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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】滑り止め装置
(51)【国際特許分類】
   F16B 5/00 20060101AFI20240821BHJP
   B66F 9/12 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
F16B5/00 Z
B66F9/12 F
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2024008303
(22)【出願日】2024-01-23
【審査請求日】2024-01-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516243962
【氏名又は名称】株式会社伊藤
(74)【代理人】
【識別番号】100161300
【弁理士】
【氏名又は名称】川角 栄二
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 幸平
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-026156(JP,A)
【文献】実開平04-079138(JP,U)
【文献】特開2021-139167(JP,A)
【文献】特開2002-360303(JP,A)
【文献】特開2003-052413(JP,A)
【文献】特開2003-052412(JP,A)
【文献】特開平07-117418(JP,A)
【文献】特開平08-231168(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2393747(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 5/00-5/12
B66F 9/00-11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性を有する支持面に磁力で吸着する滑り止め装置であって、
そのおもて面に複数の滑り止め体が設けられた滑り止め板と、
前記滑り止め板の裏面に結合された磁石とを備え、
前記滑り止め体が、貫通孔と、前記貫通孔の縁から突出する突起とを有し、
前記滑り止め板が前記支持面と空隙を挟んで対向する離間部を有し、
一の前記滑り止め体の裏側に前記空隙が配置されており、
前記一の前記滑り止め体の前記突起の内周に雌ねじ部が形成されており、
前記支持面を押すボルトが前記雌ねじ部に嵌め合わされる
ことを特徴とする滑り止め装置。
【請求項2】
前記滑り止め板が磁性を有し、
前記磁石が前記滑り止め板に磁力で結合されている
ことを特徴とする請求項に記載の滑り止め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は滑り止め装置に関し、特に磁性を有する支持面に磁力で吸着する滑り止め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工場の床面などは鋼板が敷かれている場所が多く、油が塗布されている箇所もある。このような場所では、足を滑らせ転倒する危険性が高い。また、鋼板製の階段や梯子なども同様に滑りやすい。これらの場所で足を滑らせると大きな事故となるおそれがある。一方で、フォークリフトにおいて荷物を載せるフォークの面は、通常は鉄鋼製の平滑な平面となっている。そのため、フォークリフトの制動などによって、荷物が滑り落下するおそれがある。そのような事故を防ぐため、さまざまな滑り止め装置が発明されている。
【0003】
従来の滑り止め装置として、梯子に装着され、昇降する際に足元の滑りを防止する梯子用の滑り止め装置が知られている(特許文献1参照)。特許文献1の発明によれば、この装置に設けられた突起が靴底に食い込むため、高い滑り止め効果を発揮する。その一方で、この滑り止め装置は、この装置に設けられた孔と梯子に設けられた孔とをねじ止めすることで梯子に装着されるよう構成されている。すなわち、装着する相手側の梯子に孔加工を施す必要がある。
【0004】
他の従来の滑り止め装置として、鉄鋼製の内壁などに磁力により吸着する滑り止め装置が知られている(特許文献2参照)。特許文献2に記載の滑り止め装置は磁石を備えており、磁性を有する面に磁力で吸着するため、脱着が容易である。しかしこの滑り止め装置の滑り止め面は、ゴム板の表面に形成された波形の凹凸であり、圧縮により潰れるため、靴底に食い込む突起ほどの滑り止め効果は期待できない。
【0005】
また他の従来の滑り止め装置として、フォークリフトのフォークに装着するフォーク用滑り止め装置が知られている(特許文献3参照)。特許文献3に記載の滑り止め装置は、磁石シートとウレタンゴムシートとが重ね合わされて接着されており、鉄鋼製のフォークの上に置くだけで装着され、端からめくるだけで取り外しできるよう構成されている。しかしこの滑り止め装置の滑り止め効果を発揮するのはウレタンゴムの摩擦力であるため、突起ほどの滑り止め効果は期待できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2011-231496号公報
【文献】特開2000-58317号公報
【文献】特開2012-41188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記問題点を鑑みて、本発明は、高い滑り止め効果を有しつつ、磁性を有する支持面に対して脱着が容易な滑り止め装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る滑り止め装置は、磁性を有する支持面に磁力で吸着する滑り止め装置であって、そのおもて面に複数の滑り止め体が設けられた滑り止め板と、前記滑り止め板の裏面に結合された磁石とを備え、前記滑り止め体が、貫通孔と、前記貫通孔の縁から突出する突起とを有することを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、高い滑り止め効果を有しつつ、磁性を有する支持面に対して脱着が容易な滑り止め装置を提供することができる。
【0010】
本発明に係る他の滑り止め装置は、前記滑り止め板が前記支持面と空隙を挟んで対向する離間部を有することを特徴とする
【0011】
この発明によれば、空隙を利用して支持面から取り外すことが容易な滑り止め装置を提供することができる。
【0012】
本発明に係る他の滑り止め装置は、前記空隙が前記滑り止め板の端につながっており、前記空隙に梃子が挿入されることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、梃子を利用して支持面から離れる方向に力を加えることが可能な滑り止め装置を提供することができる。
【0014】
本発明に係る他の滑り止め装置は、一の前記滑り止め体の裏側に前記空隙が配置されており、前記一の前記滑り止め体の前記突起の内周に雌ねじ部が形成されており、前記支持面を押すボルトが前記雌ねじ部に嵌め合わされることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、ボルトを回すことで支持面から離れる方向に力を加えることが可能な滑り止め装置を提供することができる。
【0016】
本発明に係る他の滑り止め装置は、前記滑り止め板が磁性を有し、前記磁石が前記滑り止め板に磁力で結合されていることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、磁石が磁力で滑り止め板と結合されるとともに、支持面に吸着するような滑り止め装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、高い滑り止め効果を有しつつ、磁性を有する支持面に対して脱着が容易な滑り止め装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第一実施形態に係る滑り止め装置の斜視図である。
図2】本発明の第一実施形態に係る滑り止め装置における、図1のA-A断面において、空隙に梃子を挿入した状態を模式的に示す図である。
図3】本発明の第二実施形態に係る滑り止め装置の斜視図である。
図4】本発明の第二実施形態に係る滑り止め装置における一の滑り止め体の断面を模式的に示す図であって、(a)は図3のB-B断面を示す図であり、(b)は滑り止め体にボルトを入れた状態を(a)と同じ断面で示す図である。
図5】本発明の第三実施形態に係る滑り止め装置における、図4に相当する断面を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明に係る滑り止め装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な実施形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0021】
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係る滑り止め装置について、図1,2に基づき説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係る滑り止め装置の斜視図であり、図2は、本発明の第一実施形態に係る滑り止め装置における、図1のA-A断面において、空隙に梃子を挿入した状態を模式的に示す図である。
【0022】
本実施形態に係る滑り止め装置1は、図1,2に示すように、主たる構成要素として滑り止め板10とマグネットシート20とを有する。本実施形態において、滑り止め板10は、裏面10bに貼られた粘着テープ(図示省略)でマグネットシート20と結合されている。
【0023】
滑り止め板10は金属製の板からなり、おもて面10aには複数の滑り止め体11が設けられている。滑り止め体11は、貫通孔12及び突起13を有し、突起13がおもて面10aに載る物に食い込むことで、高い滑り止め効果を発揮する。すなわち、滑り止め板10とその上に載る物との間には、強い摩擦力が生じる。突起13は、円形の貫通孔12の縁12aから、おもて面10aにほぼ垂直に上に向け突出しており、短円筒状となっている。滑り止め体11は、好適にはバーリングで形成されるが、切削加工などにより形成することも可能である。滑り止め板10は金属製であるため、物が載っても突起13はつぶれることはない。
【0024】
なお、図1,2に示す滑り止め板10は、板厚が1.2mm、貫通孔12の径が6mm、突起13の高さ(おもて面10aを基準とする)が1.7mmとなっている。これらの寸法は適宜に変更可能である。また貫通孔12は円孔に限られず、例えば多角形の孔とすることも可能である。
【0025】
マグネットシート20は、柔軟性を有し面状に広がる磁石のシートであり、片面が滑り止め板10の裏面10bに結合されている。マグネットシート20は、裏面10bの少なくとも一部を覆うよう滑り止め板10に結合されている。図1,2に示すマグネットシート20は、板厚が2mmで異方性の磁石であるが、板厚は適宜に変更可能であり、また等方性の磁石とすることもできる。
【0026】
滑り止め装置1は、マグネットシート20の磁力により、磁性を有する支持面Fに吸着する。磁性を有する支持面Fには、鉄鋼などからなる床面やフォークリフトのフォークなどが含まれる。マグネットシート20と支持面Fとの間に引力が作用するため、滑り止め装置1は支持面Fの上に載せるだけで吸着する。マグネットシート20は磁性を有する支持面Fに面で吸着するため、これらの間の摩擦力は大きく、滑ることはない。また先述のように、滑り止め板10とその上に載る物との間には強い摩擦力が生じる。したがって、滑り止め装置1に載る物と支持面Fとの間には強い摩擦力が生じる。すなわち滑り止め装置1は高い滑り止め効果を発揮する。
【0027】
次に、滑り止め装置1を支持面Fから取り外す方法について説明する。図1,2に示すように、滑り止め装置1の滑り止め板10と支持面Fとの間には、部分的に空隙Vが設けられている。滑り止め板10のうち、空隙Vと隣接する部分は、支持面Fから離れている離間部10cを構成する。そして空隙Vは滑り止め板10の端10dまでつながっている。そのため、図2に示すように、空隙Vに外部から梃子30を挿入することができる。梃子30を使用することによって、支持面Fから離れる方向に向けて、滑り止め板10に力を加えることができる。梃子30によって滑り止め板10に上向きの力が作用する端10dは、滑り止め板10の反対側の端10eから十分な距離を有する。そのため、端10eが支点となり端10dが作用点となって、梃子の原理で、マグネットシート20は支持面Fから剥がれる。すなわち滑り止め装置1が支持面Fから取り外される。なお、梃子30としてマイナスドライバーなどが好適に使用されるが、空隙Vに挿入可能な任意の物を使用することができる。
【0028】
[第二実施形態]
次に本発明の第二実施形態に係る滑り止め装置について、図3,4に基づき説明する。図3は、本発明の第二実施形態に係る滑り止め装置の斜視図であり、図4は、本発明の第二実施形態に係る滑り止め装置における一の滑り止め体の断面を模式的に示す図であって、(a)は図3のB-B断面を示す図であり、(b)は滑り止め体にボルトを入れた状態を(a)と同じ断面で示す図である。なお、図3,4に示す滑り止め装置は、フォークリフトのフォークの上面に装着されるよう構成されている。第二実施形態と第一実施形態との相違点は、空隙の位置と、その裏側にある滑り止め体の構成である。その構成の相違によって、滑り止め装置を支持面から取り外す方法が相違する。
【0029】
本実施形態に係る滑り止め装置2は、第一実施形態と同様に、滑り止め板10とマグネットシート20とを有し、これらが粘着テープ(図示省略)で結合されている。滑り止め板10には、第一実施形態と同様の滑り止め体11が設けられている。滑り止め装置2のマグネットシート20は、図3,4に示すように、フォークリフトのフォークの上面である支持面Fに磁力で吸着している。本実施形態に係る滑り止め装置2の滑り止め板10は、その幅方向の両端からフランジ15が下向きに突出している。そしてフランジ15がフォークを幅方向に挟み込んでいる。これによって、滑り止め装置2がフォークから幅方向にずれるのを防いでいる。
【0030】
複数設けられた滑り止め体11のうち、一の滑り止め体11aの裏側には、図4に示すように空隙Vが形成されている。滑り止め板10のうち、空隙Vと隣接する部分は、支持面Fから離れている離間部10cを構成する。そして滑り止め体11aの突起13の内周に雌ねじ部14が形成されている。雌ねじ部14は、ボルト40の雄ねじ部41が嵌るよう構成されている。滑り止め体11aの突起13の内側にボルト40を上から挿入し、ボルト40を回転させていくと、ボルト40の先端42が支持面Fに当たる。そしてさらにボルト40を回転させると、ボルト40の先端42が支持面Fを押し、滑り止め板10に、支持面Fから離れる方向に向けて、力を加えることができる。滑り止め板10に上向きの力が作用する滑り止め体11aの位置は、図3に示すように滑り止め板10の端10eから十分な距離を有する。そのため、端10eが支点となり滑り止め体11aの位置が作用点となって、梃子の原理で、マグネットシート20は支持面Fから剥がれる。すなわち滑り止め装置2が支持面Fから取り外される。
【0031】
なお雌ねじ部14及び雄ねじ部41のねじ山の数は任意に設定できる。また、多条ねじとしてもよい。図4に示したボルト40のヘッド43にはローレットが付されているが、ボルト40のヘッドの形状は適宜なものを採用でき、例えばボルト40をT字ボルトとすることも、またクランプレバーとすることも可能である。また、複数の滑り止め体11に雌ねじ部14を設けることも可能である。
【0032】
[第三実施形態]
次に本発明の第三実施形態に係る滑り止め装置について、図5に基づいて説明する。図5は、本発明の第三実施形態に係る滑り止め装置における、図4に相当する断面を模式的に示す図である。
【0033】
第三実施形態に係る滑り止め装置3も、第二実施形態と同様に、複数設けられた滑り止め体11のうち、滑り止め体11aの裏側に空隙Vが形成されている。滑り止め板10のうち、空隙Vと隣接する部分は、支持面Fから離れている離間部10cを構成する。そして滑り止め体11aの突起13の内周に雌ねじ部14が形成されている。本実施形態では、図5に示すように、滑り止め体11aの突起13の内側に、ボルトの一形態である止めネジ50が収容されている。止めネジ50の雄ねじ部51が雌ねじ部14に嵌っている。止めネジ50にはヘッドが無く、止めネジ50の全長は、支持面Fから突起13の上端までの距離より短く設定されている。そのため、滑り止め体11aの内部に止めネジ50を収容したままでも、突起13より突出するものは無く、滑り止め板10の上を歩行したり物を載せるうえで支障はない。
【0034】
止めネジ50の上部には六角穴53が形成されており、六角レンチで止めネジ50を回転させることができる。止めネジ50を回転させていくと、止めネジ50の先端52が支持面Fに当たる。そしてさらに止めネジ50を回転させると、止めネジ50の先端52が支持面Fを押し、滑り止め板10に、支持面Fから離れる方向に向けて、力を加えることができる。こうして第二実施形態と同様に、滑り止め装置3が支持面Fから取り外される。
【0035】
なお雌ねじ部14及び雄ねじ部51のねじ山の数は任意に設定できる。また、多条ねじとしてもよい。止めネジ50の上部には、六角穴53に代えて十字穴やスリワリなど任意のリセスを設けることも可能である。
【0036】
[他の変形例]
第二実施形態では、ボルト40を回し、ボルト40の先端42で支持面Fを押さえることで、滑り止め板10に支持面Fから離れる方向に向けて力を加えていた。これ以外に、ボルト40を雌ねじ部14に嵌め合わせたあと、ボルト40のヘッド43を上向きに引っ張ることで、滑り止め板10に支持面Fから離れる方向に向けて力を加えることも可能である。特に、ボルト40としてT字ボルトを使用するとヘッドを把持しやすくなり、上向きに引っ張ることが容易となる。また、第二実施形態及び第三実施形態における滑り止め体11aの裏側の空隙Vを、滑り止め板10の端までつなげることも可能である。これにより、ボルトだけでなく梃子を用いても取り外しが可能となる。
【0037】
先述の実施形態では、空隙Vから支持面Fに接触する物(梃子、ボルト)を介して、滑り止め板10に支持面Fから離れる方向の力を付与していた。これに代えて、空隙Vに空気圧をかけることで力を付与するよう構成することも可能である。具体的には、一つの滑り止め体11の裏側に位置する空隙Vが、滑り止め板10、マグネットシート20、支持面Fにより囲まれるよう構成する。すなわち、貫通孔12だけが空隙Vに繋がっているよう構成する。ここで、エアガンなどで貫通孔12を介して空隙に空気圧を付与すると、滑り止め板10に支持面Fから離れる方向に力を加えることができる。
【0038】
また先述の実施形態では、滑り止め板10とマグネットシート20とは粘着テープで結合されていたが、任意の手段で結合することができる。滑り止め板10の素材は任意に選択可能であり、磁性を有する金属とすることも可能である。滑り止め板10の素材が磁性を有する金属である場合、マグネットシート20と磁力で結合することも可能である。磁性を有する金属のなかでも、磁性を有するステンレス鋼を採用することも可能である。磁性を有するステンレス鋼として、フェライト系ステンレス(SUS443J1など)や、オーステナイト・フェライト系ステンレス(SUS821L1など)が挙げられる。また滑り止め板10は平板に限られず曲面板とすることもできる。
【0039】
滑り止め板10の素材が磁性を有する金属である場合、マグネットシート20として両面が着磁した形態(両面多極など)を採用するのが好適である。これにより、マグネットシート20の片面が滑り止め板10と結合し、その反対面が支持面Fと吸着する。またマグネットシート20の磁力を面毎に異なるよう構成することも可能である。またマグネットシート20に代えて、着磁した任意の磁石を使用することも可能である。
【符号の説明】
【0040】
1,2,3 滑り止め装置
10 滑り止め板
10a おもて面
10b 裏面
10c 離間部
10d,10e 端
11,11a 滑り止め体
12 貫通孔
12a 縁
13 突起
14 雌ねじ部
15 フランジ
20 マグネットシート(磁石)
30 梃子
40 ボルト
41 雄ねじ部
42 先端
43 ヘッド
50 止めネジ
51 雄ねじ部
52 先端
53 六角穴
F 支持面
V 空隙
【要約】
【課題】 高い滑り止め効果を有しつつ、磁性を有する支持面に対して容易に脱着することができる滑り止め装置を提供する。
【解決手段】 磁性を有する支持面Fに磁力で吸着する滑り止め装置1であって、そのおもて面10aに複数の滑り止め体11が設けられた滑り止め板10と、滑り止め板10の裏面10bに結合された磁石20とを備え、滑り止め体11が、貫通孔12と、貫通孔12の縁12aから突出する突起13とを有することを特徴とする。
【選択図】 図2
図1
図2
図3
図4
図5