(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】ハッシュツリーを用いて食品安全データを追跡するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20240821BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20240821BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06Q50/04
(21)【出願番号】P 2020549696
(86)(22)【出願日】2019-03-04
(86)【国際出願番号】 EP2019055328
(87)【国際公開番号】W WO2019174952
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2022-02-25
(32)【優先日】2018-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】ティム・バスト
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106656509(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0228004(US,A1)
【文献】特表2013-515654(JP,A)
【文献】特開2007-280233(JP,A)
【文献】特開2005-222259(JP,A)
【文献】特開2005-100325(JP,A)
【文献】特開2006-133997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークデータ処理システム(150)によって実行され、前記ネットワークデータ処理システム(150)において食品データトランザクションを追跡するための方法であって、
前記ネットワークデータ処理システムは、食品包装機(100)のハードウェアデータプロセッサ(140)に接続するよう構成され、
前記食品包装機は、
包装材供給モジュール(110)と、
食品供給モジュール(120)と、
充填モジュール(130)と、を備え、
前記充填モジュールは、
前記包装材供給モジュールによって供給される包装材からパッケージを形成し、
前記食品供給モジュールによって供給される食品を前記パッケージに充填し、
前記充填されたパッケージを封止し、
前記封止され、形成され、充填されたパッケージを出力するよう、動作可能であり、
前記ネットワークデータ処理システムは複数の別個のネットワークストレージデバイス(161、162)に接続するよう構成され、
前記方法は、
前記ネットワークストレージデバイスの1つから包装食品生産データハッシュツリーを読み取るステップと、
前記ハードウェアデータプロセッサから食品データトランザクションを受信するステップであって、前記食品データトランザクションは、
前記充填モジュールが前記供給された食品を前記パッケージに充填し、次いで前記パッケージを封止した時間を示すタイムスタンプと、
前記ファイリングモジュール又は前記食品包装機を識別する機械データレコードと、
前記パッケージが形成される包装材バッチを用いることを示す包装材データレコードの全て又は一部と、
前記パッケージに充填される食品バッチを示す食品データレコードの全て又は一部と、
を備えるデータから導出される、ステップと、
前記食品データトランザクションを前記包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップと、
複数のネットワークストレージデバイスへの前記追加された包装食品生産データハッシュツリーの同一インスタンスの分散格納を生じるステップと、を含む、
ことを特徴とする
方法。
【請求項2】
前記食品データトランザクションは、更に、充填データレコードの全て又は一部を備えるデータから導出され、前記充填データレコードは前記供給された食品を前記パッケージに充填する間の前記充填モジュールの少なくとも1つの動作パラメータを示す、
請求項1に記載の前記ネットワークデータ処理システム(150)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【請求項3】
前記包装食品生産データハッシュツリーは分散型台帳である、
請求項1又は2に記載の前記ネットワークデータ処理システム(150)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【請求項4】
前記包装食品生産データハッシュツリーはブロックチェーンである、
請求項1~3のいずれか一項に記載の前記ネットワークデータ処理システム(150)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【請求項5】
前記包装食品生産データハッシュツリーはセミパブリックブロックチェーンである、
請求項1~4のいずれか一項に記載の前記ネットワークデータ処理システム(150)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【請求項6】
前記方法は、更に、ハードウェアデータプロセッサから受信した前記食品データトランザクションの全て又は一部を、前記ネットワークストレージデバイスから読み取られた前記包装食品生産データハッシュツリーに含まれる第2の食品データトランザクションと照合するステップを含む、
請求項1~5のいずれか一項に記載の前記ネットワークデータ処理システム(150)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【請求項7】
前記ネットワークデータ処理システムは、更に、第2の食品包装機(102)の第2のハードウェアデータプロセッサ(142)に接続するよう構成され、
前記第2の食品包装機は、
第2の包装材供給モジュール(110)と、
第2の食品供給モジュール(120)と、
第2の充填モジュール(130)と、を備え、
前記第2の充填モジュールは、
前記包装材供給モジュールによって供給される包装材から第2のパッケージを形成し、
前記第2の食品供給モジュールによって供給される食品を前記第2のパッケージに充填し、
前記充填された第2のパッケージを封止し、
前記封止され、形成され、充填された第2のパッケージを出力するよう、動作可能であり、
前記方法は、更に、
前記第2の食品包装機の前記第2のハードウェアデータプロセッサから第2の食品データトランザクションを受信するステップであって、前記第2の食品データトランザクションは、
前記第2の充填モジュールが前記供給された食品を前記第2のパッケージに充填し、次いで前記第2のパッケージを封止した時間を示すタイムスタンプと、
前記第2のファイリングモジュール又は前記第2の食品包装機を識別する機械データレコードと、
前記第2のパッケージが形成される前記包装材バッチを用いることを示す第2の包装材データレコードの全て又は一部と、
前記第2のパッケージに充填される前記食品バッチを示す食品データレコードの全て又は一部と、
を備えるデータから導出される、ステップと、
前記第2の食品データトランザクションを前記包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップと、を含む、
請求項1~6のいずれか一項に記載の前記ネットワークデータ処理システム(150)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【請求項8】
前記方法は、更に、
第1の食品データトランザクションの全て又は一部から、及び第2の食品データトランザクションの全て又は一部から導出される食品データトランザクションブロックを作成するステップを含み、
前記第1及び前記第2の食品データトランザクションを前記包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップは、前記食品データトランザクションブロックを前記包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップによって実行される、
請求項1~7のいずれか一項に記載のネットワークデータ処理システム(150)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【請求項9】
前記ネットワークデータ処理システムは、第1のネットワークデータ処理システム(151)であり、
前記第1のネットワークデータ処理システムは、前記第1のネットワークデータ処理システムとは別の第2のネットワークデータ処理システム(152)に接続するよう構成され、
前記第2のネットワークデータ処理システムは、前記食品包装機(100)の前記ハードウェアデータプロセッサ(140)に接続するよう構成され、
前記第2のネットワークデータ処理システムは、
前記ネットワークストレージデバイスの1つから前記包装食品生産データハッシュツリーを読み取り、
前記ハードウェアデータプロセッサから前記食品データトランザクションを受信し、
食品データトランザクションを前記包装食品生産データハッシュツリーに追加し、
前記ネットワークストレージデバイスへの前記包装食品生産データハッシュツリーの同一インスタンスの分散格納を生じるよう、動作可能であり、
前記方法は、更に、前記包装食品生産データハッシュツリーに追加されるべき前記食品データトランザクションに関して前記第2のネットワークデータ処理システムと合意するステップを含み、
前記合意するステップは、前記第1のネットワークデータ処理システムが食品データトランザクションを前記包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップに先行する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の前記ネットワークデータ処理システム(151)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【請求項10】
前記包装食品生産データハッシュツリーに追加されるべき前記食品データトランザクションに関して前記第2のネットワークデータ処理システム(152)と合意するステップは、前記第1のネットワークデータ処理システム及び前記第2のネットワークデータ処理システムの両方が共同コンセンサスメカニズムに従って動作することを含む、
請求項9に記載の第1のネットワークデータ処理システム(151)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【請求項11】
前記第1のネットワークデータ処理システムは、前記第1のネットワークデータ処理システムとは別の第2のネットワークデータ処理システム(152)に接続するよう構成され、
前記第2のネットワークデータ処理システムは、前記第1の食品包装機(100)の前記第1のハードウェアデータプロセッサ(140)及び前記第2の食品包装機(100)の前記第2のハードウェアデータプロセッサ(140)に接続するよう構成され、
前記第2のネットワークデータ処理システムは、
前記ネットワークストレージデバイスの1つから前記包装食品生産データハッシュツリーを読み取り、
前記ハードウェアデータプロセッサから前記第1の食品データトランザクションを受信し、
前記第2のハードウェアデータプロセッサから前記第2の食品データトランザクションを受信し、
前記第1及び前記第2の食品データトランザクションを前記包装食品生産データハッシュツリーに追加し、
前記ネットワークストレージデバイスへの前記包装食品生産データハッシュツリーの同一インスタンスの分散格納を生じるよう、動作可能であり、
前記方法は、更に、前記包装食品生産データハッシュツリーに追加されるべき前記第1及び第2の食品データトランザクションに関して前記第2のネットワークデータ処理システムと合意するステップを含み、
前記合意するステップは、前記第1のネットワークデータ処理システムが食品データトランザクションを前記包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップに先行する、
請求項
7に記載の第1のネットワークデータ処理システム(151)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【請求項12】
前記包装食品生産データハッシュツリーに追加されるべき前記第1及び第2の食品データトランザクションに関して前記第2のネットワークデータ処理システムと合意するステップは、前記第1のネットワークデータ処理システム及び前記第2のネットワークデータ処理システムの両方が共同コンセンサスメカニズムに従って動作することを含む、
請求項9~11のいずれか一項に記載の第1のネットワークデータ処理システム(150)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【請求項13】
前記方法は、更に、前記第1の食品データトランザクションの全て又は一部から、及び前記第2の食品データトランザクションの全て又は一部から導出される食品データトランザクションブロックを作成するステップを含み、
前記第1のネットワークデータ処理システムが前記第1及び前記第2の食品データトランザクションを前記包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップは、前記第1のネットワークデータ処理システムが前記食品データトランザクションブロックを前記包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップによって実行される、
請求項12に記載のネットワークデータ処理システム(150)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【請求項14】
ネットワークデータ処理システム(150)であって、
食品包装機(100)のハードウェアデータプロセッサ(140)に接続するよう構成され、
前記食品包装機は、
包装材供給モジュール(110)と、
食品供給モジュール(120)と、
充填モジュール(130)と、を備え、
前記充填モジュールは、
前記包装材供給モジュールによって供給される包装材からパッケージを形成し、
前記食品供給モジュールによって供給される食品を前記パッケージに充填し、
前記充填されたパッケージを封止し、
前記封止され、形成され、充填されたパッケージを出力するよう、動作可能であり、
複数の別個のネットワークストレージデバイス(161、162)に接続するよう構成され、
前記ネットワークデータ処理システムはハードウェアデータプロセッサを備え、前記ネットワークデータ処理システムは、請求項1~13のいずれか一項に記載の食品データトランザクションを追跡するための方法のステップを実行するようなされる、
ネットワークデータ処理システム(150)。
【請求項15】
ネットワークデータ処理システムに、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法のステップを実行させる命令を備えるコンピュータプログラム。
【請求項16】
更に、
第2の食品包装機(102)の第2のハードウェアデータプロセッサ(142)に動作可能に接続され、
前記第2の食品包装機は、
包装材供給モジュール(110)と、
食品供給モジュール(120)と、
充填モジュール(130)と、を備え、
第2の充填モジュールは、
前記包装材供給モジュールによって供給される包装材からパッケージを形成し、
前記食品供給モジュールによって供給される食品を前記パッケージに充填し、
前記充填されたパッケージを封止し、
前記封止され、形成され、充填されたパッケージを出力するよう、動作可能であり、
複数の別個のネットワークストレージデバイス(161、162)に動作可能に接続され、
前記ネットワークデータ処理システムは、請求項7又は8に記載の食品データトランザクションを追跡するための方法のステップを実行するようなされる、
請求項14に記載のネットワークデータ処理システム(150)。
【請求項17】
前記ネットワークデータ処理システムは、更に、第1のネットワークデータ処理システムとは別の第2のネットワークデータ処理システム(152)に動作可能に接続され、
前記ネットワークデータ処理システムは、請求項9~13のいずれか一項に記載の食品データトランザクションを追跡するための方法のステップを実行するようなされる、
請求項16に記載のネットワークデータ処理システム(150)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、食品安全データを追跡するための方法及びシステムに関する。より詳細には、この発明は、ハッシュツリーを用いて食品安全データを追跡するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
食品の安全性は、食品の工業生産及び包装においてますます重要なテーマとなっている。破損したパッケージ又は汚染された食品内容物等の食品安全事故が発生した場合、手元にある全ての食品安全関連データに迅速にアクセスすることが重要である。データは可能な限り正確でなければならず、同じ食品安全事故の影響を受ける可能性のある他の全てのパッケージを、可能な限り詳細に識別できるようにする必要がある。最終的に、食品安全関連データは、与えられたデータセットが真正であるか否かを迅速且つ容易に検証すべきであるという意味で、改ざん防止機構の付いたものでなければならない。
【0003】
国際公開第2017/114666A1号パンフレットにおいて、包装システムの品質管理のための方法が開示されている。方法は、包装識別データの記録を受け取ることを含み、包装識別データの記録はパッケージに関連している。次に、前記包装識別データの記録を用いて機械データの記録を識別及び受信し、前記機械データの記録は、前記パッケージを製造する場合に用いられる機械セットアップに関連する。その後、前記機械データの記録に基づいてチェックすべき包装品質パラメータを識別し、前記包装品質パラメータに関連する包装品質データの記録を要求する。
【0004】
食品安全データの追跡は、品質データの追跡とは異なる。食品安全性は、食品の製造から包装、包装された食品の輸送及び販売を通じて、消費者による最終的な食品の消費まで、製品ライフサイクル全体に沿って適用される。包装システムの品質管理は、パッケージの生産者に関連する実際的な全ての目的のために行われる。それとは対照的に、食品安全データは、製品ライフサイクルの任意の部分に関連する全ての事業体に関係する。これには、食品を生産する農家、食品を加工又は包装する事業体、包装された食品の流通業者及び販売業者、並びに妥協のない安全な食品を消費することを望む消費者が含まれるが、これらに限定されない。
【0005】
米国特許出願公開第2017/0262862A1号明細書において、ブロックチェーン技術を用いて製品の原産地を管理及び提供するための方法が記載されている。一意の製品識別子の製品への関連付け、並びに、製品がその供給源フェーズから変換フェーズを介してサプライチェーンに沿って移動し、輸送フェーズを経る際にも一意の識別子を有する偽造防止デバイスの製品への任意の関連付けの開示がある。製品が結合されたり、分割されたり、包装されたりする場合があるため、2つ以上の製品識別子又は偽造防止デバイスが存在してもよい。製品がサプライチェーンに沿って移動する際に識別子の生成及び関連付けを管理及び促進するために、製品のための一意の識別子の格納並びにサーバによるデータメモリデバイスへの製品のための一意の識別子と偽造防止デバイスの一意の識別子との関連付け及び他の関連付けのためのデータメモリデバイスが存在する。サーバは、また、製品がサプライチェーンに沿って移動する際に存在するか又は作成される製品の1つ以上の特性を受信し、データメモリデバイスに格納するようにもなされている。プロセッサによる製品又は偽造防止デバイスの一意の識別子の受信と共に製品の原産地に対する照会により、その製品に関連付けられた少なくとも1つの特性が利用可能になる。ブロックチェーンの使用は、記録された特性ごとにブロックを作成し、ブロックに関連付けられた記録を検索することを可能にし、記録された特性が、特定の製品に一意に関連付けられたブロックチェーン内のブロックから検索されたものと同じであることを確認することを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、先行技術の方法、コンピュータプログラム、及びデバイスが直面する技術的問題及び制限を克服することにある。
【0007】
特定の目的は、耐タンパー性及びあらゆる実用的な目的のために改ざん防止方法で食品安全関連データを記録することを可能にするネットワークデータ処理システムにおいて食品データトランザクションを追跡するための方法を提供することにある。
【0008】
本発明の別の特定の目的は、ネットワーク接続上で送信されるデータの量を低減する効率的な方法で耐タンパー性の食品安全関連データを記録することを可能にするネットワークデータ処理システムにおいて食品データトランザクションを追跡するための方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの目的を解決するため、請求項1によるネットワークデータ処理システムにおいて食品データトランザクションを追跡するための方法が提供される。
【0010】
本発明の1つの特定の目的は、耐タンパー性及びあらゆる実用的な目的のために改ざん防止方法で食品安全関連データを記録することを可能にするネットワークデータ処理システムを提供することにある。
【0011】
本発明の別の特定の目的は、ネットワーク接続上で送信されるデータの量を低減する効率的な方法で耐タンパー性の食品安全関連データを記録することを可能にするネットワークデータ処理システムを提供することにある。
【0012】
これらの目的を解決するため、請求項15、請求項17、及び請求項18によるネットワークデータ処理システム、並びに請求項16による命令を備えるコンピュータプログラムが提供される。
【0013】
発明の更に他の目的、特徴、態様、及び利点は以下の詳細な説明から、並びに、図面から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明によるネットワークデータ処理システムにおいて食品データを追跡するための方法の例示的な実施形態を示す。
【
図2】
図2は、本発明によるネットワークデータ処理システムにおいて食品データを追跡するための方法の例示的な実施形態を示す。
【
図3】
図3は、本発明によるネットワークデータ処理システムにおいて食品データを追跡するための方法の例示的な実施形態を示す。
【
図4】
図4は、本発明によるネットワークデータ処理システムにおいて食品データを追跡するための方法の例示的な実施形態を示す。
【
図5】
図5は、本発明によるネットワークデータ処理システムにおいて食品データを追跡するための方法の例示的な実施形態を示す。
【
図6】
図6は、本発明によるネットワークデータ処理システムにおいて食品データを追跡するための方法の例示的な実施形態を示す。
【
図7】
図7は、本発明によるネットワークデータ処理システムの例示的な実施形態を示す。
【
図8】
図8は、本発明によるネットワークデータ処理システムの例示的な実施形態を示す。
【
図9】
図9は、本発明によるネットワークデータ処理システムの例示的な実施形態を示す。
【
図10】
図10は、本発明によるネットワークデータ処理システムの例示的な実施形態を示す。
【
図11】
図11は、本発明によるネットワークデータ処理システムの例示的な実施形態を示す。
【
図12】
図12は、本発明によるネットワークデータ処理システムの例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
一態様において、本発明は、ネットワークデータ処理システムにおいて食品データトランザクションを追跡するための方法に関する。
【0016】
ネットワークデータ処理システムは、食品包装機のハードウェアデータプロセッサに動作可能に接続される。食品包装機は、包装材供給モジュール、食品供給モジュール、及び充填モジュールを備える。充填モジュールは、包装材供給モジュールによって供給される包装材からパッケージを形成し、食品供給モジュールによって供給される食品をパッケージに充填し、充填されたパッケージを封止し、封止され、形成され、充填されたパッケージを出力するよう動作可能である。ネットワークデータ処理システムは、更に、複数の別個のネットワークストレージデバイスに動作可能に接続される。
【0017】
本発明によるネットワークデータ処理システムにおける食品データトランザクションを追跡するための方法は、ネットワークデータ処理システムが、ネットワークストレージデバイスの1つから包装食品生産データハッシュツリーを読み取るステップと、食品データトランザクションをハードウェアデータプロセッサから受信するステップと、食品データトランザクションを包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップと、複数のネットワークストレージデバイスにおける追加された包装食品生産データハッシュツリーの同一インスタンスの分散格納を生じるステップとを含む。
【0018】
食品データトランザクションは、充填モジュールが供給された食品を成形パッケージに充填し、次いでパッケージを封止した時間を示すタイムスタンプと、ファイリングモジュール又は食品包装機を識別する機械データレコードと、成形パッケージが形成される包装材バッチを用いることを示す包装材データレコードの全て又は一部と、成形パッケージに充填される食品バッチを示す食品データレコードの全て又は一部とを備えるデータから導出される。
【0019】
本明細書中で用いるように、用語「ネットワークデータ処理システム」とは、ネットワークデータ処理システムと他のエンティティとの間に確立されたネットワーク接続を介してハードウェアプロセッサを備える他のエンティティにデータを送信し、それらからデータを受信するよう動作可能なハードウェアプロセッサを備えるデータ処理システムを指す。
【0020】
本明細書中で用いるように、用語「食品データトランザクション」とは、食品データレコードの全て又は一部及び包装材データレコードの全て又は一部を備えるデータから導出されたデータを指す。食品データトランザクションは、対応する複数の食品データレコード及び包装材データレコードの対の全て又は一部を備えるデータから導出されてもよい。食品データトランザクションは、食品加工データレコードから導出されたデータを備えていてもよい。食品データトランザクションは、それを作成するハードウェアプロセッサによってデジタル署名されてもよい。食品データトランザクションが導出されるデータは、更に、同じ食品包装機で作成された以前の食品データトランザクションに関するデータを備えていてもよい。食品データトランザクションが導出されるデータは、更に、ネットワークデータ処理システム等の外部エンティティから受信するデータを備えていてもよい。デジタル署名は、データトランザクションのデータ内容全体を検証する。デジタル署名は、データレコードの全て又は一部の暗号ハッシュ値を作成することによって実行されてもよい。デジタル署名は、更に、トランザクション内で食品データレコードの全て又は一部の各個別食品データレコードの暗号ハッシュ値を作成し、次いで、個別データレコードのうちの1つ、幾つか、又は全ての暗号ハッシュ値の組み合わせの暗号ハッシュ値を作成することによって実行されてもよい。食品データトランザクションは、個別食品データレコードのハッシュツリーの形をとってもよい。食品データトランザクションは、個別食品データレコードから作成されるハッシュツリーのトップハッシュ値から構成されてもよい。本明細書中で用いるように、用語「食品」とは、食用に適した食品、飲料、及び医薬品を含むがこれらに限定されない、人間又は動物による消費を目的とする任意の製品を指す。食品は未加工又は加工済みであることが可能である。消費は、経口、又は消費する人間若しくは又は動物の体内に製品を提供するその他の方法を介して行われてもよい。食品は液体であってもよい。食品は微粒子を含む液体であってもよい。食品は粘性があってもよい。食品は固形であってもよい。食品は注入可能であってもよい。
【0021】
食品包装機は、包装材供給モジュールを備えている。本明細書中で用いるように、用語「包装材供給モジュール」とは、包装材を充填モジュールに供給するよう動作可能な食品包装機の任意のモジュールを指す。包装材は様々な方法で供給することができる。包装材は、その後、充填前又は後に、個々の容器を形成するために断片に切断される織布材料等の連続した材料として供給されてもよい。代替として、包装材は、1つのパッケージ又はパッケージの群を形成することができるブランク等の個別の形で供給されてもよい。包装材は、ボトル等のすぐに充填できる容器の形で供給することができる。包装材は、その後、延伸ブロー成形等の成形プロセスによって最終的なパッケージ形状に変形される予成形品の形で供給することができる。本明細書中で用いるように、用語「包装材」とは、包装材から作製された密封パッケージ内に食品を収容するのに適した任意の材料又は材料の組み合わせを指す。包装材は、汚染、光曝露、又は酸化等の環境との望ましくない相互作用から食品を保護するのに適していてもよい。適切な包装材は、紙、改質紙(油紙等)、板紙、金属(アルミニウム等)、高分子材料(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、PET、ポリスチレン、ポリカーボネート等)、及びガラスを含むが、これらに限定されない。適切な包装材は、更に、前述の材料のいずれかの層を備える積層包装材等の前述の包装材の組み合わせを含むが、それらに限定されない。積層包装材は、板紙のコア層を備えていてもよい。積層包装材のコア層は、セルロース繊維を備えていてもよい。積層包装材は、材料の液体不透過性を高めるよう、板紙の内面及び外面上に高分子層(ポリエチレン層等)を備えていてもよい。積層包装材は、更に、材料を通る酸素透過を低減するよう、金属箔層等の追加層を備えていてもよい。追加層は、板紙の内面と内側高分子層との間に位置決めされてもよい。
【0022】
食品包装機は、食品供給モジュールを備えている。本明細書中で用いるように、用語「食品供給モジュール」とは、食品がパッケージに充填される充填モジュールに食品を供給するよう動作可能な食品包装機の任意のモジュールを指す。食品は、飲料等の流体又は粘性製品の連続フローとして供給することができる。この連続フローが制御される速度は、弁又はノズルを介して行うことができる。速度は、適切なセンサにより重量又は体積を測定すること等によって測定することができる。代替として、食品は、アイスクリームバー又は菓子等の個別の部分又は品目の形で提供することができる。
【0023】
食品包装機は、更に、充填モジュールを備えている。本明細書中で用いるように、用語「充填モジュール」とは、食品を食品供給モジュールから受け取り、包装材を包装材供給モジュールから受け取り、受け取った食品を包装材に充填し、食品で充填されたパッケージを封止するよう動作可能な任意の食品包装機モジュールを指す。封止は、消費者が包装された食品を消費するためにパッケージを開封するまで、開封されないことを目的としてもよい。壊れていないシール及びパッケージは、従って、食品の包装以降、パッケージが妥協のない形で食品を収容していることを消費者に示すことができる。充填モジュールは、パッケージ材料供給モジュールによって供給された包装材から形成されたパッケージを形成するよう動作可能であってもよい。パッケージを形成する様々な異なる方法が当該技術分野において公知である。パッケージを形成するステップは、包装材供給モジュールから受け取った包装材を、充填するための位置及び向きにすることと同じくらい簡単であってもよい。パッケージを形成する別の方法は、供給された織布包装材の一方の長手方向縁部を他方の長手方向縁部に対して長手方向に封止することによってチューブを形成することである。流動食等の食品は、次いで、垂直に配置されたチューブ内に充填されてもよい。個別パッケージは、次いで、チューブを横方向に封止及び切断することによって形成されてもよい。個別パッケージは、次いで、直方体形状のパッケージ等の所望の形状に折り畳むことによって更に形成されてもよい。形成ステップは、更に、フラップを折り重ね、それをパッケージの本体に取り付けることを含んでいてもよい。パッケージを形成する別の方法は、包装材からスリーブを作成し、次いで、頂部又は底部のどちらか一方の一端で閉じて半開きのブランクを形成することである。食品は、次いで、半開きのブランクに充填され、その後、ブランクの他端を封止して、封止パッケージを形成してもよい。スリーブ又は封止パッケージは、封止パッケージを所望の形状にするよう折り畳みによって再形成されてもよい。代替として、充填モジュールは、包装材供給モジュールから予成形品等の予め成形されたパッケージを受け取ってもよく、予成形品を延伸ブロー成形等によってすぐに充填できるパッケージに変形してもよい。充填モジュールは、また、充填されるべき開口部を有するボトル等の容器を備えるすぐに充填できるパッケージを包装材供給から受け取ってもよい。すぐに充填できる容器の開口部は、消費可能な食品が最終パッケージから空にされるのと同じ開口部であってもよいか、又は、食品をパッケージに充填した後に恒久的に封止されてもよい別の開口部であってもよい。充填モジュールは、包装材を封止すること等によって充填されたパッケージを封止するよう動作可能であってもよい。充填されたパッケージは、包装された食品がパッケージを開封することなく外側からアクセスすることができないように、密封されてもよい。充填された容器の封止は、キャップ等の再開封可能なクロージャを適用することによって、又は開口部の上に切り離しフォイル等の再開封できないクロージャを適用することによって達成されてもよい。適用されたクロージャは、開封明示機能を備えていてもよい。充填モジュールは、封止され、形成され、及び充填されたパッケージを出力するよう動作可能であってもよい。パッケージは、複数の封止されたパッケージを二次包装によって包装される束に包装するための包装食品を処理するための下流装置等(レトルト又は低温殺菌装置等)の更なる下流装置に出力されてもよい。
【0024】
食品包装機は、更に、食品加工モジュールを備えていてもよい。本明細書中で用いるように、用語「食品加工モジュール」とは、食品の組成、一貫性、又は状態に影響を及ぼす食品包装機の任意のモジュールを指す。食品加工モジュールは、食品供給モジュールの上流に配置されてもよいか、食品供給モジュールと一体化されてもよいか、又は充填モジュールの下流に配置されてもよい。多くの食品に適した食品加工モジュールは当該技術分野において公知であり、限定的に、ミキサ、ブレード付き及びブレードなしのブレンダ、濾過モジュール、ヒータ、クーラ、硬化トンネル、ベーキングオーブン、低温殺菌装置、レトルト、等を含む。食品加工モジュールは、食品の安全性に関連する動作パラメータを測定するためのセンサを備えていてもよい。食品加工モジュールは、測定したパラメータを保存するための格納手段を備えていてもよい。
【0025】
食品包装機は、更に、ハードウェアデータプロセッサを備えている。本明細書中で用いるように、用語「ハードウェアプロセッサ」又は「ハードウェアデータプロセッサ」とは、コンピュータプログラムの命令を実行するよう動作可能な電子回路を指す。かかる命令は、基本的なレベルで、計算、論理、制御、及び入力/出力(I/O)操作を実行するための命令を含んでいるが、これらに限定されない。ハードウェアプロセッサは、コンピュータプログラム命令を格納するため及びデータを格納するための揮発性又は永久メモリを備えていてもよい。ハードウェアプロセッサは、コンピュータの中央処理装置(CPU)の機能を単一の集積回路又は多くても数個の集積回路上に組み込んでいるマイクロプロセッサを備えていてもよい。マイクロプロセッサは、入力としてバイナリデータを受け入れ、そのメモリに格納された命令に従ってそれを処理し、出力として結果を提供する、多目的、クロック駆動、レジスタベースのデジタル集積回路であってもよい。マイクロプロセッサは、組み合わせ論理及び逐次デジタル論理の両方を含んでいる。マイクロプロセッサは、2進数システムで表される数字及び記号で動作する。ハードウェアプロセッサは、他のハードウェアプロセッサ又は他の記憶装置とデータを交換するためのデータバスに接続されるよう構成されてもよい。かかる接続は有線又は無線であってもよい。用語「ハードウェアプロセッサ」及び「ハードウェアデータプロセッサ」は、本開示において互換的に用いられる。
【0026】
食品包装機のハードウェアプロセッサは、充填モジュールに現在供給されている包装材バッチを示す包装材データパッケージレコードを受信するよう、包装材供給モジュールに動作可能に接続されてもよい。包装材供給モジュールは、包装材供給モジュールによって充填モジュールに現在供給されている包装材の特性を感知しているセンサに動作可能に接続されているハードウェアプロセッサを備えていてもよい。センサは、包装材の外面から一次元光学コード(バーコード等)又は二次元光学コード(QRコード等)を読み取るために構成されるセンサであってもよい。ハードウェアプロセッサはユーザ入力端子に接続されてもよく、ここでオペレータは、包装材供給モジュールによって充填モジュールに現在供給されている包装材を識別する情報を入力することができる。ハードウェアプロセッサは、充填モジュールに現在供給されている包装材バッチを示す情報を含む包装材データレコードを作成するよう構成されてもよい。ハードウェアプロセッサは、更に、タイムスタンプ、位置情報、デジタル署名等の包装材供給モジュールの一意の識別子、包装材の構成要素のいずれかに関する追加情報、温度、湿度、連続運転時間、無菌状態、現在の運転速度、オペレータの識別、又はその他の動作パラメータ等の包装材供給モジュールの現在の状態に関する他の情報を含むがこれらに限定されない追加情報を包装材データレコードに追加するよう構成されてもよい。かかる情報は、ハードウェアプロセッサによって、接続されたメモリから、ユーザ入力端末から、又はハードウェアプロセッサがデータネットワークを介して接続される他のデータソースから取得されてもよい。ハードウェアプロセッサと包装材供給モジュールとの間の動作可能な接続は、直接的又は間接的であってもよい。間接接続は、包装材供給モジュールを充填モジュールと、及び充填モジュールをハードウェアプロセッサと動作可能に接続することによって達成されてもよい。
【0027】
食品包装機のハードウェアプロセッサは、充填モジュールに現在供給されている食品バッチを示す食品データレコードを受信するよう、食品供給モジュールに動作可能に接続されてもよい。食品供給モジュールは、食品供給モジュールによって充填モジュールに現在供給されている食品バッチの特性を感知しているセンサに動作可能に接続されているハードウェアプロセッサを備えていてもよい。センサは、食品が食品供給モジュールに供給された容器の外面から一次元光学コード(バーコード等)又は二次元光学コード(QRコード等)を読み取るために構成されるセンサであってもよい。ハードウェアプロセッサはユーザ入力端子に接続されてもよく、ここでオペレータは、食品供給モジュールによって充填モジュールに現在供給されている食品バッチを識別する情報を入力することができる。ハードウェアプロセッサは、充填モジュールに現在供給されている食品バッチを示す情報を含む食品データレコードを作成するよう構成されてもよい。ハードウェアプロセッサは、更に、タイムスタンプ、位置情報、デジタル署名等の食品供給モジュールの一意の識別子、食品バッチの成分いずれかに関する追加情報(生産時間及び場所、原産地からの輸送時間及び形態等)、温度、湿度、連続運転時間、無菌状態、現在の運転速度、オペレータの識別、又はその他の動作パラメータ等の食品供給モジュールの現在の状態に関する他の情報を含むがこれらに限定されない追加情報を食品データレコードに追加するよう構成されてもよい。かかる情報は、ハードウェアプロセッサによって、接続されたメモリから、ユーザ入力端末から、又はハードウェアプロセッサがデータネットワークを介して接続される他のデータソースから取得されてもよい。ハードウェアプロセッサと食品供給モジュールとの間の動作可能な接続は、直接的又は間接的であってもよい。間接接続は、食品供給モジュールを充填モジュールと、及び充填モジュールをハードウェアプロセッサと動作可能に接続することによって達成されてもよい。
【0028】
食品包装機のハードウェアプロセッサは、食品包装機に備えられる食品加工モジュールに動作可能に接続されていてもよい。ハードウェアプロセッサは、充填モジュールの少なくとも1つの動作パラメータを示す食品加工データレコードを受信してもよい。適切なパラメータは、食品加工モジュールに対する一意の識別子、温度、無菌状態、運転速度、食品加工モジュールの位置、現在の運転時間及び日付、最後に起動してからの運転の経過時間、及び最後に起動してから加工された食品の容量又は重量を含むが、これらに限定されない。
【0029】
食品包装機のハードウェアプロセッサは、充填モジュールが供給された食品を形成されたパッケージに充填した時間を識別するタイムスタンプ、充填モジュール又は食品包装機を識別する機械データレコード、包装材データレコードの全て又は一部、及び食品データレコードの全て又は一部に関する食品データトランザクションを作成するよう動作可能である。食品データレコードは、更に、任意の充填データレコードの全て又は一部に関していてもよい。代替として、食品包装機のハードウェアプロセッサは、複数の食品データレコードを備える食品データトランザクションを作成するよう動作可能であり、かかる各データレコードは上記のデータを備えている。
【0030】
食品包装機は、食品データレコードを格納するためのローカルストレージデバイスを備えていてもよい。ローカルストレージデバイスは、食品包装機のハードウェアデータプロセッサに動作可能に接続されてもよい。データトランザクションが、それが関連する食品データレコードの完全なデータを備えていない場合、ローカルストレージデバイスから基礎データを取得し、食品データトランザクションを再作成し且つそれらのハッシュ値を比較する等によってそれと以前の食品データトランザクションを比較することによって正確性を検証することができる。ローカルストレージデバイスは、食品包装機の一部を形成してもよいか、又は、有線若しくは無線ネットワーク接続を介して食品包装機に接続される別の場所に位置していてもよい。
【0031】
食品包装機のハードウェアプロセッサは、ネットワーク接続を介してネットワークデータ処理システムに動作可能に接続される。本明細書中で用いるように、用語「ネットワーク接続」とは、デジタルデータ等のデータを送受信することができるハードウェアプロセッサをそれぞれが備える別個のエンティティ間の接続を指す。ネットワーク接続は、有線接続(イーサネットプロトコルに基づく広域ネットワーク等)、無線ネットワーク接続(無線エリアネットワーク等)、又は有線及び無線の組み合わせであってもよい。ネットワークデータ処理システムは、ネットワーク接続を介して接続される任意のエンティティから物理的に分離されており、接続されたエンティティのうちの少なくとも1つとは別の場所に位置するのが好ましい。
【0032】
ネットワークデータ処理システムは、データハッシュツリーの分散インスタンスを格納するための複数の別個のネットワークストレージデバイスに動作可能に接続されている。本明細書中で用いるように、用語「ネットワークストレージデバイス」とは、ハードウェアプロセッサと、情報を格納するための永久メモリとを備えるデータ処理システムを指す。ネットワークストレージデバイスは、ネットワークデータ処理システム等のハードウェアプロセッサを備える別のエンティティからネットワーク接続を介してデータを受信するよう動作可能である。ネットワークストレージデバイスは、その永久メモリからデータを読み取り、かかるデータをネットワークコネクタを介してネットワークデータ処理システム又はネットワークストレージデバイス等の別のエンティティに送信するよう動作可能であってもよい。ネットワークストレージデバイスは、ネットワークデータ接続を介して接続される任意のエンティティから物理的に分離されており、接続されたエンティティのうちの少なくとも1つとは別の場所に位置するのが好ましい。
【0033】
ネットワークデータ処理システムにおける食品データトランザクションを追跡するための方法は、ネットワークデータ処理システムがネットワークストレージデバイスの1つから包装食品生産データハッシュツリーを読み取るステップを含む。本明細書中で用いるように、用語「ハッシュツリー」とは、最初のノードを除く全てのノードが1つ以上の先行ノードを有し、1つ、2つ以上、又は全ての先行ノードのラベルの暗号ハッシュによりラベル付けされるツリーの形をしたデータ構造を指す。2つ以上の先行ノードを有する多くのノードを持つハッシュツリー(例えば、マークルツリー等)は、大規模なデータ構造の内容を効率的且つ安全に検証することを可能にする。ハッシュツリーは、初期ノード(データノード)のハッシュ値の1つ以上の世代を作成することによって導出された最上位ノードを備えていてもよい。ハッシュツリーの最上位ノードは、それ以上のハッシュ値の作成が行われていない唯一のノードである。ハッシュツリーは、1つのノード(トップハッシュ)が他の全てのノードのラベルの暗号ハッシュ(ハッシュのリスト)でラベル付けされているハッシュリストであってもよい。ハッシュツリーは、各ノードが正確に1つの先行ノードを有し、その先行ノードのラベルの暗号ハッシュでラベル付けされているハッシュチェーンであってもよい。ハッシュツリーは、http://dx.doi.org/10.6028/NIST.FIPS.180-4において入手可能な米国国立標準技術研究所の情報技術研究所によって発行された標準ハッシュ関数(SHS)(米国商務省、FIPS PUB 180-4、2015年8月)に従って安全であることが好ましい。本明細書中で用いるように、用語「ハッシュ関数」とは、任意のサイズのデータ(「メッセージ」)を固定サイズのデータ(「値」)にマッピングするために用いることができる任意の関数を指す。ハッシュ関数によって返される値は、ハッシュ値又は単にハッシュと呼ばれる。本明細書中で用いるように、本明細書中で用いるような用語「暗号ハッシュ」とは、暗号ハッシュ関数によって返されるハッシュを指す。本明細書中で用いるように、用語「暗号ハッシュ関数」とは、反転させるのが困難であるよう構成されるハッシュ関数の特殊クラスを指す。暗号ハッシュ関数は決定論的なものであってもよいため、同じメッセージは常に同じハッシュになる。暗号ハッシュ関数は、所定の任意のメッセージに対するハッシュ値を迅速に計算できるよう構成されてもよい。暗号ハッシュ関数は、全ての可能なメッセージを試行することを除いて、そのハッシュ値からメッセージを生成することが実質的に実行不可能であるよう構成されてもよい。暗号ハッシュ関数は、メッセージへの小さな変更によって、新しいハッシュ値が古いハッシュ値と無相関に見えるようにハッシュ値が大幅に変更されるよう構成されてもよい。暗号ハッシュ関数は、同じハッシュ値を持つ2つの異なるメッセージを見つけることが実質的に実行不可能であるよう構成されてもよい。MD5、SHA-0、SHA-1、SHA-2(変形を含む)、SHA-3(変形を含む)、SHAKE128、SHAKE256、BLAKE、BLAKE2、及びスポンジ関数(Keccakスポンジ関数を含む)を含むが、これらに限定されない様々な適切な暗号ハッシュ関数が、当該技術において公知である。本明細書中で用いるように、用語「包装食品生産データハッシュツリー」とは、包装された食品の製造に関するデータトランザクションを備えるハッシュツリーを指す。包装食品生産データハッシュツリーは、個別データトランザクションが複数の食品包装機で作成された食品データレコードにそれぞれ関する複数の個別データトランザクションを備えていてもよい。包装食品生産データハッシュツリーは、第1の食品包装機のハードウェアプロセッサによって作成される食品データレコードにそれぞれ関する第1の複数の個別データトランザクションと共に、第2の食品包装機のハードウェアプロセッサによって作成される食品データレコードにそれぞれ関する第2の複数の個別データトランザクションを備えていてもよく、それによって、第1及び第2の食品包装機は同じ工場又は別々の位置における異なる工場に位置していてもよい。
【0034】
包装食品生産データハッシュツリーは、ネットワーク処理システムによって受信された食品データトランザクションが初期ノードを形成するハッシュツリーの形を有していてもよい。ネットワーク処理システムは、受信した食品データトランザクションの、任意に、ネットワーク処理システムによる受信時刻のタイムスタンプ若しくはネットワーク処理システムの一意の識別子と共に、又はその両方と共に受信した食品データトランザクションのハッシュ値を作成してもよい。包装食品生産データハッシュツリーは、ある特定の時間間隔中に受信されたそれらの食品データトランザクション又は同じ食品包装機から受信されたそれら等のための受信された食品データトランザクションのサブセットに関するノードを備えていてもよい。かかるノードは、蓄積された食品データトランザクションのハッシュ値を計算することによって作成されてもよい。包装食品生産データハッシュツリーは、食品データトランザクションのサブセットに関するノードの累積サブセットに関するハッシュ値を計算することによって作成される追加ノードを備えていてもよい。食品データトランザクションは、最上位ノードを備えていてもよいツリーを有する。食品データトランザクションハッシュツリーの新しい最上位ノードは、以前の最上位ノードと、以前の最上位ノードの作成以降に受信した累積食品データトランザクションとに関するハッシュ値を計算することによって取得されてもよい。食品データトランザクションハッシュツリーは、最新の最上位ノードが1つ以上の以前の最上位ノードのハッシュ値でラベル付けされているハッシュリストの形でのトップハッシュノードの時系列を備えていてもよい。
【0035】
ネットワークデータ処理システムにおける食品データトランザクションを追跡するための方法は、ネットワークデータ処理システムがハードウェアデータプロセッサから食品データトランザクションを受信するステップを含む。食品データトランザクションの受信は、定期的な時間間隔で発生してもよいか、又は代替として、不規則若しくはランダムに選択された時間間隔で発生してもよい。方法は、ネットワークデータ処理デバイスが、ハードウェアプロセッサによって準備され、ネットワークデータ処理システムに送信される食品データトランザクションを要求する要求をハードウェアプロセッサに送信するステップを含んでいてもよい。食品データトランザクションは、充填モジュールが供給された食品を成形パッケージに充填し、次いでパッケージを封止した時間を示すタイムスタンプと、ファイリングモジュール又は食品包装機を識別する機械データレコードと、成形パッケージが形成される包装材バッチを用いることを示す包装材データレコードの全て又は一部と、成形パッケージに充填される食品バッチを示す食品データレコードの全て又は一部とを備えていてもよい。
【0036】
ネットワークデータ処理システムにおける食品データトランザクションを追跡するための方法は、ネットワークデータ処理システムが受信した食品データトランザクションをデータの包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップを含む。食品データトランザクションは、食品生産データハッシュツリーの所定のフォーマットに従って、食品生産データハッシュツリーに追加されてもよい。食品データトランザクションを食品生産データハッシュツリーに追加するステップは、受信した食品データトランザクションの、任意に、ネットワーク処理システムによる受信時刻のタイムスタンプ若しくはネットワーク処理システムの一意の識別子と共に又はその両方と共に、受信した食品データトランザクションのハッシュ値を作成するステップを含んでいてもよい。食品データトランザクションを食品生産データハッシュツリーに追加するステップは、受信した食品データトランザクションのハッシュ値を作成し、受信した食品データトランザクションのハッシュ値を、ネットワーク処理システムによる受信時刻のタイムスタンプと共にネットワークデータ処理システムに関連付けられたローカルストレージデバイスに格納するステップを含んでいてもよい。従って、ある特定の食品包装機の食品データレコードを検証するために、その機械から受信した食品データトランザクションのハッシュ値をローカルに保存された値と比較し、食品生産データハッシュツリー全体又はその一部を再作成して以前に保存したバージョンと比較することが可能である。
【0037】
ネットワークデータ処理システムにおける食品データトランザクションを追跡するための方法は、ネットワークデータ処理システムが、接続された食品包装機のハードウェアプロセッサに、ネットワークデータ処理システムに現在存在するデータから導出されたデータレコードを送信するステップを含んでいてもよい。かかるデータは、次に、後続の食品データトランザクションを作成する場合に、食品包装機のハードウェアプロセッサによって含まれてもよい。ネットワークデータ処理システムと動作可能に接続された各食品包装機に送信されるデータレコードは、同一であってもよいか又は異なっていてもよい。第1の食品包装機に送信されるデータレコードは、少なくとも1つの他の食品包装機、好ましくは、複数又は全ての他の動作可能に接続された食品包装機に関するデータを備えるデータから導出されてもよい。
【0038】
ネットワークデータ処理システムにおける食品データトランザクションを追跡するための方法は、ネットワークデータ処理ユニットシステムが複数のネットワークストレージデバイスにおけるデータの追加された包装食品生産データハッシュツリーの同一インスタンスの分散格納を生じるステップを含んでいてもよい。複数のネットワークストレージデバイスは、異なる場所に位置してもよく、各ネットワークストレージデバイスは異なる場所に位置するのが好ましい。ネットワークストレージデバイスを異なる場所に維持することにより、全てのネットワークストレージデバイスが同時に又は同じ事象によって物理的に破壊される可能性が極めて低くなる。ネットワークストレージデバイスを異なる場所に維持することにより、更に、ネットワークストレージデバイスが個別の独立したエンティティによって(物理的及び電子的に)個別にアクセス制御されることを可能にして、包装食品生産データハッシュツリーを改ざんしようとする試みにおいて、全てのネットワークストレージデバイスを制御することを困難にしてもよい。妥協のない包装食品生産データハッシュツリーを検証するため、全てのネットワークストレージデバイスに保存されている包装食品生産データハッシュツリーを比較してもよい。検証は、ツリーのノードに備えられるハッシュ値を比較することによって達成されてもよい。
【0039】
図1に示す方法の例示的な実施形態を参照すると、食品包装機においてデータを追跡するための方法1000は、ネットワークデータ処理システムがネットワークストレージデバイスの1つから包装食品生産データハッシュツリーを読み取るステップ1010を含む。方法は、ネットワークデータ処理システムがハードウェアデータプロセッサから食品データトランザクションを受信するステップ1020を含む。食品データトランザクションは、充填モジュールが供給された食品を成形パッケージに充填し、次いでパッケージを封止した時間を示すタイムスタンプと、ファイリングモジュール又は食品包装機を識別する機械データレコードと、成形パッケージが形成される包装材バッチを用いることを示す包装材データレコードの全て又は一部と、成形パッケージに充填される食品バッチを示す食品データレコードの全て又は一部とを備える。方法は、ネットワークデータ処理システムが食品データトランザクションを包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップ1030を含む。方法は、ネットワークデータ処理システムが複数のネットワークストレージデバイスにおける追加された包装食品生産データハッシュツリーの同一インスタンスの分散格納を生じるステップ1040を含む。
【0040】
ネットワークデータ処理システムにおける食品データトランザクションを追跡するための方法は、ネットワークデータ処理デバイスが、更なるネットワークストレージデバイスから、及び任意に更なるネットワークストレージデバイスから、第2の包装された食品生産データハッシュツリーを読み取るステップを含んでいてもよい。方法は、次いで、ネットワークデータ処理システムが、第1のネットワークデータストレージデバイスから受信した第1の包装食品生産データハッシュツリーを、第2のネットワークデータストレージデバイスから受信した第2の包装食品生産データハッシュツリーと比較するステップを含んでいてもよい。かかる比較は、受信した包装食品生産データハッシュツリーのハッシュ化された暗号を比較することによって実行されてもよい。方法は、次いで、ネットワークデータ処理システムが、第1の包装食品生産データハッシュツリーが第2の包装食品生産データハッシュツリーと同一ではないと特定した場合に警告を出力するステップを含んでいてもよい。
【0041】
方法は、次いで、ネットワークデータ処理システムが、以前から存在する包装食品生産データハッシュツリーが何もネットワークストレージデバイスに格納されていない場合、包装食品生産データハッシュツリーを初期化するステップを含んでいてもよい。
【0042】
別の態様において、本発明は、ネットワークデータ処理システムにおいて食品データトランザクションを追跡するための方法を提供し、ここで食品データトランザクションは、更に、充填データレコードの全て又は一部を備えるデータから導出され、充填データレコードは供給された食品を成形パッケージに充填する間の充填モジュールの少なくとも1つの動作パラメータを示している。
【0043】
食品包装機のハードウェアプロセッサは、充填モジュールの少なくとも1つの動作パラメータを示す充填データレコードを受信するよう、充填モジュールに動作可能に接続されている。適切なパラメータは、充填モジュールに対する一意の識別子、温度、無菌状態、運転速度、充填モジュールの位置、現在の運転時間及び日付、最後に起動してからの運転の経過時間、最後に起動してから製造されたパッケージ数、及び最後に起動してから包装された食品の容量又は重量を含むが、これらに限定されない。充填データレコードは、包装材データレコード若しくは食品データレコードのどちらか一方、又は両方のデータレコードの一部若しくは全てを備えていてもよい。
【0044】
別の態様において、本発明は、第1のネットワークデータ処理システムにおける食品データトランザクションを追跡するための方法を提供し、ここで包装食品生産データハッシュツリーは分散型台帳である。
【0045】
本明細書中で用いるように、用語「分散型台帳」とは、ネットワークストレージデバイス間で共有、複製、及び同期される包装食品生産データハッシュツリーを指す。分散型台帳は、ネットワークストレージデバイス間の食品データトランザクションを記録する。1つ以上のネットワークデータ処理手段は、包装食品生産データハッシュツリー内のレコードへの更新に関してコンセンサスにより管理及び同意してもよい。分散された包装食品生産データハッシュツリー内の全てのレコードは、タイムスタンプ及び一意の暗号署名を有していてもよく、従って、台帳はネットワーク内の全ての食品データトランザクションの監査可能な履歴を作成する。当該技術分野において公知の分散型台帳技術の多くの適切な実装のうちの1つは、オープンソースのHyperledger Fabricブロックチェーンである。
【0046】
ネットワークデータ処理システムにおいて食品データトランザクションを追跡するための方法であって、包装食品生産データハッシュツリーはブロックチェーンである。本明細書中で用いるように、用語「ブロックチェーン」とは、ネットワークストレージデバイス間で共有、複製、及び同期され、データのブロックを備える包装食品生産データハッシュツリーを指す。データの各ブロックは、少なくとも、第1の食品包装機からの第1の食品データトランザクション及び第2の食品包装機からの第2の食品データトランザクションを備える。各ブロックは、そのデータ内容全体の暗号ハッシュを含んでいてもよい。2つ以上の食品包装機からの、好ましくは多数の食品包装機からのデータを混合することによって、累積データの暗号ハッシュを作成することは、包装食品生産データハッシュツリーを遡及して変更する困難を増大させる。本発明に用いられるブロックチェーンは、任意の当事者がネットワークデータ処理システム又はネットワークデータストレージシステムをセットアップし、包装食品生産データハッシュツリーの維持及び管理に参加することができるパブリックブロックチェーンであってもよい。本発明に用いられるブロックチェーンは、ネットワークデータ処理システム又はネットワークデータストレージシステムを運営し、包装食品生産データハッシュツリーの維持及び管理に参加することができる当事者が一元的に特定されるプライベートブロックチェーンであってもよい。プライベートブロックチェーンの利点の1つは、ブロックチェーンに参加する各当事者の識別情報を、ブロックチェーンへのアクセスを許可する前に確認できること、及び各参加者のコンプライアンスを追跡できることである。
【0047】
ネットワークデータ処理システムにおいて食品データトランザクションを追跡するための方法であって、包装食品生産データハッシュツリーはセミパブリックブロックチェーンである。
【0048】
本明細書中で用いるように、用語「セミパブリックブロックチェーン」とは、ネットワークデータ処理システム又はネットワークデータストレージシステムを運営することによりブロックチェーンに参加する許可が、予め定義された基準に基づいてアクセスを与えられるブロックチェーンを指す。包装食品生産データハッシュツリーの完全性を維持するために、ブロックチェーンの多数の参加者が悪意を持って包装食品生産データハッシュツリーを改変することを困難にすることが可能であるのが望ましい。食品包装機は、一般に、連続的に作動しないが、洗浄又は保守のために定期的にシャットダウンする必要がある。食品包装機は、機械部品が故障した場合に予定外の停止を受けることがある。セミパブリックブロックチェーンにおいて、ブロックチェーンの実行中に、参加者として参加したり、参加を終了したりすることが可能であってもよい。セミプライベートブロックチェーンの利点の1つは、ブロックチェーンに参加する各当事者の識別情報を、ブロックチェーンへのアクセスを許可する前に確認できること、及び各参加者のコンプライアンスを追跡できることである。本発明のセミプライベートブロックチェーンにおいて、ブロックチェーンの実装は、管理及び参加のルールを設定すること及び他のエンティティに参加する権利を付与すること等によって、1つのエンティティによって制御されてもよい。本発明のセミプライベートブロックチェーンにおいて、ブロックチェーン参加者の数及び識別情報は、ブロックチェーンの各ブロックについて追跡されてもよい。
【0049】
別の態様において、本発明は、ネットワークデータ処理システムにおいて食品データトランザクションを追跡するための方法を提供し、ここで方法は、更に、ネットワークデータ処理システムが、ハードウェアデータプロセッサから受信した食品データトランザクションの全て又は一部を、ネットワークストレージデバイスから読み取られた包装食品生産データハッシュツリーに含まれる第2の食品データトランザクションと照合するステップを含む。
【0050】
ネットワークデータ処理デバイスは、包装食品生産データハッシュツリー全体に対する、従って、前の時点で包装食品生産データハッシュツリーに追加されている先の食品データトランザクションに対するアクセスを有している。例えば、食品バッチ又は包装材バッチの生産の一態様は、別個の食品データトランザクションとして、包装食品生産データハッシュツリーに追加されていてもよい。追加の精査ステップとして、ネットワークデータ処理システムは、従って、暗号ハッシュを比較すること等によって、新しく受信する食品データトランザクションの全て又は一部を、前の食品データトランザクションに含まれるデータと照合してもよい。
【0051】
図2に示す方法の例示的な実施形態を参照すると、方法2000はここで、
図1に示す方法1000と比較して、ネットワークデータ処理システムが、ハードウェアデータプロセッサから受信した食品データトランザクションの全て又は一部を、ネットワークストレージデバイスから読み取った包装食品生産データハッシュツリーに含まれる第2の食品データトランザクションと照合する追加ステップ2050を含んでいる。追加ステップ2050は、ネットワークデータ処理システムがハードウェアデータプロセッサから食品データトランザクションを受信するステップ1020の後に実行されてもよい。追加ステップ2050は、ネットワークデータ処理システムが食品データトランザクションを包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップ1030の前に実行されてもよい。
【0052】
食品データトランザクションに含まれる食品データは、食品生産データハッシュツリーに格納されるトランザクションを含んでいてもよく、機械データ処理ユニットは、食品データトランザクションを作成する前に、食品生産データハッシュツリーハッシュツリーにより食品データパッケージを検証するよう動作可能であってもよい。食品生産データハッシュツリーのデータ内容を可能な限り完全で追跡可能なものとして維持するために、ハッシュツリーは、更に、食品包装機によってパッケージに充填される食品の食品製品ライフサイクルからの食品安全関連イベントに関するデータトランザクションを備えることが有利である。本明細書中で用いるように、用語「食品安全関連イベントに関するデータトランザクション」とは、食品の任意の成分の最初の生産から食品包装機におけるパッケージへの食品の充填までの任意のイベントからのデータを備える任意のデータトランザクションを指す。かかるデータは、食品成分の原産地、収穫又は生産の時間及び場所、時間、場所、並びに、食品が保管又は輸送される間の温度及び湿度等の環境条件、食品成分を管理しているオペレータ又はエンティティの識別情報、食品成分が曝された処理ステップ及び機械、等を含んでいる。
【0053】
食品データトランザクションに含まれる材料データパッケージは、包装食品生産ハッシュツリーに格納されるトランザクションを備えていてもよく、機械データ処理ユニットは、データトランザクションを作成する前に、包装食品生産ハッシュツリーにより材料データパッケージを検証するよう動作可能である。食品生産データハッシュツリーのデータ内容を可能な限り完全で追跡可能なものとして維持するために、ハッシュツリーは、更に、食品が食品包装機によって充填されるパッケージを製造するために用いられる包装材のライフサイクルからの食品安全関連イベントに関するデータトランザクションを備えることが有利である。本明細書中で用いるように、用語「食品安全関連イベントに関するデータトランザクション」とは、包装材の任意の成分の最初の生産から食品包装機におけるパッケージへの食品の充填までの任意のイベントからのデータを備える任意のデータトランザクションを指す。かかるデータは、包装材成分の原産地、収穫又は生産の時間及び場所、時間、場所、並びに、包装材成分が保管又は輸送される間の温度及び湿度等の環境条件、包装材成分を管理しているオペレータ又はエンティティの識別情報、積層包装材を生産する場合の最終積層プロセス等の包装成分が曝された処理ステップ及び機械、等を含んでいる。
【0054】
別の態様において、本発明は、ネットワークデータ処理システムにおいて食品データトランザクションを追跡するための方法を提供し、ここでネットワークデータ処理システムは、更に、第2の食品包装機の第2のハードウェアデータプロセッサに動作可能に接続される。第2の食品包装機は、第2の包装材供給モジュール、第2の食品供給モジュール、及び第2の充填モジュールを備える。第2の充填モジュールは、包装材供給モジュールによって供給される包装材から第2のパッケージを形成し、第2の食品供給モジュールによって供給される食品を第2の成形パッケージに充填し、第2の充填されたパッケージを封止し、第2の封止され、形成され、充填されたパッケージを出力するよう動作可能である。
【0055】
方法は、更に、ネットワークデータ処理システムが第2の食品包装機の第2のハードウェアデータプロセッサから第2の食品データトランザクションを受信するステップを含む。データから導出される第2の食品データトランザクションは、第2の充填モジュールが供給された食品を第2の成形パッケージに充填し、次いで第2のパッケージを封止した時間を示すタイムスタンプと、第2のファイリングモジュール又は第2の食品包装機を識別する機械データレコードと、第2のパッケージが形成される包装材バッチを用いることを示す第2の包装材データレコードの全て又は一部と、第2の成形パッケージに充填される食品バッチを示す食品データレコードの全て又は一部とを備える。方法は、更に、ネットワークデータ処理システムが第2の食品データトランザクションを包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップを含む。
【0056】
図3に示す方法の例示的な実施形態を参照すると、食品包装機においてデータを追跡するための方法3000は、ネットワークデータ処理システムがネットワークストレージデバイスの1つから包装食品生産データハッシュツリーを読み取るステップ3010を含む。方法は、ネットワークデータ処理システムが第1のハードウェアデータプロセッサから第1の食品データトランザクションを受信するステップ3021を含む。第1の食品データトランザクションは、第1の充填モジュールが供給された食品を第1の成形パッケージに充填し、次いで第1のパッケージを封止した時間を示す第1のタイムスタンプと、第1のファイリングモジュール又は第1の食品包装機を識別する第1の機械データレコードと、第1の成形パッケージが形成される包装材バッチを用いることを示す第1の包装材データレコードの全て又は一部と、第1の成形パッケージに充填される食品バッチを示す第1の食品データレコードの全て又は一部とを備える。方法は、ネットワークデータ処理システムが第2のハードウェアデータプロセッサから第2の食品データトランザクションを受信するステップ3022を含む。第2の食品データトランザクションは、第2の充填モジュールが供給された食品を第2の成形パッケージに充填し、次いで第2のパッケージを封止した時間を示す第2のタイムスタンプと、第2のファイリングモジュール又は第2の食品包装機を識別する第2の機械データレコードと、第2の成形パッケージが形成される包装材バッチを用いることを示す第2の包装材データレコードの全て又は一部と、第2の成形パッケージに充填される食品バッチを示す第2の食品データレコードの全て又は一部とを備える。方法は、ネットワークデータ処理システムが第1の食品データトランザクションを包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップ3031を含む。方法は、ネットワークデータ処理システムが第2の食品データトランザクションを包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップ3032を含む。方法は、ネットワークデータ処理システムが複数のネットワークストレージデバイスにおける追加された包装食品生産データハッシュツリーの同一インスタンスの分散格納を生じるステップ1040を含む。
【0057】
別の態様において、本発明は、ネットワークデータ処理システムにおいて食品データトランザクションを追跡するための方法を提供し、ここで方法は、更に、ネットワークデータ処理システムが、第1の食品データトランザクションの全て又は一部から及び第2の食品データトランザクションの全て又は一部から導出される食品データトランザクションブロックを作成するステップを含む。第1及び第2の食品データトランザクションを包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップは、食品データトランザクションブロックを包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップによって実行される。本明細書中で用いるように、用語「食品データトランザクションブロック」とは、第1の食品データトランザクションの全て又は一部及び第2の食品データトランザクションの全て又は一部から導出され、第1の食品データトランザクションのデータ及び第2の食品データトランザクションのデータにより改ざんから保護されるデータのブロックを指す。かかる保護は、例えば、第1の食品データトランザクション及び第2の食品データトランザクションの組み合わせたデータの暗号ハッシュを追加することによって達成されてもよい。
【0058】
図4に示す方法の例示的な実施形態を参照すると、方法4000はここで、
図3の方法3000と比較して、ネットワークデータ処理システムが、第1の食品データトランザクションの全て又は一部及び第2の食品データトランザクションの全て又は一部から導出される食品データトランザクションブロックを作成する追加ステップ4050を含んでいる。第1及び第2の食品データトランザクションを包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップは、食品データトランザクションブロックを包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップ4030によって実行される。追加ステップ4050は、ネットワークデータ処理システムが第1及び第2のハードウェアデータプロセッサから食品データトランザクションを受信するステップ3021及び3032の後に実行されてもよい。追加ステップ4050は、ステップ4030の前又は後に実行されてもよい。
【0059】
別の態様において、本発明は、第1のネットワークデータ処理システムにおいて食品データトランザクションを追跡するための方法を提供し、第1のネットワークデータ処理システムは、第1のネットワークデータ処理システムとは別の第2のネットワークデータ処理システムに動作可能に接続される。第2のネットワークデータ処理システムは、食品包装機のハードウェアデータプロセッサに動作可能に接続される。第2のネットワークデータ処理システムは、ネットワークストレージデバイスの1つから包装食品生産データハッシュツリーを読み込み、食品データトランザクションをハードウェアデータプロセッサから受信し、食品データトランザクションを包装食品生産データハッシュツリーに追加し、ネットワークストレージデバイスへの包装食品生産データハッシュツリーの同一インスタンスの分散格納を生じるよう動作可能である。方法は、更に、第1のネットワークデータ処理システムが、包装食品生産データハッシュツリーに追加されるべき食品データトランザクションに関して第2のネットワークデータ処理システムと合意するステップを含む。合意するステップは、ネットワークストレージデバイスへの包装食品生産データハッシュツリーの同一インスタンスの分散格納を生じるステップに先行してもよい。第1及び第2のネットワークデータ処理システム間の合意は、食品データトランザクションが包装食品生産データハッシュツリーに追加される前、その間、又はその後に達成されてもよい。
【0060】
図5に示す方法の例示的な実施形態を参照すると、方法5000はここで、
図1に示す方法1000と比較して、第1のネットワークデータ処理システムが包装食品生産データハッシュツリーに追加されるべき食品データトランザクションに関して第2のネットワークデータ処理システムと合意する追加ステップ5050を含んでいる。追加ステップ5050は、ネットワークデータ処理システムがハードウェアデータプロセッサから食品データトランザクションを受信するステップ1020の後に実行されてもよい。追加ステップ5050は、ネットワークデータ処理システムが食品データトランザクションを包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップ1030の前に実行されてもよい。
【0061】
方法は、代替として、食品データトランザクションが、第1及び第2のネットワークデータ処理システムによって個別に包装食品生産データハッシュツリーに追加された後、第1のネットワークデータ処理システムが、包装食品生産データハッシュツリーに関して第2のネットワークデータ処理システムに合意するステップのステップを含んでいてもよい。追加された包装食品生産データハッシュツリーは、第1及び第2のネットワークデータ処理システム間の合意が確認された後にのみ、ネットワークストレージデバイスに格納されてもよい。かかる合意が確認できない場合、ネットワークデータ処理システムは、ネットワークデータ処理システムのオペレータに通知メッセージを送信すること等のアクションを開始してもよいか、又は、この食品データトランザクションに対して、第1及び第2のネットワークデータ処理システム間の何の合意も確認できなかったことを示すフラグを包装食品生産データハッシュツリーに追加してもよい。
【0062】
別の態様において、本発明は、第1のネットワークデータ処理システムにおいて食品データトランザクションを追跡するための方法を提供し、ここで第1のネットワークデータ処理システムが包装食品生産データハッシュツリーに追加されるべき食品データトランザクションに関して第2のネットワークデータ処理システムと合意するステップは、第1のネットワークデータ処理システム及び第2のネットワークデータ処理システムの両方が共同コンセンサスメカニズムに従って動作することを含む。コンセンサスアルゴリズムに従って合意するステップは、第1及び第2のネットワークデータ処理システム間で実行されてもよく、食品データトランザクションが包装食品生産データハッシュツリーに追加される前、その間、又はその後に達成されてもよい。
【0063】
第1のネットワークデータ処理システムが包装食品生産データハッシュツリーに追加されるべき食品データトランザクションに関して第2のネットワークデータ処理システムと合意するステップは、受信した食品データトランザクションの食品データトランザクションブロックを確認及び/又は検証することを含んでいてもよい。検証することは、食品データトランザクションブロックの完全性を検証することを含んでいてもよい。受信した食品データトランザクションの食品データトランザクションブロックを確認することは、第1のネットワークデータ処理システムによって導出された受信食品データトランザクションの食品データトランザクションブロックを、第2のネットワークデータ処理システムによって導出した受信食品データトランザクションの食品データトランザクションブロックと比較することを含んでいてもよい。
【0064】
第1のネットワークデータ処理システム及び第2のネットワークデータ処理ユニットシステムはそれぞれ、受信したデータトランザクションのブロックを確認することによって(例えば、比較によって)合意するよう動作可能であってもよい。
【0065】
第1のネットワークデータ処理システム及び第2のネットワークデータ処理ユニットシステムはそれぞれ、受信したデータトランザクションのブロックを包装食品生産データハッシュツリーに追加し、ネットワークストレージデバイスに分散して追加されたデータハッシュツリーの同一インスタンスを格納するよう、共同コンセンサスメカニズムに従って動作可能であってもよい。本明細書中で用いるように、用語「共同コンセンサスメカニズム」とは、第1及び第2のネットワークデータ処理デバイスのそれぞれによって作成された追加のハッシュツリーが同一であり、ハッシュツリーの所定のルールに対して確認し、且つ、この追加されたハッシュツリーが、次いで、ネットワークストレージデバイスに送信され、保存される定義されたレベルの確実性により保証することができるメカニズムを指す。
【0066】
共同コンセンサスメカニズムの定義されたレベルの確実性は、同一ハッシュツリーを計算するネットワークデータ処理システムの定義された部分によって定義されてもよい定義されたレベルの安全性を備えていてもよい。各ネットワークデータ処理システムは、追加されたハッシュツリーが、同一の追加されたハッシュツリーを計算した他の参加ネットワークデータ処理システムを識別する情報を備えるようにハッシュツリーを追加するよう動作可能であってもよい。
【0067】
共同コンセンサスメカニズムの定義されたレベルの確実性は、追加ハッシュツリーを最終的に計算したネットワークデータ処理システムの定義された部分によって定義されてもよい定義されたレベルの活性度を備えていてもよい。各ネットワークデータ処理システムは、追加されたハッシュツリーが、所定時間後に追加されたハッシュツリーを計算した他の参加ネットワークデータ処理システムを識別する情報を備えるようにハッシュツリーを追加するよう動作可能であってもよい。
【0068】
共同コンセンサスメカニズムの定義されたレベルの確実性は、定義されたレベルのフォールトトレランスを備えていてもよい。定義されたレベルのフォールトトレランスは、非参加ネットワークデータ処理システムのための定義されたレベルのフォールトトレランスを備えていてもよい。これらの非参加者が機能を停止したか、又は影響を受けるシステム間の通信が中断されていてもよい。定義されたレベルのフォールトトレランスは、ビザンチン障害に対する定義されたレベルのフォールトトレランスを備えていてもよく、ここで参加ネットワークデータ処理システムは、期待される追加ハッシュツリーから不規則に逸脱する追加ハッシュツリーを提供する。
【0069】
プルーフオブワーク、プルーフオブステート、Proof-of-Elapsed Time、実用的ビザンチンフォールトトレランス、SIEVE、クロスフォールトトレランス(XFT)、フェデレーテッドビザンチン合意(Rippleコンセンサスプロトコルアルゴリズム及びStellarコンセンサスプロトコル等)、及びSwirlds Hashgraphコンセンサスアルゴリズムを含むが、これらに限定されない専用命令セットを実行するハードウェアプロセッサに基づく幾つかの適切なコンセンサスメカニズムが、当該技術において公知である。
【0070】
かかる包装食品生産ハッシュツリーの遡及的な再作成又は改変は、従って、コンセンサスアルゴリズムによる保護を克服する試みにおいて、大多数のネットワーク処理デバイスにアクセスする必要がある。ネットワークデータ処理システムは、異なる場所に、好ましくは遠く離れた、より好ましくは追加的に、不正な物理的及び遠隔アクセスから独立して保護された場所に配置されてもよい。追加された包装食品生産ハッシュツリーの同一インスタンスは、ネットワークストレージデバイスに分散して格納されてもよい。各ローカルマシンの食品安全データは、従って、ローカルに格納された包装食品生産ハッシュツリーを参照して検証することができる。ローカルに格納された包装食品生産ハッシュツリーは、検証の第2のステップとして、少なくとも1つ、好ましくは複数の他の機械に関連付けられたネットワークストレージデバイス上に格納された包装食品生産ハッシュツリーと比較されてもよい。これらの他の機械は、第1の食品包装機の位置から離れた場所に位置し、独立した異なるアクセス保護システムによって保護されてもよい。包装食品生産ハッシュツリーを遡及的に改変することは、従って、少なくとも大多数のネットワークストレージデバイスにアクセスする必要がある。
【0071】
別の態様において、本発明は、第1のネットワークデータ処理システムにおいて食品データトランザクションを追跡するための方法を提供し、ここで第1のネットワークデータ処理システムは、第1のネットワークデータ処理システムとは別の第2のネットワークデータ処理システムに動作可能に接続される。第2のネットワークデータ処理システムは、第1の食品包装機の第1のハードウェアデータプロセッサ及び第2の食品包装機の第2のハードウェアデータプロセッサに動作可能に接続される。第2のネットワークデータ処理システムは、ネットワークストレージデバイスの1つから包装食品生産データハッシュツリーを読み取り、ハードウェアデータプロセッサから第1の食品データトランザクションを受信し、第2のハードウェアデータプロセッサから第2の食品データトランザクションを受信し、第1及び第2の食品データトランザクションを包装食品生産データハッシュツリーに追加し、ネットワークストレージデバイスへの包装食品生産データハッシュツリーの同一インスタンスの分散格納を生じるよう動作可能である。方法は、更に、第1のネットワークデータ処理システムが、包装食品生産データハッシュツリーに追加されるべき第1及び第2の食品データトランザクションに関して第2のネットワークデータ処理システムと合意するステップを含む。合意するステップは、ネットワークストレージデバイスへの包装食品生産データハッシュツリーの同一インスタンスの分散格納を生じるステップに先行してもよい。第1及び第2のネットワークデータ処理システム間の合意は、食品データトランザクションが包装食品生産データハッシュツリーに追加される前、その間、又はその後に達成されてもよい。
【0072】
方法は、第1の食品データトランザクションの全て又は一部から、及び第2の食品データトランザクションの全て又は一部から、食品データトランザクションブロックを作成するステップを含んでいてもよい。
【0073】
図6に示す方法の例示的な実施形態を参照すると、方法6000はここで、
図4に示す方法4000と比較して、第1のネットワークデータ処理システムが包装食品生産データハッシュツリーに追加されるべき第1及び第2の食品データトランザクションに関して第2のネットワークデータ処理システムと合意する追加ステップ6060を含んでいる。第1及び第2の食品データトランザクションを包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップは、食品データトランザクションブロックを包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップ4030によって実行される。追加ステップ6060は、ネットワークデータ処理システムが第1及び第2のハードウェアデータプロセッサから食品データトランザクションを受信するステップ3021及び3032の後に実行されてもよい。追加ステップ4050は、ステップ4030の前又は後に実行されてもよい。
【0074】
別の態様において、本発明は、第1のネットワークデータ処理システムにおいて食品データトランザクションを追跡するための方法を提供し、ここで第1のネットワークデータ処理システムが包装食品生産データハッシュツリーに追加されるべき第1及び第2の食品データトランザクションに関して第2のネットワークデータ処理システムと合意するステップは、第1のネットワークデータ処理システム及び第2のネットワークデータ処理システムの両方が共同コンセンサスメカニズムに従って動作することを含む。コンセンサスアルゴリズムに従って合意するステップは、第1及び第2のネットワークデータ処理システム間で実行されてもよく、食品データトランザクションが包装食品生産データハッシュツリーに追加される前、その間、又はその後に達成されてもよい。
【0075】
別の態様において、本発明は、ネットワークデータ処理システムにおいて食品データトランザクションを追跡するための方法を提供し、ここで方法は、更に、第1のネットワークデータ処理システムが、第1の食品データトランザクションの全て又は一部から及び第2の食品データトランザクションの全て又は一部から導出される食品データトランザクションブロックを作成するステップを含む。第1のネットワークデータ処理システムが第1及び第2の食品データトランザクションを包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップは、第1のネットワークデータ処理システムが食品データトランザクションブロックを包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップによって実行される。
【0076】
別の態様において、本発明は、食品包装機のハードウェアデータプロセッサに動作可能に接続されるネットワークデータ処理システムを提供する。食品包装機は、包装材供給モジュール、食品供給モジュール、及び充填モジュールを備える。充填モジュールは、包装材供給モジュールによって供給される包装材からパッケージを形成し、食品供給モジュールによって供給される食品を成形パッケージに充填し、充填されたパッケージを封止し、封止され、形成され、充填されたパッケージを出力するよう動作可能である。複数の別個のネットワークストレージデバイスに動作可能に接続されるネットワークデータ処理システムであって、ネットワークデータ処理システムは、本発明による食品データトランザクションを追跡するための方法のステップを実行するようなされている。
【0077】
図7において、本発明によるネットワークデータ処理システムの例示的な実施形態を示す。ネットワークデータ処理システム150は、食品包装機100のハードウェアデータプロセッサ140に動作可能に接続される。食品包装機100は、包装材供給モジュール110、食品供給モジュール120、及び充填モジュール130を備えている。食品包装機は、更に、包装材供給モジュール110及び食品供給モジュール120に動作可能に接続されるハードウェアデータプロセッサ140を備える。ハードウェアデータプロセッサ140は、ネットワークデータ処理システム150に動作可能に接続される。ネットワークデータ処理システム150は、更に、複数の別個のネットワークストレージデバイス161及び162に接続される。
【0078】
ハードウェアデータプロセッサは、更に、充填モジュールの少なくとも1つの動作パラメータを示す充填データレコードを受信するよう、充填モジュールに動作可能に接続される。
図8において、本発明によるネットワークデータ処理システムの例示的な実施形態を示す。食品包装機100は、包装材供給モジュール110、食品供給モジュール120、及び充填モジュール130を備えている。食品包装機は、更に、包装材供給モジュール110、食品供給モジュール120、及び充填モジュール130に動作可能に接続されるハードウェアデータプロセッサ140を備える。ハードウェアデータプロセッサ140は、ネットワークデータ処理システム150に動作可能に接続される。ネットワークデータ処理システム150は、更に、複数の別個のネットワークストレージデバイス161及び162に接続される。
【0079】
図8において、本発明によるネットワークデータ処理システムの例示的な実施形態を示す。食品包装機100は、包装材供給モジュール110、食品供給モジュール120、及び充填モジュール130を備えている。食品包装機は、更に、包装材供給モジュール110、食品供給モジュール120、及び充填モジュール130に動作可能に接続されるハードウェアデータプロセッサ140を備える。ハードウェアデータプロセッサ140は、ネットワークデータ処理システム150に動作可能に接続される。ネットワークデータ処理システム150は、更に、複数の別個のネットワークストレージデバイス161及び162に接続される。
【0080】
別の態様において、本発明はネットワークデータ処理システムを提供し、ここで食品包装機は、更に、ネットワークストレージデバイスのうちの1つを備える。ネットワークストレージデバイスがローカルに配置されている場合、包装食品生産データハッシュツリーにアクセスすることが可能性のある利点である。別の可能性のある利点は、ネットワークストレージデバイスが、食品包装機及びハードウェアデータプロセッサと同じ物理的及び電子的アクセス制限によって管理できることである。
【0081】
別の態様において、本発明は、第2の食品包装機の第2のハードウェアデータプロセッサに更に動作可能に接続される本発明によるネットワークデータ処理システムを提供する。第2の食品包装機は、包装材供給モジュール、食品供給モジュール、及び充填モジュールを備える。第2の充填モジュールは、包装材供給モジュールによって供給される包装材からパッケージを形成し、食品供給モジュールによって供給される食品をパッケージに充填し、充填されたパッケージを封止し、封止され、形成され、充填されたパッケージを出力するよう動作可能である。ネットワークデータ処理システムは、従って、更に、複数の別個のネットワークストレージデバイスに動作可能に接続される。ネットワークデータ処理システムは、本発明による食品データトランザクションを追跡するための方法のステップを実行するようなされている。
【0082】
図9において、本発明によるネットワークデータ処理システムの例示的な実施形態を示す。第1の食品包装機101は、包装材供給モジュール111、食品供給モジュール121、及び充填モジュール131を備えている。食品包装機は、更に、包装材供給モジュール111、食品供給モジュール121、及び充填モジュール131に動作可能に接続されるハードウェアデータプロセッサ141を備える。第2の食品包装機102は、包装材供給モジュール112、食品供給モジュール122、及び充填モジュール132を備えている。第2の食品包装機は、更に、包装材供給モジュール112、食品供給モジュール122、及び充填モジュール132に動作可能に接続されるハードウェアデータプロセッサ142を備える。第1の食品包装機101のハードウェアデータプロセッサ141及び第2の食品包装機102のハードウェアデータプロセッサ142の両方は、ネットワークデータ処理システム150に動作可能に接続されており、ネットワークデータ処理システム150は、更に、複数の別個のネットワークストレージデバイス161及び162に接続されている。
【0083】
別の態様において、本発明は、複数の食品包装機に動作可能に接続されるネットワークデータ処理システムを提供する。各食品包装機の機械ハードウェアデータプロセッサユニットは、ネットワークデータ処理システムに動作可能に接続されてもよい。ネットワークデータ処理システムは、複数のネットワークストレージデバイスに動作可能に接続されてもよい。少なくとも、好ましくは少なくとも10、より好ましくは少なくとも100の食品包装機とのセットアップにおいて、そのハードウェアプロセッサは同じネットワーク処理デバイスに接続され、ネットワークデータ処理にとって、接続された食品包装機のそれぞれから受信されるデータトランザクションを備える包装食品生産ハッシュツリーを作成することが可能である。これらのデータトランザクションは、それぞれが異なる食品包装機から受信される少なくとも2つの組み合わされたデータトランザクションのハッシュ値を含むこと等によって、互いに絡み合わせてもよい。ネットワークデータ処理システムは、食品包装機が位置する場所とは異なる場所に位置していてもよい。ネットワークデータ処理システムへのアクセス保護は、それらに備えられるネットワークストレージデバイスを含む食品包装機のそれぞれに適用されるアクセス保護とは異なり、潜在的により厳しいものであってもよい。従って、ハッシュツリーを作成するための命令セットは命令を実行するネットワークデータ処理システムに格納されていればよいため、1つのエンティティが包装食品生産ハッシュツリーの作成を制御することが可能である。命令セットは、従って、食品包装機のオペレータから秘密にしておくことができる。包装食品生産ハッシュツリーを作成する間、ネットワークデータ処理システムは、包装食品生産ハッシュツリーに統合され、従ってハッシュツリー内のハッシュ値の一部を形成する一連の乱数を作成してもよい。これら一連の乱数の知識がなければ、包装食品生産ハッシュツリーは、従って、再作成することができない。包装食品生産ハッシュツリーを遡及的に改変するには、包装食品生産ハッシュツリーからも秘密にしておくことができる一連の乱数へのアクセスが必要となる。
【0084】
別の態様において、本発明は、複数の食品包装機に動作可能に接続されるネットワークデータ処理システムを提供し、ここで食品包装機のそれぞれは、ネットワークストレージデバイスのうちの1つを備える。食品包装機にそれぞれ1つのネットワークストレージデバイスを備えさせることによって、ネットワークストレージデバイスの位置を食品包装機の位置と同様に多様化させることが可能である。ネットワークストレージデバイスの保護は、従って、ネットワークデータ処理デバイスに接続される食品包装機のためのものと同じであってもよい。食品を包装するためのシステムは、複数の、好ましくは少なくとも10、より好ましくは少なくとも100の食品包装機を備えていてもよく、それによって、食品包装機のそれぞれは1つのネットワークストレージデバイスを備えている。その結果、そのデータを包装食品生産ハッシュツリーに付与する各食品包装機は、ハッシュツリーのローカルコピーも有する。各ローカルマシンの食品安全データは、従って、ローカルに格納された包装食品生産ハッシュツリーを参照して検証することができる。ローカルに格納された包装食品生産ハッシュツリーは、検証の第2のステップとして、少なくとも1つ、好ましくは複数の他の機械に関連付けられたネットワークストレージデバイス上に格納された包装食品生産ハッシュツリーと比較されてもよい。これらの他の機械は、第1の食品包装機の位置から離れた場所に位置し、独立した異なるアクセス保護システムによって保護されてもよい。包装食品生産ハッシュツリーを遡及的に改変することは、従って、少なくとも大多数のネットワークストレージデバイスにアクセスする必要がある。
【0085】
別の態様において、本発明は、ネットワークデータ処理システムを提供し、ここでネットワークデータ処理システムは、更に、第1のネットワークデータ処理システムとは別の第2のネットワークデータ処理システムに動作可能に接続され、ネットワークデータ処理システムは、本発明による食品データトランザクションを追跡するための方法のステップを実行するようなされている。
【0086】
第2のネットワークデータ処理システムを提供することにより、ハードウェアデータプロセッサによって送信されたデータを、少なくとも2つの異なる場所において、潜在的に互いに独立して処理することが可能となる。冗長性を用いて、ネットワークデータ処理システムのうちの1つに障害が発生するか又は利用できない場合に、システム障害を回避することができる。冗長性を用いて、ネットワークデータ処理システム間の作業負荷バランシングを提供することができる。ネットワークデータ処理システムは、外部エンティティ又はネットワークデータ処理システムの1つによってアドホックに特定される所定のシーケンス又はランダムシーケンスにおいて用いることができる。
【0087】
第2のネットワークデータ処理システムは、複数のネットワークストレージデバイスに動作可能に接続されてもよい。この構成により、第2のネットワークデータ処理システムによって生成されるデータの分散格納が可能になる。
【0088】
第2のネットワークデータ処理ユニットはそれぞれ、ネットワークストレージデバイスの1つから第2の包装食品生産データハッシュツリーを読み取るよう動作可能であってもよい。第2のネットワークデータ処理ユニットはそれぞれ、受信したデータトランザクションのブロックを第2の包装食品生産データハッシュツリーに追加するよう動作可能であってもよい。第2のネットワークデータ処理ユニットはそれぞれ、第1及び第2の包装食品生産データハッシュツリーの同一インスタンスの分散格納をネットワークストレージデバイスに格納させるよう動作可能であってもよい。
【0089】
更に、結果を比較できるように、少なくとも2つのネットワークデータ処理システムに、食品包装機のハードウェアデータプロセッサによって提供されるデータの同じ処理を実行させることが可能である。結果として生じるデータの比較により、1つのネットワークデータ処理システムが危険にさらされているかどうかを識別することが可能である。危険にさらされたたデータを識別できることは、食品安全データを改ざん防止にするために適切である。複数の、好ましくは多数のネットワークデータ処理システムを有することは、全てのデータを改変する試みにおいて全てのシステムを制御することを攻撃者に要求する。1つのネットワークデータ処理システムによって生成されたデータが別のネットワークデータ処理システムによって生成されたデータから逸脱するとすぐに、攻撃を識別することができる。
【0090】
第1及び第2のネットワークデータ処理ユニットは、同じ複数のネットワークストレージデバイス又は2つの異なるセットのネットワークストレージデバイスに動作可能に接続されてもよい。
【0091】
図10において、本発明によるネットワークデータ処理システムの例示的な実施形態を示す。食品包装機100は、包装材供給モジュール110、食品供給モジュール120、及び充填モジュール130を備えている。食品包装機は、更に、包装材供給モジュール110、食品供給モジュール120、及び充填モジュール130に動作可能に接続されるハードウェアデータプロセッサ140を備える。ハードウェアデータプロセッサ140は、第1のネットワークデータ処理システム151及び第2のネットワークデータ処理システム152に動作可能に接続されている。第1のネットワークデータ処理システム151は、更に、複数の別個のネットワークストレージデバイス161及び162に接続される。第2のネットワークデータ処理システム152は、更に、複数の別個のネットワークストレージデバイス163及び164に接続される。
【0092】
図11において、本発明によるネットワークデータ処理システムの例示的な実施形態を示す。食品包装機100は、包装材供給モジュール110、食品供給モジュール120、及び充填モジュール130を備えている。食品包装機は、更に、包装材供給モジュール110、食品供給モジュール120、及び充填モジュール130に動作可能に接続されるハードウェアデータプロセッサ140を備える。ハードウェアデータプロセッサ140は、第1のネットワークデータ処理システム151及び第2のネットワークデータ処理システム152に動作可能に接続されている。ネットワークデータ処理システム151及び152のそれぞれは、更に、複数の別個のネットワークストレージデバイス161及び162に接続される。
【0093】
図12において、本発明によるネットワークデータ処理システムの例示的な実施形態を示す。第1の食品包装機101は、包装材供給モジュール111、食品供給モジュール121、及び充填モジュール131を備えている。食品包装機は、更に、包装材供給モジュール111、食品供給モジュール121、及び充填モジュール131に動作可能に接続されるハードウェアデータプロセッサ141を備える。第2の食品包装機102は、包装材供給モジュール112、食品供給モジュール122、及び充填モジュール132を備えている。食品包装機は、更に、包装材供給モジュール112、食品供給モジュール122、及び充填モジュール132に動作可能に接続されるハードウェアデータプロセッサ142を備える。第1の食品包装機101のハードウェアデータプロセッサ141及び第2の食品包装機102のハードウェアデータプロセッサ142の両方は、ネットワークデータ処理システム150に動作可能に接続されており、ネットワークデータ処理システム150は、更に、複数の別個のネットワークストレージデバイス161及び162に接続されている。第1の食品包装機101は、第1のネットワークストレージデバイス161を備える。第2の食品包装機102は、第2のネットワークストレージデバイス162を備える。
【0094】
複数の食品包装機における食品包装機のそれぞれは、ネットワークデータ処理システム及びネットワークストレージデバイスを備えていてもよい。ネットワークデータ処理システムのそれぞれは、従って、同じ機械に備えられる食品包装機及びネットワークストレージデバイスも保護している同じアクセス制御により保護することができる。食品包装機のハードウェアデータプロセッサのそれぞれは、ネットワークデータ処理手段のそれぞれに動作可能に接続されてもよい。動作可能な接続は、直接的であるか、又は、1つ以上の他のネットワークデータ処理システムを介する等、間接的であってもよい。ネットワークデータ処理システムは、受信したデータを他のネットワークデータ処理システムのそれぞれの間で分散するよう動作可能であってもよい。ハードウェアデータプロセッサのそれぞれは、ハードウェアデータプロセッサと同じ食品包装機に備えられるネットワークデータ処理システムに直接且つ動作可能に接続されてもよい。ネットワークデータ処理ユニットは、ネットワークストレージデバイスに動作可能に接続されてもよい。
【0095】
別の態様において、本発明は、本発明によるネットワークデータ処理システムに、本発明によるネットワークデータ処理システムにおいて食品データ取引を追跡するための方法のステップを実行させる命令を備えるコンピュータプログラムを提供する。
【0096】
開示による方法及び製品(ネットワークデータ処理システム)の実施形態を、以下の項目において述べる。
【0097】
項目1
ネットワークデータ処理システム(150)において食品データトランザクションを追跡するための方法であって、
・ネットワークデータ処理システムは、食品包装機(100)のハードウェアデータプロセッサ(140)に動作可能に接続され、
食品包装機は、
包装材供給モジュール(110)と、
食品供給モジュール(120)と、
充填モジュール(130)と、を備え、
充填モジュールは、
包装材供給モジュールによって供給される包装材からパッケージを形成し、
食品供給モジュールによって供給される食品をパッケージに充填し、
充填されたパッケージを封止し、
封止され、形成され、充填されたパッケージを出力するよう、動作可能であり、
ネットワークデータ処理システムは複数の別個のネットワークストレージデバイス(161、162)に動作可能に接続され、
方法は、ネットワークデータ処理システムが、
ネットワークストレージデバイスの1つから包装食品生産データハッシュツリーを読み取るステップと、
ハードウェアデータプロセッサから食品データトランザクションを受信するステップであって、食品データトランザクションは、
充填モジュールが供給された食品を成形パッケージに充填し、次いでパッケージを封止した時間を示すタイムスタンプと、
ファイリングモジュール又は食品包装機を識別する機械データレコードと、
成形パッケージが形成される包装材バッチを用いることを示す包装材データレコードの全て又は一部と、
成形パッケージに充填される食品バッチを示す食品データレコードの全て又は一部と、
を備えるデータから導出される、ステップと、
食品データトランザクションを包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップと、
複数のネットワークストレージデバイスへの追加された包装食品生産データハッシュツリーの同一インスタンスの分散格納を生じるステップと、を含む、
ことを特徴とする方法。
【0098】
項目2
食品データトランザクションは、更に、充填データレコードの全て又は一部を備えるデータから導出され、充填データレコードは供給された食品を成形パッケージに充填する間の充填モジュールの少なくとも1つの動作パラメータを示す、
項目1に記載のネットワークデータ処理システム(150)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【0099】
項目3
包装食品生産データハッシュツリーは分散型台帳である、
項目1又は2に記載の第1のネットワークデータ処理システム(150)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【0100】
項目4
包装食品生産データハッシュツリーはブロックチェーンである、
項目1~3のいずれか1つに記載のネットワークデータ処理システム(150)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【0101】
項目5
包装食品生産データハッシュツリーはセミパブリックブロックチェーンである、
項目1~4のいずれか1つに記載のネットワークデータ処理システム(150)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【0102】
項目6
方法は、更に、ネットワークデータ処理システムが、ハードウェアデータプロセッサから受信した食品データトランザクションの全て又は一部を、ネットワークストレージデバイスから読み取られた包装食品生産データハッシュツリーに含まれる第2の食品データトランザクションと照合するステップを含む、
項目1~5のいずれか1つに記載のネットワークデータ処理システム(150)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【0103】
項目7
ネットワークデータ処理システムは、更に、第2の食品包装機(102)の第2のハードウェアデータプロセッサ(142)に動作可能に接続され、
第2の食品包装機は、
第2の包装材供給モジュール(110)と、
第2の食品供給モジュール(120)と、
第2の充填モジュール(130)と、を備え、
第2の充填モジュールは、
包装材供給モジュールによって供給される包装材から第2のパッケージを形成し、
第2の食品供給モジュールによって供給される食品を第2の成形パッケージに充填し、
第2の充填されたパッケージを封止し、
第2の封止され、形成され、充填されたパッケージを出力するよう、動作可能であり、
方法は、更に、ネットワークデータ処理システムが、
第2の食品包装機の第2のハードウェアデータプロセッサから第2の食品データトランザクションを受信するステップであって、第2の食品データトランザクションは、
第2の充填モジュールが供給された食品を第2の成形パッケージに充填し、次いで第2のパッケージを封止した時間を示すタイムスタンプと、
第2のファイリングモジュール又は第2の食品包装機を識別する機械データレコードと、
第2のパッケージが形成される包装材バッチを用いることを示す第2の包装材データレコードの全て又は一部と、
第2の成形パッケージに充填される食品バッチを示す食品データレコードの全て又は一部と、
を備えるデータから導出される、ステップと、
第2の食品データトランザクションを包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップと、を含む、
項目1~6のいずれか1つに記載のネットワークデータ処理システム(150)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【0104】
項目8
方法は、更に、ネットワークデータ処理システムが、
第1の食品データトランザクションの全て又は一部から、及び第2の食品データトランザクションの全て又は一部から導出される食品データトランザクションブロックを作成するステップを含み、
第1及び第2の食品データトランザクションを包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップは、食品データトランザクションブロックを包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップによって実行される、
項目9のいずれか1つに記載のネットワークデータ処理システム(150)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【0105】
項目9
第1のネットワークデータ処理システムは、第1のネットワークデータ処理システムとは別の第2のネットワークデータ処理システム(152)に動作可能に接続され、
第2のネットワークデータ処理システムは、食品包装機(100)のハードウェアデータプロセッサ(140)に動作可能に接続され、
第2のネットワークデータ処理システムは、
ネットワークストレージデバイスの1つから包装食品生産データハッシュツリーを読み取り、
ハードウェアデータプロセッサから食品データトランザクションを受信し、
食品データトランザクションを包装食品生産データハッシュツリーに追加し、
ネットワークストレージデバイスへの包装食品生産データハッシュツリーの同一インスタンスの分散格納を生じるよう、動作可能であり、
方法は、更に、第1のネットワークデータ処理システムが、包装食品生産データハッシュツリーに追加されるべき食品データトランザクションに関して第2のネットワークデータ処理システムと合意するステップを含み、
合意するステップは、第1のネットワークデータ処理システムが食品データトランザクションを包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップに先行する、
項目1~6のいずれか1つに記載の第1のネットワークデータ処理システム(151)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【0106】
項目10
第1のネットワークデータ処理システムが包装食品生産データハッシュツリーに追加されるべき食品データトランザクションに関して第2のネットワークデータ処理システム(152)と合意するステップは、第1のネットワークデータ処理システム及び第2のネットワークデータ処理システムの両方が共同コンセンサスメカニズムに従って動作することを含む、
項目9に記載の第1のネットワークデータ処理システム(151)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【0107】
項目11
第1のネットワークデータ処理システムは、第1のネットワークデータ処理システムとは別の第2のネットワークデータ処理システム(152)に動作可能に接続され、
第2のネットワークデータ処理システムは、第1の食品包装機(100)の第1のハードウェアデータプロセッサ(140)及び第2の食品包装機(100)の第2のハードウェアデータプロセッサ(140)に動作可能に接続され、
第2のネットワークデータ処理システムは、
ネットワークストレージデバイスの1つから包装食品生産データハッシュツリーを読み取り、
ハードウェアデータプロセッサから第1の食品データトランザクションを受信し、
第2のハードウェアデータプロセッサから第2の食品データトランザクションを受信し、
第1及び第2の食品データトランザクションを包装食品生産データハッシュツリーに追加し、
ネットワークストレージデバイスへの包装食品生産データハッシュツリーの同一インスタンスの分散格納を生じるよう、動作可能であり、
方法は、更に、第1のネットワークデータ処理システムが、包装食品生産データハッシュツリーに追加されるべき第1及び第2の食品データトランザクションに関して第2のネットワークデータ処理システムと合意するステップを含み、
合意するステップは、第1のネットワークデータ処理システムが食品データトランザクションを包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップに先行する、
項目7又は8に記載の第1のネットワークデータ処理システム(151)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【0108】
項目12
第1のネットワークデータ処理システムが包装食品生産データハッシュツリーに追加されるべき第1及び第2の食品データトランザクションに関して第2のネットワークデータ処理システムと合意するステップは、第1のネットワークデータ処理システム及び第2のネットワークデータ処理システムの両方が共同コンセンサスメカニズムに従って動作することを含む、
項目9又は10に記載の第1のネットワークデータ処理システム(150)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【0109】
項目13
方法は、更に、第1のネットワークデータ処理システムが第1の食品データトランザクションの全て又は一部から、及び第2の食品データトランザクションの全て又は一部から導出される食品データトランザクションブロックを作成するステップを含み、
第1のネットワークデータ処理システムが第1及び第2の食品データトランザクションを包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップは、第1のネットワークデータ処理システムが食品データトランザクションブロックを包装食品生産データハッシュツリーに追加するステップによって実行される、
項目12に記載のネットワークデータ処理システム(150)において食品データトランザクションを追跡するための方法。
【0110】
項目14
ネットワークデータ処理システム(150)であって、
食品包装機(100)のハードウェアデータプロセッサ(140)に動作可能に接続され、
食品包装機は、
包装材供給モジュール(110)と、
食品供給モジュール(120)と、
充填モジュール(130)と、を備え、
充填モジュールは、
包装材供給モジュールによって供給される包装材からパッケージを形成し、
食品供給モジュールによって供給される食品を成形パッケージに充填し、
充填されたパッケージを封止し、
封止され、形成され、充填されたパッケージを出力するよう、動作可能であり、
複数の別個のネットワークストレージデバイス(161、162)に動作可能に接続され、
ネットワークデータ処理システムは、項目1~6のいずれか1つに記載の食品データトランザクションを追跡するための方法のステップを実行するようなされる、
ネットワークデータ処理システム。
【0111】
項目15
項目14に記載のネットワークデータ処理システムに、項目1~6のいずれか1つに記載の方法のステップを実行させる命令を備えるコンピュータプログラム。
【0112】
項目16
更に、
第2の食品包装機(102)の第2のハードウェアデータプロセッサ(142)に動作可能に接続され、
第2の食品包装機は、
包装材供給モジュール(110)と、
食品供給モジュール(120)と、
充填モジュール(130)と、を備え、
第2の充填モジュールは、
包装材供給モジュールによって供給される包装材からパッケージを形成し、
食品供給モジュールによって供給される食品をパッケージに充填し、
充填されたパッケージを封止し、
封止され、形成され、充填されたパッケージを出力するよう、動作可能であり、
複数の別個のネットワークストレージデバイス(161、162)に動作可能に接続され、
ネットワークデータ処理システムは、項目7又は8に記載の食品データトランザクションを追跡するための方法のステップを実行するようなされる、
項目14に記載のネットワークデータ処理システム(150)。
【0113】
項目19
項目16に記載のネットワークデータ処理システムに、項目7又は8に記載の食品データトランザクションを追跡するための方法のステップを実行させる命令を備えるコンピュータプログラム。
【0114】
項目18
ネットワークデータ処理システムは、更に、第1のネットワークデータ処理システムとは別の第2のネットワークデータ処理システム(152)に動作可能に接続され、
ネットワークデータ処理システムは、項目9又は10に記載の食品データトランザクションを追跡するための方法のステップを実行するようなされる、
項目16に記載のネットワークデータ処理システム(150)。
【0115】
項目19
項目18に記載のネットワークデータ処理システムに、項目9又は10に記載の方法のステップを実行させる命令を備えるコンピュータプログラム。
【0116】
項目20
ネットワークデータ処理システムは、更に、第1のネットワークデータ処理システムとは別の第2のネットワークデータ処理システム(152)に動作可能に接続され、
ネットワークデータ処理システムは、項目11~13のいずれか1つに記載の食品データトランザクションを追跡するための方法のステップを実行するようなされる、
項目18に記載のネットワークデータ処理システム(150)。
【0117】
項目21
項目20に記載のネットワークデータ処理システムに、項目11~13のいずれか1つに記載の方法のステップを実行させる命令を備えるコンピュータプログラム。
【0118】
本発明のネットワークデータ処理システムに関して本明細書中に説明する全ての変形例及び詳細は、ネットワークデータ処理システムにおいてデータ食品データトランザクションを追跡するための方法にも同様に適用する。本発明のネットワークデータ処理システムにおいてデータ食品データトランザクションを追跡するための方法に関して本明細書中に説明する全ての変形例及び詳細は、ネットワークデータ処理システム及び命令を備えるコンピュータプログラムにも同様に適用する。