(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】パエニバシラス株およびその使用法
(51)【国際特許分類】
C12N 1/20 20060101AFI20240821BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20240821BHJP
A01P 21/00 20060101ALI20240821BHJP
A01G 7/00 20060101ALI20240821BHJP
C12N 15/31 20060101ALN20240821BHJP
C12N 15/52 20060101ALN20240821BHJP
【FI】
C12N1/20 A ZNA
A01P3/00
A01P21/00
A01G7/00 604Z
C12N15/31
C12N15/52 Z
(21)【出願番号】P 2021552692
(86)(22)【出願日】2020-03-05
(86)【国際出願番号】 US2020021125
(87)【国際公開番号】W WO2020181053
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2023-02-27
(32)【優先日】2019-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【微生物の受託番号】NRRL B-50374
【微生物の受託番号】NRRL B-67721
【微生物の受託番号】NRRL B-67723
【微生物の受託番号】NRRL B-67724
(73)【特許権者】
【識別番号】507124988
【氏名又は名称】バイエル クロップサイエンス エルピー
【氏名又は名称原語表記】BAYER CROPSCIENCE LP
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ボー,ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】ゲルツ,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ニューマン,アダム
(72)【発明者】
【氏名】シュヴィーンテック,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】テイラー,コリーン・エス
(72)【発明者】
【氏名】ティアン,ドンラン
(72)【発明者】
【氏名】トラーグ,ビョルン・エー
【審査官】松本 淳
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/187703(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/016558(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0008903(KR,A)
【文献】特表2018-517396(JP,A)
【文献】Gajender Aleti et al.,Genome Announcements,2016年,Volume 4, Issue 3,e00366-16
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フサリシジン(Fusaricidin)およびトリデカプチン(tridecaptin)を含む、パエニバシラス属(Paenibacillus sp.)株の生物学的に純粋な培養物またはその無細胞調製物を含む組成物であって;
ここで、パエニバシラス属株は、配列番号3に対して少なくとも90.5%の配列同一性を示すDNA配列によってコードされるfusAのフサリシジンシンセターゼ遺伝子を含み、そして、
パエニバシラス属株は、配列番号7に対して少なくとも90.0%の配列同一性を示すDNA配列によってコードされるtriEの非リボソームペプチドシンセターゼ(NRPS)遺伝子を含む、組成物。
【請求項2】
フサリシジンA、フサリシジンB、フサリシジンC、フサリシジンD、LiF05a、LiF05b、LiF06a、LiF06b、LiF07a、および/またはLiF07bを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)、スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)、およびPuccinia triticinaからなる群より選択される真菌によって引き起こされる植物病害を効果的に制御する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
パエニバシラス属株が、パエニバシラス属NRRL B-50374株、パエニバシラス属NRRL B-67721株、パエニバシラス属NRRL B-67723株、
または、パエニバシラス属NRRL B-67724
株である、請求項1~3のいずれか一項記載の組成物。
【請求項5】
パエニバシラス属NRRL B-50374株、パエニバシラス属NRL B-67721株、パエニバシラス属NRL B-67723株
、または、パエニバシラス属NRL B-67724株の発酵産
物を含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
請求項1~3のいずれかに記載の組成物であって、
ここで、パエニバシラス属株はさらに窒素固定遺伝子クラスターを含み;そして、
窒素固定遺伝子クラスターは、配列番号10に対して少なくとも96.9%の配列同一性を示すDNA配列によってコードされるnifBの窒素固定遺伝子を含む、組成物。
【請求項7】
窒素固定遺伝子クラスターの発現が、植物成長、植物活力、および/または作物収量の増強に寄与する、請求項
6に記載の組成物。
【請求項8】
請求項
6または
7に記載の組成物であって、
パエニバシラス属株は、配列番号1に対して少なくとも97.3%の配列同一性を示すDNA配列によってコードされるfusAのフサリシジンシンセターゼ遺伝子を含み;そして、
パエニバシラス属株は、配列番号5に対して少なくとも97.5%の配列同一性を示すDNA配列によってコードされるtriEのNRPS遺伝子を含む、組成物。
【請求項9】
パエニバシラス属株が、パエニバシラス属NRRL B-50374株、パエニバシラス属NRRL B-67721株、
または、パエニバシラス属NRRL B-67724
株である、請求項
6~
8のいずれか一項記載の組成物。
【請求項10】
パエニバシラス属NRL B-50374株、パエニバシラス属NRL B-67721株、
または、パエニバシラス属NRL B-67724
株の発酵産物を含む、請求項
9に記載の組成物。
【請求項11】
病害を制御するために農業植物を処理する方法であって、有効量の請求項1~
10のいずれか1項に記載の組成物を、植物に、植物部分に、および/または植物の場所に適用することを含む方法。
【請求項12】
前記方法が、前記組成物を葉の植物の部分に適用することを含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
組成物は、ヘクタール当たりパエニバシラス属株の
1×10
10~
1×10
12コロニー形成単位(CFU)で、または、ヘクタール当たり
0.5kg~
5kgの発酵固形分で適用される、請求項
11または
12に記載の方法。
【請求項14】
病害が真菌性病害または細菌性病害である、請求項
11~
13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
植物、植物繁殖体、植物の種子、および/または、植物が成長しているかまたは成長することが意図されている場所を、有効量の請求項1~
10のいずれか1項に記載の組成物で処理する、農業植物の活力および/または作物収量を増加させるための方法。
【請求項16】
前記処理が、畝間処理、種子処理および/または葉面処理として実施される、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記農業植物が、大豆、トウモロコシ、コムギ、ライコムギ(triticale)、
オオムギ、オートムギ、ライムギ、ナタネ、キビ(millet)、コメ、ヒマワリ、綿、テンサイ、ナシ状果(pome fruit)、核果(stone fruit)、カンキツ、バナナ、イチゴ、ブルーベリー、アーモンド、ブドウ、マンゴー、パパイヤ、ピーナッツ、ジャガイモ、トマト、ペッパー、ウリ、キュウリ、メロン、スイカ、ニンニク、タマネギ、ブロッコリー、ニンジン、キャベツ、豆、乾燥豆、キャノーラ、エンドウ、レンティル、アルファルファ、トレフォイル、クローバー、亜麻、力芝(elephant grass)、芝(grass)、レタス、サトウキビ、茶、タバコおよびコーヒーからなる群より選択され、それぞれその天然または遺伝的に改変された形態である、請求項
11~
16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
請求項1~
10のいずれかに記載の組成物で処理された種子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2019年3月7日に出願された米国仮特許出願第62/815,069号の優先権を主張するものであり、その全内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、細菌株の分野、ならびに植物病害を制御し、植物活力および作物収量を増加させるそれらの能力に関する。特に、本発明は、フサリシジンおよびトリデカプチンを産生するパエニバシラス属株、ならびに植物の健康を維持し、植物の成長を改善するためのそれらの使用に関する。
【0003】
電子的に提出された配列表の参照
配列表の正式コピーは、2020年2月25日に作成された「BCS189006WO_ST25.txt」というファイル名で、185kbytesのサイズを持つファイルとともに、ASCII形式のシークエンスリストとしてEFS-Web経由で電子的に提出され、明細書と同時に提出される。このASCIIフォーマットドキュメントに含まれる配列リストは本明細書の一部であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0004】
殺真菌剤は、例えば、作物保護のため;食品、飼料、および化粧品防腐剤として;ならびにヒトおよび獣医学的適用の両方のための治療剤として含む、無数の用途を有する。作物収量減少、食物伝播性病害およびヒトと動物の両方の真菌感染は、先進国と発展途上国の両方で問題となっている。
【0005】
合成殺虫剤または殺真菌剤は、しばしば非特異的であり、したがって、他の天然に存在する有益な生物を含む標的以外の生物に作用し得る。それらの化学的性質のために、それらはまた、毒性であり、そして非生分解性であり得る。世界中の消費者は、化学物質、特に食品中の残留物に関連する潜在的な環境問題および健康問題をますます意識している。これは、化学的(すなわち、合成)殺虫剤の使用または少なくとも量を減少させるための消費者圧力の増大をもたらした。したがって、効果的な害虫防除を可能にしながら、食物連鎖要件を管理する必要がある。
【0006】
合成殺虫剤または殺真菌剤の使用に伴って生じるさらなる問題は、殺虫剤または殺真菌剤の反復および排他的適用がしばしば耐性病原性微生物の選択を導くことである。通常、このような株はまた、同じ作用様式を有する他の活性成分に対して交差耐性である。この場合、前記活性化合物による病原体の有効な制御もはや不可能である。しかしながら、新しい作用機序を有する活性成分は開発するのが困難であり、費用がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
病原体集団における耐性発生の危険性、ならびに環境およびヒトの健康上の懸念は、植物病害を管理するための合成殺虫剤および殺真菌剤の代替物を同定することに関心を集めている。生物学的制御剤の使用は、1つの代替法である。
【0009】
パエニバシラスは、低GC含量、内生胞子形成、グラム陽性菌(Firmicutes)の属である。この属に属する細菌は、非リボソームペプチドクラスを含む、工業的に関連する細胞外酵素および抗菌物質の多量生産者である。パエニバシラス属内の種および株の間にはかなりのばらつきがあり、特定の株のみが植物病原体の制御および植物の成長の促進において有効性を示す。
【0010】
増強された殺真菌活性および植物の成長および活力を改善する能力を有するパエニバシラス属株が必要とされている。既存の殺菌剤の効力の改善、および真菌耐性の発生に影響されない代替物の開発は非常に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の概要
本発明は、フサリシジンおよびトリデカプチンを含むパエニバシラス属株の生物学的に純粋な培養物またはその無細胞調製物を含む組成物に関し、ここで、パエニバシラス属株は、配列番号3に対して少なくとも90.5%の配列同一性を示すDNA配列によってコードされるfusAのフサリシジンシンセターゼ遺伝子を含み、そして、そのパエニバシラス属株は、配列番号7に対して少なくとも90.0%の配列同一性を示すDNA配列によってコードされるtriEの非リボソームペプチドシンセターゼ(NRPS)遺伝子を含む。
【0012】
特定の局面において、fusAのフサリシジンシンセターゼ遺伝子は、配列番号3を含むDNA配列または同じアミノ酸配列をコードするその縮退ヌクレオチド配列によってコードされる。他の局面において、triEのNRPS遺伝子は、配列番号7を含むDNA配列または同じアミノ酸配列をコードするその縮退ヌクレオチド配列によってコードされる。
【0013】
いくつかの実施形態では、組成物は、フサリシジンA、フサリシジンB、フサリシジンC、フサリシジンD、LiF05a、LiF05b、LiF06a、LiF06b、LiF07aおよび/またはLiF07bを含む。
【0014】
他の実施形態では、組成物は、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)、スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)、およびPuccinia triticinaからなる群より選択される真菌によって引き起こされる植物病害を効果的に制御する。
【0015】
ある局面において、パエニバシラス属株は、パエニバシラス属NRRL B-50374株、パエニバシラス属NRRL B-67721株、パエニバシラス属NRRL B-67723株、パエニバシラス属NRRL B-67724株、またはその殺真菌性突然変異株である。
【0016】
他の局面において、この組成物は、パエニバシラス属NRRL B-50374株、パエニバシラス属NRL B-67721株、パエニバシラス属NRL B-67723株、パエニバシラス属NRL B-67724株、またはその殺真菌性変異株の発酵産物を含む。
【0017】
一態様において、殺真菌性突然変異株は、パエニバシラス属株NRRL B-50374、パエニバシラス属株NRRL B-67721、パエニバシラス属株NRRL B-67723、または、パエニバシラス属株NRRL B-67724と約90%を超える配列同一性を有するゲノム配列を有し、および/または、殺真菌性突然変異株は、パエニバシラス属株NRRL B-50374、パエニバシラス属株NRRL B-67721、パエニバシラス属株NRRL B-67723、または、パエニバシラス属株NRRL B-67724と同等以上の殺真菌活性および/またはフサリシジンレベルを有する。
【0018】
いくつかの実施形態において、パエニバシラス属株は、窒素固定遺伝子クラスターをさらに含み;そして窒素固定遺伝子クラスターは、配列番号10に対して少なくとも96.9%の配列同一性を示すDNA配列によってコードされるnifBの窒素固定遺伝子を含む。
【0019】
一実施形態において、窒素固定遺伝子クラスターは、配列番号10を含むDNA配列または同じアミノ酸配列をコードするその縮退ヌクレオチド配列によってコードされるnifBの窒素固定遺伝子を含む。
【0020】
他の実施形態において、窒素固定遺伝子クラスターの発現は、植物成長、植物活力および/または作物収量の増強に寄与する。さらに他の実施形態において、そのパエニバシラス属株は、配列番号1に対して少なくとも97.3%の配列同一性を示すDNA配列によってコードされるfusAのフサリシジンシンセターゼ遺伝子を含み、そして、そのパエニバシラス属株は、配列番号5に対して少なくとも97.5%の配列同一性を示すDNA配列によってコードされるtriEのNRPS遺伝子を含む。
【0021】
1つの局面において、fusAのフサリシジンシンセターゼ遺伝子は、配列番号1を含むDNA配列または同じアミノ酸配列をコードするその縮退(degeneracy)ヌクレオチド配列によってコードされる。別の局面において、triEのNRPS遺伝子は、配列番号5を含むDNA配列または同じアミノ酸配列をコードするその縮退(degeneracy)ヌクレオチド配列によってコードされる。
【0022】
ある局面において、パエニバシラス属株は、パエニバシラス属NRRL B-50374株、パエニバシラス属NRRL B-67721株、パエニバシラス属NRRL B-67724株、またはその殺真菌性突然変異株である。
【0023】
他の局面において、この組成物は、パエニバシラス属NRRL B-50374株、パエニバシラス属NRRL B-67721株、パエニバシラス属NRRL B-67724株またはその殺真菌性変異株の発酵産物を含む。
【0024】
いくつかの実施形態において、殺真菌性突然変異体株は、パエニバシラス属NRRL B-50374株、パエニバシラス属NRRL B-67721株、またはパエニバシラス属NRRL B-67724株と約90%以上の配列同一性を有するゲノム配列を有し、および/または、殺真菌性突然変異体株は、パエニバシラス属NRRL B-50374株、パエニバシラス属NRRL B-67721株、またはパエニバシラス属NRRL B-67724株と同等またはそれ以上の殺真菌活性および/またはフサリシジンレベルを有する。
【0025】
特定の局面において、本発明は、病害を制御するために農業植物を処理する方法であって、ここで、有効量の本明細書に開示される組成物を、植物、植物部分、および/または植物の場所に適用することを含む方法を提供する。
【0026】
1つの局面において、この方法は、この組成物を葉の植物部分に適用する工程を包含する。別の態様では、組成物は、ヘクタール当たりパエニバシラス属株の約1×1010~約1×1012コロニー形成単位(CFU)で、またはヘクタール当たり約0.5kg~約5kgの発酵固形分で適用される。さらに別の態様では、病害は、真菌性病害または細菌性病害である。
【0027】
他の実施形態において、本発明は、農業植物の活力および/または作物収量を増加させるための方法を提供し、ここで、植物、植物繁殖体、植物の種子、および/または植物が成長しているかまたは成長することが意図される場所は、本明細書に開示される有効量の組成物で処理される。
【0028】
一実施形態では、処理は、畝間処理、種子処理、および/または葉面処理として実施される。
【0029】
別の実施形態では、農業植物は、大豆、トウモロコシ、コムギ、ライコムギ(triticale)、オオムギ、オートムギ、ライムギ、ナタネ、キビ(millet)、コメ、ヒマワリ、綿、テンサイ、ナシ状果(pome fruit)、核果(stone fruit)、カンキツ、バナナ、イチゴ、ブルーベリー、アーモンド、ブドウ、マンゴー、パパイヤ、ピーナッツ、ジャガイモ、トマト、ペッパー、ウリ、キュウリ、メロン、スイカ、ニンニク、タマネギ、ブロッコリー、ニンジン、キャベツ、豆、乾燥豆、キャノーラ、エンドウ、レンティル、アルファルファ、トレフォイル、クローバー、亜麻、力芝(elephant grass)、芝(grass)、レタス、サトウキビ、茶、タバコおよびコーヒーからなる群より選択され、それぞれその天然または遺伝的に改変された形態である。
【0030】
さらに別の実施形態では、本発明は、本明細書に開示される組成物で処理された種子に関する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、他のいくつかのパエニバシラス属株と比較して、パエニバシラス属株NRRL B-50374、パエニバシラス属株NRRL B-67721、パエニバシラス属株NRRL B-67723、およびパエニバシラス属株NRRL B-67724で達成されたスファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)(PODOXA)の制御を示す。
【0032】
【
図2】
図2は、パエニバシラス属株NRL B-50374、パエニバシラス属株NRL B-67721、パエニバシラス属株NRL B-67723、またはパエニバシラス属株NRRL B-67724の全ブロス培養物でのドレンチ処理から得られるトマト植物における植物成長促進を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本明細書中に記載される微生物および特定の株は、特に断りのない限り、全て天然から分離され、そして例えば、振盪フラスコ培養におけるような人工条件下で、または例えば、生物活性代謝産物産生を最大化するためのバイオリアクターにおけるようなスケールアップされた製造プロセスを通して増殖される。このような条件下での成長は、株の「家畜化」につながる。一般に、このような「家畜化」された株は、自然環境で見られる選択圧力を受けず、むしろ人工的な選択圧力を受ける均質な集団として培養されるという点で、天然で見られるその対応物とは異なる。
【0034】
本明細書で使用されるように、動詞「含む」は、本明細書および特許請求の範囲で使用され、その活用形はその非限定的な意味で使用され、単語に続く項目が含まれるが、特に言及されていない項目は除外されないことを意味する。さらに、不定冠詞「a」または「an」による要素への言及は、文脈が要素のうちの1つのみが存在することを明確に要求しない限り、要素のうちの2つ以上が存在する可能性を除外しない。したがって、不定冠詞「a」または「an」は、通常、「少なくとも1つ」を意味する。
【0035】
特定の局面において、本発明のパエニバシラス属株は、以下のうちのいずれか1つから選択される:P.terrae、P.brasilensis、P.polymyxaまたはP.peoriae。1つの局面において、本発明のパエニバシラス属株は、P.terraeである。別の態様では、本発明のパエニバシラス属株はP.brasilensisである。別の態様では、本発明のパエニバシラス属株はP.peoriaeである。別の局面において、本発明のパエニバシラス属株は、P.polymyxaである。
【0036】
1つの実施形態において、パエニバシラス属株の突然変異体株は、パエニバシラス属NRRL B-50374株、パエニバシラス属NRRL B-67721株、パエニバシラス属NRRL B-67723株、またはパエニバシラス属NRRL B-67724株である。用語「突然変異体」とは、パエニバシラス属NRRL B-50374株、パエニバシラス属NRRL B-67721株、パエニバシラス属NRRL B-67723株、またはパエニバシラス属NRRL B-67724株に由来する遺伝的変異体を指す。1つの実施形態において、突然変異体は、パエニバシラス属NRRL B-50374株、パエニバシラス属NRRL B-67721株、パエニバシラス属NRRL B-67723株、またはパエニバシラス属NRRL B-67724株の同定されている(機能)特性の1つ以上または全てを有する。特定の例において、突然変異体またはその発酵産物は、少なくとも親パエニバシラス属NRRL B-50374株、パエニバシラス属NRRL B-67721株、パエニバシラス属NRRL B-67723株、またはパエニバシラス属NRRL B-67724株と同様に、(機能的特徴を同定する)真菌、卵菌および/または細菌を制御する。このような突然変異体は、パエニバシラス属NRRL B-50374株、パエニバシラス属NRRL B-67721株、パエニバシラス属NRRL B-67723株、またはパエニバシラス属NRRL B-67724株と、約85%を超える、約90%を超える、約95%を超える、約98%を超える、または約99%を超える配列同一性を有するゲノム配列を有する遺伝的変異体である。変異体は、パエニバシラス属NRRL B-50374株、パエニバシラス属NRRL B-67721株、パエニバシラス属NRRL B-67723株、またはパエニバシラス属NRRL B-67724株の細胞を化学物質または放射線照射で処理するか、またはパエニバシラス属NRRL B-50374株、パエニバシラス属NRRL B-67721株、パエニバシラス属NRRL B-67723株、またはパエニバシラス属NRRL B-67724株細胞(ファージ耐性または抗生物質耐性突然変異体など)の集団から自然突然変異体を、以下に記載するようにゲノムシャフリングによって、または、当技術分野で実践されているよく知られている他の手段によって選択されうる。
【0037】
パエニバシラス株間のゲノムシャフリングは、プロトプラスト融合とよばれる過程を用いることによって容易にすることができる。この過程は、栄養細菌細胞からプロトプラストが形成されることから始まる。典型的にはリゾチームおよび浸透圧安定剤を用いてペプチドグリカン細胞壁を除去すると、プロトプラストが形成される。このプロセスは、球状細胞の外観を有する光学顕微鏡下で可視化される。次いで、PEG、ポリエチレングリコールの添加がプロトプラスト間の融合を誘導し、2つ以上の細胞の遺伝的内容物が接触することを可能にし、組換えおよびゲノムシャッフリングを容易にする。次いで、融合した細胞を再分画し、そして固体増殖培地上で回収する。回収の間、プロトプラストは、ペプチドグリカン細胞壁を再構築し、細菌形状に戻る。Schaefferら、(1976)、PNAS USA、vol.73,6:2151-2155を参照されたい)。
【0038】
特定の局面において、本発明は、フサリシジン類を産生するパエニバシラス属株を対象とする。フサリシジン類は、15-グアニジノ-3-ヒドロキシペンタデカン酸(GHPD)尾部を有するデプシペプチドのファミリー、ならびにそれらの線状対応物である。フサリシジン類の特異的な保存された特徴は、このGHPDテール、ならびに、配列中の6つのアミノ酸のうちの3つ:(1)スレオニン、(4)スレオニン、および(6)アラニンである。
【0039】
70年代半ばにNakajimaら(J.Antibiot.、1972、25、243-247)によって最初に発見されたが特徴付けられなかったフサリシジン類は、1980年代後半にKurusuら(J.Antibiot.、1987、40、1506-1514)によって記載された。それらは、1990年代半ばから2000年代の初めにかけて、Kajimuraら(J.Antibiot.、1996、49、129-135;J.Antibiot.、1997、50、220-228)、Kurodaら(Heterocycles、2000、53、1533-1549;J.Mass Spectrom、2001、36、30-37)、Beattyら(Can.J.Microbiol.、2002、48、159-169によって研究された。この重度の研究期間中、これらの化合物は、著者によって数回改名された(フサリシジンAは、LiF04a、Gatavalin、またはKT-6291Aとしても知られている)。このトピックについては多くの出版物があるが、24種の既知のフサリシジン類の同じ群から選択した化合物をその都度記載する。
【0040】
トピックに関するいくらか静かな期間の後、Vaterら(J.Am.Soc.Mass Spectrom.,2015,26,1130-1141)は、質量分析によるフサリシジンの構造的解明を記載し、ファミリーのいくつかの類似体を記載した。Vaterらは7個のアミノ酸を有する新しいクラスのフサリシジン様化合物(すなわち、ペプチド配列中の(4)トレオニン残基に連結された余分のアラニン)を同定した。本明細書中で使用される場合、用語「非環式アナログ」は、フサリシジンまたはフサリシジン様化合物に対応するが、エステル結合を欠き、線状構造を生じる化合物をいう。
【0041】
フサリシジンのアミノ酸鎖は互いに連結し、非リボソームペプチドシンセターゼ(NRPS)により修飾される。マルチドメインNRPSは15,000までのアミノ酸からなり、従って、天然で最も長いタンパク質中とみなされる(Schwarzerら、(2003)、Nonribosomal Peptides:From Genes to Products、Nat.Prod.Rep.20、275-287)。NRPS組み込みはリボソームによって翻訳される21の標準アミノ酸に限定されず、この乱雑さは、非リボソームペプチドの大きな構造的多様性および生物学的活性に寄与する(LiおよびJensen(2008)、Paenibacillus polymyxa PKB1によるフサリシジンの非リボソーム生合成には、d-アミノ酸の直接活性化が関与する。Chem.Biol.,15,118-127)。
【0042】
P.polymyxa E68では、フサリシジン生合成遺伝子クラスター(fusGFEDCBA)が特徴付けされており、クラスター中の最大コードDNA配列(CDS)であるNRPSコード配列が、6モジュールペプチドをコードしていることが観察された(Choiら、Paenibacillus polymyxaE681のフサリシジン生合成遺伝子の同定と機能分析、Biochem.Biophys.Res.Commun.、365、89-95;LiおよびJensen、Paenibacillus polymyxaE681のフサリシジン生合成遺伝子の同定と機能分析、Biochem.Biophys.Res.Commun.、365、89-95;Liら、(2013)、Paenibacillus polymyxa SQR‐21のフサリシジン合成に責任のあるfus遺伝子クラスターのプロモーター解析と転写調節、Appl.Microbiol.Biotechnol.、97,9479-9489)。この生合成クラスターには脂質部分の生合成を担う他のCDSが含まれるが、トランスポーター遺伝子は含まれていない(LiおよびJensen、(2008)、Paenibacillus polymyxa PKB1によるフサリシジンの非リボソーム生合成には、d-アミノ酸の直接活性化が関与する。Chem.Biol.、15,118-127)。P.polymyxaではfusオペロンのプロモーターが同定され、これが胞子形成の調節因子として関与する転写リプレッサー(AbrB)に結合していることが示された。このことは、フサリシジンが胞子形成中に合成されることが観察されたため興味深く、したがって、微生物の二次代謝とそのライフサイクルを調整している(Liら、(2013)、Paenibacillus polymyxa SQR‐21のフサリシジン合成に関与するfus遺伝子クラスターのプロモーター解析と転写調節。Appl.Microbiol.Biotechnol.、97,9479-9489)。
【0043】
他の局面において、本発明は、トリデカプチン類を産生するパエニバシラス属株に関する。トリデカプチン類は、ポリミキシンに類似した直鎖状カチオン性リポペプチドの群である。このアシルトリデカペプチドは1978年に初めて単離され、グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して抗菌活性を示す。Shoji、Junichiら、Journal of Antibiotics(1978)、31(7)、646-51。近年、トリデカプチンA1は、Paenibacillus terraeの株において特徴付けられている。Lohans、Christopher Tetら、ChemBioChem(2014)、15(2)、243-249。
【0044】
対立遺伝子多様性は、典型的には化学的多様性を生じる原因であると考えられる。しかし、fusクラスターの興味深い特徴は、組み込まれたアミノ酸(Tyr、Val、Ile、allo-Ile、Phe)が異なるフサリシジン類の多様性がfusAの単一の対立遺伝子によって産生され得ることであり;根底にあるメカニズムは、アミノ酸の認識に関与するNRPS Aドメインが緩和された基質特異性を有することである(Hanら、(2012))。Site-Directed Modification of the Adenylation Domain of the Fusaricidin Nonribosomal Peptide Synthetase for Enhanced Production of Fusaricidin Analogs。Biotechnol.Lett.34、1327-1334;Mousaら、(2015)、Biodiversity of Genes Encoding Anti-Microbial Traits within Plant Associated Microbes、Front Plant Sci.、2015;6:231)。
【0045】
特定の実施形態では、組成物は、配列番号3または配列番号1に対して少なくとも90.5%の配列同一性を示すDNA配列によってコードされるfusAのフサリシジンシンセターゼ遺伝子、配列番号7または配列番号5に対して少なくとも90.0%の配列同一性を示すDNA配列によってコードされるtriEの非リボソームペプチドシンセターゼ(NRPS)遺伝子、および/または、配列番号10に対して少なくとも96.9%の配列同一性を示すDNA配列によってコードされるnifBの窒素固定遺伝子を含む、パエニバシラス属株の生物学的に純粋な培養物を含む。いくつかの局面において、パエニバシラス属株のfusA、triE、またはnifBとそれぞれの配列(すなわち、fusAについては配列番号1または3;triEについては配列番号5または7;nifBについては配列番号10)との間の配列同一性は、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%である。他の局面において、パエニバシラス属株のfusA、triE、またはnifBとそれぞれの配列(すなわち、fusAについては配列番号1または3;triEについては配列番号5または7;nifBについては配列番号10)との間の配列同一性は、約80%~100%、約85%~100%、約90%~100%、または約95%~100%である。
【0046】
遺伝子コードの縮退(degeneracy)のために、異なるヌクレオチドコドンを使用して特定のアミノ酸をコードすることができる。宿主細胞は、しばしば、好ましいパターンのコドン使用頻度を示す。構造的核酸配列は、好ましくは特定の宿主細胞のコドン使用パターンを利用するように構築される。これは、一般に、形質転換された宿主細胞における構造核酸配列の発現を増強する。本明細書中に開示される核酸配列のいずれも、それらが含まれる宿主細胞または生物の好ましいコドン使用頻度を反映するように改変され得る。
【0047】
本明細書中に記載される核酸配列におけるさらなる変異は、それらが操作されるタンパク質と比較した場合、同等または優れた特徴を有するタンパク質をコードし得る。突然変異には、欠失、挿入、切断、置換、融合、モチーフ配列のシャッフリングなどが含まれ得る。
【0048】
核酸配列に対する突然変異は、特定の様式またはランダムな様式のいずれかで導入され得、これらの両方は分子生物学の当業者に周知である。典型的には、核酸配列中の特定の位置に突然変異を導入するために、オリゴヌクレオチドを使用する無数の部位特異的突然変異誘発技術が存在する。例としては、一本鎖救済(Kunkelら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、82:488-492、1985)、特有の部位除去(DengおよびNickloff、Anal.Biochem.、200:81、1992)、ニック保護(Vandeyarら、Gene、65:129-133、1988)、およびPCR(Costaら、Methods Mol.Biol.57:31-44、1996)である。ランダムまたは非特異的突然変異は、ニトロソグアニジン(Cerda-Olmedoら、J.Mol.Biol.33:705-719、1968;Guerolaら、Nature New Biol.230:122-125、1971)および2-アミノプリン(RoganおよびBessman、J.Bacteriol.、103:622-633、1970)のような化学物質(一般的総説については、SingerおよびKusmierek、Ann.Rev.Biochem.52:655-693、1982を参照);またはミューテーター株を通過させるような生物学的方法(Greenerら、Mol.Biotechnol.7:189-195,1997)によって、生成され得る。
【0049】
修飾は、アミノ酸配列における保存的または非保存的変化のいずれかをもたらし得る。保存的変化は、タンパク質の最終アミノ酸配列を変化させない構造的核酸配列における付加、欠失、置換などから生じる。好ましい実施形態において、コードされるタンパク質は、20~500の保存的変化、より好ましくは15~300の保存的変化、さらにより好ましくは10~150の保存的変化、最も好ましくは5~75の保存的変化を有する。
【0050】
非保存的変化には、アミノ酸配列の変化をもたらす付加、欠失および置換が含まれる。好ましい実施形態では、コードされたタンパク質は、10~250個の非保存的アミノ酸変化、より好ましくは5~100個の非保存的アミノ酸変化、さらにより好ましくは2~50個の非保存的アミノ酸変化、最も好ましくは1~30個の非保存的アミノ酸変化を有する。
【0051】
上記の改変を行うさらなる方法は、Ausubelら、Current Protocols In Molecular Biology、John Wiley and Sons、Inc.、1995、Bauerら、Gene、37:73、1985;Craik、BioTechniques、3:12-19、1985;Frits Ecksteinら、Nucleic Acids Research、10:6487-6497、1982;Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Second Edition、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、1989、Smithら、in:Genetic Engineering:Principles and Methods、Setlowら、Eds.,Plenum Press,N.Y.,1-32,1981,および、Osunaら、Critical Reviews In Microbiology,20:107-116,1994に記載されている。
【0052】
分子の所望の特性を維持するそれらをコードする本発明のタンパク質配列および核酸セグメントに改変を行ってもよい。以下は、タンパク質のアミノ酸配列を変化させて、等価物、またはおそらく改善された分子を作製することに基づく議論である。
【0053】
特定のアミノ酸は、所望の活性のかなりの損失なしに、タンパク質配列中の他のアミノ酸と置換され得る。
【0054】
従って、開示されたタンパク質配列のペプチド配列またはそれらの対応する核酸配列において、生物学的活性のかなりの損失なしに種々の変化がなされ得ることが意図される。
【0055】
このような変化を行う際に、アミノ酸の疎水親水性指数(hydropathic index)を考慮することができる。タンパク質に相互作用生物学的機能を付与する際の疎水親水性アミノ酸指数の重要性は、当技術分野で一般に理解されている(KyteおよびDoolittle、J.Mol.Biol.、157:105-132、1982)。アミノ酸の相対的疎水親水性特性は、得られるタンパク質の二次構造に寄与し、これは、次いで、タンパク質と他の分子(例えば、酵素、基質、レセプター、DNA、抗体、抗原など)との相互作用を規定することが許容される。
【0056】
各アミノ酸は、それらの疎水性および電荷特性に基づいて疎水親水性指数を割り当てられている。これらは、イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/システイン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(-0.4);トレオニン(-0.7);セリン(-0.8);トリプトファン(-0.9);チロシン(-1.3);プロリン(-1.6);ヒスチジン(-3.2);グルタミン酸/グルタミン/アスパラギン酸/アスパラギン(-3.5);リジン(-3.9);およびアルギニン(-4.5)である。
【0057】
特定のアミノ酸は、類似の疎水親水性指数またはスコアを有する他のアミノ酸によって置換され得、そしてなお類似の生物学的活性を有するタンパク質を生じる(すなわち、依然として生物学的に機能的なタンパク質を得る)ことは、当該分野において公知である。このような変更を行う際には、疎水親水性指数が±2以内であるアミノ酸の置換が好ましく、±1以内であるものがより好ましく、±0.5以内であるものが最も好ましい。
【0058】
同様のアミノ酸の置換は、親水性に基づいて有効になされ得ることもまた、当技術分野において理解される。米国特許第4,554,101号(Hopp)は、タンパク質の最大局所平均親水性がその隣接アミノ酸の親水性によって支配されるように、タンパク質の生物学的特性と相関すると述べている。アミノ酸には、アルギニン/リジン(+3.0);アスパラギン酸/グルタミン酸(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン/グルタミン(+0.2);グリシン(0);トレオニン(-0.4);プロリン(-0.5±1);アラニン/ヒスチジン(-0.5);システイン(-1.0);メチオニン(-1.3);バリン(-1.5);ロイシン/イソロイシン(-1.8);チロシン(-2.3);フェニルアラニン(-2.5);およびトリプトファン(-3.4)の親水性値が割り当てられている。
【0059】
アミノ酸は、類似の親水性スコアを有する別のアミノ酸によって置換され得、そしてなお類似の生物学的活性を有するタンパク質を生じる(すなわち、なお生物学的に機能的なタンパク質を得る)ことが理解される。このような変更を行う際には、疎水親水性指数が±2以内であるアミノ酸の置換が好ましく、±1以内であるものがより好ましく、±0.5以内であるものが最も好ましい。
【0060】
したがって、上記で概説したように、アミノ酸置換は、アミノ酸側鎖置換基の相対的類似性、例えば、それらの疎水性、親水性、電荷、サイズなどに基づく。様々な前述の特徴を考慮に入れた例示的な置換は当業者に周知であり、アルギニンおよびリジン;グルタミン酸およびアスパラギン酸;セリンおよびトレオニン;グルタミンおよびアスパラギン;ならびにバリン、ロイシン、およびイソロイシンを含む。
【0061】
本発明はまた、開示されたパエニバシラス属株もしくはその突然変異体、またはその無細胞調製物もしくはその代謝産物を、葉、茎、花、果実、根または種子のような植物または植物部分に投与することによって、または土壌のような植物または植物部分が成長する場所に適用することによって、植物病害を制御するために植物を処理する方法を包含する。
【0062】
本発明による方法において、開示されたパエニバシラス属株またはその殺真菌性突然変異体を含有する組成物は、植物を成長させるために使用される任意のタイプの培地(例えば、土壌、バーミキュライト、裁断されたボール紙、および水)中で成長させた任意の植物または任意の植物の任意の部分、あるいは、ランまたはスタグホルンシダなどの空中で成長させた植物または植物の部分に適用することができる。組成物は、例えば、噴霧、噴霧、気化、散布、ダスティング、散水、噴出、散布、注ぎ込み、または燻蒸によって適用され得る。既に上述したように、適用は、農業、園芸、森林、植林、果樹園、保育園、有機栽培作物、芝草、および都市環境など、対象植物が位置する任意の所望の場所で実施することができる。
【0063】
本発明の組成物は、開示されたパエニバシラス属株またはそれに由来する殺真菌性突然変異体(株)を、下記の実施例に記載の培地および他の方法を使用することを含む、当技術分野で周知の方法に従って培養することによって得ることができる。従来の大規模微生物培養プロセスには、浸漬発酵、固体発酵、または液体表面培養が含まれる。発酵の終わりに向かって、栄養素が枯渇することにつれて、細胞は成長相から胞子形成相への移行を開始し、その結果、発酵の最終産物は、主に胞子、代謝産物および残留発酵培地である。胞子形成はパエニバシラスの自然の生活環の一部であり、一般に栄養制限に応答して細胞によって開始される。発酵は、胞子形成の高レベルのコロニー形成単位を得て、そして胞子形成を促進するように構成される。発酵から生じる培養培地中の細菌細胞、胞子および代謝産物は、直接、または、遠心分離、接線流濾過、深層濾過および蒸発などの従来の工業的方法によって濃縮して使用することができる。
【0064】
本発明の組成物は、発酵産物を含む。いくつかの実施形態において、濃縮発酵ブロスは、例えばダイアフィルトレーションプロセスを介して洗浄され、残留発酵ブロスおよび代謝産物を除去する。本明細書中で使用される用語「ブロス濃縮物」は、上記のように、従来の工業的方法によって濃縮されたが液体形態のままである全ブロス(発酵ブロス)を指す。本明細書中で使用される用語「発酵固体」は、発酵ブロスが乾燥された後に残る固体材料を指す。本明細書中で使用される用語「発酵産物」は、全ブロス、ブロス濃縮物および/または発酵固体を指す。本発明の組成物は発酵産物を含む。
【0065】
発酵ブロスまたはブロス濃縮物は、従来の乾燥プロセスまたは方法(例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥、トレイ乾燥、流動床乾燥、ドラム乾燥、または蒸発)を使用して、担体の添加の有り又は無しで乾燥され得る。
【0066】
得られた乾燥生成物は、特定の粒径または物理的フォーマットを達成するために、粉砕または顆粒化などによってさらに処理されてもよい。以下に記載される担体はまた、乾燥後に添加されてもよい。
【0067】
本発明の株の発酵ブロスの無細胞調製物は、発酵ブロスの抽出、遠心分離および/またはろ過のような、当技術分野で公知の任意の手段によって得ることができる。当業者は、いわゆる無細胞調製物は細胞を除去するために使用される技術(例えば、遠心分離の速度)に依存して細胞を欠いていなくてもよいが、むしろ、大部分は無細胞であるかまたは本質的に無細胞であることを理解する。得られた無細胞調製物は、乾燥され、および/または、植物または植物成長培地へのその適用を補助する成分を用いて処方され得る。発酵ブロスのための上記の濃縮方法および乾燥技術はまた、無細胞調製物に適用可能である。
【0068】
一実施形態では、発酵産物は、微生物(例えば、パエニバシラス属NRL B-50374株、パエニバシラス属NRL B-67721株、パエニバシラス属NRL B-67723株、またはパエニバシラス属NRL B-67724株またはその殺真菌性突然変異株)の少なくとも約1×104コロニー形成単位(CFU)/mLブロスを含む。別の実施形態では、発酵産物は、微生物の少なくとも約1×105コロニー形成単位(CFU)/mLブロスを含む。別の実施形態では、発酵産物は、微生物の少なくとも約1×106CFU/mLブロスを含む。さらに別の実施形態では、発酵産物は、微生物の少なくとも約1×107CFU/mLブロスを含む。別の実施形態では、発酵産物は、微生物の少なくとも約1×108CFU/mLブロスを含む。別の実施形態では、発酵産物は、微生物の少なくとも約1×109CFU/mLブロスを含む。別の実施形態では、発酵産物は、微生物の少なくとも約1×1010CFU/mLブロスを含む。別の実施形態では、発酵産物は、微生物の少なくとも約1×1011CFU/mLブロスを含む。
【0069】
本発明の組成物は、そのままでまたはその特定の物理的および/または化学的特性に応じて、例えば、エアロゾル、カプセル懸濁液、冷霧化濃縮物、温霧化濃縮物、カプセル化顆粒、細粒、種子の処理のための流動性濃縮物、すぐに使用できる液剤、粉塵、乳化性濃縮物、油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、マクロ顆粒、マイクロ顆粒、油分散性粉末、油混和性濃縮物、油混和性液剤、気体(圧力下)、ガス発生生成物、発泡体、ペースト、農薬被覆種子、懸濁濃縮物、油分散液、サスポ懸濁濃縮物、可溶性濃縮物、懸濁液、湿潤性粉末、可溶性粉末、ダストおよび顆粒、水溶性および水分散性顆粒または種子の処理のための水溶性および水分散性粉末、湿潤性粉末、活性成分を含浸させた天然物及び合成物、並びにポリマー物質中のマイクロカプセル化物、及び、種子用コーティング材料、および、ULV冷霧化および温霧化製剤のような、それらの製剤の形態で、または、それらから調製される使用形態で使用することができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は液体製剤である。液体製剤の非限定的な例としては、懸濁濃縮物および油分散液を含む。他の実施形態では、本発明の組成物は、固体製剤である。液体製剤の非限定的な例には、凍結乾燥粉末および噴霧乾燥粉末が含まれる。
【0071】
全ての植物および植物部分は、本発明に従って処理することができる。本文脈において、植物は、全ての植物および植物集団、例えば、所望および望ましくない野生植物または作物(天然に存在する作物植物を含む)を意味すると理解される。作物植物は、伝統的な繁殖および最適化方法によって、またはバイオテクノロジーおよび組換え方法によって、またはこれらの方法の組み合わせによって得ることができる植物であってもよく、トランスジェニック植物を含み、植物繁殖者の権利によって保護されることができるかまたは保護されない植物品種を含む。植物部分は、新芽(shoot)、葉、花および根のような植物の全ての空中および地下の部分および器官を意味すると理解され、例としては、葉、針葉、茎、茎、花、子実体、果実および種子、ならびに根、塊茎および根茎が挙げられる。植物部分はまた、作物材料、ならびに栄養繁殖および生殖繁殖材料(例えば、挿し木、塊茎、根茎、切り枝および種子)を含む。
【0072】
既に上述したように、全ての植物及びそれらの部分は、本発明に従って処理することができる。好ましい実施形態では、野生に成長するか、またはハイブリダイゼーションまたはプロトプラスト融合などの伝統的な生物学的繁殖方法によって得られる植物種および植物品種、ならびにそれらの部分が処理される。さらなる好ましい実施形態において、組換え方法によって得られたトランスジェニック植物および植物品種は、適切であれば、伝統的な方法(遺伝子改変された生物)と組み合わせて、およびそれらの部分が処理される。「部分」、「植物の部分」または「植物部分」という用語は、上記で説明されている。それぞれ市販されているかまたは使用されている植物品種の植物は、特に好ましくは本発明に従って処理される。植物品種は、伝統的な育種、突然変異誘発または組換えDNA技術の両方によって育種されてきた新規な形質を有する植物を意味すると理解されている。それらは、品種、種族、バイオタイプおよび遺伝子型の形態をとり得る。
【0073】
本発明の組成物による植物および植物部分の処理は、直接的に、または慣用の処理方法、例えば浸漬、噴霧、噴霧、霧化、蒸発、ダスティング、霧化、散布、泡立て、塗装、塗布、散布、注入、浸漬、浸漬、細流潅漑を用いて、環境、生息場所または貯蔵空間に作用させることによって、ならびに、繁殖材料の場合、特に種子の場合、さらに乾式種子処理方法、湿式種子処理方法、スラリー処理方法、被覆、1つ以上のコーティングなどによる被覆によって実施される。さらに、超低容量法によって活性物質を適用すること、または活性物質調製物または活性物質自体を土壌に注入することが可能である。
【0074】
植物の好ましい直接処理は、葉への適用処理であり、すなわち、本発明による組成物は、葉に適用され、処理頻度および適用速度を、問題の病原体の感染圧に適用させることが可能である。
【0075】
好ましい植物は、有用な植物、装飾品、ターフ、公共および家庭部門において装飾品として使用される一般的に使用される木、ならびに林業木の群からの植物である。森林樹木は、木材、セルロース、紙、および木の一部から作られた製品を生産するための樹木を含む。
【0076】
本文脈において使用される「農業植物」という用語は、食品、飼料、燃料を得るための植物としてまたは工業目的のために使用される作物植物を指す。
【0077】
「植物繁殖材料」および「植物繁殖体」という用語は、植物の増殖のために使用することができる、植物のすべての生殖部分、例えば種子および栄養植物材料、例えば挿し木および塊茎(例えばジャガイモ)を意味すると理解されるべきである。これには、種子、根、果実、塊茎、球根、根茎、新芽、芽および植物の他の部分が含まれる。発芽後または土壌からの出芽後に移植される種子および若い植物も挙げられる。これらの若い植物はまた、移植の前に浸漬または注ぐことによって、全体的または部分的に処理され得る。
【0078】
「場所」という用語は、植物が生育しているまたは生育することが意図されているあらゆる種類の環境、土壌、区域、または材料、ならびに植物および/またはその繁殖体の生育および発達に影響を及ぼす環境条件(温度、水の利用可能性、放射線など)として理解されるべきであり、さらに、「場所」という用語は、植物、種子、土壌、区域、有害生物が生育しているまたは生育し得る環境として理解されるべきである。
【0079】
「作物収量」は、植物の状態の指標であるが、「作物」は、収穫後にさらに利用される任意の植物または植物産物、例えば、適切な意味での果物、野菜、ナッツ、穀物、種子、木材(例えば、育林植物の場合)、花(例えば、園芸植物、装飾品の場合)などとして理解されるべきであり、これは、植物によって生産される経済的価値の任意のものである。
【0080】
本発明によれば、植物、特に農業用、造林用および/または装飾用植物の「収量の増加」は、それぞれの植物の産物の収量が、本発明の組成物を適用しない同じ条件下で生産された植物の同じ産物の収量よりも測定可能な量だけ増加することを意味する。
【0081】
「種子」という語は、真の種子、種子片、サッカー(suckers)、球茎、球根、果実、塊茎、穀物、挿し木、切り新芽などを含むがこれらに限定されないすべての種類の種子および植物繁殖体、ならびに好ましい実施形態では真の種子を包含する。
【0082】
用語「種子処理」は、種子粉衣、種子コーティング、種子ダスティング、種子浸漬、種子含浸および種子ペレット化のような当技術分野で公知のすべての適切な種子処理技術を含む。
【0083】
本発明の組成物および方法を用いて処理および/または改善することができる農業植物には、例えば、芝生、穀類、例えば小麦、大麦、ライムギ、エンバク、米、トウモロコシおよびキビ/モロコシ;ビート、例えばテンサイや飼料ビート;果実、例えばナシ状果、核果およびソフト果実、例えばリンゴ、ナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボおよびベリー、例えばイチゴ、ラズベリー、ブラックベリー;マメ科植物、例えばマメ、レンズマメ、エンドウマメおよびダイズ;油作物、例えばアブラナ、マスタード、ポッピー、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、ヒマシ油植物、カカオおよびピーナッツ;ウリ、例えばカボチャ/カボチャ、キュウリおよびメロン;繊維植物、例えば綿、亜麻、麻およびジュート;カンキツ果実、例えばオレンジ、レモン、グレープフルーツおよびタンジェリン類;野菜、例えばブロッコリー、ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ種、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモおよびベルペッパー;クスノキ科、例えばアボガド、シナモン、樟脳、または他の植物、例えばタバコ、ナッツ、コーヒー、オーベルギン、サトウキビ、茶、コショウ、ブドウ、ホップ、バナナ、ラテックス植物および装飾品、例えば花、低木、落葉樹および針葉樹を含む。この列挙は限定なものではない。
【0084】
以下の植物は、本発明の組成物および方法を適用するための特に適切な標的作物であると考えられる:綿、オーベルギン、芝生、ナシ状果、核果、ソフト果実、トウモロコシ、コムギ、オオムギ、キュウリ、タバコ、ブドウ、コメ、シリアル、ナシ、豆、ダイズ、アブラナ、トマト、ベルペッパー、メロン、キャベツ、ジャガイモおよびリンゴ。
【0085】
特に興味深いさらなる農業植物としては、例えば、穀類、例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、ライコムギ、エンバクまたはイネ;ビート、例えばテンサイや飼料ビート;果実、例えば、核果またはソフト果実、例えば、リンゴ、ナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリーまたはグースベリーのようなフルーツ;レニル、エンドウマメ、アルファルファまたはダイズのようなマメ科植物;ナタネ、マスタード、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、ココアビーン、ヒマシ油植物、ヤシ油ヤシ、粉砕ナッツまたはダイズのような油作物;スカッシュ、キュウリまたはメロンのようなウリ科;綿、亜麻、麻または黄麻のような繊維植物;オレンジ、レモン、グレープフルーツやマンダリンのようなカンキツ果実、野菜(ブロッコリー、ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、キュウリ、パプリカなど)、クスノキ科(アボカド、シナモン、カンファーなど)、エネルギー植物(トウモロコシ、ダイズ、ナタネ、サトウキビ又はオイルパーム);トウモロコシ、タバコ、ナッツ、コーヒー、茶、バナナ、つる植物(テーブルブドウ及びブドウジュース及びブドウのつる);ホップ;芝生、天然ゴム植物又は観賞用及び林業植物、例えば、花、低木、広葉樹若しくは針葉樹、及び、例えば種子のような植物繁殖材料及びこれらの植物の作物材料を含む。
【0086】
本発明による方法に従って改良することができる樹木の例は次のとおりである:モミ属種(Abies sp.)、ユーカリ属種(Eucalyptus sp.)、トウヒ属種(Picea sp.)、マツ属種(Pinus sp.)、トチノキ属種(Aesculus sp.)、プラタナス属種(Platanus sp.)、シナノキ属種(Tilia sp.)、カエデ属種(Acer sp.)、ツガ属種(Tsuga sp.)、トネリコ属種(Fraxinus sp.)、ナナカマド属種(Sorbus sp.)、マカンバ属種(Betula sp.)、サンザシ属種(Crataegus sp.)、ニレ属種(Ulmus sp.)、コナラ属種(Quercus sp.)、ブナ属種(Fagus sp.)、ヤナギ属種(Salix sp.)、ポプラ属種(Populus sp.)。
【0087】
本発明による方法に従って改良できる好ましい樹木は、樹木種トチノキ属からのA.ヒポカスタナム(A.hippocastanum)、A.パリフロラ(A.pariflora)、A.カルネア(A.carnea);樹木種プラタナス属からのP.アセリフロラ(P.aceriflora)、P.オシデンタリス(P.occidentalis)、P.ラセモサ(P.racemosa);樹木種トウヒ属からのP.アビエス(P.abies);樹木種マツ属からのP.ラジアート(P.radiate)、P.ポンデロサ(P.ponderosa)、P.コントルタ(P.contorta)、P.シルベストル(P.sylvestre)、P.エリオッティ(P.elliottii)、P.モンテコラ(P.montecola)、P.アルビカウリス(P.albicaulis)、P.レジノサ(P.resinosa)、P.パルストリス(P.palustris)、P.タエダ(P.taeda)、P.フレキシリス(P.flexilis)、P.ジェフレギ(P.jeffregi)、P.バクシアナ(P.baksiana)、P.ストロベス(P.strobes);樹木種ユーカリ属からのE.グランディス(E.grandis)、E.グロブルス(E.globulus)、E.カマデンティス(E.camadentis)、E.ニテンス(E.nitens)、E.オブリクア(E.obliqua)、E.レグナンス(E.regnans)、E.ピルラルス(E.pilularus)である。
【0088】
本発明による方法に従って改良することができる特に好ましい樹木は、樹木種マツ属からのP.ラジアート、P.ポンデロサ、P.コントルタ、P.シルベストル、P.ストロベス;樹木種ユーカリ属からのE.グランディス、E.グロブルスおよびE.カマデンティスである。
【0089】
本発明による方法に従って改良することができる非常に好ましい樹木は、セイヨウトチノキ(horse chestnut)、スズカケノキ科(Platanaceae)、菩提樹および楓である。
【0090】
本発明はまた、寒地型芝生および暖地型芝生を包含する任意の芝生に適用することもできる。寒地型芝生の例は、ブルーグラス(bluegrass)(イチゴツナギ属種(Poa spp.))、例えばケンタッキーブルーグラス(Kentucky bluegrass)(ポア・プラテンシス L.(Poa pratensis L.))、オオスズメノカタビラ(rough bluegrass)(ポア・トリビアリス L.(Poa trivialis L.))、コイチゴツナギ(Canada bluegrass)(ポア・コンプレッサ L.(Poa compressa L.))、スズメノカタビラ(annual bluegrass)(ポア・アンヌア L.(Poa annua L.))、アップランドブルーグラス(upland bluegrass)(ポア・グラウカンタ・ガウディン(Poa glaucantha Gaudin))、ウッドブルーグラス(wood bluegrass)(ポア・ネモラリス L.(Poa nemoralis L.))およびバルバスブルーグラス(bulbous bluegrass)(ポア・バルボサ L.(Poa bulbosa L.))など;ベントグラス(Bentgrass)(ヌカボ属種(Agrostis spp.))、例えばクリーピングベントグラス(creeping bentgrass)(アグロスティス・パルストリス Huds.(Agrostis palustris Huds.))、コロニアルベントグラス(colonial bentgrass)(アグロスティス・テニウス Sibth.(Agrostis tenuis Sibth.))、ベルベットベントグラス(velvet bentgrass)(アグロスティス・カニナ L.(Agrostis canina L.))、サウスジャーマンミックスドベントグラス(South German Mixed Bentgrass)(アグロスティス・テニウス Sibth.、アグロスティス・カニナ L.およびアグロスティス・パルストリス Huds.を包含するヌカボ属種)およびコヌカグサ(redtop)(アグロスティス・アルバ L.(Agrostis alba L.))など;
【0091】
ウシノケグサ(fescue)(ウシノケグサ属種(Festuca spp.))、例えばレッドフェスク(red fescue)(フェスツカ・ルブラ L.spp.ルブラ(Festuca rubra L.spp.rubra))、クリーピングフェスク(creeping fescue)(フェスツカ・ルブラ L.(Festuca rubra L.))、チューイングフェスク(chewings fescue)(フェスツカ・ルブラ・コミュタタ Gaud.(Festuca rubra commutata Gaud.))、シープフェスク(sheep fescue)(フェスツカ・オビナ L.(Festuca ovina L.))、ハードフェスク(hard fescue)(フェスツカ・ロンギホリア Thuill.((Festuca longifolia Thuill.))、ヘアフェスク(hair fescue)(フェスツク・カピラタ Lam.(Festucu capillata Lam.))、トールフェスク(tall fescue)(フェスツカ・アルンディナセア Schreb.(Festuca arundinacea Schreb.))およびメドウフェスク(meadow fescue)(フェスツカ・エラノル L.(Festuca elanor L.))など;
【0092】
ライグラス(ryegrass)(ドクムギ属種(Lolium spp.))、例えば一年生ライグラス(annual ryegrass)(ロリウム・マルチフロラム Lam.(Lolium multiflorum Lam.))、ペレニアルライグラス(perennial ryegrass)(ロリウム・ペレンネ L.(Lolium perenne L.))およびイタリアンライグラス(Italian ryegrass)(ロリウム・マルチフロラム Lam.)など;
【0093】
および、ウィートグラス(wheatgrass)(カモジグサ属種(Agropyron spp.))、例えばフェアウェイウィートグラス(fairway wheatgrass)(アグロピロン・クリステータム(L.)Gaertn.(Agropyron cristatum(L.)Gaertn.))、クレステッドウィートグラス(crested wheatgrass)(アグロピロン・デザートラム(Fisch.)Schult.(Agropyron desertorum(Fisch.)Schult.))およびウェスタンウィートグラス(western wheatgrass)(アグロピロン・スミチイ Rydb.(Agropyron smithii Rydb.))などである。
【0094】
さらなる寒地型芝生の例は、ビーチグラス(beachgrass)(アンモフィラ・ブレビリグラタ Fern.(Ammophila breviligulata Fern.))、スムーズブロムグラス(smooth bromegrass)(ブロムス・イネルミス Leyss.(Bromus inermis Leyss.))、ガマ(cattail)、例えばオオアワガエリ(Timothy)(フレウム・プラテンス L.(Phleum pratense L.))、サンドキャットテイル(sand cattail)(フレウム・サブラタム L.(Phleum subulatum L.))、カモガヤ(orchardgrass)(ダクチリス・グロメラタ L.(Dactylis glomerata L.))、ウィーピングアルカリグラス(weeping alkaligrass)(プッチネリア・ディスタンス(L.)Parl.(Puccinellia distans(L.)Parl.))およびクシガヤ(crested dog’s-tail)(シノスルス・クリステータス L.(Cynosurus cristatus L.))などである。
【0095】
暖地型芝生の例は、ギョウギシバ(Bermuda grass)(シノドン spp.L.C.リッチ(Cynodon spp.L.C.Rich))、ノシバ(zoysia grass)(ゾイシア spp.Willd.(Zoysia spp.Willd.))、セントオーガスティングラス(St.Augustine grass)(ステノタフラム・セクンダタム・ワルト・クンツ(Stenotaphrum secundatum Walt Kuntze))、センチピードグラス(centipede grass)(エレモクロア・オフィウロイデス・ムンロ Hack.(Eremochloa ophiuroides Munro Hack.))、カーペットグラス(carpet grass)(アクソノパス・アフィニス・ケーゼ(Axonopus affinis Chase))、バヒアグラス(Bahia grass)(パスパラム・ノテータム・フルッゲ(Paspalum notatum Flugge))、キクユグラス(Kikuyu grass)(ペニセタム・クランデスティナムチヌム Hochst.ex Chiov.(Pennisetum clandestinum Hochst.ex Chiov.))、バッファローグラス(buffalo grass)(ブフロー・ダクチロイズ(Nutt.)Engelm.(Buchloe dactyloids(Nutt.)Engelm.))、ブルーグランマ(Blue gramma)(ボウテロウア・グラシリス(H.B.K.)Lag.ex グリフィトス(Bouteloua gracilis(H.B.K.)Lag.ex Griffiths))、シーショアパスパラム(seashore paspalum)(パスパラム・バギナタム・スワルツ(Paspalum vaginatum Swartz))およびアゼガヤモドキ(sideoats grama)(ボウテロウア・カルチペンデュラ(Bouteloua curtipendula)(Michx.Torr.))である。寒地型芝生は、一般に、本発明に従った使用が好ましい。特に好ましいのは、ブルーグラス、ベントグラスおよびコヌカグサ、ウシノケグサおよびライグラスである。ベントグラスが特に好ましい。
【0096】
本発明の組成物は、強力な殺菌活性を有し、作物保護および材料の保護において、真菌および細菌などの望ましくない微生物の防除に使用することができる。
【0097】
本発明はまた、本発明の組成物が植物病原性真菌、植物病原性細菌および/またはその生息場所に施用されることを特徴とする、望ましくない微生物を防除するための方法に関する。
【0098】
殺真菌剤は、植物病原性真菌の防除のために作物保護に使用できる。これらは、特にネコブカビ類(Plasmodiophoromycetes)、卵菌類(Peronosporomycetes(別名Oomycetes))、ツボカビ類(Chytridiomycetes)、接合菌類(Zygomycetes)、子嚢菌類(Ascomycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)および不完全菌類(Deuteromycetes)のクラスのメンバーである、土壌伝染性病原菌を含む広範囲の植物病原性真菌類に対する顕著な効力によって特徴付けられる。一部の殺真菌剤はシステミック的に活性があり、葉、種子被覆材または土壌殺真菌剤として植物保護に使用できる。さらに、それらは、特に植物の木部または根に寄生する菌類と闘うのに適している。
【0099】
殺細菌剤は、シュードモナス科(Pseudomonadaceae)、リゾビウム科(Rhizobiaceae)、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、コリネバクテリウム科(Corynebacteriaceae)およびストレプトミセス科(Streptomycetaceae)の防除のために作物保護に使用できる。
【0100】
本発明に従って処理することができる真菌性病害の病原体の非限定的な例としては、以下を含む:
【0101】
うどんこ病(powdery mildew)病原体に起因する病害、例えば、ブルメリア属種(Blumeria species)、例えばブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis);ポドスファエラ属種(Podosphaera species)、例えばポドスファエラ・ロイコトリカ(Podosphaera leucotricha);スファエロテカ属種(Sphaerotheca species)、例えばスファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea);ウンシヌラ属種(Uncinula species)、例えばウンシヌラ・ネカトル(Uncinula necator)に起因するもの;
【0102】
サビ病(rust disease)病原体に起因する病害、例えば、ギムノスポランギウム属種(Gymnosporangium species)、例えばギムノスポランギウム・サビナエ(Gymnosporangium sabinae);ヘミレイア属種(Hemileia species)、例えばヘミレイア・バスタトリクス(Hemileia vastatrix);ファコプソラ属種(Phakopsora species)、例えばファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)およびファコプソラ・メイボミアエ(Phakopsora meibomiae);プッシニア属種(Puccinia species)、例えばプッシニア・レコンジテ(Puccinia recondite)、P.トリチシナ(P.triticina)、P.グラミニス(P.graminis)またはP.ストリイホルミス(P.striiformis);ウロミセス属種(Uromyces species)、例えばウロミセス・アペンジクラタス(Uromyces appendiculatus)に起因するもの;
【0103】
卵菌類(Oomycetes)の群からの病原体に起因する病害、例えば、アルブゴ属種(Albugo species)、例えばアルブゴ・カンジダ(Algubo candida);ブレミア属種(Bremia species)、例えばブレミア・ラクツカエ(Bremia lactucae);ペロノスポラ属種(Peronospora species)、例えばペロノスポラ・ピシ(Peronospora pisi)またはP.ブラシカエ(P.brassicae);フィトフトラ属種(Phytophthora species)、例えばフィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans);プラスモパラ属種(Plasmopara species)、例えばプラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola);シュードペロノスポラ属種(Pseudoperonospora species)、例えばシュードペロノスポラ・フムリ(Pseudoperonospora humuli)またはシュードペロノスポラ・キュベンシス(Pseudoperonospora cubensis);フィチウム属種(Pythium species)、例えばフィチウム・ウルチマム(Pythium ultimum)に起因するもの;
【0104】
葉汚斑性病害(leaf blotch disease)および葉萎凋性病害(leaf wilt disease)、例えば、アルテルナリア属種(Alternaria species)、例えばアルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani);セルコスポラ属種(Cercospora species)、例えばセルコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola);クラジオスポリウム属種(Cladiosporium species)、例えばクラジオスポリウム・ククメリナム(Cladiosporium cucumerinum);コクリオボルス属種(Cochliobolus species)、例えばコクリオボルス・サチバス(Cochliobolus sativus)(分生子形態:ドレクスレラ(Drechslera)、ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)と同義)、コクリオボルス・ミヤベアヌス(Cochliobolus miyabeanus);コレトトリカム属種(Colletotrichum species)、例えばコレトトリカム・リンデムタニウム(Colletotrichum lindemuthanium);シクロコニウム属種(Cycloconium species)、例えばシクロコニウム・オレアギナム(Cycloconium oleaginum);ジアポルテ属種(Diaporthe species)、例えばジアポルテ・シトリ(Diaporthe citri);エルシノエ属種(Elsinoe species)、例えばエルシノエ・ファウセッティ(Elsinoe fawcettii);グロエオスポリウム属種(Gloeosporium species)、例えばグロエオスポリウム・ラエチコロル(Gloeosporium laeticolor);グロメレラ属種(Glomerella species)、例えばグロメレラ・シングラタ(Glomerella cingulata);ギナーディア属種(Guignardia species)、例えばギナーディア・ビドウェリ(Guignardia bidwelli);レプトスフェリア属種(Leptosphaeria species)、例えばレプトスフェリア・マクランス(Leptosphaeria maculans)、レプトスフェリア・ノドラム(Leptosphaeria nodorum);マグナポルテ属種(Magnaporthe species)、例えばマグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea);マルゾニア属種(Marssonia species)、例えばマルゾニア・コロナリア(Marssonia coronaria);ミクロドキウム属種(Microdochium species)、例えばミクロドキウム・ニバレ(Microdochium nivale);ミコスファエレラ属種(Mycosphaerella species)、例えばミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)、M.アラキジコラ(M.arachidicola)およびM.フィジエンシス(M.fijiensis);ファエオスファエリア属種(Phaeosphaeria species)、例えばファエオスファエリア・ノドラム(Phaeosphaeria nodorum);ピレノフォラ属種(Pyrenophora species)、例えばピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)、ピレノフォラ・トリチシ・レペンチス(Pyrenophora tritici repentis);ラムラリア属種(Ramularia species)、例えばラムラリア・コロ-シグニ(Ramularia collo-cygni)、ラムラリア・アレオラ(Ramularia areola);リンコスポリウム属種(Rhynchosporium species)、例えばリンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis);セプトリア属種(Septoria species)、例えばセプトリア・アピイ(Septoria apii)、セプトリア・リコペルシイ(Septoria lycopersii);チフラ属種(Typhula species)、例えばチフラ・インカルナタ(Typhula incarnata);ベンツリア属種(Venturia species)、例えばベンツリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)に起因するもの;
【0105】
根および茎の病害、例えば、コルチシウム属種(Corticium species)、例えばコルチシウム・グラミネアルム(Corticium graminearum);フザリウム属種(Fusarium species)、例えばフザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum);ゴウマノマイセス属種(Gaeumannomyces species)、例えばゴウマノマイセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis);リゾクトニア属種(Rhizoctonia species)、例えばリゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)などに起因するもの;サロクラジウム病(Sarocladium disease)、例えばサロクラジウム・オリゼ(Sarocladium oryzae)に起因するもの;スクレロチウム病(Sclerotium disease)、例えばスクレロチウム・オリゼ(Sclerotium oryzae)に起因するもの;タペシア属種(Tapesia species)、例えばタペシア・アクホルミス(Tapesia acuformis);チエラビオプシス属種(Thielaviopsis species)、例えばチエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola)に起因するもの;
【0106】
穂(ear and panicle)(コーン穂軸を包含する)の病害、例えば、アルテルナリア属種(Alternaria species)、例えばアルテルナリア属の各種(Alternaria spp.);アスペルギルス属種(Aspergillus species)、例えばアスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus);クラドスポリウム属種(Cladosporium species)、例えばクラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides);クラビセプス属種(Claviceps species)、例えばクラビセプス・プルプレア(Claviceps purpurea);フザリウム属種、例えばフザリウム・クルモラム(Fusarium culmorum);ジベレラ属種(Gibberella species)、例えばジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae);モノグラフェラ属種(Monographella species)、例えばモノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis);セプトリア属種、例えばセプトリア・ノドラム(Septoria nodorum)に起因するもの;
【0107】
黒穂菌類に起因する病害、例えばスファセロテカ属種(Sphacelotheca species)、例えばスファセロテカ・レイリアナ(Sphacelotheca reiliana);チレチア属種(Tilletia species)、例えばチレチア・カリエス(Tilletia caries)、T.コントロベルサ(T.controversa);ウロシスチス属種(Urocystis species)、例えばウロシスチス・オクルタ(Urocystis occulta);ウスチラゴ属種(Ustilago species)、例えばウスチラゴ・ヌダ(Ustilago nuda)、U.ヌダ・トリチシ(U.nuda tritici)に起因するもの;
【0108】
果実の腐敗、例えば、アスペルギルス属種(Aspergillus species)、例えばアスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus);ボトリチス属種(Botrytis species)、例えばボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea);ペニシリウム属種(Penicillium species)、例えばペニシリウム・エキスパンサム(Penicillium expansum)およびP.プルプロゲナム(P.purpurogenum);スクレロチニア属種(Sclerotinia species)、例えばスクレロチニア・スクレロチオラム(Sclerotinia sclerotiorum);ベルチシリウム属種(Verticilium species)、例えばベルチシリウム・アルボアトラム(Verticilium alboatrum)に起因するもの;
【0109】
種子および土壌が媒介する腐食、カビ、萎凋、腐敗および立枯病(damping-off disease)、例えば、アルテルナリア属種(Alternaria species)、例えばアルテルナリア・ブラシシコラ(Alternaria brassicicola)に起因するもの;アファノミセス属種(Aphanomyces species)、例えばアファノミセス・エウテイケス(Aphanomyces euteiches)に起因するもの;アスコキタ属種(Ascochyta species)、例えばアスコキタ・レンチス(Ascochyta lentis)に起因するもの;アスペルギルス属種(Aspergillus species)、例えばアスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)に起因するもの;クラドスポリウム属種(Cladosporium species)、例えばクラドスポリウム・ヘルバラム(Cladosporium herbarum)に起因するもの;コクリオボルス属種(Cochliobolus species)、例えばコクリオボルス・サチバス(Cochliobolus sativus);(分生子形態:ドレクスレラ(Drechslera)、ビポラリス(Bipolaris):ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)と同義)に起因するもの;コレトトリカム属種(Colletotrichum species)、例えばコレトトリカム・コッコデス(Colletotrichum coccodes)に起因するもの;フザリウム属種(Fusarium species)、例えばフザリウム・クルモラム(Fusarium culmorum)に起因するもの;ジベレラ属種(Gibberella species)、例えばジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae)に起因するもの;マクロフォミナ属種(Macrophomina species)、例えばマクロフォミナ・ファゼオリナ(Macrophomina phaseolina)に起因するもの;モノグラフェラ属種(Monographella species)、例えばモノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis)に起因するもの;ペニシリウム属種(Penicillium species)、例えばペニシリウム・エキスパンサム(Penicillium expansum)に起因するもの;フォーマ属種(Phoma species)、例えばフォーマ・リンガム(Phoma lingam)に起因するもの;フォモプシス属種(Phomopsis species)、例えばフォモプシス・ソジャエ(Phomopsis sojae)に起因するもの;フィトフトラ属種(Phytophthora species)、例えばフィトフトラ・カクトラム(Phytophthora cactorum)に起因するもの;ピレノフォラ属種(Pyrenophora species)、例えばピレノフォラ・グラミネア(Pyrenophora graminea)に起因するもの;ピリクラリア属種(Pyricularia species)、例えばピリクラリア・オリゼ(Pyricularia oryzae)に起因するもの;フィチウム属種(Pythium species)、例えばフィチウム・ウルチマム(Pythium ultimum)に起因するもの;リゾクトニア属種(Rhizoctonia species)、例えばリゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)に起因するもの;リゾプス属種(Rhizopus species)、例えばリゾプス・オリゼ(Rhizopus oryzae)に起因するもの;スクレロチウム属種(Sclerotium species)、例えばスクレロチウム・ロルフシイ(Sclerotium rolfsii)に起因するもの;セプトリア属種(Septoria species)、例えばセプトリア・ノドラム(Septoria nodorum)に起因するもの;チフラ属種(Typhula species)、例えばチフラ・インカルナタ(Typhula incarnata)に起因するもの;ベルチシリウム属種(Verticillium species)、例えばベルチシリウム・ダーリアエ(Verticillium dahliae)に起因するもの;
【0110】
がん腫病、虫こぶおよび天狗巣病(witches’ broom)、例えば、ネクトリア属種(Nectria species)、例えばネクトリア・ガリゲナ(Nectria galligena)に起因するもの;
【0111】
萎凋病(wilt disease)、例えば、モニリニア属種(Monilinia species)、例えばモニリニア・ラキサ(Monilinia laxa)に起因するもの;
【0112】
葉ぶくれ病(leaf blister disease)または葉巻病(leaf curl disease)、例えばエクソバシジウム属種(Exobasidium species)、例えばエクソバシジウム・ベキサンス(Exobasidium vexans)に起因するもの;
【0113】
タフリナ属種(Taphrina species)、例えばタフリナ・デフォルマンス(Taphrina deformans);
【0114】
木本植物の変性病害、例えば、エスカ病(Esca disease)、例えばファエモニエラ・クラミドスポラ(Phaemoniella clamydospora)、ファエオアクレモニウム・アレオフィラム(Phaeoacremonium aleophilum)およびフォミチポリア・メジテラネア(Fomitiporia mediterranea)に起因するもの;;ユータイパ・ダイバック(Eutypa dyeback)、例えばユータイパ・ラタ(Eutypa lata)に起因するもの;ガノデルマ病(Ganoderma disease)、例えばガノデルマ・ボニネンセ(Ganoderma boninense)に起因するもの;リギドポルス病(Rigidoporus disease)、例えばリギドポルス・リグノサス(Rigidoporus lignosus)に起因するもの;
【0115】
花および種子の病害、例えば、ボトリチス属種(Botrytis species)、例えばボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)に起因するもの;
【0116】
植物塊茎の病害、例えば、リゾクトニア属種(Rhizoctonia species)、例えばリゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani);ヘルミントスポリウム属種(Helminthosporium species)、例えばヘルミントスポリウム・ソラニ(Helminthosporium solani)に起因するもの;
【0117】
根こぶ、例えば、プラスモディオフォラ属種(Plasmodiophora species)、例えばプラスモディオフォラ・ブラシカエ(Plamodiophora brassicae)に起因するもの;
【0118】
細菌性病原体に起因する病害、例えばキサントモナス属種(Xanthomonas species)、例えばキサントモナス・カムペストリス病原型オリゼ(Xanthomonas campestris pv.oryzae);シュードモナス属種(Pseudomonas species)、例えばシュードモナス・シリンガエ病原型ラクリマンス(Pseudomonas syringae pv.lachrymans);エルウィニア属種(Erwinia species)、例えばエルウィニア・アミロボラ(Erwinia amylovora)に起因するもの。
【0119】
以下の大豆の病気を好適に防除できる:
【0120】
葉、茎、さやおよび種子の真菌病、例えば、アルテルナリア斑点病(Alternaria leaf spot)(アルテルナリア属種アトランス・テヌイシマ(atrans tenuissima))、炭疽病(コレトトリカム・グロエオスポロイデス・デマティウム変種トランケイタム(Colletotrichum gloeosporoides dematium var.truncatum))、褐斑症(brown spot)(セプトリア・グリシネス(Septoria glicines))、セルコスポラ斑点病および胴枯病(cercospora leaf spot and blight)(セルコスポラ・キクチイ(Cercospora kikuchii))、コアネフォラ葉枯病(choanephora leaf blight)(コアネフォラ・インフンジブリフェラ・トリスポラ(Choanephora infundibulifera trispora)と同義)、ダクツリオホラ斑点病(dactuliophora leaf spot)(ダクツリオホラ・グリシネス(Dactuliophora glycines))、べと病(downy mildew)(ペロノスポラ・マンシュリカ(Peronospora manshurica))、ドレクスレラ葉枯病(drechslera blight)(ドレクスレラ・グリシニ(Drechslera glycini))、フロッグアイ斑点病(frogeye leaf spot)(セルコスポラ・ソジナ(Cercospora sojina))、レプトスファエルリナ斑点病(leptosphaerulina leaf spot)(レプトスファエルリナ・トリホリイ(Leptosphaerulina trifolii))、フィロスティカ斑点病(phyllostica leaf spot)(フィロスティカ・ソジャエコラ(Phyllosticta sojaecola))、さやおよび茎枯病(pod and stem blight)(フォモプシス・ソジャエ(Phomopsis sojae))、うどんこ病(ミクロスファエラ・ジフーサ(Microsphaera diffusa))、ピレノカエタ斑点病(pyrenochaeta leaf spot)(ピレノカエタ・グリシネス(Pyrenochaeta glycines))、リゾクトニア葉腐、葉枯およびくもの巣病(rhizoctonia aerial,foliage,and web blight)(リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani))、サビ病(ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)、ファコプソラ・メイボミアエ(Phakopsora meibomiae))、黒痘病(scab)(スファセロマ・グリシネス(Sphaceloma glycines))、ステムフィリウム葉枯病(stemphylium leaf blight)((ステムフィリウム・ボトリオサム(Stemphylium botryosum))、輪紋病(target spot)(コリネスポラ・カッシイコラ(Corynespora cassiicola))に起因するもの。
【0121】
根および茎基部の真菌病、例えば、黒色根腐病(black root rot)(カロネクトリア・クロタラリアエ(Calonectria crotalariae))、炭疽病(charcoal rot)(マクロフォミナ・ファゼオリナ(Macrophomina phaseolina))、赤かび病またはフザリウム萎凋、根腐ならびにさやおよび地際部腐病(fusarium blight or wilt,root rot,and pod and collar rot)(フザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・オルトセラス(Fusarium orthoceras)、フザリウム・セミテクタム(Fusarium semitectum)、フザリウム・エクイセチ(Fusarium equiseti))、ミコレプトディスカス根腐病(mycoleptodiscus root rot)(ミコレプトディスカス・テレストリス(Mycoleptodiscus terrestris))、ネオコスモスポラ(neocosmospora)(ネオコスモスポラ・バシンフェクタ(neocosmospora vasinfecta)、さやおよび茎枯病(pod and stem blight)(ジアポルテ・ファセオロラム(Diaporthe phaseolorum))、茎潰瘍(stem canker)(ジアポルテ・ファセオロラム変種コーリボラ(Diaporthe phaseolorum var.caulivora))、フィトフトラ腐敗病(phytophthora rot)(フィトフトラ・メガスペルマ(Phytophthora megasperma))、落葉病(brown stem rot)(フィアロホラ・グレガタ(Phialophora gregata))、フィチウム腐敗病(pythium rot)(フィチウム・アファニデルマタム(Pythium aphanidermatum)、フィチウム・イレグラレ(Pythium irregulare)、フィチウム・デバリアヌム(Pythium debaryanum)、フィチウム・ミリオチルム(Pythium myriotylum)、フィチウム・ウルチマム(Pythium ultimum))、リゾクトニア根腐病、茎腐病および立枯病(rhizoctonia root rot,stem decay,and damping-off)(リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani))、スクレロチニア茎腐病(sclerotinia stem decay)(スクレロチニア・スクレロチオラム(Sclerotinia sclerotiorum))、スクレロチニア白絹病(sclerotinia southern blight)(スクレロチニア・ロルフシ(Sclerotinia rolfsii))、チエラビオプシス根腐病(Thielaviopsis root rot)(チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola))に起因するもの。
【0122】
本発明の殺真菌組成物は、植物病原性真菌の治癒的または保護的/予防的防除に使用することができる。従って、本発明は、種子、植物または植物部分、果実または植物が生育する土壌に適用される本発明の組成物の使用による植物病原菌の防除のための治癒的および保護的方法にも関連する。
【0123】
植物の病気を防除するのに必要な濃度でその組成物が植物によく耐えられるという事実は、植物の地上部、繁殖株や種子、土壌の処理を可能にする。
【0124】
本発明によれば、全ての植物および植物部分は、(植物品種または植物育種家の権利によって保護可能であるか否かにかかわらず)栽培品種および植物品種を含めて治療することができる。栽培品種および植物品種は、二重半数体の使用、プロトプラスト融合、ランダムおよび指向突然変異誘発、分子または遺伝子マーカー、または生物工学および遺伝子工学的方法によるような1つ以上のバイオテクノロジー的方法によって補助または補足できる従来の増殖および育種方法によって得られた植物であり得る。
【0125】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される組成物は、植物成長、植物活力、および/または作物収量を増強するために使用される。「収量」は、穀物、適切な意味での果実、野菜、ナッツ、穀物、種子、木材(例えば、シルヴィカルチャー植物の場合)、または花(例えば、園芸植物、装飾品の場合)などの、植物によって生産される経済的価値の任意の植物産物として理解されるべきである。さらに、植物産物は、収穫後にさらに利用および/または処理されてもよい。
【0126】
本発明によれば、植物、特に農業用、造林用および/または装飾用植物の「収量の増加」は、それぞれの植物の産物の収量が同じ条件下で生産された植物の同じ産物の収量よりも測定可能な量だけ増加することを意味するが、本発明の組成物を適用しない。収量の増加は、とりわけ、植物の以下の改善された特性を追跡することによって特徴付けることができる:
・ 植物重量の増加、
・ 植物の高さが増す、
・ 生鮮および/または乾燥重量の増加などのバイオマスの増加、
・ 穀物収量の増加、
・ より多くの耕作、
・ 大きな葉、
・ 新芽(shoot)成長の増加、
・ タンパク量の増加、
・ 油分増加、
・ デンプン含量の増加、
・ 顔料含有量の増加。
【0127】
本発明の一実施形態によれば、収率は少なくとも5%増加する。本発明の別の実施形態によれば、収率は少なくとも10%増加する。本発明の別の実施形態によれば、収率は少なくとも15%増加する。本発明の別の実施形態によれば、収率は少なくとも30%増加する。本発明の別の実施形態によれば、収率は少なくとも40%増加する。
【0128】
植物の状態に関する別の指標は、「植物活力」である。植物の活力は、一般的な視覚的外観のようないくつかの局面において明らかになる。改善された植物活力は、とりわけ、植物の以下の改善された特性を追跡することによって特徴付けることができる:
・ 植物の活力向上、
・ 植物成長の改善、
・ 植物開発の改善、
・ 外観の改善、
・ 植物の立ち上がり(植物の逆行/ロッジングが少ない)の改善、
・ 発芽の改善、
・ 増強された根の成長および/またはより発達した根系、
・ 根粒形成の促進、特に根粒菌の根粒形成、
・ 大きな葉身、
・ 植物サイズの拡大、
・ 植物重量の増加、
・ 植物の高さが増す、
・ 耕作数の増加、
・ 新芽成長の増加、
・ 根の成長の増加(広範な根系)、
・ 根塊の大きさの増加(広範な根系)、
・ 貧しい土壌や不利な気候で栽培された場合の収量の増加、
・ 光合成活性の増強、
・ 色の変化(例えば、色素含量の増加(例えばクロロフィル含量)、
・ 早期開花、
・ 早期の結実、
・ 発芽の早期化・改良、
・ 早期の(進行した)穀物の成熟度、
・ 自衛メカニズムの改善、
・ 非生産性の耕作が少ない、
・ 枯れた基底葉が少ない、
・ 必要な投入量(肥料や水など)が少ない、
・ 葉の緑化、葉面積の増加、
・ 植生期間の短縮による完熟、
・ 必要な肥料が少ない、
・ 必要な種子が少ない、
・ 収穫の容易化、
・ より速く、より均一な熟成、
・ 有効期間の延長、
・ 長い円錐花序、
・ 老化の遅延、
・ より強力かつ/または生産性の高い耕作、
・ 成分の抽出性の向上、
・ 種子の品質向上(次期の種子生産のための播種)、
・ エチレンの生成の減少および/または植物によるエチレンの受容阻害
・ 紡錘状の葉、
・ ears/m2の増加。
【0129】
本発明による植物活力の改善は、特に、上記の植物特性のいずれか1つまたはいくつかまたは全ての改善が組成物または活性成分の殺虫作用とは独立して改善されることを意味する。増加した活力は例えば、野外に移植され得る植物のより高いパーセンテージ、または市場性のある植物(例えば、トマト)の増加した数を生じ得る。
【0130】
特定の局面において、本発明の組成物は、ヘクタール当たり約1×104~約1×1014のコロニー形成単位(CFU)、ヘクタール当たり約1×104~約1×1012のコロニー形成単位(CFU)、ヘクタール当たり約1×104~約1×1010のコロニー形成単位(CFU)、ヘクタール当たり約1×104~約1×108のコロニー形成単位(CFU)、ヘクタール当たり約1×106~約1×1014コロニー形成単位(CFU)、ヘクタール当たり約1×106~約1×1012のコロニー形成単位(CFU)、ヘクタール当たり約1×106~約1×1010のコロニー形成単位(CFU)、ヘクタール当たり約1×106~約1×108のコロニー形成単位(CFU)、ヘクタール当たり約1×108~約1×1014のコロニー形成単位(CFU)、ヘクタール当たり約1×108~約1×1012のコロニー形成単位(CFU)、ヘクタール当たり約1×108~約1×1010のコロニー形成単位(CFU)で施用される。
【0131】
他の局面において、本発明の組成物は、ヘクタール当たり約1×106~約1×1014コロニー形成単位(CFU)で適用され、ヘクタール当たり約1×106~約1×1012コロニー形成単位(CFU)、ヘクタール当たり約1×106~約1×1010コロニー形成単位(CFU)、ヘクタール当たり約1×106~約1×108コロニー形成単位(CFU)で施用される。さらに他の態様では、本発明の組成物は、ヘクタール当たり約1×109~約1×1013のコロニー形成単位(CFU)で施用される。ある局面において、本発明の組成物は、ヘクタール当たり約1×1010~約1×1012のコロニー形成単位(CFU)で施用される。
【0132】
特定の実施形態では、本発明の組成物は、ヘクタール当たり約0.1kg~約20kgの発酵固形物で施用される。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、ヘクタール当たり約0.1kg~約10kgの発酵固形物で施用される。他の実施態様において、本発明の組成物は、ヘクタール当たり約0.25kg~約7.5kgの発酵固形物で施用される。さらに他の実施形態において、本発明の組成物は、ヘクタール当たり約0.5kg~約5kgの発酵固形物で施用される。本発明の組成物はまた、ヘクタール当たり約1kgまたは約2kgの発酵固形物で施用され得る。
【0133】
本発明の組成物は、良好な環境適合性を示す場合、植物が良好な耐性を示し、恒温動物に対する毒性も望ましい程度であり、植物及び植物の器官を保護するのに適しており、収穫高を増大させるのに適しており、収穫物の質を向上させるのに適している。これらは、作物保護組成物として使用することが好ましい。これらは、通常の感受性種及び抵抗性種に対して活性を示し、さらに、全ての発育段階又は一部の発育段階に対して活性を示す。
【0134】
本発明に従って処理することができる植物としては、以下の主要作物植物が挙げられる:トウモロコシ、ダイズ、アルファルファ、ワタ、ヒマワリ、アブラナ属(Brassica)油料種子、例えばブラシカ・ナプス(Brassica napus)(例としてキャノーラ、ナタネ)、ブラシカ・ラパ(Brassica rapa)、B.ユンセア(B.juncea)(例としてカラシナ(菜の花(field mustard)))およびブラシカ・カリナタ(Brassica carinata)など、ヤシ科植物(Arecaceae sp.)(例としてアブラヤシ、ココナツ)、米、小麦、テンサイ、サトウキビ、カラス麦、ライ麦、大麦、キビおよびソルガム、ライ小麦、アマ、ナッツ、ブドウおよびブドウの木、ならびに様々な植物学的分類からの様々な果実および野菜、例としてバラ科植物(Rosaceae sp.)(例として仁果、例えばリンゴおよびナシなど、これらだけでなく核果、例えばアンズ、サクランボ、アーモンド、プラムおよびモモなど、ならびに液果、例えばイチゴ、ラズベリー、アカフサスグリおよびクロフサスグリおよびスグリなど)、リベシオイダエ科植物(Ribesioidae sp.)、クルミ科植物(Juglandaceae sp.)、カバノキ科植物(Betulaceae sp.)、ウルシ科植物(Anacardiaceae sp.)、ブナ科植物(Fagaceae sp.)、クワ科植物(Moraceae sp.)、モクセイ科植物(Oleaceae sp.)(例としてオリーブ)、マタタビ科植物(Actinidaceae sp.)、クスノキ科植物(Lauraceae sp.)(例としてアボカド、シナモン、ショウノウ)、バショウ科植物(Musaceae sp.)(例としてバナナの木および栽植)、アカネ科植物(Rubiaceae sp.)(例としてコーヒー)、ツバキ科植物(Theaceae sp.)(例として茶)、アオギリ科植物(Sterculiceae sp.)、ミカン科植物(Rutaceae sp.)(例としてレモン、オレンジ、マンダリンおよびグレープフルーツ);ナス科植物(Solanaceae sp.)(例としてトマト、ジャガイモ、コショウ、トウガラシ、ナス、タバコ)、ユリ科植物(Liliaceae sp.)、キク科植物(Compositiae sp.)(例としてレタス、アーティチョークおよびチコリー-ルートチコリー(root chicory)、エンダイブまたはカモンチコリー(common chicory)など)、セリ科植物(Umbelliferae sp.)(例としてニンジン、パセリ、セロリおよびセルリアック)、ウリ科植物(Cucurbitaceae sp.)(例としてキュウリ-ガーキン(gherkin)、カボチャ、スイカ、ヒョウタンおよびメロンなど)、ネギ科植物(Alliaceae sp.)(例としてニラおよびタマネギ)、アブラナ科植物(Cruciferae sp.)(例としてホワイトキャベツ、レッドキャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、チンゲンサイ、コールラビ、ダイコン、セイヨウワサビ、クレソンおよび白菜)、マメ科植物(Leguminosae sp.)(例としてピーナッツ、エンドウマメ、レンズマメおよびマメ類-例としてインゲンマメおよびソラマメ)、アカザ科植物(Chenopodiaceae sp.)(例としてフダンソウ、飼料ビート、ホウレンソウ、ビートルート)、アマ科植物(Linaceae sp.)(例としてアサ)、アサ科植物(Cannabeacea sp.)(例として大麻)、アオイ科植物(Malvaceae sp.)(例としてオクラ、ココア)、ケシ科(Papaveraceae)(例としてケシ)、クサスギカズラ科(Asparagaceae)(例としてアスパラガス);芝、芝生、草およびステビア・レバウジアナ(Stevia rebaudiana)などの庭園および森林中で有用な植物および観賞植物;ならびに各々の場合にこれらの植物の遺伝子改変型。
【0135】
特定の局面において、発酵産物は、製剤成分をさらに含む。製剤成分は、湿潤剤、増量剤、溶媒、自発性促進剤、乳化剤、分散剤、凍結保護剤、増粘剤および/またはアジュバントであってよい。1つの実施形態において、製剤成分は湿潤剤である。他の局面では、発酵産物は凍結乾燥粉末またはスプレー乾燥粉末である。
【0136】
本発明の組成物は、回収率、有効性または物理的特性を改善するため、および/または、加工、包装および施用を助けるために、本発明の組成物に添加される製剤成分を含み得る。このような製剤成分は、個別にまたは組み合わせて添加され得る。
【0137】
製剤成分は、細胞、無細胞調製物、単離化合物および/または代謝物を含む組成物に添加して、有効性、安定性および物理的特性、使用性を改善し、および/または加工、包装および最終用途を容易にすることができる。このような製剤成分には、農業的に許容可能な担体、不活性剤、安定化剤、保存剤、栄養素または物理的特性改質剤が含まれ、これらは個別にまたは組み合わせて添加され得る。いくつかの実施形態において、上記担体には、水、油および他の有機または無機溶媒のような液体材料や、鉱物、ポリマーまたは生物学的にもしくは化学合成によって誘導されたポリマー複合体のような固体材料が含まれ得る。いくつかの実施形態において、製剤成分は、葉、種子または根などの植物部分への組成物の付着を容易にする結合剤、アジュバントまたは接着剤である。例えば、Taylor、A.G.ら、“Concepts and Technologies of Selected Seed Treatments”、Annu.Rev.Phytopathol.、28:321-339(1990)を参照されたい。安定化剤は、ケーキング防止剤、酸化防止剤、沈降防止剤、消泡剤、乾燥剤、保護剤または防腐剤であり得る。栄養素は、炭素、窒素およびリン源、例えば糖類、多糖類、油、タンパク質、アミノ酸、脂肪酸およびリン酸塩などであり得る。物理的特性改質剤は、増量剤、湿潤剤、増粘剤、pH改変剤、レオロジー改質剤、分散剤、アジュバント、界面活性剤、フィルム形成剤、ヒドロトロープ、ビルダー、不凍剤または着色剤であり得る。いくつかの実施形態において、細胞、無細胞調製物および/または発酵によって生成された代謝産物を含む組成物は、他の製剤調製なしで、希釈剤として水を用いてまたは用いずに直接使用することができる。特定の実施形態では、湿潤剤または分散剤が、凍結乾燥またはスプレー乾燥粉末などの発酵固体に添加される。いくつかの実施形態において、製剤不活性剤は、発酵ブロスを濃縮した後および/または乾燥中および/または乾燥後に添加される。湿潤剤は散布特性および浸透特性を増大させ、分散剤は、表面に適用した場合、活性成分(一度希釈)の分散性および溶解性を増大させる。例示的な湿潤剤は、当業者に公知であり、スルホコハク酸塩および誘導体、例えばMULTIWET(商標) MO-70R(Croda Inc.、Edison、NJ);シロキサン類、例えばBREAK-THRU(登録商標)(Evonik、Germany);非イオン性化合物、例えばATLOX(商標) 4894(Croda Inc.、Edison、NJ);アルキルポリグルコシド類、例えばTERWET(登録商標) 3001(Huntsman International LLC、The Woodlands、Texas);C12-C14アルコールエトキシレート、例えばTERGITOL(登録商標) 15-S-15(The Dow Chemical Company、Midland、Michigan);リン酸エステル類、例えばRHODAFAC(登録商標) BG-510(Rhodia、Inc.);およびアルキルエーテルカルボキシレート類、例えばEMULSOGEN(商標) LS(Clariant Corporation,North Carolina)が挙げられる。
【0138】
寄託情報
本発明のパエニバシラス属菌の菌株の試料は、ブダペスト条約のもとに、米国農務省農業研究局農業利用研究センター(NRRL)、1815 ノース・ユニバーシティー・ストリート、ペオリア、イリノイ州、61604、米国にある農業研究局カルチャー・コレクションに寄託されている。パエニバシラス属NRRL B-67721、パエニバシラス属NRRL B-67723及びパエニバシラス属NRRL B-67724は、2018年12月4日に寄託された。パエニバシラス属NRRL B-50374は、2010年5月18日に寄託された。
【0139】
それらのパエニバシラス属菌の菌株は、37C.F.R.セクション1.14および35U.S.C.セクション122の下でその権利があると特許・商標庁長官により判断された者に対して、本特許出願の継続期間中に当該培養物へのアクセスが可能であることを保証する条件下で寄託されている。しかし、寄託物の利用可能性は、政府の措置により付与された特許権を制限し、本発明を実施するためのライセンスをもたらすものではないことを理解すべきである。
【0140】
以下の実施例は、本発明の純粋に例示的かつ非限定的な目的のために提供される。
【実施例】
【0141】
実施例1
パエニバシラス属NRRL B-50374株、NRRL B-67721株、NRRL B-67723株およびNRRL B-67724株のスファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)に対する抗真菌活性
パエニバシラス属NRRL B-50374株、NRRL B-67721株、NRRL B-67723株およびNRRL B-67724株を大豆ベースの培地で培養し、他の数種のパエニバシラス属株とともに全ブロスを作製した。全ブロスを、水と有機溶媒の混合物中で20%の濃度に希釈した。希釈した全ブロスを若い植物に適用し、続いてキュウリ粉末ミルドウとしても知られるスファエロテカ・フリギネア(PODOXA)の接種材料に曝露した。
【0142】
植物病原体の接種物への暴露の数日後、各植物を、未処理対照植物に対する病原体のパーセント制御についてスコア化した。各処理を3回繰り返して評価し、平均パーセント制御を報告した。
【0143】
すべての株は以前に数回のスクリーニングで抗真菌活性を評価されており、他のパエニバシラス属株よりも優れていた。本分析は、優れた抗真菌活性を有する候補株のリストをさらに狭めるための、その後のスクリーニングラウンドを表した。パエニバシラス属NRRL B-50374株、NRRL B-67721株、NRRL B-67723株、およびNRRL B-67724株は、このその後の分析で最大の抗真菌活性を示したパエニバシラス株の中にあった(
図1参照)。
【0144】
実施例2
パエニバシラス属NRRL B-50374株、NRRL B-67721株、NRRL B-67723株およびNRRL B-67724株のボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)に対する抗真菌活性
パエニバシラス属NRRL B-50374株、NRRL B-67721株、NRRL B-67723株およびNRRL B-67724株を大豆ベースの培地中で培養し、水と有機溶媒の混合物中で20%および5%の濃度に希釈した全ブロスを作製した。希釈した全ブロスを若い植物に適用し、その後、これを、Gray Moldとしても知られるボトリチス・シネレア(BOTRCI)の接種材料に曝露した。
【0145】
植物病原体の接種物への暴露の数日後、各植物を、未処理対照植物に対する病原体のパーセント制御についてスコア化した。各処理を3回繰り返して評価し、平均パーセント制御を報告した。このアッセイを数回繰り返し、代表的な結果を表1に示す。パエニバシラス属NRRL B-50374株、NRRL B-67721株、NRRL B-67723株およびNRRL B-67724株は、ボトリチス・シネレア(BOTRCI)に対して一貫して高い抗真菌活性を示した。
【0146】
【0147】
実施例3
パエニバシラス属NRRL B-50374株、NRRL B-67721株、NRRL B-67723株、およびNRRL B-67724株のPuccinia triticinaに対する抗真菌活性
パエニバシラス属NRRL B-50374株、NRRL B-67721株、NRRL B-67723株、およびNRRL B-67724株を大豆ベースの培地中で培養し、水と有機溶媒の混合物中で20%および5%の濃度に希釈した全ブロスを作製した。希釈した全ブロスを若い植物に適用し、その後、小麦葉腐敗としても知られるPuccinia triticina(PUCCRT)の接種材料に曝露した。
【0148】
植物病原体の接種物への暴露の数日後、各植物を、未処理対照植物に対する病原体のパーセント制御についてスコア化した。各処理を3回繰り返して評価し、平均パーセント制御を報告した。このアッセイを数回繰り返し、代表的な結果を表2に示す。パエニバシラス属NRRL B-50374株、パエニバシラス属NRRL B-67721株、パエニバシラス属NRRL B-67723株、およびパエニバシラス属NRRL B-67724株は、Botrytis cinerea(BOTRCI)に対して一貫して高い抗真菌活性を示した。
【0149】
【0150】
実施例4
パエニバシラス属NRRL B-50374株、NRRL B-67721株、NRRL B-67723株およびNRRL B-67724株におけるフサリシジンおよびトリデカプチン生合成遺伝子クラスターの分析
パエニバシラス属NRRL B-50374株、NRRL B-67721株、NRRL B-67723株、およびNRRL B-67724株のゲノムを配列決定し、抗微生物化合物の生合成を担うタンパク質をコードする既知遺伝子クラスターの存在について解析した。この分析から、4株のそれぞれが、他の株で認められたものと少なくとも90.5%の配列同一性を有するフサリシジンシンセターゼ(fusA)を有することが明らかになった(表3参照)。また、4株ともトリデカプチン遺伝子クラスターを有していた。Paenibacillus terraeの実験室株におけるトリデカプチン遺伝子クラスターの同定は以前に報告されていた。Lohans CT、van Belkum MJ、Cochrane SA、Huang Z、Sit CS、McMullen LM、and Vederas JC(2014) Campylobacter jejuniのアンタゴニストであるトリデカプチンA1の生化学的、構造的、遺伝的特性。ChemBioChem 15:243-249。トリデカプチン生合成遺伝子クラスターは、triA、triB、triC、triD、およびtriEを含む。4株のそれぞれにおいて、非リボソームペプチド合成酵素(NRPS)TriEをコードする遺伝子は、他の株で認められたものと少なくとも90.0%の配列同一性を示した(表4参照)。4株のfusAおよびtriE遺伝子のヌクレオチド配列をそれぞれ表5および表6に示す。いかなる理論にも拘束されることを望まないが、これらの株におけるフサリシジンおよびトリデカプチンの発現は植物に効果的にコロニーを形成し、植物の病気を予防する能力に寄与している可能性がある。
【0151】
【0152】
【0153】
【0154】
実施例5
パエニバシラス属株NRRL B-50374、NRRL B-67721、NRRL B-67723およびNRRL B-67724におけるフサリシジン類の同定
パエニバシラス属株NRRL B-50374、NRRL B-67721、NRRL B-67723およびNRRL B-67724の全ブロスを、実施例1-3と同様に大豆ベースの培地中で各株を培養することによって調製した。ブロス培養物全体の細胞抽出物を調製し、フサリシジン様化合物を各細胞抽出物中で定量した。
【0155】
超高速液体クロマトグラフィー/質量分析トリプルタイムオブフライト(UPLC/MSトリプルTOF)を使用するクロマトグラフィー法を利用して、細胞抽出物中のフサリシジン様分子を断片化および定量した:カラム:YMC-Triart C8、4.6×50mm、12nm;水(0.1%ギ酸)およびアセトニトリル(0.1%ギ酸);勾配(%B):0~5分、10~70%;洗浄。AB SCIEX TRIPLE TOF(登録商標)質量分析計から得られた質量フラグメンテーションパターンを分析して、それぞれのフサリシジン様化合物の同一性を確認した。分析したフサリシジン様化合物には、フサリシジンA(「Fus A」)、フサリシジンB(「Fus B」)、フサリシジンC(「Fus C」)、フサリシジンD(「Fus D」)、LiF05a、LiF05b、LiF06a、LiF06b、LiF07aおよびLiF07bが含まれた。これらの化合物は、WO2016/154297に記載されており、それらの構造は、
図3、4および12に概説されている。フサリシジン様化合物を定量するために使用した分析法は、LiF05aとLiF06aとを、または、LiF05bとLiF06bとを区別しなかった。したがって、これらの2つの化合物群によって生成されるシグナルは、本明細書では、それぞれLiF05/6aおよびLiF05/6bと呼ばれる。
【0156】
既知濃度のフサリシジン様化合物を用いて作成した標準曲線を用いて定量を行った。LiF05/6a、LiF05/6b、LiF07aおよびLiF07bの定量は、フサリシジンCを用いて作成した標準曲線から決定し、使用した最低化学標準物質は、0.5μg/gの濃度であった。細胞抽出物中の分析物からシグナルが検出されたが、シグナルの強度が最低標準で生成された強度未満であった場合、分析物の量は定量レベル(BLOQ)未満であると決定された。各パエニバシラス属株におけるフサリシジン様化合物の定量の結果を表7に示す。
【0157】
【0158】
実施例6
パエニバシラス属株NRRL B-50374、NRRL B-67721およびNRRL B-67724における窒素固定遺伝子クラスターの解析
パエニバシラス属株NRRL B-50374、NRRL B-67721、およびNRRL B-67724のゲノムの追加分析は、これらの株が窒素固定遺伝子クラスターも有することを明らかにした。窒素固定遺伝子クラスターの存在は、以前に実験室株、パエニバシラス属WLY78で報告された。Wang L、Zhang L、Liu Z、Zhao D、Liu Xら、(2013)、A Minimal Nitrogen Fixation Gene Cluster from Paenibacillus sp.WLY78 Enables Escherichia coliにおける活性型ニトロゲナーゼの発現を可能にする。PLoS Genet 9(10):e1003865。パエニバシラス属WLY78において、窒素固定遺伝子クラスターは、nifB、nifH、nifD、nifK、nifE、nifN、nifX、hesA、およびnifVを含む。同様の遺伝子クラスター構造が、パエニバシラス属株NRRL B-50374、NRRL B-67721、NRRL B-67724で認められた。
【0159】
いかなる理論にも拘束されることを望まないが、パエニバシラス属株NRRL B-50374、NRRL B-67721およびNRRL B-67724のゲノムにおける窒素固定遺伝子クラスターの存在は、植物における効率的な窒素取り込みを促進し、植物成長を刺激するこれらの株の能力に寄与する可能性がある。
【0160】
窒素固定タンパク質をコードするnifBのゲノム配列を比較したところ、各株のnifB配列は他の株の配列と少なくとも96.9%の配列同一性を共有していた(表8参照)。3株のnifB配列のヌクレオチド配列を表9に示す。
【0161】
【0162】
【0163】
実施例7
パエニバシラス属株NRRL B-50374、NRRL B-67721、NRRL B-67723、およびNRRL B-67724の植物成長促進特性
パエニバシラス属NRRL B-50374株、パエニバシラス属NRRL B-67721株、パエニバシラス属NRRL B-67723株、およびパエニバシラス属NRRL B-67724株を大豆ベースの培地中で培養し、水中で20%の濃度に希釈した全ブロスを作製した。希釈した全ブロスを、植え付け時にトマト植物に浸漬液として適用した。トマト実生が若い植物に発達した数日後、各処理群における40の全トマト植物の平均重量および標準偏差を測定した。比較のために、未処理対照群(「UTC」)および大豆ベースの培地のみで処理した群(「培地」)を分析に含めた。
【0164】
興味深いことに、パエニバシラス属NRRL B-50374株、パエニバシラス属NRRL B-67721株およびパエニバシラス属NRRL B-67724株は、それぞれ窒素固定遺伝子クラスターを有し、UTCおよび培地対照と比較してトマト植物成長の有意な増加をもたらした(
図2参照)。対照的に、窒素固定遺伝子クラスターを持たないパエニバシラス属NRRL B‐67723株は、UTCおよび培地対照と比較してトマト植物成長を増加させなかった。
【0165】
別段の定義がない限り、本明細書におけるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。引用した全ての刊行物、特許、および特許公報は、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0166】
開示された発明は、記載された特定の方法論、プロトコル、および材料に限定されず、これらは変化し得ることが理解される。また、本明細書で使用される用語は特定の実施形態のみを説明するためのものであり、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【0167】
当業者は、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態と同等のものを多く認識し、または通常の実験のみを使用して確認することができる。そのような同等物は、以下の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
【配列表】