(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】ふろシステム、サーバ、ふろ機能装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 12/28 20060101AFI20240821BHJP
F24H 1/00 20220101ALI20240821BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20240821BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
H04L12/28 500A
F24H1/00
H04M11/00 301
H04Q9/00 301D
(21)【出願番号】P 2020176253
(22)【出願日】2020-10-20
【審査請求日】2023-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】加藤 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】辰村 俊也
(72)【発明者】
【氏名】小椋 朗広
(72)【発明者】
【氏名】福田 智也
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-017162(JP,A)
【文献】特開2019-174092(JP,A)
【文献】特開2015-056031(JP,A)
【文献】国際公開第2018/198958(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/28
F24H 1/00
H04M 11/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部通信網を介して携帯端末装置と通信可能なサーバと、前記外部通信網を介して前記サーバと通信可能なふろ機能装置と、を備えるふろシステムにおいて、
浴槽に対する人の入退浴を検知する入退浴検知部と、
入浴時間を監視するための設定時間を前記携帯端末装置ごとに記憶する設定時間データベースと、
前記入浴時間と前記各設定時間とを比較し、前記入浴時間が到達した前記設定時間に対応付けられている前記携帯端末装置に通知を行う入浴時間監視部と、を備える、
ことを特徴とするふろシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のふろシステムにおいて、
前記携帯端末装置から前記設定時間に関する設定時間通知を受信したことに基づき、前記設定時間データベースにおいて前記設定時間通知の送信元の前記携帯端末装置に対応付けられる前記設定時間を、前記設定時間通知の前記設定時間に更新する設定時間更新部を備える、
ことを特徴とするふろシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のふろシステムにおいて、
前記入退浴検知部は、前記ふろ機能装置に配置され、
前記設定時間データベースおよび前記入浴時間監視部は、前記サーバに配置されている、
ことを特徴とするふろシステム。
【請求項4】
請求項2に記載のふろシステムにおいて、
前記入退浴検知部は、前記ふろ機能装置に配置され、
前記設定時間データベース、前記入浴時間監視部および設定時間更新部は、前記サーバに配置されている、
ことを特徴とするふろシステム。
【請求項5】
請求項1または2に記載のふろシステムにおいて、
前記入退浴検知部、前記設定時間データベースおよび前記入浴時間監視部は、前記ふろ機能装置に配置されている、
ことを特徴とするふろシステム。
【請求項6】
請求項2に記載のふろシステムにおいて、
前記入退浴検知部、前記設定時間データベース、前記入浴時間監視部および設定時間更新部は、前記ふろ機能装置に配置されている、
ことを特徴とするふろシステム。
【請求項7】
外部通信網を介してふろ機能装置および携帯端末装置と通信可能なサーバにおいて、
入浴時間を監視するための設定時間を前記携帯端末装置ごとに記憶する設定時間データベースと、
前記ふろ機能装置から受信する入浴に関する情報に基づいて前記入浴時間を取得し、取得した前記入浴時間と前記各設定時間とを比較し、前記入浴時間が到達した前記設定時間に対応付けられている前記携帯端末装置に通知を行う入浴時間監視部と、を備える、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項8】
外部通信網に接続されたサーバを介して携帯端末装置と通信可能なふろ機能装置において、
浴槽に対する人の入退浴を検知する入退浴検知部と、
入浴時間を監視するための設定時間を前記携帯端末装置ごとに記憶する設定時間データベースと、
前記入浴時間と前記各設定時間とを比較し、前記入浴時間が到達した前記設定時間に対応付けられている前記携帯端末装置に通知を行う入浴時間監視部と、を備える、
ことを特徴とするふろ機能装置。
【請求項9】
外部通信網に接続されたサーバを介してふろ機能装置と通信可能な携帯端末装置の制御部に、所定の機能を実行させるプログラムであって、
入浴時間を監視するための設定時間の入力を受け付ける機能と、
入力された設定時間を記憶部に記憶させる機能と、
前記サーバから受信する入浴時間に関する情報に基づいて前記入浴時間を取得し、取得した前記入浴時間が前記設定時間に到達したことに基づいて、その旨の報知を行う機能と、を含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部通信網を介して携帯端末装置と通信可能なふろシステム、外部通信網を介してふろ機能装置および携帯端末装置と通信可能なサーバ、外部通信網に接続されたサーバを介して携帯端末装置と通信可能なふろ機能装置、および、携帯端末装置の制御部に所定の機能を実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給湯装置から浴槽に湯水を供給する方式のふろ機能装置が知られている。この他、浴槽に溜められた水を燃焼器に循環させて浴槽内の水を暖める方式のふろ機能装置も知られている。これらのふろ機能装置では、たとえば、浴室や台所に設置された複数のリモートコントローラによって、追い焚きや足し湯等のふろ関連機能が実行される。ふろ機能装置では、これらのふろ関連機能の他、入浴者を見守る機能が設けられ得る。
【0003】
たとえば、以下の特許文献1には、入浴検知手段が入浴を検知すると、入浴時間測定手段により入浴時間が計測され、あらかじめ設定された時間が経過すると、報知手段により入浴者等へ喚起を行うふろ給湯システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、携帯端末装置を用いてふろ機能装置の状況を監視するふろシステムが開発されている。このふろシステムでは、外部通信網を介してふろ機能装置とサーバとが通信を行う。さらに、サーバは、外部通信網を介して携帯端末装置と通信可能である。ふろ機能装置の状態を示す状態情報が所定周期でふろ機能装置からサーバに送信され、さらに、この状態情報がサーバから携帯端末装置に送信される。携帯端末装置の使用者は、状態情報に基づく報知画面を参照することにより、ふろ機能装置の状態を把握できる。
【0006】
このようなふろシステムでは、あらかじめ設定された設定時間に入浴時間が到達した場合に、そのことを携帯端末装置に通知する制御が行われ得る。これにより、携帯端末装置の使用者は、宅外の遠隔地からでも、自宅における入浴状態を監視でき、お年寄り等の入浴者を安全に見守ることができる。
【0007】
この制御では、複数の使用者がそれぞれ携帯端末装置を所有する場合、入浴時間が設定時間に到達したタイミングで、ぞれぞれの携帯端末装置に一斉に、その旨の通知が行われる。しかしながら、携帯端末装置の使用者によっては、他の使用者とは異なる設定時間で、入浴時間を監視したい場合もある。このため、設定時間が一律に定められている場合は、各使用者が望む設定時間で入浴時間を監視できず、入浴者の要望に応じた入浴者の見守りを実現できない。
【0008】
かかる課題に鑑み、本発明は、携帯端末装置の各使用者が個別に望む設定時間で入浴者の入浴時間を監視することが可能なふろシステム、サーバ、ふろ機能装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様は、外部通信網を介して携帯端末装置と通信可能なサーバと、前記外部通信網を介して前記サーバと通信可能なふろ機能装置と、を備えるふろシステムに関する。この態様に係るふろシステムは、浴槽に対する人の入退浴を検知する入退浴検知部と、入浴時間を監視するための設定時間を前記携帯端末装置ごとに記憶する設定時間データベースと、前記入浴時間と前記各設定時間とを比較し、前記入浴時間が到達した前記設定時間に対応付けられている前記携帯端末装置に通知を行う入浴時間監視部と、を備える。
【0010】
本態様に係るふろ機能装置によれば、設定時間データベースにおいて、入浴時間を監視するための設定時間が携帯端末装置ごとに記憶される。そして、入浴時間が何れかの設定時間に到達すると、当該設定時間に対応づけられている携帯端末装置に通知が行われる。よって、携帯端末装置の使用者は、設定時間データベースに記憶される設定時間を自身が望む設定時間に調整することにより、所望の設定時間で入浴者の入浴時間を監視することができる。
【0011】
本態様に係るふろシステムは、前記携帯端末装置から前記設定時間に関する設定時間通知を受信したことに基づき、前記設定時間データベースにおいて前記設定時間通知の送信元の前記携帯端末装置に対応付けられる前記設定時間を、前記設定時間通知の前記設定時間に更新する設定時間更新部を備えるよう構成され得る。
【0012】
この構成によれば、携帯端末装置の使用者は、自身の携帯端末装置を操作することにより、入浴時間を監視するための設定時間を設定時間データベースに登録できる。よって、より簡便に、設定時間の登録を行うことができる。
【0013】
本態様に係るふろシステムにおいて、前記入退浴検知部は、前記ふろ機能装置に配置され、前記設定時間データベースおよび前記入浴時間監視部は、前記サーバに配置され得る。
【0014】
この構成によれば、ふろ機能装置側で円滑かつ効率的に浴槽に対する入退浴を検知できる。また、各ふろ機能装置の情報を集約するサーバ側で、設定時間データベースを円滑に管理でき、さらに、この設定時間データベースに記憶されている設定時間を用いて、入浴時間監視部により、入浴時間を円滑に監視できる。
【0015】
また、ふろシステムが上述の設定時間更新部を備える場合、設定時間更新部は、サーバに配置されてもよい。
【0016】
こうすると、サーバに配置されている設定時間データベースを、サーバに配置されている設定時間更新部によって円滑に更新することができる。
【0017】
あるいは、本態様に係るふろシステムにおいて、前記入退浴検知部、前記設定時間データベースおよび前記入浴時間監視部は、前記ふろ機能装置に配置され得る。
【0018】
この構成によれば、ふろ機能装置側において、入退浴の検知から入浴時間の監視までの一連の処理を円滑に行うことができる。
【0019】
また、ふろシステムが上述の設定時間更新部を備える場合、設定時間更新部は、ふろ機能装置に配置されてもよい。
【0020】
こうすると、ふろ機能装置に配置されている設定時間データベースを、ふろ機能装置に配置されている設定時間更新部によって円滑に更新することができる。
【0021】
本発明の第2の態様は、外部通信網を介してふろ機能装置および携帯端末装置と通信可能なサーバに関する。この態様に係るサーバは、入浴時間を監視するための設定時間を前記携帯端末装置ごとに記憶する設定時間データベースと、前記ふろ機能装置から受信する入浴に関する情報に基づいて前記入浴時間を取得し、取得した前記入浴時間と前記各設定時間とを比較し、前記入浴時間が到達した前記設定時間に対応付けられている前記携帯端末装置に通知を行う入浴時間監視部と、を備える。
【0022】
本態様に係るサーバによれば、上記第1の態様と同様、設定時間データベースに記憶されている何れかの設定時間に入浴時間が到達すると、当該設定時間に対応づけられている携帯端末装置に通知が行われる。よって、携帯端末装置の使用者は、設定時間データベースに記憶される設定時間を自身が望む設定時間に調整することにより、所望の設定時間で入浴者の入浴時間を監視することができる。
【0023】
本発明の第3の態様は、外部通信網に接続されたサーバを介して携帯端末装置と通信可能なふろ機能装置に関する。この態様に係るふろ機能装置は、浴槽に対する人の入退浴を検知する入退浴検知部と、入浴時間を監視するための設定時間を前記携帯端末装置ごとに記憶する設定時間データベースと、前記入浴時間と前記各設定時間とを比較し、前記入浴時間が到達した前記設定時間に対応付けられている前記携帯端末装置に通知を行う入浴時間監視部と、を備える。
【0024】
本態様に係るサーバによれば、上記第1の態様と同様、設定時間データベースに記憶されている何れかの設定時間に入浴時間が到達すると、当該設定時間に対応づけられている携帯端末装置に通知が行われる。よって、携帯端末装置の使用者は、設定時間データベースに記憶される設定時間を自身が望む設定時間に調整することにより、所望の設定時間で入浴者の入浴時間を監視することができる。
【0025】
本発明の第4の態様は、外部通信網に接続されたサーバを介してふろ機能装置と通信可能な携帯端末装置の制御部に、所定の機能を実行させるプログラムに関する。この態様に係るプログラムは、入浴時間を監視するための設定時間の入力を受け付ける機能と、入力された設定時間を記憶部に記憶させる機能と、前記サーバから受信する入浴時間に関する情報に基づいて前記入浴時間を取得し、取得した前記入浴時間が前記設定時間に到達したことに基づいて、その旨の報知を行う機能と、を含む。
【0026】
本態様に係るプログラムによれば、サーバから受信する入浴に関する情報に基づいて、携帯端末装置側で入浴時間が取得される。そして、この入浴時間が、携帯端末装置の記憶部に記憶されている設定時間に到達すると、携帯端末装置からその旨の報知が行われる。よって、携帯端末装置の使用者は、自身の携帯端末装置に自身が望む設定時間を登録することにより、所望の設定時間で入浴者の入浴時間を監視することができる。
【発明の効果】
【0027】
以上のとおり、本発明によれば、携帯端末装置の各使用者が個別に望む設定時間で入浴者の入浴時間を監視することが可能なふろシステム、サーバ、ふろ機能装置およびプログラムを提供することができる。
【0028】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る、給湯システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る、給湯システムを構成する各機器の回路ブロックを示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係る、給湯器と浴槽との間の接続形態を模式的に示す図である。
【
図4】
図4(a)は、実施形態1に係る、ペアリング情報の構成を示す図である。
図4(b)は、実施形態1に係る、設定時間データベースの構成を示す図である。
【
図5】
図5(a)は、実施形態1に係る、携帯端末装置の制御部により行われる設定時間の登録処理を示すフローチャートである。
図5(b)は、実施形態1に係る、設定時間の入力を受け付ける際に携帯端末装置に表示される設定画面を示す図である。
【
図6】
図6(a)は、実施形態1に係る、サーバの制御部により行われる設定時間の登録処理を示すフローチャートである。
図6(b)は、実施形態1に係る、給湯器の制御部が、浴槽に対する入退浴を検出した場合に行う処理を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態1に係る、サーバの制御部により行われる入浴時間の監視処理を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態1の変更例に係る、給湯器の制御部が行う入浴時間の計測処理を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態1の変更例に係る、サーバの制御部により行われる入浴時間の監視処理を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施形態2に係る、給湯システムを構成する各機器の回路ブロックを示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態2に係る、給湯器の制御部により行われる入浴時間の監視処理を示すフローチャートである。
【
図12】
図12(a)は、実施形態3に係る、携帯端末装置の制御部により行われる設定時間の登録処理を示すフローチャートである。
図12(b)は、実施形態3に係る、サーバの制御部において行われる入浴時間のカウント処理を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、実施形態3に係る、携帯端末装置の制御部において行われる入浴時間の監視処理を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、実施形態3に係る、報知処理において、携帯端末装置に表示される報知画面の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、他の変更例に係る、設定時間データベースの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0031】
以下の実施形態では、給湯システム1が、特許請求の範囲に記載の「ふろシステム」に対応し、給湯装置10が、特許請求の範囲に記載の「ふろ機能装置」に対応する。給湯装置10は、ふろ関連機能とともに、台所の蛇口や、浴室のカラン等に対する給湯機能も実行する。
【0032】
ただし、上記記載は、あくまで、特許請求の範囲の構成と実施形態の構成とを対応付けることを目的とするものであって、上記対応付けによって特許請求の範囲に記載の発明が実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
【0033】
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る給湯システム1の構成を示す図である。
【0034】
図1に示すように、給湯システム1は、給湯装置10と、サーバ50とを備え、ルータ20および外部通信網40を介して、携帯端末装置30と通信可能である。
【0035】
給湯装置10は、給湯器11と、リモートコントローラ12、13とを備えている。給湯器11は、ガスを燃料として湯を供給するガス給湯器である。給湯器11により生成された湯は、給湯口11aにそれぞれ接続された配管を介して、台所の蛇口や、浴槽、カラン等に供給される。給湯器11が、床暖房機能や、浴室暖房機能およびパネルヒータによる暖房機能を備える場合、これら機能を実現する機器に対して、給湯器11から湯が供給される。
【0036】
リモートコントローラ12、13は、給湯器11に接続され、給湯装置10の各機能について種々の設定を行うために用いられる。リモートコントローラ12は、表示部121と、入力部122とを備え、リモートコントローラ13は、タッチパネルからなる表示入力部131と、運転ボタン132とを備える。操作者は、表示部121に表示された画面に従って入力部122を操作することにより、湯張りや給湯温度調節等について、任意の設定を行うことができる。また、操作者は、表示入力部131を操作することによっても、湯張り等の設定を行える。
【0037】
リモートコントローラ12は、浴室に設置され、リモートコントローラ13は、キッチン等に設置される。リモートコントローラ12、13には、音声を入出力するための音声窓12a、13aが設けられている。
【0038】
以下、浴室に設置されるリモートコントローラ12を、「浴室リモコン12」と称し、キッチン等に設置されるリモートコントローラ13を、「台所リモコン13」と称する。
【0039】
浴室リモコン12の入力部122には、運転ボタン122aが含まれている。運転ボタン122a、132は、給湯器11を運転オン状態と運転オフ状態とに切り替えるためのボタンである。
【0040】
浴室リモコン12および台所リモコン13が運転オフ状態にあるとき、表示部121および表示入力部131は消灯状態にあり、運転ボタン122a、132以外の操作ボタンの操作は受け付けられない。運転ボタン122a、132が操作され、運転オン状態になると、表示部121および表示入力部131が点灯して設定内容が表示され、各操作ボタンの操作が受け付け可能となる。
【0041】
さらに、入力部122および表示入力部131には、給湯温度を変更するためのボタンが含まれている。操作者は、このボタンを操作することにより、給湯の設定温度を変更することができる。この他、入力部122および表示入力部131には、追い焚き機能や、足し湯、足し水、ふろ自動機能等を実行するためのボタン等、給湯器11の動作を制御するためのボタンが含まれている。
【0042】
ルータ20は、建物内(ここでは、宅内H10)に存在する各機器を、外部通信網40に接続するための通信中継器である。携帯端末装置30が宅内H10に存在する場合、携帯端末装置30は、無線通信によりルータ20に接続されて、サーバ50と通信可能である。携帯端末装置30は、たとえば、携帯電話機である。この他、携帯端末装置30が、携帯型のタブレット端末等の他の携帯可能な端末装置であってもよい。外部通信網40は、たとえば、インターネットである。
【0043】
外部通信網40には、給湯装置10に対する遠隔制御を管理するためのサーバ50が接続されている。台所リモコン13は、ルータ20および外部通信網40を介して、サーバ50と通信を行う。携帯端末装置30が宅内H10に存在する場合、携帯端末装置30は、ルータ20および外部通信網40を介してサーバ50と通信を行う。また、携帯端末装置30が宅外にある場合、携帯端末装置30は、外部に設置されたルータ60または基地局70を介して外部通信網40に接続され、サーバ50と通信を行う。
【0044】
台所リモコン13と携帯端末装置30には、給湯システム1のアプリケーションプログラムが、サーバ50からダウンロードされ、インストールされている。このアプリケーションプログラムに、サーバ50にアクセスするためのアドレス情報(たとえば、IPアドレス)が含まれている。台所リモコン13と携帯端末装置30は、このアドレス情報に基づいて、サーバ50にアクセスし、通信を行う。
【0045】
台所リモコン13のアドレス情報は、初期設定の際に、サーバ50に送信されて、サーバ50に登録される。このとき同時に、台所リモコン13のID情報(識別情報)が、台所リモコン13からサーバ50に送信されて、サーバ50に登録される。また、給湯装置10に対して遠隔制御を行うことが可能な携帯端末装置30が、給湯装置10に対応付けて、サーバ50に登録される。具体的には、給湯装置10(台所リモコン13)のID情報と携帯端末装置30のID情報およびアドレス情報とが互いに対応づけられて、サーバ50に登録される。
【0046】
こうして、携帯端末装置30に関する情報がサーバ50に登録されることにより、当該携帯端末装置30の使用者は、宅内H10と宅外の何れにおいても、携帯端末装置30を用いて、給湯装置10に対する遠隔制御を行うことができる。
【0047】
すなわち、携帯端末装置30が宅内H10と宅外の何れにある場合も、使用者から携帯端末装置30に入力された設定要求は、外部通信網40を介して、一旦、サーバ50に送信される。これを受けて、サーバ50は、設定要求を受信した携帯端末装置30に予め対応付けられている給湯装置10に対して、受信した設定要求を送信する。これにより、設定要求が、外部通信網40およびルータ20を介して、対応する給湯装置10の台所リモコン13に送信される。こうして、使用者が要求する内容の設定が、遠隔操作により、給湯装置10に適用される。
【0048】
また、給湯装置10の状態情報が、所定周期で随時、台所リモコン13からルータ20を介してサーバ50に送信される。状態情報は、現在の給湯装置10の設定状態および動作状態を示す情報である。携帯端末装置30は、給湯システム1のアプリケーションプログラムにより、最新の状態情報をサーバ50から取得して表示させることができる。これにより、携帯端末装置30の使用者は、宅内H10および宅外の何れにおいても、給湯装置10の状態を監視することができる。
【0049】
図2は、給湯システム1を構成する各機器の回路ブロックを示す図である。
【0050】
給湯器11は、制御部111と、記憶部112と、通信部113と、水位センサ114と、を備える。制御部111は、マイクロコンピュータを備え、記憶部112に記憶されたプログラムに従って、給湯器11内の各部の制御を行う。記憶部112は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。
【0051】
本実施形態では、記憶部112に記憶された制御プログラムによって、入退浴検知部111aの機能が制御部111に付与される。入退浴検知部111aは、後述のように、水位センサ114の検知結果に基づいて、浴槽に対する人の入退浴を検知する。
【0052】
通信部113は、制御部111からの制御に従って、浴室リモコン12および台所リモコン13と通信を行う。通信部113は、2芯通信線L1、L2を介して、浴室リモコン12の通信部125および台所リモコン13の通信部135と接続されている。また、2芯通信線L1、L2は、通信部113の内部において、互いに接続されている。したがって、浴室リモコン12の通信部125と台所リモコン13の通信部135は、2芯通信線L1、L2によって互いに接続されている。このため、通信部113、125、135の何れかから送信された信号は、他の通信部に同時に送信される。
【0053】
水位センサ114は、後述のように、給湯器11内の管路に配置され、当該管路内の水圧に基づいて浴槽内の水位を検出する。制御部111は、水位センサ114の検出結果に基づいて、浴槽内の水位を検知する。また、制御部111は、水位センサ114により検知された水位の変動に基づいて、入退浴検知部111aの機能により、浴槽に対する人の入退を検知する。入退浴の検知結果は、2芯通信線L1、L2を介して、随時、制御部111から浴室リモコン12および台所リモコン13に送信され、さらに、無線通信部138を介してサーバ50に送信される。
【0054】
図3は、給湯器11と浴槽2との間の接続形態を模式的に示す図である。
【0055】
図3に示すように、給湯器11は、
図2に示した構成の他、給湯部210と、追い焚き部220と、バイパス部230とを備える。
【0056】
給湯部210は、給水管路211と、給湯熱交換器212と、給湯管路213と、給湯燃焼器214と、給気ファン215とを含む。給水管路211は、水道管と給湯熱交換器212とに繋がり、給湯管路213は、給湯熱交換器212と浴室水栓3および外部水栓4とに繋がる。給湯燃焼器214には、ガス電磁弁216により開閉される給湯ガス管路217を通じてガス(燃料ガス)が供給される。給湯燃焼器214は、ガスを燃料として燃焼する。給気ファン215は、給湯燃焼器214に燃焼用の空気を供給する。
【0057】
追い焚き部220は、
図2に示した水位センサ114の他、戻り管路221と、ふろ熱交換器222と、往き管路223と、ふろ燃焼器224と、循環ポンプ225とを含む。戻り管路221は、浴槽2の循環アダプタ2aとふろ熱交換器222とに繋がり、往き管路223は、ふろ熱交換器222と循環アダプタ2aとに繋がる。
【0058】
ふろ燃焼器224には、ガス電磁弁226により開閉されるふろガス管路227を通じてガス(燃料ガス)が供給される。ふろ燃焼器224は、ガスを燃料として燃焼する。給気ファン215が給湯部210と追い焚き部220との間で共用され、給気ファン215からふろ燃焼器224に燃焼用の空気が供給される。戻り管路221に、循環ポンプ225および水位センサ114が配置される。水位センサ114は、戻り管路221内の水圧に基づいて浴槽2内の水位を検出する。
【0059】
バイパス部230は、バイパス管路231と、給湯電磁弁232とを含む。バイパス管路231は、給湯管路213と戻り管路221とに繋がる。給湯電磁弁232は、バイパス管路231を開閉する。
【0060】
制御部111は、給湯部210の給湯燃焼器214、給気ファン215およびガス電磁弁216、追い焚き部220のふろ燃焼器224、循環ポンプ225、水位センサ114およびガス電磁弁226、バイパス部230の給湯電磁弁232などを制御する。
【0061】
浴室水栓3または外部水栓4が開かれると、給湯機能が実行される。水道管からの水が給水管路211を通じて給湯熱交換器212に導入されるとともに、給湯燃焼器214が燃焼して給湯熱交換器212が加熱される。給湯熱交換器212に導入された水が加熱されて湯となり、湯が給湯管路213を通じて浴室水栓3または外部水栓4に供給される。浴室水栓3または外部水栓4が閉じられると、水道管から給水管路211への給水が停止するとともに給湯燃焼器214の燃焼が停止する。
【0062】
また、浴室リモコン12または台所リモコン13から浴槽2への湯張りの指令を受けると、制御部111は、湯張り機能(ふろ自動機能)を実行する。この場合、給湯電磁弁232が開放されるとともに、水道管からの水が給水管路211を通じて給湯熱交換器212に導入され、給湯熱交換器212で加熱される。そして、給湯熱交換器212からの湯が給湯管路213およびバイパス管路231を通じて戻り管路221に導入される。
【0063】
戻り管路221に導入された湯の一部は、戻り管路221を循環アダプタ2a側へと流れ、循環アダプタ2aから浴槽2内に注がれる。戻り管路221に導入された湯の残りは、戻り管路221をふろ熱交換器222側へと流れ、さらにふろ熱交換器222および往き管路223を流れて循環アダプタ2aから浴槽2内に注がれる。
【0064】
給湯が行われて浴槽2内に湯が溜められると、戻り管路221、ふろ熱交換器222および往き管路223が水で満たされた状態となる。これにより、水位センサ114での浴槽2内の水位検出が可能となる。浴槽2内の水位が予め設定された水位に到達したことが水位センサ114により検出されると、給湯電磁弁232が閉じられ、水道管から給水管路211への給水が停止するとともに給湯燃焼器214の燃焼が停止する。
【0065】
なお、湯が張られた浴槽2内に人が入ると浴槽2内の水位が上昇する。また、浴槽2内から人が出ると水位が下降する。この浴槽2内への人の出入りに基づく水位変動を、水位センサ114によって検出することができる。これにより、上記のように、入退浴検知部111aの機能により、浴槽2に対する人の入退が検知される。
【0066】
また、追い焚き機能の実行時には、循環ポンプ225が作動するとともにふろ燃焼器224が燃焼する。浴槽2内の湯が、戻り管路221、ふろ熱交換器222および往き管路223からなる循環路と浴槽2との間で循環し、その間にふろ熱交換器222で加熱される。浴槽2内の湯温が予め設定された上限温度よりも高くなると、循環ポンプ225とふろ燃焼器224が停止する。
【0067】
足し湯機能では、湯張り機能(ふろ自動機能)と同様の制御により、所定量の湯が浴槽2に注入される。足し水機能の実行時には、給湯燃焼器214およびふろ燃焼器224を停止させた状態で、湯張り機能(ふろ自動機能)と同様の制御が実行され、所定量の水が浴槽2に注入される。
【0068】
図2に戻り、浴室リモコン12は、上述の表示部121および入力部122の他、制御部123と、記憶部124と、通信部125と、スピーカ126と、マイク127と、人感センサ128とを備える。表示部121は、たとえば、液晶パネルにより構成される。入力部122は、温度設定ボタン等の各種操作ボタンを備える。表示部121が、タッチパネルであってもよい。
【0069】
制御部123は、マイクロコンピュータを備え、記憶部124に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部124は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。通信部125は、制御部123からの制御に従って、給湯器11および台所リモコン13と通信を行う。
【0070】
スピーカ126は、制御部123により生成された音声信号に基づく音声を出力する。制御部123は、記憶部124に記憶されている音声情報を随時読み出して、音声信号を生成する。スピーカ126から出力された音声は、
図1の音声窓12aから出力される。マイク127は、
図1の音声窓12aを介して、音声を集音する。
【0071】
人感センサ128は、浴室における人の動きを検知する。人感センサ128は、たとえば、赤外線を用いた焦電センサである。人感センサ128の検出範囲は、浴室内の洗い場と浴槽2をカバーする範囲に設定される。人感センサ128が、洗い場の範囲と浴槽の範囲を個別に検出可能であってもよい。制御部123は、人感センサ128の検出結果を一定周期(たとえば1秒周期)で給湯器11および台所リモコン13に送信する。人感センサ128の検出結果は、台所リモコン13からサーバ50に送信され、浴室に対する人の入退の判定に用いられる。
【0072】
台所リモコン13は、上述の表示入力部131および運転ボタン132の他、制御部133と、記憶部134と、通信部135と、スピーカ136と、マイク137と、無線通信部138とを備える。
【0073】
制御部133は、マイクロコンピュータを備え、記憶部134に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部134は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。通信部135は、制御部133からの制御に従って、給湯器11および浴室リモコン12と通信を行う。
【0074】
スピーカ136は、制御部133により生成された音声信号に基づく音声を出力する。制御部133は、記憶部134に記憶されている音声情報を随時読み出して、音声信号を生成する。スピーカ136から出力された音声は、
図1の音声窓13aから出力される。マイク137は、
図1の音声窓13aを介して、音声を集音する。
【0075】
無線通信部138は、ルータ20との間で無線通信が可能な無線通信モジュールである。サーバ50には、台所リモコン13(給湯装置10)のアドレス情報およびID情報として、無線通信部138のアドレス情報およびID情報が登録される。
【0076】
携帯端末装置30は、制御部301と、記憶部302と、無線通信部303と、表示入力部304と、スピーカ305と、マイク306と、を備える。
【0077】
制御部301は、CPU(Central Processing Unit)を備え、記憶部302に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部302は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。記憶部302には、給湯システム1のアプリケーションプログラムが記憶され、制御部301は、このプログラムに従って、遠隔制御の処理を実行する。無線通信部303は、制御部301からの制御に従って、ルータ20および外部通信網40と通信を行う。無線通信部303は、ルータ20および外部通信網40との間で無線通信が可能な無線通信モジュールである。
【0078】
表示入力部304は、たとえば、タッチパネルにより構成される。スピーカ305およびマイク306は、携帯端末装置30に対する音声の入出力に用いられる。
【0079】
サーバ50は、制御部501と、記憶部502と、通信部503とを備える。制御部501は、CPUを備え、記憶部502に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部502は、メモリおよびハードディスクを備え、所定の制御プログラムおよびデータベースを記憶する。通信部503は、制御部501からの制御に従って、所定の制御を行う。
【0080】
本実施形態では、記憶部502に記憶されたプログラムにより、制御部501に、設定時間更新部501aおよび入浴時間監視部501bの機能が付与され、記憶部502に設定時間データベース502aが構築される。
【0081】
設定時間データベース502aは、入浴時間を監視するための設定時間を携帯端末装置30ごとに対応付けて記憶する。設定時間更新部501aは、携帯端末装置30から設定時間に関する設定時間通知を受信したことに基づいて、設定時間データベース502aにおいて設定時間通知の送信元の携帯端末装置30に対応付けられる設定時間を、設定時間通知の設定時間に更新する。入浴時間監視部501bは、設定時間データベース502aに記憶されている各設定時間と入浴時間とを比較し、入浴時間が何れかの設定時間に到達した場合に、当該設定時間に対応付けられている携帯端末装置30にその旨の通知を行う。
【0082】
本実施形態では、予め、給湯装置10に対して遠隔制御を行うことが可能な携帯端末装置30が、給湯装置10(台所リモコン13)に対応付けて、サーバ50に登録される。すなわち、予め、給湯装置10と携帯端末装置30とがペアリングされ、ペアリングを示す情報(ペアリング情報)が、サーバ50において管理される。具体的には、給湯装置10(台所リモコン13)のID情報と携帯端末装置30のID情報とが互いに対応づけられて、ペアリング情報が構成される。
【0083】
このようなペアリングは、たとえば、給湯装置10が設置された宅内H10に設置された台所リモコン13を介して、携帯端末装置30がサーバ50と通信することにより行われる。これにより、悪意の第三者によって不当に、携帯端末装置30と給湯装置10とがペアリングされる可能性が減少する。
【0084】
図4(a)は、ペアリング情報の構成を示す図である。
【0085】
ここでは、給湯装置10が台所リモコン13(無線通信部138)のID情報により特定されている。台所リモコン13のID情報に、当該給湯装置10を制御可能な携帯端末装置30のID情報とアドレス情報が対応づけられる。アドレス情報は、外部通信網40を介した通信の際に、携帯端末装置30に接続するための情報である。たとえば、アドレス情報は、携帯端末装置30に対するプッシュ通知の際に利用される。
【0086】
図4(b)は、設定時間データベース502aの構成を示す図である。
【0087】
図4(b)に示すように、設定時間データベース502aには、携帯端末装置30のID情報に対応付けて、入浴時間を監視するための設定時間が記憶されている。各設定時間は、各携帯端末装置30の使用者が自身の携帯端末装置30を操作することにより、設定時間データベース502aに登録される。
図4(b)の例では、ID情報が“KKKKK”である携帯端末装置30については、未だ、設定時間の登録が行われていない。なお、設定時間データベース502aは、
図4(a)のペアリング情報に統合されてもよい。
【0088】
図5(a)は、携帯端末装置30の制御部301により行われる設定時間の登録処理を示すフローチャートであり、
図5(b)は、設定時間の入力を受け付ける際に携帯端末装置30の表示入力部304に表示される設定画面600を示す図である。
【0089】
図5(a)を参照して、制御部301は、使用者からの操作に応じて給湯システム1のアプリケーションプログラムを起動した後、所定の操作画面において、使用者により、設定時間を登録するための操作入力がなされると(S101:YES)、設定時間の登録を受け付けるための受付処理を実行する(S102)。この受付処理において、制御部301は、
図5(b)に示す設定画面600を表示入力部304に表示させる。
【0090】
図5(b)に示すように、設定画面600は、領域610、620、630、640に区分されている。領域610には、この画面が、設定時間に基づき入浴時間を監視するための入浴タイマーの設定画面であることを示す見出しが表示される。領域620には、入浴タイマーの機能の説明と、領域630の数字の意味を示す表記が含まれている。領域630には、入浴タイマーの設定時間が表示される。使用者は、領域630を上下にスワイプすることにより、所望に設定時間を選択できる。領域640には、3つのボタン641、642、643が含まれている。
【0091】
領域630の設定時間が選択された後、ボタン641が操作されると、制御部301は、設定時間の更新が要求されたと判定し(S103:YES)、選択された設定時間と当該携帯端末装置30のID情報とを含む設定時間通知をサーバ50に送信して(S104)、処理を終了する。他方、ボタン642が操作されると、制御部301は、設定時間の更新要求はなされなかったと判定し(S103:NO)、設定時間通知をサーバ50に送信することなく、処理を終了する。
【0092】
図6(a)は、サーバ50の制御部501により行われる設定時間の登録処理を示すフローチャートである。
図6(a)の処理は、
図2に示した設定時間更新部501aの機能により行われる。
【0093】
図6(a)を参照して、サーバ50の制御部501は、
図5(b)のステップS104で送信された設定時間通知を受信すると(S201:YES)、設定時間通知から携帯端末装置30のID情報と設定時間とを抽出し、設定時間データベース502aにおいて当該ID情報に対応付けられている設定時間を、今回設定時間通知から抽出した設定時間に更新して(S202)、処理を終了する。
【0094】
ステップS202において、制御部501は、設定時間データベース502aにおいて、未だ、設定時間通知から抽出した携帯端末装置30のID情報に設定時間が対応付けられていない場合、今回設定時間通知から抽出した設定時間を、当該ID情報に対応付けて、設定時間データベース502aに記憶させる。また、制御部501は、設定時間データベース502aにおいて、既に、設定時間通知から抽出した携帯端末装置30のID情報に設定時間が対応付けられている場合、当該ID情報に対応付けられている設定時間を消去し、代わりに、今回設定時間通知から抽出した設定時間を当該ID情報に対応付けて、設定時間データベース502aに記憶させる。こうして、設定時間データベース502aに保持される設定時間が、設定時間通知の受信ごとに更新される。
【0095】
図6(b)は、給湯器11の制御部111が、浴槽に対する入退浴を検出した場合に行う処理を示すフローチャートである。
図6(b)の処理は、
図2に示した入退浴検知部111aの機能により行われる。
【0096】
制御部111は、水位センサ114の検出結果に基づき、浴槽に対する入浴を検知すると(S301:YES)、台所リモコン13を介してサーバ50に、入浴開始通知を送信する(S302)。その後、制御部111は、水位センサ114の検出結果に基づき、浴槽に対する退浴を検知すると(S303:YES)、台所リモコン13を介してサーバ50に、入浴終了通知を送信する(S304)。ここで、台所リモコン13は、自身のID情報とともに、入浴開始通知および入浴終了通知をサーバ50に送信する。
【0097】
図7は、サーバ50の制御部501により行われる入浴時間の監視処理を示すフローチャートである。
図7の処理は、
図2に示した入浴時間監視部501bの機能により行われる。
【0098】
制御部501は、
図6(b)のステップS302で送信された入浴開始通知を受信すると(S211:YES)、入浴時間のカウントを開始し(S212)、カウントした入浴時間が、設定時間データベース502aにおいて、入浴開始通知の送信元の台所リモコン13のID情報に対応付けられている設定時間の何れかに到達したか否かを判定する(S213)。制御部501は、当該台所リモコン13のID情報に対応付けられている設定時間の何れかに入浴時間が到達するまでの間に(S213:NO)、
図6(b)のステップS304で送信される入浴終了通知を受信すると(S216:YES)、処理を終了する。
【0099】
他方、制御部501は、
図6(b)のステップS304で送信される入浴終了通知を受信するまでに(S216:NO)、設定時間データベース502aにおいて、当該台所リモコン13のID情報に対応付けられている設定時間の何れかに入浴時間が到達すると(S213:YES)、設定時間データベース502aにおいて当該設定時間に対応付けられている携帯端末装置30に、入浴時間が設定時間に到達したことを、プッシュ通知等により通知する(S214)。これに応じて、当該携帯端末装置30において、入浴時間が設定時間に到達したことを報知する処理が行われる。これにより、当該携帯端末装置30の使用者は、自身が設定した設定時間に入浴時間が到達したことを把握できる。
【0100】
その後、制御部501は、設定時間データベース502aにおいて、当該台所リモコン13のID情報に対応付けられている設定時間の中に、未だ入浴時間が到達していない設定時間が残っているか否かを判定する(S215)。ここで、入浴時間が到達していない設定時間が残っていない場合(S215:NO)、制御部501は、処理を終了する。他方、入浴時間が到達していない設定時間が残っている場合(S215:YES)、制御部501は、処理をステップS213に戻して、残りの設定時間と入浴時間とを比較する処理を行う。
【0101】
こうして、制御部501は、台所リモコン13から入浴終了通知を受信するまでの間(S216:NO)、設定時間データベース502aにおいて、当該台所リモコン13のID情報に対応付けられている設定時間と、入浴時間とを比較し(S213)、入浴時間が到達した設定時間から順番に、当該設定時間に対応付けられている携帯端末装置30に、入浴時間が設定時間に到達したことを通知する(S214)。これにより、各携帯端末装置30の使用者は、自身が設定した設定時間に入浴時間が到達したタイミングで、その旨の報知を、自身の携帯端末装置30から受けることになる。
【0102】
こうして、全ての設定時間に対して通知を行うか(S215:NO)、入浴終了通知を台所リモコン13から受信することにより(S216:YES)、制御部501は、
図7の処理を終了する。
【0103】
<実施形態1の効果>
上記実施形態1によれば、以下の効果が奏され得る。
【0104】
図4(b)に示したように、設定時間データベース502aにおいて、入浴時間を監視するための設定時間が携帯端末装置30ごとに記憶される。そして、
図7に示したように、入浴時間が何れかの設定時間に到達すると(S213:YES)、当該設定時間に対応づけられている携帯端末装置30に通知が行われる(S214)。よって、携帯端末装置30の使用者は、
図5(b)の設定画面600において、設定時間データベース502aに記憶される設定時間を自身が望む設定時間に調整することにより、所望の設定時間で入浴者の入浴時間を監視することができる。
【0105】
図6(a)に示したように、サーバ50の制御部501(設定時間更新部501a)は、携帯端末装置30から設定時間に関する設定時間通知を受信したことに基づき(S201:YES)、設定時間データベース502aにおいて設定時間通知の送信元の携帯端末装置30に対応付けられる設定時間を、設定時間通知の設定時間に更新する(S202)。これにより、携帯端末装置30の使用者は、
図5(a)の処理に従って自身の携帯端末装置30を操作することにより、入浴時間を監視するための設定時間を設定時間データベース502aに登録できる。よって、より簡便に、設定時間の登録を行うことができる。
【0106】
図2に示したように、入退浴検知部111aは、給湯装置10(給湯器11)に配置され、設定時間データベース502aおよび入浴時間監視部501bは、サーバ50に配置される。この構成によれば、給湯装置10側で円滑かつ効率的に浴槽に対する入退浴を検知できる。また、各給湯装置10の情報を集約するサーバ50側で、設定時間データベース502aを円滑に管理でき、さらに、この設定時間データベース502aに記憶されている設定時間を用いて、入浴時間監視部501bにより、入浴時間を円滑に監視できる。
【0107】
また、実施形態1では、
図2に示したように、設定時間更新部501aが、サーバ50に配置されている。これにより、サーバ50の記憶部502に構築される設定時間データベース502aを、サーバ50に配置されている設定時間更新部501aによって円滑に更新することができる。
【0108】
<変更例>
上記実施形態1において、サーバ50の制御部501(入浴時間監視部501b)は、入浴開始通知を受信したことに応じて入浴時間のカウントを開始したが、入浴時間の計測方法はこれに限られるものではない。
【0109】
図8は、上記実施形態1とは異なる入浴時間の計測方法が適用される場合に、給湯器11の制御部111が行う処理を示すフローチャートである。
図8の処理は、制御部111が、入退浴検知部111aの機能により行う。
【0110】
制御部111は、水位センサ114の検出結果に基づき、浴槽に対する入浴を検知すると(S311:YES)、その後、水位センサ114の検出結果に基づき退浴を検知するまでの間(S314:NO)、一定時間Tcが経過するごとに(S312:YES)、台所リモコン13を介してサーバ50に、入浴継続通知を送信する(S313)。入浴継続通知には、送信元の台所リモコン13のID情報が含まれている。制御部111は、水位センサ114の検出結果に基づき退浴を検知すると(S314:YES)、処理を終了する。
【0111】
図9は、変更例に係る、サーバ50の制御部501により行われる入浴時間の監視処理を示すフローチャートである。
図9の処理は、
図2に示した入浴時間監視部501bの機能により行われる。
【0112】
制御部501は、
図8のステップS313で送信された入浴継続通知を受信すると(S221:YES)、前回の入浴時間にTc(
図8のステップS312の一定時間Tc)を加算して、現在の入浴時間を算出する(S222)。ここでは、入浴継続通知の受信が1回目であるため、前回の入浴時間は存在しない。このため、制御部501は、ステップS222において、ゼロにTcを加算して、現在の入浴時間を算出する。
【0113】
そして、制御部501は、算出した入浴時間が、入浴継続通知の送信元の台所リモコン13のID情報に対応付けられている設定時間の何れかに到達したか否かを判定する(S223)。ステップS223の判定がNOである場合、制御部501は、現時点から、一定時間Tcと所定の許容時間とを加算した待ち受け時間が経過したタイミングまでに、後続の入浴継続通知を同じ台所リモコン13からさらに受信したか否かを判定する(S226)。ステップS226の判定がNOの場合、制御部501は、入浴が終了したとして、処理を終了する。
【0114】
他方、ステップS226の判定がYESの場合、制御部501は、処理をステップS222に戻して、前回の入浴時間にTcを加算して、現在の入浴時間を算出する。そして、制御部501は、新たに算出した入浴時間が、入浴継続通知の送信元の台所リモコン13のID情報に対応付けられている設定時間の何れかに到達したか否かを判定する(S223)。
【0115】
こうして、制御部501は、入浴継続通知を受信するごとに、入浴時間を更新して、新たな入浴時間と設定時間とを比較する。そして、更新した入浴時間が、入浴継続通知の送信元の台所リモコン13のID情報に対応付けられている設定時間の何れかに到達すると(S223:YES)、設定時間データベース502aにおいて当該設定時間に対応付けられている携帯端末装置30に、入浴時間が設定時間に到達したことを、プッシュ通知等により通知する(S224)。これに応じて、当該携帯端末装置30において、入浴時間が設定時間に到達したことを報知する処理が行われる。これにより、当該携帯端末装置30の使用者は、自身が設定した設定時間に入浴時間が到達したことを把握できる。
【0116】
その後、制御部501は、設定時間データベース502aにおいて、当該台所リモコン13のID情報に対応付けられている設定時間の中に、未だ入浴時間が到達していない設定時間が残っているか否かを判定する(S225)。ここで、入浴時間が到達していない設定時間が残っていない場合(S225:NO)、制御部501は、処理を終了する。他方、入浴時間が到達していない設定時間が残っている場合(S225:YES)、制御部501は、処理をステップS226に戻して、後続の入浴継続通知を受信したか否かを判定する。
【0117】
こうして、制御部501は、後続の入浴継続通知を受信しなくなるまでの間(S226:NO)、ステップS222で更新した入浴時間と、設定時間データベース502aにおいて当該台所リモコン13のID情報に対応付けられている設定時間とを比較し、入浴時間が到達した設定時間から順番に、当該設定時間に対応付けられている携帯端末装置30に、入浴時間が設定時間に到達したことを通知する。これにより、各携帯端末装置30の使用者は、自身が設定した設定時間に入浴時間が到達したタイミングで、その旨の報知を、自身の携帯端末装置30から受けることになる。こうして、全ての設定時間に対して通知を行うか(S225:NO)、待ち受け時間内に入浴継続通知を台所リモコン13から受信しないことにより(S226:NO)、制御部501は、
図9の処理を終了する。
【0118】
本変更例においても、上記実施形態1と同様の効果が奏され得る。
【0119】
<実施形態2>
上記実施形態1では、設定時間データベース502a、設定時間更新部501aおよび入浴時間監視部501bが、サーバ50側に配置された。これに対し、実施形態2では、設定時間データベース、設定時間更新部および入浴時間監視部が、給湯装置10側に配置される。
【0120】
図10は、実施形態2に係る、給湯システム1を構成する各機器の回路ブロックを示す図である。
【0121】
図10の構成例では、設定時間データベース112a、設定時間更新部111bおよび入浴時間監視部111cが給湯器11に配置されている。具体的には、記憶部1112に記憶されているプログラムにより、記憶部112に設定時間データベース112aが構築され、さらに、制御部111に、設定時間更新部111bおよび入浴時間監視部111cの機能が、入退浴検知部111aの機能とともに付与されている。設定時間データベース112aの構成は、
図4(b)の構成から台所リモコン13のID情報が省略された構成である。すなわち、設定時間データベース112aは、携帯端末装置30のID情報と設定時間とを対応付けた構成である。
【0122】
図10の構成では、
図6(a)のステップS202に代えて、設定時間通知の送信元の携帯端末装置30のID情報と設定時間とを含む設定時間通知を、ペアリング情報において当該ID情報に対応付けられている台所リモコン13に送信する処理が行われる。台所リモコン13は、受信した設定時間通知を、給湯器11に転送する。給湯器11の制御部111は、設定時間更新部111bの機能により、受信した設定時間通知から設定時間と携帯端末装置30のID情報とを抽出し、設定時間データベース112aにおいて、当該ID情報に対応付けられる設定時間を抽出した設定時間に更新する。抽出したID情報が、未だ設定時間データベース112aに存在しない場合、制御部111は、設定時間データベース112aに当該携帯端末装置30のID情報を追加し、追加したID情報に、抽出した設定時間を対応付けて記憶させる。
【0123】
図11は、実施形態2に係る、給湯器11の制御部111により行われる入浴時間の監視処理を示すフローチャートである。
図11の処理のうち、ステップS321、S326は
図10の入退浴検知部111aの機能により行われ、その他のステップは、
図10の入浴時間監視部111cの機能により行われる。
【0124】
制御部111は、水位センサ114の検出結果に基づき、浴槽に対する入浴を検知すると(S321:YES)、入浴時間のカウントを開始し(S322)、カウントした入浴時間が、設定時間データベース112aに記憶されている設定時間の何れかに到達したか否かを判定する(S323)。制御部111は、設定時間データベース112aに記憶されている設定時間の何れかに入浴時間が到達するまでの間に(S323:NO)、水位センサ114の検出結果から退浴を検知すると(S326:YES)、処理を終了する。
【0125】
他方、制御部111は、退浴を検知するまでに(S326:NO)、設定時間データベース112aに記憶されている設定時間の何れかに入浴時間が到達すると(S323:YES)、設定時間データベース112aにおいて当該設定時間に対応付けられている携帯端末装置30に、入浴時間が設定時間に到達したことを通知するための処理を行う(S324)。
【0126】
具体的には、制御部111は、当該携帯端末装置30のID情報を含む設定時間到達通知を、自身のID情報とともに、台所リモコン13を介してサーバ50に送信する。これを受けて、サーバ50は、設定時間到達通知に含まれているID情報を有する携帯端末装置30に、入浴時間が設定時間に到達したことの通知を、プッシュ通知等により通知する。これに応じて、当該携帯端末装置30において、入浴時間が設定時間に到達したことを報知する処理が行われる。これにより、当該携帯端末装置30の使用者は、自身が設定した設定時間に入浴時間が到達したことを把握できる。
【0127】
その後、制御部111は、設定時間データベース112aに記憶されている設定時間の中に、未だ入浴時間が到達していない設定時間が残っているか否かを判定する(S325)。ここで、入浴時間が到達していない設定時間が残っていない場合(S325:NO)、制御部111は、処理を終了する。他方、入浴時間が到達していない設定時間が残っている場合(S325:YES)、制御部501は、処理をステップS323に戻して、残りの設定時間と入浴時間とを比較する処理を行う。
【0128】
こうして、制御部111は、退浴を検知するまでの間(S326:NO)、設定時間データベース502aに記憶されている設定時間と、入浴時間とを比較し(S323)、入浴時間が到達した設定時間から順番に、当該設定時間に対応付けられている携帯端末装置30に対して入浴時間が設定時間に到達したことを通知するための処理を行う(S324)。これにより、各携帯端末装置30の使用者は、自身が設定した設定時間に入浴時間が到達したタイミングで、その旨の報知を、自身の携帯端末装置30から受けることになる。
【0129】
こうして、設定時間データベース502aに記憶されている全ての設定時間に対して通知を行うか(S325:NO)、退浴を検知することにより(S326:YES)、制御部111は、
図11の処理を終了する。
【0130】
<実施形態2の効果>
実施形態2においても、実施形態1と同様の効果が奏され得る。
【0131】
また、
図10に示したように、入退浴検知部111a、入浴時間監視部111cおよび設定時間データベース112aがふろ機能装置11側に配置されているため、給湯装置10側において、入退浴の検知から入浴時間の監視までの一連の処理を円滑に行うことができる。
【0132】
さらに、
図10に示したように、設定時間更新部111bが給湯装置10に配置されているため、給湯装置10に配置されている設定時間データベース112aを、給湯装置10に配置されている設定時間更新部111bによって円滑に更新することができる。
【0133】
<実施形態3>
上記実施形態1では、サーバ50において入浴時間の監視が行われ、上記実施形態2では、給湯装置10(給湯器11)において、入浴時間の監視が行われた。これに対し、実施形態3では、各携帯端末装置30において、入浴時間の監視が行われる。
【0134】
図12(a)は、実施形態3に係る、携帯端末装置30の制御部301により行われる設定時間の登録処理を示すフローチャートである。
【0135】
図12(a)では、
図5(a)のステップS104の処理が、携帯端末装置30の記憶部302に記憶されている設定時間を更新する処理(S121)に置き換えられる。すなわち、
図5(b)の設定画面600において、使用者がボタン641を操作すると(S103:YES)、当該携帯端末装置30の記憶部302に記憶されている設定時間が、領域630を介して選択された設定時間に更新される(S121)。
【0136】
図12(b)は、実施形態3に係る、サーバ50の制御部501において行われる入浴時間のカウント処理を示すフローチャートである。
【0137】
制御部501は、台所リモコン13から入浴開始通知を受信すると(S231:YES)、入浴時間のカウントを開始する(S232)。そして、制御部501は、台所リモコン13から入浴終了通知を受信するまでの間(S234:NO)、当該台所リモコン13に対応付けられている携帯端末装置30から入浴時間の送信要求を受信したことに応じて、カウントした最新の入浴時間を当該携帯端末装置30に送信する(S233)。その後、台所リモコン13から入浴終了通知を受信すると(S234:YES)、制御部501は、入浴時間のカウントを終了して(S235)、処理を終了する。
【0138】
図13は、実施形態3に係る、携帯端末装置30の制御部301において行われる入浴時間の監視処理を示すフローチャートである。
【0139】
給湯システム1のアプリケーションプログラムが使用者により起動されると、制御部301は、随時、サーバ50から受信する状態情報に基づいて、浴槽に人が入浴しているか否かを判定する(S131)。ここで、浴槽に人が入浴している場合、制御部301は、入浴時間の送信要求をサーバ50に送信し(S132)、サーバ50から入浴時間を受信するのを待機する(S133)。ステップS132で送信された送信要求に対する応答は、
図12(b)のステップS233で行われる。
【0140】
サーバ50から入浴時間を受信すると(S133:YES)、制御部501は、入浴時間が自身の記憶部502に記憶されている設定時間に到達したか否かを判定する(S134)。ステップS134の判定がYESの場合、制御部501は、入浴時間が設定時間に到達したことを報知するための報知処理を実行する(S135)。他方、ステップS134の判定がNOであれば、制御部301は、サーバ50から随時受信する状態情報に基づいて、浴槽から人が退出したか否かを判定する(S136)。
【0141】
こうして、浴槽から人が退出するまでの間(S136:NO)、制御部501は、逐次、入浴時間をサーバ50から受信して(S132、S133)、自身の記憶部502に記憶された設定時間と入浴時間とを比較する(S133)。そして、制御部501は、退浴までに(S136:NO)、入浴時間が設定時間に到達すると(S134:YES)、報知処理を行って(S135)、処理を終了する。他方、制御部301は、入浴時間が設定時間に到達するまでに(S134:NO)、退浴を検知した場合(S136:YES)、
図13の処理を終了する。
【0142】
図14は、
図13のステップS135の報知処理において、携帯端末装置30の表示入力部304に表示される報知画面700の一例を示す図である。
【0143】
報知画面700は、入浴時間が設定時間に到達したことを示すメッセージ701と、浴槽に人が入浴中であることを示す画像702と、入浴時間を示す項目703と、入浴者に呼び掛けを行うか否かを問い合わせるメッセージ704と、ボタン705、706とを含んでいる。
【0144】
携帯端末装置30に使用者は、メッセージ701を参照することにより、入浴時間が設定時間に到達したことを把握でき、さらに、画像702および項目703を参照することで、現在までの入浴時間を把握できる。使用者は、これらを把握した上で、入浴者に呼び掛けを行う場合はボタン705を操作し、呼び掛けを行わない場合はボタン706を操作する。
【0145】
ボタン705が操作された場合、制御部301は、サーバ50に呼び掛け指令を送信する。これに応じて、サーバ50は、当該携帯端末装置30に対応付けられている台所リモコン13に呼び掛け指令を送信する。呼び掛け指令は、台所リモコン13から浴室リモコン12に転送される。これにより、浴室リモコン12から、入浴者に呼び掛けを行うための音声が出力される。他方、ボタン706が操作された場合、制御部301は、報知画面700を閉じて処理を終了する。
【0146】
なお、実施形態1、2においても、入浴時間が設定時間に到達したことの通知が携帯端末装置30に送信された場合に、携帯端末装置30において、同様の報知画面が表示されてもよい。また、
図12(b)における入浴時間の計測処理に代えて、上記実施形態1の変更例と同様の処理が用いられてもよい。
【0147】
さらに、携帯端末装置30がサーバ50から入浴開始時刻(入浴に関する情報)を受信する場合、携帯端末装置30の制御部301は、受信した入浴開始時刻と現在時刻との差分から入浴時間を算出してもよい。携帯端末装置30が受信する入浴に関する情報は、携帯端末装置30において入浴時間を取得可能な情報であればよい。
【0148】
<実施形態3の効果>
図13に示したように、サーバ50から受信する入浴に関する情報に基づいて、携帯端末装置30側で入浴時間が取得される(S132、S133)。そして、この入浴時間が、携帯端末装置30の記憶部302に記憶されている設定時間に到達すると(S134:YES)、携帯端末装置30からその旨の報知が行われる(S135、
図14)。よって、携帯端末装置30の使用者は、自身の携帯端末装置30に自身が望む設定時間を登録することにより、所望の設定時間で入浴者の入浴時間を監視することができる。
【0149】
<その他の変更例>
上記実施形態では、携帯端末装置30ごとに設定時間が個別に登録されたが、各携帯端末装置30に対し使用者が所望する設定時間が対応付けて記憶される限りにおいて、設定時間データベースが他の形態で構成されてもよい。たとえば、共通の設定時間と、携帯端末装置30ごとの設定時間とが、設定時間データベースで管理されてもよい。
【0150】
図15は、この場合の設定時間データベース502aの構成を示す図である。
【0151】
図15に示すように、本変更例に係る設定時間データベース502aでは、各携帯端末装置30のID情報に対して、共通設定時間と個別設定時間とが対応付けられ、さらに、個別設定時間を有効化するためのフラグが、それぞれの個別設定時間に付されている。
【0152】
共通設定時間は、1つの台所リモコン13のID情報に対応付けられている携帯端末装置30に対し共通に適用される設定時間である。共通設定時間は、たとえば、1つの台所リモコンIDに対応付けられている携帯端末装置30について設定された設定時間のうち、最先に設定された設定時間や、優先順位が最上位に設定された設定時間が適用される。個別設定時間は、携帯端末装置30ごとに設定された設定時間である。
【0153】
携帯端末装置30の使用者は、自身の設定時間として、共通設定時間と個別設定時間の何れを用いるかを、所定の設定画面に対する操作により選択することができる。個別設定時間が選択された場合、フラグが1に設定され、共通設定時間が選択された場合、フラグが0に設定される。さらに、使用者は、自身の設定時間を最初に設定する際に、既に設定されている共通設定時間を自身の設定時間として選択できてもよい。この場合、設定時間データベース502aに対する個別設定時間の登録は省略され、フラグに0が登録される。
【0154】
図15の設定時間データベース502aを用いる場合、サーバ50の制御部501は、
図9のステップS223において、フラグが0の携帯端末装置30については、共通設定時間を設定時間として用いて、入浴時間との比較を行い、フラグが1の携帯端末装置30については、個別設定時間を設定時間として用いて、入浴時間との比較を行う。そして、制御部501は、入浴時間が共通設定時間に到達したと判定すると、ステップS224において、フラグが0に設定されている全ての携帯端末装置30に対して、一斉に、入浴時間が設定時間に到達したことの通知を行う。また、制御部501は、フラグが1に設定されている個別設定時間に入浴時間が到達したことを判定すると、ステップS224において、当該個別設定時間に対応付けられている携帯端末装置30に対して、入浴時間が設定時間に到達したことの通知を行う。
【0155】
この変更例においても、携帯端末装置30の使用者が望む設定時間で、入浴時間を監視できる。また、上記実施形態に比べて、入浴時間を監視するための設定時間の種類を削減できるため、制御部501における処理を簡素化できる。さらに、使用者は、共通設定時間と個別設定時間を任意に選択できるので、使用者の利便性を向上させることができる。この変更例は、上記実施形態2に対しても適用され得る。
【0156】
また、上記実施形態では、携帯端末装置30において表示される設定画面600を介して設定時間が登録されたが、設定時間の登録方法はこれに限られるものではない。たとえば、台所リモコン13を介して、各携帯端末装置30の設定時間が登録されてもよい。
【0157】
また、入退浴検知部、設定時間更新部、入浴時間監視部および設定時間データベースの配置は、
図2(実施形態1)および
図10(実施形態2)の配置に限られるものではなく、給湯システム1を構成する機器に配置される限りにおいて、適宜変更可能である。たとえば、
図2の構成において、入退浴検知部が台所リモコン13に配置されてもよく、
図10の構成において、設定時間更新部、入浴時間監視部および設定時間データベースが、台所リモコン13に配置されてもよい。また、給湯器11、浴室リモコン11および台所リモコン13以外に給湯装置10を構成する機器が存在する場合は、この機器に、入退浴検知部、設定時間更新部、入浴時間監視部および設定時間データベースの1つまたは複数が配置されてもよい。
【0158】
また、入退浴検知部、設定時間更新部および入浴時間監視部は、必ずしも、プログラムに基づく機能として実現されなくてもよく、ロジック回路に基づくハードウエアにより実現されてもよい。
【0159】
また、上記実施形態では、水位センサ114の出力に基づいて、入浴の有無が検知されたが、入浴の有無の検知方法はこれに限られるものではない。たとえば、背もたれ部分に照度センサを配置し、照度センサの検出照度が低下したことに基づいて、入浴が検出されてもよい。また、人感センサ128の検知結果に基づいて入浴の有無が検知されてもよい。
【0160】
また、
図7のフローチャートでは、台所リモコン13から入浴開始通知および入浴終了通知を受信したことに基づいて、入浴と退浴が検知されたが、台所リモコン13からサーバ50に定期的に送信される状態情報に基づいて、入浴と退浴が検知されてもよい。ただし、状態情報は定期的(たとえば1分間隔)に送信されるため、入浴および退浴が検知されたタイミングと、状態情報の送信タイミングとの間にタイムラグが生じ得る。よって、サーバ50において、より正確に、入浴と退浴を検知するためには、上記実施形態1のように、台所リモコン13から入浴開始通知および入浴終了通知を受信したことに基づいて、入浴と退浴が検知されることが好ましい。
【0161】
また、上記実施形態では、給湯装置10を構成する台所リモコン13に無線通信部138が設けられたが、無線通信部が給湯器11に設けられて給湯器11がルータ20に接続されてもよい。あるいは、給湯器11、浴室リモコン12および台所リモコン13以外に無線通信部を備えた制御ユニットが給湯装置10に配置され、この制御ユニットがルータ20に接続されてもよい。
【0162】
また、給湯器11の構成は、
図3に示した構成に限られるものではなく、他の構成であってもよい。たとえば、
図3の構成では、浴槽2内の湯をふろ熱交換器222に循環させることによって、浴槽2内の湯に対する追い焚きが行われたが、給湯器11が、高温の湯を浴槽に追加することにより追い焚き機能が実行されてもよい。
【0163】
なお、給湯装置10を遠隔制御する端末装置に、携帯性がなく所定の場所に設置される据え置き型の端末装置が含まれてもよい。また、給湯装置10は、ガス燃料を用いるものに限らず、オイルを燃料とする給湯装置であってもよい。給湯装置10は、貯留タンクを用いた貯留式のものであってもよく、燃料電池等の発電ユニットをさらに備えた構成であってもよい。
【0164】
また、上記実施形態では、浴槽に対する所定のふろ機能を実行するふろ機能装置として、ふろ関連機能とともに給湯機能を備えた給湯装置10が例示されたが、ふろ機能装置は、ふろ関連機能のみを実行可能な装置であってもよい。たとえば、浴槽2に溜められた水を、熱交換器に循環させて暖める機能のみを有するふろ機能装置を、ふろシステムが備える構成であってもよい。この場合、ふろ機能装置は、ふろを沸かすための構成と、ふろシステムのサーバと通信するための構成とを備えていればよい。
【0165】
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜種々の変更可能である。
【符号の説明】
【0166】
1 給湯システム(ふろシステム)
10 給湯装置(ふろ機能装置)
30 携帯端末装置
40 外部通信網
50 サーバ
111a 入退浴検知部
111b、501a 設定時間更新部
111c、501b 入浴時間監視部
112a、502a 設定時間データベース