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特許7541213画面に表示される特定の要素の隠蔽を防ぐ動画表示
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】画面に表示される特定の要素の隠蔽を防ぐ動画表示
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0482 20130101AFI20240820BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20240820BHJP
【FI】
G06F3/0482
G06F3/0481
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024523890
(86)(22)【出願日】2022-08-26
(86)【国際出願番号】 JP2022032226
(87)【国際公開番号】W WO2024042708
(87)【国際公開日】2024-02-29
【審査請求日】2024-04-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110135
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100163452
【弁理士】
【氏名又は名称】南郷 邦臣
(74)【代理人】
【識別番号】100180312
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 牧子
(72)【発明者】
【氏名】菊地 航
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-018486(JP,A)
【文献】特開2018-185845(JP,A)
【文献】特開2008-040622(JP,A)
【文献】特開2017-204099(JP,A)
【文献】国際公開第2014/057814(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0482
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
画面に、動画が再生されるフォアグラウンドウィンドウを、ユーザが操作可能なインタラクティブ要素を含むコンテンツが提供されるバックグラウンドウィンドウの一部を隠すように表示し、
前記フォアグラウンドウィンドウによる前記インタラクティブ要素の隠蔽を検出し、
前記隠蔽が検出されると、前記インタラクティブ要素の隠蔽された部分の一部又は全部が隠蔽されなくなるように、前記フォアグラウンドウィンドウの位置及び大きさの少なくとも一方を変更する
処理を実行する端末装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記隠蔽が検出されると、前記フォアグラウンドウィンドウの位置を、前記画面における予め定められた複数の候補位置のうち、前記フォアグラウンドウィンドウが前記インタラクティブ要素を隠蔽しない候補位置に移動する
処理を実行する請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
ユーザから、前記画面に対するタッチ操作を受け付け、
前記インタラクティブ要素を隠蔽しない候補位置が複数ある場合、前記複数の候補位置のうち、前記フォアグラウンドウィンドウが、前記画面に対する前記タッチ操作の頻度が高い領域と重ならない候補位置に移動する
処理を実行する請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記フォアグラウンドウィンドウを前記複数の候補位置のいずれに移動しても前記フォアグラウンドウィンドウが前記インタラクティブ要素を隠蔽する場合、前記フォアグラウンドウィンドウを、前記複数の候補位置のそれぞれに時間経過と共に順に移動する
処理を実行する請求項2又は3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記フォアグラウンドウィンドウを、前記複数の候補位置のそれぞれに間欠的に移動し、又は、前記複数の候補位置のそれぞれの間を予め定められた速度で移動する
処理を実行する請求項4に記載の端末装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記フォアグラウンドウィンドウの大きさを予め定められた割合だけ小さくすることにより、前記フォアグラウンドウィンドウによる前記インタラクティブ要素の隠蔽を回避可能な場合、前記フォアグラウンドウィンドウの位置を変更せず、前記フォアグラウンドウィンドウの大きさを前記予め定められた割合だけ小さくする
処理を実行する請求項1から3のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項7】
1以上のプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
端末装置から、当該端末装置の画面において表示される、動画が再生されるフォアグラウンドウィンドウ及びユーザが操作可能なインタラクティブ要素を含むコンテンツが提供されるバックグラウンドウィンドウの位置及び大きさと、前記インタラクティブ要素の位置及び大きさと、を取得し、
前記取得された位置及び大きさに基づいて、前記フォアグラウンドウィンドウによる前記インタラクティブ要素の隠蔽を検出し、
前記隠蔽が検出されると、前記インタラクティブ要素の隠蔽された部分の一部又は全部が隠蔽されなくなるように、前記フォアグラウンドウィンドウの位置及び大きさの少なくとも一方を、前記端末装置に変更させる
処理を実行するサーバ装置。
【請求項8】
コンピュータに、
画面に、動画が再生されるフォアグラウンドウィンドウを、ユーザが操作可能なインタラクティブ要素を含むコンテンツが提供されるバックグラウンドウィンドウの一部を隠すように表示し、
前記フォアグラウンドウィンドウによる前記インタラクティブ要素の隠蔽を検出し、
前記隠蔽が検出されると、前記インタラクティブ要素の隠蔽された部分の一部又は全部が隠蔽されなくなるように、前記フォアグラウンドウィンドウの位置及び大きさの少なくとも一方を変更する
処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画面に表示される特定の要素の隠蔽を防ぐ動画表示に関する。
【背景技術】
【0002】
動画を視聴しながら、例えば、動画に関する情報を検索するといった他の作業をするため、表示領域を小さくした動画を他の作業のためのコンテンツの上に重ねて表示するピクチャインピクチャ機能が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、端末装置においてテレビ会議の動画を表示中に、端末装置のカメラから撮影されたビデオをピクチャインピクチャ機能により表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2022-008507号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のピクチャインピクチャ機能により表示される動画は、他の作業のためのコンテンツの上に重ねて表示される。このため、コンテンツに、例えば、リンクのようにユーザが操作可能なインタラクティブ要素が含まれており、動画がインタラクティブ要素に重なってしまうと、ユーザは操作をすることができないという問題がある。
【0006】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、コンテンツに含まれるユーザが操作可能な要素の隠蔽を防ぎつつ、コンテンツの上に動画を表示することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の観点に係る端末装置は、
1以上のプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
画面に、動画が再生されるフォアグラウンドウィンドウを、ユーザが操作可能なインタラクティブ要素を含むコンテンツが提供されるバックグラウンドウィンドウの一部を隠すように表示し、
前記フォアグラウンドウィンドウによる前記インタラクティブ要素の隠蔽を検出し、
前記隠蔽が検出されると、前記インタラクティブ要素の隠蔽された部分の一部又は全部が隠蔽されなくなるように、前記フォアグラウンドウィンドウの位置及び大きさの少なくとも一方を変更する
処理を実行する。
【0008】
本開示の第2の観点に係るサーバは、
1以上のプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
端末装置から、当該端末装置の画面において表示される、動画が再生されるフォアグラウンドウィンドウ及びユーザが操作可能なインタラクティブ要素を含むコンテンツが提供されるバックグラウンドウィンドウの位置及び大きさと、前記インタラクティブ要素の位置及び大きさと、を取得し、
前記取得された位置及び大きさに基づいて、前記フォアグラウンドウィンドウによる前記インタラクティブ要素の隠蔽を検出し、
前記隠蔽が検出されると、前記インタラクティブ要素の隠蔽された部分の一部又は全部が隠蔽されなくなるように、前記フォアグラウンドウィンドウの位置及び大きさの少なくとも一方を、前記端末装置に変更させる
処理を実行する。
【0009】
本開示の第3の観点に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
コンピュータに、
画面に、動画が再生されるフォアグラウンドウィンドウを、ユーザが操作可能なインタラクティブ要素を含むコンテンツが提供されるバックグラウンドウィンドウの一部を隠すように表示し、
前記フォアグラウンドウィンドウによる前記インタラクティブ要素の隠蔽を検出し、
前記隠蔽が検出されると、前記インタラクティブ要素の隠蔽された部分の一部又は全部が隠蔽されなくなるように、前記フォアグラウンドウィンドウの位置及び大きさの少なくとも一方を変更する
処理を実行させるためのプログラムを記録する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、コンテンツに含まれるユーザが操作可能な要素の隠蔽を防ぎつつ、コンテンツの上に動画を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る端末装置と動画提供サーバ及びコンテンツ提供サーバとの関係を示す図である。
図2】実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る端末装置の機能構成を示す図である。
図4】実施形態に係る動画を示す図である。
図5】実施形態に係る販売ページを示す図である。
図6】実施形態に係る動画がフォアグラウンドウィンドウ内に表示された様子を示す図である。
図7】実施形態に係るフォアグラウンドウィンドウの大きさが変更された様子を示す図である。
図8】実施形態に係る動画がフォアグラウンドウィンドウ内に表示された様子を示す図である。
図9】実施形態に係るフォアグラウンドウィンドウの位置が変更された様子を示す図である。
図10】実施形態に係るフォアグラウンドウィンドウの位置が変更された様子を示す図である。
図11】実施形態に係るフォアグラウンドウィンドウの位置が変更された様子を示す図である。
図12】実施形態に係るフォアグラウンドウィンドウの位置が変更された様子を示す図である。
図13】実施形態に係る表示制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(1.全体構成)
本開示の実施形態に係る端末装置は、ピクチャインピクチャ機能により動画を表示する装置である。端末装置100は、図1に示すように、動画提供サーバ200、及び、コンテンツ提供サーバ300と、インターネット等のコンピュータ通信網400を介して通信可能に接続される。
【0013】
端末装置100は、動画を視聴する視聴者が使用する装置である。視聴者は、例えば、端末装置100から動画提供サーバ200に接続し、動画提供サーバ200から提供される動画を視聴する。また、視聴者は、例えば、動画提供サーバ200から提供される動画を視聴中に、端末装置100からコンテンツ提供サーバ300に接続し、コンテンツ提供サーバ300から提供されるコンテンツに対して、閲覧、検索等の作業を行う。
【0014】
動画提供サーバ200は、動画を提供するサーバである。動画提供サーバ200は、端末装置100からの要求に応じて、動画を端末装置100に提供する。
【0015】
コンテンツ提供サーバ300は、端末装置100において画面表示可能な種々のコンテンツを提供するサーバである。コンテンツ提供サーバ300は、端末装置100からの要求に応じて、コンテンツを端末装置100に提供する。
【0016】
以下では、動画提供サーバ200は、ライブコマースに関する動画を提供するものとする。ライブコマースとは、電子商取引の一つの形態である。ライブコマースでは、配信者がアイテムを紹介するライブ動画を配信し、そのライブ動画を視聴している視聴者がアイテムを購入することができる。動画提供サーバ200は、配信者が使用する配信者端末(図示せず)から動画を受信し、端末装置100からの要求に応じて、受信した動画を配信する。
【0017】
また、コンテンツ提供サーバ300は、動画において紹介されているアイテムの販売ページを提供するものとする。コンテンツ提供サーバ300は、端末装置100からの要求に応じて、販売ページを提供する。
【0018】
(2.情報処理装置のハードウェア構成)
図2は、端末装置100、動画提供サーバ200及びコンテンツ提供サーバ300を実現する情報処理装置500ハードウェア構成を示すブロック図である。
【0019】
情報処理装置500は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、記録媒体14と、出力デバイス15と、通信デバイス16と、入力デバイス17と、を備える。各構成要素は、バス18により接続されている。
【0020】
CPU11は、情報処理装置500全体の動作を制御し、各構成要素と接続され、制御信号やデータをやりとりする。
【0021】
ROM12には、情報処理装置500全体の動作制御に必要なオペレーティングのプログラムや各種のデータが記録される。
【0022】
RAM13は、データやプログラムを一時的に記録するためのもので、記録媒体14から読み出したプログラムやデータ、その他、通信に必要なデータ等が保持される。
【0023】
記録媒体14は、ハードディスクやフラッシュメモリ等から構成され、情報処理装置500で処理するデータを記録する。
【0024】
出力デバイス15は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置や、スピーカ等の音声出力装置を備える。出力デバイス15は、CPU11による制御の下、例えば、CPU11から出力されたデータを出力する。
【0025】
通信デバイス16は、情報処理装置500をインターネット等のコンピュータ通信網400に接続するための通信インタフェースを含み、通信デバイス16を介して他の情報処理装置等とやりとりをする。
【0026】
入力デバイス17は、ボタン、キーボード、タッチパネル、マイク、カメラ、光学スキャナ等の入力装置を備える。入力デバイス17は、情報処理装置500の使用者から操作入力を受け付け、受け付けた操作入力に対応する信号をCPU11に出力する。
【0027】
(3.実施形態の配信者端末の機能構成)
端末装置100の機能構成について、図3を用いて説明する。
【0028】
端末装置100は、機能的には、表示部101と、検出部102と、変更部103と、受付部104と、を備える。本実施形態において、CPU11、出力デバイス15及び通信デバイス16が協働して、表示部101として機能し、CPU11が、検出部102及び変更部103として機能し、CPU11及び入力デバイス17が協働して、受付部104として機能する。
【0029】
端末装置100は、動画提供サーバ200から提供されるライブコマースに関する動画と、コンテンツ提供サーバ300から提供される販売ページと、をそれぞれ表示する。以下では、端末装置100には、ライブコマースに関する動画及びコンテンツを画面に表示可能なアプリケーションがインストールされており、このアプリケーションにより、表示部101、検出部102、変更部103及び受付部104の機能が実現されるものとする。
【0030】
図4に、端末装置100の画面に表示されるライブコマースの動画の例を示す。動画600は、配信者601が、アイテム“X”602を所持してアイテム“X”を紹介している様子を示したものである。また、動画600には、アイテム“X”に関する情報が表示されるパネル603が表示される。パネル603には、アイテム“X”の画像604と、アイテム“X”の販売価格の情報605と、アイテム“X”を販売する販売ページへ遷移するためのボタン606と、動画の視聴者によるコメントを入力するための入力欄607と、評価アイコン608と、動画の視聴者により入力されたコメントの表示欄609と、が含まれる。
【0031】
また、図5に、端末装置100の画面に表示される販売ページの例を示す。販売ページ700には、アイテム“X”の画像701と、アイテム“X”の価格、送料等の情報702と、ショッピングカートに投入するアイテム“X”の個数を入力するためのボックス703と、ショッピングカートにアイテム“X”を投入するためのボタン704と、が含まれる。図5の販売ページ700は、図4の動画600において、ボタン606が選択されると表示されるものとする。
【0032】
以下では、販売ページ700が画面に表示された際に、動画600をピクチャインピクチャ機能により表示する場合を例に、端末装置100の機能について説明する。
【0033】
図3の表示部101は、画面に、動画が再生されるフォアグラウンドウィンドウを、ユーザが操作可能なインタラクティブ要素を含むコンテンツが提供されるバックグラウンドウィンドウの一部を隠すように表示する。
【0034】
フォアグラウンドウィンドウとは、端末装置100の画面において前面に表示されるウィンドウである。また、バックグラウンドウィンドウとは、端末装置100の画面において、フォアグラウンドウィンドウの後ろに表示されるウィンドウである。すなわち、端末装置100の画面において、フォアグラウンドウィンドウは、バックグラウンドウィンドウの上に重ねて表示されるウィンドウである。また、フォアグラウンドウィンドウとバックグラウンドウィンドウとは、ユーザの操作により画面における前後が入れ替わらない。すなわち、ユーザがバックグラウンドウィンドウに対して操作を行ったとしても、フォアグラウンドウィンドウは、端末装置100の画面において前面に表示され続ける。
【0035】
インタラクティブ要素とは、コンテンツに含まれる、ユーザが操作可能な要素であり、例えば、onclick属性を有する、リンク、ボタン、チェックボックス、リストボックス等である。例えば、販売ページ700におけるインタラクティブ要素は、ボックス703、ボタン704である。
【0036】
例えば、ユーザが、販売ページへ遷移するためのボタン606(図4)を選択すると、表示部101は、図6に示すように、動画600の表示領域を小さくした動画が表示されるフォアグラウンドウィンドウ810-1を、販売ページ700が表示されるバックグラウンドウィンドウ820の一部を隠すように表示する。なお、動画をピクチャインピクチャ機能により表示する際のフォアグラウンドウィンドウ810-1の位置及び大きさの初期値は、ユーザ又はアプリケーションの管理者により適宜設定されるものとする。また、図6において、バックグラウンドウィンドウ820は、端末装置100の画面において全画面表示されているものとする。
【0037】
図3の検出部102は、フォアグラウンドウィンドウによるインタラクティブ要素の隠蔽を検出する。
【0038】
例えば、図6のように、バックグラウンドウィンドウ820に表示されている販売ページ700のボックス703がフォアグラウンドウィンドウ810-1により隠蔽される場合、検出部102は、フォアグラウンドウィンドウ810-1によるインタラクティブ要素(ボックス703)の隠蔽を検出する。具体的には、検出部102は、インタラクティブ要素(ボックス703)が描画される領域を求め、求めた領域にフォアグラウンドウィンドウ810-1が重なるか否かを判定することにより隠蔽を検出する。
【0039】
図3の変更部103は、隠蔽が検出されると、インタラクティブ要素の隠蔽された部分の一部又は全部が隠蔽されなくなるように、フォアグラウンドウィンドウの位置及び大きさの少なくとも一方を変更する。
【0040】
例えば、変更部103は、フォアグラウンドウィンドウの大きさを予め定められた割合だけ小さくすることにより、フォアグラウンドウィンドウによるインタラクティブ要素の隠蔽を回避可能な場合、フォアグラウンドウィンドウの位置を変更せず、フォアグラウンドウィンドウの大きさを予め定められた割合だけ小さくする。
【0041】
ここで、「フォアグラウンドウィンドウの位置を変更せず」とは、フォアグラウンドウィンドウ内の基準となる位置を移動しないことを示す。基準となる位置は、ユーザ又はアプリケーションの管理者により適宜設定される。以下では、基準となる位置を、フォアグラウンドウィンドウの左上の隅の位置811(図6)とする。また、以下では、予め定められた割合を、m%(mは正数)とする。
【0042】
例えば、変更部103は、m%だけフォアグラウンドウィンドウ810-1の大きさを変更したフォアグラウンドウィンドウによりインタラクティブ要素(ボックス703)の隠蔽を回避することができると判断すると、位置811を移動せずに、大きさを、フォアグラウンドウィンドウ810-1よりm%小さいフォアグラウンドウィンドウ810-2(図7)に変更する。すなわち、変更部103は、インタラクティブ要素の隠蔽された部分の全部が隠蔽されなくなるように、フォアグラウンドウィンドウ810-1の大きさを変更する。表示部101は、図7に示すように、大きさが変更されたフォアグラウンドウィンドウ810-2を表示する。
【0043】
なお、基準となる位置を、フォアグラウンドウィンドウの中心とした場合に、変更部103が、m%だけフォアグラウンドウィンドウ810-1の大きさを変更したフォアグラウンドウィンドウによりインタラクティブ要素(ボックス703)の隠蔽を回避することができると判断すると、フォアグラウンドウィンドウの中心を移動せずに、フォアグラウンドウィンドウ810-1の大きさをm%小さくする。したがって、フォアグラウンドウィンドウ810-1の四隅(左上、右上、左下及び右下の隅)の位置は変更される。
【0044】
一方、例えば、図8のように、バックグラウンドウィンドウ820に表示されている販売ページ700のボタン704がフォアグラウンドウィンドウ810-1により隠蔽されている場合、検出部102は、フォアグラウンドウィンドウ810-1によるインタラクティブ要素(ボタン704)の隠蔽を検出する。
【0045】
この場合、変更部103は、フォアグラウンドウィンドウ810-1の大きさをm%小さくしたフォアグラウンドウィンドウによりインタラクティブ要素(ボタン704)の隠蔽を回避することができないと判断し、フォアグラウンドウィンドウ810-1の位置を変更する。
【0046】
具体的には、変更部103は、隠蔽が検出されると、フォアグラウンドウィンドウの位置を、画面における予め定められた複数の候補位置のうち、フォアグラウンドウィンドウがインタラクティブ要素を隠蔽しない候補位置に移動する。
【0047】
以下では、予め定められた複数の候補位置を、画面の四隅の位置901~904とする。
【0048】
例えば、変更部103は、位置901~904のうち、フォアグラウンドウィンドウ810-1がインタラクティブ要素(ボックス703、ボタン704)を隠蔽しない位置を、位置901,902,903と特定する。そして、変更部103は、図9~11に示すように、特定した位置901,902,903に、フォアグラウンドウィンドウ810-1の四隅のうち、特定した位置に最も近い1つの隅を重ねるように、フォアグラウンドウィンドウ810-1の位置を変更する。すなわち、変更部103は、インタラクティブ要素(ボタン704)の隠蔽された部分の全部が隠蔽されなくなるように、フォアグラウンドウィンドウ810-1の位置を変更する。
【0049】
ここで、変更部103は、インタラクティブ要素を隠蔽しない候補位置が複数ある場合、以下のように、フォアグラウンドウィンドウを移動させてもよい。
【0050】
まず、図3の受付部104は、ユーザから、画面に対するタッチ操作を受け付ける。
【0051】
例えば、受付部104は、アプリケーションが起動されると、端末装置100のユーザが画面に対して行う、タップ、スライド、スワイプ等のタッチ操作を受け付ける。そして、受付部104は、タッチ操作がされた領域を示す情報を、タッチ操作の履歴情報として、記録媒体14に格納する。
【0052】
そして、変更部103は、複数の候補位置のうち、フォアグラウンドウィンドウが、画面に対するタッチ操作の頻度が高い領域と重ならない候補位置に移動する。
【0053】
例えば、変更部103は、記録媒体14に格納されたタッチ操作の履歴情報を参照して、タッチ操作がされる頻度が高い領域を特定する。例えば、変更部103は、画面の左下の領域905(図8)をタッチ操作がされる頻度が他の領域に比べて高い領域であると特定すると、領域905とフォアグラウンドウィンドウ810-1とが重なる位置901,903を、移動先の候補位置から除外する。すなわち、変更部103は、図10に示すように、フォアグラウンドウィンドウ810-1の四隅の1つを位置902に重ねるように移動する。
【0054】
なお、変更部103は、フォアグラウンドウィンドウを複数の候補位置のいずれに移動してもフォアグラウンドウィンドウがインタラクティブ要素を隠蔽する場合、フォアグラウンドウィンドウを、複数の候補位置のそれぞれに時間経過と共に順に移動する。
【0055】
例えば、仮に、情報702にリンクが設定されていたとすると、情報702はインタラクティブ要素であり、図9図12のように、フォアグラウンドウィンドウ810-1を、その四隅の1つが位置901~904に重なるように移動しても、インタラクティブ要素(情報702、ボタン704)が隠蔽されてしまう。このような場合、変更部103は、フォアグラウンドウィンドウ810-1を、四隅の1つが位置901~904のそれぞれに重なるように時間経過と共に順に移動する。すなわち、変更部103は、インタラクティブ要素の隠蔽された部分の一部が隠蔽されなくなるように、フォアグラウンドウィンドウ810-1の位置を変更する。
【0056】
具体的には、変更部103は、フォアグラウンドウィンドウを、複数の候補位置のそれぞれに間欠的に移動し、又は、複数の候補位置のそれぞれの間を予め定められた速度で移動する。
【0057】
例えば、変更部103は、フォアグラウンドウィンドウ810-1の位置を、図9に示す位置に移動し、所定の期間(例えば、5秒)経過後、図10に示す位置に移動する。そして、変更部103は、フォアグラウンドウィンドウ810-1の位置を、図10に示す位置に移動してから所定の期間経過後、図11に示す位置に移動し、図11に示す位置に移動してから所定の期間経過後、図12に示す位置に移動する。このような移動を、ユーザにより停止の指示がされるまで繰り返す。
【0058】
或いは、変更部103は、フォアグラウンドウィンドウ810-1を、図9図12に示す位置に、予め定められた速度n[pixlel/sec](nは正数)で順に移動する。
【0059】
(4.実施形態の端末装置の動作)
本実施形態の端末装置100の動作について、図13を用いて説明する。図13の表示制御処理は、例えば、端末装置100の表示部101が動画をピクチャインピクチャ機能により画面に表示すると開始され、バックグラウンドウィンドウの表示が更新される度に繰り返される。例えば、スクロール操作や他のページへの遷移等により、バックグラウンドウィンドウの表示が更新されると、表示制御処理が実行される。
【0060】
検出部102は、フォアグラウンドウィンドウによるインタラクティブ要素の隠蔽を検出したか否かを判断する(ステップS101)。検出部102は、隠蔽を検出したと判断すると(ステップS101;YES)、変更部103は、フォアグラウンドウィンドウの大きさを予め定められた割合だけ小さくすることにより、フォアグラウンドウィンドウによるインタラクティブ要素の隠蔽を回避可能か否かを判断する(ステップS102)。一方、検出部102は、隠蔽を検出しないと判断すると(ステップS101;NO)、そのまま待機する。
【0061】
例えば、図6のようにフォアグラウンドウィンドウ810-1が表示された場合、検出部102は、フォアグラウンドウィンドウ810-1によるインタラクティブ要素(ボックス703)の隠蔽を検出する。或いは、図8のようにフォアグラウンドウィンドウ810-1が表示された場合、検出部102は、フォアグラウンドウィンドウ810-1によるインタラクティブ要素(ボタン704)の隠蔽を検出する。一方、バックグラウンドウィンドウ820に表示されているボックス703、ボタン704が、フォアグラウンドウィンドウ810-1により隠蔽されない場合、検出部102は、インタラクティブ要素の隠蔽を検出しない。
【0062】
変更部103は、フォアグラウンドウィンドウの大きさを予め定められた割合だけ小さくすることにより、フォアグラウンドウィンドウによるインタラクティブ要素の隠蔽を回避可能と判断すると(ステップS102;YES)、フォアグラウンドウィンドウの位置を変更せず、フォアグラウンドウィンドウの大きさを予め定められた割合だけ小さくする(ステップS103)。一方、変更部103は、フォアグラウンドウィンドウの大きさを予め定められた割合だけ小さくすることにより、フォアグラウンドウィンドウによるインタラクティブ要素の隠蔽を回避可能でないと判断すると(ステップS102;NO)、変更部103は、画面における予め定められた複数の候補位置のうち、フォアグラウンドウィンドウがインタラクティブ要素を隠蔽しない候補位置が存在するか否かを判断する(ステップS104)。
【0063】
例えば、図6のようにフォアグラウンドウィンドウ810-1が表示された場合、変更部103は、m%だけフォアグラウンドウィンドウ810-1の大きさを変更したフォアグラウンドウィンドウによりインタラクティブ要素(ボックス703)の隠蔽を回避することができると判断し、位置811を移動せずに、大きさを、フォアグラウンドウィンドウ810-1よりm%小さいフォアグラウンドウィンドウ810-2(図7)に変更する。一方、図8のようにフォアグラウンドウィンドウ810-1が表示された場合、変更部103は、m%だけフォアグラウンドウィンドウ810-1の大きさを変更したフォアグラウンドウィンドウによりインタラクティブ要素(ボタン704)の隠蔽を回避することができないと判断する。そして、変更部103は、位置901~904のいずれかにフォアグラウンドウィンドウ810-1の四隅の1つを重ねるように移動することにより、インタラクティブ要素(ボックス703、ボタン704)を隠蔽しない候補位置が存在するか否かを判断する。
【0064】
変更部103は、画面における予め定められた複数の候補位置のうち、フォアグラウンドウィンドウがインタラクティブ要素を隠蔽しない候補位置が存在すると判断すると(ステップS104;YES)、インタラクティブ要素を隠蔽しない候補位置が複数あるか否かを判断する(ステップS105)。一方、変更部103は、画面における予め定められた複数の候補位置のうち、フォアグラウンドウィンドウがインタラクティブ要素を隠蔽しない候補位置が存在しないと判断すると(ステップS104;NO)、ステップS108に進む。
【0065】
例えば、変更部103は、位置901~904のうち、フォアグラウンドウィンドウ810-1がインタラクティブ要素(ボックス703、ボタン704)を隠蔽しない候補位置を、位置901,902,903と特定し、隠蔽しない候補位置が複数あると判断する。一方、例えば、図8の情報702にリンクが設定されていた場合、変更部103は、フォアグラウンドウィンドウ810-1がインタラクティブ要素(情報702、ボタン704)を隠蔽しない候補位置が存在しない、と判断する。
【0066】
変更部103は、インタラクティブ要素を隠蔽しない候補位置が複数あると判断すると(ステップS105;YES)、複数の候補位置のうち、フォアグラウンドウィンドウが、画面に対するタッチ操作の頻度が高い領域と重ならない候補位置を特定する(ステップS106)。そして、変更部103は、フォアグラウンドウィンドウを特定された候補位置に移動する(ステップS107)。一方、変更部103は、インタラクティブ要素を隠蔽しない候補位置が複数ないと判断すると(ステップS105;NO)、フォアグラウンドウィンドウを、インタラクティブ要素を隠蔽しない候補位置に移動する(ステップS107)。
【0067】
例えば、画面において左下の領域905(図8)にタッチ操作がされる頻度が他の領域に比べて高い場合、変更部103は、フォアグラウンドウィンドウ810-1が領域905と重ならない候補位置を、位置902と特定する。そして、変更部103は、図10に示すように、フォアグラウンドウィンドウ810-1を移動する。一方、フォアグラウンドウィンドウ810-1がバックグラウンドウィンドウ820に含まれるインタラクティブ要素と重ならない候補位置が一つ特定された場合、変更部103は、フォアグラウンドウィンドウ810-1を特定された候補位置に移動する。
【0068】
また、画面における複数の候補位置のうち、フォアグラウンドウィンドウがインタラクティブ要素を隠蔽しない候補位置が存在しない場合、すなわち、フォアグラウンドウィンドウを複数の候補位置のいずれに移動してもフォアグラウンドウィンドウがインタラクティブ要素を隠蔽する場合、変更部103は、フォアグラウンドウィンドウを、複数の候補位置のそれぞれに時間経過と共に順に移動する(ステップS108)。
【0069】
例えば、情報702にリンクが設定されていた場合、変更部103は、フォアグラウンドウィンドウ810-1を、図9図12に示す位置のそれぞれに間欠的に移動し、又は、図9図12に示す位置の間を、予め定められた速度n[pixlel/sec]で順に移動する。
【0070】
本実施形態によれば、画面に表示される動画の位置や大きさを自動的に変更することにより、コンテンツに含まれるユーザが操作可能なインタラクティブ要素の隠蔽を防ぎつつ、コンテンツの上に動画を表示することができる。これにより、ユーザは、動画を視聴しながら、コンテンツに対して操作可能な要素に対する操作を行うことができる。
【0071】
また、本実施形態によれば、予め定められた複数の候補位置のうち、ユーザが操作可能な要素が隠蔽されない候補位置にフォアグラウンドウィンドウを移動する。これにより、フォアグラウンドウィンドウが視覚的に邪魔になりにくい適当な位置を予め定めることができ、フォアグラウンドウィンドウを、視覚的に邪魔になりにくく、且つ、ユーザが操作可能な要素を隠蔽しない位置に移動させることができる。
【0072】
また、本実施形態によれば、ユーザによる画面に対するタッチ操作の頻度が高い領域と重ならないように、フォアグラウンドウィンドウを候補位置に移動する。これにより、動画が再生されるフォアグラウンドウィンドウにより妨げられることなく、画面に対するタッチ操作を行うことができる。
【0073】
また、本実施形態によれば、複数の候補位置のいずれに移動してもフォアグラウンドウィンドウがインタラクティブ要素を隠蔽する場合、フォアグラウンドウィンドウを、複数の候補位置のそれぞれに時間経過と共に順に移動する。これにより、インタラクティブ要素が隠蔽される部分を変化させることができ、ユーザは、隠蔽されていたとしてもインタラクティブ要素の概観を認識することができる。
【0074】
また、本実施形態によれば、フォアグラウンドウィンドウを、複数の候補位置のそれぞれに間欠的に移動し、又は、複数の候補位置のそれぞれの間を予め定められた速度で移動する。これにより、インタラクティブ要素の隠蔽された部分が一定のタイミング、或いは、徐々に変化するので、インタラクティブ要素の概観を認識し易くすることができる。
【0075】
また、本実施形態によれば、フォアグラウンドウィンドウの大きさを予め定められた割合だけ小さくすることによりインタラクティブ要素の隠蔽を回避可能な場合は、フォアグラウンドウィンドウの位置を変更せず、フォアグラウンドウィンドウの大きさを予め定められた割合だけ小さくする。これにより、ユーザは、画面において同じ位置で動画を視聴したまま、インタラクティブ要素に対する操作を行うことができる。
【0076】
(5.変形例)
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能である。
【0077】
上記実施形態において、アプリケーションにおける実装の例を示したが、ブラウザの2つのウィンドウにおいて実装することも可能である。
【0078】
例えば、表示部101は、動画600が再生されるフォアグラウンドウィンドウ(ブラウザの一方のウィンドウ)の位置及び大きさを取得して、間欠的に動画提供サーバ200に送信する。そして、例えば、コンテンツが提供されるバックグラウンドウィンドウ(ブラウザの他方のウィンドウ)が画面に表示されると、検出部102は、動画提供サーバ200に、フォアグラウンドウィンドウの位置及び大きさを問合せて、フォアグラウンドウィンドウの位置及び大きさを取得する。また、検出部102は、バックグラウンドウィンドウの位置及び大きさを取得し、フォアグラウンドウィンドウの位置及び大きさと比較して、バックグラウンドウィンドウのどの領域が隠されているかを特定する。そして、検出部102は、インタラクティブ要素の位置及び大きさに基づいて、フォアグラウンドウィンドウにより隠されたバックグラウンドウィンドウの領域とインタラクティブ要素の領域とが重複するか否かを判断することにより、隠蔽を検出する。
【0079】
また、上記実施形態において、端末装置100がフォアグラウンドウィンドウによるインタラクティブ要素の隠蔽を検出するとしたが、これに限らず、端末装置100と通信可能なサーバ装置が、隠蔽を検出し、端末装置100にフォアグラウンドウィンドウの位置又は大きさを変更させてもよい。
【0080】
具体的には、サーバ装置は、端末装置100から、当該端末装置100の画面において表示される、動画が再生されるフォアグラウンドウィンドウ及びインタラクティブ要素を含むコンテンツが提供されるバックグラウンドウィンドウの位置及び大きさと、インタラクティブ要素の位置及び大きさと、を取得する。次に、サーバ装置は、取得された位置及び大きさに基づいて、フォアグラウンドウィンドウによるインタラクティブ要素の隠蔽を検出する。そして、サーバ装置は、隠蔽が検出されると、インタラクティブ要素の隠蔽された部分の一部又は全部が隠蔽されなくなるように、フォアグラウンドウィンドウの位置及び大きさの少なくとも一方を、端末装置100に変更させる。
【0081】
例えば、図6のようにフォアグラウンドウィンドウ810-1及びバックグラウンドウィンドウ820が表示されている場合、サーバ装置は、端末装置100から、フォアグラウンドウィンドウ810-1及びバックグラウンドウィンドウ820の位置及び大きさと、インタラクティブ要素(ボックス703、ボタン704)の位置及び大きさと、を取得する。サーバ装置は、フォアグラウンドウィンドウ810-1の位置及び大きさとバックグラウンドウィンドウ820の位置及び大きさとを比較して、バックグラウンドウィンドウ820のどの領域が隠されているかを特定する。次に、サーバ装置は、インタラクティブ要素の位置及び大きさに基づいて、フォアグラウンドウィンドウ810-1により隠されたバックグラウンドウィンドウ820の領域とインタラクティブ要素の領域とが重複するか否かを判断することにより、隠蔽を検出する。そして、サーバ装置は、隠蔽を検出すると、端末装置100に、インタラクティブ要素の隠蔽された部分の一部又は全部が隠蔽されなくなるフォアグラウンドウィンドウ810-1の位置及び大きさの少なくとも一方を指定した命令を送信する。
【0082】
また、上記実施形態において、隠蔽が検出された際に、フォアグラウンドウィンドウの位置及び大きさの一方を変更する例を示したが、位置及び大きさの両方を変更するようにしてもよい。例えば、フォアグラウンドウィンドウを複数の候補位置のいずれに移動してもフォアグラウンドウィンドウがインタラクティブ要素を隠蔽する場合、フォアグラウンドウィンドウ810-1の大きさを予め定められた割合だけ小さくし、さらに、複数の候補位置のそれぞれに時間経過と共に順に移動するようにしてもよい。
【0083】
また、上記実施形態において、隠蔽が検出された際の表示制御処理を図13のフローチャートに示したが、端末装置100が実行する表示制御処理はこれに限らない。例えば、検出部102が、フォアグラウンドウィンドウによるインタラクティブ要素の隠蔽を検出すると、変更部103は、インタラクティブ要素の隠蔽された部分の一部が隠蔽されなくなるように、フォアグラウンドウィンドウの位置及び大きさの少なくとも一方を変更する。そして、検出部102が、位置及び大きさの少なくとも一方が変更された変更後のフォアグラウンドウィンドウによるインタラクティブ要素の隠蔽を検出すると、変更部103は、インタラクティブ要素の隠蔽された部分の一部が隠蔽されなくなるように、さらに、変更後のフォアグラウンドウィンドウの位置及び大きさの少なくとも一方を変更する。このように、検出部102により隠蔽が検出されなくなるまで、変更部103は、位置及び大きさの変更を繰り返す。
【0084】
例えば、検出部102が、フォアグラウンドウィンドウによるインタラクティブ要素の隠蔽を検出すると、変更部103は、フォアグラウンドウィンドウの大きさを予め定められた割合だけ小さくする。そして、検出部102は、予め定められた割合だけ小さくした変更後のフォアグラウンドウィンドウによるインタラクティブ要素の隠蔽が検出されると、変更部103は、変更後のフォアグラウンドウィンドウによるインタラクティブ要素の隠蔽された部分の一部が隠蔽されなくなるように、変更後のフォアグラウンドウィンドウの位置を変更する。このような処理を、隠蔽が検出されなくなるまで繰り返す。
【0085】
また、上記実施形態において、端末装置100が2以上のプロセッサを備える場合、これらのプロセッサが、表示部101、検出部102、変更部103及び受付部104が実行する処理を、分散しておこなってもよい。
【0086】
また、上記実施形態に係る端末装置100の動作を規定するプログラムを、既存のパーソナルコンピュータ又は情報端末装置に適用することで、当該パーソナルコンピュータ又は情報端末装置を、実施形態に係る端末装置100として機能させることも可能である。
【0087】
また、上記プログラムは、非一時的な(non-transitory)記録媒体に記録されてもよい。非一時的な記録媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。ここで、非一時的な記録媒体とは、有形な(tangible)記録媒体をいう。非一時的な記録媒体は、例えば、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等である。また、一時的な(transitory)記録媒体とは、伝送媒体(伝搬信号)それ自体を示す。一時的な記録媒体は、例えば、電気信号、光信号、電磁波等である。なお、一時的な(temporary)記憶領域とは、データや記録媒体を一時的に記憶するための領域であり、例えば、RAM等の揮発性メモリである。
【0088】
(付記)
[1]
1以上のプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
画面に、動画が再生されるフォアグラウンドウィンドウを、ユーザが操作可能なインタラクティブ要素を含むコンテンツが提供されるバックグラウンドウィンドウの一部を隠すように表示し、
前記フォアグラウンドウィンドウによる前記インタラクティブ要素の隠蔽を検出し、
前記隠蔽が検出されると、前記インタラクティブ要素の隠蔽された部分の一部又は全部が隠蔽されなくなるように、前記フォアグラウンドウィンドウの位置及び大きさの少なくとも一方を変更する
処理を実行する端末装置。
【0089】
[2]
前記プロセッサは、
前記隠蔽が検出されると、前記フォアグラウンドウィンドウの位置を、前記画面における予め定められた複数の候補位置のうち、前記フォアグラウンドウィンドウが前記インタラクティブ要素を隠蔽しない候補位置に移動する
処理を実行する[1]に記載の端末装置。
【0090】
[3]
前記プロセッサは、
ユーザから、前記画面に対するタッチ操作を受け付け、
前記インタラクティブ要素を隠蔽しない候補位置が複数ある場合、前記複数の候補位置のうち、前記フォアグラウンドウィンドウが、前記画面に対する前記タッチ操作の頻度が高い領域と重ならない候補位置に移動する
処理を実行する[2]に記載の端末装置。
【0091】
[4]
前記プロセッサは、
前記フォアグラウンドウィンドウを前記複数の候補位置のいずれに移動しても前記フォアグラウンドウィンドウが前記インタラクティブ要素を隠蔽する場合、前記フォアグラウンドウィンドウを、前記複数の候補位置のそれぞれに時間経過と共に順に移動する
処理を実行する[2]又は[3]に記載の端末装置。
【0092】
[5]
前記プロセッサは、
前記フォアグラウンドウィンドウを、前記複数の候補位置のそれぞれに間欠的に移動し、又は、前記複数の候補位置のそれぞれの間を予め定められた速度で移動する
処理を実行する[4]に記載の端末装置。
【0093】
[6]
前記プロセッサは、
前記フォアグラウンドウィンドウの大きさを予め定められた割合だけ小さくすることにより、前記フォアグラウンドウィンドウによる前記インタラクティブ要素の隠蔽を回避可能な場合、前記フォアグラウンドウィンドウの位置を変更せず、前記フォアグラウンドウィンドウの大きさを前記予め定められた割合だけ小さくする
処理を実行する[1]から[5]のいずれか1つに記載の端末装置。
【0094】
[7]
1以上のプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
端末装置から、当該端末装置の画面において表示される、動画が再生されるフォアグラウンドウィンドウ及びユーザが操作可能なインタラクティブ要素を含むコンテンツが提供されるバックグラウンドウィンドウの位置及び大きさと、前記インタラクティブ要素の位置及び大きさと、を取得し、
前記取得された位置及び大きさに基づいて、前記フォアグラウンドウィンドウによる前記インタラクティブ要素の隠蔽を検出し、
前記隠蔽が検出されると、前記インタラクティブ要素の隠蔽された部分の一部又は全部が隠蔽されなくなるように、前記フォアグラウンドウィンドウの位置及び大きさの少なくとも一方を、前記端末装置に変更させる
処理を実行するサーバ装置。
【0095】
[8]
コンピュータに、
画面に、動画が再生されるフォアグラウンドウィンドウを、ユーザが操作可能なインタラクティブ要素を含むコンテンツが提供されるバックグラウンドウィンドウの一部を隠すように表示し、
前記フォアグラウンドウィンドウによる前記インタラクティブ要素の隠蔽を検出し、
前記隠蔽が検出されると、前記インタラクティブ要素の隠蔽された部分の一部又は全部が隠蔽されなくなるように、前記フォアグラウンドウィンドウの位置及び大きさの少なくとも一方を変更する
処理を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0096】
本開示は、本開示の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。すなわち、本開示の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本開示によれば、コンテンツに含まれるユーザが操作可能な要素の隠蔽を防ぎつつ、コンテンツの上に動画を表示することが可能な動画表示に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0098】
11 CPU、12 ROM、13 RAM、14 記録媒体、15 出力デバイス、16 通信デバイス、17 入力デバイス、18 バス、100 端末装置、101 表示部、102 検出部、103 変更部、104 受付部、200 動画提供サーバ、300 コンテンツ提供サーバ、400 コンピュータ通信網、500 情報処理装置、600 動画、601 配信者、602 アイテム“X”、603 パネル、604,701 画像、605,702 情報、606,704 ボタン、607 入力欄、608 評価アイコン、609 表示欄、700 販売ページ、703 ボックス、810-1,810-2 フォアグラウンドウィンドウ、820 バックグラウンドウィンドウ、811,901~904 位置、905 領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13