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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20240821BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20240821BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022578966
(86)(22)【出願日】2021-02-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-08
(86)【国際出願番号】 CN2021074930
(87)【国際公開番号】W WO2022016852
(87)【国際公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-03-01
(31)【優先権主張番号】202021507939.4
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519403945
【氏名又は名称】深▲せん▼麦時科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】張幸福
(72)【発明者】
【氏名】廖▲イェン▼程
(72)【発明者】
【氏名】黄鵬飛
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/075759(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第108323823(CN,A)
【文献】中国実用新案第209152360(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第108497559(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111387566(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108887743(CN,A)
【文献】特開2018-174802(JP,A)
【文献】中国実用新案第207927771(CN,U)
【文献】中国実用新案第211048399(CN,U)
【文献】国際公開第2019/042146(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/40
A24F 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、前記ハウジング内に設置されるベースモジュール及び加熱部材(22)を含み、前記ハウジング内にはエアロゾル発生基質(3)を収容するための収容空間(110)が形成されており、前記加熱部材(22)の上端は前記収容空間(110)内に伸入し、前記加熱部材(22)の下端は前記ベースモジュールに挿着され、前記ベースモジュール内には前記収容空間(110)と連通する気流経路(240)が形成されており、前記ハウジングには、前記気流経路(240)と連通する少なくとも1つの吸気孔(120)が開設されており、
前記ハウジングは、第1筐体(11)と、縦方向に前記第1筐体(11)の下方に分離可能に設置される第2筐体(21)とを含み、前記ベースモジュールは前記第2筐体(21)の天井部に嵌設されており、
前記ベースモジュールは、ベース体(24)と、前記ベース体(24)に嵌設される内ベース(25)を含み、
前記ベース体(24)は、縦方向に前記第2筐体(21)に嵌設される基部(241)と、前記基部(241)の天井壁から上向きに延伸するよう形成される嵌接部(242)とを含み、前記嵌接部(242)の外側に前記第1筐体(11)の底部が嵌接され、
前記ベース体(24)は、前記嵌接部(242)の天井壁から上向きに延伸するように形成されているカバー体(243)を含み、前記カバー体(243)は、前記加熱部材(22)が伸入する前記収容空間(110)の外側に覆設されることを特徴とするエアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの吸気孔(120)は、前記第1筐体(11)と前記第2筐体(21)との交差箇所に開設され、或いは、前記少なくとも1つの吸気孔(120)は前記第2筐体(21)の側壁又は底壁に開設されることを特徴とする請求項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの吸気孔(120)は、前記第1筐体(11)の底面から上向きに窪んで形成されるか、前記第2筐体(21)の天井面から下向きに窪んで形成され、前記気流経路(240)は前記加熱部材(22)を包囲することを特徴とする請求項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
記ベース体(24)と前記内ベース(25)は、共に前記気流経路(240)を規定することを特徴とする請求項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの吸気孔(120)は、前記第2筐体(21)に開設されるとともに、前記ベース体(24)と前記内ベース(25)との間に位置することを特徴とする請求項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
記嵌接部(242)の下端面と前記内ベース(25)の上端面との間に前記気流経路(240)が規定されることを特徴とする請求項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記嵌接部(242)の側壁には、前記少なくとも1つの吸気孔(120)と前記気流経路(240)とを連通させる少なくとも1つの通気孔(2420)が開設されていることを特徴とする請求項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記エアロゾル発生装置は、更に、前記第1筐体(11)の底部に嵌設される第1磁性体(13)を含み、前記第1磁性体(13)は前記嵌接部(242)の外側に嵌接され、且つ、前記少なくとも1つの吸気孔(120)と前記少なくとも1つの通気孔(2420)とを連通させるよう、前記第1磁性体(13)と前記基部(241)の上端面との間には通気隙間(130)が形成されていることを特徴とする請求項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの吸気孔(120)、前記通気隙間(130)、及び、前記少なくとも1つの通気孔(2420)の位置は、いずれも前記収容空間(110)の底部より高くないことを特徴とする請求項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記エアロゾル発生装置は、更に、前記内ベース(25)に嵌設される第2磁性体(23)を含み、前記第1磁性体(13)と前記第2磁性体(23)は互いに近接して吸着し合うことを特徴とする請求項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記収容空間(110)の底部は前記嵌接部(242)の天井壁に当接し、前記嵌接部(242)には、前記加熱部材(22)を挿通可能な貫通孔(2421)が開設されており、前記貫通孔(2421)は前記気流経路(240)と前記収容空間(110)とを連通させることを特徴とする請求項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記収容空間(110)の底部には、前記エアロゾル発生基質(3)が当接する底壁(112)が形成されており、前記底壁(112)には、前記加熱部材(22)を挿入するための挿入口(111)が開設されていることを特徴とする請求項1~1のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記挿入口(111)の形状は前記加熱部材(22)の横断面の形状に対応しており、前記加熱部材(22)は前記挿入口(111)に隙間嵌めされることを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記加熱部材(22)はシート状又はロッド状をなしており、前記加熱部材(22)の端部には、前記エアロゾル発生基質(3)に挿入しやすい尖端案内構造が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
前記エアロゾル発生装置は、更に、縦方向に前記第1筐体(11)内に設置される取り出し管(12)を含み、前記取り出し管(12)の内壁面は前記収容空間(110)を規定することを特徴とする請求項~1のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項16】
前記取り出し管(12)は、前記第1筐体(11)の天井壁から一体的に下向きに延伸するよう形成され、或いは、前記取り出し管(12)と前記第1筐体(11)は、それぞれ独立して製造されて組み付けられることを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、霧化の分野に関し、より具体的には、エアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非燃焼・加熱式電子タバコは、低温加熱式喫煙具とも称され、低温の非燃焼・加熱方式でベイパー発生材料を加熱することで吸入可能なベイパーを形成するエアロゾル発生装置である。現在のところ、通常、エアロゾル発生装置は、加熱シートや加熱ロッドのようなヒータをタバコスティックに挿入してタバコスティックを加熱する。且つ、加熱温度を制御することでタバコスティック内の成分を揮発させ、ベイパーを発生させて吸入させる。
【0003】
通常、エアロゾル発生装置は、ヒータを取り付けるためのベースを含むのが一般的である。しかし、ヒータの下端はベースに挿着されるため、ヒータの熱が容易にベースに伝達されてベースの温度を上昇させる結果、ベース及びヒータの下端部位が過剰に熱くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術における上記の欠点に対し、改良型のエアロゾル発生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が技術的課題を解決するために採用する技術方案は以下の通りである。
【0006】
ハウジングと、前記ハウジング内に設置されるベースモジュール及び加熱部材を含むエアロゾル発生装置を構成する。前記ハウジング内にはエアロゾル発生基質を収容するための収容空間が形成されている。前記加熱部材の上端は前記収容空間内に伸入し、前記加熱部材の下端は前記ベースモジュールに挿着される。前記ベースモジュール内には前記収容空間と連通する気流経路が形成されている。前記ハウジングには、前記気流経路と連通する少なくとも1つの吸気孔が開設されている。
【0007】
いくつかの実施例において、前記ハウジングは、第1筐体と、縦方向に前記第1筐体の下方に設置される第2筐体を含み、前記ベースモジュールは前記第2筐体の天井部に嵌設される。
【0008】
いくつかの実施例において、前記少なくとも1つの吸気孔は、前記第1筐体と前記第2筐体の交差箇所に開設される。或いは、前記少なくとも1つの吸気孔は前記第2筐体の側壁又は底壁に開設される。
【0009】
いくつかの実施例において、前記少なくとも1つの吸気孔は、前記第1筐体の底面から上向きに窪んで形成されるか、前記第2筐体の天井面から下向きに窪んで形成され、前記気流経路は前記加熱部材を包囲する。
【0010】
いくつかの実施例において、前記ベースモジュールは、ベース体と、前記ベース体に嵌設される内ベースを含み、前記ベース体と前記内ベースは、共に前記気流経路を規定する。
【0011】
いくつかの実施例において、前記少なくとも1つの吸気孔は、前記第2筐体に開設されるとともに、前記ベース体と前記内ベースの間に位置する。
【0012】
いくつかの実施例において、前記ベース体は、縦方向に前記第2筐体に嵌設される基部と、前記基部の天井壁から上向きに延伸するよう形成される嵌接部を含み、前記嵌接部の下端面と前記内ベースの上端面の間に前記気流経路が規定される。
【0013】
いくつかの実施例において、前記嵌接部の側壁には、前記少なくとも1つの吸気孔と前記気流経路を連通させる少なくとも1つの通気孔が開設されている。
【0014】
いくつかの実施例において、前記エアロゾル発生装置は、更に、前記第1筐体の底部に嵌設される第1磁性体を含む。前記第1磁性体は前記嵌接部の外側に覆設される。且つ、前記少なくとも1つの吸気孔と前記少なくとも1つの通気孔を連通させるよう、前記第1磁性体と前記基部の上端面の間には通気隙間が形成されている。
【0015】
いくつかの実施例において、前記少なくとも1つの吸気孔、前記通気隙間、前記少なくとも1つの通気孔の位置は、いずれも前記収容空間の底部より高くない。
【0016】
いくつかの実施例において、前記エアロゾル発生装置は、更に、前記内ベースに嵌設される第2磁性体を含み、前記第1磁性体と前記第2磁性体は互いに近接して吸着し合う。
【0017】
いくつかの実施例において、前記収容空間の底部は前記嵌接部の天井壁に当接する。前記嵌接部には、前記加熱部材を挿通可能な貫通孔が開設されており、前記貫通孔は前記気流経路と前記収容空間を連通させる。
【0018】
いくつかの実施例において、前記収容空間の底部には、前記エアロゾル発生基質が当接する底壁が形成されており、前記底壁には、前記加熱部材を挿入するための挿入口が開設されている。
【0019】
いくつかの実施例において、前記挿入口の形状は前記加熱部材の横断面の形状に対応しており、前記加熱部材は前記挿入口に隙間嵌めされる。
【0020】
いくつかの実施例において、前記加熱部材はシート状又はロッド状をなしている。前記加熱部材の端部には、前記エアロゾル発生基質に挿入しやすい尖端案内構造が設けられている。
【0021】
いくつかの実施例において、前記エアロゾル発生装置は、更に、縦方向に前記第1筐体内に設置される取り出し管を含み、前記取り出し管の内壁面は前記収容空間を規定する。
【0022】
いくつかの実施例において、前記取り出し管は、前記第1筐体の天井壁から一体的に下向きに延伸するよう形成される。或いは、前記取り出し管と前記第1筐体は、それぞれ独立して製造されて組み付けられる。
【発明の効果】
【0023】
本発明を実施することで、少なくとも以下の有益な効果を有する。即ち、外気は、吸気孔を経由して気流経路に進入し、ベースモジュールを降温させる。予熱された空気は、エアロゾル発生基質内に進入することで、霧化効率を向上可能とするほか、エアロゾル発生基質内の温度分布をいっそう均一にすることも可能である。
【0024】
以下に、図面と実施例を組み合わせて、本発明につき更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明の第1実施例における取り出し装置が第1位置にあるときのエアロゾル発生装置の断面構造の概略図である。
図2図2は、図1における取り出し装置が第2位置にあるときのエアロゾル発生装置の断面構造の概略図である。
図3図3は、本発明の第2実施例における取り出し装置が第1位置にあるときのエアロゾル発生装置の断面構造の概略図である。
図4図4は、図3における取り出し装置が第2位置にあるときのエアロゾル発生装置の断面構造の概略図である。
図5図5は、本発明の第3実施例における取り出し装置が第1位置にあるときのエアロゾル発生装置の断面構造の概略図である。
図6図6は、図5におけるボスとフランジが当接しているときのエアロゾル発生装置の断面構造の概略図である。
図7図7は、図5における取り出し装置が第2位置にあるときのエアロゾル発生装置の断面構造の概略図である。
図8図8は、図5に示すエアロゾル発生装置の別の方向の断面構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の技術的特徴、目的及び効果がより明瞭に理解されるよう、図面を参照して本発明の具体的実施形態につき詳細に説明する。
【0027】
図1~2は、本発明の第1実施例におけるエアロゾル発生装置を示す。当該エアロゾル発生装置は、略円柱状をなし得るとともに、取り出し装置1、縦方向に分離可能に取り出し装置1に設置される本体2、及び本体2に設置される加熱部材22を含む。当該エアロゾル発生装置は、低温の非燃焼・加熱方式でエアロゾル発生基質3を加熱することで、ユーザが吸入できるベイパーを形成可能である。理解可能なように、当該エアロゾル発生装置は、円柱状に限らず、角柱状等のその他の形状をなしてもよい。本実施形態において、エアロゾル発生基質3はタバコスティックとすることができる。
【0028】
いくつかの実施例において、取り出し装置1は、第1筐体11と、円環状をなして第1筐体11の底部に緊密に嵌設される第1磁性体13を含み得る。第1筐体11の内壁面は、エアロゾル発生基質3を収容するための収容空間110を規定する。収容空間110の天井部は開放されている。また、収容空間110の底部には底壁112が形成されており、底壁112に加熱部材22を挿入可能な挿入口111が開設されている。エアロゾル発生基質3は、収容空間110の天井部に開放された開口から収容空間110に挿入されて底壁112に当接可能である。
【0029】
いくつかの実施例において、本体2は、第2筐体21、加熱部材22、ベース体24及び第2磁性体23を含み得る。第2筐体21内には、加熱部材22への電気供給や、エアロゾル発生装置全体のオン/オフ制御等の操作に用いられるバッテリ及び回路基板等の電子部品を設置可能である。
【0030】
ベース体24は、縦方向に第2筐体21の上端に嵌設可能であり、円筒状の側壁2411と、側壁2411の天井部に一体的に結合される円板状の天井壁2412を含む。側壁2411の周方向の両側には、それぞれ、係合ボス2413が外側に突出するよう形成されており、第2筐体21の内壁面には、係合ボス2413に対応して係合溝211が凹陥するよう形成されている。係合ボス2413と係合溝211が互いに係合することで、ベース体24が第2筐体21内に係合及び固定される。ベース体24と第2筐体21は、挿接及び内部係接方式で固定されるため、便利且つ確実である。また、本体2の外部に係合位置が露出しないため、一段と見栄えがよくなる。第2磁性体23は、円環状をなしており、側壁2411内に緊密に嵌設可能であるとともに、ベース体24の下端面に当接する。第1磁性体13と第2磁性体23は互いに吸引し合う磁石としてもよいし、磁性を有するその他の部材(例えば、鉄、コバルト、ニッケル)としてもよい。
【0031】
加熱部材22は、縦方向に天井壁2412に嵌設される。加熱部材22は、収容空間110に伸入してエアロゾル発生基質3を加熱するための加熱部221を含み得る。加熱部221は、収容空間110の底部の挿入口111から収容空間110に伸入可能であり、エアロゾル発生基質3内に挿入されて、エアロゾル発生基質3をベーキング加熱する。加熱部材22は、シート状又はロッド状とすることができる。加熱部材22の上端には、エアロゾル発生基質3に挿入しやすいよう、尖端案内構造を設置可能である。挿入口111の形状は、加熱部221の横断面の形状に対応していればよい。且つ、挿入口111の横断面のサイズは、加熱部221の横断面のサイズよりもやや大きければよい。これにより、加熱部221が挿入口111に隙間嵌めされるため、加熱部221の挿抜が容易となる。また、加熱部221をエアロゾル発生基質3から分離するときに、底壁112が、加熱部221上の残留物質(例えば、加熱部221に付着した加熱後のエアロゾル発生基質)を摩擦作用により掻き落とし、加熱部221をクリーニングすることも可能となる。本実施例において、加熱部材22はシート状をなし、挿入口111は、横断面のサイズが加熱部221の横断面のサイズよりもやや大きい矩形をなす。理解し得るように、その他の実施例において、加熱部材22は、取り外し可能且つ分離可能に本体2に設置してもよい。
【0032】
前記取り出し装置1は、本体2と接合する第1位置と、本体2から分離する第2位置を有する。取り出し装置1と本体2が接合すると、第1筐体11と第2筐体21が互いに接合して当接する。また、第1筐体11の底部の第1磁性体13と第2筐体21の天井部の第2磁性体23が互いに近接して吸着し合い、第1磁性体13と第2磁性体23の間の吸引力によって取り出し装置1と本体2が互いに固定される。また、加熱部材22が取り出し装置1の底部の挿入口111から伸入して、加熱部221が収容空間110内に完全に伸入する。且つ、エアロゾル発生基質3は取り出し装置1の天井部から装入される。本体2のバッテリは加熱部材22に電気を供給し、加熱部材22は、通電により発熱したあと、エアロゾル発生基質3をベーキング加熱する(このとき、取り出し装置1は本体2と接合する第1位置となる)。
【0033】
エアロゾル発生基質3の加熱が終わったあとは、取り出し装置1を上向きに引き動かすことで、第1磁性体13を第2磁性体23から引き離し、取り出し装置1を本体2から分離する(このとき、取り出し装置1は本体2から分離する第2位置となる)。このとき、取り出し装置1と本体2は接続されなくなる。取り出し装置1は、収容空間110の底壁112を通じてエアロゾル発生基質3を上向きに運動させることで、加熱部221をエアロゾル発生基質3から引き出すとともに、底壁112によって加熱部221の外部に付着した残留物質を掻き落とす。
【0034】
図3~4は、本発明の第2実施例におけるエアロゾル発生装置を示す。本実施例は、第1実施例と主に以下の点で異なっている。即ち、本実施例において、第1筐体11の天井壁には、円管状の取り出し管12が下向きに延伸するよう形成されている。取り出し管12の内側壁は、エアロゾル発生基質3を収容するための収容空間110を規定する。このほか、本実施例において、ベース体24は、第2筐体21に嵌設される基部241と、基部241の天井壁2412から上向きに延伸するよう形成される円筒状のカバー体243を含み得る。カバー体243は、加熱部材22の外側に覆設されて、取り出し装置1と本体2が接合したときに、第1筐体11が横向きに移動して加熱部材22を押圧し破損させるとの事態を防止可能である。カバー体243は、第1筐体11と取り出し管12の間に設置されるとともに、第1筐体11の内壁面との間、及び取り出し管12の外壁面との間にそれぞれ間隔を有する。いくつかの実施例において、カバー体243と第1筐体11の内壁面との間、及び取り出し管12の外壁面との間の間隔の距離は、それぞれ0.5~5mmとすることができ、好ましくは3~5mmとする。
【0035】
図5~7は、本発明の第3実施例におけるエアロゾル発生装置を示す。本実施例は、第2実施例と主に以下の点で異なっている。即ち、本実施例において、取り出し管12は、互いに嵌接されて軸方向に互いに摺動可能な固定管121及び可動管122を含む。固定管121及び可動管122の内壁面は、共にエアロゾル発生基質3を収容するための収容空間110を規定する。
【0036】
具体的に、本実施例において、固定管121は、上端が第1筐体11の天井壁に緊密に嵌設されるとともに、螺接、フック接続等の方式で第1筐体11に固定可能である。可動管122は、軸方向において上下に摺動可能に固定管121の下端の外側に嵌接される。可動管122の底壁は、収容空間110の底壁112を形成する。可動管122の天井部には、フランジ1221が内側に延伸するよう形成されている。また、固定管121の下端の外周には、ボス1211が外側に延伸するよう形成されている。フランジ1221とボス1211が互いに組み合わされることで、固定管121と可動管122が互いに摺動する際の離脱を回避可能となる。いくつかの実施例において、固定管121に対する可動管122の摺動可能なストロークは、2.5~5.5mmであり、例えば4.5mm程度である。
【0037】
本体2の上端の外部には第1係接部を形成可能である。また、取り出し装置1の底端の内部には、第1係接部と係接して組み合わされる第2係接部が形成されている。第1係接部の軸方向の長さは、固定管121に対する可動管122の摺動ストローク以下である。具体的に、本実施例において、ベース体24は、第2筐体21に嵌設される基部241、基部241の天井壁から上向きに延伸するよう形成される嵌接部242、及び、嵌接部242の天井壁から上向きに延伸するよう形成されるカバー体243を含み得る。基部241、嵌接部242、カバー体243の内径及び外径は順に小さくなっている。嵌接部242の外壁面は第1係接部を形成し、第1磁性体13は第2係接部を形成する。取り出し装置1と本体2が組み付けられると、第1磁性体13は嵌接部242の外側に緊密に嵌接されるため、取り出し装置1と本体2との結合の安定性を向上させられる。嵌接部242の軸方向の長さは、固定管121に対する可動管122の摺動ストロークよりも小さい。いくつかの実施例において、嵌接部242の軸方向の長さは1~2.5mmとすることができ、好ましくは2mm程度である。その他の実施例において、取り出し装置1と本体2の間には第1磁性体13及び第2磁性体23を設置せず、取り出し装置1と本体2が互いに嵌接されることでこれらの間の接続を形成してもよい。例えば、第1筐体11の底部を嵌接部242の外側に直接嵌接してもよい。このとき、第2係接部は、第1筐体11の底端の内壁面から内側に延伸するよう形成すればよい。
【0038】
嵌接部242には、加熱部221を挿通可能な貫通孔2421が開設されている。加熱部221は、貫通孔2421と挿入口111に順に挿通されて、上向きにエアロゾル発生基質3に挿入可能である。本実施例において、貫通孔2421の横断面の形状及びサイズは挿入口111の横断面の形状及びサイズと一致している。加熱部221がエアロゾル発生基質3から分離するとき、貫通孔2421の孔壁は、加熱部221上の残留物質を摩擦作用により掻き落とすことも可能である。その他の実施例において、貫通孔2421の横断面のサイズは挿入口111の横断面のサイズより大きくてもよい。また、別のいくつかの実施例において、貫通孔2421の横断面の形状は挿入口111の横断面の形状と異なっていてもよい。
【0039】
固定管121に対する可動管122の摺動ストロークが4.5mm、嵌接部242の軸方向の長さが2mmの場合を例示すると、図5に示すように、取り出し装置1が第1位置にあるとき、取り出し装置1と本体2は互いに接合する。このとき、取り出し装置1の第1磁性体13は本体2の嵌接部242の外側に嵌接されて第2磁性体23と吸引し合う。また、可動管122の下端面は嵌接部242の天井壁に当接し、固定管121の下端面は可動管122の底壁112に当接する。エアロゾル発生基質3は、固定管121の天井部から、可動管122の底壁112に当接するまで装入される。また、加熱部材22の加熱部221は、可動管122の底部の挿入口111から伸入してエアロゾル発生基質3に挿入され、通電により発熱したあとエアロゾル発生基質3をベーキング加熱する。
【0040】
エアロゾル発生基質3の加熱が終わったあとは、まず、第1筐体11を上向きに引き動かす。すると、第1筐体11が、固定管121及び第1磁性体13を上向きに運動させる。そして、上向きの運動による変位が2mmを超えると、第1磁性体13が嵌接部242から分離することで、取り出し装置1が本体2から分離する。このとき、固定管121上のボス1211は、まだ可動管122上のフランジ1221と接触するまでは上方に移動していないため、可動管122、エアロゾル発生基質3、加熱部材22は相対的に静止を維持する。そして、図6に示すように、変位が4.5mmに達するまで第1筐体11を上向きに引き動かし続けると、ボス1211がフランジ1221と当接するまで上向きに移動する。このとき、第1筐体11を引き動かし続けると、固定管121が可動管122を伴って一緒に上向きに運動することで、可動管122の底壁112を通じてエアロゾル発生基質3が上向きに運動する。その後、第1筐体11を上向きに引き動かし続けることで、図7に示すように、エアロゾル発生基質3が加熱部221から分離する。且つ、底壁112によって、加熱部221の外部に付着した残留物質を掻き落とすことも可能となる。
【0041】
図8に示すように、前記エアロゾル発生装置は、本実施例において、更に、ベース体24に嵌設される内ベース25を含んでもよい。内ベース25とベース体24は、共に、加熱部材22が挿着され、且つ取り出し装置1を支持するためのベースモジュールを形成する。第2磁性体23は内ベース25に緊密に嵌設可能である。また、第1磁性体13は、嵌接部242の外側に覆設されるとともに、基部241の天井面との間に通気隙間130を形成する。内ベース25の上端面と嵌接部242の下端面の間には、加熱部材22を包囲する気流経路240が形成されており、嵌接部242の底部の側壁における対向する2つの側には、それぞれ、気流経路240と連通する通気孔2420が開設されている。また、第1筐体11の側壁の底部における対向する2つの側には吸気孔120がそれぞれ形成されている。少なくとも一つの吸気孔120、通気隙間130、及び少なくとも一つの通気孔2420は、いずれも収容空間110の底部より高くない位置にある。外気は、吸気孔120、通気隙間130、通気孔2420を順に経由して気流経路240に進入し、ベースモジュールを降温させることが可能である。そして、熱を帯びた空気は、貫通孔2421及び挿入口111を順に経由して収容空間110内のエアロゾル発生基質3内に運ばれる。予熱された空気は、更に、霧化効率を向上可能とするほか、エアロゾル発生基質3内の温度分布をいっそう均一にすることも可能である。
【0042】
理解し得るように、その他の実施例において、吸気孔120は第2筐体21の側壁又は底壁に開設してもよい。また、第1磁性体13の底面と基部241の天井面の間に通気隙間130を形成せずに、気流をベースモジュールの表面から流出可能とするだけでベースモジュールを降温してもよい。例えば、吸気孔120を第2筐体21に開設してベース体24と内ベース25の間に位置させ、且つ、ベース体24と内ベース25との隙間を通って気流経路240と連通する。また、気流経路240は加熱部材22を包囲しなくともよい。例えば、吸気孔120を第2筐体21の底部に開設し、気流経路240を縦方向に延伸させて加熱部材22の縦方向と平行としてもよい。
【0043】
理解し得るように、上記の各技術的特徴は、制限なく任意に組み合わせて使用することが可能である。
【0044】
以上の実施例は本発明の好ましい実施形態を示したにすぎず、比較的具体的且つ詳細に記載したが、これにより本発明の権利範囲が制限されると解釈すべきではない。指摘すべき点として、当業者であれば、本発明の構想を逸脱しないことを前提に、上記の技術的特性を自由に組み合わせることも、若干の変形及び改良を行うことも可能であり、これらはいずれも本発明の保護の範囲に属する。従って、本発明の特許請求の範囲で行われる等価の変形及び補足は、いずれも本発明の請求項がカバーする範囲に属するものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8