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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】バスバー連結構造
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/58 20060101AFI20240820BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20240820BHJP
【FI】
H01R4/58 C
H01M50/503
H01M50/505
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022197910
(22)【出願日】2022-12-12
(65)【公開番号】P2024083851
(43)【公開日】2024-06-24
【審査請求日】2024-04-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏侑
(72)【発明者】
【氏名】金森 孝訓
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102009018945(DE,A1)
【文献】特表2021-531563(JP,A)
【文献】米国特許第6294739(US,B1)
【文献】国際公開第2020/235279(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第3553891(EP,A1)
【文献】独国特許出願公開第102012212907(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/58
H01M 50/503
H01M 50/505
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びた第1本体部と、前記第1本体部の前記第1方向における一方側の端部を前記第1方向に窪ませた凹部と、を有する第1バスバーと、
第2方向に延びた第2本体部と、前記第2本体部の前記第2方向における一方側の端部を前記第2方向に突出させた凸部と、を有する第2バスバーと、を備え、
前記凹部及び前記凸部は、前記第1バスバーに対して前記第2バスバーが、前記凸部を軸として、前記第1方向及び前記第2方向を含む面内で、相対的に回転可能な形状を有し、
前記凹部と前記凸部とが接合された、
バスバー連結構造。
【請求項2】
前記凹部は、凹円弧状の第1端面を有し、
前記凸部は、前記凹円弧状に対応する凸円弧状の第2端面を有する、
請求項1に記載のバスバー連結構造。
【請求項3】
前記第2端面は、円弧幅が、前記第2本体部における前記第2方向に交わる幅方向の寸法以下であり、円弧開き角が225度以上315度以下であり、
前記第2バスバーは、前記第2本体部と前記第2端面との間に切欠きを有する、
請求項2に記載のバスバー連結構造。
【請求項4】
前記第2端面の円弧幅は、前記第2本体部における前記第2方向に交わる幅方向の寸法よりも大きい、
請求項2に記載のバスバー連結構造。
【請求項5】
前記第1バスバー及び前記第2バスバーは、車両駆動用電力を供給するためのバスバーである、
請求項1から4のいずれか一項に記載のバスバー連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バスバー連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電動モータを用いて走行する電気自動車やハイブリッド自動車に搭載される電池パック内では、複数のセルの電極部間の接続等にバスバーが用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
扁平な直方体形状の金属導体であるバスバーを斜め方向に配索する場合の一例として、図7に示すバスバー連結構造101は、直線状に延びるバスバー110、113の間に、配索方向に合わせて端面が斜めにされたバスバー112を配置し、バスバー同士を接合している。また、他の例として、図8に示すバスバー連結構造101Aは、直線状に延びるバスバー121、123の下面に、配索方向に合わせて配置したバスバー122の上面を接合している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-4744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図7に示したバスバー連結構造101は、配索方向毎に接合角度が異なり、バスバー112の端面の傾斜角度を異ならせる必要があるため、汎用性が低い。また、図8に示したバスバー連結構造101Aは、バスバー同士を上下面で接合するため、厚さ(板厚)方向のスペースが必要となる。また、上記特許文献1に記載のバスバー連結構造においては、バスバー同士が、ヒンジ部を介して接続され、ヒンジ部が各バスバーの端部を円筒状に折り曲げて形成された筒状部を有するため、バスバーの板厚に加え筒状部のスペースが必要となる。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、汎用性を向上可能であり省スペースなバスバー連結構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係るバスバー連結構造は、下記を特徴としている。
第1方向に延びた第1本体部と、前記第1本体部の前記第1方向における一方側の端部を前記第1方向に窪ませた凹部と、を有する第1バスバーと、
第2方向に延びた第2本体部と、前記第2本体部の前記第2方向における一方側の端部を前記第2方向に突出させた凸部と、を有する第2バスバーと、を備え、
前記凹部及び前記凸部は、前記第1バスバーに対して前記第2バスバーが、前記凸部を軸として、前記第1方向及び前記第2方向を含む面内で、相対的に回転可能な形状を有し、
前記凹部と前記凸部とが接合された、
バスバー連結構造。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、汎用性を向上可能であり省スペースなバスバー連結構造を提供できる。
【0009】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1実施形態のバスバー連結構造を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示したバスバー連結構造の分解斜視図である。
図3図3は、図1に示したバスバー連結構造の一部を拡大して示す上面図である。
図4図4は、第2実施形態のバスバー連結構造を示す斜視図である。
図5図5は、図4に示したバスバー連結構造の分解斜視図である。
図6図6は、図4に示したバスバー連結構造の一部を拡大して示す上面図である。
図7図7は、従来のバスバー連結構造の一例を示す斜視図である。
図8図8は、従来のバスバー連結構造の他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のバスバー連結構造1を示す斜視図である。図2は、図1に示したバスバー連結構造1の分解斜視図である。図3は、図1に示したバスバー連結構造1の一部を拡大して示す上面図である。以下、説明の便宜上、図1に示すように、「前後方向」、「左右方向」、及び「上下方向」を定義する。「前後方向」、「左右方向」及び「上下方向」は、互いに直交する。前後方向は第1方向の一例である。
【0013】
バスバー連結構造1は、自動車の部品及び/又は機器間に組付けられるものであって、例えば、車両のモーターを駆動するための電力供給源として用いられる電池パック内における電気的接続に用いられる。バスバー連結構造1は、車両駆動用電力を供給するためのバスバー、すなわち高電圧用バスバーである。
【0014】
バスバー連結構造1は、バスバー11、バスバー13、バスバー15、バスバー17、及びバスバー19を備え、後述のように、隣接するバスバー同士が、例えばレーザー溶接により、接合される。バスバー15は第1バスバーの一例であり、バスバー17は第2バスバーの一例である。
【0015】
バスバー11、13、15、17は、いずれも、所定厚さの導電性金属板を打ち抜いて形成され、扁平な直方体状を有する。バスバー11、15、19は、前後方向に延在する。バスバー13は上下方向に延在する。バスバー17は、前後方向に対して所定角度傾斜した斜め方向に延在する。この斜め方向は第2方向の一例である。バスバー11は部品への取付用の貫通孔111を後側端部に有し、前側端部がバスバー13の上側端面に接合される。バスバー13は、下側端面がバスバー15の後側端部上面に接合される。
【0016】
バスバー15は、前後方向に延びた本体部151と、本体部151の前後方向における一方側の端部、すなわち前側端部、を前後方向に窪ませた凹部152と、を有する。本体部151は第1本体部の一例である。バスバー17は、斜め方向に延びた本体部171と、本体部171の斜め方向における一方側の端部、すなわち後側端部、を斜め方向に突出させた凸部172と、を有する。凹部152及び凸部172は、バスバー15に対してバスバー17が、凸部172を軸として、水平面内、すなわち前後方向及び斜め方向を含む面内、で回転可能な形状を有して、凹部152と凸部172とが接合されている。
【0017】
凹部152は、凹円弧状の端面15aを有する。凸部172は、端面15aの凹円弧状に対応する凸円弧状の端面17aを有する。端面15aは第1端面の一例であり、端面17aは第2端面の一例である。凹部152及び凸部172は、略同じ径寸法の凹凸円弧状の端面15a、17aを有するので、互いに当接した状態で回転可能とされる。凹凸円弧状の端面15a、17aは、凸円弧状の端面17aの径が凹円弧状の端面15aよりも少し小さくされている。したがって、バスバー15とバスバー17とを、端面15a、17aが当接した状態で、本体部151、171が所定の角度で配置されるように連結可能となる。
【0018】
バスバー連結構造1は、凹部152及び凸部172は、バスバー15に対してバスバー17が、凸部172を軸として、水平面内で回転可能な形状を有して、凹部152と凸部172とが接合される。この構成により、バスバー15とバスバー17との連結角度を調整可能となるため、バスバー連結構造1の汎用性を向上できる。また、バスバー15とバスバー17とが、同一面内で接続されるため、バスバー15とバスバー17とを重ねて接続する場合と比較して、厚さ(板厚)方向、すなわち上下方向のスペースを低減できる。さらに、バスバー15とバスバー17とは円弧面で接合するため、接合面積が広く、安定した導通が可能となる。
【0019】
バスバー17は、前側端部に、バスバー15の凹部152と同様の凹部が設けられる。バスバー19は、後側端部に、バスバー17の凸部172と同様の凸部が設けられ、前側端部に、部品への取付用の貫通孔191を有する。これらの凹部及び凸部は、バスバー17に対してバスバー19がこの凸部を軸として、水平面内で回転可能な形状を有する。したがって、バスバー17とバスバー19との連結角度が調整可能となる。バスバー17及びバスバー19は、本体部151、171が所定の角度となるように配置されて、凹部152と凸部172とが接合される。バスバー17及びバスバー19がこのように接合されることで、バスバー17とバスバー19とを重ねて接続する場合と比較して、厚さ方向のスペースを低減できる。バスバー17は第1バスバーの一例でもあり、バスバー19は第2バスバーの一例である。
【0020】
バスバー17の凸円弧状の端面17aは、図3に示すように、円弧幅WAが、本体部171における幅方向の寸法である幅WB以下であり、中心点O周りの角度である円弧開き角θが略270度である。また、図3に示すように、バスバー17は、本体部171と端面17aとの間に切欠き173を有する。切欠き173が設けられることにより、端面17aの凸円弧長さ、すなわち水平面内における端面17aの長さを大きくでき、バスバー17は、バスバー15に対して、先端部153が切欠き173に当接する位置まで回転可能となる。すなわち、バスバー15に対するバスバー17の回転可能範囲を大きくできる。よって、バスバー連結構造1の汎用性を向上できる。先端部153は、バスバー15の本体部151前側端部における左右側面と、凹部152の左右端部とで構成され、切欠き173は、先端部153を収容可能な形状及び大きさに形成される。端面17aは、円弧開き角θが225度以上315度以下であることにより、バスバー15に対するバスバー17の回転可能範囲を大きくでき、かつ、切欠き173を介した凸部172と本体部171との接続強度を担保できる。
【0021】
上記のように構成されたバスバー連結構造1は、バスバー11、バスバー15、バスバー17、及びバスバー19が接合されて構成される。バスバー連結構造1は、バスバー11及びバスバー19のそれぞれが貫通孔111及び貫通孔191のそれぞれにおいて各部品等に取り付けられて、部品の導通を可能とする。バスバー15、17、19は、隣接するバスバー同士の突き当て接合部において、一方に凸円弧状の端面17a、19aを有し、凸円弧と略同じ径寸法の凹円弧状の端面15a、17bを他方に有する。バスバー15、17、19は、各接合面が円弧形状のため、配索方向に合わせて角度の異なる斜め端面にする必要がなく、円弧状の様々な方向に接合できる。このように、バスバー連結構造1は、バスバー同士が円弧面で接合することにより、回転方向を自由に調整して接合できるので、経路が異なる部品に取り付けることができ、汎用性を向上できる。また、バスバー連結構造1は、バスバー同士が円弧面で接合するため、通常の突き当て接合よりも接合面積が広く、安定した導通が可能となる。
【0022】
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態のバスバー連結構造を示す斜視図である。図5は、図4に示したバスバー連結構造の分解斜視図である。図6は、図4に示したバスバー連結構造の一部を拡大して示す上面図である。以下、説明の便宜上、図5に示すように、「前後方向」、「左右方向」、及び「上下方向」を定義する。「前後方向」、「左右方向」及び「上下方向」は、互いに直交する。第2実施形態において、図1図4に示した部材・部位と同等の部材・部位には同等の符号を付し重複する説明は省略する。
【0023】
バスバー連結構造1Aは、図1図3に示したバスバー連結構造1におけるバスバー15、17、19に代えて、図4に示すように、バスバー15A、17A、19Aを備える。
【0024】
バスバー15Aは、前後方向に延びた本体部151Aと、本体部151Aの前後方向における一方側の端部、すなわち前側端部、を前後方向に窪ませた凹部152Aと、を有する。本体部151Aは第1本体部の一例である。バスバー17Aは、斜め方向に延びた本体部171Aと、本体部171Aの斜め方向における一方側の端部、すなわち後側端部、を斜め方向に突出させた凸部172Aと、を有する。凹部152A及び凸部172Aは、バスバー15Aに対してバスバー17Aが、凸部172Aを軸として、水平面内、すなわち前後方向及び斜め方向を含む面内、で回転可能な形状を有して、凹部152Aと凸部172Aとが接合されている。
【0025】
凹部152Aは、凹円弧状の端面15Aaを有する。凸部172Aは、端面15Aaの凹円弧状に対応する凸円弧状の端面17Aaを有する。端面15Aaは第1端面の一例であり、端面17Aaは第2端面の一例である。凹部152A及び凸部172Aは、凸円弧と略同じ径寸法の凹凸円弧状の端面15Aa、17Aaを有するので、互いに当接した状態で回転可能とされる。凹凸円弧状の端面15Aa、17Aaは、凸円弧状の端面17Aaの径が凹円弧状の端面15Aaよりも少し小さくされている。したがって、バスバー15Aとバスバー17Aとを、端面15Aa、17Aaが当接した状態で、本体部151A、171Aが所定の角度で配置されるように連結可能となる。
【0026】
バスバー連結構造1Aは、凹部152A及び凸部172Aは、バスバー15Aに対してバスバー17Aが、凸部172Aを軸として、水平面内で回転可能な形状を有して、凹部152Aと凸部172Aとが接合される。この構成により、バスバー15Aとバスバー17Aとの連結角度を調整可能となるため、バスバー連結構造1Aの汎用性を向上できる。また、バスバー15Aとバスバー17Aとが、同一面内で接続されるため、バスバー15Aとバスバー17Aとを重ねて接続する場合と比較して、厚さ方向、すなわち上下方向のスペースを低減できる。さらに、バスバー15Aとバスバー17Aとは円弧面で接合するため、接合面積が広く、安定した導通が可能となる。
【0027】
バスバー17Aは、前側端部に、バスバー15Aの凹部152Aと同様の凹部が設けられる。バスバー19Aは、後側端部に、バスバー17Aの凸部172Aと同様の凸部が設けられ、前側端部に、部品への取付用の貫通孔19A1を有する。これらの凹部及び凸部は、バスバー17Aに対してバスバー19Aがこの凸部を軸として、水平面内で回転可能な形状を有する。したがって、バスバー17Aとバスバー19Aとの連結角度が調整可能となる。バスバー17A及びバスバー19Aは、本体部151A、171Aが所定の角度となるように配置されて、凹部152Aと凸部172Aとが接合される。バスバー17A及びバスバー19Aがこのように接合されることで、バスバー17Aとバスバー19Aとを重ねて接続する場合と比較して、厚さ方向のスペースを低減できる。バスバー17Aは第1バスバーの一例でもあり、バスバー19Aは第2バスバーの一例である。
【0028】
バスバー17Aの凸円弧状の端面17Aaは、図6に示すように、円弧幅WAが、本体部171Aにおける幅方向の寸法である幅WBよりも大きく、中心点O周りの角度である円弧開き角θが略270度である。端面17Aaは、円弧幅WAが本体部171Aの幅WBよりも大きいので、バスバー17は、バスバー15に対する回転可能範囲が大きくなる。よって、バスバー連結構造1の汎用性を向上できる。端面17Aaは、円弧開き角θが225度以上315度以下であることにより、バスバー15Aに対するバスバー17Aの回転可能範囲を十分に大きくでき、実用上有利である。
【0029】
上記のように構成されたバスバー連結構造1Aは、バスバー11、バスバー15A、バスバー17A、及びバスバー19Aが接合されて構成される。バスバー連結構造1Aは、バスバー11及びバスバー19Aのそれぞれが貫通孔111及び貫通孔19A1のそれぞれにおいて各部品等に取り付けられて、導通を可能とする。バスバー15A、17A、19Aは、隣接するバスバー同士の突き当て接合部において、一方に、バスバー本体部の幅よりも直径が大きい凸円弧状の端面17Aa、19Aaを有し、凸円弧と略同じ径寸法の凹円弧状の端面15Aa、17Abを他方に有する。バスバー15A、17A、19Aは、各接合面が円弧形状のため、配索方向に合わせて角度の異なる斜め端面にする必要がなく、円弧状の様々な方向に接合できる。このように、バスバー連結構造1Aは、バスバー同士が円弧面で接合することにより、回転方向を自由に調整して接合できるので、経路が異なる部品に取り付けることができ、汎用性を向上できる。また、バスバー連結構造1Aは、バスバー同士が円弧面で接合するため、通常の突き当て接合よりも接合面積が広く、安定した導通が可能となる。
【0030】
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、前述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。前述した各実施形態では、一本のバスバー17、17Aは、一方の端面17a、17Aaを凸円弧形状、他方の端面17b、17Abを凹円弧形状としているが、両方の端面が凸円弧形状であってもよいし、両方の端面が凹円弧形状であってもよい。
【0031】
また、前述した各実施形態では、バスバー15、15Aの凹部152、152Aとバスバー17、17Aの凸部172、172Aとが、凹円弧状の端面15a、15Aaと凸円弧状の端面17a、17Aaとで接合したが、凹部と凸部の形状は円弧状に限定されない。凹部及び凸部は、一方のバスバーに対して他方のバスバーが水平面内で相対的に回転可能な形状であればよく、例えば、多角形状又はギア形状であってもよい。
【0032】
ここで、上述した本発明の実施形態に係るバスバー連結構造の特徴をそれぞれ以下[1]~[5]に簡潔に纏めて列記する。
【0033】
[1] 第1方向(前後方向)に延びた第1本体部(本体部151)と、前記第1本体部の前記第1方向における一方側の端部を前記第1方向に窪ませた凹部(152)と、を有する第1バスバー(バスバー15)と、
第2方向に延びた第2本体部(本体部171)と、前記第2本体部の前記第2方向における一方側の端部を前記第2方向に突出させた凸部(172)と、を有する第2バスバー(バスバー17)と、を備え、
前記凹部及び前記凸部は、前記第1バスバーに対して前記第2バスバーが、前記凸部を軸として、前記第1方向及び前記第2方向を含む面内で、相対的に回転可能な形状を有し、
前記凹部と前記凸部とが接合された、
バスバー連結構造(1、1A)。
【0034】
上記[1]の構成のバスバー連結構造によれば、凹部及び凸部は、第1バスバーに対して第2バスバーが、凸部を軸として、第1方向及び第2方向を含む面内で回転可能な形状を有して、凹部と凸部とが接合される。この構成により、第1バスバーと第2バスバーとの連結角度を調整可能となるため、バスバー連結構造の汎用性を向上できる。また、第1バスバーと第2バスバーとが、同一面内で接続されるため、第1バスバーと第2バスバーとを重ねて接続する場合と比較して、厚さ方向のスペースを低減できる。
【0035】
[2] 前記凹部(152)は、凹円弧状の第1端面(端面15a、15Aa)を有し、
前記凸部(172)は、前記凹円弧状に対応する凸円弧状の第2端面(端面17a、17Aa)を有する、
上記[1]に記載のバスバー連結構造。
【0036】
上記[2]の構成のバスバー連結構造によれば、第1バスバーと第2バスバーとが円弧面で接合するので、接合面積が広く、安定した導通が可能となる。
【0037】
[3] 前記第2端面(端面17a)は、円弧幅(WA)が、前記第2本体部(本体部171)における前記第2方向に交わる幅方向の寸法(幅WB)以下であり、円弧開き角(θ)が225度以上315度以下であり、
前記第2バスバー(バスバー17)は、前記第2本体部と前記第2端面との間に切欠きを有する、
上記[2]に記載のバスバー連結構造。
【0038】
上記[3]の構成のバスバー連結構造によれば、第2バスバーが第2本体部と第2端面との間に切欠きを有するので、第2端面の凸円弧長さを大きくでき、第2バスバーは、第1バスバーに対して第1バスバーの先端部が切欠きに当接する位置まで回転可能となる。すなわち、第1バスバーに対する第2バスバーの回転可能範囲を大きくできる。よって、汎用性を向上できる。また、円弧開き角が225度以上315度以下であることにより、第1バスバーに対する第2バスバーの回転可能範囲を大きくでき、かつ、切欠きを介した凸部と第2本体部との接続強度を担保できる。
【0039】
[4] 前記第2端面の円弧幅(WA)は、前記第2本体部における前記第2方向に交わる幅方向の寸法(幅WB)よりも大きい、
上記[2]に記載のバスバー連結構造。
【0040】
上記[4]の構成のバスバー連結構造によれば、凸円弧状の第2端面は、円弧幅が第2本体部の幅よりも大きいので、第1バスバーに対する第2バスバーの回転可能範囲を大きくできる。よって、汎用性を向上できる。
【0041】
[5] 前記第1バスバー及び前記第2バスバーは、車両駆動用電力を供給するためのバスバーである、
上記[1]から[4]のいずれか一に記載のバスバー連結構造。
【0042】
上記[5]の構成のバスバー連結構造によれば、例えば、車両に搭載される高圧電池パック内での電気的接続に使用可能となる。
【符号の説明】
【0043】
1、1A バスバー連結構造
11、13、15、17、19、15A、17A、19A バスバー
15a、17a、17b、15Aa、17Aa、17Ab、19a、19Aa 端面
151、151A、171、171A 本体部
152、152A 凹部
153 先端部
172、172A 凸部
O 中心点
WA 円弧幅
WB 本体部の幅
θ 円弧開き角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8