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特許7541161物理アップリンク共有チャネル通信と物理アップリンク制御チャネル通信の選択的な多重化
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】物理アップリンク共有チャネル通信と物理アップリンク制御チャネル通信の選択的な多重化
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/1268 20230101AFI20240820BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20240820BHJP
   H04W 72/23 20230101ALI20240820BHJP
【FI】
H04W72/1268
H04W72/0446
H04W72/23
【請求項の数】 35
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023113936
(22)【出願日】2023-07-11
(62)【分割の表示】P 2020556785の分割
【原出願日】2019-04-15
(65)【公開番号】P2023138513
(43)【公開日】2023-10-02
【審査請求日】2023-08-09
(31)【優先権主張番号】62/659,036
(32)【優先日】2018-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/382,929
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】イ・ファン
(72)【発明者】
【氏名】アミール・アミンザデ・ゴハリ
(72)【発明者】
【氏名】ソニー・アカラカラン
(72)【発明者】
【氏名】レンチュウ・ワン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ガール
(72)【発明者】
【氏名】ワンシ・チェン
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0223201(US,A1)
【文献】国際公開第2018/030858(WO,A1)
【文献】Huawei, HiSilicon,Remaining issues on UCI multiplexing[online],3GPP TSG RAN WG1 #92b R1-1803646,フランス,Internet:<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_92b/Docs/R1-1803646.zip>,2018年04月06日,[検索日 2024.07.02]
【文献】Huawei, HiSilicon,Transmission of PUCCH and PUSCH with partial overlap[online],3GPP TSG RAN WG1 #92 R1-1802692,フランス,Internet:<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_92/Docs/R1-1802692.zip>,2018年02月17日,[検索日 2024.07.02]
【文献】Qualcomm Incorporated,Summary of remaining issues for UCI multiplexing on PUSCH[online],3GPP TSG RAN WG1 #92b R1-1805666,フランス,Internet:<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_92b/Docs/R1-1805666.zip>,2018年04月19日,[検索日 2024.07.02]
【文献】Huawei, HiSilicon,Discussion on partial overlap between PUCCH and PUCCH/PUSCH[online],3GPP TSG RAN WG1 #93 R1-1806882,フランス,Internet:<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_93/Docs/R1-1806882.zip> ,2018年05月12日,[検索日 2024.07.02]
【文献】Ericsson,On UCI Multiplexing on PUCCH[online],3GPP TSG RAN WG1 #93 R1-1807251,フランス,Internet:<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_93/Docs/R1-1807251.zip> ,2018年05月12日,[検索日 2024.07.02]
【文献】LG Electronics,Remaining issues on UCI multiplexing[online],3GPP TSG RAN WG1 #92b R1-1804556,フランス,Internet:<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_92b/Docs/R1-1804556.zip> ,2018年04月07日,[検索日 2024.07.02]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)により実行されるワイヤレス通信の方法であって、
アップリンク許可によってスケジュールされる物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)通信と、ダウンリンク許可によってスケジュールされる物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)通信に対応する物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)通信とが1つまたは複数のシンボルにおいて重複するようにスケジュールされると判定するステップと、
前記PUSCH通信または前記PUCCH通信の最も早いスケジュールされる開始時間に少なくとも部分的に基づいてしきい値時間を判定するステップと、
前記アップリンク許可、前記ダウンリンク許可、および前記PDSCH通信が前記しきい値時間よりも前に受信されるかどうかに少なくとも部分的に基づいて、前記PUSCH通信および前記PUCCH通信の多重化を選択的に実行するステップであって、前記UEは、前記アップリンク許可、前記ダウンリンク許可、または前記PDSCH通信の最後のシンボルのうちの少なくとも1つが前記しきい値時間よりも後に受信される場合、前記PUSCH通信および前記PUCCH通信を多重化しない、ステップと、
前記選択的な多重化に少なくとも部分的に基づいて、前記PUSCH通信、前記PUCCH通信、または前記PUSCH通信および前記PUCCH通信の両方を送信するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記PUSCH通信および前記PUCCH通信は、前記PUSCH通信をパンクチャするか、または前記PUCCH通信のアップリンク制御情報(UCI)を中心として前記PUSCH通信をレートマッチさせることによって、前記UCIを前記PUSCH通信にピギーバックさせることにより多重化される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記PUSCH通信および前記PUCCH通信が、異なるシンボルにおいて開始するようにスケジュールされ、
前記最も早いスケジュールされる開始時間が、前記PUSCH通信または前記PUCCH通信のどちらがより前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされるかに少なくとも部分的に基づいて判定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記PUSCH通信および前記PUCCH通信が、同じPUCCHグループに含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記UEは、
前記アップリンク許可、前記ダウンリンク許可、および前記PDSCH通信の最後のシンボルが前記しきい値時間より前に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいて、前記PUSCH通信および前記PUCCH通信を多重化するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記UEは、
前記アップリンク許可、前記ダウンリンク許可、または前記PDSCH通信の最後のシンボルのうちの少なくとも1つが前記しきい値時間よりも後に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいて、前記PUSCH通信および前記PUCCH通信の両方を破棄するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記UEは、前記アップリンク許可、前記ダウンリンク許可、または前記PDSCH通信の最後のシンボルのうちの少なくとも1つが前記しきい値時間よりも後に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいて、前記PUCCH通信または前記PUSCH通信の一方を送信し他方を破棄するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記UEは、前記アップリンク許可、前記ダウンリンク許可、または前記PDSCH通信の最後のシンボルのうちの少なくとも1つが前記しきい値時間よりも後に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいて、
前記PUCCH通信および前記PUSCH通信のうちの前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされる方、ならびに
前記PUCCH通信および前記PUSCH通信のうちの後のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされる方
のうちの一方を送信し他方を破棄するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記しきい値時間は、前記PUSCH通信が前記PUCCH通信よりも前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされるときのPUSCH処理時間および前記PUSCH通信のスケジュールされる開始時間に少なくとも部分的に基づいて判定される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記しきい値時間は、前記PUCCH通信が前記PUSCH通信よりも前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされるときの
PUCCH処理時間、
前記PDSCH通信の持続時間または事前構成された値、および
前記PUCCH通信のスケジュールされる開始時間
に少なくとも部分的に基づいて判定される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記しきい値時間は、前のシンボルにおいて開始する前記PUSCH通信または前記PUCCH通信のいずれか一方の最初のシンボルよりも前のシンボルの数である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記数は、PUSCH処理時間に少なくとも部分的に基づいて判定される第1のしきい値時間およびPUCCH処理時間に少なくとも部分的に基づいて判定される第2のしきい値時間の最大値に対応する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記しきい値時間は、PUSCH処理時間またはPUCCH処理時間に少なくとも部分的に基づいて判定される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
PUCCH通信は、
第1のPUCCH通信に対応する前記アップリンク許可、前記ダウンリンク許可、および前記PDSCH通信が、前記しきい値時間よりも前に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいて前記PUSCH通信と多重化される前記第1のPUCCH通信であり、
第2のPUCCH通信が、前記PUSCH通信の1つまたは複数のシンボルと重複するようにスケジュールされる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記UEは、
前記第2のPUCCH通信をスケジュールするダウンリンク許可が前記しきい値時間よりも前に受信され、
前記第2のPUCCH通信に対応するPDSCH通信の最後のシンボルが前記しきい値時間よりも後に受信される
との判定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2のPUCCH通信に対応する否定応答(NACK)を前記PUSCH通信および前記第1のPUCCH通信と多重化するように構成される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記UEは、肯定応答または否定応答(ACK/NACK)フィードバックのために、前記第2のPUCCH通信をスケジュールする前記ダウンリンク許可において示されるダウンリンク割当てインデックス(DAI)を介して構成される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記UEは、
前記第2のPUCCH通信をスケジュールするダウンリンク許可が、前記しきい値時間よりも前に受信され、
前記第2のPUCCH通信に対応するPDSCH通信の最後のシンボルが前記しきい値時間よりも後に受信される
との判定に少なくとも部分的に基づいて前記第2のPUCCH通信を破棄するように構成される、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記UEは、肯定応答または否定応答(ACK/NACK)フィードバックのために、前記第1のPUCCH通信をスケジュールする前記ダウンリンク許可において示されるダウンリンク割当てインデックス(DAI)を介して構成される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記UEは、
前記第2のPUCCH通信をスケジュールする物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)通信がしきい値時間よりも前に受信され、
前記PDCCH通信がPDSCH通信をスケジュールしない
との判定に少なくとも部分的に基づいて、前記第2のPUCCH通信に対応する肯定応答(ACK)を前記PUSCH通信および前記第1のPUCCH通信と多重化するように構成される、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記UEは、前記第2のPUCCH通信をスケジュールするダウンリンク許可が、前記しきい値時間よりも後に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいて前記第2のPUCCH通信を破棄するように構成される、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記UEは、肯定応答または否定応答(ACK/NACK)フィードバックのために、前記第1のPUCCH通信をスケジュールする前記ダウンリンク許可において示されるダウンリンク割当てインデックス(DAI)を介して構成される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記PUSCH通信は、前記アップリンク許可、前記ダウンリンク許可、および前記PDSCH通信が、前記しきい値時間よりも前に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいて前記PUCCH通信と多重化される第1のPUSCH通信であり、
前記しきい値時間よりも前に受信されるダウンリンク許可によってスケジュールされる第2のPUSCH通信が、前記PUCCH通信の1つまたは複数のシンボルと重複するようにスケジュールされる、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記PUCCH通信は、前記第1のPUSCH通信が前記第2のPUSCH通信よりも前の開始シンボルを有するとの判定に少なくとも部分的に基づいて前記第1のPUSCH通信にピギーバックされる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記PUCCH通信は、前記第1のPUSCH通信に割り当てられるリソースが前記第2のPUSCH通信に割り当てられるリソースよりも多いとの判定に少なくとも部分的に基づいて前記第1のPUSCH通信にピギーバックされる、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記PUCCH通信は、前記第1のPUSCH通信と前記第2のPUSCH通信の両方にピギーバックされる、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
ワイヤレス通信のためのユーザ機器(UE)であって、
メモリと、
前記メモリに動作可能に結合された1つまたは複数のプロセッサと
を備え、前記メモリおよび前記1つまたは複数のプロセッサが、
アップリンク許可によってスケジュールされる物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)通信と、ダウンリンク許可によってスケジュールされる物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)通信に対応する物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)通信とが1つまたは複数のシンボルにおいて重複するようにスケジュールされると判定することと、
前記PUSCH通信または前記PUCCH通信の最も早いスケジュールされる開始時間に少なくとも部分的に基づいてしきい値時間を判定することと、
前記アップリンク許可、前記ダウンリンク許可、および前記PDSCH通信が前記しきい値時間よりも前に受信されるかどうかに少なくとも部分的に基づいて、前記PUSCH通信および前記PUCCH通信の多重化を選択的に実行することであって、前記UEは、前記アップリンク許可、前記ダウンリンク許可、または前記PDSCH通信の最後のシンボルのうちの少なくとも1つが前記しきい値時間よりも後に受信される場合、前記PUSCH通信および前記PUCCH通信を多重化しない、多重化を選択的に実行することと、
前記選択的な多重化に少なくとも部分的に基づいて、前記PUSCH通信、前記PUCCH通信、または前記PUSCH通信および前記PUCCH通信の両方を送信することと
を行うように構成される、ユーザ機器。
【請求項27】
前記PUSCH通信および前記PUCCH通信が、異なるシンボルにおいて開始するようにスケジュールされ、
前記最も早いスケジュールされる開始時間が、前記PUSCH通信または前記PUCCH通信のどちらがより前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされるかに少なくとも部分的に基づいて判定される、請求項26に記載のユーザ機器。
【請求項28】
前記アップリンク許可、前記ダウンリンク許可、および前記PDSCH通信の最後のシンボルが前記しきい値時間より前に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいて、前記PUSCH通信および前記PUCCH通信を多重化するように構成される、請求項26に記載のユーザ機器。
【請求項29】
前記しきい値時間は、前記PUSCH通信が前記PUCCH通信よりも前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされるときのPUSCH処理時間および前記PUSCH通信のスケジュールされる開始時間に少なくとも部分的に基づいて判定される、請求項26に記載のユーザ機器。
【請求項30】
前記しきい値時間は、前記PUCCH通信が前記PUSCH通信よりも前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされるときの
PUCCH処理時間、
前記PDSCH通信の持続時間または事前構成された値、および
前記PUCCH通信のスケジュールされる開始時間
に少なくとも部分的に基づいて判定される、請求項26に記載のユーザ機器。
【請求項31】
前記しきい値時間は、前のシンボルにおいて開始する前記PUSCH通信または前記PUCCH通信のいずれか一方の最初のシンボルよりも前のシンボルの数である、請求項26に記載のユーザ機器。
【請求項32】
前記数は、PUSCH処理時間に少なくとも部分的に基づいて判定される第1のしきい値時間およびPUCCH処理時間に少なくとも部分的に基づいて判定される第2のしきい値時間の最大値に対応する、請求項31に記載のユーザ機器。
【請求項33】
前記しきい値時間は、PUSCH処理時間またはPUCCH処理時間に少なくとも部分的に基づいて判定される、請求項26に記載のユーザ機器。
【請求項34】
前記PUSCH通信は、前記アップリンク許可、前記ダウンリンク許可、および前記PDSCH通信が、前記しきい値時間よりも前に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいて前記PUCCH通信と多重化される第1のPUSCH通信であり、
前記しきい値時間よりも前に受信されるダウンリンク許可によってスケジュールされる第2のPUSCH通信が、前記PUCCH通信の1つまたは複数のシンボルと重複するようにスケジュールされる、請求項26に記載のユーザ機器。
【請求項35】
前記PUCCH通信は、前記第1のPUSCH通信が前記第2のPUSCH通信よりも前の開始シンボルを有するとの判定に少なくとも部分的に基づいて前記第1のPUSCH通信にピギーバックされる、請求項34に記載のユーザ機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国特許法第119条に基づく関連出願の相互参照
本特許出願は、2018年4月17日に出願された「TECHNIQUES AND APPARATUSES FOR SELECTIVELY MULTIPLEXING PHYSICAL UPLINK SHARED CHANNEL (PUSCH) AND PHYSICAL UPLINK CONTROL CHANNEL (PUCCH) COMMUNICATIONS」という表題の米国仮特許出願第62/659,036号、および2019年4月12日に出願された「SELECTIVELY MULTIPLEXING PHYSICAL UPLINK SHARED CHANNEL (PUSCH) AND PHYSICAL UPLINK CONTROL CHANNEL (PUCCH) COMMUNICATIONS」という表題の米国非仮特許出願第16/382,929号の優先権を主張し、これらは本明細書に参照によって明確に組み込まれる。
【0002】
本開示の態様は一般にワイヤレス通信に関し、かつPUSCH通信とPUCCH通信を選択的に多重化するための技法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス通信システムは、電話、ビデオ、データ、メッセージング、およびブロードキャストなど、様々な電気通信サービスを提供するために広く展開されている。典型的なワイヤレス通信システムは、利用可能なシステムリソース(たとえば、帯域幅、送信電力など)を共有することによって複数のユーザとの通信をサポートすることができる多元接続技術を使用する場合がある。そのような多元接続技術の例には、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)システム、時分割同期符号分割多元接続(TD-SCDMA)システム、およびロングタームエボリューション(LTE)が含まれる。LTE/LTE-Advancedは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))によって公表されたUniversal Mobile Telecommunications System(UMTS)モバイル規格に対する拡張技術のセットである。
【0004】
ワイヤレス通信ネットワークは、いくつかのユーザ機器(UE)のための通信をサポートすることができる、いくつかの基地局(BS)を含んでもよい。ユーザ機器(UE)は、ダウンリンクおよびアップリンクを介して基地局(BS)と通信してもよい。ダウンリンク(または順方向リンク)はBSからUEへの通信リンクを指し、アップリンク(または逆方向リンク)はUEからBSへの通信リンクを指す。本明細書でより詳細に説明されるように、BSは、Node B、gNB、アクセスポイント(AP)、ラジオヘッド、送受信ポイント(TRP)、new radio (NR)BS、5G Node Bなどと呼ばれ得る。
【0005】
上記の多元接続技術は、都市レベル、国家レベル、地域レベル、および世界レベルで様々なユーザ機器が通信することを可能にする共通プロトコルを提供するために、様々な電気通信規格において採用されている。5Gとも呼ばれることがあるNew Radio (NR)は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって公表されたLTEモバイル規格に対する改良のセットである。NRは、スペクトル効率を高め、コストを減らし、サービスを改善し、新しいスペクトルを利用し、巡回プレフィックス(CP)を伴う直交周波数分割多重化(OFDM)(CP-OFDM)をダウンリンク(DL)上で使用し、CP-OFDMおよび/またはSC-FDM(離散フーリエ変換拡散OFDM(DFT-s-OFDM)としても知られている)をアップリンク(UL)上で使用して他のオープン規格とよりうまく調和し、ならびにビームフォーミング、多入力多出力(MIMO)アンテナ技術、およびキャリアアグリゲーションをサポートすることによって、モバイルブロードバンドインターネットアクセスをよりうまくサポートするように設計されている。しかしながら、モバイルブロードバンドアクセスへの需要が高まり続けるにつれて、LTE技術およびNR技術のさらなる改善が必要である。好ましくは、これらの改善は、これらの技術を利用する他の多元接続技術および電気通信規格に適用可能であるべきである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの態様では、ワイヤレス通信のための方法は、ユーザ機器(UE)によって実行され、アップリンク許可によってスケジュールされる物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)通信、およびダウンリンク許可によってスケジュールされる物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)通信に対応する物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)通信が、1つまたは複数のシンボルにおいて重複するようにスケジュールされると判定するステップと、PUSCH通信またはPUCCH通信の最も早いスケジュールされる開始時間に少なくとも部分的に基づいてしきい値時間を判定するステップと、アップリンク許可、ダウンリンク許可、およびPDSCH通信がしきい値時間よりも前に受信されるかどうかに少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信およびPUCCH通信を選択的に多重化するステップと、選択的な多重化に少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信、PUCCH通信、またはPUSCH通信とPUCCH通信の両方を送信するステップとを含んでもよい。
【0007】
いくつかの態様では、ワイヤレス通信のためのユーザ機器は、メモリと、メモリに動作可能に結合された1つまたは複数のプロセッサとを含んでもよい。メモリおよび1つまたは複数のプロセッサは、アップリンク許可によってスケジュールされるPUSCH通信、およびダウンリンク許可によってスケジュールされるPDSCH通信に対応するPUCCH通信が、1つまたは複数のシンボルにおいて重複するようにスケジュールされると判定し、PUSCH通信またはPUCCH通信の最も早いスケジュールされる開始時間に少なくとも部分的に基づいてしきい値時間を判定し、アップリンク許可、ダウンリンク許可、およびPDSCH通信がしきい値時間よりも前に受信されるかどうかに少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信およびPUCCH通信を選択的に多重化し、選択的な多重化に少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信、PUCCH通信、またはPUSCH通信とPUCCH通信の両方を送信するように構成されてもよい。
【0008】
いくつかの態様では、非一時的コンピュータ可読媒体は、ワイヤレス通信のための1つまたは複数の命令を記憶してもよい。1つまたは複数の命令は、ユーザ機器の1つまたは複数のプロセッサによって実行されたときに、1つまたは複数のプロセッサに、アップリンク許可によってスケジュールされるPUSCH通信、およびダウンリンク許可によってスケジュールされるPDSCH通信に対応するPUCCH通信が、1つまたは複数のシンボルにおいて重複するようにスケジュールされると判定することと、PUSCH通信またはPUCCH通信の最も早いスケジュールされる開始時間に少なくとも部分的に基づいてしきい値時間を判定することと、アップリンク許可、ダウンリンク許可、およびPDSCH通信がしきい値時間よりも前に受信されるかどうかに少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信およびPUCCH通信を選択的に多重化することと、選択的な多重化に少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信、PUCCH通信、またはPUSCH通信とPUCCH通信の両方を送信することとを行わせてもよい。
【0009】
いくつかの態様では、ワイヤレス通信のための装置は、アップリンク許可によってスケジュールされるPUSCH通信、およびダウンリンク許可によってスケジュールされるPDSCH通信に対応するPUCCH通信が、1つまたは複数のシンボルにおいて重複するようにスケジュールされると判定するための手段と、PUSCH通信またはPUCCH通信の最も早いスケジュールされる開始時間に少なくとも部分的に基づいてしきい値時間を判定するための手段と、アップリンク許可、ダウンリンク許可、およびPDSCH通信がしきい値時間よりも前に受信されるかどうかに少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信およびPUCCH通信を選択的に多重化するための手段と、選択的な多重化に少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信、PUCCH通信、またはPUSCH通信とPUCCH通信の両方を送信するための手段とを含んでもよい。
【0010】
いくつかの態様では、ワイヤレス通信のための方法は、基地局によって実行され、アップリンク許可によってスケジュールされるPUSCH通信、およびダウンリンク許可によってスケジュールされるPDSCH通信に対応するPUCCH通信が、1つまたは複数のシンボルにおいて重複するようにスケジュールされると判定するステップと、PUSCH通信またはPUCCH通信の最も早いスケジュールされる開始時間に少なくとも部分的に基づいてしきい値時間を判定するステップと、アップリンク許可、ダウンリンク許可、およびPDSCH通信がしきい値時間よりも前に送信されるかどうかに少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のシンボルにおいて受信される1つまたは複数の信号を復号するステップとを含んでもよい。
【0011】
いくつかの態様では、ワイヤレス通信のための基地局は、メモリと、メモリに動作可能に結合された1つまたは複数のプロセッサとを含んでもよい。メモリおよび1つまたは複数のプロセッサは、アップリンク許可によってスケジュールされるPUSCH通信、およびダウンリンク許可によってスケジュールされるPDSCH通信に対応するPUCCH通信が、1つまたは複数のシンボルにおいて重複するようにスケジュールされると判定し、PUSCH通信またはPUCCH通信の最も早いスケジュールされる開始時間に少なくとも部分的に基づいてしきい値時間を判定し、アップリンク許可、ダウンリンク許可、およびPDSCH通信がしきい値時間よりも前に送信されるかどうかに少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のシンボルにおいて受信される1つまたは複数の信号を復号するように構成されてもよい。
【0012】
いくつかの態様では、非一時的コンピュータ可読媒体は、ワイヤレス通信のための1つまたは複数の命令を記憶してもよい。1つまたは複数の命令は、基地局の1つまたは複数のプロセッサによって実行されたときに、1つまたは複数のプロセッサに、アップリンク許可によってスケジュールされるPUSCH通信、およびダウンリンク許可によってスケジュールされるPDSCH通信に対応するPUCCH通信が、1つまたは複数のシンボルにおいて重複するようにスケジュールされると判定することと、PUSCH通信またはPUCCH通信の最も早いスケジュールされる開始時間に少なくとも部分的に基づいてしきい値時間を判定することと、アップリンク許可、ダウンリンク許可、およびPDSCH通信がしきい値時間よりも前に送信されるかどうかに少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のシンボルにおいて受信される1つまたは複数の信号を復号することとを行わせてもよい。
【0013】
いくつかの態様では、ワイヤレス通信のための装置は、アップリンク許可によってスケジュールされるPUSCH通信、およびダウンリンク許可によってスケジュールされるPDSCH通信に対応するPUCCH通信が、1つまたは複数のシンボルにおいて重複するようにスケジュールされると判定するための手段と、PUSCH通信またはPUCCH通信の最も早いスケジュールされる開始時間に少なくとも部分的に基づいてしきい値時間を判定するための手段と、アップリンク許可、ダウンリンク許可、およびPDSCH通信がしきい値時間よりも前に送信されるかどうかに少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のシンボルにおいて受信される1つまたは複数の信号を復号するための手段とを含んでもよい。
【0014】
態様は、一般に、添付の図面および本明細書を参照しながら本明細書で十分に説明し、添付の図面および本明細書によって示すような、方法、装置、システム、コンピュータプログラム製品、非一時的コンピュータ可読媒体、ユーザ機器、基地局、ワイヤレス通信デバイス、および処理システムを含む。
【0015】
上記では、以下の詳細な説明がより良く理解され得るように、本開示による例の特徴および技術的利点をかなり広範に概説している。追加の特徴および利点について、以下で説明する。開示する概念および具体例は、本開示の同じ目的を遂行するための他の構造を変更または設計するための基礎として容易に利用される場合がある。そのような等価な構成は、添付の特許請求の範囲から逸脱しない。本明細書で開示する概念の特性、それらの編成と動作方法の両方が、関連する利点とともに、添付の図に関して検討されると以下の説明からよりよく理解されよう。図の各々は、例示および説明のために提供され、特許請求の範囲の限定の定義として提供されるものでない。
【0016】
上述した本開示の特徴を詳細に理解することができるように、そのいくつかが添付の図面に示される態様を参照することによって、上記で簡単に要約したより詳細な説明が得られる場合がある。しかしながら、この説明は他の等しく効果的な態様に通じ得るので、添付の図面は、本開示のいくつかの典型的な態様のみを示し、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではないことに留意されたい。異なる図面における同じ参照番号は、同じまたは同様の要素を識別することがある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示の様々な態様による、ワイヤレス通信ネットワークの例を概念的に示すブロック図である。
図2】本開示の様々な態様による、ワイヤレス通信ネットワークにおけるユーザ機器(UE)と通信している基地局の一例を概念的に示すブロック図である。
図3A】本開示の様々な態様による、ワイヤレス通信ネットワークにおけるフレーム構造の一例を概念的に示すブロック図である。
図3B】本開示の様々な態様による、ワイヤレス通信ネットワークにおける例示的な同期通信階層を概念的に示すブロック図である。
図4】本開示の様々な態様による、ノーマル巡回プレフィックスを有する例示的なサブフレームフォーマットを概念的に示すブロック図である。
図5】本開示の様々な態様による、ダウンリンク(DL)中心スロットの一例を示す図である。
図6】本開示の様々な態様による、アップリンク(UL)中心スロットの一例を示す図である。
図7】本開示の態様による、PUSCH通信とPUCCH通信の選択的な多重化の例を示す図である。
図8】本開示の態様による、PUSCH通信とPUCCH通信の選択的な多重化の例を示す図である。
図9】本開示の態様による、PUSCH通信とPUCCH通信の選択的な多重化の例を示す図である。
図10】本開示の態様による、PUSCH通信とPUCCH通信の選択的な多重化の例を示す図である。
図11】本開示の態様による、PUSCH通信とPUCCH通信の選択的な多重化の例を示す図である。
図12】本開示の態様による、PUSCH通信とPUCCH通信の選択的な多重化の例を示す図である。
図13】本開示の様々な態様による、たとえば、ユーザ機器によって実行される例示的なプロセスを示す図である。
図14】本開示の様々な態様による、たとえば、基地局によって実行される例示的なプロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
5Gなどのワイヤレス通信システムでは、UEは、それぞれに異なる物理チャネル上の通信を多重化することがある。たとえば、UEは、(肯定応答または否定応答(ACK/NACK)フィードバックなどのアップリンク制御情報(UCI)を含む)PUCCH通信およびPUSCH通信を多重化することがある。いくつかの態様では、UEは、PUCCH通信をPUSCH通信にピギーバックさせることによってPUCCH通信およびPUSCH通信を多重化することがあり、このピギーバッキングは、PUSCH通信の1つまたは複数のビットをパンクチャし(たとえば、破棄し)、パンクチャされたPUSCHビットをPUCCH通信のビットと交換することを含んでもよく、またはPUSCH通信をPUCCH通信のUCIビットを中心としてレートマッチさせることを含んでもよい。そのような多重化によって、送信回数が少なくなることによるネットワークリソースの節約、送信遅延を回避することによるレイテンシの低減などが実現される場合がある。
【0019】
しかし、場合によっては、UEは、そのような多重化を実行するためにPUSCH通信および/またはPUCCH通信を処理するための十分な時間を有さないことがある。この場合、UEは、そのような多重化を実行できないことがあり、それによって、基地局とUEが多重化に対して同じ規則を適用しない場合に基地局において復号エラーが生じることがある。本明細書で説明する技法および装置は、UEおよび基地局がPUSCHおよびPUCCH多重化に一貫した規則のセットを適用することを可能にし、それによって、そのような多重化が可能であるときのエラーの低減、性能向上の実現などが可能になる。
【0020】
本開示の様々な態様について、添付の図面を参照して以下でより十分に説明する。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現化されてよく、本開示全体にわたって提示される任意の特定の構造または機能に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの態様は、本開示が周到で完全になり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように構成される。本明細書の教示に基づいて、本開示の範囲は、本開示の任意の他の態様とは無関係に実装されるにせよ、本開示の任意の他の態様と組み合わせて実装されるにせよ、本明細書で開示する本開示の任意の態様を包含するものであることを、当業者は諒解されたい。たとえば、本明細書に記載の任意の数の態様を使用して、装置が実装されてよく、または方法が実践されてよい。加えて、本開示の範囲は、本明細書に記載する開示の様々な態様に加えて、またはそれらの態様以外の、他の構造、機能、または構造および機能を使用して実践される装置または方法を包含するものである。本明細書で開示する本開示のいかなる態様も、請求項の1つまたは複数の要素によって具現化されてもよいことを理解されたい。
【0021】
次に、様々な装置および技法を参照して、電気通信システムのいくつかの態様を提示する。これらの装置および技法について、以下の発明を実施するための形態において説明し、様々なブロック、モジュール、構成要素、回路、ステップ、プロセス、アルゴリズムなど(「要素」と総称される)によって添付の図面に示す。これらの要素は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せを使用して実装されてもよい。そのような要素がハードウェアとして実装されるか、ソフトウェアとして実装されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。
【0022】
本明細書では、3Gおよび/または4Gワイヤレス技術に一般的に関連する用語を使用して、態様について説明する場合があるが、本開示の態様は、NR技術を含む、5G以降など、他の世代ベースの通信システムにおいて適用されてもよいことに留意されたい。
【0023】
図1は、本開示の態様が実践されることがあるネットワーク100を示す図である。ネットワーク100は、LTEネットワーク、または5GもしくはNRネットワークなどの何らかの他のワイヤレスネットワークであってもよい。ワイヤレスネットワーク100は、いくつかのBS110(BS110a、BS110b、BS110c、およびBS110dとして示される)と、他のネットワークエンティティとを含んでもよい。BSは、ユーザ機器(UE)と通信するエンティティであり、基地局、NR BS、Node B、gNB、5G node B(NB)、アクセスポイント、送受信ポイント(TRP)などと呼ばれることもある。各BSは、特定の地理的エリアに通信カバレージを提供してもよい。3GPPでは、「セル」という用語は、この用語が使用される文脈に応じて、BSのカバレージエリアおよび/またはこのカバレージエリアにサービスしているBSサブシステムを指す場合がある。
【0024】
BSは、マクロセル、ピコセル、フェムトセル、および/または別のタイプのセルのための通信カバレージを提供してもよい。マクロセルは、比較的大きい地理的エリア(たとえば、半径数キロメートル)をカバーすることがあり、サービスに加入しているUEによる無制限アクセスを可能にすることがある。ピコセルは、比較的小さい地理的エリアをカバーすることがあり、サービスに加入しているUEによる無制限アクセスを可能にすることがある。フェムトセルは、比較的小さい地理的エリア(たとえば、自宅)をカバーすることがあり、フェムトセルとの関連を有するUE(たとえば、限定加入者グループ(CSG)の中のUE)による制限付きアクセスを可能にすることがある。マクロセルのためのBSは、マクロBSと呼ばれることがある。ピコセルのためのBSは、ピコBSと呼ばれることがある。フェムトセルのためのBSはフェムトBSまたはホームBSと呼ばれることがある。図1に示す例では、BS110aは、マクロセル102aのためのマクロBSであってもよく、BS110bは、ピコセル102bのためのピコBSであってもよく、BS110cは、フェムトセル102cのためのフェムトBSであってもよい。BSは、1つまたは複数(たとえば、3つ)のセルをサポートしてもよい。「eNB」、「基地局」、「NR BS」、「gNB」、「TRP」、「AP」、「ノードB」、「5G NB」、および「セル」という用語が、本明細書では互換的に使用されることがある。
【0025】
いくつかの例では、セルは、必ずしも固定であるとは限らないことがあり、セルの地理的エリアは、モバイルBSのロケーションに従って移動することがある。いくつかの例では、BSは、任意の好適なトランスポートネットワークを使用して、直接物理接続、仮想ネットワークなどの、様々なタイプのバックホールインターフェースを通じて、アクセスネットワーク100の中で互いにかつ/または1つまたは複数の他のBSもしくはネットワークノード(図示せず)に相互接続されてもよい。
【0026】
ワイヤレスネットワーク100はまた、中継局を含んでもよい。中継局は、上流局(たとえば、BSまたはUE)からデータの送信を受信でき、そのデータの送信を下流局(たとえば、UEまたはBS)に送ることができるエンティティである。中継局はまた、他のUEのための送信を中継することができるUEであってもよい。図1に示される例では、中継局110dは、BS110aとUE120dとの間の通信を容易にするために、マクロBS110aおよびUE120dと通信してもよい。中継局は、中継BS、中継基地局、リレーなどと呼ばれることもある。
【0027】
ワイヤレスネットワーク100は、それぞれに異なる種類のBS、たとえば、マクロBS、ピコBS、フェムトBS、中継BSなどを含む異種ネットワークであってもよい。これらの異なる種類のBSは、それぞれに異なる送信電力レベル、それぞれに異なるカバレージエリア、ワイヤレスネットワーク100における干渉に対するそれぞれに異なる影響を有することがある。たとえば、マクロBSは、高い送信電力レベル(たとえば、5~40ワット)を有することがあるが、ピコBS、フェムトBS、および中継BSは、より低い送信電力レベル(たとえば、0.1~2ワット)を有することがある。
【0028】
ネットワークコントローラ130は、BSのセットに結合することがあり、これらのBSのための協調および制御を行うことがある。ネットワークコントローラ130は、バックホールを経由してBSと通信してもよい。BSはまた、たとえば、ワイヤレスまたはワイヤラインバックホールを介して、直接または間接的に互いと通信してもよい。
【0029】
UE120(たとえば、120a、120b、120c)はワイヤレスネットワーク100全体にわたって分散されることがあり、各UEは固定式または移動式であることがある。UEは、アクセス端末、端末、移動局、加入者ユニット、局などと呼ばれることもある。UEは、セルラーフォン(たとえば、スマートフォン)、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレスモデム、ワイヤレス通信デバイス、ハンドヘルドデバイス、ラップトップコンピュータ、コードレスフォン、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、タブレット、カメラ、ゲームデバイス、ネットブック、スマートブック、ウルトラブック、医療デバイスもしくは医療機器、生体センサー/デバイス、ウェアラブルデバイス(スマートウォッチ、スマートクロージング、スマートグラス、スマートリストバンド、スマートジュエリー(たとえば、スマートリング、スマートブレスレット))、エンターテインメントデバイス(たとえば、音楽もしくはビデオデバイス、または衛星ラジオ)、車両構成要素もしくはセンサー、スマートメーター/センサー、産業用製造機器、全地球測位システムデバイス、または、ワイヤレスもしくはワイヤード媒体を介して通信するように構成される任意の他の適切なデバイスであってもよい。
【0030】
いくつかのUEは、マシンタイプ通信(MTC)UE、または発展型もしくは拡張マシンタイプ通信(eMTC)UEと見なされてもよい。MTC UEおよびeMTC UEは、たとえば、基地局、別のデバイス(たとえば、リモートデバイス)、または何らかの他のエンティティと通信することがある、ロボット、ドローン、センサー、メーター、モニタ、ロケーションタグなどのリモートデバイスを含む。ワイヤレスノードは、たとえば、ワイヤードまたはワイヤレス通信リンクを介して、ネットワーク(たとえば、インターネットまたはセルラーネットワークなどのワイドエリアネットワーク)のための、またはネットワークへの接続性を提供してもよい。いくつかのUEは、モノのインターネット(IoT)デバイスと見なされてもよく、かつ/またはNB-IoT(狭帯域モノのインターネット)デバイスとして実装されてもよい。いくつかのUEは、顧客構内機器(CPE)と見なされてもよい。UE120は、プロセッサ構成要素、メモリ構成要素などの、UE120の構成要素を収容するハウジングの内部に含められてもよい。
【0031】
一般に、任意の数のワイヤレスネットワークが所与の地理的エリアにおいて展開されてもよい。各ワイヤレスネットワークは、特定のRATをサポートすることがあり、1つまたは複数の周波数上で動作することがある。RATは、無線技術、エアインターフェースなどと呼ばれることもある。周波数は、キャリア、周波数チャネルなどと呼ばれることもある。各周波数は、それぞれに異なるRATのワイヤレスネットワーク間の干渉を回避するために所与の地理的領域における単一のRATをサポートしてもよい。いくつかの場合、NRまたは5G RATネットワークが展開されてもよい。
【0032】
いくつかの例では、エアインターフェースへのアクセスがスケジュールされることがあり、スケジューリングエンティティ(たとえば、基地局)は、スケジューリングエンティティのサービスエリアまたはセル内のいくつかまたはすべてのデバイスおよび機器の間での通信にリソースを割り振る。本開示内では、下でさらに論じられるように、スケジューリングエンティティは、1つまたは複数の従属エンティティのためのリソースをスケジューリングし、割り当て、再構成し、解放することを担ってもよい。すなわち、スケジューリングされた通信について、従属エンティティは、スケジューリングエンティティによって割り振られたリソースを利用する。
【0033】
基地局は、スケジューリングエンティティとして機能し得る唯一のエンティティではない。すなわち、いくつかの例では、UEが、1つまたは複数の従属エンティティ(たとえば、1つまたは複数の他のUE)のためのリソースをスケジュールする、スケジューリングエンティティとして機能してもよい。この例では、UEはスケジューリングエンティティとして機能しており、他のUEは、ワイヤレス通信のためにUEによってスケジュールされたリソースを利用する。UEは、ピアツーピア(P2P)ネットワーク内、および/またはメッシュネットワーク内で、スケジューリングエンティティとして機能してもよい。メッシュネットワーク例では、UEは、スケジューリングエンティティとの通信に加えて、随意に互いに直接通信してもよい。
【0034】
したがって、時間周波数リソースへのスケジュール型アクセスを伴い、セルラー構成、P2P構成、およびメッシュ構成を有するワイヤレス通信ネットワークでは、スケジューリングエンティティおよび1つまたは複数の従属エンティティは、スケジュールされたリソースを利用して通信してもよい。
【0035】
いくつかの態様では、2つ以上のUE120(たとえば、UE120aおよびUE120eとして示されている)は、1つまたは複数のサイドリンクチャネルを使用して(たとえば、互いと通信するための媒介として基地局110を使用せずに)直接通信してもよい。たとえば、UE120は、ピアツーピア(P2P)通信、デバイス間(D2D)通信、(たとえば、車両間(V2V)プロトコル、路車間(V2I)プロトコルなどを含み得る)ビークルツーエブリシング(V2X)プロトコル、メッシュネットワークなどを使用して通信し得る。この場合、UE120は、スケジューリング動作、リソース選択動作、および/または本明細書の他の場所で基地局110によって実行されるものとして説明する他の動作を実行し得る。
【0036】
いくつかの態様では、UE120は、1つまたは複数の通信を選択的に多重化してもよく、基地局110は、本明細書の他の場所でより詳細に説明するように、通信が多重化されたかどうかに少なくとも部分的に基づいて、受信された信号を復号してもよい。
【0037】
上で示されたように、図1は単に例として提示されている。他の例が可能であり、図1に関して説明されたものとは異なってもよい。
【0038】
図2は、図1の基地局のうちの1つおよびUEのうちの1つであってもよい、基地局110およびUE120の設計200のブロック図を示す。基地局110はT個のアンテナ234a~234tを備えてもよく、UE120はR個のアンテナ252a~252rを備えてもよく、ただし、一般にT≧1およびR≧1である。
【0039】
基地局110において、送信プロセッサ220は、1つまたは複数のUEのためのデータをデータソース212から受信し、UEから受信されたチャネル品質インジケータ(CQI)に少なくとも一部に基づいて、各UEに対する1つまたは複数の変調およびコーディング方式(MCS)を選択し、UEのために選択されたMCSに少なくとも一部に基づいて、各UEのためにデータを処理(たとえば、符号化および変調)し、データシンボルをすべてのUEに提供してもよい。送信プロセッサ220はまた、(たとえば、半静的リソース区分情報(SRPI)などについての)システム情報および制御情報(たとえば、CQI要求、許可、上位レイヤシグナリングなど)を処理し、オーバーヘッドシンボルおよび制御シンボルを提供してもよい。送信プロセッサ220はまた、基準信号(たとえば、セル固有基準信号(CRS))および同期信号(たとえば、1次同期信号(PSS)および2次同期信号(SSS))用の基準シンボルを生成してもよい。送信(TX)多入力多出力(MIMO)プロセッサ230は、適用可能な場合、データシンボル、制御シンボル、オーバーヘッドシンボル、および/または基準シンボルに対して空間処理(たとえば、プリコーディング)を実行してもよく、T個の出力シンボルストリームをT個の変調器(MOD)232a~232tに提供してもよい。各変調器232は、(たとえば、OFDM用などに)それぞれの出力シンボルストリームを処理して、出力サンプルストリームを取得してもよい。各変調器232は、出力サンプルストリームをさらに処理(たとえば、アナログに変換、増幅、フィルタリング、およびアップコンバート)して、ダウンリンク信号を取得してもよい。変調器232a~232tからのT個のダウンリンク信号は、それぞれ、T個のアンテナ234a~234tを介して送信されてもよい。以下でより詳細に説明する様々な態様によれば、同期信号は、追加の情報を伝達するために、ロケーション符号化を用いて生成されてもよい。
【0040】
UE120において、アンテナ252a~252rは、基地局110および/または他の基地局からダウンリンク信号を受信してもよく、それぞれ、受信された信号を復調器(DEMOD)254a~254rに提供してもよい。各復調器254は、受信された信号を調整(たとえば、フィルタリング、増幅、ダウンコンバート、およびデジタル化)して、入力サンプルを取得し得る。各復調器254は、(たとえば、OFDM用などに)入力サンプルをさらに処理して、受信シンボルを取得してもよい。MIMO検出器256は、すべてのR個の復調器254a~254rから受信シンボルを取得し、該当する場合、受信シンボルに対してMIMO検出を実行し、検出されたシンボルを与えてもよい。受信プロセッサ258は、検出されたシンボルを処理(たとえば、復調および復号)し、UE120のための復号されたデータをデータシンク260に与え、復号された制御情報およびシステム情報をコントローラ/プロセッサ280に与えてもよい。チャネルプロセッサは、基準信号受信電力(RSRP)、受信信号強度インジケータ(RSSI)、基準信号受信品質(RSRQ)、チャネル品質インジケータ(CQI)などを判定してもよい。
【0041】
アップリンク上では、UE120において、送信プロセッサ264は、データソース262からデータを受信および処理し、コントローラ/プロセッサ280から(たとえば、RSRP、RSSI、RSRQ、CQIなどを含むレポートのための)制御情報を受信および処理してもよい。送信プロセッサ264はまた、1つまたは複数の基準信号のための基準シンボルを生成してもよい。送信プロセッサ264からのシンボルは、該当する場合、TX MIMOプロセッサ266によってプリコードされ、(たとえば、DFT-s-OFDM、CP-OFDM用などに)変調器254a~254rによってさらに処理され、基地局110に送信されてもよい。基地局110において、UE120および他のUEからのアップリンク信号は、アンテナ234によって受信され、復調器232によって処理され、該当する場合、MIMO検出器236によって検出され、受信プロセッサ238によってさらに処理されて、UE120によって送られた復号されたデータおよび制御情報を取得してもよい。受信プロセッサ238は、復号されたデータをデータシンク239に与え、復号された制御情報をコントローラ/プロセッサ240に与えてもよい。基地局110は、通信ユニット244を含み、通信ユニット244を介してネットワークコントローラ130と通信してもよい。ネットワークコントローラ130は、通信ユニット294、コントローラ/プロセッサ290、およびメモリ292を含んでもよい。
【0042】
いくつかの態様では、UE120の1つまたは複数の構成要素は、ハウジング内に含まれてもよい。基地局110のコントローラ/プロセッサ240、UE120のコントローラ/プロセッサ280、および/または図2の任意の他の構成要素は、本明細書の他の場所でより詳細に説明するように、PUSCHおよびPUCCH通信の選択的な多重化に関連付けられる1つまたは複数の技法を実行してもよい。たとえば、基地局110のコントローラ/プロセッサ240、UE120のコントローラ/プロセッサ280、および/または図2の任意の他の構成要素は、たとえば、図13のプロセス1300、図14のプロセス1400、および/または本明細書で説明するような他のプロセスの動作を実行または指示してもよい。メモリ242および282は、それぞれ、基地局110およびUE120のためのデータおよびプログラムコードを記憶してもよい。スケジューラ246は、ダウンリンク上および/またはアップリンク上のデータ送信に対してUEをスケジュールしてもよい。
【0043】
記憶されたプログラムコードは、UE120におけるプロセッサ280ならびに/または他のプロセッサおよびモジュールによって実行されると、図13のプロセス1300および/または本明細書で説明するような他のプロセスに関して説明する動作をUE120に実行させてもよい。記憶されたプログラムコードは、基地局110におけるプロセッサ240ならびに/または他のプロセッサおよびモジュールによって実行されると、図14のプロセス1400および/または本明細書で説明するような他のプロセスに関して説明する動作を基地局110に実行させてもよい。スケジューラ246は、ダウンリンク上および/またはアップリンク上のデータ送信のためにUEをスケジュールしてもよい。
【0044】
いくつかの態様では、UE120は、アップリンク許可によってスケジュールされるPUSCH通信、およびダウンリンク許可によってスケジュールされるPDSCH通信に対応するPUCCH通信が、1つまたは複数のシンボルにおいて重複するようにスケジュールされると判定するための手段と、PUSCH通信またはPUCCH通信の最も早いスケジュールされる開始時間に少なくとも部分的に基づいてしきい値時間を判定するための手段と、アップリンク許可、ダウンリンク許可、およびPDSCH通信がしきい値時間よりも前に受信されるかどうかに少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信およびPUCCH通信を選択的に多重化するための手段と、選択的な多重化に少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信、PUCCH通信、またはPUSCH通信とPUCCH通信の両方を送信するための手段などとを含んでもよい。いくつかの態様では、そのような手段は、図2に関して説明するUE120の1つまたは複数の構成要素を含んでもよい。
【0045】
いくつかの態様では、基地局110は、アップリンク許可によってスケジュールされるPUSCH通信、およびダウンリンク許可によってスケジュールされるPDSCH通信に対応するPUCCH通信が、1つまたは複数のシンボルにおいて重複するようにスケジュールされると判定するための手段と、PUSCH通信またはPUCCH通信の最も早いスケジュールされる開始時間に少なくとも部分的に基づいてしきい値時間を判定するための手段と、アップリンク許可、ダウンリンク許可、およびPDSCH通信がしきい値時間よりも前に送信されるかどうかに少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のシンボルにおいて受信される1つまたは複数の信号を復号するための手段などとを含んでもよい。いくつかの態様では、そのような手段は、図2に関して説明する基地局110の1つまたは複数の構成要素を含んでもよい。
【0046】
図2のブロックは個別の構成要素として示されるが、ブロックに関して上記で説明した機能は、単一のハードウェア、ソフトウェア、もしくは組合せ構成要素において、または構成要素の様々な組合せにおいて実装されてもよい。たとえば、送信プロセッサ264、受信プロセッサ258、および/またはTX MIMOプロセッサ266に関して説明した機能は、プロセッサ280によって実行されてもよく、またはプロセッサ280の制御下にあってもよい。
【0047】
上で示されたように、図2は単に例として提示されている。他の例が可能であり、図2に関して説明したものとは異なってもよい。
【0048】
図3Aは、電気通信システム(たとえば、NR)におけるFDDのための例示的なフレーム構造300を示す。ダウンリンクおよびアップリンクの各々に対する送信タイムラインは、無線フレームの単位に区分されてもよい。各無線フレームは、事前決定された持続時間を有してもよく、(たとえば、0からZ-1のインデックスを用いて)Z個(Z≧1)のサブフレームのセットに区分されてもよい。各サブフレームは、スロットのセットを含み得る(たとえば、サブフレームあたり2個のスロットが図3Aに示されている)。各スロットは、L個のシンボル期間のセットを含み得る。たとえば、各スロットは、7個のシンボル期間(たとえば、図3Aに示すように)、15個のシンボル期間などを含んでよい。サブフレームが2個のスロットを含む場合、サブフレームは、2L個のシンボル期間を含んでよく、ただし、各サブフレーム内の2L個のシンボル期間には0から2L-1のインデックスが割り当てられてよい。いくつかの態様では、FDDに対するスケジューリングユニットは、フレームベース、サブフレームベース、スロットベース、シンボルベースなどであってよい。
【0049】
いくつかの技法について、フレーム、サブフレーム、スロットなどに関して本明細書で説明するが、これらの技法は、5G NRにおいて「フレーム」、「サブフレーム」、「スロット」など以外の用語を使用して呼ばれることがある、他のタイプのワイヤレス通信構造に等しく適用されてもよい。いくつかの態様では、ワイヤレス通信構造は、ワイヤレス通信規格および/またはプロトコルによって定義される周期的な時間制限通信単位を指すことがある。追加または代替として、図3Aに示すものとは異なるワイヤレス通信構造の構成が使用されてもよい。
【0050】
いくつかの電気通信(たとえば、NR)では、基地局は同期信号を送信してもよい。たとえば、基地局は、基地局によってサポートされるセルごとにダウンリンク上で1次同期信号(PSS)、2次同期信号(SSS)などを送信してもよい。PSSおよびSSSは、セルの探索および獲得のためにUEによって使用されてもよい。たとえば、PSSは、シンボルタイミングを判定するためにUEによって使用されてもよく、SSSは、基地局に関連付けられた物理セル識別子およびフレームタイミングを判定するためにUEによって使用されてもよい。基地局はまた、物理ブロードキャストチャネル(PBCH)を送信してもよい。PBCHは、UEによる初期アクセスをサポートするシステム情報などの、何らかのシステム情報を搬送してもよい。
【0051】
いくつかの態様では、基地局は、図3Bに関して以下で説明するように、複数の同期通信(たとえば、SSブロック)を含む同期通信階層(たとえば、同期信号(SS)階層)に従ってPSS、SSS、および/またはPBCHを送信してもよい。
【0052】
図3Bは、同期通信階層の一例である例示的なSS階層を概念的に示すブロック図である。図3Bに示すように、SS階層はSSバーストセットを含んでもよく、SSバーストセットは、複数のSSバースト(SSバースト0~SSバーストB-1として識別される、ここで、Bは、基地局によって送信され得るSSバーストの反復の最大数である)を含んでもよい。さらに示すように、各SSバーストは、1つまたは複数のSSブロック(SSブロック0~SSブロック(bmax_SS-1)として識別される、ここで、bmax_SS-1は、SSバーストによって搬送され得るSSブロックの最大数である)を含んでもよい。いくつかの態様では、異なるSSブロックは、異なるようにビームフォーミングされてもよい。SSバーストセットは、図3Bに示すように、Xミリ秒ごとになど、周期的にワイヤレスノードによって送信されてもよい。いくつかの態様では、SSバーストセットは、図3BではYミリ秒として示されている、固定のまたは動的な長さを有してもよい。
【0053】
図3Bに示すSSバーストセットは、同期通信セットの例であり、本明細書で説明する技法に関連して他の同期通信セットが使用されてもよい。さらに、図3Bに示すSSブロックは、同期通信の例であり、本明細書で説明する技法に関連して他の同期通信が使用されてもよい。
【0054】
いくつかの態様では、SSブロックは、PSS、SSS、PBCH、および/または他の同期信号(たとえば、3次同期信号(TSS))および/または同期チャネルを搬送するリソースを含む。いくつかの態様では、複数SSブロックがSSバーストに含まれ、PSS、SSS、および/またはPBCHは、SSバーストの各SSブロックにわたって同じであってもよい。いくつかの態様では、単一のSSブロックがSSバーストに含まれてもよい。いくつかの態様では、SSブロックは、長さが少なくとも4個のシンボル期間であってもよく、ここで、各シンボルは、PSS(たとえば、1つのシンボルを占有する)、SSS(たとえば、1つのシンボルを占有する)、および/またはPBCH(たとえば、2つのシンボルを占有する)のうちの1つまたは複数を搬送する。
【0055】
基地局は、いくつかのサブフレームにおいて物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)および/または物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)上で、システム情報ブロック(SIB)などのシステム情報を送信してもよい。基地局は、サブフレームのC個のシンボル期間においてPDCCH上で制御情報/データを送信してもよく、Cはサブフレームごとに構成可能であってもよい。基地局は、各サブフレームの残りのシンボル期間においてPDSCHおよび/またはPDCCH上でトラフィックデータおよび/または他のデータを送信してもよい。
【0056】
上記で示したように、図3Aおよび図3Bは、例として提示されている。他の例が可能であり、図3Aおよび図3Bに関して説明したことと異なる場合がある。
【0057】
図4は、ノーマル巡回プレフィックスを有する例示的なサブフレームフォーマット410を示す。利用可能な時間周波数リソースは、リソースブロックに区分されてもよい。各リソースブロックは、1つのスロットにおいてサブキャリアのセット(たとえば、12個のサブキャリア)をカバーすることができ、いくつかのリソース要素を含んでもよい。各リソース要素は、1つのシンボル期間において(たとえば、時間的に)1つのサブキャリアをカバーすることができ、実数値または複素数値である場合がある1つの変調シンボルを送るために使用されてもよい。いくつかの態様では、本明細書で説明するように、PSS、SSS、PBCHなどを搬送するSSブロックの送信にサブフレームフォーマット410が使用されてもよい。
【0058】
いくつかの電気通信システム(たとえば、NR)におけるFDD用のダウンリンクおよびアップリンクの各々に対して、インターレース構造が使用されてもよい。たとえば、0~Q-1のインデックスを有するQ個のインターレースが定義されてもよく、ここで、Qは、4、6、8、10、または何らかの他の値に等しくてもよい。各インターレースは、Q個のフレームだけ離間したサブフレームを含んでもよい。具体的には、インターレースqは、サブフレームq、q+Q、q+2Qなどを含んでもよく、ただし、q∈{0,...,Q-1}である。
【0059】
本明細書で説明する例の態様は、NR技術または5G技術と関連付けられてもよいが、本開示の態様は、他のワイヤレス通信システムに適用可能であってもよい。New radio (NR)とは、(たとえば、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ベースのエアインターフェース以外の)新たなエアインターフェースまたは(たとえば、インターネットプロトコル(IP)以外の)固定されたトランスポートレイヤに従って動作するように構成された無線を指し得る。態様では、NRは、アップリンク上でCPを伴うOFDM(本明細書では、巡回プレフィックスOFDMまたはCP-OFDMと呼ばれる)および/またはSC-FDMを利用してよく、ダウンリンク上でCP-OFDMを利用し、TDDを使用する半二重動作に対するサポートを含んでもよい。態様では、NRは、アップリンク上で、たとえば、CPを伴うOFDM(本明細書では、CP-OFDMと呼ばれる)および/または離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重化(DFT-s-OFDM)を利用してよく、ダウンリンク上でCP-OFDMを利用し、TDDを使用する半二重動作に対するサポートを含んでもよい。NRは、広帯域幅(たとえば、80メガヘルツ(MHz)以上)を対象とする拡張モバイルブロードバンド(eMBB)サービス、高いキャリア周波数(たとえば、60ギガヘルツ(GHz))を対象とするミリ波(mmW)、後方互換性がないMTC技法を対象とするマッシブMTC(mMTC)、および/または超高信頼低レイテンシ通信(URLLC)サービスを対象とするミッションクリティカルを含んでもよい。
【0060】
いくつかの態様では、100MHzの単一のコンポーネントキャリア帯域幅がサポートされてもよい。NRリソースブロックは、0.1ミリ秒(ms)の持続時間にわたる、サブキャリア帯域幅が60または120キロヘルツ(kHz)の12個のサブキャリアにまたがってもよい。各無線フレームは、長さが10msの40個のサブフレームを含んでもよい。したがって、各サブフレームは長さが0.25msであってもよい。各サブフレームは、データ送信のためのリンク方向(たとえば、DLまたはUL)を指示してよく、サブフレームごとのリンク方向は、動的に切り替えられてもよい。各サブフレームは、DL/ULデータならびにDL/UL制御データを含んでもよい。
【0061】
ビームフォーミングがサポートされてもよく、ビーム方向が動的に構成されてもよい。プリコーディングを伴うMIMO送信もサポートされてよい。DLにおけるMIMO構成は、最高8つのストリームおよびUEごとに最高2つのストリームのマルチレイヤDL送信とともに、最高8つの送信アンテナをサポートしてもよい。UEごとに最高2つのストリームを伴うマルチレイヤ送信がサポートされてもよい。複数のセルのアグリゲーションが、最高8つのサービングセルを用いてサポートされてもよい。代替として、NRは、OFDMベースのインターフェース以外の異なるエアインターフェースをサポートしてもよい。NRネットワークは、エンティティ、そのような中央ユニットまたは分散ユニットを含んでもよい。
【0062】
上記のように、図4は例として示されている。他の例が可能であり、図4に関して説明したことと異なってもよい。
【0063】
図5は、DL中心スロット、サブフレーム、または他のワイヤレス通信構造もしくは送信時間間隔(TTI)(図5に関してDL中心サブフレームと呼ばれる)の例を示す図500である。DL中心サブフレームは、制御部分502を含んでもよい。制御部分502は、DL中心サブフレームの最初の部分または開始部分に存在してもよい。制御部分502は、DL中心サブフレームの様々な部分に対応する様々なスケジューリング情報および/または制御情報を含んでもよい。いくつかの構成では、制御部分502は、図5に示すように、物理DL制御チャネル(PDCCH)であってもよい。いくつかの態様では、制御部分502は、レガシーPDCCH情報、短縮PDCCH(sPDCCH)情報、(たとえば、物理制御フォーマットインジケータチャネル(PCFICH)上で搬送される)制御フォーマットインジケータ(CFI)値、1つまたは複数の許可(たとえば、ダウンリンク許可、アップリンク許可など)などを含んでもよい。
【0064】
DL中心サブフレームはまた、DLデータ部分504を含んでもよい。DLデータ部分504は、時々、DL中心サブフレームのペイロードと呼ばれることがある。DLデータ部分504は、スケジューリングエンティティ(たとえば、UEまたはBS)から従属エンティティ(たとえば、UE)にDLデータを通信するために利用される通信リソースを含んでもよい。いくつかの構成では、DLデータ部分504は、物理DL共有チャネル(PDSCH)であってもよい。
【0065】
DL中心サブフレームはまた、ULショートバースト部分506を含んでもよい。ULショートバースト部分506は、時々、ULバースト、ULバースト部分、共通ULバースト、ショートバースト、ULショートバースト、共通ULショートバースト、共通ULショートバースト部分、および/または様々な他の適切な用語で呼ばれることがある。いくつかの態様では、ULショートバースト部分506は、1つまたは複数の基準信号を含んでもよい。追加または代替として、ULショートバースト部分506は、DL中心サブフレームの様々な他の部分に対応するフィードバック情報を含んでもよい。たとえば、ULショートバースト部分506は、制御部分502および/またはデータ部分504に対応するフィードバック情報を含んでもよい。ULショートバースト部分506に含まれる場合がある情報の非限定的な例には、ACK信号(たとえば、PUCCH ACK、PUSCH ACK、即時ACK)、NACK信号(たとえば、PUCCH NACK、PUSCH NACK、即時NACK)、スケジューリング要求(SR)、バッファステータス報告(BSR)、HARQインジケータ、チャネル状態指示(CSI)、チャネル品質インジケータ(CQI)、サウンディング基準信号(SRS)、復調基準信号(DMRS)、PUSCHデータ、および/または様々な他の適切な種類の情報が含まれる。ULショートバースト部分506は、ランダムアクセスチャネル(RACH)手順、スケジューリング要求、および様々な他の適切なタイプの情報に関する情報などの、追加または代替の情報を含んでもよい。
【0066】
図5に示すように、DLデータ部分504の終わりは、ULショートバースト部分506の始まりから時間的に分離されてもよい。この時間分離は、時々、ギャップ、ガード期間、ガードインターバル、および/または様々な他の適切な用語で呼ばれることがある。この分離は、DL通信(たとえば、従属エンティティ(たとえば、UE)による受信動作)からUL通信(たとえば、従属エンティティ(たとえば、UE)による送信)への切替えのための時間を与える。上記は、DL中心ワイヤレス通信構造の一例にすぎず、同様の特徴を有する代替構造が、本明細書で説明する態様から必ずしも逸脱することなく存在してもよい。
【0067】
上で示されたように、図5は単に例として提示されている。他の例が可能であり、図5に関して説明されたものとは異なってもよい。
【0068】
図6は、UL中心スロット、サブフレーム、または他のワイヤレス通信構造もしくは送信時間間隔(TTI)(図6に関してUL中心サブフレームと呼ばれる)の例を示す図600である。UL中心サブフレームは、制御部分602を含んでもよい。制御部分602は、UL中心サブフレームの最初の部分または開始部分に存在してもよい。図6の制御部分602は、図5を参照しながら上記で説明した制御部分502と同様であってもよい。UL中心サブフレームはまた、ULロングバースト部分604を含んでもよい。ULロングバースト部分604は、時々、UL中心サブフレームのペイロードと呼ばれることがある。UL部分は、従属エンティティ(たとえば、UE)からスケジューリングエンティティ(たとえば、UEまたはBS)にULデータを通信するために利用される通信リソースを指すことがある。いくつかの構成では、制御部分602は、物理DL制御チャネル(PDCCH)であってもよい。
【0069】
図6に示すように、制御部分602の終わりは、ULロングバースト部分604の始まりから時間的に分離されてもよい。この時間分離は、時々、ギャップ、ガード期間、ガードインターバル、および/または様々な他の適切な用語で呼ばれることがある。この分離は、DL通信(たとえば、スケジューリングエンティティによる受信動作)からUL通信(たとえば、スケジューリングエンティティによる送信)への切替えのための時間を与える。
【0070】
UL中心サブフレームはまた、ULショートバースト部分606を含んでもよい。図6のULショートバースト部分606は、図5を参照しながら上記で説明したULショートバースト部分506と同様であってもよく、図5に関して上記で説明した情報のいずれかを含んでもよい。上記は、UL中心ワイヤレス通信構造の一例にすぎず、同様の特徴を有する代替構造が、本明細書で説明する態様から必ずしも逸脱することなく存在してもよい。
【0071】
一例では、フレームなどのワイヤレス通信構造は、UL中心サブフレームとDL中心サブフレームの両方を含んでもよい。この例では、フレームにおけるDL中心サブフレームに対するUL中心サブフレームの比率は、送信されるULデータの量およびDLデータの量に少なくとも部分的に基づいて動的に調整されてもよい。たとえば、より多くのULデータがある場合、DL中心サブフレームに対するUL中心サブフレームの比率が上昇することがある。逆に、より多くのDLデータがある場合、DL中心サブフレームに対するUL中心サブフレームの比率が低下することがある。
【0072】
上で示されたように、図6は単に例として提示されている。他の例が可能であり、図6に関して説明されたものとは異なり得る。
【0073】
5Gなどのワイヤレス通信システムでは、UE120は、それぞれに異なる物理チャネル上の通信を多重化することがある。たとえば、UE120は、(たとえば、肯定応答または否定応答(ACK/NACK)フィードバックなどのアップリンク制御情報(UCI)を含む)PUCCH通信およびPUSCH通信を多重化することがある。いくつかの態様では、UE120は、PUCCH通信をPUSCH通信にピギーバックさせることによってPUCCH通信およびPUSCH通信を多重化することがあり、このピギーバッキングは、PUSCH通信の1つまたは複数のビットをパンクチャし(たとえば、破棄し)、パンクチャされたPUSCHビットをPUCCH通信のビットと交換することを含んでもよく、ならびに/またはPUSCH通信の1つもしくは複数のビットをPUCCH通信のUCIビットを中心としてレートマッチさせることを含んでもよい。そのような多重化によって、送信回数が少なくなることによるネットワークリソースの節約、送信遅延を回避することによるレイテンシの低減などが実現される場合がある。
【0074】
しかし、場合によっては、UE120は、そのような多重化を実行するためにPUSCH通信および/またはPUCCH通信を処理するための十分な時間を有さないことがある。この場合、UE120は、そのような多重化を実行できないことがあり、それによって、基地局110とUE120が多重化に対して同じ規則を適用しない場合に基地局110において復号エラーが生じることがある。本明細書で説明する技法および装置は、UE120および基地局110がPUSCHおよびPUCCH多重化に一貫した規則のセットを適用することを可能にし、それによって、そのような多重化が可能であるときのエラーの低減、性能向上の実現などが可能になる。
【0075】
図7は、本開示の様々な態様による、PUSCH通信とPUCCH通信の選択的な多重化の例700を示す図である。
【0076】
参照番号705によって示すように、UE120は、PUSCH通信とPUCCH通信が1つまたは複数のシンボルにおいて重複するようにスケジュールされると判定してもよい。たとえば、PUSCH通信は、(図6に関して上記で説明した)ULロングバースト部分604の境界を越えることがあり、PUCCH通信がスケジュールされるULショートバースト部分606の1つまたは複数のシンボルにおいて行われるようにスケジュールされることがある。いくつかの態様では、UE120は、(たとえば、ダウンリンク制御情報(DCI)を使用して)PUSCH通信およびPUCCH通信をスケジュールするPDCCH通信において受信されるスケジューリング情報に少なくとも部分的に基づいてこの判定を下してもよい。追加または代替として、UE120は、(たとえば、DCIおよび/または無線リソース制御(RRC)メッセージを使用して)半永続的スケジューリング、構成済みスケジューリングなどに関して受信されるスケジューリング情報に少なくとも部分的に基づいてこの判定を下してもよい。
【0077】
いくつかの態様では、PUSCH通信とPUCCH通信は、同じPUCCHグループに含まれてもよい。たとえば、PUSCH通信とPUCCH通信は同じキャリア(たとえば、コンポーネントキャリア)上で送信されてもよい。別の例として、PUSCH通信とPUCCH通信は、同じPUCCHグループに含まれるそれぞれに異なるキャリア上で送信されてもよい。PUCCHグループは、一次キャリアと1つまたは複数の二次キャリアとを含むキャリアのグループを指すことがある。一次キャリアは、PUCCHグループについてのすべてのPUCCH通信に使用されてもよい。この場合、PUSCH通信とPUCCH通信の周波数分割多重化は可能ではなく、PUCCH通信をPUSCH通信にピギーバックさせることによってPUSCH通信とPUCCH通信の多重化が実現されてもよい。いくつかの態様では、ピギーバッキングは、PUSCH通信の1つまたは複数のビットをPUCCH通信の1つまたは複数のビットと交換することによる、PUCCH通信によるPUSCH通信のパンクチャリングを指すことがある。いくつかの態様では、ピギーバッキングは、PUCCH通信に対応するアップリンク制御情報(UCI)ビットを中心としてPUSCH通信をレートマッチさせることを指すことがある。このようにして、PUCCH通信のUCIは、PUSCH上で送信されてもよい。
【0078】
参照番号710によって示すように、PUSCH通信は、アップリンク許可を含むPDCCH通信によってスケジュールされてもよい。たとえば、アップリンク許可は、PDCCH通信とPDCCH通信によってスケジュールされるPUSCH通信の送信との間のタイミング(たとえば、3GPP仕様ではK2値と呼ばれることがある)を示してもよい。
【0079】
参照番号715によって示すように、PUCCH通信は、ダウンリンク許可を含むPDCCH通信によってスケジュールされてもよい。たとえば、ダウンリンク許可は、PDCCH通信とPDCCH通信によってスケジュールされるPDSCH通信との間のタイミング(たとえば、3GPP仕様ではK0値と呼ばれることがある)を示すことがあり、PDSCH通信とPDSCH通信についてのACK/NACKフィードバックを含む対応するPUCCH通信との間のタイミング(たとえば、3GPP仕様ではK1値と呼ばれることがある)を示すことがある。このタイミングは、たとえば、スロットの数、アップリンク機会の数、PDSCH機会の数、PUCCH機会の数などを示すことがある。
【0080】
参照番号720によって示すように、UE120は、PUSCH通信またはPUCCH通信の最も早いスケジュールされる開始時間に少なくとも部分的に基づいてしきい値時間(たとえば、しきい値シンボル、しきい値シンボル境界など)を判定してもよい。いくつかの態様では、PUSCH通信とPUCCH通信は、同じシンボルにおいて開始するようにスケジュールされてもよく、その場合、最も早いスケジュールされる開始時間はその同じシンボルであってもよい。
【0081】
代替的に、PUSCH通信とPUCCH通信は、それぞれに異なるシンボルにおいて開始するようにスケジュールされてもよく、その場合、最も早いスケジュールされる開始時間は、PUSCH通信またはPUCCH通信のうちで早い方のシンボルにおいて開始するいずれかの通信の最初のシンボルであってもよい。たとえば、PUSCH通信がPUCCH通信よりも前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされる場合、最も早いスケジュールされる開始時間は、PUSCH通信のスケジュールされる開始時間であってもよい。逆に、PUCCH通信がPUSCH通信よりも前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされる場合、最も早いスケジュールされる開始時間は、PUCCH通信のスケジュールされる開始時間であってもよい。
【0082】
いくつかの態様では、UE120は、PUSCH処理時間に少なくとも部分的に基づいてしきい値時間(たとえば、3GPP仕様ではN2値と呼ばれることもある)を判定してもよい。いくつかの態様では、PUSCH処理時間は、UE120による送信よりも前にPUSCH通信を処理するのに必要な最小処理時間であってもよい。追加または代替として、UE120は、PUCCH処理時間に少なくとも部分的に基づいてしきい値時間(たとえば、3GPP仕様ではN1値と呼ばれることもある)を判定してもよい。いくつかの態様では、PUCCH処理時間は、UE120による送信よりも前にPUCCH通信を処理するのに必要な最小処理時間であってもよい。以下に、図9および図10に関連してさらに詳しく説明する。
【0083】
参照番号725によって示すように、UE120は、PUCCH通信に対応するアップリンク許可、ダウンリンク許可、およびPDSCH通信がしきい値時間よりも前に受信されるかどうかに少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信とPUCCH通信を選択的に多重化してもよい(たとえば、多重化してもよくまたは多重化しなくてもよい)。本明細書の他の場所で説明するように、そのような多重化は、PUSCH情報をパンクチャし、ならびに/またはPUCCH通信のUCIビットを中心としてPUSCH通信をレートマッチさせることによって、PUCCH通信のアップリンク制御情報をPUSCH通信にピギーバックさせることを含んでもよい。
【0084】
いくつかの態様では、UE120は、アップリンク許可、ダウンリンク許可、およびPDSCH通信の最後のシンボル(たとえば、少なくとも最後のシンボル、および場合によっては1つまたは複数の他のシンボル)がしきい値時間よりも前に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信とPUCCH通信を多重化してもよい。この場合、これらの通信のすべてがしきい値時間よりも前に受信されるとき、UE120は、そのような多重化を可能にするようにPUSCH通信およびPUCCH通信を処理するのに十分な時間を有することがある。このようにして、UE120は、そのような多重化によるネットワークリソースの節約、レイテンシの低減などを実現してもよい。
【0085】
いくつかの態様では、UE120は、アップリンク許可、ダウンリンク許可、またはPDSCH通信の最後のシンボルのうちの少なくとも1つがしきい値時間よりも後に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信とPUCCH通信の多重化を妨げてもよい。この場合、UE120は、PUSCH通信とPUCCH通信を処理して多重化を許容するのに十分な時間を有さないことがあり、そのような多重化が行われるのを妨げてエラー(たとえば、重複するシンボルにおいてUE120によって送信される信号を受信する基地局110における復号エラー)を低減させてもよい。
【0086】
たとえば、例700において参照番号730によって示すように、ダウンリンク許可およびアップリンク許可がしきい値時間より前に受信されるが、PDSCH通信の1つまたは複数のシンボルがしきい値時間よりも後に受信される場合、UE120は、PUCCH通信(たとえば、ACK/NACKフィードバック)をPUSCH通信にピギーバックさせるのに十分な時間を有さないことがある。
【0087】
いくつかの態様では、UE120は、アップリンク許可、ダウンリンク許可、またはPDSCH通信の最後のシンボルのうちの少なくとも1つがしきい値時間よりも後に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信とPUCCH通信の両方を破棄してもよい。たとえば、この状況は(たとえば、3GPP仕様によって)許容されないことがあり、そのような状況が生じた場合、UE120は、エラーを指示しならびに/またはPUSCH通信とPUCCH通信の両方を破棄するように構成されてもよい。
【0088】
代替的に、UE120は、PUSCH通信またはPUCCH通信の一方のみを送信してもよく、アップリンク許可、ダウンリンク許可、またはPDSCH通信の最後のシンボルのうちの少なくとも1つがしきい値時間よりも後に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信またはPUCCH通信のうちの他方を破棄してもよい。たとえば、これらの通信がしきい値時間よりも前に受信されない場合、UE120はPUSCH通信を送信してもよく、PUCCH通信を破棄してもよい。代替的に、これらの通信がしきい値時間よりも前に受信されない場合、UE120は、PUCCH通信を送信してもよく、PUSCH通信を破棄してもよい。
【0089】
いくつかの態様では、UE120は、前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされた通信(たとえば、PUSCH通信またはPUCCH通信)を送信してもよく、後のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされた通信を破棄してもよい。代替的に、UE120は、後のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされた通信を送信してもよく、前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされた通信を破棄してもよい。
【0090】
いくつかの態様では、UE120は、どの通信が送信され、どの通信が破棄されるか(たとえば、PUSCH通信、PUCCH通信、前のシンボルにおいて開始する通信、後のシンボルにおいて開始する通信など)の指示を(たとえば、RRCメッセージ、DCIなどにおいて)基地局110から受信してもよい。このようにして、UE120は、様々な要件(たとえば、レイテンシ要件、信頼性要件など)、動作の様々な種類(たとえば、URLLC、eMBB)、基地局110に対する様々な負荷、様々なチャネル条件などについてフレキシブルに構成されてもよい。
【0091】
図7は、いくつかの態様における単一のPUSCH通信と単一のPUCCH通信の選択的な多重化を示すが、UE120は、単一のPUSCH通信と複数のPUCCH通信を選択的に多重化してもよく、複数のPUSCH通信と単一のPUCCH通信を選択的に多重化してもよく、または複数のPUSCH通信と複数のPUCCH通信を選択的に多重化してもよい。以下に、図11および図12に関連してさらに詳しく説明する。
【0092】
UE120は、PUCCH通信のPUSCH通信へのピギーバッキングを実行するのに十分な時間を有するときにそのようなピギーバッキングを行うことによって、ネットワークリソースの節約、レイテンシの低減などを実現してもよい。さらに、UE120は、そのようなピギーバッキングを実行するのに十分な時間を有さないときにそのようなピギーバッキングを妨げることによって、エラーを低減させならびに/または防止してもよい。
【0093】
上記のように、図7は例として提示されている。他の例が可能であり、図7に関して説明したこととは異なってもよい。
【0094】
図8は、本開示の様々な態様による、PUSCH通信とPUCCH通信の選択的な多重化の別の例800を示す図である。
【0095】
参照番号805によって示すように、基地局110は、PUSCH通信とPUCCH通信が、図7に関して上記で説明したように1つまたは複数のシンボルにおいて重複するようにスケジュールされると判定してもよい。いくつかの態様では、基地局110は、(たとえば、ダウンリンク制御情報(DCI)を使用して)PUSCH通信およびPUCCH通信をスケジュールするPDCCH通信において送信されるスケジューリング情報に少なくとも部分的に基づいてこの判定を下してもよい。追加または代替として、基地局110は、(たとえば、DCIおよび/または無線リソース制御(RRC)メッセージを使用して)半永続的スケジューリング、構成済みスケジューリングなどに関して送信されたスケジューリング情報に少なくとも部分的に基づいてこの判定を下してもよい。
【0096】
いくつかの態様では、PUSCH通信とPUCCH通信は、図7に関して上記で説明したように同じPUCCHグループに含まれてもよい。いくつかの態様では、PUSCH通信は、図7に関して上記で説明したように、アップリンク許可を含むPDCCH通信によってスケジュールされてもよい。追加または代替として、PUCCH通信は、図7に関して上記で説明したように、ダウンリンク許可を含むPDCCH通信によってスケジュールされてもよい。
【0097】
参照番号810によって示すように、基地局110は、図7に関して上記で説明したように、PUSCH通信またはPUCCH通信の最も早いスケジュールされる開始時間に少なくとも部分的に基づいてしきい値時間を判定してもよい。いくつかの態様では、基地局110は、図7に関して上記で説明したように、PUSCH処理時間および/またはPUCCH処理時間に少なくとも部分的に基づいてしきい値時間を判定してもよい。以下に、しきい値時間の判定に関して、図9および図10に関連してさらに詳しく説明する。いくつかの態様では、UE120についてのPUSCH処理時間および/またはPUCCH処理時間が、UE120によって基地局110に(たとえば、RRCメッセージ、機能レポートなどにおいて)示されてもよい。
【0098】
参照番号815によって示すように、基地局110は、PUCCH通信に対応するアップリンク許可、ダウンリンク許可、およびPDSCH通信が、しきい値時間よりも前に送信され、ならびに/またはしきい値時間よりも前にUE120によって受信されるようにスケジュールされるかどうかに少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数の信号(たとえば、PUSCH通信のみ、PUCCH通信のみ、またはPUSCH通信とPUCCH通信の両方の少なくとも一部)を復号してもよい。
【0099】
いくつかの態様では、UE120は、アップリンク許可、ダウンリンク許可、およびPDSCH通信の最後のシンボル(たとえば、少なくとも最後のシンボル、および場合によっては1つまたは複数の他のシンボル)がしきい値時間よりも前にUE120によって受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信とPUCCH通信を多重化してもよい。この場合、これらの通信のうちのすべてがしきい値時間よりも前に基地局110によって送信されるとき、基地局110は、1つまたは複数のシンボルを復号する際にそのような多重化を想定してもよい。このようにして、UE120および基地局110は、そのような多重化によってネットワークリソースの節約、レイテンシの低減などを実現してもよい。
【0100】
いくつかの態様では、UE120は、UE120によってアップリンク許可、ダウンリンク許可、またはPDSCH通信の最後のシンボルのうちの少なくとも1つがしきい値時間よりも後に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信とPUCCH通信の多重化を妨げてもよい。この場合、これらの通信のうちのすべてがしきい値時間よりも前に基地局110によって送信されるとは限らないとき、基地局110は、1つまたは複数のシンボルを復号する際にPUSCH通信とPUCCH通信が多重化されないと想定してもよい。このようにして、復号エラーが低減されることがあり、それによって、処理リソースおよびメモリリソースが節約されることがある。
【0101】
たとえば、例800において参照番号820によって示すように、ダウンリンク許可およびアップリンク許可がしきい値時間より前に送信されるが、PDSCH通信の1つまたは複数のシンボルがしきい値時間よりも後に送信される場合、UE120は、PUCCH通信(たとえば、ACK/NACKフィードバック)をPUSCH通信にピギーバックさせるのに十分な時間を有さないことがあり、したがって、基地局110は、重複するシンボルにおいて受信される信号を復号することがある。
【0102】
いくつかの態様では、UE120は、PUSCH通信とPUCCH通信の両方を破棄してもよい。この場合、基地局110は、1つまたは複数のシンボルにおいて受信される1つまたは複数の信号を無視して(たとえば、信号を復号するのをスキップして)もよい。
【0103】
代替的に、UE120は、PUSCH通信またはPUCCH通信のいずれか一方のみを送信してもよく、PUSCH通信またはPUCCH通信の他方を破棄してもよい。追加または代替として、UE120は、前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされた通信または後のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされた通信のいずれか一方のみを送信してもよく、前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされた通信または後のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされた通信の他方を破棄してもよい。いずれの場合も、基地局110は、どの通信がUE120によって送信されるかの判定に少なくとも部分的に基づいて、重複するシンボルにおいて受信される信号を復号しならびに/または解釈してもよい。
【0104】
いくつかの態様では、基地局110とUE120はどちらも、どの通信を送信するかに関する情報を記憶してもよい。たとえば、そのような情報は、3GPP仕様に従って基地局110および/またはUE120のメモリにおいてハードコードされてもよい。追加または代替として、基地局110は、どの通信を送信すべきかおよびどの通信を破棄すべきかの指示をUE120に送信してもよい。このようにして、UE120は、様々な要件(たとえば、レイテンシ要件、信頼性要件など)、動作の様々な種類(たとえば、URLLC、eMBB)、基地局110に対する様々な負荷、様々なチャネル条件などについてフレキシブルに構成されてもよい。
【0105】
図8は、いくつかの態様における単一のPUSCH通信と単一のPUCCH通信に関する復号を表しているが、基地局110は、単一のPUSCH通信と複数のPUCCH通信に関して復号してもよく、複数のPUSCH通信と単一のPUCCH通信に関して復号してもよく、または複数のPUSCH通信と複数のPUCCH通信に関して復号してもよい。以下に、図11および図12に関連してさらに詳しく説明する。
【0106】
上記のように、図8は例として提示されている。他の例が可能であり、図8に関して説明したこととは異なってもよい。
【0107】
図9は、本開示の様々な態様による、PUSCH通信とPUCCH通信の選択的な多重化の別の例900を示す図である。
【0108】
参照番号905によって示すように、いくつかの態様では、PUSCH通信は、PUCCH通信よりも前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされてもよい。この場合、UE120および/または基地局110は、PUSCH処理時間(たとえば、N2)および/またはPUSCH通信のスケジュールされた開始時間に少なくとも部分的に基づいてしきい値時間を判定してもよい。
【0109】
いくつかの態様では、しきい値時間は、(たとえば、シンボル境界ではなく)しきい値シンボルとして算出されてもよく、PUSCH処理時間は長さがシンボルN2個分であってもよい。この場合、しきい値時間は、参照番号910によって示すように、PUSCH通信の最初のシンボル(たとえば、時間的に第1のシンボル)よりも前のN2+1個のシンボルであってもよい。この場合、(たとえば、PUSCH通信が最初に行われるので)しきい値時間がPUSCH処理時間から判定される場合、PUCCH通信に対応するダウンリンク許可およびPUCCH通信に対応するPDSCH通信の最後のシンボルは、多重化に十分な処理時間を許容するためにPUSCH通信の最初のシンボルからN2+1個前のシンボルにおいて生じるかまたはそれよりも前に生じるべきである。
【0110】
たとえば、参照番号915によって示すように、ダウンリンク許可およびPDSCH通信の最後のシンボルがPUSCH通信の最初のシンボルからN2+1個前のシンボルにおいて生じるかまたはそれよりも前に生じる場合、これによって、UE120は、PUSCH通信の最初のシンボルの前のN2個のシンボルにおいてPUSCH通信を処理し、PUCCH通信をPUSCH通信と多重化することが可能になる。
【0111】
しかし、参照番号920によって示すように、ダウンリンク許可またはPDSCH通信の最後のシンボルが、PUSCH通信の最初のシンボルからN2+1個前のシンボルよりも後に生じる場合、これによって、UE120は、PUSCH通信の最初のシンボルの前のN2個のシンボルにおいてPUSCH通信を処理することができなくなり、UE120は、PUCCH通信をPUSCH通信と多重化することができなくなる。
【0112】
上記のように、図9は例として提示されている。他の例が可能であり、図9に関して説明したこととは異なっていてもよい。
【0113】
図10は、本開示の様々な態様による、PUSCH通信とPUCCH通信の選択的な多重化の別の例1000を示す図である。
【0114】
参照番号1005によって示すように、いくつかの態様では、PUCCH通信は、PUSCH通信よりも前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされてもよい。この場合、UE120および/または基地局110は、PUCCH処理時間(たとえば、N1)、PUCCH通信に対応するPDSCH通信の持続時間(および/または事前構成されたデフォルト持続時間)、および/またはPUCCH通信のスケジュールされた開始時間に少なくとも部分的に基づいてしきい値時間を判定してもよい。
【0115】
いくつかの態様では、しきい値時間は、(たとえば、シンボル境界ではなく)しきい値シンボルとして算出されてもよく、PUCCH処理時間は長さがシンボルN1個分であってもよい。この場合、しきい値時間は、参照番号1010によって示すように、N1個のシンボルに、PUCCH通信における最初のシンボルの前のPDSCH通信のいくつかのシンボルを加えた時間であってもよい。この場合、(たとえば、PUCCH通信が最初に行われるので)しきい値時間がPUCCH処理時間および/またはPDSCH持続時間から判定される場合、PUSCH通信に対応するアップリンク許可は、多重化に十分な処理時間を許容するためにPUCCH通信の最初のシンボルからN1+NPDSCH個前のシンボルにおいて生じるかまたはそれよりも前に生じるべきである(たとえば、NPDSCHはPDSCH通信におけるシンボルの数である)。
【0116】
たとえば、参照番号1015によって示すように、アップリンク許可がPUCCH通信の最初のシンボルからN1+NPDSCH個前のシンボルにおいて生じるかまたはそれよりも前に生じる場合、これによって、UE120は、PUCCH通信の最初のシンボルよりも前にPUCCH通信を処理し、PUCCH通信をPUSCH通信と多重化することが可能になる。
【0117】
しかし、参照番号1020によって示すように、アップリンク許可がPUCCH通信の最初のシンボルからN1+NPDSCH個前のシンボルよりも後に生じる場合、これによって、UE120は、PUCCH通信の最初のシンボルよりも前にPUCCH通信を処理することができなくなり、UE120は、PUCCH通信をPUSCH通信と多重化することができなくなる。
【0118】
いくつかの態様では、しきい値時間は、事前構成された値(たとえば、事前構成された数のシンボル)なくとも部分的に基づいて判定されてもよい。たとえば、しきい値時間は、PUCCH通信における最初のシンボル前の、N1個のシンボルに事前構成されたシンボル数を加えたシンボル数であってもよい。追加または代替として、しきい値時間は、PUCCH通信における最初のシンボルの前の、N1個のシンボルに、NPDSCHと、事前構成されたシンボル数との間の最大値(たとえば、max{NPDSCH, Npreconfigured})を加えたシンボル数であってもよい。これにより、PDSCHが長いときにPDSCH持続時間を使用し、PDSCHが短いときに事前構成された値を使用することによって十分な処理時間が許容されることがある。いくつかの態様では、事前構成されたシンボル数は、(たとえば、十分な処理時間を許容するために)シンボル7個であってもよい。代替的に、事前構成されたシンボル数は、異なるシンボル数(たとえば、シンボル6個、シンボル8個など)であってもよい。
【0119】
いくつかの態様では、しきい値時間は、PUSCH通信またはPUCCH通信が前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされるかどうかの判定に少なくとも部分的に基づいて判定されてもよい。たとえば、PUSCH通信が前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされる場合、しきい値時間は、図9に関して上記で説明したように、PUSCH処理時間に少なくとも部分的に基づいて判定されてもよい。逆に、PUCCH通信が前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされる場合、しきい値時間は、図10に関して上記で説明したように、PUCCH処理時間に少なくとも部分的に基づいて判定されてもよい。いくつかの態様では、PUSCH通信とPUCCH通信が同じシンボルにおいて開始する場合、しきい値時間は、PUSCH処理時間に少なくとも部分的に基づいて判定された第1のしきい値時間およびPUCCH処理時間に少なくとも部分的に基づいて判定された第2のしきい値の最大値として判定されてもよい。
【0120】
いくつかの態様では、PUSCH通信またはPUCCH通信のうちのどちらが前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされるかにかかわらずに同じしきい値時間が使用されてもよい。いくつかの態様では、しきい値時間は、上述の第1のしきい値時間および第2のしきい値時間の最大値として判定されてもよい。たとえば、いくつかの態様では、しきい値時間は、max{N2 + 1, N1 + max{NPDSCH, Npreconfigured}}として算出されてもよい(たとえば、一例としてNpreconfigured = 7である)。代替的に、いくつかの態様では、PUSCH通信またはPUCCH通信のうちのどちらが前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされるかにかかわらずに第1のしきい値時間(たとえば、N2+1)が使用されてもよい。いくつかの態様では、PUSCH通信またはPUCCH通信のうちのどちらが前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされるかにかかわらずに第2のしきい値時間(たとえば、N1 + max{NPDSCH, Npreconfigured})が使用されてもよい。
【0121】
上記のように、図10は例として提示されている。他の例が可能であり、図10に関して説明したこととは異なってもよい。
【0122】
図11は、本開示の様々な態様による、PUSCH通信とPUCCH通信の選択的な多重化の別の例1100を示す図である。
【0123】
いくつかの態様では、UE120は、場合によっては(たとえば、選択的に)PUSCH通信と多重化すべき(たとえば、PUSCH通信の1つまたは複数のシンボルと重複する)複数のPUCCH通信があると判定してもよい。いくつかの態様では、PUSCH通信は、複数のPUCCH通信のうちのすべてのPUCCH通信よりも前のシンボルにおいて開始してもよい。この場合、PUCCH通信に対応するPDSCH通信のうちのすべてのPDSCH通信がしきい値時間よりも前に受信される場合、UE120は、PUSCH通信における複数のPDSCH通信についてのACK/NACKフィードバックを多重化してもよい。
【0124】
しかし、いくつかの態様では、第1のPDSCH通信は、しきい値時間よりも前に受信されてもよく、第2のPDSCH通信の少なくとも最後のシンボルはしきい値時間後に受信されてもよい。この場合、UE120は、第1のPDSCH通信に対応する第1のPUCCH通信(たとえば、第1のACK/NACKフィードバック)を多重化できる場合があるが、第2のPDSCH通信に対応する第2のPUCCH通信(たとえば、第2のACK/NACKフィードバック)を多重化できない場合がある。
【0125】
参照番号1105によって示すように、いくつかの態様では、第1のダウンリンク許可1110は第1のPDSCH通信1115と第1のPUCCH通信1120をスケジュールしてもよい。図示のように、第1のダウンリンク許可1110および第1のPDSCH通信1115の最後のシンボルは、しきい値時間よりも前に受信される。さらに図示するように、第2のダウンリンク許可1125は、第2のPDSCH通信1130および第2のPUCCH通信1135をスケジュールし、しきい値時間よりも前に受信されてもよく、第2のPDSCH通信1130の最後のシンボルは、しきい値時間よりも後に受信されてもよい。
【0126】
いくつかの態様では、UE120は、第2のダウンリンク許可1125がしきい値時間よりも前に受信され、第2のPDSCH通信1130の最後のシンボルがしきい値時間よりも後に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいて、第2のPUCCH通信1135に対応するNACKをPUSCH通信および第1のPUCCH通信1120と多重化してもよい。この場合、UE120は、第2のダウンリンク許可1125に示されるダウンリンク割当てインデックス(DAI)をACK/NACKフィードバックの多重化に使用するように構成されてもよい。たとえば、UE120は、第2のPDSCH通信1130に肯定応答すべきかそれとも否定応答すべきかを判定するのに十分な処理時間を有さないのでNACKを多重化してもよい。UE120は、第2のPDSCH通信1130を首尾よく受信した場合、NACKによってトリガされる第2のPDSCH通信1130の再送信を無視して(再送信の復号をスキップして)もよく、それによってUE120のエネルギーを節約する。
【0127】
代替的に、UE120は、第2のダウンリンク許可1125がしきい値時間よりも前に受信され、第2のPDSCH通信1130の最後のシンボルがしきい値時間よりも後に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいて第2のPUCCH通信1135を破棄してもよい。この場合、UE120は、第1のダウンリンク許可1110に示されるDAIをACK/NACKフィードバックの多重化に使用するように構成されてもよい。このようにして、PUSCH通信が、NACKを送信すべきかそれともACKを送信すべきかを判定せずにNACKによってパンクチャされるのを妨げることによって、信頼性が向上することがある。
【0128】
いくつかの態様では、UE120は、第2のPUCCH通信1135をスケジュールする(たとえば、ダウンリンク許可1125を含む場合も含まない場合もある)PDCCH通信がしきい値時間よりも前に受信され、PDCCH通信が、PDSCH通信をスケジュールしないとの判定に少なくとも部分的に基づいて、第2のPUCCH通信1135に対応するACKをPUSCH通信および第1のPUCCH通信1120と多重化してもよい。たとえば、いくつかの態様では、PDCCH通信は、構成(半永続的スケジューリング、構成済みスケジューリングなど)をアクティブ化するかまたは非アクティブ化する(たとえば、解放する)ための信号帯域幅部分切替え、および/またはPDSCH通信のスケジューリング以外の別の目的に使用されてもよい。この場合、UE120は、PDCCH通信が首尾よく受信された場合にPDCCH通信のACKを多重化してもよく、またはPDCCH通信が首尾よく受信されない場合にPDCCH通信のNACKを多重化してもよい。
【0129】
参照番号1140によって示すように、いくつかの態様では、第1のダウンリンク許可1145は第1のPDSCH通信1150と第1のPUCCH通信1155をスケジュールしてもよい。図示のように、第1のダウンリンク許可1145および第1のPDSCH通信1150の最後のシンボルは、しきい値時間よりも前に受信される。さらに図示するように、第2のダウンリンク許可1160は、第2のPDSCH通信1165および第2のPUCCH通信1170をスケジュールし、しきい値時間よりも後に受信されてもよい。
【0130】
いくつかの態様では、UE120は、第2のダウンリンク許可1160がしきい値時間よりも後に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいて第2のPDCCH通信1170を破棄してもよい。この場合、UE120は、第1のダウンリンク許可1145に示されるDAIをACK/NACKフィードバックの多重化に使用するように構成されてもよい。このようにして、PUSCH通信が、第2のPUCCH通信がACKを含むべきかそれともNACKを含むべきかを判定せずに第2のPUCCH通信によってパンクチャされるのを妨げることによって、信頼性が向上することがある。
【0131】
図11の動作についてUE120に関連して説明したが、同様の動作が、図8に関して上記で説明したのと同様に、基地局110によって実行されてもよい。いくつかの態様では、基地局110とUE120は、ACK/NACKフィードバックの取扱いに関する同じ規則のセットを記憶してもよく、それによって、UE120によって送信されるACK/NACKフィードバックは、基地局110によって適切に復号されならびに/または解釈される場合がある。いくつかの態様では、これらの規則のうちの1つもしくは複数は、(たとえば、3GPP仕様に少なくとも部分的に基づいて)基地局110および/またはUE120のメモリにハードコードされてもよい。追加または代替として、これらの規則のうちの1つまたは複数は、基地局110によってUE120に(たとえば、RRCメッセージ、DCIなどにおいて)示されてもよい。このようにして、UE120は、フレキシブルに構成されてもよい。
【0132】
上記のように、図11は例として提示されている。他の例が可能であり、図11に関して説明したこととは異なってもよい。
【0133】
図12は、本開示の様々な態様による、PUSCH通信とPUCCH通信の選択的な多重化の別の例1200を示す図である。
【0134】
図12に示すように、いくつかの態様では、UE120は、PUCCH通信1210と多重化すべき(たとえば、PUCCH通信1210の1つまたは複数のシンボルと重複する)複数のPUSCH通信1205(たとえば、第1のPUSCH通信1205-1および第2のPUSCH通信1205-2として示されている)があると判定してもよい。いくつかの態様では、PUCCH通信1210は、複数のPUSCH通信1205のうちのすべてのPUSCH通信1205よりも前のシンボルにおいて開始してもよい。この場合、PUSCH通信1205に対応するアップリンク許可1215のうちのすべてのアップリンク許可1215がしきい値時間よりも前に受信される場合、UE120は、PUCCH通信1210を複数のPUSCH通信1205のうちの1つまたは複数のPUSCH通信1205と多重化してもよい。
【0135】
いくつかの態様では、UE120は、複数のPUSCH通信1205のうちのどれが最も早い開始シンボルを有するかを判定してもよく、最も早い開始シンボルを有するPUSCH通信1205にPUCCH通信1210をピギーバックさせてもよい。たとえば、例1200では、UE120は、PUCCH通信1210を第1のPUSCH通信1205-1にピギーバックさせてもよい。いくつかの態様では、UE120は、PUCCH通信1210を(たとえば、後の開始シンボルを有する)第2のPUSCH通信1205-2にピギーバックさせてもよい。このようにして、PUCCHに対するレイテンシが低減する場合がある。
【0136】
いくつかの態様では、UE120は、複数のPUSCH通信1205のうちで割り当てられるリソースが最も多いPUSCH通信1205はどれかを判定してもよく、割り当てられるリソースが最も多いPUSCH通信1205にPUCCH通信1210をピギーバックさせてもよい。このようにして、PUSCH通信1205のリソースのより少ない割合をパンクチャまたは占有することによって信頼性が高められることがある。
【0137】
いくつかの態様では、UE120は、PUCCH通信1210を複数のPUSCH通信1205にピギーバックさせてもよい。たとえば、例1200では、UE120は、PUCCH通信1210を第1のPUSCH通信1205-1と第2のPUSCH通信1205-2にピギーバックさせてもよい。いくつかの態様では、UE120は、PUCCH通信1210を複数のPUSCH通信1205にピギーバックさせるときに、周波数ホッピングによってPUSCH上にUCIをピギーバックさせる1つまたは複数の規則を適用してもよい。たとえば、複数のPUSCH通信1205は、周波数ホッピングが設定されたPUSCH通信1205がない場合でも、これらの規則を適用することを目的として1つのPUSCHのそれぞれに異なる周波数ホップと見なされてもよい。このようにして、基地局110がPUCCH通信1210を受信する可能性が高められることがある。
【0138】
図12の動作についてUE120に関連して説明したが、同様の動作が、上記で図8に関して説明したのと同様に、基地局110によって実行されてもよい。いくつかの態様では、基地局110とUE120は、複数の重複するPUSCH通信に対するPUCCH通信の多重化に関して同じ規則のセットを記憶してもよく、それによって、重複するシンボルにおいてUE120によって送信される情報は、基地局110によって適切に復号されならびに/または解釈される場合がある。いくつかの態様では、これらの規則のうちの1つもしくは複数は、(たとえば、3GPP仕様に少なくとも部分的に基づいて)基地局110および/またはUE120のメモリにハードコードされてもよい。追加または代替として、これらの規則のうちの1つまたは複数は、基地局110によってUE120に(たとえば、RRCメッセージ、DCIなどにおいて)示されてもよい。このようにして、UE120は、フレキシブルに構成されてもよい。
【0139】
上記のように、図12は例として提示されている。他の例が可能であり、図12に関して説明したこととは異なってもよい。
【0140】
図13は、本開示の様々な態様による、たとえば、UEによって実行される例示的なプロセス1300を示す図である。例示的なプロセス1300は、UE(たとえば、UE120など)が、PUSCH通信とPUCCH通信の選択的な多重化に関連する動作を実行する一例である。
【0141】
図13に示すように、いくつかの態様では、プロセス1300は、アップリンク許可によってスケジュールされる物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)通信と、ダウンリンク許可によってスケジュールされる物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)通信に対応する物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)通信が、1つまたは複数のシンボルにおいて重複するようにスケジュールされると判定することを含んでもよい(ブロック1310)。たとえば、(たとえば、コントローラ/プロセッサ280などを使用する)UEは、図7図12に関して上記で説明したように、PUSCH通信とPUCCH通信が1つまたは複数のシンボルにおいて重複するようにスケジュールされると判定してもよい。いくつかの態様では、PUSCH通信は、アップリンク許可によってスケジュールされてもよい。いくつかの態様では、PUCCH通信は、ダウンリンク許可によってスケジュールされてもよい。
【0142】
図13にさらに示すように、いくつかの態様では、プロセス1300は、PUSCH通信またはPUCCH通信の最も早いスケジュールされる開始時間に少なくとも部分的に基づいてしきい値時間を判定することを含んでもよい(ブロック1320)。たとえば、(たとえば、コントローラ/プロセッサ280などを使用する)UEは、図7図12に関して上記で説明したように、PUSCH通信またはPUCCH通信の最も早いスケジュールされる開始時間に少なくとも部分的に基づいてしきい値時間を判定してもよい。
【0143】
図13にさらに示すように、いくつかの態様では、プロセス1300は、PUCCH通信に対応するアップリンク許可、ダウンリンク許可、および物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)通信がしきい値時間よりも前に受信されるかどうかに少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信とPUCCH通信を選択的に多重化することを含んでもよい(ブロック1330)。たとえば、(たとえば、コントローラ/プロセッサ280、送信プロセッサ264、TX MIMOプロセッサ266、MOD254、アンテナ252などを使用する)UEは、PUCCH通信に対応するアップリンク許可、ダウンリンク許可、およびPDSCH通信が、図7図12に関して上記で説明したようにしきい値時間よりも前に受信されるかどうかに少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信とPUCCH通信を選択的に多重化してもよい。
【0144】
図13にさらに示すように、いくつかの態様では、プロセス1300は、選択的な多重化に少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信、PUCCH通信、またはPUSCH通信とPUCCH通信の両方を送信することを含んでもよい(ブロック1340)。たとえば、(たとえば、コントローラ/プロセッサ280、送信プロセッサ264、TX MIMOプロセッサ266、MOD254、アンテナ252などを使用する)UEは、図7図12に関して上記で説明したように、選択的な多重化に少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信、PUCCH通信、またはPUSCH通信とPUCCH通信の両方を送信してもよい。
【0145】
プロセス1300は、以下でおよび/または本明細書の他の場所で説明する1つもしくは複数の他のプロセスに関して説明する、任意の単一の態様または態様の任意の組合せなどの、追加の態様を含んでもよい。
【0146】
第1の態様では、PUSCH通信とPUCCH通信は、PUSCH通信をパンクチャするか、またはPUCCH通信のアップリンク制御情報(UCI)を中心としてPUSCH通信をレートマッチさせることによって、UCIをPUSCH通信にピギーバックさせることによって多重化される。
【0147】
第2の態様単独においてまたは第1の態様との組合せにおいて、PUSCH通信とPUCCH通信は、それぞれに異なるシンボルにおいて開始するようにスケジュールされ、最も早いスケジュールされる開始時間は、PUSCH通信またはPUCCH通信のどちらが前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされるかに少なくとも部分的に基づいて判定される。
【0148】
第3の態様単独においてまたは第1および第2の態様のうちの1つもしくは複数との組合せにおいて、PUSCH通信とPUCCH通信は同じPUCCHグループに含められる。
【0149】
第4の態様単独においてまたは第1~第3の態様のうちの1つもしくは複数との組合せにおいて、UEは、アップリンク許可、ダウンリンク許可、およびPDSCH通信の最後のシンボルがしきい値時間よりも前に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信とPUCCH通信を多重化するように構成される。
【0150】
第5の態様単独においてまたは第1~第4の態様のうちの1つもしくは複数との組合せにおいて、UEは、アップリンク許可、ダウンリンク許可、またはPDSCH通信の最後のシンボルのうちの少なくとも1つがしきい値時間よりも後に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信とPUCCH通信の多重化を妨げるように構成される。
【0151】
第6の態様単独においてまたは第1~第5の態様のうちの1つもしくは複数との組合せにおいて、UEは、アップリンク許可、ダウンリンク許可、またはPDSCH通信の最後のシンボルのうちの少なくとも1つがしきい値時間よりも後に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信とPUCCH通信の両方を破棄するように構成される。
【0152】
第7の態様単独においてまたは第1~第6の態様のうちの1つもしくは複数との組合せにおいて、UEは、アップリンク許可、ダウンリンク許可、またはPDSCH通信の最後のシンボルのうちの少なくとも1つがしきい値時間よりも後に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいて、PUCCH通信またはPUSCH通信の一方を送信し他方を破棄するように構成される。
【0153】
第8の態様単独においてまたは第1~第7の態様のうちの1つもしくは複数との組合せにおいて、UEは、アップリンク許可、ダウンリンク許可、またはPDSCH通信の最後のシンボルのうちの少なくとも1つがしきい値時間よりも後に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいて、前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされるPUCCH通信もしくはPUSCH通信のいずれか一方、または後のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされるPUCCH通信もしくはPUSCH通信のいずれか一方の一方を送信し他方を破棄するように構成される。
【0154】
第9の態様単独においてまたは第1~第8の態様のうちの1つもしくは複数との組合せにおいて、しきい値時間は、PUSCH通信がPUCCH通信よりも前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされるときのPUSCH処理時間およびPUSCH通信のスケジュールされる開始時間に少なくとも部分的に基づいて判定される。
【0155】
第10の態様単独においてまたは第1~第9の態様のうちの1つもしくは複数との組合せにおいて、しきい値時間は、PUCCH処理時間、PDSCH通信の持続時間または事前構成された値、およびPUCCH通信がPUSCH通信よりも前のシンボルにおいて開始するようにスケジュールされるときのPUCCH通信のスケジュールされる開始時間に少なくとも部分的に基づいて判定される。
【0156】
第11の態様単独においてまたは第1~第10の態様のうちの1つもしくは複数との組合せにおいて、しきい値時間は、前のシンボルにおいて開始するPUSCH通信またはPUCCH通信のいずれか一方の最初のシンボルよりも前のシンボル数である。
【0157】
第12の態様単独においてまたは第1~第11の態様のうちの1つもしくは複数との組合せにおいて、この数は、PUSCH処理時間に少なくとも部分的に基づいて判定される第1のしきい値時間およびPUCCH処理時間に少なくとも部分的に基づいて判定される第2のしきい値時間の最大値に対応する。
【0158】
第13の態様単独においてまたは第1~第12の態様のうちの1つもしくは複数との組合せにおいて、しきい値時間は、PUSCH処理時間またはPUCCH処理時間に少なくとも部分的に基づいて判定される。
【0159】
第14の態様単独においてまたは第1~第13の態様のうちの1つもしくは複数との組合せにおいて、PUCCH通信は、第1のPUCCH通信に対応するアップリンク許可、ダウンリンク許可、およびPDSCH通信が、しきい値時間よりも前に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいてPUSCH通信と多重化される第1のPUCCH通信であり、第2のPUCCH通信は、PUSCH通信の1つまたは複数のシンボルと重複するようにスケジュールされる。
【0160】
第15の態様単独においてまたは第1~第14の態様のうちの1つもしくは複数との組合せにおいて、UEは、第2のPUCCH通信をスケジュールするダウンリンク許可がしきい値時間よりも前に受信され、第2のPUCCH通信に対応するPDSCH通信の最後のシンボルがしきい値時間よりも後に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいて、第2のPUCCH通信に対応する否定応答(NACK)をPUSCH通信および第1のPUCCH通信と多重化するように構成される。
【0161】
第16の態様単独においてまたは第1~第15の態様のうちの1つもしくは複数との組合せにおいて、UEは、肯定応答または否定応答(ACK/NACK)フィードバックのために、第2のPUCCH通信をスケジュールするダウンリンク許可において示されるダウンリンク割当てインデックス(DAI)を介して構成される。
【0162】
第17の態様単独においてまたは第1~第16の態様のうちの1つもしくは複数との組合せにおいて、UEは、第2のPUCCH通信をスケジュールするダウンリンク許可が、しきい値時間よりも前に受信され、第2のPUCCH通信に対応するPDSCH通信の最後のシンボルがしきい値時間よりも後に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいて第2のPUCCH通信を破棄するように構成される。
【0163】
第18の態様単独においてまたは第1~第17の態様のうちの1つもしくは複数との組合せにおいて、UEは、肯定応答または否定応答(ACK/NACK)フィードバックのために、第1のPUCCH通信をスケジュールするダウンリンク許可において示されるダウンリンク割当てインデックス(DAI)を介して構成される。
【0164】
第19の態様単独においてまたは第1~第18の態様のうちの1つもしくは複数との組合せにおいて、UEは、第2のPUCCH通信をスケジュールする物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)通信がしきい値時間よりも前に受信され、PDCCH通信がPDSCH通信をスケジュールしないとの判定に少なくとも部分的に基づいて、第2のPUCCH通信に対応する肯定応答(ACK)をPUSCH通信および第1のPUCCH通信と多重化するように構成される。
【0165】
第20の態様単独においてまたは第1~第19の態様のうちの1つもしくは複数との組合せにおいて、UEは、第2のPUCCH通信をスケジュールするダウンリンク許可が、しきい値時間よりも後に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいて第2のPUCCH通信を破棄するように構成される。
【0166】
第21の態様単独においてまたは第1~第20の態様のうちの1つもしくは複数との組合せにおいて、UEは、肯定応答または否定応答(ACK/NACK)フィードバックのために、第1のPUCCH通信をスケジュールするダウンリンク許可において示されるダウンリンク割当てインデックス(DAI)を介して構成される。
【0167】
第22の態様単独においてまたは第1~第21の態様のうちの1つもしくは複数との組合せにおいて、PUSCH通信は、アップリンク許可、ダウンリンク許可、およびPDSCH通信が、しきい値時間よりも前に受信されるとの判定に少なくとも部分的に基づいてPUCCH通信と多重化される第1のPUSCH通信であり、しきい値時間よりも前に受信されるダウンリンク許可によってスケジュールされる第2のPUSCH通信は、PUCCH通信の1つまたは複数のシンボルと重複するようにスケジュールされる。
【0168】
第23の態様単独においてまたは第1~第22の態様のうちの1つもしくは複数との組合せにおいて、PUCCH通信は、第1のPUSCH通信が第2のPUSCH通信よりも前の開始シンボルを有するとの判定に少なくとも部分的に基づいて第1のPUSCH通信にピギーバックされる。
【0169】
第24の態様単独においてまたは第1~第23の態様のうちの1つもしくは複数との組合せにおいて、PUCCH通信は、第1のPUSCH通信に割り当てられるリソースが第2のPUSCH通信に割り当てられるリソースよりも多いとの判定に少なくとも部分的に基づいて第1のPUSCH通信にピギーバックされる。
【0170】
第25の態様単独においてまたは第1~第24の態様のうちの1つもしくは複数との組合せにおいて、PUCCH通信は、第1のPUSCH通信と第2のPUSCH通信の両方にピギーバックされる。
【0171】
図13は、プロセス1300の例示的なブロックを示すが、いくつかの態様では、プロセス1300は、図13に図示されるブロックと比べて、追加のブロック、より少ないブロック、異なるブロック、または異なるように配置されたブロックを含んでもよい。加えて、または代わりに、プロセス1300のブロックのうちの2つ以上が並列に実行されてよい。
【0172】
図14は、本開示の様々な態様による、たとえば基地局によって実行される例示的なプロセス1400を示す図である。例示的なプロセス1400は、基地局(たとえば、基地局110など)が、PUSCH通信とPUCCH通信の選択的な多重化に関連する動作を実行する一例である。
【0173】
図14に示すように、いくつかの態様では、プロセス1400は、アップリンク許可によってスケジュールされる物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)通信と、ダウンリンク許可によってスケジュールされる物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)通信に対応する物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)通信が、1つまたは複数のシンボルにおいて重複するようにスケジュールされると判定することを含んでもよい(ブロック1410)。たとえば、(たとえば、コントローラ/プロセッサ240などを使用する)基地局は、図7図12に関して上記で説明したように、PUSCH通信とPUCCH通信が1つまたは複数のシンボルにおいて重複するようにスケジュールされると判定してもよい。いくつかの態様では、PUSCH通信は、アップリンク許可によってスケジュールされてもよい。いくつかの態様では、PUCCH通信は、ダウンリンク許可によってスケジュールされてもよい。
【0174】
図14にさらに示すように、いくつかの態様では、プロセス1400は、PUSCH通信またはPUCCH通信の最も早いスケジュールされる開始時間に少なくとも部分的に基づいてしきい値時間を判定することを含んでもよい(ブロック1420)。たとえば、(たとえば、コントローラ/プロセッサ240などを使用する)基地局は、図7図12に関して上記で説明したように、PUSCH通信またはPUCCH通信の最も早いスケジュールされる開始時間に少なくとも部分的に基づいてしきい値時間を判定してもよい。
【0175】
図14にさらに示すように、いくつかの態様では、プロセス1400は、アップリンク許可、ダウンリンク許可、およびPDSCH通信がしきい値時間よりも前に送信されるかどうかに少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のシンボルにおいて受信される1つまたは複数の信号を復号することを含んでもよい(ブロック1430)。たとえば、(たとえば、アンテナ234、DEMOD232、MIMO検出器236、受信プロセッサ238、コントローラ/プロセッサ240などを使用する)基地局は、PUCCH通信に対応するアップリンク許可、ダウンリンク許可、およびPDSCH通信が、図7図12に関して上記で説明したようにしきい値時間よりも前に送信されるかどうかに少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のシンボルにおいて受信される1つまたは複数の信号を復号してもよい。
【0176】
プロセス1400は、本明細書での他の場所で説明する1つまたは複数の他のプロセスに関連して説明する、任意の単一の態様または複数の態様の任意の組合せなどの、追加の態様を含んでもよい。
【0177】
図14は、プロセス1400の例示的なブロックを示すが、いくつかの態様では、プロセス1400は、図14に図示されるブロックと比べて、追加のブロック、より少ないブロック、異なるブロック、または異なるように配置されたブロックを含んでもよい。追加または代替として、プロセス1400のブロックのうちの2つ以上が並行して実施されてもよい。
【0178】
上記の開示は、例示および説明を提供するものであり、網羅的なものでも、または態様を開示された厳密な形態に限定するものでもない。上記の開示を考慮して修正および変形が可能であり、または、態様の実践から修正および変形が得られることがある。
【0179】
本明細書で使用される、構成要素という用語は、ハードウェア、ファームウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組合せとして、広く解釈されるものとする。本明細書で使用される「プロセッサ」は、ハードウェア、ファームウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組合せとして実装される。
【0180】
本明細書では、いくつかの態様はしきい値に関して説明される。本明細書で使用される「しきい値を満たすこと」は、値が、しきい値よりも大きいこと、しきい値以上であること、しきい値未満であること、しきい値以下であること、しきい値に等しいこと、しきい値に等しくないことなどを指すことがある。
【0181】
本明細書で説明されるシステムおよび/または方法は、様々な形態のハードウェア、ファームウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組合せで実装されてもよいことが明らかである。これらのシステムおよび/または方法を実装するために使用される実際の専用の制御ハードウェアまたはソフトウェアコードは、態様を限定するものではない。したがって、システムおよび/または方法の動作および挙動について、特定のソフトウェアコードを参照することなく本明細書で説明した。ソフトウェアおよびハードウェアは、本明細書での説明に少なくとも部分的に基づいてシステムおよび/または方法を実装するように設計されてもよいことを理解されたい。
【0182】
特徴の特定の組合せが特許請求の範囲において列挙され、かつ/または本明細書で開示されても、これらの組合せは、可能な態様の開示を限定するものではない。実際には、これらの特徴の多くが、特許請求の範囲において具体的に列挙されないやり方で、および/または本明細書で開示されないやり方で組み合わされてもよい。以下に記載する各従属クレームは、1つのみのクレームに直接従属することがあるが、可能な態様の開示は、クレームセットの中のあらゆる他のクレームと組み合わせた各従属クレームを含む。項目のリスト「のうちの少なくとも1つ」を指す句は、単一のメンバーを含むそれらの項目の任意の組合せを指す。例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、およびa-b-c、ならびに複数の同じ要素による任意の組合せ(たとえば、a-a、a-a-a、a-a-b、a-a-c、a-b-b、a-c-c、b-b、b-b-b、b-b-c、c-c、およびc-c-c、または、a、b、およびcの任意の他の順序)を包含することが意図される。
【0183】
本明細書で使用する要素、行為、または命令はいずれも、そのように明示的に説明されない限り、重要または不可欠であるものと解釈されるべきではない。また、本明細書で使用する冠詞「a」および「an」は、1つまたは複数の項目を含むものとし、「1つまたは複数の」と交換可能に使用されることがある。さらに、本明細書で使用する「セット」および「グループ」という用語は、1つまたは複数の項目(たとえば、関連する項目、関連しない項目、関連する項目と関連しない項目の組合せなど)を含むものとし、「1つまたは複数の」と互換的に使用されてもよい。1つのみの項目が意図される場合、「1つの」という用語または同様の言葉が使用される。また、本明細書で使用する「有する(has)」、「有する(have)」、「有する(having)」などの用語は、非制限的な用語であるものとする。さらに、「に基づいて」という句は、別段に明記されていない限り、「に少なくとも部分的に基づいて」を意味するものとする。
【符号の説明】
【0184】
100 ネットワーク
102a マクロセル
102b ピコセル
102c フェムトセル
110、110a、110b、110c、110d BS
120、120a、120b、120c、120d、120e UE
130 ネットワークコントローラ
200 設計
212 データソース
220 送信プロセッサ
230 送信(TX)多重入力多重出力(MIMO)プロセッサ
232 復調器
234a~234t アンテナ
236 MIMO検出器
238 受信プロセッサ
240 コントローラ/プロセッサ
242 メモリ
244 通信ユニット
246 スケジューラ
252a~252r アンテナ
254a~254r 復調器
256 MIMO検出器
258 受信プロセッサ
260 データシンク
264 送信プロセッサ
266 TX MIMOプロセッサ
280 コントローラ/プロセッサ
282 メモリ
290 コントローラ/プロセッサ
292 メモリ
294 通信ユニット
300 フレーム構造
410 サブフレームフォーマット
500 図
502 制御部分
504 DLデータ部分
506 ショートバースト部分
600 図
602 制御部分
604 ULロングバースト部分
606 ULショートバースト部分
700、800、900、1000、1100、1200 例
1110 第1のダウンリンク許可
1115 第1のPDSCH通信
1120 第1のPUCCH通信
1125 第2のダウンリンク許可
1130 第2のPDSCH通信
1135 第2のPUCCH通信
1145 第1のダウンリンク許可
1150 第1のPDSCH通信
1155 第1のPUCCH通信
1160 第2のダウンリンク許可
1165 第2のPDSCH通信
1170 第2のPUCCH通信
1205 PUSCH通信
1205-1 第1のPUSCH通信
1205-2 第2のPUSCH通信
1210 PUCCH通信
1215 アップリンク許可
1300 プロセス
1400 プロセス
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14