(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】プライミング弁およびフローセンサ部分組立体
(51)【国際特許分類】
A61M 39/24 20060101AFI20240821BHJP
A61M 5/168 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
A61M39/24 100
A61M5/168 506
(21)【出願番号】P 2022187329
(22)【出願日】2022-11-24
(62)【分割の表示】P 2020519665の分割
【原出願日】2018-06-13
【審査請求日】2022-12-22
(32)【優先日】2017-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ファリネッラ,アンドリュー,シー
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-525947(JP,A)
【文献】国際公開第2017/040211(WO,A1)
【文献】米国特許第08758305(US,B1)
【文献】米国特許第05853397(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/24
A61M 5/168
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波フローセンサのフローチューブ内の圧力を増大させるか又は維持することによって、前記超音波フローセンサのフローチューブの内表面を濡らすためのプライミング弁であって、
流体流路、前記流体流路の第一の端部における流体入口、前記流体流路の第二の端部における流体出口、弁座、および前記弁座に対して移動するように構成されるコネクタを含み、前記超音波フローセンサのフローチューブと流体連通するように構成される弁を含
み、前記流体が液体である、プライミング弁。
【請求項2】
前記コネクタは、前記流体流路内の閾値圧力に応じて前記弁座に対して移動し、前記流体流路を介して前記弁の前記流体入口と前記流体出口との間で流体が流れるように構成されている、請求項1に記載のプライミング弁。
【請求項3】
前記閾値圧力は、0.035MPaから0.35MPaである請求項2に記載のプライミング弁。
【請求項4】
前記コネクタが、前記コネクタの入口端と出口端との間に延在する側壁を含み、前記弁座が、前記弁座の入口端と出口端との間に延在する側壁を含み、前記弁座の少なくとも一部が、前記コネクタの側壁の内表面が前記弁座の側壁の外表面に対向するように、前記コネクタ内で延在する、請求項2に記載のプライミング弁。
【請求項5】
前記弁座の側壁の外表面は、前記弁座の側壁から径方向外方に延在するリップ部を含み、前記コネクタの側壁の内表面は、前記弁座のリップ部とスライド可能にかつ封止的に係合される請求項4に記載のプライミング弁。
【請求項6】
前記弁座のリップ部は、成形リップシールおよびOリングのうちの一つを含む請求項5に記載のプライミング弁。
【請求項7】
前記弁座の側壁の内表面が、前記弁の流体入口から前記弁座の側壁の少なくとも一つの開口へ延在する前記流体流路の第一の部分を画定し、前記弁座の側壁の前記少なくとも一つの開口が、前記弁座のリップ部に対して前記弁の流体出口に向かう方向に存在し、かつ前記コネクタの側壁の内表面および前記弁座の側壁の外表面が、前記開口から前記弁の流体出口に向かって延在する前記流体流路の第二の部分を画定する、請求項5に記載のプライミング弁。
【請求項8】
前記コネクタが、前記流体が前記弁の流体入口と流体出口の間を流れることができるように前記流体流路内の前記閾値圧力に応じて、前記弁座の出口端に向かう方向に前記弁座の入口端から軸方向に離れるように移動するように構成される、請求項6に記載のプライミング弁。
【請求項9】
前記コネクタの側壁の一部が、前記コネクタの入口端で径方向内方に延在する、請求項8に記載のプライミング弁。
【請求項10】
前記弁座の側壁の外表面が、前記弁座の側壁から径方向外方に延在する少なくとも一つの当接面を含み、該少なくとも一つの当接面が、前記弁座の出口端に向かう方向に前記弁座の入口端から軸方向に離れる前記コネクタのさらなる移動を抑止するように径方向内方に延在する前記コネクタの側壁の一部と係合するように構成される、請求項9に記載のプライミング弁。
【請求項11】
前記コネクタの側壁の内表面が、該側壁から径方向内方に延在する少なくとも一つの戻り止めを含む、請求項8に記載のプライミング弁。
【請求項12】
前記弁座の側壁の外表面が、該側壁から径方向外方に延在する少なくとも一つの当接面を含み、該少なくとも一つの当接面が、前記弁座の出口端に向かう方向に前記弁座の入口端から軸方向に離れる前記コネクタのさらなる移動を抑止するように前記少なくとも一つの戻り止めと係合するように構成される、請求項11に記載のプライミング弁。
【請求項13】
前記弁座の側壁の外表面が、該側壁から径方向外方に延在する少なくとも一つのさらなる当接面を含み、該少なくとも一つのさらなる当接面が、前記少なくとも一つの当接面に対して前記弁座の入口端に向かう方向に存在し、かつ前記少なくとも一つのさらなる当接面が、前記弁座の出口端から離れる方向に軸方向に前記弁座の入口端に向かう前記コネクタの移動を抑止するように前記少なくとも一つの戻り止めと係合するように構成される、請求項12に記載のプライミング弁。
【請求項14】
前記弁が、該弁の流体入口と流体出口の間にさらなる流体流路をさらに含む、請求項2に記載のプライミング弁。
【請求項15】
前記コネクタの側壁の内表面が、前記コネクタの出口端の方へ径方向内方に延在する傾斜面を含み、前記弁座の側壁の外表面が弁座面を含み、かつ前記コネクタの傾斜面が、前記弁座の弁座面と係合して、前記流体流路を通る前記流体入口と前記流体出口の間の流体流を防止する、請求項2に記載のプライミング弁。
【請求項16】
前記弁が、投与可能な流体源から、医療デバイスに前記流体を提供する流体通路に前記流体を送り出すように構成される入口に接続するように構成される前記流体流路の第二の端部における流体出口における接続部を含む、請求項2に記載のプライミング弁。
【請求項17】
流動性医薬の流れを検知するための超音波フローセンサ部分組立体において、
流体チャネル、前記流体チャネルの第一の端部における流体入口、および前記流体チャネルの第二の端部における流体出口を含む流体ポートと、
前記流体チャネル内の圧力を増大させるか又は維持することによって前記流体チャネルの内表面を濡らすプライミング弁とを備え、
該プライミング弁が、前記流体チャネルの第二の端部における前記流体出口に取り付けられ、
該プライミング弁が、閉鎖時には前記流体チャネルの第二の端部における前記流体出口からの流体流を防止するように構成され、かつ前記プライミング弁が、前記流体チャネル内の閾値圧力に応じて前記流体チャネルの第二の端部における前記流体出口からの前記流体の前記流れを許容するように開放するように構成され
ており、前記流体が液体である、フローセンサ部分組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2017年6月19日に出願された「適度な圧力および流れ分布を誘起しかつセンサ準備性を向上させるプライミング弁」と題する米国仮出願第62/521,726号に対する優先権を主張し、当該米国仮出願の全開示は参照によって本願に援用される。
【0002】
本開示は、概してフローセンサシステムに関する。より具体的には、本開示は、フローセンサによって検出されるべき流体の少なくとも一つの属性を特徴化するためのフローセンサシステムおよび当該フローセンサシステムのフローセンサを準備する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
医療デバイスを使用するボーラス送り出しにおける体積精度を向上させる必要がある。
流れ測定特徴が改善したフローセンサを有するフローセンサシステムを提供することは有益だろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、流動性医薬の流れを検知するためのシステムを提供する。当該システムは、手動で投与される静脈内注射剤のための注射サイト(「Yサイト」またはストップコックなど)に付属し得るインテリジェント注射ポートを含む。上記システムは、二つの主な部分組立体、すなわち、使い捨てのフローセンサおよび再使用可能なベースユニットを含み、これらは使用前に互いに嵌合する。当該使い捨てのフローセンサは、フローチューブ部分組立体を含む。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一例に従って、医療デバイスに関連付けられる流体センサのためのプライミング弁は、流体流路、流体の少なくとも一つの属性を特徴化するように構成される少なくとも一つのセンサを含む流体チャネルの流体出口に結合するように構成される上記流体流路の第一の端部における流体入口、上記流体流路の第二の端部における流体出口、弁座、および当該弁座と係合して、上記流体流路を通る上記流体入口と上記流体出口の間の流体流を防止するコネクタを含む弁を含み得て、当該コネクタが、上記流体が上記流体流路を通って前記弁の上記流体入口と上記流体出口の間を流れることを可能にするように上記流体流路内の閾値圧力に応じて上記弁座に対して移動するように構成される。
【0006】
さらなる例によれば、上記閾値圧力は0.035MPaから0.35MPaである。
【0007】
さらなる例によれば、上記コネクタは、当該コネクタの入口端と出口端の間に延在する側壁を含み、上記弁座は、当該弁座の入口端と出口端の間に延在する側壁を含み、かつ上記弁座の少なくとも一部は、上記コネクタの上記側壁の内表面が上記弁座の上記側壁の外表面に対向するように、上記コネクタ内で延在する。
【0008】
さらなる例によれば、上記弁座の上記側壁の上記外表面は、上記弁座の上記側壁から径方向外方に延在するリップ部を含み、かつ上記コネクタの上記側壁の上記内表面は、上記弁座の上記リップ部とスライド可能にかつ封止的に係合される。
【0009】
さらなる例によれば、上記弁座の上記リップ部は、成形リップシールおよびOリングのうちの一つを含む。
【0010】
さらなる例によれば、上記弁座の上記側壁の内表面は、上記弁の上記流体入口から上記弁座の上記側壁の少なくとも一つの開口へ延在する上記流体流路の第一の部分を画定し、上記弁座の上記側壁の上記少なくとも一つの開口は、上記弁座の上記リップ部に対して上記弁の上記流体出口に向かう方向に存在し、かつ上記コネクタの上記側壁の上記内表面および上記弁座の上記側壁の上記外表面は、上記開口から上記弁の上記流体出口に向かって延在する上記流体流路の第二の部分を画定する。
【0011】
さらなる例によれば、上記コネクタは、上記流体が上記弁の上記流体入口と上記流体出口の間を流れることができるように上記流体流路内の上記閾値圧力に応じて、上記弁座の上記出口端に向かう方向に上記弁座の上記入口端から軸方向に離れるように移動するように構成される。
【0012】
さらなる例によれば、上記コネクタの上記側壁の一部は、上記コネクタの上記入口端で径方向内方に延在する。
【0013】
さらなる例によれば、上記弁座の上記側壁の上記外表面は、上記弁座の上記側壁から径方向外方に延在する少なくとも一つの当接面を含み、当該少なくとも一つの当接面は、上記弁座の上記出口端に向かう上記方向に上記弁座の上記入口端から軸方向に離れる上記コネクタのさらなる移動を抑止するように径方向内方に延在する上記コネクタの上記側壁の上記一部と係合するように構成される。
【0014】
さらなる例によれば、上記コネクタの上記側壁の上記内表面は、当該側壁から径方向内方に延在する少なくとも一つの戻り止めを含む。
【0015】
さらなる例によれば、上記弁座の上記側壁の上記外表面は、当該側壁から径方向外方に延在する少なくとも一つの当接面を含み、当該少なくとも一つの当接面は、上記弁座の上記出口端に向かう上記方向に上記弁座の上記入口端から軸方向に離れる上記コネクタのさらなる移動を抑止するように上記少なくとも一つの戻り止めと係合するように構成される。
【0016】
さらなる例によれば、上記弁座の上記側壁の上記外表面は、当該側壁から径方向外方に延在する少なくとも一つのさらなる当接面を含み、当該少なくとも一つのさらなる当接面は、上記少なくとも一つの当接面に対して上記弁座の上記入口端に向かう方向に存在し、かつ上記少なくとも一つのさらなる当接面は、上記弁座の上記出口端から離れる方向に軸方向に上記弁座の上記入口端に向かう上記コネクタの軸方向の移動を抑止するように上記少なくとも一つの戻り止めと係合するように構成される。
【0017】
さらなる例によれば、上記弁は、当該弁の上記流体入口と上記流体出口の間にさらなる流体流路をさらに含む。
【0018】
さらなる例によれば、上記コネクタの上記側壁の上記内表面は、上記コネクタの上記出口端の方へ径方向内方に延在する傾斜面を含み、上記弁座の上記側壁の上記外表面は弁座面を含み、かつ上記コネクタの上記傾斜面は、上記弁座の上記弁座面と係合して、上記流体流路を通る上記流体入口と上記流体出口の間の流体流を防止する。
【0019】
さらなる例によれば、上記弁は、上記投与可能な流体源から、上記医療デバイスに上記流体を提供する流体通路に上記流体を送り出すように構成される入口に接続するように構成される上記流体流路の上記第二の端部における上記流体出口における接続部を含む。
【0020】
本発明の一例に従って、流動性医薬の流れを検知するためのフローセンサ部分組立体は、投与可能な流体源内の流体の少なくとも一つの属性を特徴化するように構成される流体ポートの少なくとも一つのセンサであって、当該流体ポートが、流体チャネル、投与可能な流体源の出口に結合するように構成される上記流体チャネルの第一の端部における流体入口、および上記流体チャネルの第二の端部における流体出口を含む、および上記流体チャネルの上記第二の端部における上記流体出口に取り付けられるプライミング弁を含み得て、当該プライミング弁は、閉鎖時には上記流体チャネルの上記第二の端部における上記流体出口からの流体流を防止するように構成され、かつ上記プライミング弁は、上記流体チャネル内の閾値圧力に応じて上記流体チャネルの上記第二の端部における上記流体出口からの上記流体の上記流れを許容するように開放するように構成される。
【0021】
添付の図面に関連して行われる本開示の例の下記の説明を参照することによって、本開示の上述およびその他の特徴および利点、およびこれらを達成する方法はより鮮明になり、かつ本開示それ自体がより深く理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の一例に従うフローセンサシステムの遠位方向を向いた斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の一例に従うフローセンサシステムの遠位方向を向いた斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の一例に従うフローセンサシステムのフローセンサの分解斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の一例に従うフローセンサシステムのフローセンサの斜視図である。
【
図5】
図5は、一つの事例に係る時間の関数としてのフローセンサシステムのフローセンサの信号レベルを示すグラフである。
【
図6】
図6は、別の事例に係る時間の関数としてのフローセンサシステムのフローセンサの信号レベルを示すグラフである。
【
図7】
図7は、本発明の一例に従うフローセンサシステムの分解斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の一例に従うプライミング弁の概略図である。
【
図9】
図9は、本発明の一例に従うプライミング弁の概略図である。
【
図10】
図10は、本発明の一例に従うプライミング弁の分解斜視図である。
【
図11】
図11は、本発明の一例に従うプライミング弁の概略図である。
【
図12】
図12は、本発明の一例に従うプライミング弁の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
対応する参照符号は、上記いくつかの図面を通して対応する部分を指示する。本願に述べる例示は、本開示の代表的な例を示しており、このような例示は、いかなる方法によっても本開示の範囲を制限するものとみなされてはならない。
【0024】
下記の説明は、当業者が、本発明を実施するために考えられる説明された例を作製しかつ使用することを可能にするために提供される。様々な修正形態、均等物、変形形態および代替物は、しかしながら、当業者にはすぐに分かることは変わりないだろう。ありとあらゆるこのような修正形態、変形形態、均等物、および代替物は、本発明の精神および範囲に含まれることが意図されている。
【0025】
以下の説明の目的上、「上の」、「下の」、「右の」、「左の」、「垂直な」、「水平な」、「頂の」、「底の」、「横の」、「縦の」という用語、およびそれらの派生語は、上記図面において方向付けされるときの本発明に関するものとする。しかしながら、明示的な別段の定めがない限り、本発明は様々な代替的な変形形態を取り得ることが理解されなければならない。
【0026】
本明細書および特許請求の範囲において使用されるように、「a」、「an」、および「the」という単数形は、文脈上明らかに別段の指示がなされない限り、複数の指示物を含む。
【0027】
本願で使用されるように、「近接の」は、患者から離れてまたは最も遠くに存在する部分または方向(上流)を指すものとし、遠位は、患者に向かうまたは患者の最も近くに存在する部分または方向(下流)を指すものとする。また、原薬は、任意の目的で患者の体内に注入可能な任意の物質を指すために、代表的で、非制限的な形で本願では使用される。患者というのは、任意の生き物、人間または動物であり得る。臨床医というのは、治療を施す任意の人物またはもの、例えば、看護師、医師、機械知能、介護者、またはさらには自己医療であり得る。
【0028】
本願で使用されるように、「本質的に疎水性の」という言い回しは、温風で乾燥させるなどの乾燥工程によるのではなく、水分子を自然に排除する表面を指す。
【0029】
別段の指摘がない限り、本願に開示される全ての範囲または比率は、本願に組み込まれるありとあらゆる部分範囲または部分比率を包含すると理解されなければならない。例えば、「1から10」と記載された範囲または比率は、最小値である1と最大値である10の間(および当該最小値および当該最大値を含む)のありとあらゆる部分範囲、すなわち、1から6.1、3.5から7.8、および5.5から10などを含むがそれらに限定されない、最小値1以上から始まりかつ最大値10以下で終わる全ての部分範囲または部分比率を含むとみなされるべきである。
【0030】
別段の指摘がない限り、本明細書および/または本特許請求の範囲において使用される数量を表す全ての数字は、「約」という用語でいかなる場合も修飾されるものとして理解されなければならない。
【0031】
フローセンサシステム
図1から
図4は、本開示のフローセンサシステム200の代表的な構成を示す。
図1から
図4を参照すると、本開示のフローセンサシステム200は、使用前に互いに嵌合する二つの主組立体、すなわち、フローセンサ210およびベース220を含む。一例において、当該フローセンサ210は、再使用可能なベース220と係合可能な使い捨てフローセンサであることができる。上記フローセンサシステム200は、インテリジェント注射ポートである。上記フローセンサシステム200は、手動で投与される静脈内注射剤のための注射サイト(例えば、「Yサイト」またはストップコック)に取り付け可能である。
【0032】
本開示の上記フローセンサシステム200は、ボーラス送り出し中の臨床時の投薬過誤を低減させることができる。本開示の上記フローセンサシステム200は、ボーラス送り出しの記録の提供およびボーラス送り出しの電子的な測定も行い、ボーラス送り出しのモニタリングおよび患者の健康記録の一部としてのボーラス送り出しの自動的な文書化を可能にする。本開示の上記フローセンサシステム200は、患者の医療記録と一致しないボーラス送り出しが起きそうなときにアラートを提供することもできる。
【0033】
図1から
図4を参照すると、一例において、上記ベース220は、バッテリ、スキャナ(光学式、機械式、誘導式、容量式、近接、またはRFIDのいずれか)、電子機器、およびワイヤレストランスミッタを収納する非滅菌の、再使用可能なデバイスである。一部の例では、上記ベース220は、バッテリ駆動されかつ再充電可能である。一部の例では、各ベース220は、使用前にデータシステムに送信され得る、当該ベース220の表面に刻印またはそこに埋め込まれた固有のシリアルナンバーを有する。上記データシステムは、ローカルコンピュータまたはタブレット「コンピュータ」、携帯電話、別の医療デバイス、または病院のデータシステムであることができる。
【0034】
図1から
図4を参照すると、一例において、上記ベース220は、上記フローセンサ210に取り外し可能に接続可能であり、内部に上記フローセンサ210の少なくとも一部を受容するためおよび使用前に上記ベース220の一部の内部に上記フローセンサ210を固定するための開口を画定する少なくとも一つの撓み可能なウイングタブ280を含む。一例において、一対のウイングタブ280は、上記ベース220内に上記フローセンサ210を固定する。上記ウイングタブ280は、当該ウイングタブの上方を上記フローセンサ210が通過することができるように外方に撓ませられ得る程度まで可撓性であり得る。一例において、上記フローセンサ210は、注射ポート130、およびルアーキャップ108によって任意で被覆され得るルアーチップ109などの遠位チューブ接続部を有する予め滅菌された使い捨てデバイスである。
【0035】
図3を参照すると、上記フローセンサ210は、出口端101および入口端102を有するフローチューブ100によって構成されるフローチューブ部分組立体10を含み得る。上記出口端101は、本願に記載のように、フロー制限器によって任意で被覆され得るルアーチップ109を含む出口接続部105を有する出口チューブ110と流体連通して設けられ得る。好適な一例において、上記出口接続部105は、ルアーチップ109付きのプラスチック製コネクタであるが、患者に医薬を注射する任意の適した方法は、本発明の一例の一態様の範囲内であると想定されている。例えば、上記出口接続部105およびチューブ110を、患者に直接注射/注入するための針と置き換えることが望ましいかもしれない。
【0036】
上記入口端102は、投薬ペンのリザーバまたは注入液リザーバに結合され得る。上記フローチューブ100の上記入口端102は、注射ポート130と流体連通して設けられ得て、かつ注射すべき流体の源と係合可能なねじ式ルアーロック131などの接続部を任意で含み得る。使用前の無菌性を維持するために、突き刺し可能な隔壁(図示せず)が上記注射ポート130とともに設けられ得る。一例において、上記フローチューブ100は、医療グレードのステンレス鋼からなり、1.0mm内径および1.6mm外径を有する約50mm長である。
【0037】
一例において、上記フローセンサシステム200は、任意のルアーロック型シリンジまたは薬液容器を使用する注射を支持する。加えて、上記フローセンサシステム200は、「符号化」と呼ばれる、上記シリンジのルアーカラー上に特別なバーコード識別子を有する符号化されたシリンジと協働するように設計される。好ましくは、符号化されたシリンジは、当該シリンジ内に含有される上記医薬に関する情報を記憶する特別なバーコード付きの予め充填されたシリンジに入れられた市販薬を含む。符号化されたシリンジは、直ぐに使用することができ、受動的であり、かつ使い捨てである。上記符号化シリンジは、当該シリンジ内に含有される薬物の名称および濃度を記憶する。とりわけ、薬物源、容器サイズ、薬物製造元、薬物を分類する色などのさらなる特徴も含まれ得る。符号化されたシリンジが上記フローセンサ210の上記注射ポート130に取り付けられるとき、このバーコード情報が上記ベース220のスキャナによって読み取られ、上記フローセンサシステム200によって上記データシステムへワイヤレス送信される。好ましくは、2Dバーコードが、充填行程中にシリンジに付されるだろう。上記フローセンサシステム200は、符号を有しないシリンジも収容する。
【0038】
本開示は、流動性医薬の流れを検知するためのフローセンサ部分組立体を提供する。上記フローセンサ210は、第一の圧電素子または上流側トランスデューサ150および第二の圧電素子または下流側トランスデューサ151も含む。上記第一の圧電素子150は、上記注射ポート130と結合するために、
図3に示すように、入口取付部品180を備え得る。同様に、上記第二の圧電素子151は、上記出口チューブ110と結合するために、出口取付部品190を備え得る。上記第一および第二の圧電素子150および151は、互いの間で、上記フローチューブ100内の上記流動性医薬の流れを示す超音波信号を送信するように構成される。一例において、上記第一の圧電素子150および上記第二の圧電素子151は、形状が環状であり、各自の取付点において上記フローチューブ100の周りを囲む。
【0039】
上記フローセンサ210は、第一のばねコンタクト750aおよび第二のばねコンタクト750bを含む。一例において、上記ばねコンタクト750a、750bは、当該ばねコンタクト750a、750bへの電気信号および当該ばねコンタクト750a、750bからの電気信号をマイクロプロセッサに伝達するための回路を有するベース700に固定される。上記第一のばねコンタクト750aは、第一の圧電素子150と電気通信しており、上記第二のばねコンタクト750bは、第二の圧電素子151と電気通信している。上記第一のばねコンタクト750aは、上記第一の圧電素子150に対する第一の接触力を有し、上記第二のばねコンタクト750bは、上記第二の圧電素子151に対する第二の接触力を有する。上記第一の接触力は、上記第二の接触力と等量であり得る。上記第一および第二の圧電素子150、151は、上記フローセンサ210の上記フローチューブ100を通る流体流によって振動する。上記第一および第二の圧電素子150、151の振動は、検出されることができかつ上記マイクロプロセッサに電子的に通信されることができる超音波信号を生じる。上記マイクロプロセッサは、当該超音波信号を、上記フローチューブ100を通る流体流量に相関させ、かつ流体流量出力をユーザに提供するように構成される。
【0040】
フローセンサを準備する方法
図1から
図2を参照して、本開示のフローセンサシステム200の使用をここで説明する。一例において、上記薬物が注射されると、上記フローセンサシステム200は、超音波によって投与された体積を測定する。上記フローセンサ210における超音波信号の送信を向上させるために、本開示は、上記フローセンサ210において流体圧力を増大させる様々な例を提案する。
【0041】
製造中、フローセンサ210は、較正ベンチ上で較正され得る。例えば、水などの流体が上記フローセンサ210の中を流れて、上記第一および第二の圧電素子150、151の間の上記超音波信号送信を較正する。出荷用に上記フローセンサ210を包装する前に、上記フローセンサ210は、当該フローセンサ210に残留し得る残留流体を取り除くために温風を使用するなどして乾燥され得る。理論によって拘束されることは意図しないが、上記フローセンサ210の流路表面の温風乾燥は、これらの流路表面に本質的に疎水性の特徴を示させる一因となる。このようにして、上記フローセンサ210が、プライミング流体による上記フローセンサ210のプライミングによって使用準備されるときに、上記フローセンサ210の内部流路表面は、上記プライミング流体で十分に濡れない可能性がある。上記フローセンサ210は、当該フローセンサ210の内部流路との接触を通じて上記流体の流量に対応する超音波信号を発生させるように構成されるため、上記流路の上記内表面の上記本質的に疎水性の特徴は、上記フローセンサ210の超音波を送信する能力の低下の一因になる。上記フローセンサ210中の上記流路の上記内表面を、当該流路内の圧力を増大するまたは圧力を維持することなどによって濡らすことにより、上記フローセンサ210の上記超音波信号送信能力が増大することが分かった。
【0042】
図1を参照すると、上記フローセンサ210を準備する第一の方法をここで説明する。
本例では、上記フローセンサシステム200は、流体を含有するシリンジ900などの投与可能な流体源に上記フローセンサシステム200の上記注射ポート130を取り付けることによって使用の用意が整えられる。いくつかの例では、前記シリンジ900が生理食塩水のようなプライミング流体を含みことができる。上記シリンジ900を接続する前に、上記注射ポート130は、望ましくは、通常の病院の手順に従って受け口を拭くことによって清潔にする。上記シリンジ900は、当該シリンジ900が停止するまで、すなわち、当該シリンジ900と上記注射ポート130の間の確実な接続がなされるまで当該シリンジ900をその縦軸周りに回転させることにより、上記注射ポート130に取り付けられることができる。上記シリンジ900はプランジャ920を有し、当該プランジャ920が遠位方向に押されるときに上記シリンジ900の内部から上記プライミング流体が送り出される。
【0043】
上記出口接続部105は、キャップ910などのフロー制限器が被せられている。一部の例では、上記キャップ910は、上記出口接続部105の上記ルアーチップ109と協調するように構成される。上記キャップ910は、当該キャップ910が停止するまで、すなわち、当該キャップ910と上記ルアーチップ109の間の確実な接続がなされるまで当該キャップ910をその縦軸周りに回転させることによって、上記ルアーチップ109に取り付けられることができる。一旦上記ルアーチップ109に接続されると、上記キャップ910は、上記出口接続部105からの流体流を阻止する。
【0044】
次に、上記シリンジ900の上記プランジャ920が、上記遠位方向に押されて、上記シリンジ900から流体を送り出す。上記キャップ910により、流体が上記出口接続部105から流出することが防止されているため、上記シリンジ900からの上記プライミング流体により、上記フローセンサ210内で流体圧力が高まる。一部の例では、上記フローセンサ210内の0.035MPaから0.35MPaの増大した流体圧力は所定の期間維持されることができる。例えば、当該所定の期間は、約1秒から約60秒であり得る。
【0045】
上記フローセンサ210が上記シリンジ900からの上記流体によって加圧されるとき、少なくとも一つの第一の信号が上記フローセンサ210によって生成されて、流体の少なくとも一つの属性を特徴化する。様々な例において、当該少なくとも一つの属性は、流体流量および/または流体圧力であり得る。上記出口接続部105にキャップをしたまま上記フローセンサ210内の流体圧力を手動で増大させることにより、上記フローセンサ210の上記流路の上記内表面と上記流体の間の空気の排除が促される。このようにして、上記フローセンサ210の上記流路の上記内表面が十分に濡れて、上記フローセンサ210の増強された超音波信号の送信を可能にする。
【0046】
次に、上記シリンジ900の上記プランジャ920にかかる上記圧力が解除されることができ、上記キャップ910が上記ルアーチップ109から取り外される。上記出口接続部105は、上記シリンジ900などの投与可能な流体源から患者へ流体を送り出されるように構成される流体通路(図示せず)の入口に取り付けられる。一部の例では、当該流体通路は、患者に接続するように構成されるカテーテルであり得る。上記患者に上記流体通路を接続する前に、上記シリンジ900からの流体は、まず、上記流体通路の上記プライミング中などに、上記流体通路から排出される。上記流体が上記シリンジ900から送り出される際、上記流体は、上記フローセンサ210を通って上記流体通路から出る。一部の例において、2mlから7mlの流体が、上記流体通路を通って上記シリンジ900から送り出される。上記フローセンサ210は、上記流体の少なくとも一つの属性を特徴化するために上記第一の信号と同じ種類の少なくとも一つの第二の信号を発生させ得る。
例えば、当該第二の信号は、上記フローセンサ210を通る流体の上記圧力および/または流量を特徴化し得る。一部の例では、上記第二の信号は、上記フローセンサ210の上記流路の上記内表面が十分に濡れているため、上記第一の信号よりも増強され(すなわち、より高い強度を有し)得る。例えば、上記第二の信号は、上記第一の信号に対して、120%、160%、または180%、またはそれらの間の値だけ増強され得る。上記フローセンサ210は以上でプライミングされ、流体送り出し手順における使用準備が整う。
【0047】
様々な例において、上記フローセンサ210は、制御器930と通信状態にあり得る。
当該制御器930は、上記少なくとも一つの第一の信号および上記少なくとも一つの第二の信号を受信するなどの、上記フローセンサ210から情報を受信するように構成され得る。上記制御器930は、上記少なくとも一つの第一の信号および上記少なくとも一つの第二の信号から受信したデータに基づく上記流体の上記少なくとも一つの属性が、少なくとも一つのルールによって特定される少なくとも一つの条件と一致するということを判定するように構成され得る。例えば、上記制御器930は、所与の流体温度での所与の流体圧力に関する上記フローセンサ210を通る上記流体の流量に基づいて上記フローセンサ210を流れる流体の種類を識別するように構成され得る。理論に拘束されることは意図しないが、流動性医薬などの各流体は、当該流体が上記フローセンサ210を流れる際に固有の超音波特性を有する。当該超音波特性は、上記流体の流体圧力、温度、および材料組成によって変わり得る。
【0048】
様々な例において、上記制御器930は、上記特徴化された少なくとも一つの属性が少なくとも一つのルールによって特定される少なくとも一つの条件と一致することに応じて少なくとも一つの動作修正信号を発生させ得る。例えば、上記制御器930は、上記圧電素子150、151から受信する上記流体流の特徴または属性を表すデータに基づくフローアルゴリズムを実行することができる。一部の例では、上記シリンジ900は、上記制御器930と動作上通信している上記フローセンサシステム200の読取デバイスによって読み取られるとき、上記制御器930に所定の動作サイクルを開始させる印を有し得る。一部の例では、当該印は、2Dまたは3Dのバーコード、QRコード(登録商標)、または、上記フローセンサシステム200の読取デバイスによって読み取られるときに、上記制御器930によって実行されるべき一組の命令として解釈されるように構成される情報を記憶することができる任意のその他の印であり得る。例えば、当該印は、上記読取デバイスによって読み取られるとき、上記制御器930に上記フローセンサ210をプライミングするためのプライミングサイクルを開始させることができる。一部の例では、当該プライミングサイクルは、本願で検討する第一の信号および第二の信号などの少なくとも一つの信号を発生させることを含み得る。
【0049】
上記制御器930は、トランスミッタ(図示せず)によって少なくとも一つのデバイスへ上記動作修正信号を送信し得る。一部の実施形態において、流体の種類が所望の流体の種類とは異なる種類であると判定されると、または流量が所望の流量とは異なる流量であると判定されると、上記制御器930は、ディスプレイおよび/またはデータ処理モジュールへ、当該モジュールにアラームまたはアラートを表示させる、または当該モジュールに上記流体流を停止させる信号を上記システム200へ返させる動作修正信号を送信することができる。上記制御器930は、さらに、上記ディスプレイおよび/またはデータ処理モジュールへ薬剤の種類、薬剤の投与量、および/または薬剤の投与時間を表す注射データを送信するように上記ワイヤレストランスミッタを制御することができる。一部の実施形態では、上記制御器930は、自動化した注射に応じて上記モジュールへ上記データを自動的に送信することができる。
【0050】
図5を参照すると、時間の関数としての五つのフローセンサ210の信号強度のパーセンテージを描写するグラフが、一例に従って示されている。各フローセンサ210は、最初に、標準的な較正ルーチンを使用して較正された。較正後の上記フローセンサ210の各々からの信号の読取は、上記グラフ上の点Aとして示されている。次に上記フローセンサ210は温風で乾燥され、加圧されることなくプライミング流体が流された。次に超音波信号送信読取が記録され、上記グラフ上の点Bとして示されている。
図5の上記グラフから、上記フローセンサ210が温風で乾燥された後では、上記フローセンサ210の各々に関して信号強度が降下することが容易に観察されることができる。信号レベルを向上させるために、各フローセンサ210は、キャップ910が被せられて、60秒間、生理食塩水などのプライミング流体で加圧された。当該加圧期間の終了後、もう一度信号読取が行われた。
図5の点Cは、上記信号レベルが、上記フローセンサ210がプライミング流体で加圧された後で点Bから上がることを示す。
【0051】
図2を参照すると、
図1を参照して本願で説明したような、キャップ910を上記出口接続部105に被せる代わりに、上記出口接続部105は、通気キャップ940などの通気フロー制限器に接続され得る。一部の例では、当該通気キャップ940は、上記シリンジ900から流体が送り出されるときに上記フローセンサ210内に背圧を発生させることができるほど十分に小さい内径を有する針であり得る。例えば、上記通気キャップ940は、約30G(0.16mmID)の出口を有する針であり得る。他の例では、上記通気キャップ940は、0.1mmから0.2mmの内径を有し得る。上記シリンジ900から送り出される上記プライミング流体により、上記フローセンサ210内で背圧が高まる。一部の例では、上記フローセンサ210内で0.035MPaから0.35MPaの増大した流体圧力は、所定の期間維持されることができる。例えば、当該所定の期間は、約1秒から約60秒であり得る。
【0052】
上記フローセンサ210が上記シリンジ900からの上記流体によって加圧される間、少なくとも一つの第一の信号が上記フローセンサ210によって発生されて、流体の少なくとも一つの属性を特徴化する。様々な例において、当該少なくとも一つの属性は、流体流量および/または流体圧力であり得る。上記出口接続部105にキャップをしたまま上記フローセンサ210内の流体圧力を手動で増大させることにより、上記フローセンサ210の上記流路の上記内表面と上記流体の間の空気の排除が促される。このようにして、上記フローセンサ210の上記流路の上記内表面が十分に濡れて、上記フローセンサ210の増強された超音波信号の送信を可能にする。
【0053】
次に、上記シリンジ900の上記プランジャ920にかかる上記圧力が解除されることができ、上記通気キャップ940が上記ルアーチップ109から取り外される。上記出口接続部105は、上記シリンジ900などの投与可能な流体源から患者へ流体を送り出すように構成される流体通路(図示せず)の入口に取り付けられる。一部の例では、当該流体通路は、患者に接続するように構成されるカテーテルであり得る。上記患者に上記流体通路を接続する前に、上記シリンジ900からの流体は、まず、上記流体通路の上記プライミング中などに、上記流体通路から排出される。上記流体が上記シリンジ900から送り出される際、上記流体は、上記フローセンサ210を通って上記流体通路から出る。一部の例において、2mlから7mlの流体が上記流体通路を介して上記シリンジ900から送り出され得る。上記フローセンサ210は、上記流体の少なくとも一つの属性を特徴化するために上記第一の信号と同じ種類の少なくとも一つの第二の信号を発生させ得る。
例えば、当該第二の信号は、上記フローセンサ210を通る流体の上記圧力および/または流量を特徴化し得る。一部の例では、上記第二の信号は、上記フローセンサ210の上記流路の上記内表面が十分に濡れているため、上記第一の信号よりも増強され(すなわち、より高い強度を有し)得る。例えば、上記第二の信号は、上記第一の信号に対して、120%、160%、または180%、またはそれらの間の値だけ増強され得る。上記フローセンサ210は以上でプライミングされ、流体送り出し手順における使用準備が整う。
【0054】
図6を参照すると、時間の関数としての三つのフローセンサ210(1、2、3のラベルが付されている)の信号レベルを描写したグラフが、別の例に従って示されている。各フローセンサ210には、30Gの針を有する通気キャップ940が備えられた。上記シリンジ900から2mlの流体の送り出し中に信号数を記録した(点D)。次に上記通気キャップ940が各フローセンサ210から取り外され、圧力降下を示す信号数が記録された(点E)。
図6の上記グラフから、上記通気キャップ940が上記フローセンサ210から取り外された後では、上記フローセンサ210の各々に関して信号強度が降下することが容易に観察されることができる。上記通気キャップ940を取り外した後、7mlの流体を、各フローセンサ210を通して上記シリンジ900から送り出した。このステップ中、信号数が増加し、高い値(点F)で安定した。上記通気キャップ940を使用せずにプライミングされた第四のフローセンサ210(
図6に4でラベル付けされている)の信号レベルが比較例として示されている。当該第四のフローセンサ210の信号強度は、
図2を参照して本願で説明される方法で上記通気キャップ940を使用して準備したフローセンサ210の信号強度よりも大幅に低い。
【0055】
フローセンサシステムリリーフ弁
図7を参照すると、
図1を参照して本願で説明したようなキャップ910を、または、
図2を参照して本願で説明した通気キャップ940などの通気フロー制限器を上記出口接続部105に被せる代わりに、上記出口接続部105は、
図7に示すようなプライミング弁950に接続され得る。一部の例では、当該プライミング弁950は、上記出口接続部105の上記ルアーチップ109と協調するように構成される。当該プライミング弁950は、当該プライミング弁950が停止するまで、すなわち、当該プライミング弁950と上記ルアーチップ109の間の確実な接続がなされるまで、当該プライミング弁950をその縦軸周りに回転させることにより、上記ルアーチップ109に取り付けられることができる。
【0056】
一旦上記ルアーチップ109に接続されると、上記プライミング弁950は、閉鎖しているときは、本願でより詳細に説明するように上記出口接続部105からの流体流を防止する。上記プライミング弁950は、上記フローセンサ210内の閾値圧力に応じて上記出口接続部105からの流体流を許容するように開放するように構成される。例えば、上記出口チューブ110は、フローセンサ部分組立体10の上記フローチューブ100の上記出口端101と流体連通している流体入口と上記出口接続部105の間に流体チャネルを含み、上記出口接続部105に取り付けられる上記プライミング弁950は、上記出口チューブ110の上記流体チャネル内の閾値圧力に応じて上記出口接続部105からの上記流体の流れを許容するように開放するように構成されることができる。
【0057】
ここで
図8および
図9を参照すると、上記プライミング弁950は、流体流路952、上記出口接続部105に結合するように構成される上記流体流路952の第一の端部における流体入口954、上記流体流路952の第二の端部における流体出口956、弁座970、および当該弁座970と係合して、上記流体流路952を通る上記流体入口954と上記流体出口956の間の流体流を防止するコネクタ980を含む。当該コネクタ980は、上記流体流路952を通る上記プライミング弁950の上記流体入口954と上記流体出口956の間の流体流を許容するように上記流体流路952内の閾値圧力に応じて上記弁座970に対して移動するように構成される。一部の実装では、上記閾値圧力は、0.035MPaから0.35MPaであることができる。例えば、上記コネクタ980は、当該コネクタ980を上記弁座970に対して移動させる0.35MPaの圧力が上記流体流路952に存在するまで上記弁座970と係合したままであるように構成され得る。
【0058】
上記弁座970は、当該弁座970の入口端972aと出口端972bの間に延在する側壁972を含む。上記コネクタ980は、当該コネクタ980の入口端982aと出口端982bの間に延在する側壁982を含む。一部の実装では、当該側壁972、982は、円筒形状の弁座970および円筒形状のコネクタ980を形成する円筒状の側壁であることができる。上記弁座970の少なくとも一部は、上記コネクタ980の上記側壁982の内表面983aが上記弁座970の上記側壁972の外表面973bに対向するように、上記コネクタ980内で、例えば、
図8および
図9に示すように上記コネクタ980内で同軸的に延在する。
【0059】
上記弁座970の上記側壁972の上記外表面973bは、上記弁座970の上記側壁972から径方向外方に延在するリップ部974を含む。例えば、当該リップ部974における上記弁座970の直径は、上記弁座970の残りの部分の直径よりも大きい。上記コネクタ980の上記側壁982の上記内表面983aは、上記弁座970の上記リップ部974とスライド可能かつ封止的に係合される。例えば、上記弁座970の上記リップ部974は、例えば
図10に示すような成形縁シール、または、上記コネクタ980の上記側壁982が上記リップ部974に沿ってスライドすることを可能にしながらも上記コネクタ980の上記側壁982の上記内表面983aと流体密シールを形成するように構成されるOリングを含み得る。
【0060】
上記弁座970の上記側壁972の内表面973aは、上記プライミング弁950の上記流体入口954から上記弁座970の上記側壁972の少なくとも一つの開口990まで延在する上記流体流路952の第一の部分を画定する。上記弁座970の上記側壁972の上記少なくとも一つの開口990は、上記弁座970の上記リップ部974に対して上記プライミング弁950の上記流体出口956に向かう方向に存在する。例えば、
図8および
図9に示すように、二つの開口990が、上記側壁972の両側かつ上記リップ部974の右に上記流体出口956向かって存在する。
図8および
図9に示す上記二つの開口990などの均等に離間した開口により、上記流体流路内の圧力は、上記プライミング弁970内および上記コネクタ980上でより均等に分散されることができる。上記コネクタ980の上記側壁982の上記内表面983aおよび上記弁座970の上記側壁972の上記外表面973bは、上記開口990から上記プライミング弁950の上記流体出口956に向かって延在する上記流体流路952の第二の部分を画定する。
【0061】
上記コネクタ980は、上記流体が上記流体流路952を通って上記弁950の上記流体入口954と上記流体出口956の間を流れることができるように、上記流体流路952内の上記閾値圧力に応じて、上記弁座970の上記出口端972bに向かう方向に上記弁座970の上記入口端972aから軸方向に離れるように移動するように構成される。
【0062】
一部の例では、上記コネクタ980の上記側壁982の一部は、上記コネクタ980の上記入口端982aで径方向内方に延在することができる。例えば、
図8および
図9に示すように、リテーナ984が、上記コネクタ980の上記入口端982aで径方向内方に延在することができる。上記リテーナ984は、上記リップ部974が径方向外方に延在するよりもさらに径方向内方に延在する。上記弁座970の上記側壁972の上記外表面973bは、上記弁座970の上記側壁972から径方向外方に延在する少なくとも一つの当接面976を含む。例えば、上記プライミング弁950の上記流体入口954の方を向く上記リップ部974の高さによって、上記少なくとも一つの当接面976を形成することができる。上記少なくとも一つの当接面976は、上記弁座970の上記出口端972bに向かう上記方向に上記弁座970の上記入口端972aから軸方向に離れる上記コネクタ980のさらなる移動を抑止するように上記リテーナ984と係合するように構成される。例えば、上記コネクタ980は、所望または所定の幅まで上記プライミング弁950の上記流体出口956における上記流体流路952を開放するのに(例えば、上記流体流路952内の上記閾値圧力に基づく所望の流量および/または上記流体流路952を通って送り出される/送り出されるべき流体の流量および体積を達成するのに)十分な距離で、上記弁座970に対して移動することができるようにし、その後、上記コネクタ980は、上記リテーナ984が上記少なくとも一つの当接面956と係合することによって上記方向へのさらなる移動が防止される。上記リテーナ984は、上記コネクタ980の上記側壁982に対して熱および/または超音波を加えて上記側壁982を径方向内方に延在させることによって形成され得る。
【0063】
別の例では、
図11に示すように、上記コネクタ980の上記側壁982の上記内表面983aは、当該側壁982から径方向内方に延在する少なくとも一つの戻り止め986を含むことができる。当該少なくとも一つの戻り止め986は、上記プライミング弁950が閉鎖位置にあるときの上記側壁982の上記入口端982aと上記弁座970の上記リップ部974の間の上記側壁982に沿う任意の位置に存在し得る。上記少なくとも一つの当接面976は、上記弁座970の上記出口端972bに向かう上記方向に上記弁座970の上記入口端972aから軸方向に離れる上記コネクタのさらなる移動を抑止するように上記少なくとも一つの戻り止め986と係合するように構成される。上記少なくとも一つの戻り止め986の位置は、所望または所定の幅まで上記プライミング弁950の上記流体出口956における上記流体流路952を開放するのに(例えば、上記流体流路952内の上記閾値圧力に基づく所望の流量および/または上記流体流路952を通って送り出される/送り出されるべき流体の流量および体積を達成するのに)十分な距離、上記弁座970に対して上記コネクタ980が移動することを可能にするように選択され得て、その後、上記コネクタ980は、上記少なくとも一つの戻り止め986が上記少なくとも一つの当接面956と係合することによって上記方向へのさらなる移動が防止される。
【0064】
一つの実装において、上記弁座970の上記側壁972の上記外表面973bは、当該側壁972から径方向外方に延在する少なくとも一つのさらなる当接面978を含み得る。当該少なくとも一つのさらなる当接面978は、上記少なくとも一つの当接面976に対して上記弁座970の上記入口端972aに向かう方向に存在する。上記少なくとも一つのさらなる当接面978は、上記弁座970の上記出口端972aから離れる方向に軸方向に上記弁座970の上記入口端972aに向かう上記コネクタ980の移動を抑止するように上記少なくとも一つの戻り止め986と係合するように構成される。上記少なくとも一つの戻り止め986および上記さらなる当接面978は、所定の圧力または上記閾値圧力が上記流体流路952に加えられるときに、上記少なくとも一つの戻り止めが、例えば、上記さらなる当接面978、上記戻り止め986、および/または上記コネクタ980の上記側壁982の変形を通して、上記さらなる当接面978を乗り越えることができ、上記弁座970の上記出口端972bに向かう上記方向に上記弁座970の上記入口端972aから軸方向に離れる上記コネクタ980のさらなる移動を可能にするように構成され得る。上記さらなる当接面978を乗り越えた後、上記少なくとも一つの戻り止め976との上記さらなる当接面978の対向面の係合は、上記弁座970の上記出口端972bから離れる上記方向に軸方向に上記弁座970の上記入口端972aに向かう上記コネクタの移動を抑止することによって上記コネクタ980が上記閉鎖位置に戻ることを抑止するように作用することができる。なお、上記弁座970を保持するために戻り止め986が含まれる場合は、例えば
図11に示すように二つの別々の部品として上記コネクタ980を形成することが好ましい場合があり、当該二つの別々の部品は、上記弁座970が上記コネクタの上記入口端982a(
図11では左半分)上に組み付けられた後で接合されている。
【0065】
一部の例では、上記プライミング弁950は、当該プライミング弁950の上記流体入口954と上記流体出口956の間にさらなる流体流路992を含み得る。当該さらなる流体流路992は、霧形成の視覚的な指標を提供しかつ/または上記流体流路952内の背圧を制御するようなサイズおよび形状にすることができる。一部の実装では、上記さらなる流体流路992は、上記シリンジ900から流体が送り出されるときに上記フローセンサ210内に背圧を発生させることができるほど十分に小さい内径を有する針であり得る。例えば、上記さらなる流体流路992は、約30G(0.16mmID)の出口を有する針であり得る。他の例では、上記さらなる流体流路992は、0.1mmから0.2mmの内径を有し得る。上記シリンジ900から送り出される上記プライミング流体により、上記フローセンサ210内で背圧が高まる。一部の例では、上記フローセンサ210内における0.035MPaから0.35MPaまでの増大した流体圧力は、所定の期間維持されることができる。例えば、当該所定の期間は、約1秒から約60秒であり得る。
【0066】
上記コネクタ980の上記側壁982の上記内表面983aは、上記コネクタ980の上記出口端982bに向かって径方向内方にかつ上記弁座970の上記出口端972bを越えて延在する傾斜面987を含むことができる。上記弁座970の上記側壁972の上記外表面973bは弁座面977を含み、上記コネクタ980の上記傾斜面987は、上記流体流路952を通る上記流体入口954と上記流体出口956の間の流体流を防止するように上記弁座970の上記弁座面977と係合することができる。上記プライミング弁950は、上記投与可能な流体源から、医療デバイスに上記流体を提供する流体通路へ上記流体を送り出すように構成される入口に接続するように構成される上記流体流路952の上記第二の端部における上記流体出口954に弁出口接続部999を含み得る。例えば、上記弁出口接続部999は、ルアーロック接続部またはルアースリップ接続部であり得る。
【0067】
リリーフ弁を備えるフローセンサシステムを準備する方法
上記プライミング弁950は、「フローセンサを準備する方法」と題するセクションにおいて本願で説明したように本開示のフローセンサシステム200の使用の際に上記キャップ910または上記通気キャップ940の代わりに使用することができ、したがって、上記フローセンサシステム200における上記プライミング弁950の使用法は、以下にごく手短に説明される。例えば、上記フローセンサ210が上記シリンジ900からの上記流体によって加圧されるとき、少なくとも一つの第1の信号が上記フローセンサ210によって生成されて、流体の少なくとも一つの属性を特徴化する。様々な例において、当該少なくとも一つの属性は、流体流量および/または流体圧力であり得る。上記出口接続部105にキャップをしたまま上記フローセンサ210内の流体圧力を手動で増大させることにより、上記フローセンサ210の上記流路の上記内表面と上記流体の間の空気の排除が促される。このようにして、上記フローセンサ210の上記流路の上記内表面が十分に濡れて、上記フローセンサ210の増強された超音波信号の送信を可能にする。
【0068】
上記フローセンサ210内の上記流体圧力が上記プライミング弁950の上記閾値圧力に達するとき、上記プライミング弁950は、この点に至るまでは閉じられていて上記出口接続部105からの流体流を防止していたが、上記プライミング弁は開放して、上記出口接続部105から上記流体の上記流れを許容する。上記プライミング弁は、上記閾値圧力により結果的に上記フローセンサ210の上記流路の上記内表面が完全に濡れて、上記プライミング弁950が開放して上記圧力を逃がす前に上記フローセンサ210の増強された超音波信号の送信を可能にするように形成かつ構成される。一部の例では、上記フローセンサ210内における0.035MPaから0.35MPaの増大した流体圧力は、上記閾値圧力に到達する前に所定の期間維持されることができる。例えば、上記所定の期間は、約1秒から約60秒であり得る。上記プライミング弁950の上記開放により、上記フローセンサ210内で十分な圧力が達成されて確実に上記フローセンサ210が十分に濡れているという医師への指標を提供することができる。
【0069】
次に、上記シリンジ900の上記プランジャ920上の上記圧力が逃がされることができ、上記弁出口接続部999は、上記シリンジ900などの投与可能な流体源から患者へ流体を送り出すように構成される流体通路(図示せず)の入口に取り付けられる。あるいは、上記シリンジ900の上記プランジャ920上の上記圧力が逃がされた後、上記プライミング弁950は、上記ルアーチップ109から取り外されることができ、上記出口接続部105は、上記シリンジ900などの投与可能な流体源から患者へ流体を送り出すように構成される流体通路(図示せず)の入口に取り付けられる。一部の例では、当該流体通路は、患者に接続するように構成されるカテーテルであり得る。上記患者に上記流体通路を接続する前に、上記シリンジ900からの流体は、まず、上記プライミング弁が上記出口接続部105にまだ接続されている状態で行われることができる上記流体通路の上記プライミング中などに、上記流体通路から排出され、それにより、医師にとってさらなる使い易さをもたらす。上記流体が上記シリンジ900から送り出されると、上記流体は、上記フローセンサ210を通って上記流体通路から流れ出る。一部の例では、2mlから7mlの流体が、上記流体通路を通って上記シリンジ900から送り出され得る。上記フローセンサ210は、上記流体の少なくとも一つの属性を特徴化するために、上記第一の信号と同じ種類の少なくとも一つの第二の信号を発生させ得る。例えば、当該第二の信号は、上記フローセンサ210を通る流体の圧力および/または流量を特徴化し得る。一部の例では、上記第二の信号は、上記フローセンサ210の上記流路の上記内表面が完全に濡れていることにより、上記第一の信号よりも増強され(すなわち、より高い強度を有し)得る。例えば、上記第二の信号は、上記第一の信号に対して、120%、160%、または180%、またはそれらの間の値だけ増強され得る。上記フローセンサ210は以上でプライミングされ、流体送り出し手順における使用準備が整う。
【0070】
上記フローセンサシステムを使用する方法
プライミングされたフローセンサシステム200を使用するために、ユーザは、まず上記フローセンサ210(チューブ側)およびベース220の前部を接合し、次にこれらをカチッと嵌めることによって上記フローセンサ210を上記ベース220に取り付ける。
好ましくは、上記フローセンサ210と上記ベース220の間の確実な接続を示す可聴のスナップ音が聞かれる。一例において、上記ベース220に上記フローセンサ210を接続することによって、自動的に上記フローセンサシステム200に電源が投入される。一例では、上記ベース220への上記フローセンサ210の上記接続は、上記ベース220上の点滅光によって確認される。他の例では、他の指標が使用され得る。
【0071】
上記フローセンサシステム200は以上でIV薬剤の送り出しの準備が整う。一例では、フローセンサシステム200の故障(IV流体通路を除く)の際も、上記フローセンサシステム200は、上記ポートを通して標準的な薬剤または流体の送り出しを可能にするだろう。
【0072】
次に、上記フローセンサシステム200を使用して注射を行うことを検討する。まず、上記注射ポート130は、通常の病院の手順に従って受け口を拭くことによって清潔にされる。次に、シリンジ900は、当該シリンジ900が停止するまで、すなわち、当該シリンジ800と上記注射ポート130の間の確実な接続がなされるまで当該シリンジ900を完全に回転させることにより、上記フローセンサ210の上記注射ポート130に取り付けられることができる。理想的には、上記介護者は、上記注射ポート130への取り付け前に上記シリンジ900上の各薬剤名および濃度を再確認して、正確な薬剤が与えられることを保証する。
【0073】
上記フローセンサ210は、当該フローセンサ210が少なくとも一つの流動性医薬の流れを検知するために使用された後に廃棄されることができる。上記フローセンサベース220は、複数の異なるフローセンサ210とともに使用することができる。
【0074】
本開示は、代表的な設計を有するものとして説明されたが、本開示は、本開示の精神および範囲内でさらに修正されることができる。本願は、したがって、その一般的原理を使用する本開示の任意の変形、使用法、または改作を包含することが意図されている。さらに、本願は、本開示が属する技術において既知または普通の慣習の範囲内になるような本開示からの逸脱を包含することが意図されており、そのような逸脱は、添付の請求項の制限範囲内に含まれる。