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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】携帯端末
(51)【国際特許分類】
   F28D 15/02 20060101AFI20240821BHJP
   H01L 23/427 20060101ALI20240821BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
F28D15/02 F
F28D15/02 L
F28D15/02 101H
F28D15/02 G
H01L23/46 B
H05K7/20 R
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022507973
(86)(22)【出願日】2020-03-19
(86)【国際出願番号】 JP2020012372
(87)【国際公開番号】W WO2021186686
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2023-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】524066085
【氏名又は名称】FCNT合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋 祐哉
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 智則
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 泰亮
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼岡 峻一
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/026786(WO,A1)
【文献】特開2013-174376(JP,A)
【文献】特開2015-095629(JP,A)
【文献】特開2017-041530(JP,A)
【文献】特開平11-237193(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0083371(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 15/00 - 15/06
H01L 23/427
H05K 7/20
H04M 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱部品と、
熱を輸送する流体を封入し、前記発熱部品と接触する本体部と、前記本体部の底部の縁から突出する突出部とを有するベーパーチャンバーと、
前記本体部が挿入される貫通孔を有する板状の金属製構造体と、
前記金属製構造体の法線方向視において前記金属製構造体と重なって配置される前記突出部と前記金属製構造体とを接着する熱伝導性接着部材と、を備え、
前記本体部と前記金属製構造体との間には間隙が形成され、
前記熱伝導性接着部材は、前記突出部と前記金属製構造体との間において幅を変えて配置される、
携帯端末。
【請求項2】
前記熱伝導性接着部材は、前記発熱部品からの熱の伝導を促進する部分には第1の幅で配置され、
前記発熱部品からの熱の伝導を抑制する部分には前記第1の幅よりも狭い第2の幅で配置される、
請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記金属製構造体は、前記携帯端末の筐体の内壁面と接する、
請求項1または2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記熱伝導性接着部材は、両面テープである、
請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記ベーパーチャンバーは、前記本体部の一部において前記発熱部品と接する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の携帯端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンに例示される携帯端末では、筐体内に各種電子部品等が実装される。これら電子部品が発する熱を拡散させる様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1には、充電池を熱伝導性両面テープで金属フレームに張り付けた携帯端末について記載されている。特許文献2には、液晶パネルを高熱伝導性両面テープによって金属プレートに固着させるプロジェクタ用液晶表示装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-029918号公報
【文献】特開2005-062726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯端末では、小型化、薄型化及び表示部の大画面化が進められていることから、筐体内に収容される電子部品や基板等の各種部品を実装するスペースは減少傾向にある。さらに、Third Generation Partnership Project(3GPP)において次の通信規格として定義される第5世代移動通信システム(以下、5Gとも記載)では、通信時における電子部品の発熱量が従来よりも極めて大きくなる。このような状況において、電子部品が発する熱を筐体内に拡散することが困難となっており、ヒートスポット(部分的に高熱となる領域)が発生しやすくなっていた。
【0005】
開示の技術の1つの側面は、薄型化が容易で発熱部品からの熱の伝導を容易に制御できる携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の技術の1つの側面は、次のような携帯端末によって例示される。本携帯端末は、発熱部品と、熱を輸送する流体を封入し、前記発熱部品と接触する本体部と、前記本体部の底部の縁から突出する突出部とを有するベーパーチャンバーと、前記本体部が挿入される貫通孔を有する板状の金属製構造体と、前記金属製構造体の法線方向視において前記金属製構造体と重なって配置される前記突出部を金属製構造体と接着する熱伝導性接着部材と、を備え、前記本体部と前記金属製構造体との間には間隙が形成され、前記熱伝導性接着部材は、前記発熱部品から前記金属製構造体へ伝導させる熱量に応じて配置される。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術は、薄型化が容易で発熱部品からの熱の伝導を容易に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係るスマートフォンの分解斜視図を示す図である。
図2図2は、図1のA-A線断面図である。
図3図3は、実施形態に係るスマートフォンのリアカバーを外した状態を例示する図である。
図4図4は、図3のB-B線端面図である。
図5図5は、実施形態におけるベーパーチャンバーからヒートシンクへの熱の伝導を模式的に示す図である。
図6図6は、実施形態における電子部品からベーパーチャンバーを介してヒートシンクへの熱の移動を模式的に示す図である。
図7図7、熱伝導性両面テープの幅の違いによる熱伝導の差を模式的に示す第1の図である。
図8図8は、熱伝導性両面テープの幅の違いによる熱伝導の差を模式的に示す第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態>
以下に示す実施形態の構成は例示であり、開示の技術は実施形態の構成に限定されない。実施形態に係る携帯端末は、例えば、以下の構成を備える。
本実施形態に係る携帯端末は、
発熱部品と、
熱を輸送する流体を封入し、前記発熱部品と接触する本体部と、前記本体部の底部の縁から突出する突出部とを有するベーパーチャンバーと、
前記本体部が挿入される貫通孔を有する板状の金属製構造体と、
前記金属製構造体の法線方向視において前記金属製構造体と重なって配置される前記突出部を前記金属製構造体と接着する熱伝導性接着部材と、を備え、
前記本体部と前記金属製構造体との間には間隙が形成され、
前記熱伝導性接着部材は、前記発熱部品から前記金属製構造体へ伝導させる熱量に応じて配置される。
【0010】
実施形態に係る携帯端末は、使用者が携帯可能な可搬型の情報処理装置である。可搬型の情報処理装置としては、フィーチャーフォン、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、ノートブック型コンピュータ等を挙げることができる。
【0011】
発熱部品は、携帯端末において発熱する部品である。発熱部品としては、例えば、プロセッサ、メモリ、二次電池、アンテナ装置等を挙げることができる。
【0012】
ベーパーチャンバーは、本体部及び突出部のいずれもが薄い金属板によって平板状に形成されるヒートパイプである。ベーパーチャンバーは、従来利用されているヒートパイプよりも薄く形成される。ベーパーチャンバーは、熱を輸送する流体を封入するため空間を設けるため本体部には突出部よりも厚みが生じる。ベーパーチャンバーから金属製構造体へ熱を伝導させるために、このような厚みを有する本体部を金属製構造体に重ねて配置してしまうと、携帯端末の薄型化が困難となる。そこで、本実施形態では、板状の金属製構造体に設けた貫通孔に本体部を挿入する。そして、、本体部の底部の縁から突出させた突出部を金属製構造体の法線方向視において金属製構造体と重なるように配置し、突出部と金属製構造体を熱伝導性接着部材で接着させることで、ベーパーチャンバーから金属製構造体への熱伝導を実現する。厚みのある本体部を金属製構造体の貫通穴に挿入することで、携帯端末の薄型化を容易にすることができる。
【0013】
金属製構造体は金属で形成されていることから熱伝導率が高く、ベーパーチャンバーから伝導された熱を拡散することが容易である。また、本実施形態において、金属製構造体は、携帯端末の筐体の内壁面と接してもよい。金属製構造体が筐体の内壁面と接することで、金属製構造体が筐体を内側から支持することができる。そのため、携帯端末の剛性が高められる。
【0014】
ここで、熱伝導性接着部材としては、熱伝導率が高く、突出部と金属製構造体とを接着できるものであれば、様々なものを用いることができる。熱伝導性接着部材は、例えば、熱伝導率の高い両面テープ、熱伝導率の高い接着剤であってもよい。また、熱伝導性接着部材は、熱伝導率の高い部材であって、突出部と金属製構造体とを溶接する部材であってもよい。
【0015】
さらに、本実施形態では、突出部と金属製構造体とを接着させる熱伝導性接着部材の配置によって、発熱部品から金属製構造体に伝導させる熱量を制御することができる。例えば、発熱部品から金属製構造体へより多くの熱を伝導させたい部分では幅を広く形成した熱伝導性接着部材や、熱伝導率の高い熱伝導性接着部材で突出部と金属製構造体とを接着させればよい。また、例えば、発熱部品から金属製構造体に伝導させる熱を抑制したい部分では幅を狭く形成した熱伝導性接着部材や熱伝導率の低い熱伝導性接着部材で突出部と金属製構造体とを接着させたり、熱伝導性接着部材による接着を行わなかったりすればよい。熱伝導性接着部材の配置によって、発熱部品から金属製構造体へ伝導させる熱量を制御することが可能となる。
【0016】
ここで、前記熱伝導性接着部材は、前記発熱部品からの熱の伝導を促進する部分には第1の幅で配置され、前記発熱部品からの熱の伝導を抑制する部分には第1の幅よりも広い第2の幅で配置されてもよい。
【0017】
本実施形態に係る携帯端末では、前記ベーパーチャンバーは、前記本体部の一部において前記発熱部品と接してもよい。すなわち、ベーパーチャンバーの少なくとも一部は発熱部品と接しない。このような特徴を備えることで、ベーパーチャンバーは、発熱部品からの熱を発熱部品が実装されていない領域に伝導させることが容易になる。
【0018】
以下、図面を参照して上記携帯端末をスマートフォンに適用した実施形態についてさらに説明する。図1は、実施形態に係るスマートフォンの分解斜視図を示す図である。スマートフォン1は、無線通信可能な可搬型の情報処理装置である。スマートフォン1は、フロントカバー11、ベーパーチャンバー12、熱伝導性両面テープ13、ヒートシンク14、基板15及びリアカバー16を備える。
【0019】
スマートフォン1は、携帯型の情報処理装置である。フロントカバー11及びリアカバー16は、スマートフォン1の筐体である。フロントカバー11には、例えば、ディスプレイ、スピーカー及びマイクロフォンが実装される。また、リアカバー16には、例えば、リアカメラが実装される。スマートフォン1では、フロントカバー11及びリアカバー16が形成する筐体内に、ベーパーチャンバー12、熱伝導性両面テープ13、ヒートシンク14及び基板15が収容される。
【0020】
ベーパーチャンバー12は、薄い板状に形成したヒートパイプである。図2は、図1のA-A線断面図である。図2は、ベーパーチャンバー12の断面を模式的に示す。図2を参照すると理解できるように、ベーパーチャンバー12は、本体部121及び突出板122を備える。ベーパーチャンバー12は、「ベーパーチャンバー」の一例である。
【0021】
本体部121は、内部に熱を輸送する流体を封入する。流体は、例えば、純水である。図2を参照すると理解できるように、実施形態で採用するベーパーチャンバー12は、断面視において下方に開口した略U字形状有する上板1211と、当該開口を閉塞する平板上の底板1212と、底板1212の幅方向の端部から突出する突出板122を備える。底板1212と突出板122とは一体で形成されてもよいし、別体で形成されてもよい。流体は、上板1211と底板1212とが区画する内部領域1213内に封入される。内部領域1213には、流体による熱の輸送に用いるウィックが設けられる。本体部121は、内部領域1213に流体を封入するため、突出板122よりも厚みが生じる。本体部121は、「本体部」の一例である。突出板122は、「突出部」の一例である。
【0022】
熱伝導性両面テープ13は、熱伝導率の高い素材で作製された両面テープである。本実施形態では、ヒートシンク14とベーパーチャンバー12の突出板122とを熱伝導性両面テープ13で接着する。そして、熱伝導性両面テープ13が、ベーパーチャンバー12によって輸送される熱をヒートシンク14に伝導させる。熱伝導性両面テープ13は、「熱伝導性接着部材」の一例である。
【0023】
ヒートシンク14は、熱伝導性の高い金属を板状に形成した部材である。ヒートシンク14は、フロントカバー11とリアカバー16が形成する筐体内に収容される。すなわち、ヒートシンク14は、スマートフォン1の厚み方向において、フロントカバー11とリアカバー16との間に配置される。
【0024】
ヒートシンク14には、ヒートシンク14を厚み方向に貫通する貫通孔141が形成される。貫通孔141は、ベーパーチャンバー12の本体部121を挿入可能な形状に形成される。貫通孔141は、図1に例示するように、ヒートシンク14の中央付近を通る中央部分1411を有することが好ましい。このように貫通孔141がヒートシンク14の中央付近を通過する形状に適合するベーパーチャンバー12を採用すると、ベーパーチャンバー12からの熱をヒートシンク14の中央付近に伝導させ、伝導させた熱を効率よくヒートシンク14全体に拡散させることが容易となる。ヒートシンク14は、「金属製構造体」の一例である。貫通孔141は、「貫通孔」の一例である。
【0025】
基板15は、電子部品151を実装する基板である。基板15は、例えば、プリント基板である。電子部品151は、例えば、Central Processing Unit(CPU)やメモリ等を挙げることができる。電子部品151は、「発熱部品」の一例である。
【0026】
図3は、実施形態に係るスマートフォンのリアカバーを外した状態を例示する図である。図3において、リアカバー16側からは視認できない電子部品151の位置は点線で示されている。図3の例では、ベーパーチャンバー12は、長方形状にヒートシンク14の長手方向の一端付近から他端付近にまで達するように配置される。また、図3の例では、ベーパーチャンバー12は、ヒートシンク14の貫通孔141における中央部分1411を通るように配置される。電子部品151は、ヒートシンク14の一端側において、ベーパーチャンバー12の本体部121と接触する。ここで、電子部品151と本体部121との間に充填剤を充填することで、電子部品151と本体部121との間に生じる隙間を低減し、電子部品151から本体部121への熱伝導の効率を高めてもよい。充填剤は熱伝導率の高いものが好ましく、例えば、株式会社カネカ製の「非シリコーン一液室温硬化型熱伝導性エラストマー」を採用することができる。また、ヒートシンク14は、フロントカバー11の側面を形成する部分の内壁面と接してもよい。ヒートシンク14がフロントカバー11の側面を形成する部分の内壁面と配置されることで、スマートフォン1の剛性を高めることができる。
【0027】
図4は、図3のB-B線端面図である。図4に例示されるように、ベーパーチャンバー12とヒートシンク14とは、本体部121が貫通孔141に挿入された状態で、突出板122とヒートシンク14とが熱伝導性両面テープ13によって接着される。さらに、ベーパーチャンバー12の本体部121はヒートシンク14との間には間隙1412が設けられており、互いに接触しない。間隙1412は、「間隙」の一例である。
【0028】
図5は、実施形態におけるベーパーチャンバーからヒートシンクへの熱の伝導を模式的に示す図である。図5では、熱の伝導が矢印で模式的に示される。電子部品151からベーパーチャンバー12に伝導した熱は、上板1211を介して内部領域1213内の流体に伝導する。伝導した熱は、内部領域1213内の流体によってベーパーチャンバー12の他の領域に輸送される。さらに、内部領域1213内の流体が輸送する熱は、底板1212、突出板122及び熱伝導性両面テープ13を介して、ヒートシンク14へ伝導する。ここで、上記の通り、ベーパーチャンバー12の本体部121はヒートシンク14と接触しないため、本体部121からヒートシンク14への直接的な輸送が抑制される。
【0029】
図6は、実施形態における電子部品からベーパーチャンバーを介してヒートシンクへの熱の移動を模式的に示す図である。図6では、熱の移動が点線の矢印によって模式的に示される。図6では、スマートフォン1のリアカバー16及び基板15を外した状態が例示される。電子部品151から伝導した熱は、ベーパーチャンバー12の本体部に封入された流体によって、本体部121全体に伝導される。本体部121に伝導された熱は、図5を参照して説明した経路を通じてヒートシンク14に伝導される。ここで、図6のように、ベーパーチャンバー12がヒートシンク14の中央付近を通過するように設けられると、ヒートシンク14の中央にも熱を伝導させることができ、ひいては、ヒートシンク14の全体に熱を拡散させることが容易になる。
【0030】
<実施形態の作用効果>
実施形態では、電子部品151からの熱を輸送する部材としてベーパーチャンバー12を採用する。ベーパーチャンバー12はヒートシンクよりも熱伝導の効率が高いため、電子部品151とヒートシンク14とを直接接触させる場合よりも効率よく電子部品151からの熱を拡散させることができる。
【0031】
実施形態では、流体を収容することで厚みが生じるベーパーチャンバー12の本体部121は、ヒートシンク14の貫通孔141に挿入される。そして、薄く形成することが容易な突出板122とヒートシンク14とを熱伝導性両面テープ13によって接着する。このような構成を採用することで、ベーパーチャンバー12の本体部121とヒートシンク14とを重畳して配置させる場合よりも、スマートフォン1の薄型化が容易になる。
【0032】
実施形態では、電子部品151からの熱は、本体部121、突出板122及び熱伝導性両面テープ13を介してヒートシンク14に伝導される。このような構成を採用することにより、熱伝導性両面テープ13の配置によって、電子部品151からヒートシンク14への熱の伝導を制御することができる。例えば、他の電子部品の近くではヒートシンク14に伝導させる熱を抑えるため熱伝導性両面テープ13の幅を狭くしたり、比較的広い空間がある場合にはヒートシンク14に熱をより多く伝導させるため熱伝導性両面テープ13の幅を広くしたりすればよい。
【0033】
図7及び図8は、熱伝導性両面テープの幅の違いによる熱伝導の差を模式的に示す図である。図7は、熱伝導性両面テープ13の幅を広くした状態を例示する。図8は、熱伝導性両面テープ13の幅を狭くした状態を例示する。図7及び図8では、矢印の本数によって熱伝導の大きさが模式的に示される。図7に例示されるように、熱伝導性両面テープ13の幅を広くすることで、ベーパーチャンバー12からヒートシンク14への熱伝導を高めることができる。また、図8に例示されるように、熱伝導性両面テープ13の幅を狭くすることで、ベーパーチャンバー12からヒートシンク14への熱伝導を抑制することができる。
【0034】
実施形態では、本体部121とヒートシンク14との間に間隙1412が設けられる。このような間隙が設けられることで、本体部121からヒートシンク14への直接的な熱の伝導が抑制される。そのため、熱伝導性両面テープ13の配置によるヒートシンク14へ伝導させる熱量の制御をより好適に行うことができる。設計上の熱量の制御に好適な熱伝導性両面テープ13の配置は、適宜実験等で確認すればよい。
【0035】
実施形態では、本体部121は、ヒートシンク14の中央付近を通過するように配置される。このように配置されることで、電子部品151からの熱をヒートシンク14の中央付近に伝導させることが容易になり、その結果、ヒートシンク14全体に熱を拡散させることが容易になる。
【0036】
実施形態では、本体部121は、長方形状に形成されたヒートシンク14の長手方向の一端付近から他端付近にまで達するように配置される。そして、電子部品151とベーパーチャンバー12の本体部121とは、ヒートシンク14の長手方向の一端付近で接触する。このような構成を採用することで、ベーパーチャンバー12は、電子部品151の熱を電子部品151から可及的に離れたヒートシンク14の他端付近にまで拡散させることが容易になる。
【0037】
以上で開示した実施形態は、適宜変形することができる。例えば、実施形態では、長方形に形成されたヒートシンク14の長手方向に渡ってベーパーチャンバー12が配置されたが、ベーパーチャンバー12はヒートシンク14の短手方向に渡って配置されてもよい。また、実施形態では、ヒートシンク14は長方形の板状に形成されたが、ヒートシンク14は他の形状に形成されてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1・・・スマートフォン
11・・・フロントカバー
12・・・ベーパーチャンバー
121・・・本体部
1211・・・上板
1212・・・底板
1213・・・内部領域
122・・・突出板
13・・・熱伝導性両面テープ
14・・・ヒートシンク
141・・・貫通孔
1411・・・中央部分
1412・・・間隙
15・・・基板
151・・・電子部品
16・・・リアカバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8