(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】直列流体濾過アセンブリを有するバルク充填システムおよび自動空気移送のためのその使用方法
(51)【国際特許分類】
B01D 24/00 20060101AFI20240820BHJP
B01D 29/00 20060101ALI20240820BHJP
B01D 29/11 20060101ALI20240820BHJP
B01D 29/50 20060101ALI20240820BHJP
B01D 65/10 20060101ALI20240820BHJP
B01D 61/58 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
B01D29/00 D
B01D29/10 530Z
B01D29/10 510C
B01D29/10 501Z
B01D29/24 C
B01D65/10
B01D61/58
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022209823
(22)【出願日】2022-12-27
【審査請求日】2022-12-27
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596064112
【氏名又は名称】ポール・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー, ベルンハルト アントン
(72)【発明者】
【氏名】ブレトシュナイダー, イェンス
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0353414(US,A1)
【文献】特開2007-283297(JP,A)
【文献】特表2013-513470(JP,A)
【文献】特開平10-225628(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108120560(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D24/00-37/04
B01D61/00-71/82
C02F1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネットを含むワークステーションと、
前記キャビネットによって支持され、流体の流れを選択的に生成するように構成されたポンプと、
前記ワークステーションに取り外し可能に取り付けられた第1のシングルユースフィルタであって、上流端と下流端とを有する第1のシングルユースフィルタと、
前記ワークステーションに取り外し可能に取り付けられた第2のシングルユースフィルタであって、上流端と下流端とを有する第2のシングルユースフィルタと、
流体供給導管であって、前記第1のシングルユースフィルタの前記上流端が前記流体供給導管を介して前記ポンプと流体連通し、前記流体供給導管が、第1のベント接合部と流体供給弁とを含み、前記流体供給弁が、前記第1のベント接合部と前記ポンプとの間に配置されている、流体供給導管と、
直列フィルタ導管であって、前記第1のシングルユースフィルタの前記下流端が、前記直列フィルタ導管を介して前記第2のシングルユースフィルタの前記上流端と流体連通し、前記直列フィルタ導管が、第2のベント接合部と直列フィルタ弁とを含み、前記直列フィルタ弁が、前記第1のシングルユースフィルタの前記下流端と前記第2のベント接合部との間に配置されている、直列フィルタ導管と、
第1のベント導管であって、前記第1のシングルユースフィルタの前記上流端が前記第1のベント接合部を介して前記第1のベント導管と流体連通するように、前記流体供給導管の前記第1のベント接合部と流体連通し、前記第1のベント導管が、第1の出口と、第1の液体センサと、第1のベント弁とを含み、前記第1の液体センサが、前記第1のベント接合部と前記第1の出口との間に配置され、前記第1のベント弁が、前記第1の液体センサと前記第1の出口との間に配置され、前記第1の液体センサが、前記第1のベント導管内の液体の検出に応答して第1の液体検出信号を生成するように構成されている、第1のベント導管と、
第2のベント導管であって、前記第2のシングルユースフィルタの前記上流端が前記第2のベント接合部を介して前記第2のベント導管と流体連通するように、前記直列フィルタ導管の前記第2のベント接合部と流体連通し、前記第2のベント導管が、第2の出口と、第2の液体センサと、第2のベント弁とを含み、前記第2の液体センサが、前記第2のベント接合部と前記第2の出口との間に配置され、前記第2のベント弁が、前記第2の液体センサと前記第2の出口との間に配置され、前記第2の液体センサが、前記第2のベント導管内の液体の検出に応答して第2の液体検出信号を生成するように構成されている、第2のベント導管と、
制御ユニットであって、前記第1の液体センサおよび前記第2の液体センサと電気的に通信して、前記第1の液体センサおよび前記第2の液体センサから前記第1の液体検出信号および前記第2の液体検出信号をそれぞれ受信し、前記制御ユニットが、プロセッサと、フィルタプライミングモジュールを含むフィルタ調整プログラムを有する非一時的コンピュータ可読媒体とを含み、前記プロセッサが、前記フィルタ調整プログラムを実行するように前記コンピュータ可読媒体と共に構成され、前記プロセッサが、前記フィルタプライミングモジュールからの命令に基づいて前記第1のシングルユースフィルタおよび前記第2のシングルユースフィルタに対してプライミング動作を実行するように構成されている、制御ユニットと
を備える、流体濾過システム。
【請求項2】
前記直列フィルタ導管が、尾部セクションと立ち上がりセクションとを含み、前記尾部セクションが、前記第1のシングルユースフィルタの前記下流端から前記第2のシングルユースフィルタの前記上流端の下方の地点に下降し、前記立ち上がりセクションが、前記尾部セクションから前記第2のシングルユースフィルタの前記上流端に上昇する、請求項1に記載の流体濾過システム。
【請求項3】
前記第1のシングルユースフィルタおよび前記第2のシングルユースフィルタが、第1のサイズであり、前記尾部
セクションが、第1の尾部
セクションを備え、
当該流体濾過システムが、
第2のサイズである第3のシングルユースフィルタおよび第4のシングルユースフィルタであって、前記第2のサイズが、前記第1のサイズよりも高く、前記第3のシングルユースフィルタおよび前記第4のシングルユースフィルタが、それぞれ前記第1のシングルユースフィルタおよび前記第2のシングルユースフィルタの代わりに前記ワークステーションに取り外し可能に取り付けられるように構成されている、第3のシングルユースフィルタおよび第4のシングルユースフィルタと、
第2の尾部
セクションであって、前記第3のシングルユースフィルタの前記より高い第2のサイズを収容するのに十分な量で前記第1の尾部
セクションよりも短い、第2の尾部
セクションと
をさらに備える、請求項2に記載の流体濾過システム。
【請求項4】
前記フィルタプライミングモジュールが、前記プロセッサによって実行されると、次のステップを実行するように構成されている、すなわち
前記流体供給弁を開いて前記流体供給導管を開き、
前記直列フィルタ弁を開いて前記直列フィルタ導管を開き、
前記直列フィルタ導管内のガスが前記第2のベント導管に変位されるように、前記ポンプを動作させて前記流体の流れを前記第2のシングルユースフィルタの前記上流端に送出し、
前記第2の液体センサの位置で前記第2のベント導管内の液体が検出されないことに応答して前記第2の液体検出信号の受信が停止されることに応答して、前記ポンプの動作を停止する
ように構成されている、請求項1に記載の流体濾過システム。
【請求項5】
前記フィルタプライミングモジュールが、前記プロセッサによって実行されると、前記第2の液体センサで液体が検出されないことに応答して前記ポンプの動作を停止した後に、前記第2のシングルユースフィルタをプライミングするように構成されている、請求項4に記載の流体濾過システム。
【請求項6】
前記フィルタプライミングモジュールが、前記プロセッサによって実行されると、前記第2の液体センサで液体が検出されないことに応答して前記ポンプの動作を停止した後に、前記第2のシングルユースフィルタをプライミングするステップの一部として次のステップを実行するように構成されている、すなわち、
前記流体供給弁を開いて前記流体供給導管を開き、
前記直列フィルタ弁を開いて前記直列フィルタ導管を開き、
前記第2のベント弁を開いて前記第2のベント導管を開き、
前記第2のシングルユースフィルタの前記上流端の上流のガスが前記第2のベント導管に変位されるように、前記ポンプを動作させて前記流体の流れを前記第2のシングルユースフィルタの前記上流端に送出し、
前記第2の液体検出信号の受信に応答して、前記ポンプの動作を停止するおよび/または前記第2のベント弁を閉じる
ように構成されている、請求項5に記載の流体濾過システム。
【請求項7】
前記第2のシングルユースフィルタの前記下流端と流体連通する導出導管であって、第1の出口および第2の出口と、前記第1の出口および前記第2の出口にそれぞれ関連付けられた第1の出口弁および第2の出口弁とを含み、前記第1の出口が、生成物容器との流体接続用に構成され、前記第2の出口が、廃棄物貯蔵所との流体接続用に構成されている、導出導管をさらに備える、請求項5に記載の流体濾過システム。
【請求項8】
前記フィルタプライミングモジュールが、前記プロセッサによって実行されると、前記第2のシングルユースフィルタのプライミングの一部として次のステップを実行するように構成されている、すなわち、
前記第2の液体検出信号の受信に応じて前記第2のベント弁を閉じ、
前記流体の流れが前記第2のシングルユースフィルタおよび前記導出導管を通過して前記第2の出口から出るように、前記ポンプを動作させて前記流体の流れを前記第2のシングルユースフィルタに送出する
ように構成されている、請求項7に記載の流体濾過システム。
【請求項9】
前記フィルタプライミングモジュールが、前記プロセッサによって実行されると、前記プライミング動作の一部として次のステップを実行するように構成されている、すなわち
前記流体供給弁を開いて前記流体供給導管を開き、
前記第1のベント弁を開いて前記第1のベント導管を開き、
前記流体供給導管内のガスが前記第1のベント導管まで変位されるように、前記ポンプを動作させて前記流体の流れを前記第1のシングルユースフィルタの前記上流端に送出し、
前記第1の液体検出信号の受信に応答して、前記ポンプの動作を停止するおよび/または前記第1のベント弁を閉じる
ように構成されている、請求項6に記載の流体濾過システム。
【請求項10】
前記第2のシングルユースフィルタの前記下流端と流体連通する導出導管であって、第1の出口および第2の出口と、前記第1の出口および前記第2の出口にそれぞれ関連付けられた第1の出口弁および第2の出口弁とを含み、前記第1の出口が、生成物容器との流体接続用に構成され、前記第2の出口が、廃棄物貯蔵所との流体接続用に構成されている、導出導管をさらに備え、
前記フィルタプライミングモジュールが、前記プロセッサによって実行されると、前記プライミング動作の一部として次のステップを実行するように構成されている、すなわち、
前記第1の出口弁を閉じて前記第1の出口を塞ぎ、
前記第2の出口弁を開いて前記第2の出口を開き、
前記液体検出信号の受信に応答して前記第1のベント弁を閉じ、
前記流体の流れが前記第1のシングルユースフィルタおよび前記導出導管を通過して前記第2の出口から出るように、前記ポンプを動作させて前記流体の流れを前記第1のシングルユースフィルタに送出する
ように構成されている、請求項9に記載の流体濾過システム。
【請求項11】
前記流体供給導管が、圧力センサを含み、前記圧力センサが、前記ポンプと第1のベント接合部との間の前記第1のシングルユースフィルタの上流に配置されている、請求項1に記載の流体濾過システム。
【請求項12】
上流端と下流端とをそれぞれが有する第1のシングルユースフィルタおよび第2のシングルユースフィルタと、
流体供給導管であって、前記第1のシングルユースフィルタの前記上流端が前記流体供給導管と流体連通し、前記流体供給導管が、第1のベント接合部と流体供給弁とを含み、前記第1のベント接合部が、前記流体供給弁と前記第1のシングルユースフィルタの前記上流端との間に配置されている、流体供給導管と、
直列フィルタ導管であって、前記第1のシングルユースフィルタの前記下流端が、前記直列フィルタ導管を介して前記第2のシングルユースフィルタの前記上流端と流体連通し、前記直列フィルタ導管が、第2のベント接合部と直列フィルタ弁とを含み、前記直列フィルタ弁が、前記第1のシングルユースフィルタの前記下流端と前記第2のベント接合部との間に配置され、前記第2のベント接合部が、前記直列フィルタ弁と前記第2のシングルユースフィルタの前記上流端との間に配置されている、直列フィルタ導管と、
第1のベント導管であって、前記第1のシングルユースフィルタの前記上流端が前記第1のベント接合部を介して前記第1のベント導管と流体連通するように、前記流体供給導管の前記第1のベント接合部と流体連通する、第1のベント導管と、
第2のベント導管であって、前記第2のシングルユースフィルタの前記上流端が前記第2のベント接合部を介して前記第2のベント導管と流体連通するように、前記直列フィルタ導管の前記第2のベント接合部と流体連通し、前記第2のベント導管が、第2のベント液体センサを含み、前記第2のベント液体センサが、前記第2のベント導管内の液体の検出に応答して第2の液体検出信号を生成するように構成されている、第2のベント導管と、
制御ユニットであって、前記第2のベント液体センサと電気的に通信して、前記第2のベント液体センサから前記第2の液体検出信号を受信し、前記制御ユニットが、プロセッサと、フィルタプライミングモジュールを含むフィルタ調整プログラムを有する非一時的コンピュータ可読媒体とを含み、前記プロセッサが、前記フィルタ調整プログラムを実行するように前記コンピュータ可読媒体と共に構成され、前記プロセッサが、前記フィルタプライミングモジュールからの命令に基づいて前記第1のシングルユースフィルタおよび前記第2のシングルユースフィルタに対してプライミング動作を実行するように構成されている、制御ユニットと
を備える、流体濾過システム。
【請求項13】
前記第2のベント導管が、第2のベント出口と第2のベント弁とを含み、前記第2のベント液体センサが、前記第2のベント接合部と前記第2のベント出口との間に配置され、前記第2のベント弁が、前記第2のベント液体センサと前記第2のベント出口との間に配置されている、請求項12に記載の流体濾過システム。
【請求項14】
前記第1のベント導管が、第1のベント出口と、第1のベント液体センサと、第1のベント弁とを含み、前記第1のベント液体センサが、前記第1のベント接合部と前記第1のベント出口との間に配置され、前記第1のベント弁が、前記第1のベント液体センサと前記第1のベント出口との間に配置され、前記第1のベント液体センサが、前記第1のベント導管内の液体の検出に応答して、第1の液体検出信号を生成するように構成され、前記制御ユニットが、前記第1のベント液体センサと電気的に連通して、前記第1のベント液体センサから前記第1の液体検出信号を受信する、請求項13に記載の流体濾過システム。
【請求項15】
前記流体供給導管および前記直列フィルタ導管の少なくとも一方が、圧力センサを含む、請求項12に記載の流体濾過システム。
【請求項16】
前記第2のシングルユースフィルタの前記下流端と流体連通する導出導管であって、第1の出口および第2の出口と、前記第1の出口および前記第2の出口にそれぞれ関連付けられた第1の出口弁および第2の出口弁とを含み、前記第1の出口が、生成物容器との流体接続用に構成され、前記第2の出口が、廃棄物貯蔵所との流体接続用に構成されている、導出導管をさらに備える、請求項12に記載の流体濾過システム。
【請求項17】
流体濾過システムを調整する方法であって、
第1のシングルユースフィルタおよび第2のシングルユースフィルタをワークステーションに取り外し可能に取り付けるステップであって、前記ワークステーションはキャビネットを含む、ステップと、
前記第1のシングルユースフィルタの上流端を流体供給導管を介してポンプに流体接続するステップであって、前記ポンプが、前記キャビネットによって支持され、前記流体供給導管が、第1のベント接合部と流体供給弁とを含み、前記流体供給弁が、前記第1のベント接合部と前記ポンプとの間に配置される、ステップと、
前記第1のシングルユースフィルタの下流端を直列フィルタ導管を介して前記第2のシングルユースフィルタの上流端に流体接続するステップであって、前記直列フィルタ導管が、第2のベント接合部と直列フィルタ弁とを含み、前記直列フィルタ弁が、前記第1のシングルユースフィルタの前記下流端と前記第2のベント接合部との間に配置される、ステップと、
前記流体供給弁を開いて前記流体供給導管を開くステップと、
前記直列フィルタ弁を開いて前記直列フィルタ導管を開くステップと、
前記直列フィルタ導管内のガスが前記第2のベント接合部を介して第2のベント導管に変位されるように、前記ポンプを動作させて流体の流れを前記第2のシングルユースフィルタの前記上流端に向かって送出するステップと、
所定の位置で前記第2のベント導管内の液体が検知されないことに応答して第2の液体検出信号の受信が停止されることに応答して、前記ポンプの動作を停止するステップと
を含む方法。
【請求項18】
前記流体供給弁を開いて前記流体供給導管を開くステップと、
前記直列フィルタ弁を開いて前記直列フィルタ導管を開くステップと、
第2のベント弁を開いて第2のベント導管を開くステップと、
前記第2のシングルユースフィルタの前記上流端の上流のガスが前記第2のベント導管に変位されるように、前記ポンプを動作させて前記流体の流れを前記第2のシングルユースフィルタの前記上流端に送出するステップと、
前記所定の位置における前記第2のベント導管内の液体の検出に応答して、前記ポンプの動作を停止するおよび/または前記第2のベント弁を閉じるステップと
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記所定の位置における前記第2のベント導管内の液体の検出に応答して前記第2のベント弁を閉じるステップと、
前記流体の流れが前記第2のシングルユースフィルタを通過して導出導管に入り、その出口から出るように、前記ポンプを動作させて前記流体の流れを前記第2のシングルユースフィルタに送出するステップと
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記流体供給弁を開いて前記流体供給導管を開くステップと、
第1のベント弁を開いて前記第1のベント接合部と流体連通する第1のベント導管を開くステップと、
前記流体供給導管内のガスが前記第1のベント接合部を介して前記第1のベント導管に変位されるように、前記ポンプを動作させて前記流体の流れを前記第1のシングルユースフィルタの前記上流端に送出するステップと、
所定の位置における前記第1のベント導管内の液体の検出に応答して、前記ポンプの動作を停止するおよび/または前記第1のベント弁を閉じるステップと
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本特許出願は、2021年12月31日に出願された「Fluid Filtration System with Single Use Filter and Method of Using Same For Automated Filter Conditioning」と題する米国仮特許出願第63/295,833号明細書に対する優先権を主張する、2022年12月6日に出願された「Bulk Fill System with Serial Fluid Filtration Assembly and Method of Using Same for Automated Air Transfer」と題する米国非仮特許出願第18/062,337号明細書に対する優先権の利益を主張するものであり、これらの文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002]バイオ医薬品用途では、シングルユースシステム(SUS)の使用がますます普及している。SUSは、バイオリアクタおよび混合システムなどのシステムにおいて使用することができる。例示的な上流のSUS用途には、例えば、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)を含む、混合および濾過などの媒体(メディア)調製プロセスが含まれる。下流のSUS用途の例としては、例えば、クロマトグラフィー濃縮および透析濾過および緩衝液調製が含まれる。
【0003】
[0003]バイオ医薬品の処理の一態様は、配管、弁、フィルタ、およびセンサを含む無数のエレメントを通る液体の移動を管理することを含む。SUSの採用は、従来の再使用可能なステンレス鋼システムを超えるいくつかの利点を提供することができる。シングルユース技術は、プロセスの柔軟性を高め、交差汚染のリスクを低減し、洗浄の必要性を低減またはさらには排除し、オートクレーブおよび化学品在庫の洗浄などによる社内滅菌の要件を低減し、プロセスのダウンタイムを低減することができる。
【0004】
[0004]十分なフィルタのプライミングおよび湿潤は、濾過プロセス内で信頼性のある十分なフィルタ性能を確保するのに役立つための様々なフィルタプロセスの一部とすることができる。これらの動作中の手動の相互作用および不適切な構成要素のセットアップは、故障および/またはフィルタ性能の低下につながる可能性がある。
【0005】
[0005]当技術分野では、流体の濾過に関連するシングルユース用途が、引き続き必要とされている。例えば、当技術分野では、その意図された用途で使用するためのフィルタの調整を改善する条件下で、無菌様式で流体を濾過するための追加の解決策を提供することが、引き続き必要とされている。
【0006】
[0006]この背景技術の説明は、読み手を支援するために作成されたものであり、示される問題のいずれもが、それ自体当技術分野で認識されたことを示すものと解釈されるべきではないことが理解されよう。説明する原理は、いくつかの態様および実施形態では、他のシステムにおいて固有の問題を軽減することができるが、保護された技術革新の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義され、本明細書に記載する任意の特定の問題を解決するための任意の開示する特徴の能力によって定義されないことが理解されよう。
【発明の概要】
【0007】
[0007]本開示は、1つの態様では、流体濾過システムの実施形態を対象とする。1つの実施形態では、流体濾過システムは、ワークステーションと、ポンプと、第1のシングルユースフィルタと、第2のシングルユースフィルタと、流体供給導管と、直列フィルタ導管と、第1のベント導管と、第2のベント導管と、制御ユニットとを含む。
【0008】
[0008]ワークステーションは、キャビネットを含む。ポンプは、キャビネットによって支持され、流体の流れを選択的に生成するように構成される。
【0009】
[0009]第1のシングルユースフィルタは、ワークステーションに取り外し可能に取り付けられる。第1のシングルユースフィルタは、上流端と下流端とを有する。第2のシングルユースフィルタは、ワークステーションに取り外し可能に取り付けられる。第2のシングルユースフィルタは、上流端と下流端とを有する。
【0010】
[0010]第1のシングルユースフィルタの上流端は、流体供給導管を介してポンプと流体連通している。流体供給導管は、第1のベント接合部と流体供給弁とを含む。流体供給弁は、第1のベント接合部とポンプとの間に配置される。
【0011】
[0011]第1のシングルユースフィルタの下流端は、直列フィルタ導管を介して第2のシングルユースフィルタの上流端と流体連通している。直列フィルタ導管は、第2のベント接合部と直列フィルタ弁とを含む。直列フィルタ弁は、第1のシングルユースフィルタの下流端と第2のベント接合部との間に配置される。
【0012】
[0012]第1のベント導管は、第1のシングルユースフィルタの上流端が第1のベント接合部を介して第1のベント導管と流体連通するように、流体供給導管の第1のベント接合部と流体連通する。第1のベント導管は、第1の出口と、第1の液体センサと、第1のベント弁とを含む。第1の液体センサは、第1のベント接合部と第1の出口との間に配置される。第1のベント弁は、第1の液体センサと第1の出口との間に配置される。第1の液体センサは、第1のベント導管内の液体の検出に応答して第1の液体検出信号を生成するように構成される。
【0013】
[0013]第2のベント導管は、第2のシングルユースフィルタの上流端が第2のベント接合部を介して第2のベント導管と流体連通するように、直列フィルタ導管の第2のベント接合部と流体連通する。第2のベント導管は、第2の出口と、第2の液体センサと、第2のベント弁とを含む。第2の液体センサは、第2のベント接合部と第2の出口との間に配置される。第2のベント弁は、第2の液体センサと第2の出口との間に配置される。第2の液体センサは、第2のベント導管内の液体の検出に応答して第2の液体検出信号を生成するように構成される。
【0014】
[0014]制御ユニットは、第1の液体センサおよび第2の液体センサと電気的に通信して、第1の液体センサおよび第2の液体センサから第1の液体検出信号および第2の液体検出信号をそれぞれ受信する。制御ユニットは、プロセッサと、フィルタプライミングモジュールを含むフィルタ調整プログラムを有する非一時的コンピュータ可読媒体とを含む。プロセッサは、フィルタ調整プログラムを実行するようにコンピュータ可読媒体と共に構成される。プロセッサは、フィルタプライミングモジュールからの命令に基づいて、第1および第2のシングルユースフィルタに対してプライミング動作を実行するように構成される。
【0015】
[0015]別の実施形態では、流体濾過システムは、第1のシングルユースフィルタおよび第2のシングルユースフィルタと、流体供給導管と、直列フィルタ導管と、第1のベント導管と、第2のベント導管と、制御ユニットとを含む。第1および第2のシングルユースフィルタは、それぞれ上流端と下流端とを有する。
【0016】
[0016]第1のシングルユースフィルタの上流端は、流体供給導管と流体連通している。流体供給導管は、第1のベント接合部と流体供給弁とを含む。第1のベント接合部は、流体供給弁と第1のシングルユースフィルタの上流端との間に配置される。
【0017】
[0017]第1のシングルユースフィルタの下流端は、直列フィルタ導管を介して第2のシングルユースフィルタの上流端と流体連通している。直列フィルタ導管は、第2のベント接合部と直列フィルタ弁とを含む。直列フィルタ弁は、第1のシングルユースフィルタの下流端と第2のベント接合部との間に配置される。第2のベント接合部は、直列フィルタ弁と第2のシングルユースフィルタの上流端との間に配置される。
【0018】
[0018]第1のベント導管は、第1のシングルユースフィルタの上流端が第1のベント接合部を介して第1のベント導管と流体連通するように、流体供給導管の第1のベント接合部と流体連通する。第2のベント導管は、第2のシングルユースフィルタの上流端が第2のベント接合部を介して第2のベント導管と流体連通するように、直列フィルタ導管の第2のベント接合部と流体連通する。第2のベント導管は、第2のベント液体センサを含む。第2のベント液体センサは、第2のベント導管内の液体の検出に応答して第2の液体検出信号を生成するように構成される。
【0019】
[0019]制御ユニットは、第2のベント液体センサと電気的に通信して、第2のベント液体センサから第2の液体検出信号を受信する。制御ユニットは、プロセッサと、フィルタプライミングモジュールを含むフィルタ調整プログラムを有する非一時的コンピュータ可読媒体とを含む。プロセッサは、フィルタ調整プログラムを実行するようにコンピュータ可読媒体と共に構成される。プロセッサは、フィルタプライミングモジュールからの命令に基づいて、第1および第2のシングルユースフィルタに対してプライミング動作を実行するように構成される。
【0020】
[0020]別の態様では、本開示は、流体濾過システムにおいてシングルユースフィルタを調整するための技術の実施形態を対象とする。1つの実施形態では、流体濾過システムを調整する方法は、第1のシングルユースフィルタおよび第2のシングルユースフィルタをワークステーションに取り外し可能に取り付けるステップを含む。ワークステーションは、キャビネットを含む。
【0021】
[0021]第1のシングルユースフィルタの上流端は、流体供給導管を介してポンプに流体接続される。ポンプは、キャビネットによって支持される。流体供給導管は、第1のベント接合部と流体供給弁とを含む。流体供給弁は、第1のベント接合部とポンプとの間に配置される。
【0022】
[0022]第1のシングルユースフィルタの下流端は、直列フィルタ導管を介して第2のシングルユースフィルタの上流端に流体接続される。直列フィルタ導管は、第2のベント接合部と直列フィルタ弁とを含む。直列フィルタ弁は、第1のシングルユースフィルタの下流端と第2のベント接合部との間に配置される。
【0023】
[0023]流体供給弁は、流体供給導管を開くために開かれる。直列フィルタ弁は、直列フィルタ導管を開くために開かれる。ポンプは、直列フィルタ導管内のガスが第2のベント接合部を介して第2のベント導管に変位されるように、流体の流れを第2のシングルユースフィルタの上流端に向かって送出するように動作される。ポンプの動作は、所定の位置で第2のベント導管内の液体が検出されないことに応答して第2の液体検出信号の受信が停止されることに応答して、停止される。
【0024】
[0024]開示する原理のさらなるおよび代替の態様および特徴は、以下の詳細な説明および添付の図面から理解されるであろう。理解されるように、本明細書に開示する流体濾過システムおよび流体濾過システムを調整する方法は、他の異なる実施形態で実施することができ、様々な点で修正することができる。したがって、前述の全般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、添付の特許請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本開示の原理によって構築された流体濾過システムの一実施形態を含む、本開示の原理によって構築された濾過スキッドの一実施形態の斜視図である。
【
図2】例示目的でキャビネットが破線で示されている
図1の濾過スキッドの別の斜視図である。
【
図4】
図1の濾過スキッドの3つの側面の概略立面図である。
【
図5】フィルタ完全性試験動作を示す、本開示の原理によって構築された流体濾過システムの一実施形態の概略図である。
【
図6】流体回収動作を示す、
図5と同様の流体濾過システムの概略図である。
【
図7】本開示の原理に従って構築された完全性試験プログラムと共に使用するのに適したグラフィカルユーザインターフェースの一実施形態の図である。
【
図8】上流フィルタプライミング動作を示す、
図5と同様の流体濾過システムの概略図である。
【
図9】上流フィルタプライミング動作を示す、
図5と同様の流体濾過システムの別の概略図である。
【
図10】下流フィルタプライミング動作を示す、
図5と同様の流体濾過システムの概略図である。
【
図11】フィルタフラッシング動作を示す、
図5と同様の流体濾過システムの概略図である。
【
図12】フィルタ膜の湿潤を高めるための上流フィルタ加圧動作を示す、
図5と同様の流体濾過システムの概略図である。
【
図13】本開示の原理によって構築された流体濾過システムの一実施形態を含む、本開示の原理によって構築された充填スキッドの一実施形態の斜視図である。
【
図14】シングルユースフィルタの対の直列構成体を有する流体濾過システムを示す、
図16の充填スキッドの側面図である。
【
図15】
図13の充填スキッドと共に使用するのに適したシングルユースフィルタの対の直列構成体を示す、本開示の原理によって構築された流体濾過システムの一実施形態の概略図である。
【
図16】空気移送動作を示す、
図15と同様の流体濾過システムの概略図である。
【
図17】空気移送動作をさらに示す、
図15と同様の流体濾過システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[0041]図面は必ずしも縮尺通りではなく、開示する実施形態は図式的に部分図で示されていることを理解されたい。場合によっては、本開示の理解に必要でない詳細、または他の詳細を知覚するのを困難にする詳細は省略されている場合がある。本開示は、本明細書に示す特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。
【0027】
[0042]本開示の原理によって構築された流体濾過システムの実施形態は、本開示の原理によって流体濾過システム内のシングルユースフィルタを調整する方法の実施形態と共に使用されるように構成される。実施形態では、流体濾過システムは、濾過スキッドまたは充填スキッドに組み込まれ、濾過スキッドまたは充填スキッドに取り付けられた少なくとも1つのシングルユースフィルタと、スキッドに組み込まれた機器とを含み、機器は、例えば、コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータ実行可能命令に基づいて制御ユニットによって制御されるプライミング動作など、シングルユースフィルタに対して少なくとも1つの調整動作を実行するように構成される。
【0028】
[0043]本開示の原理によって構築された流体濾過システムの実施形態は、バイオ医薬品環境で使用することができるが、異なる流体、溶液、試薬および/または化学物質が濾過される他の産業用途で使用することができる。例えば、本開示の原理によって構築された流体濾過システムの実施形態は、流体の供給がバイオプロセス用途(例えば、クロマトグラフィー/タンジェンシャルフロー濾過(TFF)用途など)において分離され、濾過されるバイオプロセッシングシステムにおいて使用されるように構成される。本開示の原理によって構築された流体濾過システムの実施形態を使用して、調合、充填に関連する用途、および滅菌方法で液体を濾過することに関連する他の用途を実行することができる。
【0029】
[0044]本開示の原理によって構築された流体濾過システムの実施形態は、フィルタ完全性試験(「FIT」)装置を備えて構成され、この装置は、その場での、使用前および使用後のフィルタ完全性試験のシームレスな処理を伴う再現可能で信頼性のある完全自動フィルタ完全性試験を可能にするために、濾過スキッドの制御ユニットに一体化される。本開示の原理によって構築された流体濾過システムの実施形態は、FITを実行するために追加の手動の相互作用を必要とせずに、所定の試験プロトコルによって組み込まれたFIT装置を用いて実行されるライブ試験を実行するように構成される。
【0030】
[0045]本開示の原理によって構築された流体濾過システムの実施形態は、FIT装置を含み、FIT装置は、濾過スキッドに組み込まれ、加圧空気または窒素などの加圧ガスの流れを、例えばフィルタを通るようにFIT装置によって導いて加えることによって、濾過された生成物を導出導管から回収するのを助けるために使用されるように構成される。流体として回収された生成物は、確立された動作ルーチンを通して、FIT装置の動作によってフィルタを通じて導出導管の生成物出口に押し込まれ得る。
【0031】
[0046]本開示の原理によって構築された流体濾過システムの実施形態は、その効率的な使用のためにシングルユースフィルタを自動的に調整するために使用することができる。例えば、実施形態では、流体濾過システムは、フィルタプライミングモジュール、フィルタフラッシングモジュール、およびフィルタ加圧モジュールのうちの少なくとも1つを含むフィルタ調整プログラムを含むことができる。
【0032】
[0047]実施形態では、流体濾過システムは、シングルユースフィルタを含むフィルタのプライミングおよび湿潤を容易にするように構成されたフィルタ調整プログラムを含むことができる。実施形態では、流体濾過システムは、湿潤を向上させるために加圧ガスの流れをフィルタの上流側に送出するように構成された導管を含む。実施形態では、完全性試験装置を使用して、FIT試験動作によって加圧ガス源を提供して湿潤を向上させることができる。このFIT試験動作の結果は、いくつかの用途では無視される場合がある。他の実施形態では、当業者によって容易に理解されるように、フィルタの上流側に加圧ガスの適切な流れを提供するように構成された他の機器を使用することができる。
【0033】
[0048]次に図を参照すると、本開示の原理によって構築された濾過スキッド22の形態のワークステーションに組み込まれた、本開示の原理によって構築された流体濾過システム20の実施形態が、
図1~
図4に示されている。実施形態では、濾過スキッド22は、少なくとも1つのシングルユースフィルタ25と、少なくとも1つのFITを行うためにシングルユースフィルタ25と選択的に流体連通する完全性試験装置30(例えば、
図2を参照されたい)とを含む。
【0034】
[0049]
図1~
図3を参照すると、図示の濾過スキッド22は、キャビネット32と、ポンプ34と、複数のプレフィルタ35と、シングルユースフィルタ25の対と、流体供給導管37と、導出導管38と、完全性試験装置30と、試験導管40と、制御ユニット45と、表示装置50とを含む。当業者は、本開示を検討した後、他の実施形態において、システムが異なる構成を有することができることを理解するであろう。例えば、実施形態では、プレフィルタ35を省略することができ、および/またはシングルユースフィルタ25を1つだけ設けることができる。
【0035】
[0050]本開示の原理によって構築された流体濾過システム20の実施形態では、各シングルユースフィルタ25の上流端52は、流体供給導管37を介してポンプ34に、および試験導管40を介して完全性試験装置30に流体接続される。ポンプ34および完全性試験装置30は、キャビネット32によって支持される。完全性試験装置30は、加圧ガス源に流体接続されるように構成される。完全性試験装置30は、各シングルユースフィルタ25に対して試験動作を実行するために、加圧ガスの流れを試験導管40を通じて導くように動作可能である。実施形態では、試験動作は、フォワードフロー試験、水侵入試験、バブルポイント試験、漏出試験、および圧力減衰試験のうちの1つを含む。実施形態では、流体濾過システム20は、例えば、ポンプ34と流体連通するトートなどの適切な容器内に貯蔵することができる、任意の適切な流体と共に使用することができる。
【0036】
[0051]
図1を参照すると、濾過スキッド22は、トロリ55を含む。キャビネット32は、トロリ55の上に取り付けられ、流体濾過システム20の油圧および自動化機器を収容するように構成される。トロリ55は、ベース57と、ベース57に回転可能に取り付けられた複数のホイール58とを含む。図示の実施形態では、ベース57は長方形であり、ベース57の各コーナに回転可能に取り付けられたホイール58がある。実施形態では、ベース57は、略正方形とすることができる。
【0037】
[0052]キャビネット32は、トロリ55のベース57に取り付けられる。実施形態では、キャビネット32は、自動化および油圧機器用の格納ユニットを備え、例えばステンレス鋼などの適切な金属から作製される。キャビネット32は、完全性試験装置30を含む液体濾過システムの構成要素を格納および支持するために適切に構成することができる内部空洞を画定する。
図2を参照すると、実施形態では、キャビネット32は、少なくとも1つのポンプ本体34と、完全性試験装置30と、制御ユニット45とを収容する。
【0038】
[0053]ポンプ34は、キャビネット32によって支持され、流体の流れを選択的に生成するように構成される。ポンプ34は、流体の供給源(図示せず)から流体を引き込み、この流体をフィルタに送出するように構成される。ポンプ34は、制御ユニット45がポンプ34を選択的に動作させることができるように、制御ユニット45と動作可能な関係にある。ポンプ34は、流体の流れを選択的に生成して、流体の供給をフィルタに送出するように構成される。実施形態では、ポンプ34は、フィルタを通る流体の流れを生成することができ、意図される用途の仕様を満たす任意の適切なポンプとすることができる。実施形態では、ポンプ34は、可変容量ポンプを備える。実施形態では、流体濾過システム20は、1つまたは複数の流体をフィルタ35、25に送出するために使用することができる複数のポンプ34を含む。
【0039】
[0054]
図1および
図2を参照すると、プレフィルタ35は、流体供給導管37を介してポンプ34と並列に流体接続される。
図1を参照すると、シングルユースフィルタ25は、流体供給導管37を介してプレフィルタ35のバンクに並列に流体接続される。並列のプレフィルタ35のバンクは、シングルユースフィルタ25の並列の対に直列に接続される。
【0040】
[0055]
図1を参照すると、図示の実施形態では、各導管37、38、40は、流体濾過システム20の様々な構成要素を流体的に相互接続する配管構成体を備える。実施形態では、配管構成体は、複数の可撓性配管管路を備え、この配管管路は、その外部に取り付けられたピンチ弁によって選択的に塞がれるように構成される。実施形態では、可撓性配管は、シリコーン、熱可塑性エラストマ(TPE)などの任意の適切な材料から作製することができる。実施形態では、導管は、可撓性プラスチック系(例えばPVC、PP、PE)ホースを備える。実施形態では、導管は、例えばシリコーン配管、プラスチック射出成形アダプタ、および市販のコネクタおよび断路器(例えば、ニューヨーク州ポートワシントンのPall Corporation社製のKleenpack(登録商標)Presto滅菌コネクタおよびKleenpack(登録商標)滅菌断路器)、ならびに米国特許出願公開第2017/0284584号明細書に開示されているものなど、当業者に容易に知られているような様々な適切な材料およびアセンブリのいずれか1つを備える。
【0041】
[0056]実施形態では、濾過スキッド22は、導管に関連するいくつかの弁構成体を有することができる。実施形態では、各導管37、38、40は、制御ユニット45と電気的に通信する制御弁と関連付けることができ、制御ユニットは、さらに、弁の動作状態を開状態と閉状態との間で制御して流体の流れを弁を通じて導くように構成される。弁は、関連する導管を選択的に塞ぐように構成された任意の適切な弁を備えることができる。
【0042】
[0057]図示の実施形態では、弁は、ピンチ弁を備え、ピンチ弁は、導管の配管を塞いで、これが関連する導管を効果的に塞ぐことによって、システム内の流体の流れを制御するように構成される。弁は、スキッド22に固定され、導管37、38、40をスキッド22に取り外し可能に取り付けるための手段を提供することができる。弁は、各弁のクランプ部分が導管にそれぞれ関連付けられるためにキャビネット32の外面から突出するように、キャビネット32によって支持される。他の実施形態では、例えばソレノイド弁など、当業者に容易によく知られている、異なるタイプの弁を使用することができる。実施形態では、弁は、例えば、空気圧源または電力源などの適切な供給源によって動作させることができる。実施形態では、濾過スキッド22の弁の動作は、1つまたは複数の所望の流体分配シーケンスを動作させるように適切にプログラムされた制御ユニット45によって合わせることができる。
【0043】
[0058]
図1を参照すると、プレフィルタ35およびシングルユースフィルタ25は、キャビネット32に取り外し可能に取り付けられる。図示の実施形態では、濾過スキッド22は、4つのプレフィルタ35と、2つのシングルユースフィルタ25とを含む。他の実施形態では、濾過スキッド22は、1つのプレフィルタ35および/または1つのシングルユースフィルタ25を含む、異なる数のプレフィルタ35および/またはシングルユースフィルタ25を含むことができる。実施形態では、プレフィルタ35を省略することができる。
【0044】
[0059]
図1を参照すると、各シングルユースフィルタ25は、ワークステーション22に取り外し可能に取り付けられる。各シングルユースフィルタ25は、上流端52と下流端54とを有する。各シングルユースフィルタ25の上流端52は、流体供給導管37(
図2も参照されたい)を介してポンプ34と流体連通している。各シングルユースフィルタ25の下流端54は、導出導管38と流体連通している。
【0045】
[0060]図示の実施形態では、各シングルユースフィルタ25は、交換可能な部材を備え、この部材は、バイオ処理用途で使用するために濾過スキッド22内に一度設置され、その後廃棄するために取り外される。バイオ処理用途におけるその意図された使用が完了した後、それぞれのシングルユースフィルタ25を濾過スキッド22から接続解除し、同様の構造を有する別のシングルユースフィルタ25と交換することができる。実施形態では、フィルタ25は、当業者に容易に知られているように、様々な適切な材料およびアセンブリのいずれか1つを備える。
【0046】
[0061]様々な市販のフィルタ、フィルタメディア(例えば、繊維状メディア、膜、および/または複合材料)、フィルタエレメント、フィルタモジュール、およびフィルタサイズが、本開示の原理に従って構成された流体濾過システムの実施形態におけるプレフィルタ35およびシングルユースフィルタ25としての使用に適している。適切なフィルタとしては、例えば、ニューヨーク州、ポートワシントンのPall Corporation社から市販されているPegasus Primeフィルタが挙げられる。例示的なフィルタおよびフィルタエレメントは、プリーツ型フィルタおよび「レイドオーバープリーツ」(LOP)フィルタ構成を含む。
【0047】
[0062]実施形態では、プレフィルタ35およびシングルユースフィルタ25は、任意の適切なポア構造、例えば、ポアサイズ(例えば、バブルポイントによって、または例えば米国特許第4,340,479号明細書に記載されているようなKLによって、または毛細管凝縮流動ポロメトリーによって証明される)、ポア率、ポア直径(例えば、米国特許第4,925,572号明細書に記載されているような修正されたOSU F2試験を使用して特徴付けられる場合)、または流体がエレメントを通過するときに、1つまたは複数の目的の材料を通過するのを低減または可能にする除去評価を有する、フィルタおよびフィルタエレメントを備える。使用されるポア構造は、処理される流体の組成および処理された流体の所望の流出レベルに依存する。
【0048】
[0063]実施形態では、プレフィルタ35およびシングルユースフィルタ25は、任意の所望の臨界湿潤表面張力(例えば、米国特許第4,925,572号明細書に定義されているCWST)を有するフィルタおよびフィルタエレメントを備える。多孔質膜は、任意の所望の臨界湿潤表面張力(例えば、米国特許第4,925,572号明細書に定義されているCWST)を有することができる。CWSTは、当技術分野で知られているように、例えば、米国特許第5,152,905号明細書、同第5,443,743号明細書、同第5,472,621号明細書、および同第6,074,869号明細書にさらに開示されているように選択することができる。エレメントの表面特性は、湿式もしくは乾式酸化によって、表面上にポリマーをコーティングもしくは堆積させることによって、またはグラフト反応によって、(例えば、CWSTに影響を与えるように、表面電荷、例えば正または負の電荷を含むように、および/または表面の極性または親水性を変更するように)修飾することができる。修飾には、例えば、照射、極性または荷電モノマー、荷電ポリマーで表面をコーティングおよび/または硬化すること、ならびに表面に官能基を付着させる化学修飾を行うことが含まれる。
【0049】
[0064]実施形態では、プレフィルタ35およびシングルユースフィルタ25は、異なる構造および/または機能、例えば、前置濾過、支持、排水、間隔あけ、およびクッション性のうちの少なくとも1つを有することができる追加のエレメント、層、または構成要素を含むことができる。例示的には、実施形態では、プレフィルタ35およびシングルユースフィルタ25は、メッシュおよび/またはスクリーンなどの少なくとも1つの追加エレメントを含むこともできる。
【0050】
[0065]実施形態では、プレフィルタ35およびシングルユースフィルタ25は、ハウジング内に配置された複数のフィルタエレメントを備え(典型的には、フィルタは、外側ケージと内側コアとの間に配置されてフィルタモジュールを提供する)、ハウジングは、入口と出口とを備え、入口と出口との間に流体流路を画定し、フィルタは、この流体流路を横断する。好ましくは、プレフィルタ35およびシングルユースフィルタ25は、当技術分野で知られているように滅菌可能である(例えば、オートクレーブ処理、ガンマ線照射など)。入口および出口を提供する適切な形状の任意のハウジングを使用することができる。
【0051】
[0066]
図1を参照すると、導出導管38は、各シングルユースフィルタ25の下流端54と流体連通している。導出導管38は、第1の出口61および第2の出口62と、第1の出口61および第2の出口62にそれぞれ関連付けられた第1の出口弁63および第2の出口弁64とを含む。第1の出口61は、生成物容器に流体接続するように構成され、第2の出口62は、廃棄物貯蔵所に流体接続するように構成される。
【0052】
[0067]
図2を参照すると、完全性試験装置30は、キャビネット32によって支持され、試験導管40を介して各シングルユースフィルタ25の上流端52と流体連通している(
図1も参照されたい)。完全性試験装置30は、例えば加圧空気または窒素などの加圧ガス源に接続され、加圧ガスの流れをそれぞれの試験導管40を通じて各シングルユースフィルタ25に選択的に導くように構成される。試験導管40は、加圧ガスをシングルユースフィルタ25の一方または両方に選択的に送出するように構成された、シングルユースフィルタ25の上流に位置する高圧マニホールドセクションを備えることができる。試験導管40は、完全性試験装置30からマニホールドセクションまでのステンレス鋼ガス管路を含むことができる。
【0053】
[0068]実施形態では、意図された完全性試験を実行するのに適した任意の完全性試験装置30を使用することができる。実施形態では、使用前および使用後の完全性試験を行うように構成された市販の完全性試験装置を使用することができる。実施形態では、様々な完全性試験器具、例えば、ニューヨーク州、ポートワシントンのPall Corporation社から市販されているPALLTRONIC Flowstar IV Filter完全性試験器具、PALLTRONIC Flowstar IV Filter完全性試験器具MUX Extension、PALLTRONIC Flowstar LGR試験器具、またはPALLTRONIC AquaWIT IV Filter完全性試験システムなどが使用に適している。
【0054】
[0069]実施形態では、完全性試験装置30は、使用前の滅菌後および使用後の試験を含む、当業者によく知られている様々なフィルタ完全性試験(FIT)を行うように構成される。実施形態では、完全性試験装置30は、規制機関(例えばFDA)に従って一貫した濾過性能を保証するように設計されたFITを行うように構成される。実施形態では、完全性試験装置30は、規制プロトコルによって少なくとも1つのFITを実行して、規制された性能仕様に従ってフィルタ性能を保証するように構成される。実施形態では、完全性試験装置30は、少なくとも1つの所定のプロトコルに従って、以下の試験:フォワードフロー試験、水侵入試験、バブルポイント試験、漏出試験、および圧力減衰試験のそれぞれ1つを実行するように構成される。
【0055】
[0070]
図2を参照すると、実施形態では、制御ユニット45は、濾過動作を実行するときに液体濾過システム20の少なくとも1つの構成要素の動作を制御するように構成された任意の適切な機器を備えることができる。実施形態では、制御ユニット45は、プロセッサ71と、流体濾過プログラムを有する非一時的コンピュータ可読媒体72と、データ記憶装置73と、表示装置50とを含む。プロセッサ71は、フィルタ濾過プログラムを実行するようにコンピュータ可読媒体72と共に構成される。プロセッサ71は、流体濾過プログラムからの出力情報を選択的に表示し、および/または表示装置50によって表示されるグラフィカルユーザインターフェースから入力情報を受信するように、表示装置50と動作可能な構成にある。
【0056】
[0071]実施形態では、制御ユニット45のプロセッサ71は、別個のプロセッサと、完全性試験装置30に含まれるプロセッサの両方を備える。実施形態では、流体濾過プログラムは、完全性試験プログラムを含む。実施形態では、完全性試験装置30は、完全性試験プログラムを有する非一時的コンピュータ可読媒体を含む。プロセッサ71は、完全性試験プログラムを実行するようにコンピュータ可読媒体72と共に構成される。プロセッサ71は、完全性試験装置30と電気的に通信して、完全性試験装置30を選択的に動作させて、完全性試験プログラムからの命令に基づいて加圧ガスの流れを使用して各シングルユースフィルタ25に対して試験動作を実行する。
【0057】
[0072]実施形態では、流体濾過プログラムは、フィルタプライミングモジュール、フィルタフラッシングモジュール、およびフィルタ加圧モジュールのうちの少なくとも1つを含むフィルタ調整プログラムを含む。実施形態では、流体濾過プログラムは、フィルタプライミングモジュール、フィルタフラッシングモジュール、およびフィルタ加圧モジュールを含むフィルタ調整プログラムを含む。
【0058】
[0073]プロセッサ71は、例えば、コントローラとして機能して、ポンプ34および弁構成体などの流体濾過システム20の少なくとも1つの構成要素を選択的に動作させるように構成することができる。実施形態では、プロセッサ71は、ポンプおよび弁構成体と電気的に通信して、流体濾過プログラムからの命令に基づいて、弁を選択的に動作させる。
【0059】
[0074]実施形態では、コントローラおよびプロセッサ71は、別個の装置を備えることができ、コントローラは、プロセッサ71と動作可能に通信する構成にあることができる。実施形態では、コントローラは、1つまたは複数のユーザ作動入力制御信号を生成するように構成された1つまたは複数のユーザ作動機構(例えば、1つまたは複数のプッシュボタン、スライドバー、回転可能ノブ、キーボード、およびマウス)を有するユーザ入力および/またはインターフェース装置を含むことができる。実施形態では、コントローラは、当業者によって理解されるように、流体濾過システムに様々な他の制御機能を提供するために1つまたは複数の他のユーザ作動機構を含むように構成することができる。コントローラは、グラフィカルユーザインターフェースを表示するように構成された表示装置50と関連付けることができる。グラフィカルユーザインターフェースは、実施形態では、ユーザ入力装置および表示装置の両方として機能するように構成することができる。実施形態では、表示装置50は、表示スクリーンの種々の部分に触れるユーザから入力信号を受信するように構成されたタッチスクリーン装置を備えることができる。実施形態では、コントローラは、スマートフォン、タブレット、携帯情報端末(例えば、無線モバイル装置)、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、または他の種類の装置の形態とすることができる。
【0060】
[0075]実施形態では、プロセッサ71は、マイクロプロセッサ、メインフレームコンピュータ、デジタル信号プロセッサ、ポータブルコンピューティング装置、パーソナルオーガナイザ、装置コントローラ、論理装置(例えば、処理機能を実行するように構成されたプログラマブルロジック装置)、デジタル信号処理(DSP)装置、または機器内の計算エンジンなどの任意の適切なコンピューティング装置を備えることができる。実施形態では、プロセッサ71はまた、1つまたは複数の追加の入力装置(例えば、キーボードおよびマウス)を含む。
【0061】
[0076]プロセッサ71は、データおよび情報を記憶するために関連付けられた1つまたは複数のメモリ装置を有することができる。1つまたは複数のメモリ装置は、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(読み出し専用メモリ)、EEPROM(電気的に消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ)、フラッシュメモリなどの揮発性および不揮発性メモリ装置を含む任意の適切なタイプを含むことができる。
【0062】
[0077]実施形態では、制御ユニット45は、流体をフィルタ35、25に送出するために使用される各ポンプ34および弁構成体の各弁と電気的に通信する。制御ユニット45は、流体濾過プログラムに含まれる論理および動作パラメータに従ってポンプ34および弁を選択的に動作させるように構成される。実施形態では、制御ユニット45は、ポンプ34のポンプ速度および容積変位の少なくとも一方を制御して、シングルユースフィルタ25に送出される流体の量を制御するように構成される。図示の実施形態では、制御ユニット45は、異なる弁構成体の各弁を独立的に動作させるように構成される。
【0063】
[0078]実施形態では、プロセッサ71は、流体濾過システム20の制御および動作を容易にするために使用することができる特別にプログラムされたプロセッサを備える。実施形態では、プロセッサ71は、コントローラから入力信号を受信し、入力制御信号をコントローラに送信し、および/または出力情報をコントローラに送信するように構成することができる。図示の実施形態では、コントローラおよびプロセッサ71は、同じ装置を備え、完全性試験装置30は、プロセッサ71によって制御することができるそれ自体のプロセッサを含む。
【0064】
[0079]1つの実施形態では、プロセッサ71は、本開示の原理に従う方法で様々な方法、プロセス、および動作モードを実行するために、非一時的コンピュータ可読媒体72に記憶されたプログラミングを実行するように構成される。実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体72は、本開示の原理に従って流体を濾過する方法の実施形態を実施するように構成された流体濾過プログラムを含むことができる。実施形態では、流体濾過プログラムは、少なくとも1つの流体濾過動作を実行するように構成される。実施形態では、流体濾過プログラムは、少なくとも1つの流体回収動作を実行するように構成される。
【0065】
[0080]実施形態では、流体濾過プログラムは、表示装置50によって表示することができるグラフィカルユーザインターフェースを含む。グラフィカルユーザインターフェースを使用して、ユーザによる流体濾過プログラムへのコマンドおよびデータの入力を容易にし、流体濾過プログラムによって生成された出力を表示することができる。
【0066】
[0081]流体濾過プログラムは、任意の適切なコンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。例えば、実施形態では、本開示の原理に従う流体濾過プログラムは、ハードドライブ、フロッピーディスク、CD-ROMドライブ、テープドライブ、ジップドライブ、フラッシュドライブ、光記憶装置、磁気記憶装置などに記憶され得る。
【0067】
[0082]実施形態では、プロセッサ71は、流体濾過データを含む少なくとも1つのデータベースを含むデータ記憶装置73と動作可能な通信状態にある。実施形態では、流体濾過プログラムは、システムの動作中に生成された流体濾過データをデータ記憶装置73に記憶するように構成することができる。実施形態では、流体濾過データは、様々なデータを所与の時間にわたって検索できるように、データ記憶装置内で時間データと論理的に関連付けることができる。
【0068】
[0083]表示装置50は、プロセッサ71と動作可能な構成にある。実施形態では、完全性試験プログラムは、プロセッサ71によって実行されると、試験動作の一部として次のステップを実行するように構成され、すなわち、各シングルユースフィルタ25が試験動作を満たしたかどうかを決定し、シングルユースフィルタ25が試験動作を満たしたかどうかのグラフィック表示を含むグラフィック表示を生成し、表示装置50(例えば、
図7を参照されたい)にグラフィック表示を表示するように構成される。
【0069】
[0084]実施形態では、プロセッサ71は、完全性試験装置30から、および制御ユニット71と電気的に通信する少なくとも1つのセンサから受信した流体濾過データを表示装置50に表示するように構成される。流体濾過データはまた、プロセッサ71と共に動作可能に構成されたデータ記憶装置73に記憶され得る。
【0070】
[0085]
図5は、フィルタ完全性試験動作を示す、本開示の原理によって構築された流体濾過システム20の一実施形態の概略図である。図示の構成体は、シングルユースフィルタ25を含む。この構成体(ならびに
図6および
図8~
図12に示すもの)の説明は、本開示の原理に従って構築された流体濾過システムの特定の実施形態に含まれる各シングルユースフィルタ25に適用可能であることを理解されたい。
【0071】
[0086]流体供給導管37は、流体供給弁81と試験接合部82とを含む。試験導管40は、流体供給導管37の試験接合部82を介してシングルユースフィルタ25に流体接続される。
【0072】
[0087]試験導管40は、空気フィルタ85と、試験導管弁86と、液体センサ87とを含む。空気フィルタ85は、フィルタ85を通過する流体から微粒子を濾過するように構成される。空気フィルタ85は、完全性試験装置30を介してシングルユースフィルタ25に送出される加圧ガスが空気フィルタ85を通じて濾過されるように、完全性試験装置30とシングルユースフィルタ25との間に配置される。試験導管40は、空気フィルタ85が液体に曝露されることを保護するために、液体センサ87および試験導管弁86を含む。
【0073】
[0088]液体センサ87は、試験導管40内の液体の検出に応答して液体検出信号を生成するように構成される。制御ユニット45は、液体センサ87と電気的に通信して、液体センサから液体検出信号を受信する。試験導管弁86は、試験導管40を選択的に塞ぐように試験導管40と共に構成される。
【0074】
[0089]液体センサ87は、完全性試験装置30と試験接合部82との間、特に空気フィルタ85と試験接合部82との間に配置される。試験導管弁86は、空気フィルタ85と液体センサ87との間に配置される。
【0075】
[0090]試験導管弁86は、制御ユニット45が液体検出信号の受信に応答して試験導管弁86を動作させることができるように、制御ユニット45と動作可能な構成にある。実施形態では、制御ユニット45は、液体検出信号の受信に応答してポンプ34の動作を停止するおよび/または試験導管弁86を閉じて、空気フィルタ85が流体で湿潤されるのを防ぐように構成される。
【0076】
[0091]実施形態では、流体濾過システム20は、流体濾過プロセスの精度および一貫性を高めるために導管内に閉じ込められたガスを除去するための手段を含むことができる。図示の実施形態では、試験導管40はまた、ベント導管90と流体連通するためのベント接合部88を含む。ベント導管90は、ベント接合部88を介して試験導管40と流体連通している。
【0077】
[0092]ベント導管90は、ベント弁91を含む。ベント弁91は、制御ユニット45がベント弁91を選択的に動作させることができるように、制御ユニット45と動作可能な構成にある。
【0078】
[0093]実施形態では、完全性試験プログラムは、プロセッサ71によって実行されると、試験動作の一部として次のステップを実行するように構成することができ、すなわち、流体供給弁81を閉じて流体供給導管37を塞ぎ、試験導管弁86を開いて試験導管40を開き、第2の出口弁64を開いてシングルユースフィルタ25を通る空気流を可能にし、完全性試験装置30を動作させて加圧ガスの流れを試験導管40およびシングルユースフィルタ25を通じて導くように構成することができる。実施形態では、試験動作は、フォワードフロー試験、水侵入試験、バブルポイント試験、漏出試験、および圧力減衰試験のうちの1つを含む。実施形態では、完全性試験プログラムは、プロセッサによって実行されると、試験動作の一部として次のステップを実行するように構成され、すなわち、ベント弁91を閉じてベント導管90を塞ぐように構成される。
【0079】
[0094]実施形態では、完全性試験プログラムは、プロセッサによって実行されると、試験動作の一部として次のステップを実行するように構成することができ、すなわち、第1の出口弁63を閉じて第1の出口61を塞ぎ、第2の出口弁64を開いて第2の出口62を開くように構成することができる。実施形態では、完全性試験プログラムは、前述のステップの実行を省略することができるが、完全性試験プログラムは、生成物出口内の望ましくない(不要な/望ましくない希釈を引き起こす可能性がある)流体を回避するのに役立つ。他の実施形態では、完全性試験プログラムは、プロセッサによって実行されると、試験動作の一部として前述のステップの逆を実行するように構成することができ、すなわち、第1の出口弁63を開いて第1の出口61を開き、第2の出口弁64を閉じて第2の出口62を閉じるように構成することができる。
【0080】
[0095]導出導管38は、圧力センサ93を含む。圧力センサ93は、導出導管38内で測定された圧力を示す圧力信号を生成するように構成される。制御ユニット45は、圧力センサ93と電気的に通信して、圧力センサから圧力信号を受信する。実施形態では、圧力センサ93を使用して、導出導管38が加圧されていないことを確認することができる。
【0081】
[0096]実施形態では、FIT装置30は、試験導管40内の圧力を感知するように独立して動作させることができる内圧センサを含む。実施形態では、完全性試験プログラムは、試験接合部82の領域内のシングルユースフィルタ25の上流部分内でFIT装置30の圧力センサによって測定された圧力に基づいて、試験動作の試験条件が満たされているかどうかを決定するように構成される。
【0082】
[0097]実施形態では、流体濾過システム20は、そうでなければ濾過動作中に内部に保持され、または導出されないシングルユースフィルタからの流体を回収するための手段を含むことができる。
図6は、流体回収動作を示す流体濾過システム20の概略図である。使用後、流体濾過システム20は、加圧ガスをフィルタ25を通じて導くことによってシングルユースフィルタ25から流体を回収するように動作され得る。流体供給弁81は、流体が流体供給導管37からシングルユースフィルタ25の上流端52に流れるのを防止するように閉じられ得る。流体供給弁81は、FIT装置30によって提供される圧力(空気)が、シングルユースフィルタ25から生成物を回収する(そして、流体供給導管37を通じて流さない/逃がさない)ために使用されることを確実にするために閉じられ得る。加圧ガスは、完全性試験装置30によって、シングルユースフィルタ25を通じて送出され得る。導出導管38の生成物出口は、シングルユースフィルタ25から駆動された流体が、フィルタ25の下流端54から導出導管38を通じて生成物出口61の外に搬送されるように開かれ得る。他の実施形態では、流体回収動作を実行するために、加圧ガスの別個の供給源を設けることができる。
【0083】
[0098]
図7は、本開示の原理に従って構築された完全性試験プログラムと共に使用するのに適したグラフィカルユーザインターフェース95の一実施形態の図である。実施形態では、完全性試験プログラムは、シングルユースフィルタ25が試験動作を満たしたかどうかを決定し、シングルユースフィルタ25が試験動作を満たしたかどうかのグラフィック表示を含むグラフィック表示を生成し、グラフィック表示を表示装置50に表示するように構成される。グラフィカルユーザインターフェース95は、そのようなグラフィカル表示の一例である。
【0084】
[0099]
図8~
図12を参照すると、一連のフィルタ調整シーケンスが、示されている。
図8および
図9は、上流フィルタプライミング動作を示す、
図5と同様の流体濾過システムの概略図である。
図8を参照すると、シングルユースフィルタ25の上流端52は、流体供給導管37を介してポンプ34と流体連通している。ベント導管90は、シングルユースフィルタ25の上流端52が、接合部82および接合部82とシングルユースフィルタ25の上流端52との間に延びる共通分岐部97を介してベント導管90と流体連通するように、流体供給導管37の接合部82と流体連通している。ベント導管90は、出口98と、液体センサ87と、ベント弁91とを含む。液体センサ87は、接合部82と出口98との間に配置される。ベント弁91は、液体センサ87と出口98との間に配置される。液体センサ87は、ベント導管90内の液体の検出に応答して液体検出信号を生成するように構成される。
【0085】
[0100]制御ユニット45は、液体センサ87と電気的に通信して、液体センサから液体検出信号を受信する。実施形態では、制御ユニット45は、フィルタプライミングモジュールを含むフィルタ調整プログラムでプログラムされる。プロセッサ71は、ポンプ34、流体供給弁81、ベント弁91、および液体センサ87と電気的に通信して、フィルタプライミングモジュールからの命令に基づいて、シングルユースフィルタ25に対してプライミング動作を実行する。
【0086】
[0101]実施形態では、フィルタプライミングモジュールは、プロセッサ71によって実行されると次のステップを実行するように構成され、すなわち、流体供給弁81を開いて流体供給導管37を開き、ベント弁91を開いてベント導管90を開き、第1の出口弁63を閉じて導出導管38の第1の出口61を塞ぎ、第2の出口弁64を開いて導出導管38の第2の出口62を開き、流体供給導管37内のガスがベント導管90に変位されるように、ポンプ34を動作させて流体の流れをシングルユースフィルタ25の上流端52に送出し、液体センサ87からの液体検出信号の受信に応答してポンプ34の動作を停止するおよび/またはベント弁91を閉じるように構成される。
【0087】
[0102]
図9を参照すると、液体は、接合部82の上方に上昇しており、液体センサ87に向かって延びており、それにより、シングルユースフィルタ25の上流のガスがベント導管90を通じて除去されたことを示している。
【0088】
[0103]
図10は、下流フィルタプライミング動作を示す、
図5と同様の流体濾過システムの概略図である。液体センサ87が液体の存在を検出したことに応答して、制御ユニット45は、試験導管弁86およびベント弁91を閉じている。
【0089】
[0104]実施形態では、フィルタプライミングモジュールは、プロセッサ71によって実行されると次のステップを含む下流側フィルタプライミング動作を実行するように構成され、すなわち、ベント弁86、91を閉じ、流体供給弁81を開いて流体供給導管37を開き、第1の出口弁63を閉じて導出導管38の第1の出口61を塞ぎ、第2の出口弁64を開いて導出導管38の第2の出口62を開き、ポンプ34を動作させて流体の流れをシングルユースフィルタ25の上流端52に送出してシングルユースフィルタ25を通じて導出導管38の第2の出口62から出し、所定の時間後または圧力センサ93の圧力信号に基づいて導出導管38内の圧力が所定の値に達することに応答してポンプ34の動作を停止するように構成される。
【0090】
[0105]
図11は、フィルタフラッシング動作を示す、
図5と同様の流体濾過システムの概略図である。実施形態では、制御ユニット45は、フィルタフラッシングモジュールを含むフィルタ調整プログラムでプログラムされる。
【0091】
[0106]実施形態では、フィルタフラッシングモジュールは、プロセッサ71によって実行されると、フラッシング動作の一部として次のステップを実行するように構成される。試験導管弁86およびベント弁91は、液体センサ87からの液体検出信号の受信に応答して閉じられる。第1の出口弁63は、導出導管38の第1の出口61を塞ぐために閉じられる。第2の出口弁64は、導出導管38の第2の出口62を部分的に開放するために部分的に開放される。流体供給弁81は、流体供給導管37を開くために開かれる。ポンプ34は、流体の流れがシングルユースフィルタ25および導出導管38を通過し、第2の出口62を出て、それによって導出導管38内に背圧を生成するように、流体の流れをシングルユースフィルタ25に送出するように動作される。圧力センサ93は、制御ユニット45が出口弁64の位置/オリフィスを監視および調整して、導出導管38内に規定の背圧を生成してフィルタ膜の湿潤を改善するためのフィードバックループとして使用することができる。
【0092】
[0107]実施形態では、フィルタフラッシングモジュールは、第2の出口弁64を順次開閉して第2の出口62を順次開閉し、それによって導出導管38内にパルス効果を生成するように構成される。パルス効果は、フィルタ膜の湿潤を改善するのに役立つように調節され得る。
【0093】
[0108]
図12は、上流側フィルタ加圧動作を示す、
図5と同様の流体濾過システムの概略図である。実施形態では、試験導管40は、シングルユースフィルタ25の上流を加圧するために、加圧ガスの供給をシングルユースフィルタ25の上流端52に送出するための加圧ガス供給導管を含む。
【0094】
[0109]シングルユースフィルタの上流端52は、加圧ガス供給導管40と流体連通している。加圧ガス供給導管40は、加圧ガスの流れを加圧ガス供給導管を通じてシングルユースフィルタ25の上流端52に選択的に導くように構成される。図示の実施形態では、完全性試験装置30は、シングルユースフィルタ25の上流端52を加圧するために使用される。他の実施形態では、当業者によって容易に理解されるように、任意の適切な加圧ガス源を使用することができ、ガスは、他の適切な機器を使用して加圧され得る。加圧ガス源を提供するための他の技術の例は、加圧ガス源を所定の圧力設定ポイントまで送出するように構成された圧力計を有する適切なポンプを含む。実施形態では、加圧ガス供給導管40は、加圧ガスの外部供給源(例えば、圧力タンク)に接続され、加圧ガスの流れをシングルユースフィルタ25の上流端52に選択的に導くように構成される。
【0095】
[0110]図示の実施形態では、加圧ガス供給導管40は、完全性試験装置30を含み、完全性試験装置は、ガス源に接続され、ガスを加圧し、加圧ガスの流れを加圧ガス供給導管40を通じてシングルユースフィルタ25の上流端52に選択的に導くように構成される。プロセッサ71は、完全性試験装置30と電気的に通信して、完全性試験装置30を選択的に動作させる。他の実施形態では、完全性試験装置30を省略することができ、加圧ガス供給導管40は、加圧ガスを送出するための別の手段(例えば、圧力タンクおよび/または圧縮機)と流体連通することができる。
【0096】
[0111]流体供給導管37の接合部82は、第1の接合部を含み、加圧ガス供給導管40は、第2の接合部(ベント接合部88)を含む。ベント導管90は、シングルユースフィルタ25の上流端52が第1の接合部82および第2の接合部88を介してベント導管40と流体連通し、共通分岐部99が第2の接合部88とシングルユースフィルタ25の上流端52との間を延びるように、第2の接合部88と流体連通する。
【0097】
[0112]加圧ガス供給導管40は、ガス供給弁86と、空気フィルタ85とを含む。液体センサ87、ガス供給弁86、および空気フィルタ85は、共通分岐部99内に配置される。液体センサは、第1の接合部82とガス供給弁86との間に配置される。ガス供給弁86は、液体センサ87と空気フィルタ85との間に配置される。
【0098】
[0113]実施形態では、フィルタ調整プログラムは、プロセッサ71によって実行されると、加圧動作の一部として次のステップを実行するように構成されたフィルタ加圧モジュールを含む。流体供給弁81は、流体供給導管37を閉じるように閉じられる。ベント弁91は、ベント導管90を塞ぐように閉じられる。第1および第2の出口弁63、64は、導出導管38の第1および第2の出口61、62をそれぞれ塞ぐように閉じられる。加圧ガスの流れは、加圧ガス供給導管40を通じてシングルユースフィルタ25の上流端52に導かれる。実施形態では、フィルタ加圧モジュールは、プロセッサ71によって実行されると、ガス供給弁86を順次開閉して、加圧ガス供給導管40を順次開閉し、それによって加圧ガス供給導管40内にパルス効果を生成するように構成することができる。
【0099】
[0114]
図13および
図14を参照すると、直列に流体接続されたシングルユースフィルタ125、126の対(
図14および
図15も参照されたい)を有する本開示の原理によって構築された流体濾過システム120の実施形態を含む、本開示の原理によって構築された濾過スキッド122の別の実施形態が示されている。
図15を参照すると、
図13および
図14のスキッド122と共に使用するのに適した本開示の原理によって構築された流体濾過システム120の一実施形態の概略図が、示されている。スキッド122は、当業者によって容易に理解されるようにバルク充填システムの形態であり、
図15に破線で示すように、最大20インチのカプセルサイズを有するシングルユースフィルタ125、126を収容するように構成される。
【0100】
[0115]
図13および
図14を参照すると、図示の分配器スキッド122は、キャビネット132と、ポンプ134と、直列フィルタ導管128によって接続されたシングルユースフィルタ125、126の対と、流体供給導管137と、導出導管138と、完全性試験装置(図示せず)と、第1および第2の試験導管140、141と、第1のベント導管190と、第2のベント導管200と、制御ユニット145と、表示装置150とを含む。ポンプ134は、キャビネット132によって支持され、流体の流れを選択的に生成するように構成される。実施形態では、流体濾過システム120は、例えば、ポンプ134と流体連通するトートなどの適切な容器内に貯蔵することができる任意の適切な流体と共に使用することができる。第1および第2のシングルユースフィルタ125、126は、キャビネット132に取り外し可能に取り付けられる。各シングルユースフィルタ125、126の上流端152は、流体供給導管137(および第2のシングルユースフィルタ126の場合には直列フィルタ導管128)を介してポンプ134に、および試験導管140、141を介して完全性試験装置に流体接続される。完全性試験装置130は、キャビネット132によって支持される。実施形態では、スキッド122の構造および動作は、他の点では、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる「Fluid Distribution System with Single Use Manifold Fluid Recovery Assembly」と題する米国特許出願第17/934,486号明細書に示され、説明される分配器スキッドと同様であることができる。
【0101】
[0116]当業者は、本開示を検討した後、他の実施形態において、システムが異なる構成を有することができることを理解するであろう。例えば、実施形態では、シングルユースフィルタ125、126の対の上流に1つまたは複数のプレフィルタ135を設けることができ、および/または3つ以上のシングルユースフィルタ125、126を直列に流体接続することができる。
【0102】
[0117]
図15を参照すると、流体濾過システム120は、
図15に示すように、KA1からNP7の範囲のサイズなど、様々なサイズが異なるシングルユースフィルタ125、126と共に使用されるように構成される。直列フィルタ導管128内の第1のシングルユースフィルタ125の下方のガスの滞留が、別様ではより大きなフィルタによって占められる空間内でNP7(20インチ)を下回るフィルタサイズをプライミングした後に残る可能性がある。このガスは、残される場合、第2のシングルユースフィルタ126にフラッシングされ、第2のシングルユースフィルタ126の上流端152に空気の滞留を引き起こし、それにより、第2のシングルユースフィルタ126のフラッシング中の湿潤およびフィルタ自体への空気の可能な進入を潜在的に低減する。直列のシングルユースフィルタ125、126間に残留ガスが残るという問題は、下流構成要素が、KA1~NP7などのフィルタサイズの範囲内の最大サイズのフィルタを収容するように配置されて、この範囲のサイズ内のすべてのフィルタ向けの標準システムを可能にすることによって、悪化する可能性がある。実施形態では、制御ユニット145のプロセッサは、直列フィルタ導管128内の残留ガスを第2のシングルユースフィルタ126の上流端152のすぐ上流の第2のベント導管200内の適所に移送することができる、非一時的コンピュータ可読媒体上にあるフィルタプライミングモジュールからの命令に基づいて、第1および第2のシングルユースフィルタ125、126に対してプライミング動作を実行するように構成される。この残留ガスは、第2のベント導管200を介して第2のシングルユースフィルタ126のプライミング動作によって大気に放出することができる。
【0103】
[0118]
図16および
図17は、流体濾過システム120によって実施される空気移送動作を示す。図示の構成体は、2つのシングルユースフィルタ125、126を含む。この構成体の説明は、直列に流体接続された3つ以上のシングルユースフィルタを含む、本開示の原理に従って構築された流体濾過システムの実施形態に適用可能であることを理解されたい。
図16を参照すると、図示の流体濾過システム120は、直列フィルタ導管128によって接続されたシングルユースフィルタ125、126の対と、流体供給導管137と、導出導管138と、完全性試験装置130と、試験導管140、141の対と、第1のベント導管190と、第2のベント導管200とを含む。ポンプ134は、流体供給導管137と流体連通しており、第1および第2のシングルユースフィルタ125、126を通る流体の流れを選択的に生成するように構成される。
【0104】
[0119]
図16を参照すると、第1のシングルユースフィルタ125の上流端152は、流体供給導管137と流体連通し、流体供給導管137を介してポンプ134と流体連通している。流体供給導管137は、流体供給弁181と、第1のベント接合部182とを含む。流体供給弁137は、第1のベント接合部182とポンプ134との間に配置される。第1のベント接合部182は、流体供給弁181と第1のシングルユースフィルタ125の上流端152との間に配置される。
【0105】
[0120]流体供給導管137は、圧力センサ183を含む。圧力センサ183は、第1のシングルユースフィルタ125の上流側の、ポンプ134と第1のベント接合部182との間に配置される。圧力センサ183は、流体供給導管137内で測定された圧力を示す圧力信号を生成するように構成される。制御ユニット145は、圧力センサ183と電気的に通信して、圧力センサから圧力信号を受信する。実施形態では、圧力センサ183を使用して、ポンプ134が所望の流体の流れを第1のシングルユースフィルタ125に送出していることを確認することができる。
【0106】
[0121]第1のシングルユースフィルタ125の下流端154は、直列フィルタ導管128を介して第2のシングルユースフィルタ126の上流端152と流体連通している。直列フィルタ導管128は、直列フィルタ弁201と、第2のベント接合部202とを含む。直列フィルタ弁201は、第1のシングルユースフィルタ125の下流端154と第2のベント接合部202との間に配置される。第2のベント接合部202は、直列フィルタ弁201と第2のシングルユースフィルタ126の上流端152との間に配置される。
【0107】
[0122]直列フィルタ導管128は、尾部セクション203と、立ち上がりセクション204とを含む。尾部セクション203は、第1のシングルユースフィルタ125の下流端154から第2のシングルユースフィルタ126の上流端152の下方の地点205まで下降する。立ち上がりセクション204は、尾部セクション203から第2のシングルユースフィルタ126の上流端152まで上昇する。
【0108】
[0123]
図15を参照すると、実施形態では、流体濾過システム120は、第1および第2のシングルユースフィルタ125、126の様々なサイズで使用するように構成される。図示の実施形態では、第1および第2のシングルユースフィルタ125、126は、第1のサイズであり、破線で示す第1および第2のシングルユースフィルタ125’、126’は、第1のサイズよりも高い第2のサイズである。第1および第2のシングルユースフィルタ125’、126’は、第1および第2のシングルユースフィルタ125、126の代わりにワークステーションに取り外し可能に取り付けられるように構成される。そのような場合、より高い第1および第2のシングルユースフィルタ125’、126’を収容するのに十分な量で、
図16に示す尾部203よりも短い第2の尾部203’が、使用される。
【0109】
[0124]
図16に戻って参照すると、直列フィルタ導管128は、圧力センサ184を含む。圧力センサ184は、第1のシングルユースフィルタ125の下流の、立ち上がりセクション203の低点205と第2のベント接合部202との間に配置される。圧力センサ184は、直列フィルタ導管128内で測定された圧力を示す圧力信号を生成するように構成される。制御ユニット145は、圧力センサ184と電気的に通信して、圧力センサから圧力信号を受信する。実施形態では、圧力センサ184を使用して、尾部セクション203が内部に残留ガスを含むかどうかを検出することができる。
【0110】
[0125]実施形態では、流体供給導管137および直列フィルタ導管128の少なくとも一方は、圧力センサを含む。図示の実施形態では、流体供給導管137および直列フィルタ導管128は、いずれも圧力センサ183、184を含む。圧力センサ183、184は、いずれも制御ユニット145と電気的に連通して、その圧力信号を制御ユニットにそれぞれ送信する。
【0111】
[0126]実施形態では、流体濾過システム120は、流体濾過プロセスの精度および一貫性を高めるために導管内に閉じ込められたガスを除去するための手段を含むことができ、図示の実施形態では、この手段は、第1および第2のベント導管190、200ならびにその中の機器を含む。第1のベント導管190は、第1のシングルユースフィルタ125の上流端152が第1のベント接合部182を介して第1のベント導管190と流体連通するように、流体供給導管137の第1のベント接合部182と流体連通している。
【0112】
[0127]第1のベント導管190は、第1の出口198と、第1のベント液体センサ187と、第1のベント弁191とを含む。第1の液体センサ187は、第1のベント接合部182と第1の出口198との間に配置される。第1のベント弁191は、第1の液体センサ187と第1の出口198との間に配置される。第1のベント液体センサ187は、第1のベント導管190内の液体の検出に応答して第1の液体検出信号を生成するように構成される。
【0113】
[0128]制御ユニット145は、第1のベント液体センサ187と電気的に通信して、第1のベント液体センサから第1の液体検出信号を受信する。第1のベント弁191は、制御ユニット145が第1のベント弁191を選択的に動作させて第1のベント導管190を開き、塞ぐことができるように、制御ユニット145と動作可能な構成にある。
【0114】
[0129]第2のベント導管200は、第2のシングルユースフィルタ126の上流端152が第2のベント接合部202を介して第2のベント導管200と流体連通するように、直列フィルタ導管128の第2のベント接合部202と流体連通する。第2のベント導管200は、第2の出口208と、第2のベント液体センサ207と、第2のベント弁211とを含む。第2のベント液体センサ207は、第2のベント接合部202と第2の出口208との間に配置される。第2のベント弁211は、第2のベント液体センサ207と第2の出口208との間に配置される。第2のベント液体センサ207は、第2のベント導管内の液体の検出に応答して第2の液体検出信号を生成するように構成される。
【0115】
[0130]制御ユニット145は、第2のベント液体センサ207と電気的に通信して、第2のベント液体センサから第2の液体検出信号を受信する。第2のベント弁211は、制御ユニット145が第2のベント弁211を選択的に動作させて第2のベント導管200を開き、塞ぐことができるように、制御ユニット145と動作可能な構成にある。
【0116】
[0131]導出導管138は、第2のシングルユースフィルタ126の下流端154と流体連通している。導出導管138は、第1の出口161および第2の出口162と、第1の出口161および第2の出口162にそれぞれ関連付けられた第1の出口弁163および第2の出口弁164とを含む。第1の出口161は、生成物容器に流体接続するように構成され、第2の出口162は、廃棄物貯蔵所に流体接続するように構成される。
【0117】
[0132]導出導管138は、圧力センサ193を含む。圧力センサ193は、導出導管138内で測定された圧力を示す圧力信号を生成するように構成される。制御ユニット145は、圧力センサ193と電気的に通信して、圧力センサから圧力信号を受信する。実施形態では、圧力センサ193を使用して、導出導管138が加圧されていないことを確認することができる。
【0118】
[0133]図示の実施形態では、加圧ガス供給導管140、141は、完全性試験装置130を含み、完全性試験装置は、ガス源に接続され、ガスを加圧し、加圧ガスの流れを加圧ガス供給導管140、141を通じて第1および第2のシングルユースフィルタ125、126の上流端52に選択的に導くように構成される。完全性試験装置130は、加圧ガスの流れを試験導管140、141を通じて導いて、各シングルユースフィルタ125、126に対してそれぞれ試験動作を実行するように動作可能である。実施形態では、試験動作は、フォワードフロー試験、水侵入試験、バブルポイント試験、漏出試験、および圧力減衰試験のうちの1つを含む。制御ユニット145のプロセッサは、完全性試験装置130と電気的に通信して、完全性試験装置130を選択的に動作させる。他の実施形態では、完全性試験装置130を省略することができ、加圧ガス供給導管140、141は、加圧ガスを送出するための別の手段(例えば、圧力タンクおよび/または圧縮機)と流体連通することができる。
【0119】
[0134]試験導管140、141は、第1および第2の試験導管140、141ならびに第1および第2のベント導管190、200がそれぞれ第1および第2の共通分岐部212、213を共有するように、それぞれ第1および第2のベント接合部188、189を介してシングルユースフィルタ125、126にそれぞれ流体接続される。第1の試験導管140は、第1の空気フィルタ185と、第1の試験導管弁186と、第1のベント液体センサ87とを含む。第2の試験導管141は、第2の空気フィルタ214と、第2の試験導管弁215と、第2のベント液体センサ207とを含む。
【0120】
[0135]第1および第2の空気フィルタ185、214はそれぞれ、これらの空気フィルタを通過する流体から微粒子を濾過するように構成される。第1および第2の空気フィルタ185、214は、完全性試験装置30を介して第1および第2のシングルユースフィルタ125、126に送出される加圧ガスがそれぞれ第1および第2の空気フィルタ185、214を通じて濾過されるように、完全性試験装置30と第1および第2の空気フィルタ125、126との間にそれぞれ配置される。
【0121】
[0136]第1および第2の試験導管140、141は、第1および第2の空気フィルタ185、214それぞれが液体に曝露されることを保護するために、第1および第2のベント液体センサ187、207および第1および第2の試験導管弁186、215をそれぞれ含む。第1のベント液体センサ187および第1の試験導管弁186の論議は、第2のベント液体センサ207および第2の試験導管弁215にも等しく適用可能であることを理解されたい。
【0122】
[0137]第1の試験導管弁186は、第1の試験導管140を選択的に塞ぐように第1の試験導管140と共に構成される。第1の液体センサ187は、完全性試験装置130と第1のベント接合部182との間、特に第1の空気フィルタ185と第1のベント接合部182との間に配置される。第1の試験導管弁186は、第1の空気フィルタ185と第1の液体センサ187との間に配置される。
【0123】
[0138]第1の試験導管弁186は、制御ユニット145が第1のベント液体センサ187からの第1の液体検出信号の受信に応答して試験導管弁186を動作させることができるように、制御ユニット145と動作可能な構成にある。実施形態では、制御ユニット145は、第1のベント液体センサ187からの第1の液体検出信号の受信に応答してポンプ134の動作を停止するおよび/または第1の試験導管弁186を閉じて、空気フィルタ185が流体で湿潤するのを防ぐように構成される。
【0124】
[0139]制御ユニット145は、第1および第2のベント液体センサ187、207と電気的に通信して、これらの液体センサから第1および第2の液体検出信号をそれぞれ受信する。制御ユニットは、プロセッサと、フィルタプライミングモジュールを含むフィルタ調整プログラムを有する非一時的コンピュータ可読媒体とを含む。プロセッサは、フィルタ調整プログラムを実行するようにコンピュータ可読媒体と共に構成される。プロセッサは、フィルタプライミングモジュールからの命令に基づいて、第1および第2のシングルユースフィルタに対してプライミング動作を実行するように構成される。
【0125】
[0140]実施形態では、制御ユニット145は、フィルタプライミングモジュールを含むフィルタ調整プログラムでプログラムされる。本開示の原理に従う実施形態では、フィルタプライミングモジュールは、プロセッサによって実行されると、第1および第2のシングルユースフィルタ125、126を直列関係で流体接続する直列フィルタ導管128(例えば
図16に示すようなもの)内に捕捉された残留空気をシステム120から移送して、特定のスキッドでの異なるサイズのシングルユースフィルタの使用を容易にするように構成される。そのような実施形態の少なくともいくつかでは、フィルタプライミングモジュールは、プロセッサによって実行されると、
図17に示すように、直列フィルタ導管128内の残留空気が第2のベント導管200まで移送された後に第2のシングルユースフィルタ126をプライミングするように構成される。そのような実施形態の少なくともいくつかでは、フィルタプライミングモジュールは、プロセッサによって実行されると、直列フィルタ導管128内の残留空気が第2のベント導管200まで移送された後に第1のシングルユースフィルタ125をプライミングするように構成される。そのような実施形態の少なくともいくつかでは、フィルタプライミングモジュールは、プロセッサによって実行されると、直列フィルタ導管128内の残留空気が第2のベント導管200まで移送された後、および第2のシングルユースフィルタ126がプライミングされた後に、第1のシングルユースフィルタ125をプライミングするように構成される。
【0126】
[0141]
図16を参照すると、実施形態では、フィルタプライミングモジュールは、直列フィルタ導管128内に捕捉された残留空気を移送するためにプロセッサによって実行されると、次のステップを実行するように構成され、すなわち、流体供給弁181を開いて流体供給導管137を開き、直列フィルタ弁201を開いて直列フィルタ導管128を開き、(
図16において尾部セクション203内に示す)直列フィルタ導管128内のガスが第2のベント導管200に変位されるように、ポンプ134を動作させて流体の流れを第2のシングルユースフィルタ126の上流端152に送出し、第2のベント導管200内の液体が第2のベント液体センサ207の位置で検出されないことに応答して第2の液体検出信号の受信が停止されることに応答して、ポンプ134の動作を停止するように構成される。そのような実施形態の少なくともいくつかでは、フィルタプライミングモジュールは、プロセッサによって実行されると、第2のベント液体センサ207で液体が検出されないことに応答してポンプ134の動作を停止した後に、第2のシングルユースフィルタ126をプライミングするように構成される。
【0127】
[0142]
図17を参照すると、実施形態では、フィルタプライミングモジュールは、プロセッサによって実行されると、
図17に示すように、第2のベント液体センサ207で液体が検出されないことに応答してポンプ134の動作を停止した後に、第2のシングルユースフィルタ126をプライミングするように構成される。そのような実施形態の少なくともいくつかでは、フィルタプライミングモジュールは、プロセッサによって実行されると、第2のベント液体センサ207で液体が検出されないことに応答してポンプ134の動作を停止した後に第2のシングルユースフィルタ126をプライミングするステップの一部として次のステップを実行するように構成され、すなわち、流体供給弁181を開いて流体供給導管137を開き、直列フィルタ弁201を開いて直列フィルタ導管128を開き、第2のベント弁211(および第2の試験導管弁215)を開いて第2のベント導管200を開き、第2のシングルユースフィルタ126の上流端152の上流のガスが第2のベント導管200に変位されるように、ポンプ134を動作させて流体の流れを第2のシングルユースフィルタ126の上流端152に送出し、第2のベント液体センサ207からの第2の液体検出信号の受信に応答してポンプ134の動作を停止するおよび/または第2のベント弁211(および第2の試験導管弁215)を閉じるように構成される。
【0128】
[0143]そのような実施形態の少なくともいくつかでは、フィルタプライミングモジュールは、プロセッサによって実行されると、第2のシングルユースフィルタ126をプライミングするステップの一部として次のステップを実行するように、すなわち、第2のベント液体センサ207からの第2の液体検出信号の受信に応答して第2のベント弁211を閉じ、流体の流れが第2のシングルユースフィルタ126および導出導管138を通過して第2の出口162から出るように、ポンプ134を動作させて流体の流れを第2のシングルユースフィルタ126に送出するように構成される。
【0129】
[0144]実施形態では、フィルタプライミングモジュールは、プロセッサによって実行されると、第2のベント液体センサ207で液体が検出されないことに応答してポンプ134の動作を停止した後に、第1のシングルユースフィルタ125をプライミングするように構成される。そのような実施形態の少なくともいくつかでは、フィルタプライミングモジュールは、プロセッサによって実行されるとプライミング動作の一部として次のステップを実行するように構成され、すなわち、流体供給弁181を開いて流体供給導管137を開き、第1のベント弁191(および第1の試験導管弁186)を開いて第1のベント導管190を開き、流体供給導管137内のガスが第1のベント導管190に変位されるように、ポンプ134を動作させて流体の流れを第1のシングルユースフィルタ125の上流端152に送出し、第1のベント液体センサ187からの第1の液体検出信号の受信に応答してポンプ134の動作を停止するおよび/または第1のベント弁191(および第1の試験導管弁186)を閉じるように構成される。
【0130】
[0145]そのような実施形態の少なくともいくつかでは、フィルタプライミングモジュールは、プロセッサによって実行されると、プライミング動作の一部として次のステップを実行するように構成され、すなわち、第1の出口弁163を閉じて第1の出口161を塞ぎ、第2の出口弁164を開いて第2の出口162を開き、第1のベント液体センサ187からの液体検出信号の受信に応答して第1のベント弁191(および第1の試験導管弁186)を閉じ、流体の流れが第1のシングルユースフィルタ125および導出導管138を通過して第2の出口162から出るように、ポンプ134を動作させて流体の流れを第1のシングルユースフィルタ125に送出するように構成される。
【0131】
[0146]他の実施形態では、流体濾過システムは、シングルユースフィルタに送出するための流体の供給源を保持するように構成された異なる追加の機器を含むことができる。例えば、他の実施形態では、本開示の原理に従って構築された流体濾過システムは、流体濾過システムと共に使用するための流体で満たされた1つまたは複数のトートを保持するように構成された少なくとも1つのタワー含むことができる。他の実施形態では、本開示の原理に従って構築された流体濾過システムは、システムで使用するための流体で満たされた1つまたは複数のタンクを含むことができる。
【0132】
[0147]本開示の原理によって構成された流体濾過システムの他の実施形態では、流体濾過システム構成は、代替形態をとることができる。例えば、実施形態では、流体濾過システムは、より大きな体積に合わせて拡大することができ、または実験室での使用のために縮小することができる。実施形態では、本開示の原理に従って構成された流体濾過システムを使用して、様々な液体を処理して所望の用途の要件を満たすことができる。
【0133】
[0148]本開示の原理に従って流体濾過システムを使用する方法の実施形態では、本明細書で論じる原理による流体濾過システムの任意の適切な実施形態を使用することができる。実施形態では、本開示の原理に従って流体濾過システムを使用する方法は、本開示の原理によるFIT装置が内部に組み込まれた濾過スキッドを使用することを含む。実施形態では、本開示の原理による流体濾過システムを使用する方法は、その場でシングルユースフィルタの完全性試験を行うことを含む。
【0134】
[0149]1つの実施形態では、シングルユースフィルタのその場での完全性試験を行う方法は、シングルユースフィルタをワークステーションに取り外し可能に取り付けることを含む。ワークステーションは、キャビネットを含む。シングルユースフィルタの上流端は、流体供給導管を介してポンプに、および試験導管を介して完全性試験装置に流体接続される。ポンプおよび完全性試験装置は、キャビネットによって支持される。完全性試験装置は、例えば、加圧空気または窒素などの加圧ガス源に流体接続される。完全性試験装置は、シングルユースフィルタに対して試験動作を実行するために、加圧ガスの流れを試験導管を通じて導くように動作される。実施形態では、試験動作は、フォワードフロー試験、水侵入試験、バブルポイント試験、漏出試験、および圧力減衰試験のうちの1つを含む。実施形態では、完全性試験装置を動作させて試験動作を実行することは、導出導管内で測定された圧力に基づいて、試験動作の試験条件が満たされているかどうかを決定することを含む。実施形態では、FIT装置は、選択された試験方法(フォワードフロー、バブルポイント、圧力減衰など)および関連する試験パラメータ(例えば、圧力、流量など)に基づいて、試験のPASSまたはFAILを決定するように構成される。
【0135】
[0150]実施形態では、完全性試験装置は、プロセッサを使用して非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された完全性試験プログラムを実行することによって、試験動作を実行するように動作される。実施形態では、プロセッサは、完全性試験プログラムを実行して、シングルユースフィルタが試験動作を満たしたかどうかを決定する。シングルユースフィルタが試験動作を満たしたかどうかのグラフィック表示を含むグラフィック表示が、生成される。グラフィカル表示は、表示装置上に表示される。
【0136】
[0151]実施形態では、流体供給導管は、流体供給弁と試験接合部とを含む。試験導管は、試験導管弁を含み、試験導管は、流体供給導管の試験接合部を介してシングルユースフィルタに流体接続される。実施形態では、方法は、試験動作中に流体供給弁を閉じて流体供給導管を塞ぐことをさらに含む。試験導管弁は、試験動作中に試験導管を開くために開かれる。
【0137】
[0152]実施形態では、試験導管は、ベント接合部を含む。実施形態では、方法は、試験動作中にベント弁を閉じてベント導管を塞ぐことをさらに含む。ベント導管は、ベント接合部を介して試験導管と流体連通している。実施形態では、方法は、試験動作を完了した後にベント弁を開いてベント導管を開いて、シングルユースフィルタの上流の加圧ガスを試験導管からベント導管内に放出することを可能にすることをさらに含む。
【0138】
[0153]実施形態では、導出導管は、シングルユースフィルタの下流端と流体連通している。導出導管は、第1および第2の出口と、第1および第2の出口にそれぞれ関連付けられた第1および第2の出口弁とを含む。実施形態では、方法は、第1の出口弁を閉じて第1の出口を閉じることをさらに含み、第1の出口は生成物容器に流体接続される。第2の出口弁は、第2の出口を開くために開かれる。第2の出口は、廃棄物貯蔵所に流体接続される。
【0139】
[0154]実施形態では、方法は、導出導管内の圧力を測定することをさらに含む。実施形態では、完全性試験装置を動作させて試験動作を実行することは、導出導管内で測定された圧力に基づいて、試験動作の試験条件が満たされているかどうかを決定することを含む。実施形態では、FIT装置を動作させることは、(シングルユースフィルタの下流の)導出導管内の圧力を測定することを含まない。導出導管38は、廃棄物出口が加圧されていないときに加圧されていないと理解される。
【0140】
[0155]実施形態では、FIT装置は、内部流量センサと、試験導管内および試験接合部の領域内のシングルユースフィルタの上流部分内の圧力を決定するように動作することができる内圧とを有する。実施形態では、方法は、シングルユースフィルタの上流の試験導管内の圧力を測定することを含む。実施形態では、完全性試験装置を動作させて試験動作を実行することは、試験導管内で測定された圧力に基づいて、試験動作の試験条件が満たされているかどうかを決定することを含む。
【0141】
[0156]実施形態では、導出導管は、シングルユースフィルタの下流端と流体連通している。導出導管は、第1の出口および第2の出口と、第1の出口および第2の出口にそれぞれ関連付けられた第1の出口弁および第2の出口弁とを含む。実施形態では、本方法は、第1の出口弁を閉じて第1の出口を塞ぐことをさらに含む。第1の出口は、最終使用のために濾過された流体を受け入れるための生成物容器に流体接続される。第2の出口弁は、第2の出口を開くために開かれる。第2の出口は、廃棄物貯蔵所に流体接続される。他の実施形態では、本方法は、第1の出口弁を開いて第1の出口を開くことをさらに含む。第1の出口は、生成物容器に流体接続される。第2の出口弁は、第2の出口を塞ぐために閉じられる。第2の出口は、廃棄物貯蔵所に流体接続される。
【0142】
[0157]別の態様では、本開示は、流体濾過システムにおいてシングルユースフィルタを調整するための技術の実施形態を対象とする。実施形態では、本明細書で論じる原理による流体濾過システムの任意の適切な実施形態は、本開示の原理に従って流体濾過システム内のシングルユースフィルタを調整する方法において使用することができる。1つの実施形態では、流体濾過システムにおいてシングルユースフィルタを調整する方法は、シングルユースフィルタをワークステーションに取り外し可能に取り付けることを含む。ワークステーションは、キャビネットを含む。シングルユースフィルタの上流端は、流体供給導管を介してポンプに流体接続される。ポンプは、キャビネットによって支持される。流体供給導管は、接合部と流体供給弁とを含む。流体供給弁は、接合部とポンプとの間に配置される。流体供給弁は、流体供給導管を開くために開かれる。
【0143】
[0158]実施形態では、方法は、液体検出信号の受信に応答して試験導管弁およびベント弁を閉じることをさらに含む。第1の出口弁は、導出導管の第1の出口を塞ぐように閉じられる。導出導管は、シングルユースフィルタの下流端と流体連通している。第2の出口弁は、導出導管の第2の出口を少なくとも部分的に開くために少なくとも部分的に開かれる。ポンプは、流体の流れがシングルユースフィルタを通過して導出導管に入り、導出導管の第2の出口から出るように、流体の流れをシングルユースフィルタに送出するように動作される。
【0144】
[0159]実施形態では、方法は、流体供給弁を閉じて流体供給導管を塞ぐことをさらに含む。ベント弁は、ベント導管を塞ぐために閉じられる。第1の出口弁は、第1の出口を塞ぐために閉じられる。第2の出口弁は、第2の出口を塞ぐために閉じられる。加圧ガスの流れは、加圧ガス供給導管を通じてシングルユースフィルタの上流端に導かれる。
【0145】
[0160]本開示の原理に従う他の実施形態では、流体濾過システムを調整する方法は、第1のシングルユースフィルタおよび第2のシングルユースフィルタをワークステーションに取り外し可能に取り付けることを含む。ワークステーションは、キャビネットを含む。
【0146】
[0161]本開示の原理に従う実施形態では、第1および第2のシングルユースフィルタを直列関係で流体接続する直列フィルタ導管内に捕捉された残留空気をシステムから移送して、特定のスキッドでの異なるサイズのシングルユースフィルタの使用を容易にすることができる。実施形態では、第1のシングルユースフィルタの上流端は、流体供給導管を介してポンプに流体接続される。ポンプは、キャビネットによって支持される。流体供給導管は、第1のベント接合部と流体供給弁とを含む。流体供給弁は、第1のベント接合部とポンプとの間に配置される。
【0147】
[0162]第1のシングルユースフィルタの下流端は、直列フィルタ導管を介して第2のシングルユースフィルタの上流端に流体接続される。直列フィルタ導管は、第2のベント接合部と直列フィルタ弁とを含む。直列フィルタ弁は、第1のシングルユースフィルタの下流端と第2のベント接合部との間に配置される。
【0148】
[0163]流体供給弁は、流体供給導管を開くために開かれる。直列フィルタ弁は、直列フィルタ導管を開くために開かれる。ポンプは、直列フィルタ導管内のガスが第2のベント接合部を介して第2のベント導管に変位されるように、流体の流れを第2のシングルユースフィルタの上流端に向かって送出するように動作される。ポンプの動作は、所定の位置で第2のベント導管内の液体が検出されないことに応答して第2の液体検出信号の受信が停止されることに応答して、停止される。
【0149】
[0164]本開示の原理に従う実施形態では、直列フィルタ導管内の残留空気が第2のベント導管まで移送された後に、第2のシングルユースフィルタをプライミングすることができる。実施形態では、流体供給弁は、流体供給導管を開くために開かれる。直列フィルタ弁は、直列フィルタ導管を開くために開かれる。第2のベント弁は、第2のベント導管を開くために開かれる。ポンプは、第2のシングルユースフィルタの上流端の上流のガスが第2のベント導管に変位されるように、流体の流れを第2のシングルユースフィルタの上流端に送出するように動作される。
【0150】
[0165]第2の液体センサを使用するなどして、所定の位置における第2のベント導管内の液体の検出に応答して、ポンプの動作は停止され、および/または第2のベント弁は閉じられる。
【0151】
[0166]そのような実施形態の少なくともいくつかでは、第2のベント弁は、所定の位置における第2のベント導管内の液体の検出に応答して閉じられる。ポンプは、流体の流れが第2のシングルユースフィルタを通過して導出導管に入り、その出口から出るように、流体の流れを第2のシングルユースフィルタに送出するように動作される。
【0152】
[0167]本開示の原理に従う実施形態では、直列フィルタ導管内の残留空気が第2のベント導管まで移送された後に、第1のシングルユースフィルタをプライミングすることができる。実施形態では、第1および第2のシングルユースフィルタは、上記で論じたようにプライミングすることができる。流体供給弁、直列フィルタ弁、および導出導管の出口弁が、開かれる。ポンプは、液体入口から第2のシングルユースフィルタの下流端に向かって液体を引き込む。ポンプは、第2のベント導管内の第2の液体センサで「液体なし」が検出されたときに停止され、これは、実施形態では、直列フィルタ導管内に捕捉されたガスが、第2のシングルユースフィルタの上流端のすぐ上流の位置の第1のシングルユースフィルタと第2のシングルユースフィルタとの間の中央部に変位された結果である。第2のシングルユースフィルタは、上記で論じたように再プライミングすることができる。実施形態では、第1のベント導管内の液面が第1のベント導管内の液面センサより下に下がった場合、第1のシングルユースフィルタを再プライミングすることができる。
【0153】
[0168]実施形態では、流体供給弁は、流体供給導管を開くために開かれる。第1のベント弁は、第1のベント接合部と流体連通する第1のベント導管を開くために開かれる。ポンプは、流体供給導管内のガスが第1のベント接合部を介して第1のベント導管に変位されるように、流体の流れを第1のシングルユースフィルタの上流端に送出するように動作される。所定の位置における第1のベント導管内の液体の検出に応答して、ポンプの動作は停止され、および/または第1のベント弁は閉じられる。
【0154】
[0169]本明細書で引用する刊行物、特許出願、および特許を含むすべての参考文献は、各参考文献が参照により組み込まれることが個別にかつ具体的に示され、その全体が本明細書に記載されるかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0155】
[0170]本発明を説明する文脈において(特に特許請求の範囲の文脈において)用語「1つ(a)」および「1つ(an)」および「その(the)」および同様の指示対象の使用は、本明細書で別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形と複数形の両方を対象とすると解釈されるものである。「備える」、「有する」、「含む」、および「含有する」という用語は、別段明記しない限り、制限のない用語(すなわち、「含むが、これらに限定されない」を意味する)として解釈されるものである。本明細書の値の範囲の列挙は、本明細書で別段の指示がない限り、範囲内にある各個別の値を個別に参照する簡略化された方法として役立つことを意図するにすぎず、各個別の値は、本明細書に個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に説明するすべての方法は、本明細書で別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例、または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、本発明をよりよく明らかにすることを意図するにすぎず、別段の請求がない限り、本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書中の言語は、請求されていない要素を本発明の実施に必須であると示すものとして解釈されるべきではない。
【0156】
[0171]本発明を実施するために発明者に知られている最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態が、本明細書に説明される。これらの好ましい実施形態の変形は、前述の説明を読むことで、当業者に明らかになり得る。本発明者らは、当業者がそのような変形を適切に使用することを期待し、本発明者らは、本明細書に具体的に説明する以外の方法で本発明を実施することを意図する。したがって、本発明は、適用される法律によって許可されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に列挙された主題のすべての改変形態および同等物を含む。さらに、そのすべての可能な変形における上記で説明する要素の任意の組み合わせは、本明細書で別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、本発明によって包含される。