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特許7541092接続組立体、電池モジュール、装置及び接続組立体の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】接続組立体、電池モジュール、装置及び接続組立体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/503 20210101AFI20240820BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20240820BHJP
【FI】
H01M50/503
H01M50/505
H01M50/507
H01M50/588
H01M50/593
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022532694
(86)(22)【出願日】2020-11-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(86)【国際出願番号】 CN2020130907
(87)【国際公開番号】W WO2021196667
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-05-31
(31)【優先権主張番号】202010241356.X
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】522021826
【氏名又は名称】江▲蘇▼▲時▼代新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】No.1000 Chengbei Road, Kunlun Street, Liyang City, Changzhou, Jiangsu 213300, China
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】遊▲書▼兵
【審査官】井原 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-164034(JP,A)
【文献】特開2000-149909(JP,A)
【文献】特開2017-069047(JP,A)
【文献】特開2010-097722(JP,A)
【文献】特開2015-115275(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つ以上の二次電池を含む電池モジュールに用いられる接続組立体であって、
接続部を有し、前記二次電池と電気的に接続する接続片と、
自体が一体成形構造である絶縁板と、を備え、
前記接続部と前記絶縁板とは取り外し不可能に互に接続されて一体構造となって、前記絶縁板が前記接続片の移動を制限することができ、
前記接続部及び前記絶縁板のうちの一方は突出部を有し、他方は収容部を有し、前記突出部と前記収容部は互いに嵌合し、
前記収容部は二つ以上の延出セグメントを有し、前記二つ以上の延出セグメントは前記収容部の凹む方向に沿って設けられ、隣接する二つの前記延出セグメントのうちの一方の前記絶縁板の厚さ方向に沿う正投影は他方の正投影内に位置する、接続組立体。
【請求項2】
前記突出部と前記収容部は形状がマッチし、又は、
前記接続部は、互いにずれて設けられ且つ互いに接続されている第1の接続セグメントと第2の接続セグメントとを含む、請求項1に記載の接続組立体。
【請求項3】
前記収容部は孔又は溝である、請求項1又は2に記載の接続組立体。
【請求項4】
前記接続部は前記収容部を有し、前記収容部は前記絶縁板の厚さ方向に沿って延出する嵌合スルーホールであり、
前記絶縁板は前記突出部を有し、前記突出部は前記収容部を貫通し、前記接続部の上下両側に位置する前記絶縁板の部分は前記突出部により接続される、請求項1又は2に記載の接続組立体。
【請求項5】
前記収容部は前記接続部のエッジ領域に設けられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の接続組立体。
【請求項6】
前記絶縁板は第1の領域及び第2の領域を有し、前記第2の領域の一部は前記第1の領域から突出して設けられ、前記接続部は前記第2の領域の内部に埋設される、請求項1~5のいずれか一項に記載の接続組立体。
【請求項7】
前記接続片の数は二つ以上であり、前記絶縁板は、隣接する二つの前記接続片の間に設けられた第1の緩衝部を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の接続組立体。
【請求項8】
前記第1の緩衝部は長帯状のスルーホールを含み、前記スルーホールの長手方向は隣接する二つの前記接続片の配列方向と交差し、又は、
前記第1の緩衝部は二つ以上のスルーホールを含み、前記二つ以上のスルーホールは隣接する二つの前記接続片の配列方向と交差する方向に沿って間隔をあけて設けられ、又は、
前記第1の緩衝部は長帯状の弧状構造を含み、前記弧状構造の長手方向は隣接する二つの前記接続片の配列方向と交差する、請求項7に記載の接続組立体。
【請求項9】
前記接続片は、前記接続部と間隔をあけて設けられた第2の緩衝部を有し、前記絶縁板は、前記第2の緩衝部に対応して設けられた第3の緩衝部を含み、前記第2の緩衝部の一部は前記第3の緩衝部の内部に埋設されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の接続組立体。
【請求項10】
前記絶縁板は長帯状の中間収容凹部をさらに含み、前記中間収容凹部の対向する両側のうちの少なくとも一側に前記接続片が設けられている、請求項1~9のいずれか一項に記載の接続組立体。
【請求項11】
二つ以上の二次電池を含む電池モジュールに用いられる接続組立体であって、
接続部を有し、前記二次電池と電気的に接続する接続片と、
自体が一体成形構造である絶縁板と、を備え、
前記接続部と前記絶縁板とは取り外し不可能に互に接続されて一体構造となって、前記絶縁板が前記接続片の移動を制限することができ、
前記接続片は、前記接続部と間隔をあけて設けられた第2の緩衝部を有し、前記絶縁板は、前記第2の緩衝部に対応して設けられた第3の緩衝部を含み、前記第2の緩衝部の一部は前記第3の緩衝部の内部に埋設されている、接続組立体。
【請求項12】
二つ以上の二次電池を含む電池モジュールに用いられる接続組立体であって、
接続部を有し、前記二次電池と電気的に接続する接続片と、
自体が一体成形構造である絶縁板と、を備え、
前記接続部と前記絶縁板とは取り外し不可能に互に接続されて一体構造となって、前記絶縁板が前記接続片の移動を制限することができ、
前記絶縁板は長帯状の中間収容凹部をさらに含み、前記中間収容凹部の対向する両側のうちの少なくとも一側に前記接続片が設けられている、接続組立体。
【請求項13】
二つ以上の二次電池と、
前記二次電池の上方に設けられている請求項1~12のいずれか一項に記載の接続組立体と、を備え、
前記二次電池は前記接続片により電気的に接続される、電池モジュール。
【請求項14】
電池モジュールを電源として使用する装置であって、
電力を提供するための請求項13に記載の電池モジュールを備える装置。
【請求項15】
接続部を有する接続片を所定の金型内に配置する工程と、
前記接続部と絶縁板とが取り外し不可能に互いに接続して一体構造となり、且つ前記接続片と前記絶縁板が接続組立体を構成するように、射出成形プロセスを利用して、前記接続片の周辺に射出成形することにより前記絶縁板を一体成形する工程と、を含み、
前記接続部及び前記絶縁板のうちの一方は突出部を有し、他方は収容部を有し、前記突出部と前記収容部は互いに嵌合し、
前記収容部は二つ以上の延出セグメントを有し、前記二つ以上の延出セグメントは前記収容部の凹む方向に沿って設けられ、隣接する二つの前記延出セグメントのうちの一方の前記絶縁板の厚さ方向に沿う正投影は他方の正投影内に位置する、電池モジュールの接続組立体の製造方法。
【請求項16】
前記接続部を有する接続片を所定の金型内に配置する工程の前に、接続片の接続部に嵌合スルーホールを形成する工程をさらに含む、請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
記射出成形プロセスを利用して前記接続片の周辺に射出成形することにより絶縁板を一体成形する工程において、前記絶縁板には前記嵌合スルーホールを貫通する突出部が形成され、且つ前記接続部の上下両側に位置する前記絶縁板の部分が前記突出部により接続される、請求項16に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年3月31日に提出された名称が「接続組立体、電池モジュール、装置及び接続組立体の製造方法」である中国特許出願202010241356.Xの優先権を主張し、当該出願の全ての内容は引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、電池技術分野に関し、特に、接続組立体、電池モジュール、装置及び接続組立体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
科学技術の発展及び世界エネルギー構造の転換に伴い、持続的に発展可能なエネルギーは従来の化石燃料の代わりに徐々に主流エネルギーとなる。例えば、電気自動車は、伝統的なガソリン車を徐々に切り替わる。電気自動車におけるコア部品の一つは組電池である。組電池は電気自動車に電気エネルギーを提供するために用いられる。組電池は、二つ以上の二次電池と、二次電池側に設けられる絶縁板と、二次電池を電気的に接続するための接続片とを備える。絶縁板は、ハーネスの隔離に用いられてもよい。接続片は絶縁板に取り外し可能に接続される。しかしながら、接続片は絶縁板から分離しやすて絶縁板により絶縁隔離されなくなるため、安全リスクが存在する。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、接続組立体、電池モジュール、装置及び接続組立体の製造方法を提供する。接続組立体は、接続片と絶縁板との信頼性が高く安定した接続を確保し、接続組立体の使用安全性を向上させることができる。
【0005】
一つの態様では、本願は、二つ以上の二次電池を含む電池モジュールに用いられる接続組立体であって、接続部を有し、二次電池と電気的に接続する接続片と、自体が一体成形構造である絶縁板とを備え、接続部と絶縁板とは取り外し不可能に互いに接続されて一体構造となって絶縁板が接続片の移動を制限することができる、接続組立体を提供する。
【0006】
本願に係る接続組立体は、絶縁板及び接続片を含む。絶縁板自体は一体成形構造である。接続片は、接続部が絶縁板に埋設され、接続部により絶縁板と嵌合する。それにより、接続片と絶縁板は、全体的に取り外し不可能な構造を形成する。二次電池は、接続片で電気的に接続してもよい。接続片と絶縁板が互いに嵌合接続して一体構造を形成するため、両者の接続状態は確実且つ安定であり、接続構造の強度を向上させる。したがって、組電池の使用において振動が発生する場合、接続片が絶縁板で効果的に制限されるため、接続片が振動応力を受けて絶縁板と分離する可能性を低減し、電池モジュールの使用過程の安全性を確保することができる。
【0007】
本願の一つの実施例によれば、接続部及び絶縁板のうちの一方は突出部を有し、他方は収容部を有し、突出部と収容部は互いに嵌合する。
【0008】
本願の一つの実施例によれば、突出部と収容部の形状はマッチし、又は、接続部は互いにずれて設けられ且つ接続する第1の接続セグメントと第2の接続セグメントを含む。
【0009】
本願の一つの実施例によれば、収容部は、二つ以上の延出セグメントを有し、二つ以上の延出セグメントが収容部の凹部の方向に沿って設けられ、隣接する二つの延出セグメントのうちの一つの正投影は他方の正投影内に位置する。
【0010】
本願の一つの実施例によれば、収容部は孔又は溝である。
【0011】
本願の一つの実施例によれば、接続部は、収容部を有し、且つ収容部が絶縁板の厚さ方向に沿って延出する嵌合スルーホールである。絶縁板は、突出部を有し、突出部が収容部を貫通し、接続部の上下両側に位置する絶縁板の部分が突出部により接続する。
【0012】
本願の一つの実施例によれば、収容部は接続部のエッジ領域に設けられる。
【0013】
本願の一つの実施例によれば、絶縁板は第1の領域と第2の領域を有する。第2の領域の一部は第1の領域から突出して設けられ、接続部が第2の領域の内部に埋設される。
【0014】
本願の一つの実施例によれば、接続片の数は二つ以上であり、絶縁板は第1の緩衝部を含み、第1の緩衝部が隣接する二つの接続片の間に設けられる。
【0015】
本願の一つの実施例によれば、第1の緩衝部は、長帯状のスルーホールを含み、スルーホールの長手方向が隣接する二つの接続片の配列方向と交差する。又は、第1の緩衝部は、二つ以上のスルーホールを含み、二つ以上のスルーホールが隣接する二つの接続片の配列方向と交差する方向に沿って間隔をあけて設けられる。又は、第1の緩衝部は、長帯状の弧状構造を含み、弧状構造の長手方向が隣接する二つの接続片の配列方向と交差する。
【0016】
本願の一つの実施例によれば、接続片は第2の緩衝部を有し、第2の緩衝部は接続部と間隔をあけて設けられる。絶縁板は第2の緩衝部に対応して設けられる第3の緩衝部を含み、第2の緩衝部の一部が第3の緩衝部の内部に埋設される。
【0017】
本願の一つの実施例によれば、絶縁板はさらに長帯状の中間収容凹部を含み、中間収容凹部の対向する両側のうちの少なくとも一側に接続片が設けられる。
【0018】
他の態様では、本願は、二つ以上の二次電池と、二次電池の上方に設けられている上記の接続組立体とを備え、二次電池は接続片により電気的に接続される、電池モジュールを提供する。
【0019】
別の態様では、本願は、電池モジュールを電源として使用する装置であって、電力を提供するための上記の電池モジュールを備える、装置を提供する。
【0020】
さらに別の態様では、本願は、接続部を有する接続片を所定の金型内に配置することと、接続部と絶縁板とが取り外し不可能に互いに接続されて一体構造となり、且つ接続片と絶縁板とが接続組立体を構成するように、高速射出成形プロセスを利用して接続片の周辺に射出成形することにより絶縁板を一体成形することと、を含む接続組立体の製造方法を提供する。
【0021】
本願の一つの実施例によれば、本願の実施例の製造方法は、接続部を有する接続片を所定の金型内に配置する工程の前に、接続片の接続部に嵌合スルーホールを製造する工程をさらに含む。
【0022】
本願の一つの実施例によれば、高速射出成形工芸を利用して射出成形し、接続片の周辺に絶縁板を一体成形する工程において、絶縁板が嵌合スルーホールを貫通する突出部を形成し、且つ接続部の上下両側に位置する絶縁板の部分が突出部により接続する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下は本願の実施例に必要な図面を簡単に紹介する。明らかに、以下に説明された図面は本願のいくつかの実施例だけである。当業者であれば、創造的な労力を要することなく、さらに図面に基づいて他の図面を取得することができる。
図1】本願の一つの実施例に開示された車両の構造概略図である。
図2】本願の一つの実施例に開示された電池パックの分解構造概略図である。
図3】本願の一つの実施例に開示された組電池の分解構造概略図である、
図4】本願の一つの実施例に開示された接続組立体の分解構造概略図である。
図5】本願の一つの実施例に開示された接続片の構造概略図である。
図6図5に示す実施例の接続片と絶縁板との接続状態の概略図である。
図7】本願の他の実施例に開示された接続片の構造概略図である。
図8図7に示す実施例の接続片と絶縁板との接続状態の概略図である。
図9】本願の他の実施例に開示された接続片の構造概略図である。
図10】本願の他の実施例に開示された接続片の構造概略図である。
図11図10に示す実施例の接続片と絶縁板との接続状態の概略図である。
図12】本願の他の実施例に開示された接続片の構造概略図である。
図13】本願の他の実施例に開示された接続片の構造概略図である。
図14図13に示す実施例の接続片と絶縁板との接続状態の概略図である。
図15】本願の他の実施例に開示された接続片の構造概略図である。
図16】本願の別の実施例に開示された接続片の構造概略図である。
図17図16に示す実施例の接続片と絶縁板との接続状態の概略図である。
図18】本願の他の実施例の接続片と絶縁板との接続状態の概略図である。
図19】本願の一つの実施例に開示された接続組立体の製造方法のフローチャートである。
図20】本願の一つの実施例に開示された絶縁板の構造概略図である。
図21】本願の一つの実施例に開示された接続片及び絶縁板の嵌合構造の断面概略図である。
図22図20におけるA部の拡大図である。
図23】本願の一つの実施例に開示された絶縁板の部分的な構造概略図である。
図24図20におけるB部の拡大図である。
図25】本願の他の実施例に開示された絶縁板の部分的な構造概略図である。
図26】本願の他の実施例に開示された絶縁板の部分的な構造概略図である。
図27】本願の別の実施例に開示された絶縁板の部分的な構造概略図である。
図28】本願の他の実施例に開示された絶縁板の構造概略図である。
図29】本願の別の実施例に開示された絶縁板の構造概略図である。 図面において、図面は実際の比率に応じて描かれていない。
【符号の説明】
【0024】
1 車両
10 電池パック
20 組電池
30 電池セル
31 二次電池
311 電極端子
40 接続組立体
41 接続片
411 接続部
411a 湾曲セグメント
411b ストレートセグメント
411c 側面
4111 第1の接続セグメント
4112 中間遷移セグメント
4113 第2の接続セグメント
412 端子接続部
413 第2の緩衝部
42 絶縁板
42a 第1の領域
42b 第2の領域
421 貫通孔
422 中間収容凹部
423 仕切り部
424 第1の緩衝部
424a スルーホール
424b 弧状構造
425 第3の緩衝部
50 収容部
51 延出セグメント
60 突出部
99 電極出力極板
X 長手方向
Y 幅方向
Z 厚さ方向
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に図面及び実施例を参照して本願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明及び図面は本願の原理を例示的に説明するために用いられるが、本願の範囲を限定するものではなく、即ち本願は記述された実施例に限定されない。
【0026】
本願の説明において、説明すべきものとして、説明を必要としない限り、「複数」の意味は二つ以上である。用語「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」等の指示する方位又は位置関係は本願を説明しやすく説明を簡略化するためだけであり、指された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構造し操作しなければならないことを指示するか又は暗示するものではないため、本願を限定するものと理解すべきではない。また、用語「第1」、「第2」、「第3」等は単に目的を説明するために用いられ、相対的な重要性を指示するか又は暗示することを理解することができない。「垂直」は厳密な意味での垂直ではなく、誤差の許容範囲内にある。「平行」は厳密な意味での平行ではなく、誤差の許容範囲内にある。
【0027】
下記説明において出現する方位詞はいずれも図に示す方向であり、本願の具体的な構造を限定するものではない。本願の説明において、さらに説明すべきものとして、明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能に接続されてもよく、又は一体的に接続されてもよい。また、直接接続されてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0028】
出願人は接続片が絶縁板と分離しやすいという問題を発見した後、組電池の構造を研究して分析する。関連技術において、接続片と絶縁板との間は取り外し可能に接続される形式である。接続片と絶縁板との間の接続安定性が低い。組電池の使用過程において、組電池に振動状況が発生する。組電池が振動した後、接続片も振動応力を受けて絶縁板に対して緩みになる、さらに絶縁板と分離しやすい。
【0029】
上記発見の技術的問題に基づいて、出願人は、組電池に用いられる接続組立体を改善する。
【0030】
本願をよりよく理解するために、以下に図1図29を参照して本願の実施例を説明する。
【0031】
本発明の実施例は電池モジュールを電源として使用する装置を提供する。当該装置は、車両、船舶又は航空機等であってもよいが、これらに限定されない。図1に示すように、本願の一実施例は、車両本体及び電池モジュールを含む車両1を提供する。電池モジュールは、車両本体に設けられる。ここで、車両1は純粋な電気自動車であってもよく、ハイブリッド自動車又は航続距離延長型自動車であってもよい。車両本体には、電池モジュールと電気的に接続された駆動モータが設けられる。電池モジュールは、駆動モータに電気エネルギを供給する。駆動モータは伝動機構により車両本体上の車輪二と接続し、それにより自動車の走行を駆動する。例示的に、電池モジュールは車両本体の底部に水平に設けられてもよい。
【0032】
図2に示すように、電池モジュールは電池パック10であってもよい。電池パック10の設置形態は多様である。いくつかの選択可能な実施例において、電池パック10は筐体と筐体内に設けられた組電池20を含む。組電池20の数は一つ又は複数である。一つ又は複数の組電池20は筐体内に配列される。筐体の種類は限定されない。筐体は、枠状の筐体、皿状の筐体、又はボックス状の筐体等であってもよい。例示的に、筐体は組電池20を収容するための下部筐体及び下部筐体にカバーされた上部筐体を含むことができる。上部筐体と下部筐体は閉じた後に組電池20を収容する収容部を形成する。
【0033】
理解できるように、電池モジュールは組電池20であってもよく、即ち組電池20を車両本体に直接設置する。
【0034】
図3に示すように、本願の実施例の組電池20は複数の電池セル30と電池セル30の一側に設けられる接続組立体40を含む。接続組立体40は、電池セル30の上方に設けられる。接続組立体40は接続片41と絶縁板42を含む。絶縁板42自体は、一体成形構造である。ここで、一体成形構造とは、一回の加工成形で一体構造を形成した構造であり、二つ以上の構造部材が熱間プレス、溶接又は他の機械的接続方式等の方式で接合して形成された構造ではないことを指す。組電池20の設置方式は様々であり、一つの実施例において、組電池20は収容部材と収容部材内に並列された二つ以上の電池セル30を含む。収容部材の設置方式は多様であり、例えば、収容部材が連続的に包囲接続された側板及び端板を含む。他のいくつかの実施例において、収容部材はハウジング及びハウジングにカバーするカバープレートを含む。
【0035】
引き続き図3に示すように、各電池セル30は二つの並列する二次電池31を含む。隣接する二つの電池セル30は接続組立体40における一つの接続片41により互いに直列接続する。各電池セル30が含む二次電池31の数は二つに限定されず、一つ又は三つ以上の二次電池31を含むことができ、ここで限定されない。本実施例において、最も外側に位置する電池セル30は総出力極を有する。組電池20は総出力極に接続された電極出力極板99を含む。接続組立体40のうちの一つの接続片41は組電池20の総出力極に接続し、且つ電極出力極板99は当該接続片41に接続する。
【0036】
本願の実施例の二次電池31は、ケースと、ケース内に設けられる電極組立体と、ケースにシール接続されるトップカバープレートと、トップカバープレート上に設けられ、同じ側に引き出される二つの電極端子311とを備える。接続組立体40は、二次電池31が電極端子311を有する側に設けられる。二つの電極端子311のうちの一方を正極とし、他方を負極とする。二つの電極端子311は、絶縁板42の幅方向Yに沿って間隔をあけて設けられる。各電池セル30が絶縁板42の長手方向Xに沿って並列された後、各二次電池31の二つの電極端子311が配列して二列の電極端子群を形成し、且つ二列の電極端子群の間に長手方向Xに沿って延出する収容隙間を有する。一例では、二次電池31の電極端子311は柱状構造体である。
【0037】
図3図6に示すように、本願の実施例の接続片41は接続部411及び端子接続部412を含む。端子接続部412は、二次電池31の電極端子311と接続するためのものである。絶縁板42は、自体の厚さ方向Zに沿って延出する貫通孔421を含む。接続片41の位置は、貫通孔421の位置に対応して設けられる。接続片41が接続部411により絶縁板42に嵌め込むと、接続片41の接続部411は絶縁板42内に埋設されるため、絶縁板42と嵌合して一体構造を形成する。ここで、一体構造とは、接続片41と絶縁板42が嵌合接続された後に取り外し不可能な一体を形成し、接続片41と絶縁板42を分離する必要がある場合にそのうちの一つの構造完全性を破壊する必要があることを指す。絶縁板42は、接続片41の移動を制限することができる。接続片41の接続部411は絶縁板42内に埋設され、即ち絶縁板42は接続片41の少なくとも一部の接続部411を被覆する。好ましくは、絶縁板42は接続片41の接続部411を被覆すると、外部から接続組立体40を観察する時に肉眼で接続部411を見つけることができない。端子接続部412の厚さ方向Zに沿う正投影が貫通孔421の孔壁の厚さ方向Zに沿う正投影内にあれば、端子接続部412は外部環境に露出し、且つ端子接続部412は絶縁板42の遮蔽を受けず、電極端子311と接続操作を行うことに役立つ。接続組立体40と電池セル30を組み立てる時、接続組立体40を電池セル30の一側に配置し、且つ端子接続部412と電極端子311を厚さ方向Zに対応して設置した後、電極端子311と端子接続部412を接続する。一例では、電極端子311と端子接続部412は溶接接続する。
【0038】
本願の実施例の接続組立体40は絶縁板42と接続片41を含む。絶縁板42自体は、一体成形構造である。接続片41の接続部は、絶縁板42に埋設される。接続片41は接続部411により絶縁板42と嵌合し、それにより接続片41と絶縁板42は全体的に取り外し不可能な構造を形成する。絶縁板42に貫通孔421を有し、接続片41の端子接続部412が貫通孔421に対応して設けられる。そのため、端子接続部412は外部環境に露出し、それにより二次電池31の電極端子311と接続固定することに役立つ。隣接する二つの電池セル30は、接続片41によって電気的に接続してもよい。接続片41と絶縁板42が互いに嵌合接続して一体構造を形成するため、両者の接続状態が確実、安定であり、接続構造の強度が向上させる。したがって、組電池20の使用過程中に振動状況が発生する時、接続片41が絶縁板42により効果的に制限されるため、接続片41が振動応力を受けて絶縁板42と分離する可能性を低減し、組電池20の使用過程の安全性を確保することができる。また、接続組立体40の輸送移行過程において、接続片41も絶縁板42から脱落しにくく、接続片41の紛失又は破損の可能性も低減する。接続片41が絶縁板42に接続固定されて接続片41の位置が固定されるため、接続片41が所定の組立位置にずれることにより接続片41と電極端子311が接続しにくい可能性を低減することができ、組立品質及び組立効率を向上させることに役立つ。
【0039】
一つの実施例において、図4図6に示すように、絶縁板42の長手方向Xに沿って、端子接続部412の対向する両側にそれぞれ接続部411が設けられ、即ち接続片41に対向する二つの端部にそれぞれ接続部411が設けられる。接続片41は、二つの接続部411で絶縁板42に嵌め込む。当該接続部411は、フラット板状構造である。理解できるように、端子接続部412の対向する両側のうちの一つに接続部411が設けられることも、絶縁板42が接続片41への拘束リミットを形成することを実現することができる。
【0040】
一つの実施例において、図7及び図8に示すように、接続片41の接続部411に収容部50が設けられ、絶縁板42に突出部60が設けられる。絶縁板42上の突出部60は接続部411上の収容部50に嵌合し、それにより接続片41と絶縁板42との接続強度をさらに向上させ、接続片41と絶縁板42が分離しやすい可能性を低減することに役立つ。突出部60の形状は、収容部50の形状とマッチする。二次電池31が膨張する場合、接続片41は絶縁板42の長手方向Xに沿った引張応力を受ける。二次電池31が絶縁板42の長手方向Xに振動する場合、接続片41は絶縁板42の長手方向Xに沿った引張応力又は圧縮応力を受ける。接続片41が絶縁板42の長手方向Xに沿った引張応力又は圧縮応力を受ける時、突出部60は、収容部50により接続片41の変位をよく制限することができ、それにより接続片41と絶縁板42との間に位置ずれによる両者の接合面における割れ、分離が発生しにくくなる。収容部50の数と、突出部60の数とは、一対一に対応して設けられる。収容部50の形状は、突出部60の形状とマッチする。一例では、絶縁板42の長手方向Xに沿って、端子接続部412の対向する両側にそれぞれ接続部411が設けられ、即ち接続片41に対向する二つの端部はそれぞれ一つの接続部411を有する。接続部411には、二つの収容部50が設けられる。二つの収容部50は、絶縁板42の幅方向Yに沿って間隔をあけて設けられる。理解できるように、各接続部411に設けられた収容部50の数は二つに限定されず、三つ以上であってもよい。
【0041】
一つの実施例において、図8に示すように、収容部50は厚さ方向Zに沿って延出する嵌合スルーホールである。突出部60は収容部50を貫通し、それにより絶縁板42の接続部411の上下両側に位置する部分は突出部60により接続してもよい。絶縁板42の厚さ方向Zで、接続片41の上面及び下面がそれぞれ絶縁板42から離脱する時、突出部60は依然として収容部50により接続片41を制限することができるため、接続片41が絶縁板42からの脱落するか又は位置ずれの可能性を低減することができる。
【0042】
別の実施例において、図9に示すように、収容部50は厚さ方向Zに沿って延出する溝である。接続片41は、絶縁板42の長手方向Xに対向する両端面を有する。溝は、端面から端子接続部412に近づく方向に窪む。絶縁板42の一部は、溝に突入して突出部60を形成する。接続片41が絶縁板42の幅方向Yに沿った引張応力又は圧縮応力を受ける時、突出部60は収容部50により接続片41をよく制限することができ、それにより接続片41と絶縁板42との間が絶縁板42の幅方向Yに位置ずれによる両者の接合面における割れ、分離が発生しにくくなる。
【0043】
一実施例において、収容部50は二つ以上の延出セグメント51を有する。二つ以上の延出セグメント51は、収容部50が凹む方向に沿って設けられる。隣接する二つの延出セグメント51のうちの一方の正投影は他方の正投影内に位置する。隣接する二つの延出セグメント51の間に遷移領域が存在する。一例では、図8に示すように、収容部50は厚さ方向Zに沿って延出する嵌合スルーホールである。嵌合スルーホールは段付き孔である。嵌合スルーホールは厚さ方向Zに沿って設けられた二つの延出セグメント51を有する。別の例において、図9に示すように、収容部50は厚さ方向Zに沿って延出する溝である。例示的に、溝は段付き溝(図示せず)であり、それにより溝も厚さ方向Zに沿って設もられる二つの延出セグメント51を有する。
【0044】
一実施例において、図9に示すように、収容部50は接続部411のエッジ領域に設けられる。接続部411のエッジ領域は、接続部411の側面411c及び側面411cに近い領域を含む。接続部411の側面411cとは、厚さ方向Zに平行な面である。
【0045】
一つの実施例において、接続片41の接続部411に突出部60が設けられ、絶縁板42に収容部50が設けられ、同様に接続片41と絶縁板42との接続強度を向上させる作用を実現することができる。
【0046】
一つの実施例において、図10及び図11に示すように、接続片41の接続部411は湾曲セグメント411a及びストレートセグメント411bを有する。接続部411のストレートセグメント411bは、端子接続部412と接続する。接続部411の湾曲セグメント411aは凹部空間を形成し、絶縁板42の一部は当該凹部空間内に挿入され、それにより接続片41と絶縁板42との接続強度をさらに向上させる。接続片41が絶縁板42の長手方向Xに沿った引張応力又は圧縮応力を受ける時、絶縁板42が凹部空間に挿入された部分は湾曲セグメント411aにより接続片41をよく制限することができ、接続片41と絶縁板42との間が絶縁板42の長手方向Xに沿って位置ずれによる両者の接合面における割れ、分離が発生しにくくなる。一例では、湾曲セグメント411aの数は一つ又は二つ以上である。湾曲セグメント411aの数が二つ以上である場合、二つ以上の湾曲セグメント411aは絶縁板42の幅方向Yに沿って間隔をあけて設けられてもよい。例示的に、湾曲セグメント411aは円弧状構造である。一例では、図12に示すように、湾曲セグメント411aに収容部50が設けられ、絶縁板42に突出部60が対応して設けられ、それにより接続片41と絶縁板42との接続強度及び接続安定性をさらに向上させることができる。例示的に、収容部50はストレート孔又は段付き孔であってもよく、溝であってもよい。理解できるように、湾曲セグメント411aに突出部60が設けられ、絶縁板42に収容部50が対応して設けられることも、接続片41と絶縁板42との接続固定を実現することができる。
【0047】
一つの実施例において、図13及び図14に示すように、接続部411は接続された第1の接続セグメント、中間遷移セグメント4112及び第2の接続セグメント4113を含み、第1の接続セグメント及び第2の接続セグメント4113は厚さ方向Zに沿って位置ずれして設けられ、それにより接続部411全体は階段状構造を呈する。接続部411は、第2の接続セグメント4113で端子接続部412と接続する。接続片41が絶縁板42の長手方向Xに沿った引張応力又は圧縮応力を受ける時、絶縁板42は中間遷移セグメント4112により接続片41をよく制限することができ、それにより接続片41と絶縁板42との間が絶縁板42の長手方向Xに沿って位置ずれによる両者の接合面における割れ、分離が発生しにくくなる。一例では、第1の接続セグメント及び第2の接続セグメント4113はいずれも絶縁板42の長手方向Xに沿って延出し、且つ両者は平行に設けられる。中間遷移セグメント4112は絶縁板42の厚さ方向Zに沿って延出し、且つ第1の接続セグメント及び第2の接続セグメント4113と垂直する。一例では、図15に示すように、第1の接続セグメントに収容部50が設けられ、絶縁板42に突出部60が対応して設けられ、それにより接続片41と絶縁板42の接続強度及び接続安定性をさらに向上させることができる。例示的に、収容部50はストレート孔又は段付き孔であってもよく、溝であってもよい。理解できるように、第1の接続セグメント4111に突出部60が設けられ、絶縁板42に収容部50が対応して設けられることも、接続片41と絶縁板42との接続固定を実現することができる。
【0048】
一つの実施例において、図16及び図17に示すように、絶縁板42の幅方向Yに沿って、端子接続部412の対向する両側にそれぞれ接続部411が設けられると、同様に接続片41と絶縁板42との接続を実現して一体構造を形成し、接続片41と絶縁板42との接続強度を向上させることができる。理解できるように、絶縁板42の幅方向Yに沿って、端子接続部412の対向する両側のうちの一つに接続部411が設けられることも、絶縁板42が接続片41に対して拘束リミットを形成することを確保することができる。例示的に、接続片41は矩形構造を呈する。
【0049】
一例では、絶縁板42の幅方向Yに沿って、端子接続部412の対向する両側にそれぞれ接続部411が設けられ、同時に絶縁板42の長手方向Xに沿って、端子接続部412の対向する両側にもそれぞれ接続部411が設けられると、四つの接続部411は囲んで環状構造を形成し、端子接続部412が四つの接続部411により取り囲まれる。
【0050】
一つの実施例において、絶縁板42の厚さ方向Zに沿って、端子接続部412は貫通孔421内に設けられ、接続片41の接続部411は貫通孔421の孔壁を貫通して絶縁板42に嵌め込み、それにより絶縁板42の厚さ方向Zに沿う上面及び下面がそれぞれ端子接続部412の上面及び下面から突出する。端子接続部412の下面は、二次電池31の電極端子311と電気的に接続することに用いられる。
【0051】
一つの実施例において、図3に示すように、絶縁板42は中間収容凹部422を有する。中間収容凹部422は、絶縁板42の長手方向Xに沿って延出する。接続組立体40が組電池20に適用される時、電極出力極板99は少なくとも部分的に中間収容凹部422に収容することができ、それにより電極出力極板99の空間占用を低減し、組電池20の構造のコンパクト性を向上させてさらに二次電池31のエネルギー密度を向上させることに役立つ。一例では、接続組立体40が組電池20に適用される時、中間収容凹部422は二次電池31に近づく方向に窪む。絶縁板42の幅方向Yに沿って、中間収容凹部422の対向する両側にいずれも貫通孔421が設けられる。中間収容凹部422は、対相する両側がいずれも二つ以上の貫通孔421が設けられる。同じ側に位置する二つ以上の貫通孔421は、絶縁板42の長手方向Xに沿って間隔をあけて設けられる。毎貫通孔421には、一つの接続片41が対応して設けられる。他の実施例では、中間収容凹部422の対向する両側のうちの一側に貫通孔421が設けられる。
【0052】
一つの実施例において、図5に示すように、接続片41は第2の緩衝部413を含む。第2の緩衝部413は、自己変形により外部応力を緩衝又は吸収することができる。端子接続部412の数は、二つ以上である。隣接する二つの端子接続部412の間には、第2の緩衝部413が設けられる。端子接続部412が電極端子311と接続固定した後、二次電池31が膨張変形する時、隣接する二つの端子接続部412は互いに離れる傾向があるため、第2の緩衝部413に引張応力を与える。第2の緩衝部413が引張応力を受ける時に引き伸ばされて当該引張応力を緩衝するため、端子接続部412と電極端子311との間にかかる引張応力を低減し、端子接続部412と電極端子311との間に過大な引張応力が受けられることによる割れ、分離の可能性を低下させる。同時に、接続片41の接続部411と絶縁板42との間に過大な外部応力を受けることによる両者の接合部における割れ、分離の可能性を低減することができる。別の実施例において、端子接続部412と接続部411との間にも第2の緩衝部413が設けられる。二次電池31が膨張して変形する時、隣接する二つの端子接続部412は互いに離れる傾向があるが、端子接続部412と接続部411との間に互いに近接する傾向があり、それにより端子接続部412と接続部411との間の第2の緩衝部413は圧縮応力を受ける。第2の緩衝部413が圧縮応力を受ける時に圧縮されて当該圧縮応力を緩衝し、それにより接続片41の接続部411と絶縁板42との間に過大な外部応力を受けることによる両者の接合部における割れ、分離の可能性を低減することができる。一例では、第2の緩衝部413は絶縁板42の厚さ方向Zに沿って突出する弧状構造である。好ましくは、第2の緩衝部413は円弧状構造である。
【0053】
一つの実施例において、図18に示すように、絶縁板42は第1の領域42a及び第2の領域42bを有する。第2の領域42bの一部は第1の領域42aから突出し、それにより第1の領域42aの剛性は第2の領域42bの剛性よりも小さいため、第1の領域42aの弾性変形能力は第2の領域42bの弾性変形能力よりも優れる。第2の領域42bに第1の領域42aから突出した部分は、突起を形成する。接続部411は、第2の領域42bの内部に埋設される。厚さ方向Zに沿って、接続部と第2の領域42bは対応して設けられる。一例では、第2の領域42bは貫通孔421を取り囲んで設けられる。
【0054】
図19に示すように、本願の実施例は、
端子接続部412を有する接続片41を所定の金型内に配置することと、
接続部411と絶縁板42が取り外し不可能に互いに接続されて一体構造を形成し且つ接続片41と絶縁板42が接続組立体40を構成するように、高速射出成形工芸を利用して接続片41の周辺に射出成形することにより絶縁板42を一体成形することと、を含む接続組立体40の製造方法をさらに提供する。
【0055】
一つの実施例において、接続片41と絶縁板42は互いに嵌合して一体構造を形成し、そして接続組立体40を構成する。絶縁板42上の接続片41に対応する領域は貫通孔421を有し、端子接続部412の絶縁板42の厚さ方向Zに沿う正投影が貫通孔421の孔壁の厚さ方向Zに沿う正投影内に位置する。
【0056】
一実施例において、接続片41は絶縁板42内の部分に嵌め込めて接続部411を形成する。接続片41は、一体成形構造である。接続片41は鋳造成形又はプレス成形であってもよい。接続片41の材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金等の導電材料であってもよい。絶縁板42は、一体成形構造である。一例では、絶縁板42は高速射出成形工芸を採用して成形された射出成形部材である。高速射出成形工芸で成形すると、接続片41の外部に絶縁板42を一度に射出成形することができるため、絶縁板42自体の剛性が大きくなり、自体の構造が破損しにくい。高速射出成形工芸で成形された絶縁板42の厚さは0.1mm~0.8mmに制御することができる。それにより、接続組立体40全体の構造の軽量化を向上させ、組電池20のエネルギー密度を向上させることに役立つ。絶縁板42を加工製造する過程において、高速射出成形工芸の成形の要求は以下のとおりである。成形速度が200m/s以上である。成形温度が250℃以上であり、プラスチックが加熱されて流体状態を呈する。例示的に、絶縁板42の材料は高流動性ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、エンジニアリングプラスチック(PC+ABS)等であってもよい。
【0057】
一つの実施例において、本願の実施例の製造方法は、接続部411を有する接続片41を所定の金型内に配置するの前に、接続片41の接続部411に嵌合スルーホールを製造することをさらに含む。
【0058】
一実施例において、高速射出成形工芸を利用して射出成形し、接続片41の周辺に絶縁板42を一体成形する工程において、絶縁板42は嵌合スルーホールを貫通する突出部60を形成し、且つ絶縁板42が接続部411の上下両側に位置する部分は突出部60により接続する。
【0059】
本願の実施例の接続組立体40の製造方法において、高速射出成形工芸を利用して接続片41の周辺に絶縁板42を一度に形成し、且つ接続片41の一部が絶縁板42内に嵌め込むと、接続片41と絶縁板42が嵌合して一体構造を形成し、両者の接続状態が確実、安定であり、接続構造の強度が大きいことを確保する。したがって、組電池20の使用過程に振動状況が発生する場合、接続片41は絶縁板42により効果的に制限されるため、接続片41が過大な振動応力を受けて絶縁板42と分離する可能性を低減し、組電池20の使用過程の安全性を確保する。
【0060】
また、高速射出成形プロセスを利用して絶縁板42を製造する方式は、絶縁板42の剛性要求を満たす前提で、絶縁板42の厚さを0.4mm~0.8mmに制御することができ、それにより接続組立体40全体の構造の軽量化を向上させ、組電池20のエネルギー密度を向上させることに役立つ。
【0061】
一つの実施例において、接続片41の数は二つ以上である。絶縁板42は、第1の緩衝部424を含む。隣接する二つの接続片41の間には、第1の緩衝部424が設けられる。さらに、図20に示すように、本願の実施例の絶縁板42はさらに仕切り部423及び第1の緩衝部424を含む。隣接する二つの貫通孔421は、一組の貫通孔421に区画されてもよい。仕切り部423は、隣接する二つの貫通孔421を仕切る。仕切り部423には、第1の緩衝部424が設けられる。第1の緩衝部424は外力作用を受ける時、外部応力を緩衝するために延出されるか又は圧縮変形されてもよい。第1の緩衝部424が設けられる領域の剛性が低下すると、当該領域の柔軟性がより高く、変形しやすい。接続片41は絶縁板42に嵌合するため、接続組立体を製造する過程においてまず接続片41を製造し、次に接続片41を所定の位置に配置し、接続片41の周辺に絶縁板42を製造することができる。製造された接続組立体において、接続片41自体は移動できないため、接続片41自体の位置を移動することにより絶縁板42との相対位置を調整することができない。接続組立体を製造する過程において、接続片41自体の位置に所定の位置からずれた状況が存在するため、接続片41と絶縁板42が一体構造を形成した後、接続片41の位置も所定の位置からずれてしまう。そして、接続片41と二次電池31の電極端子311とを接続する時、所定の位置からずれるため接続片41と電極端子311との接続位置も所定の位置からずれる。しかしながら、本願の実施例の仕切り部423に第1の緩衝部424が設けられるため、接続片41と電極端子311との接続過程において、第1の緩衝部424を引張するか又は圧縮することにより隣接する二つの接続片41を互いに離れるか又は近接させることができ、それにより隣接する二つの接続片41の位置を調整することを実現して接続片41の製造過程で発生された位置誤差を補償し、さらに接続片41を所定の位置に調整し且つ電極端子311と接続固定することができる。また、第1の緩衝部424を設置するため、後期に接続片41の位置を便利に調整することができる。したがって、接続片41と絶縁板42を製造する過程において、接続片41の位置精度及び接続片41と絶縁板42の製造公差に対する要求が低下し、それにより接続組立体の製造難度を低下させることに役立つ。
【0062】
一つの実施例において、組電池20は、使用過程において、電池セル30内の二次電池31が膨張変形する場合がある。二次電池31が膨張変形する時、隣接する二つの接続片41が互いに離れる場合があり、それにより隣接する二つの接続片41の間の第1の緩衝部424に引張応力を与える。第1の緩衝部424は自体の変形により当該引張応力を吸収し、緩衝することができるため、接続片41と電極端子311との接続部ににかかる応力を低減し、さらに接続片41と電極端子311との接続部が過大な応力を受けることによる接続片41と電極端子311との接続部に割れ、分離が発生する可能性を低減する。同様に、隣接する二つの接続片41が互いに近接する場合、隣接する二つの接続片41は第1の緩衝部424に圧縮応力を与える。第1の緩衝部424は自体の変形により当該圧縮応力を吸収し、緩衝することができ、それにより接続片41と電極端子311との接続部にかかる応力を低減し、さらに接続片41と電極端子311との接続部が過大な応力を受けることにより接続片41と電極端子311との接続部に割れ、分離を発生する可能性を低減し、組電池20の安全性及び信頼性を向上させる。また、第1の緩衝部424は、自体の変形で引張応力又は圧縮応力を緩衝又は吸収する構造設計によって、接続片41と絶縁板42との接続部にかかる応力を低減することができ、それにより接続片41と絶縁板42との接続部に大きな応力を受けることによる割れ、分離の可能性を低減する。
【0063】
一つの実施例において、図20に示すように、絶縁板42に二列の貫通孔421が設けられる。二列の貫通孔421は、絶縁板42の幅方向Yに沿って間隔をあけて設けられる。各列の貫通孔421に対して、隣接する二つの貫通孔421の間の仕切り部423に第1の緩衝部424が設けられる。二つの貫通孔421の配列方向は、絶縁板42の長手方向Xと同じである。電池セル30の配列方向は、絶縁板42の長手方向Xと同じである。組電池20の使用過程において、二次電池31は長手方向Xに沿って膨張変形する。絶縁板42の長手方向Xで、隣接する二つの接続片41が互いに離れるか又は近接する場合、二つの接続片41は第1の緩衝部424に引張応力又は圧縮応力を与える。本実施例において、隣接する二つの接続片41の配列方向は絶縁板42の長手方向Xと同じである。
【0064】
一つの実施例において、貫通孔421の数は七つであり、接続片41の数も七つである。七つの貫通孔421は、絶縁板42の幅方向Yに二列に設けられる。ここで、一列は絶縁板42の長手方向Xに沿って間隔をあけて設けられた四つの貫通孔421を含み、他の列は絶縁板42の長手方向Xに沿って間隔をあけて設けられた三つの貫通孔421を含む。理解されるように、貫通孔421の数及び接続片41の数は上記の数に限定されない。実際の製品需要に応じて適応的に調整することができる。
【0065】
一つの実施例において、図22に示すように、第1の緩衝部424は長帯状のスルーホール424aを含む。スルーホール424aの長手方向は、隣接する二つの接続片41の配列方向と交差する。本実施例において、スルーホール424aの長手方向は絶縁板42の幅方向Yと同じである。スルーホール424aは絶縁板42の厚さ方向Zに沿って延出し、それによりスルーホール424a領域は中空構造を形成する。スルーホール424aが設けられる領域の剛性はスルーホール424aを取り囲む領域の剛性よりも小さく、それによりスルーホール424aが設けられる領域は柔軟性がより高く、応力を受けて変形しやすい。そうすると、隣接する二つの接続片41が仕切り部423に引張応力又は圧縮応力を与える時、引張応力又は圧縮応力がスルーホール424aの領域を押圧するため、スルーホール424aが絶縁板42の長手方向Xに広くなるか又は狭くなり、それにより変形の方式で応力緩衝の作用を実現しやすい。
【0066】
別の実施例において、図23に示すように、第1の緩衝部424は二つ以上のスルーホール424aを含む。二つ以上のスルーホール424aは、隣接する二つの貫通孔421の配列方向と交差する方向に間隔をあけて設けられる。二つの貫通孔421の配列方向は、絶縁板42の長手方向Xと同じである。隣接する二つの接続片41の配列方向は、絶縁板42の長手方向Xと同じである。本実施例において、二つ以上のスルーホール424aは絶縁板42の幅方向Yに沿って間隔をあけて設けられる。一例では、スルーホール424aの断面は円形、楕円形、トラック形又は正多角形である。スルーホール424aの横断面が円形、楕円形、トラック形である実施例において、スルーホール424aの内壁の各領域が過渡的に平滑であり、応力集中領域が発生する可能性を低減し、それにより変形過程で内壁に局所的な破断又はクラックが発生する可能性を低減する。スルーホール424aの横断面が正多角形である実施例において、スルーホール424aの横断面は好ましくは正六角形である。本実施例において、スルーホール424aの横断面はトラック形又は楕円形に選択することができる。
【0067】
一つの実施例において、図24に示すように、第1の緩衝部424は絶縁板42の厚さ方向Zに沿って突出する弧状構造424bを含む。弧状構造424bは長帯状を呈し、且つ弧状構造424bの長手方向は隣接する二つの接続片41の配列方向と交差する。第1の緩衝部424の両側の接続片41が互いに離れて変位する場合、第1の緩衝部424は引張応力を受ける。引張応力の作用で、第1の緩衝部424の弧状構造424bの湾曲程度が減少し、それにより弧状構造424bが配列方向に引き伸ばされて引張応力を緩衝又は吸収する。それに対応して、第1の緩衝部424の両側の接続片41が互いに近接して変位する場合、第1の緩衝部424は圧縮応力を受ける。圧縮応力の作用で、第1の緩衝部424の弧状構造424bの湾曲程度が増大し、それにより弧状構造424bが配列方向に短縮されて圧縮応力を緩衝又は吸収する。一例では、弧状構造424bと仕切り部423の他の部分は滑らかに変化し、応力集中が発生する可能性を低減する。好ましくは、弧状構造424bは円弧状構造である。
【0068】
一つの実施例において、図25に示すように、弧状構造424bにスルーホール424aが設けられ、それにより第1の緩衝部424全体の剛性をさらに低下させることができ、第1の緩衝部424の変形能力及び緩衝能力をさらに向上させることに役立つ。例示的に、弧状構造424bに四つのスルーホール424aが設けられる。四つのスルーホール424aは、絶縁板42の幅方向Yに沿って間隔をあけて設けられる。理解できるように、スルーホール424aの数は四つに限定されず、製品の要求に応じて、数量を便利に調整することができる。
【0069】
一つの実施例において、図20に示すように、絶縁板42の幅方向Yに沿って、二列の貫通孔421の間にも第1の緩衝部424が設けられる。絶縁板42の幅方向Yに沿って、一列の接続片41と他の列の接続片41が互いに離れて移動するか又は互いに近接して移動する場合、当該第1の緩衝部424は接続片41が第1の緩衝部424に作用する引張応力又は圧縮応力を緩衝又は吸収することができる。一例では、絶縁板42の長手方向Xにで、第1の緩衝部424は絶縁板42全体を貫通して延出する。一例では、第1の緩衝部424は弧状構造体である。弧状構造体は、二次電池31から遠い側に収容空間を形成する。電極出力極板99は少なくとも部分的に当該収容空間内に収容されることができるため、組電池20の構造コンパクト性及び空間利用率を向上させることができ、組電池20のエネルギー密度を向上させることに役立つ。別の例において、第1の緩衝部424は一つのスルーホール424a又は二つ以上のスルーホール424aを含む。
【0070】
一つの実施例において、図5に示すように、接続片41は二つ以上の端子接続部412及び第2の緩衝部413を含む。隣接する二つの端子接続部412の間に、第2の緩衝部413が設けられる。第2の緩衝部413は、自体の変形により外部応力を緩衝又は吸収することができる。端子接続部412が電極端子311と接続固定した後、二次電池31が膨張変形する時、隣接する二つの端子接続部412が互いに離れる場合があり、それにより第2の緩衝部413に引張応力を与える。第2の緩衝部413はが張応力を受ける時に引張変形されて当該引張応力を緩衝し、それにより端子接続部412と電極端子311との間にかかる引張応力を低減し、さらに端子接続部412と電極端子311との間に過大な引張応力を受けることによる割れ、分離の可能性を低減することができる。同時に、接続片41の接続部411と絶縁板42との間に過大な外部応力を受けことによりる両者の接合部にける割れ、分離の可能性を低減することができる。そうすると、第1の緩衝部424と第2の緩衝部413は互いに協働して動作することができ、さらに接続片41と絶縁板42の応力を緩衝又は吸収する能力を効果的に向上させる。
【0071】
別の実施例において、図5に示すように、端子接続部412と接続部411との間にも第2の緩衝部413が設けられる。二次電池31が膨張変形する時、隣接する二つの端子接続部412は互いに離れる傾向があるが、端子接続部412と接続部411との間に互いに近接する傾向が存在し、それにより端子接続部412と接続部411との間の第2の緩衝部413が圧縮応力を受ける。第2の緩衝部413が圧縮応力を受ける時に圧縮変形されて当該圧縮応力を緩衝し、それにより接続片41の接続部411と絶縁板42との間に過大な外部応力をを受けることによる両者の接合部における割れ、分離の可能性を低減することができる。
【0072】
一例では、第2の緩衝部413は絶縁板42の厚さ方向Zに沿って突出する弧状構造である。好ましくは、第2の緩衝部413は円弧状構造である。
【0073】
一例では、図20に示すように、絶縁板42はさらに第2の緩衝部413に対応して設けられた第3の緩衝部425を含む。第2の緩衝部413が応力を受けて緩衝作用を奏する時、第3の緩衝部425も第2の緩衝部413に連れて同期変形する。第2の緩衝部413と第3の緩衝部425は協働して動作することができ、応力の緩衝能力をさらに向上させることに役立つ。一例では、第2の緩衝部413と第3の緩衝部425の構造は同じである。第2の緩衝部413および第3の緩衝部425は、絶縁板42の幅方向Yに対応して設けられる。例示的に、第2の緩衝部413と第3の緩衝部425はいずれも弧状構造である。一例では、絶縁板42の幅方向Yに沿って、絶縁板42上の第1の緩衝部424と第3の緩衝部425が対応して設けられる。第1の緩衝部424が応力を受けて緩衝作用を奏する時、第3の緩衝部425も第1の緩衝部424に連れて同期変形する。例示的に、第1の緩衝部424及び第3の緩衝部425はいずれも弧状構造である。
【0074】
一つの実施例において、図22図25に示すように、一つの仕切り部423に一つの第1の緩衝部424が設けられる。第1の緩衝部424の隣接する二つの貫通孔421の配列方向での正投影の幅は接続片41の配列方向での正投影の幅以上であり、それにより第1の緩衝部424は幅方向Yで接続片41全体を覆うことができる。接続片41が仕切り部423に外部応力を与える時、外部応力は全て第1の緩衝部424に伝達され且つ第1の緩衝部424により緩衝され、それにより外部応力が第1の緩衝部424以外の領域に伝達されて緩衝効果に影響する可能性を低減する。
【0075】
一つの実施例において、図26及び図27に示すように、一つの仕切り部423に二つの第1の緩衝部424が設けられる。二つの第1の緩衝部424は、隣接する二つの貫通孔421の配列方向に間隔をあけて設けられる。そうすると、二つの第1の緩衝部424により絶縁板42に作用する外部応力をより大きく吸収することができる。一例において、図26に示すように、二つの第1の緩衝部424はいずれもスルーホール424aを含む。スルーホール424aは、絶縁板42の幅方向Yに沿って延出する。又は、図27に示すように、二つの第1の緩衝部424はいずれも二つ以上のスルーホール424aを含む。二つ以上のスルーホール424aは、絶縁板42の幅方向Yに沿って間隔をあけて設けられている。他のいくつかの例において、二つの第1の緩衝部424のうちの一つは一つのスルーホール424aを含み、他方は二つ以上のスルーホール424aを含むことができる。一例では、二つの第1の緩衝部424の隣接する二つの貫通孔421の配列方向での正投影の総幅は接続片41の配列方向での正投影の幅以上である。理解できるように、一つの仕切り部423に設けられた第1の緩衝部424の数は二つに限定されず、三つ以上であってもよい。
【0076】
一例では、隣接する二つの第1の緩衝部424は、それぞれ貫通孔421の配列方向での正投影が互いに重なる。例示的に、第1の緩衝部424がスルーホール424aを含む実施例において、一つの第1の緩衝部424に含まれる各スルーホール424aの中心は、他の第1の緩衝部424に含まれる各スルーホール424aの中心と配列方向に沿って整列して設けられる。
【0077】
別の例において、図26及び図27に示すように、隣接する二つの第1の緩衝部424はそれぞれ配列方向での正投影が部分的に重なる。例示的に、第1の緩衝部424がスルーホール424aを含む実施例において、一つの第1の緩衝部424に含まれる各スルーホール424aの中心と他の第1の緩衝部424に含まれる各スルーホール424aの中心とが配列方向に沿ってずれて設けられる。
【0078】
一つの実施例において、図28に示すように、二列の貫通孔421は絶縁板42の幅方向Yに沿って間隔をあけて設けられる。二列の貫通孔421の間にのみ、第1の緩衝部424が設けられる。絶縁板42の幅方向Yに沿って、一列の接続片41と他の列の接続片41が互いに離れて移動するか又は互いに近接して移動する場合、当該第1の緩衝部424は接続片41が第1の緩衝部424に作用する引張応力又は圧縮応力を緩衝又は吸収することができる。各列の貫通孔421の数は、二つである。理解できるように、各列の貫通孔421の数は二つに限定されず、一つ又は三つ以上であってもよい。
【0079】
一つの実施例において、図29に示すように、二つ以上の貫通孔421は絶縁板42の長手方向Xに沿って一列に配列される。隣接する二つの貫通孔421の間の仕切り部423には、第1の緩衝部424が設けられる。理解できるように、二つ以上の貫通孔421は絶縁板42の幅方向Yに沿って一列に並んで設けられる。貫通孔421の配列方向は、絶縁板42の幅方向Yと同じである。隣接する二つの貫通孔421の間の仕切り部423には、第1の緩衝部424が設けられる。
【0080】
一つの実施例において、製品の製造需要に応じて、各貫通孔421に一つ又は二つ以上の接続片41を設置することができる。二つ以上の接続片41は、二つの貫通孔421の配列方向に沿って分布して設けられる。
【0081】
一つの実施例において、図21に示すように、絶縁板42の厚さ方向Zに沿って、端子接続部412は貫通孔421内に設けられ、接続片41の接続部411が貫通孔421の孔壁を貫通して絶縁板42に嵌め込むと、絶縁板42の厚さ方向Zに沿う上面及び下面はそれぞれ端子接続部412の上面及び下面から突出する。端子接続部412の下面は、二次電池31の電極端子311と電気的に接続するためのものである。
【0082】
本願の実施例の接続組立体は絶縁板42及び接続片41を含む。接続組立体は組電池20に適用される。絶縁板42には、貫通孔421と、隣接する二つの貫通孔421を隔離する仕切り部423と、仕切り部423に設けられる第1の緩衝部424とが設けられる。接続片41は、接続部411で絶縁板42に嵌合する。接続片41は、貫通孔421に対応して設けられる。第1の緩衝部424が外部応力を受ける時、自体の変形で外部応力を緩衝又は吸収することができる。そうすると、一方では、製造過程において接続片41と絶縁板42は位置誤差が発生する場合、接続組立体と電池セル30を組み立てる過程において接続片41の位置を調整する必要がある。第1の緩衝部424が設けられるため、接続片41を調整する時、第1の緩衝部424が引張られるか又は圧縮されて接続片41の調整変位量を補償するため、接続片41を所定の位置に調整し且つ二次電池31の電極端子311と接続して固定することができる。他方では、組電池20の使用過程において、二次電池31に膨張変形が存在する場合、二次電池31と接続された接続片41に引張応力を与える。しかしながら、第1の緩衝部424が設けられるため、接続片41は外部応力を第1の緩衝部424に作用させることができる。第1の緩衝部424は、自体の変形で当該外部応力を吸収し、緩衝することができ、それにより接続片41と電極端子311との接続部に過大な応力を受けることによる接続片41と電極端子311との接続部における割れ、分離の可能性を低減する。それにより、接続片41と絶縁板42との接続部にかかる応力を低減し、接続片41と絶縁板42との接続部に大きな応力を受けることによる亀裂、分離の可能性を低減し、組電池20の安全性及び信頼性を向上させる。
【0083】
好ましい実施例を参照して本願を説明したが、本願の範囲から逸脱することなく、様々な改良を行い且つ等価物で部材を取り替えることができる。特に、構造衝突が存在しない限り、各実施例に言及された各技術的特徴はいずれも任意の方式で組み合わせることができる。本願は、本明細書に開示された特定の実施例に限定されるものではなく、請求項の範囲内に属する全ての技術案を含む。
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