IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社野村総合研究所の特許一覧

特許7541443情報処理装置およびコンピュータプログラム
<>
  • 特許-情報処理装置およびコンピュータプログラム 図1
  • 特許-情報処理装置およびコンピュータプログラム 図2
  • 特許-情報処理装置およびコンピュータプログラム 図3
  • 特許-情報処理装置およびコンピュータプログラム 図4
  • 特許-情報処理装置およびコンピュータプログラム 図5
  • 特許-情報処理装置およびコンピュータプログラム 図6
  • 特許-情報処理装置およびコンピュータプログラム 図7
  • 特許-情報処理装置およびコンピュータプログラム 図8
  • 特許-情報処理装置およびコンピュータプログラム 図9
  • 特許-情報処理装置およびコンピュータプログラム 図10
  • 特許-情報処理装置およびコンピュータプログラム 図11
  • 特許-情報処理装置およびコンピュータプログラム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】情報処理装置およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0631 20230101AFI20240821BHJP
【FI】
G06Q10/0631
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020051723
(22)【出願日】2020-03-23
(65)【公開番号】P2021149860
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100199277
【弁理士】
【氏名又は名称】西守 有人
(72)【発明者】
【氏名】曽我 正樹
(72)【発明者】
【氏名】水鳥 裕太
(72)【発明者】
【氏名】花崎 徹治
【審査官】池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-042059(JP,A)
【文献】特開2007-026404(JP,A)
【文献】特開2019-215806(JP,A)
【文献】特開2007-241673(JP,A)
【文献】特開2014-194723(JP,A)
【文献】特開2004-062379(JP,A)
【文献】特開2011-008387(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0197809(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0341903(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクトチームを構成するメンバの特性情報を少なくとも含むプロジェクトの事例情報を取得する事例情報取得手段と、
予め登録されたメンバの特性情報を取得するメンバ情報取得手段と、
前記プロジェクトの事例情報に含まれるメンバと前記予め登録されたメンバとを含んだメンバの集合を、各メンバの特性情報に含まれるスキルの属性と性格的特性の属性とに基づいて、メンバの特性情報をクラス分けした複数の集合に分類する分類手段と、
1以上のメンバを基準メンバとして指定する指定手段と、
前記分類手段で分類された分類結果に基づき、指定された前記基準メンバのそれぞれと同一の集合に属すメンバの情報を候補メンバの情報として提供する提供手段と、を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記指定手段は、前記プロジェクトの事例情報に含まれるメンバのうち、プロジェクト名が特定されたプロジェクトのチームのメンバを、前記基準メンバとして指定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記指定手段は、前記プロジェクトの事例情報に含まれるメンバのうちの、プロジェクト名が特定された当該プロジェクトのチームのメンバの1以上を前記予め登録された他のメンバに入れ替えたメンバを、前記基準メンバとして指定する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロジェクトの事例情報は、更にプロジェクトの成果情報を更に含み、
前記情報処理装置は、指定された前記基準メンバによってプロジェクトが構成される場合のプロジェクトの予測成果を算出する算出手段を更に有し、
前記算出手段は、前記プロジェクトの事例情報に含まれる前記メンバの特性情報と前記プロジェクトの成果情報とに基づいて得られるモデルを用いて、指定された前記基準メンバに対する前記プロジェクトの予測結果を算出する、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業においてプロジェクト単位で業務を遂行する場合、プロジェクトごとにメンバの選定が必要となる。プロジェクトの成果は当該プロジェクトを担当するメンバ構成により大きく影響を受けるため、従来の経験と勘に頼るメンバ選定に代えて、プロジェクトやメンバに関する情報を収集して処理することにより、プロジェクトメンバの選定を支援する技術が提案されている(特許文献1及び特許文献2)。
【0003】
特許文献1は、過去のプロジェクトの評価とプロジェクトを担当したメンバの能力を示す情報を蓄積し、評価の高いプロジェクトの評価値と各メンバの能力から算出されるチームとしての能力との相関を用いて、新たなプロジェクトのメンバ選定を支援する技術を提案している。
【0004】
また、特許文献2では、予め定義された「オールマイティ」や「コミュニケーター」などのプロジェクトメンバの形成に必要な役割に対し、メンバの適合度(すなわち誰が各役割にどの程度適合しているかを示す指標)を算出することにより、各役割に適合するメンバを選定する技術を提案している。特許文献2で提案される技術では、各役割に対するメンバの適合度を、メンバによるメッセージの投稿や返信といった行動の特性に基づいて算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-122144号公報
【文献】特開2003-216785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、新規性や独自性の高い新規プロジェクトを立ち上げる際には、関連部署や隣接業務領域の既知のメンバだけでなく、広く未知のメンバをも人選の対象とし、適切なメンバでプロジェクトチームを構成することが望ましい。また、実際のプロジェクト遂行では、メンバ或いはチームとしてのスキルや、行動特性に基づくチーム内の役割といった要素以外に、個々のメンバの性格や嗜好、モチベーションなどのメンバの性格的特性がプロジェクトの成否やメンバ間の調和に影響する場合がある。このため、未知のメンバを選定する際には、当該メンバのスキルや役割への適合性だけでなく、メンバの性格的特性を加味することが望ましい。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、個々のメンバの性格的特性を考慮しながらプロジェクトメンバの選定を容易にすることが可能な技術を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を解決するため、例えば本発明の情報処理装置は以下の構成を備える。すなわち、
プロジェクトチームを構成するメンバの特性情報を少なくとも含むプロジェクトの事例情報を取得する事例情報取得手段と、
予め登録されたメンバの特性情報を取得するメンバ情報取得手段と、
前記プロジェクトの事例情報に含まれるメンバと前記予め登録されたメンバとを含んだメンバの集合を、各メンバの特性情報に含まれるスキルの属性と性格的特性の属性とに基づいて、メンバの特性情報をクラス分けした複数の集合に分類する分類手段と、
1以上のメンバを基準メンバとして指定する指定手段と、
前記分類手段で分類された分類結果に基づき、指定された前記基準メンバのそれぞれと同一の集合に属すメンバの情報を候補メンバの情報として提供する提供手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、個々のメンバの性格的特性を考慮しながらプロジェクトメンバの選定を容易にすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る情報提供システムの概要を説明する図
図2】本実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示すブロック図
図3】本実施形態に係る通信装置の機能構成例を示すブロック図
図4】本実施形態に係る候補メンバ抽出処理に係る一連の動作を示すフローチャート
図5】本実施形態に係るプロジェクトの予測成果算出処理の事前処理(モデルの学習)に係る一連の動作を示すフローチャート
図6】本実施形態に係るプロジェクトメンバ選定支援画面の一例を示す図
図7】本実施形態に係るプロジェクトメンバ選定支援画面における特定の操作を説明する図
図8】本実施形態に係るプロジェクトメンバ選定支援画面の他の表示及び操作例を説明する図
図9】本実施形態に係るプロジェクトの事例情報の一例を示す図
図10】本実施形態に係るプロジェクトの特性情報の一例を示す図
図11】本実施形態に係るメンバの特性情報の一例を示す図
図12】本実施形態に係るメンバの特性情報を入力するための画面の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
<情報提供システムの概要>
図1を参照して、本実施形態に係る情報提供システム10の概要について説明する。
【0013】
情報提供システム10は、例えば、情報処理装置100と、通信装置110と、通信装置120とを含む。情報処理装置100は、プロジェクトメンバの選定を支援するための、例えば情報処理サーバであり、通信装置110や通信装置120とネットワークを介して通信することができる。
【0014】
通信装置110は、例えばスマートフォン、パーソナルコンピュータ或いはタブレット端末等である。通信装置110上で動作する所定のアプリケーションを介してユーザが所定の情報(例えば後述するメンバの特性情報やプロジェクトの事前情報)を入力すると、入力された情報はネットワークを介して情報処理装置100に送信され、送信された情報は情報処理装置100に蓄積される。
【0015】
通信装置120は、通信装置110と同様に、例えばスマートフォン、パーソナルコンピュータ或いはタブレット端末等であってよい。通信装置120は、通信装置120上で動作する所定のアプリケーション(通信装置110上で動作するアプリケーションと異なってもよい)を介して、後述する候補メンバ抽出処理に係る情報を送受信することができる。
【0016】
より具体的には、通信装置110は、過去に実施されたプロジェクトの成果情報と、プロジェクトの種類や困難度などの情報(プロジェクトの特性情報という)と、メンバ構成の情報とを含んだ情報(プロジェクトの事例情報という)を、ユーザによる入力に基づいて情報処理装置100に送信することができる。
【0017】
また、通信装置110は、プロジェクトチームの属した或いは今後属す可能性のあるメンバの情報(メンバの特性情報)を、ユーザによる入力に基づいて、情報処理装置100に送信することができる。メンバの特性情報は、例えば当該メンバのスキルの属性と、性格的特性の属性(性格属性と趣味属性)の情報を含む。
【0018】
情報処理装置100は、通信装置110からプロジェクトの事例情報とメンバの特性情報とを受信して、それぞれ内部のデータベースに蓄積する。
【0019】
一方、通信装置120は、情報処理装置100が実行する候補メンバ抽出処理に係る情報として、基準メンバを指定する情報を送信する。この情報は、後述するプロジェクトメンバ選定支援画面において、例えば過去のプロジェクトを指定するなどして特定のメンバを指定した際に送信される。情報処理装置100は、基準メンバの情報を受信すると、当該基準メンバとスキルや性格的特性の類似するユーザの情報を候補メンバの情報として、通信装置120に送信する。また、情報処理装置100は、基準メンバによってプロジェクトが構成される場合のプロジェクトの予測成果を示す情報を通信装置120に送信する。これにより、通信装置120のユーザは、基準メンバによるプロジェクトの予測成果を把握することができると共に、更に基準メンバの類似のメンバを把握することができる。このため、ユーザは、基準メンバを類似のメンバで置き換えてプロジェクトの予測成果を確認する作業を容易に行うことができ、新たなチームのメンバ選定を容易に行うことができる。
【0020】
以下の実施形態では、情報提供システム10における情報処理装置100がプロジェクトを構成するための候補メンバを抽出する処理(候補メンバ抽出処理)について、より詳細に説明する。
【0021】
<情報処理装置の構成>
次に、図2を参照して、情報処理装置100の機能構成例について説明する。なお、以降の図を参照して説明する機能ブロックの各々は、統合されまたは分離されてもよく、また説明する機能が別のブロックで実現されてもよい。また、ハードウェアとして説明するものがソフトウェアで実現されてもよく、その逆であってもよい。
【0022】
通信部201は、ユーザが利用する通信装置110と、ネットワークを介して通信する通信回路又は通信モジュールを含む。通信部201は、通信装置110や通信装置120との通信を行う。
【0023】
制御部202は、中央演算装置であるCPU210とRAM211とを含む。制御部202は、記録部204に記憶されたコンピュータプログラムをRAM211に展開、実行することにより、後述する候補メンバ抽出処理を実行したり、情報処理装置100の各部の動作を制御したりする。制御部202は、更に、学習モデルを用いた統計処理をより高速に実行するための演算ユニット(例えばGPU)や専用ハードウェアを更に含んでよい。
【0024】
RAM211は、例えばDRAM等の揮発性の記憶媒体であり、制御部202がコンピュータプログラムを実行するためのパラメータや処理結果等を一時的に記憶する。電源部203は、情報処理装置100の各部が動作するための電力を提供するための回路又はモジュールである。電源部203は、更にバッテリを備えるように構成されてもよい。
【0025】
記録部204は、例えばハードディスクや半導体メモリ等の不揮発性の記録媒体を含み、情報処理装置100の動作に必要な設定値や演算結果等を記録する。また、記録部204は、プロジェクトチームを構成し得るメンバの特性情報や、プロジェクトの種類や困難度を示すプロジェクトの特性情報、プロジェクトの事例情報などを記録する。これらの情報は、それぞれ、記録部204に含まれるメンバ情報DB220、プロジェクト情報DB221、事例情報DB222に記録される。
【0026】
制御部202は、プログラムを実行することにより機能する、メンバ指定部212と、分類観点指定部213と、評価予測部214と、DB制御部215と、メンバ分類部216と、メンバ情報提供部217とを含む。メンバ指定部212は、通信装置120においてユーザが指定した基準メンバの情報を受け付け、基準メンバを指定する。分類観点指定部213は、通信装置120においてユーザが指定した分類観点の情報に基づき、メンバ分類部216がメンバの特性情報を分類する際の観点を指定する。
【0027】
評価予測部214は、指定された基準メンバでプロジェクトを構成した場合に予測されるプロジェクトの成果を算出(プロジェクトの予測成果算出処理)し、その予測結果を出力する。評価予測部214は、例えば、プロジェクトの事例情報に含まれるメンバの特性情報(m、…、m)及びプロジェクトの特性情報(p)と、プロジェクトの成果情報(y)とを学習データとして学習(すなわち教師あり学習)させた学習モデルを用いて、指定された基準メンバが入力されると当該基準メンバによるプロジェクトの成果を予測する。(なお、メンバの特性情報、プロジェクトの特性情報、及び、成果情報については、図9~11を参照して後述する。)この学習モデルは、例えば、以下の式1のように表すことができる。

プロジェクトの成果y = 関数f(p、m、…、m) ・・式1

なお、本実施形態では、評価予測部214によるプロジェクトの予測成果算出処理を学習モデルを用いて算出する場合を例に説明するが、プロジェクトの事例情報に含まれるメンバの特性情報とプロジェクトの成果情報とを実験等により相関関係を関数化し、求められた関数を用いて算出するようにしてもよい。
【0028】
DB制御部215は、記録部204に含まれるメンバ情報DB220、プロジェクト情報DB221、事例情報DB222への情報の書き込み、及び読み出しを制御する。
【0029】
メンバ分類部216は、プロジェクトの事例情報に含まれるメンバとメンバ情報DBに登録されたメンバとを含んだメンバの集合を、各メンバの特性情報に含まれるスキルの属性と性格的特性の属性とに基づいて複数の集合に分類する。例えば、メンバの特性情報に含まれる種々の属性で構成される多次元空間内に分布するメンバの集合を、例えばクラスタリングなどの所定の教師なし学習の処理により所定数の集合に分類する。
【0030】
<通信装置110の構成>
次に、図3を参照して、通信装置110の機能構成例について説明する。本実施形態では、通信装置の一例として、スマートフォンを用いる場合を例に説明するが、通信装置は、パーソナルコンピュータ或いはタブレット端末などの他の電子機器であってよい。なお、以降の図を参照して説明する機能ブロックの各々は、統合されまたは分離されてもよく、また説明する機能が別のブロックで実現されてもよい。また、ハードウェアとして説明するものがソフトウェアで実現されてもよく、その逆であってもよい。
【0031】
通信部301は、例えば通信用回路等を含み、例えばLTE等の移動体通信を介してインターネットに接続したり、無線LAN通信を介してネットワークに接続したりして、情報処理装置100との通信を行う。
【0032】
制御部302は、CPU310及びRAM311を含み、例えば記録部307に記録されたコンピュータプログラムをRAM311に展開し、CPU310が実行することにより、通信装置110内の各部の動作を制御する。また、制御部302は、プロジェクト事例情報やメンバの特性情報についての入力をユーザから受け付けて、情報処理装置100に送信するためのコンピュータプログラムを実行する。
【0033】
操作部303は、通信装置110の備えるボタンやタッチパネルを含み、表示部306に表示される各種操作用のGUIに対する操作を行うことができる。電源部304は、通信装置110の各部へ電力を提供する。撮像デバイス305は、例えば、撮像素子を含むカメラ機構であり、制御部302からの指示に応じて撮影を行う。ユーザは例えば自身の顔写真を撮影して、自身のメンバの特性情報に追加してもよい。
【0034】
表示部306は、例えばLCDやOLED等の表示デバイスを含む。表示部306は、制御部302の指示に応じて、プロジェクトの事例情報やメンバの特性情報を入力・送信するためのGUIや、他の各種アプリケーションのGUI等を表示する。
【0035】
記録部307は、例えば半導体メモリ等の不揮発性メモリを含み、制御部302が実行するプログラムや設定値を保持したりする。記録部307に保持されるコンピュータプログラムは、通信装置110の諸機能を実現するためのオペレーティングシステムや種々のアプリケーションを含む。
【0036】
音声入力デバイス308は、例えばマイクロホンを含み、通信装置110を使用するユーザの発する音声を入力する。音声入力デバイス308は、ユーザの発した音声を入力するだけでなく、ユーザの発した音声を認識して、入力情報をアプリケーションに入力する機能を兼ね備えてもよい。
【0037】
<通信装置120の構成>
通信装置120の機能構成は、実質的に通信装置110の機能構成と同様であり、制御部302が実行する処理の一部が異なる。例えば、通信装置120の制御部302は、基準メンバや候補メンバに関する操作を受け付けたり表示を行う。また、当該操作に係る情報を情報処理装置100に送信したり、情報処理装置100からの候補メンバの情報やプロジェクトの予測成果の情報を受信して、表示部306に表示する。
【0038】
<候補メンバ抽出処理の一連の動作>
次に、情報処理装置100において実行される候補メンバ抽出処理の一連の動作について、図4を参照して説明する。なお、本処理は、制御部202のCPU210が記録部204に記録されるコンピュータプログラムを実行することにより実現される。以下の説明では、説明を容易にするために各ステップの処理主体をまとめて制御部202として説明するが、処理内容に応じて制御部202内で機能する各部が対応する処理を実行する。また、途中の予測成果算出処理で用いる学習モデルは、十分な学習データを用いて学習済みの状態(この状態のモデルを学習済みモデルともいう)であるものとする。当該学習モデルを学習させる処理については、図5を参照して後述する。
【0039】
S401において、制御部202は、複数のプロジェクトの事例情報を記録部204の事例情報DB222から取得する。プロジェクトの事例情報は、例えば、図9に示すように、事例ID901で識別され、各事例IDには、プロジェクトID902とメンバID903と成果情報904とが関連付けられている。プロジェクトID902は、対応するプロジェクトの特性情報を特定する識別情報である。また、メンバID903は、メンバの特性情報を特定する識別情報である。また、成果情報904は、そのプロジェクトの成果に関する情報が含まれる。成果情報904は、プロジェクトの成果物の現在価値などの経済的指標と、成果物の品質の情報、及び満足度の情報などで表される。成果物の品質の情報は、例えば成果物の規模あたりのバク数を表すバグ率などで表されてよい。また、満足度の情報は、例えばプロジェクトチームのメンバの主観的な評価値の平均値で表すことができる。勿論、プロジェクトチームのメンバ別に満足度を記録するようにしてもよい。
【0040】
このように、制御部202は、プロジェクトの事例情報900を参照することにより、過去に遂行されたプロジェクトについての成果情報を参照することができる。また、制御部202は、プロジェクト情報DB221からそのプロジェクトの特性情報を取得したり、メンバ情報DB220からそのプロジェクトチームを構成したメンバの特性情報を取得することができる。
【0041】
プロジェクトの特性情報1000は、例えば、図10に示すように、プロジェクトID1001と、プロジェクトの属性とから構成される。プロジェクトの属性は、例えば、プロジェクトの種類1002、プロジェクトの困難度1003、自由度1004などから構成される。
【0042】
プロジェクトの種類1002は、例えば、単純システム開発、新規システム開発、拡張開発などの種別を表す。プロジェクトの困難度1003は、プロジェクト遂行の困難度を数値化した情報であり、例えば0から100のうち高い数値が高い困難度を表すようにしてよい。自由度1004は、例えば、プロジェクト遂行にあたっての裁量の大きさや提案の許容度といった観点を0から100で数値化した情報である。
【0043】
プロジェクトの特性情報は、例えば、プロジェクトの開始時にプロジェクトマネージャによって通信装置110を介して入力される。プロジェクトが終了した後に更新されてもよい。
【0044】
S402において、制御部202は、登録されたメンバの特性情報を、記録部204のメンバ情報DB220から取得する。メンバの特性情報1100は、図11に示すように、メンバID1101と、スキルセット1102と、性格属性1103と、趣味属性1104と、メンバ間の相性の情報1105とを含む。メンバIDは、メンバを識別するための識別子である。スキルセットの情報は、ITスキルなどの専門性に関するスキルのレベルや、語学力に係るスキルのレベル、或いは、対人能力などのコミュニケーション力のレベルをそれぞれ数値化した情報として保持する。それぞれの数値は、例えば0から10までの数値により、高いほど各スキルのレベルが高いことを表す。性格属性1103は、メンバの性格をいくつかの側面で数値化した情報であり、例えば、明るさの程度、作業の正確さ、忍耐強さ、ストレス耐性などの観点の情報が含まれる。趣味属性1104は、メンバの趣味(或いは興味)に関する情報を分野ごとにそうであるか否かを1又は0で表している。メンバの相性1105は、相性の良いメンバと相性の悪いメンバの識別子を含む。
【0045】
このように、制御部202は、メンバのスキルに係る情報に加えて、メンバの性格や趣味の情報を用いることにより、メンバを分類する際にメンバの性格的特性を加味した分類を行うことが可能になる。
【0046】
なお、図11に記載されたメンバの特性情報の例は、1102~1105の情報をメンバ本人が入力した場合を例に説明している。しかし、同様の項目について、他のメンバから見た場合の数値を更に保持していてもよい。すなわち、メンバの情報については、自己評価による情報と他のメンバによる評価の両方を保持しておいて、必要に応じて使い分けるようにしてもよい。
【0047】
また、図11に示した例に限らず、メンバの特性情報1100は、更に、現在のプロジェクトに対する満足度の情報、負荷の情報、今後身に着けたいと考えている/現在身に着けているスキルの情報を数値化して保持するようにしてもよい。このような情報は、新たなプロジェクトチームを立ち上げる際の、当該プロジェクトへの参加意欲やモチベーションの強度を推認する情報として用いることができる。
【0048】
更に、メンバの特性情報1100は、他のメンバに公表することでメンバ本人をより深く理解してもらうための情報を更に含んでよい。これらの情報は、例えば、メンバの学歴、過去の経歴、対外発表、対外活動、キャラクタ(例えばメンバを一言で表現するキーワード)などの情報を含む。これらの情報は、メンバを分類する際に、分類に寄与させてもよいし、寄与させずに、単にユーザを説明する情報として表示するようにしてもよい。
【0049】
メンバの特性情報は、通信装置110に表示される、例えば図12に示すような操作画面を介して入力される。図12は、メンバの特性情報を入力するための画面1201を示しており、入力項目1202は、ユーザの特性情報のうちのスキル属性1102(ここではITの属性)を入力する項目を示している。また、入力項目1203は、ユーザの特性情報のうちの性格属性1103(ここでは明るさの属性)を入力する項目を示し、入力項目1204は、ユーザの特性情報のうちの趣味属性1104(ここではランニングの属性)を入力する項目を示している。ユーザが各属性を設定すると、通信装置110は設定されたメンバの特性情報を情報処理装置100に送信する。
【0050】
S403において、制御部202は、メンバを分類するための観点を指定する。例えば、メンバの分類において、メンバの特性情報のうちのどの情報を用いるかを指定する。例えば、メンバの特性情報のうちのスキル属性1102と性格属性1103のみを用いるように指定することができる。或いは、スキル属性1102のうちの語学と、性格属性1103のストレス耐性と、趣味属性1104のランニングと、学歴との観点を指定するような詳細な指定を行ってもよい。プロジェクトメンバを選定するユーザが自由に分類の観点を変更できれば、予め定められている役割にメンバを当てはめた分類とは異なり、多様な観点でメンバの分類を試みることができる。また、分類する観点を明示的に把握することができるため、意図する特性に強みを持つメンバとそれ以外のメンバとを容易に分類することもできる。
【0051】
S404において、制御部202は、S403で指定された観点に基づき、メンバの特性情報を分類する。より具体的には、指定された観点で多次元空間を構成した場合の各メンバの特性情報の分布に対して機械学習処理を適用し、当該メンバの特性情報の分布を複数の集合に分類する。機械学習処理の一例として、例えばクラスタリングを用いることができるが、メンバの特性情報の分布を分類することができれば、他の方法を用いてもよい。クラスタリングによって分類される集合の個数は、処理対象となるプロジェクトの経済的指標や困難度に応じて定められてもよいし、ユーザがS403の指定と共に定めてもよい。
【0052】
本ステップの分類処理では、プロジェクトの事例情報で特定されるメンバの特性情報と、プロジェクトメンバを選定する際に選定対象となるメンバ(予め登録されているメンバ)の特性情報との集合を処理の対象とする。このようにすることで、プロジェクトの事例情報に含まれているメンバと登録されているメンバとを同じ多次元空間の中で分類することができ、事例情報のメンバと、どの(登録されている)メンバが類似するかを特定することができる。
【0053】
S405において、制御部202は、ユーザが通信装置120で指定した基準メンバの情報に基づき、プロジェクトの事例情報に含まれる基準メンバを指定する。以下、ユーザによる基準メンバの指定について、図6を参照して説明する。図6は、通信装置120に表示されるプロジェクトメンバ選定支援画面の一例を示している。プロジェクトメンバ選択支援画面は、基準メンバ/候補メンバの情報601と、プロジェクトリスト602と、プロジェクトの成果スコア610の領域から構成される。
【0054】
プロジェクトリスト602は、プロジェクトの事例情報に基づき、過去に遂行されたプロジェクトのプロジェクト名を選択可能に表示する。基準メンバ/候補メンバの情報601では、円の中心領域(領域604~606)に、選択された過去のプロジェクトメンバが表示される。この領域604~606に表示されるメンバは基準メンバである。領域604~606では、ユーザは領域ごとに異なる視覚態様で表示される。これは、S404における分類処理において、それぞれが異なる集合として分類されたことを示している。すなわち、領域604に配置された二人のメンバと、領域605に配置されたメンバと、領域606に配置されたメンバとは、メンバの特性情報の観点(例えばスキルや性格的特性)で異なる集合に属していることを示す。一方、領域604に配置された二人のメンバは、同一の集合に属す(すなわち、スキルや性格的特性が類似する)ことを示している。
【0055】
このように、プロジェクトリスト602で選択されたプロジェクトのメンバを基準メンバとして表示し、かつ、異なる集合に属すメンバを異なる領域に配置することにより、過去のプロジェクトにおけるメンバのスキルや性格的特性のバラつきを識別することができる。とりわけ、成功したプロジェクトとして知られるプロジェクトを選択すれば、成功したプロジェクトにおけるメンバの構成を参考にすることができる。
【0056】
このとき、領域604~606の各領域に、集合の違いを把握し易くするためのラベル(カテゴリ表示)を付してもよい。ラベルは、各領域のメンバの特性のうちの顕著なもの(例えば特性のうち最も分散値の大きな属性)を選択してもよい。或いは、メンバのメンバの特性情報にキャラクタ情報が含まれる場合、基準メンバの当該キャラクタの情報を代表的なラベルとして使用してもよい。
【0057】
一方、領域607~609には、それぞれ基準メンバと同じ集合に属す(登録されている)メンバを、候補メンバとして配置する。このようにすることで、基準メンバと、S403において選択された観点からメンバの特性情報が類似するメンバ(すなわち候補メンバ)を容易に把握することができる。
【0058】
更に、プロジェクトリストから特定のプロジェクトが選択された場合、プロジェクトの成果スコア610には、プロジェクトの事例情報の成果情報に基づいて成果スコアが表示される。例えば、スコア選択欄611に示すように、経済的指標と品質と満足度のうちのいずれを表示するかを選択可能にしてもよい。図6に示す例では、例えば、満足度612が指定されており、プロジェクトの成果スコア610には、指定されたプロジェクトの指標が表示されている。図6に示す例では、例えば、ユーザが「プロジェクトxx」と「プロジェクトzz」を順に選択したために、指定613の列に沿って各プロジェクトのスコアが表示されている(スコア614~615)。このようにプロジェクトの成果スコアを比較可能に表示することで、基準メンバとプロジェクトの成果スコアの関係を容易に把握することが可能になる。
【0059】
更に、基準メンバ/候補メンバ情報601では、図7に示すように、領域607~609に配置されたメンバを指定して、基準メンバに追加したり、入れ替えたりすることで、新たな基準メンバを指定することができる。例えば、ユーザがメンバ702の領域をタッチ等により指定すると、追加又は入れ替えを選択可能な選択肢701が表示される。ユーザは追加又は入れ替えを選択し、メンバ702をドラッグして所望の基準メンバに重ね合わせる。このような操作により、ユーザは容易に基準メンバを変更することができ、新たな基準メンバによる候補メンバや成果を参照することができる。
【0060】
また、図8には、基準メンバ/候補メンバ情報601における他の表示例及び他の操作例を示している。具体的には、領域604に配置される基準メンバを、他のプロジェクトの基準メンバとして追加してもよい。例えば、第1のプロジェクト(例えば「プロジェクトxx」)の基準メンバ801を選択すると、他のプロジェクトの基準メンバに当該メンバを追加するかを問い合わせるオプション802を表示する。この場合、例えば「プロジェクトzz」が更に指定された場合、選択されたメンバを当該「プロジェクトzz」の基準メンバに追加する。このようにすれば、既知のプロジェクトに参加していたメンバを他のプロジェクトに参加させた場合の成果や候補メンバを容易に確認することができるようになる。
【0061】
更に、領域608に配置されていた所定のメンバ803を基準メンバに追加しようとする際に、当該基準メンバにはメンバ803を追加できないことを示すようにしてもよい。例えば、制御部202は、メンバの特性情報1100の相性1105において、既存の基準メンバとの相性が悪いことが示されている場合には、メンバ803を追加できないことを示すようにしてもよい。
【0062】
また、領域804の表示では、メンバのモチベーションの強度が高いほど、円の中心に近い位置に配置される例を示している。例えば、モチベーションの強度は、例えば、メンバの特性情報において、今後身に着けたいと考えている/現在身に着けているスキルと基準メンバのスキルとの一致度が高いほど強くしたり、現在のプロジェクトに対する満足度が低いほど強くすることができる。
【0063】
なお、図6~8を参照して説明したユーザインタフェースの画面情報は、例えば、情報処理装置100が通信装置120からの操作情報を適宜受信し、操作情報に基づいて例えばブラウザで表示可能な形式で生成して、通信装置120に表示させる。
【0064】
S406において、制御部202は、基準メンバと同一集合に分類されるメンバを候補メンバとして抽出する。この処理は、図6及び図7を参照して説明した、領域607~609に配置される候補メンバを抽出することに相当する。制御部202は、S404において分類された集合に参照して、領域604~606に配置される各基準メンバと同一の集合に属すメンバを候補メンバとして抽出する。
【0065】
S407において、制御部202は、評価予測部214に構成された学習モデルを用いてプロジェクトの予測成果算出処理を実行し、領域604~606に配置された基準メンバに対するプロジェクトの予測成果を算出する。なお、領域604~606に配置された基準メンバが過去のプロジェクトの構成メンバと同一である場合には、単に指定されているプロジェクトの過去の成果情報を表示させる。
【0066】
S408において、制御部202は、S406で抽出した候補メンバの情報と、S407で算出したプロジェクトの予測成果の情報とを通信装置120に提供する。すなわち、通信装置120では、図6~8に示した、領域607~609の表示や、プロジェクトの成果スコア610の表示が可能になる。
【0067】
S409において、制御部202は、通信装置120から基準メンバを変更する操作があったかを判定する。すなわち、図7に示した701の項目を選択する操作を受け付けたかを判定し、受け付けた場合には、処理をS405に戻し、そうでない場合には本一連の動作を終了する。
【0068】
なお、上述の説明では、プロジェクトの事前情報として過去に実在したプロジェクトの情報を用いる例を説明した。しかし、プロジェクトの事前情報には、仮想的な事例やメンバに基づくテンプレートが含まれてよい。例えば、過去の歴史において、有名な武将と当該武将を支えるチームが存在した場合、当該チームの功績や逸話を仮想的にプロジェクトの成果情報に割り当て、また、当該チームのメンバの特性を仮想的にメンバの特性に割り当てることができる。このようにすることで、過去の歴史上のチームをテンプレートとして基準メンバや候補メンバを選定することができる。
【0069】
<プロジェクトの予測成果算出処理の事前処理(モデルの学習)に係る一連の動作>
次に、プロジェクトの予測成果算出処理の事前処理(モデルの学習)に係る一連の動作について、図5を参照して、簡単に説明する。なお、本処理は、制御部202のCPU210が記録部204に記録されるコンピュータプログラムを実行することにより実現される。本処理は、学習モデルの学習が行われていない状態で開始され、学習モデルを学習済みの状態にする処理である。
【0070】
S501において、制御部202は、記録部204に保持されている各DBから、プロジェクトの事例情報に含まれるメンバの特性情報(m、…、m)及びプロジェクトの特性情報(p)と、プロジェクトの成果情報(y)とを読み出して、学習データとして使用する。
【0071】
S502において、制御部202は、上述の式1に従って、入力データ(メンバの特性情報及びプロジェクトの特性情報)を学習モデルに入力する。例えば、学習モデルは、入力層と、複数の隠れ層と、出力層とからなるニューラルネットワークによって構成される。
【0072】
S503において、制御部202は、学習モデルによりプロジェクトの成果を予測する。すなわち、制御部202は、入力層の各ニューロンに入力値を入力すると、隠れ層におけるニューロン間の重みに応じた演算やアクティベーション関数による演算を行って、出力層に向かって順方向に演算を実行する。出力層は、入力データから予測されるプロジェクトの成果情報を出力する。
【0073】
S504において、制御部202は、予測結果と正解データのプロジェクトの成果との差異に基づき損失関数の出力を算出する。例えば、制御部202は、予測結果と正解データの成果との差異(予測誤差)の2乗和で定義される損失関数を用いて、損失関数の出力を算出する。
【0074】
S505において、制御部202は、学習データのうちの予め定められたデータサンプルの全てを用いて損失関数の出力を算出したかを判定する。制御部202は、学習データのうちの予め定められたデータサンプルの全てについて処理を実行した場合、1エポックの処理が終了したと判定してS506に処理を進め、そうでない場合にはS502に処理を戻す。
【0075】
S506において、制御部202は、損失関数の出力の総和が減少するように、学習モデルの重みを変更する。例えば、制御部202は、バックプロパゲーションといわれる公知の方法を用いて、損失関数の偏微分値に基づき、出力層から入力層に向かって順にニューロン間の重みを変更する。
【0076】
S507において、制御部202は、所定のエポック数の処理を終了したかを判定する。すなわち、S502~S507の処理を予め定めた回数だけ繰り返したかを判定する。S502~S507の処理を繰り返すことによりニューラルネットワークの重みが徐々に最適値に収束するように変更される。なお、エポック数の判定に代えて、S506において算出される損失関数の出力の総和が所定値以下に収束したか否かを判定してもよい。制御部202は、所定のエポック数を終了していないと判定した場合には処理をS502に戻し、そうでない場合には、本一連の処理を終了する。このように、学習モデルの学習に係る一連の動作を完了すると、学習モデルが学習済みの状態となる。
【0077】
以上説明したように、上述の実施形態では、プロジェクトの事例情報に含まれるメンバと、登録されたメンバとを含んだ集合を、各メンバの特性情報に含まれるスキルの属性と性格的特性の属性とに基づいて複数の集合に分類するようにした。そして、分類結果に基づいて、ユーザにより指定された基準メンバと同一の集合に分類されるメンバ(すなわち類似メンバ)を抽出し、プロジェクトメンバの選定における候補メンバと提供するようにした。このようにすることで、個々のメンバの性格的特性を考慮しながらプロジェクトメンバの選定を容易にすることが可能になる。また、基準メンバとして指定されたメンバによるプロジェクトの成果を予測或いは取得して提供することにより、いかなるメンバを選定すれば、いかなる成果を期待することができるかを容易に把握することができる。
<事前に分類処理をしない動作例>
前記実施形態では、メンバの分類処理を行い、指定された基準メンバのそれぞれと同一の集合に属するメンバの情報に基づき候補メンバの情報を提供する構成であったが、過去のプロジェクトの指定を受けたのち、この指定された過去プロジェクトに属する各基準メンバと類似する候補メンバをそれぞれ抽出し、各基準メンバとそれぞれに類似されるとした候補メンバを関連付けて表示する構成であってもよい。例えば、10名のメンバ(M1、M2、M3、M4、M5、M6、M7、M8、M9、M10)が所属する会社で、過去のプロジェクト(M1、M2、M3)を指定すると、基準メンバであるM1とM1以外のメンバとの類似度計算を行い、類似度スコアの降順にソートして上位2名の候補メンバがM10、M9であり(基準メンバM1と同じ分類のメンバがM10、M9)、同様に基準メンバM2については上位2名の候補メンバがM8、M7であり(基準メンバM1と同じ分類のメンバがM8、M7)、同様に基準メンバM3については上位2名の候補メンバがM6、M5であったとして(基準メンバM1と同じ分類のメンバがM6、M5)、同様に、図6の基準メンバ/候補メンバ601の表示が可能となる。つまり、この動作例によれば、候補メンバの抽出結果が分類結果となる。
【0078】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0079】
100…情報処理装置、110…通信装置、120…通信装置、202…制御手段、900…プロジェクトの事例情報、1000…プロジェクトの特性情報、1100…メンバの特性情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12