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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】メガネ
(51)【国際特許分類】
   G02C 5/22 20060101AFI20240820BHJP
   G02C 5/16 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
G02C5/22
G02C5/16
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022565749
(86)(22)【出願日】2021-05-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-23
(86)【国際出願番号】 CN2021091965
(87)【国際公開番号】W WO2021227929
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】202010388688.0
(32)【優先日】2020-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】王 維
(72)【発明者】
【氏名】劉 瑞軒
【審査官】吉川 陽吾
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第205539770(CN,U)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0003817(KR,A)
【文献】実開昭61-076416(JP,U)
【文献】特開平10-133153(JP,A)
【文献】特開2002-221693(JP,A)
【文献】特開2002-072153(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0157253(US,A1)
【文献】特開2000-147437(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 1/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、テンプルと、接続装置とを備えるメガネであって、
前記テンプルは、前記接続装置を介して前記本体の端部に回転可能に接続され、前記接続装置は、第1接続部材、第2接続部材及び弾性部材を含み、前記第1接続部材は、前記本体の端部に設けられ、前記第2接続部材の第1端は、前記第1接続部材とヒンジ接合され、前記第2接続部材の第2端は、前記テンプルとヒンジ接合され、前記弾性部材は、前記第2接続部材と前記テンプルとの間に位置し、前記弾性部材の第1弾性端は、前記テンプルに当接し、前記弾性部材の第2弾性端は、前記第2接続部材に当接し、前記テンプルが前記本体に対して前記本体から遠ざかる方向に回転すると、前記弾性部材は、前記テンプルと前記第2接続部材とを互いに遠ざけるように駆動し、
前記第2接続部材の第2端には、第2位置制限部が設けられ、前記第2位置制限部は、予め設定された位置制限角度を有し、前記テンプルは、前記予め設定された位置制限角度の範囲内で回転可能であり、
前記第2位置制限部は、第1ビアを含み、前記テンプルと前記第2接続部材との間には、第1柱状部が設けられ、前記第1柱状部は、前記第1ビア内で移動可能であり、前記第1ビアは前記第2接続部材の第2端に設けられ、前記第1柱状部は前記テンプルに設けられ、前記第1柱状部は前記第1ビア内に挿入され、前記テンプルが前記本体に対して前記本体に近づく方向に回転すると、前記第1柱状部と前記第1ビアの第1側孔壁とが当接して前記テンプルが位置制限され、前記テンプルが前記本体に対して前記本体から遠ざかる方向に回転すると、前記第1柱状部と前記第1ビアの第2側孔壁とが当接して前記テンプルが位置制限される、メガネ。
【請求項2】
前記第1接続部材は、第1位置制限部を含み、前記第1位置制限部は、前記第1接続部材の前記第2接続部材に隣接して接続される一端に設けられ、前記第2接続部材が前記第1接続部材に対して前記本体から遠ざかって回転している場合、前記第2接続部材と前記第1位置制限部とが当接して位置制限される、請求項1に記載のメガネ。
【請求項3】
前記弾性部材は、ねじりバネであり、前記ねじりバネは、取付軸を介して前記第2接続部材に取り付けられ、前記ねじりバネの第1トーションアーム構造は、前記第1弾性端であり、前記第1トーションアームは、前記テンプルに当接し、前記ねじりバネの第2トーションアーム構造は、前記第2弾性端であり、前記第2トーションアームは、前記第2接続部材に当接する、請求項1に記載のメガネ。
【請求項4】
前記第2接続部材には、第1取付穴が設けられ、前記取付軸は、前記第1取付穴内に取り付けられ、前記ねじりバネは、前記取付軸に外嵌される、請求項3に記載のメガネ。
【請求項5】
前記第1トーションアームは、前記第2接続部材の前記本体から離れる側に当接し、前記第2トーションアームは、前記テンプルの前記本体から離れる側に当接する、請求項3に記載のメガネ。
【請求項6】
前記弾性部材は、板バネであり、前記板バネの中央部は、前記第2接続部材に固定され、前記板バネの第1トーションアーム構造は、前記第1弾性端であり、前記第1トーションアームは、前記テンプルの前記本体から離れる側に当接し、前記板バネの第2トーションアーム構造は、前記第2弾性端であり、前記第2弾性端は、前記第2接続部材の前記本体から離れる側に当接する、請求項1に記載のメガネ。
【請求項7】
前記テンプルは、支持脚と、前記支持脚に接続される第3接続部材とを含み、前記第3接続部材は、前記第2接続部材の第2端とヒンジ接合され、前記弾性部材は、前記第3接続部材と前記第2接続部材との間に位置し、前記弾性部材の第1弾性端は、前記第3接続部材に当接し、前記弾性部材の第2弾性端は、前記第2接続部材に当接し、前記第3接続部材が前記本体から遠ざかって回転している場合、前記弾性部材は、前記第3接続部材と前記第2接続部材とを互いに遠ざけるように駆動する、請求項1に記載のメガネ。
【請求項8】
前記第1接続部材、前記第2接続部材及び前記第3接続部材は、いずれも溝状板であり、前記第2接続部材の第1端は、前記第1接続部材の一端内に外嵌され、前記第2接続部材の第2端は、前記第3接続部材の一端内に外嵌される、請求項7に記載のメガネ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年05月09日に中国で出願した中国特許出願番号第202010388688.0号の優先権を主張し、その全ての内容は引用によって本文に取り込まれる。
【0002】
本願は、スマートウェア技術の分野に属し、より具体的には、メガネに関する。
【背景技術】
【0003】
テンプルとフレームとの接合箇所に蝶番が付いた既存のスマートグラスは、内側へ折りたたむことができるので、体積を減らして収納しやすい効果が得られるが、現在の技術方案では、メガネがしっかりと着用できず、柔軟性に欠けるという問題もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は、既存のテンプルがしっかりと着用できず、柔軟性に欠けるという技術課題を解決するために、メガネの新たな技術方案を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術課題を解決するために、本願は、以下のように実現される。
本体と、テンプルと、接続装置とを備えるメガネであって、前記テンプルは、前記接続装置を介して前記本体の端部に回転可能に接続され、前記接続装置は、第1接続部材、第2接続部材及び弾性部材を含み、前記第1接続部材は、前記本体の端部に設けられ、前記第2接続部材の第1端は、前記第1接続部材とヒンジ接合され、前記第2接続部材の第2端は、前記テンプルとヒンジ接合され、前記弾性部材は、前記第2接続部材と前記テンプルとの間に位置し、前記弾性部材の第1弾性端は、前記テンプルに当接し、前記弾性部材の第2弾性端は、前記第2接続部材に当接し、前記テンプルが前記本体から遠ざかって回転している場合、前記弾性部材は、前記テンプルと前記第2接続部材とを互いに遠ざけるように駆動する、メガネ。
【発明の効果】
【0006】
本願の実施例のメガネでは、テンプルが接続装置を介して本体に接続され、接続装置の第2接続部材がテンプルとヒンジ接合されるため、テンプルが頭部に掛けられた後に、弾性部材は、テンプルが頭部を締め付けるように自動的に駆動することができ、これによって、メガネをしっかりと着用する効果が実現され、柔軟性を向上させた。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本願の一実施例による接続装置の分解構造の模式図である。
図2】本願の一実施例による接続装置の組立て後の構造模式図である。
図3】本願の一実施例による接続装置の断面視構造の模式図である。
図4】本願の一実施例による頭部に着用されたメガネの構造模式図である。
図5】本願の一実施例によるメガネのテンプルの折り畳み後の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術方案を明確で完全に説明する。説明される実施例は、本願の全ての実施例ではなく、その一部に過ぎないことは自明である。本願における実施例に基づいて、当業者が進歩性のある労働を費やせずに得られる他の実施例は、全て本願の保護範囲に含まれる。
【0009】
本願の明細書及び特許請求の範囲における「第1」、「第2」などの用語は、類似する対象を区別するためのものであり、特定の順序又は順番を説明するためのものではない。このように使用されるデータは、本願の実施例が、本明細書に図示または記載されたそれらの順序以外の順序で実施できるように、適切な場合に交換され得ることを理解されたい。また、明細書及び特許請求の範囲において、「及び/又は」は、接続対象の少なくとも1つを示し、「/」という記号は、一般的に、前後に関連している対象が「又は」という関係であることを表す。
【0010】
以下に、図面を参照しながら、具体的な実施例及びその適用場面により本願の実施例で提供される電子機器を詳しく説明する。
【0011】
図1に示すように、本願の一実施例によれば、本体1と、テンプル2と、接続装置とを備えるメガネを提供し、テンプル2は、接続装置を介して本体1の端部に回転可能に接続される。本実施例に記載されるメガネは、近視メガネ、サングラス、仮想現実(Virtual Reality,VR)メガネ、電子スマートグラスのうちのいずれか1つである。メガネのタイプについて、本願の実施例ではここで限定しない。当業者は、必要なメガネに本技術方案を適用することができる。
【0012】
接続装置は、第1接続部材3、第2接続部材4及び弾性部材を含み、第1接続部材3は、本体1の端部に設けられ、本体1とテンプルとが安定的に接続されやすいように本体1と固定接続されることができる。
【0013】
第2接続部材4の第1端41は、第1接続部材3とヒンジ接合される。ヒンジ接合という接続形態により、第2接続部材4と固定接続される部材が本体1及び第1接続部材3に対して回転できるように、第2接続部材4と第1接続部材3とが回転接続の協働関係をなす。第2接続部材4の第2端42は、テンプル2とヒンジ接合され、この両者も回転協働の接続関係をなす。
【0014】
弾性部材は、第2接続部材4とテンプル2との間に位置し、弾性部材の第1弾性端は、テンプル2に当接し、弾性部材の第2弾性端は、第2接続部材4に当接する。このような当接協働方式により、テンプル2が本体1から遠ざかって回転している場合、弾性部材は、テンプル2と第2接続部材4とを互いに遠ざけるように駆動する。弾性部材は、第2接続部材4とテンプル2との間にプリロードの弾性作用力を形成するためのものであるので、実際の応用では、テンプル2が第2接続部材4に対して引っ張られて回転している際に、逆の方向へ締め付ける弾性作用力を生じることができる。
【0015】
任意に、前記弾性部材の主な構造は、第2接続部材に固定されてもよく、この場合、主に第1弾性端を介してテンプル2と接触することによって、弾性作用力を生じる。この実施形態における弾性部材は、本体1により近いので、弾性部材、テンプル2および本体の接続信頼性の向上に役立つ。別の任意の実施形態では、前記弾性部材の主な構造は、テンプル2に固定されてもよく、この場合、弾性部材は、主に第2弾性端を介して前記第2接続部材4と接触することによって、弾性作用力を生じる。この実施形態は、テンプル2と第2接続部材4の回転範囲をより大きく設計し、テンプル2の第2接続部材4及び本体1に対する移動範囲を増加させるのに寄与する。
【0016】
また、実際の応用では、テンプル2及び第2接続部材4は、メガネの美観を向上させるために、平らなスジ状、シート状の構造に設計する場合がある。メガネの全体的な美観を改善するために、前記弾性部材は、全体的にテンプル2及び第2接続部材4の内側、即ち着用者により近い側に位置してもよい。あるいは、前記弾性部材は、全体的にテンプル2及び第2接続部材4の外側、即ち着用者から離れる側に位置してもよい。このように設計することで、弾性部材は、テンプルが着用者の頭部を締め付ける役割を発揮しやすくなり、構造が簡単になる。また、第2接続部材及びテンプルの構造を設計しやすいように、弾性部材の一部を着用者に近い側に配置し、他の部分を着用者から離れる側に配置してもよい。本願では、これを制限しない。
【0017】
理解できることとして、第2接続部材の第1端と第1接続部材とのヒンジ接合は、第2接続部材及びテンプルが本体に対して回転することを許容するので、テンプルと本体を折り畳むことができ、メガネの体積を減らして収納しやすい。第2接続部材の第2端とテンプルとのヒンジ接合は、テンプルが第2接続部材に対して回転することを許容するので、テンプルが異なる着用者の頭部のサイズに適応しやすい。
【0018】
テンプルは本体から遠ざかって回転している場合、まず折り畳み状態が解放されて展開され、第2接続部材とテンプルは着用者が着用しやすい位置まで同期回転する。テンプルがさらに本体から遠ざかって回転する際に、テンプルは、着用者の頭部のサイズに適応するように第2接続部材に対して回転し、この過程において弾性部材が変形することによって、弾性部材にエネルギーが蓄えられる。弾性部材は、元の状態に復帰する特性を有するので、弾性部材は、テンプルと第2接続部材とを互いに遠ざけるように駆動することで、テンプルが着用者の頭部を締め付けることができ、メガネをしっかりと着用でき、柔軟性を向上させる。
【0019】
本実施例のメガネのテンプル2は接続装置を介して本体1に接続され、接続装置の第2接続部材4とテンプル2とはヒンジ接合されるため、テンプル2が耳に掛けられた後に、弾性部材は、テンプル2が頭部を締め付けるように自動的に駆動することができ、これによって、メガネをしっかりと着用する効果が実現され、柔軟性を向上させた。
【0020】
もちろん、上記では、1つのテンプルと本体との接続構造及び作用関係のみが説明されたが、理解できることとして、メガネは、2つのテンプルを備えてもよい。テンプルが2つある場合、一方のテンプルは、本体の一端に接続され、他方のテンプルは、本体の他端に接続され、2つのテンプルは、それぞれ接続装置を介して本体に接続されることが可能である。理解できることとして、2つのテンプルの回転方向は逆である。
【0021】
図4に示す例では、本願の実施例のメガネを使用する際に、2つのテンプル2を本体から離れる方向へ回転させて展開し、この際にテンプル2は、弾性部材を介して第2接続部材4を第2接続部材4と第1接続部材1とのヒンジ接合点を円心として回転させるように動かす。2つのテンプル2の間の幅が広がるにつれて、2つのテンプル2を耳に掛けた後に、弾性部材は、テンプル2を本体に近づく方向へ移動するように駆動することで、2つのテンプル2が頭部を締め付ける。
【0022】
また、第2接続部材4とテンプル2とがヒンジ接合され、2つのテンプル2が展開されて平行になった後に、2つのテンプル2の間の幅が依然として着用者の頭幅よりも小さい場合、着用者は、それぞれ2つのテンプル2を外側へ引っ張ることでテンプルの間の幅を広げることができ、これによって、テンプル2は、ヒンジ接合点を円心として回転する。着用者による引っ張り作用力によって、弾性部材が変形してテンプル2に弾性作用力が発生する。当該弾性作用力によって、テンプル2が互いに近づく傾向になる。このように、2つのテンプル2が着用者の頭部を締め付けることができ、着用の安定性を確保できる。着用者がメガネを外した際に、2つのテンプル2は、弾性部材の作用により、第2接続部材まわりに回転し、互いに近づく姿勢に復帰する。
【0023】
例えば、着用者は、テンプルを引っ張って外側へ0~30°回転させることができる。本実施例のメガネにより、テンプル自体が変形することなく2つのテンプル2の間の幅を調節する効果も実現できる。最終的には、頭幅が異なる人でも使用でき、複数の仕様を別途に設定する必要がないため、生産コスト及び購入費用を削減させた。
【0024】
任意に、図1及び図2に示すように、一実施例では、第1接続部材3は、第1位置制限部31を含み、第1位置制限部31は、第1接続部材3の第2接続部材4に隣接して接続される一端に設けられ、第2接続部材4が第1接続部材3に対して本体1から遠ざかって予め設定された角度範囲まで回転すると、第2接続部材4と第1位置制限部31とが当接し、位置制限が実現され、両者のさらなる相対的な回転が阻止されることで、第2接続部材4及びテンプル2が本体1と第1位置制限部31との間の範囲内で回転する。
【0025】
図4に示すように、第1位置制限部31は、第1接続部材3の本体から離れる側に設けられてもよく、第2接続部材4が本体1から離れる方向へ90°回転すると、第2接続部材4と第1位置制限部31とが当接する。図5に示すように、第2接続部材4が本体1に近づく方向へ90°回転すると、一方のテンプル2と本体1とが当接する。この際に、本体1の両端の第2接続部材4が相互に平行であり、本体1の両端のテンプル2が相互に平行である。
【0026】
第2接続部材4の回転角度は、90°に限定されず、90°未満であってもよく、90°を超えてもよい。当業者は、実際の需要に応じて第1位置制限部の形状と位置を設定し、第2接続部材4の移動角度の範囲を限定することができる。
【0027】
さらに、第1位置制限部31は、第1接続部材3の第2接続部材4に隣接して接続される一端の上端面又は下端面に設けられてもよく、第2接続部材4が本体から離れる方向へ回転すると、第2接続部材4の一部が第1位置制限部31に当接する。任意に、第1位置制限部31は、第1接続部材3から延びたシート状構造を有する。第2接続部材4が第1位置制限部31に当接する際に、第2接続部材4の表面とシート状の第1位置制限部31の表面とが接触する。
【0028】
図1及び図2に示すように、第1位置制限部31と第1接続部材3は、全体的な強度を向上させるために一体に形成されてもよい。第1位置制限部31と第1接続部材3は、一体成型に限定されず、はんだ接合、カシメ、ボルト接続のいずれか1つで成型されてもよい。当業者は、実際の需要に応じて第1位置制限部31と第1接続部材3との接続関係を設定することができる。
【0029】
第1位置制限部を設けることにより、着用者がテンプルを本体に近い位置から本体から離れる位置まで引っ張る際に引っ張り過ぎてしまう現象を回避することができる。第1位置制限部は、第2接続部材の本体に対する最大回転姿勢を制限でき、これによって、メガネが正常かつ安定的に頭部に着用されることができる。
【0030】
任意に、一実施例では、第2接続部材4の第2端42には、第2位置制限部が設けられ、第2位置制限部は、予め設定された位置制限角度を有し、テンプル2は、予め設定された位置制限角度の範囲内で回転可能である。第2位置制限部により、テンプル2は予め設定された位置制限角度の範囲内で回転可能であるため、テンプル2の回転を制御できる効果が実現された。
【0031】
例えば、予め設定された位置制限角度は±30°である。即ち、テンプル2は、弾性部材の駆動により内側へ自動的に30°回転すると、第2位置制限部の一部に当接し、内側への回転が停止する。
【0032】
テンプル2は、手で外側へ引っ張られる駆動力により外側へ30°回転すると、第2位置制限部の他の部分に当接し、外側への回転が停止する。この際に、2つのテンプル2の間の幅が大きくなり、頭幅が大きい人でも使用できる。
【0033】
第2位置制限部のテンプル2に対する予め設定された位置制限角度は、±30°に限定されず、当業者は、実際の需要に応じて第2位置制限部の位置制限角度を設定することができる。
【0034】
第2位置制限部を設けることにより、テンプルが第2接続部材に対して過度に回転することによる不都合な使用状況を効果的に回避することができる。そして、メガネが損なわれるリスクも低減でき、テンプルと第2接続部材との間に破断が発生するリスクも低減できる。
【0035】
任意に、図1及び図3に示すように、一実施例では、第2位置制限部は、第1ビア43を含み、テンプル2と第2接続部材4との間には、第1ビア43内で移動可能な第1柱状部5が設けられる。
【0036】
例えば、第1ビア43は、第2接続部材4の第2端42に設けられ、第1柱状部5は、テンプル2に設けられ、第1柱状部5は、第1ビア43内に挿入される。第1柱状部5が第1ビア43内で移動可能になるように、第1ビア43の直径は、第1柱状部5の直径よりも大きい。
【0037】
図3に示すように、例えば、テンプル2は、弾性部材の駆動により本体に近づく方向へ自動的に30°回転すると、テンプル2における第1柱状部5と第2接続部材4の第1ビア43の第1側孔壁431とが当接して位置制限を構成する。第1ビア43の位置制限作用により、テンプル2は、それ以上回転することができない。
【0038】
図3に示すように、例えば、着用者が、テンプル2を本体1から離れる方向へ引っ張って、テンプル2を本体1から離れる方向へ30°回転させると、テンプル2における第1柱状部5と第2接続部材4の第1ビア43の第2側孔壁432とが当接して位置制限を構成する。第1ビア43の位置制限作用により、テンプル2は、それ以上本体から離れる方向へ引っ張られることができず、外側への回転が停止する。この際に、2つのテンプル2の間の幅が大きくなり、頭幅が大きい着用者でも使用できる。
【0039】
本願では、第1柱状部及び第1ビアのサイズを予め設定することにより、テンプルの第2接続部材に対する回転角度を制限し、着用者が容易に使用して引っ張ることができ、またテンプルが引っ張られ過ぎることが回避される。例えば、第1ビアの直径が一定である設計方式では、第1柱状部の直径が大きくなるほど、テンプルが第2接続部材に対して回転可能な角度の範囲が小さくなる。逆に、その範囲が大きくなる。あるいは、第1柱状部の直径が一定である設計方式では、第1ビアの直径が小さくなるほど、テンプルが第2接続部材に対して回転可能な角度の範囲が小さくなる。逆に、その範囲が大きくなる。
【0040】
第2位置制限部をこのように配置することにより、第2位置制限部とビアとが良好で安定的な協働関係を有するという利点がある。第2位置制限部と第1柱状部とが挿入接続関係となることにより、緩みや相互の分離などによって位置制限が無効になることが生じにくい。そして、このような構造の加工や組みつけプロセスは簡単である。
【0041】
前記第2位置制限部は、上記の構造により実現できる以外に、その他の構造によりこのような位置制限機能を実現することもできる。
【0042】
任意に、第2位置制限部は、第1位置制限部と同様なシート状の延伸構造を採用してもよい。テンプルの位置を制限するために、前記第2接続部材において、本体から離れる位置からシート状構造が延びてもよい。テンプルが外力によって本体から離れる方向へ引っ張られている状態で、テンプルは、一定の角度回転した後にシート状構造に相互に当接する。シート状構造を有する第2位置制限部により、テンプルに対する位置制限を実現することができる。
【0043】
任意に、第2位置制限部の残りの半分の構造として、前記第2接続部材における本体に近い位置からもシート状構造が延びてもよい。テンプルが外力によって引っ張られていない場合、テンプルは、弾性部材の作用で、その表面が第2接続部材における本体に近いシート状構造に当接して位置制限を構成することができる。
【0044】
上記の実施形態も同様に、第2位置制限部のテンプルに対する位置制限作用を実現でき、また、構造が簡単で組みつけが容易である。2つのシート状構造の間の距離を設計することにより、テンプルの回転角度の範囲を制限することができる。第2位置制限部をシート状構造とする場合、実際の製品の需要に応じて、両方向の角度を全て制限するために2つのシート状構造を設計してもよく、そのうちの1つのみを配置してもよく、一方向における位置制限を達成すればよい。
【0045】
図1図5に示すように、一実施例では、弾性部材は、ねじりバネ6であり、ねじりバネ6は、取付軸44を介して第2接続部材4に取り付けられる。ねじりバネ6の第1トーションアーム61の構造は、第1弾性端であり、第1トーションアーム61は、テンプル2に当接し、ねじりバネ6の第2トーションアーム62の構造は、第2弾性端であり、第2トーションアーム62は、第2接続部材4に当接する。ねじりバネ6の材質は、シリコンマンガンバネ鋼線、クロムバナジウムバネ鋼線、クロムシリコンバネ鋼線のうちのいずれか1つである。ねじりバネ6の第1トーションアーム61は、テンプル2の回転による弾性ポテンシャルエネルギーを蓄えたり解放したりすることができる。ねじりバネにより、回転協働する第2接続部材とテンプルに安定的で信頼性の高い弾性作用力が発生することができ、テンプルに着用者の頭部に近づく方向へ締め付ける作用力が発生することができる。ねじりバネの第1トーションアーム及び第2トーションアームをそれぞれテンプル及び第2接続部材に当接させることにより、弾性作用力を効果的に伝達することができる。
【0046】
任意に、第1トーションアーム及び第2トーションアームが2つの部材に当接する安定性をさらに向上させるために、第2接続部材及び/又はテンプルには、ザグリ穴が形成されてもよい。第1トーションアーム及び第2トーションアームの端部は、トーションアームが当接する部材に対して変位する現象を回避するために、折り曲げられてザグリ穴に挿入されてもよい。また、第2接続部材及び/又はテンプルには、トーションアームの位置を制限するための位置決め溝が設けられてもよい。
【0047】
ねじりバネを第2接続部材及びテンプルに組みつける方法については、1つの任意の実施形態は、図1に示されている。第2接続部材4には、第1取付穴45が取り付けられ、取付軸44は、第1取付穴45内に取り付けられ、ねじりバネ6は、取付軸44に外嵌される。取付け時に、ねじりバネ6の中央部の環状部を取付軸44の外側に外嵌し、取付軸44を第1取付穴45により第2接続部材4に固定する。ねじりバネが外嵌される取付軸を設けることにより、ねじりバネを第2接続部材に設ける安定性を効果的に高め、テンプルと第2接続部材との間の弾性回転協働の信頼性を向上させることができる。
【0048】
図1及び図2に示すように、一実施例では、第1トーションアーム61は、テンプル2の本体1から離れる側に当接する。第2トーションアーム62は、第2接続部材4の本体1から離れる側に当接する。このように、いったんテンプルが本体から離れる方向へ引っ張られて回転すると、ねじりバネに、テンプルを本体に近づく方向へ移動させようとする弾性作用力が発生することができる。さらに、ねじりバネは、一定のプリロードを有してもよく、これにより、ねじりバネ6の第1トーションアーム61は、本体に近づく方向へ回転させる押付力を常にテンプル2に加え、テンプル2の自動挟持の効果が実現された。着用者がメガネを着用した後に、テンプルは、着用者の頭部を弾性作用力で締め付けることができ、これによって着用信頼性が向上する。
【0049】
任意に、弾性部材は、板バネ、弾性ゴムなどのような弾性作用力を安定的に発生できる弾性部材であってもよい。
【0050】
任意に、前記弾性部材は、板バネである。板バネの中央部は、第2接続部材4に固定されている。固定方式は、はんだ接合であってもよく、ボルトにより第2接続部材4に接続されてもよい。当業者は、実際の需要に応じて板バネの接続方式を設定することができる。
【0051】
例えば、板バネの第1トーションアーム構造は、第1弾性端であり、第1トーションアームは、テンプル2の本体1から離れる側に当接する。板バネの第2トーションアーム構造は、第2弾性端であり、第2弾性端は、第2接続部材4の本体1から離れる側に当接する。即ち、板バネの第1トーションアームは、テンプル2の自動挟持の効果を実現するために、テンプル2に対して内側へ回転させる押付力を常に解放する。板バネの組みつけ方法は、より簡単であり、第2接続部材とテンプルとの間の接続関係を単純化することができる。また、板バネは、弾性変形作用力を安定的に提供することもできる。
【0052】
図1図2及び図4に示すように、一実施例では、テンプル2は、支持脚21と、支持脚21に接続される第3接続部材22とを含み、第3接続部材22は、第2接続部材4の第2端42とヒンジ接合される。弾性部材は、第3接続部材22と第2接続部材4との間に位置し、弾性部材の第1弾性端は、第3接続部材22に当接し、弾性部材の第2弾性端は、第2接続部材4に当接し、第3接続部材22が本体1から遠ざかって回転している場合、弾性部材は、第3接続部材22と第2接続部材4とを互いに遠ざけるように駆動する。
【0053】
支持脚21は、第3接続部材22の第2接続部材4から離れる一端に接続されている。任意に、接続方式は、ネジ接続である。
【0054】
本実施例のメガネを使用する際に、2つのテンプル2を外側方向へ展開し、このとき支持脚21は、第3接続部材22及び弾性部材を介して、第2接続部材4を本体1に対して回転させるように動かす。
【0055】
2つの支持脚21の間の幅が大きくなり、支持脚21が耳に掛けられた後に、弾性部材は、第3接続部材22及び支持脚21を本体1に近づく方向へ移動(即ち、内側へ回転させる)ように駆動することで、2つの支持脚21が頭部を締め付ける。
【0056】
また、第2接続部材4が第3接続部材22とヒンジ接合され、支持脚21と第3接続部材22とが固定接続されるため、第2接続部材及び支持脚21が本体1に対して完全に展開されて平行になった後に、2つの支持脚21の間の幅が依然として着用者の頭幅よりも小さい場合、着用者は、それぞれ2つの支持脚21を外側へ回転させることで幅を広げることができる。これによって、支持脚21は、ヒンジ接合点を軸心として、例えば、1°~30°回転するように第3接続部材22を動かす。さらに、支持脚21は、本体1から離れる方向へ回転するように第3接続部材22を動かす。この際に、弾性部材に弾性変形及び弾性作用力が発生する。メガネが着用された後に、弾性部材は、テンプル2の本体1に近づく方向へ締め付けるように第3接続部材22及び支持脚21を駆動する。
【0057】
第3接続部材及び支持脚を設計することにより、メガネの構造と素材をより多様化できる。第3接続部材は、構造強度が良好で、安定的な回転接続を実現するのに好適な素材で製造することができる。前記支持脚は、肌にやさしく、より美しい外観の素材で製造することができる。このような設計方式は、メガネの性能要件をより良く満たすことができる。
【0058】
図1に示すように、一実施例では、第1接続部材3、第2接続部材4及び第3接続部材22は、いずれも溝状板であり、第2接続部材4の第1端41は、第1接続部材3の一端内に外嵌され、第2接続部材4の第2端42は、第3接続部材22の一端内に外嵌され、前記第1柱状部5は、第3接続部材22及び支持脚21の回転を制御可能にするように、第3接続部材22の第2取付穴222に設けられ、第2接続部材4の第1ビア43内に挿入される。
【0059】
一方では、上記の部材を溝状板とすることにより、各部材の面積を大きくすることができ、これによって着用者の着用快適性が向上し、挟持作用力によって引き起こされうる着用不快感が軽減される。他方では、溝状板の構造の強度がより高く、各接続部材の構造の信頼性が向上した。
【0060】
第1接続部材3、第2接続部材4及び第3接続部材22は、溝状板に限定されず、当業者は、実際の需要に応じて第1接続部材3、第2接続部材4及び第3接続部材22の形状を設定することができる。
【0061】
図1に示すように、一実施例では、第1接続部材3の一端の両側の壁板には、対向する第1ヒンジ接合孔32がそれぞれ設けられる。第2接続部材4の第1端41の両側の壁板には、対向する第2ヒンジ接合孔46がそれぞれ設けられる。第2接続部材4の第2端42の両側の壁板には、対向する第3ヒンジ接合孔47がそれぞれ設けられる。第3接続部材22の一端の両側の壁板には、対向する第4ヒンジ接合孔221がそれぞれ設けられる。第1ヒンジ接合孔32と第2ヒンジ接合孔46とが重なって第1軸7を介してヒンジ接合され、第3ヒンジ接合孔47と第4ヒンジ接合孔221とが重なって第2軸8を介してヒンジ接合される。
【0062】
図1に示すように、一実施例では、第1接続部材3、第2接続部材4及び第3接続部材22には、接続装置の全体的な重量を軽減するための軽量化孔がそれぞれ設けられる。軽量化孔は、接続部材において他の部材とのヒンジ接合及び固定接続に用いられない部分に設けられてもよい。例えば、各接続部材が溝状板である実施形態では、前記軽量化孔は、溝状板の面積が最も大きい表面、即ち、各接続部材の側面板に設けられてもよい。このように、軽量化を実現できるだけでなく、メガネの外観を美しくすることもできる。
【0063】
なお、本明細書では、「含む」、「備える」という用語及びそれらの任意の変形は、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置がそれらの要素だけでなく、明確に列記されていない他の要素、或いはこのようなプロセス、方法、物品又は装置の固有の要素も含むように、非排他的な包含をカバーすることを意図している。更なる制限がない限り、「…を含む」という記述により限定された要素は、当該要素を含むプロセス、方法、物品又は装置にさらに別の同一の要素が存在する場合を除外するものではない。また、指摘すべきこととして、本願の実施形態における方法及び装置の範囲は、示され又は検討された順序で機能を実行することに限定されず、かかる機能に応じてほぼ同時又は逆の順序で機能を実行することも含み得る。例えば、説明される順と異なる順で記載される方法を実行してもよく、各種のステップを追加し、省略し、又は組み合わせてもよい。また、幾つかの例を参照して説明される特徴を他の例において組み合わせてもよい。
【0064】
以上、図面を参照しながら本願の実施例を説明したが、本願は、上記の具体的な実施形態に限定されず、上記の具体的な実施形態は、限定的なものではなく、例示的なものに過ぎない。当業者は、本願の示唆により、本願の要旨及び請求項の保護範囲から逸脱せずに多くの形態を作ることもでき、それらは、全て本願の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
1:本体
2:テンプル
21:支持脚
22:第3接続部材
221:第4ヒンジ接合孔
222:第2取付穴
3:第1接続部材
31:第1位置制限部
32:第1ヒンジ接合孔
4:第2接続部材
41:第1端
42:第2端
43:第1ビア
431:第1側孔壁
432:第2側孔壁
44:取付軸
45:第1取付穴
46:第2ヒンジ接合孔
47:第3ヒンジ接合孔
5:第1柱状部
6:ねじりバネ
61:第1トーションアーム
62:第2トーションアーム
7:第1軸
8:第2軸
図1
図2
図3
図4
図5