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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】希土類焼成排ガス処理装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/78 20060101AFI20240821BHJP
   B01D 47/08 20060101ALI20240821BHJP
   F23J 15/06 20060101ALI20240821BHJP
   B05B 1/14 20060101ALI20240821BHJP
   B05B 3/02 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
B01D53/78 ZAB
B01D47/08
F23J15/06
B05B1/14 Z
B05B3/02 G
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023063235
(22)【出願日】2023-04-10
(65)【公開番号】P2024097284
(43)【公開日】2024-07-18
【審査請求日】2023-04-10
(31)【優先権主張番号】202310013110.0
(32)【優先日】2023-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521181781
【氏名又は名称】包頭稀土研究院
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】田皓
(72)【発明者】
【氏名】郭金▲ちぇん▼
(72)【発明者】
【氏名】候少春
(72)【発明者】
【氏名】許慧
(72)【発明者】
【氏名】李二斗
(72)【発明者】
【氏名】宋静
【審査官】池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-042389(JP,A)
【文献】特開2005-125206(JP,A)
【文献】国際公開第2015/025765(WO,A1)
【文献】中国実用新案第210993709(CN,U)
【文献】中国実用新案第207102305(CN,U)
【文献】中国実用新案第211799997(CN,U)
【文献】中国実用新案第213529183(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/14-53/85
B01D 47/00-47/18
F23J 15/00-15/08
B05B 1/00- 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャワー装置が配置されている散水装置を含む希土類焼成排ガス処理装置であって、
前記シャワー装置は、供給管、ノズル管、ギアリング、回転インペラー、第1のギア及び第2のギアを含み、
前記供給管は、シャワー液を前記ノズル管に供給することができるように配置され、
前記ノズル管は、複数配置され、前記供給管に回転可能に接続され、前記ノズル管は、リングに配置され、シャワー液を前記散水装置にスプレーできるように配置され、
前記第1のギアは、前記ノズル管の外周に接続され、
前記ギアリングは、前記供給管の下方、かつ、前記ノズル管によって形成されたリングの外周に配置され、前記ギアリングの内側には内輪歯が配置され、前記内輪歯は、前記第1のギアとかみ合い、前記ギアリングの前記供給管から離れた面にはかみ合い歯が配置されており、
前記回転インペラーは、前記ギアリングの下方に配置され、前記第2のギアを駆動して回転させることができるように配置され、
前記第2のギアは、前記回転インペラーに接続され、かつ前記かみ合い歯とかみ合い、前記第2のギアは、前記ギアリングを駆動して回転させることができるように配置されていることを特徴とする、希土類焼成排ガス処理装置。
【請求項2】
前記ノズル管の外周面にはスポイラー羽根が接続されていることを特徴とする請求項1に記載の希土類焼成排ガス処理装置。
【請求項3】
前記ノズル管は、下方に開口した液体出口を備え、前記スポイラー羽根は、少なくとも2枚配置され、前記スポイラー羽根は、前記液体出口の近くに分散して配置されていることを特徴とする請求項2に記載の希土類焼成排ガス処理装置。
【請求項4】
前記希土類焼成排ガス処理装置は、吸液ユニットをさらに含み、前記吸液ユニットは、スライドシリンダー、スライドロッド及び吸液管を含み、
前記吸液管の一端は、前記供給管に接続され、前記吸液管の他端には液体入口が設けられ、前記吸液管の少なくとも一部は、柔軟な材料から形成され、前記吸液管は、シャワー液を前記供給管に輸送できるように配置され、
前記スライドロッドの一端は、前記吸液管の液体入口を備える一端に接続され、
前記スライドシリンダー内には熱膨張材料が充填され、前記スライドシリンダーは、前記スライドロッドの前記吸液管から離れた一端に接続され、前記熱膨張材料は、体積の変化によってスライドロッドの伸縮を制御できるように配置されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれに記載の希土類焼成排ガス処理装置。
【請求項5】
前記吸液管にはウォーターポンプが配置されていることを特徴とする請求項4に記載の希土類焼成排ガス処理装置。
【請求項6】
前記散水装置の下部には排ガス入口が設けられ、前記排ガス入口は、処理する排ガスを前記散水装置に入れることができるように配置されており、
前記散水装置の頂部には排ガス出口が設けられ、前記排ガス出口は、シャワー液と接触した後の排ガスを前記散水装置から排出できるように配置されており、
前記散水装置の底部にはシャワー液排出口が設けられ、前記シャワー液排出口は、排ガスと接触した後のシャワー液を前記散水装置から排出できるように配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の希土類焼成排ガス処理装置。
【請求項7】
前記希土類焼成排ガス処理装置は、さらに液体貯蔵設備を含み、
前記液体貯蔵設備の頂部には開口を有し、前記開口は、前記散水装置の下に位置するように設けられ、前記スライドシリンダーは、前記液体貯蔵設備内に固定され、前記液体貯蔵設備は、シャワー液を貯蔵できるように配置されていることを特徴とする、請求項4に記載の希土類焼成排ガス処理装置。
【請求項8】
前記希土類焼成排ガス処理装置は、除塵ユニットをさらに含み、前記除塵ユニットは、第1の伝動軸、第2の伝動軸、及び、除塵布を含み、
前記第1の伝動軸は、前記液体貯蔵設備の頂部に開口した縁部Aの上方に配置され、
前記第2の伝動軸は、前記液体貯蔵設備頂部に開口した縁部B上方に配置され、前記縁部Aと縁部Bとは、対向的に配置され、
前記第1の伝動軸と第2の伝動軸は、前記除塵布を支持し、かつ前記除塵布を駆動して運動させることができるように配置され、
前記除塵布は、第1の部分、第2の部分、第3の部分及び第4の部分が順番に連結されて構成され、
前記第1の部分は、前記第1の伝動軸の少なくとも一部を覆い、
前記第2の部分は、前記液体貯蔵設備の前記第1の伝動軸に近い側壁の内面の少なくとも一部、前記液体貯蔵設備の底面の内面の少なくとも一部、前記液体貯蔵設備の前記第2の伝動軸に近い側壁の内面の少なくとも一部を覆い、
前記第3の部分は、前記第2の伝動軸の少なくとも一部を覆い、
前記第4の部分は、前記液体貯蔵設備の前記第1の伝動軸に近い側壁の外周面の少なくとも一部、前記液体貯蔵設備の底面の外周面の少なくとも一部、前記液体貯蔵設備の前記第2の伝動軸に近い側壁の外周面の少なくとも一部を覆い、
前記除塵布は、液体貯蔵設備中のシャワー液における粉塵を除去することができるように配置されていることを特徴とする、請求項7に記載の希土類焼成排ガス処理装置。
【請求項9】
前記除塵ユニットは、拭取りローラと駆動モータをさらに含み、
前記拭取りローラは、前記液体貯蔵設備の底部に配置され、かつ前記除塵布の前記液体貯蔵設備から離れた面に接触され、前記拭取りローラは、除塵布上の粉塵を除去できるように配置され、
前記駆動モータは、前記第1の伝動軸に接続され、前記駆動モータは、伝動部品を介して前記拭取りローラに接続されていることを特徴とする、請求項8に記載の希土類焼成排ガス処理装置。
【請求項10】
前記除塵布の前記液体貯蔵設備から離れた面には柔軟な突起が配置され、前記柔軟な突起は、シャワー液中の粉塵を遮断できるように配置されていることを特徴とする、請求項8に記載の希土類焼成排ガス処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、希土類焼成排ガス処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
希土類焼成とは、希土類塩を高温に加熱して希土類酸化物に分解する過程を指し、製品收率を高め、排煙中の粒子状物質の濃度を減らすために、熱分解反応で発生した排ガスを排出する前にバッグフィルターでろ過する必要があり、そして、高温ガスの直接排出による熱エネルギ損失を避け、さらに排ガスを浄化するために、散水装置でシャワー処理を行う。
【0003】
CN215506204Uには、希土類焼成排ガス処理装置が開示されている。当該処理装置は、排ガス冷却箱、粉塵濾過箱、シャワー吸收箱及び中和調整箱を含む。シャワー吸收ボックス内の横方向にシャワーパイプが回転可能に配置されている。シャワーパイプには排水孔が設けられており、シャワーパイプの両端は、それぞれ駆動モータ、給水ポンプに接続されている。
【0004】
CN208541954Uには、希土類処理ボイラー排ガス用シャワータワーが開示されている。当該シャワータワーは、シャワータワー本体を含む。シャワータワー本体の頂部には排ガス口が配置されており、底部には下水パイプが配置されている。シャワータワーのシャワーパイプとインテークパイプとの間に位置する左右の内壁には、それぞれ弓形のふるい板が複数組設けられている。シャワータワーの底部には排液管が配置されており、排液管の一端には逆洗水ポンプが接続されている。インテークパイプのシャワータワーの外側に位置するフィード端は、上向きに曲げられ、かつ、インテークパイプのシャワータワー内に位置する出口セクションには斜めに切り欠きが設けられている。
【0005】
CN205517150Uには、電解希土類金属希土類焼成排ガス処理装置が開示されている。当該処理装置は、電解炉、螺旋シャワーパイプ及びノズルを含む。電解炉の排ガス出口は、配管を介してサイクロン分離器の吸気口に連結され、サイクロン分離器の排気口は、配管を介して吸收塔の吸気口に連結され、サイクロン分離器の下部には固体粒子状物質收集箱が連結され、螺旋シャワーパイプは、連結部品を介して吸收塔の内部に固定され、ノズルは、螺旋シャワーパイプに取り付きられており、吸收塔の右側には中和液箱が配置されており、螺旋シャワーパイプ、ポンプ体及び中和液箱は、順番に配管で連結されており、吸收塔の上部には排出管が連結され、底部には配管を介して廃液箱が連結されている。
【0006】
上記装置において、散水装置のいずれ中の排ガスとシャワー液の接触均一性を高める必要があり、良好な処理效果が得られない。
【発明の概要】
【0007】
これに鑑み、本発明は、希土類焼成排ガスとシャワー液とをより均一に接触させ、処理效果を高めることができる希土類焼成排ガス処理装置を提供することを目的とする。さらに、当該希土類焼成排ガス処理装置は、循環利用されたシャワー液における粉塵による設備の目詰まりを避けることができる。さらに、当該希土類焼成排ガス処理装置は、循環利用されたシャワー液における粉塵を低減することができる。上記目的は、以下の構成により達成される。
【0008】
本発明は、シャワー装置が配置されている散水装置を含む希土類焼成排ガス処理装置であって、
前記シャワー装置は、供給管、ノズル管、ギアリング、回転インペラー、第1のギア及び第2のギアを含み、
前記供給管は、シャワー液を前記ノズル管に供給できるように配置され、
前記ノズル管は、複数配置され、前記供給管に回転可能に接続され、前記ノズル管は、リングに配置され、前記ノズル管は、シャワー液を前記散水装置にスプレーできるように配置され、
前記第1のギアは、前記ノズル管の外周に接続され、
前記ギアリングは、前記供給管の下方、かつ前記ノズル管によって形成されたリングの外周に配置され、前記ギアリングの内側には内輪歯が配置されており、前記内輪歯は、前記第1のギアとかみ合い、前記ギアリングの前記供給管から離れた面にはかみ合い歯が配置されており、
前記回転インペラーは、前記ギアリングの下方に配置され、前記第2のギアを駆動して回転させることができるように配置され、
前記第2のギアは、前記回転インペラーに接続され、かつ前記かみ合い歯とかみ合い、前記ギアリングを駆動して回転させることができるように配置されている、前記希土類焼成排ガス処理装置を提供する。
【0009】
本発明に係る希土類焼成排ガス処理装置によれば、好ましくは、前記ノズル管の外周面にはスポイラー羽根が接続されている。
【0010】
本発明に係る希土類焼成排ガス処理装置によれば、好ましくは、前記ノズル管は、下方に開口した液体出口を有し、前記スポイラー羽根は、少なくとも2枚配置され、前記スポイラー羽根は、前記液体出口の近くに分散して配置される。
【0011】
本発明に係る希土類焼成排ガス処理装置によれば、好ましくは、前記希土類焼成排ガス処理装置は、吸液ユニットをさらに含み、前記吸液ユニットは、スライドシリンダー、スライドロッド及び吸液管を含み、
前記吸液管の一端は、前記供給管に接続され、前記吸液管の他端には液体入口が設けられており、前記吸液管の少なくとも一部は、柔軟な材料から形成され、前記吸液管は、前記供給管にシャワー液を輸送できるように配置され、
前記スライドロッドの一端は、前記吸液管の液体入口が設けられている一端に接続され、
前記スライドシリンダー内には熱膨張材料が充填されており、前記スライドシリンダーは、前記スライドロッドの前記吸液管から離れた一端に接続され、前記熱膨張材料は、体積の変化によってスライドロッドの伸縮を制御できるように配置される。
【0012】
本発明に係る希土類焼成排ガス処理装置によれば、好ましくは、前記吸液管にはウォーターポンプが配置されている。
【0013】
本発明に係る希土類焼成排ガス処理装置によれば、好ましくは、前記散水装置の下部には排ガス入口が設けられており、前記排ガス入口は、処理する排ガスを前記散水装置に入れるように配置され、
前記散水装置の頂部には排ガス出口が配置されており、前記排ガス出口は、シャワー液と接触した後の排ガスを前記散水装置から排出できるように配置され、
前記散水装置の底部にはシャワー液排出口が設けられており、前記シャワー液排出口は、排ガスと接触した後のシャワー液を前記散水装置から排出できるように配置されている。
【0014】
本発明に係る希土類焼成排ガス処理装置によれば、好ましくは、前記希土類焼成排ガス処理装置は、液体貯蔵設備をさらに含み、
前記液体貯蔵設備の頂部には開口を有し、前記開口は、前記散水装置の下方に設けられ、前記スライドシリンダーは、前記液体貯蔵設備内に固定され、前記液体貯蔵設備は、シャワー液を貯蔵できるように配置されている。
【0015】
本発明に係る希土類焼成排ガス処理装置によれば、好ましくは、前記希土類焼成排ガス処理装置は、除塵ユニットをさらに含み、前記除塵ユニットは、第1の伝動軸、第2の伝動軸及び除塵布を含み、
前記第1の伝動軸は、前記液体貯蔵設備の頂部に開口した縁部Aの上方に配置され、
前記第2の伝動軸は、前記液体貯蔵設備の頂部に開口した縁部Bの上方に配置され、前記縁部Aと縁部Bとは、対向的に配置され、
前記第1の伝動軸と第2の伝動軸は、前記除塵布を支持し、かつ前記除塵布を駆動して運動させることができるように配置され、
前記除塵布は、順に接続されている第1の部分、第2の部分、第3の部分及び第4の部分を覆い、
前記第1の部分は、前記第1の伝動軸の少なくとも一部を覆い、
前記第2の部分は、前記液体貯蔵設備の前記第1の伝動軸に近い側壁の内面の少なくとも一部、前記液体貯蔵設備の底面の内面の少なくとも一部、前記液体貯蔵設備の前記第2の伝動軸に近い側壁の内面の少なくとも一部を覆い、
前記第3の部分は、前記第2の伝動軸の少なくとも一部を覆い、
前記第4の部分は、前記液体貯蔵設備の前記第1の伝動軸に近い側壁の外周面の少なくとも一部、前記液体貯蔵設備の底面の外周面の少なくとも一部、前記液体貯蔵設備の前記第2の伝動軸に近い側壁の外周面の少なくとも一部を覆い、
前記除塵布は、液体貯蔵設備中のシャワー液における粉塵を除去できるように配置されている。
【0016】
本発明に係る希土類焼成排ガス処理装置によれば、好ましくは、前記除塵ユニットは、拭取りローラと駆動モータをさらに含み、
前記拭取りローラは、前記液体貯蔵設備の底部に配置され、かつ前記除塵布の前記液体貯蔵設備から離れた面に接触され、前記拭取りローラは、除塵布上の粉塵を除去できるように配置され、
前記駆動モータは、前記第1の伝動軸に接続され、前記駆動モータは、伝動部品を介して前記拭取りローラに接続されている。
【0017】
本発明に係る希土類焼成排ガス処理装置によれば、好ましくは、前記除塵布の前記液体貯蔵設備から離れた面に柔軟な突起が配置されており、前記柔軟な突起は、シャワー液中の粉塵を遮断できるように配置されている。
【0018】
本発明に係る希土類焼成排ガス処理装置は、排ガスとシャワー液をより均一に接触させることができる。さらに、循環利用されたシャワー液における粉塵による設備の目詰まりを避けることができる。さらに、循環利用されたシャワー液における粉塵を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る希土類焼成排ガス処理装置の構造概要図を示す。
図2図1に示す希土類焼成排ガス処理装置の部分構造概要図を示す。
図3図1の希土類焼成排ガス処理装置のシャワー装置及び吸液ユニットの一部の構造概要図を示す。
図4図3に示す構造の側面図を示す。
図5】除塵布の部分構造概要図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
特定の実施例を組み合わせて以下で本発明をさらに説明するが、本発明の保護範囲はこれらに限定されない。
【0021】
本発明に係る希土類焼成排ガス処理装置は、散水装置を含む。液体貯蔵設備、吸液ユニット及び除塵ユニット中の1項又は複数項をさらに含み得る。
【0022】
<散水装置>
散水装置は、排ガス入口を備える。排ガス入口は、散水装置の側壁に配置されてもよく、好ましくは、側壁下部に配置される。処理する排ガスは、排ガス入口を通して散水装置内に供給される。
【0023】
散水装置は、排ガス出口を備える。排ガス出口は、散水装置の頂部に配置されてもよい。シャワー液と接触した後の排ガスは、排ガス出口を通して散水装置から排出される。
【0024】
散水装置は、シャワー液排出口を備える。シャワー液排出口は、散水装置の底部に配置されてもよい。排ガスと接触した後のシャワー液は、シャワー液排出口を通して散水装置から排出される。
【0025】
散水装置内にはシャワー装置が配置されている。シャワー装置は、供給管、ノズル管、ギアリング、回転インペラー、第1のギア及び第2のギアを含む。
【0026】
供給管は、シャワー液をノズル管に供給できるように配置されている。供給管は、円環状であり得る。供給管の内側は連結管と連通してもよい。連結管は、ノズル管に回転可能に連結されてもよい。連結管は、複数配置されてもよい。連結管の数は、ノズル管の数と同じでもよい。複数の連結管は、供給管の内側に均一に分散してもよい。
【0027】
ノズル管は、供給管に回転可能に連結され、好ましくは、ノズル管は、連結管を介して供給管に回転可能に連結される。ノズル管は、シャワー液を散水装置にスプレーできるように配置される。ノズル管は、下方に開口した液体出口を有してもよい。ノズル管は、複数配置される。複数のノズル管は、リングに配置されている。
【0028】
スポイラー羽根は、ノズル管の外周面に接続されている。各ノズル管には少なくとも2枚のスポイラー羽根が連結されている。複数のスポイラー羽根は、ノズル管の外周面に均一に分布されてもよい。複数のスポイラー羽根について、2枚を1組とし、各組の2枚のスポイラー羽根が対向的に配置されてもよい。好ましくは、各組の2枚のスポイラー羽根は、「八」の形になるように排布されている。
【0029】
第1のギアは、ノズル管の外周に接続されている。第1のギアは、複数配置される。第1のギアの数は、ノズル管の数と同じでもよい。
【0030】
ギアリングは、供給管の下方、かつノズル管により形成されたリングの外周に配置される。ギアリングの内側には内輪歯が配置されている。内輪歯は、第1のギアとかみ合う。ギアリングの回転の過程で、内輪歯は、各第1のギアを駆動して回転させ、これによってノズル管を自転させる。ギアリングの供給管から離れた面にはかみ合い歯が配置されている。かみ合い歯は、第2のギアとかみ合う。
【0031】
回転インペラーは、ギアリングの下方に配置される。回転インペラーは、排ガス入口の上方に配置される。回転インペラーは、排ガス入口の近くに配置されてもよい。回転インペラーは、連結軸を介して散水装置に接続されてもよい。熱い排ガスが上昇する過程で、回転インペラーを押して回転させ、そして、回転インペラーは、第2のギアを駆動して回転させる。
【0032】
第2のギアは、回転インペラーに接続されている。第2のギアは、連結軸を介して回転インペラーに接続されてもよい。第2のギアは、かみ合い歯とかみ合う。第2のギアは、ギアリングを駆動して回転させる。
【0033】
<液体貯蔵設備>
液体貯蔵設備は、散水装置の下方に配置される。液体貯蔵設備は、貯蔵シャワー液を貯蔵できるように配置される。液体貯蔵設備の頂部は開口を備える。シャワー液は、頂部の開口を通して液体貯蔵設備に入る。
【0034】
液体貯蔵設備は、第1の側壁、第2の側壁及び底面を備える。第1の側壁と第2の側壁は、対向的に配置される。
【0035】
<吸液ユニット>
吸液ユニットは、スライドシリンダー、スライドロッド及び吸液管を含む。
【0036】
スライドシリンダーは、液体貯蔵設備に固定されている。具体的に、スライドシリンダーは、液体貯蔵設備の内壁に接続されてもよい。スライドシリンダー内に熱膨張材料が充填されている。熱膨張材料は、体積の変化によってスライドロッドの伸縮を制御することができる。
【0037】
スライドロッドは、シリンダにスライド可能に連結される。
【0038】
吸液管の一端には供給管が接続されている。吸液管の他端には液体入口が配置されている。吸液管の液体入口が配置されている一端は、スライドロッドに接続されている。吸液管の少なくとも一部は、柔軟な材料から形成される。吸液管は、シャワー液を供給管に供給できるように配置される。吸液管にはウォーターポンプが配置されてもよい。本発明の1つの実施形態によれば、吸液管の液体入口を備える部分は剛性材料から形成される。吸液管の液体入口とウォーターポンプとの間に位置する部分は、柔軟な材料から形成される。吸液管のウォーターポンプと供給管との間に位置する部分は剛性材料から形成される。
【0039】
<除塵ユニット>
除塵ユニットは、第1の伝動軸、第2の伝動軸及び除塵布を含む。いくつかの実施形態において、拭取りローラ及び駆動モータをさらに含んでもよい。
【0040】
第1の伝動軸は、液体貯蔵設備の頂部に開口した縁部Aの上方に配置される。第2の伝動軸は、液体貯蔵設備の頂部に開口した縁部Bの上方に配置される。縁部Aと縁部Bとは、対向的に配置される。本発明の1つの実施形態によれば、第1の伝動軸は、第1の側壁の上縁部の上方に配置される。第2の伝動軸は、第2の側壁の上縁部の上方に配置される。第1の伝動軸と第2の伝動軸は、除塵布を支持し、除塵布を駆動して運動させることができるように配置される。
【0041】
除塵布は、順に接続されている第1の部分、第2の部分、第3の部分及び第4の部分を含む。第1の部分は、第1の伝動軸の少なくとも一部を覆う。第2の部分は、液体貯蔵設備の第1の伝動軸に近い側壁の内面の少なくとも一部、液体貯蔵設備の底面の内面の少なくとも一部、液体貯蔵設備の第2の伝動軸に近い側壁の内面の少なくとも一部を覆う。第3の部分は、第2の伝動軸の少なくとも一部を覆う。第4の部分は、液体貯蔵設備の第1の伝動軸に近い側壁の外周面の少なくとも一部、液体貯蔵設備の底面の外周面の少なくとも一部、液体貯蔵設備の第2の伝動軸に近い側壁の外周面の少なくとも一部を覆う。液体貯蔵設備の第1の伝動軸に近い側壁は、第1の側壁であってもよい。液体貯蔵設備の第2の伝動軸に近い側壁は、第2の側壁であってもよい。
【0042】
除塵布の液体貯蔵設備から離れた面には、柔軟な突起が配置されてもよい。柔軟な突起は、シャワー液中の粉塵を遮断できるように配置される。柔軟な突起は、複数配置してもよい。複数の柔軟な突起は、等間隔に配置されてもよい。
【0043】
第1の伝動軸の外壁には第1のスプロケットが配置されてもよい。第2の伝動軸の外壁には第2のスプロケットが配置されてもよい。除塵布の液体貯蔵設備に近い面には、第1のスプロケットと第2のスプロケットに協働するチェーンが配置されてもよい。これにより、第1の伝動軸と第2の伝動軸は、除塵布をよりスムーズに搬送することに役立つ。
【0044】
拭取りローラは、除塵布の液体貯蔵設備から離れた面に接触するように液体貯蔵設備の底部に配置される。拭取りローラは、除塵布上の粉塵を除去できるように配置される。
【0045】
駆動モータは、第1の伝動軸に接続されている。本発明の1つの実施形態によれば、駆動モータの軸端は、第1の伝動軸に接続されている。駆動モータは、第1の伝動軸を駆動して運動させることができる。
【0046】
駆動モータは、伝動部品を介して拭取りローラに接続されている。駆動モータは、拭取りローラを駆動して運動させることができる。具体的に、駆動モータの軸端には第1のプーリーが配置されている。拭取りローラは、第2のプーリーに連結されている。ベルトの一端は、第1のプーリーの外周に装着され、ベルトの他端は、第2のプーリーの外周に装着される。
【0047】
本発明に係る除塵ユニットは、第2の駆動モータをさらに含み得る。第2の駆動モータは、第2の伝動軸に接続されている。第2の駆動モータは、第2の伝動軸を駆動して運動させるように配置されている。
【0048】
実施例1
図1に示されるように、本発明に係る希土類焼成排ガス処理装置は、散水装置1、液体貯蔵設備2、吸液ユニット3及び除塵ユニット4を含む。
【0049】
散水装置1の側壁の下部には排ガス入口11が設けられている。処理する排ガスは、排ガス入口11を通して散水装置1に入る。
【0050】
散水装置1の頂部には排ガス出口12が設けられている。シャワー液と接触した後の排ガスは、排ガス出口12を通して散水装置1から排出される。
【0051】
散水装置1の底部にはシャワー液排出口13が設けられている。排ガスと接触した後のシャワー液は、シャワー液排出口13を通して散水装置1から排出される。
【0052】
散水装置1の内部にはシャワー装置14が配置されている。図3及び図4に示されるように、シャワー装置14は、供給管141、ノズル管142、ギアリング143、回転インペラー144、第1のギア145、及び、第2のギア146を含む。
【0053】
供給管141は、円環状である。供給管141からノズル管142へシャワー液を供給する。供給管141の内側には複数の連結管147が均一に分布されている。
【0054】
ノズル管142は、複数配置されている。ノズル管142は、連結管147に回転可能に連結されている。ノズル管142は、下方に開口した液体出口を備える。複数のノズル管142は、リングに配置されている。ノズル管142は、散水装置1の内へシャワー液をスプレーする。ノズル管142の液体出口に近い端部にはスポイラー羽根1421が配置されている。各ノズル管142は、対向的に配置されている2枚のスポイラー羽根1421を備えてもよい。2枚のスポイラー羽根1421は、「八」の形に排布されている。
【0055】
第1のギア145は、複数配置されてもよい。第1のギア145は、ノズル管142の外周に接続されている。第1のギア145の数は、ノズル管142の数と同じでもよい。
【0056】
ギアリング143は、供給管141の下方、かつ、ノズル管142により形成されたリングの外周に配置されている。ギアリング143の内側には内輪歯が配置されている。内輪歯は、第1のギア145とかみ合う。ギアリング143の回転の過程で、内輪歯は、各第1のギア145を駆動して回転させ、これによりノズル管142を自転させる。ギアリング143の供給管141から離れた面にはかみ合い歯が配置されている。
【0057】
回転インペラー144は、ギアリング143の下方、かつ、排ガス入口11の上方に配置されている。回転インペラー144は、排ガス入口11の近くに配置されている。回転インペラー144は、連結軸を介して散水装置1の内壁に接続されている。回転インペラー144は、第2のギア146を駆動して回転させる。
【0058】
第2のギア146は、連結軸を介して回転インペラー144に接続されている。第2のギア146は、かみ合い歯とかみ合う。第2のギア146は、ギアリング143を駆動して回転させる。
【0059】
散水装置1は、シャワータワーであり得る。
【0060】
液体貯蔵設備2は、散水装置1の下方に配置される。液体貯蔵設備2は、シャワー液を貯蔵する。液体貯蔵設備2の頂部は開口を備え、シャワー液は、開口を通して液体貯蔵設備2に入る。液体貯蔵設備2は、第1の側壁、第2の側壁及び底面を備える。第1の側壁と第2の側壁は、対向的に配置されている。
【0061】
吸液ユニット3は、液体貯蔵設備2中のシャワー液をシャワー装置14中に輸送する。吸液ユニット3は、スライドシリンダー31、スライドロッド32及び吸液管33を含む。
【0062】
スライドシリンダー31は、液体貯蔵設備2中に配置され、かつ液体貯蔵設備2の内壁に接続されている。スライドシリンダー31内には熱膨張材料が充填されている。
【0063】
スライドロッド32は、スライドシリンダー31の内壁にスライド可能に連結されている。熱膨張材料の体積変化によってスライドロッド32の伸縮を制御することができる。
【0064】
吸液管33の一端には液体入口332が配置されている。吸液管33の液体入口を備える一端は、スライドロッド32に接続されている。吸液管33の他端は、供給管141に接続されている。吸液管33には、ウォーターポンプ331が配置されてもよい。吸液管33の液体入口を備える部分は、剛性材料から形成される。吸液管33の液体入口とウォーターポンプとの間の部分は、柔軟な材料から形成される。吸液管33のウォーターポンプと供給管141との間の部分は、剛性材料から形成される。
【0065】
図1及び図2に示されるように、除塵ユニット4は、第1の伝動軸41、第2の伝動軸42、除塵布43、拭取りローラ44、伝動部品45及び駆動モータ46を含む。
【0066】
第1の伝動軸41は、第1の側壁の上縁部の上方に配置されている。第2の伝動軸42は、第2の側壁の上縁部の上方に配置されている。第1の伝動軸41と第2の伝動軸42は、除塵布43を支持し、かつ除塵布43を駆動して運動させる。
【0067】
除塵布43は、順に接続されている第1の部分、第2の部分、第3の部分及び第4の部分を含む。第1の部分は、第1の伝動軸41の少なくとも一部を覆う。第2の部分は、第1の側壁の内面の少なくとも一部、底面の内面の少なくとも一部、第2の側壁の内面の少なくとも一部を覆う。第3の部分は、第2の伝動軸42の少なくとも一部を覆う。第4の部分は、第1の側壁の外周面の少なくとも一部、底面の外周面の少なくとも一部、第2の側壁の外周面の少なくとも一部を覆う。除塵布43は、液体貯蔵設備2中のシャワー液における粉塵を除去する。
【0068】
拭取りローラ44は、除塵布43の液体貯蔵設備2から離れた面に接触するように液体貯蔵設備2の底部に配置されている。拭取りローラ44は、除塵布43上の粉塵を除去する。
【0069】
伝動部品45は、第1のプーリー、ベルト及び第2のプーリーを含む。
【0070】
駆動モータ46の軸端は、第1の伝動軸41に接続され、これにより、第1の伝動軸41を駆動して運動させる。
【0071】
駆動モータ46の軸端には第1のプーリーが配置されている。拭取りローラ44には第2のプーリーが連結されている。ベルトの一端は、第1のプーリーの外周に装着され、ベルトの他端は、第2のプーリーの外周に装着されている。駆動モータ46は、伝動部品45を介して拭取りローラ44を駆動して回転させる。
【0072】
実施例2
以下の構造を除いて、その他は実施例1と同じである。
【0073】
図5に示されるように、除塵布43の液体貯蔵設備2から離れた面には柔軟な突起431が等間隔に配置されている。柔軟な突起431は、シャワー液における粉塵を遮断する。
【0074】
実施例3
以下の構造を除いて、その他は実施例2と同じである。
【0075】
第1の伝動軸41の外壁には第1のスプロケットが配置されている。第2の伝動軸42の外壁には第2のスプロケットが配置されている。
【0076】
除塵布43の液体貯蔵設備2に近い面には第1のスプロケットと第2のスプロケットに協働するチェーンが配置されている。
【0077】
使用過程において、処理する排ガスは、排ガス入口11を通して散水装置1中に入る。処理する排ガスは、上昇する過程中に回転インペラー144を押して回転させ、回転インペラー144は、連結軸を介して第2のギア146を駆動して回転させる。第2のギア146は、ギアリング143上のかみ合い歯とかみ合い、これによりギアリング143を駆動して回転させる。ギアリング143は、内輪歯を介して第1のギア145を駆動して回転させ、これによりノズル管142を駆動して自転させる。これにより、シャワー液のスプレーをより均一になり、シャワー液と排ガスの混合均一性を向上させる。
【0078】
ノズル管142は、自転することによりノズル管142に配置されたスポイラー羽根1421を駆動して回転される。スポイラー羽根1421は、排ガスをより均一に分布させ、これによりシャワー液と排ガスの混合均一性を向上させることができる。
【0079】
シャワー液排出口13から排出されたシャワー液は、液体貯蔵設備2に落下する。落下されたシャワー液には一定量の粉塵が含まれているため、液体貯蔵設備2内の粉塵含有量は増加し、かつ、落下されたシャワー液に吸收された排ガスの熱量により、液体貯蔵設備2内のシャワー液の温度は上昇する。したがって、液体貯蔵設備2中の粉塵含有量は、液体貯蔵設備2内のシャワー液の温度と比例する。液体貯蔵設備2内のシャワー液の温度が上昇する時、スライドシリンダー31内の熱膨張材料は、膨張し、スライドロッド32を上方に押し上げ、さらに吸收管33の液体入口を上方に運動させ、吸收管33の柔軟な材料部分が収縮する。このように、液体貯蔵設備2の総液位が高く、粉塵含有量が少ないシャワー液は、吸收管33中に入り、設備の目詰まり現象の発生を低減することができる。
【0080】
除塵布43は、液体貯蔵設備2内のシャワー液における粉塵を吸着する。粉塵を吸着した除塵布43は、第1の伝動軸41と第2の伝動軸42によって駆動されて液体貯蔵設備2の外に移動させる。拭取りローラ44は、除塵布43上の粉塵を除去する。粉塵を除去した後の除塵布43は、第1の伝動軸41と第2の伝動軸42によって駆動されて再び液体貯蔵設備2中に入り、シャワー液における粉塵を吸着する。
【0081】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、当業者が想到し得るあらゆる変形、改良、置換等が本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0082】
1 散水装置
11 排ガス入口
12 排ガス出口
13 シャワー液排出口
14 シャワー装置
141 供給管
142 ノズル管
1421 スポイラー羽根
143 ギアリング
144 回転インペラー
145 第1のギア
146 第2のギア
147 連結管
2 液体貯蔵設備
3 吸液ユニット
31 スライドシリンダー
32 スライドロッド
33 吸液管
331 ウォーターポンプ
332 液体入口
4 除塵ユニット
41 第1の伝動軸
42 第2の伝動軸
43 除塵布
431 柔軟な突起
44 拭取りローラ
45 伝動部品
46 駆動モータ
図1
図2
図3
図4
図5