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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】光アセンブリを含む車両意匠要素
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/50 20180101AFI20240821BHJP
   F21W 104/00 20180101ALN20240821BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240821BHJP
【FI】
F21S43/50
F21W104:00
F21Y115:10
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022205474
(22)【出願日】2022-12-22
(65)【公開番号】P2023094605
(43)【公開日】2023-07-05
【審査請求日】2023-12-22
(31)【優先権主張番号】10 2021 134 620.7
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519331224
【氏名又は名称】マザーソン・イノベーションズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー・デキエビット
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・チャップマン-ウィンター
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-198421(JP,A)
【文献】特開2015-065113(JP,A)
【文献】特開2012-083520(JP,A)
【文献】特開2012-018917(JP,A)
【文献】特許第6912746(JP,B1)
【文献】特許第6828794(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/50
F21W 104/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光アセンブリを含む車両意匠要素であって、
前面、後面、複数の入光領域、および光拡散領域を含む導光体と、
複数の発光ダイオード(LED)であって、各LEDがそれぞれの前記入光領域に隣接してそれらに向けられて配置され、各LEDからの光が、それぞれの前記入光領域を介して前記導光体に入り、内部反射によって前記導光体の前記光拡散領域に向けられる、複数の発光ダイオード(LED)と、
前記導光体の前記後面に隣接して前記導光体の後ろに配置されたリフレクタ要素と、を備え、前記リフレクタ要素は、各々の前記LEDおよび前記入光領域に対応する複数の開口部を含み、前記リフレクタ要素は、光を前記導光体に向かって反射するように構成された前面をさらに含み、
前記リフレクタ要素および前記導光体は、相補リブおよび前記入光領域付近の配光を制御するためのチャネルをさらに含み、前記相補リブは、前記入光領域を介して前記導光体に入った光線の通過を遮断するように、前記リフレクタの前記前面から外に延在する、前記リフレクタ要素の前記開口部の周りに形成され、前記導光体の前記後面に形成された相補チャネルに入れ子になるように構成され
各々の前記入光領域が、前記導光体の前記後面に形成された入光面、を含み、前記入光面を通って、対応する前記LEDによって放射された光が前記導光体を透過し、次いで内部反射によって伝送され、
各々の前記入光領域は、前記導光体の前記前面に形成された円錐面をさらに含み、前記入光面は、光線の大部分を前記円錐面に向かって偏向/屈折させるように成形され、前記円錐面は、前記導光体の前記後面に向かって前記光線を反射するように構成され、前記光線は、前記導光体に沿って前記前面と前記後面との間で内部反射によって反射され続け、
前記チャネルは、各々の前記入光面を少なくとも部分的に囲むように位置しており、
前記円錐面は前記導光体の一方の側にあり、前記チャンネル及び前記入光面は前記導光体の他方の側にある、
車両意匠要素。
【請求項2】
各々の前記入光領域は、前記入光面および前記円錐面の構成により無視できる量の光線が導かれる位置に、前記導光体の前記円錐面および前記前面に隣接するステップダウン面をさらに含み、前記ステップダウン面により、各々の前記入光領域から離れた前記導光体の残りの部分の厚さを減少させることができる、請求項1に記載の車両意匠要素。
【請求項3】
前記相補リブおよび前記チャネルは、各々の入光領域の一部の周りに延在する、請求項1に記載の車両意匠要素。
【請求項4】
前部導光体に配置されたレンズアセンブリをさらに備え、前記レンズアセンブリは、光透過領域および不透明領域を含み、前記光透過領域は、前記拡散領域の反対側の前記導光体の前記前面を出る光が前記レンズアセンブリを透過するように、前記導光体の前記拡散領域に隣接して提供される、請求項1に記載の車両意匠要素。
【請求項5】
前記レンズアセンブリと協働して前記LED、前記リフレクタ、および前記導光体を、耐候性環境で一緒に収容する後部ハウジングおよび前部ハウジングをさらに備える、請求項に記載の車両意匠要素。
【請求項6】
前記レンズが、外部環境に面する外面上に連続的な透明および/または半透明のコーティングをさらに含む、請求項に記載の車両意匠要素。
【請求項7】
前記連続的な透明および/または半透明のコーティングは、クロム、アルミニウム、チタン、ニッケル、モリブデン、ジルコニウム、タングステン、シリコン、ニオブ、タンタル、バナジウム、コバルト、マンガン、銀、亜鉛、インジウム、ゲルマニウム、スズ、ホウ素、ヒ素、アンチモン、テルル、およびそれらの混合物;および/またはそれらの酸化物、窒化物、ホウ化物、フッ化物または炭化物、およびそれらの混合物、からなる群から選択される金属、合金、または半金属から形成された透明および/または半透明の薄い金属層を含む、請求項に記載の車両意匠要素。
【請求項8】
前記透明および/または半透明のコーティングは、クロムまたはクロムベースの反射コーティングであり、前記レンズ、前記クロムまたはクロムベースの反射コーティングの両方が、前記導光体から生じる光に対して少なくとも部分的に透過性である、請求項に記載の車両意匠要素。
【請求項9】
マスク層を形成するために前記レンズ上に塗料および/または不透明材料がコーティングされている、請求項に記載の車両意匠要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、一般に車両のエンブレム、バッジ、ロゴ、またはデザイン要素に関し、詳細には、光源が見えなくても均一な光出力を提供できる光アセンブリを含む車両意匠要素に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]自動車用途で望ましくなった美的特徴は、特定のバッジまたはエンブレムの主要な特徴のバックライトを特徴とする車両の外部バッジおよびエンブレムを提供することである。これらの重要な機能は、発光ダイオード(LED)入力を使用して均一な(均一または均質な)輝度でバックライトを照らすことが望ましい。LEDは、視野角が大きくなるにつれて相対光度が減少する指向性光源である。これにより、バッジの外部観察者に明るいスポットまたはホットスポットが表示され得る。
【0003】
[0003]均一な光度を提供する照明システム、例えば、高価な有機発光ダイオード(OLED)技術または複雑なレンズおよびリフレクタ配置を使用するシステムが知られている。拡散性の高い材料も使用されるが、これらには乳白色またはかすんだ外観を与え、光学効率が低いという欠点がある。さらに望ましい機能は、バッジの外部観察者にLED入力が直接見えないことである。
【0004】
[0004]さらに、特に電気自動車でのこれらの機能の使用に関連して、車両の全体的な性能および効率を向上させるために、車両の電気システムはバッテリからの電力をできるだけ少なくする必要があるため、エネルギー効率に対する要求が高まっている。
【0005】
[0005]本開示は、この背景に対して開発された。したがって、エネルギー効率を高めながら、バックライトを当て、均一な光度を提供する車両意匠要素を提供することが、広く本発明の目的である。
【発明の概要】
【0006】
[0006]この目的は、光アセンブリを含む車両意匠要素を提供する本発明の第1の態様によって解決され、光アセンブリは、前面、後面、複数の入光領域、および光拡散領域を含む導光体と、各LEDがそれぞれの入光領域に隣接してそれらに向けられて配置され、各LEDからの光が、それぞれの入光領域を介して導光体に入り、内部反射によって導光体の光拡散領域に向けられる、複数の発光ダイオード(LED)と、導光体の後面に隣接して導光体の後ろに配置されたリフレクタ要素と、を備え、リフレクタ要素は、各LEDおよび入光領域に対応する複数の開口部を含み、リフレクタ要素は、光を導光体に向かって反射するように構成された前面をさらに含み、リフレクタ要素および導光体は、相補リブおよび入光領域付近の配光を制御するためのチャネルをさらに含み、リブは、入光領域を介して導光体に入った光線の通過を遮断するように、リフレクタの前面から外に延在する、リフレクタ要素の開口部の周りに形成され、導光体の後面に形成された相補チャネルに入れ子になるように構成される。
【0007】
[0007]一実施形態では、各入光領域は、導光体の後面に形成された入光面を含み、入光面を通って、対応するLEDによって発せられた光が導光体を透過し、次いで内部反射によって伝送される。
【0008】
[0008]一実施形態では、各々の入光領域は、導光体の前面に形成された円錐面をさらに含み、入光面は、光線の大部分を円錐面に向かって偏向/屈折させるように成形され、円錐面は、導光体の後面に向かって光線を反射するように構成され、光線は、導光体に沿って前面と後面との間で内部反射によって反射され続ける。
【0009】
[0009]一実施形態では、各々の入光領域は、入光面および円錐面の構成により無視できる量の光線が導かれる位置に、導光体の円錐面および前面に隣接するステップダウン面をさらに含み、ステップダウン面により、各々の入光領域から離れた導光体の残りの部分の厚さを減少させることができる。
【0010】
[0010]一実施形態では、相補リブおよびチャネルは、各々の入光領域の一部の周りに延在する。
【0011】
[0011]一実施形態では、車両意匠要素は、前部導光体に配置されたレンズアセンブリ(500)をさらに備え、レンズアセンブリ(500)は、光透過領域および不透明領域を含み、光透過領域は、拡散領域の反対側の導光体の前面を出る光がレンズアセンブリ(500)を透過するように、導光体の拡散領域に隣接して提供される。
【0012】
[0012]一実施形態では、車両意匠要素は、レンズアセンブリと協働してLED、リフレクタ、および導光体を耐候性環境で一緒に収容する後部ハウジングおよび前部ハウジングをさらに備える。
【0013】
[0013]一実施形態では、レンズは、外部環境に面する外面上に連続的な透明および/または半透明のコーティングをさらに含む。
【0014】
[0014]一実施形態では、連続的な透明および/または半透明のコーティングは、クロム、アルミニウム、チタン、ニッケル、モリブデン、ジルコニウム、タングステン、シリコン、ニオブ、タンタル、バナジウム、コバルト、マンガン、銀、亜鉛、インジウム、ゲルマニウム、スズ、ホウ素、ヒ素、アンチモン、テルル、およびそれらの混合物;および/またはそれらの酸化物、窒化物、ホウ化物、フッ化物または炭化物、およびそれらの混合物、からなる群から選択される金属、合金、または半金属から形成された透明および/または半透明の薄い金属層を含む。
【0015】
[0015]一実施形態では、透明および/または半透明のコーティングは、クロムまたはクロムベースの反射コーティングであり、レンズ、クロムまたはクロムベースの反射コーティングの両方が、導光体から発生する光に対して少なくとも部分的に透過性である。
【0016】
[0016]一実施形態では、マスク層を形成するためにレンズ上に塗料および/または不透明材料がコーティングされている。
【0017】
[0017]本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】[0018]一実施形態による、車両意匠要素の正面斜視図である。
図2】[0019]図1の車両意匠要素の正面分解図である。
図3】[0020]図1の車両意匠要素の背面分解図である。
図4】[0021]導光体の入光領域の1つの中心を通る、図1の車両意匠要素の断面図である。
図5】[0022]図1の車両意匠要素からの導光体の正面斜視図である。
図6】[0023]図5の導光体の後面斜視図である。
図7】[0024]図1の車両意匠要素からのリフレクタの正面斜視図である。
図8】[0025]光線が入光領域とどのように相互作用するかを詳細に示す、図1の車両意匠要素の入光領域の一部の詳細な断面図である。
図9】[0026]アセンブリの発光面全体の光度を示す、リブとチャネルとを備えた車両意匠要素のシミュレーション出力である。
図10】[0027]アセンブリの発光面全体の光度を明らかにする、リブとチャネルとがない車両意匠要素のシミュレーション出力である。
図11】[0028]別の実施形態による導光体の正面斜視図である。
図12】[0029]図11の導光体の後方斜視図である。
図13】[0030]別の実施形態によるリフレクタの正面斜視図である。
図14】[0031]図11の導光体と図13のリフレクタとの相互係合を詳細に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0032]ここで図1から図7を参照すると、一実施形態による光アセンブリ1を含む車両意匠要素が示されている。ただし、以下は特定の一実施形態に限定されるものではなく、これらの特徴は一般に本発明を定義するものであり、これらの特徴は切り離すことができないように関連しておらず、説明したように一般化できることに留意されたい。
【0020】
[0033]図2および図3に最もよく示されているように、アセンブリ1は、多数の別個の構成要素を含む。後部から前部に向かって、後部ハウジング100、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)200、リフレクタ300、導光体400、レンズアセンブリ500、および前部ハウジング600がある。
【0021】
[0034]この実施形態では、車両意匠要素は、後部ハウジング100、リフレクタ300、導光体400、レンズアセンブリ500、および前部ハウジング600に付与される、湾曲した(または凸状の)楕円形の、有名な自動車ブランドのロゴを含む自動車バッジの形をしていることが分かる。他のまたは代替のブランドおよび/またはデザインも、本開示の範囲内にあることを意図していることを理解されたい。例えば、別の実施形態では、車両意匠要素は、代わりに、後部ハウジング、リフレクタ、導光体、レンズアセンブリ、および前部ハウジングもこの平面(または平坦)形状をとるように、実質的に平面(または平坦)であってもよい。凹型、波型、凸凹型などのその他の形状。
【0022】
[0035]後部ハウジング100は、アセンブリを車両に固定するための固定手段110を含む。後部ハウジング100は、レンズアセンブリ500および前部ハウジング600と協働してPCBA200、リフレクタ300、および導光体400を耐候性環境で一緒に収容し、後部ハウジング100および前部ハウジング600は、残りの構成要素を効果的に挟んで互いに固定されるように構成される。前部および後部ハウジング100、600は両方とも不透明であり、好ましくは黒色であり、アセンブリ1からの不要な光漏れを防止するか、少なくとも実質的に低減する。好ましい形態では、後部ハウジング100は黒色のナイロンから製造され、前部ハウジング600はPMMAから製造される。一般に、他の適切な材料を使用することができ、これらの材料は、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0023】
[0036]後部ハウジング100は、PCBA200を収容するための凹部120を特徴とする。図示の実施形態では、PCBA200は、留め具204を介して後部ハウジング100に固定されるように構成された3つのプリント回路基板201、202、203を含み、互いに離れて配置され、全体的に前方に向けられた合計4つのLED210、220、230、240を提供する。プリント回路基板201、202、203の構成、ならびにLEDの位置および数は、必要な光出力、ならびに特定のロゴのサイズおよびスタイルに応じて変更できることが理解されよう。また、各LEDは、優先的に軸対称に、主光軸の周りに配置された複数の光線を含む光ビームを放出することも理解されるであろう。
【0024】
[0037]後部ハウジング100およびPCBA200の前に配置されているのは、LED210、220、230、240のそれぞれから放射された光が開口部を通過して導光体400に向かうように配置およびサイズ設定された4つの開口部310、320、330、340を特徴とするリフレクタ300である。リフレクタ300に関するさらなる情報は、本開示において後に提供される。
【0025】
[0038]導光体400は、リフレクタ300の前に配置され、リフレクタの開口部310、320、330、340に隣接して配置された4つの入光領域410、420、430、440と、LED210、220、230、240とを特徴とする。4つの受光領域はそれぞれ、それぞれの隣接するLEDから導光体400に内部反射される光の量を最大にするように構成された形状を特徴とする。受光領域を除いて、導光体400の残りの部分は実質的に一定の厚さを有する。前述のように、凸状の楕円形などの他の物理的特徴はバッジの形状によって決定され、上記の代替形状も本開示の範囲内にあることを意図していることを理解されたい。例えば、導光体は、円形、三角形、または四角形の湾曲または平面形状など、さまざまな幾何学的形状をとることができるが、これらに限定されない。好ましい形態では、導光体400は、ACRYLITE(登録商標)LD12などの光散乱特性を有する透明なPMMAから製造される。もちろん、別の実施形態では、他の適切な材料を使用できることを理解されたい。
【0026】
[0039]導光体400は、導光体の後面402上に形成された印刷ドットパターンまたはエッチング仕上げから形成され得る拡散領域450を特徴とする。内部反射光がこの拡散領域450に到達すると、次に、拡散領域450に形成されたパターンまたは仕上げが、アセンブリ1の所望の光出力のパターンに対応するように、この領域450の反対側の導光体400の前面401を出る割合で拡散されることを理解されたい。
【0027】
[0040]図示の実施形態では、拡散領域450がロゴの形をしていることが分かる。本発明の範囲内で、代替形状の拡散領域を使用して、代替形状の光出力を達成することもできる。
【0028】
[0041]所望の光出力パターンに関係なく、LED210、220、230、240を拡散領域450のすべての部分から等距離に配置することはできないこと、および、このような限られた数のLEDから均一な光出力を達成することは、LEDから離れた領域よりも、より多くの光を受け取り、より明るく見えるLEDに近い領域が、より少ない光を受け取り、より暗く見えるため、達成するのが困難であることを理解されたい。
【0029】
[0042]LEDの数を増やし、拡散性の高い導光体を使用すると、これを解決できるかもしれないが、この解決策は、照明アセンブリのエネルギー消費を望ましくなく増加させ、導光体の光効率および解決策の電気効率を全体として低下させる可能性があることを理解されたい。
【0030】
[0043]光出力の均一性を向上させるために、以下に説明するように、さまざまな対策が講じられている。
【0031】
[0044]各LEDに隣接する導光体の入光領域は、内部全反射を最大化するためにさまざまな光学的特徴を備えている。図8を参照すると、LEDによって発せられた光は、入光面411を通って導光体に浸透し、そこで入光面411と導光体400の前面および後面401、402との間の内部反射によって伝達されることが分かる。
【0032】
[0045]各入光領域の入光面411は、導光体400の後面402に向かって光線を反射するように構成された円錐面412に向かって光線の大部分を偏向/屈折させるように形作られ、それらは前面および後面401、402の間の導光体400に沿って内部反射によって反射され続ける。
【0033】
[0046]図4および図8に最もよく示されるように、各入光領域は、入光面411および円錐面412の構成により無視できる量の光線が導かれる位置における円錐面412および前面401に隣接するステップダウン面413を特徴とする。このステップダウン面413により、導光体400の端部への光の透過を改善するために、入光領域410から離れた導光体400の残りの部分の厚さを減少させることができることが理解されるであろう。
【0034】
[0047]達成可能な全内部反射量を最大化する形状を提供することにより、導光体の効率を高めることができ、必要なLEDの数を減らすことができる。図示の実施形態では、各入光領域は導光体の前面に形成された円錐面を特徴としているが、LEDからの光を導光体の残りの部分に向けるために他の形状を使用することもできることを理解されたい。
【0035】
[0048]図5および図6を参照すると、入光領域の幾何学的形状は、導光体を介して受光および伝送される光の量を変化させるようにサイズ設定することができ、小さい光入口面および円錐面は、より大きな幾何学的形状を有するものよりも効率が低くなることが分かる。図示の例では、2つの上部LED210、220およびそれらの対応する入光領域形状410、420は、2つの下部LED230、240およびそれらの対応する入光領域430、440よりも拡散領域450に近接して配置される。したがって、それらが相対的に近接している結果として、より高い効率を有するより大きな入光領域が2つの下部LED430、440に必要とされることが理解されるであろう。
【0036】
[0049]リフレクタ300および導光体400はまた、相補リブ311、321、331、341およびチャネル414、424、434、444を特徴とし、入光領域410付近の配光を制御する。図7に最もよく示されているように、リブ311、321、331、341は、リフレクタ300の開口部310、320、330、340の周りに形成され、それらはリフレクタ300の前面301から延在し、導光体400の後面402に形成された相補チャネル414、424、434、444に入れ子になって、導光体400に入った光線の通過を遮断するように構成される。入光領域410の一部の断面図が示されている図8に最もよく示されているように、チャネルおよびリブ414、311の位置は、導光体400の他の領域よりも少ない照明を必要とする領域に光が通過する前に、光を効果的に遮断するために、ステップダウン面413が導光体400の断面積を狭めた導光体400の部分に対応することが分かる。他のものよりも少ない照明を必要とする領域は、ホットスポットを減らし、アセンブリ1から比較的均一な光出力を生成する必要性によって駆動され、LEDの位置と拡散領域のパターンに依存し、単一のLEDに近接した領域および/または複数のLEDの中心にある領域では、照度を下げる必要があることを理解されたい。
【0037】
[0050]これらのチャネルおよびリブの高さ、ならびにそれらが入光領域を取り囲む範囲は、達成される光遮断の量を微調整するために変更され得ることが理解されるであろう。
【0038】
[0051]図5から図7に最もよく示されているように、各入光領域は、各入光領域の中心である拡散領域450の中央部分に進入して進行する光の一部を遮断するように、入光領域の周りに約180度延在するリブおよびチャネルを特徴とすることが分かる。各入光領域に近接する拡散領域の一部に向かって進行する光の一部を遮るために、下部の2つの入光領域のそれぞれが、入光領域の周りに約45度延びる第2のリブとチャネルを特徴とすることも分かる。
【0039】
[0052]これらの相補リブおよびチャネルの使用は、組み立て中に導光体およびリフレクタを互いに対して配置するのに役立つことも理解されるであろう。
【0040】
[0053]ここで、シミュレーションからの出力が提供される図9および図10を参照すると、リブおよびチャネルを有する導光体(図9)と、リブおよびチャネルを有さない導光体(図10)との間の光分布の違いが示されている。本発明では、リブとチャネルを備えた導光体のバージョンは、入光領域に近接した、および/または中心にあった領域におけるホットスポットを特徴とする、リブとチャネルを備えていないバージョンよりも、光透過領域全体で大幅に均一な光分布を生成することが分かる。
【0041】
[0054]LEDから伝送される光の大部分は、導光体400によって内部反射されるように意図されているが、光の一部は、前面401および後面402を通って導光体400を出ることが理解されるであろう。リフレクタ300は、その前面301に、導光体400に向かって迷光光線を反射および拡散させることができる仕上げ(白いつや消しまたはエッチングされた鏡面仕上げなど)を有することができる。リブが導光体400を通って移動する光の通過を遮断するとき、それらは導光体400を通って戻る光を反射および拡散するように、この同じつや消しの白またはエッチングされた鏡面仕上げをリフレクタ300のリブにも適用できることも理解されるであろう。好ましい形態では、リフレクタ300は白いナイロンから製造される。もちろん、別の実施形態では、他の適切な材料を使用できることを理解されたい。
【0042】
[0055]導光体400の周囲または縁部403はまた、導光体400の縁部403に到達するあらゆる光線が、後部および前部のハウジング100、600に吸収されるのではなく、導光体400を通って反射して戻されるように、例えば白色仕上げを有する反射面で処理されてもよい。
【0043】
[0056]導光体400の前には、光透過領域510および不透明領域520を含むレンズアセンブリ500があり、光透過領域510は、拡散領域450とは反対側の導光体400の前面401を出る光がレンズアセンブリ500を透過するように、導光体400の拡散領域450に隣接して設けられる。
【0044】
[0057]図示の実施形態では、光透過領域510および不透明領域520は、光透過レンズ510および不透明インサート520である別個の構成要素から形成される。不透明なインサート520の後面521はまた、インサート520によって吸収されるのではなく、あらゆる迷光光線が導光体400を通して反射して戻されるように、例えば白色仕上げを有する反射面で処理されてもよい。別の形態では、後面521は、反射性および/または拡散を提供するために共成形、接合、またはクリップインされ得る反射特性を有する追加の構成要素を特徴とし得る。
【0045】
[0058]レンズ510は、ポリカーボネートなどの少なくとも部分的に透明または半透明の材料で作られる。また、1つまたは複数の不透明部分を含めることもできる。レンズの発光部分を画定するためのマスク(図示せず)も適用され得る。好ましい形態では、不透明インサート520は黒色のPMMAから製造される。もちろん、別の実施形態では、他の適切な材料を使用できることを理解されたい。
【0046】
[0059]一形態では、レンズは、外側構成要素および内側構成要素を備え得る。外側構成要素は透明な材料から製造することができ、内側構成要素は不透明材料を使用して外側構成要素の内面にオーバーモールドすることができる。
【0047】
[0060]ここで図11から図14を参照すると、別の導光体およびリフレクタの配置が示されている。前の実施形態と同様に、リフレクタ700は、LEDのそれぞれから放射された光が開口部を通過して導光体800に向かうように配置およびサイズ設定された4つの開口部710、720、730、740を特徴とする。前の実施形態とは異なり、開口部がより小さく、テーパ面712、722、732、742を特徴とし、アセンブリ全体内でのさらなる内部反射を促進することが分かる。
【0048】
[0061]前の実施形態と同様に、導光体800はまた、導光体800に内部反射される光の量を最大にするように構成された4つの入光領域810、820、830、840を特徴とする。リフレクタ700および導光体800はまた、相補リブ711、721、731、741およびチャネル814、824、834、844を特徴とし、入光領域付近の配光を制御する。
【0049】
[0062]図11図12、および図14を参照すると、導光体800を通る光の通過を完全に遮断するように、チャネル834、844のうちの2つの部分が、導光体800の全体を通って延在する対応するリブ731、741の部分を収容するために、貫通穴835、845を備えることが分かる。
【0050】
[0063]前の実施形態とは異なり、リフレクタ700および導光体800は、導光体800全体にわたる光の分布をさらに制御する目的で、入光領域と発光面との間の領域に配置された追加の相補リブ702およびチャネル803を特徴とすることも分かる。
【0051】
[0064]ここで図13および図14を参照すると、リフレクタ700には、前面701から導光体700の周囲に延在するリム703が設けられていることが分かる。前面701と共に、このリム703も、導光体800の縁部803に到達し、導光体800を通って戻る迷光光線を反射および拡散することができる仕上げ(つや消しの白またはエッチングされた鏡面仕上げなど)を有することを理解されたい。図13にも見られるように、リム703の高さは、導光体800に向かって反射して戻る光の量を微調整するために変化し得る。
【0052】
[0065]示されている実施形態では、車両意匠要素は、有名な自動車ブランドの形をしているが、代替設計も本開示の範囲内に入ることが意図されており、LEDを配置し、それらの対応する入光領域の形状をサイズ設定し、関連するリブおよびチャネルを配置およびサイズ設定するための同様の原理が、望ましい均一な光出力をもたらすことが理解されるであろう。
【0053】
[0066]一実施形態では、レンズ510は、外部環境に面する外面上に連続的な透明および/または半透明のコーティングを備えて、非表示から照明(HTL:hidden to lit)への機能を提供することができる。さらなる一実施形態では、透明および/または半透明のコーティングをレンズ510の内面に設けることができ、または透明および/または半透明のコーティングをレンズ510の両側に設けることができる。透明および/または半透明のコーティングは、レンズ510を通過する拡散光の少なくともいくらかに対して、少なくとも部分的に透過性である。透明および/または半透明のコーティングは、クロム、アルミニウム、チタン、ニッケル、モリブデン、ジルコニウム、タングステン、シリコン、ニオブ、タンタル、バナジウム、コバルト、マンガン、銀、亜鉛、インジウム、ゲルマニウム、スズ、ホウ素、ヒ素、アンチモン、テルルおよびそれらの混合物、および/またはそれらの酸化物、窒化物、ホウ化物、フッ化物または炭化物、およびそれらの混合物からなる金属、合金、または半金属から形成された透明および/または半透明の薄い金属層であってもよい。透明および/または半透明は均一な光出力を透過する。一実施形態では、透明および/または半透明のコーティングは、クロムまたはクロムベースの反射コーティングであり、レンズ510、クロムまたはクロムベースの反射コーティングの両方が、導光体から生じる光に対して少なくとも部分的に透過性である。別の実施形態では、塗料および/または不透明材料をレンズ510上にコーティングして、マスク層を形成することができる。
【0054】
[0067]以下の明細書および特許請求の範囲を通じて、文脈が別の方法で要求しない限り、「含む」および「含む」という言葉、および「含む」および「含む」などの変形は、示された整数または整数のグループを含むことを意味すると理解されるが、他の整数または整数のグループを排除するものではない。
【0055】
[0068]本明細書における先行技術への言及は、そのような先行技術が共通の一般知識の一部を形成するといういかなる形態の提案の承認でもなく、そのように解釈されるべきではない。
【0056】
[0069]当業者は、本発明がその使用において記載された特定の用途に限定されないことを理解するであろう。本発明は、本明細書に記載または図示された特定の要素および/または特徴に関して、その好ましい実施形態に限定されない。本発明は、開示された実施形態または複数の実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲によって示され定義される本発明の範囲から逸脱することなく、多数の再構成、修正、および置換が可能であることを理解されたい。
(項目1)
光アセンブリを含む車両意匠要素(1)であって、
前面(401)、後面(402)、複数の入光領域(410、420、430、440)、および光拡散領域を含む導光体(400、800)と、
複数の発光ダイオード(LED)(210、220、230、240)であって、各LED(210、220、230、240)がそれぞれの入光領域(410、420、430、440)に隣接してそれらに向けられて配置され、各LED(210、220、230、240)からの光が、それぞれの入光領域(410、420、430、440)を介して前記導光体(400、800)に入り、内部反射によって前記導光体(400、800)の光拡散領域に向けられる、複数の発光ダイオード(LED)(210、220、230、240)と、
前記導光体(400、800)の前記後面(402)に隣接して前記導光体(400、800)の後ろに配置されたリフレクタ要素(300)と、を備え、前記リフレクタ要素(300)は、各LED(210、220、230、240)および入光領域(410、420、430、440)に対応する複数の開口部(310、320、330、340)を含み、前記リフレクタ要素(300)は、光を前記導光体(400、800)に向かって反射するように構成された前面をさらに含み、
前記リフレクタ要素(300)および前記導光体(400、800)は、相補リブ(311、321、331、341)および入光領域(410、420、430、440)付近の配光を制御するためのチャネルをさらに含み、前記リブ(311、321、331、341)は、前記入光領域(410、420、430、440)を介して前記導光体(400、800)に入った光線の通過を遮断するように、前記リフレクタ(300)の前記前面(301)から外に延在する、前記リフレクタ要素(300)の前記開口部(310、320、330、340)の周りに形成され、前記導光体(400、800)の前記後面(401)に形成された相補チャネル(414、424、434、444)に入れ子になるように構成される、
車両意匠要素(1)。
(項目2)
各入光領域(410、420、430、440)が、前記導光体(400、800)の前記後面(402)に形成された入光面(411、421、431、441)、を含み、前記入光面を通って、対応するLED(210、220、230、240)によって放射された光が前記導光体(400、800)を透過し、次いで内部反射によって伝送される、項目1に記載の車両意匠要素。
(項目3)
各々の前記入光領域(410、420、430、440)は、前記導光体(400、800)の前記前面に形成された円錐面をさらに含み、前記入光面(411、421、431、441)は、光線の大部分を前記円錐面に向かって偏向/屈折させるように成形され、前記円錐面は、前記導光体(400、800)の前記後面(402)に向かって前記光線を反射するように構成され、前記光線は、前記導光体(400、800)に沿って前記前面と前記後面(401、402)との間で内部反射によって反射され続ける、項目2に記載の車両意匠要素。
(項目4)
各々の前記入光領域(410、420、430、440)は、前記入光面(411、421、431、441)および前記円錐面の構成により無視できる量の光線が導かれる位置に、前記導光体(400、800)の前記円錐面および前記前面に隣接するステップダウン面(413)をさらに含み、前記ステップダウン面(413)により、各々の前記入光領域(410、420、430、440)から離れた前記導光体(400、800)の残りの部分の厚さを減少させることができる、項目3に記載の車両意匠要素。
(項目5)
前記相補リブ(311、321、331、341)およびチャネル(414、424、434、444)は、各々の前記入光領域(410、420、430、440)の一部の周りに延在する、項目1から4のいずれか一項に記載の車両意匠要素。
(項目6)
前部導光体(400、800)に配置されたレンズアセンブリ(500)をさらに備え、前記レンズアセンブリ(500)は、光透過領域(510)および不透明領域(520)を含み、前記光透過領域(510)は、前記拡散領域(450)の反対側の前記導光体(400、800)の前記前面を出る光が前記レンズアセンブリ(500)を透過するように、前記導光体(400、800)の前記拡散領域(450)に隣接して提供される、項目1から5のいずれか一項に記載の車両意匠要素。
(項目7)
前記レンズアセンブリ(500)と協働して前記LED(210、220、230、240)、リフレクタ(300)、および導光体(400、800)を、耐候性環境で一緒に収容する後部ハウジング(100)および前部ハウジング(600)をさらに備える、項目6に記載の車両意匠要素。
(項目8)
前記レンズが、外部環境に面する外面上に連続的な透明および/または半透明のコーティングをさらに含む、項目6または7に記載の車両意匠要素。
(項目9)
前記連続的な透明および/または半透明のコーティングは、クロム、アルミニウム、チタン、ニッケル、モリブデン、ジルコニウム、タングステン、シリコン、ニオブ、タンタル、バナジウム、コバルト、マンガン、銀、亜鉛、インジウム、ゲルマニウム、スズ、ホウ素、ヒ素、アンチモン、テルル、およびそれらの混合物;および/またはそれらの酸化物、窒化物、ホウ化物、フッ化物または炭化物、およびそれらの混合物、からなる群から選択される金属、合金、または半金属から形成された透明および/または半透明の薄い金属層を含む、項目8に記載の車両意匠要素。
(項目10)
前記透明および/または半透明のコーティングは、クロムまたはクロムベースの反射コーティングであり、前記レンズ、前記クロムまたはクロムベースの反射コーティングの両方が、前記導光体(400、800)から生じる光に対して少なくとも部分的に透過性である、項目8または9に記載の車両意匠要素。
(項目11)
マスク層を形成するために前記レンズ上に塗料および/または不透明材料がコーティングされている、項目6から10のいずれか一項に記載の車両意匠要素。
【符号の説明】
【0057】
1 車両意匠要素
100 後部ハウジング
110 固定手段
102 凹部
200、201、202、203 プリント回路基板(PCBA)
204 留め具
210、220、230、240 LED
300 リフレクタ
301 前面
310、320、330、340 開口部
311、321、331、341 リブ
400 導光体
401 前面
402 後面
410、420、430、440 入光領域
411、421、431、441 入光面
412 円錐表面
413 ステップダウン面
414、424、434、444 チャネル
450 拡散領域
500 レンズアセンブリ
510 光透過領域
520 不透明な領域
521 後面
600 前部ハウジング
700 リフレクタ
701 前面
702 リブ
703 リム
710、720、730、740 開口部
711、721、732、741 リブ
712、722、732、742 テーパ面
731、741 リブ
800 導光体
803 チャネル
810、820、830、840 入光領域
814、824、834、844 チャネル
835、845 貫通穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13
図14