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特許7541287ジアテルミー中に生理学的パラメータを監視するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】ジアテルミー中に生理学的パラメータを監視するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/271 20210101AFI20240821BHJP
【FI】
A61B5/271
【請求項の数】 35
(21)【出願番号】P 2023187868
(22)【出願日】2023-11-01
(62)【分割の表示】P 2021503161の分割
【原出願日】2019-07-21
(65)【公開番号】P2024016150
(43)【公開日】2024-02-06
【審査請求日】2023-11-28
(31)【優先権主張番号】62/701,825
(32)【優先日】2018-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517240621
【氏名又は名称】メダセンス バイオメトリクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(72)【発明者】
【氏名】ケイトン、 アヴィ
(72)【発明者】
【氏名】アモッシ、 アヴィーム
(72)【発明者】
【氏名】アラジ、 シューリ
【審査官】外山 未琴
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0030267(US,A1)
【文献】特表2012-516205(JP,A)
【文献】特開平09-308638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B5/00-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)被験者の身体を通過する電気伝導経路を閉じるように構成された少なくとも1つの電極ベースのセンサと、
2)下記のi~ivより選択された少なくとも1つを印加することを含む医療介入処置中に、被験者の少なくとも1つの生理学的パラメータを監視するように構成された少なくとも1つの非電極ベースのセンサと、
i)高強度高周波電流、
ii)高強度高周波電気電圧、
iii)高エネルギー高周波電流、および
iv)高エネルギー高周波電気電圧、
を備えたセンサアセンブリと、
モニタと、
アナログ―デジタル変換器(ADC)と、
複数の電気配線と、
フィルタアレイと、を備え、
前記複数の電気配線は、前記センサアセンブリを前記モニタに電気的に関連付けるよう構成され、前記複数の電気配線が、
1)前記少なくとも1つの電極ベースのセンサからの少なくとも1つの第1のセンサ信号を前記モニタに送信するように構成された少なくとも1つの第1の配線であって、前記少なくとも1つの電極ベースのセンサから前記ADCまで延びる、少なくとも1つの第1の配線と、
2)前記少なくとも1つの非電極ベースのセンサからの少なくとも1つの第2のセンサ信号を前記モニタに送信するように構成された少なくとも1つの第2の配線とを備え、
前記モニタは、前記少なくとも1つの第1のセンサ信号および前記少なくとも1つの第2のセンサ信号に基づいて被験者の生理学的活動を評価するように構成され、
前記フィルタアレイは、
1)前記少なくとも1つの第1の配線に取り付けられた少なくとも1つの近位電磁干渉(EMI)フィルタであって、前記少なくとも1つの近位EMIフィルタの入力端子が前記少なくとも1つの電極ベースのセンサに結合された、少なくとも1つの近位EMIフィルタと、
2)前記少なくとも1つの第1の配線に取り付けられた少なくとも1つの遠位EMIフィルタであって、前記少なくとも1つの遠位EMIフィルタの出力端子が前記ADCの入力端子に結合された、少なくとも1つの遠位EMIフィルタと、
3)前記少なくとも1つの第2の配線に取り付けられた少なくとも1つのEMIフィルタであって、前記少なくとも1つのEMIフィルタの出力端子が前記ADCの第2の入力端子または第2のADCの入力端子に結合された、少なくとも1つのEMIフィルタと、を備え
前記少なくとも1つの第1の配線に取り付けられた前記少なくとも1つの遠位EMIフィルタ及び前記少なくとも1つの第2の配線に取り付けられた前記少なくとも1つのEMIフィルタのそれぞれは、前記少なくとも1つの電極ベースのセンサおよび前記少なくとも1つの非電極ベースのセンサのサンプリング周波数における減衰の大きさより少なくとも10dB大きい第1の周波数範囲における減衰の大きさを有するそれぞれの周波数応答曲線によって特徴付けられ、
センサアセンブリと、複数の電気配線と、フィルタアレイとの組み合わせは、医療介入処置において使用される医療介入機器によって誘発されるノイズを抑制するように構成された、システム。
【請求項2】
前記第1の周波数範囲における前記少なくとも1つの第2の遠位EMIフィルタ及び前記少なくとも1つの第3のEMIフィルタの前記減衰の大きさは、少なくとも60dBである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の周波数範囲における前記少なくとも1つの第1の近位EMIフィルタの減衰の大きさは少なくとも10dBであり、および/または前記第1の周波数範囲における前記少なくとも1つの第1の近位EMIフィルタの減衰の大きさは前記第2の周波数範囲におけるその減衰の大きさよりも少なくとも10dB大きい、請求項1および2のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の周波数範囲は、300kHz~500kHzである、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2の周波数範囲は、0Hz~600Hzである、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記センサアセンブリは、前記被験者の指に取り付けられるように構成された指プローブである、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの電極ベースのセンサが、バイオインピーダンスセンサおよび/またはバイオポテンシャルセンサを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの電極ベースのセンサが、ガルバニック皮膚応答(GSR)センサ、心電計(ECG)、筋電図(EMG)、胃電図(EGG)、脳波計(EEG)、および/または眼電図(EOG)を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの電極ベースのセンサは、GSRセンサである、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記モニタはアナログ―デジタル変換器(ADC)を含み、前記少なくとも1つの第2の遠位EMIフィルタは、前記ADCの入力端子またはその近傍に取り付けられる、請求項1~9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの第1の配線は、前記少なくとも1つの第1の近位EMIフィルタから前記少なくとも1つの第2の遠位EMIフィルタまで延在し、
前記少なくとも1つの第1の近位EMIフィルタの入力端子は前記少なくとも1つの電極ベースのセンサに結合され、前記少なくとも1つの第1の近位EMIフィルタの出力端子は前記少なくとも1つの第1の配線を介して、フィルタリング済みの前記少なくとも1つの第1のセンサ信号を伝送するように構成され、前記少なくとも1つの第1の近位EMIフィルタの接地端子はフローティング接地に接続され、
前記少なくとも1つの第2の遠位EMIフィルタの入力端子は前記少なくとも1つの第1の配線を介して、前記フィルタリング済みの前記少なくとも1つの第1のセンサ信号を
受信するように構成され、前記少なくとも1つの第2の遠位EMIフィルタの出力端子は前記ADCに結合され、前記少なくとも1つの第2の遠位EMIフィルタの接地端子は前記フローティング接地に接続された、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの第1の近位EMIフィルタと前記少なくとも1つの第2の遠位EMIフィルタとの間で前記少なくとも1つの第1の配線上に取り付けられ、前記フィルタリング済みの前記少なくとも1つの第1のセンサ信号を増幅するように構成された増幅器をさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの非電極ベースのセンサが、フォトプレチスモグラム(PPG)センサ、圧電センサ、加速度計、温度計、血圧センサ、呼吸センサ、近赤外分光法(NIRS)センサ、動的光散乱(DLS)ベースのセンサ、レーザドップラ流量計、拡散相関分光法(DCS)ベースのセンサ、音響センサ、および/またはマイクロフォンを備える、請求項1~12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの非電極ベースのセンサは、PPGセンサである、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記センサアセンブリは非電極ベースである第3のセンサをさらに備え、前記複数の電気配線は前記第3のセンサから前記モニタにセンサ信号を送信するように構成された少なくとも1つの追加の配線をさらに備え、
フィルタアレイは、少なくとも1つの追加の配線上に取り付けられた少なくとも1つの追加のEMIフィルタをさらに備える、請求項1~14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記第3のセンサは加速度計であり、前記少なくとも1つの追加配線は少なくとも3つの配線を含み、前記少なくとも1つの追加EMIフィルタは、前記少なくとも3つの配線にそれぞれ取り付けられた少なくとも3つのEMIフィルタを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの非電極ベースのセンサがPPGセンサであり、前記少なくとも1つの第3のEMIフィルタが前記ADCの第2の入力端子にまたはその付近に、あるいは、前記モニタ内の前記ADCの入力端子にまたはその付近に取り付けられる、請求項10~16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの第3のEMIフィルタの入力端子は前記少なくとも1つの第2の配線を介して、前記少なくとも1つの第2のセンサ信号を受信するように構成され、前記少なくとも1つの第3のEMIフィルタの出力端子は前記ADCに結合され、前記少なくとも1つの第3のEMIフィルタの接地端子は前記フローティング接地に接続される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの第3のEMIフィルタの前に前記少なくとも1つの第2の配線上に取り付けられ、前記少なくとも1つの第2のセンサ信号を増幅するように構成された第2の増幅器をさらに備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの第1の近位EMIフィルタは前記センサアセンブリ内に収容され、前記フィルタアレイ内の他の全てのEMIフィルタは前記モニタ内に収容される、請求項1~19のいずれか1項に他のシステム。
【請求項21】
前記システムが前記増幅器および前記第2増幅器を含み、前記増幅器が前記モニタ内に
収容される、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記センサアセンブリと前記モニタとの間で、前記複数の電気配線が電気ケーブル内に収容される、請求項1~21のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項23】
前記電気ケーブルの長さは、2.8mである、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記モニタは、前記少なくとも1つの第1のセンサ信号および前記少なくとも1つの第2のセンサ信号に基づいて、前記医療介入処置中の前記被験者の生理学的状態を評価することを可能にするように構成されたプロセッサを備える、請求項1~23のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項25】
前記医療介入処置中の前記生理学的状態の評価は、前記少なくとも1つの電極ベースのセンサから受信されたデータを割り引くことを含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記生理学的状態が、前記被験者の自律神経系活動である、請求項24および25のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項27】
自律神経系活動が、被験者の疼痛、侵害受容、麻酔、鎮痛、不安、およびストレスの1以上のレベルを含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
自律神経系活動が被験者の疼痛のレベルである、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記少なくとも1つの近位EMIフィルタ、前記少なくとも1つの遠位EMIフィルタ、および前記少なくとも1つのEMIフィルタ、のそれぞれは、低ESL(等価直列インダクタンス)フィードスルーコンデンサである、請求項1~28のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項30】
前記少なくとも1つの第1の近位EMIフィルタの容量は、0.05μFと0.2μFとの間である、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記少なくとも1つの第2の遠位EMIフィルタおよび前記少なくとも1つの第3のEMIフィルタの容量は、15μFと40μFとの間である、請求項29および30のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項32】
前記センサアセンブリが温度計をさらに含み、前記複数の電気配線が、前記温度計によって得られたセンサデータを前記モニタに送信するように構成された温度計専用配線を含む、請求項1~31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項33】
前記医療介入処置がジアテルミーである、請求項1~32のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項34】
前記医療介入処置がRFアブレーションである、請求項1~33のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項35】
前記医療介入処置中の前記生理学的状態の評価は、前記少なくとも1つの電極ベースのセンサを通して導入されたノイズの推定に基づいて、前記少なくとも1つの非電極ベースのセンサから取得された前記少なくとも1つの第2のセンサ信号をクリーニングすることを含む、請求項24に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、高周波交流極性電流を患者の身体に流すことを含む、医療処置中のマルチパラメータ生理学的信号取得に関する。
【背景技術】
【0002】
ジアテルミー外科手術(本明細書では、電気外科手術または電気焼灼術とも呼ばれる)では患者の身体を通過する電気伝導経路を閉鎖するように、電極を通して電流が印加される。電流は高周波で印加され、例えば、患者の身体上の標的部位で組織を加熱することによって、組織を凝固させ、そして失血を減少させると同時に、組織を切断し、乾燥させ、および/または電気破壊する。電流を印加する装置は患者の皮膚に接触してもよく、または、電気アークを生成するために十分に高い電圧が印加されるときに、患者の皮膚に近接して保持されてもよい。
【0003】
ジアテルミー処置において生成される電流/エネルギーは、患者の身体に接触する医療センサに影響を及ぼし、センサによって生成される信号にノイズを付加し、結果として生じる信号の変形または信号の飽和(すなわち、信号の完全な損失)さえももたらす可能性がある。特に、ジアテルミー/電気焼灼誘発ノイズは、電極ベースのセンサ(例えば、ECG、EMG、またはガルバニック皮膚応答センサ)に影響を及ぼし得る。関係する高エネルギー(高電流及び/又は高電圧)のために、電気干渉効果(例えば、容量結合、誘導結合)もまた、体と接触しないが、電極ベースのセンサのような「影響を受けた」医療センサの周囲に(近接して)配置された医療/生理学的センサの信号を、変形/飽和させる可能性がある。
【0004】
特に、ジアテルミー誘発ノイズは(ジアテルミー/電気外科手術中の)パラメータの信頼できるモニタリングに有害であり、それ自体、例えば、ジアテルミー中の患者の生理学的状態および患者の疼痛または侵害受容レベルの信頼できる評価に有害である。ジアテルミー手術中に疼痛または侵害受容を確実に監視する能力が欠如していると、患者が過剰または不十分な用量の麻酔薬を投与されることになる可能性がある。過剰量の麻酔薬は、低血圧、心筋損傷、および/または術後数カ月に現れる急性腎損傷、ならびに痛覚過敏の一因となることがある。一方、麻酔薬の投与量が不足すると、虚弱な患者にとって危険となりうる重度のストレス反応を引き起こし、(手術後の)持続性および/または慢性の疼痛につながる可能性がある。
【0005】
したがって、ジアテルミー処置中の疼痛監視のための信頼できるシステムおよび方法が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本開示の態様はそのいくつかの実施形態によれば、ジアテルミー、RFアブレーションなどのような(ただし、これらに限定されない)患者の身体を通る高強度/エネルギー高周波電流/電圧の印加を伴う処置中の1つまたは複数の生理学的パラメータのモニタリングに関する。具体的には、開示のいくつかの局面がジアテルミー処置または電気焼灼処置の間、1つ以上の生理学的パラメータをモニタリングすることによって、患者の自律神経系活動を確実に評価することに関係する。より具体的にはしかし排他的ではなく、本開示のいくつかの実施形態によれば、本開示の態様は電極ベースのセンサへ非電極ベースのセンサが近接したことで誘発されるノイズなど、生理学的センサにおけるジアテルミー誘発ノイズの抑制に関する。
【0007】
本発明は、患者から生理学的データを取得するために使用される医用センサと、センサデータを処理して患者の疼痛、侵害受容、麻酔、ストレス、不安、睡眠、および/または鎮痛のレベル/程度を評価するために使用されるモニタとの間の特定の位置に配置される電磁気妨害(EMI)フィルタによって、ジアテルミー手術処置中の疼痛、侵害受容、麻酔、ストレス、不安、睡眠、および/または鎮痛の信頼できるモニタリングを有利に提供する。より一般的に、本開示は、ジアテルミー外科処置を受ける患者の複数の生理学的パラメータおよび自律神経系活動の信頼できるモニタリングを提供する。
【0008】
従って、幾つかの実施例の態様によれば、センサアセンブリ、モニタ、複数の電気配線、及びフィルタアレイを含むシステムが提供される。センサアセンブリは、被験者の身体を通過する電気伝導経路を閉じるように構成された少なくとも1つの電極ベースのセンサと、(i)高強度高周波電流、(ii)高強度高周波電圧、(iii)高エネルギー高周波電流、および(iv)高エネルギー高周波電圧から選択される少なくとも1つの印加を伴う医療介入処置中に被験者の1つ以上の生理学的パラメータを監視するように構成された1つ以上の非電極ベースのセンサとを含む。複数の電気配線は、センサアセンブリをモニタに電気的に関連付ける。複数の電気配線は、電極ベースのセンサからモニタに複数の第1のセンサ信号を送信するように構成された第1の配線と、1つまたは複数の非電極ベースのセンサからモニタに複数の第2のセンサ信号を送信するように構成された第2の配線とを含む。モニタは、少なくとも複数の第2のセンサ信号に基づいて被験者の生理学的活動を評価するように構成される。フィルタアレイは、第1の配線に取り付けられた第1の近位電磁干渉(EMI)フィルタと、第1の配線に取り付けられた第2の遠位EMIフィルタと、第2の配線に取り付けられた第3のEMIフィルタとを含む。第1の近位EMIフィルタは、電極ベースのセンサと第2の遠位EMIフィルタとの間に配置される。第2の遠位EMIフィルタ及び第3のEMIフィルタのそれぞれは、第2の周波数範囲における減衰の大きさより少なくとも10dB大きい第1の周波数範囲における減衰の大きさを有するそれぞれの周波数応答曲線によって特徴付けられる。センサアセンブリと、複数の電気配線と、フィルタアレイとの組み合わせは、医療介入処置で使用される医療介入機器によって誘発されるノイズを抑制するように構成される。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、第1の近位EMIフィルタは、センサアセンブリ内又は近傍の第1の配線上に取り付けられる。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、第2の遠位EMIフィルタは、モニタ内又はモニタ付近の第1の配線上に取り付けられる。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、第1の周波数範囲は、典型的には、高強度および/または高エネルギー高周波医療介入機器の動作周波数である。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、第2の周波数範囲は、典型的には、電極ベースのセンサおよび1つまたは複数の非電極ベースのセンサのサンプリング周波数/周波数である。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、第1の周波数範囲における第2及び第3のEMIフィルタの減衰の大きさは、少なくとも約60dBである。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、第1の周波数範囲における第1のEMIフィルタの減衰の大きさは少なくとも約10dBであり、および/または第1の周波数範囲における第1のEMIフィルタの減衰の大きさは第2の周波数範囲におけるその減衰の大きさよりも少なくとも約10dB大きい。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、第1の周波数範囲は、約300kHzから約500kHzの間である。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、第2の周波数範囲は、0Hzから約600Hzの間である。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、センサアセンブリは、被験者の指に取り付けられるように構成された指プローブである。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、電極ベースのセンサは、バイオインピーダンスセンサおよび/またはバイオポテンシャルセンサを含む。
【0019】
いくつかの実施形態によれば、電極ベースのセンサは、ガルバニック皮膚応答(GSR)センサ、心電計(ECG)、筋電計(EMG)、胃電計(EGG)、脳波計(EEG)、および/または眼電計(EOG)を含む。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、電極ベースのセンサは、GSRセンサである。
【0021】
いくつかの実施形態によれば、モニタは、アナログ/デジタル変換器(ADC)を含む。遠位フィルタは、ADCの入力端子またはその近傍に取り付けられる。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、第1の配線は、電極ベースのセンサからADCまで延びている。近位フィルタの入力端子は、電極ベースのセンサに結合される。近位フィルタの出力端子は、第1の配線を介して、フィルタリング済みの電極ベースのセンサ信号を送信するように構成される。近位フィルタの接地端子は、フローティング接地に接続される。遠位フィルタの入力端子は、第1の配線を介して、フィルタリング済みの電極ベースのセンサ信号を受信するように構成される。遠位フィルタの出力端子は、ADCに結合される。遠位フィルタの接地端子は、フローティング接地に接続される。
【0023】
いくつかの実施形態によれば、システムはさらに、近位フィルタと遠位フィルタとの間で第1の配線に取り付けられ、フィルタリング済みの電極ベースのセンサ信号を増幅するように構成された増幅器を含む。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、非電極ベースのセンサは、フォトプレチスモグラム(PPG)センサ、圧電センサ、加速度計、温度計、血圧センサ、呼吸センサ、近赤外分光法(NIRS)センサ、動的光散乱(DLS)ベースのセンサ、レーザドップラ流量計、拡散相関分光法(DCS)ベースのセンサ、音響センサ、および/またはマイクロフォンを含む。
【0025】
いくつかの実施形態によれば、非電極ベースのセンサは、PPGセンサである。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、センサアセンブリは、非電極ベースの第3のセンサをさらに含む。複数の電気配線は、第3のセンサからモニタにセンサ信号を送信するように構成された少なくとも1つの追加の配線をさらに含む。フィルタアレイは、少なくとも1つの追加の配線上に取り付けられた少なくとも1つの追加のEMIフィルタをさらに含む。
【0027】
いくつかの実施形態によれば、第3のセンサは加速度計である。少なくとも1つの追加の配線は、少なくとも3つの配線を含む。少なくとも1つの追加EMIフィルタは、少なくとも3つの配線にそれぞれ取り付けられた少なくとも3つのEMIフィルタを含む。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、非電極ベースのセンサはPPGセンサであり、第3のフィルタはモニタ内の第2のADCの入力端子、またはその付近に、ADCの第2の入力端子に、またはその付近に取り付けられる。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、第3のフィルタの入力端子は、第2の配線を介して、非電極ベースのセンサからの第2のセンサ信号を受信するように構成される。第3のフィルタの出力端子は、ADCに結合される。第3のフィルタの接地端子はフローティング接地に接続されている。
【0030】
いくつかの実施形態によれば、システムはさらに、第3のフィルタの前の第2の配線上に取り付けられ、非電極ベースのセンサから受信したセンサ信号を増幅するように構成された第2の増幅器を含む。
【0031】
いくつかの実施形態によれば、近位EMIフィルタはセンサアセンブリ内に収容され、フィルタアレイ内の他のすべてのEMIフィルタはモニタ内に収容される。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、システムは増幅器および第2増幅器を含み、増幅器は、モニタ内に収容される。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、センサアセンブリとモニタとの間に、複数の電気配線が電気ケーブル内に収容される。
【0034】
いくつかの実施形態によれば、電気ケーブルは、約2.8mの長さである。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、モニタは、センサ信号に基づいて、医療介入処置中の被験者の生理学的状態を評価することを可能にするように構成されたプロセッサを含む。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、医療介入処置中の生理学的状態の評価は、電極ベースのセンサから受信されたデータを割り引くこと(考慮しないこと、無視すること)を含む。
【0037】
いくつかの実施形態によれば、生理学的状態は、被験者の自律神経系活動である。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、自律神経系活動は、被験者の疼痛、侵害受容、麻酔、鎮痛、不安、および/またはストレスのレベルの1つ以上を含む。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、自律神経系活動は、被験者の疼痛のレベルである。
【0040】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも3つのEMIフィルタの各々は、低ESL(等価直列インダクタンス)フィードスルーコンデンサである。
【0041】
いくつかの実施形態によれば、第1のEMIフィルタのキャパシタンスは、約0.05μFと0.2μFとの間である。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、第2および第3のEMIフィルタの容量は、約15μFと約40μFとの間である。
【0043】
いくつかの実施形態によれば、センサアセンブリは温度計をさらに含み、複数の電気配線は、温度計によって得られたセンサデータをモニタに送信するように構成された温度計専用配線を含む。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、医療介入処置はジアテルミーである。
【0045】
いくつかの実施形態によれば、医療介入処置は、RFアブレーションである。
【0046】
いくつかの実施形態によれば、近位EMIフィルタは、第1のセンサの近傍に又は隣接して取り付けられる。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、医療介入処置中の生理学的状態の評価は、少なくとも1つの電極ベースのセンサを通して導入されたノイズの推定に基づいて、少なくとも1つの非電極ベースのセンサから取得された信号をクリーニングすることを含む。
【0048】
いくつかの実施形態の一態様によれば、
被験者の身体を通過する電気伝導経路を閉じるように構成された少なくとも1つの電極ベースのセンサと、
高強度高周波電流、高強度高周波電圧、高エネルギー高周波電流、および高エネルギー高周波電圧から選択される少なくとも1つの印加を含む医療介入処置中に、被験者の1つまたは複数の生理学的パラメータを監視するように構成された少なくとも1つの非電極ベースのセンサと、
アナログ/デジタル変換器と、
制御回路と、
電磁干渉(EMI)フィルタと、を含むシステムが提供される。
【0049】
EMIフィルタは少なくとも1つの電極ベースのセンサから複数の第1のセンサ信号を受信し、第1のセンサ信号をフィルタリングし、フィルタリング済みの第1のセンサ信号をアナログ/デジタル変換器に送信するように構成される。非電極ベースのセンサは、複数の第2のセンサ信号をアナログ/デジタル変換器および/または制御回路に送信するように構成される。アナログ/デジタル変換器はフィルタ処理された第1のセンサ信号、及び任意に、第2のセンサ信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号を制御回路に送信するように構成される。EMIフィルタは、医療介入処置で使用される医療介入機器によって誘発される少なくとも1つの電極ベースのセンサの信号におけるノイズを抑制するように構成される。
【0050】
いくつかの実施形態によれば、システムは、第1の配線および第2の配線をさらに含む。EMIフィルタは、第1の配線上に取り付けられる。複数の第1のセンサ信号は少なくとも1つの電極ベースのセンサから、第1の配線を介してアナログ/デジタル変換器に中継される(そして、EMIフィルタによって途中でフィルタリングされる)。複数の第2のセンサ信号は少なくとも1つの非電極ベースのセンサから、第2の配線を介して、アナログ/デジタル変換器および/または制御回路に中継される。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、システムは、無線通信ユニットをさらに含む。
【0052】
いくつかの実施形態によれば、無線通信ユニットは制御回路から信号を受信し、その信号を処理し、それに基づいて被験者の生理的状態を評価するように構成された外部モニタに信号を無線送信するように構成される。
【0053】
いくつかの実施形態によれば、制御回路はアナログ/デジタル変換器から得られたデジタル信号を処理し、それに基づいて被験者の生理的状態を評価するように構成されたプロセッサ回路を含む。
【0054】
いくつかの実施形態によれば、信号の処理は、少なくとも1つの電極ベースのセンサを
通して導入されたノイズの推定に関して、少なくとも1つの非電極ベースのセンサから得られた信号をクリーニングすることを含む。
【0055】
いくつかの実施形態によれば、医療介入処置中の生理学的状態の評価は、電極ベースのセンサから受信したデータを割り引くことを含む。
【0056】
いくつかの実施形態によれば、第1の周波数範囲におけるEMIフィルタの減衰は少なくとも約10dBであり、および/または第1の周波数範囲におけるEMIフィルタの減衰の大きさは、第2の周波数範囲におけるその減衰の大きさよりも少なくとも約10dB大きい。
【0057】
いくつかの実施形態によれば、第1の周波数範囲は、典型的には、高強度及び/又は高エネルギー高周波医療介入装置の動作周波数であり、第2の周波数範囲は、典型的には、電極ベースのセンサ及び少なくとも1つの非電極ベースのセンサのサンプリング周波数/周波数(複数)である。
【0058】
いくつかの実施形態によれば、第1の周波数範囲は約300kHzから約500kHzであり、第2の周波数範囲は、0Hzから約600Hzである。
【0059】
いくつかの実施形態によれば、センサアセンブリは、被験者の指に取り付けられるように構成された指プローブである。
【0060】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの電極ベースのセンサは、バイオインピーダンスセンサおよび/またはバイオポテンシャルセンサを含む。
【0061】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの電極ベースのセンサは、ガルバニック皮膚応答(GSR)センサ、心電計(ECG)、筋電計(EMG)、胃電計(EGG)、脳波計(EEG)、および/または眼電計(EOG)を含む。
【0062】
いくつかの実施形態によれば、電極ベースのセンサは、GSRセンサである。
【0063】
いくつかの実施形態の一態様によれば、被験者の身体を通して印加される高強度/エネルギー高周波電流/電圧を伴う医療介入処置中に、生理学的パラメータを監視するためのシステムが提供される。システムは、センサアセンブリと、複数の電気配線と、モニタと、フィルタアレイとを含む。センサアセンブリは、被験者の身体を通過する電気伝導経路を閉じるように構成された電極ベースのセンサと、被験者の1つまたは複数の生理学的パラメータを監視するように構成された1つまたは複数の非電極ベースのセンサとを含む。複数の電気配線は、センサアセンブリをモニタに関連付け、電極ベースのセンサおよび1つまたは複数の非電極ベースのセンサからのセンサ信号をモニタに送信するように構成された第1の配線および第2の配線を含む。モニタは、センサ信号の少なくともいくつかに基づいて被験者の生理学的活動を評価するように構成される。フィルタアレイは、センサアセンブリ内またはその近くの第1の配線に取り付けられた第1の近位フィルタと、モニタ内またはその近くの第1の配線に取り付けられた第2の遠位フィルタと、第2の配線に取り付けられた第3のフィルタとの少なくとも3つの電磁干渉(EMI)フィルタを含む。
【0064】
EMIフィルタの少なくともいくつかは、典型的には高強度/エネルギー高周波医療介入機器の動作周波数である第1の周波数範囲における減衰の大きさが、典型的には電極ベースのセンサおよび1つまたは複数の非電極ベースのセンサのサンプリング周波数/周波数(複数)である第2の周波数範囲における減衰の大きさよりも少なくとも10dB大き
いような周波数応答曲線によって特徴付けられる。それによって、システムは、医療介入機器によって誘発されるノイズを抑制するように構成される。
【0065】
本開示の特定の実施形態は、上記の利点のいくつか、全て、またはいずれも含み得る。1つまたは複数の他の技術的利点は、本明細書に含まれる図面、説明、および特許請求の範囲から当業者には容易に明らかになるであろう。さらに、特定の利点が上に列挙されたが、様々な実施形態は列挙された利点のすべて、いくつか、または全く含まなくてもよい。
【0066】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が関係する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。矛盾する場合には、定義を含む特許明細書が優先する。本明細書で使用される場合、不定冠詞「a」および「an」は文脈が別段の明確な指示をしない限り、「少なくとも1つの」または「1つ以上の」を意味する。
【0067】
特に明記しない限り、本開示から明らかなように、いくつかの実施形態によれば、「処理する」、「コンピュータ処理する」、「計算する」、「決定する」、「推定する」、「評価する」、「ゲージする」などの用語は、コンピューティングシステムのレジスタおよび/またはメモリ内の物理量などの物理量として表されるデータを、コンピューティングシステムのメモリ、レジスタ、または他のそのような情報記憶、送信、または表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータに操作および/または変換する、コンピュータまたはコンピューティングシステム、または同様の電子コンピューティング装置の動作および/またはプロセスを指すことが理解される。
【0068】
本開示の実施形態は、本明細書の動作を実行するための装置を含むことができる。装置は、所望の目的のために特別に構築されてもよく、またはコンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的に起動または再構成される汎用コンピュータを含んでもよい。そのようなコンピュータプログラムは、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、CD-ROM、光磁気ディスク、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的にプログラム可能な読取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能かつプログラム可能な読取り専用メモリ(EEPROM)、磁気または光カード、または電子命令を記憶するのに適し、コンピュータシステムバスに結合されることが可能な任意の他のタイプの媒体を含むが、これらに限定されない、任意のタイプのディスクなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。
【0069】
本明細書で提示されるプロセスおよびディスプレイは本質的に、任意の特定のコンピュータまたは他の装置に関連するものではない。様々な汎用システムが本明細書の教示によるプログラムと共に使用されてもよく、または、所望の方法を実行するために、より特殊化された装置を構築することが便利であることが判明してもよい。様々なこれらのシステムのための所望の構造は、以下の説明から明らかである。さらに、本開示の実施形態は、任意の特定のプログラミング言語を参照して説明されない。様々なプログラミング言語を使用して、本明細書で説明する本開示の教示を実施することができることを理解されたい。
【0070】
開示の態様は、コンピュータによって実行される、プログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能命令の一般的なコンテキストで記述することができる。一般に、プログラムモジュールはルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データ型を実装したりする。開示された実施形態は、タスクが通信ネットワークを介してリンクされた遠隔処理装置によって実行される分散コンピューティング環境においても実施可能である。分散コンピューティング
環境では、プログラムモジュールがメモリ記憶装置を含むローカルおよびリモートコンピュータ記憶媒体の両方に配置されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
本開示のいくつかの実施形態は、添付の図面を参照して本明細書に記載される。説明は図面と共に、いくつかの実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。図面は説明のためのものであり、本開示の基本的な理解のために必要である以上に、実施形態の構造的詳細をより詳細に示す試みはなされていない。明確にするために、図に示されるいくつかの構成は、縮尺通りではない。
図1図1はいくつかの実施形態による、ジアテルミー外科処置などの介入医療処置中に生理学的パラメータを監視するように構成されたシステムのブロック図である。
図2図2は、いくつかの実施形態による、ジアテルミー外科処置などの介入医療処置中に1つまたは複数の生理学的パラメータを監視するように構成されたセンサアセンブリのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
本明細書の教示の原理、使用、および実装は、添付の説明および図面を参照してより良く理解され得る。本明細書の説明および図面を精査すると、当業者は、過度の努力または実験なしに本明細書の教示を実施することができるであろう。図面において、同じ参照番号は、全体を通して同じ部分を指す。
【0073】
本出願の説明および特許請求の範囲において、「含む(include)」および「有する(have)」という単語、およびその形態は、単語が関連付けられ得るリスト内のメンバに限定されない。
【0074】
本明細書で使用されるように、用語「約」は量またはパラメータの値(例えば、要素の長さ)を、所与の(記載された)値の近傍(およびそれを含む)の値の連続範囲内に指定するために使用されてもよい。いくつかの実施形態によれば、「約」は所与の値の80%~120%であるようにパラメータの値を指定してもよい。例えば、「要素の長さは約1mに等しい」という記述は「要素の長さは0.8m~1.2mである」という記述に等しい。いくつかの実施形態によれば、「約」は所与の値の90%~110%であるようにパラメータの値を指定するかもしれない。いくつかの実施形態によれば、「約」は、所与の値の95%~105%であるようにパラメータの値を指定するかもしれない。
【0075】
図1は、いくつかの実施形態による、複数の生理学的センサを含む監視システム100のブロック図である。いくつかの実施形態によれば、監視システム100は、複数(例えば、少なくとも2、少なくとも3、または少なくとも4)の被験者の生理学的パラメータを監視するように構成されたマルチパラメータ生理学的監視システムであってもよい。いくつかの実施形態によれば、監視システム100は、被験者の少なくとも2、少なくとも3、または少なくとも4つのバイタルサイン、例えば、脈拍数、体温、呼吸数、血圧、および/または患者の本質的な身体機能の状態を示す他のパラメータを監視するように構成されたバイタルサイン監視システムであってもよい。いくつかの実施形態によれば、監視システム100は、自律神経系の活動/機能を示す少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つのパラメータを監視するように構成された自律神経系監視システムであってもよい。
【0076】
複数の生理的センサは以下に詳述するように、電極ベースのセンサ及び少なくとも1つの非電極ベースのセンサを含む。監視システム100は、高強度/エネルギー高周波電流/電圧が被験者の身体を通して印加される医療処置を受ける被験者の少なくとも1つの生理学的パラメータ、例えば、ジアテルミーおよびRFアブレーション処置を測定するよう
に構成され、それによって、例えば、(処置中の)被験者の自律神経系活動の評価を可能にする。いくつかの実施形態によれば、監視システム100は以下に詳述するように、(処置中に)被験者が経験する疼痛のレベルを評価するように構成されてもよい。さらに、またはその代替として、監視システム100は、処置中に被験者の鎮痛、侵害受容、麻酔、ストレス、および/または不安を監視するように構成されてもよい。
【0077】
監視システム100は、センサアセンブリ102と、モニタ104と、電気配線112と、フィルタアレイ(以下に指定する複数のEMIフィルタを含む)とを含む。いくつかの実施形態によれば、センサアセンブリ102は例えば、10cm未満、5cm未満、2cm未満、1cm未満、または0.5cm未満だけ互いに近接して配置された、電極ベースのセンサおよび少なくとも1つの非電極ベースのセンサを含むことができる。各可能性は、別個の実施形態である。いくつかの実施形態によれば、センサアセンブリ102は、モニタ104を介して給電される。
【0078】
センサアセンブリ102は、第1のセンサ122と、第2(追加の)センサ124とを含む。第1のセンサ122は被験者の身体を通過する1つ以上の電気伝導経路を閉じるように構成された電極(例えば、少なくとも2つの電極)を含む電極ベースのセンサである。第1のセンサ122は、任意のバイオインピーダンスセンサおよび/またはバイオポテンシャルセンサであってもよい。適切な生体インピーダンスおよび/または生体電位センサの非限定的な例には、心電図(ECG)、筋電図(EMG)、胃電図(EGG)、脳波計(EEG)、および/または眼電図(EOG)が含まれる。各可能性は、別個の実施形態である。いくつかの実施形態によれば、第1のセンサ122はガルバニ皮膚応答(GSR)センサであってもよいし、またはそれを含んでもよい。
【0079】
第2のセンサ124は、被験者の別の生理学的パラメータを監視するように構成されてもよい。いくつかの実施形態によれば、第2のセンサ124は非電極ベースのセンサであり、第2のセンサ124によってもたらされる監視は、被験者の身体を通る電気伝導経路の閉鎖を含まない。好適な非電極ベースのセンサの非限定的な例は、圧電センサ、加速度計、温度計、血圧センサ、呼吸センサ、近赤外分光(NIRS)センサ(例えば、酸素飽和度を定量化するため)、動的光散乱(DLS)ベースのセンサ、レーザドップラ流量計(例えば、血流を定量化するため)、拡散相関分光(DCS)ベースのセンサ(例えば、血流をモニタリングするため)、音響センサ、およびマイクロフォンを含む。各可能性は、別個の実施形態である。いくつかの実施形態によれば、第2のセンサ124は、2つ以上のセンサ、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上のセンサを含むことができる。各可能性は、別個の実施形態である。非限定的な実施例として、第2のセンサ122は、パルス通過時間(Ptt)読み取り値の抽出を可能にするような2つ以上の圧電センサを含んでもよい。いくつかの実施形態によれば、第2のセンサ122はPtt読み取り値の抽出を可能にするように、圧電センサおよびPPGセンサを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、第2のセンサ122はPtt読み取り値の抽出を可能にするように、2つ以上の離間したPPGセンサを含むことができる。いくつかのそのような実施形態によれば、第2のセンサ122は、Pttおよび血圧関連パラメータを決定するための脈拍数波の抽出を可能にするように構成されてもよい。いくつかの実施形態によれば、第2のセンサ124は、フォトプレチスモグラム(PPG)センサであってもよく、またはフォトプレチスモグラム(PPG)センサを含んでいてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態によれば、第1のセンサ122および第2のセンサ124はそれぞれ、約10Hzと約2kHzとの間、または約50Hzと約1kHzとの間のレートでサンプリングするように構成され得る。いくつかの実施形態によれば、第1のセンサ122および第2のセンサ124はそれぞれ、約500Hzのレートでサンプリングするように構成され得る。いくつかの実施形態によれば、センサアセンブリ102は、患者の前頭部
、背中、胸部、足、腕、手(例えば、手の甲)、および/または耳(例えば、耳たぶ)などの患者の身体に取り付けられる/配置されるように構成されてもよい。各可能性は、別個の実施形態である。いくつかの実施形態によれば、センサアセンブリ102は、被験者の指に装着/被着されるように構成された指プローブであってもよい。
【0081】
電気配線112は、センサアセンブリ102とモニタ104とを電気的に接続する。電気配線112は以下で詳述するように、第1のセンサ122および第2のセンサ124(および任意選択で、付加的なセンサが存在する場合は、付加的なセンサ)によって得られたセンサデータを、モニタ104に送信するように構成される。
【0082】
いくつかの実施形態によれば、センサアセンブリ102は第1のセンサ122および第2のセンサ124に機能的に関連し、第1のセンサ122および第2のセンサ124の動作(およびセンサアセンブリ102が追加のセンサを含む実施形態における追加のセンサの動作)を制御するように構成された制御回路(例えば、図示しないマイクロコントローラを含む)を含む。
【0083】
モニタ104は、センサアセンブリ102から受信したセンサデータを処理し、センサデータに基づいて、ジアテルミーなどの高強度/エネルギー高周波介入処置中の被験者の生理学的状態、例えば被験者の自律神経系の活動を評価するように構成された処理回路を含む。いくつかの実施形態によれば、処理回路はアナログセンサデータを1つ以上のデジタル信号に変換するように構成された少なくとも1つのプロセッサ132、メモリ(図示せず)、およびアナログ・デジタル変換器134を含み、これらはプロセッサ132に供給される。処理回路は、メイン基板136(プリント回路基板)上に実装/配置されてもよい。モニタ104はさらに、ユーザインターフェース(ディスプレイを含む)と、無線通信ユニットおよび/または有線通信用のポート(すべて図示せず)とを含んでもよい。
【0084】
プロセッサ132は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ファームウェアなど(すべて図示せず)を含むことができる。具体的には、プロセッサ132が被験者の生理学的パラメータを取得し、それに基づいて被験者の自律神経系活動(例えば、被験者が経験した疼痛のレベル)を評価するなどのために、センサデータを解析するための1つまたは複数のカスタマイズされたプロセッサを含むことができる。
【0085】
メモリは一時的メモリ構成要素および/または非一時的メモリ構成要素を含むことができ、これらは、ソリッドステート、磁気、フォトニック、および/または同様のものとすることができる。いくつかの実施形態によれば、メモリ構成要素のいくつかまたはすべては、一緒に統合されてもよく、または分散されてもよい。いくつかの実施形態によれば、メモリは、プロセッサ132と完全にまたは部分的に一体化されてもよい。メモリは上述したように、センサデータを分析するためにプロセッサ132によって実行可能なソフトウェア命令を記憶している。
【0086】
いくつかの実施形態によれば、センサアセンブリ102およびモニタ104は、センサアセンブリ102が制御可能な機能(例えば、センサの起動/停止)がモニタ104を使用して(例えば、そのユーザインタフェースを介して)制御され得るように、機能的に関連付けられてもよい。
【0087】
フィルタアレイは、複数のEMIフィルタ142を含む。いくつかの実施形態によれば、EMIフィルタ142は、ノイズを誘発する医療装置の動作周波数に対応する周波数範囲において、最小(ゲインが周波数の関数としてプロットされる場合)を有する周波数応答曲線によって特徴付けられ得る。いくつかの実施形態によれば、EMIフィルタ142
の少なくともいくつかは、第1の周波数範囲における減衰の大きさが、第2の周波数範囲における減衰の大きさよりも少なくとも10dB大きい(すなわち、第1の周波数範囲における利得が第2の周波数範囲における利得よりも少なくとも10dB低い)周波数応答曲線によって特徴付けられ得る。第1の周波数範囲は、典型的には、ジアテルミー、RFアブレーション、および同様の外科用機器の動作周波数(印加電流周波数)であり得る。第2の周波数範囲は、センサのサンプリング周波数を特徴付けることができる。いくつかの実施形態によれば、EMIフィルタ142のうちの少なくともいくつかは、例えば、ノイズ誘導医療デバイスがジアテルミー電気外科機器である場合、100kHzと5MHzとの間の最小値を有する周波数応答曲線によって特徴付けられ得る。いくつかの実施態様によれば、最小値は、大域的最小値(最大減衰量)である。いくつかの実施形態によれば、EMIフィルタ142の少なくともいくつかは、300kHzから500kHzの範囲の周波数を、少なくとも約50dB、少なくとも約55dB、少なくとも約60dB、または少なくとも約70dB減衰させることができる(すなわち、利得はそれぞれ、少なくとも約-50dB、-55dB、-60dB、または-70dBである)。各可能性は、別個の実施形態である。
【0088】
いくつかの実施形態によれば、300kHzから500kHzの範囲における減衰の大きさは、0Hzから600Hzの範囲よりも、少なくとも約10dB、少なくとも約15dB、少なくとも約20dB大きい、又は少なくとも約50dB大きい。各可能性は、別個の実施形態である。したがって、EMIフィルタはジアテルミー/RFアブレーション誘発ノイズを抑制し、(例えば、第2のセンサ124による)生理学的パラメータの信頼できる測定を可能にするように構成される。
【0089】
いくつかの実施形態によれば、(EMIフィルタ142からの)第1の(近位の)EMIフィルタ142aは、センサアセンブリ102内またはその近傍の(電気配線112からの)第1の配線112aに取り付けられてもよく、第1のセンサ122の測定データをフィルタリングするように構成されてもよい。いくつかの実施形態によれば、以下に詳述するように、第1のEMIフィルタ142aは、約0.1μFの容量を特徴とすることができる。いくつかの実施形態によれば、第1のEMIフィルタ142aの比較的低い静電容量は、第1のセンサ122から得られる信号を保存するのに役立ち得る。いくつかの実施形態によれば、第1のEMIフィルタ142aは、300kHz~500kHzの範囲の周波数を約5dB、約10dB、約20dB、又は約25dB減衰させることができる。
【0090】
加えて、または代替的に、(EMIフィルタ142からの)第2(遠位)EMIフィルタ142bが、モニタ104内またはその近傍の第1の配線112a上に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態によれば、以下に詳述するように、第2のEMIフィルタ142bは、約20μFと約30μFとの間の容量によって特徴付けることができる。いくつかの実施形態によれば、第2のEMIフィルタ142bは、300kHzから500kHzの範囲の周波数を、少なくとも約50dB、少なくとも約55dB、少なくとも約60dB、または少なくとも約70dBだけ減衰させることができる。
【0091】
第1のEMIフィルタ142a及び第2のEMIフィルタ142bは第1のセンサ122の測定データが2回のフィルタリングを受けるように、第1の配線112a上に直列に取り付けることができる。具体的には、第2のEMIフィルタ142bが第1のEMIフィルタ142aから受信された測定データを(すでにフィルタリングされた後に)フィルタリングするように構成され得る。
【0092】
(EMIフィルタ142からの)第3のEMIフィルタ142cは、(電気配線112からの)第2の配線112bに取り付けられてもよい。いくつかの実施形態によれば、第
2のセンサ124が非電極ベースのセンサ(例えば、PPGセンサ)であるいくつかの実施形態を含み、第3のEMIフィルタ142cは、モニタ104内又はその付近の第2の配線112b上に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態によれば、以下に詳述するように、第3のEMIフィルタ142cは、約20μFと約30μFとの間の容量によって特徴付けることができる。いくつかの実施形態によれば、第3のEMIフィルタ142cは、300kHz~500kHzの範囲の周波数を、少なくとも約50dB、少なくとも約55dB、少なくとも約60dB、または少なくとも約70dBだけ減衰させることができる。
【0093】
EMIフィルタ142a~142cの位置決めは、信頼性のあるジアテルミー誘導ノイズ抑制につながる可能性がある。特に、第1の配線112aの最初(近位端)に第1のEMIフィルタ142aを配置することは、第1の配線112aと第2の配線112bとの間のEMI干渉(例えば、その長さに沿った2つの配線間の容量結合による)を低減するのに役立つ。
【0094】
いくつかの実施形態によれば、第1のEMIフィルタ142aの入力端子は、第1のセンサ122に電気的に結合されてもよく、第1のセンサ122の測定データから受信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態によれば、第1のEMIフィルタ142aは、その入力端子が第1のセンサ122に隣接するように配置されてもよい。第1のEMIフィルタ142aの出力端子は、第1の配線112aを介して、第1のセンサ122にフィルタリングされた測定データをモニタ104に中継するように構成することができる。第1のEMIフィルタ142aの接地端子は第1のフローティング接地(例えば、信号接地)に接続されてもよい。
【0095】
いくつかの実施形態によれば、第2のEMIフィルタ142bの入力端子は、第1の配線112aを介してフィルタリング済みの第1のセンサ122測定データを受信するように構成されてもよい。第1のEMIフィルタ142aの出力端子は、ADC134に電気的に結合されてもよく、2回フィルタ処理された第1のセンサ122の測定データをADC134に中継するように構成されてもよい。第2のEMIフィルタ142bの接地端子は、フローティング接地に接続されてもよい。
【0096】
いくつかの実施形態によれば、第3のEMIフィルタ142cの入力端子は、第2の配線112bを介して第2のセンサ124測定データを受信するように構成されてもよい。第3のEMIフィルタ142cの出力端子は、ADC134に電気的に結合することができ、フィルタリング済みの第2のセンサ124測定データをADC134に中継するように構成することができる。第3のEMIフィルタ142cのグランド端子は、フローティンググランドに接続されてもよい。
【0097】
いくつかの実施形態によれば、センサアセンブリ102は、モニタ104から独立して給電されてもよい(例えば、センサアセンブリ102は、モニタ104を介して給電されず、バッテリによって給電される)。このような実施形態では、第2のEMIフィルタ142bおよび第3のEMIフィルタ142cの接地端子が第2のフローティング接地に接続されてもよい。
【0098】
いくつかの実施形態によれば、第2のEMIフィルタ142bおよび第3のEMIフィルタ142cは、例えば、モニタ104のメインボード136上(ADC134の近くまたは隣接)に、ADC134の近くに配置されてもよい。いくつかの実施形態によれば、第2のEMIフィルタ142bおよび第3のEMIフィルタ142cは、ADC134のそれぞれの入口に配置されてもよい。いくつかの実施形態によれば、第2のEMIフィルタ142bおよび第3のEMIフィルタ142cはその出力端末がADC134に隣接す
るように位置することができる。一部の実施形態によれば、第1のEMIフィルタ142aは、約5cm未満、約2cm未満、または第1センサ122から約1cm未満の距離(破線の両向き矢印D1によって示される)に位置することができる。各可能性は、別個の実施形態である。
【0099】
いくつかの実施形態によれば、第2のEMIフィルタ142bは、ADC134から約10cm未満、約5cm未満、約2cm未満、または約1cm未満の距離(破線の両頭矢印D2によって示される)に配置されてもよい。各可能性は、別個の実施形態である。
【0100】
いくつかの実施形態によれば、第3のEMIフィルタ142cは、ADC134から約10cm未満、約5cm未満、約2cm未満、または約1cm未満の距離(破線の両頭矢印D3によって示される)に配置されてもよい。各可能性は、別個の実施形態である。
【0101】
いくつかの実施形態によれば、ADC134は、各々が異なるセンサと通信可能に関連付けられた複数のADCを指すことができる。したがって、例えば、いくつかの実施形態によれば、EMIフィルタ142bは第1のADCに関連付けられてもよく、第2のEMIフィルタ142cは第2のADCに関連付けられてもよい。
【0102】
センサアセンブリ102が指プローブである実施形態を含むいくつかの実施形態によれば、センサアセンブリ102は第1のセンサ122、第2のセンサ124、及び第1のEMIフィルタ142aが取り付け/位置決めされ得る基板(例えば、プリント回路基板)を含んでもよい(並びに、本明細書に本質的に記載されるように、加速度計及びサーミスタ等の制御回路及び追加の非電極ベースのセンサも同様であるが、これらに限定されない)。いくつかの実施形態によれば、第1のセンサ122は、基板上に配置されず、むしろ、センサアセンブリ102と共に使用するように構成された別個の使い捨て(交換可能)要素(図示せず)上に配置されてもよい。いくつかの実施形態によれば、第1のEMIフィルタ142aはまた、基板上ではなく、代わりに使い捨て要素上に配置されてもよい。いくつかの実施形態によれば、使い捨て可能要素は第1のセンサ122の電極と被験者の皮膚との間に接触が確立されるように、センサアセンブリ102に取り付けられるか、またはその中に取り付けられるように構成される。いくつかの実施形態によれば、使い捨て要素は可撓性であり、第1のセンサ122の電極は、使い捨て要素上に電極アレイを形成する。いくつかの実施形態によれば、使い捨て可能要素はその端部に、第1のセンサ122をセンサアセンブリ102のプリント回路基板に電気的に結合するような、センサアセンブリ102内の整合電気コネクタに接続するように構成された電気コネクタを含む。いくつかの実施形態によれば、第1のEMIフィルタ142aは、第1のセンサ122と電気コネクタとの間に配置されてもよい。
【0103】
非限定的な実施例として、EMIフィルタ142の各々は、当該技術分野で公知のように、3つの端子(入力、出力、及び接地)を有する低ESL(等価直列インダクタンス)フィードスルーコンデンサであってもよい。
【0104】
いくつかの実施形態によれば、第1のEMIフィルタ142aは残りのEMIフィルタ(特に、第2のEMIフィルタ142bおよび第3のEMIフィルタ142c)とは異なり、第1のEMIフィルタ142aの容量は、約0.01μFと約1μFとの間である。いくつかの実施形態によれば、第1のEMIフィルタ142aの容量は、約0.1μFである。いくつかの実施形態によれば、第1のEMIフィルタ142aは、例えば村田製作所のNFM21シリーズからのような(無極性)チップ積層セラミックコンデンサであってもよい。
【0105】
いくつかの実施形態によれば、第2のEMIフィルタ142bおよび第3のEMIフィ
ルタ142c(および第3のセンサ162に関連する追加のフィルタを含む以下の実施形態におけるEMIフィルタ142d~142g)の各キャパシタンスは、約1μFと約100μFとの間、約20μFと約30μFとの間、または約27μFである。各可能性は、別個の実施形態である。いくつかの実施形態によれば、EMIフィルタ142b~142gの各々は、例えば村田製作所のNFM31PC276B0J3EMIフィルタのような(無極性)チップ積層セラミックコンデンサであってもよい。
【0106】
いくつかの実施形態によれば、1つまたは複数のEMIフィルタ142は直列に接続された少なくとも2つの直列接続されたEMIフィルタ、例えば、ローパスフィルタおよびハイパスフィルタを含む。
【0107】
本明細書で使用されるように、いくつかの実施形態によれば、電気配線112は、任意の電気配線/配線、導電性トラック(例えば、第2のEMIフィルタ142b、第3のEMIフィルタ142c、およびADC134がメイン基板136上に実装される場合の銅配線)などを含んでもよく、これらの配線は搬送される信号がデジタルである場合にはADC134を経由せずに、第1のセンサ122および第2のセンサ124をADC134に、またはプロセッサ132に電気的に接続する電気伝導経路を画定する。例えば、第1のセンサ122が使い捨て可能要素上に取り付けられる実施形態では、第1の配線112aが使い捨て可能要素内から、フィンガープローブの(制御回路)を介して、ケーブルを介して、モニタ104内に(例えば、ADC134まで)延在してもよい。いくつかの実施形態によれば、センサアセンブリ102とモニタ104との間で、電気配線112は、共通ケーブルに沿って延在する。いくつかの実施形態によれば、ケーブルは、2.8mケーブルであってもよい。
【0108】
いくつかの実施形態によれば、監視システム100は、アナログセンサデータを増幅するための1つまたは複数の増幅器152を含む。特に、第2のEMIフィルタ142bおよび第3のEMIフィルタ142cに中継されるデータは、そのノイズ抵抗を増加させるために最初に増幅されてもよい。例えば、図1に描かれているように、いくつかの実施形態によれば、モニタ104は、第1のセンサ122及び第2のセンサ124のデータを増幅するように構成された第1の増幅器152a及び第2の増幅器152b(増幅器152の)を含む。第1の増幅器152aは、第2のEMIフィルタ142bの前に第1の配線112a上に取り付けられてもよい。第2の増幅器152bは、第3のEMIフィルタ142cの前に第2の配線112b上に取り付けられてもよい。
【0109】
いくつかの実施形態によれば、増幅器152は、単一のユニット内に収容される。
【0110】
いくつかの実施形態によれば、また図1に描かれているように、センサアセンブリ102は加速度計(例えば、デジタル加速度計)のような、しかしこれに限定されない第3(非電極ベースの)センサ162をさらに含むことができる。加速度計は、例えば、被験者の動き/震え/痙攣を測定/検出するために使用されてもよい。いくつかの実施形態によれば、第3のセンサ162は、モニタ104内に配置された少なくとも1つの追加のEMIフィルタと電気的に関連付けられてもよい。限定的でない例として、一部の実施形態によると、第3のセンサ162がデジタル加速度計であり、第3のセンサ162が例えば、3つのEMIフィルタに電気的に関連していてもよく、または、図1に描かれるように、4つのEMIフィルタ、すなわち、第4のEMIフィルタ142d、第5のEMIフィルタ142e、第6のEMIフィルタ142f、および第7のEMIフィルタ142gであってもよい。EMIフィルタ142d、142e、142f、及び142gは、それぞれ、第3の配線112c、第4の配線112d、第5の配線112e、及び第6の配線112f(電気配線112から)を介して第3のセンサ162と電気的に関連している。フィルタ処理された第3のセンサ162測定データは、第3のセンサ162出力がデジタルで
ある場合に、EMIフィルタ142d~142gからプロセッサ132に直接搬送されてもよい。いくつかの実施形態によれば、EMIフィルタ142d~142gは接地されておらず、例えば、第3のセンサ162がデジタル加速度計である実施形態では、EMIフィルタ142d~142gの高い静電容量(例えば、10μFを超える)が加速度計とプロセッサ132との間の通信障害につながる可能性があるためである。いくつかの実施形態によれば、EMIフィルタ142b~142gは、同一または実質的に同一であってもよく、および/または実質的に同一の特性を有する可能性がある。
【0111】
いくつかの実施形態によれば、また、図1に描かれているように、センサアセンブリ102はさらに、被験者の温度を測定するように構成された温度計など、ただしこれに限定されない、第4(非電極ベースの)センサ172を含んでもよい。いくつかの実施形態によれば、第4のセンサ172は、サーミスタである。第4のセンサ172の専用配線112gは、第4のセンサ172測定データをプロセッサ132に中継するように構成することができる。いくつかの実施形態によれば、モニタ104は、第4のセンサ172の中継測定データを増幅するための第3の増幅器152c(プロセッサ132の前)を含んでもよい。
【0112】
いくつかの実施形態によれば、第3または第4のセンサが非電極ベースであり、十分に電気的に絶縁性である場合、関連する電気配線上へのEMIフィルタの取り付けは、除去され得る。
【0113】
プロセッサ132は、センサアセンブリ102から受信された測定データ(例えば、第1のセンサ122および第2のセンサ124から受信された測定データ、および任意選択で、存在する場合には追加のセンサから受信された測定データ)に基づいて、被験者の生理学的状態(例えば、自律神経系活動または疼痛のレベル)を決定するように構成され得る。いくつかの実施形態によれば、プロセッサ132は、ジアテルミー処置、RFアブレーション処置などの間に患者の生理学的状態を評価(計算)するときに、第1の配線112a(または電極ベースのセンサに接続された電気配線112のいずれか)を介して受信される任意の電気信号を割り引く(すなわち、考慮しない)ことを可能にするように構成されてもよい。具体的には、プロセッサ132が第1のセンサ122の電極によってピックアップされる任意の電気信号を割り引くことを可能にするように構成されてもよい。
【0114】
いくつかの実施形態によれば、プロセッサ132は、ジアテルミー(またはRFアブレーション)電流/電圧が患者に印加されたときを検出するように構成されてもよい。いくつかの実施形態によれば、プロセッサ132は例えば、測定データ内のノイズのレベルに基づいて、センサアセンブリ102から受信された測定データに基づいて検出するように構成されてもよい。いくつかの実施形態によれば、ジアテルミー(またはRFアブレーション)電流の印加を検出すると、プロセッサ132は患者の生理学的状態を評価する際に、電極ベースのセンサ(例えば、第1の配線112a)に接続される電気配線112のいずれかの測定データを割り引いてもよい。
【0115】
いくつかの実施形態によれば、プロセッサ132は、第1のセンサ122を通して導入されたノイズを推定し、(ジアテルミー処置、RFアブレーション処置などの間の)患者の生理学的状態の評価においてノイズ推定を考慮に入れるように構成されてもよい。
【0116】
いくつかの実施形態によれば、センサアセンブリ102及びモニタ104は、2つの構成間のスイッチングを可能にする電気スイッチ及び電気バイパス要素(図示せず)を含んでもよく、第1の構成はEMIフィルタ142が切り離されて測定データがそこを介して中継されず、代わりに電気バイパス要素を介して中継されてもよく、第2の構成はEMIフィルタ142が結合され、測定データが上述したようにEMIフィルタ142を介して
中継されてもよい。いくつかの実施形態によれば、プロセッサ132は、ジアテルミー(またはRFアブレーション)電流の印加が検出されると、第1の構成から第2の構成に切り替わるように構成されてもよい。いくつかの実施形態によれば、センサアセンブリ102は、操作者がどのセンサがアクティブであるかを選択できるように構成される(例えば、操作者は第1のセンサ122、第2のセンサ124、またはその両方をアクティブにするかどうかを選択できる)。いくつかの実施形態によれば、第1のセンサ122などの任意の電極ベースのセンサは、ジアテルミー処置中に制御可能に無効にされてもよい。
【0117】
図2を参照すると、いくつかの実施形態の態様によれば、センサアセンブリ202が設けられている。センサアセンブリ202は、センサアセンブリ102と同様であるが、センサアセンブリ202が無線であるという点で、少なくともそのアセンブリとは異なる。すなわち、センサアセンブリ202は、関連する(外部の)モニタ(図示せず)と無線通信するように構成され、このモニタはジアテルミー外科処置またはRFアブレーション処置中の患者の生理学的状態(例えば、疼痛または侵害受容のレベル)を評価するように、センサアセンブリ102から受信されたセンサ測定データを処理するように構成されてもよい。
【0118】
さらに、または代替として、いくつかの実施形態によれば、センサ測定データの処理は以下でさらに詳述するように、ワイヤレスセンサアセンブリ、特に制御回路によって実行されてもよい。
【0119】
いくつかの実施形態によれば、センサアセンブリ202は額、背中、胸、足、腕、手、および/または耳(例えば、耳たぶ内)に取り付けられる/配置されるように構成されてもよい。各可能性は、別個の実施形態である。いくつかの実施形態によれば、センサアセンブリ102は、指プローブであってもよい。
【0120】
より具体的には、センサアセンブリ202が第1のセンサ122および第2のセンサ124にそれぞれ類似する第1の(電極ベースの)センサ222および第2(電極ベースの)センサ224を含む。センサアセンブリ202はさらに、EMIフィルタ242と、ADC274と、制御回路276(例えばマイクロコントローラを含む)と、無線通信ユニット278とを含む。制御回路276はセンサ222および224、ならびに無線通信ユニット278と機能的に関連し、その動作を制御するように構成される。
【0121】
EMIフィルタ242は、第1のEMIフィルタ142aに類似している。EMIフィルタ242は、第1のセンサ222測定データをフィルタリングするなどして、第1のセンサ222に電気的に結合される。フィルタ処理された第1のセンサ222測定データは、EMIフィルタ242からADC274へ、そしてそこから無線通信ユニット278へ搬送される。
【0122】
いくつかの実施形態によれば、EMIフィルタ242の入力端子は、第1のセンサ222に電気的に結合されてもよく、第1のセンサ222の測定データからそれを受信するように構成されてもよい。EMIフィルタ242の出力端子は、第1のセンサ222がフィルタリングされた測定データをADC274に中継するように構成することができる。EMIフィルタ242の接地端子は、接地に接続されてもよい。いくつかの実施形態によれば、接地はフローティング接地である。
【0123】
いくつかの実施形態によれば、EMIフィルタ242は、第1のセンサ222から約5cm未満、約2cm未満、または約1cm未満の距離(破線の両頭矢印Lによって示される)に配置されてもよい。各可能性は、別個の実施形態である。
【0124】
非限定的な実施例として、EMIフィルタ242は当該技術分野で公知のように、3つの端子(入力、出力、及び接地)を有する低ESLフィードスルーコンデンサであってもよい。いくつかの実施形態によれば、コンデンサの容量は、約0.01μFと約1μFとの間である。いくつかの実施形態によれば、コンデンサの容量は約0.1μFである。いくつかの実施形態によれば、コンデンサは、例えば村田製作所のNFM21シリーズからの(無極性)チップ積層セラミックコンデンサであってもよい。
【0125】
いくつかの実施形態によれば、EMIフィルタ242は、第1のセンサ222に隣接して/近接して取り付けられてもよく、ADC274は任意に、第1のセンサ222およびADC274にEMIフィルタ242を接続/結合する電気配線の長さ(番号は付されない)を最小化するように、EMIフィルタ242に隣接して/近接して取り付けられてもよい。本明細書で使用されるように、いくつかの実施形態によれば、「電気配線」は搬送された信号がデジタルであるときに、第1のセンサ222および第2のセンサ224をADC274に電気的に結合する、またはADC274を介さずに、制御回路272に電気的に結合する、任意のタイプの電気伝導経路(例えば、PCB上の導電性トラック)、または電気的接続を、直接的または間接的に含むことができる(例えば、EMIフィルタが配線に取り付けられたとき)。
【0126】
いくつかの実施形態によれば、第2のセンサ224出力はアナログであり、第2のセンサ224はその測定データをADC274に中継するように構成され、そこから、測定データは、測定データを無線通信ユニット278にさらに中継する制御回路276に中継される。いくつかの実施形態によれば、第2のセンサ224の出力はデジタルであり、第2のセンサ224の測定データは、ADC274を通過することなく、(制御回路276を介して)無線通信ユニット278に中継される。
【0127】
いくつかの実施形態によれば、非電極ベースのセンサのうちの1つまたは複数は、例えば光ファイバを介して、制御回路に光学的に結合されてもよい。
【0128】
いくつかの実施形態によれば、センサアセンブリ202は1つ以上の追加の(非電極ベースの)センサ、すなわち、第3のセンサ162(例えば、加速度計)および第4のセンサ172(例えば、温度計)に類似する第3のセンサ262および/または第4のセンサ272をさらに含む。いくつかの実施形態によれば、第3のセンサ272の出力は、例えば、第3のセンサ272がデジタル加速度計である実施形態のようなデジタルであり、第3のセンサ272は複数の電気配線(番号は付されていない)、例えば、3つの配線(図2に描かれているよう)または4つの配線を介して、制御回路276と通信可能に関連付けられてもよい。
【0129】
無線通信ユニット278は、センサによって取得された関連するモニタ測定データに送信するように構成される。
【0130】
いくつかの実施形態によれば、センサアセンブリ202は、それぞれのセンサ信号を増幅するような、センサとADC274との間に取り付けられた増幅器(図示せず)を含んでもよい。より具体的には、第1のセンサ222に関連する増幅器がフィルタリング済みの第1のセンサ222信号を増幅するように、EMIフィルタ242とADC274との間に取り付けられてもよい。
【0131】
いくつかの実施形態の態様によれば、図には示されていないが、複数の生理学的センサを含む監視システムが提供される。監視システムはセンサアセンブリ202に類似しているが、監視システムが単一のユニットを構成し、複数のセンサとモニタの両方が一体部分である点で異なる(外部モニタに関連するセンサアセンブリがある場合とは異なる)。よ
り具体的には監視システムの構成要素が単一のユニット(ハウジング)内に収容され得、センサの読み取り値の処理はユニット内で実行される。具体的には、ユニットがセンサの読み取り値に基づいて患者の生理学的状態を評価するように構成された処理回路(モニタ104内の処理回路と同様とすることができる)を含む。ユニットは、ディスプレイを含むことができるユーザインタフェースをさらに含むことができる。監視システムのセンサ、EMIフィルタ、およびADCは、センサ222および224(および第3および第4のセンサを含む実施形態におけるセンサ262および272)、EMIフィルタ242、およびADC274と同様に配置されてもよいことに留意されたい。
【0132】
監視システム100/センサアセンブリ202に関する議論のいくつかが、ジアテルミー手術処置中に患者が経験する疼痛のレベルを評価するように構成された実施形態に焦点を当ててきたが、本出願の範囲は監視システム100/センサアセンブリ202がジアテルミー手術処置中の被験者の麻酔、侵害受容、睡眠、ストレス、不安、および/または鎮痛の程度/レベルを評価するように追加的にまたは代替的に構成される実施形態も包含することを、当業者であれば理解するであろう。より一般的には、本出願の範囲はまた、監視システム100/センサアセンブリ202が、ジアテルミー手術処置中に被験者の自律神経系活動を測定するように構成される実施形態を包含する。さらに一般的には、本出願の範囲がさらに、モニタリングシステム100/センサアセンブリ202が被験者の身体に装着された電極ベースのセンサが存在し、非電極ベースのセンサの読み取り/信号に電磁的に干渉する(例えば、電極ベースのセンサが互いに近接して配置されているため)ジアテルミー外科処置中に、被験者の非電極ベースのセンサを使用して、少なくとも1つの生理的パラメータを確実にモニタリングするように構成される実施形態をも含む。
【0133】
監視システム100/センサアセンブリ202に関する議論のいくつかは、センサアセンブリ102/センサアセンブリ202が指プローブである実施形態に焦点を当ててきたが、本出願の範囲は、被験者の体内の電気伝導経路を閉じるように構成された電極ベースのセンサ(例えば、第1のセンサ122またはそれに類似するもの)と、少なくとも1つの非電極ベースのセンサ(例えば、第2のセンサ124またはそれに類似するもの)とを含む、またはそれに関連する任意のマルチセンサアセンブリ/プローブを包含することも、当業者には理解されよう。特に、センサアセンブリ102/センサアセンブリ202は、額、背中、胸部、足、手(追加的または代替的に、指以外の位置)、および/または耳に取り付けられる/配置されるように構成され得る。
【0134】
最後に、監視システム100/センサアセンブリ202に関する議論のいくつかは、ジアテルミーに焦点を当てているが、監視システム100はまた、RF切除処置中に患者の生理学的状態(例えば、自律神経系活動)を、信頼性をもって評価するために、より一般的にはRF切除処置中に生理学的パラメータを、信頼性をもって監視するために使用されてもよいことを当業者は理解するであろう。実際、RF切除処置は、典型的には350kHz~500kHzの範囲の動作周波数(すなわち、印加されたAC電流/電圧の周波数)がジアテルミー外科機器の動作周波数と重複することによって特徴付けられ、それによって、RF切除誘発ノイズを抑制するのにも適した開示されたEMIフィルタ(例えば、EMIフィルタ142)をもたらす。より一般的には、監視システム100/センサアセンブリ202が患者の身体を通る高強度/エネルギー高周波電流/電圧の印加を含む任意の手順の間に、患者の生理学的状態を確実に評価するために使用され得ることを、当業者は理解するであろう。
【0135】
本明細書で使用されるように、いくつかの実施形態によれば、「センサデータ」(および「センシングデータ」などの対応する派生語)および「測定データ」という用語は交換可能であり、いくつかの実施形態によれば、「サンプリング」および「測定」(ならびに「サンプリング」および「測定」などの対応する派生語)という用語は交換可能である。
【0136】
本明細書で使用されるように、いくつかの実施形態によれば、用語「被験者」および「患者」は交換可能である。
【0137】
本明細書で使用されるように、いくつかの実施形態によれば、「第1のEMIフィルタ」および「近位EMIフィルタ」という用語は交換可能であってもよく、いくつかの実施形態によれば、「第2のEMIフィルタ」および「遠位EMIフィルタ」という用語は、交換可能であってもよい。
【0138】
本明細書で使用されるように、いくつかの実施形態によれば、「センサデータ」という用語は、電気配線を介して送信/中継/送信されるセンサの測定データを参照して、「センサ信号」と交換可能である。
【0139】
本明細書で使用されるように、いくつかの実施形態によれば、2つの電気的に関連付けられた要素/構成要素に関して、用語「結合」(および「結合された」などのその派生物)は「直接」結合を指すことができ、2つの要素は電気配線によって直接接続され、「間接」結合と同様に、増幅器などの第3の要素が、2つの要素の間の電気配線上に存在する。
【0140】
本明細書で使用されるように、いくつかの実施形態によれば、要素/構成要素の位置決めに関して「近位」という用語は、被験者の身体上またはその近くに位置する要素/構成要素(例えば、被験者が着用する指プローブ内)を指すことができる。いくつかの実施形態によれば、要素/構成要素の位置決めに関して「遠位」という用語は、被験者の身体の近くに位置しない要素/構成要素(例えば、モニタ上)を指すことができる。
【0141】
明確にするために、別個の実施形態の文脈で説明される本開示の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明される開示の様々な特徴は、開示の任意の他の説明される実施形態において、別々に、または任意の適切なサブコンビネーションで、または適切なものとして提供されてもよい。実施形態の文脈で説明される特徴は、そのように明示的に指定されない限り、その実施形態の本質的な特徴と見なされるべきではない。
【0142】
いくつかの実施形態による方法のステップを特定の順序で説明することができるが、本開示の方法は異なる順序で実行される説明されたステップのいくつかまたはすべてを含むことができる。本開示の方法は、記載されたステップのうちのいくつか、または記載されたステップのすべてを含み得る。開示された方法における特定のステップはそのように明示的に指定されない限り、その方法の必須のステップと見なされるべきではない。
【0143】
本開示はその特定の実施形態に関連して説明されるが、当業者に明らかな多数の代替、修正、および変形が存在し得ることは明らかである。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲内にあるそのような代替形態、修正形態、および変形形態のすべてを包含する。本開示は、その適用において、本明細書に記載される構成要素および/または方法の構成および配置の詳細に必ずしも限定されないことを理解されたい。他の実施形態が実施されてもよく、実施形態は様々な方法で実行されてもよい。
【0144】
本明細書で使用される語法および用語は説明の目的のためのものであり、限定とみなされるべきではない。この出願における引用又は引用の特定は、そのような引用が開示の先行技術として利用可能であることを認めるものと解釈してはならない。セクションの見出しは、本明細書の理解を容易にするために本明細書で使用され、必ずしも限定するものと解釈されるべきではない。
図1
図2