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特許7541138包装チューブのチューブエンド封止工程とその製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】包装チューブのチューブエンド封止工程とその製品
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/02 20060101AFI20240820BHJP
【FI】
B29C65/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023018358
(22)【出願日】2023-02-09
(65)【公開番号】P2024076317
(43)【公開日】2024-06-05
【審査請求日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】202211484981.2
(32)【優先日】2022-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519463813
【氏名又は名称】廈門鵬茂機械設備有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100163544
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 緑
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 晃
(72)【発明者】
【氏名】江志榮
【審査官】田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-126538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外層材料および中間層材を有する包装チューブであって、前記包装チューブのチューブエンドの端部において前記中間層材の端面を前記外層材料により包み込む包装チューブのチューブエンド封止工程であって、
チューブボディをテールシール機内に置き、前記テールシール機の左型、右型を前記チューブボディのポートに合わせて型締めするステップであり、そのうち、前記左型、右型の対向面には、いずれもチューブボディのポートを圧着するための圧着部が設けられており、前記圧着部の下縁には横方向の第1フランジが設けられているステップ1と、
前記テールシール機の左型、右型は、前記チューブボディのポートの両辺を高圧で溶着、熱溶着されかつ前記第1フランジに押圧されたチューブボディ素材の前記外層材料が前記チューブボディの上方に流れ、前記チューブエンドの端部において前記中間層材の端面を包み込むバリ部を形成するステップ2と、
前記チューブエンドを冷却した後、エンド封止カッターを用いて前記チューブエンドの端部の前記バリ部の一部を切断し、加工を完了するステップであり、前記エンド封止カッターの切断高さは、前記チューブボディの先端よりも高いステップ3と、を含むことを特徴とする包装チューブのチューブエンド封止工程。
【請求項2】
前記圧着部の上縁に横方向の第2フランジが設けられている、請求項1に記載の包装チューブのチューブエンド封止工程。
【請求項3】
前記第2フランジの高さが前記チューブボディの先端よりも高く、形成されたチューブエンドの両側に段部が成形されており、前記段部が前記エンド封止カッターを位置決めして案内する、請求項2に記載の包装チューブのチューブエンド封止工程。
【請求項4】
前記ステップ3では、前記エンド封止カッターの切断高さが前記バリ部の高さの1/2である、請求項1に記載の包装チューブのチューブエンド封止工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はチューブ加工の技術分野に関連し、特に包装チューブのチューブエンド封止工程とその製品を指す。
【背景技術】
【0002】
現在のチューブエンドの封止プロセスでは、まず、チューブの内容物(例えば化粧品、歯磨き粉など)をチューブ内に注射した後、加熱技術によってチューブエンドのポートの両辺を高圧で融合させ、チューブエンドの端部に形成された不規則なバリをエンド封止カッターで切除することで、チューブエンドの閉鎖を実現している。
【0003】
業界技術の発展と製品需要の変化に伴い、現在チューブを作るために使用されている材料はプラスチックに限らず、ますます豊富な素材を持っていて、例えば、プラスチックの使用量を減らし、環境に配慮するために、一部のメーカーはエコペーパーを使用してチューブを製造し始めている。図1及び図2に示すように、エコペーパーからなるチューブボディ11'は、少なくとも最外層のプラスチックフィルム111'、最内層のプラスチックフィルム112'(又はアルミ箔)と、2層のプラスチックフィルム111'、112'の間に位置するエコペーパー層113'とを含み、既存のチューブエンド封止工程を用いて加工した後、チューブエンド12'(エンボス部分とバリ部分を含む)の端部に形成された不規則なバリが切除された後、露出したエコペーパー層113'の尾端が直接チューブエンド12'に露出する。このようなチューブは化粧品、歯磨き粉などを充填するためによく使われているため、その使用と保管環境は通常トイレなどの湿った領域であり、露出したエコペーパー層113'の尾端は湿気を吸収しやすく、時間が経つとチューブボディ11'中のエコペーパー層113'が湿ったり、変色したり、変質したりして、チューブの品質が悪化し、そのチューブエンドが割れやすくなる。また、濡れたり変色したりしたエコペーパー層113'も見た目に影響を与え、ユーザー体験が悪い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、チューブエンドの封止を実現しつつチューブの中間層材の端面を包み込むことができ、中間層材を保護する役割を果たす包装チューブのチューブエンド封止工程とその製品を提供することである。
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の解決案の1は、
包装チューブのチューブエンド封止工程であって、
チューブボディをテールシール機内に置き、前記テールシール機の左型、右型を前記チューブボディのポートに合わせて型締めする。そのうち、前記左型、右型の対向面には、いずれもチューブボディのポートを圧着するための圧着部が設けられており、前記圧着部の下縁には横方向の第1フランジが設けられているステップ1と、
前記テールシール機の左型、右型は、前記チューブボディのポートの両辺を高圧で溶着し、熱溶着されかつ前記第1フランジに押圧されたチューブボディ素材は、前記チューブボディの上方に流れてチューブエンドの端部のバリ部を形成するステップ2と、
前記チューブエンドを冷却した後、エンド封止カッターを用いて前記チューブエンドの端部のバリを切断し、加工を完了する。前記エンド封止カッターの切断高さは、前記チューブボディの先端よりも高いステップ3と、を含む。
【0006】
前記圧着部の上縁には、横方向の第2フランジが設けられている。
【0007】
好ましいは、前記第2フランジの高さが前記チューブボディの先端よりも高くて、形成されたチューブエンドの両側に段部が成形されており、前記段部が前記エンド封止カッターを位置決めして案内する。
【0008】
前記ステップ3では、前記エンド封止カッターの切断高さが前記バリ部の高さの1/2である。
【0009】
本発明の解決案の2は
包装チューブのチューブエンド封止工程を用いて製造された包装チューブであって、前記チューブボディは、最外層のプラスチックフィルムと、最内層の防腐層と、前記プラスチックフィルムと前記防腐層との間に位置するエコペーパー層とを含み、前記チューブエンドは前記エコペーパー層の尾端を被覆することを特徴とする包装チューブ。
【0010】
前記防腐層はプラスチックフィルムまたはアルミ箔である。
【0011】
上記構成による、本発明は、以下のような技術的効果を有する。
1 テールシール機の左型、右型に第1フランジを設けることにより、高圧溶着を行う過程でチューブボディの外層材料を上へオーバーフローさせ、チューブエンドの端部に特殊材料の端面を包み込むことができるバリ部を形成することができ、チューブボディ内の特殊材料を外部環境から遮断して保護することができる。
2 形成されたチューブエンドは、チューブエンドを切断する際に位置決め、配向の役割を果たすことができ、チューブボディの特殊な材料の位置まで切らないことを保証し、エンドカット後も特殊な材料が露出しないことを保証し、使用時の湿気の問題を避ける。
3 本発明は、従来のチューブボディの成形工程を変更したり、チューブボディの材料使用量を増やしたりすることなく、第1フランジによってチューブボディの材料の一部を移し替えてチューブエンドのバリ部を形成するので、従来の多層複合材料チューブを直接に処理してエンド封止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は従来のエコペーパーを含むチューブ構造の概略図である。
図2図2図1中のAにおける拡大図である。
図3図3は本発明の具体的な実施例の封止工程の型締め前の斜視図である。
図4図4は本発明の具体的な実施例の封止工程の型締め後の斜視図である。
図5図5は本発明の具体的な実施例の封止工程の型締め後の構造模式図である。
図6図6図5のBにおける拡大図である。
図7図7は本発明の具体的な実施例の封止工程のエンドカット作業の模式図である。
図8図8図7のCにおける拡大図である。
図9図9は本発明の具体的な実施例の封止工程の製品斜視図である。
図10図10は本発明の具体的な実施例の封止工程の製品断面図である。
図11図11図10中のDにおける拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図3図11に示すように、本発明は、以下のステップを含む包装チューブのチューブエンド封止工程を開示する。
【0014】
ステップ1、図3及び図4を参照して、チューブヘッド13が成形され内容物が充填されたチューブボディ11をテールシール機2内に置き、テールシール機2の左型21、右型22をチューブボディ11のポートに合わせて型締めする。このうち、左型21、右型22の対向面には、いずれもチューブボディのポートを圧着するための圧着部23が設けられ、圧着部23の下縁には横方向の第1フランジ24が設けられている。
【0015】
ステップ2、図5及び図6を参照して、テールシール機2の左型21、右型22は、チューブボディ11のポートの両辺を高圧で溶着し、熱溶着され且つ第1フランジ24に押圧されたチューブボディ素材は、チューブボディ11の上方に流れてチューブエンド12の端部のバリ部121を形成する。
【0016】
ステップ3、図7及び図8を参照して、チューブエンド12を冷却した後、エンド封止カッター3を用いてチューブエンド12の端部のバリ部121を切断して、加工を完了し、図9に示すチューブ1を得る。このうち、エンド封止カッター3の切断高さは、チューブボディ11の先端よりも高い。
【符号の説明】
【0017】
1 チューブ
11 チューブボディ
11’ チューブボディ
111 最外層のプラスチックフィルム
111’ 最外層のプラスチックフィルム
112 最内層の防腐層
112’ 最内層のプラスチックフィルム
113 エコペーパー層
113’ エコペーパー層
12 チューブエンド
12’ チューブエンド
121 バリ部
122 段部
13 チューブヘッド
2 テールシール機
21 左型
22 右型
23 圧着部
24 第1フランジ
25 第2フランジ
3 エンド封止カッター
【0018】
以下に本発明の具体的な実施例を示す。
【0019】
上記圧着部23の上縁には、横方向の第2フランジ25が設けられており、第2フランジ25を設けることで、チューブボディ11が左型21、右型22で押圧された後に形成されるバリ部121の高さを高くすることができ、ステップ3のエンドカットを行い、エンドカット作業時の耐障害性が高くなり、不良品が発生しにくくなる。
【0020】
さらに、上記第2フランジ25の高さはチューブボディ11の先端よりも高く、形成されたチューブエンド12の両側には段部122が成形されており、段部122はエンド封止カッター3の位置決めと案内が容易であり、エンドカット作業の効率と精度を向上させる。
【0021】
上記ステップ3では、エンド封止カッター3の切断高さはバリ部121の高さの1/2である。
【0022】
図9図11を参照して、上記のチューブエンド封止工程の製品はチューブ1であり、チューブ1のチューブボディ11は最外層のプラスチックフィルム111と、最内層の防腐層112と、プラスチックフィルム111と防腐層112の間に位置するエコペーパー層113とを含み、チューブエンド12はエコペーパー層113の尾端を被覆する。
【0023】
さらに、上記防腐層112はプラスチックフィルムまたはアルミニウム箔である。
【0024】
また、チューブボディは3層の材料のみに限定するものではない。エコペーパー層113は、少なくとも1層のエコペーパーを含む。あるいは、エコペーパー層113は、防腐、防湿を必要とする他の特殊な材料であるもよい。
【0025】
以上の案により、本発明は、テールシール機2の左型21、右型22に第1フランジ24を設けることにより、高圧溶着の過程でチューブボディ11の外層材料を上へオーバーフローさせ、チューブエンド12の端部に特殊材料の端面を包み込むことができるバリ部121を形成することができ、チューブボディ11内の特殊材料を外部環境から遮断して保護することができる。形成されたチューブエンド12は、チューブエンドを切断する際に位置決め、配向の役割を果たすことができ、チューブボディの特殊な材料の位置まで切らないことを保証し、エンドカット後も特殊な材料が露出しないことを保証し、使用時の湿気の問題を避ける。本発明は、従来のチューブボディ成形工程を変更したり、チューブボディの材料使用量を増やしたりすることなく、第1フランジ24によってチューブボディ11の材料の一部を移し替えてチューブエンド12のバリ部121を形成するので、従来の多層複合材料チューブを直接に処理してエンド封止することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図9
図10
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