(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
H01H 13/02 20060101AFI20240821BHJP
H01H 13/85 20060101ALI20240821BHJP
A47J 27/00 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
H01H13/02 A
H01H13/85
A47J27/00 103R
(21)【出願番号】P 2020119798
(22)【出願日】2020-07-13
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 圭佑
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-027704(JP,A)
【文献】特開2008-140755(JP,A)
【文献】特開平11-025792(JP,A)
【文献】特開2001-155575(JP,A)
【文献】特開2006-318905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/00 - 13/88
A47J 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する板部材と、
柄部と、前記柄部の外周側に形成される爪部とを有する押圧ボタンと、
前記柄部が挿通される挿通口が形成される頭部を有し、前記押圧ボタンの内側に位置する弾性部材と、
前記押圧ボタンの押圧方向に位置するスイッチ素子と、
前記弾性部材の押圧ボタン配設側の反対側に配設される光源と、
筒部を有し、前記弾性部材を支持する支持部とを備え、
前記押圧ボタンは、前記板部材の開口内において前記開口の縁と離間して配置されており、
前記弾性部材は、前記押圧ボタンと前記光源との間に位置しており、少なくとも一部が透光性を有して
おり、
前記柄部は、前記挿通口に挿通された状態で前記爪部によって前記頭部に係止され、
前記押圧ボタンは、押圧された際、前記柄部が前記筒部によって案内されて、前記押圧方向に移動する、入力装置。
【請求項2】
前記弾性部材は、エラストマーから形成されており、一端側が前記押圧ボタンに接しており、他端側が前記支持部によって支持されている
請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記弾性部材は
、前記頭部から光源配設側に向かうに従って外方に広がる裾
部を有する
請求項1または2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記弾性部材は、長手方向を有し、
前記裾部は、前記長手方向の中央部分が切り欠かれている
請求項3に記載の入力装置。
【請求項5】
前記押圧ボタンを外側から見たとき、少なくとも一部が、前記開口の縁と前記押圧ボタンとの間の隙間に位置するように配置される導光部をさらに備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項6】
前記導光部は、少なくとも一部が前記開口の縁と前記押圧ボタンとの間の隙間に位置する、請求項5に記載の入力装置。
【請求項7】
前記弾性部材は、外方に向かって延びる延設部をさらに有し、
前記延設部は、
前記導光部を支持する
請求項5または6に記載の入力装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の入力装置を備える調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
過去に「ノブと、前記ノブとシャフトを介して連結されるスイッチユニットと、前記スイッチユニットを内蔵するとともに、前記シャフトが挿通する貫通部を有するケースと、前記貫通部に設けられ、前記シャフトに接触する弾性を有するパッキンと、前記ケース内に、前記貫通部と対向するように設けられる光源と、を備えた防水スイッチにおいて、前記パッキンは、透光性材料からなることを特徴とする防水スイッチ」が提案されている(例えば、特開2018-195411号公報等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような防水スイッチでは、ノブを押圧した場合、その押圧力はシャフトを介して直接スイッチユニットに伝達される。このため、ノブを押す際の感触が硬い印象があった。また、上述の防水スイッチでは、パッキンから透過してくる光がノブの周囲をぼんやりと照らし出すだけであって、デザインに気を使っていると言い難い。
【0005】
本発明の課題は、光を利用したデザインを施すことができるだけでなくボタンを押す際の感触が柔らかい入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る入力装置は、
開口を有する板部材と、
柄部と、前記柄部の外周側に形成される爪部とを有する押圧ボタンと、
前記柄部が挿通される挿通口が形成される頭部を有し、前記押圧ボタンの内側に位置する弾性部材と、
前記押圧ボタンの押圧方向に位置するスイッチ素子と、
前記弾性部材の押圧ボタン配設側の反対側に配設される光源と、
筒部を有し、前記弾性部材を支持する支持部とを備え、
前記押圧ボタンは、前記板部材の開口内において前記開口の縁と離間して配置されており、
前記弾性部材は、前記押圧ボタンと前記光源との間に位置しており、少なくとも一部が透光性を有しており、
前記柄部は、前記挿通口に挿通された状態で前記爪部によって前記頭部に係止され、
前記押圧ボタンは、押圧された際、前記柄部が前記筒部によって案内されて、前記押圧方向に移動する。
【0007】
上記構成によれば、押圧ボタンとスイッチ素子との間に弾性部材が介在している。このため、押圧ボタンを押す際の感触を柔らかくすることができる。また、上記構成によれば、押圧ボタンが板部材の開口内において開口の縁と離間して配置されており、弾性部材の少なくとも一部が透光性を有している。このため、押圧ボタンと開口の縁との間に生じる隙間に光を導くことができ、延いては隙間の形状をデザインすることによって光を利用したデザインを施すことができる。以上の通りであるから、この入力装置では、押圧ボタンに対して光を利用したデザインを施すことができるだけでなく押圧ボタンを押す際の感触が柔らかくすることができる。
【0008】
本発明では、
前記弾性部材は、エラストマーから形成されており、一端側が前記押圧ボタンに接しており、他端側が前記支持部によって支持されていると好適である。
【0009】
上記構成によれば、押圧ボタンの押し始めから押圧ボタンを押す際の感触を柔らかくすることができる。
【0010】
本発明では、
前記弾性部材は、前記頭部から光源配設側に向かうに従って外方に広がる裾部を有すると好適である。
【0011】
上記構成によれば、使用者が押圧ボタンを比較的深くまで押し込むことができると共に、押圧ボタンの押圧箇所による押し感の差を小さくすることができる。
【0012】
本発明では、
前記弾性部材は、長手方向を有し、
前記裾部は、前記長手方向の中央部分が切り欠かれていると好適である。
【0013】
上記構成によれば、押圧ボタンを押し込んだ際に弾性部材の裾部がよじれたりして押圧ボタンをそれ以上押し込みにくくなるおそれを低減することができる。押圧ボタンの長手方向中央部が押圧された際に、弾性部材の中央部位に対する左右の部位の干渉が起こらず、使用者が押圧ボタンの左右の部位が押圧された場合と同様の感触を得ることができると共に、押圧解除時に弾性部材が容易に元の形状に戻ることができる。
【0014】
本発明では、
押圧ボタンを外側から見たとき、少なくとも一部が、前記開口の縁と前記押圧ボタンとの間の隙間に位置するように配置される導光部をさらに備えると好適である。
【0015】
上記構成によれば、押圧ボタンの視野性が向上する。
【0016】
本発明では、
前記導光部は、少なくとも一部が前記開口の縁と前記押圧ボタンとの間の隙間に位置すると好適である。
【0017】
上記構成によれば、押圧ボタンの視野性が向上するのみならず、導光部を押圧ボタンの案内部材として利用することができ、押圧ボタンの移動をスムーズにすることができる。
【0018】
本発明では、
前記弾性部材は、外方に向かって延びる延設部をさらに有し、
前記延設部は、前記導光部を支持すると好適である。
【0019】
上記構成によれば、導光部を板部材に対して弾性部材で押し付けることによって導光部を堅固に固定することができる。
【0020】
また、本発明に係る調理器は、上述の入力装置を備えると好適である。
【0021】
上記構成によれば、調理器の入力装置に対して、光を利用したデザインを施すことができるだけでなく押圧ボタンを押す際の感触を柔らかくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施の形態に係る炊飯器の外観斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る炊飯器の平面図である。
【
図4】
図2に示される蓋体の特定箇所のII-II断面図である。
【
図5】
図4の符号CPで示される領域の拡大図である。
【
図6】
図4の符号CLで示される領域の拡大図である。
【
図7】本発明の実施の形態に係る炊飯器を構成する入力装置の分解斜視図である。
【
図8】本発明の実施の形態に係る炊飯器を構成する入力装置を構成する載置台の斜視図である。
【
図9】本発明の実施の形態に係る炊飯器を構成する入力装置の弾性部材の上方斜視図である。
【
図10】本発明の実施の形態に係る炊飯器を構成する入力装置の弾性部材の平面図である。
【
図11】本発明の実施の形態に係る炊飯器を構成する入力装置の弾性部材の下方斜視図である。
【
図12】本発明の実施の形態に係る炊飯器を構成する入力装置の中央押圧ボタンの正面図である。
【
図13】本発明の実施の形態に係る炊飯器を構成する入力装置の中央押圧ボタンの平面図である。
【
図14】本発明の実施の形態に係る炊飯器を構成する入力装置の中央押圧ボタンの下面図である。
【
図17】本発明の実施の形態に係る炊飯器を構成する入力装置の左側押圧ボタンの正面図である。
【
図18】本発明の実施の形態に係る炊飯器を構成する入力装置の左側押圧ボタンの平面図である。
【
図19】本発明の実施の形態に係る炊飯器を構成する入力装置の左側押圧ボタンの下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<本発明の実施の形態に係る炊飯器の構造>
本発明の実施の形態に係る炊飯器100は、誘導加熱式の圧力炊飯器であって、
図1~
図3に示されるように、主に、本体110、内鍋130、鍋蓋135、蓋体140およびヒンジ部品150から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0024】
1.本体
本体110は、
図1~
図3に示されるように、主に、筐体111、誘導加熱コイル112、断熱材(図示せず)、支持台113、フェライトコア(図示せず)、センターセンサ114、保温ヒータ115、送風ファンユニット116、電源回路基板117、自動巻取式電源コードユニット118およびレバー機構119から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0025】
(1)筐体
筐体111は、
図1~
図3に示されるように、主に、収容体111a、肩部材111cおよび保護枠111dから構成されており、断熱材(図示せず)、支持台113、フェライトコア(図示せず)、誘導加熱コイル112、センターセンサ114、保温ヒータ115、送風ファンユニット116、電源回路基板117、自動巻取式電源コードユニット118およびレバー機構119等を収容している。以下、筐体111の各構成要素について詳述する。
【0026】
収容体111aは、
図1~
図3に示されるように、主に、側壁部111xおよび底壁部111yから形成されている。側壁部111xは、平面視において略角丸長方形を呈する角筒状の囲い壁部位である。底壁部111yは、底面視において略角丸長方形の角皿状部位であって、
図3に示されるように側壁部111xの下側に形成されている。そして、
図3に示されるように、底壁部111yの後側には、筐体111の外部の空気を内部に吸い込むための吸気口SOが形成されており、底壁部111yの前側には、筐体111の内部の空気を外部に排出するための排気口(図示せず)が形成されている。なお、
図3に示されるように、吸気口SOの上方には、送風ファンユニット116が配設されている。この送風ファンユニット116が駆動されると、外部の空気が吸気口SOを通って筐体111の内部に吸い込まれ、それによって生じる空気流れにより内部の加熱空気が排気口から系外に排出される。また、この底壁部111yには、
図3に示されるように受皿部RDが形成されている。この受皿部RDは、
図3に示されるように、奥行方向および幅方向の中心付近において、下方に膨らんでいる(凹んでいる/窪んでいる)。
図3に示されるように、この受皿部RDには、複数の排液口EPが形成されている。
【0027】
肩部材111cは、平面視において略角丸長方形状を呈する枠体であって、
図3に示されるように収容体111aの側壁部111xの上側に嵌合されており、収容体111aの上側の開口の縁部を覆っている。この肩部材111cには、内鍋130を挿通させるための略円形の開口が形成されている。また、この肩部材111cの前下側にはレバー機構119が配設されている。そして、
図3に示されるように、この肩部材111cの下側には、保護枠111dが取り付けられている。なお、
図3に示されるように、保護枠111dは保護枠フランジ部FP(後述)で肩部材111cに取り付けられている。
【0028】
保護枠111dは、内鍋130の外周を保護すると共に肩部材111cの形状を保つ役目を担う部材であって、
図3に示されるように、主に、内鍋収容部PAおよび保護枠フランジ部FPから形成されている。内鍋収容部PAは、内鍋130の外周を覆う椀状の部位である。なお、この内鍋収容部PAの底壁部中央には開口が形成されており、この開口からセンターセンサ114の先端部が突出している。保護枠フランジ部FPは、上述の通り、肩部材111cの下側に位置しており、肩部材111cを外側に向かって張ることにより肩部材111cの形状を維持している。また、
図3に示されるように、この保護枠フランジ部FPの後側には、ヒンジ部品150の基部材151が締結されている(ヒンジ部品150については後に詳述する。)。
【0029】
(2)誘導加熱コイル
誘導加熱コイル112は、内鍋130を誘導加熱するためのものであって、
図3に示されるように、支持台113の底部の下面および側部下側の外周面に取り付けられている。
【0030】
(3)断熱材
断熱材は、保護枠111dの内鍋収容部PAの外周および誘導加熱コイル112の外周に巻き付けられており、炊飯時において内鍋130から生じる熱が内鍋収容部PAの外側に流出するのを抑制する役割を担っている。
【0031】
(4)支持台
支持台113は、誘導加熱コイル112、センターセンサ―114およびフェライトコアを保持する。また、この支持台113には、センターセンサ―114と保護枠111dの開口との間から侵入してくる水等の液体を排液するための排液路が形成されている。
【0032】
(5)フェライトコア
フェライトコアは、誘導加熱コイル112への通電時に生じる磁束を外部に出さないようにするための部材であって、上述の通り、支持台113に保持されている。
【0033】
(6)センターセンサ
センターセンサ114は、内鍋130の底部の温度を検知すると共に内鍋130の有無を検知するためセンサであって、支持台113により上下移動自在に支持されており、コイルバネによって上方に向かって付勢されている。
【0034】
(7)保温ヒータ
保温ヒータ115は、炊飯後の炊きあがったご飯を保温するためのヒータであって、
図3に示されるように肩部材111cの内部に配設されている。
【0035】
(8)送風ファンユニット
送風ファンユニット116は、軸流ファンおよびヒートシンク等から構成されるものであって、上述の通り、筐体111の収容体111aの底壁部111yの吸気口SOの上方に、ファンの回転軸が略上下方向に沿うようにして配設されている(
図3参照)。すなわち、この送風ファンユニット116中の送付ファンが駆動されると、外部の空気が吸気口SOから吸い込まれて筐体111内に流入し、そのまま上方に向かって送られる。上方に向かって送られた外部の空気は、ヒートシンクを通って電源回路基板117などに供給されて、それらの部材等を冷却する。
【0036】
(9)電源回路基板
電源回路基板117は、電源回路を構成する基板であって、AC電源、インバータ、スイッチング電源、いくつかの発熱部品を実装している。なお、この電源回路基板117は、
図3に示されるように筐体111の後側空間SRに収容されている。そして、この電源回路基板117は、蓋体140に収容される制御回路基板148に通信接続されている。
【0037】
(10)自動巻取式電源コードユニット
自動巻取式電源コードユニット118は、電源コードおよび自動巻取機構(図示せず)等から構成されており、
図3に示されるように筐体111の後側の空間に収容されている。電源コードは、差込プラグPG(
図1および2参照)および電気線(図示せず)から構成されている。差込プラグPGは、電気線の先端に配設されている。電気線は、伸展自在に自動巻取機構に巻回されている。
【0038】
(11)レバー機構
レバー機構119は、蓋体140の開閉を司る機構であって、主として、開レバー119a、ストッパー(図示せず)およびバネ部材(図示せず)等から構成されており、上述の通り、肩部材111cの前下側に配設されている(
図3参照)。
【0039】
開レバー119aは、蓋体140を開くための揺動型のレバーであって、
図1~
図3に示されるように筐体111の収容体111aの前側上端において前方に突出するように配設されている。そして、この開レバー119aは、バネ部材を介してストッパーに押圧力を付与する。開レバー119aから押圧力を付与されたストッパーは、その回動軸を基点として回動する。使用者が開レバー119aを下方へ回動させると、本体110に対する蓋体140の係止が解除され、蓋体140が開く。
【0040】
ストッパーは、主に、回動軸、係止部および押圧力受け部から構成されており、本体110の収容体111aに回動(揺動)可能に設けられている。係止部は、先端部分が屈曲した形状を有しており、ストッパーの上端側に設けられている。そして、この係止部は、蓋体140が閉じられる際、蓋体140の爪部材の爪部を係止する。
【0041】
2.内鍋
内鍋130は、上方に開口する椀状の鍋であって、肩部材111cの開口に挿通されると共に、保護枠111dの内鍋収容部PAに所定の隙間をもって収容される。なお、ここで、内鍋130は、種々のアルミニウム合金およびステンレス合金の多層体(クラッド材)であって、誘導加熱コイル112によって誘導加熱され得る。
【0042】
3.鍋蓋
鍋蓋135は、
図3に示されるように内鍋130の蓋であって、少量のお米を炊く際に必要とされるものである。
【0043】
4.蓋体
蓋体140は、
図1~
図3に示されるように、主に、蓋基板141、爪部材(図示せず)、外装体142、入力装置143、情報表示パネルDI、圧力調整装置144、断電時圧力開放弁(図示せず)、蒸気処理ユニット147、制御回路基板148および内蓋146から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0044】
(1)蓋基板
蓋基板141は、制御回路基板148、圧力調整装置144および断電時圧力開放弁のソレノイド等の部品・部材を支持するものである。この蓋基板141の側面側の部位には補強構造が構築されている。また、
図3に示されるように、この蓋基板141の後端にはヒンジ部品150の可動部材152が締結されている(ヒンジ部品150については後に詳述する。)。そして、このヒンジ部品150により、本体110に対して蓋体140が開閉可能となっている。なお、このヒンジ部品150では、ねじりバネ153によって蓋体140が開方向に向かって付勢されている。また、この蓋基板141の下面には、着脱自在に内蓋146が配設されている。
【0045】
また、この蓋基板141には、受け部(図示せず)が形成されている。この受け部は、内蓋146に配設されている弁組立体を受け入れる部位である。そして、蓋基板141に対して内蓋146が装着されると、この受け部は、弁組立体(後述)の弁箱部を覆う。
【0046】
(2)爪部材
爪部材は、一対の爪部を有する金属製部材であって、蓋基板141の前側に配設されている。なお、蓋体140を閉じる際、この爪部材の爪部は、本体110のレバー機構119によって係止される。
【0047】
(3)外装体
外装体142は、
図1~
図3に示されるように、略直方体状のカバー部材であって、蓋基板141の上側を覆っている。
図3に示されるように、この外装体142の後端部には、従前の切欠きは形成されておらず、その下端縁は滑らかな直線とされている。また、
図7に示されるように、この外装体142には、情報表示パネルDIを露出させるための開口DO、入力装置143の中央押圧ボタンBc(後述)を露出させるための開口POc、入力装置143の左側押圧ボタンBl(後述)を露出させるための開口POl、入力装置143の右側押圧ボタンBr(後述)を露出させるための開口POrおよび蒸気口BOが形成されている。
【0048】
(4)入力装置
入力装置143は、
図4~
図7に示されるように、主に、載置台143A、弾性部材143B、中央押圧ボタンBc、左側押圧ボタンBl、右側押圧ボタンBr、中央導光リングRc、左側導光リングRl、右側導光リングRr、中央環状パッキンKc、左側環状パッキンKl、右側環状パッキンKrおよび制御回路基板148の一部から構成されている。以下、これらの構成について詳述する。なお、制御回路基板148については別欄にて説明を行う。
【0049】
(4-1)載置台
載置台143Aは、
図4および
図8に示されるように、主に、中央台部Mc、左台部Ml、右台部Mr、左側連結部Cl、右側連結部Crおよび複数の締結部Ffから形成されている。以下、これらの部位について詳述する。
【0050】
(a)中央台部
中央台部Mcは、
図4および
図8に示されるように、載置台143Aの長手方向中央に位置しており、左側連結部Clを介して左台部Mlに連結されていると共に、右側連結部Crを介して右台部Mrに連結されている。そして、この中央台部Mcは、
図5および
図8に示されるように、主に、中央載置部Sc、中央案内筒部Gcおよび中央橋梁部Jcから形成されている。
【0051】
中央載置部Scは、
図5に示されるように弾性部材143Bの中央弾性部Ecの裾部STcおよび中央弾性部Ecの翼部WGcの中間部位WMcおよび外周部位WOcを載置するための部位であって、
図5および
図8に示されるように円筒壁部Qc、下段円環壁部Dcおよび上段円環壁部Ucから形成されている。円筒壁部Qcは、文字通り略円筒形状を呈する部位であって、
図5に示されるように中央弾性部Ecの平面位置を規定している。下段円環壁部Dcは、円環状を呈する部位であって、
図5に示されるように円筒壁部Qcの下端部から内側に向かって延びている。なお、
図5に示されるように、この下段円環壁部Dcの上には、弾性部材143Bの中央弾性部Ecの裾部STcが載置される。上段円環壁部Ucは、円環状を呈する部位であって、
図5に示されるように円筒壁部Qcの上端部から外側に向かって延びている。なお、
図5に示されるように、この上段円環壁部Ucの上には、弾性部材143Bの中央弾性部Ecの翼部WGcの中間部位WMcおよび外周部位WOcが載置される。
【0052】
中央案内筒部Gcは、中央押圧ボタンBcの柄部BZcを案内する略円筒形の部位であって、
図5に示されるように、その筒軸が中央載置部Scの円筒壁部Qcの筒軸と重なるようにして配置されている。
【0053】
中央橋梁部Jcは、
図5および
図8に示されるように中央案内筒部Gcの下端部から下段円環壁部Dcまで放射状に延びており、中央案内筒部Gcを中央載置部Scに接合して支持している。
【0054】
(b)左台部
左台部Mlは、
図4および
図8に示されるように、載置台143Aの長手方向左側に位置しており、左側連結部Clを介して中央台部Mcに連結されている。そして、この左台部Mlは、
図6に示されるように、主に、左側載置部Sl、左側案内筒部Glおよび左側橋梁部Jlから形成されている。
【0055】
左側載置部Slは、
図6示されるように弾性部材143Bの左側弾性部Elの裾部STlおよび左側弾性部Elの翼部WGlの中間部位WMlおよび外周部位WOlを載置するための部位であって、
図6に示されるように長円筒壁部Ql、下段長円環壁部Dlおよび上段長円環壁部Ulから形成されている。長円筒壁部Qlは、文字通り略長円筒形状を呈する部位であって、
図6に示されるように左側弾性部Elの平面位置を規定している。下段長円環壁部Dlは、長円環状を呈する部位であって、
図6に示されるように長円筒壁部Qlの下端部から内側に向かって延びている。なお、
図6に示されるように、この下段長円環壁部Dlの上には、弾性部材143Bの左側弾性部Elの裾部STlが載置される。上段長円環壁部Ulは、長円環状を呈する部位であって、
図6に示されるように長円筒壁部Qlの上端部から外側に向かって延びている。なお、
図6に示されるように、この上段長円環壁部Ulの上には、弾性部材143Bの左側弾性部Elの翼部WGlの中間部位WMlおよび外周部位WOlが載置される。
【0056】
左側案内筒部Glは、左側押圧ボタンBlの柄部BZlを案内する略円筒形の部位であって、
図6に示されるように、その筒軸が左側載置部Slの長円筒壁部Qlの筒軸と重なるようにして配置されている。
【0057】
左側橋梁部Jlは、
図6および
図8に示されるように左側案内筒部Glの下端部から下段長円環壁部Dlまで放射状に延びており、左側案内筒部Glを左側載置部Slに接合して支持している。
【0058】
(c)右台部
右台部Mrは、中央台部Mcを挟んで左台部Mlと線対称の関係にある。このため、右台部Mrについては、左台部Mlの説明で用いた符号の添え字「l」を「r」に置き換えた符号を図中に付してその説明を省略する。
【0059】
(d)左側連結部
左側連結部Clは、
図5、
図6および
図8に示されるように中央台部Mcと左台部Mlとを連結している。これによって、中央押圧ボタンBcと左側押圧ボタンBlとの位置関係が規定されている。
【0060】
(e)右側連結部
右側連結部Crは、中央台部Mcを挟んで左側連結部Clと線対称の関係にある。このため、右側連結部Crについての説明は省略する。
【0061】
(f)締結部
締結部Ffは、載置台143Aを外装体142に締結するための部位であって載置台143Aに複数形成されている。これらの締結部Ffにはビス孔(図示せず)が形成されており、このビス孔を介してビスが外装体142の締結部に螺入されることによって載置台143Aが外装体142に締結されることになる。
【0062】
(4-2)弾性部材
弾性部材143Bは、シリコーンゴム等の透明または半透明のエラストマー(すなわち透光性を有するエラストマー)から形成されており、
図4および
図9~
図11に示されるように、主に、中央弾性部Ec、左側弾性部El、右側弾性部Er、左側連結部Llおよび右側連結部Lrから形成されている。以下、これらの部位について詳述する。
【0063】
(a)中央弾性部
中央弾性部Ecは、
図5および
図9~
図11に示されるように、主に、頭部HDc、裾部STcおよび翼部WGcから形成されている。以下、これらの部位について詳述する。
【0064】
頭部HDcは、
図5および
図9~
図11に示されるように有蓋円筒形状を呈する部位であって、上壁部HWcおよび円筒部HCcから形成されている。上壁部HWcは、
図5および
図10に示されるように比較的に肉厚の円盤状の部位である。そして、
図10に示されるように、この上壁部HWcには、平面視において長方形状を呈する開口Acが形成されている。なお、この開口Acは、
図10に示されるように平面視において弾性部材143Bの長手方向と直交する方向に沿って延びている。そして、
図5に示されるように、この開口Acには中央押圧ボタンBcの柄部BZcが挿通される。なお、
図5に示されるように、この開口Acに挿通された柄部BZcは、自身の爪部BNc(
図12および
図14参照)によって中央弾性部Ecの頭部HDcに係止される。円筒部HCcは、
図5に示されるように上壁部HWcの外縁から下方に向かって延びている。
【0065】
裾部STcは、
図5、
図9および
図11に示されるように比較的薄肉の部位であって、頭部HDcの円筒部HCcの下端から下方に向かって延びている。なお、この裾部STcは、
図5および
図11に示されるように略切頭円錐筒形状を呈しており、下方に向かうに従って外方に広がっている。また、この裾部STcの肉厚は0.5mm程度である。
【0066】
翼部WGcは、
図5および
図9~
図11に示されるように、主に、内周部位WIc、中間部位WMcおよび外周部位WOcから形成される略円環状の部位であって、頭部HDcの円筒部HCcの下端付近から水平面に沿って外方に向かって延びている。内周部位WIcは、
図5に示されるように比較的薄肉の略円環状の部位であって、頭部HDcの円筒部HCcの下端から水平面に沿って外方に向かって延びている。中間部位WMcは、
図5に示されるように内周部位WIcよりも肉厚の略円環状の部位であって、内周部位WIcの外周縁から水平方向に向かって延びている。外周部位WOcは、
図5に示されるように中間部位WMcよりも肉薄であるが内周部位WIcよりも肉厚の略円環状の部位であって、中間部位WMcの外周縁から水平面に沿って外方に向かって延びている。
【0067】
(b)左側弾性部
左側弾性部Elは、
図6および
図9~
図11に示されるように、主に、頭部HDl、裾部STlおよび翼部WGlから形成されている。以下、これらの部位について詳述する。
【0068】
頭部HDlは、
図6および
図9~
図11に示されるように有蓋長円筒形状を呈する部位であって、上壁部HWlおよび長円筒部HClから形成されている。上壁部HWlは、
図6および
図10に示されるように比較的に肉厚の円盤状の部位である。そして、
図10に示されるように、この上壁部HWlには、平面視において長方形状を呈する開口Alが形成されている。なお、この開口Alは、
図10に示されるように平面視において弾性部材143Bの長手方向と平行な方向に沿って延びている。そして、
図6に示されるように、この開口Alには左側押圧ボタンBlの柄部BZlが挿通される。なお、この開口Alに挿通された柄部BZlは、自身の爪部BNl(
図17および
図19参照)によって左側弾性部Elの頭部HDlに係止される。長円筒部HClは、
図6に示されるように上壁部HWlの外縁から下方に向かって延びている。
【0069】
裾部STlは、
図6、
図9および
図11に示されるように比較的薄肉の部位であって、頭部HDlの長円筒部HClの下端から下方に向かって延びている。なお、この裾部STlは、
図6および
図11に示されるように略切頭長円錐筒形状を呈しており、下方に向かうに従って外方に広がっている。なお、
図9および
図11に示されるように、この裾部STlの長手方向中央部は切り欠かれている。また、この裾部STlの肉厚は0.5mm程度である。
【0070】
翼部WGlは、
図6および
図9~
図11に示されるように、主に、内周部位WIl、中間部位WMlおよび外周部位WOlから形成される略長円環状の部位であって、頭部HDlの長円筒部HClの下端付近から水平面に沿って外方に向かって延びている。内周部位WIlは、
図6に示されるように比較的薄肉の略長円環状の部位であって、頭部HDlの長円筒部HClの下端から水平面に沿って外方に向かって延びている。中間部位WMlは、
図6に示されるように内周部位WIlよりも肉厚の略長円環状の部位であって、内周部位WIlの外周縁から水平方向に向かって延びている。外周部位WOlは、
図6に示されるように中間部位WMlよりも肉薄であるが内周部位WIlよりも肉厚の略長円環状の部位であって、中間部位WMlの外周縁から水平面に沿って外方に向かって延びている。
【0071】
(c)右側弾性部
右側弾性部Erは、中央弾性部Ecを挟んで左側弾性部Elと線対称の関係にある。このため、右側弾性部Erについては、左側弾性部Elで用いた符号の添え字「l」を「r」に置き換えた符号を図中に付してその説明を省略する。
【0072】
(d)左側連結部
左側連結部Llは、
図9~
図11に示されるように中央弾性部Ecと左側弾性部Elとを連結している。
【0073】
(e)右側連結部
右側連結部Lrは、中央弾性部Ecを挟んで左側連結部Llと線対称の関係にある。このため、右側連結部Lrについての説明は省略する。
【0074】
(4-3)中央押圧ボタン
中央押圧ボタンBcは、炊飯運転開始用の押圧ボタンであって、
図12~
図16に示されるように、主に、本体BMcおよびカバーBCcから構成されている。なお、この中央押圧ボタンBcは、
図1~
図4および
図7等に示されるように、カバーBCcの上面が外装体142の開口POcを介して外側に露出するように配設されている。以下、これらの部材について詳述する。
【0075】
(a)本体
本体BMcは、
図12、
図14~
図16に示されるように、主に、天壁部BVc、側壁部BXc、翼部BYc、一対の位置決めリブBRc、柄部BZcおよび一対の爪部BNcから形成されている。
【0076】
天壁部BVcは、
図14~
図16に示されるように略円盤形状を呈する壁部であって、位置決めリブBRcの配設方向において僅かに傾斜している。なお、この中央押圧ボタンBcが蓋体140に組み込まれた際、蓋体140の正面側に低位側が位置し、蓋体140の背面側に高位側が位置する。また、
図14および
図15に示されるように、この天壁部BVcには、一対の開口BOcが形成されている。
図14および
図15に示されるように、これらの開口BOcは、略方形状を呈しており、柄部BZcを挟んで互いに対向している。
【0077】
側壁部BXcは、
図15および
図16に示されるように略円筒形状を呈する壁部であって、天壁部BVcの外縁から下方に向かって延びている。
【0078】
翼部BYcは、
図12~
図16に示されるように略円環状を呈する部位であって、側壁部BXcの下端から外方に向かって延びている。なお、この翼部BYcは、
図5に示されるように、その外径が中央導光リングRcの内径よりも大きくなるように設計されている。すなわち、この翼部BYcは、中央押圧ボタンBcが上方に抜けないように中央押圧ボタンBcを中央導光リングRcに係止させている。
【0079】
位置決めリブBRcは、弾性部材143Bの中央弾性部Ecの開口Acへの取付方向を規定するものであって、
図14および
図16に示されるように天壁部BVcの下面から下方に向かって延びている。
図14に示されるように、これらの位置決めリブBRcは、柄部BZcを挟んで互いに対向している。また、下面視において、位置決めリブBRcの配列方向は、開口BOcの配列方向と直交している。
【0080】
柄部BZcは、
図14および
図15に示されるように有底の円筒形状を呈する部位であって、天壁部BVcの下面の中心部から下方に向かって延びている。
【0081】
爪部BNcは、
図14および
図15に示されるように柄部BZcの下部に形成されている。この爪部BNcは、
図15に示されるように柄部BZcの下側から上側に向かうに従って外方に向かって傾斜している。また、
図14に示されるように、下面視において、爪部BNcの配列方向は、開口BOcの配列方向と同一方向であり、位置決めリブBRcの配列方向と直交している。
【0082】
(b)カバー
カバーBCcは、アルミニウム等の金属カバーであって、
図12および
図16に示されるように、本体BMcの天壁部BVcの上側を覆っている。なお、
図12および
図13に示されるように、このカバーBCcの上面側には、その中心部に半球状の突起部BPcが形成されている。また、このカバーBCcは、両面テープや、接着剤、粘着剤等によって本体BMcの天壁部BVcの上面に取り付けられている。
【0083】
(4-4)左側押圧ボタン
左側押圧ボタンBlは、予約設定用の押圧ボタンであって、
図17~
図21に示されるように、主に、本体BMlおよびカバーBClから構成されている。なお、この左側押圧ボタンBlは、
図1~
図4および
図7等に示されるように、カバーBClの上面が外装体142の開口POlを介して外側に露出するように配設されている。以下、これらの部材について詳述する。
【0084】
(a)本体
本体BMlは、
図17、
図19~
図21に示されるように、主に、天壁部BVl、側壁部BXl、翼部BYl、一対の位置決めリブBRl、柄部BZlおよび一対の爪部BNlから形成されている。
【0085】
天壁部BVlは、
図19~
図21に示されるように略長円盤形状を呈する壁部であって、爪部BNlの配設方向において僅かに傾斜している。なお、この左側押圧ボタンBlが蓋体140に組み込まれた際、蓋体140の正面側に低位側が位置し、蓋体140の背面側に高位側が位置する。また、
図19および
図21に示されるように、この天壁部BVlには、一対の開口BOlが形成されている。
図19および
図21に示されるように、これらの開口BOlは、略方形状を呈しており、短手方向において柄部BZlを挟んで互いに対向している。
【0086】
側壁部BXlは、
図20および
図21に示されるように略長円筒形状を呈する壁部であって、天壁部BVlの外縁から下方に向かって延びている。
【0087】
翼部BYlは、
図17~
図21に示されるように略長円環状を呈する部位であって、側壁部BXlの下端から外方に向かって延びている。なお、この翼部BYlは、
図6に示されるように、左側導光リングRlよりも相似的に大きくなるように設計されている。すなわち、この翼部BYlは、左側押圧ボタンBlが上方に抜けないように左側押圧ボタンBlを左側導光リングRlに係止させている。
【0088】
位置決めリブBRlは、弾性部材143Bの左側弾性部Elの開口Alへの取付方向を規定するものであって、
図19および
図20に示されるように天壁部BVlの下面から下方に向かって延びている。
図19に示されるように、これらの位置決めリブBRlは、長手方向において柄部BZlを挟んで互いに対向している。また、下面視において、位置決めリブBRlの配列方向は、開口BOlの配列方向と直交している。
【0089】
柄部BZlは、
図19および
図21に示されるように、有底の円筒形状を呈する部位であって、天壁部BVlの下面の中央部から下方に向かって延びている。
【0090】
爪部BNlは、
図19および
図21に示されるように柄部BZlの下部に形成されている。この爪部BNlは、
図21に示されるように柄部BZlの下側から上側に向かうに従って外方に向かって傾斜している。また、
図19に示されるように、下面視において、爪部BNlの配列方向は、開口BOlの配列方向と同一方向(短手方向)であり、位置決めリブBRlの配列方向と直交している。
【0091】
(b)カバー
カバーBClは、アルミニウム等の金属カバーであって、
図17および
図21に示されるように、本体BMlの天壁部BVlの上側を覆っている。なお、
図17および
図18に示されるように、このカバーBClの上面側には、長手方向の中央部の下側に線状の突起部BPlが形成されている。また、このカバーBClは、両面テープや、接着剤、粘着剤等によって本体BMlの天壁部BVlの上面に取り付けられている。
【0092】
(4-5)右側押圧ボタン
右側押圧ボタンBrは、命令取消用の押圧ボタンであって、左側押圧ボタンBlと線対称の関係にある。このため、右側押圧ボタンBrについては、左側押圧ボタンBlの説明で用いた符号の添え字「l」を「r」に置き換えた符号を図中に付してその説明を省略する。
【0093】
(4-6)中央導光リング
中央導光リングRcは、
図7に示されるように略円環状を呈する部材であって、主に、本体部RMcおよび環状突起部RPcから形成されている。本体部RMcは、
図7に示されるように円環状を呈している。環状突起部RPcは、
図5および
図7に示されるように円環状を呈する部位であって、本体部RMcの上面の内縁部から上方に向かって延びている。そして、この中央導光リングRcは、
図5に示されるように、弾性部材143Bの中央弾性部Ecの翼部WGcの中間部位WMcによって本体部RMcが中央環状パッキンKcを介して外装体142の開口POcの縁部に押し付けられるようにして固定されている。また、ここで、環状突起部RPcは、外装体の開口POcの縁と中央押圧ボタンBcのカバーBCcとの間にできる隙間に入り込んでいる。すなわち、後述する発光ダイオードLSが発光すると、発光ダイオードLSから発せられる光が中央導光リングRcの環状突起部RPcを介して外に出る。これにより、中央押圧ボタンBcの周囲が光ることになる。また、上述の通り、この中央導光リングRcの下面の内縁部には、中央押圧ボタンBcの本体BMcの翼部BYcが係止されている(
図5参照)。
【0094】
(4-7)左側導光リング
左側導光リングRlは、
図7に示されるように略長円環状を呈する部材であって、主に、本体部RMlおよび環状突起部RPlから形成されている。本体部RMlは、
図7に示されるように長円環状を呈している。環状突起部RPlは、
図6および
図7に示されるように長円環状を呈する部位であって、本体部RMlの上面の内縁部から上方に向かって延びている。そして、この左側導光リングRlは、
図6に示されるように、弾性部材143Bの左側弾性部Elの翼部WGlの中間部位WMlによって本体部RMlが外装体142の開口POlの縁部に押し付けられるようにして固定されている。また、ここで、環状突起部RPlは、外装体の開口POlの縁と左側押圧ボタンBlのカバーBClとの間にできる隙間に入り込んでいる。すなわち、後述する発光ダイオードLSが発光すると、発光ダイオードLSから発せられる光が左側導光リングRlの環状突起部RPlを介して外に出る。これにより、左側押圧ボタンBlの周囲が光ることになる。また、上述の通り、この左側導光リングRlの下面の内縁部には、左側押圧ボタンBlの本体BMlの翼部BYlが係止されている(
図6参照)。
【0095】
(4-8)右側導光リング
右側導光リングRrは、左側導光リングRlと線対称の関係にある。このため、右側導光リングRrについては、左側導光リングRlの説明で用いた符号の添え字「l」を「r」に置き換えた符号を図中に付してその説明を省略する。
【0096】
(4-9)中央環状パッキン
中央環状パッキンKcは、
図7に示されるように円環状のパッキンであって、
図5に示されるように中央導光リングRcの本体部RMcの上面と外装体142の開口POcの縁部との間に配設されている。
【0097】
(4-10)左側環状パッキン
左側環状パッキンKlは、
図7に示されるように長円環状のパッキンであって、
図6に示されるように左側導光リングRlの本体部RMlの上面と外装体142の開口POlの縁部との間に配設されている。
【0098】
(4-11)右側環状パッキン
右側環状パッキンKrは、左側環状パッキンKlと同じものである。このため、右側環状パッキンKrについての説明は省略する。
【0099】
(5)情報表示パネル
情報表示パネルDIは、
図1~
図3に示されるように入力装置143の押圧ボタンBc,Bl,Brの直ぐ後ろに配設されている。この情報表示パネルDIには、炊飯メニュー情報、炊飯経過情報等の各種情報が表示される。
(6)圧力調整装置
圧力調整装置144は、蓋体140が閉状態とされて圧力炊飯運転されている状態において、内鍋130の内部の圧力を1.03~1.3気圧に調整するものである。
【0100】
(7)断電時圧力開放弁
断電時圧力開放弁は、ソレノイドによって動作する安全弁であって、蓋基板141の中央部において圧力調整装置144に近接配置されている。なお、この断電時圧力開放弁は、例えば、停電等やプラグ抜け等でソレノイドのコイルへの通電が遮断されると、開状態となって内鍋130の内部の圧力を開放する。
【0101】
(8)蒸気処理ユニット
蒸気処理ユニット147は、炊飯時に内鍋130から上昇してくる水蒸気をトラップして内鍋130に戻すものであって、
図3に示されるように蓋体140の後側に配設されている。
【0102】
(9)制御回路基板
制御回路基板148は、制御回路を構成する基板であって、マイクロコンピュータ、スイッチ素子Sw、発光ダイオードLS等の電子部品を実装しており、蓋体140の入力装置143、圧力調整装置144のステッピングモータ(図示せず)、断電時圧力開放弁のソレノイド等に通信接続されると共に、電源回路基板117を介して本体110の誘導加熱コイル112や、センターセンサ114、保温ヒータ115、送風ファンユニット116等に通信接続されている。
【0103】
なお、
図5および
図6に示されるように、スイッチ素子Swは、その上部が載置台143Aの中央台部Mcの中央案内筒部Gcの内側、および、左台部Mlの左側案内筒部Glの内側に入り込むように配設されている。また、図示しないが、右台部Mrの右側案内筒部Grの内側にもスイッチ素子Swの上部が入り込むようにスイッチ素子Swが配設されている。また、
図5に示されるように、発光ダイオードLSは、縦断面視において、載置台143Aの中央台部Mcの中央橋梁部Jcの下側に2つ配置されている。なお、図示しないが、平面視において、発光ダイオードLSは、生じた光が中央橋梁部Jcに遮られないように中央橋梁部Jcの間に配設されている。ところで、発光ダイオードLSから発せられた光は、弾性部材143Bの各弾性部Ec,El,Erを透過した後、各押圧ボタンBc,Bl,Brの本体BMc,BMl,BMrと各弾性部Ec,El,Erの中間部位WMc,WMl,WMrとの間に形成される導光路PTを通って各導光リングRc,Rl,Rrに達し、各導光リングRc,Rl,Rrの環状突起部RPc,RPl,RPrを通って外部に出る(
図5および
図6参照)。また、図示しないが、発光ダイオードLSは、載置台143Aの左台部Mlの左側橋梁部Jlの下側にも2つ配置されているし、右台部Mrの右側橋梁部Jrの下側にも2つ配置されている。なお、平面視におけるこれらの発光ダイオードLSの配置は、中央橋梁部Jcの下側に配設される発光ダイオードLSと配置と同様である。
【0104】
(10)内蓋
内蓋146は、
図3に示されるように内鍋130の上部を覆って密閉するための部材であって、蓋基板141の下側に着脱自在に取り付けられている。また、この内蓋146には、開口が形成されると共に、その開口に弁座部材(図示せず)が嵌め込まれている。弁座部材は、円筒形状を呈する部材であって、その上端部が弁座として機能する。また、弁座部材の開口は、圧力調整口として機能する。また、上述の通り、この内蓋146には、断電時圧力開放弁の弁組立体が配設されている。
【0105】
5.ヒンジ部品
ヒンジ部品150は、
図3に示されるように、主に、基部材151、可動部材152およびねじりバネ153から構成されている。以下、これらの構成部材について詳述する。基部材151は、保護枠111dの保護枠フランジ部FPの後側に締結される。可動部材152は、
図3に示されるように基部材151に対して回動可能に取り付けられている。ねじりバネ153は、可動部材152を開く方向に可動部材152を付勢している。
【0106】
<本発明の実施の形態に係る炊飯器における情報入力時の入力装置等の動作>
(1)中央押圧ボタン
炊飯器100の使用者によって中央押圧ボタンBcが押圧されると、中央押圧ボタンBcが中央弾性部Ecと共に下方に押し下げられる。なお、この際、中央弾性部Ecの裾部STcが潰れるように変形する。この結果、中央押圧ボタンBcの柄部BZcの下端が、制御回路基板148上のスイッチ素子Swを押す。すると、そのスイッチ素子Swは、マイクロコンピュータに入力検知信号を送る。
【0107】
また、中央押圧ボタンBcに対する押圧が解除されると、中央弾性部Ecの弾性力によって中央押圧ボタンBcが引き戻される。この結果、中央押圧ボタンBcの柄部BZcの下端がスイッチ素子Swから離間する。
【0108】
(2)左側押圧ボタン
左側押圧ボタンBlが押圧されたときに起きる動作および押圧解除後の動作は、中央押圧ボタンBcのそれらと同様である。このため、これらの動作に関する説明は省略する。なお、上述の通り、左側弾性部Elでは、裾部STlの長手方向中央部が切り欠かれている。このため、炊飯器100の使用者によって左側押圧ボタンBlの中央部位が押圧された場合であっても、左側弾性部Elの裾部STlの中央部位に対する左右部位の干渉が起こらず、炊飯器100の使用者が左側押圧ボタンBlの左右の部位が押圧された場合と同様の感触を得ることができると共に、押圧解除時に左側弾性部Elの裾部STlが容易に元の形状に戻ることができる。
【0109】
(3)右側押圧ボタン
上述の通り、右側押圧ボタンに関連する構造は、中央押圧ボタンを挟んで左側押圧ボタンに関連する構造と線対称の関係にある。このため、右側押圧ボタンによる情報入力時の入力装置等の動作については省略する。
【0110】
<本発明の実施の形態に係る炊飯器の特徴>
(1)
本発明の実施の形態に係る入力装置143では、押圧ボタンBc,Bl,Brとスイッチ素子Swとの間に弾性部Ec,El,Erが介在している。このため、押圧ボタンBc,Bl,Brを押す際の感触を柔らかくすることができるのみならず、押圧解除時に弾性部Ec,El,Erを利用して押圧ボタンBc,Bl,Brを元の位置に戻すことができる。
【0111】
(2)
本発明の実施の形態に係る入力装置143では、外装体142に形成される開口POc,POl,POrの縁と押圧ボタンBc,Bl,Brとの間に隙間が形成されており、その隙間に導光リングRc,Rl,Rrの環状突起部RPc,RPl,RPrが挿入されている。また、この入力装置143では、弾性部材143Bがシリコーンゴム等の透明または半透明のエラストマー(すなわち透光性を有するエラストマー)から形成されている。このため、発光ダイオードLSから生じる光を、開口POc,POl,POrの縁と押圧ボタンBc,Bl,Brとの間に導くことができ、延いてはその隙間および導光リングRc,Rl,Rrの環状突起部RPc,RPl,RPrの形状をデザインすることによって光を利用したデザインを施すことができる。また、導光リングRc,Rl,Rrによって押圧ボタンBc,Bl,Brの視野性を向上させることができる。また、導光リングRc,Rl,Rrを押圧ボタンBc,Bl,Brの案内部材として利用することができ、押圧ボタンBc,Bl,Brの移動をスムーズにすることができる。
【0112】
(3)
本発明の実施の形態に係る入力装置143では、押圧ボタンBc,Bl,Brが押圧されていない状態において押圧ボタンBc,Bl,Brの本体BMc,BMl,BMrの天壁部BVc,BVl,BVrの下面に弾性部Ec,El,Erの頭部HDc,HDl,HDrの上面が接触している。このため、この入力装置143では、押圧ボタンBc,Bl,Brの押し始めから押圧ボタンBc,Bl,Brを押す際の感触を柔らかくすることができる。
【0113】
(4)
本発明の実施の形態に係る入力装置143では、押圧ボタンBc,Bl,Brの裾部STc,STl,STrが頭部HDc,HDl,HDrよりも薄肉化されており、押圧ボタンBc,Bl,Brが押圧された際に裾部STc,STl,STrするようにされている。このため、炊飯器100の使用者は、押圧ボタンBc,Bl,Brを比較的深くまで押し込むことができると共に、押圧ボタンBc,Bl,Brの押圧箇所による押し感の差を小さくすることができる。
【0114】
(5)
本発明の実施の形態に係る入力装置143では、左側弾性部Elおよび右側弾性部Erの裾部STl,STrの長手方向中央部が切り欠かれている。このため、炊飯器100の使用者によって左側押圧ボタンBlの中央部位が押圧された場合であっても、左側弾性部Elの裾部STlの中央部位に対する左右部位の干渉が起こらず、炊飯器100の使用者が左側押圧ボタンBlの左右の部位が押圧された場合と同様の感触を得ることができると共に、押圧解除時に左側弾性部Elの裾部STlが容易に元の形状に戻ることができる。
【0115】
(6)
本発明の実施の形態に係る入力装置143では、外装体142の開口POc,POl,POrの縁部の下面と、導光リングRc,Rl,Rrの本体部RMc,RMl,RMrの上面との間に環状パッキンKc,Kl,Krが挟みこまれていると共に、弾性部Ec,El,Erの翼部WGc、WGl、WGrの中間部位WMc,WMl,WMrによって導光リングRc,Rl,Rrが上方向に押し付けられている。このため、この入力装置143では、導光リングRc,Rl,Rrを堅固に固定することができる
【0116】
(6)
本発明の実施の形態に係る入力装置143では、各弾性部Ec,El,Erに翼部WGc、WGl、WGrが形成されている。このため、この入力装置143では、外装体142に形成される開口POc,POl,POrの縁と押圧ボタンBc,Bl,Brとの間の隙間から水等の液体が浸入してきた場合にその液体が制御回路基板148にまで達することを防ぐことができる。
【0117】
(7)
本発明の実施の形態に係る入力装置143では、押圧ボタンBc,Bl,Brの本体BMc,BMl,BMrと、弾性部Ec,El,Erの翼部WGc、WGl、WGrの中間部位WMc,WMl,WMrとの間に導光路PTが形成されている。このため、この入力装置143では、発光ダイオードLSから生じた光を導光リングRc,Rl,Rrに導きやすくすることができる。
【0118】
<変形例>
(A)
先の実施の形態では本発明が炊飯器100に適用されたが、本発明は、他の調理器等雄の機器に適用されてもかまわない。
【0119】
(B)
先の実施の形態では中央押圧ボタンBcが円形とされ、左側押圧ボタンBlおよび右側押圧ボタンBrが長円形とされたが、押圧ボタンの形状や大きさ等は特に限定されず、任意に選択され得る。
【0120】
(C)
先の実施の形態では押圧ボタンBc,Bl,BrにカバーBCc,BCl,BCrが取り付けられていたが、カバーBCc,BCl,BCrは省略されてもかまわない。なお、かかる場合、防水等の観点から押圧ボタンBc,Bl,Brの本体BMc,BMl,BMrに形成される開口BOc,BOl,BOrを塞ぐのが望ましい。
【0121】
(D)
先の実施の形態では導光リングに環状突起部RPc,RPl,RPrが形成されていたが、環状突起部RPc,RPl,RPrは省かれてもよい。
【0122】
(E)
先の実施の形態では導光リングRc,Rl,Rrおよび環状パッキンKc,Kl,Krが用いられたが、導光リングRc,Rl,Rrおよび環状パッキンKc,Kl,Krは省かれてもよい。かかる場合、開口POc,POl,POrの縁部を、押圧ボタンBc,Bl,Brの本体BMc,BMl,BMrの翼部BYc,BYl,BYrの位置まで延ばすことが望ましい(
図5および
図6参照)。
【0123】
(F)
先の実施の形態では押圧ボタンBc,Bl,Brが押圧されていない状態において押圧ボタンBc,Bl,Brの本体BMc,BMl,BMrの天壁部BVc,BVl,BVrの下面に弾性部Ec,El,Erの頭部HDc,HDl,HDrの上面が接触していたが、本発明の主旨を損なわない範囲で、押圧ボタンBc,Bl,Brが押圧されていない状態において押圧ボタンBc,Bl,Brの本体BMc,BMl,BMrの天壁部BVc,BVl,BVrの下面と弾性部Ec,El,Erの頭部HDc,HDl,HDrの上面との間に隙間が生じていてもよい。
【0124】
(G)
先の実施の形態では各押圧ボタンBc,Bl,Brにつき2つの発光ダイオードLSが配置されていたが、発光ダイオードの配置数量は特に限定されず任意に選択されてよい。
【0125】
(H)
先の実施の形態では特に言及されなかったが、発光ダイオードの色は特に限定されず任意に選択されてよい。
【0126】
(I)
先の実施の形態では特に言及されなかったが、押圧ボタンBc,Bl,Brの本体BMc,BMl,BMrを透明または半透明にし、カバーBCc,BCl,BCrの一部を切り欠いてデザインを施してもよい。
【0127】
(J)
先の実施の形態では特に言及されなかったが、中央押圧ボタンBcに対応する中央弾性部Ecの裾部STcが一部切り欠かかれていてもよい。
【0128】
(K)
先の実施の形態では中央弾性部Ec、左側弾性部Elおよび右側弾性部Erが連結部Ll,Lrで連結されていたが、これらの部位は連結されず独立に存在していてもかまわない。
【0129】
(L)
先の実施の形態では特に言及されなかったが、各押圧ボタンBc,Bl,Brがコイルバネによって上方に付勢されていてもよい。
【0130】
上記変形例は、単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
【符号の説明】
【0131】
100 炊飯器(調理器)
142 外装体(板部材)
143 入力装置
143A 載置台
143B 弾性部材
Bc 中央押圧ボタン(押圧ボタン)
Bl 左側押圧ボタン(押圧ボタン)
Br 右側押圧ボタン(押圧ボタン)
HDc,HDl,HDr 頭部
LS 発光ダイオード(光源)
POc,POl,POr 開口
Rc 中央導光リング(導光部)
Rl 左側導光リング(導光部)
Rr 右側導光リング(導光部)
STc,STl,STr 裾部
Sw スイッチ素子
WGc,WGl,WGr 翼部(延設部)