(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】湾入した形状の表示部を含む表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240821BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240821BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20240821BHJP
【FI】
G09F9/30 308Z
G09F9/00 350Z
G09F9/30 365
G09F9/30 309
G09F9/00 313
H10K59/10
(21)【出願番号】P 2019163126
(22)【出願日】2019-09-06
【審査請求日】2022-08-23
(31)【優先権主張番号】10-2018-0106748
(32)【優先日】2018-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ミン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ソン フン
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108416280(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0242457(US,A1)
【文献】特開2018-087863(JP,A)
【文献】特開2012-093738(JP,A)
【文献】特開2015-204458(JP,A)
【文献】特開2010-010122(JP,A)
【文献】特開2010-079006(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0151834(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0040576(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0103500(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108111650(CN,A)
【文献】特開2016-110114(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0090061(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/00-9/46
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一辺に沿って内側に湾入した第1湾入部が形成された基板と、
前記一辺に沿い、前記基板の一面上に離隔されて配置された第1パッド部及び第2パッド部と、
前記基板の一面上に位置し、前記第1パッド部及び前記第2パッド部の間で、内側に湾入した形状を有する表示部と、
前記表示部を封止する封止部と、
前記第1パッド部に連結される第3パッド部を含み、前記基板の一面から前記基板の他面にベンディングされた第1配線フィルムと、
前記第2パッド部に連結される第4パッド部を含み、前記基板の一面から前記基板の他面にベンディングされ、前記第1配線フィルムと離隔されて配置された第2配線フィルムと、
前記封止部上に配置された透明基板と、
前記封止部と前記透明基板との間に配置された偏光フィルムと、
前記偏光フィルムと前記透明基板との間に配置された接着層と、
前記基板と前記透明基板との間に、前記接着層と離隔され、前記表示部の外郭を囲む充填材と、を含み、
前記基板の一面上において、前記封止部と前記第1配線フィルムは離隔され、
前記封止部と前記第1配線フィルムが離隔された領域において、前記充填材は、前記封止部、前記基板の一面及び前記第1配線フィルムに接触し、
平面視において、前記透明基板は、前記第1パッド部及び前記第2パッド部と重畳する、表示装置。
【請求項2】
前記第1配線フィルム及び前記第2配線フィルムと接続するフレキシブルプリント回路基板をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記フレキシブルプリント回路基板は、集積回路チップをさらに含み、
前記集積回路チップは、前記表示部と重畳するように配置されたことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記封止部は、少なくとも1枚の無機膜と、少なくとも1枚の有機膜とを含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記封止部は、少なくとも1枚の無機膜と、少なくとも1枚の有機膜とを含み、
前記封止部の最外郭層は、無機膜であり、
前記最外郭層の無機膜は、前記少なくとも1枚の有機膜の側面をカバーすることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記封止部は、少なくとも1枚の無機膜と、少なくとも1枚の有機膜とを含み、
前記封止部の最外郭層は、無機膜であり、
前記最外郭層の無機膜は、前記第1湾入部が形成された基板の側面をカバーすることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1湾入部に沿い、前記表示部の外郭にテスト用ダミー画素がさらに配置されたことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1配線フィルム及び前記第2配線フィルムには、前記第1配線フィルムに接地された第1接地部、及び前記第2配線フィルムに接地された第2接地部がさらに配置されたことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記透明基板には、前記表示部の外郭に対応する位置に、ブラックマトリックスがさらに配置されたことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記ブラックマトリックスには、前記第1湾入部に対応する位置に、第1開口部が形成されたことを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記透明基板には、前記第1開口部に対応する位置に、第2開口部が形成されたことを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記基板の他面に配置され、緩衝材を含むカバーパネルをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記カバーパネルの端部は、前記第1湾入部において、基板の端部と一致することを特徴とする請求項1
2に記載の表示装置。
【請求項14】
前記カバーパネルの端部は、前記第1湾入部において、基板の端部より表示部の外側に突出していることを特徴とする請求項1
2に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1パッド部及び前記第2パッド部は、複数のパッド配線を含み、
前記複数のパッド配線は、前記第1湾入部の中心線に対して対称になるように斜めに形成されたことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第3パッド部及び前記第4パッド部は、複数のパッド配線を含み、
前記複数のパッド配線は、前記第1湾入部の中心線に対して対称になるように斜めに形成されたことを特徴とする請求項1
5に記載の表示装置。
【請求項17】
前記第1配線フィルム及び前記第2配線フィルムがベンディングされた領域のエッジから前記フレキシブルプリント回路基板までの最大深さは、前記ベンディングされた領域のエッジから前記第1湾入部までの最大深さ以上であることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項18】
前記フレキシブルプリント回路基板は、前記第1配線フィルム及び前記第2配線フィルムの間で、内側に湾入した第2湾入部をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項19】
前記第1配線フィルムの前記第3パッド部の端から前記フレキシブルプリント回路基板までの前記一辺に対する垂直距離は、前記基板の第1湾入部の端から前記一辺の延長線までの前記一辺に対する垂直距離以上であることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項20】
一辺に沿って内側に湾入した第1湾入部が形成された基板と、
前記一辺に沿い、前記基板の一面上に離隔されて配置された第1パッド部及び第2パッド部と、
前記基板の一面上に位置し、前記第1パッド部及び第2パッド部の間で、内側に湾入した形状を有する表示部と、
前記表示部を封止する封止部と、
前記第1パッド部に連結される第3パッド部を含み、前記基板の一面から前記基板の他面にベンディングされた第1配線フィルムと、
前記第2パッド部に連結される第4パッド部を含み、前記基板の一面から前記基板の他面にベンディングされた第2配線フィルムと、
前記第3パッド部と前記第4パッド部との間で、前記第1配線フィルムと前記第2配線フィルムとを連結する第1連結配線フィルムと、
前記封止部上に配置された透明基板と、
前記封止部と前記透明基板との間に配置された偏光フィルムと、
前記偏光フィルムと前記透明基板との間に配置された接着層と、
前記基板と前記透明基板との間に、前記接着層と離隔され、前記表示部の外郭を囲む充填材と、を含み、
前記基板の一面上において、前記封止部と前記第1配線フィルムは離隔され、
前記封止部と前記第1配線フィルムが離隔された領域において、前記充填材は、前記封止部、前記基板の一面及び前記第1配線フィルムに接触し、
平面視において、前記透明基板は、前記第1パッド部及び前記第2パッド部と重畳する、表示装置。
【請求項21】
前記第1連結配線フィルムに対向する位置に配置された第2連結配線フィルムをさらに含み、前記第1配線フィルム及び第2配線フィルム、並びに前記第1連結配線フィルム及び第2連結配線フィルムは、貫通ホールを形成することを特徴とする請求項2
0に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、さらに詳細には、湾入した形状の表示部を含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、タブレットPC(personal computer)、ゲーム機のような表示部を含む携帯用表示装置への大画面要求が増大している。
【0003】
一方、携帯用表示装置には、需要者の多様な要求を満足させるために、カメラモジュール、スピーカ、センサのような表示装置の機能を拡張させて支援する多様なコンポーネントを表示装置に実装する必要がある。しかし、多数のコンポーネントを実装し、同時に大画面化の要求を充足させることは、容易ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、前述のような問題点を含み、さまざまな問題点を解決するためのものであり、多様なコンポーネントを実装しながらも、同時に大画面化を具現することができる表示装置を提供することを目的とする。しかし、そのような課題は、例示的なものであり、それにより、本発明の範囲が限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面によれば、一辺に沿って内側に湾入した第1湾入部が形成された基板;前記一辺に沿い、前記基板上に離隔されて配置された第1パッド部及び第2パッド部;前記基板上に位置し、前記第1パッド部及び第2パッド部の間で内側に湾入した形状を有する表示部;前記表示部を封止する封止部;前記第1パッド部に連結される第3パッド部を含み、前記基板の一面から前記基板の他面にベンディングされた第1配線フィルム;及び前記第2パッド部に連結される第4パッド部を含み、前記基板の一面から前記基板の他面にベンディングされ、前記第1配線フィルムと離隔されて配置された第2配線フィルム;を含む表示装置を提供する。
【0006】
一実施形態として、前記第1配線フィルム及び前記第2配線フィルムと接続するフレキシブルプリント回路基板をさらに含んでもよい。
【0007】
一実施形態として、前記フレキシブルプリント回路基板は、集積回路チップをさらに含み、前記集積回路チップは、前記表示部と重畳するようにも配置される。
【0008】
一実施形態として、前記封止部は、少なくとも1枚の無機膜と、少なくとも1枚の有機膜とを含んでもよい。
【0009】
一実施形態として、前記封止部は、少なくとも1枚の無機膜と、少なくとも1枚の有機膜とを含み、前記封止部の最外郭層は、無機膜であり、前記最外郭層の無機膜は、前記少なくとも1枚の有機膜の側面をカバーすることができる。
【0010】
一実施形態として、前記封止部は、少なくとも1枚の無機膜と、少なくとも1枚の有機膜とを含み、前記封止部の最外郭層は、無機膜であり、前記最外郭層の無機膜は、前記第1湾入部が形成された基板の側面をカバーすることができる。
【0011】
一実施形態として、前記第1湾入部に沿い、前記表示部の外郭にテスト用ダミー画素がさらに配置されてもよい。
【0012】
一実施形態として、前記第1配線フィルム及び前記第2配線フィルムには、前記第1配線フィルムに接地された第1接地部、及び前記第2配線フィルムに接地された第2接地部がさらに配置されてもよい。
【0013】
一実施形態として、前記封止部上に透明基板がさらに配置されてもよい。
【0014】
一実施形態として、前記透明基板には、前記表示部の外郭に対応する位置にブラックマトリックスがさらに配置されてもよい。
【0015】
一実施形態として、前記ブラックマトリックスには、前記第1湾入部に対応する位置に第1開口部が形成されてもよい。
【0016】
一実施形態として、前記透明基板には、前記第1開口部に対応する位置に、第2開口部が形成されてもよい。
【0017】
一実施形態として、前記封止部と前記透明基板との間に配置された偏光フィルムをさらに含んでもよい。
【0018】
一実施形態として、前記偏光フィルムと前記透明基板との間に配置された接着層をさらに含んでもよい。
【0019】
一実施形態として、前記基板と前記透明基板との間に、前記接着層と離隔され、前記表示部の外郭を囲む充填材をさらに含んでもよい。
【0020】
一実施形態として、前記基板の他面に配置され、緩衝材を含むカバーパネルをさらに含んでもよい。
【0021】
一実施形態として、前記カバーパネルの端部は、前記第1湾入部において、基板の端部と一致することができる。
【0022】
一実施形態として、前記カバーパネルの端部は、前記第1湾入部において、基板の端部より表示部の外側に突出している。
【0023】
一実施形態として、前記第1パッド部及び前記第2パッド部は、複数のパッド配線を含み、前記複数のパッド配線は、前記第1湾入部の中心線に対して対称になるように斜めに形成される。
【0024】
一実施形態として、前記第3パッド部及び前記第4パッド部は、複数のパッド配線を含み、前記複数のパッド配線は、前記第1湾入部の中心線に対して対称になるようにも斜めに形成される。
【0025】
一実施形態として、前記第1配線フィルム及び前記第2配線フィルムのベンディングされた領域の端から前記フレキシブルプリント基板までの最大深さは、前記ベンディングされた領域の端から前記第1湾入部までの最大深さ以上でもある。
【0026】
一実施形態として、前記フレキシブルプリント回路基板は、前記第1配線フィルム及び前記第2配線フィルムの間で、内側に湾入した第2湾入部をさらに含んでもよい。
【0027】
一実施形態として、前記第1配線フィルムの一端から前記フレキシブルプリント回路基板までの垂直距離は、前記基板の第1湾入部の端から前記基板の端までの垂直距離以上でもある。
【0028】
本発明の他の側面によれば、一辺に沿って内側に湾入した第1湾入部が形成された基板;前記一辺に沿い、前記基板上に離隔されて配置された第1パッド部及び第2パッド部;前記基板上に位置し、前記第1パッド部及び第2パッド部の間で、内側に湾入した形状を有する表示部;前記表示部を封止する封止部;前記第1パッド部に連結される第3パッド部を含み、前記基板の一面から前記基板の他面にベンディングされた第1配線フィルム;前記第2パッド部に連結される第4パッド部を含み、前記基板の一面から前記基板の他面にベンディングされた第2配線フィルム;及び前記第3パッド部と前記第4パッド部との間で、前記第1配線フィルムと前記第2配線フィルムとを連結する第1連結配線フィルム;を含む表示装置を提供する。
【0029】
一実施形態として、前記第1連結配線フィルムに対向する位置に配置された第2連結配線フィルムをさらに含み、前記第1配線フィルム及び第2配線フィルム、並びに前記第1連結配線フィルム及び第2連結配線フィルムは貫通ホールを形成することができる。
【0030】
前述の事項以外の他の側面、特徴、利点は、以下の発明を実施するための具体的な内容、特許請求の範囲及び図面から明確になるであろう。
【発明の効果】
【0031】
本発明の一実施形態によれば、多様なコンポーネントを実装しながらも、同時に大画面化を具現することができる表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1A】本発明の一実施形態による表示装置において、基板と配線フィルムとの連結過程を概略的に図示した平面図である。
【
図1B】本発明の一実施形態による表示装置において、基板と配線フィルムとの連結過程を概略的に図示した平面図である。
【
図1C】本発明の一実施形態による表示装置において、基板と配線フィルムとの連結過程を概略的に図示した平面図である。
【
図2】
図1CのA1-A2に沿って表示装置の一部を概略的に図示した断面図である。
【
図3】
図1CのB1-B2に沿って表示装置の一部を概略的に図示した断面図である。
【
図4】
図1AのIVを概略的に図示した断面図である。
【
図5A】比較例による表示装置のディスプレイ領域を概略的に示した平面図である。
【
図5B】比較例による表示装置のディスプレイ領域を概略的に示した平面図である。
【
図5C】本実施形態による表示装置を概略的に示した平面図である。
【
図6】他の実施形態による表示装置の一部を概略的に図示した断面図である。
【
図7】さらに他の実施形態による表示装置の一部を概略的に図示した断面図である。
【
図8】第1パッド部及び第2パッド部、並びに第3パッド部及び第4パッド部の配線が、中心から遠くなるほど傾きが増大する斜線形態の配線に形成された実施形態を図示した平面図である。
【
図9】さらに他の実施形態による表示装置の一部を概略的に図示した平面図である。
【
図10】さらに他の実施形態による表示装置の一部を概略的に図示した平面図である。
【
図11】さらに他の実施形態による表示装置の一部を概略的に図示した平面図である。
【
図12】さらに他の実施形態による表示装置の一部を概略的に図示した平面図である。
【
図13】さらに他の実施形態による表示装置の一部を概略的に図示した平面図である。
【
図14】さらに他の実施形態による表示装置の一部を概略的に図示した平面図である。
【
図15】さらに他の実施形態による表示装置の一部を概略的に図示した断面図である。
【
図16A】さらに他の実施形態による表示装置の一部を概略的に図示した平面図である。
【
図16B】さらに他の実施形態による表示装置の一部を概略的に図示した平面図である。
【
図17】第1湾入部の多様な形状を図示した図面である。
【
図18】第2湾入部の多様な形状を図示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は、多様な変更を加えることができ、さまざまな実施形態を有することができるが、特定の実施形態を図面に例示し、詳細に説明する。本発明の効果、特徴、及びそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に説明する実施形態を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、多様な形態にも具現される。
【0034】
以下、添付された図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明するが、図面を参照して説明するとき、同一であるか、あるいは対応する構成要素は、同一図面符号を付し、それについての重複説明は、省略する。
【0035】
以下の実施形態において、層、膜、領域、板のような各種構成要素が、他の構成要素の「上」にあるというとき、それは、他の構成要素の[直上]にある場合だけではなく、その間に他の構成要素が介在された場合も含む。また、説明の便宜のために、図面においては、構成要素についてその大きさが誇張されていたり縮小されていたりする。例えば、図面に示された各構成の大きさ及び厚みは、説明の便宜のために任意に示されているので、本発明は、必ずしも図示されたところに限定されるものではない。
【0036】
図1Aないし
図1Cは、本発明の一実施形態による表示装置において、基板10と配線フィルム80との連結過程を概略的に図示した平面図であり、
図2は、
図1CのA1-A2に沿って表示装置の一部を概略的に図示した断面図であり、
図3は、
図1CのB1-B2に沿って表示装置の一部を概略的に図示した断面図であり、
図4は、
図1AのIVを概略的に図示した断面図である。
【0037】
図1Aないし
図4を参照すれば、一実施形態による表示装置1は、一辺に沿って内側に湾入した第1湾入部(indented portion)IP1が形成された基板10と、一辺に沿って基板上に離隔されて配置された第1パッド部11及び第2パッド部12と、基板10上に位置し、第1パッド部11及び第2パッド部12の間で、内側に湾入した形状を有する表示部20と、表示部を封止する封止部30と、第1パッド部11に連結される第3パッド部81を含み、基板10の一面から基板10の他面にベンディングされた第1配線フィルム80-1と、第2パッド部12に連結される第4パッド部82を含み、基板10の一面から基板10の他面にベンディングされ、第1配線フィルム80-1と離隔されて配置された第2配線フィルム80-2と、を含む。
【0038】
基板10は、ガラス材、金属材またはプラスチック材のような多様な材料によっても形成される。例えば、基板10は、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリエーテルイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネートまたはセルロースアセテートプロピオネートのような高分子樹脂を含む可撓性基板でもある。
【0039】
基板10は、基板10の一辺において、基板10の内側に湾入するように形成された第1湾入部IP1を有する。第1湾入部IP1は、例えば、レーザビームを利用したカッティング方法を利用し、基板10を切削したものでもある。
【0040】
基板10が切削された空間には、カメラモジュール111、スピーカ112及びセンサ113のように、表示装置の機能を拡張させることができるコンポーネント110が配置されてもよい。センサ113は、例えば、近接センサ、照度センサ、加速度センサ、生体センサのように、携帯用表示装置の機能を拡張させるのに必要な多様なセンサが具備される。
【0041】
基板10上には、基板10の一辺に沿い、第1パッド部11及び第2パッド部12が離隔されて配置される。第1パッド部11と第2パッド部12は、第1湾入部IP1が形成された領域の両側に配置される。
【0042】
第1パッド部11と第2パッド部12は、導電性材料を含む複数の配線によって構成される。第1パッド部11と第2パッド部12は、表示部20に配置された複数の画素(図示せず)に連結された多様な配線(図示せず)、例えば、スキャン配線、データ配線、電源配線などに連結され、表示部20に信号を伝達することができる。
【0043】
表示部20は、イメージを表示することができる複数の画素(図示せず)を含んでもよい。各画素は、有機発光素子、液晶素子、電気泳動素子、マイクロ無機発光素子など多様な表示素子を含んでもよい。本実施形態は、有機発光素子OLED(
図4)を含む表示装置を一例として開示する。
【0044】
本実施形態において、表示部20は、四辺が概して直線に形成された四角形の表示画面ではない、一辺が湾入した形状の表示画面を有する。第1湾入部IP1は、表示部20のエッジから、所定の離隔された間隔を維持するように形成される。
【0045】
表示部20上に、封止部30が配置される。封止部30は、表示部20のエッジをカバーすることができるように、表示部20より広く形成され、表示装置外部から不純物が表示部20に侵入することを防止する。
【0046】
基板10の第1パッド部11及び第2パッド部12と、第1配線フィルム80-1の第3パッド部81、及び第2配線フィルム80-2の第4パッド部82がそれぞれ対応するように整列され(
図1A)、互いに連結された後(
図1B)、第1配線フィルム80-1及び第2配線フィルム80-2は、それぞれ基板10の一面から他面にベンディングされる(
図1C)。
【0047】
第1配線フィルム80-1及び第2配線フィルム80-2は、ベンディングが容易であるように、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂のような可撓性樹脂によっても形成される。第1配線フィルム80-1及び第2配線フィルム80-2の第3パッド部81及び第4パッド部82は、導電性材料を含む複数の配線によって構成される。
【0048】
基板10の第1パッド部11と、第1配線フィルム80-1の第3パッド部81との間、及び基板10の第2パッド部12と、第2配線フィルム80-2の第4パッド部82との間には、異方性導電フィルムのような導電性ボンディング層(図示せず)が介在し、圧着により、基板10と、第1配線フィルム80-1及び第2配線フィルム80-2は、物理的に堅固にボンディングされ、電気的に接続する。
【0049】
本実施形態において、第1配線フィルム80-1と第2配線フィルム80-2は、互いに離隔されて配置される。
【0050】
第1配線フィルム80-1の第3パッド部81に対向する一辺に、第5パッド部83が配置され、第2配線フィルム80-2の第4パッド部82に対向する一辺に、第6パッド部84が配置される。
【0051】
第1配線フィルム80-1と第2配線フィルム80-2は、それぞれ第5パッド部83及び第6パッド部84を介して、フレキシブルプリント回路基板(frexible printed circuit board)90とも接続される。
【0052】
第1配線フィルム80-1と第2配線フィルム80-2は、フレキシブルプリント回路基板90より柔軟な材質によって形成され、さらに薄く形成され、ベンディングストレスを減らすことができる。
【0053】
第1配線フィルム80-1と第2配線フィルム80-2は、第1湾入部IP1において、離隔されて配置されるために、第1配線フィルム80-1と第2配線フィルム80-2とがそれぞれ基板10に連結された後でベンディングされるとき、コンポーネント100が配置される空間を干渉しないように形成される。
【0054】
例えば、
図1B及び
図3を参照すれば、第1配線フィルム80-1がベンディングされた領域のエッジL0からフレキシブルプリント回路基板90までの最大深さH1は、第1配線フィルム80-1がベンディングされた領域の端L0からカバーパネル70の端部までの最大深さH21以上にも形成される。
【0055】
第1湾入部IP1において、カバーパネル70の端部が、基板10の端部より表示装置1の外側にさらに突出するように配置されている。また、カバーパネル70の端部の形状は、第1湾入部IP1の形状と実質的に同一である必要がない。カバーパネル70の端部が、基板10の端部より表示装置1の外側にさらに突出しているために、第1配線フィルム80-1を基板10に接合させる間、カバーパネル70は、基板10を安定して支持する。
【0056】
本実施形態において、配線フィルム80がベンディングされた領域のエッジL0からフレキシブルプリント回路基板90までの最大深さH1は、第1配線フィルム80-1がベンディングされた領域のエッジL0からカバーパネル70端部までの最大深さH21以上に形成する。コンポーネント110(
図1C)は、第1配線フィルム80-1がベンディングされた領域のエッジL0とカバーパネル70端部との間の空間に配置されてもよい。
【0057】
フレキシブルプリント回路基板90に、集積回路チップ100が実装される。集積回路チップ100は、第1配線フィルム80-1及び第2配線フィルム80-2が互いに離隔された空間の後方に配置されているために、ベンディングされても、表示部20と重畳される領域に配置され、コンポーネント110が配置される空間に干渉しない。
【0058】
集積回路チップ100は、スキャン駆動回路チップ、データ駆動回路チップ、電源駆動回路チップのうち少なくとも1以上の駆動回路チップを含んでもよい。
【0059】
集積回路チップ100と、第3パッド部81及び第4パッド部82との間には、複数の配線(図示せず)が配置され、集積回路チップ100の信号を、第1パッド部11及び第2パッド部12を介して表示部20に伝達する。
【0060】
基板10と配線フィルム80との間に、基板10を支持するカバーパネル70が配置される。第1配線フィルム80-1及び第2配線フィルム80-2は、ベンディングされ、基板10の背面に配置されたカバーパネル70の背面にベンディングされる。
【0061】
カバーパネル70は、基板10の背面の衝撃を吸収するクッションテープ層(図示せず)と、基板10の背面での光漏れを防止するブラックテープ層(図示せず)とを含んでもよい。
【0062】
図4は、第1湾入部IP1周辺の基板10、表示部20、封止部30及びカバーパネル70の構造を概略的に図示した断面図である。
【0063】
表示部20が有機発光素子OLEDを含み、封止部30が複数の薄膜31、33、35を含む実施形態を開示する。
【0064】
基板10上に、半導体層312、ゲート電極14、ソース電極16a及びドレイン電極16bを含む第1トランジスタTFT1が配置される。
【0065】
基板10と半導体層12との間に、バッファ層311が形成され、半導体層312とゲート電極14との間に、ゲート絶縁膜13が形成される。ゲート電極14とソース/ドレイン電極16a、16bとの間に、層間絶縁膜15が配置され、ソース/ドレイン電極16a、16bを平坦化膜17がカバーする。
【0066】
バッファ層311、ゲート絶縁膜13及び層間絶縁膜15は、シリコンオキサイド、シリコンナイトライド及び/またはシリコンオキシナイトライドのような無機物を含んでもよい。平坦化膜17は、無機膜及び/または有機膜を含んでもよい。
【0067】
図4に図示された第1薄膜トランジスタTFT1の構造、並びに絶縁層の構造及び材料は、本発明が適用される事例を図示したものであり、本発明は、
図4に図示された第1薄膜トランジスタTFT1の構造に限定されるものではない。
【0068】
第1薄膜トランジスタTFT1は、駆動トランジスタとして機能し、画素電極21に連結されて駆動信号を伝達する。画素電極21の端部は、有機絶縁膜から構成された画素定義膜18で覆われる。画素定義膜18は、画素電極21の端部でのアーク発生を防止する。
【0069】
第2薄膜トランジスタTFT2は、駆動トランジスタではなく、素子性能テストのためのトランジスタとしても使用され、第2薄膜トランジスタTFT2の構造は、第1薄膜トランジスタTFT1と同一構造にも形成される。
【0070】
画素電極21上には、有機発光層22を含んだ中間層(図示せず)が配置される。有機発光層22は、低分子有機発光物質または高分子有機発光物質を含んでもよい。有機発光層22が低分子物質を含む場合、中間層(図示せず)は、ホール注入層(hole injection layer)、ホール輸送層(hole transport layer)、電子輸送層(electron transport layer)、電子注入層(electron injection layer)などをさらに含んでもよい。有機発光層22が高分子物質を含む場合には、中間層(図示せず)は、ホール輸送層をさらに含んでもよい。
【0071】
有機発光層22上には、複数の画素PXL1,PXL2に共通に形成された対向電極23が配置される。
【0072】
前述の画素電極21、有機発光層22及び対向電極23で構成された有機発光表示素子OLEDは、正孔注入電極から注入される正孔と、電子注入電極から注入される電子とが有機発光層で結合して生成された励起子(exciton)が、励起状態(excited state)から基底状態(ground state)に落ちながら光を発生させる自発光型表示装置であり、軽量薄型に構成することができるため、携帯用表示装置として応用範囲が拡大されている。
【0073】
図4において、基板10の表示部20の内側近く配置された第1画素PXL1は、前述の作動原理で発光し、表示装置のイメージを具現する領域である一方、基板10のエッジにおいて、第1湾入部IP1にさらに近く配置された第2画素PXL2は、イメージを具現しないダミー画素である。
【0074】
第2画素PXL2には、第2薄膜トランジスタTFT2が連結される。ダミー画素は、信号テストまたはエイジングテストなどに使用する画素であり、表示装置の不良低減にも利用される。
【0075】
第1湾入部IP1が切削される過程において、第2画素PXL2は損傷されてしまうため、第2画素PXL2は、イメージを表示する画素として使用される代わりに、テストに使用される空間として活用することができる。
【0076】
表示部20を封止する封止部30は、複数の薄膜層を含んでもよい。例えば、本実施形態において、封止部30は、第1無機膜31、第1有機膜33及び第2無機膜35が順に積層された構造でもある。ここで、封止部30は、前述の3枚の薄膜に限定されるものではなく、少なくとも1枚の無機膜と、少なくとも1枚の有機膜とを含む多様な実施形態によって具現されてもよい。
【0077】
第1無機膜31及び第2無機膜35は、シリコンオキサイド、シリコンナイトライド及び/またはシリコンオキシナイトライドなどを含んでもよい。第1有機膜33は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエチレンスルホネート、ポリオキシメチレン、ポリアリレート、ポリアクリレートヘキサメチルジシロキサンからなる群のうちから選択された1以上の材料を含んでもよい。
【0078】
第1無機膜31は、その下部の構造物に沿って屈曲し、表面が平坦ではない。第1有機膜33は、平坦ではない第1無機膜31をカバーすることにより、封止部30の上面が平坦化される。第2無機膜35は、第1有機膜33をカバーする。
【0079】
このように、封止部30は、第1無機膜31、第1有機膜33及び第2無機膜35を含むが、このような多層構造を介して、封止部30内にクラックが発生しても、第1無機膜31と第1有機膜33との間、または第1有機膜33と第2無機膜35との間で生じたクラックが互いに連結されない。これにより、外部からの水分や、酸素のような不純物が表示部20に侵入する経路の形成を防止したり低減させたりすることができる。
【0080】
一方、封止部30の最外郭層は、無機膜で形成し、外部透湿を防止することができる。例えば、第1有機膜33の端部は、第2無機膜35によってもカバーされる。
図4には、第1湾入部IP1において、第2無機膜35が基板10の側面までカバーする例を図示している。
【0081】
従って、前述の本実施形態によれば、第1湾入部IP1近くの表示部20に、ダミー画素PXL2を配置することにより、イメージを表示する画素を切削面に直接露出させない。また、封止部30を、無機膜と有機膜とをいずれも含む薄膜封止構造で構成し、最外郭の薄膜を無機膜として使用し、最外郭の無機膜を用いて有機膜の端部をカバーさせることにより、切削工程において、有機膜の端部が外部に直接露出することを防止し、側面透湿を防止することができる。
【0082】
図5Aないし
図5Cは、本実施形態による表示装置と、比較例による表示装置とのディスプレイ領域を概略的に比較した平面図である。
【0083】
図5Aは、第1比較例による表示装置である。
図5Aの表示装置は、基板10の上端に、カメラモジュール111、スピーカ112及びセンサ113のように、表示装置の機能を拡張させることができるコンポーネント110が配置され、基板10の下端に、集積回路チップ100を実装した配線フィルム80が配置される。
【0084】
第1比較例による表示装置の概略的なディスプレイ領域は、基板10の上端と下端とを除いた第1領域D1である。
【0085】
第1領域D1は、厳密には、基板10よりわずかに内側に形成された表示部20の領域であるが、表示領域の概略的な差を説明するためのものであるので、説明の便宜上、基板10を図示した図面でもって説明の代わりとする。
【0086】
図5Bは、第2比較例による表示装置である。
図5Bによる表示装置は、基板10の上端に、第1湾入部IP1が形成され、基板10が切削された空間に、カメラモジュール111、スピーカ112及びセンサ113のように、表示装置の機能を拡張させることができるコンポーネント110が配置される。そして、基板10の下端には、集積回路チップ100を含んだ配線フィルム80が配置される。
【0087】
第2比較例の表示装置の概略的なディスプレイ領域は、第1領域D1と、基板10の上端において、第1湾入部IP1が形成されていない第2領域D2との和である。従って、第2比較例の表示装置は、第1比較例の表示装置より表示領域が拡大される。
【0088】
図5Cは、本実施形態による表示装置である。
図5Cの表示装置は、基板10の上端に、互いに離隔配置された第1配線フィルム80-1と第2配線フィルム80-2とが配置され、フレキシブルプリント回路基板90と、第1配線フィルム80-1及び第2配線フィルム80-2とが形成する空間に、カメラモジュール111、スピーカ112及びセンサ113のように、表示装置の機能を拡張させることができるコンポーネント110が配置される。そして、基板10の上端に、第1配線フィルム80-1及び第2配線フィルム80-2が形成され、集積回路チップ100を含んだフレキシブルプリント回路基板90が配置される。
【0089】
従って、表示装置の概略的なディスプレイ領域は、第1領域D1と、基板10上端において、第1湾入部IP1が形成されていない第2領域D2と、基板10の下端に延長された第3領域D3との和である。従って、第1比較例及び第2比較例より表示領域が拡大される。
【0090】
従って、前述の本実施形態の表示装置1は、表示領域を拡大させて大画面を維持しながら、多様なコンポーネントを実装させることができる表示装置1を提供することができる。
【0091】
一方、封止部30上に、偏光フィルム40がさらに配置されてもよい。
【0092】
偏光フィルム40は、多重の直線偏光フィルム、及び位相差フィルムを接着する方式で製造された円偏光フィルム(circular polarizer film)が使用される。
【0093】
偏光フィルム40上に、透明基板60が配置され、偏光フィルム40と透明基板60との間に接着フィルム50がさらに配置されてもよい。
【0094】
透明基板60は、透明な素材で形成される。透明基板60は、表示部20だけではなく、コンポーネント110が配置された領域をカバーするように配置される。透明基板60は、表示部20に対するタッチスクリーン機能を遂行するタッチスクリーンパネルでもある。
【0095】
本実施形態において、偏光フィルム40は、第1湾入部IP1に対する切削工程後にも、封止部30上に配置される。このとき、偏光フィルム40は、第1湾入部IP1の形状をある程度反映させるようにあらかじめ切削された後、封止部30上に配置されてもよい。
【0096】
本実施形態において、接着フィルム50は、第1湾入部IP1に対する切削工程後にも、偏光フィルム40上に形成される。このとき、接着フィルム50は、第1湾入部IP1の形状をある程度反映させるように切削されるか、あるいは塗布された後偏光フィルム40上に配置されてもよい。また、接着フィルム50は、後述する透明基板60にまず塗布された後、透明基板60と共に偏光フィルム40上に配置されてもよい。
【0097】
図6は、他の実施形態による表示装置2の一部を概略的に図示した断面図である。
図3の実施形態の表示装置1と比較するとき、違いを中心に記述する。
【0098】
図6を参照すれば、第1湾入部IP1において、カバーパネル70の端部が、基板10の端部とほぼ同一に形成されている。
【0099】
第1配線フィルム80-1がベンディングされた領域のエッジL0からフレキシブルプリント回路基板90までの最大深さH1は、第1配線フィルム80-1がベンディングされた領域のエッジL0から基板10に形成された第1湾入部IP1までの最大深さH22以上に形成することができる。
【0100】
本実施形態のように、第1湾入部IP1において、カバーパネル70の端部が基板10の端部と一致する場合、基板10を安定して支持しながら、コンポーネント100が配置される空間を極大化させることができる。
【0101】
図7は、さらに他の実施形態による表示装置3の一部を概略的に図示した断面図である。
図3の実施形態の表示装置1と比較するとき、違いを中心に記述する。
【0102】
図7を参照すれば、透明基板の表示部20に向けた面に、ブラックマトリックスBMがさらに配置されている。ブラックマトリックスBMは、表示部20の外郭に配置され、コンポーネント110(
図1C)が配置される領域に、モジュール開口部MOが形成されている。ブラックマトリックスBMを形成することにより、コンポーネント110(
図1C)が配置された領域を介した光漏れ現象を防止することができる。
【0103】
第1配線フィルム80-1がベンディングされた領域のエッジL0からフレキシブルプリント回路基板90までの最大深さH1は、第1配線フィルム80-1がベンディングされた領域のエッジL0からブラックマトリックスBMモジュール開口部MOの表示部に最も近い地点までの最大深さH23以上に形成する。コンポーネント110(
図1C)は、モジュール開口部MOが形成する空間に配置されてもよい。
【0104】
カバーパネル70の設計は、透明基板60のモジュール開口部MOと重畳されない範囲で自由に設計することができる。
【0105】
一方、
図7に図示されていないが、モジュール開口部MOに対応する領域の透明基板60に、第2開口部(図示せず)がさらに形成されてもよい。カメラモジュール111及びセンサ113と異なり、スピーカ112のようなコンポーネント100は、音伝達のために、透明基板60に第2開口部(図示せず)を形成することが望ましい。
【0106】
図8は、第1パッド部11及び第2パッド部12、並びに第3パッド部81及び第4パッド部82の配線が、第1湾入部IP1の中心線(第1配線フィルム80-1と第2配線フィルム80-2との間の中心線)から遠くなるほど傾きが増大する斜めの形態の配線によって形成された実施形態を図示した平面図である。
【0107】
基板10と、第1配線フィルム80-1及び第2配線フィルム80-2とが整列されてボンディングされるとき、基板10の第1パッド部11と、第1配線フィルム80-1の第3パッド部81との間、及び基板10の第2パッド部12と、第2配線フィルム80-2の第4パッド部82との間には、異方性導電フィルムのような導電性ボンディング層(図示せず)が介在し、圧着により、基板10と、第1配線フィルム80-1及び第2配線フィルム80-2は、物理的に堅固にボンディングされて電気的に接続するが、圧着時、異方性導電フィルムが圧力によって直線に整列されず、パッド部の配線との断線が発生してしまう。
【0108】
本実施形態においては、第1パッド部11及び第2パッド部12、並びに第3パッド部81及び第4パッド部82の配線が第1湾入部IP1の中心線から遠くなるほど、各配線の傾きがθ1からθ2へと次第に増大する斜めの形態の配線によって形成され、異方性導電フィルムとパッド部の断線を防止することができる。
【0109】
図8には、配線が第1湾入部IP1の中心線から遠くなるほど、傾きがθ1からθ2へと次第に増大する斜線として図示されているが、本発明は、それに限定されるものではない。θ1とθ2は、同一角であってもよい。一方、傾きが次第に増大するだけではなく、低減されるようにも設計されるが、勾配の増大幅は、一定に限定されるものではない。いずれにしても、本実施形態では、第1パッド部11及び第2パッド部12、並びに第3パッド部81及び第4パッド部82の配線が、第1湾入部IP1の中心線に対して対称になるように斜めに形成されている。
【0110】
図9は、さらに他の実施形態による表示装置4の一部を概略的に図示した断面図である。
図1Bの本実施形態の表示装置1と比較するとき、違いを中心に記述する。
【0111】
本実施形態において、第1配線フィルム80-1の第3パッド部81、及び第2配線フィルム80-2の第4パッド部82の端L3からフレキシブルプリント回路基板90までの最大深さH3は、基板10の端から基板10に形成された第1湾入部IP1の端までの最大深さH4以上に形成することができる。
【0112】
図10は、さらに他の実施形態による表示装置5の一部を概略的に図示した断面図である。
図1Bの本実施形態の表示装置1と比較するとき、違いを中心に記述する。
【0113】
本実施形態において、中心軸Cから第1配線フィルム80-1までの最大幅W1Lは、中心軸Cから最も左側に配置されたコンポーネント100までの最大幅W2L以上、中心軸Cから第2配線フィルム80-2までの最大幅W1Rは、中心軸Cから最も右側に配置されたコンポーネント100までの最大幅W2R以上に形成することができる。
【0114】
図11は、さらに他の実施形態による表示装置6の一部を概略的に図示した断面図である。
図1Bの本実施形態の表示装置1と比較するとき、違いを中心に記述する。
【0115】
本実施形態において、基板10に形成された第1湾入部IP1の一側端から基板10の端までの最大幅W3は、第1湾入部IP1の一側端から中心軸Cまでの最大幅W4以上に形成され、パッド部の形成空間を確保することができる。
【0116】
図12は、さらに他の実施形態による表示装置7の一部を概略的に図示した断面図である。
図1Bの本実施形態の表示装置1と比較するとき、違いを中心に記述する。
【0117】
本実施形態において、配線フィルム80は、第3パッド部81及び第4パッド部82の間に、第1連結配線フィルム80-3がさらに配置される。第1連結配線フィルム80-3は、基板10の第1パッド部11と第2パッド部12との間で基板10と接触することにより、基板10と、第1配線フィルム80-1及び第2配線フィルム80-2との接着力を向上させることができる。
【0118】
図13は、さらに他の実施形態による表示装置8の一部を概略的に図示した断面図である。
図12の本実施形態の表示装置7と比較するとき、違いを中心に記述する。
【0119】
本実施形態において、配線フィルム80は、第3パッド部81と第4パッド部82との間に、第1連結配線フィルム80-3が配置され、第5パッド部83と第6パッド部84との間に、第2連結配線フィルム80-4がさらに配置される。すなわち、第1配線フィルム80-1、第2配線フィルム80-2、第1連結配線フィルム80-3、及び第2連結配線フィルム80-4は、それらで囲まれた貫通ホールを形成する。
【0120】
第1連結配線フィルム80-3及び第2連結配線フィルム80-4は、基板10と、第1配線フィルム80-1及び第2配線フィルム80-2との接着力、並びに第1配線フィルム80-1及び第2配線フィルム80-2とフレキシブルプリント回路基板90との接着力を向上させることができる。
【0121】
図14は、さらに他の実施形態による表示装置9の一部を概略的に図示した断面図である。
図1Bの本実施形態の表示装置1と比較するとき、違いを中心に記述する。
【0122】
本実施形態において、第1配線フィルム80-1は、第1接地部80-1Eをさらに含み、第2配線フィルム80-2は、第2接地部80-2Eをさらに含む。第1接地部80-1Eと第2接地部80-2Eは、導電性材料により形成される。第1接地部80-1Eと第2接地部80-2Eは、それぞれ第1配線フィルム80-1及び第2配線フィルム80-2に接地されるように形成され、配線フィルムの静電気を防止し、電気的ノイズを遮断することができる。
【0123】
図15は、さらに他の実施形態による表示装置10Eの一部を概略的に図示した断面図である。
図2の本実施形態の表示装置1と比較するとき、違いを中心に記述する。
【0124】
本実施形態において、基板10と透明基板60との間に充填材120がさらに配置される。充填材120は、基板10と透明基板60とに加えられる衝撃を分散させることができる。充填材120は、接着層50と一定間隔離隔され、平面視において表示部20を囲むように配置される。充填材120と接着層50との間の化学反応を防止し、充填材120が表示部20に入り込むことを防止することができる。
【0125】
図16A及び
図16Bは、さらに他の実施形態による表示装置11Eの一部を概略的に図示した平面図である。
図2の本実施形態の表示装置1と比較するとき、違いを中心に記述する。
【0126】
本実施形態において、フレキシブルプリント回路基板90の一辺に、第2湾入部IP2が形成される。フレキシブルプリント回路基板90の一辺に、第2湾入部IP2が形成されることにより、第1配線フィルム80-1と第2配線フィルム80-2との長さを短くしても、第2湾入部IP2は、コンポーネント100が配置される空間に干渉しない。
【0127】
図17は、本実施形態の第1湾入部の多様な形状を図示したものである。
図17を参照すれば、半円状の第1湾入部IP11、半楕円状の第1湾入部IP12、アーチ形状の第1湾入部IP13、及び四角形(例えば台形)の第1湾入部IP14が開示されている。本発明による基板10に形成された第1湾入部の形状は、
図17に図示された形状に限定されるものではない。
【0128】
図18は、本実施形態のフレキシブルプリント回路基板90に形成された第2湾入部の多様な形状を図示したものである。
図18を参照すれば、半円状の第2湾入部IP21、半楕円状の第2湾入部IP22、アーチ形状の第2湾入部IP23、及び四角形(例えば台形)の第2湾入部IP24が開示されている。本発明によるフレキシブルプリント回路基板90に形成された第2湾入部の形状は、
図18に図示された形状に限定されるものではない。
【0129】
以上のように、本発明は、図面に図示された実施形態を参照して説明したが、それらは、例示的なものに過ぎず、当該技術分野において当業者であれば、それらから多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解するであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0130】
本発明の、湾入した形状の表示部を含む表示装置は、例えば、表示関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0131】
10…基板
11…第1パッド部
12…第2パッド部
20…表示部
30…封止部
40…偏光フィルム
50…接着層
60…透明基板
70…カバーパネル
80-1…第1配線フィルム
80-2…第2配線フィルム
81…第3パッド部
82…第4パッド部
83…第5パッド部
84…第6パッド部
80-3…第1連結配線フィルム
80-4…第2連結配線フィルム
90…フレキシブルプリント回路基板
100…集積回路チップ
110…コンポーネント
111…カメラモジュール
112…スピーカ
113…センサ
BM…ブラックマトリックス
IP1…第1湾入部
IP2…第2湾入部