレルをツイスト軸に適切に移動、例えば旋回させる。移動要素とロック要素を備えた設計により、これを行うために個別のアクチュエータは必要無い。
【0011】
実施形態において、移動することは、案内マンドレルをツイスト軸に旋回させることを含む。旋回は、ツイスト軸から移動する案内マンドレルのための垂直方向における追加の設置スペースを設ける必要がなく、非常に簡単に実現できる。
【0012】
実施形態において、案内装置は、移動要素を動作させるためのクランプ要素をさらに備え、動作は、ばね要素の予圧力に抗して行われ、ロック要素は、予圧力に抗して案内マンドレルの移動位置をラッチイン方式で維持し、ラッチ解除方式で案内マンドレルの初期位置に押し戻されるように構成される。
【0013】
実施形態において、ロック要素は、案内マンドレルが移動位置にあるときに爪に抗して係止するように設計されている。
【0014】
実施形態において、案内装置は、動作要素を動作させるためにホルダ内に回転可能に取り付けられたロックローラをさらに有する。動作は、ばね要素の予圧力に抗して行われ行われる。ロックローラは、動作要素のロック形状及びロックばねによって、案内マンドレルの移動位置を予圧力に抗するように構成される。
【0015】
実施形態において、動作要素のロック形状はロック外形を有する。ロックローラは、ロック外形に対して作用する。
【0016】
実施形態において、ツイストユニットは、動作要素を案内マンドレルの移動位置に移動させるためのクランプユニットをさらに有する。
【0017】
実施形態において、動作要素は動作外形を有する。クランプユニットは、動作要素を案内マンドレルの移動位置に移動させるために、動作外形に作用する。
【0018】
実施形態において、装置は、ロックローラのロック力に抗して動作要素のロック形状から解放する、または外側に移動するための解放要素を有し、これにより、案内マンドレルは移動位置から外の、特に初期位置に移動する。解放要素は、特に、案内装置の対向ストッパが作用するストッパとして設計できる。
【0019】
実施形態において、解放要素は、能動的に伸張可能であるように構成されている、すなわち案内装置の対向ストッパの方向に能動的に移動できるように構成されている。この能動的な移動は、例えば空気圧で行うことができる。
【0020】
さらなる態様によれば、本明細書に記載の装置を使用する、ツイスト軸を中心に単一ケーブルを撚り合わせ、延長軸に沿ってケーブル束を形成する方法が提供される。本方法は、単一回転ユニットによって単一ケーブルの一端でケーブル端を個別に保持し、ツイストユニットを用いて単一ケーブルの他端でケーブル端を保持し、案内マンドレルをツイスト軸(V)から移動させ、ツイストユニットの方向に案内装置を移動させ、ツイストプロセス中に撚り合わされていない領域と撚り合わされた領域との間の境界を画定するために、ツイスト軸の領域内に案内マンドレルを移動させ、ツイストユニットを回転させて撚り合わせプロセスを実行することを有する。
【0021】
さらなる態様、特徴、利点、及び効果は、図面を参照して以下に説明する実施形態に見出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本明細書で使用される用語を示すケーブル束の領域の概略図である。
図2図2は、図1のケーブルペアの領域を例示するための更なる側面と共に示す図である。
図3図3は、本明細書で使用される用語及びプロセスを説明する、ツイストユニットを備えたツイスト装置の概略図であり、いずれの場合も単一ケーブル毎に単一回転ユニットを示す図である。
図4図4は、一実施形態による単一ケーブルを撚り合わせるための装置の概略側面図である。
図5図5は、図4の装置100の個々の構成要素の概略3次元図である。
図6図6は、一実施形態による撚り戻しユニットを拡大して示す図である。
図7図7は、図6の撚り戻しユニットの一部を示す図である。
図8図8は、単一回転ユニットの平行位置を示す図である。
図9図9は、平行位置における、撚り戻しユニットの上方からの部分切断図である。
図10図10は、旋回位置における、撚り戻しユニットの上方からの部分切断図である。
図11図11は、旋回駆動を有する変形例における撚り戻しユニットを示す図である。
図12図12は、案内装置及びツイストユニットの一部の概略斜視図である。
図13図13は、案内マンドレルが中間位置にある案内装置を示す図である。
図14図14は、案内マンドレルがツイスト位置にある案内装置を示す図である。
図15図15は、案内装置の側面図である。
図16図16は、案内マンドレルの詳細図である。
図17図17は、ツイストプロセス前の初期位置における装置100の構成要素を示す図である。
図18図18は、ツイストプロセスの開始位置における装置100の構成要素を示す図である。
図19図19は、中間位置における装置100の構成要素を示す図である。
図20図20は、案内マンドレルと接触する、ツイストプロセスが完了する直前の単一回転ユニットの上面図である。
図21図21は、案内マンドレルと接触しない、ツイストプロセスが完了する直前の単一回転ユニットの上面図である。
図22図22は、案内マンドレルがほぼケーブル端に到達するまで案内装置がその直線運動を継続した位置における装置の要素を示す図である。
図23図23は、案内マンドレルの位置が延長軸Aの外側にある、図22と類似する図である。
図24図24は、さらなる実施形態による単一ケーブルを撚り合わせるための装置の個々の構成要素の概略3次元図である。
図25図25は、図24の装置の案内装置及びツイストユニットの一部の概略斜視図である。
図26図26は、図24及び図25のツイストユニットの案内装置及びクランプユニットの概略側面図である。
図27図27は、案内マンドレルが中間位置にある、図24~26の案内装置の概略側面図である。
図28図28は、案内マンドレルはロック位置にある、図27と同様の案内装置のパーツの概略側面図である。
図29図29は、案内マンドレルのロック解除を実行する直前の、図27と同様の案内装置のパーツの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、全体として10で示されるケーブル束の領域の概略図を示す。ケーブル束は、ケーブルペアとして、単一ケーブル11と単一ケーブル12とを含む。2本の単一ケーブル11、12の数は例示的で非限定的であり、本明細書に記載の態様及び特徴は、同一または類似の効果が得られる、3本以上の単一ケーブル11、12を有するケーブル束にも完全にまたは部分的に適用できることに留意されたい。そうは言うものの、実施形態では、2つの単一ケーブル11、12を1つのケーブル束10に使用できる。
【0024】
図1において、単一ケーブル11の第1のケーブル端15と単一ケーブル12の第1のケーブル端16とは同じ側に位置している。一例として、第1のケーブル端15、16には、第1のケーブル端15にコンタクト13a及びスリーブ13bが取り付けられ、第2のケーブル端16にコンタクト14a及びスリーブ14bが取り付けられる形式で既に処理されている。図1におけるBで示された破線の右側の領域では、単一ケーブル11、12が撚り合わされており、その結果として、単一ケーブル11、12は投影平面、例えば図1の面内で交差する複数のポイントが存在する。線Bの右側の撚り合わされた領域において、ケーブル束10は延長軸Aに沿って延在する。
【0025】
本明細書で用いるツイストとは、ケーブル11、12が互いに巻き付いている状態、すなわち撚り合わされている状態を意味する。投影面と垂直な方向において2つの交点に単一ケーブルの同じシーケンスがある場合、投影面において同一の交点が存在する。2つの隣接する同一の交点間の距離は、ツイストレイ長または略して単にレイ長と呼ばれ、a2で示される。2つのアイレット19は、隣接する2つの同一の交点間の投影面となり、高品質なケーブル束10のためにはできるだけ小さくする必要がある。
【0026】
図1からの名称は、後述する各段落でも使用し、再度説明しない。
【0027】
ケーブルペア10の一部が、説明のために図2で再び示されている。単一ケーブル11、12の撚り合わされていない端部は、撚り合わされた領域が始まる第1の交点P1までの長さa1を有する。撚り合わされた領域におけるケーブル11、12の2つの同一の交点または交点間の距離は、上述したようにレイ長a2として特定される。
【0028】
距離a3は、距離a1、a2で規定されるケーブルペア10の走行方向に対して概ね垂直な方向に定義される。距離a3は、単一ケーブル11、12の間隔を規定し、この場合、例えば単一ケーブル11、12の撚り合わされていない端部が存在する。
【0029】
図3は、ツイストユニット30と、単一ケーブル11、12にそれぞれ設けられた単一回転ユニット41、42と、案内装置35とを有する一般的なツイスト装置100の概略図である。例示の目的で、図1及び図2のケーブル束10は、図3によるツイスト装置100にクランプされて示されている。単一ケーブル11は、その後端で単一回転ユニット41にクランプされる。この端部は、以下では単一ケーブル11の第1の端部15とも称される。単一ケーブル12は、その後端で単一回転ユニット42にクランプされる。この端部は、以下では単一ケーブル12の第1の端部16とも称される。
【0030】
単一回転ユニット41は、クランプされた単一ケーブル11の第1の端部15をそのケーブル軸v1に沿って第1の端部15で保持するように配置されている。単一回転ユニット42は、クランプされた単一ケーブル12の第1の端部16をそのケーブル軸v2に沿って第1の端部16で保持するように配置されている。各単一回転ユニット41、42は、それぞれの単一回転ユニット41、42にクランプされた単一ケーブル11、12のそれぞれのケーブル軸v1、v2を中心に、少なくともケーブルの撚りが戻る(撚りを解く)方向に回転できる。各単一回転ユニットは、図3の両矢印Q1及びQ2でそれぞれ示される、それぞれのケーブル軸v1、v2を中心に所望の前方または後方に回転できることが好ましい。各単一の回転ユニット41、42は、以下では撚り戻しユニットと称すこともできる。
【0031】
本明細書で用いる撚りが戻る(撚りを解く)とは、例えば、接合部の回転によって各単一ケーブル11、12で発生する捻じれ力または捻じれモーメントを低減するまたは除去することを含む。本明細書に記載の利点を達成するために、撚りを解くまたは撚りが戻ることは、必ずしも完全に実行する必要はない。すなわち、ツイストプロセスの過程において、ツイストユニット30の(総)回転角度は、単一回転ユニット41、42の(総)回転角度より小さくしてもよい。
【0032】
案内装置35は、撚り合わされていない領域から撚り合わされた領域へ移行する領域、すなわち図1のほぼ線Bにおけるツイストプロセスの大部分の間、少なくともいくつかの領域で単一ケーブル11、12を離間させるために使用される。案内装置35は、ツイストプロセス中に制御された方法で、ツイスト軸Vと概ね平行な方向xに案内または移動することができる。ツイスト軸Vは、延長軸Aとほぼ同一である。
【0033】
ツイストユニット30は、ツイストプロセスを行うために、ツイスト軸Vを中心に撚り合わせ方向Pに回転可能に構成されている。すなわち、ツイストユニット30は、ツイストプロセスを実行するために撚り合わせ方向Pに回転するように、ツイスト軸Vを中心に回転駆動できる。ツイストプロセス中に互いに巻き付く単一ケーブル11、12の短縮を補償するために、ツイストユニット30は、ツイスト軸Vと概ね平行な方向uに移動可能である。ツイスト軸Vと平行な方向には、ツイスト軸V自体の方向も含まれる。
【0034】
図4は、一実施形態を説明する、単一ケーブル11、12を撚り合わせたケーブル束10を形成するための装置100の概略側面図である。図4に関連して記載する構成要素及びプロセスは、本発明の実施のために、必ずしもその全体を実行する必要がないことに留意されたい。
【0035】
図4において、単一ケーブル11、12は、ケーブル11、12の加工を行う処理モジュール103、104、105、106にそれぞれの先端が供給される。例えば、限定するものではないが、単一ケーブル11、12の先端は、それぞれ切断ヘッド102によって絶縁被覆が剥がされ、第1の旋回ユニット107によって処理モジュール103、104に連続的に供給される。ここで、例えば、図1のコンタクト13a、14a及びスリーブ13b、14bは、単一ケーブル11、12のそれぞれの導体端に取り付けられる。続いて、第1の旋回ユニット107はケーブルペア10を元の所へ旋回させ、単一ケーブル11、12の先端を延長スライド109によって把持できる。単一ケーブル11、12は、所望のケーブル長に応じて、案内レール105で規定される直線状の案内方向に、案内レール105に沿って延長スライドで延長される。
【0036】
次に、単一ケーブル11、12は、第2の旋回ユニット108によって把持され、切断ヘッド102によって切断され、絶縁被覆が剥がされる。後続の導体端部は、第2の旋回ユニット108によって反対側の処理モジュール105、106に供給されて完全に処理される、すなわち、例えばスリーブ及びコンタクトが再び設けられる。
【0037】
移送モジュール111は、単一ケーブル11、12の後端17を受け取り、それをより短い距離に持って行き、旋回運動の後に、撚り戻し装置40が組み合わされた個々の単一回転ユニット41、42に個別に移送される。移送モジュール112は、単一ケーブル11、12の先端16を、ツイストヘッドとも称されるツイストユニット30に移送する。実際のツイストプロセスを実行するために、図3を参照して既に説明したように、ツイストユニット30を回転させる。ツイストユニットは、ツイストプロセス中に制御された張力で、撚り戻しユニット40の方向に同時に移動できる。
【0038】
制御ユニット200は、装置100の要素の一部または全部を制御する。
【0039】
図5は、図4の装置100の個々の構成要素の概略3次元図である。分かりやすくするために、装置100の他の構成要素は図5に示されていない。図4は、撚り戻しユニット40、案内装置35及びツイストユニット30を示している。
【0040】
図6は、一実施形態による撚り戻しユニット40を拡大して示している。撚り戻しユニット40は、付属の第1の単一回転把持部41aを有する第1の単一回転ユニット41と、付属の第2の単一回転把持部42aを有する第2の単一回転ユニット42とを有する。第1の単一回転把持部41aは、第1のスピンドル筐体41b内に回転可能に取り付けられる。第2の単一回転把持部42aは、第2のスピンドル筐体42b内に回転可能に取り付けられる。第1の単一回転把持部41aは、第1の撚り戻しモータ41eによって回転させることができる。第2の単一回転把持部42aは、第2の撚り戻しモータ42eによって回転させることができる。第1のスピンドル筐体41bは、第1の筐体支持体41cに固定される。第2のスピンドル筐体42bは、第2の筐体支持体42cに固定される。
【0041】
第1の筐体支持体41cは、第1の支持筐体41d内で第1の旋回軸41fを中心に旋回可能に取り付けられる。第2の筐体支持体42cは、第2の支持筐体42d内で第2の旋回軸42fを中心に旋回可能に取り付けられる。旋回軸41f、42fは、概ね互いに平行に延在する。各旋回軸41f、42fは、ケーブル束10の延長軸Aに対して概ね垂直に延びる。旋回軸41f、42fと平行な方向における支持筐体41d、42d間の距離45は可変である。分かり易くするために、距離45は、本明細書において、単一回転ユニット41、42間の距離とも称される。距離45を変更するために、支持筐体41d、42dは、距離調整装置50によって延長軸Aに対して直角にリニアガイドに沿って互いに移動可能である。本明細書で示される実施形態において、距離調整装置50の構成要素は、例えば、2つのスピンドル、連結片56及びスピンドル駆動装置によって形成される。2つのスピンドルは、連結片56で互いに連結されている。スピンドル駆動装置(不図示)は、連結されたスピンドルに適切に結合される。スピンドルの一方は右回りであり、スピンドルの他方は左回りであり、このように連結されたスピンドルが駆動されると、延長軸Aに対して対称な距離45が調整される。
【0042】
第1の単一回転把持部41aの先端41gと、第2の単一回転把持部42aの先端42gとの間の最短距離は、一方では単一回転ユニット41、42間の距離45に依存し、他方ではそれぞれの旋回軸41f、42fを中心とする旋回で規定される旋回角度αに依存する。
【0043】
距離45の調整は、例えば制御装置200によって実行される。距離45は、例えば、プログラム制御、ユーザ制御またはプログラム制御及びユーザ制御の方法で、ツイストプロセスが実行される過程で一連の方法に従って行うことができる。
【0044】
図7は、図6の撚り戻しユニット40の一部分を示す図であり、より明確にするために、単一回転ユニット41、42が省略されている。第1の筐体支持体41cは、第1の歯車対向片51cとかみ合う第1の歯車片51bを備える。第1の歯車対向片51cは、スプラインシャフト54に取り付けられた第1のブッシング51aに固定される。第2の筐体支持体42cは、第2の歯車対向片52cとかみ合う第2の歯車片52bを備える。第2の歯車対向片52cは、スプラインシャフト54に取り付けられた第2ブッシング52aに固定される。
【0045】
スプラインシャフト54は、ブッシュ51a、52a内で長手方向に移動可能である。このように長手方向に移動すると、スプライン軸54の回転がそれぞれのブッシュ51a、52aに伝達される。各歯車片51b、52bはそれぞれに関連する歯車対向片51c、52cと噛み合うため、筐体支持体41c、42cは絶対値が等しいが反対方向に旋回する。この旋回運動は角度αを変化させる。角度センサ55は、角度αを測定し、角度測定信号を出力するために設けられる。角度測定信号に応じて固定または固定可能な角度αで単一回転ユニット41、42を互いにロックするために、例えば電磁的に作動可能なブレーキ53が角度測定信号に応じて作動する。本作動は、例えば制御ユニット200によって実行される。
【0046】
ツイストプロセスが始まる前に、単一ケーブル11、12のケーブル端は、単一回転ユニット41、42の撚り戻し把持部41a、42aに移される。このためには、規定の距離45と規定の角度αの両方が必要であり、単一回転ユニット41、42を互いに平行に方向付けなければならない。図8は、単一回転ユニット41、42のそのような平行位置を示している。ここで、距離45は、単一ケーブル11、12のケーブル端の撚り戻し把持部41a、42aへの移送が可能である規定の距離45に対応する。このような単一回転ユニット41、42の位置(距離及び角度位置)は、本明細書では平行位置と称す。平行位置とは異なる位置(距離及び/または角度位置)は、本明細書では旋回位置と称す。
【0047】
図9及び図10は、それぞれ、撚り戻しユニット40の上方からの部分切断図を示している。図9では、単一回転ユニット41、42の筐体支持体41c、42cが、図8の斜視図で示した平行位置にある。図10では、単一回転ユニット41、42の筐体支持体41c、42cが旋回位置にある。
【0048】
停止要素42g、例えば停止プレートは、スピンドル筐体41b、42bの1つ、例えば第2のスピンドル筐体42bに固定される。可動ストッパ57は、スピンドル筐体41b、42bと対向する位置、例えば支持筐体42dに固定された撚り戻しユニット40のパーツの1つに固定される。可動ストッパ57は、スピンドル筐体42bの停止要素42g用の停止面を提供するという点で、それぞれの単一回転ユニットが旋回できる値を制限する。その結果、角度αは、上述のギア機構を介した単一回転ユニット41、42の連結によって制限される。
【0049】
可動ストッパ57は、例えば電気モータによって調整可能である。図8及び図9で示した平行位置を得るために、可動ストッパ57は、単一回転ユニット41、42が平行位置を仮定する(すなわち、実現する、取得する)ように調整される。ツイストプロセス中、可動ストッパ57は旋回可能であるが、単一回転把持部41a、42aの先端41g、42gが互いに接触したり近づきすぎたりしないよう旋回を制限するように適切に調整される。
【0050】
図11は、筐体支持体42cの旋回を制御するための旋回駆動装置42hを備えた変形例の撚り戻しユニット40を示している。図11では示していないが、筐体支持体41cの旋回を制御するための旋回駆動装置41hが存在する。各旋回駆動装置41h、42hは、例えば、関連する筐体支持体41c、42cをそれぞれ旋回軸41f及び42fを中心に旋回させるための電気モータ及び歯車を有する。距離45は、図6から図10を参照して上述した変形例のように調整される。しかしながら、制御された旋回性によって、単一回転把持部41a、42bの先端41g、42gがツイストプロセス中に互いに接触したり互いに近づき過ぎたりしないように旋回も同様に制限される。平行位置は、旋回性を制御することにより、的を絞った方法で定義できる。
【0051】
図12は、案内装置35及びツイストユニット30の一部を示す概略斜視図である。ツイストユニット30には、平行移動可能な締付けシリンダ32を備えた動作装置31が設けられている。ツイストユニットの位置決めはケーブルの長さに依存するため、クランプシリンダ32はツイストユニット30上に位置決めされる。
【0052】
案内装置35は案内マンドレル360を有し、この案内マンドレル360は、ツイストプロセス中に単一ケーブル11、12を離間させて案内するために使用される。単一回転ユニット41、42にクランプされた単一ケーブル11、12のケーブル端15、16は、その端部で個別にクランプされて固定される。案内装置35が無ければ、予測可能なレイ長は無い。案内装置35は、ツイストプロセス中にx方向(図3参照)に移動可能である。案内マンドレル360がツイストプロセス中に単一ケーブル11、12を離間させ、案内装置35が対応して移動すると、レイ長a2は概ね一定に保たれるか、制御された方法で変化させることができる。案内装置35の移動動作は、所望のレイ長a2を得るために、ツイスト装置30の回転速度と協調して行われる。
【0053】
案内装置35は、案内マンドレル360がツイスト軸Vの外側に移動可能であるように、例えば、ツイスト軸Vの外側に旋回できるように設計されている。案内マンドレル360は、ツイストプロセスの完了前に案内装置35がねじり装置30に向かって移動するとき、ツイスト軸Vの外側に移動することが有利である。
【0054】
図12で示した構造において、案内装置35は、クランプ要素352、クランプばね351、ロックロッカー353、爪354及びトグルレバー355を有する。案内マンドレル360は、トグルレバー355を動かすことでツイスト軸Vの外側で旋回できるように、案内装置35に旋回可能に取り付けられる。トグルレバーの動作方向は、クランプ要素352が移動できる方向に対応する。クランプ要素352は、ツイストユニット30と案内装置35との間に対応する距離がある場合に、クランプシリンダ32と相互作用できるように配置される。すなわち、ツイストユニット30と案内装置35との間に対応する距離がある場合、案内装置35のクランプ要素352は、ツイストユニットのクランプシリンダ32によって動かすことができる。
【0055】
図12は、案内マンドレル360がツイスト軸Vから旋回した位置における初期位置を示している。トグルレバー355に向けたクランプ要素352の動作は、トグルレバー355が案内マンドレル360をツイスト軸Vに旋回させ、最終的に後述するツイスト位置をとる。動作は、クランプばね351の予圧力に抗して行われる。爪354及びロックロッカー353は、案内マンドレル360をツイスト位置で係止する。
【0056】
図13は、案内マンドレル360が中間位置にある案内装置35を示している。中間位置において、案内装置35はツイストユニット30の方向に動かされる。クランプシリンダ32は、クランプ要素352を静止させ、固定クランプシリンダ32と逆向きの案内装置35の動きにより、トグルレバー355を介して案内マンドレル360を旋回させる。
【0057】
図14は、撚り合わされる単一ケーブル11、12間のツイスト軸Vに旋回する、案内マンドレル360がツイスト位置にある案内装置36を示している。図15は、案内装置35の側面図である。図14で示されるツイスト位置の前に、爪354は係止片358を越えて係止される。ロックロッカー353は、ばね356の付勢によって留められる。ポイント357が動かされるとロックが再び解除される。
【0058】
図14で示す位置に着いた後、クランプシリンダ32を後退させる。案内マンドレル360は、図14で示すツイスト位置に留まる。その結果、案内装置35をツイストユニット30に近づけることができる。
【0059】
図16は、案内マンドレル360の詳細図である。案内マンドレル360は、案内装置35に対する固定部位とは反対側に肥厚部361を有する。円形の断面を有する案内マンドレル360の場合、案内マンドレルは肥厚部361の領域の少なくともいくつかのセクションでより大きな直径を有する。案内マンドレル360も同様に、例えば円形断面の場合は直径を大きくすることでシャフトを太くする。案内領域362は、2つの肥厚部の間に形成される。単一ケーブル11、12は、ツイストプロセス中に案内領域362と接触する。このような形状は、特に5メートルを超える長さ、好ましくは7メートルを超える長さの長いケーブルを撚り合わせる場合に、単一ケーブル11、12の振動推移を効果的に抑制するのに役に立つ。
【0060】
図17は、ツイストプロセス前の初期位置にある装置100の構成要素を示している。延長され、処理された単一ケーブル11、12は、撚り戻しユニット40及びツイストユニット30のそれぞれの要素にクランプされる。撚り戻し把持部41a、42aは、規定の距離45で平行な位置にある。案内マンドレル360は、延長軸Aの外側にある。単一ケーブル11、12の移送後、ツイストユニット30は、単一ケーブル11、12を張るために、撚り戻しユニット40から若干離れて移動する。
【0061】
次に、案内装置35をツイストユニット30の方向に移動させる。クランプシリンダ32は、案内装置35がツイストユニット30に非常に近づくことができるように後退する。この位置は図18に示され、開始位置と称す。案内マンドレル360は、延長軸Aに旋回され、撚り合わされていない領域から(図では案内マンドレル360の左側)、単一ケーブル11、12の撚り合わせが行われて撚り合わされたケーブル束10が生成される(図では案内マンドレル360の右側)撚り合わされた領域を分ける。
【0062】
ツイストプロセスは、ツイストユニット30が回転し、単一ケーブル11、12を撚り合わせてケーブル束10を形成することから始まる。単一回転ユニット41、42は、それらの回転によって単一ケーブルがそれ自体で、すなわちそれぞれのケーブル軸v1、v2を中心に捻じれないことを確実にする。ツイストプロセスの間、案内装置35は、制御された速度で撚り戻しユニット40の方向へ移動する。制御された速度は、ツイストユニット30の回転速度及び所望のレイ長a2に由来する。同様に、ツイストユニット30は、撚り合わされたケーブル束10の撚り合わせによる短縮を補償するために、非ツイストユニット40に向かって最小限に動かされる。この動きは、例えば、制御された張力で行うことができる。特に、5メートルを超える、特に7メートルを超える長いケーブルの場合、案内マンドレル360の肥厚部361は、ケーブル11、12の垂直方向の振動を低減し、ツイストプロセスの品質を改善する。図19は、ツイストプロセスが開始した後、ツイストプロセスが完了する前の中間位置を示している。
【0063】
図20及び図21は、それぞれツイストプロセス完了直前の単一回転ユニット41、42を上から見た図を示している。図20において、案内マンドレル360は、依然として単一ケーブル11、12と接触している。第1の交点P1を単一ケーブル11、12のケーブル端にさらに近づけるために、案内装置35は、図21で示すように、単一ケーブル11、12と接触しないように、案内マンドレル360をさらに移動させる。図21では、単一回転ユニット41、42間の距離45がさらに低減している。実際のツイストプロセスは終了する。最終ツイストプロセスが続き、ここでツイストユニット30が再びツイスト方向に回転され、第1交点P1が導体の端部により近く案内される。
【0064】
ツイストプロセス及びその後の最終ツイストプロセスが終了すると、完全に撚り合わされたケーブルアセンブリはツイストユニット30及び単一回転ユニット41、42から取り外され、例えば、ケーブルトラフ160内に入れられる(図4参照)。取り外す前に、回転していないツイストユニット30は、撚り合わされたケーブル束を緩めるために、撚り戻しユニット40の方向にさらに移動してもよい。この場合、ブレーキ53を作動させることにより、単一回転ユニット41、42の角度位置をブロックできる。
【0065】
図22は、案内マンドレル360がほぼケーブル端に到達するまで、案内装置35がその直線運動を継続した位置における装置100の要素を示している。ここで、ロック解除シリンダ(不図示)がポイント357を動かし、案内マンドレル360は解放されたばね力によって延長軸Aの外側の図23で示される位置に旋回する。その結果、案内装置35は、案内マンドレル360がこの移動を妨害することなく、初期位置に移動することができる。
【0066】
図24から図29を参照して、さらなる実施形態を説明する。図24は、さらなる実施形態による単一ケーブルを撚り合わせる装置100の個々の構成要素の概略3次元図である。図25は、図24の装置の案内装置1035及びツイストユニット1030の一部の概略斜視図である。図26は、図24及び図25のツイストユニットの案内装置1035及びクランプユニット1032の概略側面図である。図27は、案内マンドレル1360が中間位置にある、図24から図26の案内装置1035の概略側面図である。図28は、案内マンドレル1360がロック位置にある、図27と同様の案内装置1035のパーツの概略側面図である。図29は、案内マンドレル1360のロック解除を実行する直前の、図27と同様の案内装置1035のパーツの概略側面図である。
【0067】
より分かり易くするために、ここでは主に図1-23の実施形態との相違点について説明し、同一または類似の特徴は説明から省略する場合がある。
【0068】
図24は、図5と同様に、装置100の個々の構成要素の概略3次元図である。より分かり易くするために、図24は装置100の全ての構成要素を示していない。図24は、図5と同様に構成できる撚り戻しユニット40を示す。図24は、本実施形態に係る案内装置1035及びツイストユニット1030も示している。
【0069】
図24の装置の部品、特に案内装置1035及びツイストユニット1030の一部、並びにストッパ1040が、図25の斜視図に拡大して示されている。クランプユニット1032は、ツイストユニット1030(ツイストヘッドを有する)上に配置される。案内装置1035及びクランプユニット1032は、図26の概略側面図で再び示されている。ここでは、図25及び図26を参照して説明する。案内装置1035は、ロックばね1355、ロックローラ1354、ホルダ1353、対向ストッパ1359、旋回プレート1370、ばね筐体1357内の圧縮ばね1351、プルロッド1356、案内マンドレル1360、内側制御外形1371及び外側制御外形1372を有する。
【0070】
旋回プレート1370は、旋回軸1352を中心に回転可能または旋回可能に取り付けられる。図26では、旋回プレート1370、したがって案内マンドレル1360は、プルロッド1356及び圧縮ばね1351によって、案内マンドレル1360の初期位置、すなわち旋回外位置で保持される。すなわち、旋回プレート1370は、ばね筐体1357内にある圧縮ばね1351によってプルロッド1356を介して図の上方に引っ張られる。
【0071】
より明確にするために、ばね筐体1357は、図27から図29には示されていない。図27は、図26に類似した側面図を示している。ここで、旋回プレート1370、したがってガイドマンドレル1360は、初期位置(外側に出た、または外側に旋回した位置)と内側に移動した(旋回した)位置との間の中間位置にある。この位置は、クランプユニット1032(その前端にあるクランプユニットのローラ1033)が旋回プレート1370の外側制御外形1372に突き当たるように、案内装置1035がツイストユニット1030に対して案内または移動することで到達する。これにより、旋回プレート1370は、その旋回軸1352を中心に移動する。すなわち、案内マンドレル1360は、図の下方に押される。ロックローラ1354は、旋回プレート1370の内側制御外形1371に従う。内側制御外形1371は、ロックローラ1354のための窪み1375を有する。クランプユニット1032によるさらなる動作の結果として、ロックローラ1354が内側制御外形1371に沿って窪み1375を越えて移動すると、図28で示すようにロック位置に到達する。このロック位置では、ロックばね1355がロックローラ1354によってロックを維持し、クランプユニット1032を外側制御外形1372から取り外すことが可能であり、ロック位置が維持される。案内マンドレル360は、ツイスト軸に移動される位置にある。
【0072】
ロックを解除するために、ロックローラ1354は、図の右側に移動する。図29は、ロック解除プロセスが開始される直前の図28に類似した図を示している。ストッパ1040は、案内装置1350上の対向ストッパ1359の反対側にある。対向ストッパ1359に対するストッパ1040の動きに応答して、案内ローラ1354が窪み1375の外側に移動し、その結果、案内マンドレル1360が圧縮ばね1351によって動かされ、移動位置から初期位置に戻される。窪み1375を越えたこの方向への案内ローラ1354の移動は、対向ストッパ1359に対するストッパ1040の相対位置によって定義される、ロック解除ポイントまたは解放ポイントを定義する。この相対位置は、案内装置1035をストッパ1040に対して動かすことで発生できる。ストッパ1040は、例えば、対向ストッパ1359の方向に、例えば空気圧で能動的に延長できるように、追加的に設計することができる。これにより、一定の範囲内で解放ポイントを変化させることができる。
【0073】
上記の説明はいくつかの実施形態を使用して行われているが、適宜、実施形態の個々のタスク、特徴、態様及び/または効果を互いに組み合わせる及び/または省略できることは自明である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29