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▶ 鈴木 真希子の特許一覧

特許7541318表示体、記憶能力向上装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】表示体、記憶能力向上装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 7/00 20060101AFI20240821BHJP
【FI】
G09B7/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024100885
(22)【出願日】2024-06-22
【審査請求日】2024-06-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 出願人である鈴木真希子自身が発明した「表示体」に関連する又は関連し得る技術内容について自身が運営する下記アドレスのウェブサイトにて令和5年10月5日公開した。https://eshinkai.com/https://eshinkai.com/%e5%95%86%e5%93%8l%e4%b8%80%e8%a6%a7/https://eshinkai.com/paper-productlist/https://eshinkai.com/ohanashinokioku_productlist/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 出願人である鈴木真希子自身が発明した「表示体」に関連する又は関連し得る技術内容について自身が運営する下記アドレスのウェブサイトにて令和5年11月3日公開した。https://eshinkai.com/koudou_produot.list/https://eshinkai.com/ohanasinokioku/https://eshinkai.com/product/%e3%81%8a%e8%a9%b1%e3%81%ae%e8%a8%98%e6%86%b6%e3%83%bb%e9%95%b7%e6%96%87%e8%aa%ad%e8%a7%a3%e8%8b%a6%e6%89%8b%e5%85%8b%e6%9c%8d%e3%82%bb%e3%83%83%e3%83%88/https://eshinkai.com/%e3%81%8a%e8%a9%b1%e3%81%ae%e8%a8%98%e6%86%b6%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%83%88%e3%82%bb%e3%83%83%e3%83%88%e3%80%80%e5%95%86%e5%93%81%e8%a9%b3%e7%b4%b0/https://eshinkai.com/%e5%b0%8f%e5%ad%a6%e6%a0%a1%e5%8f%97%e9%a8%93%e3%80%8c%e3%81%8a%e8%a9%b1%e3%81%ae%e8%a8%98%e6%86%b6%e3%80%8d%e5%af%be%e7%ad%96%e5%95%8f%e9%a1%8c%e9%9b%86/https://eshinkai.com/%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E8%A9%A6%E9%A8%93%E6%94%BB%E7%95%A5%E6%B3%95/https://eshinkai.com/%e3%83%9a%e3%83%bc%e3%83%91%e3%83%bc%e5%af%be%e7%ad%96%e3%83%bb%e5%95%8f%e9%a1%8c%e9%9b%86/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 出願人である鈴木真希子自身が発明した「表示体」に関連する又は関連し得る技術内容について自身が運営する下記アドレスのウェブサイトにて令和5年11月18日公開した。https://eshinkai.com/2445-2/https://eshinkai.com/%EF%BC%92%EF%BC%90%EF%BC%92%EF%BC%94%E5%B9%B4%E5%BA%A6%e3%80%80%E7%B5%B5%E7%9C%9F%E4%BC%9A%E4%B8%BB%E5%82%AC%E3%80%8C%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%AE%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E5%8F%97/https://eshinkai.com/%e3%80%90%e5%b0%8f%e5%ad%a6%e6%a0%a1%e5%8f%97%e9%a8%93%e8%87%aa%e5%ae%85%e5%ad%a6%e7%bf%92%e5%bO%82%e7%94%a8%e6%95%99%e6%9d%90%e3%80%91/https://eshinkai.com/required/https://eshinkai.com/product/%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%A0%E3%81%91%E3%81%AF%E8%BA%AB%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%91%E3%81%9F%E3%81%84%E3%81%8A%E3%81%99%E3%81%99%E3%82%81%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E5%95%8F%E9%A1%8C%E9%9B%86/https://eshinkai.com/2023/10/03/%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E5%8F%97%E9%A8%93%E3%80%80%E3%81%8A%E8%A9%B1%E3%81%AE%E8%A8%98%E6%86%B6%E3%83%BB%E9%95%B7%E6%96%87%E8%AA%AD%E8%A7%A3%E3%81%8C%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%AA%E3%81%84%E3%83%BB/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 出願人である鈴木真希子自身が発明した「表示体」に関連する又は関連し得る技術内容についてインターネット上のショッピングモールである下記アドレスのウェブサイトにて令和5年9月30日公開した。https://www.amazon.co.jp/dp/4991268168?ref=myi_title_dphttps://www.amazon.co.jp/dp/4991268184?ref=myi_title_dphttps://www.amazon.co.jp/dp/4991268192?ref=myi_title_dphttps://www.amazon.co.jp/dp/4991301106?ref=myi_title_dphttps://www.amazon.co.jp/dp/4991301130?ref=myi_title_dphttps://www.amazon.co.jp/dp/499130119X?ref=myi_title_dphttps://www.amazon.co.jp/dp/4991301165?ref=myi_title_dp
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 出願人である鈴木真希子自身が発明した「表示体」に関連する又は関連し得る技術内容についてインターネット上のショッピングモールである下記アドレスのウェブサイトにて令和5年10月5日公開した。https://store.eshinkai.com/products/ohanashinokiokul
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 出願人である鈴木真希子自身が発明した「表示体」に関連する又は関連し得る技術内容について自身が運営する下記アドレスのウェブサイトにて令和5年3月1日公開した。https://www.youtube.com/@eshinkai_ch
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 出願人である鈴木真希子自身が発明した「表示体」に関連する又は関連し得る技術内容について自身が運営する下記アドレスのウェブサイトにて令和5年3月26日公開した。https://www.youtube.com/shorts/1DF-srCFthU
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524151978
【氏名又は名称】鈴木 真希子
(74)【代理人】
【識別番号】100177231
【弁理士】
【氏名又は名称】鴨志田 伸一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 真希子
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特許第7153976(JP,B1)
【文献】特開2020-173367(JP,A)
【文献】特開2003-131552(JP,A)
【文献】特表2001-525078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B5/00-5/14
G09B7/00-7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幼児が音声情報を記憶する能力を向上させる表示体であって、
出題者に音読させると前記音声情報となる文章及び当該文章を出題者に音読させる指示文を表示する第1の表示画面と、
前記文章に含まれる内容を断片的に表現し、前記文章を構成する文の記載順に並べられ、出題者が前記文章を音読している期間にのみ幼児に見せる複数の画像を表示する第2の表示画面と、
出題者に音読させて幼児に解答させるための第1の問題並びに前記複数の画像のうちの少なくとも2枚以上の画像及び前記複数の画像のいずれの画像とも相違しかつ前記内容を表現していない1枚の非表現画像を第1の解答用画像群として表示する第3の表示画面であって、前記第1の問題は前記第1の解答用画像群から前記内容を表現していない画像がどれかを問う第3の表示画面と、
出題者に音読させて幼児に解答させるための第2の問題並びに前記複数の画像のうちの一の画像に含まれる一物品に相当する一物品画像及び前記複数の画像のいずれの画像にも含まれずかつそれぞれ前記一物品と同種の類似物品に相当する複数の類似物品画像を第2の解答用画像群として表示する第4の表示画面であって、前記第2の問題は前記第2の解答用画像群から前記内容に含まれる一物品画像がどれかを問う第4の表示画面と、
を備える、
表示体。
【請求項2】
幼児が音声情報を記憶する能力を向上させる表示体であって、
出題者に音読させると前記音声情報となる文章及び当該文章を出題者に音読させる指示文を表示する第1の表示画面と、
前記文章に含まれる内容を断片的に表現し、前記文章を構成する文の記載順に並べられ、出題者が前記文章を音読している期間にのみ幼児に見せる複数の画像を表示する第2の表示画面と、
出題者に音読させて幼児に解答させるための第1の問題並びに前記複数の画像のうちの少なくとも2枚以上の画像及び前記複数の画像のいずれの画像とも相違しかつ前記内容を表現していない1枚の非表現画像を第1の解答用画像群として表示する第3の表示画面であって、前記第1の問題は前記第1の解答用画像群から前記内容を表現していない画像がどれかを問う第3の表示画面と、
出題者に音読させて幼児に解答させるための第2の問題並びに前記複数の画像のうちの一の画像の一部又は全部に相当する部分画像及び前記複数の画像のいずれの画像にも含まれずかつそれぞれ前記一部又は全部と異種であることを表現する複数の異種画像を第2の解答用画像群として表示する第4の表示画面であって、前記第2の問題は前記第2の解答用画像群から前記内容に含まれる部分画像がどれかを問う第4の表示画面と、
を備える、
表示体。
【請求項3】
更に、前記第4の表示画面は、前記複数の画像のうちの一の画像の一部又は全部に相当する部分画像及び前記複数の画像のいずれの画像にも含まれずかつそれぞれ前記一部又は全部と異種であることを表現する複数の異種画像を第3の解答用画像群として表示する第4の表示画面であって、前記第2の問題は前記第3の解答用画像群から前記内容に含まれる部分画像がどれかを問う、
請求項1に記載の表示体。
【請求項4】
前記第2の表示画面が表示する複数の画像は、それぞれ、互いに異なる色の枠により囲まれている、
請求項1~3のいずれか一項に記載の表示体。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか一項に記載の表示体と、
前記表示体を制御する制御部であって、前記第2の表示画面、前記第3の表示画面及び前記第4の表示画面を、これらの記載順で、一表示画面ずつ定められた時間間隔で表示させる制御部と、
を備える記憶能力向上装置。
【請求項6】
請求項5に記載の記憶能力向上装置を用いて、
前記制御部に、
前記第1の表示画面を前記表示体に表示させる第1の表示機能と、
前記第1の表示機能の後に、前記第2の表示画面を前記表示体に表示させる第2の表示機能と、
前記第2の表示機能の後に、前記第3の表示画面を前記表示体に表示させる第3の表示機能と、
前記第3の表示機能の後に、前記第4の表示画面を前記表示体に表示させる第4の表示機能と、
を実行させる、
プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示体、記憶能力向上装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、幅広い脳力トレーニングを、簡単な準備と方法とで作業を通じて体験的に行うことができる知育教材を提供することを目的として、以下の特許発明が開示されている(特許文献1における、明細書「段落『0006』」及び「特許請求の範囲『請求項1』」参照)。

「脳力トレーニングをするための知育教材であって、
問題であり解答作成部でもあるN行N列(Nは2以上の整数)のマス目が表示された問題兼解答部と、
前記問題兼解答部に解答するための補助教材と、
を備えており、
前記マス目の一部に、解答を導くための表示として、文字及び2以上の前記マス目を含む枠線があり、
前記文字は前記枠線内に表示され、前記文字及び前記枠線が表示されたマス目は解答に用いるマス目であり、
前記補助教材は、それぞれ1種類のキャラクターが表示され、前記マス目の1つ分に収まる大きさのキャラクター片のセットであり、
前記キャラクターの種類は、N種類以上であり、
解答者が前記キャラクター片を用いて、前記問題兼解答部のマス目の各行及び各列のいずれにおいても、N種類のキャラクターが1つずつ並ぶという条件に、前記枠線が表示されたマス目内には、前記文字の内容を満たす前記キャラクター片を配置するという条件が加重された前記キャラクター片の正解の配置ができるようにし、
前記正解の配置に到達しようとする試みにより、脳力トレーニングをすることができるようにしたことを特徴とする知育教材。」
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第7153976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の特許発明に係る知育教材は、幼児に、問題を出題し、その条件を満たすように、複数のキャラクター片を予め用意されたマス目に配置させる。その結果、重複を避ける意識や置く場所が一意に決まる論理性等を幼児に学習させて、幼児の脳力トレーニングを行うためのものである(特許文献1の明細書「段落『0010』」参照)。すなわち、特許文献1の特許発明に係る知育教材は、複数の知育テーマのうちの1つであって、条件に対する論理的思考力を向上させるためのものと考えられる。
【0005】
ところで、本願の発明者は、市販の幼児教育用教材を利用して実際に幼児教育を行い、更に、幼児教育用教材について試験研究を行ってきた。そして、複数の知育テーマのうち、幼児が聴いた話(文章)を整理して正確に理解する能力を格段に向上させる発明を完成させるに至った。
【0006】
本発明は、幼児が音声情報を記憶する能力を向上させる表示体の提供を目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様の表示体は、
幼児が音声情報を記憶する能力を向上させる表示体であって、
出題者に音読させると前記音声情報となる文章及び当該文章を出題者に音読させる指示文を表示する第1の表示画面と、
前記文章に含まれる内容を断片的に表現し、前記文章を構成する文の記載順に並べられ、出題者が前記文章を音読している期間にのみ幼児に見せる複数の画像を表示する第2の表示画面と、
出題者に音読させて幼児に解答させるための第1の問題並びに前記複数の画像のうちの少なくとも2枚以上の画像及び前記複数の画像のいずれの画像とも相違しかつ前記内容を表現していない1枚の非表現画像を第1の解答用画像群として表示する第3の表示画面であって、前記第1の問題は前記第1の解答用画像群から前記内容を表現していない画像がどれかを問う第3の表示画面と、
出題者に音読させて幼児に解答させるための第2の問題並びに前記複数の画像のうちの一の画像に含まれる一物品に相当する一物品画像及び前記複数の画像のいずれの画像にも含まれずかつそれぞれ前記一物品と同種の類似物品に相当する複数の類似物品画像を第2の解答用画像群として表示する第4の表示画面であって、前記第2の問題は前記第2の解答用画像群から前記内容に含まれる一物品画像がどれかを問う第4の表示画面と、
を備える。

第2態様の表示体は、
幼児が音声情報を記憶する能力を向上させる表示体であって、
出題者に音読させると前記音声情報となる文章及び当該文章を出題者に音読させる指示文を表示する第1の表示画面と、
前記文章に含まれる内容を断片的に表現し、前記文章を構成する文の記載順に並べられ、出題者が前記文章を音読している期間にのみ幼児に見せる複数の画像を表示する第2の表示画面と、
出題者に音読させて幼児に解答させるための第1の問題並びに前記複数の画像のうちの少なくとも2枚以上の画像及び前記複数の画像のいずれの画像とも相違しかつ前記内容を表現していない1枚の非表現画像を第1の解答用画像群として表示する第3の表示画面であって、前記第1の問題は前記第1の解答用画像群から前記内容を表現していない画像がどれかを問う第3の表示画面と、
出題者に音読させて幼児に解答させるための第2の問題並びに前記複数の画像のうちの一の画像の一部又は全部に相当する部分画像及び前記複数の画像のいずれの画像にも含まれずかつそれぞれ前記一部又は全部と異種であることを表現する複数の異種画像を第2の解答用画像群として表示する第4の表示画面であって、前記第2の問題は前記第2の解答用画像群から前記内容に含まれる部分画像がどれかを問う第4の表示画面と、
を備える。

第3態様の表示体は、
第1態様の表示体において、
更に、前記第4の表示画面は、前記複数の画像のうちの一の画像の一部又は全部に相当する部分画像及び前記複数の画像のいずれの画像にも含まれずかつそれぞれ前記一部又は全部と異種であることを表現する複数の異種画像を第3の解答用画像群として表示する第4の表示画面であって、前記第2の問題は前記第3の解答用画像群から前記内容に含まれる部分画像がどれかを問う。

第4態様の表示体は、
第1~第3態様のいずれか一態様の表示体において、
前記第2の表示画面が表示する複数の画像は、それぞれ、互いに異なる色の枠により囲まれている。

一態様の記憶能力向上装置は、
第1~第3態様のいずれか一態様に記載の表示体と、
前記表示体を制御する制御部であって、前記第2の表示画面、前記第3の表示画面及び前記第4の表示画面を、これらの記載順で、一表示画面ずつ定められた時間間隔で表示させる制御部と、
を備える。

一態様のプログラムは、
一態様の記憶能力向上装置を用いて、
前記制御部に、
前記第1の表示画面を前記表示体に表示させる第1の表示機能と、
前記第1の表示機能の後に、前記第2の表示画面を前記表示体に表示させる第2の表示機能と、
前記第2の表示機能の後に、前記第3の表示画面を前記表示体に表示させる第3の表示機能と、
前記第3の表示機能の後に、前記第4の表示画面を前記表示体に表示させる第4の表示機能と、
を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
第1~第4態様の表示体は、幼児が音声情報を記憶する能力を向上させることができる。
一態様の記憶能力向上装置は、幼児が音声情報を記憶する能力を向上させることができる。
一態様のプログラムは、幼児が音声情報を記憶する能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の記憶能力向上装置の概略図である。
図2】第1実施形態の第1の表示画面の一例である。
図3】第1実施形態の第2の表示画面の一例である。
図4】第1実施形態の第3の表示画面の一例である。
図5】第1実施形態の第4の表示画面の一例である。
図6】第1実施形態のプログラムのフロー図である。
図7】第2実施形態の第2の表示画面の一例である。
図8】第3実施形態のプログラムのフロー図である。
図9】第4実施形態の記憶能力向上システムの概略図である。
図10】第4実施形態の学習順モデルを生成するためのプログラムのフロー図である。
図11】第4実施形態のプログラムのフロー図である。
図12】第2実施形態の第1変形例のフロー図である。
図13】第2実施形態の第2変形例のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
≪概要≫
以下、本発明のコンセプトについて説明した後に、第1~第4実施形態及び複数の変形例について図面を参照しながら説明する。
【0011】
≪本発明のコンセプト(発明の根底にある考え方)≫
以下、本発明のコンセプトについて記載する。
本発明のコンセプトは、本願の発明者が市販の幼児教育用教材を利用して実際に幼児教育を行い、更に、幼児教育用教材について試験研究を行ってきたことにより創作されたものである。
人間は、普通に話を聴くだけではすぐにその内容を忘れる又はそもそもその内容を正確に記憶することができない。ところが、話を頭の中でイメージ化して記憶すると、その内容は忘れ難くなる。
本願の発明者は、多数の幼児に対して様々な方法により話の記憶について観察をしてきた。話の記憶が得意な幼児と不得意な幼児との違いは、話を頭の中でイメージ化できるか否かによると確信した。
そして、本発明は、幼児が聴いた話を頭の中にイメージ化できるようにして、話を記憶する能力をより向上させるためのものである。
【0012】
≪第1実施形態≫
第1実施形態の記憶能力向上装置10(図1参照)の構成及び機能並びに動作について説明する。次いで、第1実施形態の効果について説明する。
【0013】
<記憶能力向上装置の構成及び機能>
図1は、第1実施形態の記憶能力向上装置10(コンピュータの一例)の概略図である。
記憶能力向上装置10は、一例として、コンピュータ本体20(制御部の一例)と、キーボード30と、マウス40と、モニター50(表示体の一例)とを備えている。
記憶能力向上装置10は、幼児が音声情報を記憶する能力を向上させるためのものである。記憶能力向上装置10は、その名称こそ特異なものではあるが、図1に示されるように、汎用型のコンピュータを用いて、後述するソフトウェア(プログラムPG)を動作させることで実現できるものである。
【0014】
〔コンピュータ本体、キーボード及びマウス〕
コンピュータ本体20は、入力デバイス及び操作デバイスとして機能するキーボード30及びマウス40並びに表示デバイスとして機能するモニター50と無線を介して接続されている。
【0015】
コンピュータ本体20は、処理部22(CPU(Central Processing Unit(中央演算処理装置))はその一例)と、記憶部24(RAM(Random Access Memory(読み書き可能な記憶装置))はその一例)とを有している。また、コンピュータ本体20は、一例として、スピーカー26と、マイク28とを有している。
処理部22は、記憶部24に格納されているデータを読み出して演算処理を行う。当該データには、一例として、アプリケーションAPが含まれている。アプリケーションAPは、プログラムPGと、データファイルDFと、各種ライブラリLBとを含んで構成されている。
【0016】
図2は第1実施形態の表示画面100(第1の表示画面の一例)、図3は第1実施形態の表示画面200(第2の表示画面の一例)、図4は第1実施形態の表示画面300(第3の表示画面の一例)、図4は第1実施形態の表示画面400(第4の表示画面の一例)である。
プログラムPGは、その1つの機能として、記憶能力向上装置10を用いて、モニター50に複数の表示画面100、200,300,400を表示させる機能を有する。
プログラムPGは、第1実施形態における要部である。その具体的な機能については後述する動作の説明の中で説明する。
【0017】
〔モニター〕
モニター50は、前述のとおり、表示デバイスとして機能する。プログラムPGが実行されると、モニター50は、データファイルDFに記憶されている学習データに基づき表示画面100、200,300,400を表示する。
【0018】
以上が、第1実施形態の記憶能力向上装置10の構成及び機能についての説明である。
【0019】
<記憶能力向上装置の動作>
次に、第1実施形態の記憶能力向上装置10の動作について、図1図6を参照しながら説明する。図6は、第1実施形態のプログラムPGのフロー図である。以下、図6に示されるプログラムPGの各ステップ(一例としてS10はステップ10を意味する。)に沿って説明する。
【0020】
〔S10〕
まず、操作者(一例として幼児の母親)が記憶能力向上装置10を起動させ、更にプログラムPGを起動させると、モニター50(図1参照)に複数の問題の選択画面が表示される。そして、操作者が選択画面から問題を選択すると、S10が開始される。
例えば、操作者が複数の問題のうちの問題21を選択すると、モニター50には問題21の表示画面100が表示される(図2参照)。
表示画面100は、一例として、(1)文章110(出題者に音読させると音声情報となる文章の一例)、(2)文章110を出題者に音読させる指示文120を表示する。
ここで、文章110は、一例として、幼児に聴かせる短い話に相当する。指示文120は、出題者向けに記載されている文章であって、一例として2ヶ所に分けて記載されている。
1ヶ所目(上側)は、一例として、文章110の読み方の説明、文章110を読み終わった後に幼児と第1問をやること及び第1問の趣旨が記載されている。文章110の読み方の記載は、一例として、幼児に、表示画面200(図3参照)に表示される複数の画像210を見せながら、ゆっくり読むことを、出題者に注意喚起するためのものである。第1問の趣旨の記載は、幼児に、音読した文章110を聴かせることで、文章110をイメージ化させることを、出題者に理解させるためのものである。
2ヶ所目(下側)は、一例として、文章110の読み方の説明、文章110を読み終わった後に幼児と第2問をやること及び第2問の趣旨が記載されている。文章110の読み方の説明は、一例として、モニター50に、表示画面100(図2参照)、表示画面200(図3参照)及び表示画面(図5参照)を見せずに、第1問の場合よりも速く読むこと及びを注意喚起するものである。
【0021】
なお、出題者は、例えば、操作者の一例である幼児の母親でもよいし、プログラムPGの起動時の画面によりコンピュータ本体20に設定してもよい。
前者の場合、表示画面100の文章110及び指示文120は、幼児の母親に読ませるためのものである。この場合、コンピュータ本体20は、マイク28により母親及び幼児の音声を取得し、処理部22により当該音声を解析し、スピーカー26からの音声により次のアクションを知らせる。
後者の場合、出題者となるコンピュータ本体20は、マイク28により幼児及び母親の音声を取得し、処理部22により当該音声を解析し(その意味を解析し)、スピーカー26により出題者の音声を発生させて、プログラムPGを進行させる。この場合、幼児の母親は、自身の音声をコンピュータ本体20に記憶させ、記憶した音声を用いてスピーカー26から発生させるようにしてもよい。
第1実施形態での以降の説明では、出題者がコンピュータ本体20である場合を前提とする。
【0022】
〔S20〕
S20は、S10の後、すなわち、モニター50に表示画面100(図2参照)を表示した後に、モニター50に、表示画面100と表示画面200(図3参照)を並べて表示させ、幼児に表示画面200の複数の画像210を見せながら、出題者が文章110をゆっくり音読して幼児に文章110を聴かせるものである。
この場合、表示画面200の複数の画像210は単に表示されているのではなく、文章110における音読されている内容に対応する画像を幼児が注目するように表示する。例えば、当該画像の外枠のみを赤い枠で囲む。
なお、表示画面200の複数の画像210は、図3に示されるように、文章110に含まれる内容を断片的に表現し、文章110を構成する文の時系列順に(画像211、画像212、画像213、画像214、画像215、画像215の順に)、並べられている。また、表示画面200の複数の画像210は、出題者が文章110を音読している期間にのみ幼児に見せるものである。
【0023】
〔S30〕
S30は、S20の後に行われる判断ステップである。過去に、幼児が文章110の内容に関する後述する第1の問題310(図5参照)が正解できた場合はS60に進み、正解できなかった場合にはS40に進む。初めての場合は正解できた場合はないため、S40に進む。
【0024】
〔S40〕
S40は、S30の後、モニター50に、表示画面300(図4参照)を表示させ、文章110の内容に関する第1の問題310を幼児に解答させるものである。
表示画面300には、出題者に音読させて幼児に解答させるための第1の問題310及び第1の解答用画像群320が含まれる。
【0025】
第1の解答用画像群320は、表示画面200の複数の画像210のうちの少なくとも2枚以上の画像(図4の例では一例として3枚の画像211、214、216)及び複数の画像210のいずれの画像とも相違しかつ文章110の内容を表現していない1枚の非表現画像321で構成されている。
そして、第1の問題310は、第1の解答用画像群320から文章110の内容を表現していない画像、すなわち、1枚の非表現画像321がどれかを問う。
【0026】
〔S50〕
S50は、S40の後に行われる判断ステップであって、S40の結果、今回、幼児が第1の問題310を正解できた場合はS60に進む。これに対して、幼児が第1の問題310を正解できなかった場合はS20に進む。
【0027】
S50において幼児が第1の問題310を正解できなかった場合、すなわち、S50で否定判断された場合、S20に戻る。ついで、S30で否定判断されて再度S40が実行される。
【0028】
〔S60〕
S60は、S50において幼児が第1の問題310を正解できた場合、すなわち、S50で肯定判断された場合、モニター50に、表示画面400(図5参照)を表示させ、文章110の内容に関する第2の問題410を幼児に解答させるものである。
表示画面400には、出題者に音読させて幼児に解答させるための第2の問題410(問題411、412、413)及び第2の解答用画像群420(解答用画像群421、422、423)が含まれる。
【0029】
解答用画像群421は、複数の画像210のうちの一の画像の一部又は全部に相当する部分画像(図5では一例として画像211)及び複数の画像210のいずれの画像にも含まれずかつそれぞれ複数の画像210のうちの一の画像の一部又は全部と異種であることを表現する複数の異種画像(図5では一例として画像211A、211B)で構成されている。
そして、問題411は、解答用画像群421から文章110の内容に含まれる部分画像、すなわち、画像211がどれかを問う。
【0030】
また、解答用画像群422は、複数の画像210のうちの一の画像(一例として画像212)に含まれる一物品(一例として屋根)に相当する一物品画像212A及び複数の画像210のいずれの画像にも含まれずかつそれぞれ前記一物品と同種の類似物品(この場合は色違いの屋根)に相当する複数の類似物品画像(212B、212C)で構成されている。
そして、問題412は、解答用画像群422から文章110の内容に含まれる一物品画像、すなわち、画像212Aがどれかを問う。
【0031】
解答用画像群423は、複数の画像210のうちの一の画像の一部又は全部に相当する部分画像(図5では一例として画像215A)及び複数の画像210のいずれの画像にも含まれずかつそれぞれ複数の画像210のうちの一の画像の一部又は全部と異種であることを表現する複数の異種画像(図5では一例として画像215B、215C)で構成されている。
そして、問題413は、解答用画像群423から文章110の内容に含まれる部分画像、すなわち、画像215Aがどれかを問う。
【0032】
〔S70〕
S70は、S60の後に行われる判断ステップであって、S60の結果、今回、幼児が第2の問題410を正解できた場合に終了となる。これに対して、幼児が第2の問題410(問題411、412、413)を正解できなかった場合はS20に進む。再度S20が実行された後は、S30で肯定判断がされて再度S60が実行される。
【0033】
以上が、第1実施形態の記憶能力向上装置10の動作についての説明である。
【0034】
<効果>
次に、第1実施形態の効果について説明する。
【0035】
〔第1の効果〕
第1の効果については、第1実施形態を以下の3つの形態(第1比較形態、第2比較形態及び第3比較形態)と比較して説明する。
【0036】
(第1比較形態)
第1比較形態において第1実施形態と異なる点は、表示画面200の複数の画像210を幼児に見せる場合に、画像211、画像212、画像213、画像214、画像215及び画像216を同時に表示せずに、文章110の音声の内容に対応する画像のみを1画像ずつ表示する点である。
【0037】
(第2比較形態)
第2比較形態において第1実施形態と異なる点は、表示画面300の第1の解答用画像群320の各画像を1枚ずつ表示したうえで、各画像に対して文章110の内容に合致するか否かを問う点と、表示画面400の第2の解答用画像群420の各画像を1枚ずつ表示したうえで、各画像に対して文章110の内容に合致するか否かを問う点である。
【0038】
(第3比較形態)
第3比較形態は、第1比較形態と第2比較形態とを組み合わせた形態である。
すなわち、第3比較形態において第1実施形態と異なる点は、(1)表示画面200の複数の画像210を幼児に見せる場合に、画像211、画像212、画像213、画像214、画像215及び画像215を同時に表示せずに、文章110の音声の内容に対応する画像のみを1画像ずつ表示する点と、(2)表示画面300の第1の解答用画像群320の各画像を1枚ずつ表示したうえで、各画像に対して文章110の内容に合致するか否かを問う点と、表示画面400の第2の解答用画像群420の各画像を1枚ずつ表示したうえで、各画像に対して文章110の内容に合致するか否かを問う点である。
【0039】
発明者は、第1実施形態、第1比較形態、第2比較形態及び第3比較形態に対して30名の幼児に同様の問題で図6に示されるプログラムPGで学習をさせて、開始から終了までにかかる時間を調査した。時間がかかるほど、回答に要する時間が長い、又は、誤答率が高いことを意味する。
そして、上記調査の結果は、第1実施形態、第1比較形態、第2比較形態、第3比較形態の記載順で良好であった。
【0040】
この結果について、発明者は以下のように考察した。
第3比較形態の場合、文章110の音読時に幼児が見る画像が1枚ずつであり、その後の問題も1枚ずつである。そのため、幼児は文章110を記憶する場合に、文章110の内容を表す複数の画像を全体的に関連させることが難しく、更に、各問題を解答する際にも断片的な記憶と比較して選択することができない。
第1比較形態及び第2比較形態の場合は、第3比較形態の場合よりは良好ではあったが、文章110の記憶時又は各問題の解答時に他の画像との関連性を利用することが難しい。
これに対して、第1実施形態の場合は、文章110を記憶する際に幼児は文章110の内容を断片的に表現した複数の画像(場面)をセットで記憶させることができる点及び各問題を解答する場合もセットで記憶した複数の画像をもとに解答することができる点で、第1比較形態、第2比較形態及び第3比較形態よりも優れている。
【0041】
以上のとおりであるから、第1実施形態は、第1~第3比較形態に比べて、幼児が音声情報を記憶する能力を向上させることができる。
【0042】
〔第2の効果〕
第2の効果については、第1実施形態を以下の第4比較形態と比較して説明する。
【0043】
(第4比較形態)
第4比較形態において第1実施形態と異なる点は、第1の問題310が正解できなくても第2の問題410の解答に進めることである。すなわち、第1実施形態の場合のプログラムPGのフロー図(図6参照)において、判断ステップS30、S50がない。さらに、第2の問題410に対する解答が終了した後に、いずれかの問題に対して誤答があれば、判断ステップS70で否定判断されて、再度S20(図6参照)に戻る点である。
【0044】
発明者は、第1実施形態及び第4比較形態に対して30名の幼児に対して同様の問題での学習を行い、開始から終了までにかかる時間を調査した。
そして、上記調査の結果、第1実施形態は、第4比較形態に比べて良好であった。
【0045】
この結果について、発明者は以下のように考察する。
第4比較形態の場合、幼児が第1の問題310を正解できなくても第2の問題410に解答しなければならない。第1の問題310は文章110の内容の全体的な流れが理解できているかを問うものであり、第2の問題410は内容の細かい点を正確に理解できているかを問うものである。そのため、幼児が第1の問題310を正解できなかった場合、内容の全体的な流れを理解できていない状況で、内容の細かい点の正確性を問われることになる。事実として、第1の問題310を正解できなかった幼児のほとんどは、第2の問題410も正解できていなかった。
これに対して、第1実施形態では、第1の問題310を正解できなかった場合には第2の問題410を解答することができない(図6参照)。第1の問題が正解できなかった場合、幼児は再度文章110を聴いて第1の問題310を解く必要がある。また、幼児は、第1の問題310を例え複数回正解できなかったとしても、再度複数の画像211、画像212、画像213、画像214、画像215及び画像216を見ながら文章110を聴くことによって、最終的に正解にたどり着くことができる。そして、第1の問題310を正解できるようになった後に、すなわち、文章110の内容の全体的な流れを理解した後に、内容の細かい点を問う第2の問題410の解答に進む。そのため、第1実施形態で学習した幼児は、第4比較形態で学習した幼児に比べて、文章110を全体的に理解したうえで細かい点に注意を払うようになっていると思われる。
【0046】
以上のとおりであるから、第1実施形態は、第4比較形態に比べて、幼児が音声情報を記憶する能力を向上させることができる。
【0047】
以上が第1実施形態の効果についての説明である。また、以上が第1実施形態についての説明である。
【0048】
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、第2実施形態の構成要素が第1実施形態の構成要素と同様の場合は、同じ名称、符号等を用いる点に留意されたい。
【0049】
<記憶能力向上装置の構成及び機能並びに動作>
図7は、第2実施形態の表示画面200A(第2の表示画面の他の一例)である。
第2実施形態における、第1実施形態との相違点は、文章110に含まれる内容を断片的に表現する、画像211、画像212、画像213、画像214、画像215及び画像215が、互いに異なる色の枠231、枠232、枠233、枠234、枠235及び枠236で囲まれている点のみである。
ここで、枠231、枠232、枠233、枠234、枠235及び枠236の色は、一例として、赤、青、紫、緑、黄及び橙である。
【0050】
<効果>
次に、第2実施形態の効果について、第2実施形態を以下の2つの形態(第1実施形態及び第5比較形態)と比較して説明する。
【0051】
第5比較形態は、前述の第1比較形態を変形させたものである。第4比較形態における、第1比較形態との相違点は、文章110に含まれる内容を断片的に表現する、画像211、画像212、画像213、画像214、画像215及び画像215が、互いに異なる色の枠231、232、233、234、235及び236で囲まれている点のみである。
【0052】
発明者は、第2実施形態、第1実施形態及び第5比較形態に対して30名の幼児に同様の問題で、図6に示されるプログラムPGで学習をさせて、開始から終了までにかかる時間を調査した。時間がかかるほど、回答に要する時間が長い、又は、誤答率が高いことを意味する。
そして、上記調査の結果、第2実施形態が最も良好であった。また、第1実施形態と第5比較形態とは、ほぼ同等のレベルであった。
【0053】
これらの結果について、発明者は以下のように考察する。
上記の調査の前に、発明者は、市販の幼児教育用教材を使用して幼児時代の自身の子供に対し幼児教育を行ったことがある。そして、その時の経験が第2実施形態を創作するきっかけとなっている。
ここで、上記幼児教育用教材は、(1)縦横に並ぶ行列(例えば、8行×15列)を成す複数のマス目に、互いに異なる果物、動物、楽器、運動用具等の絵が印刷された見本と、(2)当該見本の各マス目が無地である印刷物と、(3)それぞれに、互いに異なる果物、動物、楽器、運動用具等の絵が印刷された複数のカードとで構成されている。
そして、上記幼児教育用教材は、(1)幼児に上記見本を記憶するように伝えて上記見本を定められた期間見せた後に、(2)見本と同じ配置関係となるように、幼児に複数のカードを上記印刷物の複数のマス目に配置させる、というように使用される。
発明者がこの幼児教育用教材を使用して自身の子供に記憶の学習をさせていた当時、何度挑戦しても子供はすべてのマス目の絵を記憶することができずにいた。そこで、発明者は、何か良い方法はないかと考え、一行ずつ覚えるように指導する等様々な方法を試みてはみたものの、実際に記憶力を向上させることができなかった。
ところが、その後、発明者は、互いに色が異なる透明フィルムの帯を複数本分用意し、見本の行毎に異なる色の透明フィルムの帯を被せた状態で、子供に上記幼児教育用教材をやらせたところ、正解率が格段に上昇した。そして、様々な問題に対して同じような試験を行った結果、発明者は、子供が一行に並ぶ複数の絵をその帯の色と組み合わせて記憶すると格段に記憶力を向上させることを見出した。また、子供は、行の順番と、透明フィルムの帯の色との対応関係を、複数のマス目の絵とは別に記憶できることも分かった。
【0054】
さて、上記の調査の結果、第2実施形態が第1実施形態よりも良好であった理由は、以下のとおりと考えらえる。第2実施形態の場合、第1実施形態の場合と異なり、文章110に含まれる内容を断片的に表現する、画像211、画像212、画像213、画像214、画像215及び画像215が、互いに異なる色の枠231、枠232、枠233、枠234、枠235及び枠236で囲まれている(図3及び図7参照)。
そのため、幼児は、画像211、画像212、画像213、画像214、画像215及び画像215を、それぞれ枠231、枠232、枠233、枠234、枠235及び枠236と組み合わせて記憶する。
その結果、幼児は、枠がない第1実施形態の場合(図3参照)よりも、各画像(画像211、画像212、画像213、画像214、画像215及び画像215)の時系列をより正確に記憶する。そして、各画像同士の時系列の記憶がより正確となることで、各画像同士を有機的に結び付けて理解することができるようになる。
また、多くの幼児が第2実施形態を何度か続けた後に第1実施形態で学習した場合、そのほとんどの幼児は枠231、枠232、枠233、枠234、枠235及び枠236がないにも関わらず高い正解率を記録していた。恐らく、このように高い正解率を記録していた多くの幼児は、頭の中で異なる色の枠をイメージして記憶するような能力を身に着けていたと思われる。
【0055】
以上のとおりであるから、第2実施形態は、第1実施形態に比べて、幼児が音声情報を記憶する能力を向上させることができる。
【0056】
なお、第5比較形態の結果が第1実施形態の結果とほぼ同等の結果であったことから、第5比較形態は第1比較形態よりも優れているといえる。第5比較形態における第1比較形態との相違点は、前述のとおりである。
この点から、文章110の内容を断片的に表現した各画像にそれぞれ異なる色を対応させること(一例として、異なる色の枠で囲むこと)自体が、幼児の記憶力を格段に向上させるといえる。
【0057】
以上が、第2実施形態についての説明である。
【0058】
≪第3実施形態≫
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、第3実施形態の構成要素が第1及び第2実施形態の構成要素と同様の場合は、同じ名称、符号等を用いる点に留意されたい。
【0059】
図8は、第3実施形態のプログラムPGAのフロー図である。
第3実施形態における、第1実施形態との相違点は、プログラムPGがプログラムPGAに変更されている点のみである。
【0060】
プログラムPGAは、S10とS20との間に、カウンターの設定をn=1及びm=1(それぞれ1回目という意味)に設定するS15を含む。また、S30、S40及びS50では、第1の問題310(n回目版)となっており、S50で否定判断された場合、すなわち、第1の問題310(n回目版)に正解できなかった場合、S55でnがn+1に変更されて、再度S20及びS30に進む。ただし、2回目の第1の問題310は、第1の問題310(2回目版)に変更される。S60及びS70も、第1の問題310(n回目版)と同様に、第2の問題410(m回目版)となっており、S70で否定判断された場合、すなわち、第2の問題410(m回目版)に正解できなかった場合、S75でmがm+1に変更されて、再度S20及びS30で肯定判断をしてS60に進む。
ここで、n及びmの数字が変更すると、プログラムPGAは、変更前の各問題を同等レベルの問題に改変させる。例えば、第1の問題310(1回目版)が図4の表示画面300だった場合、第1の問題310(2回目版)は一例として1枚の非表現画像321のネズミの数を1匹にする。また、例えば、第2の問題410(1回目版)が図5の表示画面400だった場合、第2の問題410(2回目版)は一例として画面422の家212B又は家212Cの色を変更する。
【0061】
このようにすることで、幼児が再度第1の問題310又は第2の問題410を解答する場合に、同じ文章110に対し前回と異なる問題を解くことができる。別の見方をすると、幼児は前回間違えて選択した画像を選択しないようにして回答するというようなことを防止することができる。そのため、第3実施形態によれば、幼児が再度各問題に解答する場合に幼児に新しい問題を解かせることができる。また、幼児は新しい問題を解くので、幼児を飽き難くさせる(楽しませる)ことができる。
【0062】
以上が、第3実施形態についての説明である。
【0063】
≪第4実施形態≫
次に、第4実施形態について図9図11を参照しながら説明する。図9は、第4実施形態の記憶能力向上システム500の概略図である。図10は、第4実施形態の学習順モデルを生成するためのプログラムPGBのフロー図である。図11は、第4実施形態のプログラムPGCのフロー図である。
以下の説明において、第4実施形態の構成要素が第1~第3実施形態の構成要素と同様の場合は、同じ名称、符号等を用いる点に留意されたい。
【0064】
<記憶能力向上システムの構成>
記憶能力向上システム500は、図9に示されるように、複数のユーザー端末600A、600B、600C、600D、・・・と、サーバー700と、通信ネットワークNWとを備える、クライアントサーバー型ネットワークシステムである。
ここで、複数のユーザー端末600A、600B、600C、600D、・・・は、それぞれ、第1実施形態のモニター50及びコンピュータ本体20の一部に相当するクライアントである。サーバー700は、コンピュータ本体20の残りの一部に相当する。サーバー700と、複数のユーザー端末600A、600B、600C、600D、・・・とは、通信ネットワークNWを介して通信可能に接続されている。通信ネットワークNWの一例は、インターネット回線である。
なお、図9では、複数のユーザー端末600A、600B、600C、600Dは、一例として4台としているが、5台以上であってもかまわない。
【0065】
サーバー700は、プログラムPGBを用いて、複数のユーザー端末600A、600B、600C、600D、・・・で実行されたプログラムPGによる幼児の学習結果を記憶及び解析する機能を有する。
【0066】
<記憶能力向上システムの動作>
次に、記憶能力向上システム500の動作について説明する。
まず、サーバー700が実行するプログラムPGBについて、図10を参照しながら説明する。
【0067】
〔S110〕
S110では、各ユーザー端末600A、600B、600C、600D、・・・が幼児による各問の終了後に、逐次、当該幼児とその学習結果を、通信ネットワークNWを介してサーバー700に送信してサーバー700の記憶部710に記憶させる。
その結果、複数の幼児によるすべての学習結果がサーバー700に記憶されることになる。学習結果の記憶の期間は、例えば、各幼児による学校の受験のための学習期間(一例として6ヵ月)とする。
【0068】
〔S120〕
次いで、各ユーザー端末600A、600B、600C、600D、・・・から、各幼児の成果を、通信ネットワークNWを介してサーバー700に送信してサーバー700の記憶部710に記憶させる。
その結果、複数の幼児による成果がサーバー700に記憶されることになる。ここで、成果とは、例えば、各幼児による受験結果(合格校の難易度、合格校の偏差値等)とする。
【0069】
〔S130〕
次いで、サーバー700は、記憶部710に記憶されている、すべての幼児の成果と、各幼児によるすべての問の正解率と、学習時間との相関関係を算出する。
その結果、成果(合格校の難易度)に対して、どの問に正解する必要があるか、どの程度の学習時間が必要か等を数値化(パーセンテージ)で算出することができる。算出結果は、記憶部710に記憶される。
【0070】
〔S140〕
次いで、サーバー700は、S130の算出結果に基づいて、各成果に対する各問の学習順モデルを生成する。例えば、サーバー700は、受験までに100日がある場合に、ある成果を達成するためには、いつまでにどの問を正解できるようにするというモデルを生成する。
以上が、プログラムPGBについての説明である。
【0071】
次に、サーバー700が各ユーザー端末600A、600B、600C、600D、・・・とともに実行するプログラムPGCについて、図11を参照しながら説明する。
プログラムPGCは、各ユーザー端末600A、600B、600C、600D、・・・がサーバー700と協働しながら各ユーザー端末600A、600B、600C、600D、・・・で動作するアプリケーションでもよいし、ブラウザで動作する、いわゆるウェブアプリケーションでもよい。
【0072】
〔S210〕
例えば、ユーザー端末600Aを利用して学習する幼児の母親がプログラムPGCを動作させると、目標とする成果(例えば、受験校)を入力する目標設定画面(図示省略)が表示される。
そして、母親が受験校を入力すると、サーバー700は、通信ネットワークNWを介して外部サーバー(図示省略)から当該受験校の受験日を見つけ出して、受験までの期間を特定する。次いで、サーバー700は、プログラムPGBで生成した学習順モデルを用いて目標とする成果及び特定した受験までの期間に対する個別学習モデルを作成する。
【0073】
〔S220〕
S220は、S210の後に行われる。S220では、第1実施形態のプログラムPGを用いて、幼児に、個別学習モデルで選択された第1問の学習をさせる。
【0074】
〔S230〕
S230は、S210の後に行われる判断ステップである。S230では、幼児が第1問を容易にできたかを判断する。容易にとは、個別学習モデルを完了するにあたり、予定通りに終了させることができるかという点で判断される。仮に幼児が何度も間違えて第1問を終了するまでの時間がかかったとしても、その時間が予定通りに終了できる程度のものであれば容易にできたと判断される。
そして、容易にできたと判断された場合、すなわち、肯定判断の場合、S240に進む。これに対して、容易にできなかったと判断された場合、すなわち、否定判断の場合、S235に進む。
【0075】
〔S235〕
S235は、第1問よりも簡単な問題を練習するためのものである。ここで、簡単な問題の一例は、プログラムPGB(図10参照)を実行した結果、第1問よりも複数の幼児による正解率が高い問題である。また、簡単な問題の一例は、第1問の文章110を例えば半分の長さに改変し、各問題の選択画像を減らして幼児に正解し易くした問題であってもよい。さらに、簡単な問題の他の一例は、上記2つの例の問題の組合せ(すなわち、2問)であってもよい。さらに、簡単な問題の他の一例は、第1問よりも簡単な複数の問題であって、それぞれ難易度に差がある問題の組合せであってもよい。
S235の練習の時間は、例えば、その問題が終わってからとしてもよいし、例えば、定められた時間としてもよい。また、定められた時間は、一例として、第1問の正解率、第1問に使用した時間等に基づき正解率が低いほど、使用した時間が長いほど、長くしてもよい。
S235の練習が終了すると、再度S220が実行される。
【0076】
〔S240~S255〕
S240は、S230で肯定判断がされた場合に行われる。S240、S250、S255は、それぞれ、S220、S230、S235に対応し、幼児が解く問題が第1問から第2問に変更された点で、S220,S230、S235とは異なる。
【0077】
〔S260~S275〕
S260は、S250で肯定判断がされた場合に行われる。S260、S270、S275は、それぞれ、S240、S250、S255に対応し、幼児が解く問題が第2問から第3問に変更された点で、S240,S250、S255とは異なる。
【0078】
〔S2t1~S2t3〕
S2t1~S2t3は、個別学習モデルにおける最終問題のステップ群である。
S2t1は、その直前の判断ステップ(例えば、S270等のように、台(t―1)問を容易にできたかを判断するステップ)で肯定判断がされた場合に行われる。S2t1~S2t3は、それぞれ、S260、S270、S275に対応し、幼児が解く問題が第3問から第t問(t番目の問題という意味)に変更された点で、S260、S270、S275とは異なる。また、St2で肯定判断された場合、プログラムPGCは終了となる。
なお、プログラムPGCは、日を跨いで複数回行われることを想定したものであるため、幼児がある日に途中で中断した場合、次回中断した箇所から再開される。
【0079】
<効果>
次に、第4実施形態の効果について説明する。
【0080】
〔第1の効果〕
第4実施形態では、プログラムPGBが、記憶能力向上システム500に、過去の複数の幼児の学習結果を解析させて、目標とする成果の学習順モデルを生成させる(図10参照)。そのうえで、これから目標とする成果に向けて学習する幼児に、個別学習モデルを提供する(図11参照)。
したがって、第4実施形態によれば、目標の成果を想定して、幼児が音声情報を記憶する能力を向上させることができる。
【0081】
〔第2の効果〕
第4実施形態では、プログラムPGBが、各問を容易にできなかった場合、幼児には各問よりも簡単な問題を練習させる機会が与えられる。そのうえで、個別学習モデルを進めることができる。
したがって、第4実施形態によれば、適切なタイミングで幼児に練習をさせることで、幼児が音声情報を記憶する能力を向上させることができる。
【0082】
以上が、第4実施形態について説明する。
【0083】
≪複数の変形例≫
以上のとおり、第1~第4実施形態を例として本発明について説明したが、本発明の技術的範囲に属する形態はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下の複数の変形例も含まれる。
【0084】
各実施形態では、記憶能力向上装置10が、コンピュータ本体20と、キーボード30と、マウス40と、モニター50とを備えているとしたが(図1参照)。しかしながら、記憶能力向上装置10は、タブレット式端末、ノート型コンピュータ、電子ペーパー型端末、携帯情報端末等であってもよい。
【0085】
また、表示体の一例はモニター50であるとした。しかしながら、表示画面100、表示画面200、表示画面300及び表示画面400の内容を表示することができれば、表示体の一例はモニター50でなくてもよく、電子ペーパーでも印刷物でもよい。
【0086】
第4実施形態では、プログラムPGCにおける、各問のステップ(S220、S240等)でプログラムPG(図6参照)を実行するとしたが(図11参照)。しかしながら、プログラムPGに換えてプログラムPGA(図8参照)を実行してもよい。
【0087】
第4実施形態のプログラムPGBでは、過去の複数の幼児の学習結果、それらの成果等に基づいて、成果に対する学習順モデルを生成し(図10参照)、更に、個別学習モデルを作成して、プログラムPGCを実行するとした。しかしながら、個別学習モデルを生成した後に、そのモデルのテキストを作成してもよい。
【0088】
第2実施形態では、各画像211~216を互いに色が異なる枠231~236で囲むとした。しかしながら、各画像に各色を組み合わせて幼児に記憶させることができるのであれば、各画像に色を組み合わせる手段は枠231~236でなくてもよい。例えば、透明のフィルムでもよいし、各画像に付属する別の形状の図形でもよい。
【0089】
また、第2実施形態(図7参照)の説明は、第1実施形態の変形例であるような位置づけで説明した。
しかしながら、第2実施形態は、文章110の内容を断片的に表現した画像211~216(複数の断片的画像)を、幼児により正確に記憶させるという特有の効果を奏する。
そこで、第2実施形態の特徴である、文章110の内容を断片的に表現した各画像にそれぞれ異なる色を対応させること(一例として、異なる色の枠で囲むこと)を、プログラムPG(図6参照)以外に適当してもよい。
これについての複数の変形例は、以下のとおりである。
【0090】
(第2実施形態の第1変形例)
例えば、プログラムPGにおける表示画面200(第2表示画面の一例)を表示画面200A(第2表示画面の一例)に置き換えたものが第2実施形態ではあるが、例えば、図12のフロー図FLのようにしてもよい。図12のフロー図は、問題文110を幼児に聴かせながら幼児に表示画面200Aを見せた後(S311)、幼児に記憶内容を問う(S312)。この場合の記憶内容を問うための問題は、プログラムPGの場合と異なるものであってもよいとする。
【0091】
(第2実施形態の第2変形例)
また、図13のフロー図FLAのように、幼児が互いに異なる枠231~236(色枠)に徐々に頼らずに記憶できるように、複数の問題(第1問、第2問、・・・)に対する色枠の影響度を徐々に小さくするようにしてもよい。
例えば、第1問(S310)の場合には図7のように各画像211~216を互いに色が異なる枠231~236(色枠)で囲むようにし、第2問(S320)以降では色枠の太さを徐々に小さくするようにして、最後の問題(一例としてS390の第9問)は色枠をなくしてもよい。また、例えば、問題が進むにつれて、表示画面における色枠の表示時間を短くするようにしてもよい。
【0092】
(第2実施形態の第3変形例)
第2実施形態並びにその第1変形例及び第2変形例では、各画像211~216が互いに異なる枠231~236(色枠)で囲まれていることで、画像と色とを対応させるとした。しかしながら、画像と色とを対応することができれば、枠でなくてもよい。例えば、1本又は2本以上の線、多角形、円形等に色の印のようなものであってもよい。すなわち、互いに異なる枠231~236(色枠)は互いに異なる色の印の一例である。また、枠の形態は、枠231~236(図7参照)のように各画像211~216を全周に亘って囲むものでなくてもよい。例えば、実線で囲まれているが一部が繋がっていないものであっても、実線ではなく破線等の線で全周に亘って各画像221~216を囲むものであっても、各画像211~216の左右両側又は上下両側に対を成して配置される括弧記号のようなものであってもよい。
【0093】
以上のとおり、本明細書では、複数の実施形態及び複数の変形例について説明したが、各変形例の内容は、複数の実施形態及び他の変形例に適用してもよい。例えば、第2実施形態の各変形例においても、表示体はモニター50でなくてもよく、電子ペーパーでも印刷物でもよい。
【0094】
また、前述の複数の実施形態及び複数の変形例の表示体、当該表示体を備える記憶能力向上装置、及び、プログラム(以下、本実施形態等という。)は、幼児が音声情報を記憶する能力を向上させることを目的とするものとして説明した。
しかしながら、本実施形態等は、幼児だけではなく児童、生徒、学生(ここで、幼児、児童、生徒及び学生を学習者という。)というように幼児よりも高齢の者を対象として利用されてもよい。

例えば、前述の第1態様の表示体を、以下のように、第1態様の変形例の表示体としてもよい。

第1態様の変形例の表示体は、
学習者が音声情報を記憶する能力を向上させる表示体であって、
出題者に音読させると前記音声情報となる文章及び当該文章を出題者に音読させる指示文を表示する第1の表示画面と、
前記文章に含まれる内容を断片的に表現し、前記文章を構成する文の記載順に並べられ、出題者が前記文章を音読している期間にのみ学習者に見せる複数の画像を表示する第2の表示画面と、
出題者に音読させて学習者に解答させるための第1の問題並びに前記複数の画像のうちの少なくとも2枚以上の画像及び前記複数の画像のいずれの画像とも相違しかつ前記内容を表現していない1枚の非表現画像を第1の解答用画像群として表示する第3の表示画面であって、前記第1の問題は前記第1の解答用画像群から前記内容を表現していない画像がどれかを問う第3の表示画面と、
出題者に音読させて学習者に解答させるための第2の問題並びに前記複数の画像のうちの一の画像に含まれる一物品に相当する一物品画像及び前記複数の画像のいずれの画像にも含まれずかつそれぞれ前記一物品と同種の類似物品に相当する複数の類似物品画像を第2の解答用画像群として表示する第4の表示画面であって、前記第2の問題は前記第2の解答用画像群から前記内容に含まれる一物品画像がどれかを問う第4の表示画面と、
を備える。

なお、第1態様の変形例の表示体は、単に第1態様の表示体における「幼児」を「学習者」に置き換えたものに過ぎない。この場合のように、第2及び第3態様の表示体に同様の置き換えをすることで、それぞれ第2態様の変形例の表示体、第4態様の変形例の表示体としてもよい。記憶能力向上装置及びプログラムにつても同様である。
以上のとおり、幼児の記憶力を向上させる技術を、幼児以外の学習者のために活用することができる。
【符号の説明】
【0095】
10 記憶能力向上装置
100 表示画面(第1の表示画面の一例)
110 文章
120 指示文
20 コンピュータ本体
200 表示画面(第2の表示画面の一例)
200A 表示画面(第2の表示画面の一例)
21 問題
210 画像
210A 画像
211 画像
211A 画像
212 画像
212A 一物品画像
213 画像
214 画像
215 画像
231 枠
232 枠
233 枠
234 枠
235 枠
236 枠
22 処理部
24 記憶部
26 スピーカー
28 マイク
30 キーボード
300 表示画面(第3の表示画面の一例)
310 第1の問題
320 第1の解答用画像群
321 非表現画像
40 マウス
400 表示画面(第4の表示画面の一例)
410 第2の問題
411 問題
420 第2の解答用画像群
421 第2の解答用画像群
422 第2の解答用画像群
423 第2の解答用画像群
50 モニター
500 記憶能力向上システム
600A ユーザー端末
600B ユーザー端末
600C ユーザー端末
600D ユーザー端末
700 サーバー
710 記憶部
AP アプリケーション
DF データファイル
LB 各種ライブラリ
PG プログラム
NW 通信ネットワーク
PGA プログラム
PGB プログラム
PGC プログラム

【要約】
【課題】本発明は、幼児が音声情報を記憶する能力を向上させる表示体の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の表示体50は、出題者に音読させる文章及び指示文を表示する第1の表示画面100と、前記文章の内容を表現し、幼児に見せる複数の画像を表示する第2の表示画面200と、第1の問題並びに前記複数の画像のうちの2枚以上の画像及び前記内容を表現していない1枚の非表現画像を第1の解答用画像群として表示し、前記第1の解答用画像群から前記内容を表現していない画像がどれかを問う第3の表示画面300と、第2の問題並びに前記複数の画像に含まれる一物品に相当する一物品画像及びそれぞれ前記一物品と同種の類似物品に相当する複数の類似物品画像を第2の解答用画像群として表示し、前記第2の解答用画像群から前記内容に含まれる一物品画像がどれかを問う第4の表示画面400とを備える。
【選択図】図6

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13