(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】電池管理システム用の開閉回路
(51)【国際特許分類】
H02H 7/18 20060101AFI20240820BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
H02H7/18
H02J7/00 S
(21)【出願番号】P 2022539107
(86)(22)【出願日】2020-05-19
(86)【国際出願番号】 CN2020091103
(87)【国際公開番号】W WO2021128714
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2023-02-28
(31)【優先権主張番号】201911365101.8
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201922379646.6
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521176053
【氏名又は名称】上海派能能源科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100131381
【氏名又は名称】黒田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】王 紅星
(72)【発明者】
【氏名】施 ▲ルウ▼
(72)【発明者】
【氏名】李 番軍
(72)【発明者】
【氏名】姚 斌
【審査官】早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-139866(JP,A)
【文献】特開2018-046618(JP,A)
【文献】米国特許第05519559(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H7/00
H02H7/10-7/20
H02H11/00
H02J1/00-1/16
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動信号入力端子、起動駆動信号出力端子、電源端子、電源信号抽出回路、トリガー回路及びスイッチを備えた電池管理システム用の開閉回路において、
前記駆動信号入力端子は前記スイッチを介して前記起動駆動信号出力端子に接続され、
前記電源信号抽出回路は、第1光結合器及び第2光結合器を備え、
前記電源端子は電源正極端子及び電源負極端子を備え、かつ、前記電源正極端子及び電源負極端子はそれぞれ前記第1光結合器の第1端部及び第2端部に電気接続されると共に、前記電源正極端子及び電源負極端子はそれぞれ前記第2光結合器の第2端部及び第1端部に電気接続され、
前記トリガー回路は第1信号トリガー端子及び第2信号トリガー端子を備え、前記第1光結合器が備える第3端部が前記駆動信号入力端子及び前記第1信号トリガー端子に電気接続され、前記第1光結合器が備える第4端部が地絡され、前記第1光結合器は
前記電源端子から得る電源信号に基づいて前記スイッチの導通を制御する
第1制御信号を出力し、
前記第2光結合器が備える第3端部は高レベルの信号端子に電気接続され、前記第2光結合器が備える第4端部は第1抵抗を介して地絡され、前記第2光結合器の第4端部は前記第2信号トリガー端子に電気接続され、前記第2光結合器は
前記電源端子から得る電源信号に基づいて前記スイッチの遮断を制御する
第2制御信号を出力し、
前記トリガー回路は、前記第1制御信号及び前記第2制御信号の切換えに基づいて前記スイッチの開閉を制御する
ことを特徴とする電池管理システム用の開閉回路。
【請求項2】
逆接続信号出力端子及び第1MOS FETをさらに備え、
前記第2光結合器の第4端部は前記第1MOS FETの制御端子に接続され、
前記第1MOS FETの第1端部は逆接続信号出力端子に接続され、
前記第1MOS FETの第2端部は地絡される
ことを特徴とする請求項1に記載の電池管理システム用の開閉回路。
【請求項3】
前記トリガー回路は、第2MOS FET、第3MOS FET、シュミットトリガー、D型フリップフロップ及び第4MOS FETをさらに備え、
前記第1光結合器の第3端部は前記第2MOS FETの制御端子に電気接続され、前記第2MOS FETの第1端部は前記シュミットトリガーの入力端子に電気接続され、前記第2MOS FETの第2端部は地絡され、
前記第2光結合器の第4端部は前記第3MOS FETの制御端子に電気接続され、前記第3MOS FETの第1端部は前記D型フリップフロップのクリア端子に電気接続され、前記第3MOS FETの第2端部は地絡され、
前記D型フリップフロップの出力端子は前記第4MOS FETの制御端子に電気接続され、前記第4MOS FETの第1端部は前記スイッチに電気接続され、前記第4MOS FETの第2端部は地絡される
ことを特徴とする請求項1に記載の電池管理システム用の開閉回路。
【請求項4】
補助遮断回路をさらに備え、
前記補助遮断回路は入力端子、出力端子及び補助遮断信号端子を備え、
前記補助遮断回路の入力端子は前記起動駆動信号出力端子に電気接続され、前記補助遮断回路の出力端子は前記D型フリップフロップのクリア端子に電気接続され、前記補助遮断回路は前記補助遮断信号端子に入力される信号に基づき、前記スイッチの遮断を制御する前記第2制御信号を出力する
ことを特徴とする請求項3に記載の電池管理システム用の開閉回路。
【請求項5】
前記補助遮断回路はトライオード、第3抵抗、第1コンデンサ及び第5MOS FETをさらに備え、
前記トライオードの制御端子は前記補助遮断信号端子に電気接続され、前記トライオードの第1端部は前記起動駆動信号出力端子に電気接続され、前記第3抵抗は前記第1コンデンサに並列接続され、前記トライオードの第2端部は前記第3抵抗を介して地絡され、前記トライオードの第2端部は前記第5MOS FETの制御端子に電気接続され、
前記第5MOS FETの第1端部は前記D型フリップフロップのクリア端子に電気接続され、前記第5MOS FETの第2端部は地絡される
ことを特徴とする請求項4に記載の電池管理システム用の開閉回路。
【請求項6】
前記補助遮断回路は第4抵抗、第5抵抗、第6抵抗及び第7抵抗をさらに備え、
前記起動駆動信号出力端子は前記第4抵抗を介して前記トライオードの第1端部に電気接続され、前記起動駆動信号出力端子は前記第5抵抗を介して前記トライオードの制御端子に電気接続され、前記補助遮断信号端子は前記第6抵抗を介して前記トライオードの制御端子に電気接続され、前記トライオードの第2端部は前記第7抵抗を介して前記第5MOS FETの制御端子に電気接続される
ことを特徴とする請求項5に記載の電池管理システム用の開閉回路。
【請求項7】
緊急起動回路をさらに備え、
前記緊急起動回路はプッシュスイッチを備え、前記プッシュスイッチの第1端部は地絡され、前記プッシュスイッチの第2端部は前記第2MOS FETの制御端子に電気接続される
ことを特徴とする
請求項3に記載の電池管理システム用の開閉回路。
【請求項8】
前記プッシュスイッチの第2端部は、第8抵抗を介して前記第2MOS FETの制御端子に電気接続されることを特徴とする請求項7に記載の電池管理システム用の開閉回路。
【請求項9】
前記電源正極端子は第1ダイオードを介して前記第1光結合器の第1端部に電気接続され、前記電源負極端子は第2ダイオードを介して前記第2光結合器の第1端部に電気接続され、
前記電源正極端子と前記電源負極端子の間に第3ダイオードが並列接続され、前記電源正極端子は第1インダクタンスを介して前記第1光結合器の第1端部に電気接続され、
前記電源正極端子は第9抵抗及び第10抵抗を介して前記電源負極端子に電気接続され、前記電源正極端子は前記第9抵抗を介して前記第1光結合器の第1端部に電気接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の電池管理システム用の開閉回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、電子電力技術に関し、特に電池管理システム用の開閉回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電池管理システム(Battery Management System、BMS)は、電池とユーザーの間をつなぐもので、主要な対象は二次電池であり、主に電池の利用率向上と過充電・過放電防止を目的とする。
【0003】
従来技術の電池管理系の製品は、電池管理システムの開閉制御を実現するために、例えば短押しでの起動及び電源逆接続保護を実現するために、マイクロプロセッサーMCUを使用して開閉信号を制御する。しかし、マイクロプロセッサーを使用するには、それぞれの制御プログラムを書く必要があり、かつ何度もデバッグする必要があり、時間と労力を浪費する。また、マイクロプロセッサーの価格が高くコストがかかる。さらに、マイクロプロセッサーに基づいて設計された開閉電路は拡張されにくく、再利用性が低い。
【0004】
そのため、コストが低く、再利用性が高く、電池管理システムを起動させる際に電源の逆接続によりシステムが短絡することを防止できる逆接続保護機能を備える開閉回路が求められている。
【0005】
発明内容
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、電池管理システム用の開閉回路を提供し、ロスが小さく、コストが低く、かつ容易に拡張できるという特徴を開閉回路に持たせることを実現する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例は、電池管理システム用の開閉回路を提供し、駆動信号入力端子、起動駆動信号出力端子、電源端子、電源信号抽出回路、トリガー回路、スイッチを含む。前記駆動信号入力端子は、前記スイッチを介して、前記起動駆動信号出力端子に接続される。前記電源信号抽出回路は、電源端子に接続され、前記電源端子に入力された電源信号に基づいて制御信号を出力する。前記トリガー回路は、前記電源信号抽出回路に電気接続され、前記制御信号の切換えに基づいて前記スイッチの導通または遮断を制御する。
【0008】
さらに、前記電源信号抽出回路は第1光結合器と第2光結合器を含む。前記電源端子は電源正極端子と電源負極端子を含む。前記電源正極端子と電源負極端子はそれぞれ、前記第1光結合器の第1端部と第2端部、また、前記第2光結合器の第2端部と第1端部に電気接続される。前記トリガー回路は第1信号トリガー端子と第2信号トリガー端子を含む。前記第1光結合器の第3端部は前記駆動信号入力端子および前記第1信号トリガー端子に電気接続される。前記第1光結合器の第4端部は地絡される。前記第1光結合器は、前記スイッチの導通を制御する第1制御信号を出力する。前記第2光結合器の第3端部は高レベルの信号端子に電気接続される。前記第2光結合器の第4端部は第1抵抗を介して地絡される。前記第2光結合器の第4端部は前記第2信号トリガー端子に電気接続される。前記第2光結合器は、前記スイッチの遮断を制御する第2制御信号を出力する。
【0009】
さらに、逆接続信号出力端子と第1MOS FETを含む。前記第2光結合器の第4端部は前記第1MOS FETの制御端子に電気接続される。前記第1MOS FETの第1端部は逆接続信号出力端子に電気接続される。前記第1MOS FETの第2端部は地絡される。
【0010】
さらに、前記トリガー回路は第2MOS FET、第3MOS FET、シュミットトリガー、D型フリップフロップと第4MOS FETを含む。前記第1光結合器の第3端部は前記第2MOS FETの制御端子に電気接続される。前記第2MOS FETの第1端部は前記シュミットトリガーの入力端子に電気接続される。前記第2MOS FETの第2端部は地絡される。前記第2光結合器の第4端部は前記第3MOS FETの制御端子に電気接続される。前記第3MOS FETの第1端部は前記D型フリップフロップのクリア端子に電気接続される。前記第3MOS FETの第2端部は地絡される。前記D型フリップフロップの出力端子は前記第4MOS FETの制御端子に電気接続される。前記第4MOS FETの第1端部は前記スイッチに電気接続される。前記第4MOS FETの第2端部は地絡される。
【0011】
さらに、補助遮断回路を含み、前記補助遮断回路は入力端子、出力端子及び、補助遮断信号端子を含む。前記補助遮断回路の入力端子は前記起動駆動信号の出力端子に電気接続され、前記補助遮断回路の出力端子は前記D型フリップフロップのクリア端子に電気接続される。前記補助遮断回路は、前記補助遮断信号端子に入力される信号に基づいて、前記スイッチの遮断を制御する第2制御信号を出力する。
【0012】
さらに、前記補助遮断回路はトライオード、第3抵抗、第1コンデンサ及び第5MOS FETを含む。前記トライオードの制御端子は、前記補助遮断信号端子に電気接続され、前記トライオードの第1端部は前記起動駆動信号出力端子に電気接続され、前記第3抵抗は前記第1コンデンサに並列接続される。前記トライオードの第2端部は第3抵抗を介して地絡され、前記第5MOS FETの制御端子に電気接続される。前記第5MOS FETの第1端部は前記D型フリップフロップのクリア端子に電気接続される。前記第5MOS FETの第2端部は地絡される。
【0013】
さらに、前記補助遮断回路は第4抵抗、第5抵抗、第6抵抗及び第7抵抗を含む。前記起動駆動信号出力端子は、前記第4抵抗を介して前記トライオードの第1端部に電気接続され、前記第5抵抗を介して前記トライオードの制御端子に電気接続される。前記補助遮断信号端子は、前記第6抵抗を介して前記トライオードの制御端子に電気接続される。前記トライオードの第2端部は、前記第7抵抗を介して前記第5MOS FETの制御端子に電気接続される。
【0014】
さらに、緊急起動回路も含まれる。前記緊急起動回路はプッシュスイッチを含む。前記プッシュスイッチの第1端部は地絡され、前記プッシュスイッチの第2端部は前記第2MOS FETの制御端子に電気接続される。
【0015】
さらに、前記プッシュスイッチの第2端部は第8抵抗を介して前記第2MOS FETの制御端子に電気接続される。
【0016】
さらに、前記電源正極端子は、第1ダイオードを介して前記第1光結合器の第1端部に電気接続される。前記電源負極端子は、第2ダイオードを介して第2光結合器の第1端部に電気接続される。
【0017】
前記電源正極端子と前記電源負極端子の間に第3ダイオードが並列接続される。前記電源正極端子は第1インダクタンスを介して前記第1光結合器の第1端部に電気接続される。
【0018】
前記電源正極端子は第9抵抗及び第10抵抗を介して、前記電源負極端子に電気接続され、前記第9抵抗を介して、前記第1光結合器の第1端部に電気接続される。
【発明の効果】
【0019】
本発明が提供する電池管理システム用の開閉回路は、トリガー回路を介して、電源信号抽出回路が出力するスイッチ開又は閉信号を受信し、開閉信号の統一管理を実現する。開閉回路の拡張が容易で、再利用性も高い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は実施形態における電池管理システム用の開閉回路である。
【0021】
【
図2】
図2は実施形態における電池管理システム用の別の開閉回路である。
【0022】
【
図3】
図3は実施形態における電池管理システム用のさらに一つの開閉回路である。
【0023】
【
図4】
図4は実施形態における電池管理システム用のさらに一つの開閉回路である。
【0024】
【
図5】
図5は実施形態における電池管理システム用のさらに一つの開閉回路である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明について、図面及び実施形態を参照しながら、下記のように詳細に説明する。本明細書に記載される特定の実施形態は本発明を説明するものであり、本発明を限定するものではない。さらに、説明を容易にするため、図面は本発明の全体構造ではなく、関連部分のみを示すものである。
【0026】
実施例1
【0027】
図1は実施形態における電池管理システム用の開閉回路である。
図1の通り、当該開閉回路に駆動信号入力端子VLSP、起動駆動信号出力端子On_Aux_Pwr、電源端子DC_IN+、DC_IN-、電源信号抽出回路100、トリガー回路200及びスイッチ300が含まれる。
【0028】
駆動信号入力端子VLSPはスイッチ300を介して、起動駆動信号出力端子On_Aux_Pwrに接続され、電源信号抽出回路100は電源端子DC_IN+、DC_IN-に接続され、電源端子DC_IN+、DC_IN-にアクセスされた電源信号に基づき、制御信号を出力する。トリガー回路200は電源信号抽出回路100に電気接続され、トリガー回路200は制御信号の切換えに基づき、スイッチ300の開閉を制御する。本実施形態において、駆動信号出力端子On_Aux_Pwrは電池管理システムの給電電源に電気接続され、電源信号抽出回路100は電源端子DC_IN+、DC_IN-に接続される。電源端子が正常に接続される場合、電源信号抽出回路100はトリガー回路200に、スイッチ300の導通を制御する第1制御信号を出力する。スイッチ300が導通後、駆動信号出力端子On_Aux_Pwrは給電電源に、高レベルの信号を出力し、給電電源及び電池管理システムがオンになる。電源端子が逆接続される場合、電源信号抽出回路100はトリガー回路200に、スイッチ300の遮断を制御する第2制御信号を出力する。スイッチ300が遮断後、駆動信号出力端子On_Aux_Pwrは給電電源に低レベルの信号を出力し、給電電源及び電源管理システムはオフになる。
【0029】
本実施形態では、駆動信号入力端子VSLPは、3.0V~5.5Vの電圧信号を提供し、低消費電力LDOの使用が可能であり、例えば、TPS7233は当該駆動信号出力端子VSLPが入力する電圧を生成し、電気回路の静的消費電力を30uA以下にする。電源信号抽出回路100は、電源端子に接続された電圧で給電し、低消費電力LDOの電流を消費しない。
【0030】
例示的に、スイッチ300には、MOS FET、トライオード及びリレーが含まれる。具体的に、スイッチ300の制御端子はトリガー回路200の出力端子に電気接続され、スイッチ300の第1端部は駆動信号入力端子VLSPに電気接続され、スイッチ300の第1端部は駆動信号出力端子On_Aux_Pwrに電気接続される。
【0031】
例示的に、電源信号抽出回路100に光結合器が含まれることが可能であり、光結合器の入力端子は電源端子に電気接続される。光結合器の中の光感応トライオードの集電極は制御信号の出力端子として、電源端子が正常に接続される場合、光結合器がオンになり、光感応トライオードの集電極のレベル信号は、トリガー回路200に出力する、スイッチ300の導通を制御する制御信号である。電源端子が逆接続される場合、光結合器がオフになり、光感応トライオードの集電極のレベル信号は、トリガー回路200に出力する、スイッチ300の遮断を制御する制御信号である。電源信号抽出ユニットは、NMOS FETなどのMOS FETを含むこともできる。その際、NMOS FETは電源回路に直列接続され、NMOS FETのグリッドは、抵抗器を介して電源端子DC_IN+に電気接続され、電源端子が正常に接続すると、NMOS FETがオンになり、NMOS FETのドレインのレベル信号は、トリガー回路200に出力するスイッチ300の導通を制御する制御信号になり、電源端子が逆接続されると、NMOS FETはオフになり、NMOS FETのドレインのレベル信号は、トリガー回路200に出力するスイッチ300の遮断を制御する制御信号になる。トリガー回路200は、AND/NOTゲート素子を含むことができる。例えば、ANDゲート74LS08を含む場合、ANDゲートの一つの入力端子は基準レベルに接続され、もう一つの入力端子は電源信号抽出回路100の出力端子に電気接続され、ANDゲートの出力端子はスイッチ300の制御端子に電気接続される。
【0032】
例示的に、電源信号抽出回路100は複数の光結合器を含むことができる。例えば、二つの光結合器を使用することが可能で、二つの光結合器の入力端子と電源端子DC_IN+、DC_IN-の接続を逆にする。こうすると、電源端子を正常に接続するとき、そのうちの一つの光結合器を介してトリガー回路200にスイッチ300の導通を制御する制御信号を出力し、電源端子が逆接続するとき、もう一つの光結合器を介してトリガー回路にスイッチ300の遮断を制御する制御信号を出力する。トリガー回路200は、シュミットトリガーとD型フリップフロップを含むことも可能で、シュミットトリガーの出力端子はD型フリップフロップのクロック端子に電気接続され、D型フリップフロップの出力端子はスイッチ300の制御端子に電気接続され、スイッチ300の導通信号を出力する光結合器の集電極はシュミットトリガーの入力端子に電気接続され、スイッチ300の遮断信号を出力する光結合器のエミッターはD型フリップフロップのクリア端子に電気接続される。光結合器の導通状態が変わると、シュミットトリガーはD型フリップフロップに立ち上がりエッジ信号を出力し、また、D型フリップフロップからスイッチ300の開閉を制御する信号を出力する。
【0033】
本実施形態における開閉電気回路は、トリガー回路200を介して電源信号抽出回路100から出力する開閉信号を受信する。そのうち、トリガー回路200が使用するデバイスにはAND/NOTゲート素子、シュミットトリガーまたはD型フリップフロップが含まれ、電気回路を設計する際、電源信号抽出回路100が出力する信号を前記デバイスの入力ピンに接続することにより、開閉電気回路の統一管理を実現すると同時に、開閉回路は容易に拡張でき、例えば、外部の回路の出力を制御する開閉制御信号などのほかの制御信号を、直接に前記のデバイスの入力ピンに接続することにより、開閉回路の機能を高めることが可能である。開閉回路の全体的な設計コストが低く、再利用性が高い。
【0034】
図2は実施形態における別の電池管理システム用の開閉回路である。
図2の通り、好ましくは、電源信号抽出回路100には第1光結合器U1、第2光結合器U2が含まれ、電源端子には電源正極端子DC_IN+及び電源負極端子DC_IN-が含まれ、電源正極端子DC_IN+と電源負極端子DC_IN-はそれぞれ第1光結合器U1の第1端部と第2端部に電気接続され、電源正極端子DC_IN+は電源負極端子DC_IN-はそれぞれ第2光結合器U2の第2端部及び第1端部に電気接続される。トリガー回路200には第1信号トリガー端子S1及び第2信号トリガー端子S2が含まれ、第1光結合器U1の第3端子は駆動信号入力端子VLSP及び第1信号トリガー端子S1に電気接続され、第1光結合器U1の第4端部は地絡され、第1光結合器U1はスイッチ300の導通を制御する制御信号を出力することに使用され、第2光結合器U2の第3端部は高レベルの信号端子V1に電気接続され、第2光結合器U2の第4端部は第1抵抗R15を介して地絡され、第2光結合器の第4端部は第2信号トリガー端子S2に電気接続され、第2光結合器U2はスイッチ300の遮断を制御する制御信号を出力する。
【0035】
図2の電源信号抽出回路100には2つの光結合器が含まれ、電源端子が正常に接続すると、第1光結合器U1はオンになり、第2光結合器U2がオフになり、U1がオンになると、第1信号トリガー端子S1は高レベルから低レベルになり、トリガー回路200は第1信号トリガー端子S1を介して第1光結合器U1から出力する制御信号を受信する。電源端子が逆接続されると、第1光結合器U1はオフになり、第2光結合器U2はオンになり、U2はオンになると、第2信号トリガー端子S2は低レベルの信号から高レベルの信号になり、トリガー回路200は第2信号トリガー端子S2を介して第2光結合器U2が出力する制御信号を受信する。例示的に、トリガー回路200はANDゲート素子を使用し、スイッチ300はPMOS FETを使用し、ANDゲート素子の参考端子は高レベルの信号に接続され、ANDゲートの入力端子は第1信号トリガー端子S1及び第2信号トリガー端子S2に電気接続され、ANDゲート素子の出力端子はPMOS FETの制御端子に電気接続され、第1光結合器U1がオンになると、ANDゲート素子の入力端子は低レベルの信号で、ANDゲート素子の出力端子は低レベルを出力し、その際、PMOS FETがオンになり、駆動信号出力端子On_Aux_Pwrは給電電源に高レベルの信号を出力し、給電電源はオンになり、電池管理システムが起動する。第2光結合器U2がオンになると、ANDゲート素子の入力端子は高レベルになり、ANDゲート素子の出力端子は高レベルを出力し、その際、PMOS FETがオフになり、駆動信号出力端子On_Aux_Pwrは給電電源に低レベルの信号を出力し、給電電源がオフになり、電池管理システムが遮断する。
【0036】
図2の通り、オプションとして、逆接続信号出力端子REVERSE_OUTと第1MOS FET T1が含まれ、第2光結合器U2の第4端部は第1MOS FET T1の制御端子に電気接続され、第1MOS FET T1の第1端部は逆接続信号出力端子REVERSE_OUTに電気接続され、第1 MOS FET T1の第2端子は地絡される。
【0037】
第2光結合器U2がオンになると、第1MOS FET T1のグリッドの信号レベルは低レベルから高レベルに変わり、第1MOS FET T1がオンになり、逆接続信号出力端子REVERSE_OUTの信号レベルは高レベルから低レベルに変わる。逆接続信号出力端子REVERSE_OUTの信号レベルの変化により、電源端子の逆接続の有無を検査できる。
【0038】
図2の通り、好ましくは、電源正極端子DC_IN+は第1ダイオードD2を介して第1光結合器U1の第一端子に電気接続され、電源負極端子DC_IN-は第2ダイオードD3を介して第2光結合器U2の第1端部に電気接続され、電源正極端子DC_IN+と電源負極端子DC_IN-の間に第3ダイオードD1が並列接続され、電源正極端子DC_IN+は第9抵抗R12及び第1インダクタンスL1を介して第1光結合器U1の第1端部に電気接続され、電源正極端子DC_IN+は第9抵抗R12及び第10抵抗R16を介して電源負極端子DC_IN+に電気接続される。
【0039】
光結合器を使用することにより、信号抽出回路、トリガー回路200及びスイッチ300の間の電圧絶縁を実現すると同時に、第3ダイオードD1及び第1インダクタL1を併せ用いて、落雷で発生するサージを吸収するための避雷構造を構成する。第9抵抗器R12、第10抵抗器R16、第1ダイオードD2及び第2ダイオードD3を介して、第1光結合器U1、第2光結合器U2に接続される電圧の安定を実現する。
【0040】
図3は実施形態におけるさらに一つの電池管理システム用の開閉回路である。
図3の通り、好ましくは、トリガー回路200に第2MOS FET T2、第3MOS FET T3、シュミットトリガーU3、D型フリップフロップU4及び第4MOS FET T4が含まれ、第1光結合器U1の第3端部は第2 MOS FET T2の制御端子に電気接続され、第2 MOS FET T2の第1端部はシュミットトリガーU3の入力端子Aに電気接続され、第2 MOS FET T2の第2端部は地絡される。第2光結合器U2の第4端部は第3 MOS FET T3の制御端子に電気接続され、第3 MOS FET T3の第1端部はD型フリップフロップU4のクリア端子CLR#に電気接続され、第3MOS FET T3の第2端部は地絡される。D型フリップフロップU4の出力端子Qは第4MOS FETの制御端子に電気接続され、第4MOS FET T4の第1端部はスイッチ300に電気接続され、第4MOS FET T4の第2端部は地絡される。これらのうち、第2MOS FET T2、第3MOS FET T3、第4MOS FET T4はNMOS FETであり、スイッチ300はPMOS FETである。
【0041】
図3の通り、初期状態では、電源端子に電圧がなく、光結合器がオンにならず、ネットワーク内のV1_Gポイントは高レベルで、U3_Aポイントは低レベルで、シュミットトリガーU3の出力端子Oは低レベルである。電源端子が正常に接続される場合、第1光結合器U1がオンになり、V1_Gのレベルがプルダウンされ、第2MOS FET T2がオフになり、U3_Aポイントの電位は0から1に切換えられる。当該信号はシュミットトリガーU3のシェーピングを介して急な立ち上がりエッジレベルを生成し、レベル信号をD型フリップフロップU4に出力する。これは、D型フリップフロップU4にクロック信号を出力することに相当する。D型フリップフロップU4の出力端子Qは高レベルを出力し、第4MOS FET T4がオンになり、スイッチ300がオンになり、VSLP電圧がOn_Aux Pwr信号端子に出力され、システム電源がアクティブになる。電源端子が逆接続される場合、第2光結合器U2はオンになり、第3MOS FET T3のグリッドのレベルは低レベルから高レベルになり、第3MOS FET T3がオンになり、D型フリップフロップU4のクリア端子CLR#の電気レベルがプルダウンされ、D型フリップフロップU4の出力端子Qは低レベルを出力し、第4MOS FET T4がオフになり、スイッチ300がオフになり、システム電源が遮断する。
【0042】
シュミットトリガーを利用して、電源端子が正常に接続される際に生成する立ち上がりエッジ信号を抽出し、電源導通の起動を実現し、開閉回路の安定性を向上させる。
【0043】
図4は実施形態におけるさらに一つの電池管理システム用の開閉回路である。
図5は実施形態におけるさらに一つの電池管理システム用の開閉回路である。
図4及び
図5を参照すると、オプションとして、開閉回路に補助遮断回路400を含む。補助遮断回路400には、出力端子S3、出力端子S4及び補助遮断回路の信号端子CPU_SHUTが含まれる。補助遮断回路400の入力端子S3は起動駆動信号出力端子On_Aux_Pwrに電気接続される。補助遮断回路400の出力端子S4はトリガー回路200に電気接続され、具体的に、D型フリップフロップU4のクリア端子CLR#に電気接続される。補助遮断回路400は補助遮断信号端子CPU_SHUTに入力される信号に基づき、スイッチ300の遮断を制御する制御信号を出力する。
【0044】
図5を参照すると、具体的に、補助遮断回路400にはトライオードT5、第3抵抗R18、第1コンデンサC50及び第5MOS FET T6を含む。トライオードT5の制御端子は補助遮断信号端子CPU_SHUTに電気接続され、トライオードT5の第1端部は起動駆動信号出力端子On_Aux_Pwrに電気接続され、第3抵抗R18は第1コンデンサC50に並列接続され、トライオードT5の第2端部は第3抵抗R18を介して地絡され、トライオードの第2端部は第5MOS FETの制御端子に電気接続され、第5MOS FET T6の第1端部はD型フリップフロップU4のクリア端子CLR#に電気接続され、第5MOS FET T6の第2端部は地絡される。これらのうち、トライオードT5はPNPトライオードで、第5MOS FET T6はNMOS FETである。
【0045】
外部遮断信号が補助遮断信号端子CPU_SHUTから入力され、入力される電気レベルが低レベルである場合、トライオードT5はオンになり、V5_Gポイントが高レベルで、第5MOS FET T6がオンになり、D型フリップフロップU4のクリア端子CLR#の電気レベルがプルダウンされ、D型フリップフロップU4の出力端子Qは低レベルを出力し、第4MOS FET T4がオフになり、スイッチ300がオフになり、システム電源が遮断する。
【0046】
図5を参照すると、オプションとして、補助遮断回路400には、第4抵抗R8、第5抵抗R9、第6抵抗R10及び第7抵抗R85も含まれ、起動駆動信号出力端子On_Aux_Pwrは第4抵抗R8を介してトライオードT5の第1端部に電気接続され、起動駆動信号出力端子On_Aux_Pwrは第5抵抗R9を介してトライオードT5の制御端子に電気接続され、補助遮断信号端子CPU_SHUTは第6抵抗R10を介してトライオードT5の制御端子に電気接続され、トライオードT5の第2端部は第7抵抗R85を介して第5MOS FET T5の制御端子に電気接続される。そのうち、第4抵抗R8、第5抵抗R9は電流制限抵抗器として使用され、第6抵抗R10はプルダウン抵抗器として使用され、第7抵抗R85はプルアップ抵抗器として使用される。
【0047】
図4及び
図5を参照すると、開閉回路には緊急起動回路500も含まれ、緊急起動回路500にはプッシュスイッチK1が含まれ、プッシュスイッチK1の第1端部は地絡され、プッシュスイッチK1の第2端部は第2MOS FET T2の制御端子に電気接続される。
【0048】
緊急起動回路500は電源端子に電圧入力のない状況に使用され、特殊な場合では、プッシュスイッチK1を介して緊急にシステム電源を起動することもできる。プッシュスイッチK1がオフすると、V1_Gのレベルがプルダウンされ、第2MOS FET T2はオフになり、U3_Aポイントの電位は0から1に切換わり、当該信号はシュミットトリガーU3のシェーピングを介して急な立ち上がりエッジレベルを生成し、レベル信号をD型フリップフロップU4に出力する。これは、D型フリップフロップU4にクロック信号を出力することに相当する。 D型フリップフロップU4の出力端子Qは高レベルを出力し、第4 MOS FET T4がオンになり、スイッチ300がオンになり、VSLP電圧がOn_Aux Pwr信号端子に送信され、システム電源がアクティブになる。
【0049】
好ましくは、プッシュスイッチK1の第2端部は第8抵抗R1を介して第2MOS FET T2の制御端子に電気接続される。第8抵抗R1を通して第2MOS FET T2の干渉防止能力を向上させる。
【0050】
留意すべき点として、前記内容は本発明の比較的好ましい実施形態及びそれに適用される技術原理に限って述べたことが挙げられる。当業者は、本発明が本明細書に記載される特定の実施形態に限定されないことを理解できる。当業者は本発明の保護範囲を逸脱せず、各種の顕著な変更、再調整及び置換を行うことができる。 したがって、本発明は上記実施形態により詳細に説明したが、本発明は上記内容に限定されるものではない。本発明の概念を逸脱しない場合、他の同等の実施形態を含むことができる。また、本発明の範囲は添付の請求項によって決定される。