(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】マルチチップデバイス
(51)【国際特許分類】
H03K 19/00 20060101AFI20240820BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20240820BHJP
H01L 25/065 20230101ALI20240820BHJP
H01L 25/18 20230101ALI20240820BHJP
H03K 17/24 20060101ALI20240820BHJP
H03K 19/17736 20200101ALI20240820BHJP
H03K 19/094 20060101ALN20240820BHJP
H03K 19/0185 20060101ALN20240820BHJP
H03K 17/22 20060101ALN20240820BHJP
【FI】
H03K19/00 108
H01L25/08 Y
H03K17/24
H03K19/17736
H03K19/094
H03K19/0185
H03K17/22 C
(21)【出願番号】P 2022536527
(86)(22)【出願日】2020-10-07
(86)【国際出願番号】 US2020054618
(87)【国際公開番号】W WO2021126349
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2023-10-04
(32)【優先日】2019-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591025439
【氏名又は名称】ザイリンクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】XILINX INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】プリパティ, ナレンドラ クマール
(72)【発明者】
【氏名】サラスワトゥラ, スレー アールケーシー
(72)【発明者】
【氏名】ヤチャレニ, サントッシュ
(72)【発明者】
【氏名】チョウ, シートン
【審査官】柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0343441(US,A1)
【文献】特開2013-078220(JP,A)
【文献】特開平09-205355(JP,A)
【文献】特開2004-096727(JP,A)
【文献】特開2015-180056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 19/00
H01L 25/07
H03K 17/24
H03K 19/17736
H03K 19/094
H03K 19/0185
H03K 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源回路および論理回路を含む第1のチップと、
前記第1のチップに結合された第2のチップであって、前記第2のチップが、前記電源回路から第1の電力を受け取るように構成され、前記第2のチップが、第1のプログラマブル回路、第1のプルアップ回路、および第1の検出器回路を含み、前記第1の検出器回路が、前記第2のチップ上の第1の電源電圧の存在を検出し、応答して第1の存在信号を出力するように構成され、前記第2のチップ上の前記第1の電源電圧が、前記電源回路からの前記第1の電力に基づいており、前記論理回路が、前記第1の存在信号に基づいてプルアップ信号を生成するように構成され、前記第1のプルアップ回路が、前記プルアップ信号を受信するように構成され、前記プルアップ信号に応答して、前記第1のプログラマブル回路のノードの電圧をプルアップするように構成された、第2のチップと
を備える、マルチチップデバイス。
【請求項2】
前記第1のプログラマブル回路が、構成メモリを含み、前記構成メモリは、前記第1の電源電圧が印加される電力ノードに接続された、請求項1に記載のマルチチップデバイス。
【請求項3】
前記第1のプルアップ回路が、前記第1のプログラマブル回路の前記ノードと電力ノードとの間に接続されたトランジスタを含み、前記電源回路が、前記電力ノード上の第2の電源電圧を生成するように構成され、前記トランジスタが、前記論理回路に接続され、前記プルアップ信号を受信するように構成されたゲートを有する、請求項1に記載のマルチチップデバイス。
【請求項4】
前記第1の検出器回路は、前記第1の電源電圧が前記第2のチップのトリップ電圧を下回るとき、前記第1の存在信号として論理低値を出力するように、および前記第1の電源電圧が前記第2のチップの前記トリップ電圧を上回るとき、前記第1の存在信号として論理高値を出力するように構成され、
前記論理回路は、前記第1の存在信号が、論理低値であるとき、前記プルアップ信号として論理低値を出力するように構成された、
請求項1に記載のマルチチップデバイス。
【請求項5】
前記第1のチップが、前記第1のチップ上の第2の電源電圧の存在を検出し、応答して第2の存在信号を出力するように構成された第2の検出器回路をさらに含み、前記第1のチップ上の前記第2の電源電圧が、前記電源回路からの前記第1の電力に基づいており、前記論理回路が、前記第1の存在信号および前記第2の存在信号に基づいて前記プルアップ信号を生成するように構成された、請求項1に記載のマルチチップデバイス。
【請求項6】
前記第1のチップに結合された第3のチップをさらに備え、前記第3のチップが、前記電源回路から第2の電力を受け取るように構成され、前記第3のチップが、第2のプログラマブル回路、第2のプルアップ回路、および第2の検出器回路を含み、前記第2の検出器回路が、前記第3のチップ上の第2の電源電圧の存在を検出し、応答して第2の存在信号を出力するように構成され、前記第3のチップ上の前記第2の電源電圧が、前記電源回路からの前記第2の電力に基づいており、前記論理回路が、前記第1の存在信号および前記第2の存在信号に基づいて前記プルアップ信号を生成するように構成され、前記第2のプルアップ回路が、前記プルアップ信号を受信するように構成され、前記プルアップ信号に応答して、前記第2のプログラマブル回路のノードの電圧をプルアップするように構成された、請求項1に記載のマルチチップデバイス。
【請求項7】
前記第1のプログラマブル回路が、構成可能な相互接続ネットワークおよび構成メモリセルを含み、前記構成メモリセルの各々が、前記第1の電源電圧が印加される第1の電力ノードに接続され、前記構成メモリセルの各々が、前記構成可能な相互接続ネットワークのそれぞれの構成可能な回路に接続された記憶ノードを含み、
前記第1の検出器回路は、前記第1の電力ノードに接続され、前記第1の電力ノード上の前記第1の電源電圧が前記第2のチップのトリップ電圧を下回るとき、前記第1の存在信号として論理低値を出力するように、および前記第1の電力ノード上の前記第1の電源電圧が前記第2のチップの前記トリップ電圧を上回るとき、前記第1の存在信号として論理高値を出力するように構成され、
前記論理回路は、前記第1の存在信号が論理低値であるとき、前記プルアップ信号として論理低値を生成するように構成され、
前記第1のプルアップ回路が、第2の電力ノードと、前記構成可能な相互接続ネットワークの前記構成可能な回路のうちの2つ以上の間に相互接続されたそれぞれのノードとの間に接続されたトランジスタを含み、前記トランジスタの各々は、前記プルアップ信号が論理低値であるとき、前記第2の電力ノードの電圧に前記それぞれのノードをプルアップするように構成された、請求項1に記載のマルチチップデバイス。
【請求項8】
マルチチップデバイスを動作させる方法であって、前記方法は、
第1のチップ上の第1の検出器回路によって、前記第1のチップ上の電源電圧の存在を検出することに基づいて第1の存在信号を生成することであって、前記第1のチップ上の前記電源電圧が、第2のチップ上の電源回路からの電力に基づく、第1の存在信号を生成することと、
前記第2のチップ上の論理回路によって、前記第1の存在信号に基づいてプルアップ信号を生成することと、
前記第1のチップ上の第1のプルアップ回路によって、前記プルアップ信号に応答して、前記第1のチップ上の第1のプログラマブル回路のノードの電圧をプルアップすることと
を含む、方法。
【請求項9】
前記第1の存在信号を生成することは、
前記電源電圧が前記第1のチップのトリップ電圧を下回ると検出されたとき、前記第1の存在信号として論理低値を生成することと、
前記電源電圧が前記第1のチップの前記トリップ電圧を上回ると検出されたとき、前記第1の存在信号として論理高値を生成することと
を含み、
前記プルアップ信号を生成することは、前記第1の存在信号が論理低値であるとき、前記プルアップ信号として論理低値を生成することを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のチップ上の第2の検出器回路によって、前記第2のチップ上の電源電圧の存在を検出することに基づいて第2の存在信号を生成することであって、前記第2のチップ上の前記電源電圧が、前記電源回路からの電力に基づいており、前記プルアップ信号が、前記第1の存在信号および前記第2の存在信号に基づいて生成される、第2の存在信号を生成すること
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
第3のチップ上の第2の検出器回路によって、前記第3のチップ上の電源電圧の存在を検出することに基づいて第2の存在信号を生成することであって、前記第3のチップ上の前記電源電圧が、前記第2のチップ上の前記電源回路からの電力に基づいており、前記プルアップ信号が、前記第1の存在信号および前記第2の存在信号に基づいて生成される、第2の存在信号を生成することと、
前記第3のチップ上の第2のプルアップ回路によって、前記プルアップ信号に応答して、前記第3のチップ上の第2のプログラマブル回路のノードの電圧をプルアップすることと
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の存在信号が、前記第1のチップ上の第1の電力ノード上の前記電源電圧の前記存在を検出することに基づいて生成され、前記第1の検出器回路が、前記第1の電力ノードに接続され、前記第1の電力ノード上の前記電源電圧が前記第1のチップのトリップ電圧を下回るとき、論理低値が、前記第1の存在信号として生成され、前記第1の電力ノード上の前記電源電圧が前記第1のチップの前記トリップ電圧を上回るとき、論理高値が、前記第1の存在信号として生成され、
前記第1の存在信号が論理低値であるとき、論理低値が、前記プルアップ信号として生成され、
前記第1のプログラマブル回路の前記ノードが、構成可能な相互接続ネットワークのノードであり、前記プルアップ信号が論理低値であるとき、前記構成可能な相互接続ネットワークの前記ノードの電圧が、第2の電力ノードの電圧にプルアップされ、
前記第1のプログラマブル回路が、構成メモリセルを含み、前記構成メモリセルの各々が、前記第1の電力ノードに接続され、前記構成メモリセルの各々が、前記構成可能な相互接続ネットワークのそれぞれの構成可能な回路に接続された記憶ノードを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項13】
マルチチップデバイスであって、
複数のチップを備えるチップスタックであって、前記複数のチップは、
電力管理モジュールを備える第1のチップであって、前記電力管理モジュールが、電源回路および論理回路を備え、前記電源回路が、電力を出力するように構成された、第1のチップと、
第1の構成可能な相互接続ネットワーク、第1の構成メモリセル、第1の検出器回路、および第1のプルアップ回路を備える第2のチップであって、前記第1の構成メモリセルの各々が、前記第1の構成可能な相互接続ネットワークのそれぞれの第1の構成可能な要素に接続された記憶ノードを有し、前記第1の構成メモリセルが、第1の電源ノードに接続され、前記第1の電源ノード上の第1の電源電圧が、前記電源回路によって出力された前記電力に基づいており、前記第1の検出器回路が、前記第1の電源ノードに接続され、前記第1の電源ノード上の前記第1の電源電圧の存在を検出し、応答して第1の存在信号を出力するように構成され、前記論理回路が、前記第1の検出器回路に接続され、前記第1の存在信号に基づいてプルアップノード上のプルアップ信号を生成するように構成され、前記第1のプルアップ回路が、前記プルアップノードに接続され、前記プルアップ信号に応答して、第2の電源ノード上の第2の電源電圧に前記第1の構成可能な相互接続ネットワークの第1の連結ノードをプルアップするように構成され、前記第1の連結ノードの各々が、前記第1の構成可能な相互接続ネットワークの前記第1の構成可能な要素のうちの2つ以上の間に接続された、第2のチップと
を備える、チップスタック
を備える、マルチチップデバイス。
【請求項14】
前記第1のチップが、第3の電源ノードに接続され、前記第3の電源ノード上の第3の電源電圧の存在を検出し、応答して第2の存在信号を出力するように構成された第2の検出器回路をさらに含み、前記論理回路が、前記第2の検出器回路に接続され、前記第1の存在信号および前記第2の存在信号に基づいて前記プルアップ信号を生成するように構成された、請求項13に記載のマルチチップデバイス。
【請求項15】
前記複数のチップが、第3のチップをさらに備え、前記第3のチップが、第2の構成可能な相互接続ネットワーク、第2の構成メモリセル、第2の検出器回路、および第2のプルアップ回路を備え、前記第2の構成メモリセルの各々が、前記第2の構成可能な相互接続ネットワークのそれぞれの第2の構成可能な要素に接続された記憶ノードを有し、前記第2の構成メモリセルが、第3の電源ノードに接続され、前記第3の電源ノード上の第3の電源電圧が、前記電源回路によって出力された前記電力に基づいており、前記第2の検出器回路が、前記第3の電源ノードに接続され、前記第3の電源ノード上の前記第3の電源電圧の存在を検出し、応答して第2の存在信号を出力するように構成され、前記論理回路が、前記第2の検出器回路に接続され、前記第1の存在信号および前記第2の存在信号に基づいて前記プルアップノード上の前記プルアップ信号を生成するように構成され、前記第2のプルアップ回路が、前記プルアップノードに接続され、前記プルアップ信号に応答して、第4の電源ノード上の第4の電源電圧に前記第2の構成可能な相互接続ネットワークの第2の連結ノードをプルアップするように構成され、前記第2の連結ノードの各々が、前記第2の構成可能な相互接続ネットワークの前記第2の構成可能な要素のうちの2つ以上の間に接続され、前記第1、第2および第3のチップがともに接合された、請求項13に記載のマルチチップデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例は、一般に、マルチチップデバイスに関し、より詳細には、マルチチップデバイスのパワーダウン中の競合電流低減の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の集積回路チップを含むモジュールおよび/またはパッケージを含む装置が開発されてきた。そのような装置の形態は様々である。そのような装置を形成することによって、電子デバイスは、デバイスを形成するための複数のチップを統合することができ、ここで、各チップは、標準的な半導体処理を使用して製造され、次いで、より大きい多機能デバイスを形成するためにアセンブルおよびパッケージングされ得る。異なるチップを有することによって、いくつかの事例では、あるチップの部分が高温処理を必要とするのに対して、別のチップの部分が高温処理に耐えることができないときなど、統合することが困難である半導体処理が分離され得る。
【0003】
別の態様は、異なる機能性をもつチップ(たとえば、いくつかはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)チップであり、いくつかはメモリチップである)を有するデバイスを、より小さいデバイスサイズおよびより多くの機能性およびより低い電力をもつ同じ装置中に構築する能力である。チップのための半導体プロセスは、チップの増加された性能、低減されたコスト、および製造における増加された歩留まりなどのエリアにおいてより大きい強みをデバイスに与えるために、より重点を置かれ得る。他の利点が、そのような装置によって実現され得る。
【発明の概要】
【0004】
本明細書で説明されるいくつかの例は、一般に、マルチチップデバイスに関する。より詳細には、本明細書で説明される例は、マルチチップデバイスのパワーダウン中の競合電流低減の技術に関する。
【0005】
本明細書で説明される例は、マルチチップデバイスである。マルチチップデバイスは、第1のチップおよび第2のチップを含む。第1のチップは、電源回路および論理回路を含む。第2のチップは、第1のチップに結合される。第2のチップは、電源回路から電力を受け取るように構成される。第2のチップは、プログラマブル回路、プルアップ回路、および検出器回路を含む。検出器回路は、第2のチップ上の電源電圧の存在を検出し、応答して存在信号を出力するように構成される。第2のチップ上の電源電圧は、電源回路からの電力に基づく。論理回路は、存在信号に基づいてプルアップ信号を生成するように構成される。プルアップ回路は、プルアップ信号を受信するように構成され、プルアップ信号に応答して、プログラマブル回路のノードの電圧をプルアップするように構成される。
【0006】
本明細書で説明される別の例は、マルチチップデバイスを動作させる方法である。存在信号が、第1のチップ上の検出器回路によって、第1のチップ上の電源電圧の存在を検出することに基づいて生成される。第1のチップ上の電源電圧は、第2のチップ上の電源回路からの電力に基づく。プルアップ信号が、第2のチップ上の論理回路によって、存在信号に基づいて生成される。第1のチップ上のプログラマブル回路のノードの電圧が、第1のチップ上のプルアップ回路によって、プルアップ信号に応答してプルアップされる。
【0007】
本明細書で説明される別の例は、マルチチップデバイスである。マルチチップデバイスは、複数のチップを含むチップスタックを含む。複数のチップは、第1のチップおよび第2のチップを含む。第1のチップは、電力管理モジュールを含む。電力管理モジュールは、電源回路および論理回路を含む。電源回路は、電力を出力するように構成される。第2のチップは、構成可能な相互接続ネットワーク、構成メモリセル、検出器回路、およびプルアップ回路を含む。構成メモリセルの各々は、構成可能な相互接続ネットワークのそれぞれの構成可能な要素に接続された記憶ノードを有する。構成メモリセルは、第1の電源ノードに接続される。第1の電源ノード上の第1の電源電圧が、電源回路によって出力された電力に基づく。検出器回路は、第1の電源ノードに接続され、第1の電源ノード上の第1の電源電圧の存在を検出し、応答して存在信号を出力するように構成される。論理回路は、検出器回路に接続され、存在信号に基づいてプルアップノード上のプルアップ信号を生成するように構成される。プルアップ回路は、プルアップノードに接続され、プルアップ信号に応答して、第2の電源ノード上の第2の電源電圧に、構成可能な相互接続ネットワークの連結ノードをプルアップするように構成される。連結ノードの各々は、構成可能な相互接続ネットワークの構成可能な要素のうちの2つ以上の間に接続される。
【0008】
これらおよび他の態様は、以下の発明を実施するための形態を参照して理解され得る。
【0009】
上記に記載された特徴が詳細に理解され得るように、上記で簡単に要約されている、より詳細な説明が、例示的な実装形態を参照することによって行われ得、それらのうちのいくつかが、添付の図面中に図示されている。しかしながら、添付の図面は、典型的な例示的な実装形態を図示するにすぎず、それゆえ、実装形態の範囲の限定と見なされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】いくつかの例によるマルチチップデバイスの構造の図である。
【
図2】いくつかの例による、
図1のマルチチップデバイスの集積回路(IC)を描く回路図のブロック図である。
【
図3】いくつかの例による、構成可能な相互接続ネットワークの構成可能な相互接続要素の簡略化された回路図である。
【
図4】いくつかの例による例示的な構成スタティックランダムアクセスメモリ(CRAM)セルを図示する図である。
【
図5】ベースチップおよびファブリックチップが、異なるプロセスコーナーにおいて特徴づけられたときの信号およびタイミングを図示するチャートである。
【
図6】ベースチップおよびファブリックチップが、異なるプロセスコーナーにおいて特徴づけられたときの信号およびタイミングを図示するチャートである。
【
図7】いくつかの例による、
図2のマルチチップデバイスのICの追加の詳細を描く回路図のブロック図である。
【
図8】いくつかの例による、
図7の回路図のコンテキストにおける、ベースチップおよびファブリックチップがファストファスト(FF)およびスロースロー(SS)と特徴づけられたときの信号およびタイミングを図示するチャートである。
【
図9】いくつかの例による検出器回路の少なくとも一部の回路図である。
【
図10】いくつかの例による、マルチチップデバイスを動作させる方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
理解を容易にするために、同一の参照符号が、可能な場合、図に共通である同一の要素を指定するために使用されている。一例の要素が、他の例において有益に内蔵され得ることが予期される。
【0012】
本明細書で説明されるいくつかの例は、概してマルチチップデバイスに関する。より詳細には、本明細書で説明される例は、マルチチップデバイスのパワーダウン中の競合電流低減の技術に関する。
【0013】
概して、いくつかの例では、マルチチップデバイスの1つまたは複数のチップは、(フィールドゲートプログラマブルアレイ(FPGA)または他のプログラマブル集積回路中に含まれ得るものなど)構成可能な相互接続ネットワークと、(構成スタティックランダムアクセスメモリ(CRAM)セルなど)構成メモリセルと、プルアップ回路と、1つまたは複数の検出器回路とを含む。1つまたは複数のチップの各々上で、構成メモリセルは、構成可能な相互接続ネットワークのそれぞれの構成可能な回路または要素に接続された記憶ノードを有する。構成メモリセルは、構成可能な相互接続ネットワークの構成可能な回路または要素を構成するように書き込まれるかまたはプログラムされ得る。構成メモリセルは、構成メモリセルに電力を供給するためのメモリ電源ノードに接続される。プルアップ回路は、相互接続電源ノードと、構成可能な相互接続ネットワークのノード(たとえば、2つ以上の構成可能な回路または要素の間に接続されたノード)とに接続されたソース/ドレインを有するトランジスタを含むことができる。トランジスタは、プルアップノードに接続されたゲートを有することができる。プルアップ回路は、相互接続電源の電圧に、構成可能な相互接続ネットワークのノードの電圧をプルアップするように構成される。第1の検出器回路が、メモリ電源ノードに接続され、メモリ電源ノード上のメモリ電源電圧の存在を検出するように構成される。第2の検出器回路が、相互接続電源ノードに接続され得、相互接続電源ノード上の相互接続電源電圧の存在を検出するように構成される。第1および第2の検出器回路は、それぞれの電源電圧が第1および第2の検出器回路のチップのトリップ電圧を上回るとき、それぞれの電源電圧を検出するように構成され得る。第1および第2の検出器回路は、それぞれ、メモリ電源電圧存在信号および相互接続電源電圧存在信号を出力するように構成され得、メモリ電源電圧存在信号および相互接続電源電圧存在信号は、それぞれの電源電圧がチップのトリップ電圧を下回るとき、論理低値であり得、それぞれの電源電圧がチップのトリップ電圧を上回るとき、論理高値であり得る。
【0014】
マルチチップデバイスの別のチップは、電源回路、1つまたは複数の検出器回路、および論理回路を含む電力管理モジュールを含む。電源回路は、マルチチップデバイスのチップを通して分散された1つまたは複数の異なる電力ドメインのための電力を生成することができる。いくつかの例では、電源回路は、相互接続電源ノードに印加される相互接続電源電圧を生成し、メモリ電源ノードに印加されるメモリ電源電圧を生成する。いくつかの例では、電源回路は、相互接続電源ノードに印加される相互接続電源電圧を生成し、メモリ電源ノードに印加されるメモリ電源電圧がそれから生成される中間補助電源電圧を生成する。メモリ電源電圧は、構成可能な相互接続ネットワークを有する1つまたは複数のチップの各々上のまたは電源回路を有するチップ上の中間補助電源電圧から生成された調整電圧であり得る。第1の検出器回路が、たとえば、中間補助電源ノードおよび/またはメモリ電源ノードに接続され、中間補助および/またはメモリ電源ノード上の電源電圧の存在を検出するように構成される。第2の検出器回路が、相互接続電源ノードに接続され得、相互接続電源ノード上の相互接続電源電圧の存在を検出するように構成される。第1および第2の検出器回路は、それぞれの電源電圧がチップのトリップ電圧を上回るとき、それぞれの電源電圧を検出するように構成され得る。第1および第2の検出器回路は、それぞれ、中間補助および/またはメモリ電源電圧存在信号ならびに相互接続電源電圧存在信号を出力するように構成され得、中間補助および/またはメモリ電源電圧存在信号ならびに相互接続電源電圧存在信号は、それぞれの電源電圧がチップのトリップ電圧を下回るとき、論理低値であり得、それぞれの電源電圧がチップのトリップ電圧を上回るとき、論理高値であり得る。
【0015】
論理回路は、検出器回路の各々に接続され、電源電圧存在信号の各々を受信するように構成される。論理回路は、電源電圧存在信号のうちの1つまたは複数に基づいてプルアップ信号を生成するように構成される。たとえば、論理回路は、プルアップ信号を生成するために電源電圧存在信号のANDをとる(または類似の論理関数を実行する)ANDゲート(または類似の論理回路)を含むことができる。プルアップ信号は、ファブリックチップのプルアップノードに出力される。ファブリックチップのプルアップ回路は、プルアップ信号に基づいて、相互接続電源の電圧に、構成可能な相互接続ネットワークのノードのそれぞれの電圧をプルアップすることができる。
【0016】
以下で説明される例によって詳述されるように、プルアップ信号は、相補的相互接続パワーオンリセット信号によって実装され得、論理回路は、マルチチップデバイスのパワーダウンシーケンス中に動作させられ得る。パワーダウンシーケンス中に、プルアップ信号(たとえば、相補的相互接続パワーオンリセット信号)は、チップのうちのいずれかがチップのトリップ電圧に達したとき、(たとえば、ノードの電圧をプルアップすることによって)それぞれの構成可能な相互接続ネットワークのノードを整合させることができる。チップのうちのいずれかがトリップ電圧に達したときにノードを整合させることによって、構成可能な相互接続ネットワーク中の競合電流は、低減されるかまたは回避され得る。
【0017】
これらおよび他の例の態様が、以下で説明される。当業者が、本開示を読めば直ちに理解するように、追加のまたは他の利点が、様々な例によって達成され得る。以下で説明される例は、チップスタックのコンテキストにおいて説明される。各チップが、インターポーザにたとえばミニバンプによって接続される場合など、他の例が、任意のマルチチップデバイス中に実装され得る。追加として、態様は、様々な回路のコンテキストにおいて説明されるが、他の例が、いくつかの異なるプログラマブル回路(たとえば、異なるプログラマブル集積回路)とともにまたはいくつかの異なるプログラマブル回路中に実装され得る。本明細書で提供される例は、様々な態様の理解の明快のためのものであるにすぎない。
【0018】
様々な特徴が、図を参照しながら以下で説明される。図は、一定の縮尺で描かれることも描かれないこともあること、および類似の構造または機能の要素は、図全体にわたって同様の参照符号によって表されることに留意されたい。図は、特徴の説明を容易にするものであるにすぎないことに留意されたい。図は、請求される本発明の網羅的な説明として、または請求される本発明の範囲に対する限定として意図されない。加えて、図示されている例は、示されるすべての態様または優位性を有する必要はない。特定の例に関して説明される態様または優位性は、その例に必ずしも限定されるとは限らず、そのように図示されない場合、またはそのように明示的に説明されない場合でも、任意の他の例において実践され得る。さらに、本明細書で説明される方法は、動作の特定の順序で説明され得るが、他の例による他の方法が、より多いまたはより少ない動作を伴う(たとえば、様々な動作の異なる直列または並列実行を含む)様々な他の順序で実装され得る。
【0019】
図1は、いくつかの例による、マルチチップデバイスの構造である。
図1のマルチチップデバイスは、ベースチップ102とファブリックチップ104、106、108とを含むチップスタックを含む。様々な他のマルチチップデバイスは、異なる構造、異なる数のチップ、追加の構成要素などを有することができる。
図1中で、チップ102~108は、スタッキングされ、マルチチップデバイス中のチップスタックを形成する。チップ102~108は、いくつかの例では、アクティブダイオンアクティブダイ(AoA)デバイスを形成するためにスタッキングされる。いくつかの例では、以下で説明されるように、より多いまたはより少ないチップが、チップスタック中に含まれ得る。たとえば、ファブリックチップ104~108のうちの1つまたは複数は、チップスタックから削除されるか、またはチップスタック中に追加され得る。
【0020】
チップ102~108の各々は、それぞれの半導体基板112、114、116、118と、それぞれの半導体基板112~118の前面上のそれぞれの前面誘電体層122、124、126、128とを含む。前面誘電体層122~128は、集積回路中の様々な構成要素を電気的に接続することができる、前面誘電体層122~128中に形成された(図示されているが、具体的には番号付けされていない)メタライゼーション(たとえば、金属線および/またはビア)を含む。チップ102~106の各々は、それぞれの半導体基板112~116の裏面上の裏面誘電体層132、134、136を含む。裏面誘電体層132~136は、集積回路中の様々な構成要素を電気的に接続することができる、裏面誘電体層132~136中に形成された(図示されているが、具体的には番号付けされていない)メタライゼーション(たとえば、金属線および/またはビア)を含む。チップ102~108の各半導体基板112~118は、たとえば、それぞれの半導体基板112~118の前面表面上におよび/またはその前面表面中に形成されたトランジスタ142、144、146、148を含む。トランジスタ142~148および任意の他の構成要素は、前面誘電体層122~128中のメタライゼーションに接続され得る。それぞれのチップ102~106の各半導体基板112~116は、各半導体基板112~116を通る裏面基板貫通ビア(TSV)162、164、166を有し、裏面基板貫通ビア(TSV)162、164、166は、それぞれのチップ102~106の、前面誘電体層122~126中のメタライゼーションを裏面誘電体層132~136中のメタライゼーションに電気的に接続することができる。
【0021】
前面ボンドパッド152、154、156、158(たとえば、金属(たとえば、Cu)ボンドパッド)が、それぞれの半導体基板112~118から遠位にある外側表面においてチップ102~108のそれぞれの前面誘電体層122~128中に形成される。前面ボンドパッド152~158は、それぞれのチップ間インターフェースを形成する配列中にあり得る。前面ボンドパッド152~158は、それぞれの前面誘電体層122~128中のメタライゼーションに接続される。裏面ボンドパッド174、176(たとえば、金属(たとえば、Cu)ボンドパッド)は、それぞれの半導体基板114、116から遠位にある外側表面においてファブリックチップ104、106のそれぞれの裏面誘電体層134、136中に形成される。裏面ボンドパッド174、176は、それぞれのチップ間インターフェースを形成する配列中にあり得る。裏面ボンドパッド174、176は、それぞれの裏面誘電体層134、136中のメタライゼーションに接続される。
【0022】
外側コネクタ裏面パッド172(たとえば、金属(たとえば、アルミニウム)パッド)が、ベースチップ102の半導体基板112から遠位にある外側表面においてベースチップ102の裏面誘電体層132中に形成される。外側コネクタ裏面パッド172は、ベースチップ102の裏面誘電体層132中のメタライゼーションに接続される。パッシベーション層180は、ベースチップ102の半導体基板112から遠位にある外側表面上に形成され、外側コネクタ裏面パッド172を露出させるそれぞれの開口をもつ。外部コネクタ182(たとえば、制御崩壊チップ接続(C4)、ミニバンプなど)が、パッシベーション層180中の開口を通してそれぞれの外側コネクタ裏面パッド172上に形成される。
【0023】
外部コネクタ182は、パッケージ基板に取り付けられ得る。パッケージ基板は、たとえば、プリント回路板(PCB)にさらに取り付けられ、パッケージ基板(よって、マルチチップデバイス)をPCBに取り付け得る。様々な他の構成要素が、マルチチップデバイス中に含まれ得る。たとえば、インターポーザ、(成形コンパウンド(MUF)または同様のものなど)封入剤などが、マルチチップデバイス中に含まれ得る。当業者は、マルチチップデバイスに対して行われ得る様々な変更を直ちに想定するであろう。
【0024】
チップ102~108は、チップスタックを形成するために、ともに(たとえば、金属間および酸化物間接合を使用するハイブリッド接合によって)接合される。
図1を参照すると、ベースチップ102は、ベースチップ102の前面誘電体層122の前面ボンドパッド152および外側表面が、ファブリックチップ104の前面誘電体層124の前面ボンドパッド154および外側表面に接合されるように、前面間でファブリックチップ104に接合される。ファブリックチップ104は、ファブリックチップ104の裏面誘電体層134の裏面ボンドパッド174および外側表面が、ファブリックチップ106の前面誘電体層126の前面ボンドパッド156および外側表面に接合されるように、裏面前面間でファブリックチップ106に接合される。ファブリックチップ106は、ファブリックチップ106の裏面誘電体層136の裏面ボンドパッド176および外側表面が、ファブリックチップ108の前面誘電体層128の前面ボンドパッド158および外側表面に接合されるように、裏面前面間でファブリックチップ108に接合される。
【0025】
接合の他の配列が、実装され得る。前面裏面間、前面間、および裏面間接合の様々な置換が、実装され得る。他の例では、チップ102~108は、(ミニバンプ、はんだなど)外部コネクタを使用してともに取り付けられ得る。いくつかの例では、チップ102~108のうちのいくつかは、外部コネクタによってともに取り付けられ得、チップのうちの他のものは、外部コネクタの使用なしにともに接合され得る。接合および外部コネクタの使用の任意の置換が、実装され得る。
【0026】
チップ102~108は、いくつかの例では、異なるウェハ上におよび異なる処理によって製造される。たとえば、ベースチップ102は、複数の他のベースチップとともにベースウェハ上に製造され、各ファブリックチップ104~108は、他のファブリックチップとともにそれぞれのファブリックウェハ上に製造される。例として、ベースウェハは、ゲート誘電体中に含まれる厚い酸化物を有するデバイス(たとえば、トランジスタ)を用いて製造され得、ファブリックウェハは、ゲート誘電体中に含まれる薄い酸化物を有するデバイス(たとえば、トランジスタ)を用いて製造され得る。ベースウェハは、ベースチップ102が、ファブリックチップ104と整合し、ファブリックチップ104に接合されるように、第1のファブリックウェハに接合される。第1のファブリックウェハは、ファブリックチップ104が、ファブリックチップ106に接合されるように、第2のファブリックウェハに接合される。第2のファブリックウェハは、ファブリックチップ106が、ファブリックチップ108に接合されるように、第3のファブリックウェハに接合される。接合は、任意の適切な順序で実施され得る。
【0027】
チップ102~108は、異なる処理を受けるので、チップは、異なるプロセスコーナーにおいて特徴づけられ得る。たとえば、n型トランジスタおよびp型トランジスタの各強度は、所与のチップについて全体として、ファスト(F)、ティピカル(T)、およびスロー(S)と特徴づけられ得、したがって、各チップは、そのような強度によって特徴づけられ得る。例として、「FF」と特徴づけられたチップは、(全体として)n型およびp型トランジスタの両方がファストであるものであるか、または「TS」と特徴づけられたチップは、(全体として)n型トランジスタがティピカル(またはノミナル)であり、(全体として)p型トランジスタがスローであるものである。マルチチップデバイス中に内蔵された、異なるプロセスコーナーにおいて特徴づけられたチップは、以下でより詳細に説明されるように、競合電流を引き起こすことがある。
【0028】
図2は、いくつかの例による、
図1のマルチチップデバイスのチップスタックの集積回路(IC)を描く回路図のブロック図である。図示されている例では、マルチチップデバイスは、マルチチッププログラマブルデバイスである。チップ102~108のICの様々な構成要素が、
図1中に図示されており、
図1に関して説明された。チップ102~108の他の構成要素が、後続の図中に図示されており、それらの図に関して説明される。
【0029】
図示されている例では、ベースチップ102は、SoCであり得る、ベースチップ102上のベースICを含む。ファブリックチップ104~108は、各々、同じICである、プログラマブル論理(PL)IC220を含む。(たとえば、他のハードIPブロックをもつ)他のICが、チップ中に実装され得る。より一般的には、ファブリックチップ104~108は、PL IC220を有するものとして図示および説明されるが、他の例は、ファブリックチップ104~108に加えてまたはファブリックチップ104~108の代わりに異なる1つまたは複数のチップを実装することができ、ここで、そのような1つまたは複数のチップは、任意のプログラマブルICを有する。
【0030】
ベースチップ102上のベースICは、処理システム202、入力/出力回路(IO)204、IPコア回路206、ネットワークオンチップ(NoC)210、およびZインターフェース216を含む。処理システム202は、様々な異なるプロセッサタイプおよび数のプロセッサコアのうちのいずれかであり得、またはそのいずれかを含み得る。たとえば、処理システム202は、個々のプロセッサ、たとえば、プログラム命令コードを実行することが可能な単一のコアとして実装され得る。別の例では、処理システム202は、マルチコアプロセッサとして実装され得る。処理システム202は、様々な異なるタイプのアーキテクチャのうちのいずれかを使用して実装され得る。処理システム202を実装するために使用され得る例示的なアーキテクチャは、ARMプロセッサアーキテクチャ、x86プロセッサアーキテクチャ、グラフィックス処理ユニット(GPU)アーキテクチャ、モバイルプロセッサアーキテクチャ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)アーキテクチャ(たとえば、RISC-V)、またはコンピュータ可読プログラム命令コードを実行することが可能である他の好適なアーキテクチャを含み得る。
【0031】
入力/出力回路204は、極度性能入力/出力(XPIO:eXtreme Performance Input/Output)、マルチギガビットトランシーバ(MGT)、高帯域幅メモリ(HBM)インターフェース、アナログデジタル変換器(ADC)、デジタルアナログ変換器(DAC)、または任意の他の入出力ブロックを含むことができる。入力/出力回路204は、マルチチップデバイスの外の回路からおよび/またはその回路に信号を受信および/または送信するように構成され得る。IPコア回路206は、(ダブルデータレート(DDR)メモリコントローラ、高帯域幅メモリ(HBM)メモリコントローラ、または同様のものなど)メモリコントローラ、周辺構成要素相互接続エクスプレス(PCIe)インターフェース、アクセラレータ用キャッシュコヒーレント相互接続(CCIX)インターフェース、(メディアアドレスコントローラ(MAC)または同様のものなど)イーサネットコア、前方誤り訂正(FEC)ブロック、および/または任意の他の硬化回路を含むことができる。入力/出力回路204および/またはIPコア回路206のうちのいずれかは、プログラマブルであり得る。
【0032】
NoC210は、プログラマブルネットワーク212およびNoC周辺機器相互接続(NPI)214を含む。プログラマブルネットワーク212は、ベースチップ102上のベースICのサブシステムおよび任意の他の回路を通信可能にともに結合する。プログラマブルネットワーク212は、NoCパケット交換機と、NoCパケット交換機を接続する相互接続線とを含む。各NoCパケット交換機は、プログラマブルネットワーク212においてNoCパケットの交換を実施する。プログラマブルネットワーク212は、プログラマブルネットワーク212のエッジにおいてインターフェース回路を有する。インターフェース回路は、NoCマスタユニット(NMU)およびNoCスレーブユニット(NSU)を含む。各NMUは、プログラマブルネットワーク212にマスタ回路を接続する入口回路であり、各NSUは、スレーブエンドポイント回路にプログラマブルネットワーク212を接続する出口回路である。NMUは、プログラマブルネットワーク212のNoCパケット交換機および相互接続線を介してNSUに通信可能に結合される。NoCパケット交換機は、プログラマブルネットワーク212において複数の物理チャネルを実装するために、相互接続線を通して互いにならびにNMUおよびNSUに接続される。NoCパケット交換機、NMU、およびNSUは、それぞれのNoCパケット交換機、NMU、またはNSUの動作を決定するレジスタブロックを含む。
【0033】
NPI214は、NMU、NSU、およびNoCパケット交換機の機能性を決定するレジスタブロックに書き込むための回路類を含む。NPI214は、機能性を設定するためのNPI214のプログラミングのためのレジスタブロックに結合された周辺相互接続を含む。プログラマブルネットワーク212のNMU、NSU、およびNoCパケット交換機中のレジスタブロックは、割込み、サービス品質(QoS)、エラー処理および報告、トランザクション制御、電力管理、ならびにアドレスマッピング制御をサポートする。NPI214は、処理システム202上に存在するNPIルートノード(たとえば、処理システム202のプラットフォーム管理コントローラ(PMC))と、NPIルートノードに接続された相互接続されたNPIスイッチと、相互接続されたNPIスイッチおよび対応するレジスタブロックに接続されたプロトコルブロックとを含むことができる。NPI214は、ベースチップ102上のベースICの任意のプログラマブル回路をプログラムするために使用され得る。たとえば、NPI214は、プログラマブルである入力/出力回路204および/またはIPコア回路206をプログラムするために使用され得る。
【0034】
Zインターフェース216は、受動相互接続であり得るか、または信号を駆動するためのバッファなど、能動回路を含むことができる。Zインターフェース216は、ベースチップ102の上にあるチップへの、処理システム202、入力/出力回路204、IPコア回路206、およびNoC210のプログラマブルネットワーク212のための、メタライゼーション層中のビア金属線およびビアを含む、インターフェースを提供する。
【0035】
ベースチップ102上のベースICの様々なサブシステムおよび回路は、通信可能に結合され得る。図示されているように、処理システム202、入力/出力回路204、およびIPコア回路206は、NoC210に(たとえば、プログラマブルネットワーク212に)接続され、よって、互いに通信可能に結合される。処理システム202は、ベースチップ102上の様々なプログラマブル構成要素に構成データを通信するためのNPI214にさらに接続される。処理システム202は、ベースチップ102の上にあるチップに構成データを通信するためのNoC210のプログラマブルネットワーク212にさらに接続される。NoC210のプログラマブルネットワーク212は、トランザクションデータおよび構成データなど、データが、別のチップにZインターフェース216を通して通信され得るように、Zインターフェース216に接続される。処理システム202、入力/出力回路204、およびIPコア回路206の各々は、たとえば、上にあるファブリックチップ104~108中のPL IC220中のプログラマブル論理との直接通信のためにZインターフェース216に接続される。様々なサブシステムと回路との間の、直接接続など、他の通信機構が実装され得る。
【0036】
ファブリックチップ104~108の各々上のPL IC220は、1つまたは複数のプログラマブル論理領域を含む。プログラマブル論理領域は、指定された機能を実施するようにプログラムされ得る論理回路類である。プログラマブル論理領域は、任意の数または配列のプログラマブルタイルを含むことができる。例として、プログラマブル論理領域は、FPGAのファブリックとして実装され得る。たとえば、プログラマブル論理領域は、任意の数の構成可能な論理ブロック(CLB)、ルックアップテーブル(LUT)、デジタル信号処理ブロック(DSP)、ランダムアクセスメモリブロック(BRAM)などを含むことができる。プログラマブルタイル(たとえば、CLB、LUT、DSP、BRAMなど)の各々は、1つまたは複数のプログラマブル相互接続要素を含むことができる。様々なそれぞれのタイプのプログラマブルタイルは、行および/または列中に配列され得、関連するプログラマブル相互接続要素は、たとえば、同じ列および行中の隣接するプログラマブル論理要素に接続され得る。プログラマブル相互接続要素は、プログラマブル論理領域の構成可能な相互接続ネットワークを形成するために相互接続され得る。任意の論理および接続が、プログラマブル論理領域のプログラマブルタイルのうちのいずれかをプログラムまたは構成することによって、プログラマブル論理領域によって実装され得る。
【0037】
各PL IC220は、構成フレーム(CFRAME)ドライバを含む構成相互接続をも含むことができる。CFRAMEドライバは、プログラマブル論理を構成するために(ビットストリームなど)構成データを通信するための制御論理であるか、またはその制御論理を含み得る。各プログラマブル論理領域は、Zインターフェース216を介して受信された構成データによって構成可能またはプログラム可能である。たとえば、処理システム202(たとえば、処理システム202のPMC)は、それぞれのPL IC 220にNoC210のプログラマブルネットワーク212およびZインターフェース216を介して構成データを送信することができる。いくつかの例では、(たとえば、CFRAMEドライバを含む)構成相互接続は、適切なプログラマブルタイルに構成データを導くことができ、そのようなプログラマブルタイルを構成することを制御することができる。
【0038】
PL IC220および/またはファブリックチップ104~108は、下にあるチップと上にあるチップとの間で信号を送信するための通信経路を含むことができる。たとえば、通信経路は、所与のチップを通るメタライゼーションおよびTSVなど、受動通信経路であり得る。いくつかの例では、バッファまたはドライバなど、能動回路類が、通信経路中に含まれ得る。いくつかの例では、能動回路類は、トライステートバッファによってなど、たとえば、信号の通信の指向性を構成するためにプログラム可能であり得る。
【0039】
以下で説明される様々な回路において、参照識別子は、ノードおよび/またはそのノード上の信号に対してなされ得る。当業者は、参照識別子のそのような互換性を直ちに理解し、そのような参照識別子がノードを指すのか信号を指すのかをコンテキストから理解するであろう。追加として、低信号または高信号への言及は、それぞれ、論理低値または論理高値を有する信号を指す。
【0040】
図3は、いくつかの例による、(たとえば、PL IC220の各々のための)構成可能な相互接続ネットワークの構成可能な相互接続要素の簡略化された回路図である。構成可能な相互接続ネットワークは、FPGA、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、または同様のものなど、プログラマブル回路であるかまたはプログラマブル回路中に含まれ得る。構成可能な相互接続ネットワークは、FPGAであるかまたはFPGAを含み得る、上記で説明されたPL IC220の一部であるとして説明される。
図3は、第1の相互接続ノード302-1、第2の相互接続ノード302-2、およびマルチプレクサノード304を示す。第1の相互接続ノード302-1および第2の相互接続ノード302-2内の回路は、概して同じであり、よって、ジェネリック相互接続ノードが、ここでは説明される。図示中の(または以下で説明される)総称的に説明されるが、参照符号に付加された「-1」を有する構成要素は、第1の相互接続ノード302-1のためのものであり、図示中の(または以下で説明される)参照符号に付加された「-2」を有する構成要素は、第2の相互接続ノード302-2のためのものである。第1の相互接続ノード302-1および第2の相互接続ノード302-2は、相互接続ノード302と、個々にまたはまとめてのいずれかで、総称的に呼ばれる。
【0041】
相互接続ノード302は、トランスミッションゲート312、314、316、318を含む。各トランスミッションゲート312~318は、並列接続されたn型トランジスタおよびp型トランジスタを含む。各トランスミッションゲート312~318は、連結ノード310に接続された入力/出力ノードを有する。各トランスミッションゲート312~316は、別の(たとえば、隣接する)相互接続ノード302またはマルチプレクサノード304のノードに接続された別の入力/出力ノードをさらに有する。トランスミッションゲート318は、構成可能な論理要素(CLE)、BRAM論理要素(BRL)、DSP論理要素(DSPL)、または入力/出力論理要素(IOL)など、プログラマブル論理要素の論理ノードLOGICに接続された別の入力/出力ノードを有する。トランスミッションゲート312~318の各々のゲートは、相互接続ノード302のそれぞれの構成スタティックランダムアクセスメモリ(CRAM)セルの相補的記憶ノードに接続される。トランスミッションゲート312のn型トランジスタのゲートは、CRAMセルC0の記憶ノードQ0に接続され、トランスミッションゲート312のp型トランジスタのゲートは、CRAMセルC0の相補的記憶ノードQ0Bに接続される。トランスミッションゲート314のn型トランジスタのゲートは、CRAMセルC1の記憶ノードQ1に接続され、トランスミッションゲート314のp型トランジスタのゲートは、CRAMセルC1の相補的記憶ノードQ1Bに接続される。トランスミッションゲート316のn型トランジスタのゲートは、CRAMセルC2の記憶ノードQ2に接続され、トランスミッションゲート316のp型トランジスタのゲートは、CRAMセルC2の相補的記憶ノードQ2Bに接続される。トランスミッションゲート318のn型トランジスタのゲートは、CRAMセルC3の記憶ノードQ3に接続され、トランスミッションゲート318のp型トランジスタのゲートは、CRAMセルC3の相補的記憶ノードQ3Bに接続される。
【0042】
マルチプレクサノード304は、トランスミッションゲート322、324、326、328と、p型トランジスタ330、340、342、344、346と、インバータ350、352とを含む。各トランスミッションゲート312~318は、並列接続されたn型トランジスタおよびp型トランジスタを含む。各トランスミッションゲート322~328は、連結ノード320に接続された入力/出力ノードを有する。各トランスミッションゲート322~328は、別の(たとえば、隣接する)相互接続ノード302またはマルチプレクサノード304のノードに接続された別の入力/出力ノードをさらに有する。トランスミッションゲート322~328の各々のゲートは、マルチプレクサノード304のそれぞれのCRAMセルの相補的記憶ノードに接続される。トランスミッションゲート322のn型トランジスタのゲートは、CRAMセルC0の記憶ノードQ0に接続され、トランスミッションゲート322のp型トランジスタのゲートは、CRAMセルC0の相補的記憶ノードQ0Bに接続される。トランスミッションゲート324のn型トランジスタのゲートは、CRAMセルC1の記憶ノードQ1に接続され、トランスミッションゲート324のp型トランジスタのゲートは、CRAMセルC1の相補的記憶ノードQ1Bに接続される。トランスミッションゲート326のn型トランジスタのゲートは、CRAMセルC2の記憶ノードQ2に接続され、トランスミッションゲート326のp型トランジスタのゲートは、CRAMセルC2の相補的記憶ノードQ2Bに接続される。トランスミッションゲート328のn型トランジスタのゲートは、CRAMセルC3の記憶ノードQ3に接続され、トランスミッションゲート328のp型トランジスタのゲートは、CRAMセルC3の相補的記憶ノードQ3Bに接続される。
【0043】
p型トランジスタ330のソースは、相互接続電源ノードVCC_INTに接続され、p型トランジスタ330のドレインは、連結ノード320に接続される。p型トランジスタ330のゲートは、相補的相互接続パワーオンリセットノードPOR_INT_Bに接続される。p型トランジスタ340~346は、直列に接続される。p型トランジスタ340のソースは、相互接続電源ノードVCC_INTに接続される。p型トランジスタ340のドレインは、p型トランジスタ342のソースに接続される。p型トランジスタ342のドレインは、p型トランジスタ344のソースに接続される。p型トランジスタ344のドレインは、p型トランジスタ346のソースに接続される。p型トランジスタ346のドレインは、連結ノード320に接続される。p型トランジスタ340~346のそれぞれのゲートは、マルチプレクサノード304のCRAMセルC0~C3の相補的記憶ノードQ0B~Q3Bに接続される。インバータ350、352は、直列に接続される。インバータ350の入力ノードは、連結ノード320に接続され、インバータ350の出力ノードは、インバータ352の入力ノードに接続される。
【0044】
相互接続ノード302およびマルチプレクサノード304は、本明細書の例の態様を図示するために示されている。多くの相互接続ノード302は、概してPL ICの構成可能な相互接続ネットワーク中に含まれる。第1の相互接続ノード302-1の連結ノード310-1と、第2の相互接続ノード302-2のトランスミッションゲート316-2の入力/出力ノードとの間の接続は、隣接する相互接続ノード302の間に実装され得る多くの接続の例示である。いくつかのマルチプレクサノード304が、構成可能な相互接続ネットワークにおいて相互接続ノード302内でインターリーブされ得る。マルチプレクサノード304は、第2の相互接続ノード302-2の連結ノード310-2とトランスミッションゲート328の入力/出力ノードとの間の接続によって示されているように、隣接する相互接続ノード302に接続され得る。さらに、マルチプレクサノード304は、マルチプレクサノード304のインバータ352の出力ノードと、第2の相互接続ノード302-2のトランスミッションゲート314-2の入力/出力ノードとの間の接続によって示されているように、相互接続ノード302にフィードバックを提供するために接続され得る。様々な相互接続ノード302およびマルチプレクサノード304の多くの詳細が、簡潔および明快のために省略されている。
【0045】
図4は、例示的なCRAMセル400を図示する。CRAMセル400は、相互接続ノード302およびマルチプレクサノード304のCRAMセルの例示である。CRAMセル400は、クロスカップルドインバータ410、412とパスゲートトランジスタ414、416とを含む。インバータ410の入力ノードおよびインバータ412の出力ノードは、ともに接続され、記憶ノードQXを形成する。インバータ410の出力ノードおよびインバータ412の入力ノードは、ともに接続され、相補的記憶ノードQXBを形成する。インバータ410、412は、電力のためにCRAM電源ノードVCC_RAMに接続される。
【0046】
パスゲートトランジスタ414のソース/ドレインは、データラインノードDXに接続され、パスゲートトランジスタ414の別のソース/ドレインは、記憶ノードQXに接続される。パスゲートトランジスタ416のソース/ドレインは、相補的データラインノードDXBに接続され、パスゲートトランジスタ416の別のソース/ドレインは、相補的記憶ノードQXBに接続される。パスゲートトランジスタ414、416のゲートは、アドレスノードAに接続される。
【0047】
相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bは、(たとえば、電力管理モジュール(PMM)によって)ベースチップ102上で生成され得る。この相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bは、次いで、ベースチップ102からファブリックチップ104~108に伝搬され、構成可能な相互接続ネットワークにおいてマルチプレクサノード304の相補的相互接続パワーオンリセットノードPOR_INT_Bに配信される。相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bは、相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bが、パワーアップおよびパワーダウンシーケンス中に低であるとき、(フィードバックによって)連結ノード310および320が、相互接続電源電圧VCC_INTにプルアップされることを引き起こすことができる。たとえば、低相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bは、p型トランジスタ330が、連結ノード320が相互接続電源電圧VCC_INTにプルアップされるように、閉じられるかまたは導通状態になることを引き起こすことができ、相互接続電源電圧VCC_INTは、インバータ350、352を介して他の連結ノード310にフィードバックされ得る。それゆえに、p型トランジスタ330は、プルアップ回路と呼ばれることがある。他のプルアップ回路が、実装され得る。
【0048】
相互接続電源電圧VCC_INTに連結ノード310、320をプルアップすることによって、コネクティングトランスミッションゲートを通る高い競合電流を引き起こすことがある、連結ノード310、320の間の電圧低下は、低減または解消され得る。たとえば、相互接続電源電圧VCC_INTに連結ノード310、320をプルアップしない場合、競合電流は、(i)相互接続ノード302がそれらに接続された論理ノードLOGICが、異なる電圧にあるとき、および(ii)トランスミッションゲートのp型トランジスタが導通状態になるほど十分に相補的記憶ノードQXBの信号が低くなるように、CRAM電源ノードVCC_RAMが、それぞれのチップのトリップ電圧を下回ってパワーダウンシーケンス中に低下するとき、起こることがある。
【0049】
相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bが、ベースチップ102上で検出されたコンディションのみに基づいて生成される場合、いくつかの状況では、相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bは、連結ノード310、320が相互接続電源電圧VCC_INTにプルアップされるべきであるときに低くないことがある。概して、これは、ベースチップ102が、ファブリックチップ104~108のうちのいずれよりも速いプロセスコーナーにおいて特徴づけられたとき、起こり得る。
【0050】
図5および
図6は、ベースチップおよび任意のファブリックチップが、異なるプロセスコーナーにおいて特徴づけられたときの信号およびタイミングを図示するチャートである。
図5中で、ベースチップは、スロースロー(SS)と特徴づけられ、ファブリックチップは、ファストファスト(FF)と特徴づけられる。
図6中で、ベースチップは、ファストファスト(FF)と特徴づけられ、ファブリックチップは、スロースロー(SS)と特徴づけられる。これらの例では、パワーオンリセット信号PORおよび相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bは、ベースチップ上で検出されたコンディションのみに基づいて生成される。
【0051】
図5および
図6は両方とも、パワーアップシーケンス中に上昇し、パワーダウンシーケンス中に降下する電源電圧VCCを図示する。電源電圧VCCが、パワーアップ中に上昇するにつれて、電源電圧VCCは、時間T1においてファストトリップ電圧VTRIPF(たとえば、0.25V)を受け渡し、その後、時間T2においてスロートリップ電圧VTRIPS(たとえば、0.53V)を受け渡す。電源電圧VCCが、パワーダウン中に降下するにつれて、電源電圧VCCは、時間T3においてスロートリップ電圧VTRIPSを受け渡し、その後、時間T4においてファストトリップ電圧VTRIPFを受け渡す。概して、ファストと分類されたチップのトランジスタは、スローと分類されたチップのトランジスタよりも低いしきい値電圧v
tを有する。それゆえに、ファストと分類されたチップは、パワーアップ時により低い電圧において動作可能になるためにトリップオンし、パワーダウン時により低い電圧においてトリップオフすることになる。逆に、スローと分類されたチップは、パワーアップ時により高いにおいて動作可能になるためにトリップオンし、パワーダウン時により高い電圧においてトリップオフすることになる。
【0052】
図5および
図6は、ベースチップが、それぞれ、スロースロー(SS)およびファストファスト(FF)と特徴づけられたときの、パワーアップおよびパワーダウンシーケンス中の、ベースチップジェネリック電源電圧存在信号BAS_VCC_X_PRESを示す。ベースチップジェネリック電源電圧存在信号BAS_VCC_X_PRESは、ベースチップ上のいかなる電源電圧に対してもジェネリックであり、概して、パワーアップおよびパワーダウンシーケンスの態様を図示するために使用される。
図5中で、ベースチップジェネリック電源電圧存在信号BAS_VCC_X_PRESは、電源電圧VCCが、時間T2においてパワーアップ中にベースチップをトリップオンするのに十分に高いことを指し示し、電源電圧VCCが、時間T3においてパワーダウン中にベースチップをトリップオフするのに十分に低いことを指し示す。
図5中のベースチップは、ベースチップが、スロースローと特徴づけられたので、より高いスロートリップ電圧VTRIPSにおいてトリップオン/オフする。
図6中で、ベースチップジェネリック電源電圧存在信号BAS_VCC_X_PRESは、電源電圧VCCが、時間T1においてパワーアップ中にベースチップをトリップオンするのに十分に高いことを指し示し、電源電圧VCCが、時間T4においてパワーダウン中にベースチップをトリップオフするのに十分に低いことを指し示す。
図6中のベースチップは、ベースチップが、ファストファストと特徴づけられたので、より低いファストトリップ電圧VTRIPFにおいてトリップオン/オフする。
【0053】
図5および
図6は、ファブリックチップが、それぞれ、ファストファスト(FF)およびスロースロー(SS)と特徴づけられたときの、パワーアップおよびパワーダウンシーケンス中の、ファブリックチップジェネリック電源電圧存在信号FAB_VCC_X_PRESを示す。ファブリックチップジェネリック電源電圧存在信号FAB_VCC_X_PRESは、ファブリックチップ上のいかなる電源電圧に対してもジェネリックであり、概して、パワーアップおよびパワーダウンシーケンスの態様を図示するために使用される。
図5中で、ファブリックチップジェネリック電源電圧存在信号FAB_VCC_X_PRESは、電源電圧VCCが、時間T1においてパワーアップ中にファブリックチップをトリップオンするのに十分に高いことを指し示し、電源電圧VCCが、時間T4においてパワーダウン中にファブリックチップをトリップオフするのに十分に低いことを指し示す。
図5中のファブリックチップは、ファブリックチップが、ファストファストと特徴づけられたので、より低いファストトリップ電圧VTRIPFにおいてトリップオン/オフする。
図6中で、ファブリックチップジェネリック電源電圧存在信号FAB_VCC_X_PRESは、電源電圧VCCが、時間T2においてパワーアップ中にファブリックチップをトリップオンするのに十分に高いことを指し示し、電源電圧VCCが、時間T3においてパワーダウン中にファブリックチップをトリップオフするのに十分に低いことを指し示す。
図6中のファブリックチップは、ファブリックチップが、スロースローと特徴づけられたので、より高いスロートリップ電圧VTRIPSにおいてトリップオン/オフする。
【0054】
図5および
図6は、パワーオンリセット信号PORをも示す。パワーオンリセット信号PORは、これらの図中では、ベースチップにおいてのみ検出および/または生成される。パワーオンリセット信号PORは、概して、電源電圧VCCが、パワーオンリセット信号PORがその点において低であるベースチップのトリップ電圧を上回るまで、電源電圧VCCを追尾する。
図5中に示されているように、パワーオンリセット信号PORは、ベースチップが、(ベースチップジェネリック電源電圧存在信号BAS_VCC_X_PRESによって指し示されているように)トリップオンする時間T2まで、電源電圧VCCを追尾し、時間T2から時間T3まで低のままであり、時間T3において、ベースチップが、(ベースチップジェネリック電源電圧存在信号BAS_VCC_X_PRESによって指し示されているように)トリップオフしたとき、電源電圧VCCを追尾するために遷移する。
図6中に示されているように、パワーオンリセット信号PORは、ベースチップが、(ベースチップジェネリック電源電圧存在信号BAS_VCC_X_PRESによって指し示されているように)トリップオンする時間T1まで、電源電圧VCCを追尾し、時間T1から時間T4まで低のままであり、時間T4において、ベースチップが、(ベースチップジェネリック電源電圧存在信号BAS_VCC_X_PRESによって指し示されているように)トリップオフしたとき、電源電圧VCCを追尾するために遷移する。
【0055】
図5および
図6は、相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bをさらに示す。パワーアップシーケンス中に、相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bは、異なる電力ドメインを電源電圧に立ち上げるシーケンスを制御する、状態機械の指定されたシーケンシングに基づいて生成される。相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bは、概して、このパワーアップシーケンス中に低である。相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bが、
図3中の相補的相互接続パワーオンリセットノードPOR_INT_Bにおいて提供されると仮定すると、相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bが低であるとき、構成可能な相互接続ネットワーク中の連結ノード310、320は、相互接続電源ノードVCC_INTの電圧にプルアップされる。パワーアップシーケンスの終結において、相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bは、リリースされ、(時間T2と時間T3との間で)高に遷移する。概して、パワーアップシーケンスのタイミングは、時間T2と時間T3との間で相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bの遷移のタイミングを規定することができる。
【0056】
図5および
図6中で、パワーダウンシーケンス中に、相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bは、ベースチップジェネリック電源電圧存在信号BAS_VCC_X_PRESを追尾する。それゆえに、
図5中で、相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bは、(たとえば、ベースチップが、パワーダウン中にトリップオフする)時間T3において低に遷移し、
図6中で、相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bは、(たとえば、ベースチップが、パワーダウン中にトリップオフする)時間T4において低に遷移する。
【0057】
図5によって提示されている状況では、構成可能な相互接続ネットワーク中の高い競合電流は、起こらないことがある。パワリングダウンの直前に、構成可能な相互接続ネットワークは、競合電流が、構成可能な相互接続ネットワーク中に存在することなしに、(たとえば、ユーザ設計に従って)動作可能であるように構成されると仮定されることに留意されたい。ファブリックチップは、ファストファストと特徴づけられ、ファブリックチップのトランジスタは、概して、より低いしきい値電圧を有するので、相互接続チップは、ベースチップが、低相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bをその点において生成する時間T3の後、相互接続チップの動作可能なステータスおよび構成を保持することができる。
図5中の時間T3における低相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bは、構成可能な相互接続ネットワーク中の連結ノード310、320が、トランジスタ330およびフィードバックによって相互接続電源ノードVCC_INTの電圧にプルアップされることを引き起こし、これは、異なる連結ノード310、320の間の電圧低下を防止または低減する。異なる連結ノード310、320の間の電圧低下が低減されるかまたはない場合、それらの連結ノードの間に接続されたトランスミッションゲートを通る高い競合電流は、回避され得る。
【0058】
図6によって提示されている状況では、構成可能な相互接続ネットワーク中の高い競合電流は、起こり得る。この状況では、ファブリックチップの構成可能な相互接続ネットワークは、相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bが、低に遷移する前に、構成可能な相互接続ネットワークの構成を失うことがある。ベースチップは、ファストファストと特徴づけられ、ベースチップのトランジスタは、概して、より低いしきい値電圧を有するので、ベースチップは、電源電圧VCCが、時間T4においてより低いファストトリップ電圧VTRIPFになるまで、相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bを低に遷移させない。しかしながら、ファブリックチップは、スロースローと特徴づけられ、ファブリックチップのトランジスタは、概して、より高いしきい値電圧を有するので、CRAMセルの相補的記憶ノードQX、QXB上の信号は、時間T3においておよび時間T3の後、対応するトランスミッションゲートのトランジスタのしきい値電圧を下回る電圧レベルに降下し得る(よって、ファブリックチップは、ファブリックチップジェネリック電源電圧存在信号FAB_VCC_X_PRESによって指し示されているように、時間T3においてトリップオフする)。相補的記憶ノードQX、QXB上の信号が、トランスミッションゲートのトランジスタのしきい値電圧を下回る電圧レベルに降下したとき、トランスミッションゲートのp型トランジスタは、導通状態にあり得る。相互接続ノード302のトランスミッションゲート318に接続された論理ノードLOGICにおける電圧が、(たとえば、プログラマブル論理要素の先行する構成からの永続的電圧により)異なる場合、電圧低下は、1つまたは複数のトランスミッションゲートがそれらの間に接続されたノードの間に存在し得る。電圧低下は、介在するトランスミッションゲートを通って流れる高い競合電流を生じることがあり、これは、それらのトランスミッションゲートを焼き尽くし、ファブリックチップに損傷を与えることがある。この競合電流が起こる可能性は、相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bが高である時間T3と、相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bが低に遷移し、連結ノード310、310がp型トランジスタ330によってプルアップされる時間T4との間に存在する。
【0059】
図7は、いくつかの例による、
図2のマルチチップデバイスのチップスタックのICの追加の詳細を描く回路図のブロック図である。ベースチップ102は、電力管理モジュール(PMM)502を含む。PMM502は、いくつかの例では処理システム202中に含まれ得、他の例では処理システムの外にあり得る。PMM502は、検出器回路504、論理回路506、および電源回路508を含む。ファブリックチップ104~108のPL IC220は、各々、検出器回路504ならびに相互接続ネットワークおよびプログラマブル論理(INT/PL)510(たとえば、ファブリック)を含む。
【0060】
電源回路508は、チップ102~108に電力を出力するように構成される。電源回路508は、チップスタックの1つまたは複数の電力ドメインの電源電圧を生成および調整するようにさらに構成される。電源回路508は、様々なチップ102~108中の金属層および/またはTSVを通してチップスタック全体にわたってその電力を分配する。
図7は、電源回路508が、第1の電源ノード520および第2の電源ノード522を介して、ファブリックチップ104~108のINT/PL510とPMM502中の検出器回路504とに接続されることを示す。いくつかの例では、電源回路508は、第1の電源ノード520上の相互接続電源電圧VCC_INTおよび第2の電源ノード522上のCRAM電源電圧VCC_RAMを分配することができる。そのような例では、第1の電源ノード520は、相互接続電源ノードVCC_INTであり得、第2の電源ノード522は、CRAM電源ノードVCC_RAMであり得る。他の例では、電源回路508は、第1の電源ノード520上の相互接続電源電圧VCC_INTおよび第2の電源ノード522上の補助電源電圧VCC_AUXを分配することができる。そのような例では、第1の電源ノード520は、相互接続電源ノードVCC_INTであり得、第2の電源ノード522は、補助電源ノードVCC_AUXであり得る。ファブリックチップ104~108の各々は、補助電源電圧VCC_AUXから調整CRAM電源電圧VCC_RAMを生成し、それぞれのファブリックチップ104~108上のCRAM電源ノードVCC_RAM上のCRAM電源電圧VCC_RAMを分配するための、電力変換回路を含むことができる。パワーアップされ、動作可能なとき、CRAM電源電圧VCC_RAMは、相互接続電源電圧VCC_INTおよび/または補助電源電圧VCC_AUXよりも大きくなり得る。相互接続電源ノードVCC_INTおよびCRAM電源ノードVCC_RAMは、
図3および
図4中に示されているようになど、INT/PL510の構成可能な相互接続ネットワークに接続される。
【0061】
各ファブリックチップ104~108上の検出器回路504は、相互接続電源電圧VCC_INTおよびCRAM電源電圧VCC_RAMが、それぞれのファブリックチップ104~108が動作可能であるほど十分に高くなったときを検出するために、そのそれぞれのチップ102~108上の相互接続電源ノードVCC_INTおよびCRAM電源ノードVCC_RAMに接続される。ベースチップ102上の検出器回路504は、第1の電源ノード520(たとえば、相互接続電源ノードVCC_INT)および第2の電源ノード522(たとえば、CRAM電源ノードVCC_RAMまたは補助電源ノードVCC_AUX)に接続される。検出器回路504は、それぞれのチップ102~108が、トリップオンし、トリップオフしたときを検出する。ベースチップ102の検出器回路504は、第1の電源電圧存在ノードVCC_X_PRES530および第2の電源電圧存在ノードVCC_X_PRES532を介して、論理回路506に接続される。ファブリックチップ104~108の各検出器回路504は、それぞれの相互接続電源電圧存在ノードVCC_INT_PRES534-1、534-2、534-3およびそれぞれのCRAM電源電圧存在ノードVCC_RAM_PRES536-1、536-2、536-3を介して、PMM502の論理回路506に接続される。ベースチップ102の検出器回路504は、それぞれ、第1の電源電圧存在ノードVCC_X_PRES530および第2の電源電圧存在ノードVCC_X_PRES532上のそれぞれの第1の電源電圧存在信号VCC_X_PRESおよび第2の電源電圧存在信号VCC_X_PRESを出力する。ファブリックチップ104~108の各検出器回路504は、それぞれ、相互接続電源電圧存在ノードVCC_INT_PRES534-1、534-2、534-3およびCRAM電源電圧存在ノードVCC_RAM_PRES536-1、536-2、536-3上のそれぞれの相互接続電源電圧存在信号VCC_INT_PRESおよびCRAM電源電圧存在信号VCC_RAM_PRESを出力する。
【0062】
論理回路506は、各電源電圧存在ノード530、532、534、536に接続される。論理回路506は、グローバルパワーオンリセット信号PORを生成するために、チップ102~108上で生成された電源電圧存在信号VCC_X_PRES、VCC_INT_PRES、VCC_RAM_PRESのNANDをとるための、NANDゲートまたは類似の論理回路を含むことができる。グローバルパワーオンリセット信号PORは、ファブリックチップ104~108の各INT/PL510に接続された、グローバルパワーオンリセットノードPOR540上の論理回路506によって出力される。論理回路506は、パワーアップシーケンスおよび/またはパワーダウンシーケンスを実装するように構成された論理状態機械をさらに含むことができる。パワーアップシーケンスにおいて、論理状態機械は、グローバルパワーオンリセット信号PORおよび状態機械のコンディションに基づいてグローバル相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bを生成することができる。パワーダウンシーケンスにおいて、論理状態機械は、グローバルパワーオンリセット信号PORを反転させることによって、グローバル相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bを生成することができる。いくつかの例では、論理回路は、グローバル相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bを生成するために、チップ102~108上で生成された電源電圧存在信号VCC_X_PRES、VCC_INT_PRES、VCC_RAM_PRESの論理積をとるための、ANDゲートまたは類似の論理回路を含むことができる。グローバル相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bは、ファブリックチップ104~108の各INT/PL510に接続された、グローバル相補的相互接続パワーオンリセットノードPOR_INT_B542上の論理回路506によって出力される。相補的相互接続パワーオンリセットノードPOR_INT_B542は、INT/PL510の構成可能な相互接続ネットワーク中のマルチプレクサノード304中のp型トランジスタ330のゲートに接続される。よって、構成可能な相互接続ネットワークのプルアップ回路は、グローバル相補的相互接続パワーオンリセットノードPOR_INT_B542上の相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bに応答して、連結ノード310、320の電圧をプルアップすることができる。
【0063】
図8は、いくつかの例による、
図7の回路図のコンテキストにおける、ベースチップおよびファブリックチップがファストファスト(FF)およびスロースロー(SS)と特徴づけられたときの信号およびタイミングを図示するチャートである。
図8のチャートにおいて、ファブリックチップジェネリック電源電圧存在信号FAB_VCC_X_PRESは、任意のファブリックチップ104~108によって生成された、相互接続電源電圧存在信号VCC_INT_PRESおよび/またはCRAM電源電圧存在信号VCC_RAM_PRESのうちのいずれかの例示であり、ベースチップジェネリック電源電圧存在信号BAS_VCC_X_PRESは、ベースチップ102によって生成された第1および第2の電源電圧存在信号VCC_X_PRESのうちのいずれかの例示である。
図8中に示されているように、パワーダウンシーケンスにおいて、グローバルパワーオンリセット信号PORは、スロートリップ電圧VTRIPSにおいてトリップするファブリックチップジェネリック電源電圧存在信号FAB_VCC_X_PRESによって図示されているファブリックチップである、最スローチップと整合された遷移を有する。パワーオンリセット信号PORは、最スローチップにパワーオンリセット信号PORを整合させるために、ファブリックチップジェネリック電源電圧存在信号FAB_VCC_X_PRESとベースチップジェネリック電源電圧存在信号BAS_VCC_X_PRESとのNANDをとることによって生成される。さらに、パワーダウンシーケンスにおいて、グローバル相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bは、最スローチップと整合された遷移を有する。グローバル相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bは、パワーダウンシーケンス中に、グローバルパワーオンリセット信号PORを反転させること、またはファブリックチップジェネリック電源電圧存在信号FAB_VCC_X_PRESとベースチップジェネリック電源電圧存在信号BAS_VCC_X_PRESとの論理積をとることによって生成される。パワーアップシーケンスにおいて、状態機械がパワーアップシーケンスを制御するタイミングは、競合電流がパワーアップシーケンスの前の状態および/またはタイミングによって除去され得るポイントにおいて、グローバル相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bの遷移が、低から高に遷移することを引き起こすことができる。
【0064】
上記の説明に鑑みて、パワーダウン中に、グローバル相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bの低への遷移を、最スローチップのトリップオフに整合させることによって、構成可能な相互接続ネットワーク中の連結ノード310、320は、各ファブリックチップ104~108が、トリップオフする前にまたはトリップオフするとき、相互接続電源ノードVCC_INTの電圧にp型トランジスタ330によってプルアップされ得る。これは、構成可能な相互接続ネットワークのトランスミッションゲートを通る競合電流を防止または低減することができる。
【0065】
図9は、いくつかの例による、検出器回路504の少なくとも一部の回路図である。検出器回路504は、電源電圧の存在を検出するためにチップ102~108のうちのいずれか中に実装され得る。検出器回路504は、参照符中の「X」によって指し示される、いかなる電力ドメインに関しても総称的に説明される。検出器回路504は、電源がそれぞれのチップ上で検出されるべきである電力ドメインの各々について実装され得る。検出器回路504は、抵抗器602と、n型トランジスタ604、606、612、614、618、620と、p型トランジスタ608、610、616、622と、インバータ624、626とを含む。検出器回路は、ジェネリック電源ノードVCC_Xおよびジェネリック電源電圧存在ノードVCC_X_PRESに接続される。ファブリックチップ104~108上の1つの検出器回路について、ジェネリック電源ノードVCC_Xは、ファブリックチップ104~108上の相互接続電源ノードVCC_INTであり得、ジェネリック電源電圧存在ノードVCC_X_PRESは、ファブリックチップ104~108上の相互接続電源電圧存在ノードVCC_INT_PRESであり得る。ファブリックチップ104~108上の別の検出器回路について、ジェネリック電源ノードVCC_Xは、ファブリックチップ104~108上のCRAM電源ノードVCC_RAMであり得、ジェネリック電源電圧存在ノードVCC_X_PRESは、ファブリックチップ104~108上のCRAM電源電圧存在ノードVCC_RAM_PRESであり得る。検出器回路は両方とも、ファブリックチップ104~108上の検出器回路504の一部であり得る。同様に、ベースチップ102上の1つの検出器回路について、ジェネリック電源ノードVCC_Xは、ベースチップ102上の第1の電源ノード520であり得、ジェネリック電源電圧存在ノードVCC_X_PRESは、ベースチップ102上の第1の電源電圧存在信号VCC_X_PRESであり得る。ベースチップ102上の別の検出器回路について、ジェネリック電源ノードVCC_Xは、ベースチップ102上の第2の電源ノード522であり得、ジェネリック電源電圧存在ノードVCC_X_PRESは、ベースチップ102上の第2の電源電圧存在信号VCC_X_PRESであり得る。検出器回路は両方とも、ベースチップ102上の検出器回路504の一部であり得る。
【0066】
抵抗器602は、ジェネリック電源ノードVCC_Xに接続された第1の端子を有し、n型トランジスタ604のドレインにおよびトランジスタ608、610、612、614のそれぞれのゲートに接続された第2の端子を有する。n型トランジスタ604のソースは、n型トランジスタ606のドレインに接続され、n型トランジスタ606のソースは、接地ノードGNDに接続される。n型トランジスタ604、606のゲートは、ジェネリック電源ノードVCC_Xに接続される。
【0067】
p型トランジスタ608のソースは、ジェネリック電源ノードVCC_Xに接続され、p型トランジスタ608のドレインは、p型トランジスタ610、616のそれぞれのソースに接続される。p型トランジスタ610のドレインは、n型トランジスタ612のドレイン、p型トランジスタ616のゲート、n型トランジスタ620のゲート、およびインバータ624の入力ノードに接続される。n型トランジスタ612のソースは、n型トランジスタ614のドレインに接続され、n型トランジスタ614のソースは、接地ノードGNDに接続される。p型トランジスタ616のドレインは、n型トランジスタ618のドレインに接続され、n型トランジスタ618のソースは、接地ノードGNDに接続される。n型トランジスタ618のゲートは、ジェネリック電源ノードVCC_Xに接続される。n型トランジスタ620のドレインは、p型トランジスタ622のドレインに接続され、p型トランジスタ622のソースは、ジェネリック電源ノードVCC_Xに接続される。p型トランジスタ622のゲートは、接地ノードGNDに接続される。インバータ624の出力ノードは、インバータ626の入力ノードに接続され、インバータ626の出力ノードは、ジェネリック電源電圧存在ノードVCC_X_PRESである。
【0068】
検出器回路504の詳細な動作は、当業者によって直ちに理解されるであろう。概して、検出器回路504は、ジェネリック電源ノードVCC_X上のジェネリック電源電圧VCC_Xが、検出器回路504がその上に配置されたチップのトリップ電圧を上回ったときを検出する。ジェネリック電源電圧VCC_Xが、トリップ電圧を下回るとき、ジェネリック電源電圧存在ノードVCC_X_PRES上の信号は、低であり、ジェネリック電源電圧VCC_Xが、トリップ電圧を上回るとき、ジェネリック電源電圧存在ノードVCC_X_PRES上の信号は、ジェネリック電源電圧VCC_Xを追尾する(たとえば、論理的に高である)。よって、検出器回路504は、ジェネリック電源電圧VCC_Xの存在を検出し、応答してジェネリック電源電圧存在ノードVCC_X_PRESを出力するように構成される。
【0069】
図10は、いくつかの例による、マルチチップデバイスを動作させる方法700のフローチャートである。マルチチップデバイスは、上記で説明されたものであり得る。ブロック702において、1つまたは複数の存在信号が、それぞれのチップ上の電源電圧のそれぞれの存在を検出することに基づいて、各チップ上の検出器回路によって生成される。たとえば、ファブリックチップ104~108のための電源電圧は、CRAM電源電圧VCC_RAMおよび/または相互接続電源電圧VCC_INTであり得、CRAM電源電圧VCC_RAMおよび/または相互接続電源電圧VCC_INTの(たとえば、チップのトリップ電圧を上回るまたは下回る)存在の検出は、それぞれ、CRAM電源電圧存在信号VCC_RAM_PRESおよび/または相互接続電源電圧存在信号VCC_INT_PRESが生成されることを引き起こすことができる。CRAM電源電圧VCC_RAMおよび相互接続電源電圧VCC_INTは、
図3および
図4中に示されているように、ファブリックチップ104~102の構成可能な相互接続ネットワーク中のCRAM電源ノードVCC_RAMおよび相互接続電源ノードVCC_INTに印加され得る。ベースチップ102のための電源電圧は、それぞれ、第1の電源ノード520および第2の電源ノード522上の第1の電源電圧および/または第2の電源電圧であり得、第1の電源電圧および/または第2の電源電圧の(たとえば、チップのトリップ電圧を上回るまたは下回る)存在の検出は、それぞれ、第1の電源電圧存在信号VCC_X_PRESおよび/または第2の電源電圧存在信号VCC_X_PRESが生成されることを引き起こすことができる。チップ102~108への電力は、ベースチップ102上の電源回路508によって出力され得、その存在が検出される電源電圧は、上記で説明されたように、電源回路508によって出力された電力に基づき得る。
【0070】
ブロック704において、プルアップ信号が、1つまたは複数の存在信号に基づいてベースチップ上の論理回路によって生成される。たとえば、相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bは、CRAM電源電圧存在信号VCC_RAM_PRES、相互接続電源電圧存在信号VCC_INT_PRES、第1の電源電圧存在信号VCC_X_PRES、および第2の電源電圧存在信号VCC_X_PRESのうちの1つまたは複数に基づいてベースチップ102上の論理回路506によって生成され得る。
【0071】
ブロック706において、ファブリックチップ上のプログラマブルICの構成可能な相互接続ネットワークのノードのそれぞれの電圧は、プルアップ信号に応答して、ファブリックチップ上のそれぞれのプルアップ回路によってプルアップされる。たとえば、相補的相互接続パワーオンリセット信号POR_INT_Bが、低であるとき、p型トランジスタ330は、上記で説明されたように、構成可能な相互接続ネットワークの連結ノード320、310の電圧をプルアップする。構成可能な相互接続ネットワークは、
図3および
図4に関して上記で説明されたものであり得る。
【0072】
上記は、特定の例を対象とするが、他の例およびさらなる例が、本発明の基本範囲から逸脱することなく考えられ得、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。