(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】拡散素子
(51)【国際特許分類】
G02B 5/02 20060101AFI20240821BHJP
【FI】
G02B5/02 C
(21)【出願番号】P 2020157164
(22)【出願日】2020-09-18
【審査請求日】2023-08-09
(31)【優先権主張番号】P 2019175280
(32)【優先日】2019-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】597073645
【氏名又は名称】ナルックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105393
【氏名又は名称】伏見 直哉
(72)【発明者】
【氏名】関 大介
(72)【発明者】
【氏名】西尾 幸暢
(72)【発明者】
【氏名】猪股 亨
(72)【発明者】
【氏名】岡野 正登
【審査官】小西 隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0194914(US,A1)
【文献】国際公開第2018/151097(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/00 - 5/136
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(x,y)面上のx方向の長さsの辺、及びy方向の長さtの辺を有する矩形の中心を原点とし該矩形内の滑らかな関数をz=g(x,y)として、z=g(x,y)で表される形状及びz=-g(x,y) で表される形状の少なくとも一方のxy平面上の平行移動によって得られた複数の形状を備える拡散素子であり、xz断面において、該拡散素子から射出された光線がz軸方向となす角度をxz断面の拡散角度の絶対値とし、yz断面において、該拡散素子から射出された光線がz軸方向となす角度をyz断面の拡散角度の絶対値として、xz断面の拡散角度の絶対値の所望の最大値及びyz断面の拡散角度の絶対値の所望の最大値が得られるように構成された拡散素子であって、
該形状は
【数1】
で表され、
N及びMが2以上の自然数、i及びjが自然数、A
i及び
B
j
が定数を表すとして、
【数2】
が2次以上のxの多項式であって、
【数3】
によって表され、
【数4】
が2次以上のyの多項式であって
【数5】
によって表され、A
iについてA
2及びA
4は0ではなく他はすべて0であり、かつ
B
j
についてB
2及びB
4は0ではなく他はすべて0である場合を除く拡散素子。
【請求項2】
全体の形状が
【数6】
で表され、m及びnは、それぞれx、y方向の矩形の位置を示す整数であり、m及びnの最小値は0であり、mの最大値は該拡散素子のx方向の寸法で定まり、nの最大値は該拡散素子のy方向の寸法で定まる請求項1に記載の拡散素子。
【請求項3】
全体の形状が
【数7】
で表され、m及びnは、それぞれx、y方向の矩形の位置を示す整数であり、m及びnの最小値は0であり、mの最大値は該拡散素子のx方向の寸法で定まり、nの最大値は該拡散素子のy方向の寸法で定まる請求項1に記載の拡散素子。
【請求項4】
【数8】
及び
【数9】
が偶数次の多項式である請求項1に記載の拡散素子。
【請求項5】
xy面上への射影面積に対するxy面上の平面の面積の比率が1%以下である請求項1に記載の拡散素子。
【請求項6】
請求項1に記載の拡散素子の各矩形の頂点をxy平面上の所定の範囲内で移動させて移動させた頂点によって凸四角形を形成し、新たな拡散素子の形状が、該凸四角形内の第1の点におけるzが該第1の点に対応する外各矩形内の第2の点における請求項1に記載の拡散素子のzと等しくなるように定められた拡散素子。
【請求項7】
請求項1に記載の拡散素子の各矩形内のz座標をγ倍した拡散素子であって、γの値を矩形ごとに0.9から1.1の範囲で変化させた拡散素子。
【請求項8】
曲面上に形状を備えており、該形状は請求項1に記載の拡散素子のxy面上の形状の射影であり、該射影はxy平面を該曲面へ射影するものである拡散素子。
【請求項9】
(x,y)面上のx方向の長さsの辺、及びy方向の長さtの辺を有する矩形の中心を原点とし該矩形内の滑らかな関数をz=g(x,y)として、z=g(x,y)で表される形状及びz=-g(x,y) で表される形状の少なくとも一方のxy平面上の平行移動によって得られた複数の形状を備えた拡散素子であって、xz断面において、該拡散素子から射出された光線がz軸方向となす角度をxz断面の拡散角度の絶対値とし、yz断面において、該拡散素子から射出された光線がz軸方向となす角度をyz断面の拡散角度の絶対値として、xz断面の拡散角度の絶対値
の最大値及びyz断面の拡散角度の絶対値
の最大値をそれぞれ所望の値とすることのできる拡散素子の製造方法であって、
該矩形の辺上において
【数10】
【数11】
【数12】
【数13】
【数14】
であり、z=g(x,y)は該矩形内において単一の頂点を有し、該矩形の辺上の任意の点と該頂点とを結ぶ直線に沿って該任意の点から該頂点までzは単調に増加し、
【数15】
で表され、
【数16】
の1階微分が
【数17】
において連続であり、該頂点において0であり、x座標が該頂点のx座標より小さい領域の1階微分が正でx座標が該頂点のx座標より大きい領域の1階微分が負であり、
【数18】
の2階微分が、x座標が該頂点のx座標より小さい領域及びx座標が該頂点のx座標より大きい領域においてそれぞれ単一の不連続な点を有し、
【数19】
の1階微分が
【数20】
において連続であり、該頂点のy座標において0であり、y座標が該頂点のy座標より小さい領域の1階微分が正でy座標が該頂点のy座標より大きい領域の1階微分が負であり、
【数21】
の2階微分が、y座標が該頂点のy座標より小さい領域及びy座標が該頂点のy座標より大きい領域においてそれぞれ単一の不連続な点を有する関数z=g(x,y)を定めるステップと、
xz断面において、h
1(x)の2階微分の少なくとも一つの不連続点のx座標におけるh
1(x)の1階微分の絶対値がxz断面の拡散角度の絶対値の所望の最大値に対応し、yz断面において、h
2(y)の2階微分の少なくとも一つの不連続点のy座標におけるh
2(y)の1階微分の絶対値がyz断面の拡散角度の絶対値の所望の最大値に対応するようにh
1(x)及びh
2(y)の係数を調整するステップと、
z=g(x,y)で表される形状及びz=-g(x,y) で表される形状の少なくとも一方のxy平面上の平行移動によって全体の形状を定めるステップと、を含む拡散素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から射出された光を拡散させる拡散素子に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の応用分野において、光源から射出された光を拡散させる拡散素子が使用されている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
拡散素子において、拡散された光線の拡散角度を制御するために、たとえば、マイクロレンズアレイのように、複数個の同一の形状を組み合わせた拡散素子が使用される場合がある。このような場合に、拡散素子の全体の形状が滑らかでないと、たとえば、拡散素子用の金型を製造する際に金型の加工が困難となる。したがって、拡散素子の全体の形状はなめらかであるのが好ましい。
【0004】
また、拡散素子によって拡散される光の強度は、所定の方向の拡散角度の絶対値の最大値以下の拡散角度の絶対値においては所定値以上で一様であり、所定の方向の拡散角度の絶対値の最大値を超える拡散角度の絶対値においては0であるのが望ましい。
【0005】
また、拡散素子の凸の部分及び凹の部分が同じ形状であり、一定の周期で配置されていると、拡散素子を通過した光線が互いに干渉して回折が生じ、照射面における強度が一様ではなくなり好ましくない。そこで、凸の部分及び凹の部分の配置や形状をばらつかせることが考えられる。しかし、そのような処理は設計及び製造プロセスを複雑にする。
【0006】
このように、所定の方向の拡散角度の絶対値の最大値以下の拡散角度の絶対値においては光の強度を所定値以上で一様とし、所定の方向の拡散角度の絶対値の最大値を超える拡散角度の絶対値においては光の強度を0とすることが可能で、全体として滑らかな形状を有し、回折を生じることがなく、しかも、設計及び製造プロセスが簡単な拡散素子は開発されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、所定の方向の拡散角度の絶対値の最大値以下の拡散角度の絶対値においては光の強度を所定値以上で一様とし、所定の方向の拡散角度の絶対値の最大値を超える拡散角度の絶対値においては光の強度を0とすることが可能で、全体として滑らかな形状を有し、回折を生じることがなく、しかも、製造プロセスが簡単な拡散素子ニーズがある。本発明の課題は、所定の方向の拡散角度の絶対値の最大値以下の拡散角度の絶対値においては光の強度を所定値以上で一様とし、所定の方向の拡散角度の絶対値の最大値を超える拡散角度の絶対値においては光の強度を0とすることが可能で、全体として滑らかな形状を有し、回折を生じることがなく、しかも、設計及び製造プロセスが簡単な拡散素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様の拡散素子は、(x,y)面上のx方向の長さsの辺、及びy方向の長さtの辺を有する矩形の中心を原点とし該矩形内の滑らかな関数をz=g(x,y)として、z=g(x,y)で表される形状及びz=-g(x,y) で表される形状の少なくとも一方のxy平面上の平行移動によって得られた複数の形状を備え、xz断面において、該拡散素子から射出された光線がz軸方向となす角度をxz断面の拡散角度の絶対値とし、yz断面において、該拡散素子から射出された光線がz軸方向となす角度をyz断面の拡散角度の絶対値として、xz断面及びyz断面の拡散角度の絶対値の最大値を所望の値とするように構成された拡散素子であって、
該矩形の辺上において
【数1】
【数2】
【数3】
【数4】
【数5】
であり、z=g(x,y)は該矩形内において単一の頂点を有し、該矩形の辺上の任意の点と該頂点とを結ぶ直線に沿って該任意の点から該頂点までzは単調に増加し、
【数6】
で表され、
【数7】
の1階微分が
【数8】
において連続であり、該頂点のx座標において0であり、x座標が該頂点のx座標より小さい領域の1階微分が正でx座標が該頂点のx座標より大きい領域の1階微分が負であり、
【数9】
の2階微分が、x座標が該頂点のx座標より小さい領域及びx座標が該頂点のx座標より大きい領域においてそれぞれ単一の不連続な点を有し、
【数10】
の1階微分が
【数11】
において連続であり、該頂点のy座標において0であり、y座標が該頂点のy座標より小さい領域の1階微分が正でy座標が該頂点のy座標より大きい領域の1階微分が負であり、
【数12】
の2階微分が、y座標が該頂点のy座標より小さい領域及びy座標が該頂点のy座標より大きい領域においてそれぞれ単一の不連続な点を有し、
h
1(x)の2階微分の少なくとも一つの不連続点のx座標におけるh
1(x)の1階微分の絶対値がxz断面の拡散角度の絶対値の所望の最大値に対応し、h
2(y)の2階微分の少なくとも一つの不連続点のy座標におけるh
2(y)の1階微分の絶対値がyz断面の拡散角度の絶対値の所望の最大値に対応するように定められている。
【0010】
本態様による拡散素子は、
【数13】
の形状的な特徴によって、所定の方向の拡散角度の絶対値の最大値以下の拡散角度の絶対値においては光の強度を所定値以上でほぼ一様とし、所定の方向の拡散角度の絶対値の最大値を超える拡散角度の絶対値においては光の強度を0とすることが可能で、全体として滑らかな形状を有し、製造プロセスが簡単である。
【0011】
本発明の第1の実施形態による拡散素子は、x、y方向の矩形の位置を示す番号をm、nとして、形状が
【数14】
で表され、m及びnは、それぞれx、y方向の矩形の位置を示す整数であり、m及びnの最小値は0であり、mの最大値は該拡散素子のx方向の寸法で定まり、nの最大値は該拡散素子のy方向の寸法で定まる。
【0012】
本発明の第2の実施形態による拡散素子は、x、y方向の矩形の位置を示す番号をm、nとして、形状が
【数15】
で表され、m及びnは、それぞれx、y方向の矩形の位置を示す整数であり、m及びnの最小値は0であり、mの最大値は該拡散素子のx方向の寸法で定まり、nの最大値は該拡散素子のy方向の寸法で定まる。
【0013】
本発明の第3の実施形態による拡散素子は、
【数16】
がxの2次以上の関数であり、
【数17】
によって表され、
【数18】
がyの2次以上の関数であって、
【数19】
によって表される。
【0014】
本発明の第4の実施形態による拡散素子において、
【数20】
及び
【数21】
が偶数次の多項式である。
【0015】
本発明の第5の実施形態による拡散素子において、xy面上への射影面積に対するxy面上の平面の面積の比率が1%以下である。
【0016】
本発明の第6の実施形態による拡散素子は、上記のいずれかの拡散素子の形状に対して、それぞれの単位図形のそれぞれの頂点を、xy面内において所定の範囲でランダムにずらし、基準の単位図形から、ずらした後の頂点によって形成されるそれぞれの凸多角形内の任意の第1の点に対応する該基準の単位図形内の第2の点に対応するf(x,y)の値を第1の点に対応する値とする関数によって形状を定めた拡散素子である。
【0017】
本実施形態の拡散素子は、周期的な構造に起因する回折を生じることがなく、照射面における照度分布をより一様にすることができる。
【0018】
本発明の第7の実施形態による拡散素子は、上記のいずれかの拡散素子の各矩形内のz座標をγ倍した拡散素子であって、γの値を矩形ごとに0.9から1.1の範囲で変化させた拡散素子である。
【0019】
本実施形態の拡散素子は、周期的な構造に起因する回折を生じることがなく、照射面における照度分布をより一様にすることができる。
【0020】
本発明の第8の実施形態による拡散素子は、曲面上に形状を備えており、該形状は上記の拡散素子のxy面上の形状の射影であり、該射影はxy平面を該曲面へ射影するものである。
【0021】
本発明の第2の態様による拡散素子の製造方法は、(x,y)面上のx方向の長さsの辺、及びy方向の長さtの辺を有する矩形の中心を原点とし該矩形内の滑らかな関数をz=g(x,y)として、z=g(x,y)で表される形状及びz=-g(x,y) で表される形状の少なくとも一方のxy平面上の平行移動によって得られた複数の形状を備えた拡散素子の製造方法であって、
該矩形の辺上において
【数22】
【数23】
【数24】
【数25】
【数26】
であり、z=g(x,y)は該矩形内において単一の頂点を有し、該矩形の辺上の任意の点と該頂点とを結ぶ直線に沿って該任意の点から該頂点までzは単調に増加し、
【数27】
で表され、
【数28】
の1階微分が
【数29】
において連続であり、該頂点において0であり、x座標が該頂点のx座標より小さい領域の1階微分が正でx座標が該頂点のx座標より大きい領域の1階微分が負であり、
【数30】
の2階微分が、x座標が該頂点のx座標より小さい領域及びx座標が該頂点のx座標より大きい領域においてそれぞれ単一の不連続な点を有し、
【数31】
の1階微分が
【数32】
において連続であり、該頂点のy座標において0であり、y座標が該頂点のy座標より小さい領域の1階微分が正でy座標が該頂点のy座標より大きい領域の1階微分が負であり、
【数33】
の2階微分が、y座標が該頂点のy座標より小さい領域及びy座標が該頂点のy座標より大きい領域においてそれぞれ単一の不連続な点を有する関数z=g(x,y)を定めるステップと、
xz断面において、該拡散素子から射出された光線がz軸方向となす角度をxz断面の拡散角度の絶対値とし、yz断面において、該拡散素子から射出された光線がz軸方向となす角度をyz断面の拡散角度の絶対値として、h
1(x)の2階微分の少なくとも一つの不連続点のx座標におけるh
1(x)の1階微分の絶対値がxz断面の拡散角度の絶対値の所望の最大値に対応し、h
2(y)の2階微分の少なくとも一つの不連続点のy座標におけるh
2(y)の1階微分の絶対値がyz断面の拡散角度の絶対値の所望の最大値に対応するようにh
1(x)及びh
2(y)の係数を調整するステップと、
z=g(x,y)で表される形状及びz=-g(x,y) で表される形状のそれぞれのxy平面上の平行移動によって全体の形状を定めるステップと、を含む。
【0022】
本態様の拡散素子の製造方法によって、所定の方向の拡散角度の絶対値の最大値以下の拡散角度の絶対値においては拡散素子によって拡散される光の強度を所定値以上でほぼ一様とし、所定の方向の拡散角度の絶対値の最大値を超える拡散角度の絶対値においては拡散素子によって拡散される光の強度を0とする拡散素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態の拡散素子の形状を説明するための図である。
【
図2】h
1(x)及びh
2(y)の形状を示す図である。
【
図3】全体の形状z=f(x,y)を説明するための図である。
【
図4】全体の形状z=f(x,y)のうち、凸の部分に対応するz = f(x,0)及びz = f(0,y)を示す図である。
【
図5】全体の形状z=f(x,y)のうち、凹の部分に対応するz = f(x,0.8)及びz = f(0.4,y)を示す図である。
【
図6】隣接する凸の部分、または隣接する凹の部分の間の間隔をばらつかせる方法を示す流れ図である。
【
図7】xy面上の格子点、及び格子点を移動させる所定の範囲を示す図である。
【
図8】それぞれの格子点を移動させた後のそれぞれの格子点に対応する点の位置を示す図である。
【
図9】移動させた後の点によって形成される凸四角形を示す図である。
【
図10】移動させた後の点によって形成される凸四角形及び原矩形を示す図である。
【
図11】格子点の位置、及び高さをばらつかせていないz = f(x,y)の形状を有する拡散素子に平行光を入射することによって得られる光の強度分布を示す図である。
【
図12】格子点の位置、及び高さをばらつかせたz = f’’(x,y)の形状を有する拡散素子に平行光を入射することによって得られる光の強度分布を示す図である。
【
図13】拡散素子によって拡散される光線の拡散角を説明するための図である。
【
図14】拡散素子の形状と拡散角度との関係を説明するための図である。
【
図16】実施例1の拡散素子の、
図15の直線A及び直線Bに対応するxz断面図である。
【
図17】実施例1の拡散素子のh
1(x)の形状を示す図である。
【
図20】実施例1の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のxz断面における強度分布を示す図である。
【
図21】実施例1の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のyz断面における強度分布を示す図である。
【
図23】実施例2の拡散素子の、
図22の直線A及び直線Bに対応するxz断面図である。
【
図26A】実施例2の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のxz断面における強度分布を示す図である。
【
図26B】実施例2の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のxz断面における強度分布を示す図である。
【
図27A】実施例2の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のyz断面における強度分布を示す図である。
【
図27B】実施例2の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のyz断面における強度分布を示す図である。
【
図28】実施例3の拡散素子のh
1(x)の形状を示す図である。
【
図31A】実施例3の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のxz断面における強度分布を示す図である。
【
図31B】実施例3の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のxz断面における強度分布を示す図である。
【
図32A】実施例3の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のyz断面における強度分布を示す図である。
【
図32B】実施例3の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のyz断面における強度分布を示す図である。
【
図33】実施例4の拡散素子のh
1(x)の形状を示す図である。
図33の断面はxz断面である。
【
図36】実施例4の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のxz断面における強度分布を示す図である。
【
図37】実施例4の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のyz断面における強度分布を示す図である。
【
図38】実施例4の変形例の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のxz断面における強度分布を示す図である。
【
図39】実施例4の変形例の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のyz断面における強度分布を示す図である。
【
図40】本発明による拡散素子の製造方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の一実施形態の拡散素子の形状を説明するための図である。(x,y)面上において、x方向の間隔s、y方向の間隔tの矩形格子を定める。x方向の辺の長さs、y方向の辺の長さtの矩形の一つを基準の矩形とする。矩形のx方向の位置を整数mで表し、y方向の位置を整数nで表す。m及びnの最小値は0であり、mの最大値は該拡散素子のx方向の寸法で定まり、nの最大値は該拡散素子のy方向の寸法で定まる。基準の矩形はm=0及びn=0で表す。基準の矩形における形状をg(x,y)で表す。(x,y)座標の原点は基準の矩形の中心とする。Sを基準の矩形内の領域、
【数34】
をその境界、すなわち基準の矩形の辺とすると、以下の関係が成立する。
【数35】
のとき
【数36】
【数37】
のとき
【数38】
【数39】
【数40】
【数41】
【数42】
【0025】
z=g(x,y)によって表される形状は該矩形内において単一の頂点を有し、該矩形の辺上の任意の点と該頂点とを結ぶ直線に沿って該任意の点から該頂点までzは単調に増加し、
【数43】
で表され、
【数44】
の1階微分が
【数45】
において連続であり、該頂点のx座標において0であり、x座標が該頂点のx座標より小さい領域の1階微分が正でx座標が該頂点のx座標より大きい領域の1階微分が負であり、
【数46】
の2階微分が、x座標が該頂点のx座標より小さい領域及びx座標が該頂点のx座標より大きい領域においてそれぞれ単一の不連続な点を有し、
【数47】
の1階微分が
【数48】
において連続であり、該頂点のy座標において0であり、y座標が該頂点のy座標より小さい領域の1階微分が正でy座標が該頂点のy座標より大きい領域の1階微分が負であり、
【数49】
の2階微分が、y座標が該頂点のy座標より小さい領域及びy座標が該頂点のy座標より大きい領域においてそれぞれ単一の不連続な点を有する。
【0026】
z=g(x,y)は領域全体で滑らかな関数である。さらに、領域の中心を通るX軸、及びy軸に関して対称であり、極値が一つであり、極値のx、y座標が、領域の中心のx、y座標と一致するのが好ましい。
【0027】
拡散素子の全体の形状をz=f(x,y)として、z=f(x,y)は以下の式で表せる。
【数50】
【0028】
全体の形状z=f(x,y)は、格子の各矩形の中心に配置したg(x,y)と同一の形状
【数51】
及び各格子点に配置したg(x,y)の符号を反転させた形状
【数52】
を組み合わせた形状である。このように、互いに符号の異なる同一の形状を組み合わせた形状を使用するのは、拡散角の比較的大きな形状の領域を増加させることによって、拡散された光による照射面における強度をより一様にするためである。全体の形状z=f(x,y)は、滑らかな関数である。
【0029】
拡散素子の全体の形状が滑らかであると、たとえば、拡散素子用の金型を製造する際に、金型の加工が容易になる。
【0030】
g(x,y)として以下に示す関数を採用してもよい。
【数53】
【数54】
【数55】
上記の式において、
【数56】
はxが(a,b)の範囲に属することを表し、
【数57】
はxが(a,b)の範囲に属さないことを表す。
【0031】
図2は、h
1(x)及びh
2(y)の形状を示す図である。
図2の横軸は、x軸またはy軸を表し、
図2の縦軸はh
1(x)またはh
2(y)を表す。h
1(x)及びh
2(y)の形状は、拡散された光による照射面における強度ができるだけ一様になるように定められている。
【0032】
図3は、全体の形状z=f(x,y)を説明するための図である。
図3において、格子点を黒い点で示し、矩形の中心を白い点で示す。基準の矩形の中心を原点(0,0)とする。
【0033】
図3において、点線で示した菱形の辺に相当する部分はz=0となる。点線で囲まれたひし形のうち、白い点を含む領域には凸部が形成され、黒い点を含む領域には凹部が形成される。
【0034】
図4は、全体の形状z=f(x,y)のうち、凸の部分に対応するz = f(x,0)及びz = f(0,y)を示す図である。
図4の横軸はx軸座標またはy軸座標を表し、
図4の縦軸はz軸座標を表す。
【0035】
図5は、全体の形状z=f(x,y)のうち、凹の部分に対応するz = f(x,0.8)及びz = f(0.4,y)を示す図である。
図5の横軸は(0.4,0.8)を原点としたx軸座標またはy軸座標を表し、
図5の縦軸座標はzを表す。
【0036】
ところで、拡散素子の凸の部分及び凹の部分が同じ形状であり、一定の周期で配置されていると、拡散素子を通過した光線が互いに干渉して回折が生じ、照射面における強度が一様ではなくなり好ましくない。そこで、拡散された光による照射面における強度をできるだけ一様にするように、隣接する凸の部分、または隣接する凹の部分の間の間隔、または凸の部分、または凹の部分の高さをばらつかせることが考えられる。
【0037】
図6は、隣接する凸の部分、または隣接する凹の部分の間の間隔をばらつかせる方法を示す流れ図である。
【0038】
図7乃至
図10は、
図6に示した、隣接する凸の部分、または隣接する凹の部分の間の間隔をばらつかせる方法を説明するための図である。
【0039】
図6のステップS1010において、xy面上のそれぞれの格子点を所定の範囲でランダムに移動させる。
【0040】
図7は、xy面上の格子点、及び格子点を移動させる所定の範囲を示す図である。該所定の範囲は、一例として、x軸方向の軸の長さがα・sであり、y軸方向の長さがβ・tである楕円である。α及びβの値は、0.1から0.4の範囲であるのが好ましい。それぞれの格子点を、該格子点に対応する楕円内で移動させる。移動させた後の格子点の、楕円内の相対的な位置が楕円内において一様に分布するようにそれぞれの格子点を移動させる。一般的に、それぞれの格子点を移動させる範囲は、それぞれの格子点の周囲の所定の範囲であってよい。すなわち、移動させた後の格子点の、所定の範囲内の相対的な位置が所定の範囲において一様に分布するようにそれぞれの格子点を移動させてもよい。
【0041】
図8は、それぞれの格子点を移動させた後のそれぞれの格子点に対応する点の位置を示す図である。
【0042】
図6のステップS1020において、原矩形から、移動させた後の格子点によって形成される凸四角形への射影行列を求める。ここで、上記のそれぞれの格子点の周囲の所定の範囲は、移動させた後の格子点によって形成される図形が凸四角形(一般的には、凸多角形)となるように定める必要がある。
【0043】
図9は、移動させた後の点によって形成される凸四角形を示す図である。凸四角形の頂点の座標(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)及び(X4,Y4)は、移動させる前の矩形の頂点の内、左下の頂点に対応する座標を原点(0,0)として定義する。
【0044】
図10は、移動させた後の点によって形成される凸四角形及び原矩形を規格化した矩形を示す図である。規格化した矩形は、一例として、左下の頂点が原点に位置し、x軸方向及びy軸方向の辺の長さが1の正方形である。
【0045】
規格化した矩形から、移動させた後の格子点によって形成される凸四角形への射影行列Aの一例は、以下のとおりである。
【数58】
A13 = X1
A23 = Y1
A31 = {(X4-X3)*(Y1-Y2)-(Y4-Y3)*(X1-X2)}/{(Y4-Y3)*(X4-X2)-(X4-X3)*(Y4-Y2)}
A32 = {(X4-X2)*(Y1-Y3)-(Y4-Y2)*(X1-X3)}/{(Y4-Y2)*(X4-X3)-(X4-X2)*(Y4-Y3)}
A11 = (A31+1)*X2-X1
A12 = (A32+1)*X3-X1
A21 = (A31+1)*Y2-Y1
A22 = (A32+1)*Y3-Y1
A33 = 1
【0046】
射影行列Aによって、規格化した矩形内の任意の点(X’,Y’)が、凸四角形内の任意の点(X,Y)に射影される。
【数59】
【0047】
規格化した矩形の頂点は、上記の射影行列Aによって、たとえば、
X’=0,Y’=0は、X=X1,Y=Y1、
X’=1,Y’=0は、X=X2,Y=Y2
へ射影される。
【0048】
図6のステップS1030において、射影行列Aの逆行列A
-1を求める。
【0049】
図6のステップS1040において、逆行列A
-1によって凸四角形内の任意の第1の点(X,Y)に対応する、規格化した矩形内の第2の点(X’,Y’)を求める。
【数60】
【0050】
図6のステップS1050において、第2の点(X’,Y’)に対応する規格化関数f’(x,y)の値を求める。ここで、規格化関数f’(x,y)とは、f(x,y)のx:(-0.3,0.3),y:(-0.6,0.6)の領域をx:(0,1),y:(0,1)に規格化した関数である。
【0051】
図6のステップS1060において、第2の点(X’,Y’)に対応する規格化関数f’(x,y)の値を、第1の点(X,Y)に対応する値とする関数f’’(x,y)を求める。関数f’’(x,y)は、関数f(x,y)と同様になめらかな関数である。
【0052】
上記において、移動させた後の点によって形成される凸四角形の点に対応する関数f’’(x,y)の値を求めるのに、原矩形を規格化した矩形を使用した。他の実施形態として、原矩形をそのまま使用してもよい。
【0053】
図6のステップS1070において、関数z = f’’(x,y)によって、頂点の座標が(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)及び(X4,Y4)である凸四角形に対応する拡散素子の形状を定める。格子点の位置をばらつかせて同一の形状を有する複数の矩形を、種々の形状を有する凸四角形に変形しても滑らかな形状を有する拡散素子を得ることができる。
【0054】
図6のステップS1080において、それぞれの凸四角形に対応する形状の高さをランダムにばらつかせる。形状の高さは、関数z = f’’(x,y)の値を0.9倍から1.1倍の範囲で一様にばらつかせるのが好ましい。
【0055】
上記のように形状を定めることにより、周期的な構造に起因する回折の影響を減少させ、拡散された光による照射面における強度をより一様にすることができる。
【0056】
図11は、格子点の位置、及び高さをばらつかせていないz = f(x,y)の形状を有する拡散素子にxy面に垂直な平行光を入射することによって得られる光の強度分布を示す図である。xz断面における拡散角度は±6度であり、yz断面における拡散角度は±4.4度である。
【0057】
図12は、格子点の位置、及び高さをばらつかせたz = f’’(x,y)の形状を有する拡散素子にxy面に垂直な平行光を入射することによって得られる光の強度分布を示す図である。xz断面における拡散角度は±6度であり、yz断面における拡散角度±4.4度である。
【0058】
図11及び
図12において光の強度、照射面における照度は濃淡で表され、白い箇所は照度が高い。
図11と
図12とを比較すると、
図12における照度分布は、
図11における照度分布よりも一様である。
【0059】
図13は、拡散素子によって拡散される光線の拡散角を説明するための図である。拡散素子において、
図4及び
図5で説明したz軸方向に進行する光が拡散されるとする。拡散素子の面上で光線が通過する点からz軸までの距離をlとし、光線の該面への入射角及び該面からの出射角を、それぞれθ
1及びθ
2とし、拡散素子の材料の屈折率をnとし、該点における面の曲率半径をRとする。拡散角、すなわち、拡散素子を通過した光線がz軸となす角度をθとすると、θ
1及びθ
2が十分に小さい場合に、以下の関係が成立する。
【数61】
上記の関係から、以下の式が導かれる。
【数62】
ここで、lを、たとえば
図4における凸の部分の長さの四分の一の長さとし、Rを曲率半径の平均値として、これらの値を上記の式に代入すると拡散角が求まる。このように、拡散角は拡散素子の形状によって定まる。
【0060】
上記の実施例の拡散素子は、矩形格子を基準とした形状を有する。他の実施形態として、矩形格子の代わりに、菱形格子、六角格子、正方格子、平行体格子を含む平面格子を使用した形状としてもよい。その場合に、関数z=g(x,y)は、たとえば、菱形、正六角形など平面格子を構成する単位図形の中心を原点とし、x軸及びy軸に関して対称で滑らかな形状を含む形状としてもよい。さらに、z軸上に単一の極値を有する形状としてもよい。該形状は、Sを単位図形内の領域、
【数63】
をその境界、すなわち単位図形の辺として、以下の関係を満たす。
【数64】
のとき
【数65】
【数66】
のとき
【数67】
【数68】
【数69】
【数70】
【数71】
【0061】
この実施形態の場合にも、矩形格子の実施例の場合と同様に、拡散素子の全体の形状をz=f(x,y)として、任意の単位図形の中心の座標を
【数72】
該任意の単位図形に隣接する単位図形の中心の座標を
【数73】
で表すと、
【数74】
【数75】
で表せる形状が得られる。
【0062】
また、矩形格子の場合と同様に、格子点を所定の範囲でばらつかせることにより、単位図形を変形させ、変形させた単位図形について関数f’’(x,y)を求め、関数f’’(x,y)によって、変形させた単位図形に対応する拡散素子の形状を定めることができる。さらに、単位図形に対応する形状の高さをランダムにばらつかせることができる。
【0063】
このように、矩形格子の代わりに、菱形格子、六角格子、正方格子、平行体格子を使用した場合にも、周期的な構造に起因する回折の影響を減少させ、拡散された光による照射面における強度をより一様にすることができる。
【0064】
また、球面及び非球面を含む曲面上に格子形状を形成してもよい。その場合に、平面格子を曲面上に射影することにより本発明を適用できる。
【0065】
拡散素子の形状と拡散角度との関係をさらに説明する。拡散角度とは、拡散素子の基準面、すなわちx、y平面に垂直な平面、一例として、xz平面において、xy平面に垂直な直線、例えばz軸と拡散素子を通過した後の光線とがなす角度(鋭角)である。
【0066】
図14は、拡散素子の形状と拡散角度との関係を説明するための図である。
図14は、拡散素子のxz断面を示す。
図14における矢印は光線の進行方向を示す。光線はxy平面に垂直に進行し拡散素子に入射する。θinは拡散素子の凸部の面への光線の入射角を表し、θoutは上記の面からの光線の出射角を表す。θは拡散角度を表す。
図14において拡散素子の面を表す曲線上の点における接線とx軸とのなす角度の絶対値を接線角φと呼称する。接線角の定義から光線が該面を通過する点において以下の関係が成立する。
【数76】
さらに、スネルの法則から光線が該面を通過する点において以下の関係が成立する。
【数77】
式(1)においてnは拡散素子の材料の屈折率を示す。式(1)によれば、xy平面に垂直な光線が拡散素子の凸部の頂点を通過する場合に光線の入射角θin及び接線角φが0度であり拡散角度θも0度となる。断面形状が滑らかな場合に拡散角度θの絶対値は接線角φにしたがって増加し、接線角φが最大の時に最大となると考えられる。他方、接線角φの正接の絶対値は、拡散素子のxz断面形状を示す曲線z=f(x)の一階微分の絶対値に等しく以下のように表される。
【数78】
このように、拡散素子のxz断面における拡散角度の絶対値の最大値は、拡散素子のxz断面の接線角の絶対値の最大値、すなわち拡散素子の断面形状を示す曲線の一階微分の絶対値の最大値によって定まる。
【0067】
本発明の他の実施例について以下に説明する。実施例の基準の矩形における形状は以下の式で表される。基準の矩形のx軸方向の辺の長さはsミリメータであり、y軸方向の辺の長さはtミリメータである。
【数79】
【数80】
【数81】
【0068】
実施例1
実施例1において、h
1(x)のA
iのA
2以外は0であり、h
2(y)のB
iのB
2以外は0である。xz断面の拡散角度の最大値及び最小値は±9度、yz断面における拡散角度の最大値及び最小値は±7度としてh
1(x)及びh
2(y)を定め、係数は以下のとおりである。
s = 0.3, A
1 = 0, A
2 = 10, A
3 = 0, 4次以降の係数 = 0
t = 0.4, B
1 = 0, B
2 = 10, B
3 = 0, 4次以降の係数 = 0
h
1(x)及びh
2(y)は以下のように表される。
【数82】
【数83】
【0069】
実施例1の拡散素子の形状f(x,y)は、凸の形状g(x,y)と凹の形状- g(x,y)とを組み合わせた形状であり、以下の式で表される。
【数84】
【0070】
【0071】
図16は、実施例1の拡散素子の、
図15においてAで示す2本の直線から等距離で平行な直線及びBで示す2本の直線から等距離で平行な直線に対応するxz断面図である。
図16の横軸はx座標を示し、単位はミリメータである。
図16の縦軸はz座標を示し、単位はミリメータである。
【0072】
図17は、実施例1の拡散素子のh
1(x)の形状を示す図である。
図17の断面はxz断面である。
図17の横軸はx座標を示し、単位はミリメータである。
図17の縦軸はz座標を示し、単位はミリメータである。
【0073】
図18は、
図17に示す形状の1階微分を示す図である。
図18の横軸はx座標を示し、単位はミリメータである。
図18の縦軸はzの1階微分値を示し、単位は無名数である。
図18から1階微分の絶対値
【数85】
の最大値は0.3である。したがって、式(2)から接線角φの最大値は16.7度である。この値及びn=1.5を式(1)に代入すると、拡散角度の最大値θは約9度となる。
【0074】
図19は、
図17に示す形状の2階微分を示す図である。
図19の横軸はx座標を示し、単位はミリメータである。
図19の縦軸はzの2階微分値を示し、単位はミリメータの逆数である。
【0075】
図20は、実施例1の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のxz断面における強度分布を示す図である。図の20の横軸はxz断面における拡散角度を示し単位は度である。
図20の縦軸は光のxz断面における強度を示し、単位は実施例1における相対強度を表す任意単位である。
図20によると、最大の拡散角度は約±9度であり、この角度の付近で強度分布の形状は急勾配(a steep)を示す。
【0076】
図21は、実施例1の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のyz断面における強度分布を示す図である。図の21の横軸はyz断面における拡散角度を示し単位は度である。
図21の縦軸は光のyz断面における強度分布を示し、単位は実施例1における相対強度を表す任意単位である。
図21によると、最大の拡散角度は約±7度であり、この角度の付近で強度分布の形状は急勾配(a steep)を示す。
【0077】
図20及び
図21によると、実施例1の拡散素子による光の強度分布の形状は、拡散角度の絶対値が、最大値よりも大きいときに0であり、最大値以下のときに一様である理想的な矩形形状に近い形状である。
【0078】
実施例2
実施例2のg(x,y)は実施例1のg(x,y)と同じである。実施例2の拡散素子の形状f(x,y)は、凸の形状g(x,y)のみを組み合わせた形状であり、以下の式で表される。
【数86】
【0079】
【0080】
図23は、実施例2の拡散素子の、
図22のAで示す2本の直線から等距離で平行な直線及びBで示す2本の直線から等距離で平行な直線に対応するxz断面図である。
図23の横軸はx座標を示し、単位はミリメータである。
図23の縦軸はz座標を示し、単位はミリメータである。
【0081】
図24は、
図23に示す形状の1階微分を示す図である。
図24の横軸はx座標を示し、単位はミリメータである。
図24の縦軸はzの1階微分値を示し、単位は無名数である。
【0082】
図25は、
図23に示す形状の2階微分を示す図である。
図25の横軸はx座標を示し、単位はミリメータである。
図25の縦軸はzの2階微分値を示し、単位はミリメータの逆数である。
【0083】
図26Aは、実施例2の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のxz断面における強度分布を示す図である。図の26Aの横軸はxz断面における拡散角度を示し単位は度である。
図26Aの縦軸は光のxz断面における強度分布を示し、単位は実施例2における相対強度を表す任意単位である。
【0084】
図26Bは、実施例2の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のxz断面における強度分布を示す図である。図の26Bの横軸はxz断面における拡散角度を示し単位は度である。
図26Bの縦軸は光のxz断面における強度分布を対数目盛で示し、単位は実施例2における相対強度を表す任意単位である。
図26Bによると、最大の拡散角度は約±9度であり、この角度の付近で強度分布の形状は急勾配(a steep)を示す。
【0085】
図27Aは、実施例2の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のyz断面における強度分布を示す図である。図の27Aの横軸はyz断面における拡散角度を示し単位は度である。
図27Aの縦軸は光のyz断面における強度分布を示し、単位は実施例2における相対強度を表す任意単位である。
【0086】
図27Bは、実施例2の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のyz断面における強度分布を示す図である。図の27Bの横軸はyz断面における拡散角度を示し単位は度である。
図27Bの縦軸は光のyz断面における強度分布を対数目盛で示し、単位は実施例2における相対強度を表す任意単位である。
図27Bによると、最大の拡散角度は約±7度であり、この角度の付近で強度分布の形状は急勾配(a steep)を示す。
【0087】
図26A、
図26B、
図27A、及び
図27Bにおいて、拡散角度0度に対応する光の強度が
図20及び
図21の場合よりも大きい理由は、実施例2の形状のxy平面に平行な部分の面積が実施例1の形状のxy平面に平行な部分の面積と比較して大きいためと考えられる。
【0088】
実施例3
実施例3において、h1(x)のAiのA3以外は0であり、h2(y)のBiのB3以外は0である。xz断面における拡散角度の最大値及び最小値は±10度、yz断面における拡散角度の最大値及び最小値は±5度として設計し、係数は以下のとおりである。
s = 0.3, A1 = 0, A2 = 0, A3 = 55, 4次以降の係数 = 0
t = 0.6, B1 = 0, B2 = 0, B3 = 55, 4次以降の係数 = 0
【0089】
実施例3の拡散素子の形状f(x,y)は、凸の形状g(x,y)と凹の形状- g(x,y)とを組み合わせた形状であり、以下の式で表される。
【数87】
【0090】
図28は、実施例3の拡散素子のh
1(x)の形状を示す図である。
図28の断面はxz断面である。
図28の横軸はx座標を示し、単位はミリメータである。
図28の縦軸はz座標を示し、単位はミリメータである。
【0091】
図29は、
図28に示す形状の1階微分を示す図である。
図29の横軸はx座標を示し、単位はミリメータである。
図29の縦軸はzの1階微分値を示し、単位は無名数である。
【0092】
図30は、
図28に示す形状の2階微分を示す図である。
図30の横軸はx座標を示し、単位はミリメータである。
図30の縦軸はzの2階微分値を示し、単位はミリメータの逆数である。
【0093】
図31Aは、実施例3の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のxz断面における強度分布を示す図である。図の31Aの横軸はxz断面における拡散角度を示し単位は度である。
図31Aの縦軸は光のxz断面における強度分布を示し、単位は実施例3における相対強度を表す任意単位である。
【0094】
図31Bは、実施例3の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のxz断面における強度分布を示す図である。図の31Bの横軸はxz断面における拡散角度を示し単位は度である。
図31Bの縦軸は光のxz断面における強度分布を対数目盛で示し、単位は実施例3における相対強度を表す任意単位である。
図31Bによると、最大の拡散角度は約±10度度であり、この角度の付近で強度分布の形状は急勾配(a steep)を示す。
【0095】
図32Aは、実施例3の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のyz断面における強度分布を示す図である。図の32Aの横軸はyz断面における拡散角度を示し単位は度である。
図32Aの縦軸は光のyz断面における強度分布を示し、単位は実施例3における相対強度を表す任意単位である。
【0096】
図32Bは、実施例3の拡散素子を通過した光のyz断面における強度分布を示す図である。図の32Bの横軸はyz断面における拡散角度を示し単位は度である。
図32Bの縦軸は光のyz断面における強度分布を対数目盛で示し、単位は実施例3における相対強度を表す任意単位である。
図32Bによると、最大の拡散角度は約±5度であり、この角度の付近で強度分布の形状は急勾配(a steep)を示す。
【0097】
実施例4
本実施例は補正後の請求項1に記載の発明の実施例からは除外される。
実施例4において、h1(x)のAiのA2及びA4以外は0であり、h2(y)のBiのB2及びB4以外は0である。xz断面における拡散角度の最大値及び最小値は±20度、yz断面における拡散角度の最大値及び最小値は±10度として設計し、係数は以下のとおりである。
s = 0.6, A2 =-3.6, A4 =-0.5
t = 1.2, B2 =-3.6, B4 = -0.5
Ai及びBiはiが5以上のときに0である。
【0098】
実施例4の拡散素子の形状f(x,y)は、凸の形状g(x,y)と凹の形状- g(x,y)とを組み合わせた形状であり、以下の式で表される。
【数88】
【0099】
図33は、実施例4の拡散素子のh
1(x)の形状を示す図である。
図33の断面はxz断面である。
図33の横軸はx座標を示し、単位はミリメータである。
図33の縦軸はz座標を示し、単位はミリメータである。
【0100】
図34は、
図33に示す形状の1階微分を示す図である。
図34の横軸はx座標を示し、単位はミリメータである。
図34の縦軸はzの1階微分値を示し、単位は無名数である。
図34から1階微分の絶対値
【数89】
の最大値は0.7である。
【0101】
図35は、
図33に示す形状の2階微分を示す図である。
図35の横軸はx座標を示し、単位はミリメータである。
図35の縦軸はzの2階微分値を示し、単位はミリメータの逆数である。
【0102】
図36は、実施例4の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のxz断面における強度分布を示す図である。図の36の横軸はxz断面における拡散角度を示し単位は度である。
図36の縦軸は光のxz断面における強度分布を示し、単位は実施例4における相対強度を表す任意単位である。
図36によると、最大の拡散角度は約±19度であり、この角度の付近で強度分布の形状は急勾配(a steep)を示す。
【0103】
図37は、実施例4の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のyz断面における強度分布を示す図である。
図37の横軸はyz断面における拡散角度を示し単位は度である。
図37の縦軸は光のyz断面における強度分布を示し、単位は実施例4における相対強度を表す任意単位である。
図37によると、最大の拡散角度は約±10度であり、この角度の付近で強度分布の形状は急勾配(a steep)を示す。
【0104】
図38は、実施例4の変形例の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のxz断面における強度分布を示す図である。実施例4の変形例は実施例4の格子点の位置及び高さを上述の方法によってばらつかせたものである。図の38の横軸はxz断面における拡散角度を示し単位は度である。
図38の縦軸は光のxz断面における強度分布を示し、単位は実施例4の変形例における相対強度を表す任意単位である。
【0105】
図39は、実施例4の変形例の拡散素子のxy平面に垂直に入射した平行光が拡散素子を通過した後のyz断面における強度分布を示す図である。図の39の横軸はyz断面における拡散角度を示し単位は度である。
図39の縦軸は光のyz断面における強度分布を示し、単位は実施例4の変形例における相対強度を表す任意単位である。
【0106】
図36乃至
図39によると、実施例4及びその変形例の拡散素子による光の強度分布の形状は、拡散角度の絶対値が、最大値よりも大きいときに0であり、最大値以下のときに一様である理想的な矩形形状に近い形状である。
図39-39を
図36-37と比較すると、
図39-39における照度分布は、
図36-37における照度分布よりも一様である。
【0107】
実施例1-実施例4の拡散素子の形状の特徴
図17、
図23、
図28及び
図33によると、実施例1-実施例4のh
1(x)の形状は滑らかであり、x軸に関して対称である。x=0においてh
1(x)は最大値を有する。
【0108】
図18、
図24、
図29及び
図34によると、h
1(x)の1階微分の絶対値は、h
1(x)の最大値に対応するx=0において0であり、xの絶対値が増加するにしたがって増加し最大値に到達し、その後xの絶対値が増加するにしたがって0まで減少する。h
1(x)の1階微分の絶対値は接線角の正接の絶対値に等しい。接線角が最大となるときに拡散角度の絶対値は最大となるので、拡散角度の絶対値の最大値はh
1(x)の1階微分の絶対値の最大値によって定まる。
【0109】
図19、
図25、
図30及び
図35によると、h
1(x)の1階微分の絶対値の最大値に対応するxの絶対値よりxの絶対値が小さい領域において、h
1(x)の2階微分は0または負であり、h
1(x)の1階微分の絶対値の最大値に対応するxの絶対値よりxの絶対値が大きい領域において、h
1(x)の2階微分は0または正であり、h
1(x)の2階微分はh
1(x)の1階微分の絶対値の最大値に対応するxにおいて不連続である。すなわち、h
1(x)の2階微分のそれぞれの不連続点のx座標においてh
1(x)の1階微分の絶対値が最大値を示し、この値はxz断面の拡散角度の絶対値の最大値に対応する。
【0110】
拡散角度θの絶対値は接線角に従って変化し、h1(x)の1階微分の絶対値は接線角の正接の絶対値に等しく、拡散角度の絶対値の最大値はh1(x)の1階微分の絶対値によって定める。さらに、h1(x)の2階微分はh1(x)の1階微分の絶対値の最大値に対応するxにおいて不連続であり、h1(x)の2階微分の符号はh1(x)の1階微分の絶対値の最大値に対応するxにおいて変化する。このことは、xに対して拡散角度をプロットした場合に、1階微分の絶対値の最大値に対応するxにおいて拡散角度が急峻に変化することを意味する。この結果、xz断面における拡散角度に対してプロットした光の強度分布の形状は、xz断面における拡散角度の絶対値の最大値付近で急峻に変化する。このように、xz断面における拡散角度の絶対値の最大値以下の拡散角度の絶対値においては光がほぼ一様な強度を有し、xz断面における拡散角度の絶対値の最大値を超える拡散角度の絶対値においては光の強度が0である理想の特性に近い特性の拡散素子が得られる。
【0111】
実施例1-4のh2(y)もh1(x)と同様な形状を有する。すなわち、h2(y)の形状は滑らかであり、y軸に関して対称である。y=0においてh2(y)は最大値を有する。h2(y)の1階微分の絶対値は、h2(y)の最大値に対応するy=0において0であり、yの絶対値が増加するにしたがって増加し最大値に到達し、その後yの絶対値が増加するにしたがって0まで減少する。h2(y)の1階微分の絶対値の最大値に対応するyの絶対値よりyの絶対値が小さい領域において、h2(y)の2階微分は0または負であり、h2(y)の1階微分の絶対値の最大値に対応するyの絶対値よりyの絶対値が大きい領域において、h2(y)の2階微分は0または正であり、h2(y)の2階微分はh2(y)の1階微分の絶対値の最大値に対応するyにおいて不連続である。すなわち、h2(y)の2階微分のそれぞれの不連続点のx座標においてh2(y)の1階微分の絶対値が最大値を示し、この値はyz断面の拡散角度の絶対値の最大値に対応する。したがって、yz断面における拡散角度の絶対値の最大値以下の拡散角度の絶対値においては光がほぼ一様な強度を有し、yz断面における拡散角度の絶対値の最大値を超える拡散角度の絶対値においては光の強度が0である理想の特性に近い特性の拡散素子が得られる。
【0112】
実施例1-4はh
1(x)及びh
2(y)の形状によって特徴づけられる。すなわち、
【数90】
が、特徴的な形状を有する。実施例1-4においては、g(x,y)及び- g(x,y)の少なくとも一方で表される形状が式(3)または式(4)に示すようにxy平面上に配置されている。一般的に、拡散素子はz=g(x,y)で表される形状及びz=-g(x,y) で表される形状の少なくとも一方のxy平面上の平行移動によって得られた複数の形状から構成してもよい。拡散素子のxy面上への射影面積に対するxy面上の平面の面積の比率が所定値以下となるようにxy平面上に上記の複数の形状を配置することによって理想の特性に近い特性の拡散素子が得られる。上記の所定値は1%である。
【0113】
本発明による拡散素子の製造方法を説明する。
【0114】
図40は、本発明による拡散素子の製造方法を示す流れ図である。
【0115】
図40のステップS2010において関数z=g(x,y)= h
1(x)・h
2(y)を定める。
【0116】
基準の矩形における形状をz=g(x,y)で表す。(x,y)座標の原点は基準の矩形の中心とする。Sを基準の矩形内の領域、
【数91】
をその境界、すなわち基準の矩形の辺とすると、以下の関係が成立する。
【数92】
のとき
【数93】
【数94】
のとき
【数95】
【数96】
【数97】
【数98】
【数99】
【0117】
z=g(x,y)は該矩形内において単一の頂点を有し、該矩形の辺上の任意の点と該頂点とを結ぶ直線に沿って該任意の点から該頂点までzは単調に増加し、
【数100】
で表され、
【数101】
の1階微分が
【数102】
において連続であり、該頂点のx座標において0であり、x座標が該頂点のx座標より小さい領域の1階微分が正でx座標が該頂点のx座標より大きい領域の1階微分が負であり、
【数103】
の2階微分が、x座標が該頂点のx座標より小さい領域及びx座標が該頂点のx座標より大きい領域においてそれぞれ単一の不連続な点を有し、
【数104】
の1階微分が
【数105】
において連続であり、該頂点のy座標において0であり、y座標が該頂点のy座標より小さい領域の1階微分が正でy座標が該頂点のy座標より大きい領域の1階微分が負であり、
【数106】
の2階微分が、y座標が該頂点のy座標より小さい領域及びy座標が該頂点のy座標より大きい領域においてそれぞれ単一の不連続な点を有する。
【0118】
h1(x)及びh2(y)は実施例に示す関数式であってもよい。
【0119】
図40のステップS2020において、h
1(x)の2階微分の少なくとも一つの不連続点のx座標におけるh
1(x)の1階微分の絶対値の最大値がxz断面の拡散角度の絶対値の所望の最大値に対応し、h
2(y)の2階微分の少なくとも一つの不連続点のy座標におけるh
2(y)の1階微分の絶対値の最大値がyz断面の拡散角度の絶対値の所望の最大値に対応するようにh
1(x)及びh
2(y)の係数を調整する。
【0120】
図14を使用して説明したようにh
1(x)及びh
2(y)のそれぞれの1階微分の絶対値の最大値によって式(2)から入射角θinの最大値が定まり、さらに式(1)から拡散角度θの絶対値の最大値が求まる。したがって、h
1(x) 及びh
2(y)のそれぞれの係数を調整することにより拡散角度θの絶対値の所望の最大値を実現することができる。
【0121】
図40のステップS2030において、z=g(x,y)で表される形状及びz=-g(x,y) で表される形状の少なくとも一方のxy平面上の平行移動によって拡散素子の全体の形状を定める。
【0122】
全体の形状は、式(3)または式(4)で表される形状であってもよい。