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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】太陽光発電モジュール及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/042 20140101AFI20240821BHJP
   H01L 31/048 20140101ALI20240821BHJP
【FI】
H01L31/04 500
H01L31/04 560
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022107876
(22)【出願日】2022-07-04
(65)【公開番号】P2023031245
(43)【公開日】2023-03-08
【審査請求日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】10-2021-0111071
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522267907
【氏名又は名称】メカロエナジー カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ヒョク キュ
(72)【発明者】
【氏名】リ,ギュ ヒョン
【審査官】桂城 厚
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3221321(JP,U)
【文献】国際公開第2021/040211(WO,A2)
【文献】特開2010-157652(JP,A)
【文献】国際公開第2019/189267(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/208793(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0257403(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0332062(US,A1)
【文献】特開2012-199538(JP,A)
【文献】特開2006-066754(JP,A)
【文献】特開2014-067925(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0074304(KR,A)
【文献】実開平06-45354(JP,U)
【文献】特開平09-55531(JP,A)
【文献】特開2005-236217(JP,A)
【文献】特開2005-183840(JP,A)
【文献】特開2012-244118(JP,A)
【文献】特開2002-094099(JP,A)
【文献】特開2010-229770(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00-31/078
H01L 31/18-31/20
H10K 30/00-99/00
H02S 10/00-10/40
H02S 30/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池が挿入される下部基板と、前記下部基板上に配置される上部基板と、を備える太陽光発電モジュールであって、
前記下部基板は、前記下部基板を貫通する線状に構成された貫通部又は前記下部基板に溝状に形成される線状に構成された空間溝部を含み、
前記太陽電池は、線状に構成され、前記下部基板の前記貫通部又は前記空間溝部の間の空間に挿入・配置され、
前記上部基板は、前記太陽電池が挿入される前記下部基板の上部に配置され、前記貫通部又は前記空間溝部に対応する形態の溝部をさらに含む太陽光発電モジュール。
【請求項2】
前記下部基板及び前記上部基板は、ガラス、アクリル、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)又はポリメチルメタクリレート(PMMA)素材の透明材料で構成される、請求項1に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項3】
前記太陽電池の幅は、5mm~100mmある、請求項1に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項4】
前記太陽電池は、結晶質シリコン太陽電池、CIGS薄膜太陽電池、CdTe薄膜太陽電池又はアモルファスシリコン太陽電池からなる、請求項1に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項5】
前記下部基板、前記太陽電池及び前記上部基板は、互いに接着剤、光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂で相互結合する、請求項1に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項6】
下部基板を貫通する線状に構成された貫通部又は前記下部基板に溝状に形成される線状に構成された空間溝部と挿入溝部を含む下部基板を構成する第1段階と、
太陽電池を線状に切断する第2段階と、
前記下部基板の前記貫通部又は前記空間溝部の間の空間に前記太陽電池を挿入・配置する第3段階と、
接着剤、光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂で前記太陽電池を前記下部基板の挿入溝部上に固定する第4段階と、
前記太陽電池の電極を連結する第5段階と、
前記太陽電池が挿入される前記下部基板の上部に、前記貫通部又は前記空間溝部に対応する形態の溝部をさらに含む上部基板を配置・結合する第6段階と、を備える、太陽光発電モジュールの製造方法。
【請求項7】
前記第1段階は、ガラス、アクリル、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)又はポリメチルメタクリレート(PMMA)素材の透明材料で前記下部基板を構成し、
前記第6段階は、ガラス、アクリル、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)又はポリメチルメタクリレート(PMMA)素材の透明材料からなる前記上部基板を形成することをさらに含む、請求項に記載の太陽光発電モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電モジュール及びその製造方法に関し、より具体的には、重量をさらに軽減し、屋外での長時間使用による変色が最小化される太陽光発電モジュール及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、半導体の性質を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換する装置である。
【0003】
光電変換効果を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽光発電モジュールは、地球環境の保全に資する無公害エネルギーを得る手段として広く使用されている。
【0004】
太陽光(日光)から電力を発生させる太陽電池を備える太陽光発電モジュールから発生した電力を外部に出力するためには、正電極及び負電極の機能をする電気伝導体が太陽光発電モジュールに配置され、接続端子に連結されるケーブルを介して電流が外部に流れる。
【0005】
しかし、太陽電池は、太陽光が透過できないか、又は透過度が低いため、太陽電池が設置される構造物の下では植物を育てることが困難であった。このような欠点を解決するために透過度の高い太陽電池に対する技術開発が行われている。
【0006】
韓国登録特許第10-1091372号公報(2011年12月01日)では、太陽電池を2つの透明板に垂直又はある程度の傾斜を維持するように設置し、設置された太陽電池の間に太陽光が透過するように設計することで、優れた光透過度と共に設置された太陽電池から電力が得られるようにしている。
【0007】
しかしながら、この方法は、2枚の透明板内に位置する太陽電池を光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂などの密封部材で含浸させ、この硬化性樹脂のために重量が増加する欠点を有する。
【0008】
なお、硬化性樹脂を介して太陽光が透過するため、屋外で使用時間が経過するにつれて硬化性樹脂の変色が進行され、これにより光透過度が著しく低下するようになる。密封部材として使用される硬化性樹脂を塗布するときに、均一な屈折率を維持しにくいことから、透過される像が部分的に歪むという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】韓国登録特許第10-1091372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、従来技術の透明基板内に位置する太陽電池を光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂などの密封部材で含浸させる構造を改善し、透明基板内に空き空間(貫通部又は空間溝部)を形成することで、太陽光発電モジュールの重量を大幅に減らすことにある。
【0011】
なお、本発明による太陽光発電モジュールは、硬化性樹脂の使用を最小限に抑え、屋外での長時間の使用による変色が最小化されるようにし、自然に太陽光が透過されるようにして視覚的に像が歪むという問題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した問題を解決するための本発明の一実施形態は、太陽電池200が挿入される下部基板100と、前記下部基板100上に配置される上部基板300と、を備える太陽光発電モジュールであって、前記下部基板100は、前記下部基板100を貫通する貫通部110又は前記下部基板100に溝状に形成される空間溝部115を含み、前記太陽電池200は、前記下部基板100の前記貫通部110又は前記空間溝部115の間の空間に配置され、前記上部基板300は前記太陽電池200が挿入されている前記下部基板100の上部に配置される。
【0013】
本発明の他の一実施形態によれば、前記貫通部110又は前記空間溝部115は、前記下部基板100上に線状に構成され、前記太陽電池200は前記下部基板100上の前記貫通部110又は前記空間溝部115の間の空間に線状に構成される。
【0014】
本発明の他の一実施形態によれば、前記下部基板100及び前記上部基板300はガラス、アクリル、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)又はポリメチルメタクリレート(PMMA)素材の透明材料で構成される。
【0015】
本発明の他の一実施形態によれば、前記太陽電池200は、前記下部基板100の前記貫通部110又は前記空間溝部115の間の空間において、前記下部基板100に対し垂直又は設定される角度で挿入・配置されてもよい。
【0016】
本発明の他の一実施形態によれば、前記太陽電池200の幅は、5mm~100mmで構成される。
【0017】
本発明の他の一実施形態によれば、前記太陽電池200は、結晶質シリコン太陽電池、CIGS薄膜太陽電池、CdTe薄膜太陽電池、又はアモルファスシリコン太陽電池からなる。
【0018】
本発明の他の一実施形態によれば、前記下部基板100、前記太陽電池200及び前記上部基板300は、接着剤、光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂で相互結合される。
【0019】
本発明の他の一実施形態によれば、前記上部基板300は、前記貫通部110又は前記空間溝部115に対応される形態の溝部310をさらに含み得る。
【0020】
本発明の一実施形態による太陽光発電モジュールの製造方法は、下部基板100を貫通する貫通部110又は前記下部基板100に溝状に形成される空間溝部115を含み、太陽電池200が挿入される挿入溝部201を含む下部基板100を構成する第1段階と、太陽電池200を切断する第2段階と、前記下部基板100の前記貫通部110又は前記空間溝部115の間の空間に前記太陽電池200を挿入する第3段階と、接着剤、光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂で前記太陽電池200を前記下部基板100の挿入溝部201上に固定する第4段階と、前記太陽電池200の電極を連結する第5段階と、前記太陽電池200が挿入される前記下部基板100の上部に前記上部基板300を配置・結合する第6段階と、を備える。
【0021】
本発明の他の一実施形態によれば、前記第1段階では、線状に構成される前記貫通部110又は前記空間溝部115を含む前記下部基板100を構成し、前記第2段階では前記太陽電池200を線状に切断することができる。
【0022】
本発明の他の一実施形態によれば、前記第1段階では、ガラス、アクリル、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)又はポリメチルメタクリレート(PMMA)素材の透明材料で前記下部基板100を構成し、前記第6段階では、ガラス、アクリル、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)又はポリメチルメタクリレート(PMMA)素材の透明材料からなる前記上部基板300を形成することをさらに含み得る。
【0023】
本発明の他の一実施形態によれば、前記第3段階は、前記下部基板100の前記貫通部110又は前記空間溝部115の間の空間において、前記下部基板100に対して垂直又は設定される角度で前記太陽電池200が挿入される。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、従来技術の透明基板内に位置する太陽電池を光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂などの密封部材で含浸させる構造を改善し、透明基板内に空き空間(貫通部又は空間溝部)を形成することにより、太陽光発電モジュールの重量を大幅に減らすことができる。
【0025】
なお、本発明による太陽光発電モジュールは、硬化性樹脂の使用を最小限に抑え、屋外での長時間使用による変色が最小化され、自然に太陽光が透過されるようになり、視覚的に像が歪むという問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態による太陽光発電モジュールの分解斜視図である。
図2】本発明の一実施形態による太陽光発電モジュールの正面図及び側面図である。
図3】本発明の一実施形態による太陽光発電モジュールの正面図及び側面図である。
図4】本発明の一実施形態による太陽光発電モジュールの正面図及び側面図である。
図5】本発明の一実施形態による太陽光発電モジュールの正面図及び側面図である。
図6】本発明の一実施形態による太陽光発電モジュールの正面図及び側面図である。
図7】本発明の他の一実施形態による太陽光発電モジュールの分解斜視図である。
図8】本発明の他の一実施形態による太陽光発電モジュールの正面図及び側面図である。
図9】本発明の他の一実施形態による太陽光発電モジュールの正面図及び側面図である。
図10】本発明の他の一実施形態による太陽光発電モジュールの正面図及び側面図である。
図11】本発明の一実施形態による太陽光発電モジュールの製造方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、添付の図面を参照して好ましい本発明の一実施形態について詳しく説明する。ただし、実施形態を説明するにあたって、関連する公知の機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要にぼやかすことができると判定される場合、それに対する詳しい説明は省略する。なお、図面での各構成要素のサイズは、説明のために誇張されることがあり、実際に適用されるサイズを意味するものではない。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態による太陽光発電モジュールの分解斜視図であり、図2図6は、本発明の一実施形態による太陽光発電モジュールの正面図及び側面図である。
【0029】
このとき、図2の(a)は、本発明の一実施形態による太陽光発電モジュールの下部基板の平面図であり、図2の(b)は、図2の(a)に示される本発明の一実施形態による太陽光発電モジュールの下部基板のt1-t2の断面図である。
【0030】
なお、図3の(a)は、本発明の一実施形態による太陽光発電モジュールの下部基板の平面図であり、図3の(b)は、図3(a)に示される本発明の一実施形態による太陽光発電モジュールの下部基板のt1-t2の断面図である。
【0031】
以下では、図1図6を参照して本発明の一実施形態による太陽光発電モジュールの構成を説明することにする。
【0032】
本発明の一実施形態による太陽光発電モジュールは、下部基板100、太陽電池200及び上部基板300を含む。
【0033】
下部基板100には、太陽電池200が挿入され、前記太陽電池200が挿入された下部基板100上には上部基板300が配置される。
【0034】
より具体的には、前記下部基板100には貫通部110が形成され、このときに前記貫通部110は、前記下部基板100を貫通するように形成される。
【0035】
このとき、前記貫通部110は、前記下部基板100上に線状に形成されてもよいし、前記太陽電池200は、線状(line type)に構成されて前記下部基板100上の前記貫通部110の間の空間に挿入されてもよい。
【0036】
前記下部基板100は、ガラス、アクリル、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)又はポリメチルメタクリレート(PMMA)素材の透明材料で構成される。
【0037】
前記太陽電池200は、前記下部基板100の前記貫通部110間の空間に配置され、このとき前記太陽電池200は、前記下部基板100の面に対して垂直に配置されるか、又は前記太陽電池200は、前記下部基板100の面に対して設定される角度で傾斜するように挿入・配置される。
【0038】
より具体的には、前記太陽電池200は、前記下部基板100の面に対して90°の角度で立てられて配置されるか、又は前記太陽電池200は、前記下部基板100の面に対して45°~90°の角度で立てられて配置される。
【0039】
このように、本発明によれば、前記下部基板100上での前記太陽電池200の傾斜角度を調節することで、前記太陽電池200に入射する光を調節して光電変換効率を最適化することができる。
【0040】
このとき、前記太陽電池200の幅は、5mm~100mmで形成され、前記太陽電池200は結晶質シリコン太陽電池、CIGS薄膜太陽電池、CdTe薄膜太陽電池又はアモルファスシリコン太陽電池からなり、図4の(a)はモノリシックに構成されるCIGS薄膜太陽電池の構造を示しており、図4の(b)は実際のモノリシックCIGS薄膜太陽電池を示している。
【0041】
このように構成される前記下部基板100、前記太陽電池200及び前記上部基板300は、相互間に接着剤、光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂で堅固に結合して固定され、前記太陽電池200は電極210を介して相互連結される。
【0042】
なお、前記上部基板300は、前記太陽電池200が挿入される前記下部基板100の上部に配置され、前記上部基板300は、前記貫通部110に対応する形態の溝部310をさらに含み得る。
【0043】
このように、前記上部基板300に溝部310を形成すれば、太陽光発電モジュールの重量をさらに減らすことができる。
【0044】
なお、本発明の一実施形態によれば、前記下部基板100の貫通部110又は前記上部基板300の溝部310には機能性充填部材が満たされる。
【0045】
前記機能性充填部材が接着剤である場合には、前記下部基板100と前記上部基板300とをより堅固に合着させることができ、これにより前記太陽電池200及び前記電極210が外部物質により腐食されるのを防止することができる。
【0046】
なお、前記機能性充填部材は、透明な絶縁物質で構成され、熱硬化樹脂又は光硬化樹脂が用いられる。より具体的な例としては、エチレンビニルアセテート(EVA:ethylene vinyl acetate)などのような透明樹脂を使用することができる。
【0047】
それだけでなく、本発明の一実施形態による太陽光発電モジュールを窓戸として使用する場合には、前記機能性充填部材として太陽光の透過量又は反射量を調節できる材料を使用することができる。
【0048】
したがって、本発明の一実施形態による太陽光発電モジュールを窓として使用する場合には、前記下部基板100上での前記太陽電池200の傾斜角度の調節と前記機能性充填部材を介して太陽光発電効率を最適化するだけでなく、室内の各特性に合わせた最適な室内照度を提供することができる。
【0049】
なお、本発明の一実施形態による太陽光発電モジュールを外壁に設ける場合には、外壁の色相又は環境に前記機能性充填部材の色相を選択することができる。
【0050】
図7は、本発明の他の一実施形態による太陽光発電モジュールの分解斜視図であり、図8図10は本発明の他の一実施形態による太陽光発電モジュールの正面図及び側面図である。
【0051】
以下では、図7図10を参照して、本発明の他の一実施形態による太陽光発電モジュールの構成を説明する。
【0052】
本発明の他の一実施形態による太陽光発電モジュールでも下部基板100、太陽電池200及び上部基板300が含まれ、下部基板100には太陽電池200が挿入され、前記太陽電池200が挿入された下部基板100上に上部基板300が配置される。
【0053】
しかしながら、本発明の他の一実施形態による太陽光発電モジュールは、前記下部基板100には溝状に形成される空間溝部115を設けることができる。
【0054】
このとき、空間溝部115は、前記下部基板100上に線状(line type)に形成され、前記太陽電池200は線状に構成されて前記下部基板100上の前記空間溝部115の間の空間に挿入される。
【0055】
同様に、前記下部基板100は、ガラス、アクリル、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)又はポリメチルメタクリレート(PMMA)素材の透明材料で構成される。
【0056】
なお、前記太陽電池200は、前記下部基板100の前記貫通部110間の空間に配置され、このとき前記太陽電池200は前記下部基板100の面に対して垂直に配置されるか、又は前記太陽電池200は、前記下部基板100の面に対して設定される角度で傾斜するように挿入・配置される。
【0057】
より具体的には、前記太陽電池200は、前記下部基板100の面に対して90°の角度で立てられて配置されるか、又は太陽電池200は前記下部基板100の面に対して45°~90°の角度で立てられて配置される。
【0058】
このように、本発明によれば、前記下部基板100上での前記太陽電池200の傾斜角度を調節して、前記太陽電池200に入射する光を調節して光電変換効率を最適化することができる。
【0059】
このとき、前記太陽電池200の幅は、5mm~100mmで構成され、前記太陽電池200は結晶質シリコン太陽電池、CIGS薄膜太陽電池、CdTe薄膜太陽電池又はアモルファスシリコン太陽電池からなる。
【0060】
このように構成される前記下部基板100、前記太陽電池200及び前記上部基板300は、接着剤、光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂で堅固に相互結合して固定され、前記太陽電池200は電極210を介して相互連結される。
【0061】
なお、前記上部基板300は、前記太陽電池200が挿入される前記下部基板100の上部に配置され、前記上部基板300は平面状の基板で構成されるか、前記空間溝部115に対応する形態の溝部310をさらに含むように構成される。
【0062】
このように、前記上部基板300に溝部310を形成すれば、太陽光発電モジュールの重量をさらに減らすことができる。
【0063】
なお、本発明の一実施形態によれば、前記下部基板100の空間溝部115又は前記上部基板300の溝部310には機能性充填部材が満たされる。
【0064】
前記機能性充填部材が接着剤である場合には、前記下部基板100と前記上部基板300をさらに堅固に合着させることができ、これにより前記太陽電池200及び前記電極210が外部物質により腐食されるのを防止することができる。
【0065】
なお、前記機能性充填部材は、透明な絶縁物質で構成され、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が用いられる。より具体的な例としては、エチレンビニルアセテート(EVA:ethylene vinyl acetate)などのような透明な樹脂を使用することができる。
【0066】
それだけでなく、本発明の一実施形態による太陽光発電モジュールを窓戸として用いる場合には、前記機能性充填部材として太陽光の透過量又は反射量を調節できる材料を使用することができる。
【0067】
図11は、本発明の一実施形態による太陽光発電モジュールの製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0068】
以下では、図11を参照して本発明の一実施形態による太陽光発電モジュールの製造方法を説明する。
【0069】
まず、下部基板100を構成する(S110)。より詳しく説明すると、前記下部基板100を貫通する貫通部110又は前記下部基板100に溝状に形成される空間溝部115を含み、太陽電池200が挿入される挿入溝部201を含むように前記下部基板100を構成する。
【0070】
このとき、線状に構成される前記貫通部110又は前記空間溝部115を含むように前記下部基板100を構成することができ、ガラス、アクリル、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)又はポリメチルメタクリレート(PMMA)素材の透明材料で前記下部基板100を構成することができる。
【0071】
本発明の一実施形態によれば、このように下部基板100の前記貫通部110又は前記空間溝部115の形成を通じて太陽光発電モジュールの重量を大幅に減らすことができる。
【0072】
併せて、このような下部基板100の製造時には直接加工を行うか、又は大量生産のために射出などの方法で製造することができる。
【0073】
以後、前記太陽電池200を切断し(S120)、このとき太陽電池200を線状に切断し、前記切断された太陽電池200を前記下部基板100の前記貫通部110 又は前記空間溝部115の間の空間に挿入する(S130)。
【0074】
より具体的には、前記下部基板100の前記貫通部110又は前記空間溝部115の間の空間において、前記下部基板100に対して垂直又は設定される角度で太陽電池200を挿入することができる。
【0075】
以後、接着剤、光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂で前記太陽電池200を前記下部基板100の挿入溝部201上に固定し(S140)、前記太陽電池200の電極を連結する(S150)。このとき、本発明の一実施形態によれば、透明基板内に位置する太陽電池を光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂などの密封部材で含浸させる従来技術の構造を改善し、下部基板100、太陽電池200、上部基板300を結合するときにのみ、接着剤、光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂を用いて太陽電池200が含浸される。
【0076】
併せて、このような接着剤、光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂を使用する際には、結合を強化するために後続の熱処理又は紫外線(UV)処理を行うことができる。
【0077】
以後、前記太陽電池200が挿入される前記下部基板100の上部に前記上部基板300を配置・結合することで、太陽光発電モジュールを完成する(S160)。
【0078】
このように、本発明は、従来技術の透明基板内に位置する太陽電池を光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂などの密封部材で含浸させる構造を改善し、透明基板内に空き空間(貫通部又は空間溝部)を形成することにより、太陽光発電モジュールの重量を大幅に減らすことができる。
【0079】
なお、本発明による太陽光発電モジュールは、硬化性樹脂の使用を最小限に抑え、屋外での長時間使用による変色が最小化され、自然に太陽光が透過されることから視覚的に像が歪むという問題を解決することができる。
【0080】
上述したような本発明の詳細な説明では、具体的な実施形態について説明した。しかしながら、本発明の範囲から逸脱しない限り、多様な変更が可能である。本発明の技術的思想は、上述した本発明の実施形態に限定されてはならず、特許請求の範囲だけではなくこの特許請求の範囲と均等なものによって定められるべきである。
【符号の説明】
【0081】
100:下部基板
110:貫通部
115:空間溝部
200:太陽電池
210:電極
300:上部基板
310:溝部
図1
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