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特許7541473建設工事管理支援装置、及び建設工事管理支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】建設工事管理支援装置、及び建設工事管理支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20240821BHJP
【FI】
G06Q50/08
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020204509
(22)【出願日】2020-12-09
(65)【公開番号】P2022091593
(43)【公開日】2022-06-21
【審査請求日】2023-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三宅 浩之
(72)【発明者】
【氏名】下園 大介
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 修
(72)【発明者】
【氏名】黒土 美穂
【審査官】酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-234385(JP,A)
【文献】特開2001-297131(JP,A)
【文献】特開2012-230550(JP,A)
【文献】特開2016-184427(JP,A)
【文献】特開2013-134686(JP,A)
【文献】特開2003-186948(JP,A)
【文献】特開2020-035201(JP,A)
【文献】特開2003-141316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設工事の各工種で参照される情報を配信する条件を記憶する条件記憶部と、
前記情報を前記配信する宛先を記憶する宛先記憶部と、
前記情報を記憶する情報記憶部と、
前記情報記憶部から前記情報を取得し、取得した当該情報を前記工種毎に仕分ける仕分け部と、
前記条件に従って、前記仕分け部により仕分けられた前記情報を、前記宛先に前記配信を実行する制御部と、
を備える建設工事管理支援装置。
【請求項2】
前記情報は、必要に応じて更新が可能であり、
前記制御部は、前記配信時の前記更新の日時が最新の前記情報を配信することを特徴とする請求項1に記載の建設工事管理支援装置。
【請求項3】
前記条件には、前記情報毎の前記配信が実行されるタイミングが含まれる請求項1又は2に記載の建設工事管理支援装置。
【請求項4】
建設工事の施工計画に基づいて作成され、各工程に前記工種が対応づけられた工程表を記憶する工程表記憶部を備え、
前記制御部は、前記工程表から前記情報毎の前記配信が実行されるタイミングを取得する請求項3に記載の建設工事管理支援装置。
【請求項5】
前記配信は、前記建設工事毎に対応した配信記憶部に前記取得した前記情報を記憶し、当該記憶された前記配信記憶部のアドレスを報知するメールを送信することにより行われる請求項1~4のいずれか1項に記載の建設工事管理支援装置。
【請求項6】
前記配信は、複数の前記情報を前記工種毎に分けて行われることを特徴とする請求項5に記載の建設工事管理支援装置。
【請求項7】
前記制御部は、
アドレス帳から予め定められた人物のアドレスを抽出し、前記宛先に追加可能であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の建設工事管理支援装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記配信後、予め定められた管理者に前記配信が完了した旨を報知する配信完了メールを送信することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の建設工事管理支援装置。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1~8のいずれか1項に記載の建設工事管理支援装置を構成する各部として機能させるための建設工事管理支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設工事管理支援装置、及び建設工事管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、業務処理上の注意提示条件を記憶するメモリと表示装置とを有する中央処理装置が、業務処理状況と注意提示条件とを比較し、条件に合致する場合は注意情報をユーザに提示することが記載されている。
また、特許文献2には、技術情報を作成し改善する提供端末の情報をサーバに記憶させ、利用者の技術要求端末にダウンロードして、必要な技術情報を得ることが記載されている。
また、特許文献3には、生産管理情報と生産に関する技術情報とを互いに参照可能に管理して、効率的な生産に寄与することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-198313号公報
【文献】特開2006-313510号公報
【文献】特開2000-327750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、サーバ上には有用な情報が公開されているが、情報の所在がわからない、検索に手間がかかるといった点から、十分に活用されていない。また、建設工事の着工時にプロジェクトに応じた情報を提供しても、各工種の担当者が情報を必要とする時期までにタイムラグがあり、情報の散逸・アップデートに漏れが発生する。
【0005】
本発明は、建設工事の各工種で必要な情報を、必要な人に配信することが可能となり、自ら必要な情報を探す場合に比べ、業務効率を向上させることを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1の態様の建設工事管理支援装置は、建設工事の各工種で参照される情報を配信する条件を記憶する条件記憶部と、前記情報を前記配信する宛先を記憶する宛先記憶部と、前記情報を記憶する情報記憶部と、前記条件に従って、前記情報記憶部から前記情報を取得し、前記宛先に前記配信を実行する制御部と、を備える。
【0007】
第1の態様によれば、建設工事の各工種で必要な情報を、必要な人に配信することが可能となり、自ら必要な情報を探す場合に比べ、業務効率を向上させることができる。また、情報が見つけやすくなり、情報を有効活用することができる。
【0008】
第2の態様の建設工事管理支援装置は、前記情報は、必要に応じて更新が可能であり、前記制御部は、前記配信時の前記更新の日時が最新の前記情報を配信することを特徴とする。
【0009】
第2の態様によれば、アップデートされた最新の情報を配信することが可能となる。
【0010】
第3の態様の建設工事管理支援装置は、前記条件には、前記情報毎の前記配信が実行されるタイミングが含まれる。
【0011】
第3の態様によれば、情報が必要なタイミングで配信することが可能となり、前もって全て配信する場合に比べ、情報の散逸や見逃しを防止することが可能となる。
【0012】
第4の態様の建設工事管理支援装置は、建設工事の施工計画に基づいて作成され、各工程に前記工種が対応づけられた工程表を記憶する工程表記憶部を備え、前記制御部は、前記工程表から前記情報毎の前記配信が実行されるタイミングを取得する。
【0013】
第4の態様によれば、予め工程に工種を記憶させておくことで、当該工程表を読み込めば、情報の配信タイミングが取得されるため、情報の配信時期を入力する手間を省くことが可能となる。
【0014】
第5の態様の建設工事管理支援装置は、前記配信は、前記建設工事毎に対応した配信記憶部に前記取得した前記情報を記憶し、当該記憶された前記配信記憶部のアドレスを報知するメールを送信することにより行われる。
【0015】
第5の態様によれば、配信記憶部のアドレスをメールで配信することにより、情報のデータを直接渡す場合に比べ、情報を受け取るユーザの情報管理負荷の軽減及び情報の漏洩を防止することが可能となる。
【0016】
第6の態様の建設工事管理支援装置は、前記配信は、複数の前記情報を前記工種毎に分けて行われることを特徴とする。
【0017】
第6の態様によれば、工種毎に分けて配信されることにより、単に情報が配信される場合に比べ、情報が整理され、工種毎の作業に必要な情報を見つけやすくすることが可能となる。
【0018】
第7の態様の建設工事管理支援装置は、前記制御部は、アドレス帳から予め定められた人物のアドレスを抽出し、前記宛先に追加可能であることを特徴とする。
【0019】
第7の態様によれば、配信する必要がある人物が漏れることなく、配信を行うことが可能となる。また、宛先に追加する作業をすることなく、宛先を追加することが可能となる。
【0020】
第8の態様の建設工事管理支援装置は、前記制御部は、前記配信後、予め定められた管理者に前記配信が完了した旨を報知する配信完了メールを送信することを特徴とする。
【0021】
第8の態様によれば、管理者が、配信が完了したことを管理することが可能となる。
【0022】
第9態様に係る建設工事管理支援プログラムは、コンピュータを、第1態様~第8態様のいずれか1に記載の建設工事管理支援装置として機能させる。
【0023】
第9の態様によれば、建設工事の各工種で必要な情報を、必要な人に配信することが可能となり、自ら必要な情報を探す場合に比べ、業務効率を向上させることができる、建設工事管理支援プログラムを提供することができる。また、情報が見つけやすくなり、情報を有効活用することができる、建設工事管理支援プログラムを提供することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、建設工事の各工種で必要な情報を、必要な人に配信することが可能となり、自ら必要な情報を探す場合に比べ、業務効率を向上させることができる。また、情報が見つけやすくなり、情報を有効活用することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態に係る建設工事管理支援システムの概略構成図である。
図2】本発明の実施形態に係るクライアントの概略ブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係るサーバ装置の概略ブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係るサーバ装置のROM又はストレージの機能構成の例を示すブロック図である。
図5】本発明の実施形態に係る条件記憶部と配信記憶部との一例を示す説明図である。
図6】本発明の実施形態に係る宛先記憶部と仕分け記憶部との一例を示す説明図である。
図7】本発明の実施形態に係る条件記憶部に記憶されている条件の一例を示す説明図である。
図8】本発明の実施形態に係る情報毎の情報記憶部と該当する工種との一例を説明するための説明図である。
図9】本発明の実施形態に係る宛先記憶部に記憶されている宛先の一例を示す説明図である。
図10】本発明の実施形態に係る建設工事管理支援装置の機能構成の例を示すブロック図である。
図11】本発明の実施形態に係る情報の配信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本開示の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0027】
図1は、本実施形態に係る建設工事管理支援システム10の概略構成を示す図である。
【0028】
図1に示すように、建設工事管理支援システム10は、クライアント100と、建設工事管理支援装置(サーバ装置)200とが、ネットワークなどの通信手段に接続されて構成されている。なお、通信手段としては、後述するように、イントラネット、インターネットやイーサネット(登録商標)などの各種ネットワークを適用することができる。また、図1では、クライアント100を5台と、建設工事管理支援装置(サーバ装置)200を1台の例を示しているが、この数に限定するものではない。また、クライアント100は、建設工事管理支援システム10の管理者が使用するクライアント100と、作業所のユーザが使用するクライアント100と、を含む。ここで、建設工事管理支援システム10の管理者が使用するクライアント100は、本実施形態では、当該建設工事管理支援システム10の管理者が、後述する条件記憶部300や宛先記憶部310、情報記憶部320に記憶される情報の更新などを行うものである。また、作業所のユーザが使用するクライアント100は、本実施形態では、作業所のユーザが、後述する条件記憶部300の記憶される条件や宛先記憶部310に記憶される宛先の更新などを行うものである。また、建設工事管理支援装置(サーバ装置)200は、クラウドサーバであっても良い。
【0029】
図2は、クライアント100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0030】
図2に示すように、クライアント100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、ストレージ104、通信インタフェース105、入力部106および表示部107を有する。各構成は、バス108を介して相互に通信可能に接続されている。
【0031】
CPU101は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU101は、ROM102又はストレージ104からプログラムを読み出し、RAM103を作業領域としてプログラムを実行する。CPU101は、ROM102又はストレージ104に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM102又はストレージ104には、プログラム又はデータが格納されている。
【0032】
ROM102は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM103は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ104は、HDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
【0033】
通信インタフェース105は、建設工事管理支援装置(サーバ装置)200等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、例えば、イントラネット、インターネット、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0034】
入力部106は、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0035】
また、建設工事管理支援システム10の管理者が、入力部106を用いて建設工事管理支援装置(サーバ装置)200にアクセスし、条件記憶部300や宛先記憶部310、情報記憶部320に記憶される情報の更新などを行う。また、作業所のユーザが、入力部106を用いて建設工事管理支援装置(サーバ装置)200にアクセスし、条件記憶部300に記憶される条件や宛先記憶部310に記憶される宛先の更新や、配信部240により配信された情報の取得を行う。
【0036】
表示部107は、たとえば、液晶ディスプレイであり、CPU101の制御に基づき各種の情報を表示する。本実施形態では、表示部107は、情報の更新などの際に更新される情報を表示したり、配信部240により配信された情報を表示したりする。また、表示部107は、タッチパネル方式を採用して、入力部106として機能しても良い。
【0037】
図3は、建設工事管理支援装置(サーバ装置)200のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0038】
図3に示すように、建設工事管理支援装置(サーバ装置)200は、CPU201、ROM202、RAM203、記憶部(ストレージ)204、通信インタフェース205を有する。各構成は、バス206を介して相互に通信可能に接続されている。
【0039】
CPU201は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU201は、ROM202又は記憶部(ストレージ)204からプログラムを読み出し、RAM203を作業領域としてプログラムを実行する。CPU201は、ROM202又は記憶部(ストレージ)204に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM202又は記憶部(ストレージ)204には、プログラムと各種データベースが格納されている。
【0040】
ROM202は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM203は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。記憶部(ストレージ)204は、HDD又はSSDにより構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。かかるプログラムには、RPA(Robotic Process Automation)が含まれる。RPAは、技術情報の配信処理等を自動で行うように形成された所謂ソフトウェアロボットであり、後述の手順を自動的に実行するようにプログラムされたものである。
【0041】
通信インタフェース205は、クライアント100等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、例えば、イントラネット、インターネット、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0042】
なお、建設工事管理支援装置(サーバ装置)200には、その他、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードなどの、各種の入力を行うために使用される入力部や、液晶ディスプレイなどの、各種の情報を表示する表示部を備えても良い。
【0043】
建設工事管理支援装置(サーバ装置)200の記憶部(ストレージ)204には、図4に示すように、条件記憶部300、宛先記憶部310、情報記憶部320、仕分け記憶部330、配信記憶部340としての記憶領域を有し、各種データを格納する。
【0044】
なお、建設工事管理支援装置(サーバ装置)200は、1つの建設工事管理支援装置(サーバ装置)200の記憶部204に、これらの条件記憶部300、宛先記憶部310、情報記憶部320、仕分け記憶部330、配信記憶部340としての記憶領域を有する場合に限定されず、複数の建設工事管理支援装置(サーバ装置)200に分けて有するようにしても良い。
【0045】
条件記憶部300は、建設工事毎に、当該建設工事の各工種で参照される情報を配信する条件を記憶するものである。かかる条件に基づいて制御部210(図10参照)により配信が行われる。ここで、工種は、具体的な名称は図示していないが、「土工事」や「コンクリート工事」、「鉄筋工事」などが該当する。条件記憶部300は、具体的には、図5における「配信予定」フォルダが相当するが、これに限定されず、条件が記憶されるフォルダは特に限定されない。
【0046】
ここで、図7を用いて、条件記憶部300に記憶される情報ついて説明する。
図7は、工事コード「1000123」、プロジェクトコード「P140017」、工事名「○○ビル」(図9参照)の建設工事の条件記憶部300に記憶されている条件の一例を示す説明図である。配信の条件には、各工種で参照される情報毎の配信が実行されるタイミングが含まれる。すなわち、図7に示すように、例えば、工種A~Cは2020年4月に配信され、工種Dは2020年5月と6月に配信されるように条件が設定されている。かかる設定は、クライアント(作業所)100の入力部106を使用して、配信を望むユーザが行うものであるが、クライアント(管理者)100の入力部106を使用して建設工事管理支援システム10の管理者が行っても良い。ここで、図7の「○」は配信が実行されるタイミングであることを示しており、空欄は配信が実行されないことを示している。また、図7は、図5における「配信予定」フォルダに保存されている「情報配信予定表.xlsx」の一例である。
【0047】
そして、各工種で参照される情報は、図8に示すように、情報毎にどの工種で参照されるかが指定されている。例えば、「AAについて」という情報は、工種Bで参照されることが指定されており、「BBについて」という情報は、工種Aと工種Nとで参照されることが指定されている。
【0048】
ここで、図8の「○」は、各工種で参照されることが指定されていることを示しており、空欄は参照されないことを示している。具体的には、2020年4月に配信される情報は、工種A~Cで配信されることが指定されている「AAについて」、「BBについて」、「CCについて」、「DDについて」、「FFについて」、「LLについて」、「ZZについて」である。また、2020年5月に配信される情報は、工種Dで配信されることが指定されている「DDについて」、「GGについて」、「JJについて」、「ZZについて」である。かかる指定は、クライアント(管理者)100の入力部106を用いて、建設工事管理支援システム10の管理者が行うものであるが、クライアント(作業者)100の入力部106を用いて、配信を望むユーザが行っても良い。また、図8は、図6における「INPUT」フォルダに保存されている「情報シート.xlsx」の一例である。
【0049】
宛先記憶部310は、建設工事毎に情報を配信する宛先としてメールアドレスを記憶するものである。
ここで、図9A図9Bを用いて、宛先記憶部310に記憶される情報について説明する。
【0050】
図9Aは、宛先記憶部310に記憶されている情報の一例を示す説明図である。例えば、工事コード「1000123」、プロジェクトコード「P140017」、工事名「○○ビル」では、メールアドレス「xxx@aaa.co.jp」、「yyy@aaa.co.jp」、「vvv@aaa.co.jp」に情報を配信することが記憶されている。かかるメールアドレスの入力は、クライアント(作業所)100の入力部106を用いて、配信を望むユーザが行うものであるが、予め定められた人物については、制御部210が、別途記憶されているアドレス帳から当該予め定められた人物のアドレスを抽出し、宛先に追加することが可能である。すなわち、予め定められた人物、例えば、作業所長やグループリーダーなどは、初期設定としてユーザが宛先に追加する作業をすることなく、宛先に追加することが可能となり、配信する必要がある人物について漏れることなく、配信を行うことが可能となる。また、図9A図6における「INPUT」フォルダに保存されている「工事コード一覧.xlsx」の一例である。また、宛先記憶部310は、具体的には、図6における「INPUT」フォルダが相当するが、これに限定されず、宛先が記憶されるフォルダは特に限定されない。
【0051】
なお、複数の建設工事の宛先を1つの表で管理すると、宛先の管理や、宛先の入力がし難いため、図9Bに示すように、建設工事毎に表を用意し、クライアント(作業所)100の入力部106を用いて、図9Bに示す表に入力し、建設工事管理支援システム10の管理者が図9Aに示す表に入力し直したり、RPAが図9Bに示す表から図9Aに示す表に入力したりしても良い。
【0052】
情報記憶部320は、配信される情報を記憶するものである。本実施形態では、イントラネット上の建設工事管理支援装置(サーバ装置)200の所定フォルダに記憶されており、図8に示すように当該イントラネット上のURLで特定されている。かかるURLは建設工事管理支援システム10の管理者によりメンテナンスされており、情報が移動した場合、削除された場合、ファイル名が変更された場合など、適宜変更されている。
【0053】
また、情報記憶部320に記憶される情報は、各情報担当者によって必要に応じて更新が可能なものである。そのため、後述するように、配信部240は、配信時の更新の日時が最新の情報を配信する。
【0054】
仕分け記憶部330は、後述する仕分け部220により仕分けられた情報が記憶されるものである。
ここで、図6を用いて、仕分け記憶部330について説明する。
図6は、仕分け記憶部330の一例を示す説明図である。仕分け記憶部330は、建設工事毎に対応したフォルダ、本実施形態では、イントラネット上の建設工事管理支援装置(サーバ装置)200の所定フォルダが指定されている。具体的には、プロジェクトコード毎に、フォルダが分けられている。例えば、プロジェクトコード「P140017」に関する配信は、「P140017」フォルダの下層に作成されるフォルダに配信される。そして、各プロジェクトコードのフォルダの下層に、工種毎のフォルダが作成される。また、かかる工種毎のフォルダは、後述する仕分け部220により作成される。
【0055】
かかる工種毎のフォルダについて具体的に説明する。具体的には、「情報シート.xlsx」に登録されている全ての情報が工種毎に仕分けられ、記憶される。例えば、工種Aのフォルダに、工種Aで配信されることが指定されている「BBについて」、「FFについて」、「ZZについて」が工種Aのフォルダに仕分けられ、記憶される。また、工種Bで配信されることが指定されている「AAについて」、「CCについて」、「ZZについて」が工種Bのフォルダに仕分けられ、記憶される。そして、かかる仕分けと記憶が、全ての工種(工種A~工種N)について行われる。また、かかる仕分けの際に、後述するリネーム部230によりファイル名の変更が行われる。すなわち、例えば「AAについて」というファイル名は、元々は「aa」というファイル名であるが(図8のURL参照)、作業所のユーザが分かり難いため、ファイル名を変更するようにしている。
【0056】
なお、全ての工種について仕分けと記憶が行われる場合に限定されず、条件記憶部300により当該月に配信されることが指定されている情報のみを抽出して、仕分けるようにしても良い。例えば、2020年4月であれば、工種A~Cで配信されることが指定されている情報のみを抽出して仕分けるようにしても良い。また、仕分け記憶部330を設けず、条件記憶部300により当該月に配信されることが指定されている情報を抽出して仕分け部220による仕分けとリネーム部230によるリネームとを行った後、配信記憶部340に記憶させるようにしても良い。
【0057】
配信記憶部340は、後述する配信部240により配信された情報が記憶されるものである。
【0058】
ここで、図5を用いて、配信記憶部340について説明する。
図5は、配信記憶部340の一例を示す説明図である。配信記憶部340は、建設工事毎に対応したフォルダ、本実施形態では、イントラネット上の建設工事管理支援装置(サーバ装置)200の所定フォルダが指定されている。具体的には、プロジェクトコード毎に、フォルダが分けられている。例えば、プロジェクトコード「P140017」に関する配信は、「P140017」フォルダの下層に作成されるフォルダに配信され、「P140018」に関する配信は、「P140018」フォルダの下層に作成されるフォルダに配信される。そして、各プロジェクトコードのフォルダの下層に、配信月フォルダが各月に作成される。例えば、「P140017」フォルダの下層に「配信月フォルダ(202000401分)」というフォルダが作成される。また、「配信月フォルダ」の下層に、工種毎のフォルダが作成される。また、かかる「配信月フォルダ」は、後述する配信部240により作成される。
【0059】
かかる工種毎のフォルダについて具体的に説明する。
上述したように、仕分け部220により仕分けられ、工種毎に仕分けられた後、仕分け記憶部330に記憶された情報が、配信部240によりプロジェクト毎に条件記憶部300の当該月配信予定が参照されて、配信記憶部340にコピーされ、記憶される。
【0060】
具体的には、上述したように、工事名「○○ビル」において、2020年4月に配信される情報は、工種A~Cで配信されることが指定されている「AAについて」、「BBについて」、「CCについて」、「DDについて」、「FFについて」、「LLについて」、「ZZについて」であり、かかる情報を工種毎、例えば、「配信月フォルダ(20200401分)」の下層に作成される「工種A」フォルダに「BBについて」、「FFについて」、「ZZについて」を、「工種B」フォルダに「AAについて」、「CCについて」、「ZZについて」を、「工種C」フォルダに「DDについて」、「LLについて」、「ZZについて」をそれぞれ記憶させる。かかる工種毎のフォルダは、配信が進むにつれて、「配信月フォルダ(20200501分)」、「配信月フォルダ(20200601分)」と増加していく。
【0061】
建設工事管理支援装置(サーバ装置)200は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。建設工事管理支援装置(サーバ装置)200が実現する機能構成について説明する。
【0062】
図10は、建設工事管理支援装置(サーバ装置)200の機能構成の例を示すブロック図である。
【0063】
図10に示すように、建設工事管理支援装置(サーバ装置)200は、機能構成として、制御部210を備え、制御部210は、仕分け部220、リネーム部230、配信部240を有する。各機能構成は、CPU201がROM202又は記憶部(ストレージ)204に記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0064】
制御部210は、建設工事管理支援装置(サーバ装置)200をそれぞれの手段として機能させるためのソフトウェア(コンピュータ・プログラム)であり、本実施形態では、RPAプログラムである。
【0065】
また、本実施形態では、仕分け部220とリネーム部230との機能を第1RPAが実行し、配信部240の機能を第2RPAが実行する。なお、第1RPAと第2RPAに分けず、1つのRPAが実行するようにしても良い。
【0066】
仕分け部220は、情報記憶部320から情報を取得し、取得した情報を工種毎に仕分けるものである。具体的には、工種毎に、図8に示す「○」が付いている情報をフィルタリングして抽出する。抽出した情報のURLをたどって当該情報のファイルをコピーして収集し、仕分け記憶部330の工種毎のフォルダに記憶する。ここで、仕分け部220による仕分けは、配信部240による配信の事前、例えば配信の当日の午前中や1日前などに実行されるようにしている。
【0067】
リネーム部230は、ファイル名を変更(リネーム)するものである。具体的には、リネームは、仕分け部220が仕分けした情報のファイルを仕分け記憶部330の工種毎のフォルダに記憶する際に、図8に示す情報の「資料名」「NO」「タイトル」欄に記載されている情報にリネームする。
【0068】
なお、リネームのタイミングは、仕分け部220が仕分けした情報のファイルを工種毎のフォルダに記憶する際に行われる場合に限定されず、他のタイミング、例えば、後出する配信部240が、配信記憶部340に情報をコピーする際に行われても良い。また、リネームは、図8に示す「資料名」「NO」「タイトル」欄に記載されている情報にリネームする場合に限定されず、「資料名」「NO」「タイトル」欄に記載されている情報のいずれか1つであっても良いし、又、他から取得する情報にリネームしても良い。
【0069】
配信部240は、宛先記憶部310に記憶された宛先に建設工事の各工種で参照される情報を配信するものである。配信は、建設工事毎に対応した配信記憶部340に、仕分け記憶部330から取得した情報を記憶し、当該記憶された配信記憶部340のアドレスを報知するメールを送信することにより行われる。
【0070】
また、配信は、図9Aから、情報配信対象プロジェクトのプロジェクトコードを参照し、当該プロジェクトコードのプロジェクトフォルダ内の条件記憶部300に記憶されている、当該プロジェクトの当該月情報配信対象工種に該当する工種の情報を、仕分け記憶部330から配信記憶部340にコピーすることで、工種毎に分けて行われる。
【0071】
また、配信される情報は、当該配信時の更新の日時が最新の情報を配信する。
ここで、配信は、本実施形態では、条件記憶部300に記憶されたタイミングの月の月初(1日)に実行されるようにしているが、これに限定されず、他のタイミングであっても良い。また、複数の建設工事が進行中である場合は、各建設工事で配信のタイミングをずらすことで制御部210の負荷を軽減するようにしても良い。
【0072】
また、配信部240は、配信後、予め定められた管理者、例えば、建設工事管理支援システム10の管理者に配信が完了した旨を報知する配信完了メールを送信するようにしている。
【0073】
その他、制御部210は、配信が種々のエラーにより完了できなかった場合は、建設工事管理支援システム10の管理者などの予め定められた宛先に、メールを送信し、エラーが発生していることを報知するようにしている。また、建設工事管理支援システム10の予め定められたフォルダ「OUTPUT」(図6参照)に、配信のログを記憶するようにしている。なお、配信のログは「OUTPUT」フォルダに記憶される場合に限定されず、他のフォルダであっても良い。
【0074】
次に、建設工事管理支援装置(サーバ装置)200の作用について説明する。
【0075】
図11は、建設工事管理支援装置(サーバ装置)200による配信処理の流れを示すフローチャートである。CPU201がROM202又は記憶部(ストレージ)204からプログラムを読み出して、RAM203に展開して実行することにより、配信処理が行なわれる。
【0076】
まず、CPU201(仕分け部220)により、ステップS100において、配信のタイミングである月初(1日)であるか否かが判定される。月初(1日)であると判定された場合は、次のステップS101に進む。一方、月初(1日)であると判定されない場合は、再度、ステップS100となる。
【0077】
ステップS101において、CPU201(仕分け部220)により、情報記憶部320から情報が取得される。そして、次のステップS102に進む。
【0078】
ステップS102において、CPU201(仕分け部220)により、ステップS101において取得された情報が工種毎に仕分けられる。そして、次のステップS103に進む。
【0079】
ステップS103において、CPU201(リネーム部230)により、ステップS102において仕分けられた情報がリネームされる。そして、次のステップS104に進む。
【0080】
ステップS104において、CPU201(配信部240)により、ステップS103においてリネームされた情報が、条件記憶部300に記憶された条件に従って、配信記憶部340に記憶される。そして、次のステップS105に進む。
【0081】
ステップS105において、CPU201(配信部240)により、配信記憶部340のアドレスが記載されたメールを宛先記憶部310により記憶された宛先に送信する。そして、次のステップS106に進む。
【0082】
ステップS106において、CPU201(配信部240)により、管理者に配信完了メールが送信される。そして、処理を終了する。
【0083】
なお、上記実施形態でCPU201がソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した処理を、CPU201以外の各種のプロセッサが実行しても良い。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、各処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0084】
また、上記実施形態では、各処理のプログラムがROM202又は記憶部(ストレージ)204に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としても良い。
【0085】
(変形例)
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0086】
建設工事管理支援装置(サーバ装置)200の記憶部204に、工程表記憶部を更に備えても良い。かかる工程表記憶部は、建設工事の施工計画に基づいて作成され、各工程に前記工種が対応づけられた工程表を記憶するものである。かかる変形例の制御部210は、工程表が作成されると、各工程の境目である工程線をオブジェクト情報として認識し、工程表から各工種で参照される情報毎の配信が実行されるタイミングを取得する。そして、制御部210は、取得したタイミングを、「情報配信予定表.xlsx」(図7参照)に初期設定として「○」を付ける。これにより、工程表を読み込めば、情報の配信タイミングが取得されるため、情報の配信時期を入力する手間を省くことが可能となる。
【符号の説明】
【0087】
10 建設工事管理支援システム
100 クライアント
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 ストレージ
105 通信インタフェース
106 入力部
107 表示部
108 バス
200 建設工事管理支援装置(サーバ装置)
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 記憶部
205 通信インタフェース
206 バス
210 制御部
220 仕分け部
230 リネーム部
240 配信部
300 条件記憶部
310 宛先記憶部
320 情報記憶部
330 仕分け記憶部
340 配信記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11