(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】手術ロボットで案内されたプロテーゼ嵌入のためのエンドエフェクタおよびシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 34/30 20160101AFI20240821BHJP
A61B 34/10 20160101ALI20240821BHJP
A61F 2/46 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
A61B34/30
A61B34/10
A61F2/46
(21)【出願番号】P 2020540584
(86)(22)【出願日】2019-01-25
(86)【国際出願番号】 US2019015165
(87)【国際公開番号】W WO2019147948
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2022-01-21
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507280594
【氏名又は名称】マコ サージカル コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ボウリング,デイヴィッド・ジーン
(72)【発明者】
【氏名】シールズ,ポール
(72)【発明者】
【氏名】オカル,ラリー・ディ
(72)【発明者】
【氏名】ケリー,パトリック・シー
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ,クリストファー・ダブリュー
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0082462(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0145340(US,A1)
【文献】国際公開第2016/112276(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0152871(US,A1)
【文献】特表2019-533491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/00 - 34/37
A61F 2/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術部位で寛骨臼カップを含むプロテーゼの嵌入を支援する手術ロボットのエンドエフェクタであって、
嵌込力を受けるように配置されたヘッドと、前記プロテーゼに着脱可能に取り付けられるように適合されたインターフェースと、前記ヘッドと前記インターフェースとの間でインパクタ軸に沿って延びかつ第1の外周を有する円筒状のシャフトと、前記ヘッドと前記インターフェースとの間で前記シャフトに結合されかつ前記第1の外周よりも大きい第2の外周を有しかつ前記第2の外周上にインパクタ係合面を画定するフランジと、
前記フランジと前記シャフトとの間で軸方向に画定されたテーパと、を備えるインパクタアセンブリと、
前記手術ロボットに取り付けられるように適合されたガイドであって
、ガイド軸に沿って延びるチャネルを備え、前記チャネルは、前記インパクタアセンブリの前記シャフトを、前記ガイド軸を横切る方向から受け入れるように配置された開口部を画定するとともに、
前記テーパに当接して前記フランジを前記チャネル内に導くガイド係合面を有しており、前記チャネルは、前記チャネルに対する前記インパクタアセンブリの横方向の動きを拘束すべく前記インパクタ係合面と係合し、前記インパクタ軸と前記ガイド軸
との位置合わせを維持するように構成されている
、ガイドと、
を備える、エンドエフェクタ。
【請求項2】
前記チャネルとの前記インパクタアセンブリの係合を検知するために前記ガイドに結合されたセンサをさらに備え、
前記ガイドの前記チャネルが、前記チャネルの第1端に配置された第1の軸方向チャネル端部と前記チャネルの第2端に配置された第2の軸方向チャネル端部との間に延び、
前記センサが、前記第1の軸方向チャネル端部と前記第2の軸方向チャネル端部との間での前記インパクタアセンブリの相対軸方向位置を検知するようにさらに構成される、
請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項3】
前記ガイドに結合され、前記センサと共に配設され、前記ガイド係合面に突出した突出位置と、前記ガイド係合面から退避した後退位置との間で移動可能であり、かつ、突出方向に付勢されており、前記インパクタアセンブリとの係合の不在によって前記突出位置に突出し、前記インパクタアセンブリの前記フランジとの係合によって前記後退位置に後退するように構成されるトリガをさらに備え、
前記トリガと前記センサとの間の力変換可能に介挿され、前記突出位置から離れる前記トリガの動きに応答して前記センサに係合するプッシュロッドをさらに備える、請求項2に記載のエンドエフェクタ。
【請求項4】
前記チャネルの内面は、前記ガイド軸の周りに円弧状プロファイルを有し、
前記センサが、前記チャネルに隣接する前記ガイドに結合された線形可変差動変圧器(LVDT)コイルアセンブリを備え、
前記LVDTコイルアセンブリが、前記ガイド軸の周りで前記開口部に向かって延びる円弧状プロファイルを有する少なくとも1つのコイルを含む、請求項2に記載のエンドエフェクタ。
【請求項5】
前記ガイドの前記開口部は、前記ガイドが前記フランジと前記インパクタアセンブリの前記インターフェースとの間に軸方向に配向されるとき、前記インパクタアセンブリの前記シャフトが前記開口部を通過できるように設けられる、請求項1~4の何れか一項に記載のエンドエフェクタ。
【請求項6】
前記ガイドは、前記ガイド係合面が前記インパクタ係合面に当接したときに前記フランジに接触するように配置された1対の円弧状表面を備える、請求項5に記載のエンドエフェクタ。
【請求項7】
前記チャネルが、略C字形プロファイルを有する、請求項1~
6の何れか一項に記載のエンドエフェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本特許出願は、2018年1月26日に提出された米国仮特許出願第62/622,303号の優先権およびすべての利益を主張するものであり、その米国仮特許出願の開示全体を参照により本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
手術ロボットは、医療専門家が様々な従来の手術処置を実施するのを支援するためによく使用される。この目的で、外科医は、手術ロボットを使用して、手術中に様々なツール、構成要素、プロテーゼなどの案内、位置決め、移動、作動、または他の操作を行うことができる。
【0003】
手術ロボットは、外科医がいくつか異なるタイプの手術処置を実施するのを支援するために使用することができ、患者の可動性を向上させ、痛みを軽減する助けとするために、変性した関節の矯正、切除、または置換を含む処置で一般的に使用されることが理解されるだろう。例示的な例として、股関節置換術では、外科医は、患者の股関節の一部を人工補綴構成要素で置き換える。この目的で、人工股関節全置換術において、外科医は通常、患者の大腿骨の一部を除去して、ヘッドを備える人工大腿骨構成要素を収容し、リーマを用いて骨盤の寛骨臼の表面を再表面化して、人工大腿骨構成要素のヘッドを受け入れるように形作られた寛骨臼カップの設置を容易にする。
【0004】
実施される特定の手順に応じて、手術ロボットを使用して、例えば、外科医が手術部位に近づき、関節および/または骨の一部を除去し、プロテーゼ構成要素を設置するのを助けることができる。例えば、骨盤の寛骨臼に寛骨臼カップを設置するために、外科医はカップをインパクタツールに接続して、(例えば、マレットを用いて)インパクタツールを叩いて力を加えることによって、リーミングされた寛骨臼にカップを嵌め込む。カップの設置を容易にするために、手術ロボットは、インパクタツールを手術部位に対して位置合わせして保つ助けとなり、外科医は、嵌入中にカップの軌跡および深さを詳細に監視して、リーミングされた寛骨臼へのカップの適切な位置合わせを保証する。ここで、寛骨臼のリーミングは、一般に、カップの所期の位置を画定し、これは次いで嵌入の軌跡を画定する。
【0005】
プロテーゼ構成要素、嵌入ツール、および手術ロボットの構成によっては、カップの適切な嵌込みの保証は、手術部位への可視性がないことおよびアクセスが限られていることによって複雑になる可能性がある。さらに、設定された軌道を維持することは、特定の手法および手術技法では困難であり得て、不適切な位置合わせおよび/または嵌込力の印加により、カップまたは他のプロテーゼ構成要素の位置ずれが生じることが多い。さらに、手術ロボットは通常、嵌入中の軌道に対するインパクタツールの動きを制約するので、インパクタツールに結合されたカップをリーミングされた寛骨臼に近づけるには、時として、手術ロボットおよび/または患者の身体を繰り返し位置決めし直す必要があり得て、露出された手術部位を外科医が拡大することが必要であり得て、および/または外科医がインパクタツールおよび/または手術ロボットの一部を分解してインパクタツールを軌道に位置合わせするのを容易にすることが必要であり得る。
【0006】
したがって、当技術分野において、これらの欠陥の1つまたは複数に対処する必要性がある。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、手術ロボットによって維持される軌道に沿って手術部位でプロテーゼを嵌入するためのエンドエフェクタであって、インパクタアセンブリおよびガイドを有するエンドエフェクタを提供する。インパクタアセンブリは、嵌込力を受けるように配置されたヘッド、プロテーゼに着脱可能に取り付けるように適合されたインターフェース、ヘッドとインターフェースとの間でインパクタ軸に沿って延びるシャフト、およびヘッドとインターフェースとの間に配設されたインパクタ係合面を有する。ガイドは、手術ロボットに取り付けられるように適合され、ガイド軸に沿って延び、インパクタアセンブリのシャフトの一部を受け入れるように配置された開口部を画定するチャネルと、インパクタ係合面に当接するように形作られたガイド係合面と、インパクタ係合面とガイド係合面との当接を維持し、軸線と手術ロボットによって維持される軌道との同軸位置合わせを容易にするリミッタとを有する。
【0008】
本開示はまた、手術ロボットによって維持される軌道に沿ってターゲットにワークピースを位置決めするためのエンドエフェクタであって、第1のアセンブリおよび第2のアセンブリを有するエンドエフェクタを提供する。第1のアセンブリは、近位端と、ワークピースに着脱可能に取り付けられるように適合されたインターフェースを有する遠位端と、近位端と遠位端との間で第1の軸線に沿って延びるシャフトと、近位端と遠位端との間に配設された第1の係合面とを有する。第2のアセンブリは、手術ロボットに取り付けられるように適合されたマウントと、チャネルが第2の軸線に沿って延びた状態でマウントに動作可能に取り付けられるガイドとを有する。チャネルは、第1のアセンブリのシャフトの一部を受け入れるように配置された開口部を画定する。ガイドは、第2の係合面およびリミッタも有する。第2の係合面は、第1の係合面に当接するように形作られている。リミッタは、第1の係合面と第2の係合面との当接を維持し、手術ロボットによって維持される軌道との軸線の同軸位置合わせを容易にする。
【0009】
本開示はまた、軌道の方向に延びる開口部によって境界を画されたガイド係合面を画定するC字形チャネルを有するガイドを有する、手術ロボットによって維持される軌道に沿ってプロテーゼを嵌入するのに使用するためのインパクタアセンブリを提供する。インパクタアセンブリは、嵌込力を受けるように配置されたヘッドと、プロテーゼに着脱可能に取り付けるように適合されたインターフェースとを有する。シャフトは、ヘッドとインターフェースとの間のインパクタ軸に沿って延び、ガイドの開口部を通過するように形作られている。フランジは、ヘッドとインターフェースとの間でシャフトに結合され、ガイド係合面に当接して回転可能に係合するように形作られたインパクタ係合面を画定して、ガイドに対するインパクタアセンブリの回転を同時に可能にし、手術ロボットによって維持される軌道とのインパクタ軸の同軸位置合わせを容易にする。
【0010】
本開示はまた、手術ロボットによって維持される軌道に沿ってインパクタアセンブリを支持するように構成された手術ロボットに取り付けるように適合されたガイドであって、インパクタアセンブリが、プロテーゼを嵌入するように適合され、インパクタ係合面と、インパクタ軸に沿って延びるシャフトとを有する、ガイドを提供する。ガイドは、手術ロボットに取り付けられるように適合されたマウントと、チャネルがガイド軸に沿って延びた状態でマウントに動作可能に取り付けられる本体とを有する。チャネルは開口部を画定し、開口部は、そこを通してインパクタアセンブリのシャフトの一部を受け入れるように配置される。ガイドは、ガイド係合面およびリミッタも有する。ガイド係合面は、インパクタ係合面に当接するように形作られている。リミッタは、インパクタ係合面とガイド係合面との当接を維持し、ガイド軸とインパクタ軸および手術ロボットによって維持される軌道との同軸位置合わせを容易にする。
【0011】
本開示はまた、手術ロボットによって維持される軌道に沿ってターゲットにワークピースを位置決めするためのエンドエフェクタであって、第1のアセンブリおよび第2のアセンブリを有するエンドエフェクタを提供する。第1のアセンブリは、近位端と、ワークピースに着脱可能に取り付けられるように適合されたインターフェースを有する遠位端と、近位端と遠位端との間で第1の軸線に沿って延びるシャフトと、近位端と遠位端との間に配置され、第1の係合面を画定するフランジとを有する。第2のアセンブリは、手術ロボットに取り付けられるように適合されたマウントと、マウントに動作可能に取り付けられたガイドとを有し、チャネルが、第1および第2の軸方向チャネル端部の間で第2の軸線に沿って延び、第1の係合面に当接するように形作られた第2の係合面を画定する。チャネルはまた、第1のアセンブリのシャフトの一部を受け入れるように配置された開口部を画定する。ガイドはまた、第1の係合面と第2の係合面との当接を維持し、手術ロボットによって維持される軌道との軸線の同軸位置合わせを容易にするリミッタを有する。センサは、第1のチャネル端部と第2のチャネル端部との間でフランジの相対軸方向位置を検知するためにガイドに結合される。センサは、線形可変差動変圧器(LVDT)コイルアセンブリを有し、少なくとも1つのコイルがガイド軸の周りを開口部に向かって延びている。
【0012】
本開示はまた、手術ロボットによって維持される軌道に沿って手術部位でプロテーゼを嵌入する方法を提供する。この方法は、ヘッドと、インターフェースと、ヘッドとインターフェースとの間でインパクタ軸に沿って延びるシャフトと、インパクタ係合面とを有するインパクタアセンブリを提供するステップと、ガイド軸に沿って延び、開口部と、ガイド係合面と、リミッタとを画定するチャネルを有するガイドを提供するステップとを含む。この方法はまた、プロテーゼを手術部位に配置するようにインパクタアセンブリを位置決めするステップと、ガイドの開口部を通してチャネルにインパクタアセンブリのシャフトを位置決めするステップと、インパクタアセンブリのインパクタ係合面を、ガイドのガイド係合面に当接させるステップと、インパクタアセンブリに対してガイドのリミッタを動かして、インパクタ係合面とガイド係合面との当接を維持するステップとを含む。この方法はまた、インパクタ軸とガイド軸を、手術ロボットによって維持される軌道と同軸に位置合わせするステップと、インパクタアセンブリのヘッドに嵌込力を加えて、手術ロボットによって維持される軌道に沿って手術部位でプロテーゼを嵌入するステップとを含む。
【0013】
添付図面と併せて後の記述を読めば、本開示の実施形態の他の特徴および利点がより良く理解され、より容易に把握されよう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】手術ロボットと、ナビゲーションシステムと、手術ロボットによって維持される軌道に沿って手術部位でプロテーゼを嵌入するためのエンドエフェクタとを備える手術システムの斜視図であって、エンドエフェクタは、プロテーゼに結合され、手術ロボットに取り付けられたガイドによって軌道に沿って支持されたインパクタアセンブリを有するものとして示されている図である。
【
図2】プロテーゼから離間されて示されている
図1のインパクタアセンブリの分解斜視図である。
【
図3】ガイドがインパクタアセンブリを支持し、プロテーゼがインパクタアセンブリに取り付けられた状態で示されている
図1のエンドエフェクタの斜視図である。
【
図4】
図3のエンドエフェクタおよびプロテーゼの側面図である。
【
図5A】
図4の5A-5A線に沿った断面図である。
【
図5B】
図4の5B-5B線に沿った断面図である。
【
図8A】
図3~5Bのエンドエフェクタおよびプロテーゼの斜視図であって、プロテーゼが、全般的に例示された手術部位に配置され、インパクタアセンブリが、プロテーゼに取り付けられてガイドから離れるように関節運動された状態で示されている図である。
【
図8B】インパクタアセンブリがガイド内に関節運動された状態で示されている、
図8Aのエンドエフェクタ、プロテーゼ、および手術部位の別の斜視図である。
【
図8C】
図8A~8Bのエンドエフェクタ、プロテーゼ、および手術部位の別の斜視図であって、ガイドが軌道に沿ってインパクタアセンブリと係合するように動かされてインパクタアセンブリを支持した状態で示されている図である。
【
図9A】
図8A~8Cのプロテーゼおよびエンドエフェクタの例示的な概略図であって、ガイドが、手術部位と位置合わせされたガイド軸を画定し、軌道に沿って動くように配置された状態で、かつ、インパクタアセンブリが、プロテーゼに取り付けられ、手術部位とガイドとの両方から離間された状態で示されている図である。
【
図9B】
図9Aのエンドエフェクタ、プロテーゼ、および手術部位の別の例示的な概略図であって、プロテーゼおよびインパクタアセンブリが手術部位に隣接して位置決めされた状態で示されている図である。
【
図9C】
図9A~9Bのエンドエフェクタ、プロテーゼ、および手術部位の別の例示的な概略図であり、プロテーゼが手術部位に位置決めされた状態で示されている図である。
【
図9D】
図9A~9Cのエンドエフェクタ、プロテーゼ、および手術部位の別の例示的な概略図であって、プロテーゼとインパクタアセンブリとが関節運動されてガイド内に一部入った状態で示されている図である。
【
図9E】
図9A~9Dのエンドエフェクタ、プロテーゼ、および手術部位の別の例示的な概略図であって、プロテーゼとインパクタアセンブリとがさらにガイド内へ関節運動された状態で示されている図である。
【
図9F】
図9A~9Eのエンドエフェクタ、プロテーゼ、および手術部位の別の例示的な概略図であって、ガイドが軌道に沿って手術部位から離れるように動かされて、インパクタアセンブリのテーパと係合した状態で示されている図である。
【
図9G】
図9A~9Fのエンドエフェクタ、プロテーゼ、および手術部位の別の例示的な概略図であって、ガイドが軌道に沿って手術部位からさらに離れるように動かされて、インパクタアセンブリのフランジと係合した状態で示されている図である。
【
図9H】
図9A~9Gのエンドエフェクタ、プロテーゼ、および手術部位の別の例示的な概略図であって、ガイドが軌道に沿って手術部位からさらに離れるように動かされて、インパクタアセンブリのフランジが、ガイドに結合されたセンサに隣接した状態で示されている図である。
【
図9I】
図9Hのエンドエフェクタ、プロテーゼ、および手術部位の代替の例示的な概略図である。
【
図9J】
図8A~8Cのプロテーゼおよびエンドエフェクタの例示的な概略図であって、ガイド軸を画定するガイドが、軌道を画定する手術部位から離間され、手術部位との同軸位置合わせから外れた状態で、かつ、インパクタアセンブリが、プロテーゼに取り付けられ、ガイド軸および軌道の両方との同軸位置合わせから外れて離間されたインパクタ軸を画定する状態で示されている図である。
【
図9K】
図9Jのエンドエフェクタ、プロテーゼ、および手術部位の別の例示的な概略図であって、インパクタアセンブリが関節運動されてガイド内に一部入った状態で示されている図である。
【
図9L】
図9J~9Kのエンドエフェクタ、プロテーゼ、および手術部位の別の例示的な概略図であって、ガイドが、手術部位から離れるように動かされ、インパクタアセンブリのフランジに係合し、ガイド軸が軌道Tとの同軸位置合わせから外れた状態で示されている図である。
【
図9M】
図9J~9Lのエンドエフェクタ、プロテーゼ、および手術部位の別の例示的な概略図であって、ガイドがさらに動かされ、軌道に対して関節運動されて、インパクタ軸およびガイド軸を軌道と同軸位置合わせした状態で示されている図である。
【
図9N】
図9J~9Mのエンドエフェクタ、プロテーゼ、および手術部位の別の例示的な概略図であって、ガイドが動かされて関節運動されて、インパクタ軸をガイド軸および軌道と同軸位置合わせして位置決めした状態で示されている図である。
【
図10】プロテーゼが取り付けられるインパクタアセンブリを支持するガイドを有して示されている、本開示によるエンドエフェクタの別の実施形態の斜視図である。
【
図11】
図10のエンドエフェクタおよびプロテーゼの側面図である。
【
図15A】
図10~12Bのエンドエフェクタおよびプロテーゼの斜視図であって、プロテーゼが、全般的に例示された手術部位に配置され、インパクタアセンブリが、プロテーゼに取り付けられてガイドから離れるように関節運動された状態で示されている図である。
【
図15B】
図15Aのエンドエフェクタ、プロテーゼ、および手術部位の別の斜視図であって、インパクタアセンブリがガイドに関節運動された状態で示されている図である。
【
図15C】
図15A~15Bのエンドエフェクタ、プロテーゼ、および手術部位の別の斜視図であって、インパクタアセンブリが関節運動されて、インパクタアセンブリと係合し、軌道に沿ってインパクタアセンブリを支持した状態で示されている図である。
【
図16A】本開示によるインパクタアセンブリの別の実施形態の斜視図であって、インパクタアセンブリがプロテーゼから離間されて示されている図である。
【
図17】本開示によるエンドエフェクタのさらに別の実施形態の斜視図であって、
図16A~16Bのインパクタアセンブリを支持するガイドを備え、プロテーゼがインパクタアセンブリに取り付けられた状態で示されている図である。
【
図18B】チャネルを画定する本体を備え、本体がフォロワサブアセンブリ、センササブアセンブリ、および入力モジュールから離間された状態で示されている、
図17~18Aのガイドの分解斜視図である。
【
図19B】
図19Aのフォロワサブアセンブリの分解斜視図であって、第1および第2のプッシュロッドを動かすように配置された第1および第2のトリガを備えて示されている図である。
【
図20】
図17~18Bのエンドエフェクタのガイドの上面図である。
【
図22A】
図17のプロテーゼおよびエンドエフェクタの例示的な概略図であって、インパクタアセンブリが、シャフトと、軌道に沿った嵌入のために手術部位に配置されたプロテーゼに取り付けられたインターフェースとを備え、ガイドのチャネルが、ガイド軸を画定し、ガイド軸が軌道に平行に配置された状態でインパクタアセンブリから離間された状態で示されている図である。
【
図22B】
図22Aの手術部位、プロテーゼ、およびエンドエフェクタの別の例示的な概略図であって、ガイドがインパクタアセンブリに向けて動かされて、ガイドのチャネル内にインパクタアセンブリのシャフトを入れた状態で、かつガイド軸が軌道と同軸位置合わせされた状態で示されている図である。
【
図22C】
図22A~22Bの手術部位、プロテーゼ、およびエンドエフェクタの別の例示的な概略図であって、ガイドが、軌道に沿って手術部位から離れるように動かされ、チャネルが、シャフトに隣接するインパクタアセンブリのフランジに係合し、フランジがまた、フォロワサブアセンブリの第1のトリガに対して係合して、第1のプッシュロッドをセンササブアセンブリの第1のプッシュロッドセンサに向けて並進した状態で示されている図である。
【
図22D】
図22A~22Cの手術部位、プロテーゼ、およびエンドエフェクタの別の例示的な概略図であって、ガイドが、軌道に沿って手術部位からさらに離れるように動かされ、フランジが、チャネルおよび第1のトリガに依然として係合しており、フランジがまた、フォロワサブアセンブリの第2のトリガに対して係合して、第2のプッシュロッドをセンササブアセンブリの第2のプッシュロッドセンサに向けて並進した状態で示されている図である。
【
図22E】
図22A~22Dの手術部位、プロテーゼ、およびエンドエフェクタの別の例示的な概略図であって、ガイドが軌道に沿って手術部位からさらに離れるように動かされ、フランジがチャネル、第1のトリガ、および第2のトリガと依然として係合しており、インパクタアセンブリのフランジがガイドのチャネルの垂直中心に配設された状態で示されている図である。
【
図22F】
図22A~22Eの手術部位、プロテーゼ、およびエンドエフェクタの別の例示的な概略図であって、ガイドが軌道に沿って手術部位からさらに離れるように動かされ、フランジがチャネル、第1のトリガ、および第2のトリガと依然として係合した状態で示されている図である。
【
図22G】
図22A~22Fの手術部位、プロテーゼ、およびエンドエフェクタの別の例示的な概略図であって、ガイドが軌道に沿って手術部位からさらに離れるように動かされ、フランジがチャネルおよび第2のトリガと依然として係合しており、フランジが第2のトリガと係合解除して配設された状態で示されている図である。
【
図22H】
図22A~22Gの手術部位、プロテーゼ、およびエンドエフェクタの別の例示的な概略図であって、ガイドが軌道に沿って手術部位からさらに離れるように動かされ、フランジがチャネル内に一部配設され、フランジが、第1および第2のトリガと係合解除して配設された状態で示されている図である。
【
図23】
図22A~22Hに示される第1および第2のトリガの相対状態に対応する第1および第2のプッシュロッドセンサによって生成される信号のグラフ表現を示す図である。
【
図24A】
図22Eに示されるように配置された手術部位、プロテーゼ、およびエンドエフェクタの例示的な概略図であって、インパクタアセンブリのフランジが、ガイドのチャネルの垂直中心に配設され、第1および第2のトリガに係合し、ここで、ガイドのチャネルのガイド基準点が、手術部位に対する初期ガイド-ターゲット距離に配置され、インパクタアセンブリのフランジのインパクタ基準点が、初期ガイド-ターゲット距離に等しい初期フランジ-ターゲット距離に配置された状態で示されている図である。
【
図24B】
図24Aの手術部位、プロテーゼ、およびエンドエフェクタの別の例示的な概略図であって、ガイドが手術部位に対して初期ガイド-ターゲット距離で依然として配置されており、インパクタアセンブリへの嵌込力の印加に応答して軌道に沿って手術部位に向けて前進されたインパクタアセンブリおよびプロテーゼを示し、それにより、インパクタ基準点が、初期フランジ-ターゲット距離よりも小さい手術部位に対する二次フランジ-ターゲット距離に配置されている図である。
【
図24C】
図24A~24Bの手術部位、プロテーゼ、およびエンドエフェクタの別の例示的な概略図であって、インパクタアセンブリが手術部位に対して二次フランジ-ターゲット距離で依然として配置された状態で示されており、手術部位に向けて軌道に沿って前進されたガイドを示し、ガイド基準点が手術部位のより近くに配置されている図である。
【
図24D】
図24A~24Cの手術部位、プロテーゼ、およびエンドエフェクタの別の例示的な概略図であって、インパクタアセンブリが手術部位に対して二次フランジ-ターゲット距離で依然として配置された状態で示されており、手術部位に向けて軌道に沿ってさらに前進されたガイドを示し、それにより、ガイド基準点が、二次フランジ-ターゲット距離と等しい、手術部位に対する異なるガイド-ターゲット距離で配置されている図である。
【
図25A】本開示によるエンドエフェクタのさらに別の実施形態の斜視図であって、
図16Aのインパクタアセンブリおよびプロテーゼから離間されたガイド軸を画定するチャネルを有するガイドを備え、インパクタアセンブリが、ガイド軸から離間されたインパクタ軸の周りに位置合わせされたフランジに隣接するシャフトを備えて示されている図である。
【
図25B】
図25Aのプロテーゼおよびエンドエフェクタの別の斜視図であって、ガイドがインパクタアセンブリに向けて動かされて、ガイドのチャネル内にインパクタアセンブリのシャフトを入れた状態で示されており、かつガイド軸がインパクタ軸と同軸位置合わせされた状態で示されている図である。
【
図25C】
図25A~25Bのプロテーゼおよびエンドエフェクタの別の斜視図であって、ガイドがインパクタ軸に沿ってプロテーゼからさらに離れるように動かされ、ガイドのチャネルが、チャネルの垂直中心でインパクタアセンブリのフランジに係合した状態で示されている図である。
【
図25D】
図25A~25Cのプロテーゼおよびエンドエフェクタの別の斜視図であって、ガイドのチャネルがチャネルの垂直中心でインパクタアセンブリのフランジと依然として係合しているが、ガイドは、ガイド軸とインパクタ軸との同軸位置合わせを維持しながら、インパクタアセンブリに対して回転方向に位置決めし直された状態で示されている図である。
【
図26B】
図25A~26Aのガイドの分解斜視図であって、センササブアセンブリ、入力モジュール、およびコイルアセンブリから離間された第1および第2の本体構成要素を有する本体を備えて示されている図である。
【
図27A】
図26Bのコイルアセンブリの斜視図であって、概して近位受信コイルと遠位受信コイルとの間に配置された送信コイルを備える全般的に示されたコイル構成を支持するコイルフレームを有して示されている図である。
【
図27B】
図27Aのコイルアセンブリの別の斜視図であって、
図27Aと同じ視点から示されているが、コイルフレーム、送信コイル、近位受信コイル、および遠位受信コイルがそれぞれ、例示目的で想像輪郭線で描かれている図である。
【
図28A】コイルアセンブリの別の実施形態の斜視図であって、概して送信コイル内に配置された近位受信コイルと遠位受信コイルとを備える全般的に示されたコイル構成を支持するコイルフレームを有して示されている図である。
【
図28B】
図28Aのコイルアセンブリの別の斜視図であって、
図28Aと同じ視点から示されているが、コイルフレーム、送信コイル、近位受信コイル、および遠位受信コイルがそれぞれ、例示目的で想像輪郭線で描かれている図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を通して示される実施形態の1つまたは複数は、取り除かれる、概略的に描かれる、および/または例示目的のために想像線で図示される特定の構成要素、構造的特徴部、および/またはアセンブリを有することがあることを理解されたい。
【0016】
ここで
図1を参照すると、手術ロボット32を備える手術システム30が示されている。手術ロボット32は、一般に、ベース34、ロボットアーム36、および連結部38を備える。ロボットアーム36は、ベース34によって支持され、使用中にベース34に対する連結部38の位置および/または向きの移動、駆動、維持、または他の形での制御を行うように構成される。連結部38は、エンドエフェクタ40を着脱可能に固定するように適合され、エンドエフェクタ40は、全体として参照番号42で示されるツールを支持する、あるいは含む。ツール42(例えばインパクタ)は、以下でより詳細に述べるように、様々な手術処置に関連して使用されるワークピース44(例えば寛骨臼カップ)を支持する、位置決めする、あるいはその駆動を容易にするように構成される。いくつかの実施形態では、手術システム30は、例えば手術ロボット32によって維持される軌道Tに沿って、または軌道Tに対して、全体として参照番号46で示されるターゲットに対してワークピース44を案内するように構成される。本明細書に示される代表的な実施形態では、ターゲット46は、患者の身体Bの手術部位Sであり、ワークピース44は、(例えばツール42を介して)エンドエフェクタ40によって支持され、軌道T(例えば嵌入軌道)に沿った手術部位Sでの嵌込みに適合されたプロテーゼPである。
【0017】
手術ロボット32は、ロボットアーム36によってエンドエフェクタ40をターゲット46に対して動かし、とりわけ、医療従事者がエンドエフェクタ40、ツール42、および/またはワークピース44の移動および位置決めを正確に制御しながら様々なタイプの手術処置を実施するのを支援する。ロボットアーム36の1つの例示的な配置は、「Surgical Robotic arm Capable of Controlling a Surgical Instrument in Multiple Modes」という名称の米国特許第9,119,655号に記載されており、その特許の開示全体を参照により本明細書に組み込む。ロボットアーム36、および手術ロボット32の他の部分は、いくつかの異なる構成で配置することができることを理解されたい。
【0018】
手術システム30は、手術ロボット32、ロボットアーム36、エンドエフェクタ40、ツール42、および/またはワークピース44の1つまたは複数の部分、ならびに患者の身体Bの様々な部分の相対位置および/または向きの変化を、共通の座標系内で監視、追跡、および/または決定することができる。これは、様々なタイプのトラッカ(例えば、複数の自由度の光学、慣性、および/または超音波感知デバイス)、ナビゲーションシステム(例えば、マシンビジョンシステム、電荷結合素子カメラ、トラッカセンサ、表面スキャナ、および/またはレンジファインダ)、解剖学的コンピュータモデル(例えば、患者の解剖学的構造の磁気共鳴撮像スキャン)、以前の手術処置および/または以前に実施された手術技法からのデータ(例えば、プロテーゼの嵌入を容易にするために後で使用される寛骨臼のリーミング中に記録されるデータ)などを利用することによって行われる。これらの目的で、
図1に概略的に示されるように、手術システム30は、一般に、ロボット制御システム48およびナビゲーションシステム50を備え、これらのシステムは協働して、手術ロボット32が軌道Tに対するエンドエフェクタ40の位置合わせを維持することを可能にし、また一般に、手術ロボット32が手術部位Sおよび手術システム30の他の部分に対してエンドエフェクタ40を動かすことを可能にする。
【0019】
図1に概略的に示されるように、ロボット制御システム48は、ロボットコントローラ52を備え、ナビゲーションシステム50は、ナビゲーションコントローラ54を備える。例示実施形態では、ロボットコントローラ52およびナビゲーションコントローラ54は、物理的電気接続(例えばテザーワイヤハーネス)を介しておよび/または1つまたは複数のタイプのワイヤレス通信を介して(例えばWiFi(商標)ネットワーク、Bluetooth(登録商標)、無線ネットワークなどを使用して)互いに通信するように、および/または例えば手術システム30の他の構成要素と通信するように配設される。ロボットコントローラ52および/またはナビゲーションコントローラ54は、コンピュータ、プロセッサ、制御ユニットなどの様々な構成として、またはそのような構成と共に実現されることがあり、別個の構成要素を備えることがあり、または一体化される(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、入力、出力などを共有する)ことがある。他の構成も企図される。
【0020】
手術システム30は、ロボット制御システム48を採用して、とりわけ、ロボットアーム36を関節運動させて、手術部位Sに対するエンドエフェクタ40の位置決めや、軌道Tの維持などを行う。ここで、ロボット制御システム48のロボットコントローラ52は、ロボットアーム36の関節に配設された様々なアクチュエータやモータなど(図示せず)を駆動することによってロボットアーム36を関節運動させるように構成される。ロボットコントローラ52は、ロボットアーム36に沿って位置するエンコーダ(図示せず)などの様々なセンサからデータを収集するように構成されることもある。手術ロボット32およびエンドエフェクタ40の各構成要素の特定の幾何形状は既知であるため、これらのデータをロボットコントローラ52が使用して、マニピュレータ座標系MNPL内でのエンドエフェクタ40の位置および/または向きを確実に調整することができる。マニピュレータ座標系MNPLは原点を有し、原点は、例示実施形態ではロボットアーム36に対して位置する。このタイプのマニピュレータ座標系MNPLの一例は、前に参照した「Surgical Robotic Arm Capable of Controlling a Surgical Instrument in Multiple Modes」という名称の米国特許第9,119,655号に記載されている。他の構成も企図される。
【0021】
ナビゲーションシステム50は、とりわけ、エンドエフェクタ40、ポインタ56、および患者の身体Bの一部(例えば、手術部位Sにあるもしくは手術部位Sに隣接する骨または他の解剖学的構造)など、様々な物体の動きを追跡するように構成される。この目的で、ナビゲーションシステム50は、ローカライザ座標系LCLZ内でのトラッカ60の位置および/または向きを感知するように構成されたローカライザ58を採用する。ナビゲーションコントローラ54は、ローカライザ58と通信するように配設され、ローカライザ58の視野内で感知された各トラッカ60に関する位置および/または向きデータをローカライザ座標系LCLZ内で収集する。
【0022】
ローカライザ58は、複数のトラッカ60の位置および/または向きを感知して、対応する複数の物体をローカライザ座標系LCLZ内で追跡することができることを理解されたい。例として、
図1に示されるように、トラッカ60は、ポインタ56に結合されたポインタトラッカ60P、1つまたは複数のエンドエフェクタトラッカ60G、60I、第1の患者トラッカ60A、および第2の患者トラッカ60B、ならびに追加の患者トラッカ、追加の医療および/または手術ツール用のトラッカなどを備えることがある。
【0023】
いくつかの実施形態では、
図1に示されるように、1つまたは複数のエンドエフェクタトラッカ60G、60Iはそれぞれ、互いに対して動くように構成され得る部分など、エンドエフェクタ40の異なる部分にしっかりと固着されてもよい。非限定的な例として、以下でより詳細に述べるように、インパクタトラッカ60Iは、ガイドトラッカ60Gが取り付けられたガイドに対して動くように構成されたインパクタ(または別のタイプのツール42)に取り付けることができる。ここで、以下でより詳細に述べるように、ガイドトラッカ60Gは、ロボットアーム36によって連結部38と共に動くことができ、一方、インパクタトラッカ60Iは、1つまたは複数の自由度で連結部38に対して動くことができる。
図1に示されるガイドトラッカ60Gおよびインパクタトラッカ60Iをナビゲーションシステム50が使用して、ローカライザ58によってエンドエフェクタ40の異なる部分の相対位置および/または向きを容易に決定することができるが、本開示の特定の実施形態は、他の方法で(例えば1つまたは複数のセンサを用いて)この決定を容易にするように構成することもできる。しかし、本開示によって他の構成も企図され、特定の物体を追跡するためにトラッカ60、センサ、および所定の幾何学的関係などの様々な組合せを利用することができることを理解されたい。
【0024】
引き続き
図1を参照すると、第1の患者トラッカ60Aは、手術部位Sにあるまたは手術部位Sに隣接する患者の身体Bの1つの骨(例えば寛骨臼の近くの骨盤)にしっかりと固着され、第2の患者トラッカ60Bは、異なる骨(例えば大腿骨の一部)にしっかりと固着される。詳細には示されていないが、患者トラッカ60A、60Bは、ねじ係合、クランプ、または他の技法など様々な方法で、患者の身体Bのいくつかの異なる骨に結合することができることを理解されたい。同様に、ガイドトラッカ60Gおよび/またはインパクタトレーサ60Iは、製造中の一体化によって、または手術処置前もしくは手術処置中の着脱可能な取付けによってなど、様々な方法でエンドエフェクタ40および/またはツール42の一部に固定することができる。様々なトラッカ60を、いくつかの異なる様式で、異なるタイプの追跡される物体(例えば、別個の骨、ツール、ポインタなど)にしっかりと固着することができることを理解されたい。
【0025】
トラッカ60が取り付けられる物体または解剖学的構造に対するトラッカ60の位置は、既知のレジストレーション技法によって決定することができる。例えば、患者トラッカ60A、60Bが取り付けられる患者の身体Bの部分に対する患者トラッカ60A、60Bの位置は、様々な形のポイントベースのレジストレーションで達成することができ、例えば、ローカライザ58がポインタトラッカ60Pの位置および向きを監視するときに、特定の解剖学的標識に接して係合する(例えば、骨の特定の部分に触れる)ためにポインタ56の遠位先端が使用され、または表面ベースのレジストレーションに関しては、骨のいくつかの部分に係合するために使用される。このとき、従来のレジストレーション技法を採用して、患者トラッカ60A、60Bの姿勢を患者の解剖学的構造(例えば、それぞれ大腿骨および寛骨臼)に相関させることができる。機械的クランプを有する患者トラッカ60A、60Bを使用するなど、他のタイプのレジストレーションも可能であり、機械的クランプは、骨に取り付けられ、触覚センサ(図示せず)を有して、クランプが取り付けられる骨の形状を決定する。次いで、レジストレーションのために、骨の形状を骨の3Dモデルに一致させることができる。触覚センサと患者トラッカ60A、60Bにあるマーカとの既知の関係は、ナビゲーションコントローラ54に入力することができ、または他の形でナビゲーションコントローラ54が既知であるようにすることができる。この既知の関係に基づいて、患者の解剖学的構造に対するマーカの位置を決定することができる。位置および/または向きデータは、ローカライザ座標系LCLZ内での各トラッカ60の座標を決定するために、いくつかの異なるレジストレーション/ナビゲーション技法を使用してナビゲーションコントローラ54によって収集、決定、または他の形で処理することができる。以下でより詳細に述べるように、これらの座標は、ロボット制御システム48に通信されて、ロボットアーム36の関節運動を容易にし、および/または他の形で外科医が手術処置を行うのを助ける。
【0026】
本明細書に示される代表的な実施形態では、ロボットコントローラ52は、手術ロボット32に動作可能に取り付けられ、ナビゲーションコントローラ54およびローカライザ58は、手術ロボット32のベース34に対して移動可能な可動カート62に支持される。可動カート62はまた、全体として参照番号64で示されるユーザインターフェースを支持して、外科医もしくは別のユーザに情報を表示することによって、および/または外科医もしくは別のユーザから情報を受信することによって、手術システム30の操作を容易にする。ユーザインターフェース64は、ナビゲーションシステム50および/またはロボット制御システム48と通信するように配設され、情報(例えば、画像、ビデオ、データ、グラフィックス、ナビゲート可能なメニューなど)を外科医または他のユーザに提示するための1つまたは複数の出力デバイス66(例えば、モニタ、インジケータ、表示画面など)と、1つまたは複数の入力デバイス68(例えば、ボタン、タッチスクリーン、キーボード、マウス、ジェスチャ、または音声ベースの入力デバイスなど)とを備えることがある。このタイプのナビゲーションシステム50で利用される1つのタイプの可動カート62およびユーザインターフェース64は、「SurgerySystem」という名称の米国特許第7,725,162号に記載されており、その特許の開示全体を参照により本明細書に組み込む。
【0027】
可動カート62と手術ロボット32のベース34とは、互いに対して、およびまた患者の身体Bに対して位置決めすることができるので、手術システム30の1つまたは複数の部分は、一般に、ローカライザ58によって感知された各トラッカ60の座標をローカライザ座標系LCLZからマニピュレータ座標系MNPLに変換する、またはその逆に変換するように構成され、したがって、ロボットアーム36の関節運動は、少なくとも一部、共通の座標系(例えば、マニピュレータ座標系MNPL、ローカライザ座標系LCLZ、または別の共通の座標系)内での特定のトラッカ60の相対位置および/または向きに基づいて行うことができる。ローカライザ座標系LCLZ内の座標は、いくつかの異なる変換技法を使用してマニピュレータ座標系MNPL内の座標に変換することができ、逆の変換も行うことができることを理解されたい。座標系間のデータの転換または変換の一例は、「Registration of Anatomical Data Sets」という名称の米国特許第8,675,939号に記載されており、その特許の開示全体を参照により本明細書に組み込む。
【0028】
例示実施形態では、ローカライザ58は、光学ローカライザであり、1つまたは複数の光学位置センサ72を有するカメラユニット70を含む。ナビゲーションシステム50は、カメラユニット70の光学位置センサ72を採用して、ローカライザ座標系LCLZ内でのトラッカ60の位置および/または向きを感知する。本明細書に示される代表的な実施形態では、トラッカ60はそれぞれ、カメラユニット70の光学位置センサ72によって感知することができるマーカ74を採用する。このタイプのナビゲーションシステム50の一例は、「Navigation System Including Optical and Non-Optical Sensors」という名称の米国特許第9,008,757号に記載されており、その特許の開示全体を参照により本明細書に組み込む。いくつかの実施形態では、マーカ74は、光学位置センサ72によって感知される光を放出するアクティブマーカ(例えば発光ダイオード「LED」)である。他の実施形態では、トラッカ60は、カメラユニット70または別の光源から放出された光を反射するパッシブマーカ(例えば反射器)を採用することができる。図面を通じてナビゲーションシステム50の一実施形態が例示されているが、ナビゲーションシステム50は、後の記述から以下で理解されるように様々なタイプおよび構成であり得るトラッカ60を監視するための任意の他の適切な構成を有することができる。例えば、ナビゲーションシステム50は、他のタイプのローカライザ58および/またはトラッカ60を備えることがある。
【0029】
いくつかの実施形態では、ナビゲーションシステム50および/またはローカライザ58は、無線周波数(RF)ベースである。例えば、ナビゲーションシステム50は、ナビゲーションコントローラ54および/または別のコンピューティングデバイスやコントローラなどに結合されたRFトランシーバを備えることがある。ここで、トラッカ60は、RFエミッタまたはトランスポンダを備えることがあり、受動的でよく、または能動的に励磁されてもよい。RFトランシーバはRF追跡信号を送信し、RFエミッタは、追跡された状態がナビゲーションコントローラ54に通信される(またはナビゲーションコントローラ54によって解釈される)ようにRF信号で応答する。RF信号は、任意の適切な周波数のものでよい。RFトランシーバは、RF信号を効果的に使用して物体を追跡するのに適切な任意の位置に位置決めすることができる。さらに、RFベースのナビゲーションシステムの実施形態は、本明細書に例示されるアクティブマーカベースのナビゲーションシステム50とは異なる構造的構成を有してもよいことを理解されたい。
【0030】
いくつかの実施形態では、ナビゲーションシステム50および/またはローカライザ58は、電磁(EM)ベースである。例えば、ナビゲーションシステム50は、ナビゲーションコントローラ54および/または別のコンピューティングデバイスやコントローラなどに結合されたEMトランシーバを備えることがある。ここで、トラッカ60は、それに取り付けられたEM構成要素(例えば、様々なタイプの磁気トラッカ、電磁トラッカ、誘導トラッカなど)を備えることがあり、EM構成要素は、受動的でよく、または能動的に励磁されてもよい。EMトランシーバはEM場を生成し、EM構成要素は、追跡された状態がナビゲーションコントローラ54に通信される(またはナビゲーションコントローラ54によって解釈される)ようにEM信号で応答する。ナビゲーションコントローラ54は、受信されたEM信号を分析して、EM信号に相対状態を関連付けることができる。ここでも、EMベースのナビゲーションシステムの実施形態は、本明細書に例示されるアクティブマーカベースのナビゲーションシステム50とは異なる構造的構成を有してもよいことを理解されたい。
【0031】
いくつかの実施形態では、ナビゲーションシステム50および/またはローカライザ58は、物体に関連付けられる位置データを決定するためにトラッカ60が物体に固定されることを必ずしも必要としない1つまたは複数のタイプの撮像システムに基づいていてよい。例えば、超音波ベースの撮像システムを提供して、(例えば、追跡される物体の特定の既知の構造的特徴部や、追跡される物体に固定されたマーカまたはステッカなどの)超音波画像の獲得を容易にすることができ、それにより、追跡される状態(例えば位置や向きなど)は、超音波画像に基づいてナビゲーションコントローラ54に通信される(またはナビゲーションコントローラ54によって解釈される)。超音波画像は、2D、3D、またはそれらの組合せでよい。ナビゲーションコントローラ54は、超音波画像をほぼリアルタイムで処理して、追跡される状態を決定することができる。超音波撮像デバイスは、任意の適切な構成を有することができ、
図1に示されるカメラユニット70とは異なることもある。さらなる例として、蛍光透視ベースの撮像システムを提供して、放射線不透過性マーカ(例えば、追跡される物体に取り付けられた既知の構造的特徴部を有するステッカやタグなど)のX線画像の獲得を容易にすることができ、それにより、追跡される状態は、X線画像に基づいてナビゲーションコントローラ54に通信される(またはナビゲーションコントローラ54によって解釈される)。ナビゲーションコントローラ54は、追跡される状態を決定するためにほぼリアルタイムでX線画像を処理することができる。同様に、他のタイプの光学ベースの撮像システムを提供して、特定の既知の物体(例えば、追跡される物体またはその構造的構成要素もしくは特徴部の仮想表現との比較に基づく)および/またはマーカ(追跡される物体に取り付けられたステッカやタグなど)のデジタル画像やビデオなどの獲得を容易にすることができ、したがって、追跡される状態は、デジタル画像に基づいてナビゲーションコントローラ54に通信される(またはナビゲーションコントローラ54によって解釈される)。ナビゲーションコントローラ54は、追跡される状態を決定するためにほぼリアルタイムでデジタル画像を処理することができる。
【0032】
したがって、本開示の範囲から逸脱することなく、同じまたは異なるタイプの複数の撮像システムを含む様々なタイプの撮像システムがナビゲーションシステム50の一部を成すことができることを理解されたい。当業者は、ナビゲーションシステム50および/またはローカライザ58が、本明細書に具体的に記載されていない任意の他の適切な構成要素または構造を有することもできることを理解されよう。例えば、ナビゲーションシステム50は、慣性追跡のみ、または追跡技法の任意の組合せを利用することができる。さらに、
図1に示されるナビゲーションシステム50に関連する技法、方法、および/または構成要素の任意のものは、いくつかの異なる方法で実装することができ、本開示によって他の構成も企図される。
【0033】
いくつかの実施形態では、手術システム30は、1つまたは複数の出力デバイス66に提示される患者の身体Bの解剖学的構造、エンドエフェクタ40、ツール42、ワークピース44などの画像および/またはグラフィック表現などを用いて、追跡される物体の相対位置および向きの仮想表現を外科医または手術システム30の他のユーザに表示することが可能である。ロボットコントローラ52および/またはナビゲーションコントローラ54はまた、ユーザインターフェース64を利用して命令を表示したり、情報を要求することができ、それにより、外科医または他のユーザがロボット制御システム48と交信してロボットアーム36の関節運動を容易にすることができる。他の構成も企図される。
【0034】
ロボット制御システム48とナビゲーションシステム50とが協働して、エンドエフェクタ40および/またはツール42の位置および/または向きの制御を様々な方法で容易にすることができることを理解されたい。例として、ロボット制御システム48、手術ロボット32、および/または手術システム30の他の部分は、限定はしないがインピーダンス制御および/またはアドミッタンス制御を含むいくつかの異なる制御法を採用して、ロボットアーム36の関節運動や軌道Tの維持などを容易にすることができる。例示的な手術ロボット32の制御法は、「Robotic System and Method for Backdriving the Same」という名称の米国特許出願公開第20170128136A1号に記載されており、その特許出願の開示全体を参照により本明細書に組み込む。いくつかの実施形態では、ロボットコントローラ52は、(例えば、関節モータを駆動することによって)ロボットアーム36を制御して、ロボットアーム36を介して外科医に触覚フィードバックを提供するように構成される。ここで、触覚フィードバックは、(例えば軌道Tに沿ったまたは軌道Tに対するツール42および/またはワークピース44の位置合わせを維持するために)外科医が手術処置に関連する所定の仮想境界を超えてエンドエフェクタ40および/またはツール42を手動で動かすことを制約または抑制する助けとなる。仮想境界を画定する触覚フィードバックシステムおよび関連の触覚物体の例示的なタイプは、例えば、「Haptic Guidance System and Method」という名称の米国特許第8,010,180号、および「Guidance System and Method for Surgical Procedures With Improved Feedback」という名称の米国特許第7,831,292号に記載されており、それらの特許の開示全体を参照により本明細書に組み込む。いくつかの実施形態では、手術システム30は、MAKO Surgical Corp(Fort Lauderdale, FL, USA)によって製造されたRIO(商標)ロボットアームインタラクティブ整形手術システムを備えることがある。
【0035】
上述したように、
図1に示される代表的な実施形態では、ツール42は、手術ロボット32を用いてワークピース44を位置決めするために提供され、ここで、ワークピース44は、患者の身体Bへの嵌込みに適合されたプロテーゼPとして実現される。より具体的には、例示されるプロテーゼPは、以下により詳細に述べるように、患者の寛骨臼に嵌入するように適合された人工股関節の一部を形成する略半球形のカップである。嵌入の前に、患者の寛骨臼は、手術部位Sでターゲット46を画定するようにリーミングされる、または他の形で準備される。本出願人は、リーミング、準備、および嵌入のプロセスを、「Depth of Impaction」という名称の米国特許第8,979,859号、および「Tool, Kit-of-Parts for Multi-Functional Tool, and Robotic System for Same」という名称の米国特許第8,753,346号に記載しており、それらの特許の開示全体を参照により本明細書に組み込む。本開示は、股関節を含む様々な整形手術処置を述べるが、本明細書で述べる主題は、例えば肩、肘、手首、脊椎、膝、足首など、患者の身体Bの他の関節にも適用可能であり得ることを理解されたい。
【0036】
ここで
図1A~9Nを参照すると、エンドエフェクタ40の例示実施形態は、ワークピース44(例えば寛骨臼カップ)を着脱可能に固定するためにツール42を画定する第1のアセンブリ76(例えばインパクタ)と、とりわけロボットアーム36の連結部38に取り付けられるように適合された第2のアセンブリ78(例えばインパクタガイド)とを備える。この構成により、外科医は、ワークピース44を第1のアセンブリ76に着脱可能に固定し、次いで第1のアセンブリ76を手動で操作して、有利な位置から、不要に視認性を妨げることなくターゲット46(例えばリーミングされた寛骨臼)に近づくことが可能になる。以下でより詳細に述べるように、手動で接近が完了し、ワークピース44がターゲット46に配設された後、外科医は、その後、ワークピース44および第1のアセンブリ76を関節運動させて、迅速に、効率的に、かつ高い信頼性で第2のアセンブリ78と係合させることができ、手術ロボット32によって維持される軌道Tとのワークピース44の位置合わせを容易にする。
【0037】
エンドエフェクタ40のツール42を画定する第1のアセンブリ76は、概して近位端80と遠位端82との間に延びる。遠位端82に設けられたインターフェース84は、プロテーゼPに着脱可能に取り付けられるように適合され、プロテーゼPは、上述したように、本明細書で述べる実施形態ではワークピース44を画定する。第1のアセンブリ76はまた、近位端80と遠位端82との間で第1の軸線A1に沿って延びるシャフト86を備える。概して参照番号88(
図2参照)で示される第1の係合面が、近位端80と遠位端82との間に配設される。
【0038】
エンドエフェクタ40の第2のアセンブリ78は、概して、手術ロボット32に取り付けられるように適合されたマウント90と、マウント90に動作可能に取り付けられ、第2の軸線A2に沿って延びるチャネル94を有する本体92とを備える。チャネル94は開口部96を画定し、開口部96は、そこを通して第1のアセンブリ76のシャフト86の一部を受け入れるように配置される。第2のアセンブリ78はまた、概して参照番号98(
図3参照)で示される第2の係合面、およびリミッタ100を備える。後の記述から以下で理解されるように、第2の係合面98は、第1の係合面88に当接するように形作られ、リミッタ100は、係合面88、98間の当接を維持し、手術ロボット32によって維持される軌道Tとの軸線A1、A2の同軸位置合わせを容易にするように構成される。上述した第1のアセンブリ76および第2のアセンブリ78の構成要素および構造的特徴部のそれぞれを、以下でより詳細に述べる。
【0039】
本明細書で述べる様々なエンドエフェクタ40の実施形態は、概して、インパクタアセンブリ102(第1のアセンブリ76を画定し、ツール42として機能する)およびガイド104(第2のアセンブリ78を画定する)を備える。インパクタアセンブリ102とガイド104とが協働して、手術ロボット32によって維持される軌道Tに沿って患者の身体Bでの手術部位S(ターゲット46を画定する)でプロテーゼP(ワークピース44を画定する)を嵌入するのを容易にする。しかし、本明細書に例示されるインパクタアセンブリ102およびガイド104の実施形態は例示的であり、エンドエフェクタ40および/またはツール42は、手術ロボット32に関連して採用されるいくつかの異なる医療および/または手術処置での使用のために構成することができ、手術ロボット32への取付け前に手動での位置決めが有利であり得ることを理解すべきである。非限定的な例として、エンドエフェクタ40および/またはツール42は、ドリルビットまたはリーマヘッドに着脱可能に固定して駆動するためのチャックアセンブリを採用する回転手術器具、および回転手術器具を受け取るためのホルダまたはドリルガイドと共に使用することができる。ここで、この例示的な例では、回転手術器具およびドリルビットまたはリーマヘッドを手術部位Sに手動で位置決めすることができ、次いで、回転手術器具を、ロボットアーム36に結合されたホルダまたはドリルガイドと着脱可能に係合するように関節運動させて、ホルダまたはドリルガイド、回転手術器具、およびドリルビットまたはリーマヘッドを、手術ロボット32によって維持される軌道Tと位置合わせすることができる。次いで、手術ロボット32は、直線または非直線の軌道Tに沿って手術部位Sに対してドリルビットまたはリーマヘッドの切断端部を駆動、案内、位置決め、および/または移動することができる(回転手術器具、チャックアセンブリ、ホルダ/ドリルガイド、およびドリルビット/リーマヘッドは図示されていないが、関連技術で一般に知られている)。
【0040】
上述したように、例示的なインパクタアセンブリ102およびガイド104以外の他の構成も企図され、本開示は、いくつかの異なるタイプのエンドエフェクタ40も対象とすることを理解されたい。しかし、明瞭性および一貫性の目的で、エンドエフェクタ40およびツール42の後続の説明は、上述したように手術部位SでプロテーゼPを嵌入することを対象とする例示実施形態に関連して行われる。
【0041】
図2に最も良く示されているように、インパクタアセンブリ102の例示実施形態は、嵌込力Fを受けるように構成された近位端80に配置されたヘッド106を備える。インターフェース84は、遠位端82に配置され、この代表的な実施形態では、プロテーゼPに着脱可能に取り付けられるように適合される。シャフト86は、ヘッド106とインターフェース84との間でインパクタ軸A1に沿って延びる。インパクタ軸A1は、この実施形態(および本明細書で述べる他の実施形態)では第1の軸線A1と同義である。インパクタアセンブリ102はまた、ヘッド106とインターフェース84との間に配設されたインパクタ係合面88を備える。インパクタ係合面88は、この実施形態(および本明細書で述べる他の実施形態)では第1の係合面88と同義である。
【0042】
図3を参照すると、例示されるガイド104は、一般に、マウント90および本体92を備える。マウント90は、手術ロボット32に取り付けられ、本体92に結合するように適合される。チャネル94は、ガイド軸A2に沿って本体92を通って延びる(
図6参照)。ガイド軸A2は、この実施形態(および本明細書で述べる他の実施形態)では第2の軸線A2と同義である。チャネル94は開口部96を画定し、開口部96は、そこを通してインパクタアセンブリ102のシャフト86の一部を受け入れるように配置される。ガイド104はまた、インパクタ係合面88に当接するように形作られたガイド係合面98を備える。ガイド係合面98は、この実施形態(および本明細書で説明される他の実施形態)では第2の係合面98と同義である。ガイド104は、リミッタ100をさらに備え、リミッタ100は、インパクタ係合面88とガイド係合面98との当接を維持するように構成される。リミッタ100は、手術部位SでのプロテーゼPの嵌入中に、手術ロボット32によって維持される軌道Tとの軸線A1、A2の同軸位置合わせを容易にするようにさらに構成される。上述したエンドエフェクタ40およびツール42の各構成要素を、以下でより詳細に述べる。
【0043】
図2を参照すると、インパクタアセンブリ102は、インターフェース84に隣接して、インパクタ軸A1に沿ってプロテーゼPから離間されて示されている。上述したように、インパクタアセンブリ102は、概してインパクタ軸A1に沿って延び、インターフェース84、ヘッド106、シャフト86、およびインパクタ係合面88を備える。例示実施形態では、インパクタアセンブリ102には、概して参照番号108で示されるハンドルが設けられ、ハンドル108は、フランジ112とヘッド106との間に延びるグリップ110を備える。
図5Aに最も良く示されているように、ハンドル108は、一般に、ヘッド106、グリップ110、およびフランジ112を画定する単一の一部片構成要素として形成される。しかし、後の記述から以下で理解されるように、ハンドル108は、同時に動くように一体に固定された別個の構成要素として形成されてもよく、あるいは別個の構成要素によって画定されてもよい。非限定的な例として、グリップ110は、シャフト86の一部によって画定することができ、ヘッド106および/またはフランジ112は、シャフト86と固着、取付け、固定、または他の方法で一体形成される別個の構成要素として実現することができる。他の構成も企図される。
【0044】
図5Aに最も良く示されているように、ハンドル108には、シャフト86の一部を受け入れる止まり穴114が設けられている。ここで、ハンドル108は、止まり穴114とシャフト86との圧入係合などによって、シャフト86にしっかりと固定される。しかし、ハンドル108およびシャフト86は、限定はしないが、シャフト86へのハンドル108の(例えば、インパクタ軸A1に対して横方向での)「ピン留め」、ハンドル108とシャフト86との溶接または他の結合、シャフト86へのハンドル108の「焼きばめ」、および/またはキー溝/キー構成もしくはねじ係合など対応する構造的特徴部によるシャフト86へのハンドル108の固定を含む、いくつかの異なる方法で互いに動作可能に取り付けることができることを理解されたい。上述したように、シャフト86の少なくとも一部をハンドル108と一体形成することができることも考えられる。他の構成も企図される。
【0045】
図5Aに示される実施形態では、ハンドル108のグリップ110は、ヘッド106とフランジ112との間でインパクタ軸A1に沿って延びる略テーパ状の円筒形プロファイルを有し、外科医がインパクタアセンブリ102を手動で取り扱って位置決めするのを助けるように形作られている。以下でより詳細に述べるように、インパクタアセンブリ102のヘッド106は、マレットまたはハンマー(図示せず)などによって加えられる外部嵌込力Fを受けて、手術部位SでプロテーゼPを嵌入するように適合される。ヘッド106は、グリップ110よりも半径方向で大きい略円筒形プロファイルを有する。この構成により、外科医は一方の手でグリップ110を安全に把持し、他方の手でマレットまたはハンマーを使ってヘッド106を叩くことができることを理解されたい。
図5Aに示されるインパクタアセンブリ102はまた、概して参照番号116で示されるテーパを備え、テーパ116は、フランジ112とインターフェース84との間で軸方向に配置される。テーパ116は、フランジ112とシャフト86との間で遷移する略円錐台形プロファイルを有し、テーパ116とガイド104のチャネル94の一部分との間で生じる接触に応答して、フランジ112をガイド104のチャネル94に向ける助けとなる。
図9A~9Iに関連して以下でより詳細に述べるように、ガイド104が手術部位Sから離れる方向に動かされるとき、上述したタイプの接触が生じる可能性がある。
【0046】
図5Aを引き続き参照すると、インパクタアセンブリ102のシャフト86は、上述したようにハンドル108とインターフェース84との間に延び、略円筒形の近位シャフト領域118、遠位シャフト領域120、およびシャフトグリップ領域122を有する。近位シャフト領域118は、ハンドル108に結合され、フランジ112に隣接する止まり穴114内に延びる。遠位シャフト領域120はインターフェース84に結合され、インターフェース84は、上述したように、取り付けられたときにインパクタアセンブリ102とプロテーゼPとが一体に動くようにプロテーゼPに着脱可能に取り付けられるように構成される。このために、インターフェース84およびプロテーゼPはそれぞれ、概して参照番号124で示されるそれぞれのねじ係合部(例えば雌ねじおよび雄ねじ)を備え、これにより、プロテーゼPをインパクタアセンブリ102に着脱可能に取り付けることが可能になる。遠位シャフト領域120はまた、例示実施形態では、シャフトグリップ領域122を画定する。後の記述から以下で理解されるように、シャフトグリップ領域122およびハンドル108は、インパクタアセンブリ102をより容易に手動で取り扱えるようにする助けとなる。
【0047】
図5Aに示される実施形態では、インターフェース84はシャフト86とは別個に形成され、遠位シャフト領域120に動作可能に取り付けられているが、本開示の範囲から逸脱することなく、インターフェース84および/またはシャフト86をいくつかの異なる方法で構成することができることを理解されたい。非限定的な例として、本明細書で述べるインターフェース84は、手術部位SでのプロテーゼPの嵌入を容易にするように構成されるが、いくつかの実施形態では、シャフト86の一部がインターフェース84を画定することができることも考えられる。他の構成も企図される。
【0048】
インパクタアセンブリ102のシャフト86のシャフトグリップ領域122は、シャフト86の近位シャフト領域118と遠位シャフト領域120との間に配置され、インターフェース84に取り付けられたプロテーゼPを手術部位Sに接近させるために外科医がインパクタアセンブリ102を手動で取り扱って位置決めする助けとなるように形作られたプロファイルを有する。例示実施形態では、近位シャフト領域118、遠位シャフト領域120、およびシャフトグリップ領域122は、それぞれ異なる形状およびサイズを有するが、シャフト86は、概して一定の半径を有する略円筒形プロファイルを備えることができ、ハンドル108とインターフェース84との間でインパクタ軸A1に沿って延びることも考えられる。したがって、いくつかの実施形態では、シャフト86は、別個のシャフトグリップ領域122なしで構成することもできることを理解されたい。
【0049】
上述したように、インパクタアセンブリ102のインパクタ係合面88は、ガイド104のガイド係合面98に係合するように形作られて配置される。以下のエンドエフェクタ40の実施形態の後続の説明から理解されるように、インパクタ係合面88は、ガイド104および/またはガイド係合面98の異なる実施形態および/または構成に対応するように、インパクタアセンブリ102の異なる部分によって画定することができる。具体的には、インパクタ係合面88は、
図3~9Nに示されるガイド104の第1の実施形態に関連して使用されるときには、インパクタアセンブリ102のフランジ112によって画定され、一方、インパクタ係合面88は、
図10~15Cに示されるガイドの第2の実施形態に関連して使用されるときには、シャフト86の近位シャフト領域118の一部によって画定される。本明細書に示されるインパクタアセンブリ102の実施形態は、一般に、本明細書に示されるガイド104の実施形態と交換可能に使用することができるが、特定のインパクタアセンブリ102は、いくつかの実施形態では、特定のガイド104のみに係合するように構成することができることを理解されたい。他の構成も企図される。
【0050】
ここで
図1~15Cを参照すると、上述したように、エンドエフェクタ40のガイド104にはマウント90が設けられており、手術ロボット32のロボットアーム36の連結部38への着脱可能な取付けを容易にし、ロボットアーム36は、エンドエフェクタ40、したがってツール42の位置および/または向きを移動、駆動、維持、および/または他の形で制御することができる。本明細書に示される代表的な実施形態では、
図5A、6、および7に最も良く示されているように、マウント90は、直接または間接的に連結部38に着脱可能に取り付けられるように適合されたマウントプレート126を備える(
図1参照。取付けは詳細には図示せず)。マウント90には、マウントプレート126に動作可能に取り付けられるレシーバ128も設けられる。レシーバ128は、本体92に形成されたブレース130を受け取って固定するように適合される(
図6~7参照)。チャネル94とブレース130とは、ガイド104の本体92の反対側の端部に形成される。いくつかの実施形態では、マウント90のレシーバ128および本体92のブレース130は、ガイド104のマウント90と本体92とを固定具(図示せず)などによって位置合わせして一体に固定することができるように互いに噛み合う、あるいは互いに位置合わせされるように形作られる。しかし、ガイド104は、手術ロボット32の連結部38に取り付けるのに十分ないくつかの異なる形態で構成することができることを理解されたい。非限定的な例として、固定具を用いて本体92のレシーバ128をマウント90のブレース130に固定するのではなく、本体92とマウント90とを単一の構成要素として形成することができ、または溶接など他の方法で一体に固定することができる。他の構成も企図される。
【0051】
上述したように、ガイド104の特定の実施形態では、チャネル94は、ガイド104の本体92に形成され、あるいは本体92によって画定され、ガイド軸A2に沿って延びて開口部96を画定し、開口部96は、そこを通してインパクタアセンブリ102のシャフト86の一部を受け入れるように配置される。さらに、
図3~9Nに示されるガイド104の第1の実施形態に関連して使用されるとき、インパクタ係合面88は、上述したようにインパクタアセンブリ102のフランジ112によって画定される。したがって、
図3~9Nに示される実施形態では、ガイド104のガイド係合面98は、フランジ112に当接するように形作られて配置され、リミッタ100と協働して、手術ロボット32によって維持される軌道Tに沿ったインパクタ軸A1およびガイド軸A2の位置合わせを維持する。
【0052】
ここで特に
図3~8Cに示される実施形態を参照すると、ガイド104の開口部96は、ガイド104がフランジ112とインパクタアセンブリ102のインターフェース84との間に配設されるときにインパクタアセンブリ102のシャフト86が通過できるように配置されて(
図8A~8C参照)、インパクタ軸A1をガイド軸A2と位置合わせするのを容易にする。
図2に想像線で示されているように、インパクタアセンブリ102のシャフト86は、第1の外周132を有し、インパクタアセンブリ102のフランジ112は、第1の外周132よりも大きい第2の外周134を有する。言い換えると、フランジ112はシャフト86よりも大きく、ガイド104の開口部96を通過することができないが、シャフト86は、
図9A~
図9Iに関連して以下でより詳細に述べるように、開口部96を通してシャフト86を動かすためにインパクタアセンブリ102としてのガイド104が手術部位Sの周りで枢動されるときに開口部96を通過することができるようにサイズ設定される。
【0053】
上述したように、ガイド104のリミッタ100は、嵌入中にインパクタ係合面88とガイド係合面98との当接を維持するように構成され、手術ロボット32によって維持される軌道Tとの軸線A1、A2の同軸位置合わせの実現を容易にする助けとなる。この目的で、
図3~8Cに示される実施形態のリミッタ100は、チャネル94に隣接して配設された、概して参照番号136で示される1対のフィンガを備える。フィンガ136は、ガイド104の本体92から、互いに離間されたそれぞれのフィンガ端部138まで延び、フィンガ端部138間に開口部96を画定する(
図5B参照)。フィンガ136はそれぞれ、概して参照番号140で示されるそれぞれの円弧状表面も画定する。円弧状表面140は、ガイド係合面98がインパクタ係合面88に当接するとき、インパクタアセンブリ102のフランジ112に接触するように配置され、これは、インパクタ係合面88とガイド係合面98との当接を維持し、後述するようにガイド104に対するインパクタアセンブリ102の動きを制限する。
【0054】
リミッタ100の円弧状表面140は、ガイド104のガイド係合面98と実質的に連続しており、本実施形態ではガイド係合面98と円弧状表面140との両方がチャネル94によって画定される。より具体的には、
図5Aに最も良く示されているように、リミッタ100の円弧状表面140とガイド104のガイド係合面98とは、それぞれ共通の半径142でガイド軸A2から離間されており、それにより、チャネル94は、連続的な略円筒形のC字形プロファイルを有し、ガイド係合面98と円弧状表面140との両方を画定する。さらに、ガイド係合面98を画定するガイド104の部分と、リミッタ100の円弧状表面140とが協働して、第1および第2の円弧端部114A、114Bを有する共通の弧144を画定する。第1および第2の円弧端部114A、114Bは、180度よりも大きい円弧基準角度146でガイド軸A2の周りで互いに半径方向で離間される(
図5B参照)。
図9A~9Iに関連する後の記述から以下で理解されるように、この構成により、インパクタアセンブリ102のフランジ112がガイド104のチャネル94に回転可能に係合し、それにより、インパクタアセンブリ102を軸線A1、A2の周りで回転させることができ、同時に、手術ロボット32によって維持される軌道Tとの軸線A1、A2の同軸位置合わせの実現を容易にする助けとなる。同様に、この配置により、ガイド104が軸線A1、A2の周りでインパクタアセンブリ102に対して回転することも可能になる。
【0055】
上述したように、手術ロボット32は、エンドエフェクタ40を手術部位Sに対して位置決めし、軌道Tを維持するように構成され、軌道Tは、例示実施形態では略直線であり、軸線A1、A2と位置合わせされて、それに対応してツール42(例えばインパクタアセンブリ102)が軌道Tに沿って位置決めされることを可能にする。ここで、インパクタアセンブリ102のヘッド106に加えられた外部嵌込力Fは、インパクタアセンブリ102を介してプロテーゼPに伝わり、これにより、プロテーゼPが軌道Tに沿って手術部位Sに向かって前進する。プロテーゼPを嵌入するプロセスを
図9A~9Iに関連して以下でより詳細に述べるが、軌道Tを維持することは、特定の条件で手術部位Sに対するガイド104のすべてまたは特定のタイプの動きを手術ロボット32が制約することを含むことがあり、および/または、いくつかの実施形態では、ガイド104の動きを手術部位Sに対する軌道Tに沿った並進に制限するまたは方向付けることを含むことがあることを理解されたい。手術ロボット32により、外科医は、軌道Tに沿ってガイド104を並進させて、とりわけ、上述したように、インパクタアセンブリ102のシャフト86をガイド104の開口部96に通すのを容易にすることが可能になり得る(
図8A~8C参照)。手術処置の特定のステップは、様々な方法で手術ロボット32を制御することを含むことができることを理解されたい。
【0056】
実施される手術処置のタイプおよび手術ロボット32の特定の構成に応じて、ロボットアーム36を介したエンドエフェクタ40の動きは、アドミッタンス制御を介して行うことができ、とりわけ、外科医は、ロボットアーム36の様々な部分に触れ、または他の形で関与し、特定の動作条件中にそれらの部分を特定の方向に動かす。言い換えると、アドミッタンス制御を利用するとき、手術ロボット32は、(例えば、力-トルクセンサを介して決定される)外力を、ロボットアーム36を制御するために使用される入力として解釈するように構成されることがある。したがって、インパクタアセンブリ102のヘッド106に嵌込力Fを適切に加えると、大きな力をガイド104に伝えることなく、ガイド104に対するインパクタアセンブリ102の軸方向運動が生じることを理解されたい。通常であれば、そのような力により、手術ロボット32は、軌道Tから外れるようにガイド104を動かす、または係合面98をインパクタ係合面88との当接から外すように動かすことがある。
【0057】
インパクタアセンブリ102のヘッド106に外部嵌込力Fを加えるプロセス中に軌道Tに沿ってガイド104が意図せず動くのを防ぐために、エンドエフェクタ40の例示実施形態は、一般に、ガイド104に対するインパクタアセンブリ102の回転、および/またはその逆の回転を可能にするように構成される。この相対回転は、インパクタ係合面88とガイド係合面98との間で生じるベアリングタイプの接触(例えば滑り接触)によって実現される。
【0058】
図3~8Cに示される第1の実施形態では、フランジ112は、インパクタ係合面88を画定する略球形プロファイルを有し、チャネル94は、上述したようにガイド係合面98を画定する略円筒形プロファイルを有する。この配置により、嵌入中にフランジ112がチャネル94内で回転することが可能になり、これは、手術ロボット32への嵌込力の伝達を防止する助けとなる。また、この配置により、フランジ112がチャネル94に沿って並進することが可能になり、手術ロボット32によって維持される軌道Tに対する軸線A1、A2の同軸位置合わせを損なうことなく、手術部位SでのプロテーゼPの嵌入を容易にする。言い換えると、この構成により、インパクタアセンブリ102のヘッド106に加えられる嵌込力Fは、インパクタアセンブリ102の回転を制約することなく(そのような制約は、通常であれば、横方向力を軌道Tに沿ったガイド104の動きに変換して、ガイド104の動きを引き起こすことがある)、チャネル94に沿ったフランジ112の軸方向運動に変換され、それと同時に、インパクタ軸A1と、ガイド軸A2、および手術ロボット32によって維持される軌道Tとの同軸位置合わせを維持することが可能になる。さらに、以下の
図9J~9Nの後続の説明から理解されるように、この構成は、手術ロボット32が軸線A1、A2を互いに同軸位置合わせし、かつ嵌入されるプロテーゼPの所期の位置によって画定される軌道Tと同軸位置合わせするときに、フランジ112とチャネル94との間で枢動が生じることも可能にし、これは、通常であれば最初にガイド軸A2を軌道Tと同軸に位置合わせすることが実現困難であり得る状況、および/またはロボットアーム36が嵌入前に特定の方向に関節運動される、もしくはガイド軸A2を動かして軌道Tから外す必要がある特定の様式で位置決めされる必要がある状況で有利であり得る。
【0059】
上述したように、ガイド104のガイド係合面98およびインパクタアセンブリ102のインパクタ係合面88は、インパクタアセンブリ102がガイド104に対して回転することができるように互いに支承することによってそれらの間の相対回転を可能にするように形作られる。しかし、回転を容易にするためにガイド係合面98とインパクタ係合面88とが必ずしも互いに支承する必要なく、上述したインパクタアセンブリ102の回転を実現することができることも考えられる。非限定的な例として、いくつかの実施形態では、インパクタ係合面88とガイド係合面98との当接は静的なものでよく、回転を防止するスプライン、キー、または他の構成などによって実現され、インパクタアセンブリ102は、シャフト86とインパクタ係合面88との間に配設されたベアリングまたは球関節(図示せず)を備えて、インパクタ軸A1の周りでのインパクタ係合面88に対するシャフト86の回転を容易にすることができると考えられる。他の構成も企図される。
【0060】
上述したように、インパクタアセンブリ102のヘッド106に嵌込力Fが加えられると、プロテーゼPおよびインパクタアセンブリ102は必然的に軌道Tに沿って並進する。したがって、ガイド104およびインパクタアセンブリ102は、フランジ112がチャネル94内で動くとき(例えば外科医がマレットでヘッド106を連続的に叩くとき)に、インパクタ係合面88とガイド係合面98との当接が維持されることを保証するように構成されることを理解されたい。この目的で、
図3~8Cに示されるガイド104の実施形態では、ガイド104のチャネル94は、第1の軸方向チャネル端部94Aと第2の軸方向チャネル端部94Bとの間に延び、軸方向チャネル端部94A、94Bは、ガイド軸A2に沿ってチャネル深さ148で互いに離間されている。チャネル深さ148は、この実施形態では、テーパ116とハンドル108のグリップ110との間に軸方向で画定されるフランジ112のフランジ厚さ150よりも大きい(
図5A参照)。フランジ112は上述したように略球形プロファイルを有するので、ガイド係合面98がインパクタ係合面88に当接するとき、インパクタ係合面88を画定するフランジ112の一部のみが円筒形チャネル94に実際に係合する。したがって、チャネル深さ148は、フランジ112をチャネル94内に容易に位置決めすることができ、嵌入中にチャネル94と当接して保つことができることを保証するのに十分に大きいことが有利であることを理解されたい。しかし、以下でより詳細に述べるように、ガイド係合面98とインパクタ係合面88との当接の維持は、嵌入中に手術ロボット32によって軌道Tに沿って手術部位Sに向けてガイド104を前進させることなど、他の方法で実現することもできる。他の構成も企図される。
【0061】
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ40は、概して参照番号152で示されるセンサ(または「センササブアセンブリ」)をさらに備え、センサ152は、ガイド104に結合され、チャネル94に対するインパクタアセンブリ102の係合を検知するように構成される。ここで、センサ152を使用して、第1の軸方向チャネル端部94Aと第2の軸方向チャネル端部94Bとの間でのインパクタアセンブリ102のフランジ112の相対軸方向位置を検知することができ、センサ152によって検知されるチャネル94に沿ったフランジ112の軸方向位置の変化に対応することに基づいて、手術部位Sでの嵌入中の軌道Tに沿ったプロテーゼPの「追跡」運動を容易にする。
【0062】
後の記述から以下で理解されるように、センサ152は、チャネル94内部でのインパクタアセンブリ102の存在(またはその不在)を検知するために採用することもでき、これは、特定の条件下で手術ロボット32の制御の仕方を変えるために使用することができる。非限定的な例として、インパクタアセンブリ102のどの部分もガイド104のチャネル94内に配設されていないことをセンサ152が検知するときには、手術ロボット32は特定の方法で制御することができるが、シャフト86が開口部96を通してチャネル94内に導かれていることをセンサ152が検知するときには異なる様式で制御することができ、とりわけ、軸線A1、A2が互いにおよび軌道Tと同軸位置合わせされるときにロボットアーム36の適切な関節運動を促進するのを助ける。さらに、例えば、軸方向チャネル端部94A、94B間でのフランジ112の相対位置を知ることによって、手術ロボット32は、ガイド104の移動中にインパクタ係合面88とガイド係合面98との一貫した係合が行われることを保証することができ、これは、手術部位Sの周りでインパクタアセンブリ102を枢動させ、軸線A1、A2が軌道Tに向かうようにおよび/または軌道Tから離れるように動かされるときに、軌道Tに対するフランジ112の横方向の並進をもたらす。さらに、
図16A~28Bに示される実施形態に関連して以下でより詳細に述べるように、センサ152を利用して、(例えばヘッド106への嵌込力Fの印加後のフランジ112の動きを感知することによって)嵌入中の軌道Tに沿ったガイド104の前進を容易にすることもできる。他の構成も企図される。
【0063】
図7に示される実施形態では、センサ152は、トリガ154と通信して配設され、トリガ154は、チャネル94に隣接するガイド104の本体92に結合されたピン156によって回転可能に支持される。より具体的には、トリガ154は、チャネル94に隣接して配置されたトリガアパーチャ158内に配設され、トリガ154は、フランジ112と当接するように形作られた先細りのプロファイルを有する。トリガ154は、ばねまたは他の付勢要素(ここでは図示せず)によって少なくとも部分的にチャネル94内に付勢されることがあり、以下でより詳細に述べるように、インパクタアセンブリ102の異なる部分に接触して、インパクタアセンブリ102の相対運動および/または位置決めを検知することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、
図8A~8Bに示されるようにシャフト86がガイド104の開口部96を通過するとき、トリガ154がシャフト86に接触することができ、センサ152は、シャフト86がチャネル94内に位置決めされていることを示す「スイッチ」のように作用する。次いで、チャネル94内のシャフト86の存在の検知を使用して、特定の方法または特定のモードでの手術ロボット32の制御を容易にすることができ、外科医がその後、軌道Tに沿ってガイド104を動かしてフランジ112をチャネル94内に前進させることができるようにする。追加または代替として、センサ152は、ガイド104の本体92に対するトリガ154の相対位置を検知するように構成されることがあり、トリガ154は、フランジ112が第1および第2の軸方向チャネル端部94A、94B間で動くときに、インパクタアセンブリ102のフランジ112との接触に応答して動く。言い換えると、トリガ154および/またはセンサ152は、特定の実施形態では、「接触スイッチ」および/または「変位センサ」として作用するように構成することができる。
【0065】
したがって、センサ152および/またはトリガ154は、本開示の範囲から逸脱することなく、いくつかの異なる構成、タイプ、配置などでよいことを理解されたい。非限定的な例として、
図5Aに概略的に示されるように、センサ152は、同時移動のためにトリガ154に結合されたエミッタ160と、ガイド104の本体92に結合され、エミッタ160の位置の変化に応答するように構成された検出器162とを備えることができる。代替として、センサ152は、トリガ154とピン156(図示せず)との間に挿間された回転式電位差計を備えることができる。さらに、インパクタアセンブリ102との物理的接触に応答したトリガ154の動きに依拠するのではなく、センサ152は、代わりに、ホール効果センサ、近接センサ、光学センサなどとして構成することができ、物理的接触を必要とせずに、ガイド104に対するインパクタアセンブリ102の任意の適切な部分の近接および/または相対位置を感知する。他の構成も考えられ、追加のセンサ配置は、
図16A~28Bに関連して以下でより詳細に述べる。
【0066】
ここで
図9A~9Iを参照すると、図示されたエンドエフェクタ40を利用してプロテーゼPを手術部位Sに嵌入するための特定のステップが順次に示されている。
図9Aでは、エンドエフェクタ40のマウント90およびガイド104は、ガイド軸A2が軌道Tに位置合わせされた状態で、手術部位Sに隣接して位置決めされている。例示実施形態では、軌道Tは、上述したように、寛骨臼に嵌め込まれた後のプロテーゼPの所期の位置(
図9Aに想像線で示される所期の位置)に基づいて、手術部位Sによって画定される。さらに、軌道TとプロテーゼPの所期の位置との両方が、トラッカ、センサ、カメラなどの様々な組合せなどを用いて表面ロボット32によって監視される、知られる、あるいは決定される。わかりやすくするために、
図9Aではガイド104が最初に位置決めされており、ガイド軸A2が軌道Tと同軸に位置合わせされ、軌道TはプロテーゼPの所期の位置によって画定される。しかし、前述のシナリオは例示的なものであり、軌道Tは、いくつかの異なる方法で画定、決定、あるいは設定することができることを理解されたい。具体的には、以下の
図9J~9Nの後続の説明から理解されるように、ガイド104は、最初は、ガイド軸A2が軌道Tと必ずしも同軸ではないように位置決めすることができる。
【0067】
概して
図9A~9Nに示されているように、筋肉、軟骨、骨盤骨の一部分など、手術部位Sに隣接する患者の身体Bの部分は、外科医が、嵌入前に手術部位SにプロテーゼPを位置決めするために軌道Tに沿って手術部位Sに直に接近するのを制限することがある。ここで、本開示の手術システム30およびエンドエフェクタ40は、手術部位Sへの接近を容易にするために通常であれば必要とされ得る手術部位Sでの大きな切開または過剰な骨/組織除去を必要とせずに、外科医がプロテーゼPを手術部位Sに接近させて最初に位置決めすることができるようにする。さらに、本開示の手術システム30およびエンドエフェクタ40はまた、外科医が軌道Tを設定し、プロテーゼPを手術部位Sに接近させることを可能にし、ガイド104および/またはロボットアーム36を軌道Tから外すその後の操作を必ずしも必要としない。また、これにより、外科医は、患者の身体Bの操作を最小限に抑えて、手術部位SへのプロテーゼPの接近を容易にすることが可能になる。さらに、後の記述から以下で理解されるように、手術システム30およびエンドエフェクタ40は、インパクタアセンブリ102を使用して、ガイド104への結合なしで手動でプロテーゼPを位置決めして手術部位Sに接近することができる特定のシナリオにおいて、プロテーゼPの位置決めおよび手術部位Sへの接近に関して大きな利点を提供する。プロテーゼPが最初に手術部位Sに位置決めされた後、シャフト86をガイド104の開口部96内に動かすために、インパクタアセンブリ102を手術部位Sの周りで枢動させる、あるいは手術部位Sに対して向きを定めることができる。これにより、インパクタアセンブリ102および/またはガイド104の一部を分解し、次いで嵌入前に組み立て直す必要なく、軌道Tに対する軸線A1、A2の位置合わせを迅速に効率的に実現することが可能になる。
【0068】
図9Aを引き続き参照すると、上述したように、この例示的な例では、エンドエフェクタ40のガイド104は最初に軌道Tに沿って位置決めされ、ガイド軸A2が、寛骨臼のリーミングなどによって決定される、嵌入されるプロテーゼPの所期の位置によって画定された軌道Tと同軸になる。ここで、インパクタアセンブリ102およびプロテーゼPは、手術部位Sに隣接して位置決めされているが、まだ手術部位Sには位置決めされていない。軌道Tは既知であるので、いくつかの実施形態では、手術ロボット32は、外科医がインパクタアセンブリ102に取り付けられたプロテーゼPを手術部位に手動で接近させるときに、手術部位Sに対する軌道Tに沿ったガイド104の位置および向きを維持することができる(
図9B参照。
図9Aと比較)。
【0069】
図9Cに示されるように、プロテーゼPおよびインパクタアセンブリ102は、軌道Tから外れるガイド104の動きを必要とせずに、手動で手術部位Sに導くことができる(
図9Cを
図9Bと比較)。しかし、上述したように、かつ
図9J~9Nに関連して以下でより詳細に述べるように、手術ロボット32は、手術処置の特定のステップ中に軌道Tから外れるガイド104の動きを可能にするように構成されることがある。同様に、いくつかの実施形態では、手術ロボット32は、軌道Tの周りでのガイド104の「回転」運動をもたらす(例えば「零空間」内での)ロボットアーム36の特定の関節運動を可能にするように構成されることがある(例えば
図25A~25D参照)。
図9Cに示されるように、外科医がプロテーゼPを手術部位Sに手動で接近させた後、インパクタアセンブリ102を手術部位Sの周りで「枢動」させて、インパクタアセンブリ102のシャフト86をガイド104の開口部96に通すことができる(
図9D参照。
図9Cと比較。
図8A~8Bも参照)。
【0070】
外科医が、ガイド104の開口部96を通してインパクタアセンブリ102のシャフト86を動かし、シャフト86がチャネル94内に概して配設されると(
図9E参照)、外科医は、ガイド104を、手術部位Sから離れて、インパクタアセンブリ102のフランジ112に向かうように動かすことができる。上述したように、手術ロボット32は、いくつかの条件で力制御を容易にするために、外科医が触れたこと、あるいは方向性のある力を加えたことに応答して、ガイド104の制限された動きを可能にするように構成することができる。
図9Eに示されるように、外科医は、ガイド104の本体92を把持して、あるいは本体92を押して、軌道Tに沿って手術部位Sに対して(例えば手術部位Sから離れるように)ガイド104を動かすことができる。ここで、手術ロボット32の構成、実施される手術処置、および/または外科医の嗜好に応じて、手術ロボット32は、特定の条件が満たされるまで、例えば、インパクタアセンブリ102のシャフト86が開口部96を通過したことおよび/またはチャネル94内に適切に配設されたことをセンサ152が検知するまで、ガイド104が軌道Tに沿って並進することを許可しないことがある。センサ152は、上述したように、かつ以下でより詳細に述べるように、いくつかの異なる方法でこの検知を行うことができるが、
図9Eに示される実施形態では、インパクタアセンブリ102のシャフト86は、トリガ154に物理的に接触して示されており、シャフト86がチャネル94内で動かされたという検知を、センサ152を介して表す。
【0071】
手術ロボット32は、
図9A~9Dに示されてそれらの図に関連して述べた位置で、手術部位Sに対するガイド104のすべてまたは特定のタイプの動きを防止するように構成することができ、さらに、インパクタアセンブリ102のシャフト86がガイド104の開口部96を通過したことをセンサ152が検知したときに、手術部位Sから離れる(または、いくつかの実施形態では、手術部位Sから離れるおよび/または手術部位Sに向かう)軌道Tに沿ったガイド104の並進を後で可能にするようにさらに構成することができることも考えられる。しかし、
図9A~9Dに示され、それらの図に関連して述べた各位置において、手術ロボット32が手術部位Sに対して一方向または両方向に軌道Tに沿って並進することを許すこともできることを理解されたい。これは、例えば、センサ152がチャネル94に沿ったフランジ112の位置を追跡するために採用され、シャフト86の存在および/または近接を検知するためには必ずしも使用されない場合である。それにもかかわらず、チャネル94に対するシャフト86の存在および/または近接を検知するためにセンサ152が使用される場合、手術ロボット32は、いくつかの異なる方法でガイド104の動きを許可および/または制約するように構成することができる。例えば、シャフト86が開口部96を通過してチャネル94内に入ったことをセンサ152が検知した場合、手術ロボット32は、その後、軌道Tに沿った方向以外の方向、例えば手術部位Sから離れる動きを容易にする他の方向へのガイド104の動きを可能にすることができる。他の構成も企図される。
【0072】
上述したように、
図9Eは、外科医がガイド104の本体92を把持し、あるいは本体92に力を加えて、軌道Tに沿って手術部位Sから離れるようにガイド104を動かすことを示す。
図9Fでは、ガイド104は、軌道Tに沿って手術部位Sから離れるように動かされており、ガイド104のチャネル94の第1の軸方向チャネル端部94Aをインパクタアセンブリ102のテーパ116と接触させるように示されている。上述したように、テーパ116は、シャフト86とフランジ112との間でインパクタ軸A1に沿って延びる略円錐台形プロファイルを有し、この形状および配置は、テーパ116とチャネル94の第1の軸方向チャネル端部94Aとの間で生じる接触に応答して、フランジ112をチャネル94に向ける助けとなる。したがって、ガイド軸A2は、
図9A~9Iに示される例示的なシナリオでは軌道Tと同軸に位置合わせされるので、外科医がガイド104をテーパ116に向けるとき、テーパ116とチャネル94との間で生じる接触も、インパクタ軸A1をガイド軸A2および軌道Tと同軸位置合わせする助けとなる。
【0073】
外科医は、特定の条件で手術部位Sから離れる軌道Tに沿ったガイド104の動きを制御することができるので、効率的に制御下でインパクタ軸A1をガイド軸A2と同軸位置合わせさせることができ、インパクタ係合面88をガイド係合面98およびまた円弧状表面140と当接させて、軸線A1、A2の同軸位置合わせを維持する。軸線A1、A2の位置合わせが実現された後、外科医は、軌道Tに沿ってガイド104を手術部位Sからさらに離れるように動かして、
図9Gに示されるように、インパクタアセンブリ102のフランジ112をトリガ154と接触させることができる。ここで、エンドエフェクタ40、手術ロボット32、実施される手術処置、および/または外科医の嗜好の特定の構成に応じて、フランジ112とトリガ154との間で生じる特定量の接触をセンサ152によって解釈することができ、それを使用して、軌道Tに沿ったガイド104の後の動きを減速、制限、あるいは制約して、フランジ112が嵌入前にチャネル94に沿って軸方向に適切に位置決めされることを保証する。
【0074】
図9Hにおいて、フランジ112は、トリガ154をチャネル94からトリガアパーチャ158へと完全に偏位させるようにトリガ154に接触するように示されている。この位置では、センサ152を使用して、例えば、軌道Tに沿ったガイド104の後の動きを制限することができ;チャネル94に沿ったフランジ112の深さの追跡を開始するためおよび/または追跡する感度を高めるためにアドミッタンス制御で加えられた力に異なる応答をすることによって手術ロボット32の動作を変更することができ;フランジ112の位置に関して、嵌入を安全に行うことができることを示すフィードバックを外科医に提供することができる。次に、
図9Iに概略的に示されているように、外部嵌込力Fをインパクタアセンブリ102のヘッド106に加えて、プロテーゼPをインパクタ軸A1に沿って手術部位Sに前進させることができる。
図22A~24Dに示される実施形態の後続の説明から理解されるように、第1および第2の軸方向チャネル端部94A、94B間のフランジ112の相対位置は、
図9H~9Iに示されるものとは異なる形で配置されることがあり、チャネル94内でフランジ112を「中心合わせ」して、プロテーゼPが軌道Tに沿って手術部位Sに向けて前進されるときにインパクタ係合面88とガイド係合面98との係合が確実に維持されるようにする。言い換えると、
図9H~9I(およびまた
図9N)に示されるチャネル94に沿ったフランジ112の位置は例示であり、嵌込力Fの印加直前の第1および第2の軸方向チャネル94A、94B間のフランジ112の理想的な相対位置に必ずしも対応しない。
【0075】
図9A~9Iに示される例示的な例は、ガイド軸A2が最初に軌道Tと同軸に位置合わせされる場合の軌道Tに沿ったガイド104の制約された動きを表すが、手術ロボット32は、ガイド軸A2が最初に軌道Tと同軸に位置合わせされる場合とは異なる向きおよび方向を含む、他の形でのガイド104の位置決めおよび移動に対処するように構成することもできることを理解されたい。以下の
図9J~9Nの後続の説明から理解されるように、これは、特定の状況において、開口部96を通したインパクタアセンブリ102のシャフト86の位置決めおよび移動を容易にする助けとなり得る。
【0076】
図9Jでは、プロテーゼPは、インパクタアセンブリ102に取り付けられており、手術部位Sに手動で位置決めされている。ここでも、手術部位Sは、嵌入のための軌道Tを画定し、軌道Tは、上述したように手術ロボット32によって知られている。この例示的な実施形態では、ロボットアーム36は、ガイド104をインパクタアセンブリ102のシャフト86に向けて動かしているが、ガイド軸A2は、軌道Tと同軸に位置合わせされていない(
図9Jと
図9Cでのガイド104の相対位置を比較)。
【0077】
図9Kでは、インパクタアセンブリ102は、手術部位Sの周りで「枢動」されており、開口部96を通してチャネル94にシャフト86を動かす(
図9Kを
図9Jと比較)。ここで、インパクタ軸A1は、チャネル94を通過するものとして示されており、インパクタ軸A1とガイド軸A2との両方が、軌道Tとの同軸位置合わせから外れたままである。
【0078】
上述したように、手術ロボット32は、ガイド104に対するインパクタアセンブリ102の位置に関するセンサ152からの情報を使用して、シャフト86が開口部96を通過してチャネル94内に配設された後に、ガイド104を手術部位Sから離れるように動かすことができる。
図9Lでは、ガイド104は、手術部位Sから離れるように動かされ、インパクタアセンブリ102のフランジ112は、インパクタ係合面88がガイド係合面98に当接して配設されるように、ガイド104のチャネル94内に配設される。ここで、上述したように、フランジ112の球形プロファイルおよびチャネル94の円筒形プロファイルにより、フランジ112がチャネル94に沿って並進するか、あるいはチャネル94に対して回転するときに、インパクタアセンブリ102とガイド104との間で枢動を行うことができる。
【0079】
手術ロボット32は、ガイド軸A2および軌道Tの向き、ならびにインパクタアセンブリ102およびプロテーゼPの構造的構成を知っているので、また、手術ロボット32は、センサ152を使用して、チャネル94内のフランジ112の存在および/または位置を検知することができるので、したがって、手術ロボット32は、手術部位Sおよびガイド104の相対位置および向き、ならびにチャネル94に沿ったフランジ112の相対位置に基づいて、軌道Tおよび/またはガイド軸A2に対するインパクタ軸A1の向きを導出するように構成することができる。代替としてまたは追加として、インパクタアセンブリ102および/またはガイド104は、インパクタ軸A1の向きの検知を容易にする助けとなるように、1つまたは複数のセンサ、ならびにガイドトラッカ60Gおよび/またはインパクタトラッカ60I(
図1に概略的に示される)を備えることができることが考えられる。ここで、手術ロボット32は、インパクタ軸A1、ガイド軸A2、および軌道Tの相対的な向きを認識しているか、または検知することができるので、手術ロボット32は、ロボットアーム36を駆動する、または外科医がロボットアーム36を関節運動できるように構成することができ、インパクタ軸A1およびガイド軸A2を、嵌入の前に軌道Tと同軸位置合わせするようにガイドする。このタイプの関節運動は、
図9L~9Nに順次に示されている。
【0080】
エンドエフェクタの第2の実施形態が、
図10~15Cに示されている。後の記述から以下で理解されるように、この実施形態は、上述したエンドエフェクタ40の第1の実施形態と同様の構造および構成要素、ならびに同様の特徴、利点、および機能用途を共有する。したがって、第1の実施形態の構造および構成要素と同じまたはそれらに対応する第2の実施形態の構造および構成要素には、図面および以下の説明において、200だけ増加した同じ参照番号が与えられる。
【0081】
エンドエフェクタ240の第2の実施形態は、
図10~15Cに示され、上述したように
図3~8Cに示されるエンドエフェクタ40の第1の実施形態と同様である。エンドエフェクタ240の第2の実施形態とエンドエフェクタ40の第1の実施形態との具体的な相違を以下で詳細に述べるが、明瞭性、一貫性、および簡潔性のために、実施形態間で共通の構造および構成要素の大部分は以下で再び導入または再び説明しない。
【0082】
したがって、以下に特に示さない限り、上述したエンドエフェクタ40の第1の実施形態の説明は、制限なく、エンドエフェクタ240の第2の実施形態に関して参照により組み込むことができることが理解されよう。さらに、
図10~15Cに示されるエンドエフェクタ240の第2の実施形態の図は、
図3~8Cに示されるエンドエフェクタ40の第1の実施形態の図に概して対応するので、
図10~15Cでは、エンドエフェクタ240の第2の実施形態に関して本明細書で論じる構造および構成要素のみが参照番号で識別されている。それにもかかわらず、エンドエフェクタ40の第1の実施形態の説明に対応する
図3~8Cに現れる参照番号を使用して、エンドエフェクタ240の第2の実施形態に関して
図10~15Cに示される(しかし必ずしも参照番号で識別されているわけではない)対応するあるいは他の共通の構造および構成要素を容易に識別および理解することができる。
【0083】
ここで
図10~15Cを参照すると、エンドエフェクタ240の第2の実施形態が様々な図で示されている。上述したように、この第2の実施形態では、インパクタアセンブリ302は、上述したインパクタアセンブリ102の第1の実施形態と構造的に等価である。しかし、この第2の実施形態では、インパクタ係合面288は、第1の実施形態に関連して上述したようにフランジ312の一部ではなく、シャフト286の一部によって画定される。ここでもまた、シャフト286は、インパクタ軸A1の周りに位置合わせされた略円筒形プロファイルを有する。したがって、この実施形態では、インパクタ係合面288は、シャフト286の略円筒形の表面の一部として対応して実現される。
【0084】
エンドエフェクタ240の第2の実施形態では、ガイド304のリミッタ300が同様に採用されて、ガイド係合面298とインパクタ係合面288との当接を維持し、軸線A1、A2の互いの、および手術ロボット32によって維持される軌道Tとの同軸位置合わせを促進する助けとなる(例えば、
図12B参照)。しかし、この実施形態では、インパクタ係合面288がシャフト286の一部として画定されているので、リミッタ300は、ここでは、ガイド304の本体292とは別に形成された別個の構成要素として実現される。具体的には、この実施形態では、リミッタ300は、概して参照番号364で示されるラッチを備え、ラッチ364は、第1のラッチ位置364Aと第2のラッチ位置364Bとの間でガイド304の本体292に対して移動可能である。第1のラッチ位置364Aでは、リミッタ300は、本体292の開口部296から出るインパクタアセンブリ302の動きを阻止して、インパクタ係合面288に当接するガイド係合面298との軸線A1、A2の同軸位置合わせを維持する(
図15C参照)。第2のラッチ位置364Bでは、リミッタ300は、開口部296を横切るインパクタアセンブリ302の動きを可能にする(
図15B参照)。
【0085】
順に見たとき、
図15A~15Cは、インパクタアセンブリ302がどのようにして手術部位Sの周りで枢動して、シャフト286を開口部296に向けて開口部296に通し、本体292のガイド係合面298に接近して接触することができるかを示す。ここで、第1および第2のラッチ位置364A、364B間のラッチ364の動きは、以下でより詳細に述べるように、ラッチ364に対するシャフト286の接触により生じる。しかし、第1のラッチ位置364Aは、開口部296から出るインパクタアセンブリ302の動きをリミッタ300が阻止するのに十分な任意の適切な方法で画定することができ、軸線A1、A2と、インパクタ係合面288に当接するガイド係合面298との同軸位置合わせを維持することを理解されたい。同様に、第2のラッチ位置364Bは、ガイド係合面298との当接に向かって動くためのチャネル294内への動き、およびガイド係合面298との当接から外れるように動くためのチャネル294から出る動きを含め、開口部296を横切るインパクタアセンブリ302の動きをリミッタ300が可能にするのに十分な任意の適切な方法で画定することができる。
【0086】
図12A~14に最も良く示されているように、例示実施形態では、ガイド304の本体292は、同様に、マウント290への取付けに適合され、開口部296およびガイド係合面298を画定する。しかし、この実施形態では、ガイド係合面298は、略U字形プロファイルを有し(
図12B参照)、本体292は、ガイド係合面298からそれぞれのアーム端部368まで延びる1対のアーム366を備える。アーム端部368は、それらの間に開口部296を画定するように互いに離間されている。アーム366はそれぞれ、それぞれのアーム端部368とガイド係合面298との間に延びるアーム面370を画定する。ここで、アーム面370は、略V字形の構成で配置され、開口部296とガイド係合面298との間で先細りして、軸線A1、A2を同軸位置合わせする助けとなる。この構成はまた、ガイド軸A2が最初は手術ロボット32によって維持される軌道Tと同軸位置合わせされないシナリオにおいて、シャフト286のインパクタ係合面288をガイド係合面298と当接するように案内することを促進する助けとなる。したがって、ここで、エンドエフェクタ240のこの第2の実施形態でも、外科医はシャフト286および/またはガイド304を関節運動させて、インパクタ係合面288をガイド係合面298に当接させることができ、当接は、リミッタ300によって維持され、手術ロボット32は、その後、ガイド304を関節運動させて、軸線A1、A2を軌道Tと同軸位置合わせすることができる。
【0087】
図13に最も良く示されているように、エンドエフェクタ240の第2の実施形態のチャネル294は、同様に、第1および第2の軸方向チャネル端部294A、294B間に延びる。しかし、この実施形態では、チャネル294はまた、第2の軸方向チャネル端部294と本体292の隣接部分との間でガイド軸A2から離れるように先細りしている(
図14も参照)。この配置はまた、軸線A1、A2を同軸位置合わせする助けとなり、シャフト286および/またはガイド304を動かすときに広範囲の動きおよび向きを利用して、インパクタ係合面288とガイド係合298との当接を容易にすることができる。しかし、他の構成も企図されることを理解されたい。
【0088】
図13を引き続き参照すると、第1および第2のラッチ位置364A、364Bの間でのラッチ364の移動を容易にするために、例示実施形態では、アパーチャ372が形成され、ラッチ364を通って延びて、固定具374によって本体292に対する動きに関してラッチ364を回転可能に支持する。固定具374は、本体292に形成されたボス376に固定される。したがって、ラッチ364は、第1および第2のラッチ位置364A、364Bの間で固定具374の周りで枢動することができる。例示実施形態では、ボス376は、本体292に形成されたポケット378内に配設される。ポケット378はまた、本明細書ではねじりばねとして実現される付勢要素380を収容し、付勢要素380は、ボス376の周りに支持され、ラッチ364とガイド304の本体292との間に挿間されて、ラッチ364を第1のラッチ位置364Aに向けて付勢する。しかし、ラッチ364は、本開示の範囲から逸脱することなく、いくつかの異なる方法で、第1および第2のラッチ位置364A、364Bの間で本体292に対して動くように配置することができることを理解されたい。
【0089】
ここで
図12A~15Cを参照すると、ラッチ364は、第1のラッチ位置364Aにあるときにガイド304の本体292のチャネル294を少なくとも一部横切るように形作られて配置されて、開口部296から出るインパクタアセンブリ302の動きを阻止する(例えば
図12B参照)。この構成は、インパクタ係合面288がガイド係合面298に当接した状態でリミッタ300によって軸線A1、A2の同軸位置合わせが維持されるのを保証する助けとなることを理解されたい。
【0090】
例示実施形態では、
図12Bに最も良く示されているように、ラッチ364は、概して参照番号382で示される保持面を備え、保持面は、第1のラッチ位置364Aにあるときにインパクタアセンブリ302のシャフト286に係合するように形成されて配置される。したがって、ラッチ364の保持面382は、シャフト286に当接してリミッタ300の一部を形成し、インパクタ係合面288がガイド係合面298に当接した状態で軸線A1、A2の同軸位置合わせを維持する。ここで、付勢要素380は、有利には、ガイド係合面298に対するインパクタ係合面288の当接も維持するのに十分な力で保持面382とシャフト286との当接を維持するように構成されることを理解されたい。いくつかの実施形態では、第1のラッチ位置364Aから出るラッチ364の動きを制約するためにロック機構(図示せず)を提供することができることも考えられる。他の構成も企図される。
【0091】
ラッチ364にはまた、概して参照番号384で示されるカム部分が設けられ、カム部分384は、ガイド係合面298とは逆を向いている。カム部分384は、第1のラッチ位置364Aから第2のラッチ位置364Bに向かうラッチ364の動きを容易にするように、インパクタアセンブリ302の一部に当接するように配置される(
図15B参照)。これにより、インパクタアセンブリ302のシャフト286がガイド304の開口部296を通過してガイド係合面298に向かい、インパクタ係合面288をガイド係合面298に当接させることが可能である。さらに、ラッチ364は、概して参照番号386で示される解放部をさらに備え、解放部386は、インパクタアセンブリがガイド304の本体292の開口部296から出ることを可能にするために、ラッチ364を第1のラッチ位置364Aから第2のラッチ位置364Bに動かすために外科医またはユーザが作動できるように構成される。しかし、当業者は、ラッチ364をいくつかの異なる形態で形成することができ、したがって、第1および第2のラッチ位置364A、364Bの間で動かすのに十分ないくつかの異なる形状、プロファイル、および/または構成を有することができることを理解されよう。
【0092】
エンドエフェクタの第3の実施形態が、概して
図16A~24Dに示されている。後の記述から以下で理解されるように、この実施形態は、上述したエンドエフェクタ40の第1の実施形態と同様の構造および構成要素、ならびに同様の特徴、利点、および機能用途を共有する。したがって、第1の実施形態の構造および構成要素と同じまたはそれらに対応する第3の実施形態の構造および構成要素には、図面および以下の説明において、400だけ増加した同じ参照番号が与えられる。さらに、第3の実施形態はまた、上述したエンドエフェクタ240の第2の実施形態と同様の構造および構成要素、ならびに同様の特徴、利点、および動作上の使用をいくつか共有する。したがって、第2の実施形態の構造および構成要素と同じまたはそれらに対応する第3の実施形態の構造および構成要素には、図面および以下の説明において、200だけ増加した同じ参照番号が与えられている。
【0093】
エンドエフェクタ440の第3の実施形態は、
図16A~24Dに示され、本明細書で述べて図示する他の実施形態と同様である。エンドエフェクタ440の第3の実施形態と他の実施形態との具体的な相違を以下で詳細に述べるが、明瞭性、一貫性、および簡潔性のために、実施形態間で共通の構造および構成要素の大部分は以下で再び導入または再び説明しない。したがって、以下に特に示さない限り、上述した他の実施形態の説明は、制限なく、エンドエフェクタ440の第3の実施形態に関して参照により組み込むことができることが理解されよう。さらに、エンドエフェクタ440の第3の実施形態の様々な態様を、本開示の他の実施形態にも適用することができることを理解されたい。
【0094】
ここで
図16A~16Bを参照すると、エンドエフェクタ440の第3の実施形態のインパクタアセンブリ502が示されている。ここでも、インパクタアセンブリ502は、インパクタ軸A1に沿った嵌込力Fを受けるようにハンドル508の近位端480にヘッド506を採用し、フランジ512を備え、フランジ512は、シャフト486とハンドル508のグリップ510との間に配置され、インパクタ係合面488を画定する略球形の構成を備える。しかし、この第3の実施形態では、シャフト486の遠位端482に隣接するプロテーゼPに着脱可能に取り付けられるインターフェース484は、概して参照番号588で示されるキャリアシャフトによって画定される(
図16B参照)。キャリアシャフト588は、シャフト486およびハンドル508に対してインパクタ軸A1の周りを回転するように支持され、また、以下により詳細に述べるように、インパクタ軸A1に沿った限られた量の並進のために支持される。この目的で、シャフト486およびハンドル508の第3の実施形態は、概して中空であり、1つまたは複数の円筒領域(詳細には図示せず)を備えることがあり、例えば、キャリアシャフト588をその中に収容し、回転および/または並進を容易にする。キャリアシャフト588は、概して、近位シャフト端部590と遠位シャフト端部592との間でインパクタ軸A1に沿って延び、回転および力の分配を容易にするためにそれらの間に1つまたは複数のベアリング領域594が設けられる。
【0095】
この第3の実施形態でのインターフェース484は、シャフト486自体の遠位端482とは対照的に、キャリアシャフト588の遠位シャフト端部592に配置されたねじ係合部524によって実現される。この実施形態では、シャフト486の遠位端482には、プロテーゼPに形成された対応する形状の切欠き部分598と係合するように形作られた略長方形プロファイルを有するキー部分596が設けられる(
図16A参照。想像線で示される)。この構成は、シャフト486(したがってハンドル508)に対するプロテーゼPの割り出しを可能にし、これは、プロテーゼPが、手術部位Sに対して位置合わせされる必要がある特定の特徴部を有する用途に有利であり得る。さらに、この構成はまた、シャフト486に対するキャリアシャフト588の回転および並進を使用して、シャフト486をインパクタ軸A1の周りで回転させることもなく、ねじ係合524を係合解除することができるという点で、プロテーゼPとインパクタアセンブリ502との着脱可能な取付けを容易にする助けとなる。この目的で、ハンドル508には、ノブ602を収容してノブ602へのアクセスを容易にするように形作られた、ヘッド506とグリップ510との間に配設されたケージ600も設けられ、ノブ602は、キャリアシャフト588の近位シャフト端部590に動作可能に取り付けられる。例示実施形態では、ノブ602は、インパクタ軸A1に沿って形成された軸方向ノブアパーチャ604と、インパクタ軸A1に対して横方向に形成され、軸方向ノブアパーチャ604と連通して配設された横方向ノブアパーチャ606とを備える。軸方向ノブアパーチャ604は、キャリアシャフト588の近位シャフト端部590を受け入れるように形作られ、横方向ノブアパーチャ606は、横方向ピン608を受け入れるように形作られ、横方向ピン608は、キャリアシャフト588に形成された横方向シャフトアパーチャ610内にも受け入れられる(
図16B参照)。キャリアシャフト588の保定を保証することに加えて、この構成は、ノブ602およびキャリアシャフト588がインパクタ軸A1の周りで同時に回転および並進することも可能にする。ここで、ハンドル508のケージ600は、略U字形プロファイルを有し、インパクタ軸A1に沿ったノブ602の限られた並進を可能にするとともに、外科医にノブ602へのアクセスも提供するように構成される。
【0096】
ここで
図17~21を参照すると、エンドエフェクタ440の第3の実施形態のガイド504が全体として示されており、同様に本体492を備え、本体492は、マウント490(詳細には図示せず)に動作可能に取り付けられて、手術ロボット32の連結部38(
図1参照)への着脱可能な取付けを容易にする。ここでもまた、本体492は、一般に、チャネル494、開口部496、ガイド係合面498、およびリミッタ500を備える。
図18Bに最も良く示されているように、ガイド504の本体492は、この実施形態ではポケット578を採用して、とりわけ、センササブアセンブリ612、フォロワサブアセンブリ614、および入力モジュール616を収容し、以下でそれぞれをより詳細に述べる。
【0097】
この第3の実施形態では、センササブアセンブリ612は、一般にセンサハウジング618を備え、センサハウジング618は、複数のセンサ552を支持し、固定具574を介してガイド504の本体492に固定される。より具体的には、
図18Bに最も良く示されているように、センササブアセンブリ612は、第1のプッシュロッドセンサ552A、第2のプッシュロッドセンサ552B、および入力センサ552Iを備え、これらのセンサはそれぞれ、ロボット制御システム48(例えばロボットコントローラ52)、または手術システム30の他の構成要素と通信(例えば、有線または無線電気通信)するように配設されることがある。入力センサ552Iは、入力モジュール616によって係合されるように配置され、あるいは入力モジュール616と通信するように配設され、第1および第2のプッシュロッドセンサ552A、552Bは、フォロワサブアセンブリ614と係合されるように配置され、あるいはフォロワサブアセンブリ614と通信するように配設される。後の記述から以下で理解されるように、センササブアセンブリ612の各センサ552は、いくつかの異なるタイプ、スタイル、構成などのものでよく、本明細書に具体的に示されるもの以外の他の構成も本発明によって企図される。
【0098】
図18Bに示されるように、入力モジュール616は、外科医による選択的な作動のために構成され、一般に入力フレーム620および入力ボタン622を備える。入力フレーム620は、1つまたは複数の固定具574を介してガイド504の本体492に固定され、相対運動するように入力ボタン622を支持する。入力ボタン622は、外科医による(例えば入力ボタン622を押すことによる)作動に応答して入力センサ552Iに係合するように配置された突起624を備える。いくつかの実施形態では、入力ボタン622は、ばね(図示せず)などによって、入力フレームから離れるように弾性的に付勢されることがある。しかし、他の構成も企図される。以下でより詳細に述べるように、入力モジュール616は、外科手術中に手術ロボット32を様々な様式で操作することを容易にするように構成することができる。
【0099】
フォロワサブアセンブリ614は、センササブアセンブリ612と同様に、ガイド504の本体492に形成されたポケット578内に収容されるように構成され、固定具574によって本体492に固定される。この第3の実施形態では、ポケット578は、チャネル494と連通するように延びて、フォロワサブアセンブリ614の取付けを容易にし、フォロワサブアセンブリ614は、以下でより詳細に述べるように、チャネル494に隣接するポケット578内に着座するフォロワハウジング626を備え、開口部496を通過できるようにサイズ設定されて形作られる。この構成は、ガイド504の組立てを容易にする助けとなり、センササブアセンブリ612がチャネル494に対して適切に位置決めされることを保証する(
図18A参照)。この第3の実施形態ではポケット578がチャネル494内に延びるので、ガイド係合面498は、本体492と、フォロワハウジング626の一部との両方によって画定される。言い換えると、この実施形態では、インパクタアセンブリ502のフランジ512によって画定されるインパクタ係合面488は、本体492とフォロワハウジング626との両方に当接する。
【0100】
ここで
図18A~19Bおよび21を参照すると、フォロワハウジング626に加えて、フォロワサブアセンブリ614は、一般に、第1および第2のトリガ628、630、第1および第2のトリガピン632、634、第1および第2のプッシュロッド636、638、第1および第2のばね640、642、第1および第2のシート644、646、第1および第2のキーパ648、650、ならびにマニホルド本体652も備える。これらの各構成要素については、以下でより詳細に述べる。
【0101】
図22A~24Dに関連して述べるように、フォロワハウジング626は、一般に、それぞれ第1および第2のトリガピン632、634の周りでの枢動運動のために第1および第2のトリガ628、630を支持する。この目的で、フォロワハウジング626は、マニホルド本体652に当接するための略平坦プロファイルを有するフランジ面654と、チャネル494に相補的であり、この実施形態ではガイド係合面498の一部を成す湾曲プロファイルを有する反対側の係合面656とを画定する(
図18A~18Bおよび20参照)。固定具574は、マニホルド本体652をフォロワハウジング626に動作可能に取り付ける(取付けは詳細には図示せず)。略長方形プロファイル(詳細には図示せず)をそれぞれが有する第1および第2のトリガスロット658、660は、フランジ面654に向かって長手方向に延びる係合面656に画定され、それぞれ第1および第2のトリガ628、630を収容するように形作られて配置される。この目的で、第1および第2のピン穴662、664もフォロワハウジング626に画定され、第1および第2のトリガスロット658、660のそれぞれを通って、およびフォロワハウジング626の側面を通って横方向に延びる。第1および第2のピン穴662、664は、それぞれ第1および第2のトリガ628、630を通って延びる第1および第2のトリガピン632、634をそれぞれ収容するように形作られて配置される。
【0102】
トリガ628、630は、チャネル494内に延び、フランジ512との係合に応答してセンサに向かって偏向するように構成されているという点で、エンドエフェクタ40の第1の実施形態に関連して上述したトリガ154と同様であるが、それにもかかわらず、それらの構成における特定の相違により、本明細書では別々に述べる。より具体的には、第1および第2のトリガ628、630はそれぞれ、第1および第2のトリガピン632、634を受け入れるように形作られたそれぞれのトリガ穴666およびトリガスロット668を画定し、第1のトリガ628のトリガ穴666は、第1のトリガピン632の周りで回転可能に支持され、第2のトリガ630のトリガ穴666は、第2のトリガピン634の周りで回転可能に支持される。さらに、第2のトリガピン634は、第1のトリガ628のトリガスロット668を通って延び、第1のトリガピン632は、第2のトリガ630のトリガスロット668を通って延びる。
【0103】
トリガスロット668は、インパクタアセンブリ502のフランジ512との係合に応答して、それぞれのトリガピン632、634の周りでのトリガ628、630のそれぞれの制限された動きを可能にするように形作られて配置される。より具体的には、第1のトリガ628は、インパクタアセンブリ502と係合していないことによって画定される延出した第1の位置628E(
図22A~22Bおよび22G~22H参照)、後退した第1の位置628R(
図22D~22E参照)、および延出した第1の位置628Eと後退した第1の位置628Rとの間の1つまたは複数の中間の第1の位置628I(
図22Cおよび22F参照)の間で動くように配置される。同様に、第2のトリガ630は、延出した第2の位置630E(
図22A~22Cおよび22H参照)、後退した第2の位置630R(
図22E~22F参照)、および延出した第2の位置630Eと後退した第2の位置630Rとの間の1つまたは複数の中間の第2の位置630I(
図22Dおよび22G参照)の間で動くように配置される。
【0104】
第1および第2のトリガ628、630はまた、それぞれ、フランジ領域672およびプッシュロッド領域674を画定するエッジ表面670を備える。フランジ領域672は、トリガ628、630がそれらの延出位置628E、630Eにあるときには一般にチャネル494内に配設され、インパクタアセンブリ502のフランジ512に当接、係合、あるいは接触して、それに応答してそれぞれのトリガピン632、634の周りでの枢動運動を促進するように形作られて配置される。フランジ領域672はまた、フランジ512との係合を介して完全に枢動されたときにチャネル494の湾曲したプロファイルを補完するように、湾曲したおよび/または傾斜したプロファイル(
図20参照)を有することがある。第1および第2のトリガ628、630のプッシュロッド領域674は、第1および第2のトリガ628、630の枢動運動を第1および第2のプッシュロッド636、638の軸方向運動に変換するために、第1および第2のプッシュロッド636、638のそれぞれのステム676に当接するように形作られる。ここで、以下でより詳細に述べるように、第1および第2のプッシュロッド636、638は、それぞれ第1および第2のトリガ628、630と第1および第2のプッシュロッドセンサ552A、552Bとの間の力変換可能に介挿されて、それぞれのトリガ628、630がそれらの延出位置628E、630Eから離れる動きに応答してセンサ552A、552Bを係合し、これは、チャネル494の第1および第2の軸方向チャネル端部494A、494B間のフランジ512の相対的な軸方向位置を検知できるようにする。
【0105】
第1および第2のプッシュロッド636、638のステム676は、それぞれ第1および第2のトリガスロット658、660と連通するように延びるフォロワハウジング626のフランジ面654に画定されたそれぞれのステム穴678内に配設されて、第1および第2のトリガ628、630のプッシュロッド領域674との当接を容易にする。第1および第2のプッシュロッド636、638はそれぞれ、ステム676から軸方向に延びるそれぞれのシャンク680も備える。第1および第2のプッシュロッド636、638のシャンク680は、第1および第2のシート644、646に形成されたそれぞれのシャンク穴682を通って延び、それぞれ、第1および第2のプッシュロッド636、638のステム676と第1および第2のシート644、646の縁部684(
図19B参照)との間で第1および第2のばね640、642を支持する(または少なくともそれらの動きを制限する)。第1および第2のシート644、646の一部分、ならびに第1および第2のプッシュロッド636、638のシャンク680の一部分は、マニホルド本体652を通って長手方向に画定されたシート穴686を通って延びる。ここで、第1および第2のキーパ648、650は、それぞれ第1および第2のプッシュロッドセンサ552A、552Bと係合あるいは相互作用する第1および第2のプッシュロッド636、638のプッシュロッド端部690に隣接するそれぞれの第1および第2のプッシュロッド636、638に形成された切欠き688に着座される。この構成は、第1および第2のプッシュロッド636、638を保定し、いくつかの実施形態では、ステム676と縁部684との間の第1および第2のばね640、642に予荷重をかけ、それにより、第1および第2のプッシュロッド636、638がそれぞれ、第1および第2のトリガ628、630と係合するようにそれぞれ独立して付勢される。したがって、それぞれの延出位置と後退位置628E、630E;628R、630Rの間での第1および第2のトリガ628、630の枢動運動は、第1および第2のプッシュロッド636、638のプッシュロッド端部690の軸方向運動に変換され、この軸方向運動をプッシュロッドセンサ552A、552Bによって感知、あるいは検知することができる。
【0106】
ここで
図22A~22Hおよび24A~24Dを参照すると、エンドエフェクタ440、プロテーゼP、および手術部位Sの第3の実施形態の一部分が概略輪郭で描かれており、概略輪郭のいくつかは、例示目的で想像線で、および/または誇張された幾何形状で示されている。
図22A~22Hは、とりわけ、以下でより詳細に述べるように、センササブアセンブリ612の動作を示すために、インパクタアセンブリ502に対するガイド504の様々な位置を表す。ここで、プロテーゼPおよび手術部位Sは、わかりやすいように、また、様々なタイプのワークピース44および/またはターゲット46を含むいくつかの異なるタイプの外科手術に関連して本開示の態様を使用することができることを繰り返し述べるために、全般的に表されている。
【0107】
図22Aに最も良く示されているように、手術部位Sは、軌道Tに沿ったターゲット基準点TRPを画定し、プロテーゼPは、プロテーゼPが着脱可能に取り付けられるインパクタアセンブリ502のインパクタ軸A1に沿ったワークピース基準点WRPを画定する。ここでも、インパクタアセンブリ502は、フランジ512の中心に(例えば、インパクタ係合面488を画定する球形プロファイルの幾何学的中心に)配置されるインパクタ軸A1に沿ったフランジ基準点FRPを画定する。同様に、ガイド504は、チャネル494の中心に配置される(例えば、第1および第2の軸方向チャネル端部494A、494Bの間で等距離に離間された)ガイド軸A2に沿ったガイド基準点GRPを画定する。
【0108】
図22Aに示される例示的な例では、プロテーゼPは、インパクタ軸A1が軌道Tに沿って位置合わせされた状態で手術部位Sに嵌入するように位置決めされ、ワークピース基準点WRPはターゲット基準点TRPから離間され、嵌入後のプロテーゼPの所期の位置は、ワークピース基準点WRPがターゲット基準点TRPと一致することによって画定される。
図22A~22Bは、ワークピース基準点WRPが、ここでは共通の座標系(例えばローカライザ座標系LCLZ)内でのワークピース基準点WRPとターゲット基準点TRPとの座標点間の距離として表される第1のワークピース-ターゲット距離692Aで、ターゲット基準点TRPから離間されることを示す。さらに、
図22A~22Bは、フランジ基準点FRPが、ここでは共通の座標系(例えばローカライザ座標系LCLZ)内でのフランジ基準点FRPとターゲット基準点TRPとの座標点間の距離として表される第1のフランジ-ターゲット距離694Aで、ターゲット基準点TRPから離間されることを示す。さらに、
図22Bは、ガイド基準点GRPが、ここでは共通の座標系(例えばローカライザ座標系LCLZ)内でのガイド基準点GRPとターゲット基準点TRPとの座標点間の距離として表される第1のガイド-ターゲット距離696Aで、ターゲット基準点TRPから離間されることを示す。本明細書では「点」として述べるが、ガイド、フランジ、ターゲット、および/またはワークピース基準点GRP、FRP、TRP、WRPの1つまたは複数を、(例えば位置と向きの両方を表すために)例えば座標系内で他の形で画定することができることも考えられる。
【0109】
図22A~22Bには示されていないが、
図1に示されるガイドトラッカ60G、インパクタトラッカ60I、および第1の患者トラッカ60Aは、ガイド基準点GRP、フランジ基準点FRP、およびターゲット基準点TRPをローカライザ座標系LCLZ(および/または1つもしくは複数の他の共通の座標系)内で監視することができる一方法を示すことを理解されたい。ここで、プロテーゼPはインパクタアセンブリ502のインターフェース484に着脱可能に固定されるので、ワークピース基準点WRPは、インパクタアセンブリ502とプロテーゼPとの既知の幾何学的関係に基づいてフランジ基準点FRPを変換することによって検知することができることを理解されたい。したがって、いくつかの実施形態では、ナビゲーションシステム50を使用して、トラッカ60を使用することによって、ローカライザ座標系LCLZ内のガイド、フランジ、ターゲット、およびワークピース基準点GRP、FRP、TRP、WRPを監視することができる。しかし、様々な追跡技法を利用することができ、特定の用途では、手術システム30の特定の構成要素と共に特定のトラッカ60を利用することが不要であり得る、あるいは実現困難であり得ることも理解されたい。
【0110】
非限定的な例として、ガイド基準点GRPは、ガイド504と連結部38との間の既知の幾何的関係と共に考察されて、(例えば関節にあるセンサによって検知される)ロボットアーム36の特定の構成および配置などに基づいて、ガイドトラッカ60Gを使用せずに検知することができる。さらなる非限定的な例として、インパクタトラッカ60Iの利用により、有利には、ナビゲーションシステム50がターゲット基準点TRPに対するワークピース基準点WRPを監視できるようになるが、(例えば
図22A~22Hに関連して示されるような)インパクタアセンブリ502の特定の実施形態は、インパクタトラッカ60Iを省略することもある。そのような場合、以下でより詳細に述べるように、1つまたは複数のセンサ552を利用して、インパクタアセンブリ502とガイド504との既知の幾何的関係に基づいてガイド基準点GRPを変換することによって、フランジ基準点FRP(したがってワークピース基準点WRP)を決定することができる。その結果、1つまたは複数のセンサ552との所定の相互作用をもたらし、それにより、1つまたは複数のセンサ552は、インパクタアセンブリ502がガイド504に対して既知の様式で位置決め、配置、あるいは向き設定されることを示す信号を生成する。
【0111】
図22A~24Dは、インパクタアセンブリ502の位置を決定する(あるいは位置の変化に応答する)ために、ガイド504に結合された1つまたは複数のセンサ552をどのように使用することができるかを含む、エンドエフェクタ440の第3の実施形態(および本開示の他の実施形態)の様々な態様を示す。
図22A~24Dに関連して本明細書で述べる代表的な実施形態では、第1および第2のプッシュロッドセンサ552A、552Bは、モーメンタリスイッチとして実現されるが、以下でより詳細に述べるように他のタイプおよび構成でもよい。それにもかかわらず、明瞭性および一貫性の目的で、
図22A~24Dの前述の説明は、第1のプッシュロッドセンサ552Aが、係合解除された第1のセンサ状態S1Aと係合された第1のセンサ状態S1Bとの間で動作可能であることに基づき、また、第2のプッシュロッドセンサ552Bが、係合解除された第2のセンサ状態S2Aと係合された第2のセンサ状態S2Bとの間で動作可能であることに基づいている。
【0112】
第1および第2のプッシュロッドセンサ552A、552Bの係合/係合解除は、
図22A~22Hに関して以下で詳細に述べるが、
図23はまた、手術システム30の他の部分に通信されることがある第1および第2のプッシュロッドセンサ552A、552Bによってそれぞれ生成された信号SN1、SN2のグラフィカル表現を示す。
図23では、垂直線A、B、C、D、E、F、G、およびHはそれぞれ、
図22A、22B、22C、22D、22E、22F、22G、および22Hに示されているものに対応する。さらに、
図23では、一点鎖線は、係合解除された第1のセンサ状態S1Aと係合された第1のセンサ状態S1Bとの間の第1の信号SN1(ここでは水平線で表される)を表し、二点鎖線は、係合解除された第2のセンサ状態S2Aと係合された第2のセンサ状態S2Bとの間の第2の信号SN2(ここでも水平線で表される)を表す。
【0113】
図22Aでは、ガイド504は、インパクタアセンブリ502から水平に離間されて示され、
図22Bは、インパクタアセンブリ502のシャフト486をガイド504のチャネル494内に位置決めするために水平方向で左に動かされているガイド504を示す。より具体的には、
図22Bでは、手術ロボット32は、ガイド軸A2を軌道Tと位置合わせするために、手術部位Sに対してガイド504を動かしている。本明細書では図示されていないが、手術ロボット32は、ガイド軸A2と軌道Tとの位置合わせを維持するために、ロボットアーム36を制御あるいは駆動することによって手術部位Sの動きを補償することができることを理解されたい。
【0114】
図22Bは、プロテーゼPとインパクタアセンブリ502のフランジ512との間に垂直に配設されたガイド504のチャネル494内に配置されたインパクタアセンブリ502のシャフト486を示す。上述したように、この配置は、有利には、外科医がガイド504から独立してインパクタアセンブリ502を関節運動させる、操作する、あるいは取り扱うことを可能にし、外科医は、チャネル494内に位置決めされると、ガイド504を、軌道Tに沿って手術部位Sから離れてフランジ512に向かうように(例えば垂直に)動かすことができる。
図22B(ならびに
図22A)はまた、それぞれの延出位置628E、630Eに配置された第1のトリガ628および第2のトリガ630を示す。明瞭性および一貫性のために、特に明記しない限り、第1のプッシュロッドセンサ552Aは、第1の延出位置628Eでは第1のトリガ628と係合していないとみなされ、第1の後退位置628Rまたは中間の第1の位置628Iの1つでは第1のトリガ628と係合しているとみなされる。同様に、特に明記しない限り、第2のプッシュロッドセンサ552Bは、第2の延出位置630Eでは第2のトリガ630と係合していないとみなされ、第2の後退位置630Rまたは中間の第2の位置630Iの1つでは第2のトリガ630と係合しているとみなされる。言い換えると、延出位置628E、630Eは、インパクタアセンブリ502と係合していないことによって画定され、後退位置628R、630R(および中間位置628I、630I)は、インパクタアセンブリ502のフランジ512と係合していることによって画定される。しかし、他の構成も企図される。
【0115】
図22Cは、ガイド基準点GRPが第2のガイド-ターゲット距離696Bに配置され、インパクタアセンブリ502のフランジ512がガイド504のチャネル494内に配設されるように動かされた、ガイド504を示す。言い換えると、この配置では、インパクタ係合面488は、ガイド係合面498に当接しており(当接はここでは図示せず)、ガイド基準点GRPは、垂直方向でフランジ基準点FRPの下に配置される。
図22Cはまた、第1のトリガ628のフランジ領域672に当接するインパクタアセンブリ502のフランジ512を示し、応答して、第1のトリガピン632の周りで、延出した第1の位置628Eから離れて、中間の第1の位置628Iの1つまで枢動している。これは、第1のプッシュロッド636を、第1のプッシュロッドセンサ552Aに向けて係合するように前進させている(
図22Cを
図22Bと比較)。しかし、このように第2のガイド-ターゲット距離696Bで配置されるとき、第2のトリガ630のフランジ領域672は、フランジ512との当接から外れ、延出した第2の位置630Eに配設されたままである。したがって、第2のプッシュロッド638は、第2のプッシュロッドセンサ552Bと係合解除したままである。したがって、
図23は、(垂直線Cでの)第1の信号SN1を、係合解除した第1のセンサ状態S1Aから係合した第1のセンサ状態S1Bに動いたものとして示し、(垂直線Cでの)第2の信号SN2を、係合解除した第2のセンサ状態S2Aに留まっているものとして示す。
【0116】
図22Dは、ガイド基準点GRPが第3のガイド-ターゲット距離696Cに配置され、インパクタアセンブリ502のフランジ512がガイド504のチャネル494内にさらに配設されるように動かされた、ガイド504を示す。ここでも、
図22Dにおいて、ガイド基準点GRPは、垂直方向でフランジ基準点FRPの下に配置される。
図22Dはまた、第1トリガ628のフランジ領域672に当接するインパクタアセンブリ502のフランジ512を示し、応答して、第1のトリガピン632の周りで、後退した第1の位置628Rまでさらに枢動している。これは、第1のプッシュロッド636を、さらに第1のプッシュロッドセンサ552Aに向けて係合するように前進させている(
図22Dを
図22Cと比較)。ここで、プッシュロッド636、638との係合/係合解除を表すデジタル信号とは対照的に、スイッチ以外の他のタイプのセンサ552を利用して、プッシュロッド636、638の相対位置を表すアナログ信号を生成することができることを理解されたい。他の構成も企図される。それにもかかわらず、
図22Dはまた、第2のトリガ630のフランジ領域672に当接するインパクタアセンブリ502のフランジ512を示し、応答して、第2のトリガピン634の周りで、延出した第2の位置630Eから離れて、中間の第2の位置630Iの1つまで枢動している。これは、第2のプッシュロッド638を、第2のプッシュロッドセンサ552Bに向けて係合するように前進させている(
図22Dを
図22Cと比較)。したがって、
図23は、(垂直線Dでの)第1の信号SN1を、係合した第1のセンサ状態S1Bに留まっているものとして示し、(垂直線Dでの)第2の信号SN2を、係合解除した第2のセンサ状態S2Aから係合した第2のセンサ状態S2Bに動いたものとして示す。
【0117】
図22Eは、ガイド基準点GRPが第4のガイド-ターゲット距離696Dに配置され、インパクタアセンブリ502のフランジ512がガイド504のチャネル494内にさらに配設されるように動かされた、ガイド504を示す。より具体的には、
図22Eでは、ガイド基準点GRPは、フランジ基準点FRPと一致して配置されている。
図22Eはまた、第1のトリガ628のフランジ領域672に当接するインパクタアセンブリ502のフランジ512を示し、とりわけ、第1のトリガ628およびフランジ512の幾何形状に基づいて、
図22Dに示されるのと概して同じ配置のままである。したがって、第1のプッシュロッド636は、第1のプッシュロッドセンサ552Aと係合して同様に配設されたままである(
図22Eと
図22Dとの比較)。
図22Eはまた、第2のトリガ630のフランジ領域672に当接するインパクタアセンブリ502のフランジ512を示し、応答して、後退した第2のトリガ位置630Rへ第2のトリガピン634の周りでさらに枢動している。これは、第2のプッシュロッド638を、さらに第2のプッシュロッドセンサ552Bに向けて係合するように前進させている(
図22Eを
図22Dと比較)。したがって、
図23は、(垂直線Eでの)第1の信号SN1を、係合した第1のセンサ状態S1Bに留まっているものとして示し、(垂直線Eでの)第2の信号SN2を、係合した第2のセンサ状態S2Bに留まっているものとして示す。
【0118】
図22Fは、ガイド基準点GRPが第5のガイド-ターゲット距離696Eに配置され、インパクタアセンブリ502のフランジ512がガイド504のチャネル494内にさらに配設されるように動かされた、ガイド504を示す。より具体的には、
図22Fでは、ガイド基準点GRPは、垂直方向でフランジ基準点FRPの上に配置される。
図22Fはまた、第1のトリガ628のフランジ領域672に当接するインパクタアセンブリ502のフランジ512を示し、第1のトリガピン632の周りで、後退した第1の位置628Rから離れて中間の第1の位置628Iの1つに枢動して戻り始めている。したがって、第1のプッシュロッド636はわずかに後退されているが、依然として第1のプッシュロッドセンサ552Aと係合して配設されたままである(
図22Fと
図22Eとの比較)。
図22Fはまた、第2のトリガ630のフランジ領域672に当接するインパクタアセンブリ502のフランジ512を示し、とりわけ、第2のトリガ630およびフランジ512の幾何形状に基づいて、
図22Eに示されるのと概して同じ配置のままである。したがって、第2のプッシュロッド638は、第2のプッシュロッドセンサ552Bと係合して同様に配設されたままである(
図22Fと
図22Eとの比較)。したがって、
図23は、(垂直線Fでの)第1の信号SN1を、係合した第1のセンサ状態S1Bに留まっているものとして示し、(垂直線Fでの)第2の信号SN2を、係合した第2のセンサ状態S2Bに留まっているものとして示す。
【0119】
図22Gは、ガイド基準点GRPが第6のガイド-ターゲット距離696Fに配置され、インパクタアセンブリ502のフランジ512がガイド504のチャネル494内にさらに配設されるように動かされた、ガイド504を示す。より具体的には、
図22Gでは、ガイド基準点GRPは、垂直方向でフランジ基準点FRPの上に配置される。
図22Gはまた、インパクタアセンブリ502のフランジ512が第1のトリガ628との当接から外れたことを示し、第1のトリガピン632の周りで第1の延出位置628Eまで完全に枢動して戻っている。したがって、第1のプッシュロッド636も後退しているが、ここでは第1のプッシュロッドセンサ552Aとは係合解除して配設される(
図22Gと
図22Fとの比較)。
図22Gはまた、第2のトリガ630のフランジ領域672に当接するインパクタアセンブリ502のフランジ512を示し、第2のトリガピン634の周りで、後退した第2の位置630Rから離れて中間の第2の位置630Iの1つに枢動して戻り始めている。したがって、第2のプッシュロッド638はわずかに後退されているが、依然として第2のプッシュロッドセンサ552Bと係合して配設されたままである(
図22Gと
図22Fとの比較)。したがって、
図23は、(垂直線Gでの)第1の信号SN1を、係合した第1のセンサ状態S1Bから係合解除した第1のセンサ状態S1Aに動いたものとして示し、(垂直線Gでの)第2の信号SN2を、係合した第2のセンサ状態S2Bに留まっているものとして示す。
【0120】
図22Hは、ガイド基準点GRPが第7のガイド-ターゲット距離696Gに配置され、インパクタアセンブリ502のフランジ512が、当接することなくガイド504のチャネル494内にわずかに配設されるように動かされた、ガイド504を示す。ここでも、
図22Hにおいて、ガイド基準点GRPは、垂直方向でフランジ基準点FRPの上に配置される。
図22Hはまた、インパクタアセンブリ502のフランジ512が、第1の延出位置628Eで第1のトリガ628との当接から外れたままであることを示す。したがって、第1のプッシュロッド636も、第1のプッシュロッドセンサ552Aと係合解除して配設されたままである(
図22Hと
図22Gとの比較)。
図22Hはまた、インパクタアセンブリ502のフランジ512が第2のトリガ630との当接から外れたことを示し、第2のトリガピン634の周りで延出した第2の位置630Eまで完全に枢動して戻っている。したがって、第2のプッシュロッド638も後退して戻っており、ここで、第2のプッシュロッドセンサ552Bと係合解除して配設される(
図22Hと
図22Gとを比較)。したがって、
図23は、(垂直線Hでの)第1の信号SN1を、係合解除した第1のセンサ状態S1Aに留まっているものとして示し、(垂直線Hでの)第2の信号SN2を、係合した第2のセンサ状態S2Bから係合解除した第2のセンサ状態S2Aに動いたものとして示す。
【0121】
上述したように、
図23は、
図22A~22Hに示される位置それぞれについて、第1および第2のプッシュロッドセンサ552A、552Bによってそれぞれ生成される第1および第2の信号SN1、SN2のグラフ表現を示す。信号SN1、SN2は、ここでは、上述したように、係合解除された状態S1A、S2Aと係合された状態S1B、S2Bとの間の動きを表すそれぞれの「方形波」を含むものとして示されている。しかし、信号SN1、SN2は、とりわけ、センサ552、および/またはセンササブアセンブリ612、ガイド504、および/またはインパクタアセンブリ502の様々な他の構成要素の特定の構成に基づく他の方法で実現することもできることを理解されたい。非限定的な例として、前述したように、第1および/または第2のプッシュロッドセンサ552A、552Bは、プッシュロッド636、638の相対位置を表すアナログ信号を生成するように構成することができることが考えられる。他の構成も企図される。
【0122】
図23を引き続き参照すると、垂直線A、B、C、D、E、F、G、およびHの間の水平間隔は任意であることを理解されたい。それにもかかわらず、各垂直線A、B、C、D、E、F、およびGと第1の信号SN1および第2の信号SN2との交点は、
図22A~22Hの上記の説明と一貫性のある第1および第2のプッシュロッドセンサ552A、552Bのそれぞれの状態に対応する。エンドエフェクタ440のこの代表的な実施形態では、インパクタアセンブリ502のヘッド506は、ガイド504のチャネル494に嵌めるには大きすぎるので、ガイド係合面498をインパクタ係合面488に当接させるために、外科医は、ガイド504を手術部位Sから離れるように動かす必要がある。本開示によって他の構成(例えば、チャネル494内に嵌めることができるヘッド506を用いる)も企図されるが、エンドエフェクタ440の第3の実施形態に関連して示される例示の構成は、ガイド504が手術部位Sから徐々に離れるように動かされるときに、第1のトリガ628とインパクタアセンブリ502のフランジ512との当接が、第2のトリガ630とフランジ512とが当接する前に生じるようなものであることを理解されたい(
図22B~22Hを順次に比較)。手術システム30は、とりわけガイド軸A2と軌道Tとの位置合わせを維持するために、手術部位Sに対するガイド504の配置を決定することができるので、ガイド504に対するインパクタアセンブリ502の位置は、以下により詳細に述べるように、ガイド504の既知の位置を第1および第2の信号SN1、SN2の状態と比較することによって決定することができる。
【0123】
上述したように、インパクタアセンブリ502の例示実施形態は、ヘッド506がガイド504のチャネル494に入ることができないように構成されているが、それにもかかわらず、例えばフランジ512が、開口部496を通ってチャネル494に延びることができる(例えばシャフト486と同様のサイズの)より狭い領域によってハンドル508から離間される場合などには、インパクタアセンブリ502を他の様式で構成することもできることが企図される。言い換えると、フランジ512は、
図22A~22Hに示されている以外の様式でチャネル494に入ることができる。ここで、後の記述から以下で理解されるように、
図23に示される嵌入範囲698を画定するために互いに対して所定の様式で配置された2つのセンサ552(例えば、第1および第2のプッシュロッドセンサ552A、552B)の利用は、信号SN1、SN2のどちらが最初に状態を変えるかに基づいて、フランジ512がチャネル494にどのように入るかを決定することを容易にするために使用することができる。
【0124】
エンドエフェクタ440の第3の実施形態の例示実施形態は、最初にフランジ512をチャネル494内に入れるためにガイド504が手術部位Sから離れるように動かなければならないように構成されるので、両方の信号SN1、SN2がそれぞれの係合解除状態S1A、S2Aにあることは、一般に、フランジ512が、ガイド504の上に位置決めされていること、あるいはインパクタ係合面488とガイド係合面498との十分な当接を提供するようにチャネル494内に完全には位置決めされていないことを示す(例えば
図22C参照)。
【0125】
さらに、第1の信号SN1が係合された第1のセンサ状態S1Bにあり、第2の信号SN2が係合解除された第2のセンサ状態S2Aにあることは、フランジ512が、インパクタ係合面488とガイド係合面498との十分な当接状態でガイド504のチャネル494内に位置決めされていることを一般に示し、また、フランジ基準点FRPが垂直方向でガイド基準点GRPの上方に配置されていることも一般に示す(
図22D参照)。同様に、第1の信号SN1が係合解除した第1のセンサ状態S1Aにあり、第2の信号SN2が係合した第2のセンサ状態S2Bにあることは、フランジ512が、インパクタ係合面488とガイド係合面498との十分な当接状態でガイド504のチャネル494内に位置決めされていることを一般に示し、また、フランジ基準点FRPが垂直方向でガイド基準点GRPの下方に配置されていることも一般に示す(
図22F参照)。しかしながら、プロテーゼP、ガイド504、および/またはインパクタアセンブリ502の特定の構成に応じて、嵌入を開始する前に、フランジ512がチャネル494内にさらに配設されることを保証することが有利であり得る。この目的で、第1の信号SN1および第2の信号SN1がそれぞれの係合状態S1B、S2Bにあることは、フランジ512が嵌入を開始するのに十分なほどチャネル494内に位置決めされていることを一般に示す(例えば
図22E参照)。いくつかの実施形態では、信号SN1、SN2の両方がそれぞれの係合状態S1B、S2Bにあることは、とりわけ、インパクタ係合面488とガイド係合面498との間で生じる当接、およびフランジ基準点FRPをガイド基準点GRPから分離する距離の所定量のみに基づいて、嵌入範囲698を画定することができる。
【0126】
手術部位Sに対するガイド504の位置は既知であり、経時的に監視あるいは記録することができるので、1つまたは複数のコントローラ(例えばロボットコントローラ52やナビゲーションコントローラ54など)、または手術システム30の他の構成要素は、係合解除状態S1A、S2Aと係合状態S1B、S2Bとの間での変化について信号SN1、SN2を監視するように構成することができ、いずれかの信号SN1、SN2の変化があるときにはいつでもガイド504の位置を記録することができる。ここで、ガイド504およびインパクタアセンブリ502の様々な構成要素の既知の幾何学的パラメータに基づいて、垂直線C、D、F、およびGに隣接して生じる「ステップ」として
図23に示される状態変化は、それぞれ、フランジ基準点FRPに対するガイド基準点GRPの特定の位置を表すことができる。さらに、垂直線DおよびFに隣接して生じる「ステップ」として
図23に示されている状態変化は、それぞれ、嵌入範囲698の外側限界を表すことができ、それらの差は、ガイド基準点GRPとフランジ基準点FRPとの一致した位置合わせに対応する(例えば
図22Eに示されているように)。
【0127】
ここで
図24Aを参照すると、ガイド基準点GRPがフランジ基準点FRPと一致して配置され、インパクタおよびガイド軸A1、A2がそれぞれ、手術ロボット32によって維持される軌道Tに位置合わせされた状態で、ガイド504は、上述した
図22Eと同じように位置決めされて示されている。ここでも、プロテーゼPはインパクタアセンブリ502に固定され、嵌入前に手術部位Sに位置決めされる。より具体的には、
図24Aは、第1のワークピース-ターゲット距離692Aでターゲット基準点TRPから離間されているワークピース基準点WRP、第1のフランジ-ターゲット距離694Aでターゲット基準点TRPから離間されているフランジ基準点FRP、および第4のガイド-ターゲット距離696Dでターゲット基準点TRPから離間されているガイド基準点GRPを示す。ここで、インパクタアセンブリ502のフランジ512は、ガイド504のチャネル494内で中心合わせされる(言い換えると、ガイド基準点GRPとフランジ基準点FRPとが一致する)ので、第1のフランジ-ターゲット距離694Aは、第4のガイド-ターゲット距離696Dに等しい。詳細には述べないが、
図24Aは、プッシュロッドセンサ552A、552Bの両方を、それぞれのプッシュロッド636、638によって係合されているものとして示していることも理解されたい。
【0128】
図24Aから
図24Bに進むと、ガイド504は動いていないが、インパクタアセンブリ502およびプロテーゼPは、ヘッド506に加えられる嵌込力Fに応答して、軌道Tに沿って手術部位Sに向けて前進されている。ここでも、ワークピース基準点WRPとフランジ基準点FRPとはそれぞれターゲット基準点TRPに近づくように動いており、ワークピース基準点WRPは、ターゲット基準点TRPから第2のワークピース-ターゲット距離692Bで離間されており、フランジ基準点FRPは、ターゲット基準点TRPから第2のフランジ-ターゲット距離694Bで離間されている。インパクタアセンブリ502の動きはまた、フランジ領域672と第1のトリガ628との当接の変化をもたらしており、第1のトリガ628を第1のトリガピン632の周りで枢動させ、それに対応して第1のプッシュロッド636を第1のプッシュロッドセンサ552Aと係合解除し、これは、上の
図23の論述と一致して、第1の信号SN1が係合解除された第1の信号状態S1Aになるようにする。ここで、第2の信号SN2は、係合された第2の信号状態S2Bに留まるので、ガイド基準点GRPは、フランジ基準点FRPの上方のどこかに位置決めされ、フランジ512は、チャネル494と当接したままであるが、嵌入範囲698外にある。
【0129】
ここで
図24Cを参照すると、ガイド504は、第1の信号SN1が変化して係合された第1の信号状態S1Bにちょうど戻る点まで、軌道Tに沿って手術部位Sに向けて前進されている。より具体的には、
図24Cでは、ガイド基準点GRPは、ここで、第4のガイド-ターゲット距離696Dよりも小さい第8のガイド-ターゲット距離696Hでターゲット基準点TRPから離間されている。信号SN1、SN2の両方がそれぞれの係合された信号状態S1B、S2Bにあるので、フランジ512はチャネル494と当接したままであり、また嵌入範囲698内にある。さらに、ガイド基準点GRPおよびターゲット基準点TRPはどちらも、手術システムによって(例えば、ロボット制御システム48および/またはナビゲーションシステム50によって)監視され、インパクタアセンブリ502およびガイド504は、上述したように信号SN1、SN2の変化に基づいて嵌入範囲698の外側限界がわかるように構成されているので、フランジ基準点FRPの位置は、ガイド基準点GRPに対して決定することができる。
【0130】
上述した構成により、第2のフランジ-ターゲット距離694B、および第2のワークピース-ターゲット距離692Bも容易に検知することができることを理解されたい。言い換えると、インパクタアセンブリ502およびプロテーゼPが、嵌込力Fの印加に応答して軌道Tに沿って手術部位Sに向けて前進された後(
図24A~24Bを比較)、ガイド504は、その後、軌道Tに沿って手術部位Sに向けて動かされて(
図24B~24Cを比較)、最終的に、信号SN1、SN2の1つが変化して、ガイド基準点GRPとフランジ基準点FRPとの既知の位置関係に対応する嵌入範囲698の既知の外側限界の1つを横切ったことを示す。したがって、この構成により、プロテーゼPの位置の変化を、例えば、第1のワークピース-ターゲット距離692A(
図24A参照)と第2のワークピース-ターゲット距離692B(
図24B~24D参照)との差に基づいて検知することができるようになる。
【0131】
ここで
図24Dを参照すると、ガイド504は、軌道Tに沿って手術部位Sに向けてさらに前進されて、ガイド基準点GRPをフランジ基準点FRPと再び位置合わせする。より具体的には、
図24Cでは、ガイド基準点GRPは、ここで、第8のガイド-ターゲット距離696Hよりも小さく、第2のフランジ-ターゲット距離694Bに等しい第9のガイド-ターゲット距離696Iで、ターゲット基準点TRPから離間されている。ここで、フランジ512は、嵌入範囲698の中央でチャネル494内で再び中心を合わされ、外科医は、再び嵌込力Fを加えて、ワークピース基準点WRPがターゲット基準点TRP(詳細には図示せず)と一致するまでプロテーゼPを軌道Tに沿って手術部位Sに向けてさらに前進させることができることを理解されたい。いくつかの実施形態では、手術システム30は、とりわけ、信号SN1、SN2の変化に基づいて、および/または他のタイプのセンサ(例えば、力-トルクセンサ)からのデータに基づいて、嵌込力Fの印加を感知するように構成することができる。ここで、手術ロボット32は、ガイド基準点GRPをフランジ基準点FRPと再び位置合わせするため、および/またはワークピース基準点WRPの位置の変化を検知するために、嵌込力Fの印加を検出した後に軌道Tに沿ってガイド504を前進させることができる。
【0132】
例示的な例として、所与の手術処置により、プロテーゼPが手術部位Sに完全に嵌め込まれるまで、外科医がインパクタアセンブリ502のヘッド506をマレット(図示せず)で複数回連続して叩くことにより嵌込力Fを加える必要がある場合、手術システム30は、手術ロボット32を制御して軌道Tに沿ってガイド504を前進させ、連続する各打撃の後に、ターゲット基準点TRPとワークピース基準点WRPとの差に基づいて、更新された「深さ-ターゲット」距離(例えば、
図1での出力デバイス66に表示される値)を外科医に提示するように構成することができる。これにより、とりわけ、外科医は必要に応じて力Fの印加を調整できる(例えば、次の打撃中に、より大きいまたはより小さい嵌込力Fを印加する)ようになり得る。
【0133】
上述したように、エンドエフェクタ440の第3の実施形態は、ガイド504を軌道Tに沿って(およびそれと位置合わせされた軸線A1、A2に沿って)手術部位Sから離れるように動かすことによってフランジ512がチャネル494に入ることができるように構成される。しかし、ヘッド506は、チャネル494に入るには大きすぎ、グリップ510は、開口部496を通過するには大きすぎ、ハンドル508は、一般にフランジ512に非常に近く、(例えばガイド504を軌道Tに沿ってフランジ512と手術部位Sとの両方に向けて動かすことによって)フランジ512が反対方向からチャネル494に入ることができないように配置される。上述したようにインパクタアセンブリ502の他の構成が企図されているが、一方向のみからチャネル494に入るようにインパクタアセンブリ502を構成することにより、
図22A~24Dに示される実施形態に関連して述べた特定の概念を他の方法で実装する、あるいは別の様式で構成することが可能になり得ることを理解されたい。非限定的な例として、(例えば、エンドエフェクタ40の第1の実施形態に関連して述べたセンサ152およびトリガ154と同様に)単一のトリガおよびセンサ配置を利用することができることが企図され、エンドエフェクタは、フランジが一方向からのみチャネルに入ることができることを保証するように構成される。他の構成も企図される。
【0134】
再び
図22A~22Hを参照すると、手術ロボット32は、多くの異なる方法で、ガイド軸A2と軌道Tとの初期位置合わせを実現するように、インパクタアセンブリ502に向けたガイド504の移動を容易にするように構成することができることを理解されたい。例えば、手術ロボット32は、ロボットアーム36を操作して、最初にガイド504の向きを定めることを容易にし、手術部位Sに近づきすぎる前にガイド軸A1が軌道Tと平行になるようにし、または、ガイド504が手術部位Sに向かって動くときにガイド軸A1が軌道Tと位置合わせされるようにする。手術ロボット32はまた、インパクタアセンブリ502のシャフト486の期待される位置に向けた(例えば、
図22Aに示される位置に向けた)ガイド504の移動を容易にするようにロボットアーム36を操作するように構成することもできる。いくつかの実施形態では、手術ロボット32は、外科医がガイド504を押すことによってガイド504を動かすことができるように構成することができ、触覚フィードバック(例えば引力/反発触覚力)を利用して、とりわけ、仮想物体や境界などに基づいて動きを制御する助けをして、ガイド軸A2を軌道Tと位置合わせするように案内することができる。
【0135】
さらに、手術ロボット32は、ガイド軸A2と軌道Tとの位置合わせを維持しながら、軌道Tに沿ったガイド504の移動を容易にするように様々な様式で構成することもできることを理解されたい。例えば、手術ロボット32は、ロボットアーム36を操作して、ガイド504を軌道Tに沿って手術部位Sから離れるように動かすのを容易にするとともに、触覚フィードバック(例えば、引力/反発力)を利用して、とりわけ、ガイド基準点GRPをフランジ基準点FRPと最初に位置合わせする助けとなり(例えば、
図22E参照)、および/または嵌入中に位置合わせを維持する助けとなるように構成することができる。マレットで叩く合間に軌道に沿ってガイド504を前進させることによって、嵌入中にガイド基準点GRPとフランジ基準点FRPとの位置合わせを維持するように手術ロボット32が構成される特定の実施形態では、手術ロボット32は、特定の条件が満たされるまで、例えば外科医が入力モジュール616の入力ボタン622に関与するまで、軌道Tに沿った一方向または両方向でのガイド504の手動運動を防止するように構成することができ、上記関与の時点で、手術ロボット32は次いで、軌道Tに沿ったガイド504の運動を可能にすることができる。ここで、軌道Tに沿った運動は、インパクタアセンブリ502から適切に取り外すことができる位置(例えば
図22Bに示される位置)にガイド504が達するまで、ガイド504の並進のみに制限することができ(軌道Tの周りでのガイド504の回転を可能にすることもある)、上記位置に達した時点で、手術ロボット32は次いで、軌道Tから離れる(例えば
図22Aに示される位置に向かう)ガイド504の運動を可能にすることができる。他の構成も企図される。
【0136】
エンドエフェクタの第4の実施形態が、概して
図25A~28Bに示されている。後の記述から以下で理解されるように、この実施形態は、上述したエンドエフェクタ40の第1の実施形態と同様の構造および構成要素、ならびに同様の特徴、利点、および機能用途を共有する。したがって、第1の実施形態の構造および構成要素と同じまたはそれらに対応する第4の実施形態の構造および構成要素には、図面および以下の説明において、700だけ増加した同じ参照番号が与えられる。さらに、第4の実施形態はまた、上述したエンドエフェクタ240の第2の実施形態と同様の構造および構成要素、ならびに同様の特徴、利点、および動作上の使用をいくつか共有する。したがって、第2の実施形態の構造および構成要素と同じまたはそれらに対応する第4の実施形態の構造および構成要素には、図面および以下の説明において、500だけ増加した同じ参照番号が与えられる。さらに、第4の実施形態はまた、上述したエンドエフェクタ440の第3の実施形態と同様の構造および構成要素、ならびに同様の特徴、利点、および動作上の使用をいくつか共有する。したがって、第3の実施形態の構造および構成要素と同じまたはそれらに対応する第4の実施形態の構造および構成要素には、図面および以下の説明において、300だけ増加した同じ参照番号が与えられる。
【0137】
エンドエフェクタ740の第4の実施形態は、全体として
図25A~28Bに示され、本明細書で述べて図示する他の実施形態と同様である。エンドエフェクタ740の第4の実施形態と他の実施形態との具体的な相違を以下で詳細に述べるが、明瞭性、一貫性、および簡潔性のために、実施形態間で共通の構造および構成要素の大部分は以下で再び導入または再び説明しない。したがって、以下に特に示さない限り、上述した他の実施形態の説明は、制限なく、エンドエフェクタ740の第4の実施形態に関して参照により組み込むことができることが理解されよう。さらに、エンドエフェクタ740の第4の実施形態の様々な態様を、本開示の他の実施形態にも適用することができることを理解されたい。
【0138】
ここで
図25Aを参照すると、エンドエフェクタ740の第4の実施形態のインパクタアセンブリ802とガイド804とは、互いに離間されて示されている。ここで、インパクタアセンブリ802は、例えば、
図16A~16Bに示される第3の実施形態に関連して上述したインパクタアセンブリ502と同一である。以下でより詳細に述べるように、この実施形態ではガイド804は異なる様式で構成されるが、ガイド804をインパクタアセンブリ802と係合させる全般的なプロセスは同様である。ここでも、ガイド804は同様に、インパクタアセンブリ802のシャフト786が開口部796を通過してチャネル794に入ることができるように構成され(
図25B参照)、次いで、ガイド804をフランジ812に向かって(例えば、軌道Tに沿って手術部位Sから離れるように)動かして、インパクタ係合面788をガイド係合面798に当接させることができ(
図25C参照)、ここで、手術ロボット32によって維持される軌道Tとの軸線A1、A2の位置合わせはリミッタ800によって行われる。ここでも、ガイド804の動きを制御するように手術ロボット32がどのように構成されるかに応じて、ガイド804とインパクタアセンブリ802との相対回転は、一般に、ロボットアーム36の1つまたは複数の関節を制御し、それでも軌道Tとのガイド軸A2の位置合わせを維持することなどによって実施することができる(
図25D参照、
図25Cと比較)。
【0139】
ここで
図26A~26Bを参照すると、エンドエフェクタ740の第4の実施形態に関連して示されるガイド804は、固定具874によって互いに固定された第1および第2の本体構成要素1000、1002によって画定される異なる構成の本体792を備える。それにもかかわらず、本体792は、マウント790(詳細には図示せず)に動作可能に取り付けられて、手術ロボット32(
図1参照)の連結部38への着脱可能な取付けを容易にする。この実施形態では、第1および第2の本体構成要素1000、1002が協働して開口部796を画定するが、コイルアセンブリ1004は、一般に、以下でより詳細に述べるチャネル794、ガイド係合面798、およびリミッタ800を含む(あるいはそれらの大部分を画定する)。
【0140】
図26Bに示されるように、本体構成要素1000、1002はそれぞれ、ポケット878の一部分を画定し、ポケット878は、この実施形態では、同様にセンササブアセンブリ912および入力モジュール916を収容し、コイルアセンブリ1004も収容する。詳細には示されていないが、入力モジュール916は、同様に入力フレーム920を備え、入力フレーム920は、入力ボタン922を支持し、固定具874を介してガイド804の第1の本体構成要素1000に固定され、外科医による作動に応答して入力センサ852Iに係合するように配置される。入力センサ852Iは、同様にセンサハウジング918に結合され、センサハウジング918は、固定具874を介してガイド804の第2の本体構成要素1002に固定される。この実施形態では、回路基板1006もセンサハウジング918に結合され、以下でより詳細に説明するようにコイルアセンブリ1004に配線接続されたセンサコントローラ1008を支持し、また、手術システム30の様々な構成要素(例えば、ロボットコントローラ52やナビゲーションコントローラ54など)と通信するように配設することもできる(例えば有線または無線電気通信)。いくつかの実施形態では、センサコントローラ1008は、他の位置に配設されてもよく、手術システム30の他の部品によって実現されてもよい。
【0141】
この実施形態では、コイルアセンブリ1004は、第1および第2の軸方向チャネル端部794A、794B間のフランジ812の相対位置を検知するように構成されたセンサ852を画定する。この目的で、コイルアセンブリ1004は、以下でより詳細に述べるように、チャネル794に隣接するガイド804に結合される線形可変差動変圧器(LVDT)コイルアセンブリ1004として実現される。後の記述から以下で理解されるように、LVDTコイルアセンブリ1004の様々な構成が、本開示によって企図される。より具体的には、1つのスタイルのLVDTコイルアセンブリ1004が
図26A~27Bに示され、別のスタイルのLVDTコイルアセンブリ1004が
図28A~28Bに示されている。
図26A~28Bに示されているLVDTコイルアセンブリ1004は同様であるので、図面および以下の説明では、各スタイルに共通の構造および構成要素を表すために同じ参照番号が使用され、特定の相違を詳細に述べ、追加の参照番号で識別する。ここで、
図26A~29Bに示されるLVDTコイルアセンブリ1004はそれぞれ、一般に、送信コイル1014、近位受信コイル1016、および遠位受信コイル1018を有するコイル構成1012を支持するコイルフレーム1010を備え、それらのコイルそれぞれを以下で詳細に述べる。
【0142】
図26Bを引き続き参照すると、この第4の実施形態では、ポケット878は、第1および第2の本体構成要素1000、1002が一体に固定されるときにLVDTコイルアセンブリ1004を中にしっかりと収容するように形作られて配置されている。ポケット878はまた、コイル構成1012と回路基板1006との間に延びるワイヤハーネス1020(総称的に示されている)を収容するように構成される(例えば、複数のワイヤがセンサコントローラ1008と通信する)。
【0143】
LVDTコイルアセンブリ1004のコイルフレーム1010は、フィンガ836のフィンガ端部838に隣接する第1および第2の本体構成要素1000、1002によって画定されるチャネル794の部分と相補的なプロファイルを有する。言い換えると、コイルフレーム1010は、第1および第2の本体構成要素1000、1002によって画定される第1および第2の軸方向チャネル端部794A、794Bに隣接してそれぞれ配置された両側の第1および第2のフレーム端部1010A、1010Bの間でガイド軸A2に沿って垂直方向に延びる略C字形のプロファイルを有する。
【0144】
上述したように、コイルフレーム1010は、同様に連続的であり略円筒形のC字形プロファイルを有するチャネル794の少なくとも一部(例えば、第1および第2のフレーム端部1010A、1010Bの間に延びる部分)を画定する。したがって、コイルフレーム1010はまた、共通の半径842でガイド軸A2から離間されたガイド係合面798の部分を画定する。さらに、例示されるコイルフレーム1010はまた、リミッタ800の一部(例えばフィンガ836の一部)を画定し、ここでも共通の半径842でガイド軸A2から離間されている円弧状表面840の少なくとも一部を含む(
図27A参照。詳細には図示せず)。しかし、この実施形態では、コイルフレーム1010によって画定されるリミッタ800のフィンガ836の部分は、フィンガ端部838を画定せず、以下でより詳細に述べるように、開口部796を画定しない。そうではなく、第1および第2の本体構成要素1000、1002のフィンガ端部838が、ガイド804の開口部796を画定する。他方、コイルフレーム1010によって画定されるリミッタ800のフィンガ836の部分はそれぞれ、それぞれのフレームフィンガ端部1022を備え、フレームフィンガ端部1022は、互いに離間されて、例示実施形態において第1および第2の本体構成要素1000、1002によって画定される開口部796よりも広いフレーム開口部1024を画定する。しかし、他の構成も企図されることを理解されたい。
【0145】
例示実施形態では、コイルフレーム1010は様々なスロットを画定し、スロットは、とりわけ、コイル構成1012を支持し、コイル1014、1016、1018の形状および配置を概して画定する。スロットの他の構成も本開示によって企図されるが、
図27A~28Bに示されるコイルフレーム1010はそれぞれ、一般に、第1の近位受信巻線スロット1026、第2の近位受信巻線スロット1028、第1の遠位受信巻線スロット1030、第2の遠位受信巻線スロット1032、第1の送信巻線スロット1034、第2の送信巻線スロット1036、アクセスルーティングスロット1038、第1の連係スロット1040、および第2の連係スロット1042を画定する。
図28A~28Bに示されるコイルフレーム1010は、第3の連係スロット1044および第4の連係スロット1046も画定する。
【0146】
巻線スロット1026、1028、1030、1032、1034、1038はそれぞれ、(例えばガイド軸A2に沿って)第1および第2のフレーム端部1010A、1010B間で垂直方向で互いに離間された円弧状凹部としてコイルフレーム1010に形成されて、コイル1014、1016、1018を互いに分離する。アクセスルーティングスロット1038は、巻線スロット1026、1028、1030、1032、1034、1038のそれぞれを通って(例えば連通して)延びる第1および第2のフレーム端部1010A、1010B間のコイルフレーム1010に形成される。詳細には図示しないが、アクセスルーティングスロット1038は、とりわけ、回路基板1006へのコイル1014、1016、1018の端部を(例えばワイヤハーネス1020を介して)のルーティングを容易にするために設けることができる。第1および第2の連係スロット1040、1042は、巻線スロット1026、1028、1030、1032、1034、1038のそれぞれを通って(例えば連通して)延びる。
図28に示されるように、第3および第4の連係スロット1044、1046はまた、第1および第2のフレーム端部1010A、1010B間でコイルフレーム1010に形成されるが、第1および第2の送信巻線スロット1034、1036のみを通って(例えば連通して)延びる(
図27Aと28Aを比較)。これは、以下でより詳細に述べるように、とりわけ、互いに対する、およびフレームフィンガ端部1022に対する連係スロット1040、1042、1044、1046の近接性に基づく。例示実施形態では、連係スロット1040、1042、1044、1046は、巻線スロット1026、1028、1030、1032、1034、1038に隣接する(あるいはそれらの一部として形成される)フック1048も画定する。以下のコイル1014、1016、1018の後続の説明から理解されるように、フック1048は、コイル1014、1016、1018の適切な構成(およびそれらの間隔)を保証するために、様々なスロット内へのワイヤのルーティング、巻き付ける、あるいは形成を容易にするように提供することができる。
【0147】
コイル1014、1016、1018は、図面を通して例示の目的で一般的に描かれているが、各コイル1014、1016、1018は一般に、以下でより詳細に述べるように、特定の巻線スロット1026、1028、1030、1032、1034、1038および連係スロット1040、1042、1044、1046を通して所定の様式でループ状に巻かれているそれぞれのワイヤを備えることを理解されたい。当業者は、コイル1014、1016、1018が、例えば様々なサイズであり、様々なループ量で巻き付けられるワイヤを備えることができることを理解されたい。
図27Bおよび28Bに最も良く示されているように、コイル1014、1016、1018はそれぞれ、一般に、それぞれの近位コイル部分1050、遠位コイル部分1052、第1の連係部分1054、および第2の連係部分1056を備え、それらの部分それぞれが、連続するワイヤループまたは巻線の「セグメント」を表す。
【0148】
ここで、
図27A~27Bに示されるLVDTコイルアセンブリ1004を参照すると、この実施形態では、コイル構成1012は、近位受信コイル1016が第1のフレーム端部1010Aに隣接して配設され、遠位受信コイル1018が第2のフレーム端部1010Bに隣接して配置され、送信コイル104が受信コイル1018の間で垂直方向に配置されるように構成される。したがって、
図27Aに示されるコイルフレーム1010は、第1の近位受信巻線スロット1026が第1のフレーム端部1010Aに最も近く、その後、第2の近位受信巻線スロット1028、第1の送信巻線スロット1034、第2の送信巻線スロット1036、第1の遠位受信巻線スロット1030、および第2の遠位受信巻線スロット1032と続くように画定される。
【0149】
したがって、
図27A~27Bに示されているコイル構成1012に関して、近位受信コイル1016は、例えば、第1の近位受信巻線スロット1026、第1の連係スロット1040、第2の近位受信巻線スロット1028、第2の連係スロット1042に沿って、第1の近位受信巻線スロット1026に戻るループに巻かれ;送信コイル1014は、例えば、第1の送信巻線スロット1034、第1の連係スロット1040、第2の送信巻線スロット1036、第2の連係スロット1042に沿って、第1の送信巻線スロット1034に戻るループに巻かれ;遠位受信コイル1018は、例えば、第1の遠位受信巻線スロット1030、第1の連係スロット1040、第2の遠位受信巻線スロット1032、第2の連係スロット1042に沿って、第1の遠位受信巻線スロット1030に戻るループに巻かれる。このように構成されるとき、
図27A~27Bに示されるコイル構成1012は、コイル1014、1016、1018のそれぞれについて実質的に同様の近位コイル部分1050、ならびにコイル1014、1016、1018のそれぞれについて実質的に同様の遠位コイル部分1052を備え、遠位コイル部分1052も近位コイル部分1050と実質的に同様である。ここでも、送信コイル1014の第1および第2の連係部分1054、1056は互いに実質的に同様であるが、受信コイル1016、1018の第1および第2の連係部分1054、1056とは異なる。より具体的には、近位受信コイル1016の第1の連係部分1054は、その第2の連係部分1056、ならびに遠位受信コイル1016の第1および第2の連係部分1054、1056の両方と実質的に同様である。
【0150】
ここで
図27Bを参照すると、この実施形態では、送信コイル1014は、受信コイル1016、1018の間に実質的に等距離に配置される。ここで、受信コイル1016、1018は、互いに実質的に同一の構成であるが、送信コイル1014とは異なる。より具体的には、送信コイル1014のコイル部分1050、1052は、受信コイル1016、1018のコイル部分1050、1052よりもガイド軸A2に沿って互いに離して離間されている。言い換えると、送信コイル1014の連係部分1054、1056は、受信コイル1016、1018の連係部分1054、1056よりも大きい。上述したように、この例示的な実施形態では、コイル1014、1016、1018のそれぞれに関する近位および遠位コイル部分1050、1052は、それらがすべてガイド軸A2の周りで(例えば第1および第2の連係スロット1040、1042に延びる)開口部796に向けて延びる円弧状プロファイルを備えるという点で互いに実質的に同様である。
【0151】
ここで
図28A~28Bに示されるLVDTコイルアセンブリ1004を参照すると、この実施形態では、コイル構成1012は、送信コイル1014が第1のフレーム端部1010Aならびに第2のフレーム端部1010Bに隣接して配設されるように構成され、受信コイル1016、1018は、送信コイル1014の「内部」に配置され、近位受信コイル1016は、第2のフレーム端部1010Bよりも第1のフレーム端部1010Aの近く配置され、遠位受信コイル1018は、第1のフレーム端部1010Aよりも第2のフレーム端部1010Bの近くに配置される。したがって、
図28Aに示されるコイルフレーム1010は、第1の送信巻線スロット1034が第1のフレーム端部1010Aに最も近く、その後、第1の近位受信巻線スロット1026、第2の近位受信巻線スロット1028、第1の遠位受信巻線スロット1030、第2の遠位受信巻線スロット1032、および第2の送信巻線スロット1036と続くように画定される。
【0152】
したがって、
図28A~28Bに示されているコイル構成1012に関して、近位受信コイル1016は、例えば、第1の近位受信巻線スロット1026、第1の連係スロット1040、第2の近位受信巻線スロット1028、第2の連係スロット1042に沿って、第1の近位受信巻線スロット1026に戻るループに巻かれ;送信コイル1014は、例えば、第1の送信巻線スロット1034、第3の連係スロット1044、第2の送信巻線スロット1036、第4の連係スロット1046に沿って、第1の送信巻線スロット1034に戻るループに巻かれ;遠位受信コイル1018は、例えば、第1の遠位受信巻線スロット1030、第1の連係スロット1040、第2の遠位受信巻線スロット1032、第2の連係スロット1042に沿って、第1の遠位受信巻線スロット1030に戻るループに巻かれる。
【0153】
このように構成されるとき、
図28A~28Bに示されるコイル構成1012は、受信コイル1016、1018のそれぞれについて実質的に同様の近位コイル部分1050、ならびに受信コイル1016、1018のそれぞれについて実質的に同様の遠位コイル部分1052を備え、遠位コイル部分1052も受信コイル1016、1018の近位コイル部分1050と実質的に同様である。さらに、送信コイル1014の近位コイル部分1050は、送信コイル1014の遠位コイル部分1052と実質的に同様であるが、この実施形態では、送信コイル1014のコイル部分1050、1052は、受信コイル1016、1018のコイル部分1052とは異なる。ここでも、送信コイル1014の第1および第2の連係部分1054、1056は互いに実質的に同様であるが、受信コイル1016、1018の第1および第2の連係部分1054、1056とは異なる。より具体的には、近位受信コイル1016の第1の連係部分1054は、その第2の連係部分1056、ならびに遠位受信コイル1016の第1および第2の連係部分1054、1056の両方と実質的に同様である。
【0154】
ここで
図28Bを参照すると、この実施形態では、送信コイル1014は、受信コイル1016、1018が送信コイル1014の「内部」に互いに実質的に等距離に離間されて配置されるように構成される。ここで、近位送信コイル1016の近位コイル部分1050は、遠位受信コイル1018の遠位コイル部分1052が送信コイル1014の遠位コイル部分1052から離間されるのと実質的に同じ様式で、送信コイル1014の近位コイル部分1050から離間される。ここでも、受信コイル1016、1018は、互いに実質的に同一の構成であるが、送信コイル1014とは異なる。より具体的には、送信コイル1014のコイル部分1050、1052は、受信コイル1016、1018のコイル部分1050、1052よりもガイド軸A2に沿って互いに離して離間されている。言い換えると、送信コイル1014の連係部分1054、1056は、受信コイル1016、1018の連係部分1054、1056よりも大きい。しかし、
【0155】
この例示的な実施形態では、受信コイル1016、1018のそれぞれに関する近位および遠位コイル部分1050、1052は、それらがすべてガイド軸A2の周りで開口部796に向かって(例えば第1および第2の連係スロット1040、1042の間に)延びる円弧状プロファイルを備えるという点で互いに実質的に同様であるが、送信コイル1014の近位および遠位コイル部分1050、1052とは異なる。ここで、送信コイル1014の近位および遠位コイル部分1050、1052は、それらがどちらも、ガイド軸A2の周りで開口部796に向かって(例えば第3と第4の連係スロット1044、1046間に)延びる円弧状プロファイルを備えるという点で、互いに実質的に同様である。しかし、第3および第4の連係スロット1044、1046が第1および第2の連係スロット1040、1042に対してどのように配置されるかにより、送信コイル1014の近位および遠位コイル部分1050、1052は、受信コイル1016、1018の近位および遠位コイル部分1050、1052よりも開口部796に向かって延びる。
【0156】
一般に、
図25A28Bを参照すると、当業者は、本明細書で述べて図示したLVDTコイルアセンブリ1004のコイルアセンブリ1014、1016、1018が、ガイド軸A2の周りで、ガイド軸A2に対して垂直に見たときに円弧状プロファイルを有する開口部796に向けて延びるように形作られて配置されていることを理解されたい。言い換えると、コイル部分1050、1052は、それぞれ円弧状(例えば、一般的にC字形および/またはU字形)であり、開口部796を妨害または横断することなくガイド軸A2を囲むように配置される。さらに、コイル1014、1016、1018のそれぞれの連係部分1054、1056は、それらのそれぞれのコイル部分1050、1052の間に延びるように形作られて配置され、例示目的でのみ、略円筒形プロファイルを有するものとして示されている。ここで、コイル1014、1016、1018を画定するループ状ワイヤは、ワイヤがループ状にされる、巻かれる、あるいはコイル1014、1016、1018を形成するように配置されるときに、様々な湾曲したプロファイルを画定することができることを理解されたい。したがって、コイル1014、1016、1018は、本開示と一貫性のあるいくつかの異なる方法で構成することができることを理解されたい。
【0157】
コイル1014、1016、1018の特定の構成および配置に関係なく、LVDTコイルアセンブリ1004は、ガイド804のチャネル794内のインパクタアセンブリ802の有無の判断を容易にするように構成される。より具体的には、LVDTコイルアセンブリ1004は、チャネル794の第1および第2の軸方向チャネル端部794A、794B間のフランジ812の相対軸方向位置を検知するように構成される。この目的で、センサコントローラ1008は、一般に、コイル1014、1016、1018のそれぞれと電気通信するように配設され、送信コイル1014への送信信号(例えば交流)を生成(あるいは通信)するように構成されることがあり、電磁場を生成し、電磁場は、受信コイル1016、1018に電圧を誘発して、センサコントローラ1008によって監視することができる受信信号(例えば、受信コイル1016、1018にわたる差分電圧)を生成する。上述したことは例示的な例であり、他の構成も企図されることを理解されたい。非限定的な例として、手術システム30のいくつかの異なる構成要素を利用して、送信信号を生成する、および/または受信信号を監視することができる。
【0158】
受信コイル1016、1018がどのように配置(例えば、ガイド基準点GRPに対して同様に)および構成(例えば、同じ数の巻線を有し、互いに直列に配線されている)されているかにより、それぞれ受信コイル1016、1018に誘導される電圧は、強磁性物体が受信コイル1016、1018間に等距離に配置されるときに相殺するが、その強磁性物体が一方の受信コイルから離れて他方に向かって動くときに変化する。ここで、例えば、インパクタアセンブリ802のフランジ812は、強磁性材料から製造することができ(または図示しない強磁性インサートを備えることができ)、フランジ基準点FRPがガイド基準点GRPと一致するときに送信コイル1014を介して受信コイル1016、1018に誘導される電圧が打ち消されるように形作って配置することができる。しかし、ガイド804とインパクタアセンブリ802との相対運動は、必然的に、フランジ基準点FRPをガイド基準点GRPとの一致した位置合わせから外す。ここで、フランジ812が近位受信コイル1016から離れて遠位受信コイル1018に向かって動く場合、受信信号は、それに応答して、フランジ812の位置の変化と相関するように変化する。同様に、フランジ812が遠位受信コイル1018から離れて近位受信コイル1016に向かって動く場合、受信信号は、それに応答して、フランジ812の位置の変化に相関するように変化するが、受信信号は位相が逆である。言い換えると、受信信号の振幅を使用して、フランジ基準点FRPがガイド基準点GRPからどれだけ動いて離れたかを検知することができ、(例えば送信信号の位相と比較した)受信信号の位相を使用して、フランジ基準点FRPがガイド基準点GRPからどの方向に動いているかを検知することができる。したがって、LVDTコイルアセンブリ1004を利用して、エンドエフェクタ440の第3の実施形態に関連して上述したものと同様に、第1および第2の軸方向チャネル端部794A、794B間のフランジ812の相対軸方向位置を検知することができる。
【0159】
本開示はまた、手術ロボット32によって維持される軌道Tに沿って手術部位SでプロテーゼPを嵌入する方法を対象とする。この方法は、様々なステップを含み、ヘッド106、306、506、806と、インターフェース84、284、484、784と、ヘッド106、306、506、806とインターフェース84、284、484、784との間でインパクタ軸A1に沿って延びるシャフト86、286、486、786と、インパクタ係合面88、288、488、788とを有するインパクタアセンブリ102、302、502、802を提供することを含む。この方法はまた、プロテーゼPをインパクタアセンブリ102、302、502、802のインターフェース84、284、484、784に取り付けるステップと、マウント90、290、490、790を有するガイド104、304、504、804、ガイド軸A2に沿って延びて開口部96、296、496、796を画定するチャネル94、294、494、794、ガイド係合面98、298、498、798、およびリミッタ100、300、500、800を提供するステップとを含む。
【0160】
この方法は、ガイド104、304、504、804のマウント90、290、490、790を手術ロボット32に取り付けるステップと、手術ロボット32によって維持される軌道Tに対してガイド104、304、504、804を位置合わせするおよび/または動かすステップとをさらに含む。この方法はまた、インパクタアセンブリ102、302、502、802を位置決めしてプロテーゼPを手術部位Sに配置するステップと、インパクタアセンブリ102、302、502、802を関節運動させてシャフト86、286、486、786を、ガイド104、304、504、804の開口部96、296、496、796を通してチャネル94、294、494、794に向けて動かすステップと、インパクタアセンブリ102、302、502、802のインパクタ係合面88、288、488、788をガイド104、304、504、804のガイド係合面98、298、498、798に当接させて、インパクタ軸A1をガイド軸A2と位置合わせするステップとを含む。さらに、この方法は、インパクタアセンブリ102、302、502、802に対してガイド104、304、504、804のリミッタ100、300、500、800を動かして、インパクタ係合面88、288、488、788がガイド係合面98、298、498、798に当接した状態で軌道Tに沿った軸線A1、A2の同軸位置合わせを維持し、インパクタアセンブリ102、302、502、802のヘッド106、306、506、806に嵌込力Fを加えて、手術部位SでプロテーゼPを嵌入するステップを含む。
【0161】
上述した方法では、いくつかのステップは、とりわけ、エンドエフェクタ40、240、440、740の特定の構成に基づいて、順序および/または定義が異なることがあることを理解されたい。非限定的な例として、本明細書で述べるエンドエフェクタ40の第1の実施形態に関して、インパクタ係合面88をガイド係合面98に当接させ、リミッタ100を動かすステップは、ガイド104を軌道Tに沿ってプロテーゼPから離れるように動かして、フランジ112をチャネル94の第1の軸方向チャネル端部94Aと当接させ、フランジ112が第1および第2の軸方向チャネル端部94A、94B間でチャネル94内部に位置決めされるまで軌道Tに沿ってガイド104を動かし続けることとしてさらに定義することができる。他方、これらの同じステップは、本明細書で述べるエンドエフェクタ240の第2の実施形態に関して異なる形で定義することができ、例えば、手術部位Sに隣接してインパクタアセンブリ302を枢動させ、開口部296を横切るようにシャフト286を動かしてラッチ364のカム部分384と係合させて、シャフト286をガイド係合面298と保持面382との両方に当接させることによって定義することができる。ここで、シャフト286とラッチ364との接触により、リミッタ300がインパクタアセンブリ302に対して動き、ラッチ364が順次に第1のラッチ位置364Aから(シャフト286がカム部分384に接触し始めるとき)、第2のラッチ位置364Bへ動き(シャフト286が開口部296を通過するとき)、さらに第1のラッチ位置364Aに戻る(付勢要素380からラッチ364に及ぼされる力に応答して)ことを理解されたい。それにもかかわらず、他の構成も企図されることを理解されたい。
【0162】
このようにして、本明細書で述べた方法、手術システム30、およびエンドエフェクタ40、240、440、740は、多数の外科技法および手順を実施するために使用される手術ロボット32に関連して大きな利点を提供する。特に、エンドエフェクタ40、240、440、740によって提供される位置合わせおよび着脱可能な取付けにより、外科医は、軌道Tを設定し、プロテーゼPを手術部位Sに接近させ、ロボットアーム36を軌道Tから動かして外す必要は必ずしもなく、また患者の身体Bおよび/または手術部位S自体の大きな操作も必要としない。さらに、センサ152、352、552、852、ならびにエンドエフェクタ40、240、440、740および/または手術システム30の実施形態の他の構成要素(限定はしないがロボット制御システム48、ナビゲーションシステム50、センササブアセンブリ612、912、フォロワサブアセンブリ614、およびLVDTコイルアセンブリ1004を含む)の様々な配置を利用して、いくつかの異なる方法でガイド基準点GRPとフランジ基準点FRPとの位置合わせの維持を容易にすることができる。さらに、本開示の様々な態様を採用して、チャネル94、294、494、794に沿った、フランジ112、312、512、812、またはインパクタアセンブリ102、302、502、802の別の部分の相対軸方向位置の検知を容易にすることができ、これを利用して、トラッカ60がインパクタアセンブリ102、302、502、802に結合されることを必要とせずに、手術部位Sに対するプロテーゼPの位置を監視することができる。
【0163】
さらに、本明細書で述べるガイド104、304、504、804およびインパクタアセンブリ102、302、502、802の様々な態様は、プロテーゼの嵌入を含む手順に関して大きな利点を提供するが、当業者は、エンドエフェクタ40、240、440、740によって提供される位置合わせおよび着脱可能な取付けの利点が、いくつかの異なるタイプのプロテーゼP、手術ツール、器具、ワークピースなどの位置決め、案内、制御、監視、および/または動きの制限を行うために、広範な手術処置および様々なタイプの手術器具、ツールなどに関して有益であり得ることを理解されたい。
【0164】
当業者は、本明細書で述べて図示した実施形態の態様を交換、あるいは複合することができることを理解されよう。
【0165】
「含む」という用語は、「備える」という用語と同義であることをさらに理解されたい。さらに、本明細書では、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、明確性および一貫性の非限定的な例示目的で、特定の構造的特徴部および構成要素を区別するために使用されることを理解されたい。
【0166】
前述の説明でいくつかの構成を論じてきた。しかし、本明細書で論じられる構成は、網羅的であることも、本発明を特定の形態に限定することも意図されていない。使用してきた用語は、限定ではなく、説明のための言葉としての性質を持つことが意図されている。上述した教示に照らして多くの修正および変更が可能であり、本発明は、具体的に述べたものとは別の方法で実施することもできる。