(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】ヒンジリッドおよびマウスピースを備えたエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20240820BHJP
【FI】
A24F40/40
(21)【出願番号】P 2023569933
(86)(22)【出願日】2022-05-09
(86)【国際出願番号】 EP2022062431
(87)【国際公開番号】W WO2022238297
(87)【国際公開日】2022-11-17
【審査請求日】2023-11-10
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】トロンツァ マリオ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイス マリオ
(72)【発明者】
【氏名】イム ジュン ウェイ
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0083963(US,A1)
【文献】国際公開第2007/022573(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/237151(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0027885(US,A1)
【文献】国際公開第2020/221674(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00 - 47/00
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
-主要部分およびリッド部分を有するハウジングであって、前記リッド部分が前記主要部分にヒンジで接続される、ハウジングと、
-前記リッド部分上に提供されるマウスピースであって、前記マウスピースが前記ハウジング内に格納される第一の位置と、前記マウスピースが前記リッド部分から突出する第二の位置との間で、前記マウスピースが移動可能であるように構成される、マウスピースと、
-ばね式機構であって、前記ばね式機構が、前記マウスピースを
一方の位置から
他方の位置に移動させるように構成される、ばね式機構と、を備える、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記ばね式機構が、前記リッド部分の開閉に伴い前記マウスピースの移動を実施するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記ばね式機構が、前記エアロゾル発生装置の加熱チャンバー内のエアロゾル発生物品の存在または不在に依存して、前記マウスピースの移動を実施するように構成されている、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記ばね式機構が、エアロゾル発生物品が前記エアロゾル発生装置の加熱チャンバー内にある時に、前記マウスピースを前記第二の位置へと移動させるように構成されている、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記主要部分が加熱チャンバーを備え、前記加熱チャンバーが、
エアロゾル発生物品の前記加熱チャンバーの中への移動を制限する底面を有する、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記主要部分が、前記加熱チャンバーの前記底面の下に位置する保管チャンバーを備える、請求項5に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記加熱チャンバーの前記底面を開くための開口機構を備える、請求項5および6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
エアロゾル発生物品を前記加熱チャンバーから前記保管チャンバーの中に移動するように構成された移動機構を備える、
請求項6を引用する請求項7に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記マウスピースが剛性材料から作製され、かつ前記移動機構が
、前記マウスピースを前記ハウジングに向かって押すことによってトリガされる、請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記マウスピースが、剛性材料から作製され、前記ばね式機構が、エアロゾル発生物品が前記エアロゾル発生装置の加熱チャンバー内にない時に、前記マウスピースを前記第一の位置に維持するように構成された圧縮ばねを備え、前記圧縮ばねが圧縮され、前記マウスピースが、エアロゾル発生物品が前記エアロゾル発生装置の前記加熱チャンバーの中に挿入されている時に、前記リッド
部分の閉鎖時に前記ハウジングから延びる、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記移動機構が、係止され、かつエアロゾル発生物品が前記エアロゾル発生装置の中に挿入されていない場合に、前記マウスピースを前記リッド部分に保持する、ばね式押し要素を含む、請求項
8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記移動機構が、エアロゾル発生物品が前記エアロゾル発生装置の中に挿入される場合に、ばね式押し要素が係止解除され、かつ前記マウスピースを押して前記リッド部分から突出するように、
保持要素の係止を解除するレバー機構を含む、請求項11に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記リッド部分が、前記エアロゾル発生物品を前記保管チャンバー内に押し込むように構成された移動ホイールを含む駆動機構に接続する、請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記保管チャンバーが、複数のエアロゾル発生物品を保持するための保管要素を備える、請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
前記移動機構が、前記
リッド部分の
開閉動作によって駆動される、請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主要部分と、第一の格納位置と第二の突出位置との間で移動可能なマウスピースを有するヒンジリッドとを備えるエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
加熱されて吸入可能なエアロゾルを発生するエアロゾル発生物品を受容するように構成されたエアロゾル発生装置は、当業界で周知である。こうしたエアロゾル発生装置は、ハウジングおよび取り外し可能なリッドを備えてもよい。使用時に、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置内の閉じたくぼみ内に完全に受けられてもよい。ユーザーは、交換可能なマウスピースを介してエアロゾルを吸入してもよい。
【0003】
使用済みのエアロゾル発生物品を交換するために、リッドおよびマウスピースを取り外す必要がある場合があり、エアロゾル発生物品をエアロゾル発生装置の空洞から取り外す必要がある。その後、新しいエアロゾル発生物品が挿入されてもよく、リッドおよびマウスピースがエアロゾル発生装置に再び取り付けられてもよい。その後、エアロゾル発生装置を再び使用する準備が整う。
【0004】
それ故に、エアロゾル発生装置の長期使用中に複数の工程が必要とされる。工程の数は、平均的なユーザーによって煩雑すぎると知覚されうる。
【0005】
したがって、取り扱いが容易であり、特にエアロゾル発生物品の交換を容易にするエアロゾル発生装置を提供することが望ましい。
【0006】
使用済みのエアロゾル発生物品を確実にかつ便利に変更することを可能にするエアロゾル発生装置を提供することがさらに望ましい。
【0007】
装置の長期使用を可能にする、特に複数の連続的なユーザー体験を可能にするエアロゾル発生装置を提供することがさらに望ましい。
【発明の概要】
【0008】
本発明の実施形態によると、主要部分およびリッド部分を備えるハウジングを備えるエアロゾル発生装置が提供される。リッド部分は、主要部分にヒンジで接続される。エアロゾル発生装置は、リッド部分に提供されるマウスピースをさらに備える。マウスピースは、マウスピースがハウジング内に格納される第一の位置と、マウスピースがハウジングのリッド部分から突出する第二の位置との間で移動可能であるように構成されている。エアロゾル発生装置は、マウスピースを第一の位置と第二の位置との間で移動させるように構成されたばね式機構を備える。
【0009】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置に関する。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部であってもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部であってもよい。発生したエアロゾルは、ユーザーの口を通ってユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルであってもよい。エアロゾル発生装置はホルダーであってもよい。エアロゾル発生装置は、電気加熱式のエアロゾル発生装置であってもよい。エアロゾル発生装置は電気回路を備えてもよい。エアロゾル発生装置は、電源を備え得る。エアロゾル発生装置は、加熱チャンバーを備え得る。エアロゾル発生装置は、発熱体を備えてもよい。電気回路、電源、加熱チャンバー、および発熱体は、エアロゾル発生装置の本体内に配列されていることが好ましい。
【0010】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通ってユーザーの肺に直接吸入可能なエアロゾルを発生するエアロゾル発生物品であってもよい。エアロゾル発生物品は使い捨てであってもよい。たばこを含むエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品は、たばこスティックと呼ばれる場合がある。
【0011】
エアロゾル発生物品は、実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル発生物品は実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生物品は、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。エアロゾル形成基体は実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル形成基体は実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成基体はまた、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。
【0012】
エアロゾル発生物品は、およそ30mm~およそ100mmの全長を有してもよい。エアロゾル発生物品は、およそ5mm~およそ12mmの外径を有してもよい。エアロゾル発生物品はフィルタープラグを備えてもよい。フィルタープラグは、エアロゾル発生物品の下流端に位置してもよい。フィルタープラグは、セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。一つの態様では、フィルタープラグは、およそ7mmの長さであるが、およそ5mm~およそ10mmの長さを有してもよい。
【0013】
一つの態様では、エアロゾル発生物品は、およそ45mmの全長を有してもよい。エアロゾル発生物品は、およそ7.2mmの外径を有してもよい。さらに、エアロゾル形成基体は、およそ10mmの長さを有してもよい。代替的に、エアロゾル形成基体は、およそ12mmの長さを有してもよい。さらに、エアロゾル形成基体の直径は、およそ5mm~およそ12mmであってもよい。エアロゾル発生物品は外側紙ラッパーを備えてもよい。さらに、エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体とフィルタープラグの間に分離部を備えてもよい。分離部は、およそ18mmであってもよいが、およそ5mm~およそ25mmの範囲であってもよい。
【0014】
エアロゾル発生装置の加熱チャンバーは細長い形状を有してもよい。エアロゾル発生装置の加熱チャンバーは、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーとともに使用され、その中に挿入される、エアロゾル発生物品の断面に対応する断面を有してもよい。
【0015】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は好都合なことに、エアロゾル発生物品の一部であってもよい。
【0016】
エアロゾル形成基体は、固体エアロゾル形成基体であってもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は固体構成要素と液体構成要素との両方を備えてもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。代替的に、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、高密度で安定したエアロゾルの形成を容易にするエアロゾル形成体をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。
【0017】
エアロゾル形成基体が固体エアロゾル形成基体である場合、固体エアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、キャストリーフたばこ、および膨化たばこのうちの一つ以上を含有する、例えば粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上を含んでもよい。固体エアロゾル形成基体は、ばらの形態であってもよく、または適切な容器またはカートリッジで提供されてもよい。随意に、固体エアロゾル形成基体は、基体の加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含有してもよい。固体エアロゾル形成基体はまた、例えば追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含むカプセルも含有してもよく、こうしたカプセルは固体エアロゾル形成基体の加熱中に溶融してもよい。
【0018】
本明細書で使用される場合、「均質化したたばこ」は、粒子状たばこを凝集することによって形成された材料を指す。均質化したたばこはシートの形態であってもよい。均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5%超のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。代替的に、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5~30重量%のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。均質化したたばこ材料のシートは、たばこ葉の葉身およびたばこ葉の茎のうちの一方または両方を粉砕することによって、または別の方法で組み合わせることによって得られた粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。代替的に、または追加的に、均質化したたばこ材料のシートは、例えばたばこの処理、取り扱い、および発送中に形成されたたばこダスト、たばこの微粉、およびその他の粒子状たばこ副産物のうちの一つ以上を含んでもよい。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこの凝集を助けるために、一つ以上の本来備わっている結合剤(すなわち、たばこ内在性結合剤)、一つ以上の外来的な結合剤(すなわち、たばこ外因性結合剤)、またはこれらの組み合わせを含んでもよいが、代替的に、または追加的に、均質化したたばこ材料シートは、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填剤、水性および非水性の溶剤、ならびにこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されないその他の添加物を含んでもよい。
【0019】
随意に、固体エアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートの形態を取ってもよい。別の方法として、担体は、その内表面上、またはその外表面上、またはその内表面と外表面の両方の上に堆積された固体基体の薄い層を有する、管状の担体であってもよい。こうした管状の担体は、例えば、紙もしくは紙様の材料、不織布炭素繊維マット、低質量の目の粗いメッシュ金属スクリーン、もしくは穿孔された金属箔、または任意の他の熱的に安定した高分子マトリクスで形成されてもよい。
【0020】
特に好ましい態様では、エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含む。本明細書で使用される場合、「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波形を有するシートを意味する。エアロゾル発生物品が組み立てられた時、実質的に平行な隆起または波形は、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に沿って、または平行に延びることが好ましい。これは有利なことに、均質化したたばこ材料の捲縮したシートを集合してエアロゾル形成基体を形成するのを容易にする。しかし、当然のことながら、エアロゾル発生物品に含めるための均質化したたばこ材料の捲縮したシートは代替的に、または追加的に、エアロゾル発生物品が組み立てられたときに、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に鋭角または鈍角で配置されている複数の実質的に平行な隆起またはコルゲーションを有してもよい。ある特定の態様では、エアロゾル形成基体は、実質的に表面全体にわたって実質的に均等にテクスチャ加工された均質化したたばこ材料のシートの集合体を含み得る。例えば、エアロゾル形成基体は、シートの幅にわたって実質的に均等に離隔している複数の実質的に平行な隆起または波形を含む均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含んでもよい。
【0021】
固体エアロゾル形成基体は、例えばシート、発泡体、ゲル、またはスラリーの形態で担体の表面上に堆積されてもよい。固体エアロゾル形成基体は担体の表面全体の上に堆積されてもよく、代替的に、使用中に不均一な風味送達を提供するためのパターンで堆積されてもよい。
【0022】
エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体である。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体はたばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0023】
エアロゾル形成基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつシステムの動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。エアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)であってもよい。エアロゾル形成体はプロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンとプロピレングリコールの両方を含んでもよい。
【0024】
エアロゾル発生装置は電気回路を備えてもよい。電気回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラマブルマイクロプロセッサであってもよい。マイクロプロセッサはコントローラの一部であってもよい。電気回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路は発熱体への電力の供給を調節するように構成されてもよい。電力はエアロゾル発生装置の起動に続いて発熱体に連続的に供給されてもよく、または断続的(例えば毎回の吸煙ごと)に供給されてもよい。電力は、電流パルスの形態で発熱体に供給されてもよい。電気回路は発熱体の電気抵抗をモニターするように構成されてもよく、また好ましくは発熱体の電気抵抗に応じて、発熱体への電力の供給を制御するように構成されてもよい。
【0025】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置の本体内に電源(典型的には電池)を備えてもよい。一態様では、電源はリチウムイオン電池である。代替的に、電源は、ニッケル-金属水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト、リチウム鉄リン酸塩、チタン酸リチウム、またはリチウムポリマー電池)であってもよい。代替として、電源は、コンデンサなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、また一回以上の使用体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は約六分間、または六分の倍数の時間にわたってエアロゾルを連続的に発生するのに十分な容量を有してもよい。別の実施例では、電源は、所定の吸煙回数または発熱体の不連続的な起動を提供するために十分な容量を有してもよい。
【0026】
本開示の全ての態様で、発熱体は電気抵抗性の材料を含み得る。適切な電気抵抗性材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料と金属材料とで作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル白金、金、銀が挙げられる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオブ含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、金含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。複合材料において、電気抵抗性材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的特性に応じて任意選択で、断熱材料中に包埋、断熱材料中に封入、もしくは断熱材料で被覆されてもよく、またはその逆も可である。
【0027】
発熱体は、エアロゾル発生装置の一部であってもよい。エアロゾル発生装置は、外部発熱体を備えてもよい。
【0028】
この文脈における「外部」という用語は、発熱体がエアロゾル形成基体に対して「外部」に提供されることを意味する。
【0029】
外部発熱体は任意の適切な形態を取ってもよい。例えば、外部発熱体は、ポリイミドなどの誘電性基板上の一つ以上の可撓性の加熱箔の形態を取ってもよい。可撓性加熱箔は、基体受容空洞の周辺部に適合する形状されることができる。別の方法として、外部発熱体は、金属のグリッド(複数可)、可撓性プリント基板、成形回路部品(MID)、セラミックヒーター、可撓性炭素繊維ヒーターの形態を取ってもよく、または適切な形状の基体上にプラズマ蒸着などの被覆技法を使用して形成されてもよい。外部発熱体はまた、温度と比抵抗の間の明確な関係を有する金属を使用して形成されてもよい。こうした例示的な装置において、金属は適切な断熱材料の二つの層の間のトラックとして形成されてもよい。この様態で形成された外部発熱体は動作中に、外部発熱体の加熱と、外部発熱体の温度のモニターの両方に使用されてもよい。
【0030】
電気抵抗性のある発熱体の代替として、発熱体は誘導発熱体として構成されてもよい。誘導発熱体は、誘導コイルおよびサセプタを含み得る。概して、サセプタは、交番磁場によって貫通された時に熱を発生する能力を有する材料である。交番磁場に位置する時。本発明によると、サセプタは導電性、または磁性、または導電性と磁性の両方であってもよい。一つまたは幾つかの誘導コイルによって発生された交番磁場は、サセプタを加熱し、これはその後、エアロゾルが形成されるように、熱をエアロゾル形成基体に伝達する。熱伝達は主に、熱の伝導によってもよい。こうした熱の伝達は、サセプタがエアロゾル形成基体と密接な熱的接触状態にある場合、最も良好である。
【0031】
サセプタは、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度へと誘導加熱されることができる任意の材料から形成されてもよい。好ましいサセプタは強磁性材料またはフェリ磁性材料、例えば、強磁性合金、フェライト鉄、または強磁性鋼もしくはステンレス鋼を含んでよく、またはそれらから成ってよい。適切なサセプタはアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。好ましいサセプタは、摂氏250度を超える温度に加熱されてもよい。
【0032】
好ましいサセプタは金属サセプタ(例えばステンレス鋼)である。しかしながら、サセプタ材料はまた、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、アルミニウム、ニオブ、インコネル合金(オーステナイトニッケルクロム系超合金)、金属蒸着フィルム、セラミック(例えば、ジルコニアなど)、遷移金属(例えば、鉄、コバルト、ニッケルなど)、または半金属構成要素(例えば、ホウ素、炭素、ケイ素、リン、アルミニウムなど)を含んでもよく、またはそれらで作製されてもよい。
【0033】
誘導発熱体が採用される場合、誘導発熱体は、本明細書に記載の通りの外部ヒーターとして構成されてもよい。誘導発熱体が外部発熱体として構成される場合、サセプタ素子は、空洞を少なくとも部分的に包囲するか、または空洞の側壁を形成する円筒状サセプタとして構成されることが好ましい。
【0034】
発熱体は有利なことに、伝導によってエアロゾル形成基体を加熱する。発熱体は基体、または基体が配置されている担体と、少なくとも部分的に接触してもよい。
【0035】
エアロゾル発生装置のハウジングのヒンジリッド部分は、閉位置と開位置との間で移動可能であってもよい。リッドが開位置にある時、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーはアクセス可能である。リッドが開位置にある時、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーに挿入されてもよく、またはエアロゾル発生装置の加熱チャンバーから取り外されてもよい。
【0036】
リッド部分が閉位置にある時、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーはユーザーによってアクセスできない。リッド部分が閉位置にある時、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバー内のリッド部分によって保持されてもよい。
【0037】
動作中、ヒンジ留めされたリッド部分は閉位置にあってもよい。動作中、エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生装置内に完全に包含されてもよい。動作中、エアロゾル形成物品は、エアロゾル発生装置内に完全に包含されてもよい。動作中、エアロゾル形成物品は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバー内に受けられてもよい。その場合、ユーザーはエアロゾル発生装置のマウスピースを吸煙してもよい。
【0038】
ばね式機構は、リッド部分の開閉に伴いマウスピースの移動を実行するように構成されうる。ばね式機構は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバー内のエアロゾル発生物品の存在または不在に依存して、マウスピースの移動を実行するように構成されてもよい。
【0039】
ばね式機構は、リッドが開位置にある時、またはエアロゾル発生物品が加熱チャンバーの中に挿入されていない時に、マウスピースを第一の格納位置に移動または保持するように構成されてもよい。
【0040】
マウスピースをハウジングの中に格納することによって、マウスピースはもはやハウジングから突出しない。これにより、エアロゾル発生装置の取り扱いが容易になりうる。これは特に、ユーザーのポケットまたはバッグ内にエアロゾル発生装置を入れておくことを容易にしうる。マウスピースをハウジングの中に格納することによってさらに、マウスピースは意図しない損傷から保護されうる。
【0041】
マウスピースは、リッド部分の対応するガイドチャネル内で直線的に移動可能なように構成されてもよい。ばね式機構は、リッド部分が開位置にある時、またはエアロゾル発生物品が加熱チャンバーの中に挿入されていない時に、マウスピースをハウジングまたはリッド部分に向かって付勢するばねを備えてもよい。ばねは、マウスピースが第一の位置でリッド部分の中に完全に格納されるように構成されてもよい。
【0042】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバー内にある時に、ばね式機構がマウスピースを第二の位置に移動するように構成されてもよい。第二の位置で、マウスピースは、エアロゾル発生装置のリッドから突出するように構成されてもよい。
【0043】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバー内に存在する場合、リッド部分を閉じることに伴い、ばね式機構がマウスピースを第二の突出位置に自動的に移動させるように構成されてもよい。
【0044】
エアロゾル発生装置は、リッド部分を閉じることに伴い、マウスピースの遠位端が、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中に挿入されているエアロゾル発生物品の近位端と接触するように構成されてもよい。
【0045】
本明細書で使用される「上流」、「下流」、「近位」、「遠位」、「前方」、「後方」という用語は、エアロゾル発生装置の使用中にユーザーがエアロゾル発生装置を吸う方向に対する、エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を記述するために使用される。
【0046】
圧縮ばねは、エアロゾル発生物品の圧縮係数よりも小さいばね定数を有してもよい。圧縮ばねは、20N/mよりも小さいばね定数を有してもよい。圧縮ばねは、10N/mよりも小さいばね定数を有してもよい。
【0047】
したがって、リッド部分の継続的な閉じる移動に伴い、エアロゾル発生物品の近位端は、ばね機構の圧縮ばねを圧縮しながら、マウスピースをリッド部分から押し出す。リッド部分が完全に閉位置にある時、マウスピースはリッド部分から突出する。この構成では、マウスピースはリッド部分の表面から十分に離れて突出し、これによってユーザーは吸入の目的でマウスピースを口の中に入れてもよい。
【0048】
上述のばね機構では、マウスピースは、ユーザーによる追加的な操作を必要とせずに、ハウジングから自動的に押し出される。さらに、突出したマウスピースは、エアロゾル発生物品が加熱チャンバーの中に挿入されていること、およびエアロゾル発生装置の使用準備が整っていることをユーザーに示す。
【0049】
マウスピースは、エアロゾル発生物品と密封係合するようにさらに構成されてもよい。それ故に、マウスピースが第二の位置に移動する時、画定された気流経路がエアロゾル発生物品からマウスピースを通して確立されてもよい。この効果は、第二の位置において、エアロゾル発生物品の近位端に対してマウスピースをしっかりと押し付ける、ばね式機構によってさらに強化される。
【0050】
エアロゾル発生装置の加熱チャンバーは、加熱チャンバーの中へのエアロゾル発生物品の移動を制限する底面を有してもよい。
【0051】
エアロゾル発生装置の主要部分は、保管チャンバーを画定するようにさらに構成されてもよい。保管チャンバーは、加熱チャンバーに隣接して位置してもよい。保管チャンバーは、加熱チャンバーの底面によって加熱チャンバーから分離されてもよい。
【0052】
保管チャンバーは、少なくともエアロゾル発生物品のサイズに対応するサイズを有してもよい。保管チャンバーは、少なくとも一つのエアロゾル発生物品を保管するために構成されてもよい。保管チャンバーは、少なくとも一つの消費されたエアロゾル発生物品を保管するために構成されてもよい。
【0053】
エアロゾル発生装置は、加熱チャンバーから保管チャンバーへのエアロゾル発生物品の移動を容易にするように構成されてもよい。エアロゾル発生装置は、保管チャンバーから加熱チャンバーへのエアロゾル発生物品の移動を容易にするように構成されてもよい。
【0054】
保管チャンバーからの、または保管チャンバーの中へのエアロゾル発生物品の移動を可能にするために、エアロゾル発生装置は、開口機構を備えてもよい。開口機構は、加熱チャンバーの底面に開口部を確立するように構成されてもよい。
【0055】
開口機構は、エアロゾル発生物品を加熱チャンバーと保管チャンバーの間で移動させるための通路を確立してもよい。例えば、消費されたエアロゾル発生物品は、使用後に、保管チャンバー内に移動されてもよい。さらなる例として、未使用のエアロゾル発生物品は、保管チャンバーから加熱チャンバー内に移動されてもよい。
【0056】
底面は、ばね機構などの適切な機構によって常時閉位置に付勢される移動可能な要素によって画定されてもよい。移動可能な要素は、ボタンまたはスライダと協働してもよい。ユーザーがボタンまたはスライダを起動すると、移動可能な要素は、加熱チャンバーと保管チャンバーとの間に通路が開かれる開位置に移動され得る。
【0057】
エアロゾル発生物品を加熱チャンバーから保管チャンバーの中に移動させるために、ユーザーは、加熱チャンバーの底部の通路を開くために、まずボタンまたはスライダを起動してもよい。次に、ユーザーはマウスピースをハウジングの中に押してもよい。その場合、マウスピースの遠位端はエアロゾル発生物品を押し付ける。ここで加熱チャンバーの底面は開いているため、エアロゾル発生物品の内向きの移動はもはや制限されず、エアロゾル発生物品は保管チャンバーの中に下向きに移動する。
【0058】
重力がエアロゾル発生物品の保管チャンバーの中への移動を促進し得るため、保管チャンバーを(以下で論じる図に示す設計を考慮する場合)加熱チャンバーに隣接して、かつ下に位置付けることは有利であり得る。
【0059】
エアロゾル発生物品の保管チャンバーの中への移動をさらに補助し得る移動機構が提供されてもよい。
【0060】
移動機構は、エアロゾル発生物品の外表面と摩擦係合して、エアロゾル発生物品を加熱チャンバーから保管チャンバーの中に移動させる回転ホイールを備えてもよい。移動機構は、対向して配設された二つの回転ホイールを備えてもよい。対向して配設された回転ホイールは、エアロゾル発生物品をそれらの間で摩擦係合してもよい。対向して配設された回転ホイールを回転させることによって、エアロゾル発生物品は、加熱チャンバーから保管チャンバーの中に下向きに移動されてもよい。
【0061】
一つ以上の回転ホイールは手動で動作されてもよい。この目的のために、一つ以上の回転ホイールは、エアロゾル発生装置のハウジングの外側からユーザーによって直接的または間接的にアクセス可能であってもよい。こうした移動機構を使用することは、ユーザーがエアロゾル発生物品を手で触れる必要がないという利点を提供する。これは、エアロゾル発生装置の取り扱いの快適さを高めると知覚され得る。
【0062】
移動機構の回転ホイールはまた、モーター駆動であってもよい。こうした実施形態では、一つ以上の回転ホイールは、エアロゾル発生装置のコントローラによって制御されうる電気モーターによって機械的に係合されうる。電気的に駆動される移動機構は、エアロゾル発生装置の取り扱いをさらに増大させうる。加えて、こうした実施形態では、一つ以上の回転ホイールを外側から機械的に係合させる必要はなく、これは使用していない時に装置をしまい込むという点で有利であり得る。
【0063】
移動機構は、エアロゾル発生装置のハウジングに提供されたユーザー操作スイッチまたはプッシュボタンによってトリガされてもよい。移動機構はまた、ユーザーがマウスピースをハウジングに向かって押すことによってトリガされるユーザー機構によって自動的にトリガされてもよい。
【0064】
マウスピースは剛性材料から作製されてもよい。マウスピースは高分子材料から作製されてもよい。マウスピースは、管状形状を有してもよい。マウスピースは、圧縮ばねを圧縮し、エアロゾル発生物品を保管チャンバー内に押し込むことを可能にする剛性を有してもよい。
【0065】
マウスピースが、ばね式機構の圧縮ばねを圧縮する目的で使用されない実施形態では、マウスピースはまた、小さな剛性を有する軟質または弾性プラスチック材料から作製されてもよい。弾性プラスチック材料は、取り扱いに好都合であり得る。さらに、弾性材料は、エアロゾル発生物品の近位端への良好な密封を確実にしうる。
【0066】
ばね式機構は、リッドが開いている場合、またはリッドが閉じており、かつエアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中に挿入されていない場合、マウスピースをハウジング内の第一の格納位置に維持しうる保持要素を含んでもよい。ばね式機構は、リッド部分が開いている場合、またはリッド部分が閉じており、かつエアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中に挿入されていない場合、保持要素によって格納位置に保持されているばね式押し要素を含んでもよい。格納された押し要素とともに、マウスピースも第一の格納位置に維持される。
【0067】
保持要素は、マウスピースが格納位置に維持される圧縮構成に拡張ばねを保持し得る。
【0068】
ばね式機構は、エアロゾル発生物品が加熱チャンバーの中に挿入され、かつリッド部分が閉じられている場合に、保持要素を移動させ、かつこれによって、押し要素の係止を解除するように構成されたレバー機構を含んでもよい。レバー機構は、旋回するように取り付けられたレバーを備えてもよい。レバーの下端は、リッド部分が閉じることに伴い、加熱チャンバー内に位置するエアロゾル発生物品の外周面と接触してもよい。レバーの下端は、エアロゾル発生物品に接触してもよく、それによってその回転軸の周りを旋回してもよい。それによって、レバーは、保持要素を移動させて、押し要素の係止を解除してもよい。次に、押し要素は、拡張ばねによって外向きに押されてもよい。押し要素の外向きの移動は、遮断アームによって制限されてもよい。押し要素が遮断アームに接触する時、マウスピースは第二の突出位置に位置付けられてもよい。
【0069】
上述のばね式機構の両方は、エアロゾル発生装置が開いている場合、またはエアロゾル発生物品が挿入されていない場合、マウスピースがハウジング内に自動的に格納されることを可能にする。言い換えれば、エアロゾル発生装置が間もなく使用されない場合、マウスピースはハウジング内に安全に回収される。一方で、装置がすぐに使用できる状態にされ、エアロゾル発生物品が挿入される場合、マウスピースはハウジングから自動的に突出し、その結果、マウスピースは好都合なことにユーザーの口内に定置されうる。これに関して、エアロゾル発生装置の追加的な手動操作は必要とされない。それによって、エアロゾル発生装置の全体的な取り扱いは、両方の実施形態において増大する。
【0070】
実施形態では、ヒンジで接続されたリッドの移動を利用して、消費されたエアロゾル発生物品をエアロゾル発生の保管チャンバー内に移動させることを支援してもよい。
【0071】
この目的のために、ヒンジで接続されたリッドは、駆動機構に接続されてもよい。駆動機構は、加熱チャンバーの底面を開くために使用されてもよい。駆動機構は、移動可能な要素と係合し、移動可能な要素を、加熱チャンバーから保管チャンバーへの通路が開かれる開位置へと移動させるように構成されてもよい。
【0072】
駆動機構は、移動機構に接続されるようにさらに構成されてもよい。駆動機構は、移動機構の少なくとも一つの回転ホイールを駆動するように構成されてもよい。このようにして、ヒンジリッドの移動は、使用済みの消耗品を保管チャンバーの中に強制的に入れるために必要な運動力を提供するために使用される。
【0073】
加熱チャンバーの底面の開放、および移動機構を駆動して使用済み消耗品を保管チャンバー内に移動させることは、ヒンジリッドの単一の開口部移動で同時に行うことができる。
【0074】
あるいは、これらの移動は、互いに分離することができ、連続した工程で実施することができる。例えば、第一の開口部の移動では、加熱チャンバーの底面が開かれ得る。リッドの連続的な閉鎖に伴い、第二の移動工程が実施されてもよく、ここでリッドの駆動機構は、駆動機構に接続され、かつ駆動機構と係合して、使用済み消耗品を保管チャンバーの中に移動させる。こうした実施形態は、移動中にエアロゾル発生物品がユーザーの手によって触れられる必要がないという利点を、ここでも提供する。さらに、こうした実施形態では、必要なすべての移動がヒンジリッドの開閉移動によって引き起こされうるため、追加的な移動可能な要素は必要とされない。
【0075】
保管チャンバーは、単一のエアロゾル発生物品を保持するように構成されてもよい。このことは、エアロゾル発生装置の空間要件を減少させることを可能にする。
【0076】
保管チャンバーはまた、複数のエアロゾル発生物品を保持するように構成されてもよい。例えば、保管チャンバーは、複数のエアロゾル発生物品を保持するように構成された保管要素を備えてもよい。保管要素は、各々が単一のエアロゾル発生物品を取り込むように構成された複数のリテーナを備えてもよい。保管要素は、回転対称構造を有してもよい。リテーナは、保管要素に均等に分布されてもよい。保管要素は、保管チャンバー内に回転可能に据え付けられてもよい。消費されたエアロゾル発生物品が保管チャンバー内に移動される前に、保管要素は、自由なリテーナが加熱チャンバーへの開口部の下に置かれるように回転されてもよい。すべてのリテーナが消費されたエアロゾル発生物品によって占有されると、保管チャンバーは開かれる必要があり、消費されたエアロゾル発生物品をエアロゾル発生装置から取り外す必要がある。
【0077】
保管要素はまた、新鮮かつ未使用のエアロゾル発生物品を保持するように構成されてもよい。エアロゾル発生装置は、保管チャンバーから加熱チャンバーへの未使用のエアロゾル発生物品の移動を可能にするように構成されてもよい。こうした機能性により、保管チャンバーは、消費された物品を保持するために使用されてもよく、一つ以上の未使用のエアロゾル発生物品を保持するために使用されてもよい。それによって、エアロゾル発生装置の使用期間が延長されてもよい。
【0078】
未使用のエアロゾル発生物品を保管チャンバーから加熱チャンバーの中に移動するために、保管要素のリテーナは、ばね式機構を備えてもよい。リテーナは、格納された保管位置にある保管中にロックされてもよい。加熱チャンバーの中への移動に伴い、保管要素はまず、未使用のエアロゾル発生物品を保持するリテーナが加熱チャンバーの下方に位置付けられる位置に回転される。次に、未使用のエアロゾル発生物品が加熱チャンバーに向かって上向きに押されるように、このリテーナは係止が解除されてもよい。未使用のエアロゾル発生物品は、少なくとも移動機構の少なくとも一つの回転ホイールによって係合されるまで上向きに押される。次いで、移動機構は、未使用のエアロゾル発生物品を加熱チャンバーの中に移動させる。この装填移動のために、移動機構は、前述の消費されたエアロゾル発生物品の保管チャンバーの中への移動と本質的に反対に動作する。
【0079】
保管要素の回転は、ユーザーによって手動で駆動され得る機構によって得られてもよい。別の方法として、この回転移動は電気モーターによって駆動されてもよい。さらに別の方法として、回転移動は、保管要素をヒンジリッドの移動によって駆動される駆動機構に結合することによって得られてもよい。
【0080】
使用済みのエアロゾル発生物品を保管チャンバー内に移動すること、およびそれを未使用のエアロゾル発生物品と交換することを含む完全な交換動作は、ヒンジリッドを連続的に開閉することによって達成されてもよい。この目的のために、駆動機構は、エアロゾル発生物品の交換手順を実施するために使用される様々な移動可能な要素に連続的に連結するように構成されてもよい。
【0081】
以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【実施例】
【0082】
実施例A:エアロゾル発生装置であって、
-主要部分およびリッド部分を有するハウジングであって、リッド部分が主要部分にヒンジで接続される、ハウジングと、
-リッド部分に提供されるマウスピースであって、マウスピースがハウジング内に格納される第一の位置と、マウスピースがリッド部分から突出する第二の位置との間で、マウスピースが移動可能であるように構成される、マウスピースと、
-ばね式機構であって、ばね式機構が、マウスピースを一方の位置から他方の位置に移動させるように構成される、ばね式機構と、を備える、エアロゾル発生装置。
【0083】
実施例B:主要部分が電源、制御電子回路、および加熱チャンバーを備える、実施例1に記載のエアロゾル発生装置。
【0084】
実施例C:ばね式機構が、リッド部分の開放または閉鎖時にマウスピースの移動を実施するように構成される、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0085】
実施例D:ばね式機構が、エアロゾル発生装置の加熱チャンバー内のエアロゾル発生物品の存在または不在に依存して、マウスピースの移動を実施するように構成されている、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0086】
実施例E:ばね式機構が、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバー内にない時に、マウスピースを第一の位置へと移動させるように構成されている、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0087】
実施例F:ばね式機構が、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバー内にある時に、マウスピースを第二の位置へと移動させるように構成されている、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0088】
実施例G:第二の位置にあるマウスピースが、エアロゾル発生物品と密封係合して、エアロゾル発生物品からマウスピースを通る画定された気流経路を確立する、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0089】
実施例H:主要部分の加熱チャンバーが細長く、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーとともに使用され、その中へと挿入されるエアロゾル発生物品の断面に対応する断面を有する、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0090】
実施例I:加熱チャンバーが、エアロゾル発生物品を加熱するための外部ヒーターを備える、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0091】
実施例J:加熱チャンバーが、エアロゾル発生物品の加熱チャンバーの中への移動を制限する底面を有する、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0092】
実施例K:主要部分が、加熱チャンバーの底面の下に位置する保管チャンバーを備える、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0093】
実施例L:保管チャンバーが、少なくとも一つの使用済みエアロゾル発生物品を保管するように構成される、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0094】
実施例M:加熱チャンバーの底面を開くための開口機構を備える、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0095】
実施例N:底面を開くための開口機構が、ボタンまたはスライダを備える、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0096】
実施例O:エアロゾル発生物品を加熱チャンバーから保管チャンバーの中に移動するように構成された移動機構を備える、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0097】
実施例P:移動機構が、エアロゾル発生物品の外表面と摩擦係合して、エアロゾル発生物品を加熱チャンバーから保管チャンバーの中に移動させる回転ホイールを備える、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0098】
実施例Q:回転ホイールが手動で操作されるか、または電気モーターによって駆動される、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0099】
実施例R:マウスピースが、剛性材料から作製され、かつ移動機構が、ユーザーがマウスピースをハウジングに向かって押すことによってトリガされる、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0100】
実施例S:マウスピースが、剛性材料から作製され、ばね式機構が、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバー内にない時に、マウスピースを第一の位置に維持するように構成された圧縮ばねを備え、圧縮ばねが圧縮され、マウスピースが、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中に挿入されている時に、リッドの閉鎖時にハウジングから延びる、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0101】
実施例T:圧縮ばねのばね定数が、エアロゾル発生物品の圧縮に対する抵抗よりも小さい、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0102】
実施例U:ばね定数が、10N/m未満である、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0103】
実施例V:マウスピースが軟質プラスチック材料から作製される、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置(これは、取り扱いが快適で、消耗品に対する良好な密封を確実にする)。
【0104】
実施例W:移動機構が、係止され、かつエアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の中に挿入されていない場合にマウスピースをリッド部分に保持する、ばね式押し要素を含む、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0105】
実施例X:移動機構が、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の中に挿入される場合に、ばね式押し要素が係止解除され、かつマウスピースを押してリッド部分から突出するように、保持要素の係止を解除するレバー機構を含む、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0106】
実施例Y:移動機構が、エアロゾル発生物品の外表面に接触するレバーを備え、それによって旋回されて保持要素を係止解除位置に移動させるレバー機構を含む、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0107】
実施例Z:リッド部分が、エアロゾル発生物品を保管チャンバー内に押し込むように構成された移動ホイールを含む駆動機構に接続する、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0108】
実施例ZA:保管チャンバーが、複数のエアロゾル発生物品を保持するように構成される、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0109】
実施例ZB:保管チャンバーが、複数のエアロゾル発生物品を保持するための保管要素を備える、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0110】
実施例ZC:保管要素が回転可能であり、かつ複数のリテーナを備え、各容器が単一のエアロゾル発生物品を取り込むように構成されている、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0111】
実施例ZD:リテーナが、保管要素の周囲全体に均等に分布している、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0112】
実施例ZE:リテーナがばね式であり、リテーナが保管中に係止され、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバー内に移動される時に係止が解除されるように構成される、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0113】
実施例ZF:移動機構が、エアロゾル発生物品を加熱チャンバーの中に上方に引き入れるように構成されている、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0114】
実施例ZG:移動機構が、ヒンジ付きリッド部分の開閉動作によって駆動される、いずれかの先行する実施例に記載のエアロゾル発生装置。
【0115】
一つの実施形態に関して説明される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【0116】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【
図1】
図1は、先行技術のエアロゾル発生システムを示す。
【
図2】
図2は、本発明によるエアロゾル発生装置を示す。
【
図3】
図3は、エアロゾル発生装置の移動機構を図示する。
【
図4】
図4は、マウスピースを移動させるためのばね式機構を示す。
【
図5】
図5は、エアロゾル発生装置の保管チャンバーの詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0118】
図1は、エアロゾル発生装置12とエアロゾル発生物品14とを備える先行技術のエアロゾル発生システム10を示す。エアロゾル発生装置12は、主要部分16および取り外し可能なリッド部分18を備える。リッド部分18は次に、交換可能なマウスピース20を備える。
図1の左側には、エアロゾル発生システムの分解図が図示されている。
【0119】
図1の右側には、挿入されたエアロゾル発生物品14を有する、完全に組み立てられたエアロゾル発生装置12が示されている。使用時に、エアロゾル発生物品14は、エアロゾル発生装置12内の閉じたくぼみ内に完全に受けられる。ユーザーは、交換可能なマウスピース20を介してエアロゾルを吸入してもよい。
【0120】
図2は、本発明によるエアロゾル発生装置12を示す。エアロゾル発生装置12は、主要部分16およびリッド部分18を備える。リッド部分18および主要部分16は、エアロゾル発生装置12のハウジングを形成する。リッド部分18は、主要部分16にヒンジで接続される。主要部分16内
【0121】
エアロゾル発生装置12は、電源(図示せず)と、エアロゾル発生装置12の動作を制御するためのコントローラを含む電気回路(図示せず)とを備える。エアロゾル発生装置12は、抵抗発熱体24を伴う加熱チャンバー22をさらに備える。加熱チャンバー22の底面は、穿孔された要素26から形成される。穿孔された要素26は、加熱チャンバー22内のエアロゾル発生物品14の下向きの移動を制限する。穿孔された要素はまた、気流経路27から加熱チャンバーの中に周囲空気を導入することを可能にする。
【0122】
マウスピース20はリッド部分18に提供されている。マウスピースは、リッド部分18内に形成されたチャネル28内で直線的に移動可能な剛直な高分子管である。リッド部分18は、ばね式機構30を備える。ばね式機構30は、マウスピース20を第一の位置34に付勢および維持する圧縮ばね32を備える。第一の位置34では、マウスピースはリッド部分18内に完全に格納される。リッド部分18が閉じられ、エアロゾル発生物品14が加熱チャンバー22の中に挿入されていない時、またはリッド部分18が開いている時、圧縮ばね32はマウスピース20を第一の位置34に維持する。これらの状況は、
図2の左図および中央図に示されている。
【0123】
エアロゾル発生物品14がエアロゾル発生装置12の加熱チャンバー22の中に挿入されている時、エアロゾル発生物品14はリッド18の閉鎖に伴いマウスピース20と係合する。
図2の右図に示すように、エアロゾル発生物品14の近位端14aは、マウスピース20の遠位端21に接触する。圧縮ばね32のばね定数は、エアロゾル発生物品14の圧縮抵抗よりも小さい。したがって、
図2の右図に示すように、リッド部分が閉じると、エアロゾル発生物品14は圧縮ばね32を圧縮し、マウスピース20をリッド部分18から押し出す。リッド部分18が完全に閉じている時、マウスピース20は、マウスピース20がリッド部分18から突出する第二の位置36に移動される。この構成では、マウスピース20は、ユーザーの口の中に定置することができる。
【0124】
ヒーター要素24を起動すると、エアロゾル発生物品14のエアロゾル形成基体が加熱される。周囲空気は、エアロゾル発生装置12内に形成された気流経路27を介して加熱チャンバー22内に案内される。周囲空気は、加熱チャンバー22内で発生した蒸気と混合され、マウスピース20を通してユーザーによって吸入されるエアロゾルを形成する。
【0125】
図3は、上述の実施形態のさらなる特徴を示し、消費されたエアロゾル発生物品14を加熱チャンバー22から保管チャンバー40の中に移動するための移動機構を示す。
【0126】
図3aに図示するように、エアロゾル発生装置12は、エアロゾル発生装置12の主要部分16内に提供される保管チャンバー40をさらに備える。図示した構成では、保管チャンバー40は、加熱チャンバー22の下に提供され、移動可能な要素42によって加熱チャンバー22から分離される。移動可能な要素42は、加熱チャンバー22の底面を形成し、加熱チャンバー22の中へのエアロゾル発生物品14の移動を制限するために使用される。移動可能な要素42は、本明細書で詳細に説明されていないさらなるばね機構によって通常は閉位置に付勢される。
【0127】
ボタン44を押すことによって、移動可能な要素42は、
図3bに示すように、通路46が加熱チャンバー22と保管チャンバー40との間で開かれる開位置に移動することができる。
【0128】
移動機構をトリガするために、ユーザーは次にマウスピース20を第一の位置34内にリッド部分18の中に押し込んでもよい。これは
図3cで上の矢印によって示されている。それによって、マウスピース20は、
図3cの下の矢印によって示されるように、通路46を通して保管チャンバー40に向かってエアロゾル発生物品14を押す。マウスピース20がリッド部分18の中に完全に押し戻されると、エアロゾル発生物品14の遠位端の一部分は、二つの対向して配設された回転ホイール48の間に締め付けられる。対向して配設された回転ホイール48は、エアロゾル発生物品14の外表面と摩擦係合する。
【0129】
対向して配設された回転ホイール48を回転させることによって、エアロゾル発生物品14は、
図3dに示すように、加熱チャンバー22から保管チャンバー40の中にさらに下向きに移動される。対向して配置された回転ホイール48は、対応する駆動手段(図示せず)によって駆動される。
【0130】
エアロゾル発生物品14が、
図3eに示すように、保管チャンバー40内に完全に移動されると、ボタン44が解放され得る。ボタン44の解放に伴い、移動可能な要素42は、通常は閉位置に戻るように移動される。エアロゾル発生装置12はこれで、未使用のエアロゾル発生物品14を受容する準備が整う。未使用のエアロゾル発生物品14は、ヒンジリッド部分18を開くことによってユーザーによって挿入されてもよい。
【0131】
図4は、マウスピース20を第一の格納位置34から第二の突出位置36に移動させるための異なるばね式機構50を示すさらなる実施形態を示す。ばね式機構50は、リッド部分18が開いている場合、またはリッド部分18が閉じており、かつエアロゾル発生物品14がエアロゾル発生装置14の加熱チャンバー22の中に挿入されていない場合、保持要素54によって格納位置に保持されているばね式押し要素52を含む。この構成では、マウスピース20は、第一の格納位置34に維持される。これらの状況は、
図4の二つの上の図に示されている。
【0132】
ばね式機構50は、エアロゾル発生物品14が加熱チャンバー22の中に挿入されており、かつリッド部分18が閉じられている場合に、保持要素54を移動させ、かつこれによって押し要素52の係止を解除するように構成されたレバー機構を含む。これは
図4の下の図に図示されている。レバー機構はレバー56を備える。レバー56の下端は、リッド部分18が閉じている時に、加熱チャンバー22内に位置するエアロゾル発生物品14の外周面に接触する。リッド部分18の閉鎖に伴い、レバー56の下端はエアロゾル発生物品14に接触し、それによってその回転軸を中心に旋回される。それによって、レバー56は、保持要素54を移動させて、押し要素52の係止を解除する。押し要素52は、拡張ばね58によって外向きに押される。押し要素52の外向きの移動は、遮断アーム60によって制限される。押し要素が遮断アーム60に接触する時、マウスピース20は第二の位置36に位置付けられており、ここでマウスピース20はリッド部分18の外に突出し、ユーザーの口の中に入れることができる。
【0133】
図5は、ヒンジで接続されたリッド部分18の回転移動を利用して、消費されたエアロゾル発生物品14をエアロゾル発生装置12の保管チャンバー40の中へと移動させるエアロゾル発生装置12のさらなる修正を示す。
【0134】
ヒンジで接続されたリッド部分18は、回転可能に取り付けられた駆動ホイール66と係合する駆動要素64に接続する。駆動ホイール66は、加熱チャンバー22の底面を形成する移動可能な要素44と係合する。駆動ホイール66は、移動可能な要素44を、通路46が加熱チャンバー22と保管チャンバー40との間に開かれる開位置に移動させるように構成される。
【0135】
駆動ホイール66の外表面はまた、加熱チャンバー22内に位置するエアロゾル発生物品14の外周に接触してもよい。回転する駆動ホイール66は、エアロゾル発生物品14と摩擦係合し、使用済みエアロゾル発生物品14を、開いた通路46を通して下向きに強制的に保管チャンバー40の中に入れる。
【0136】
図5に示すように、保管チャンバー40は、複数のエアロゾル発生物品14を保持するように構成される。保管チャンバー40は、複数の均等に分布したリテーナ72を有する円筒形の保管要素70を備える。各リテーナ72は、エアロゾル発生物品14を保持するように構成される。
【0137】
円筒形の保管要素70はまた、複数の未使用のエアロゾル発生物品14を保持するように構成されている。エアロゾル発生装置12は、保管チャンバー40から加熱チャンバー22への未使用のエアロゾル発生物品14の移動を可能にするように構成されている。
未使用のエアロゾル発生物品14を保管チャンバー40から加熱チャンバー22の中に移動するために、保管要素40の各リテーナ72は、ばね機構74を備える。円形の保持要素76は、エアロゾル発生物品14を運ぶリテーナ72を格納された保管位置に保持する。
【0138】
未使用のエアロゾル発生物品14を加熱チャンバー22の中に移動させるために、保管要素70はまず、未使用のエアロゾル発生物品14を保持するリテーナ72が加熱チャンバー22の下方に位置付けられる位置に回転される。この位置では、エアロゾル発生物品14は、ばね機構74が未使用のエアロゾル発生物品14を加熱チャンバー22に向かって上向きに押すように、保持要素76の開口部78の下に位置付けられる。
【0139】
未使用のエアロゾル発生物品14は、エアロゾル発生物品14が移動機構の駆動ホイール66によって係合されるまで、上向きに押される。次いで、移動機構は、未使用のエアロゾル発生物品14を加熱チャンバー22の中に移動させる。