(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】コンピュートインメモリトランジスタによるブール論理の実現方法、ユニット及び回路
(51)【国際特許分類】
H03K 19/173 20060101AFI20240820BHJP
H03K 19/21 20060101ALI20240820BHJP
H10B 51/00 20230101ALI20240820BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20240820BHJP
H01L 27/06 20060101ALI20240820BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20240820BHJP
H03K 19/185 20060101ALN20240820BHJP
【FI】
H03K19/173 130
H03K19/21
H10B51/00
H01L27/06 102A
H01L27/088 H
H03K19/185
(21)【出願番号】P 2023524981
(86)(22)【出願日】2022-05-07
(86)【国際出願番号】 CN2022091442
(87)【国際公開番号】W WO2023130632
(87)【国際公開日】2023-07-13
【審査請求日】2023-04-24
(31)【優先権主張番号】202210021493.1
(32)【優先日】2022-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521162399
【氏名又は名称】之江実験室
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】▲顧▼ 佳▲ニー▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 冰
(72)【発明者】
【氏名】玉 ▲シアオ▼
(72)【発明者】
【氏名】金 成吉
(72)【発明者】
【氏名】▲韓▼ 根全
【審査官】福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0172539(US,A1)
【文献】特開2005-012210(JP,A)
【文献】特開2003-179485(JP,A)
【文献】国際公開第2004/086625(WO,A1)
【文献】国際公開第2003/065582(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第114024546(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 19/173
H03K 19/21
H10B 51/00
H01L 21/8234
H03K 19/185
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュートインメモリトランジスタによるコンピュートインメモリ論理回路であって、前記コンピュートインメモリ論理回路が3つの基本セルからなり、前記基本セルがコンピュートインメモリトランジスタ及びプルアップ・ブルダウン抵抗からなり、プルアップ・ブルダウン抵抗がコンピュートインメモリトランジスタに直列接続され且つコンピュートインメモリトランジスタのゲート電極が独立し、プルアップ・ブルダウン抵抗の一端がコンピュートインメモリトランジスタのドレイン電極に接続され、 第1段コンピュートインメモリトランジスタのドレイン電極が第2段基本セルのゲート電極に接続されることにより、第1段基本セルと第2段基本セルとがカスケード接続されており、第2段基本セルと第3段基本セルとが1つのプルアップ・ブルダウン抵抗を共用し、第2段コンピュートインメモリトランジスタのドレイン電極が第3段コンピュートインメモリトランジスタのドレイン電極に接続され、且つ第2段コンピュートインメモリトランジスタのソース電極が第3段コンピュートインメモリトランジスタのソース電極に接続されることにより、第2段基本セルと第3段基本セルとが並列接続されており、第1段コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極、第3段コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極が前記コンピュートインメモリ論理回路の入力とされ、第3段コンピュートインメモリトランジスタのドレイン電極の電圧が前記コンピュートインメモリ論理回路の出力とされ、 第2段基本セルと第3段基本セルは並列接続構造であり、並列接続構造中のプルアップ・ブルダウン抵抗
のコンピュートインメモリトランジスタに接続されない一端のポートと第1段コンピュートインメモリトランジスタのソース電極とがGNDに接続され、並列接続構造中のコンピュートインメモリトランジスタのソース電極と第1段プルアップ・ブルダウン抵抗
のコンピュートインメモリトランジスタに接続されない一端のポートとがV
ddに接続され、第1段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧がV
t0/V
t-であり、論理値が0/1であり、第2段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧がV
t0であり、第3段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧がV
t+/V
t0であり、論理値が0/1であり、第1段基本セルはNOR論理演算を実現し、 前記コンピュートインメモリ論理回路はXNOR
論理演算を実現し、第1段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧と第3段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧との対応する論理値が一致し、Aで表され、第1段コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧と第3段コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧との対応する論理値が一致し、Bで表され、
前記基本セルにおいて、コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧V
t
は基本セルの入力Aを表し、コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧V
in
は基本セルの入力Bを表し、入力Aと入力Bがシリアル入力であり、コンピュートインメモリトランジスタのドレイン電極の電圧は基本セルの出力V
out
とされ、プルアップ・ブルダウン抵抗のコンピュートインメモリトランジスタに接続されない一端がポートT1であり、コンピュートインメモリトランジスタのソース電極がポートT2であり、 前記基本セルにおいて、コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧V
in
と閾値電圧V
t
はV
t
+>V
in+
>V
t0
>V
in-
>V
t-
の関係を満たし、 ゲート電極の電圧V
in
がV
in+
、V
in-
の間に変調され、閾値電圧V
t
がV
t+
、V
t0
、V
t-
の間に変調される ことを特徴とするコンピュートインメモリトランジスタによるコンピュートインメモリ論理回路。
【請求項2】
コンピュートインメモリトランジスタによるコンピュートインメモリ論理回路であって、前記コンピュートインメモリ論理回路が3つの基本セルからなり、前記基本セルがコンピュートインメモリトランジスタ及びプルアップ・ブルダウン抵抗からなり、プルアップ・ブルダウン抵抗がコンピュートインメモリトランジスタに直列接続され且つコンピュートインメモリトランジスタのゲート電極が独立し、プルアップ・ブルダウン抵抗の一端がコンピュートインメモリトランジスタのドレイン電極に接続され、 第1段コンピュートインメモリトランジスタのドレイン電極が第2段基本セルのゲート電極に接続されることにより、第1段基本セルと第2段基本セルとがカスケード接続されており、第2段基本セルと第3段基本セルとが1つのプルアップ・ブルダウン抵抗を共用し、第2段コンピュートインメモリトランジスタのドレイン電極が第3段コンピュートインメモリトランジスタのドレイン電極に接続され、第2段コンピュートインメモリトランジスタのソース電極が第3段コンピュートインメモリトランジスタのソース電極に接続されることにより、第2段基本セルと第3段基本セルとが並列接続されており、第1段コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極、第3段コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極が前記コンピュートインメモリ論理回路の入力とされ、第3段コンピュートインメモリトランジスタのドレイン電極の電圧が前記コンピュートインメモリ論理回路の出力とされ、 第2段基本セルと第3段基本セルは並列接続構造であり、並列接続構造中のコンピュートインメモリトランジスタのソース電極と第1段コンピュートインメモリトランジスタのソース電極とがGNDに接続され、並列接続構造中のプルアップ・ブルダウン抵抗
のコンピュートインメモリトランジスタに接続されない一端のポートと第1段プルアップ・ブルダウン抵抗
のコンピュートインメモリトランジスタに接続されない一端のポートとがV
ddに接続され、第1段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧がV
t0/V
t-であり、論理値が0/1であり、第2段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧がV
t0であり、第3段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧がV
t+/V
t0であり、論理値が0/1であり、第1段基本セルはNOR論理演算を実現し、 前記コンピュートインメモリ論理回路はXOR
論理演算を実現し、第1段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧と第3段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧との対応する論理値が一致し、Aで表され、第1段コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧と第3段コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧との対応する論理値が一致し、Bで表され、
前記基本セルにおいて、コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧V
t
は基本セルの入力Aを表し、コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧V
in
は基本セルの入力Bを表し、入力Aと入力Bがシリアル入力であり、コンピュートインメモリトランジスタのドレイン電極の電圧は基本セルの出力V
out
とされ、プルアップ・ブルダウン抵抗のコンピュートインメモリトランジスタに接続されない一端がポートT1であり、コンピュートインメモリトランジスタのソース電極がポートT2であり、 前記基本セルにおいて、コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧V
in
と閾値電圧V
t
はV
t
+>V
in+
>V
t0
>V
in-
>V
t-
の関係を満たし、 ゲート電極の電圧V
in
がV
in+
、V
in-
の間に変調され、閾値電圧V
t
がV
t+
、V
t0
、V
t-
の間に変調される ことを特徴とするコンピュートインメモリトランジスタによるコンピュートインメモリ論理回路。
【請求項3】
前記基本セルは
の10種のブール論理を実現することに用いられ、コンピュートインメモリトランジスタの閾値変化によりA、BのAND-OR関係を変調し、基本セルの両ボートの電圧の設定態様はNOTゲート機能を持つか否かを決定する ことを特徴とする請求項
1又は2に記載のコンピュートインメモリトランジスタによるコンピュートインメモリ論理回路。
【請求項4】
前記基本セルのブール論理の実現方法は、以下のステップa)~ステップd)を含み、 前記ステップa)では、ポートT1が接地され、ポートT2の電圧がV
ddである場合、コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧がV
t0であり、印加されるゲート電極の電圧がV
in+>V
t0とされる場合、出力が1であり、印加されるゲート電極の電圧がV
in-<V
t0とされる場合、出力が0であり、 前記ステップb)では、出力がBに関連せず、コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧がV
in+であり、閾値電圧がV
t+/V
t-である場合、A論理演算を実現し、閾値電圧がV
t+>V
in+とされる場合、Aの論理値が0であり、閾値電圧がV
t-<V
in+とされる場合、Aの論理値が1であり、NOTゲート機能をオン・オフにするようにポート電圧を調整することにより、
論理演算を実現し、 前記ステップc)では、出力がAに関連せず、コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧がV
t0であり、ゲート電極の電圧がV
in+/V
in-である場合、B論理演算を実現し、ゲート電極の電圧がV
in+>V
t0とされる場合、Bの論理値が1であり、ゲート電極の電圧がV
in-<V
t0とされる場合、Bの論理値が0であり、NOTゲート機能をオン・オフにするようにポート電圧を調整することにより、
論理演算を実現し、 前記ステップd)では、出力論理がA、Bの両方に関連し、印加されるゲート電極の電圧がV
in+/V
in-であり、Bの論理値が1/0である場合、 サブステップd1)では、閾値電圧がV
t+/V
t0であり、Aの論理値が0/1である場合、NOTゲート機能をオン・オフにするようにポート電圧を調整することにより、
、ABの2種の論理演算を実現し、 サブステップd2)では、閾値電圧がV
t0/V
t-であり、Aの論理値が0/1である場合、NOTゲート機能をオン・オフにするようにポート電圧を調整することにより、
、A+Bの2種の論理演算を実現する ことを特徴とする請求項
3に記載のコンピュートインメモリトランジスタによるコンピュートインメモリ論理回路。
【請求項5】
前記NOTゲート機能をオン・オフにするようにポート電圧を調整することは、ポートT1が接地され、ポートT2電圧がV
ddである場合、基本セルがNOTゲート機能を持たず、ポートT1電圧がV
ddであり、ポートT2が接地される場合、基本セルがNOTゲート機能を持つ ことを特徴とする請求項
4に記載のコンピュートインメモリトランジスタによるコンピュートインメモリ論理回路。
【請求項6】
前記コンピュートインメモリトランジスタは不揮発性三端子トランジスタである ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンピュートインメモリトランジスタによるコンピュートインメモリ論理回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体と集積回路の技術分野に属し、特にコンピュートインメモリ(computing-in-memory)トランジスタによるブール論理の実現方法、ユニット及び回路に関する。
【背景技術】
【0002】
フォンノイマン型アーキテクチャに基づく従来のコンピューティングシステムにおいて、コンピューティングユニットと記憶ユニットが物理的に分離されているので、データが両者の間に頻繁に転送される必要があり、システムの電力消費及び速度の深刻な損失をもたらす。メモリの性能の向上はCPUの性能に比べて圧倒的に遅く、且つ両者性能の差は大きなものとなり、高速低消費電力プロセッサの開発を制限してしまう。それと同時に、ハイアクセス、高並列の人工知能及び脳に倣うコンピューティング等の応用もコンピュートインメモリの発展を高速駆動している。
【0003】
コンピュートインメモリトランジスタは高速、低消費電力、高集積密度及び非破壊性読み出し等の利点を有すると同時に、該当デバイスはゲート電極の材料の分極を調整することによりデータの不揮発性記憶を実現することができ、コンピュートインメモリト応用の高速実現に寄与する。従って、コンピュートインメモリトランジスタを利用してデータ記憶と演算を実現することは新型のコンピューティングアーキテクチャを実現し、コンピューティング速度及びエネルギー効率を改善し、回路集積密度を向上させることに重要な役割を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来技術におけるフォンノイマン型アーキテクチャの記憶演算が分離される欠陥に対して、コンピュートインメモリトランジスタによるブール論理の実現方法、ユニット及び回路を提供することである。本発明は不揮発性コンピュートインメモリトランジスタを利用してブール論理のコンピュートインメモリトを実現し、回路の占有面積及びデータ転送による電力消費を減少する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は以下の技術的解決手段により実現され、コンピュートインメモリトランジスタによるコンピュートインメモリの基本セルであって、コンピュートインメモリトランジスタ及びプルアップ・ブルダウン抵抗からなり、プルアップ・ブルダウン抵抗がコンピュートインメモリトランジスタに直列接続され且つコンピュートインメモリトランジスタのゲート電極が独立し、コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧Vtは入力Aを表し、コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧Vinは入力Bを表し、入力Aと入力Bがシリアル入力であり、プルアップ・ブルダウン抵抗の一端がコンピュートインメモリトランジスタのドレイン電極に接続され、且つドレイン電極の電圧は出力Voutとされ、プルアップ・ブルダウン抵抗の他端がポートT1であり、コンピュートインメモリトランジスタのソース電極がポートT2である。
【0006】
さらに、コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧Vinと閾値電圧VtはVt+>Vin+>Vt0>Vin->Vt-の関係を満たし、
ゲート電極の電圧VinがVin+、Vin-の間に変調され、閾値電圧VtがVt+、Vt0、Vt-の間に変調される。
【0007】
さらに、前記コンピュートインメモリトランジスタは強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタである。
【0008】
コンピュートインメモリトランジスタによるブール論理の実現方法であって、単一の上記基本セルにより
の10種のブール論理を実現し、コンピュートインメモリトランジスタの閾値変化によりA、BのAND-OR関係を変調し、基本セルの両ボートの電圧の設定態様はNOTゲート機能を持つか否かを決定する。
【0009】
さらに、以下のステップa)~ステップd)を含み、
前記ステップa)では、ポートT1が接地され、ポートT2の電圧がV
ddである場合、コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧がV
t0であり、印加されるゲート電極の電圧がV
in+>V
t0とされる場合、出力が1であり、印加されるゲート電極の電圧がV
in-<V
t0とされる場合、出力が0であり、
前記ステップb)では、出力がBに関連せず、コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧がV
in+であり、閾値電圧がV
t+/V
t-である場合、A論理演算を実現し、閾値電圧がV
t+>V
in+とされる場合、Aの論理値が0であり、閾値電圧がV
t-<V
in+とされる場合、Aの論理値が1であり、NOTゲート機能をオン・オフにするようにポート電圧を調整することにより、
論理演算を実現し、
前記ステップc)では、出力がAに関連せず、コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧がV
t0であり、ゲート電極の電圧がV
in+/V
in-である場合、B論理演算を実現し、ゲート電極の電圧がV
in+>V
t0とされる場合、Bの論理値が1であり、ゲート電極の電圧がV
in-<V
t0とされる場合、Bの論理値が0であり、NOTゲート機能をオン・オフにするようにポート電圧を調整することにより、
論理演算を実現し、
前記ステップd)では、出力論理がA、Bの両方に関連し、印加されるゲート電極の電圧がV
in+/V
in-であり、Bの論理値が1/0である際に、
サブステップd1)では、閾値電圧がV
t+/V
t0であり、Aの論理値が0/1である場合、NOTゲート機能をオン・オフにするようにポート電圧を調整することにより、
、ABの2種の論理演算を実現し、
サブステップd2)では、閾値電圧がV
t0/V
t-であり、Aの論理値が0/1である場合、NOTゲート機能をオン・オフにするようにポート電圧を調整することにより、
、A+Bの2種の論理演算を実現する。
【0010】
さらに、NOTゲート機能をオン・オフにするようにポート電圧を調整することは、ポートT1が接地され、ポートT2電圧がVddである場合、基本セルがNOTゲート機能を持たず、ポートT1電圧がVddであり、ポートT2が接地される場合、基本セルがNOTゲート機能を持つ。
【0011】
コンピュートインメモリトランジスタによるコンピュートインメモリ論理回路であって、2つの上記基本セルがカスケード接続されることにより構成され、上段基本セルの出力が下段基本セルのゲート電極に接続され、
上段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧Vt1がVt0であり、上段コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧Vin1が論理回路の入力Bとされ、下段コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧Vin2が上段基本セルの出力電圧Vout1とされ、下段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧Vt2が論理回路の入力Aとされ、下段基本セルの出力Vout2が論理回路の出力とされ、上段プルアップ・ブルダウン抵抗の出力Vout1ではない一端がポートT1であり、上段コンピュートインメモリトランジスタのソース電極がポートT2であり、下段プルアップ・ブルダウン抵抗の出力Vout2ではない一端がポートT3であり、下段コンピュートインメモリトランジスタのソース電極がポートT4である。
【0012】
コンピュートインメモリトランジスタによるブール論理の実現方法であって、出力論理がA、Bの両方に関連し、上記論理回路により
、
、
、
の4種のブール論理を実現し、以下の内容を含み、
ポートT1電圧がV
ddに接続され、ポートT2が接地され、上段コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧V
in1がV
in+/V
in-であり、この場合、上段基本セルがNOTゲート機能を持ち、出力V
out1が
であり、下段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧を変調させることにより、
、
の論理演算を実現し、下段ポートT3、T4電圧の設定を調整することにより、
、
論理演算に対してNOT演算を行うか否かを決定し、
e)ポートT3が接地され、ポートT4電圧がV
ddに接続され、下段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧V
t2がV
t+/V
t0である場合、
の論理演算を実現し、
f)ポートT3が接地され、ポートT4電圧がV
ddに接続され、下段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧V
t2がV
t0/V
t-である場合、
の論理演算を実現し、
g)ポートT3がV
ddに接続され、ポートT4電圧が接地され、下段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧V
t2がV
t+/V
t0である場合、
の論理演算を実現し、
h)ポートT3がV
ddに接続され、ポートT4電圧が接地され、下段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧V
t2がV
t0/V
t-である場合、
の論理演算を実現する。
【0013】
コンピュートインメモリトランジスタによるコンピュートインメモリ論理回路であって、前記コンピュートインメモリ論理回路が3つの上記基本セルからなり、第1段コンピュートインメモリトランジスタのドレイン電極が第2段基本セルのゲート電極に接続されることにより、第1段基本セルと第2段基本セルとがカスケード接続され、第2段基本セルと第3段基本セルとが1つのプルアップ・ブルダウン抵抗を共用し、第2段コンピュートインメモリトランジスタのドレイン電極が第3段コンピュートインメモリトランジスタのドレイン電極に接続され、第2段コンピュートインメモリトランジスタのソース電極が第3段コンピュートインメモリトランジスタのソース電極に接続されることにより、第2段基本セルと第3段基本セルとが並列接続され、第1段強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極、第3段強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極が入力とされ、第3段コンピュートインメモリトランジスタのドレイン電極の電圧が前記コンピュートインメモリ論理回路の出力とされる。
【0014】
コンピュートインメモリトランジスタによるブール論理の実現方法であって、上記論理回路によりXNOR
、XOR
の2種の論理演算を実現し、
第1段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧がV
t0/V
t-であり、論理値が0/1であり、第2段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧がV
t0であり、第3段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧がV
t+/V
t0であり、論理値が0/1であり、第1段基本セルはNOR論理演算を実現し、第1段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧と第3段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧との対応する論理値が一致し、Aで表され、第1段コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧と第3段コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧との対応する論理値が一致し、Bで表される。
【0015】
並列接続構造中のプルアップ・ブルダウン抵抗が接続されるポートと第1段コンピュートインメモリトランジスタのソース電極とがGNDに接続され、且つ並列接続構造中のコンピュートインメモリトランジスタのソース電極と第1段プルアップ・ブルダウン抵抗が接続されるポートとがV
ddに接続される場合、論理回路はXNOR機能
を実現し、並列接続構造中のコンピュートインメモリトランジスタのソース電極と第1段コンピュートインメモリトランジスタのソース電極とがGNDに接続され、且つ並列接続構造中のプルアップ・ブルダウン抵抗が接続されるポートと第1段プルアップ・ブルダウン抵抗が接続されるポートとがV
ddに接続される場合、論理回路はXOR機能
を実現する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の有益な効果は以下のとおりであり、本発明は、コンピュートインメモリトランジスタがデータを記憶することに基づき、少ないデバイスを利用してブール論理演算を実現し、データ転送及び回路面積を減少することができ、コンピューティング速度及びエネルギー効率を大幅に向上させることに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は本発明のコンピュートインメモリト基本セルの論理回路の構造図である。
【
図2】
図2は本発明の基本セルがカスケード接続されることにより構成される論理回路の構造図である。
【
図3】
図3は本発明の基本セルをカスケード接続し並列接続することにより構成されるXNOR回路の構造図である。
【
図4】
図4は本発明の基本セルをカスケード接続及び並列接続することにより構成されるXOR回路の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明確で完全に説明し、説明される実施例は本発明の複数の可能な実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではなく、本発明の基本的な理解を提供するためのものであり、本発明の重要又は決定的な要素を確定し又は保護しようとする範囲を限定するためのものではない。容易に理解できるように、本発明の技術的解決手段に基づき、本発明の実質的な主旨を変更することなく、当業者は相互に置換可能な他の実施形態を提供することができる。従って、以下の具体的な実施形態及び図面は本発明の技術的解決手段の例示的な説明に過ぎず、本発明の全部又は本発明の技術的解決手段を限定又は制限するものとみなされるべきではない。
【0019】
本発明のコンピュートインメモリトランジスタによるブール論理の実現方法、ユニット及び回路については、コンピュートインメモリトランジスタの特性及びその読み書き方式でブール論理演算機能を実現する。本発明の基本セルは、プルアップ・ブルダウン抵抗及び閾値電圧が外部物理的電界により制御できるコンピュートインメモリトランジスタからなり、コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧とゲート電極の電圧がそれぞれ入力のAとBを表し、且つAとBがシリアル入力である。前記基本セル中のプルアップ・ブルダウン抵抗はコンピュートインメモリトランジスタに直列接続され且つトランジスタのゲート電極が独立する。前記基本セルは異なる構造及びポート電圧設定により16種の基本ブール論理演算を実現することができ、単一の構造は
の10種の基本ブール論理を実現することができ、コンピュートインメモリトランジスタの閾値変化はA、BのAND-OR関係を変調させることができ、基本セルの両ボートの電圧の設定方法はNOTゲート機能を持つか否かを決定し、2つの単一の構造のカスケード接続により4種の論理演算を実現することができ、そのカスケード接続方式は上段の出力が下段のゲート電極に接続されることであり、該構造は
、
、
及び
の4種の論理演算機能を実現することができ、回路のカスケード接続及び組み合わせによりXNOR
、XOR
の2種の論理演算機能を実現することができる。
【0020】
図1に示すように、本発明のコンピュートインメモリトランジスタによるコンピュートインメモリト基本セルはプルアップ・ブルダウン抵抗及びコンピュートインメモリトランジスタからなり、コンピュートインメモリトランジスタは閾値電圧V
tが外部物理的電界により制御される可能であり、閾値電圧の入力を調節することにより論理情報を記憶する。プルアップ・ブルダウン抵抗がトランジスタに直列接続され、且つトランジスタのゲート電極が独立し、コンピュートインメモリトランジスタのドレイン電極がプルアップ・ブルダウン抵抗の一端に接続され、ドレイン電極の電圧V
outが基本セルの論理演算の出力であり、プルアップ・ブルダウン抵抗の他端がポートT1であり、コンピュートインメモリトランジスタのソース電極が他方のポートT2に接続される。本実施例は強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタを用いる。
【0021】
強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタは閾値電圧Vtが入力Aを表し(VtがVt+、Vt0、Vt-の間に変換可能である)、ゲート電極の電圧Vinが入力Bを表す(VinがVin+、Vin-の間に変換可能である)。AとBがシリアル入力であり、トランジスタの閾値電圧Vtの変化によりA、Bの間のAND-OR関係を実現することができ、本実施例は強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧を変調させて数値Aの入力を実現してからゲート電極の電圧を印加してBの入力を実現する。ポート電圧の異なる設定方法はNOTゲート機能を実現するか否かを決定することができる。
【0022】
閾値電圧Vtとゲート電極の電圧VinはVt+>Vin+>Vt0>Vin->Vt-の関係を満たす。
ここで、ゲート電極の電圧VinがVin+、Vin-の間に変調され、閾値電圧VtがVt+、Vt0、Vt-の間に変調され、Vt0はプログラム又は消去パルスを印加する前の閾値電圧である。ゲート電極の電圧Vinが閾値電圧Vtよりも大きい場合、トランジスタがオンにされ(論理出力が1である)、ゲート電極の電圧Vinが閾値電圧Vtよりも小さい場合、トランジスタがオフにされる(論理出力が0である)。
【0023】
本発明の単一のコンピュートインメモリト基本セルによる論理演算の実現方法は、上記コンピュートインメモリト基本セルの電圧の設定により、表1に従って、
の10種のブール論理を実現する。具体的には、
a)ポートT1が接地され、ポートT2電圧が電源電圧V
ddである場合、強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧がV
t0であり、印加されるゲート電極の電圧V
in+>V
t0の場合、出力が1である。印加されるゲート電極の電圧V
in-<V
t0の場合、出力が0であり、
b)出力がBに関連せず、強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧がV
in+であり、閾値電圧がV
t+/V
t-である場合、A論理演算を実現し、閾値電圧V
t+>V
in+の場合、Aの論理値が0であり、閾値電圧V
t-<V
in+の場合、Aの論理値が1である。NOTゲート機能をオンやオフにするようにポート電圧を調整することにより、
論理演算を実現することができ、
c)出力がAに関連せず、強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧がV
t0であり、ゲート電極の電圧がV
in+/V
in-である場合、B論理演算を実現し、ゲート電極の電圧V
in+>V
t0の場合、Bの論理値が1であり、ゲート電極の電圧V
in-<V
t0の場合、Bの論理値が0である。NOTゲート機能をオン・オフにするようにポート電圧を調整することにより、
論理演算を実現することができ、
d)出力論理がA、Bの両方に関連し、印加されるゲート電極の電圧がV
in+/V
in-であり、Bの論理値が1/0である場合、
d1)閾値電圧がV
t+/V
t0であり、Aの論理値が0/1である場合、NOTゲート機能をオン・オフにするようにポート電圧を調整することにより、
、ABの2種の論理演算を実現し、
d2)閾値電圧がV
t0/V
t-であり、Aの論理値が0/1である場合、NOTゲート機能をオン・オフにするようにポート電圧を調整することにより、
、A+Bの2種の論理演算を実現する。
【0024】
NOTゲート機能をオン・オフにするようにポート電圧を調整することは、具体的に、ポートT1が接地され、ポートT2電圧がVddである場合、基本セルがNOTゲート機能を持たず、ポートT1電圧がVddであり、ポートT2が接地される場合、基本セルがNOTゲート機能を持つ。
【0025】
表1には、調整可能な三ボートの電圧及び閾値電圧を利用して10種のブール論理を実現するための設定方法である。
【表1】
【0026】
論理出力
の実施例を例とし、具体的に、入力Aの値に基づき、強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧V
tをV
t0又はV
t-に設定する(論理値が0又は1である)。入力Bの大きさに基づき、ゲート電極に電圧V
in+又はV
in-を印加する(論理値が1又は0である)。表2はAとBの論理関数カルノー図を示しており、該論理出力がA+Bであることを推定できる。これを基礎として、ポートT1に電圧V
ddを印加し、ポートT2を接地させることで、NOTゲート機能を実現することができ、論理出力が
である。
【0027】
表2には、AとBの論理関数カルノー図である。
【表2】
【0028】
図2に示すように、本発明の2つのコンピュートインメモリト基本セルをカスケード接続することにより構成される論理回路は、より多くの論理演算を実現することができ、上段基本セルの出力が下段基本セルのゲート電極に接続される。上段強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧V
t1がV
t0であり、ゲート電極の電圧V
in1が入力Bである。下段強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧V
in2が上段基本セルの出力電圧V
out1であり、下段強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧V
t2は入力Aであり、そのドレイン電極の電圧V
out2は論理演算の出力である。上段プルアップ・ブルダウン抵抗の出力V
out1ではない一端がポートT1であり、上段強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタのソース電極がポートT2であり、下段プルアップ・ブルダウン抵抗の出力V
out2ではない一端がポートT3であり、下段強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタのソース電極がポートT4である。
【0029】
上段基本セルのポートT1に電圧Vddが印加され、ポートT2が接地されることで、NOTゲート機能が実現される。
【0030】
本発明の2つのカスケード接続されるコンピュートインメモリト基本セルに基づくブール論理演算の実現方法では、出力論理はA、Bの両方に関連し、表3に従って、4種のブール論理を実現し、具体的には、
ポートT1電圧がV
ddに接続され、ポートT2が接地され、上段コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧V
in1がV
in+/V
in-であり、この場合、上段基本セルがNOTゲート機能を持ち、出力V
out1が
であり、下段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧を変調させることにより、
、
の論理演算を実現することができ、下段ポートT3、T4電圧の設定を調整することにより、
、
の論理演算に対してNOT演算を行うか否かを決定し、
e)ポートT3が接地され、ポートT4電圧がV
ddに接続され、下段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧V
t2がV
t+/V
t0である場合、
の論理演算を実現することができ、
f)ポートT3が接地され、ポートT4電圧がV
ddに接続され、下段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧V
t2がV
t0/V
t-である場合、
の論理演算を実現することができ、
g)ポートT3がV
ddに接続され、ポートT4電圧が接地され、下段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧V
t2がV
t+/V
t0である場合、
の論理演算を実現することができ、
h)ポートT3がV
ddに接続され、ポートT4電圧が接地され、下段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧V
t2がV
t0/V
t-である場合、
の論理演算を実現することができる。
【0031】
表3には、基本セルのカスケード接続により4種のブール論理を実現するための設定方法である。
【表3】
【0032】
論理出力
の実施例を例とし、具体的に、ポートT1とポートT4にそれぞれ電圧V
ddが印加され、ポートT2とポートT3が接地(GND)され、上段強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極V
in1に電圧V
in+又はV
in-が印加され、その閾値電圧V
t1がV
t0に変調される場合、上段基本セルの出力V
out1が
であり、下段基本セルの閾値電圧V
t2がV
t+又はV
t0に変調される場合、ANDゲート機能が実現され、その論理出力が
である。
【0033】
図3に示すように、これは本発明の3つの基本セルをカスケード接続し並列接続することにより構成されるXNOR回路である。第1段コンピュートインメモリトランジスタのドレイン電極が第2段基本セルのゲート電極に接続されることにより、第1段基本セルと第2段基本セルとをカスケード接続し、第2段基本セルと第3段基本セルとが1つのプルアップ・ブルダウン抵抗を共用し、第2段コンピュートインメモリトランジスタのドレイン電極が第3段コンピュートインメモリトランジスタのドレイン電極に接続され、第2段コンピュートインメモリトランジスタのソース電極が第3段コンピュートインメモリトランジスタのソース電極に接続されることにより、第2段基本セルと第3段基本セルとを並列接続する。第1段強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極、第3段強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極が入力であり、第3段コンピュートインメモリトランジスタのドレイン電極の電圧が前記コンピュートインメモリ論理回路の出力である。第1段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧と第3段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧との対応する論理値が一致し、Aで表され、第1段コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧と第3段コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧との対応する論理値が一致し、Bで表される。
【0034】
第1段基本セルの強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の印加される電圧がVin+又はVin-であり、第1段閾値電圧がVt0/Vt-に設定され、論理ゲート1がA+Bである。
【0035】
第1段基本セルのトランジスタのソース電極が接地され、第1段プルアップ・ブルダウン抵抗が接続されるポートに電圧V
ddが印加される場合、NOR論理演算
を実現することができ、具体的な操作条件が表1に示される。
【0036】
第1段基本セルの強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタの出力電圧が第2段基本セルの入力であり、第2段基本セルの強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧がV
t0に設定され、1つの入力の伝送機能が実現され、すなわち論理ゲート2が
である。
【0037】
第3段基本セルの強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧がVt+/Vt0に設定され、論理ゲート3がANDゲート論理演算ABを実現する。
【0038】
第2段基本セルは第3段基本セルに並列接続され、並列接続構造は論理ゲート2と論理ゲート3のORゲート論理演算を実現することができる。
【0039】
全体回路構造はXNOR論理演算を実現し、論理表現式は
である。
【0040】
図4に示すように、本発明の3つの基本セルをカスケード接続し並列接続することにより構成されるXOR回路では、第1段基本セルが第2段基本セルにカスケード接続され、第2段基本セルが第3段基本セルに並列接続される。第1段強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極、第3段強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極が入力であり、第3段コンピュートインメモリトランジスタのドレイン電極の電圧が前記コンピュートインメモリ論理回路の出力である。第1段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧と第3段コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧との対応する論理値が一致し、Aで表され、第1段コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧と第3段コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の電圧との対応する論理値が一致し、Bで表される。
【0041】
第1段基本セルの強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタのゲート電極の印加される電圧がV
in+又はV
in-であり、第1段閾値電圧がV
t0/V
t-に設定され、論理ゲート1がA+Bである。第1段基本セルのトランジスタのソース電極が接地され、第1段プルアップ・ブルダウン抵抗が接続されるポートに電圧V
ddが印加される場合、NOR論理演算
を実現することができ、具体的な操作条件が表1に示される。
【0042】
第1段基本セルの強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタの出力電圧が第2段基本セルの入力であり、第2段基本セルの強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧がV
t0に設定され、1つの入力の伝送機能が実現され、すなわち論理ゲート2が
である。
【0043】
第3段基本セルの強誘電体系コンピュートインメモリトランジスタの閾値電圧がVt+/Vt0に設定され、論理ゲート3はANDゲート論理演算ABを実現する。
【0044】
第2段基本セルが第3段基本セルに並列接続され、並列接続構造のトランジスタのソース電極が接地され、プルアップ・ブルダウン抵抗が接続されるポート電圧がVddである場合、論理ゲート2と論理ゲート3のNOR論理演算を実現することができる。
【0045】
全体回路構造はXOR論理演算を実現し、その論理表現式は
である。
【0046】
上記では本発明を詳細に説明している。従来CMOSトランジスタの論理回路構造に比べて、本発明は、より少ないトランジスタでより多くの論理演算を実現することができ、従来のフォンノイマン型コンピューティングアーキテクチャに比べて、記憶ユニットと演算ユニットとの間のデータ転送による遅延及び電力消費を回避することができ、新型のコンピューティングアーキテクチャを実現し、コンピューティング速度及びエネルギー効率を改善し、回路集積密度を向上させることに重要な役割を有する。