(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】基礎形成用型枠
(51)【国際特許分類】
E02D 27/01 20060101AFI20240820BHJP
【FI】
E02D27/01 C
(21)【出願番号】P 2023210564
(22)【出願日】2023-12-13
【審査請求日】2023-12-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】日鉄エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100217249
【氏名又は名称】堀田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221279
【氏名又は名称】山口 健吾
(74)【代理人】
【識別番号】100207686
【氏名又は名称】飯田 恭宏
(74)【代理人】
【識別番号】100224812
【氏名又は名称】井口 翔太
(72)【発明者】
【氏名】八幡 一義
(72)【発明者】
【氏名】岩田 正幸
【審査官】小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-203024(JP,A)
【文献】実開昭61-026744(JP,U)
【文献】特開平07-259086(JP,A)
【文献】特開2005-133441(JP,A)
【文献】実開平05-038196(JP,U)
【文献】特開平11-043951(JP,A)
【文献】特開2002-147017(JP,A)
【文献】実開昭59-012366(JP,U)
【文献】特開2020-020218(JP,A)
【文献】実開昭63-096156(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 27/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲される、薄い板材の板面で形成された円形型枠と、
前記円形型枠に取り付けられて、前記円形型枠を据付面に据え付ける複数の型枠据付部材と、を備え、
前記複数の型枠据付部材の各々の厚さは、前記板材の厚さよりも厚く、
前記複数の型枠据付部材は、前記円形型枠に固定される型枠側固定部と、前記据付面に固定される据付面側固定部と、を備え、
前記型枠側固定部と前記据付面側固定部とは略垂直な方向に延在し、
前記型枠側固定部が前記円形型枠に溶接によって固定されている、
基礎形成用型枠。
【請求項2】
前記型枠据付部材の厚さは、前記円形型枠を自立させる大きさである、請求項
1に記載の基礎形成用型枠。
【請求項3】
前記型枠据付部材の厚さは、前記円形型枠の形状を安定させる大きさである、請求項
1に記載の基礎形成用型枠。
【請求項4】
前記複数の型枠据付部材の厚さは同じである、請求項
1に記載の基礎形成用型枠。
【請求項5】
前記円形型枠は、打設されるコンクリートから、高さに応じた、前記円形型枠周りで均等な力を受けることで、平面視において円形状に形成される、請求項
1に記載の基礎形成用型枠。
【請求項6】
前記型枠側固定部は、前記円形型枠の外側に取り付けられる、請求項1に記載の基礎形成用型枠。
【請求項7】
前記据付面側固定部は、前記円形型枠から外側に向かって延びている、請求項
1に記載の基礎形成用型枠。
【請求項8】
前記据付面側固定部は、平面視において前記円形型枠により形成される円の半径方向に延在している、請求項
1に記載の基礎形成用型枠。
【請求項9】
前記据付面側固定部は、前記据付面に2箇所以上で固定され、
前記型枠側固定部は、前記円形型枠に1箇所で固定される、請求項
6に記載の基礎形成用型枠。
【請求項10】
前記据付面側固定部は、前記据付面に1箇所で固定され、
前記型枠側固定部は、前記円形型枠に2箇所以上で固定される、請求項
6に記載の基礎形成用型枠。
【請求項11】
前記据付面側固定部は、前記据付面に1箇所で固定され、
前記型枠側固定部は、前記円形型枠に1箇所で固定される、請求項
6に記載の基礎形成用型枠。
【請求項12】
前記据付面側固定部は、前記据付面に2箇所以上で固定され、
前記型枠側固定部は、前記円形型枠に2箇所以上で固定される、請求項
6に記載の基礎形成用型枠。
【請求項13】
前記円形型枠は、複数の板材で形成され、
前記複数の板材には、前記円形型枠の円周方向長さの異なるものが含まれる、請求項
6に記載の基礎形成用型枠。
【請求項14】
前記複数の板材のうち1つのみの円周方向長さが異なり、他の板材の円周方向長さが揃っている、請求項
13に記載の基礎形成用型枠。
【請求項15】
前記複数の板材は、全て、前記円形型枠の円周方向長さが異なっている、請求項
13に記載の基礎形成用型枠。
【請求項16】
前記円形型枠は、複数の板材で形成され、
前記複数の板材は、全て、前記円形型枠の円周方向長さが同じである、請求項
6に記載の基礎形成用型枠。
【請求項17】
複数の前記型枠据付部材は、円周方向に互いに離間して配置されている、請求項
1に記載の基礎形成用型枠。
【請求項18】
複数の前記型枠据付部材は、不等間隔で配置されている、請求項
17に記載の基礎形成用型枠。
【請求項19】
複数の前記型枠据付部材は、等間隔で配置されている、請求項
17に記載の基礎形成用型枠。
【請求項20】
前記型枠据付部材の厚さは、前記板材の厚さの8倍以下の厚さである請求項
1に記載の基礎形成用型枠。
【請求項21】
前記型枠側固定部の延在方向の長さと前記据付面側固定部の延在方向の長さとの比は、1:1.5~1:2.0の範囲である、請求項
1に記載の基礎形成用型枠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基礎形成用型枠に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、基礎コンクリートを構築する場合には、平板状の型枠を建て込み、その中にコンクリートを打設することで構築している。その際、型枠はコンクリートの側圧により変形(はらみ出し)しないように補強材を用いて補強している。そのため、施工手間や工期がかかる問題があった。
【0003】
そこで、特許文献1のように、帯状板材を円形に湾曲して円形型枠を形成し、型枠内にコンクリートを打設して、基礎コンクリートを構築するという方法が知られている。この方法では、円形型枠を使用することで、コンクリート側圧を円形型枠の円周方向引張力に変換することができるので、薄板材で型枠を構成しながら、型枠に対して特別な補強が必要なくなるという利点が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、コンクリートを流し込む(打設する)際などに、円形型枠が位置ずれしたり、ゆがんだりすることがあった。
【0006】
本開示は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、コンクリート打設時の側圧に耐えるとともに、円形型枠の位置ずれを防ぐことができる基礎形成用型枠を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本開示の一態様は、湾曲される、薄い板材の板面で形成された円形型枠と、前記円形型枠に取り付けられて、前記円形型枠を据付面に据え付ける複数の型枠据付部材と、を備え、前記複数の型枠据付部材の各々の厚さは、前記板材の厚さよりも厚い、基礎形成用型枠を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本開示では、コンクリート打設時の側圧に耐えるとともに、円形型枠の位置ずれを防ぐことができる基礎形成用型枠を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態における基礎形成用型枠の斜視図である。
【
図2】据付面に設置された基礎形成用型枠の側面図である。
【
図3】本実施形態における基礎形成用型枠の平面図である。
【
図5】本実施形態における型枠据付部材の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る基礎形成用型枠1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態における基礎形成用型枠1の斜視図を示す。
【0011】
基礎形成用型枠1は、基礎コンクリートの形成に用いる基礎形成用型枠1である。
図1に示すように、基礎形成用型枠1の内側に、鉄筋110と、アンカーボルト120とが配置される。なお、鉄筋110の上方に、上端筋(図示省略)が設けられていてもよい。
【0012】
本実施形態において、円形型枠10の中心軸O1を中心として対称にアンカーボルト120が4本設けられている。アンカーボルト120の配置及び数は特に限定されない。
【0013】
鉄筋110の配置や構成は特に限定されない。鉄筋110の配置や構成は、例えば基礎コンクリートの大きさに応じて適宜設定できる。
【0014】
図2は、据付面140に設置された基礎形成用型枠1を示す。
図2に示すように、円形型枠10は、地面G1の掘下部130の据付面140に設置される。円形型枠10は、型枠据付部材20により固定される。据付面140には、捨てコンクリート層が形成されていてもよい。
このように設置された基礎形成用型枠1の中にコンクリートCを打設することで、基礎コンクリートを構築する。
【0015】
図3は、平面視における基礎形成用型枠1を示す。
図3に示すように、基礎形成用型枠1は、円形型枠10と、型枠据付部材20と、を有する。
【0016】
円形型枠10は、板材11を湾曲させ、接続部12で接続させることで構成される。接続部12は、板材11の両端部に設けられる。
具体的には、板材11の接続部12同士を重ね合わせ、固定部13(本実施形態では、ボルト)で固定されることで、円形型枠10が形成されている。板材11の接続方法(固定部13)は、ボルトに限定されず、例えば、接続する板材11の接続部12同士を重ねあわせ、溶接(例えば、スポット溶接等)により固定するものであってもよい。本実施形態において、固定部13は1つの接続部12あたり5か所(
図1等参照)設けられる。1つの接続部12あたりの固定部13の数は限定されない。
【0017】
本実施形態において、接続される板材11は3枚である。板材11の数は3枚に限定されず、1枚であってもよく、2枚又は4枚以上であってもよい。
【0018】
板材11は帯状である。板材11の長手方向長さは、円形型枠10の円周方向長さとなる。以降、板材11の長手方向長さを円周方向長さとする。
本実施形態において、複数の板材11のうち1つのみの円周方向長さが異なり、他の板材11の円周方向長さが揃っている。具体的には、本実施形態における円形型枠10は、2種類の円周方向長さの板材11で構成されており、(円周方向長さが長い)板材11aが2枚、(円周方向長さが短い)板材11bが1枚からなる。ただし、板材11aと板材11bとの枚数の組み合わせは、これに限定されない。
【0019】
円形型枠10に用いられる板材11の円周方向長さと組み合わせは上記に限定されない。円形型枠10に用いられる板材11の円周方向長さは全て同一であってもよく、全て異なっていてもよい。
例えば、円周方向長さの異なる板材11を複数種類用意しておき、組み合わせる板材11の数及び種類を変化させることで、構築する基礎コンクリートの大きさに合わせた円形型枠10を形成してもよい。
【0020】
本実施形態における板材11は、鋼板である。板材11の素材は、鋼板に限定されない。
【0021】
図4は、
図3のA方向矢視図を示す。
板材11の短手方向長さ(円形型枠10の高さ)は限定されない。
板材11の厚さT2は型枠据付部材20の厚さT1よりも薄ければよく、具体的な厚さは限定されない(
図5参照)。
【0022】
型枠据付部材20は、円形型枠10の固定に用いられる。
図3に示すように、型枠据付部材20の後述する据付面側固定部22は、平面視において円形型枠10により形成される円の半径r方向に延在していることが好ましい。
本実施形態において、円形型枠10は、等間隔に配置された4つの型枠据付部材20により固定されている。円形型枠10の固定に用いられる型枠据付部材20の数は4つに限定されず、1つであってもよく、2つ、3つ又は5つ以上であってもよい。円形型枠10の固定に用いられる型枠据付部材20の数が複数である場合、型枠据付部材20は、円周方向に互いに離間して配置されていることが好ましい。このとき、型枠据付部材20は、不等間隔で配置されていてもよく、等間隔で配置されていてもよい。
【0023】
図5は、円形型枠10と据付面140とに接続された型枠据付部材20の拡大図を示す。
図5に示すように、本実施形態における型枠据付部材20は、L字型金具である。なお、型枠据付部材20の形状及び素材は限定されない。
型枠据付部材20を円形型枠10と据付面140とに接続したときに、円形型枠10と接する側を型枠側固定部21、据付面140と接する側を据付面側固定部22とする。なお、型枠側固定部21と据付面側固定部22とは略垂直な方向に延在する。ここで、略垂直とは、型枠据付部材20の側面視における型枠側固定部21と据付面側固定部22との間の角度αが90度の場合だけでなく、例えば、角度αが90度に対して10度相違していてもよく、角度αが80度以上100度以下であってもよい。型枠側固定部21の延在方向の長さL1と据付面側固定部22の延在方向の長さL2との比は、1:1.5~1:2.0の範囲であってもよい。長さL1は、長さL2よりも短く、1.5≦(L2/L1)≦2.0であってもよい。
本実施形態において、型枠側固定部21は、円形型枠10の外側に一体的に取り付けられており、据付面側固定部22は、円形型枠10から外側に向かって延びている。なお、型枠側固定部21は、円形型枠10の内側に一体的に取り付けられていてもよく、据付面側固定部22は、円形型枠10から内側に向かって延びていてもよい。
ここで、一体的に取り付けられるとは、円形型枠10と型枠側固定部21とが面接触して固定されていることを表す。
【0024】
本実施形態において、据付面側固定部22は、据付面140に2箇所で固定され、型枠側固定部21は、円形型枠10に1箇所で固定されている。据付面側固定部22は据付部に1箇所で固定されていてもよく、複数箇所で固定されていてもよい。型枠側固定部21は円形型枠10に1箇所で固定されていてもよく、複数箇所で固定されていてもよい。
【0025】
例えば、据付面側固定部22は、据付面140に1箇所で固定され、型枠側固定部21は、円形型枠10に2箇所以上で固定されていてもよい。据付面側固定部22は、据付面140に1箇所で固定され、型枠側固定部21は、円形型枠10に1箇所で固定されていてもよい。据付面側固定部22は、据付面140に2箇所以上で固定され、型枠側固定部21は、円形型枠10に2箇所以上で固定されていてもよい。
【0026】
型枠据付部材20の固定方法は限定されない。本実施形態において、据付面側固定部22は、据付面140に釘(コンクリート釘)で固定され、型枠側固定部21は、円形型枠10にボルトで固定されている。型枠側固定部21は、スポット溶接により円形型枠10に固定されていてもよい。固定に釘やボルトを用いる場合、釘やボルトの使用数を、固定する箇所の数とすることができる。固定にスポット溶接を用いる場合、スポット溶接の数を、固定する箇所の数とすることができる。
【0027】
型枠据付部材20の幅は限定されない。
型枠据付部材20の厚T1さは板材11の厚さT2よりも厚ければよく、具体的な厚さは限定されない。
型枠据付部材20の厚さT1は、例えば円形型枠10を自立させる厚さであることが好ましい。型枠据付部材20の厚さT1は、例えば円形型枠10の形状を安定させる厚さであることが好ましい。円形型枠10の固定に用いる型枠据付部材20が複数である場合、複数の型枠据付部材20の厚さT1は、同じであることが好ましい。ただし、複数の型枠据付部材20の厚さT1は、異なっていてもよい。
【0028】
型枠据付部材20の厚さは、板材11の厚さの3倍以上が好ましい。型枠据付部材20の厚さが、板材11の厚さの3倍以上であれば、円形型枠10を自立させ、形状を安定させることができる。型枠据付部材20の重量及びコストの観点から、型枠据付部材20の厚さT1は、板材11の厚さT2の8倍以下の厚さであることが好ましい。
【0029】
以上説明した基礎形成用型枠1の中にコンクリートCを打設することで、基礎コンクリートを構築する。
このとき、円形型枠10は、打設されるコンクリートCから、高さに応じた、円形型枠10周りで均等な力を受けることで、平面視において円形状に形成される。
【0030】
以上説明したように、本実施形態に係る基礎形成用型枠1は、湾曲される、薄い板材11の板面で形成された円形型枠10と、円形型枠10に取り付けられて、円形型枠10を据付面140に据え付ける複数の型枠据付部材20と、を備え、複数の型枠据付部材20の各々の厚さT1は、板材11の厚さT2よりも厚い。
このような型枠据付部材20を用いることで、薄い板材11からなる円形型枠10を自立させることができ、コンクリートC打設時の側圧に耐えるとともに、円形型枠10の位置ずれを防ぐことができる。
【0031】
また、複数の型枠据付部材20の厚さT1は同じであってもよい。
複数の型枠据付部材20の厚さT1が同じであれば、基礎形成用型枠1の内側にコンクリートCを打設したとき、コンクリートCの側圧を均等に分散させることができる。よって、コンクリートC打設時の側圧に耐えるとともに、円形型枠10の位置ずれを防ぐことができる。
【0032】
また、円形型枠10は、打設されるコンクリートCから、高さに応じた、円形型枠10周りで均等な力を受けることで、平面視において円形状に形成されていてもよい。
これにより、円形型枠10を構成する板材11が薄くとも、円形型枠10周りで均等な力を受けることで、円形型枠10が真円状の形状を保持することができる。よって、コンクリートC打設時の側圧に耐えるとともに、円形型枠10の位置ずれを防ぐことができる。
【0033】
複数の型枠据付部材20は、円形型枠10に固定される型枠側固定部21と、据付面140に固定される据付面側固定部22と、を備え、型枠側固定部21と据付面側固定部22とは略垂直な方向に延在していてもよい。
これにより、円形型枠10の板材11を据付面140に対し略垂直に設置することができる。よって、コンクリートC打設時の側圧を板材11に均等に分散させることができ、コンクリートC打設時の側圧に耐えるとともに、円形型枠10の位置ずれを防ぐことができる。
【0034】
また、型枠側固定部21は、円形型枠10の外側に取り付けられていてもよい。
また、据付面側固定部22は、円形型枠10から外側に向かって延びていてもよい。
これにより、コンクリートCを打設したときに、型枠据付部材20が基礎コンクリートに干渉しないため好ましい。
【0035】
また、据付面側固定部22は、平面視において円形型枠10により形成される円の半径r方向に延在していてもよい。
円形型枠10にコンクリートCを打設したとき、中心軸O1から側面に向かう方向に側圧がかかる。このため、据付面側固定部22を、平面視において円形型枠10により形成される円の半径r方向に延在して設置することで、コンクリートC打設時の側圧に耐えるとともに、円形型枠10の位置ずれを防ぐことができる。
【0036】
据付面側固定部22は、据付面140に2箇所以上で固定され、型枠側固定部21は、円形型枠10に1箇所で固定されていてもよい。
これにより、据付面側固定部22が2点以上で固定されているため、据付面側固定部22に荷重がかかった際に横ずれすることを防ぐことができる。よって、コンクリートC打設時の側圧に耐えるとともに、円形型枠10の位置ずれを防ぐことができる。
【0037】
据付面側固定部22は、据付面140に1箇所以上で固定され、型枠側固定部21は、円形型枠10に2箇所で固定されていてもよい。
これにより、型枠側固定部21が2点以上で固定されているため、型枠側固定部21に荷重がかかった際に横ずれすることを防ぐことができる。よって、コンクリートC打設時の側圧に耐えるとともに、円形型枠10の位置ずれを防ぐことができる。
【0038】
据付面側固定部22は、据付面140に1箇所で固定され、型枠側固定部21は、円形型枠10に1箇所で固定されていてもよい。
これにより、コストを削減できるとともに、据付面側固定部22を固定する作業を簡略化することができ、施工を容易にすることができる。
【0039】
据付面側固定部22は、据付面140に2箇所以上で固定され、型枠側固定部21は、円形型枠10に2箇所以上で固定されていてもよい。
これにより、据付面側固定部22及び型枠側固定部21がいずれも2点以上で固定されているため、円形型枠10を強固に固定することができる。よって、コンクリートC打設時の側圧に耐えるとともに、円形型枠10の位置ずれをより確実に防ぐことができる。
【0040】
円形型枠10は、複数の板材11で形成され、複数の板材11には、円形型枠10の円周方向長さの異なるものが含まれていてもよい。
これにより、円周方向長さの異なる板材11を組み合わせて、様々な円周長さの円形型枠10を形成することができる。よって、構築したい基礎コンクリートの大きさに合わせて板材11を作成する必要がなく、コストを削減できるとともに、施工が容易な基礎形成用型枠1とすることができる。
ここで、複数の板材11に、円形型枠10の円周方向長さの異なるものが含まれている場合、複数の板材11が、円形型枠10の円周方向に第一の長さを有する第一の板材11と、円形型枠10の円周方向に第二の長さを有する第二の板材11とで構成され、かつ、第一の板材11と第二の板材11とが、それぞれ同数(一又は複数)で構成されていてもよい。
【0041】
複数の板材11のうち1つのみの円周方向長さが異なり、他の板材11の円周方向における長さが揃っていてもよい。
これにより、円周方向長さの異なる板材11を組み合わせて、様々な円周長さの円形型枠10を形成することができるとともに、用いる板材11の種類を2種類にとどめることができる。よって、コストを削減できるとともに、施工が容易な基礎形成用型枠1とすることができる。
【0042】
複数の板材11は、全て、円形型枠10の円周方向長さが異なっていてもよい。
これにより、円周方向長さの異なる板材11を組み合わせて、様々な円周長さの円形型枠10を形成することができる。
【0043】
複数の板材11で形成され、複数の板材11は、全て、円形型枠10の円周方向長さが同じであってもよい。
これにより、用いる板材11の種類を1種類にとどめることができる。よって、コストを削減できるとともに、施工が容易な基礎形成用型枠1とすることができる。
【0044】
複数の型枠据付部材20は、円周方向に互いに離間して配置されていてもよい。
これにより、コンクリートCから受ける側圧を複数の型枠据付部材20に分散させるべく、型枠据付部材20を適切な位置に配置することができる。よって、コンクリートC打設時の側圧に耐えるとともに、基礎形成用型枠1の位置ずれさせないようにすることができる。
【0045】
複数の型枠据付部材20は、不等間隔で配置されていてもよい。
これにより、複数の板材11の円周方向長さが異なっていても、型枠据付部材20を、板材11の円周方向長さに応じて、適切な位置に配置することができる。
【0046】
複数の型枠据付部材20は、等間隔で配置されていてもよい。
これにより、コンクリートCから受ける側圧を複数の型枠据付部材20に均等に分散させることができる。よって、コンクリートC打設時の側圧に耐えるとともに、基礎形成用型枠1の位置ずれを防ぐことができる。
【0047】
型枠据付部材20の厚さT1は、板材11の厚さT2の8倍以下の厚さである。
これにより、コンクリートC打設時の側圧に耐えるとともに、基礎形成用型枠1の位置ずれさせないようにすることができ、型枠据付部材20のコストと重量を削減することができる。
【0048】
型枠側固定部21の延在方向の長さL1と据付面側固定部22の延在方向の長さL2との比は、1:1.5~1:2.0の範囲であってもよい。
据付面側固定部22の延在方向の長さL2は型枠側固定部21の延在方向の長さL1よりも長い。これにより、コンクリートCから受ける側圧を、長さL2の長い据付面側固定部22を介して、据付面140に伝えることができる。したがって、薄い板材で構成された円形型枠10が倒れることを防ぐことができる。よって、コンクリートC打設時の側圧に耐えるとともに、基礎形成用型枠1の位置ずれを防ぐことができる。また、据付面側固定部22の延在方向の長さL2を、ある程度(型枠側固定部21の長さL1:据付面側固定部22の長さL2=1:1.5~1:2.0)に抑えることにより、型枠据付部材20の大型化を防ぐことができる。
【0049】
以上、本開示の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。
【符号の説明】
【0050】
1 基礎形成用型枠
10 円形型枠
11、11a、11b 板材
12 接続部
13 固定部
20 型枠据付部材
21 型枠側固定部
22 据付面側固定部
140 据付面
G1 地面
O1 中心軸
C コンクリート
L1 型枠側固定部の延在方向の長さ
L2 据付面側固定部の延在方向の長さ
T1 型枠据付部材の厚さ
T2 板材の厚さ
【要約】
【課題】コンクリート打設時の側圧に耐えるとともに、円形型枠の位置ずれを防ぐことができる基礎形成用型枠を提供する。
【解決手段】湾曲される、薄い板材11の板面で形成された円形型枠10と、円形型枠10に取り付けられて、円形型枠10を据付面140に据え付ける複数の型枠据付部材20と、を備え、複数の型枠据付部材20の各々の厚さは、板材11の厚さよりも厚い。
【選択図】
図1