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特許7541072エアロゾル供給デバイスの取外し可能な部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】エアロゾル供給デバイスの取外し可能な部材
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20240820BHJP
   A24F 40/50 20200101ALI20240820BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/50
【請求項の数】 35
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022205596
(22)【出願日】2022-12-22
(62)【分割の表示】P 2021194560の分割
【原出願日】2018-11-23
(65)【公開番号】P2023024666
(43)【公開日】2023-02-16
【審査請求日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】1719579.3
(32)【優先日】2017-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】モロニ―, パトリック
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-533513(JP,A)
【文献】国際公開第2016/124550(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/193958(WO,A1)
【文献】特開2017-127300(JP,A)
【文献】国際公開第2017/032695(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/42
A24F 40/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換可能な消耗品を受容するチャンバを備えたエアロゾル供給デバイスとともに用いられるように構成された取外し可能なライナであって、
前記エアロゾル供給デバイスの前記チャンバの壁と前記交換可能な消耗品との間で前記チャンバ内に受容されるように構成され
使用時に前記交換可能な消耗品を取外し可能に受容するように構成されており
ヒータから前記交換可能な消耗品に熱を伝達するように構成された伝熱材料を含む、取外し可能なライナ。
【請求項2】
使用時に前記交換可能な消耗品からの物質を受けるように構成されている、請求項1に記載の取外し可能なライナ。
【請求項3】
多孔質である、請求項1又は2に記載の取外し可能なライナ。
【請求項4】
1つ又は複数の開口部を画定している、請求項1~3のいずれか一項に記載の取外し可能なライナ。
【請求項5】
使用時に、前記交換可能な消耗品を受容する開放端を画定している、請求項1~4のいずれか一項に記載の取外し可能なライナ。
【請求項6】
熱絶縁材料を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の取外し可能なライナ。
【請求項7】
前記熱絶縁材料が、紙、厚紙、及びプラスチックのうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載の取外し可能なライナ。
【請求項8】
前記交換可能な消耗品を受容する端部において配置された熱絶縁材料の領域、又は、端部に向かって配置された熱絶縁材料の領域を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の取外し可能なライナ。
【請求項9】
前記エアロゾル供給デバイスのロック装置に係合して、当該取外し可能なライナの前記エアロゾル供給デバイスからの取り外しを制限するように構成されたロック機構を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の取外し可能なライナ。
【請求項10】
加熱によって活性化する香味料を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の取外し可能なライナ。
【請求項11】
交換可能な消耗品を受容するチャンバを有するエアロゾル供給デバイスと、
前記チャンバ内に少なくとも一部が配設された交換可能な消耗品と、
前記交換可能な消耗品を取外し可能に受容するように構成され、前記チャンバの壁と前記交換可能な消耗品との間に配設された取外し可能なライナであって、使用時に前記交換可能な消耗品の少なくとも一部を囲む、取外し可能なライナと
を備えるシステムであって、
前記取外し可能なライナが伝熱材料を含み、前記エアロゾル供給デバイスは、前記伝熱材料が使用時に前記交換可能な消耗品へと熱を伝達するように構成されたヒータを備える、システム
【請求項12】
前記取外し可能なライナが、使用時に前記交換可能な消耗品からの物質を受けるように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記取外し可能なライナが多孔質である、請求項11又は12に記載のシステム。
【請求項14】
前記取外し可能なライナが、1つ又は複数の開口部を画定している、請求項1113のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記取外し可能なライナが、使用時に前記交換可能な消耗品を受容する開放端を画定している、請求項1114のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記取外し可能なライナが熱絶縁材料を含む、請求項1115のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
熱絶縁材料が、紙、厚紙、及びプラスチックのうちの少なくとも1つを含む、請求項1116のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記取外し可能なライナが、前記交換可能な消耗品を受容する端部において配置された熱絶縁材料の領域、又は、端部に向かって配置された熱絶縁材料の領域を備える請求項11~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記エアロゾル供給デバイスが、
前記伝熱材料が閾値温度に達することと、
閾値時間が経過することと
のうちの少なくとも一方まで、前記取外し可能なライナの前記チャンバからの取り外しを制限するように構成されたロック装置を備える、請求項11~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記エアロゾル供給デバイスが温度センサをさらに備え、前記ロック装置が、前記取外し可能なライナが前記閾値温度に達したことを前記温度センサが示すまで、前記取外し可能なライナの前記チャンバからの取り外しを制限するように構成されている、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記伝熱材料が閾値温度に達するまで、前記取外し可能なライナの前記チャンバからの取り外しを制限するように構成されたワックスアクチュエータをさらに備える、請求項11~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記取外し可能なライナが、前記ロック装置に係合して、当該取外し可能なライナの前記チャンバからの取り外しを制限するように構成されたロック機構を備える、請求項19又は20に記載のシステム。
【請求項23】
前記エアロゾル供給デバイスが、前記チャンバに受容された取外し可能なライナの種類を検出するように構成されているとともに、前記取外し可能なライナの種類の検出に応答して、前記取外し可能なライナの種類に基づく特定の加熱プロファイルを提供するようにさらに構成されている、請求項1122のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記エアロゾル供給デバイスが、2つ以上の取外し可能なライナを格納するように構成された収容部を備える、請求項1123のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
第2の取外し可能なライナをさらに備え、
前記取外し可能なライナが第1の内側断面を有し、
前記第2の取外し可能なライナが、前記第1の内側断面と異なる第2の内側断面を有し、
前記チャンバが、前記取外し可能なライナの外側断面及び前記第2の取外し可能なライナの外側断面と実質的に同じ第3の内側断面を有する、請求項1124のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
チャンバを備えたデバイスを用いてエアロゾルを生成する方法であって、
取外し可能なライナを前記チャンバ内にて受容するステップと、
交換可能な消耗品の少なくとも一部を、前記取外し可能なライナが前記チャンバの壁と前記交換可能な消耗品との間に配設されるように前記取外し可能なライナ内にて受容するステップであって、前記取外し可能なライナは、前記交換可能な消耗品を取外し可能に受容するように構成されている、ステップと、
ヒータを用いて前記交換可能な消耗品を加熱することにより、前記エアロゾルを生成するステップと
を含
前記取外し可能なライナが伝熱材料を含み、前記デバイスが前記ヒータを備えており、
前記伝熱材料に沿って、前記ヒータから前記交換可能な消耗品に熱を伝達するステップをさらに含む、方法。
【請求項27】
物質を前記取外し可能なライナで受けるステップをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記取外し可能なライナに空気を通過させるステップと、
前記取外し可能なライナに前記エアロゾルを通過させることにより、前記エアロゾルから1つ又は複数の構成物質を除去するステップと
のうちの少なくとも一方をさらに含む、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
前記取外し可能なライナにより画定された少なくとも1つの開口部に空気を通過させるステップをさらに含む、請求項2628のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記交換可能な消耗品の前記少なくとも一部を前記取外し可能なライナ内にて受容する前記ステップが、前記交換可能な消耗品を前記取外し可能なライナの開放端内にて受容することを含む、請求項2629のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記取外し可能なライナを用いて、前記交換可能な消耗品により生成された熱から、収容部の少なくとも一部を絶縁するステップをさらに含む、請求項2630のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記伝熱材料が閾値温度に達することと、
閾値時間が経過することと
のうちの少なくとも一方まで、前記取外し可能なライナの前記チャンバからの取り外しを制限するステップをさらに含む、請求項26~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記交換可能な消耗品を加熱した後に、前記取外し可能なライナを前記チャンバから取り外すステップをさらに含む、請求項2632のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記交換可能な消耗品を加熱した後に、前記取外し可能なライナを取り外して廃棄するステップをさらに含む、請求項2632のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記交換可能な消耗品を加熱した後に、前記取外し可能なライナを取り外し、洗浄して交換するステップをさらに含む、請求項2632のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給デバイス、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻タバコ、葉巻タバコ等の喫煙品は、使用時にタバコを燃焼させて、タバコ煙を生成する。燃焼なしに化合物を放出する製品の創出によって、これらタバコを燃焼させる物品の代替物を提供しようとする試みがなされている。このような製品の例は、材料を燃焼させずに加熱することによって化合物を放出する加熱デバイスである。この材料は、例えばタバコ又は他の非タバコ製品が考えられ、ニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
【発明の概要】
【0003】
本開示の第1の態様によれば、交換可能な消耗品を受容するチャンバを備えたエアロゾル供給デバイスとともに用いられるように構成された取外し可能なライナであって、
エアロゾル供給デバイスのチャンバの壁と交換可能な消耗品との間でチャンバ内に嵌合する寸法を有し、
使用時に、交換可能な消耗品を受容するように構成された取外し可能なライナが提供される。
【0004】
いくつかの例において、取外し可能なライナは、使用時に、交換可能な消耗品からの物質を受けるように構成されている。
【0005】
いくつかの例において、取外し可能なライナは、多孔質である。
【0006】
いくつかの例において、取外し可能なライナは、1つ又は複数の開口部を画定する。
【0007】
いくつかの例において、取外し可能なライナは、使用時に、交換可能な消耗品を受容する開放端を画定する。例えば、取外し可能なライナは、スリーブ状であってもよく、取外し可能なライナの一端が開口部を画定し、反対側の他端が閉鎖されている。
【0008】
いくつかの例において、取外し可能なライナは、熱絶縁材料を含む。また、いくつかの例において、取外し可能なライナは、電気絶縁材料を含む。
【0009】
いくつかの例において、熱絶縁材料は、紙、厚紙、及びプラスチックのうちの少なくとも1つを含む。
【0010】
いくつかの例において、取外し可能なライナは、異なる材料の複合物又は混成物である。例えば、取外し可能なライナは、金属等の伝熱材料と組み合わせて、セラミック、紙、プラスチック、又は厚紙材料を含んでいてもよい。
【0011】
いくつかの例において、取外し可能なライナは、エアロゾル供給デバイスのヒータから交換可能な消耗品に熱を伝達するように構成された伝熱材料を含む。いくつかの例において、取外し可能なライナは、全体が伝熱材料で構成されてもよいが、他の例においては、一部のみが伝熱材料で構成されてもよい。一例において、伝熱材料は、取外し可能なライナ内又は取外し可能なライナに沿った1つ又は複数の好適な場所に配置されて、ヒータから交換可能な消耗品に熱を伝達可能である。
【0012】
いくつかの例において、取外し可能なライナの壁は、伝熱材料が配設された伝熱領域を備える。したがって、いくつかの例において、取外し可能なライナの壁は、すべての位置で完全に伝熱ではなく、取外し可能なライナの壁全体に伝熱材料が配設されている。例えば、伝熱バー、フィラメント、又は部位がそれぞれの位置で、壁を通じて外面から内面まで熱を流し得る。
【0013】
いくつかの例において、取外し可能なライナは、交換可能な消耗品を受容する端部において、又は、端部に向かって配置された熱絶縁材料の領域を備える。一例において、熱絶縁領域は、取外し可能なライナの上端に配置されてもよい。この熱絶縁領域は、取外し可能なライナがエアロゾル供給デバイスに挿入された場合であっても、露出するようになっていてもよいが、他の例においては、全部又は一部がエアロゾル供給デバイスに受容される。一例において、取外し可能なライナは、熱絶縁材料を含む領域を除いて、全体が熱伝導性である。
【0014】
いくつかの例において、取外し可能なライナは、エアロゾル供給デバイスのロック装置に係合して、当該取外し可能なライナのエアロゾル供給デバイスからの取り外しを制限するように構成されたロック機構を備える。エアロゾル供給デバイス内の対応するロック装置が取外し可能なライナと連動してもよい。
【0015】
本開示の第2の態様によれば、
交換可能な消耗品を受容するチャンバを有するエアロゾル供給デバイスと、
チャンバ内に少なくとも一部が配設された交換可能な消耗品と、
チャンバの壁と交換可能な消耗品との間に配設された取外し可能なライナであり、使用時に、交換可能な消耗品の少なくとも一部を囲む、取外し可能なライナと、
を備えたシステムが提供される。
【0016】
一例において、取外し可能なライナは、伝熱材料を含み、エアロゾル供給デバイスは、伝熱材料が使用時に交換可能な消耗品へと熱を伝達するように構成されたヒータを備える。
【0017】
いくつかの例において、エアロゾル供給デバイスは、
伝熱材料が閾値温度に達することと、
閾値時間が経過することと、
の少なくとも一方まで、取外し可能なライナのチャンバからの取り外しを制限するように構成されたロック装置を備える。
【0018】
一例において、閾値時間は、ヒータが最後にスイッチオフされてから経過した時間として定義される。
【0019】
別の例において、エアロゾル供給デバイスは、温度センサをさらに備え、ロック装置は、取外し可能なライナが閾値温度に達したことを温度センサが示すまで、取外し可能なライナのチャンバからの取り外しを制限するように構成されている。
【0020】
いくつかの例において、取外し可能なライナは、ロック装置に係合して、当該取外し可能なライナのチャンバからの取り外しを制限するように構成されたロック機構を備える。これにより、ロック装置及びロック機構が協働して、取外し可能なライナを適所にロックする。ただし、他の例において、取外し可能なライナは、ロック装置と協働するロック機構を備えない。例えば、ロック装置は、取外し可能なライナを把持して適所に保持するカラーを備えてもよい。
【0021】
いくつかの例において、エアロゾル供給デバイスは、伝熱材料が閾値温度に達するまで、取外し可能なライナのチャンバからの取り外しを制限するように構成されたワックスアクチュエータを備える。
【0022】
本開示の第3の態様によれば、チャンバを備えたデバイスを用いてエアロゾルを生成する方法であって、
取外し可能なライナをチャンバ内に受容するステップと、
交換可能な消耗品の少なくとも一部を取外し可能なライナ内に受容するステップであり、取外し可能なライナがチャンバの壁と交換可能な消耗品との間に配設されるようにする、ステップと、
ヒータを用いて交換可能な消耗品を加熱することにより、エアロゾルを生成するステップと、
を含む、方法が提供される。
【0023】
いくつかの例において、この方法は、物質を取外し可能なライナ内で受けるステップをさらに含む。
【0024】
いくつかの例において、この方法は、
取外し可能なライナに空気を通過させるステップと、
取外し可能なライナにエアロゾルを通過させることにより、エアロゾルから1つ又は複数の構成物質を除去するステップと、
の少なくとも一方をさらに含む。
【0025】
いくつかの例において、この方法は、取外し可能なライナにより画定された少なくとも1つの開口部に空気を通過させるステップをさらに含む。
【0026】
いくつかの例において、交換可能な消耗品の少なくとも一部を取外し可能なライナ内にて受容するステップは、交換可能な消耗品を取外し可能なライナの開放端にて受容することを含む。
【0027】
いくつかの例において、この方法は、取外し可能なライナを用いて、交換可能な消耗品により生成された熱から、収容部の少なくとも一部を絶縁するステップをさらに含む。
【0028】
いくつかの例においては、取外し可能なライナが伝熱材料を含み、デバイスがヒータを備えており、この方法は、伝熱材料に沿って、ヒータから交換可能な消耗品に熱を伝達するステップをさらに含む。
【0029】
いくつかの例において、この方法は、
伝熱材料が閾値温度に達することと、
閾値時間が経過することと、
の少なくとも一方まで、取外し可能なライナのチャンバからの取り外しを制限するステップをさらに含む。
【0030】
いくつかの例において、この方法は、
伝熱材料の温度をモニタリングすることと、
時間をモニタリングすることと、
の少なくとも一方をさらに含む。
【0031】
いくつかの例において、この方法は、交換可能な消耗品を加熱した後に、取外し可能なライナをチャンバから取り外すステップをさらに含む。
【0032】
いくつかの例において、この方法は、交換可能な消耗品を加熱した後に、取外し可能なライナを取り外して廃棄するステップをさらに含む。
【0033】
いくつかの例において、この方法は、交換可能な消耗品を加熱した後に、取外し可能なライナを取り外し、洗浄して交換するステップをさらに含む。
【0034】
別の態様においては、システム/キットが提供され、このシステムは、複数の消耗品及び上述のような少なくとも1つの取外し可能なライナを備える。少なくとも1つの取外し可能なライナは、複数の消耗品とともに用いられるように構成され、また、複数の消耗品のうちの1つを受容するように構成されている。例えば、取外し可能なライナは、消耗品を受容するように寸法決めされてもよい。
【0035】
別の態様においては、システム/キットが提供され、このシステムは、第1の複数の消耗品及び第1の取外し可能なライナ並びに第2の複数の消耗品及び第2の取外し可能なライナを備える。第1の取外し可能なライナは、第1の複数の消耗品とともに用いられるように構成され、第2の取外し可能なライナは、第2の複数の消耗品とともに用いられるように構成されている。例えば、第1の取外し可能なライナは、第1の複数の消耗品のうちの1つを受容するように寸法決めされてよく、第2の取外し可能なライナは、第2の複数の消耗品のうちの1つを受容するように寸法決めされてもよく、第1及び第2の取外し可能なライナは異なる。
【0036】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明するが、これらは一例に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】取外し可能なライナを備えたエアロゾル供給デバイスの一例の概略断面図である。
図2】取外し可能なライナを備えたエアロゾル供給デバイスの別の例の概略断面図である。
図3】エアロゾル供給デバイスの例示的な取外し可能なライナの概略断面図である。
図4】取外し可能なライナを備えたエアロゾル生成システムの一例の一部の断面図である。
図5】一例に係る、エアロゾルを生成する例示的な方法を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1を参照して、この図は、エアロゾルを生成するデバイス102を備えた例示的なシステム100を示している。また、このシステムは、交換可能な消耗品106及び取外し可能なライナ110を備える。概略的には、デバイス102のチャンバ/収容部108に交換可能な消耗品106が挿入されると、デバイス102内のヒータ104が消耗品106等の基板を加熱する。使用者が消耗品106を利用すると、空気が入口115を通ってチャンバに流れ込む。交換可能な消耗品106がヒータによって加熱されると、蒸気又はエアロゾルが消耗品106から放出されるため、エアロゾル等の吸引可能媒体が生成される。いくつかの例において、このデバイスは、吸引可能媒体を生成する装置として知られている場合がある。
【0039】
ヒータ104は、交換可能な消耗品106を加熱するように構成されている。ヒータは、バッテリー(図示せず)により給電されてもよい。スイッチ等の制御要素(図示せず)が使用者により操作され、ヒータ104へのエネルギー供給を制御するようになっていてもよい。本例において、ヒータは、電気抵抗ヒータである。例えば、ヒータは、ニクロム抵抗ヒータ、セラミックヒータであってもよく、また、例えば炭素、グラファイト、又はダイヤモンド入り材料又は複合材であってもよい。ただし、他の例において、ヒータ104は、誘導ヒータであってもよい。非電気的加熱構成体等、他の加熱構成体が用いられるようになっていてもよい。また、いくつかの例において、チャンバ108の壁が熱伝達機構の一部を構成する。
【0040】
図1において、デバイス102は、ハウジングを備える。ハウジングは、取外し可能なライナ110及び消耗品106を受容する開放端112を有する。本例において、交換可能な消耗品106は、タバコ(例えば、再生タバコ)を含み、チャンバ108及びライナ110内に受容されるように、一部が開放端112に挿入される。また、このデバイスは、消耗品106が配置されていない場合に開口112を覆う蓋又はキャップ114を備えてもよい。本例において、キャップ114は、開口112がアクセス可能となるように、開放構成で示している。
【0041】
取外し可能なライナは、チャンバ108の壁と交換可能な消耗品106との間に配設されている。したがって、ライナ110は、デバイス102のチャンバ108内に嵌合するように寸法決めされている。いくつかの例において、ライナは、直径がおよそ0.4cm~およそ1.1cmで、長さ寸法がおよそ5cm~およそ10cmであってもよいが、当然のことながら、他の実施態様においては、チャンバ108及び/又は交換可能な消耗品106の形状に応じて、ライナ110が他の形状であってもよい。
【0042】
いくつかの例において、ライナ110の内径は、その長さに沿って変化する。このため、ライナ110は、その長さに沿って直径が変化する消耗品106を受容するようにしてもよい。いくつかの例において、ライナ110は、その長さに沿ってサイズが一定の外径を有し、ライナ110の内径は、その長さに沿ってサイズが変化する。これにより、ライナ110は、その長さに沿って直径が一定のチャンバ108内に受容可能でありながら、直径が変化する消耗品を受容可能である。
【0043】
いくつかの例においては、複数のライナが設けられていてもよく、複数のライナそれぞれが(i)異なるサイズの内径及び(ii)同じサイズの外径を有する。これにより、使用者は、単一のエアロゾル供給デバイスで消耗品を使用できるように、適当にサイズが定められた消耗品に対してライナを選択可能である。
【0044】
消耗品製品は、例えば当該消耗品製品を受容するようにサイズが定められたチャンバ内に配置されるように構成された所定又は特定サイズであってもよい。一例において、交換可能な消耗品は、本質的に管状であり、「タバコスティック」として知られている場合がある。いくつかの例において、消耗品は、特定の形状に形成されたタバコを含み、これが、紙又は箔等の1つ又は複数の他の材料に被覆又はラッピングされてもよい。したがって、ライナは、交換可能な消耗品を受容するように寸法決めされてもよい。一例において、ライナは、管状である。
【0045】
取外し可能なライナ110の使用により、交換可能な消耗品106の加熱の結果としてのチャンバ108の損傷若しくは劣化からの保護及び/又は衛生学的な利益の提供が可能である。使用者は、交換可能な消耗品106がチャンバ108の内壁に直接接触することのないように、最初にライナ110をチャンバ108に挿入した後、交換可能な消耗品をライナ110に挿入するようにしてもよい。
【0046】
いくつかの例において、ライナ110は、使い捨てのライナである。したがって、使用者は、1回の使用後にライナを廃棄するようにしてもよい。ただし、他の例において、ライナは、2回以上使用され、複数回の使用後にのみ廃棄されるようになっていてもよい。廃棄後、使用者は、取外し可能なライナを新しいライナと交換するようにしてもよい。いくつかの例において、ライナは、再利用可能であり、デバイスから取り外され、洗浄された後に、再挿入されるようになっていてもよい。いくつかの例において、ライナは、交換可能な消耗品106に固定されてその一部を構成する。
【0047】
いくつかの例において、ライナ110は、特定のメーカ及びモデルのデバイス等、特定種類のデバイスとともに使用されるように成形されている。したがって、ライナは、使用されるデバイスのチャンバ108内に嵌合するように設計されている。また、ライナは、特定の交換可能な消耗品とともに用いられるように成形されてもよい。したがって、異なるサイズの収容部を画定するライナを含むシステムが提供されてもよい。このように、ライナは、異なるサイズの交換可能な消耗品の使用を可能にするアダプタとして機能し得る。例えば、各ライナの外部寸法は同じであってもよいが、内部寸法は、受容するように構成された消耗品のサイズに応じて、ライナごとに異なってもよい。
【0048】
いくつかの例において、ライナは、香味料及び/又は知覚物質を含む。香味料は、例えば加熱によって使用時に放出され、使用者に吸引されるエアロゾルの風味の調整又は選択される特定のライナに応じた使用者による体験のカストマイズを可能にする。同様に、知覚物質も、例えば加熱によって使用時に放出され、例えば使用者に吸引されるエアロゾルの酸味の調整によって、体験感覚の調整を可能にする。
【0049】
いくつかの例において、ライナは、カスタマイズされてもよい。例えば、ライナは、使用者により選択された材料を含んでいてもよい。特定の材料を選択することにより、デバイスの触覚が変化し得る。例えば、デバイスは、特定の材料を選択することによって、より重く構成することも可能であるし、より軽く構成することも可能である。この代替又は追加として、ライナは、その表面のエッチング、テクスチャリング、パターニング、又はカラーリング等によって、その触覚及び/又は視覚特性が変化するように処理され得る。一例において、ライナの外観は、ライナが与える香料、ライナのサイズ等のライナの特性の示唆又は特定の消耗品との互換性の示唆に用いられる。例えば、ライナは、特定の色等の視覚的特性を有していてもよいし、特定の方法で明るくなって視覚的特性を示すようにしてもよい。この代替又は追加として、ライナは、特定の触感等の触覚特性を有していてもよい。
【0050】
図1の例において、取外し可能なライナ110は、消耗品106が受容される当該ライナ110の上部において、開放端118を備える。反対側の下端において、ライナ110は閉鎖されている。この構成により、ライナは、消耗品から分離可能であるため、消耗品がライナに対して容易に挿抜される。
【0051】
前述の通り、いくつかの例において、取外し可能なライナ110は、交換可能な消耗品からの物質を受け又は捕集するように構成されている。加熱前、加熱中、又は加熱後にはがれた物質116が消耗品から落下又は脱離して、ライナ110により捕集されるようになっていてもよい。図1は、はがれた物質116が取外し可能なライナ110の閉鎖端へと集まる様子を示している。はがれた物質116の捕集のほか、エアロゾル堆積物がライナ110により収集されるようになっていてもよい。これは、エアロゾルがライナ110を通過する際、ライナ110の付近を通る際、ライナ110内で吸収される際に発生し得る。例えば、エアロゾルが多孔質ライナを通過するようになっていてもよいし、ライナ110が多孔質ではない場合でも、物質の粒子がライナ110上又はライナ110中に集まるようになっていてもよい。
【0052】
使用者は、ライナ110を取り外し、ライナを洗浄して物質を除去し、次の使用に向けてライナ110を交換するようにしてもよい。そこで、開放端118を有することにより、ライナを洗浄する改良手段を提供するようにしてもよく、物質のライナからの取り出し及び/又は水若しくは清掃器具のライナへの進入による堆積物質の除去が可能である。或いは、使用者は、1回又は複数回の使用後にライナ110を破棄して、新しいライナ110を挿入するようにしてもよい。したがって、ライナは、使用時に消耗品から放出され得る物質の捕集、収集、又は保持に用いられるようになっていてもよい。物質を受けることにより、ライナの存在によって、例えば過去に堆積した物質の再加熱により使用者が不愉快な風味を体験する可能性が抑えられる。また、ライナは、さもなければデバイスのチャンバ内に堆積する物質の捕捉によって、衛生面の改善が可能である。この物質は、細菌の増殖につながる可能性がある。ただし、ライナの使用によって、デバイスからのライナの取り外しによりデバイスから後で除去される物質の捕捉によって、細菌レベルが抑えられる。
【0053】
いくつかの例において、取外し可能なライナ110は、多孔質である。他の例において、ライナ110は、多孔質領域及び非多孔質領域を備えてもよい。例えば、ライナは、空気又はガス透過性であってもよく、空気又はガスが通過し得る間隙又は開口を有する材料で構成されてもよい。いくつかの例においては、ライナの一部のみが多孔質である。多孔質ライナ又はライナ110の多孔質領域によれば、使用者が交換可能な消耗品106を吸い/交換可能な消耗品106を通じた吸引を行った場合、デバイス102の外側からの空気が交換可能な消耗品106を通過する前に、入口115及びライナ110を通過可能となる。したがって、ライナは、エアロゾルからエアロゾル微粒子の一部を除去するフィルターとして作用し得る。
【0054】
いくつかの例において、ライナ110は、1つ又は複数の開口部を画定する。図2は、そのような一例を示している。図2のデバイスは、図1に示すデバイスに類似するが、本例においては、ライナ210が多孔質ではなく、代わりに、空気が通過し得る1つ又は複数の開口部220を画定している。入口115からの空気は、消耗品106を通過する前に開口部220を流れ得る。これらの開口部は、ライナに形成されて、空気又はガスが流れ得るようにしてもよく、ライナが多孔質ではない場合すなわち不透過性の場合に有用となり得る。他の例において、ライナは、多孔質である上に、1つ又は複数の開口部を含んでいてもよい。一例において、開口部は、消耗品を受容するライナの端部と反対側のライナ端部に配置されている。いくつかの例において、空気入口115は、チャンバ108の底部ひいては開口部220の近くに配置されてもよい。
【0055】
図2のデバイスは、誘導ヒータを備える。したがって、ヒータは、消耗品106、ライナ210、及びチャンバ108のほか、サセプタ222に巻かれたワイヤコイル224を備えてもよい。図2は、ワイヤコイル224が紙面に対して出入りする方向に延びる様子を示している。発振器204が振動電子信号を生成し、これがコイル224を通過して、振動磁場が生成される。磁場の結果として、渦電流が導電性サセプタ222内で流れることにより、ジュール加熱によってサセプタが加熱され、これにより消耗品106が加熱される。また、磁気ヒステリシス損によって、サセプタに熱が発生する可能性もある。図2の例において、サセプタは、消耗品106内に示しているが、他の例においては、消耗品106の表面上又は消耗品106の熱的近傍に配置されてもよい。
【0056】
いくつかの例においては、生成されている変動磁場の結果として、ライナ210が電気絶縁材料で構成されるとよい。また、この材料は、熱的に絶縁であってもよい。したがって、ライナ210内には渦電流が誘導されないため、ライナ210が加熱されることはない。熱的に絶縁であることから、消耗品及び/又はサセプタからライナの外面への熱伝達は抑えられる。全体として、これらの効果は、ライナ210が比較的冷たい状態を維持するため、使用者が怪我なく安全に取り扱えることを意味する。また、ライナ表面上のエアロゾル堆積物が高温表面上で「焦げ付く」可能性が低いことも意味し得る。ライナ210での使用に適した例示的な材料としては、紙、厚紙、プラスチックが挙げられる。これらの材料は、容易に入手可能であり、比較的安価であり、特定の寸法で容易に形成可能である。いくつかの例において、この材料は、厚さがおよそ10~およそ1500マイクロメートルである。
【0057】
図3は、別の例示的なライナ310を示しており、このライナ310は、ヒータから交換可能な消耗品に熱を伝達するように構成された伝熱材料を含む。これは、抵抗ヒータ等のヒータとともに用いられる場合に、熱がヒータからライナを通って流れ、消耗品を加熱し得るように、ライナ(又は、ライナの特定の構成要素)が熱を伝えることを意味する。本例において、取外し可能なライナ310の壁は、伝熱材料が配設された伝熱領域324を備える。これらの伝熱領域は、例えばライナ310の外側に配置された抵抗ヒータからライナ310内に受容された消耗品まで、熱を効果的に伝達する。他の例において、ライナ310は、全体が伝熱性である。例示的な伝熱材料としては、アルミニウム又は鋼等の金属及び合金が挙げられる。いくつかの例において、伝熱材料は、厚さがおよそ10~およそ1000マイクロメートルである。また、他の実施態様において、伝熱材料は、サセプタとして作用し、ライナ310の外側に配置された誘導ヒータ(図2のコイル224等)を用いて加熱されるようになっていてもよい。
【0058】
いくつかの例において、伝熱領域は、ライナ310の壁内に配設された金属の伝熱バー、フィラメント、又は部位を含む。熱は、これらの金属バー、フィラメント、又は部位に沿って伝わる。この構成によれば、消耗品に沿った特定の点へと熱を導くことができる。
【0059】
また、図3の例示的なライナは、1つ又は複数のロック機構328を備える。他の例において、ライナ310は、ロック機構328を備えていない。本例におけるロック機構328は、ライナ310の外面に形成された凹部又は窪みとして示しているが、開口部であってもよい。他の例において、ロック機構328は、ライナ310の外面から延びた1つ又は複数の突起を備えてもよい。それぞれの形態に関わらず、ロック機構328は、デバイスの対応するロック装置への係合又はロック装置による係合によって、ライナ310のデバイスからの取り外しを制限するように構成されている。そこで、ライナ310は、デバイスにより当該ライナ310を適所にロック可能な機構を備える。これは、ライナ310がまだ高温である場合に、使用者がライナ310をデバイスから取り外せなくするのに有用と考えられる。デバイス内の対応するロック装置(図4に示す)は、ライナ310のロック機構328と連動し得る。
【0060】
ロック機構328は、対応する突起をデバイス内に受けるように構成されている。したがって、突起及びロック機構が連動して、ライナが取り外されないようにし得る。他の例においては、デバイス内の表面により開口部、凹部、又は窪みが画定され、ライナ310が対応する突起を備える。
【0061】
別の例においては、ライナ310が加熱時に膨張する材料で構成されており、この材料は、膨張した場合に、ライナ310を適所にロックする。例えば、ライナ310は、デバイスの表面(チャンバ等)に形成された対応する開口部、凹部、又は窪みへと膨張する1つ又は複数の突起を備えてもよい。別の例においては、ライナの寸法が膨張して、チャンバの壁に係合するとともに、ライナとチャンバとの間の界面における摩擦の増大によって、取り外しに抗するようになっていてもよい。
【0062】
図4は、エアロゾルを生成するシステム400の一例の一部を示している。システム400は、エアロゾルを生成するデバイス402を備え、デバイス402は、交換可能な消耗品を受容するチャンバ408と、チャンバ408の壁と交換可能な消耗品との間に配設された取外し可能なライナ410とを備える。また、システム400が交換可能な消耗品を備えてもよい(図4には示さず)。デバイス402は、消耗品を加熱するヒータ404を備える。
【0063】
また、デバイス402は、ライナ410が閾値温度に達する時点及び/又は閾値時間が経過する時点まで、ライナのチャンバ408からの取り外しを制限するように構成されたロック装置を備える。また、本例において、ライナ410は、対応するロック機構428を備えるが、他の例においては、これらがライナ410になくてもよい。ロック装置は、チャンバ408の壁中に後退するとともに、ライナにより画定された対応する開口部、凹部、又は窪み428へと延入可能な2つの部材/突起430を備えるものとして示している。
【0064】
図4においては、説明を目的として、部材430の一方がライナのロック機構428へと延入し、他方の部材430がデバイス402中へと後退した様子を示している。2つの部材430及び2つの凹部428を示しているが、当然のことながら、ライナ410を適所にロックするには、1つ又は任意の個数でも十分となり得る。また、他のロック装置及びロック機構428が設けられてもよい。例えば、ロック装置は、ライナ410を把持して適所に保持するカラーを備えてもよい。
【0065】
一例において、部材430は、1つ又は複数のモータ又はアクチュエータ(図示せず)により移動するようになっていてもよい。この移動は、制御装置433から受信される信号に応答して開始されるようになっていてもよい。一例において、制御装置433は、1つ又は複数のプロセッサ及びメモリを備えてもよい。制御装置433は、部材430又はアクチュエータ等、ロック装置の構成要素に対して通信可能に接続されている。1つ又は複数のワイヤ435が制御装置433をロック装置に接続して、両者間の制御信号及び/又はデータの伝送を可能にする。制御装置433は、(1つ又は複数の)アクチュエータ等のロック装置に信号を送信可能である。信号を受信すると、アクチュエータは、部材430を後退又は延伸させることができる。説明を目的として、ワイヤ435は1つだけ示しているが、両部材430を制御装置433により制御可能である。
【0066】
デバイス402は、特定の長さの時間及び/又は特定の温度に達するまで、ライナを適所にロックすることにより、ライナの安全な取り外しを可能にするように構成されてもよい。一例において、閾値時間は、ヒータが最後にスイッチオフされてから経過した時間として定義される。この時間は、例えばライナの材料、ライナの厚さ、ライナの密度、ライナの熱伝導率、チャンバ/ヒータの特性、及びチャンバ/ヒータに対する場所等、様々な因子によって決まり得る。
【0067】
一例において、制御装置433のメモリは、閾値時間を格納するように構成されてもよい。したがって、制御装置433は、ヒータが最後にスイッチオフされてから経過した時間をモニタリングし、このモニタリングした時間が閾値に達しているかを判定する。閾値に達していたら、制御装置433は、(1つ又は複数の)アクチュエータに信号を送信して、部材430を後退させ、ライナ410を解除するように構成されている。同様に、制御装置433は、例えばヒータがスイッチオンされた場合に、(1つ又は複数の)アクチュエータに信号を送信して、部材を延伸させ、ライナ410に係合して当該ライナ410を適所にロックするように構成されてもよい。閾値時間は、例えば、およそ5、10、20、30、40、50、60秒以上であってもよく、その後、ロック装置は、ライナ410のロックを解除して取り外せるように構成されている。閾値時間は、予め決定可能であり、例えば、デバイス内のヒータの使用後に使用者が操作した場合でも不快に感じさせない温度までライナが冷える時間として設定されてもよい。
【0068】
いくつかの例において、デバイスは、温度センサ432をさらに備え、ロック装置430は、ライナ410(ライナ410の伝熱材料等)が閾値温度に達したことを温度センサ432が示すまで、ライナ410のチャンバ408からの取り外しを制限するように構成されている。したがって、温度センサ432は、ライナ410の温度又はライナ近傍の領域の温度をデバイスに測定又はモニタリングさせることにより、使用者による操作に安全な閾値まで温度が十分に達しているかを判定するようにしてもよい。一例において、温度センサ432は、1つ又は複数のワイヤ437を介して、制御装置433に対して通信可能に結合されている。したがって、温度センサ432は、例えば連続的又は周期的に、ライナ410の温度を測定するように構成されている。この測定データは、ワイヤ437を介して、制御装置433に送信されるようになっていてもよい。
【0069】
一例において、制御装置433のメモリは、閾値温度を格納するように構成されてもよい。したがって、制御装置433は、モニタリング温度が閾値を下回ったかを判定するように構成されている。温度が閾値を下回ったら、制御装置433は、(1つ又は複数の)アクチュエータに信号を送信して、部材430を後退させ、ライナ410を解除するように構成されている。同様に、制御装置433は、例えばヒータがスイッチオンされた場合又はライナ410の温度が閾値温度を上回った場合に、(1つ又は複数の)アクチュエータに信号を送信して、部材430を延伸させ、ライナ410に係合して当該ライナ410を適所にロックするように構成されてもよい。
【0070】
いくつかの例において、金属すなわち熱伝導性ライナ410の閾値温度は、例えばおよそ50~60℃である。したがって、閾値温度に達したことをデバイスが測定したら、ロック装置430は、ロックを解除して、使用者がライナ410を取り外せるように構成されてもよい。
【0071】
いくつかの例において、部材430は、機械又はばね仕掛けで、ワックスモータ(wax motor)又はワックスアクチュエータ等の熱アクチュエータにより後退可能である。或いは、部材430自体が、ワックスモータ又はワックスアクチュエータ等の熱アクチュエータであってもよい。そこで、部材430は、熱の存在により延伸して凹部428と係合した状態を維持し、ライナが閾値温度を下回ったら(例えば、ライナが50°又は60℃未満となったら)後退するようになっていてもよい。したがって、いくつかの例においては、制御装置からの指示を要することなく、熱アクチュエータが動作するようになっていてもよい。
【0072】
いくつかの例において、ライナ410は、交換可能な消耗品を受容する端部において、又は、端部に向かって配置された熱絶縁材料434の領域をさらに備える。図4の例において、熱絶縁材料434は、ライナ410の上端に配置され、ライナ410がデバイス402に挿入された場合にも一部が露出して、使用者がこの位置でライナ410を容易に把持できるようになっている。他の例において、この領域は、全部がデバイス408に受容されてもよいし、一部がデバイス408に受容されてもよい。いくつかの例において、ライナ410は、熱絶縁材料434を含む領域を除いて、全体が熱伝導性である。この熱絶縁材料434は、図1図3に関して説明したいずれのライナ上に存在していてもよく、適所にロックされるように構成されたライナに限定されない。熱絶縁領域を含むことにより、使用者は、不快に感じることなく、ライナをこの場所に保持することができる。
【0073】
図4において、熱絶縁材料434は、交換可能な消耗品を受容するライナ410の端部において、又は、端部に向かって配置されているが、他の例においては、ライナ410上の他の場所に配置されてもよい。例えば、材料434は、ライナ410の外面に沿って配置されてもよい。一例において、熱絶縁材料は、ライナ410の周り又はライナ410に沿った「リブ状」構造に配置される。一例においては、ヒータ404が誘導ヒータであり、ライナ410は、その表面上に熱絶縁材料の「リブ状」構造を含むことにより、加熱された消耗品からチャンバ408への熱伝達を抑えるようにしてもよい。
【0074】
図5は、チャンバを備えたデバイスを用いてエアロゾルを生成する方法500のフロー図である。ブロック502において、この方法は、取外し可能なライナをチャンバ内に受容するステップを含む。ブロック504において、この方法は、交換可能な消耗品の少なくとも一部を取外し可能なライナ内に受容するステップであり、ライナがチャンバの壁と交換可能な消耗品との間に配設されるようにする、ステップを含む。ブロック506において、この方法は、ヒータを用いて交換可能な消耗品を加熱することにより、エアロゾルを生成するステップをさらに含む。
【0075】
ライナが1回使用のライナではなく、複数回使用のライナである例においては、ブロック504及び506が2回以上繰り返されるようになっていてもよい。例えば、使用者は、使用済みの消耗品をライナから取り外し、新しい消耗品と交換するようにしてもよい。
【0076】
この方法は、ブロック508において、交換可能な消耗品を加熱した後に、取外し可能なライナをチャンバから取り外すステップをさらに含んでいてもよい。また、これは、交換可能な消耗品を取り外すことを含んでいてもよい。また、ブロック508は、ライナを廃棄すること又は洗浄することを含んでいてもよい。その後、この方法は、新しいライナ又は洗浄済みライナをチャンバ内に受容するステップを含んでいてもよく、このため、ブロック502、504、及び506が繰り返されるようになっていてもよい。
【0077】
別の例において、エアロゾル供給デバイスは、当該デバイスのチャンバに受容されたライナの種類を検出するように構成されるとともに、ライナの種類の検出に応答して、ライナの種類に基づく特定の加熱プロファイルを提供するように構成されてもよい。例えば、デバイスは、ライナ上のバーコードを読み取るようにしてもよく、このバーコードがライナの種類の決定に用いられる。別の例において、デバイスは、ライナが特定の電気的特性を有するものと判定するようにしてもよく、これらがライナの種類の決定に用いられる。別の例において、デバイスは、ライナが特定の寸法を有するものと判定するようにしてもよく、これらがライナの種類の決定に用いられる。別の例において、ライナは、デバイス中の対応するリーダーにより読み取り可能なコンピュータ可読メモリ又は他のデータ記憶構造を備えていてもよく、このコンピュータ可読メモリ又は他のデータ構造がライナの種類と関連するデータを含む。加熱プロファイルは、ヒータが特定の時間にわたって動作すること又は特定の温度まで加熱することを意味していてもよい。加熱プロファイルは、例えばライナが受容するように構成された特定種類の消耗品に対して、必要に応じて選択されるようになっていてもよい。この場合、ライナは、特定の消耗品又は特定部類の消耗品に固有であって、所定サイズの消耗品等、所定の特性又は所定の構成物質を有しており、加熱プロファイルがこれらの構成物質に適している。この代替又は追加として、加熱プロファイルは、ライナ自体の存在を考慮して、ライナが存在しない場合から調整されるようになっていてもよい。
【0078】
以上、一例において、ライナがその種類を示す情報を含むメモリ又はデータ記憶構造を含み得ることを説明したが、メモリ又はデータ記憶構造は、この追加又は代替として、他の情報を含んでいてもよい。例えば、メモリ又はデータ記憶構造は、ライナが購入又は製造された地理的場所に関する情報、特に、バッチ番号、ライナが使用される吸引の回数等の使用情報、又はライナの使用の累積時間等の他の製造情報を含んでいてもよい。また、後者の例においては、吸入回数又は総累積算時間が使用者情報により示される閾値を超えたことを使用者に知らせる聴覚、視覚、又は触覚インジケータ等のインジケータがライナ又はデバイスに設けられてもよい。このインジケータは、ライナの変更及び/又は洗浄が必要であることを使用者に知らせ得る。また、当然のことながら、メモリ又はデータ記憶構造としては、読み取り専用又は(再)書き換え可能なメモリ又はデータ構造が可能である。
【0079】
いくつかの例において、エアロゾル供給デバイスは、2つ以上のライナ(使用時ではない場合)を格納する収容部を備える。使用者は、ライナを収容部から取り外して、加熱チャンバに挿入することができる。すべてのライナを使用したら、使用者は、別のライナを収容部に交換することができる。使用者は、使おうとしている消耗品に応じて、好適なライナを選択するようにしてもよい。
【0080】
様々な問題に対処するとともに技術を進歩させるため、本開示は全体として、特許請求の範囲に係る発明を実施可能であり、吸引可能媒体を生成するように構成された優れた装置を可能にする種々実施形態を例示的な一例として示している。本開示の利点及び特徴は、実施形態の代表的なサンプルに過ぎず、網羅的及び/又は排他的なものではない。これらは、理解の手助け及び特許請求の範囲或いは開示の特徴の教示のみを目的として提示される。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲により規定される本開示に対する制限とも、特許請求の範囲の同等物に対する制限とも考えるべきではなく、また、本開示の範囲及び/又は主旨から逸脱することなく、他の実施形態の利用及び改良が可能であることが了解されるものとする。種々実施形態は、開示の要素、構成要素、特徴、部分、ステップ、手段等の種々組み合わせを好適に含んでいてもよいし、種々組み合わせから成っていてもよいし、種々組み合わせから本質的に成っていてもよい。本開示は、現時点では請求されていないものの、将来的に請求され得る他の発明を含んでいてもよい。
【符号の説明】
【0081】
100…システム、102…エアロゾルを生成するデバイス、106…交換可能な消耗品、108…チャンバ、110…取外し可能なライナ。
図1
図2
図3
図4
図5