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  • 特許-煙突内レンガ解体機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】煙突内レンガ解体機
(51)【国際特許分類】
   E04G 23/08 20060101AFI20240821BHJP
   F23J 13/02 20060101ALI20240821BHJP
   E04H 12/28 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
E04G23/08 J
F23J13/02
E04H12/28 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020189624
(22)【出願日】2020-11-13
(65)【公開番号】P2022078738
(43)【公開日】2022-05-25
【審査請求日】2023-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000140292
【氏名又は名称】株式会社奥村組
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古長 達廣
(72)【発明者】
【氏名】長尾 浩利
(72)【発明者】
【氏名】野村 俊也
【審査官】櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-016153(JP,A)
【文献】特開2008-075295(JP,A)
【文献】特開2005-265338(JP,A)
【文献】特開2007-077731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G23/00-23/08
E04H5/00-5/12
7/00-7/32
12/00-14/00
F23J13/00-99/00
F27D1/00-1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンガを積み重ねてなる内筒と、前記内筒との間に隙間を開けてコンクートから形成された外筒からなる煙突の前記内筒を解体する解体機であって、
揚重機により前記煙突内に吊り下げられる本体と、
前記本体の下部中央部に上端部が取り付けられ、上下方向に伸縮可能な1本の伸縮アームと、
前記1本の伸縮アームの前記上端部を中心として平面視で点対称に上端部が前記本体の下部に取り付けられた複数の第1リンクと、
前記1本の伸縮アームの下端部と前記複数の第1リンクの各下端部とをそれぞれ連結する複数の第2リンクと、
前記複数の第1リンクの各下端部に外方に向かってそれぞれ取り付けられたツースとを備えており、
各々の前記第2リンクの中央部側の端部は、収縮時において各々の前記第1リンクの下端部よりも上方に位置する前記伸縮アームの下端部に、回動自在に支持されており、
これによって前記伸縮アームを伸長させると、各々の前記第1リンクが外に向かって開き、前記伸縮アームを短縮させると、各々の前記第1リンクが内側に向かって狭まるようになっていることを特徴とする煙突内レンガ解体機。
【請求項2】
前記伸縮アームは油圧ジャッキであり、前記油圧ジャッキのロッドの下端部に前記第2リンクの一端部が回動自在に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の煙突内レンガ解体機。
【請求項3】
前記本体は、前記揚重機により吊り下げられる本体上段部と、前記本体上段部に対して回動可能な本体下段部とから構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の煙突内レンガ解体機。
【請求項4】
前記油圧ジャッキのシリンダに、前記煙突内を撮像する撮像手段をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の煙突内レンガ解体機。
【請求項5】
前記本体は、前記伸縮アームの伸縮を制御可能な制御手段と、
前記制御手段に接続された無線通信手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の煙突内レンガ解体機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、煙突内のレンガを解体する煙突内レンガ解体機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、老朽化などのために、ごみ焼却場などの焼却施設を解体することが盛んに行われている。このような焼却施設には、コンクリート製の煙突が付設されているが、その内部は非常に高温になるので、耐火レンガからなる内筒とコンクリート製の外筒とに隙間を設けることにより空気層を形成して、断熱効果を得ている。
【0003】
このような煙突を解体する際には、解体後の資材を再利用するために耐火レンガとコンクリートとを分別する必要がある。作業者が煙突の狭い内部において内筒を構成する耐火レンガのみを解体することは困難であるので、煙突内に解体機を挿入して煙突外に位置する作業者が遠隔操作することによって解体を行うことが好ましい。
【0004】
そこで、例えば、特許文献1には、ギアを介してジャッキにより開閉動作する一対のツースアーム、及び、ギアを介してジャッキにより開閉動作する一対の四接平行リンク機構からなる楔フレームを備えた煙突内レンガの解体装置が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、それぞれ油圧シリンダより伸縮動作し、先端に楔部を備える一対の伸縮棒状部材を備えた耐火レンガ解体装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2005-265338号公報
【文献】特開2007-77731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている煙突内レンガの解体装置においては、ギアを介してツースアームを開いているので、ツースアームの先端のツースを耐火レンガ間の目地に食いませる力が弱く、耐火レンガが厚いなどの場合に耐火レンガを解体することが容易でないという問題があった。
【0008】
また、上記特許文献2に開示されている耐火レンガ解体装置においては、一対の伸縮棒状部材をそれぞれ油圧シリンダで伸縮させているので、2本の油圧シリンダが必要となる。そのため、耐火レンガ解体装置の幅方向が大きなものとなり、小径の煙突を解体することができないという問題があった。
【0009】
本発明は、以上の点に鑑み、ツーススを耐火レンガ間の目地に食いませる力が強く、かつ、小径の煙突を解体することが可能な煙突内レンガ解体機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の煙突内レンガ解体機は、レンガを積み重ねてなる内筒と、前記内筒との間に隙間を開けてコンクートから形成された外筒からなる煙突の前記内筒を解体する解体機であって、揚重機により前記煙突内に吊り下げられる本体と、前記本体の下部中央部に上端部が取り付けられ、上下方向に伸縮可能な1本の伸縮アームと、前記1本の伸縮アームの前記上端部を中心として平面視で点対称に上端部が前記本体の下部中央部に取り付けられた複数の第1リンクと、前記1本の伸縮アームと下端部と前記複数の第1リンクの各下端部とをそれぞれ連結する複数の第2リンクと、前記複数の第1リンクの各下端部に外方に向かってそれぞれ取り付けられたツースとを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の煙突内レンガ解体機によれば、第2リンクも含むリンク機構を介して伸縮アームの伸長によって複数の第1リンクを同時に広げることができるので、各第1リンクの先端にそれぞれ設けられたツースをレンガの目地に同時に食い込ませることが可能となる。これにより、上記特許文献1に開示された技術と比較して、ツースを食い込ませる力の増強を図ることが可能となる。さらに、上記特許文献2に開示された技術と比較して、伸縮アームは1本のみであるので、この伸縮に必要な構成や制御の簡略化を図ることが可能となる。
【0012】
本発明の煙突内レンガ解体機において、前記伸縮リンクは油圧ジャッキであり、前記油圧ジャッキのロッドの下端部に前記第2リンクの一端部が回動自在に支持されていることが好ましい。
【0013】
この場合、伸縮リンクが油圧ジャッキであるので、第1リンクを広げる力を十分に確保することが可能となる。
【0014】
また、本発明の煙突内レンガ解体機において、前記本体は、前記揚重機により吊り下げられる本体上段部と、前記本体上段部に対して回動可能な本体下段部体とから構成されていることが好ましい。
【0015】
この場合、揚重機により吊り下げられる本体上段部を回動させることなく、伸縮アーム及び複数の第1リンクが取り付けられている本体下段部を回動させることが可能となる。これにより、ツースを適切な箇所に食い込ませるために本体下段部を回動させればよいので、操作の簡易化を図ることが可能となる。
【0016】
また、本発明の煙突内レンガ解体機において、前記油圧ジャッキのシリンダに、前記煙突内を撮像する撮像手段をさらに備えることが好ましい。
【0017】
この場合、撮像手段を用いて、煙突内レンガ解体機から離れて位置する作業者が、煙突内における状態を認識した状態で煙突内レンガ解体機を操作することが可能となる。
【0018】
また、本発明の煙突内レンガ解体機において、前記本体は、前記伸縮アームの伸縮を制御可能な制御手段と、前記制御手段に接続された無線通信手段とをさらに備えることが好ましい。
【0019】
この場合、煙突内レンガ解体機から離れて位置する作業者が操作する制御盤などまで、制御手段から信号線などで接続する必要がないので、構成の簡略化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係る煙突内レンガ解体機を煙突内に挿入した状態を示す模式断面図。
図2】煙突内レンガ解体機を示す模式側面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態に係る煙突内レンガ解体機100(以下、単に解体機100ともいう)について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1及び図2は本実施形態を模式的に説明するための図であり、寸法はデフォルメされている。
【0022】
解体機100は、耐火レンガを積み重ねてなる内筒Aと、内筒Aとの間に隙間Bを開けてコンクリートからなる外筒Cとから構成された煙突Dを解体する際に使用される。内筒Aは、概ね上から下に向けて、その内径が大きくなるように構成されている。さらに、内筒A、すなわち耐火レンガの厚さも、概ね上から下に向けて、厚くなっている。
【0023】
解体機100は煙突D外の地上などに設置された揚重機Eにより吊り下げられ、煙突Dの内部に挿入された状態で内筒Aのみを解体する作業が、煙突Dの外に位置する作業者(不図示)が操作する操作装置Fによって遠隔操作されることにより行わられる。
【0024】
解体機100は、揚重機Eにより吊り下げられる本体10、本体10の下端部中央に上端部が回動自在に支持された1本の上下方向に伸縮可能な伸縮アーム20、本体10の下端部中央に上端部が、伸縮アーム20の上端部を中心とした上面視で点対称に回動自在に支持された複数本の第1リンク30、及び、各第1のリンク30の下端部と伸縮アーム20の下端部とに共に回動自在に両端部が支持された第2リンク40などを備えている。
【0025】
本体10は、金属製の構成材などから形成されてなる上下2段に構成されている。本体下段部12は、本体上段部11に設けられたモータ13によって、ギア15を介し、本体上段部11に対して回動可能に構成されている。本体上段部11及び本体下段部12は、例えば筐体であるが、これに限定されない。
【0026】
本体上段部11の上部には、揚重機Eにより吊り下げるための被吊り下げ部14が設けられている。
【0027】
伸縮アーム20を作動させるための油圧ユニットは、詳細は図示しないが、例えば、伸縮アーム20を構成する油圧ジャッキ(油圧シリンダ)にオイル(油)を供給する油圧ポンプ、油圧ポンプが供給するオイルを貯留するオイルタンク、油圧ポンプから油圧ジャッキに供給されるオイルが何れのポートに供給されるかを制御する方向制御弁などを備えた周知の構成である。
【0028】
この油圧ユニットは、地上に設けられ、油圧ホースを介して伸縮アーム20に圧油が供給される。なお、この油圧ユニットを本体10に内蔵ないし搭載することも可能である。この場合、圧油を地上から供給する必要がないので、油圧ホースの短縮及び圧力損失の低減などを図ることが可能となる。
【0029】
伸縮アーム20は、1本だけであり、本体下段部12の下端部に、その上端部が回動自在に設けられている。具体的には、伸縮アーム20を構成する油圧ジャッキのシリンダ21の上端部には開口が形成され、本体下段部12の下端中央部に取り付けられた取付部12aにも開口が形成されている。そして、これら開口を挿通して回転自在なピン22によって、伸縮アーム20は本体下段部12に回動自在に支持されている。
【0030】
また、伸縮アーム20を構成する油圧ジャッキのシリンダ21には、レンガ解体箇所、例えば本体10の下方や外方などを作業者が認識するために、ライトなどの照明手段を備えたビデオカメラなどの撮像手段23が設けられている。
【0031】
さらに、本体上段部11には、伸縮アーム20を構成する油圧ジャッキ、前記撮像手段23、前記油圧ユニットなどを制御するための制御ユニット16も搭載されている。そして、本体上段部11には、制御ユニット16に接続され、操作装置Fと無線通信可能な無線通信ユニット17も搭載されている。制御ユニット16が本発明の制御手段に相当し、無線通信ユニット17が本発明の無線通信手段に相当する。
【0032】
なお、図示しないが、外部電源が煙突D外の地上に設置されている場合、制御ユニット16及び無線通信ユニット17からの電力線は地上まで伸びている。また、制御ユニット16が無線制御などでない場合、制御ユニット16から制御線は操作装置Fまで延びている。
【0033】
第1リンク30は、少なくも2本以上設けられ、平面視(上面視)において、本体下段部12の中心に対して点対称に配置されていることが好ましい。ここでは、第1リンク30は、2本設けられ、本体下段部12の下端部にて同じ高さの位置に同じ構成のものが配置されている。
【0034】
各第1リンク30は、その上端部が本体下段部12の下部に回動自在に取り付けられている。具体的には、各第1リンク30の上端部には開口が形成され、本体下段部12の下端中央部に取り付けられた取付部12bにも開口が形成されている。そして、これら開口を挿通するピン31によって、各第1リンク30は本体下段部12に回動自在に支持されている。
【0035】
各第1リンク30の下端部には、ツース32が取り付けられている。ツース32は、先端が尖った楔状の金属製などの硬質部材であり、ここでは、第1リンク30の下端部に溶接などによって固定されているが、第1リンク30と一体的に形成されたものであってもよい。
【0036】
ここでは、ツース32は、第1リンク30の延びる方向と直交する方向に外方に向かって先端が突出するように設けられている。ただし、ツース32の先端が向かう方向はこれに限定されない。
【0037】
各第2リンク40は、伸縮アーム20を構成する油圧ジャッキのロッド24の下端部と第1リンク30の下端部の間をそれぞれ連結するように設けられている。具体的には、伸縮アーム20を構成する油圧ジャッキのロッド24の下端部には開口が形成され、各第2リンク40の中央部側の端部にも開口が形成されている。そして、これら開口を挿通するピン41によって、伸縮アーム20の下端部と各第2リンク40の中央部側の端部は互いに回動自在に支持されている。
【0038】
なお、例えば、伸縮アーム20を構成する油圧ジャッキのロッド24の下端部に左右に離間した開口が形成され、これら開口のそれぞれに各第2リンク40の中央部側の端部に形成された開口にピン41を挿通させてもよい。
【0039】
また、各第1リンク30の下端部に開口が形成され、各第2リンク40の外側の端部にも開口が形成されている。そして、これら開口を挿通するピン42によって、各第1リンク30の下端部と各第2リンク40の外側の端部は互いに回動自在に支持されている。
【0040】
以上のような構成により、伸縮アーム20を構成する油圧ジャッキのロッド24を伸長させると、図2に二点鎖線で示すように、各第1リンク30が外に向かって開き、ツース32の位置が外側に向かって広がる。一方、伸縮アーム20のロッド24を短縮させると、図2に実線で示すように、各第1リンク30が内側に向かって狭まり、ツース32の位置が内方に狭まる。
【0041】
このように、1本の伸縮アーム20の伸縮によって、各第1リンク30の先端部に固定されたツース32が均等に広がる、又は狭まるので、ツース32の間隔を内筒Aの内径に応じて伸縮アーム20の伸縮量を定めることにより簡易に調整することが可能となる。
【0042】
以下、解体機100を用いて煙突Dの内筒Aを解体する方法について説明する。なお、この方法における各工程は、揚重機E及び操作装置Fを操作する作業者の操作によって行われる。
【0043】
まず、揚重機Eによって解体機100を吊り下げ、解体機100を煙突Dの内部に挿入する。このとき、伸縮アーム20を構成する油圧ジャッキのロッド24は短縮した状態であり、全ての第1リンク30は閉じた状態となっている。そして、揚重機Eによって解体機100を適宜な高さまで下降させて、平面視で解体機100の中心が煙突Dの中心に一致させる。ただし、中心を完全に一致させる必要はない。
【0044】
この状態で、伸縮アーム20を構成する油圧ジャッキのロッド24を伸長させることにより、各第1リンク30を同時に広げて、各第1リンク30の先端のツース32を耐火レンガの間の目地を食い込ませる。ただし、全てのツース32を目地に食い込ませる必要はない。その後、解体機100を上昇させて、目地に食い込ませたツース32によって耐火レンガを上方に持ち上げる。これにより、持ち上げた耐火レンガ及びこれより上に積み上げられている耐火レンガが落下する。
【0045】
その後、伸縮アーム20を構成する油圧ジャッキのロッド24を短縮させることにより、各第1リンク30を閉じ、さらに解体機100を下方に移動させる。そして、再度、伸縮アーム20を構成する油圧ジャッキのロッド24を伸長させることにより、各第1リンク30を広げてツース32を目地に食い込ませ、耐火レンガを落下させる作業を繰り返す。
【0046】
なお、煙突Dの下部ほど内筒Aの内径が大きいことが一般的であるので、ツース23が目地に食い込む際に第1リンク30を広げる程度が大きくなる。そこで、解体機100においては、油圧シリンダ21のロッド24の伸縮可能な範囲が、内筒Aの内径の大小に関わらずツース23が目地に食い込み、さらに耐火レンガを持ち上げ可能となるように設定されている。
【0047】
また、煙突Dの下部ほど内筒Aが肉厚となることが一般的であるが、この機構においては、第1リンク30を広げる程度が大きくなる程、ツース23が目地に食い込む力が大きくなる。これは、第1リンク30の広がりが最大に近づく程、伸縮アーム20のロッド24の伸長量に対しツースの移動量が少なくなることによる。
【0048】
以上のように、煙突内レンガ解体機100によれば、第2リンク40も含むリンク機構を介して伸縮アーム20の伸長によって一対の第1リンク30を同時に広げることができるので、各第1リンク30の先端にそれぞれ設けられたツース32をレンガの目地に同時に食い込ませることが可能となる。これにより、上記特許文献1に開示された技術と比較して、ツース32を食い込ませる力の増強を図ることが可能となる。さらに、上記特許文献2に開示された技術と比較して、煙突内レンガ解体機100の幅方向長さが抑制されるので、小径の煙突Dの解体を行うことが可能となる。
【0049】
さらに、ここでは、伸縮ロッド20が伸長したときに、第2リンク40が略水平となるように、伸縮ロッド20、第1リンク30及び第2リンク40の長さが規定されている。これにより、伸縮ロッド20が伸長した状態であるほど、第1リンク30が外側に広がる力が大きくなり、厚い目地であってもツース32を深く食い込ませることが可能となっている。
【0050】
また、解体機100において、2本の第1リンク30は平面視において本体10の中心に対して対称に配置されているので、各ツース32を持ち上げて耐火レンガを落下させる動作を均等に行うことができる。
【0051】
なお、本発明は、上述した解体機100に限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。例えば、解体機100においては、第1リンク30及び第2リンク40は2本であったが、これに限定されず、3本以上であってもよい。
【0052】
伸縮アーム20は、本体下段部12の下端部に、その上端部が回動自在に設けられている場合について説明した。しかし、伸縮アーム20は、本体下段部12の下端部に、その上端部が固定されていてもよい。ただし、この場合、ツース32を介した反力によってこの固定部が破損するなどのおそれがあるので好ましくはない。
【0053】
また、内筒Aの内径などに応じて、第1リンク30及び/又は第2リンク40を長さの異なるものに交換してもよい。
【符号の説明】
【0054】
10…本体、 11…本体上段筐部、 12…本体下段部、 12a,12b…取付部、 13…モータ、 14…被吊り下げ部、 15…ギア、 16…制御ユニット(制御手段)、 17…無線通信ユニット(無線通信手段)、 20…伸縮アーム、油圧ジャッキ、 21…シリンダ、 22…ピン、 23…撮像手段、 24…ロッド、 30…第1リンク、 31…ピン、 32…ツース、 40…第2リンク、 41,42…ピン、 100…煙突内レンガ解体機、 A…内筒、 B…隙間、 C…外筒、 D…煙突、 E…揚重機、 F…操作装置。
図1
図2