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特許7541486後方散乱コントラストを用いて血管内の血流を測定するための方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】後方散乱コントラストを用いて血管内の血流を測定するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20240821BHJP
   G01N 21/17 20060101ALI20240821BHJP
   A61B 1/313 20060101ALI20240821BHJP
   A61B 5/026 20060101ALI20240821BHJP
   A61B 8/06 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
A61B1/00 526
G01N21/17 630
A61B1/313 510
A61B1/00 530
A61B5/026 120
A61B8/06
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020557221
(86)(22)【出願日】2019-04-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 US2019028068
(87)【国際公開番号】W WO2019204573
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2022-04-01
(31)【優先権主張番号】62/659,773
(32)【優先日】2018-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592017633
【氏名又は名称】ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】ボウマ ブレット イー.
(72)【発明者】
【氏名】ウリベ-パタッロージョ ネスタ―
【審査官】高松 大
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-517394(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0221920(US,A1)
【文献】特開2017-113576(JP,A)
【文献】特表2005-535383(JP,A)
【文献】米国特許第06231513(US,B1)
【文献】特表2017-524422(JP,A)
【文献】特表2010-521198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00
G01N 21/17
A61B 1/313
A61B 5/026
A61B 8/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージングシステムと、
前記イメージングシステムに結合されていると共にガイドカテーテル内に配置され、脈管内に挿入されるプローブと、
前記プローブに関連付けられている流れ供給システムであって、前記プローブと前記ガイドカテーテルとの間のスペースから、前記脈管内における前記プローブの一端に近接する場所に差別化コントラスト流体を放出するための流れ供給システムと、
プロセッサと、
を備えている装置であって、
前記プロセッサは、
前記脈管内への前記差別化コントラスト流体の放出に基づいて前記イメージングシステムからデータを収集し、
時間に依存して前記差別化コントラスト流体の有無を特定するため、収集した前記データを分析し、
収集した前記データの分析に基づいて前記脈管内の流量を求める
プロセッサである
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記イメージングシステムは光干渉計システムを備えており、
前記差別化コントラスト流体は差別化散乱流体を含む、
請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記光干渉計システムは、参照アームと、広帯域電磁放射源と、サンプルアームとを備えている、
請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記光干渉計システムはスペクトル領域光コヒーレンストモグラフィ(SD-OCT)システム又は光周波数領域イメージング(OFDI)システムを備えており、
前記プローブはOCTプローブである、
請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記OCTプローブは、ロータリジャンクションによって前記光干渉計システムに結合された回転プローブであり、
前記プロセッサは前記データを収集する際にさらに、
前記OCTプローブを回転させ、
前記光干渉計システムから複数の径方向位置において前記データを収集し、
前記複数の径方向位置における前記光干渉計システムからのデータの収集に基づき、前記脈管の断面画像を生成する、
請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記プロセッサはデータを収集する際にさらに、
前記脈管の複数の断面画像を、当該複数の断面画像にそれぞれ対応する複数のなる期間中に収集し、
前記プロセッサは、収集した前記データを分析する際にさらに、
収集した前記データを分析することにより、前記複数の各断面画像のうち前記差別化散乱流体を有する面積割合を特定する、
請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、収集した前記データを分析することにより前記複数の各断面画像のうち前記差別化散乱流体を有する前記面積割合を特定する際にさらに、
前記複数の各断面画像のうち差別化散乱流体がフラッシングされた面積を求め、
前記プロセッサは前記流量を求める際にさらに、
前記複数の各断面画像のうち差別化散乱流体がフラッシングされた面積を求めた結果に基づき、前記流量を求める、
請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記脈管内の流量を求める際にさらに、
前記光干渉計システムから収集した前記データに基づいて前記脈管の断面積を求め、
前記脈管の断面積を求めた結果に基づいて前記流量を求める、
請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記差別化散乱流体は、血液とは異なる散乱特性を有する、
請求項2から8までのいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
前記差別化散乱流体は、食塩水、リンガー溶液、デキストラン、脂質エマルジョン、又は散乱粒子のうち少なくとも1つを含む、
請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記差別化散乱流体は、放射線不透過性の造影剤と食塩水とを含む、
請求項9記載の装置。
【請求項12】
前記プローブはスリーブ内に配置されており、
前記流れ供給システムは前記スリーブを介して前記差別化散乱流体を放出する、
請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記流れ供給システムは、前記スリーブの側の開口を介して前記差別化散乱流体を放出する、
請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記スリーブは外部スリーブであり、
さらに、前記プローブは前記外部スリーブ内に配置された内部スリーブ内に配置されており、
前記差別化散乱流体は前記内部スリーブと前記外部スリーブとの間を流れ、
前記開口は前記外部スリーブの側にあり、
前記ローブは前記内部スリーブ内で回転する、
請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記複数の各異なる期間は30ms以下である、
請求項記載の装置。
【請求項16】
前記プローブは外部スリーブ内に配置されており、
さらに、前記プローブは前記外部スリーブ内に配置された内部スリーブ内に配置されており、
前記差別化散乱流体は前記内部スリーブと前記外部スリーブとの間を流れ、
前記外部スリーブの側に開口が設けられており、
前記プローブは前記内部スリーブ内で回転し、
前記流れ供給システムは前記外部スリーブを介して前記差別化散乱流体を放出し、
前記流れ供給システムは、前記外部スリーブに流体結合されたポンプを備えており、
前記プロセッサは前記データを収集する前にさらに、
前記流れ供給システムが前記脈管内における前記プローブの前記一端に近接する場所に前記差別化コントラスト流体を放出するように制御する、
請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記イメージングシステムは血管内超音波(IVUS)システムを備えており、
前記差別化コントラスト流体はマイクロバブルベースの造影剤を含む、
請求項1記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は、2018年4月19日に出願された米国特許仮出願第62/659,773号に基づき、その利益を主張し、これを基礎とする優先権を主張するものであり、その記載内容は全て、参照により本願の記載内容に含まれるものとする。
【0002】
<連邦政府の支援による研究に関する言明>
本発明は、国立健康研究所により承認された番号K25 EB024595及びP41 EB015903の政府支援によりなされたものである。
政府は本発明において一定の権利を有する。
【0003】
本発明は一般に流量の測定に関するものであり、具体的には、光学的及び/又は超音波手法により測定された後方散乱コントラストを用いて得られた速度測定結果に基づき血管内流量を測定するための方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0004】
血管内血流測定は、流量測定の対象である血管に到達するのが困難であるため、行うのが困難であった。最も重要なターゲットの1つに冠状動脈があり、冠状動脈は「狭窄」と称されるブロックにより急性心筋梗塞を起こす可能性があり、これは先進国の主な死因となっている。正確な血管内血流測定結果を得るためには、侵襲的な措置をとる以外に方法はない。その理由は、関心対象の血管の寸法が小さいこと(最大でも血管径は数mm)と、体内における関心対象の血管の場所と、関心対象の血管が複雑な三次元構造をしていること、である。
【0005】
血管内血流測定を目的として、血管内ドップラー超音波(D-US)カテーテルが開発されている。しかし、D-USは照準線(line of sight、LOS)で運動を直接感知することしかできない。これは、正確な流れ測定を阻害する主な欠点となる。というのも、血管内部におけるD-USプローブの角度は一般に分からず、心拍誘発性の運動に伴って動的に変化するからである。パワードップラーモダリティにおけるD-USは全方向の流れに対して感度を有することが分かっているにもかかわらず、パワードップラー読値と特定の流速との関係は分かっていない。光コヒーレンストモグラフィ等の光学的技術においてドップラー効果を利用する場合にも、同様の問題が生じる。
【0006】
上記にて説明した理由により、臨床環境下で血管内D-USを用いることは制限されてきた。血管内D-USの制限を持たない他の技術が、血管内D-USの使用の大半にとって代わっていた。これら他の技術の1つに、熱希釈技術がある。熱希釈は標識希釈フレームワークを用いて流量又は流速を導出するものであり、造影剤は別の温度(一般に低温)の液体であり、注入部位において血液と混合される。これは、温度トランスデューサを備えたカテーテルを用いて、循環血液より低温の1ボーラスの食塩水の遷移時間を測定する熱希釈冠状動脈血流予備量(サーモCFR(thermo-CFR))測定において使用される原理である。サーモCFRは血液流量を測定することはできず、血液流量に比例する量しか測定することができない。CFRは血管拡張時の血液流量とベースライン条件での血液流量との比に基づくため、遷移時間の比からは、未知の比例定数を求めずにCFRメトリックが得られる。しかし、この定数は温度トランスデューサの場所と血管内腔面積とに依存する。これら両方の量は、前者は心拍運動に起因して、後者は血管拡張時の内腔変化に起因して、変化すると考えられる。
【0007】
連続熱希釈(cont-thermo)はサーモCFR技術の一改良形態であり、注入物を固定の流量で流動中の血液に連続的に混合するものである。連続熱希釈は血液流量を測定することはできるが、食塩水の連続注入の特殊な条件下でしか測定することができない。食塩水の連続注入は正確な測定のために重要であるが、この食塩水の連続注入により関心対象の血管において生じる血管拡張の程度は変動的であることが分かっている。これは血管拡張条件下で血流を測定するために用いられてきたが、ベースライン条件での正確な測定を阻害し、よって、正確なCFRメトリックを求めるために使用することはできない。
【0008】
最後に、熱希釈技術では、血管に関する構造的情報(例えばイメージングにより得られる情報)は得られない。臨床現場では、特定の狭窄の脆弱性についての情報を提供して適切な処置を行いやすくする当該特定の狭窄の外観を直接評価するためには、イメージングが非常に望ましいとされる。特に連続熱希釈カテーテルは、イメージング用カテーテルと共に血管内に併存するためには過度に大きい。
【0009】
よって、上記にて説明した欠点、例えばドップラー技術に係る制限、高信頼性のCFR測定の欠如、及び/又は連続熱希釈に係る制限等のうち1つ又は複数を解決するシステム及び技術であって、好適には、同じ器具を用いて血管内イメージングを可能にするシステム及び技術を提供することが望ましいと考えられる。
【発明の概要】
【0010】
本願開示の複数の例示的な実施形態は、血管内イメージングを可能にすると共に流速と流量とを正確に測定することができ、これにより上記の従来技術に係る制限を解消することができる。
【0011】
一例の実施形態ではイメージングシステムは、脈管内の第1流体、例えば血管内等の血液等の断面イメージングを行う光コヒーレンストモグラフィ(「OCT」)又は光周波数領域イメージング(「OFDI」)システムとして構成することができる。イメージングシステムはさらに、分光分析器又は波長掃引光源を用いて時間領域又は周波数領域で具現化することができる。このシステムは、時間に依存してサンプルの一次元、二次元又は三次元イメージングを取得するための光学的又は機械的手段によって、多次元イメージングを行うことができる。本例の実施形態では、第1流体から散乱した光を集めて反射光と参照光との間の干渉を生じさせ、干渉信号を生成するため、第1流体をイメージングシステムに光学的に結合することができ、この干渉信号は検出器によって集められる。本例の実施形態ではイメージングシステムは、異なる光散乱特性を有する第2流体(例えば食塩水等)を第1流体の流れの中に送るよう構成することができる。本例の実施形態では、イメージングシステムはさらに、第1流体の流速を求めるために散乱光の分析を行うよう構成することができる。
【0012】
他の一例の実施形態では、イメージングシステムは、第1流体、第2流体、又はそれ以外の流体により散乱され得る放射を送るように構成された医療用カテーテルに適合することができる。本例の実施形態ではイメージングシステムは、異なる光散乱特性を有する第2流体を第1流体の流れの中に送ることができる。本例の実施形態ではイメージングシステムは、1次元又は多次元で走査プローブを実現する一次元のOCT又はOFDIシステムとすることができる。
【0013】
他の一例の実施形態では、イメージングシステムは、第1流体の断面イメージングを行う超音波イメージングシステムとして構成することができる。このシステムは、時間に依存してサンプルの一次元、二次元又は三次元画像を取得するための電子的又は機械的手段を用いて、多次元イメージングを行うことができる。本例の実施形態では、第1流体から散乱された放射を集めるために第1流体をイメージングシステムに超音波的に結合することができ、この放射は検出器によって集められる。本例の実施形態ではイメージングシステムは、異なる超音波散乱特性を有する第2流体を第1流体の流れに送るよう構成することができる。本例の実施形態では、イメージングシステムはさらに、第1流体の流速を求めるために散乱した超音波放射の分析を行うよう構成することができる。
【0014】
本願開示の特定の複数の例示的な実施形態では、検出された放射について測定データ分析を行うための一例の方法は、第1流体、第2流体、又はそれ以外の流体の流速を提供する。
【0015】
本願開示の特定の複数の例示的な実施形態では、検出された放射について測定データ分析を行うための他の一例の方法は、第1流体、第2流体、又はそれ以外の流体の流量を提供する。
【0016】
他の一実施形態では装置は、イメージングシステムと、イメージングシステムに結合されており、脈管内に挿入されるプローブと、プローブに関連付けられている流れ供給システムであって、脈管内におけるプローブの一端に近接する場所に差別化コントラスト流体を放出するための流れ供給システムと、プロセッサと、を備えており、プロセッサは、脈管内への差別化コントラスト流体の放出に基づいてイメージングシステムからデータを収集し、時間に依存して差別化コントラスト流体の有無を特定するため、収集したデータを分析し、収集したデータの分析に基づいて脈管内の流量を求める。
【0017】
他の一実施形態では方法は、イメージングシステムに光学的に結合されたプローブに関連付けられている流れ供給システムが脈管内におけるプローブの隣の場所に差別化コントラスト流体を放出するように制御することと、プロセッサを用いて、脈管内への差別化コントラスト流体の放出に基づいてイメージングシステムからデータを収集することと、時間に依存して差別化コントラスト流体の有無を特定するため、プロセッサを用いて、収集したデータを分析することと、プロセッサを用いて、収集したデータの分析に基づき脈管内の流量を求めることと、を含む。
【0018】
本願開示の上記及び他の側面並びに利点は、以下の説明から明らかである。以下の説明では、その一部を構成する添付図面を参照しており、本図面では1つ又は複数の変形態様を例示している。これらの変形態様は必ずしも、本発明の全範囲を示しているとは限らない。
【0019】
本発明の上記構成及び本発明自体は、図面の以下の説明から、より完全に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A】流れ供給及び画像収集システムを示す図である。
図1B図1Aのシステムのプローブの遠位端の細部図である。
図2A】ガイドカテーテル内に配置されたスリーブ内に配置されているプローブを示す図である。
図2B】流体放出のための開口を有するスリーブ内に配置されたプローブを示す図である。
図2C】流体放出のための開口を有する外部スリーブ内に配置された内部スリーブ内に配置されているプローブを示す図である。
図3A】内部にプローブ及びスリーブが配置されているガイドカテーテルを示す図であり、当該ガイドカテーテルは脈管内に挿入されている。
図3B】脈管の1つの枝に挿入された図3Aのプローブの端部であって、ガイドカテーテルを介して当該枝内に1ボーラスの流体を放出した後のプローブの端部の細部図である。
図3C】脈管内に挿入されたプローブ及びスリーブを示す図である。
図3D】脈管の1つの枝に挿入された図3Cの端部であって、スリーブの開口を介して当該枝内に1ボーラスの流体を放出した後のプローブの端部の細部図である。
図4】流れ供給システムをプローブに接続するためのYカプラを示す図である。
図5A】光周波数領域イメージング(OFDI)システムのブロック図である。
図5B】スペクトル領域光コヒーレンストモグラフィ(SD-OCT)システムのブロック図である。
図5C】特定の実施形態において使用される内視鏡超音波システムのブロック図である。
図5D】非侵襲性イメージングシステムを用いた一実施形態のブロック図である。
図6A】血流をシミュレートして測定するための実験システムを示す図である。
図6B図6Aのうちプローブの端部の周囲の領域の細部図である。
図7図6Aのシステムを用いて得られた断面画像データを示す図である。
図8A図6Aのシステムを用いて得られた図7に示されているデータ等のデータに係る平均フレーム強度データのグラフである。
図8B図6Aのシステムを用いて得られた図7に示されているデータ等のデータに係る正規化されたフラッシング領域データのグラフである。
図9図6Aのシステムを用いて得られた図7に示されているデータ等のデータに係る流量の関数としてのフラッシング時間の逆数(τ-1)をプロットした図である。
図10】流量を求めるための方法のフローチャートである。
図11】コンピューティングシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明はその適用において、以下の説明に記載され又は添付の図面に示されている構成要素の構造及び配置の詳細に限定されないと解すべきものである。本発明は他の実施形態が可能であり、様々な態様で実施又は実行することが可能である。また、本明細書で使用される用語用法は説明の目的のためのものであり、限定とみなされるべきではないと解すべきである。例えば、本明細書における「含む」、「備える」、又は「有する」及びそれらの変形の使用は、その後に列挙される項目及びそれらの均等物並びに追加の項目を包含することを意味する。
【0022】
図1Aは、流量情報を得るためのシステム100の一実施形態を示す。システム100はプローブを備えることができ(例えば光学プローブ154等、図1B参照)、このプローブはスリーブ102内に配置することができる。スリーブ102の方は、ガイドカテーテル104に挿通することができる(図1A)。システム100は、Yカプラ106等(図1A図4も参照のこと)を介してプローブに関連付けられた流体源120を備えることができる。流体源120は手動で操作することができ(例えばシリンジ等)、及び/又は、プローブの一端に近接する場所に流体を供給するための機械的なポンプ/パワーインジェクタを備えることができる。複数の特定の実施形態では、プローブは血管(例えば冠状動脈等)等の脈管に挿入することができ、流体源120は、脈管へ差別化コントラスト(又は差別化散乱)流体を送るための流れ供給システムの一部とすることができ、このようにして、脈管からの流体のクリアランスの速度を測定して脈管についての流速及び/又は流量を求めることができる。特に、流速情報と脈管の断面積に関する情報とを組み合わせることにより、絶対的な流量を求めることができる。
【0023】
複数の特定の実施形態では、流れ供給システムは流体源120を備えており、流体源120は流体推進機構(例えばシリンジ、ポンプ、又は、システム内にて流体を推進するための他の装置)を備えると共に、関心対象の脈管へ流体を制御下(例えばタイミング、持続時間及び/又は量のうち1つ又は複数の制御)で送るためのコネクタ(一部の事例ではYカプラ106を含む)の適切な配管接続を備えている。流れ供給システムは、プローブ端部に近接する位置で、例えばプローブに関連付けられたガイドカテーテル及び/又はスリーブ等から流体を放出するための配管を備えている。
【0024】
複数の実施形態ではシステム100は、プローブをイメージング装置110に回転可能に結合するためのロータリジャンクション130を備えることもできる。イメージング装置110は、例えばスペクトル領域光コヒーレンストモグラフィ(SD-OCT)システム又は光周波数領域干渉計システム等の干渉計システムを備えることができ、プローブは図1Bに示されているOCTプローブを含むことができる。これについては後に詳細に説明する。イメージング装置110は計算機140に結合されて計算機140により制御されることができ(後で詳細に説明する)、計算機140の方は、流体源120及びロータリジャンクション130のうち一方又は両方に結合されて、これを制御することができる。
【0025】
本発明の複数の実施形態では、プローブは画像データ等のデータの収集に必要な要素を備えることができる。光学イメージングの実施形態の場合、プローブは1つ又は複数の光ファイバ等の要素を備えることができ、かかる要素はその端部に、例えば(1つ又は複数の)レンズ又はミラー等の光学部品を備えることができる。図1Bに示されている実施形態では、プローブ154は(1つ又は複数の)光ファイバを備えており、これはその遠位端に、ボールレンズ等の光学部品152を備えている。一般に、データを収集するため、光学部品152は光ビーム156を角度θ((1つ又は複数の)ファイバの軸を基準とする角度)で脈管160の周部に向かって送る。脈管からの断面データの収集を容易にするためには、ロータリジャンクション130を介してプローブ154の(1つ又は複数の)光ファイバの近位端をイメージング装置110に光学的に結合することができる(図1A)。
【0026】
特定の複数の実施形態では、血流方向がプローブの端部から離れていく方向となるように、例えば内部に血液が流れる血管等の脈管にプローブ154を挿入することができる。放出された流体が血流によってプローブに向かって運ばれ、プローブを通過するように、流体源によって、プローブの端部に近接する場所すなわちオペレータに近接する場所で流体(例えば差別化コントラスト/差別化散乱流体)を脈管内に放出することができる。放出された流体がプローブを通過するとき、プローブは例えば30ms以下等の期間中に断面画像データを収集するように制御され、その後、この断面データを分析して脈管内の流速及び流量を求めることができる。
【0027】
一実施形態では、(遠位端に光学部品152を備えた)プローブ154をスリーブ102内に配置することができ、スリーブ102の方はガイドカテーテル104に挿通することができ(図2A)、ガイドカテーテル104を用いて、例えば開口202から、差別化コントラスト(又は差別化散乱)流体を脈管へ送ることができる。代替的又は追加的に、複数の実施形態では、スリーブ102は1つ又は複数の開口214を有することができ、この開口214から差別化コントラスト(又は差別化散乱)流体を脈管へ送ることもできる(図2B)。スリーブ102の開口214は1、2、3、4、又は他の適切な数とすることができ、複数の開口214は、スリーブ102に沿った同一位置に配することができ、又は複数のスタッガード状の場所に配することができる。
【0028】
さらに他の複数の実施形態では、プローブ154を内部スリーブであるスリーブ102内に配置し、この(内部)スリーブ102を外部スリーブ222に挿入することができる(図2C)。この場合、流体をプローブ154から隔絶した状態に維持するため、流体を内部スリーブ102と外部スリーブ222との間の空間に送り、流体放出のための開口224を外部スリーブ222に配することができる。特定の複数の実施形態では、図2Cに示されているこの二重スリーブ装置はガイドカテーテル104に挿通することができる。一般にこれらのスリーブは、スリーブを通じたイメージングを容易にするために光透過材料から成る。
【0029】
使用時には、例えば冠状動脈等の脈管302にプローブを挿入し、脈管302内で流体304を放出して測定することができる(図3A,3B)。一部の事例では、図3A図3Bのインセット306の細部図とに示されているように、ガイドカテーテル104を脈管302の大径部分に挿入してプローブ(これは、スリーブ102に挿入することができる)を当該脈管の小径の枝の中に案内することができる。プローブの遠位端がデータ収集のために適した場所に置かれた後は、差別化コントラスト(又は差別化散乱)流体304を放出し、プローブによって脈管302の枝を通る当該流体の移動をモニタリングすることにより、当該枝の流速/流量を求めることができる(図3A,3B)。流体は、図3A及び3Bに示されているようにガイドカテーテル104から放出されるか、又は図3C及び図3Dに示されているように、流体は(図3Dのインセット306に示されているように)プローブに関連付けられているスリーブの1つ又は複数の開口から放出されることが可能である。後で詳細に説明するように、流体304の放出前、放出中及び/又は放出後にプローブによって収集されたデータ(例えば散乱の断面画像等)を用いて、脈管枝内の流速/流量を求めることができ、図3A~3Dにおける血流の方向は、脈管内の矢印によって示されている。
【0030】
図4は、図1Aに示されているYカプラ等のYカプラ106の一実施形態を示す。このYカプラ106は、脈管内へ差別化コントラスト(又は差別化散乱)流体を放出するために使用される流れ供給システムの一部とすることができる。Yカプラ106は本体402と側方分岐404とを備えることができ、この側方分岐404は、ガイドカテーテル104及び/又はスリーブ102へ流体を送るための流体供給機構(例えばシリンジ等の手動装置又はポンプ等の自動/機械的装置等)に接続することができる。これに対してプローブ及び/又はスリーブ102は、Yカプラ106内を真っ直ぐに延在することができる。側方分岐404は、流体を送るためにガイドカテーテル104及び/又はスリーブ102に流体接続することができる。
【0031】
複数の実施形態では、図1Aのイメージング装置110は光周波数領域イメージング(OFDI)システム(図5A)又はスペクトル領域光コヒーレンストモグラフィ(SD-OCT)システム(図5B)等の干渉計イメージングシステムとすることができる。図5A及び図5Bは導波部品を用いて示されているが、他の実施形態では、これらのシステムは自由空間光学系を用いて、又は導波体と自由空間光学要素との組み合わせを用いて構成することもできる。
【0032】
図5Aは一例のOFDIイメージングシステムの一実施形態を示しており、このOFDIイメージングシステムは波長掃引光源510を備えており、波長掃引光源510はマルチポートカプラ560aへ電磁信号を供給する。このカプラは、当該分野において周知のようなビームスプリッタとすることができる。放射は放射カップリング500aを通って伝搬し、この放射カップリング500aは自由空間要素又は導波部品から成ることができる。カプラ560aの後、放射は2つのカップリング500b及び500cに分割され、これら2つのカップリング500b及び500cはサンプルアームと参照アームとをそれぞれ構成する。カップリング500bに入った放射は要素575へ送られる。この要素575は、当該分野において知られているようなビームスプリッタ又はサーキュレータとすることができる。カップリング500gは参照反射部540へ放射を供給し、これは要素500g,575及び500hを介してシステム内へ戻って結合される。カップリング500cに入った放射も同様に、当該分野において知られているようなビームスプリッタ又はサーキュレータとすることができる要素570へ送られる。カップリング500mは内視鏡プローブを介してサンプル520へ放射を供給し、これは500m、570及び500iを介してシステム内部へ戻って結合される。
【0033】
OFDIシステムの動作時には、マルチポートカプラ560bにおいてサンプル光が参照反射部からの光と混合し、1つ又は複数のカップリングを介して検出器アセンブリ550へ送られ、この検出器アセンブリは使用如何によって、複数の単独の検出器若しくは複数の平衡検出器のアセンブリ、又は偏光検出用に構成されたシステムを備えたアセンブリである。要素520は、例えばレンズ又は走査システム等の多次元イメージングを行うための手段によって適合することができる。参照反射部540は、当該分野にて知られているような有効光路長を変化させるための手段を備えることができる。検出器アセンブリ550からの信号は、デジタイザ580によってデジタル変換される。当該分野にて知られているような適切な測定スキームによって信号はコヒーレント混合されるので、サンプル520から反射された放射の振幅及び位相の両方を深度に依存して求めること、すなわち断面イメージングを行うことができる。
【0034】
光カップリング及びスキャンシステム520の他の実施態様も可能である。具体的には、循環器系用途で使用されるOFDIシステムの場合、システム520は全体的にカテーテルの形態で構成される。循環器系用途では、サンプルは血管内の血液とすることができる。カテーテルベースのスキャンシステムは、サンプルの反射率を深度で(Aラインとして知られている)一次元測定し、機械的な回転によって横平面の走査を行うことができる。それと同時に、カテーテルを「引き戻す」ことによって長手方向に沿ったセクショニングを行い、これによりサンプルからの三次元データを収集することができる。しかし、ここで開示している特定の実施形態では、イメージングプローブは全体的に1つの場所に維持された状態で同一のスポットを連続的にイメージングして、脈管内を移動する流体に関する情報を得る。
【0035】
図5Bは一例のスペクトル領域光コヒーレンストモグラフィシステムを示しており、これは広帯域光源510Bを備えており、広帯域光源510Bはマルチポートカプラ560aへ電磁信号を供給する。このカプラは、当該分野において周知のようなビームスプリッタとすることができる。当該システムの他の部分は、検出段がスペクトル検出デジタイザ550Bを備えている点を除いて、図5Aのシステムと同様である。複数の実施形態では、スペクトル検出デジタイザ550Bは分光計を備えることができ、この分光計にはカメラと信号デジタル変換部とが関連付けられている。複数の実施形態では、OFDI又はSD-OCTに代えて他の干渉計イメージングモダリティを用いることができ、例えば時間領域OCT又はサーキュラーレンジングOCT(Circular ranging OCT)等を用いることができる。
【0036】
他の実施形態では、(例えば図1Aのように流体供給システムに関連付けられた)超音波プローブ(例えば血管内超音波プローブ又はIVUSプローブ等)を脈管内に挿入して、当該脈管から流体のクリアランスを追跡するために用いることができる。図5Cは一例の超音波イメージングシステムを示しており、この超音波イメージングシステムは超音波パルス発生/ビーム成形/増幅システム610を備えており、超音波パルス発生/ビーム成形/増幅システム610は送受信器スイッチ650へ電気信号を供給する。この電気信号は電気的カップリング600aを通って伝搬し、この電気的カップリング600aは単一のケーブルを有するか、又は電気ケーブルのアレイを有することができる。カップリング600bは内視鏡トランスデューサ620へ信号を送信したり、内視鏡トランスデューサ620から信号を受信したりする。カップリング600cは電気信号を受信/増幅/ビーム成形器630へ送信し、この受信/増幅/ビーム成形器630はカップリング600dを介してデータ取得処理ユニット640に接続されている。光学モダリティを図示している本願の他図を参照すると、内視鏡トランスデューサ620はプローブ154及び光学部品152(図1B参照)に対して、少なくとも、脈管の断面画像を生成するために用いられるエネルギーを送ることについて、アナログ用に用いられる。
【0037】
さらの他の実施形態では、X線透視法、MRI又はCTを用いて脈管をモニタリングし、ここで開示されている差別化コントラスト(又は差別化散乱)流体のクリアランスを追跡することができる。これらのような非侵襲性のイメージングモダリティの場合、イメージングシステムによって流体供給及びそのクリアランスのイメージングを非侵襲性で行いながら、制御下で特定の場所に流体を供給するためにカテーテル又は他のプローブ機構を脈管に挿入することができる。図5Dは、一般的な非侵襲イメージングモダリティを用いた本発明の一実施形態を示す。流体源及び供給システム710は接続部700aを介して内視鏡流体供給システム720に結合されている。接続部700aは流体供給接続部であり、一部の実施形態では、内視鏡流体供給プローブ720に存在する流体供給システム710の遠位要素を操作するための電気信号を供給するためにも使用することができる。電気的接続部700bが流体源及び供給システム710を計算機730に接続し、計算機730は電気的接続部700cを介して標準的な非侵襲性イメージングシステム740に接続されている。計算機730は流体供給システム710と非侵襲性イメージングシステム740とを協調制御し、流体供給プロセスと画像取得プロセスの両方に関するパラメータを操作することができる。非侵襲性イメージングシステム740は、非侵襲性超音波システム(当該システムがアクセスできる脈管内、例えば頸動脈等内の流れを測定する場合)、MRI、CT、並びに/又は2D及び3DX線透視法のうち少なくとも1つを備えることができる。二次元(2D)X線透視法は、脈管の幾何学的形態に関する何らかの仮定が与えられることで使用可能であるのに対し、三次元(3D)X線透視法(1つより多くのイメージング平面でのX線透視法)において脈管の幾何学的形態に関して必要とされる仮定はそれより少ないか又は無い。
【0038】
ここで開示しているイメージングモダリティはいずれも、図1A,1B,2A,2B,又は2Cに示されている流れ供給システムと共に用いることができ、例えば、1つ又は複数の開口を有するガイドカテーテル104及び/又はスリーブ102を介して流体を供給するための手動又は自動機構の制御下で流体源120から流体を供給する流れ供給システムと共に用いることができる。流れ供給システムは、図1Aに示されているようにイメージングプローブと関連付けることができ、又は、図5Dに示されているように協調制御されて動作する別個の構成要素(例えば、非侵襲性イメージングモダリティと共に使用される構成要素)とすることができる。
【0039】
一般に、差別化コントラスト/差別化散乱流体は特定のイメージングモダリティに対して選択されるものであり、血液とは有意に異なる信号を提供するために使用される。例えばOFDI又はSD-OCT等の干渉計イメージングモダリティでは、血球は散乱を生じさせるので、血液とは散乱が異なる(大きい又は小さい)添加流体を使用して、流体の添加とクリアランスとを追跡し、脈管内の流れの尺度を得ることができる。他のモダリティでは、添加される流体の特性は、当該モダリティが差別化コントラスト又は差別化散乱を提供するために血液と他の流体とをどのように検出するかに依存することとなる。
【0040】
一部の実施形態では、流体は血液より小信号の流体とすることができ、例えば食塩水、リンガー溶液、デキストラン、又は放射線不透過性の造影剤、好適には例えばVisipaque(ビジパーク、登録商標)又はOmnipaque(オムニパーク、登録商標)等のヨード造影剤とすることができる。さらに、複数の種類の流体をブレンドすることもできる。特定の複数の実施形態では、放射線不透過性の造影剤と食塩水とのブレンドが好適である。他の実施形態では、流体は血液より大きい信号の流体とすることができ、例えば、Intralipid(イントラリピッド、登録商標)等の脂質エマルジョン(例えば濃度1~5%)、マイクロバブルベースの溶液、又は、上掲の透明な媒質(例えば食塩水、リンガー溶液、デキストラン、又は放射線不透過性の造影剤、好適には例えばVisipaque(登録商標)又はOmnipaque(登録商標)等のヨード造影剤)のうちいずれかに希釈できる1つ若しくは複数の散乱粒子(マイクロスフィア、マイクロビーズ、ナノロッド、ナノクラスタ、ナノパウダー等のナノ粒子等)とすることができる。具体的な流体はイメージングモダリティに基づいて選択され、OCTモダリティや関連のモダリティを含めた光学イメージングでは、食塩水、リンガー溶液又はデキストラン溶液等の流体を使用することができ、US(超音波)ベースのモダリティでは、マイクロバブルベースの溶液又は散乱粒子ベースの溶液等の流体を使用することができ、X線透視法又はCT等のモダリティでは、Visipaque(登録商標)又はOmnipaque(登録商標)を含めたヨード造影液等の放射線不透過性の造影剤を使用することができ、MRIモダリティでは、例えば超常磁性又は常磁性の造影剤(例えばガドリニウム等)等の磁性剤を含む流体を使用することができる。
【0041】
複数の実施形態では、差別化コントラスト(又は差別化散乱)流体は、測定を行う場所より「上流」(脈管内の流れ方向を基準とする)の場所で脈管内に放出される。例えば図5A及び5Bに示されているようなイメージングプローブの場合、流体はプローブの端部に対して相対的に「近位」の場所、すなわちプローブのユーザ又はオペレータの方向に放出される。それに対してプローブの「遠位」端は、ユーザ又はオペレータから最も遠い端部であり、一般にはイメージングを行う場所である。流体放出の場所とイメージングの場所との間の距離は変わり得るが、一般的には1mm~10mmの範囲であり、距離が長い方が好適である。複数の実施形態では、脈管の径と当該脈管の推定流量とに依存して、0.1mL~10mLの範囲内の体積の流体を0.1秒~10秒の期間にわたって脈管内に放出することができる。この体積は一般に、フラッシング時間あたりに流れるサンプルの体積より小さくし、等しくし、又は大きくすることができる。送られる流体の体積が多い場合には、フラッシング時間は一般的に、サンプルの流量を実質的に変えないように短時間に維持しなければならない。
【0042】
複数の特定の実施形態では、イメージングモダリティ(例えばOCT、US、MRI、CT、又はX線透視法)は、脈管の内径にわたって少なくとも約10サンプルを得るために十分な空間分解能を有するものである。すなわち、モダリティは一般に、最小分解能が脈管の内径の約1/10のものである。よって、脈管の断面サンプルは10×10ボクセル又は10×10ピクセルのアレイのデータを含むことができる。内径がどの場所でも2.0~5.0mmの範囲内である冠状動脈等の脈管の場合、10×10のサンプルのアレイを得るために必要な最小分解能は0.2~0.5mmの範囲内となるが、分解能がより高い及び/又はサンプル数がより多いモダリティを使用することも可能である。断面サンプルを通じて少なくとも10×10のアレイのデータであれば、例えばフラッシング時間(下記参照)や脈管径等のパラメータを適切に推定するために十分な細かさの分解能で、添加された流体のクリアランスを追跡するために十分なデータを得る助けになり、このようにして推定されたパラメータは、流速及び流量を求めるために使用することができる。
【0043】
一般に、脈管内に差別化コントラスト/差別化散乱流体を放出する前、放出する間、及び放出した後に、データを収集することができる。このデータは一般に、脈管内の単一の場所から、典型的には断面積から得られるものであり、これを用いて、流体と血液との間の信号差に基づき脈管からの流体のクリアランスを追跡する。データは、時間推移を展開するために複数の連続した期間中に収集され、これらの期間は1ms~30msの範囲とすることができ、一般には30ms以下である。各期間からのデータ(例えば画像フレーム等)は、脈管の面積のうち流体又は血液によって占有されている割合を特定するために処理される。一部の実施形態では、流体又は血液のいずれかを含む画素を特定するため、画像データは閾値比較(thresholded)することができる(例えば、血液の存在に関連付けられた最小信号レベルであって、連続した特定数のフレームに対して一貫してこの信号を示す最小信号レベル等に基づいて閾値比較する)。
【0044】
二次元の断面画像データの場合、分析の結果は、各データポイントにおける脈管のうち流体を有する面積割合(fractional area)を提供するものとすることができる。その際には、この面積割合(フラッシング面積)の正規化された時間推移(例えば連続した各フレームからのデータ)からフラッシングの時間推移を知ることができ、このフラッシングの時間推移から脈管内の流速が分かる。脈管の絶対的な流量を求めるためには、流速と脈管の断面積とを組み合わせることができる。一部の実施形態では、フラッシングの時間推移を特定するために、より簡単な分析がフレーム平均強度を追跡することを含む。ただしその結果は、フラッシング面積に基づく結果より多くのノイズを含み得る。フラッシング面積に基づくデータを用いて、正規化されたフラッシング面積が0.5に達したときの時間として定義されるフラッシング時間τを特定することができ、下記の例では、フラッシング時間の逆数(τ-1)は流量と線形の関係を有することが示された。
【0045】
関心対象の脈管内の流量を測定するための一例の実施形態は、以下の通りである:
【0046】
-関心対象の脈管内腔を特定して、関心対象の流れを有する面積を画定する。
【0047】
-画像中の特定の画素がサンプルの流体又は注入物を含むか否かを判断するために使用される閾値を決定する。注入物の散乱がサンプルより弱い場合、閾値はI>閾値の形態の比較として実装され、それに対して注入物の散乱が強い場合、閾値はI>閾値の形態の比較として実装される。
【0048】
-特定の画素がフラッシング完了したとみなすために必要な最小フレーム数Nを決定する。
【0049】
-閾値比較をフレームごとに行い、時間に依存してフラッシング面積を示す画像のコレクションを集める。
【0050】
-本発明の他の一実施形態は、本発明にて説明される分析を行う前に、画像強度を当該分野において知られているように、放射減衰係数又はこれに類するメトリックに変換することができる。
【0051】
フラッシング面積から流速を求めるための他の一例の実施形態は、以下の通りである:
【0052】
-時間に依存する脈管内腔の平均強度を使用して、1ボーラスが通過するときの画像の平均強度について変調深度を分析することにより、測定の信号雑音比を評価することができる。
【0053】
-脈管内腔の総面積を計算することにより、時間に依存する正規化されたフラッシング面積を求めることができる。
【0054】
-フラッシング時間は、内腔面積の約50%がフラッシングされるためにかかる時間として定義することができ、時間に依存する正規化されたフラッシング面積から容易に算出することができる。
【0055】
-フラッシング時間の逆数は流速に比例する。比例定数を求めるために較正を行うことができる。
【0056】
関心対象の脈管内の流量を測定するためのさらに他の一例の実施形態は、以下の通りである:
【0057】
-画像から脈管内腔の面積を計算する。
【0058】
-この面積と本発明により算出された流速との積を計算する。
【0059】
注入物が完全に送られたときのフラッシング面積から流速を求めるための他の一例の実施形態は、以下の通りである。
【0060】
-時間に依存する脈管内腔の平均強度を計算する。
【0061】
-内腔領域において強度が最も均質なボーラス通過中のフレームを特定する。
【0062】
-当該フレームの平均強度は、サンプルの流量、及びサンプルと注入物との間の後方散乱比と直接的な関係にある。この関係は較正することができ、未知の流量の測定の際に用いることができる。
【0063】
図6A,6B,7,8A,8B及び9は、後方散乱標識希釈手法に基づく本願開示の血流数値化技術の非限定的な一例を記載したものであり、ここでは特に血管内光コヒーレンストモグラフィ(IV-OCT)が用いられる。本例では、1ボーラスのリンガー液又は他の透明な注入物の通過後の血液からの後方散乱信号を分析することにより、関心対象の冠状動脈内の流速を求める。例えば熱希釈CFR等の他の技術とは異なり、構造的なOCT画像を用いてボーラス体積と遷移時間とを求めることができ、これにより、標準的なOCTシステムを用いて絶対的な冠状動脈流量を求めることが可能になる。熱希釈CFRと共に用いる場合、収集されたOCT画像を用いて2つのCFR流れ読値間の動きと体積変化とを考慮することもでき、これによりCFR精度の向上を図ることができる。
【0064】
少量のボーラス(最大1mL)の透明な注入物を短時間送り、伝統的なOCTイメージングの際に通常見られるように血液を完全に押しのけた。注入物が断面像から完全に消えるまで(ひいては、血液が脈管内腔を完全に埋めるまで)かかる時間は、流速に比例する。流速が求められた後は、OCT画像の内腔断面積を用いて絶対的な血液流量を求めることができる。
【0065】
本例で示されている実験では、血管内(IV)OCTシステム(中心周波数1300nm、帯域幅105nm、繰り返し周波数54kHzの波長掃引レーザ)を使用した。標準的なガイドカテーテルと共にIV-OCTカテーテルを使用し、ガイドカテーテルから3cmの場所で50fpsでイメージングを行った。本例では、シミュレートされた脈管内に透明な注入物をフラッシングするため、このガイドカテーテルを使用した。シミュレートされた脈管(図6A,6B)は、シミュレートされた脈管系の一部であり、流体貯蔵部と、蠕動ポンプと、脈動減衰器と、戻り貯蔵部と、に連結された。脈管系内へプローブより上流に流体を導入できるようにするため、注入物(例えば食塩水)が充填されたシリンジがIV-OCTカテーテルに連結された。
【0066】
シミュレートされた脈管は、オープン回路内を流れる血液ファントムとして2%のIntralipid溶液を含んでいた(図6A,6B)。17mL/min,30mL/min,43mL/min及び57mL/minのシミュレートされた流量を生成した。これらは、IV-OCTプローブが挿入された管の3.1mm管径区間における70mm/s、130mm/s、190mm/s、及び250mm/sのピーク流速に相当する。
【0067】
干渉計情報を収集する間OCTプローブを連続的に回転できるようにするため、OCTプローブはロータリジャンクションに連結された。実験中、流体を脈管内に放出している間プローブを回転し、シミュレートされた脈管内の1つの定位置から、連続した複数のBスキャンを得た。極座標を使用する各Bスキャンは、直交座標系の512×512画素の画像に変換され、この画像はその後、シミュレートされた脈管の内腔に含まれる200×200画素の関心対象の内腔領域を画定するために切り抜き処理された(図7)。
【0068】
関心対象の内腔領域内のデータは、平均強度が最小のフレームから、すなわち、散乱が最も小さい最初のボーラスの注入物を表示するフレームから開始して、フレームごとにセグメンテーションされた。これらの実験に際しては、5フレーム以上にわたって中程度の強度(例えば最小ノイズレベルを基準として15dB超)の画素を、「血液」(すなわちIntralipid溶液)がフラッシングされたとみなした。次に、フラッシングされた画素の割合(面積割合に相当する)をフレームごとに算出した。図7は、17mL/min及び57mL/minの流量のフレーム列を示している(図7の最下部に示されているフレーム番号3,10,20及び40)。各群の最下列は各フレームの構造情報であり、最上列は、フラッシング面積を示すセグメンテーションされたデータを示す(これは、各群の最初のフレームから最後のフレームまで回復している)。
【0069】
図8Aは、各流量で得られたデータに係る平均フレーム強度を示しており、このデータは、平均フレーム強度から、十分なフラッシングがなされたことが概ね分かるが、正確な流れ測定を達成するためには平均フレーム強度が過度にノイズを含んでいることを示している。図8Bでは、正規化されたフラッシング面積がロバストであり、異なる流量ごとに明確に区別される振舞いを示していることが分かる。図8Bに示されているようなデータに基づき、フラッシング時間τは、正規化されたフラッシング面積が0.5に達した時の時間として定義される。図9に示されているように、フラッシング時間の逆数τ-1が、流量と線形の関係を示す。
【0070】
本例は、簡単なフラッシング技術と、簡素化された分析スキームとを組み合わせた、本願開示の技術であって、標準的なOCTイメージングと同等の技術が、インヴィトロの絶対流量を測定できることを示している。カテーテル(0.8mm径)は、3mm径の区間の10%未満の狭窄領域に対応し、これが測定対象の血流を減少させる可能性は低いので、脈管内にプローブが存在することは流量に悪影響を与えない。さらに、この技術が提供する構造画像情報を利用することにより、本技術は例えば、脈管径及びカテーテル場所の変化を考慮してサーモCFR等の他の手法より正確になり得る。
【0071】
図10は、流量を測定するための方法1000のフローチャートである。方法1000の1010において、イメージングシステムに光学的に結合されたプローブに関連付けられている流れ供給システムが、脈管内の当該プローブの隣の場所に差別化コントラスト流体を放出させるよう制御する。方法1000の1020において、プロセッサを用いて、脈管内への差別化コントラスト流体の放出に基づきイメージングシステムからデータを収集する。方法1000の1030において、プロセッサを用いて、収集したデータを分析することにより、時間に依存する差別化コントラスト流体の有無を特定する。最後に、方法1000の1040においてプロセッサを用いて、収集したデータの分析に基づき脈管内の流量を求める。
【0072】
したがって図11は、本願開示の主題の一部の実施形態の後方散乱コントラストを利用して血管内血流を測定するための機構の一部の実施形態と共に使用できるイメージング装置及び/又は計算機を具現化するために使用可能なハードウェアの一例1100を示す。例えば、図11に示すハードウェアは、分光分析イメージング装置110及び/又は計算機140の少なくとも一部を具現化するために使用することができる。図11に示すように、一部の実施形態では、イメージングシステム1110は、ハードウェアプロセッサ1112、ユーザインタフェース及び/若しくはディスプレイ1114、1つ以上の通信システム1118、メモリ1120、1つ以上の光源1122、1つ以上の電磁波検出器1126、並びに/又は1つ以上の光コネクタ1126を含むことができる。一部の実施形態ではハードウェアプロセッサ1112は、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、マイクロコントローラ(MCU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、専用のイメージプロセッサ等の任意の適当なハードウェアプロセッサ又はプロセッサの組合せとすることができる。一部の実施形態では入力及び/又はディスプレイ1114は、コンピュータモニタ、タッチスクリーン、テレビジョン、透明若しくは半透明ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ等の適当なディスプレイ装置、及び/又は、キーボード、マウス、タッチスクリーン、マイクロフォン、視線追跡システム、運動センサ等のユーザ入力を受信するために使用できる入力装置及び/又はセンサを含むことができる。
【0073】
一部の実施形態では、通信システム1118は、通信ネットワーク1102及び/又は他の任意の適当な通信ネットワークを介して情報をやりとりするための任意の適当なハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含むことができる。例えば、通信システム1118は1つ以上の送受信器、1つ以上の通信チップ及び/又は通信チップセット等を含むことができる。より特殊な一例では、通信システム1118は、Wi-Fi(登録商標)接続、ブルートゥース(Bluetooth、登録商標)接続、携帯電話網接続、イーサネット接続、光接続等を確立するために使用できるハードウェア、ファームウェア及び/又はソフトウェアを含むことができる。
【0074】
一部の実施形態では、通信ネットワーク1102は、任意の適当な通信ネットワーク又は通信ネットワークの組合せとすることができる。例えば、通信ネットワーク1102は、Wi-Fiネットワーク(1つ以上の無線ルータ、1つ以上のスイッチ等を含むことができる)、ピアツーピアネットワーク(例えば、ブルートゥース(登録商標)ネットワーク)、携帯電話網(例えば、3Gネットワーク、4Gネットワーク等。CDMA、GSM、LTE、LTE Advanced、WiMAX等の任意の適切な標準に準拠する)、有線ネットワーク等を含むことができる。一部の実施形態では通信ネットワーク1102は、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、公衆ネットワーク(例えばインターネット)、私設若しくは準私設ネットワーク(例えば企業又は大学のイントラネット)、任意の他の適当な種類のネットワーク、又はネットワークの任意の適当な組合せであり得る。
【0075】
一部の実施形態では、メモリ1120は、命令、値等を記憶するために使用できる任意の適切な1つ又は複数の記憶装置を含むことができ、これらは例えば、ハードウェアプロセッサ1112によって、1つ以上の光検出器によって生成された画像データを処理し、入力/ディスプレイ1114を使用してコンテンツを提示し、通信システム1118を介して計算機1130と通信すること等を目的として使用することができる。メモリ1120は、任意の適当な揮発性メモリ、不揮発性メモリ、記憶部、任意の他の適当な種類の記憶媒体、又はそれらの任意の適当な組合せを含むことができる。例えばメモリ1120は、RAM、ROM、EEPROM、1つ以上のフラッシュドライブ、1つ以上のハードディスク、1つ以上のソリッドステートドライブ、1つ以上の光学ドライブ等を含むことができる。一部の実施形態ではメモリ1120は、イメージングシステム1110の動作を制御するためのコンピュータプログラムを符号化して保有することができる。そのような一部の実施形態では、ハードウェアプロセッサ1112はこのコンピュータプログラムの少なくとも一部を実行して、1つ以上の光源及び/又は検出器を制御し(例えば、本願明細書に記載されているOCTデータを取得し)、画像を生成し、及び/又は値(例えばOCT画像等)を計算し、計算機1130との間で情報を送受信すること等ができる。
【0076】
一部の実施形態ではイメージングシステム1110は、コヒーレント又は非コヒーレントの光源等の1つ以上の光源1122(例えば1つの発光ダイオード又は発光ダイオードの組み合わせ、白色光源等)を備えることができ、これは広帯域の光源又は狭帯域の光源とすることができる。例えば光源1122は、上記にて図5Aを参照して説明したような波長掃引光源とすることができる。他の一例として、光源1122は、上記にて図5Bを参照して説明したような広帯域光源とすることができる。さらに、一部の実施形態では、光源源1122は1つ以上のフィルタに関連付けることができる。
【0077】
一部の実施形態では、イメージングシステム1110は、1つ以上のフォトダイオード等の1つ以上の光検出器1124、及び/又は1つ以上のイメージセンサ(例えば、CCDイメージセンサ又はCMOSイメージセンサ、そのいずれかは一次元アレイ又は2次元アレイとすることができる)を含むことができる。例えば一部の実施形態では、検出器1124は、(例えばフィルタを使用し、複数の異なる波長の光を検出器のそれぞれ異なる部分に導くための光学系を使用して)特定の波長の光を検出するように構成された1つ以上の検出器を含むことができる。
【0078】
一部の実施形態では、イメージングシステム1110は、1つ以上の光コネクタ1126を含むことができる。例えば、このような光コネクタは、光源1122及び/又は検出器1124と光ファイバ(例えば光ファイバケーブルの一部)との間に光接続を形成するように構成された光ファイバコネクタであってもよい。
【0079】
一部の実施形態では計算機1130は、ハードウェアプロセッサ1132、ディスプレイ1134、1つ以上の入力部1136、1つ以上の通信システム1138、及び/又はメモリ1140を含むことができる。一部の実施形態ではハードウェアプロセッサ1132は、CPU、GPU、MCU、FPGA、専用のイメージプロセッサなど、任意の適当なハードウェアプロセッサ又はプロセッサの組合せとすることができる。一部の実施形態ではディスプレイ1134は、コンピュータモニタ、タッチスクリーン、テレビジョン、透明又は半透明ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ等の任意の適当なディスプレイ装置を含むことができる。一部の実施形態では入力部1136は、キーボード、マウス、タッチスクリーン、マイクロフォン、視線追跡システム、運動センサ等のユーザ入力を受信するために使用できる任意の適当な入力装置及び/又はセンサを含むことができる。
【0080】
一部の実施形態では、通信システム1138は、通信ネットワーク1102及び/又は他の任意の適当な通信ネットワーク上で情報をやりとりするための任意の適当なハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含むことができる。例えば、通信システム1138は、1つ以上の送受信器、1つ以上の通信チップ及び/又は通信チップセット等を含むことができる。より特殊な一例では、通信システム1138は、Wi-Fi接続、ブルートゥース(登録商標)接続、携帯電話網接続、イーサネット接続等を確立するために使用できるハードウェア、ファームウェア及び/又はソフトウェアを含むことができる。
【0081】
一部の実施形態ではメモリ1140は、命令、値などを記憶するために使用できる任意の適当な1つ又は複数の記憶装置を含むことができ、これらは例えば、ハードウェアプロセッサ1132によって、ディスプレイ1134を使用してコンテンツを提示するため、1つ以上のイメージング装置と通信するため等に使用することができる。メモリ1140は、任意の適当な揮発性メモリ、不揮発性メモリ、記憶装置、任意の他の適当な種類の記憶媒体、又はそれらの任意の適当な組合せを含むことができる。例えばメモリ1140は、RAM、ROM、EEPROM、1つ以上のフラッシュドライブ、1つ以上のハードディスク、1つ以上のソリッドステートドライブ、1つ以上の光学ドライブ等を含むことができる。一部の実施形態では、メモリ1140は、計算機1130の動作を制御するためのコンピュータプログラムを符号化したものを保有することができる。このような実施形態では、ハードウェアプロセッサ1132はコンピュータプログラムの少なくとも一部を実行して、1つ以上のイメージング装置(例えばイメージング装置1110)からコンテンツ(例えば、画像コンテンツ)を受信し、コンテンツ(例えば画像及び/又は値)を提示し、1つ以上の他の計算機及び/又はイメージングシステムにコンテンツ(例えば画像及び/又は値)を送信することができる。
【0082】
一部の実施形態では計算機1130は、汎用コンピュータ又は特殊目的コンピュータのような、任意の適当な計算機とすることができる。例えば一部の実施形態では、計算機1130は、スマートフォン、ウェアラブルコンピュータ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、パーソナルコンピュータ、サーバー等とすることができる。他の一例として一部の実施形態では、計算機1130は、医用装置、システムコントローラ等とすることができる。
【0083】
一部の実施形態では、本願明細書に記載する機能及び/又は処理を実行するための命令を記憶するために、任意の適当なコンピュータ可読媒体を使用することができる。例えば一部の実施形態では、コンピュータ可読媒体は一時的又は非一時的なものとすることができる。例えば非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体は、磁気媒体(ハードディスク、フロッピーディスク等)、光学媒体(コンパクトディスク、デジタルビデオディスク、ブルーレイディスク等)、半導体媒体(RAM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等)、伝送中に永久性のいかなる外観の欠落もなく一時的でもない任意の適当な媒体、及び/又は任意の適当な有形の媒体を含むことができる。他の一例として、一時的なコンピュータ可読媒体は、ネットワーク上の信号、ワイヤ内、導体、光ファイバ、回路、伝送中に何らかの永久性の外観が欠落し又は一時的な他の適当な媒体、及び/又は任意の適当な無形の媒体を含むことができる。
【0084】
したがって、上記では本発明を特定の実施形態及び数例を参照して説明したが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではなく、多数の他の実施形態、例、使用、改良形態、及びこれらの実施形態、例及び使用の範囲外のものは、添付されたクレームに包含されることが意図されている。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11