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特許7541610情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20240821BHJP
【FI】
G08G1/14 A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023197771
(22)【出願日】2023-11-21
【審査請求日】2023-11-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517438147
【氏名又は名称】高橋 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100140936
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 功一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 綾子
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-104306(JP,A)
【文献】特開2019-197524(JP,A)
【文献】特開平09-167300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/00-50/20
50/26-99/00
G07B 11/00-17/04
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駐車スペースが確保されている駐車場に設けられている通信機器と、車両にせられている電子機器と、前記複数の駐車スペースの使用の有無を管理する情報処理装置とを用いて、前記複数の駐車スペースを前記車両に割り振ることが可能な情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記通信機器と前記電子機器との無線通信を利用して前記駐車場に前記車両が来て前記車両が入場したことを検出することと、
前記駐車場に入場したことが検出されたタイミングで前記車両前記駐車スペースを使用する使用権を付与することと、
前記複数の駐車スペースの使用の有無と、前記駐車場における駐車可能台数と、前記駐車場に入場している他の車両の数を示す入場台数とを管理する管理部の管理内容に基づいて、前記駐車場において使用可能な駐車スペースが存在するかを判定することと、
使用可能な駐車スペースが存在すると判定された場合には、前記使用権が付与された前記車両のユーザに当該駐車スペースを案内するための第1案内情報を前記電子機器から出力させ、一方、使用可能な駐車スペースが存在しないと判定された場合には、前記駐車場に使用可能な駐車スペースが存在しないため使用可能な駐車スペースが検出されるまで待機することを前記使用権が付与された前記車両のユーザに案内するための情報であって、前記管理部の前記駐車可能台数及び前記入場台数に基づいて特定された前記駐車場に前記車両が入場してからの待ち台数を含む第2案内情報を前記電子機器から出力させることと、を実行する
情報処理システム。
【請求項2】
前記駐車スペース又はその付近には、当該駐車スペースの使用を開始する際に、前記電子機器を用いて使用開始情報を送信するための識別情報が設置され、
前記情報処理装置は、前記第1案内情報を送信した前記電子機器から前記識別情報に基づく使用開始情報が送信された場合には、当該識別情報に係る駐車スペースに関する前記管理部の管理内容を使用中に変更する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
複数の駐車スペースが設けられている駐車場に入場する車両にせられている電子機器を利用して、前記駐車場に入場したことが検出されたタイミングで前記駐車スペースを使用する使用権を前記車両に付与し、
前記複数の駐車スペースの使用の有無と、前記駐車場における駐車可能台数と、前記駐車場に入場している他の車両の数を示す入場台数とを管理する管理部の管理内容に基づいて、前記駐車場において使用可能な駐車スペースが存在するかを判定し、使用可能な駐車スペースが存在すると判定された場合には、前記使用権が付与された前記車両のユーザに当該駐車スペースを案内するための第1案内情報を前記電子機器から出力させ、一方、使用可能な駐車スペースが存在しないと判定された場合には、前記駐車場に使用可能な駐車スペースが存在しないため使用可能な駐車スペースが検出されるまで待機することを前記使用権が付与された前記車両のユーザに案内するための情報であって、前記管理部の前記駐車可能台数及び前記入場台数に基づいて特定された前記駐車場に前記車両が入場してからの待ち台数を含む第2案内情報を前記電子機器から出力させる制御を実行する制御部を備える
情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記駐車場又はその付近に設置されている機器と前記電子機器との間で行われる無線通信を利用して前記駐車場に前記車両が来て前記車両が入場したことを検出する請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記駐車場又はその付近に設けられている識別情報を取得した前記電子機器から送信された取得情報を受信したことに基づいて前記駐車場に前記車両が来て前記車両が入場したことを検出する請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2案内情報の出力後において、前記駐車場に使用可能な駐車スペースが新たに検出されたときには、当該新たに検出された駐車スペースを案内するための前記第1案内情報を前記電子機器から出力させる制御を実行する請求項3から5の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記駐車スペース又はその付近には、当該駐車スペースの使用を開始する際に、前記電子機器を用いて使用開始情報を送信するための識別情報が設置され、
前記制御部は、前記第1案内情報を送信した前記電子機器から前記識別情報に基づく使用開始情報が送信された場合には、当該識別情報に係る駐車スペースに関する前記管理部の管理内容を使用中に変更する請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記使用開始情報を送信した前記電子機器から、当該使用開始情報に係る駐車スペースの使用を終了する旨の出庫情報が送信された場合には、当該駐車スペースに関する前記管理部の管理内容を使用可能に変更する請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記駐車場において前記車両が駐車した後に、前記車両が駐車した駐車スペースの位置を示す画像情報を、前記電子機器の表示部に表示させる請求項3から5、7、8の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記駐車場において前記車両が駐車した後に、前記駐車場での前記車両の駐車により発生する費用に関する費用情報と、所定の施設での前記電子機器を用いた購買行動に応じて前記費用を割り引く旨の情報とを、前記電子機器の表示部に表示させる請求項3から5、7、8の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記駐車場に入場している車両の数に基づいて前記駐車場の混雑度を求め、前記駐車場の混雑度に関する混雑度情報を出力機器から出力させる制御を実行する請求項3から5、7、8の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項12】
複数の駐車スペースが確保されている駐車場に設けられている通信機器と車両にせられている電子機器との無線通信を利用して前記駐車場に来て前記車両が入場したことを検出することと、
前記駐車場に入場したことが検出されたタイミングで前記車両に前記駐車スペースを使用する使用権を付与することと、
前記複数の駐車スペースの使用の有無と、前記駐車場における駐車可能台数と、前記駐車場に入場している他の車両の数を示す入場台数とを管理する管理部の管理内容に基づいて、前記駐車場において使用可能な駐車スペースが存在するかを判定することと、
使用可能な駐車スペースが存在すると判定された場合には、前記使用権が付与された前記車両のユーザに当該駐車スペースを案内するための第1案内情報を前記電子機器から出力させ、一方、使用可能な駐車スペースが存在しないと判定された場合には、前記駐車場に使用可能な駐車スペースが存在しないため使用可能な駐車スペースが検出されるまで待機することを前記使用権が付与された前記車両のユーザに案内するための情報であって、前記管理部の前記駐車可能台数及び前記入場台数に基づいて特定された前記駐車場に前記車両が入場してからの待ち台数を含む第2案内情報を前記電子機器から出力させることと
を含む情報処理方法。
【請求項13】
複数の駐車スペースが確保されている駐車場に設けられている通信機器と車両にせられている電子機器との無線通信を利用して前記駐車場に来て前記車両が入場したことを検出することと、
前記駐車場に入場したことが検出されたタイミングで前記車両に前記駐車スペースを使用する使用権を付与することと、
前記複数の駐車スペースの使用の有無と、前記駐車場における駐車可能台数と、前記駐車場に入場している他の車両の数を示す入場台数とを管理する管理部の管理内容に基づいて、前記駐車場において使用可能な駐車スペースが存在するかを判定することと、
使用可能な駐車スペースが存在すると判定された場合には、前記使用権が付与された前記車両のユーザに当該駐車スペースを案内するための第1案内情報を前記電子機器から出力させ、一方、使用可能な駐車スペースが存在しないと判定された場合には、前記駐車場に使用可能な駐車スペースが存在しないため使用可能な駐車スペースが検出されるまで待機することを前記使用権が付与された前記車両のユーザに案内するための情報であって、前記管理部の前記駐車可能台数及び前記入場台数に基づいて特定された前記駐車場に前記車両が入場してからの待ち台数を含む第2案内情報を前記電子機器から出力させることと
をコンピュータに実行させるためのプログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車スペースを割り振ることが可能な情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両が駐車するための複数の駐車スペースが設けられている駐車場が存在する。例えば、車両を駐車場に駐車する場合には、その車両に乗車するユーザは、空いている駐車スペースを目視で見つけ、その空いている駐車スペースに駐車することが可能である。しかし、広い駐車場において駐車を所望する人が多数となる時間帯等では、各車両に適切に駐車スペースを割り振ることが困難となる。そこで、駐車場の入口に設置されたカメラにより撮影された車両の車番を認識し、その車番が認識された車両は、空きのある駐車列の何れかに割り振られ、駐車場所表示板、誘導表示灯の点灯制御により空きのある駐車列まで誘導される技術が存在する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-332005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術では、駐車場においてカメラ、駐車場所表示板、誘導表示灯等を設置する必要がある。このため、駐車場の管理に係る設置費用及び管理費用が増加する。ここで、近年では、スマートフォン等の携帯型の電子機器を所有するユーザが多い。そこで、これらの電子機器を用いて、複数のユーザに適切に駐車スペースを割り振ることができれば便利である。
【0005】
本発明は、複数の駐車スペースが設けられている駐車場に来た車両に対して適切に駐車スペースを割り振ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、複数の駐車スペースが確保されている駐車場に設けられている通信機器と、車両にせられている電子機器と、前記複数の駐車スペースの使用の有無を管理する情報処理装置とを用いて、前記複数の駐車スペースを前記車両に割り振ることが可能な情報処理システムである。前記情報処理装置は、前記通信機器と前記電子機器との無線通信を利用して前記駐車場に前記車両が来て前記車両が入場したことを検出することと、前記駐車場に入場したことが検出されたタイミングで前記車両前記駐車スペースを使用する使用権を付与することと、前記複数の駐車スペースの使用の有無と、前記駐車場における駐車可能台数と、前記駐車場に入場している他の車両の数を示す入場台数とを管理する管理部の管理内容に基づいて、前記駐車場において使用可能な駐車スペースが存在するかを判定することと、使用可能な駐車スペースが存在すると判定された場合には、前記使用権が付与された前記車両のユーザに当該駐車スペースを案内するための第1案内情報を前記電子機器から出力させ、一方、使用可能な駐車スペースが存在しないと判定された場合には、前記駐車場に使用可能な駐車スペースが存在しないため使用可能な駐車スペースが検出されるまで待機することを前記使用権が付与された前記車両のユーザに案内するための情報であって、前記管理部の前記駐車可能台数及び前記入場台数に基づいて特定された前記駐車場に前記車両が入場してからの待ち台数を含む第2案内情報を前記電子機器から出力させることと、を実行する。前記駐車スペース又はその付近には、当該駐車スペースの使用を開始する際に、前記電子機器を用いて使用開始情報を送信するための識別情報が設置される。前記情報処理装置は、前記第1案内情報を送信した前記電子機器から前記識別情報に基づく使用開始情報が送信された場合には、当該識別情報に係る駐車スペースに関する前記管理部の管理内容を使用中に変更する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の駐車スペースが設けられている駐車場に来た車両に対して適切に駐車スペースを割り振ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、情報処理システムの使用例を示す図である。
図2図2は、駐車スペースの外観構成の一例を示す上面図である。
図3図3は、情報処理システムのシステム構成例を示す図である。
図4図4は、駐車場管理DBの構成例を示す図である。
図5図5は、電子機器管理DBの構成例を示す図である。
図6図6は、UI部に表示される表示画面の一例を示す図である。
図7図7は、UI部に表示される表示画面の一例を示す図である。
図8図8は、UI部に表示される表示画面の一例を示す図である。
図9図9は、UI部に表示される表示画面の一例を示す図である。
図10図10は、UI部に表示される表示画面の一例を示す図である。
図11図11は、UI部に表示される表示画面の一例を示す図である。
図12図12は、UI部に表示される表示画面の一例を示す図である。
図13図13は、UI部に表示される表示画面の一例を示す図である。
図14図14は、UI部に表示される表示画面の一例を示す図である。
図15図15は、UI部に表示される表示画面の一例を示す図である。
図16図16は、駐車場管理処理例を示すフローチャートである。
図17図17は、駐車スペース予約処理例を示すフローチャートである。
図18図18は、UI部に表示される表示画面の一例を示す図である。
図19図19は、UI部に表示される表示画面の一例を示す図である。
図20図20は、駐車場情報提供処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
[情報処理システムの使用例]
図1は、情報処理システム1(図3参照)の使用例を示す図である。図1では、駐車スペースPS1乃至PS21が設けられている駐車場PL1において使用する例を示す。駐車スペースPS1乃至PS21は、1台の車両が駐車可能な平面空間である。また、駐車場PL1には、出入口EE1、EE2を通して車両が出入り可能であるものとする。また、駐車場PL1には、無線通信を利用して電子機器MC1、MC2との間で各情報のやりとりが可能な機器TM1、TM2が設置されている。また、情報処理システム1は、駐車スペースを管理するための駐車場管理システムである。なお、本実施形態では、駐車スペースを使用する権利(使用権)を駐車スペース単位で管理する例を示す。また、情報処理システム1により提供される駐車場管理サービスを利用するためのアプリケーション(駐車場管理アプリ)をインストールした電子機器のみを利用対象としてもよく、駐車場管理アプリの有無に関わらず、駐車場管理システムを利用可能としてもよい。
【0011】
ここで、駐車場は、1又は複数の駐車スペースが設けられ、空きのある駐車スペースに車両を駐車することが可能な場所を意味する。また、図1では、平面上に設けられた駐車場を一例として示すが、ある施設内に設けられた駐車場、ある施設内に立体的に設けられた駐車場(立体駐車場)等の各種の駐車場に適用することが可能である。また、本実施形態では、有料、無料を問わず実施可能な例を示すが、有料又は無料の何れかの駐車場についても適用可能である。
【0012】
例えば、ユーザU1が乗車する車両C1が駐車場PL1に来た場合に、駐車スペースPS1乃至PS21のうちの使用可能な駐車スペースを利用して駐車することが可能である。しかし、駐車場PL1の使用頻度が高い時間帯には、駐車を所望する人が多数となるため、使用可能な駐車スペースが存在しないことも想定される。また、空いた駐車スペースが出た場合でも、駐車場PL1に早く来た人がその空いた駐車スペースを確保することが困難なことも想定される。すなわち、駐車場PL1に来たユーザに対して適切に駐車スペースを割り振ることが困難となるおそれがある。そこで、本実施形態では、駐車場PL1に来た順番に基づいて、駐車スペースを適切に割り振るようにする。
【0013】
例えば、ユーザU1が乗車する車両C1が駐車場PL1に来た場合には、ユーザU1が所有する電子機器MC1を利用して機器TM1との間で所定の通信を行う。これにより、ユーザU1は、駐車場PL1の駐車スペースを使用する権利(使用権)を得ることが可能となる。なお、車両C1に他の乗員が乗車している場合には、その乗員が所有する電子機器を利用してもよい。
【0014】
同様に、例えば、ユーザU2が乗車する車両C2が駐車場PL1に来た場合には、ユーザU2(又は他の同乗者)が所有する電子機器MC2を利用して機器TM2との間で所定の通信を行う。これにより、ユーザU2は、駐車場PL1の駐車スペースを使用する権利(使用権)を得ることが可能となる。そして、駐車場PL1の駐車スペースを使用する権利(使用権)が付与された順番に従って、各ユーザに駐車スペースを適切に割り振るようにする。
【0015】
なお、本実施形態では、車両C1に乗車するユーザU1が駐車場PL1に入場すると称するときは、車両C1が駐車場PL1に入場することも意味するものとする。また、その逆も同様である。また、駐車スペースの使用は、その駐車スペースに車両を駐車することを意味する。また、駐車スペースの使用の終了は、その駐車スペースに駐車した車両を出庫することを意味する。
【0016】
[駐車スペースの外観構成例]
図2は、駐車スペースPS1の外観構成の一例を簡略化して示す斜視図である。図2における左右方向は、駐車スペースPS1に駐車する車両の前後方向に対応するものとする。なお、他の駐車スペースPS2乃至PS21の外観構成についても同様であるため、ここでの図示及び説明を省略する。
【0017】
駐車スペースPS1の内部又はその付近には、駐車開始を検出するための使用開始画像GS1が設けられている。なお、本実施形態では、平面空間の付近と称する場合には、その平面空間を基準としてその平面空間の周りを囲う範囲(周囲)、その平面空間を基準としてその平面空間の近くの空間(比較的近い空間)(周辺)等の意味を含むものとする。
【0018】
図2では、駐車スペースPS1の外部(駐車スペースPS1の付近)に使用開始画像GS1を設ける例を示す。使用開始画像GS1は、少なくとも駐車スペースPS1を識別するための駐車スペース識別情報を電子機器が取得可能となる画像で構成される。使用開始画像GS1として、例えば、1次元コード(例えばバーコード)、2次元コード(例えばQRコード(登録商標))、3次元コード、各種画像、各種文字情報等を用いることが可能である。例えば、駐車スペースPS1に係る駐車スペース識別情報を電子機器が取得可能な画像(例えば1次元コード、2次元コード)が印刷されたシールを、使用開始画像GS1として駐車スペースPS1の内部又はその付近に張り付けることが可能である。また、使用開始画像GS1を駐車スペースPS1の内部又はその付近の上面に直接記載してもよい。また、駐車スペースPS1の内部又はその付近において、使用開始画像GS1を記載した何らかの部材(例えば板状部材)を設けてもよい。
【0019】
また、駐車スペースPS1の内部又はその付近には、駐車スペースPS1をユーザが視覚的に容易に識別可能とするための駐車スペース名称表示TN1が設けられている。例えば、駐車スペースPS1を1番駐車スペースと称し、駐車スペースPS2乃至PS21を、それぞれ2番乃至21番駐車スペースと称するものとする。この場合には、駐車スペース名称表示TN1として「1番」の文字を駐車スペースPS1の上面に付すようにする。例えば、「1番」の文字が印刷されたシールを駐車スペースPS1の上面に張り付けてもよく、「1番」の文字を駐車スペースPS1の上面に直接記載したり、駐車スペースPS1の上面に凹凸で形成したりしてもよい。図2では、駐車スペースPS1の内部と、駐車スペースPS1の外部の前後に駐車スペース名称表示TN1を設ける例を示す。これにより、駐車スペースPS1に車両を駐車した場合でも、駐車スペースPS1の外部の前後に設けられた駐車スペース名称表示TN1をユーザが見ることが可能となる。なお、「1番」の文字は一例であり、「No.1」「第1」等の各種数値、各種文字等を用いることが可能である。また、使用開始画像GS1及び駐車スペース名称表示TN1を同一の情報として共有してもよい。
【0020】
[情報処理システムの構成例]
図3は、情報処理システム1のシステム構成の一例を簡略化して示す図である。
【0021】
情報処理システム1は、ネットワークNW1を介して接続可能な複数の機器により構成される。図3では、サーバ100と、電子機器MC1、MC2と、機器TM1、TM2とにより情報処理システム1が構成される例を示す。サーバ100、電子機器MC1、MC2、機器TM1、TM2のそれぞれは、有線通信又は無線通信を利用した通信方式によってネットワークNW1に接続される。ネットワークNW1は、公衆回線網、インターネット等のネットワークである。なお、電子機器MC1、MC2と、機器TM1、TM2とについては、ネットワークNW1を経由せずに、有線通信又は無線通信を利用した直接的な接続により接続されてもよい。
【0022】
[サーバの構成例]
サーバ100は、駐車場PL1に設置されている駐車スペースを管理する駐車場管理処理を実行するサーバである。
【0023】
サーバ100は、通信部110と、制御部120と、記憶部130とを備える。
【0024】
通信部110は、制御部120の制御に基づいて、有線通信又は無線通信を利用して、他の機器との間で各種情報のやりとりを行うものである。
【0025】
制御部120は、記憶部130に記憶されている各種プログラムに基づいて各部を制御するものである。制御部120は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置により実現される。なお、CPUは、制御装置(制御回路)及び演算装置(演算回路)からなる中央処理装置(電子機器)の一例である。また、制御部120により実行される駐車場管理処理については、図6乃至図20等を参照して詳細に説明する。
【0026】
記憶部130は、各種情報を記憶する記憶媒体である。例えば、記憶部130には制御部120が各種処理を行うために必要となる各種情報(例えば、制御プログラム、駐車場管理DB(データベース)200(図4参照)、電子機器管理DB210(図5参照)、地図情報)が記憶される。また、記憶部130には、通信部110を介して取得された各種情報が記憶される。記憶部130として、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又は、これらの組み合わせを用いることができる。
【0027】
[電子機器の構成例]
電子機器MC1は、通信部171と、制御部172と、記憶部173と、画像取得部174と、位置情報取得部175と、UI(User Interface)部180とを備える。なお、電子機器MC2の構成についても電子機器MC1と同様であるため、電子機器MC2についての説明を省略する。
【0028】
通信部171は、制御部172の制御に基づいて、有線通信又は無線通信を利用して、他の機器との間で各種情報のやりとりを行うものである。
【0029】
制御部172は、記憶部173に記憶されている各種プログラムに基づいて各部を制御するものである。制御部172は、例えば、CPU等の処理装置により実現される。なお、制御部172により実行される各処理については、図6乃至図20等を参照して詳細に説明する。
【0030】
記憶部173は、各種情報を記憶する記憶媒体である。例えば、記憶部173には制御部172が各種処理を行うために必要となる各種情報(例えば、制御プログラム、駐車場管理アプリ、機器識別情報)が記憶される。また、記憶部173には、通信部171を介して取得された各種情報が記憶される。記憶部173として、例えば、ROM、RAM、SRAM、HDD、SSD、又は、これらの組み合わせを用いることができる。なお、記憶部173については、取り外し可能な記憶部とするようにしてもよく、電子機器MC1に内蔵される記憶部としてもよい。また、電子機器MC1には、取り外し可能な記憶部と、内蔵される記憶部との双方を設けるようにしてもよい。
【0031】
画像取得部174は、制御部172の制御に基づいて、被写体を撮像して画像(画像データ)を生成するものであり、生成された画像を制御部172に出力する。画像取得部174は、例えば、レンズ(図示省略)により集光された被写体からの光を入射する撮像素子(イメージセンサ、画像センサ)、その撮像素子により生成された画像データについて所定の画像処理を施す画像処理部等により構成される。撮像素子として、例えば、CCD(Charge Coupled Device)型、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の撮像素子を用いることができる。
【0032】
位置情報取得部175は、電子機器MC1が存在する位置に関する位置情報を取得するものであり、取得した位置情報を制御部172に出力する。位置情報取得部175は、例えば、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)信号(又は、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム))を受信してそのGPS信号に基づいて位置情報を算出するGPS受信機により実現することができる。また、その算出された位置情報には、GPS信号の受信時における緯度、経度、高度等の位置に関する各データが含まれる。また、他の位置情報の取得方法により位置情報を取得する位置情報取得装置を用いるようにしてもよい。例えば、周囲に存在する無線LANによるアクセスポイント情報を用いて位置情報を導き出し、この位置情報を取得する位置情報取得装置を用いるようにしてもよい。また、例えば、通話や通信に利用する基地局の位置情報を用いて位置情報を導き出し、この位置情報を取得する位置情報取得装置を用いるようにしてもよい。また、例えば、ナビゲーション機能による位置推定技術を用いて位置情報を導き出し、この位置情報を取得する位置情報取得装置を用いるようにしてもよい。例えば、各種センサ(例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ)によるセンサ情報と、地図情報とに基づいて、自機器の位置を推定することができる。
【0033】
UI部180は、受付部181と、出力部182とを備える。
【0034】
受付部181は、ユーザU1からの各種操作を受け付けるものであり、その受け付けられた操作内容を制御部172に出力する。なお、受付部181及び出力部182については、ユーザがその指を表示面に接触又は近接することにより操作入力を行うことが可能なタッチパネルとして構成してもよく、別体のユーザインタフェースとして構成してもよい。別体のユーザインタフェースとして構成する場合には、スイッチ、ボタン、キーボード等の各種操作部材を受付部181として用いることが可能である。また、操作部に相当する画像を壁等に投影して、その画像を利用(例えば、ユーザが指す)して操作を行うことが可能なユーザインタフェースとしてもよい。また、ユーザが発する音声に基づいて各種操作を受け付ける音入力部等を受付部181として用いてもよい。音入力部は、電子機器MC1の周囲の音を取得するものであり、取得された音に関する音情報を制御部172に出力する。音入力部として、例えば、1又は複数のマイクや音取得センサを用いることができる。
【0035】
出力部182は、制御部172の制御に基づいて、各種情報を出力するものである。例えば、出力部182は、表示部及び音出力部により構成することが可能である。この表示部は、制御部172からの指示に基づいて、各種画像を表示する。表示部として、例えば、有機EL(Electro Luminescence)パネル、LCD(Liquid Crystal Display)パネル等の表示パネルを用いることができる。音出力部は、制御部172からの指示に基づいて、各種音声を出力する。音出力部として、例えば1又は複数のスピーカを用いることができる。なお、表示部、音出力部、音入力部、受付部181は、ユーザインタフェースの一例であり、これらのうちの一部を省略してもよく、他のユーザインタフェースを用いてもよい。
【0036】
[機器の構成例]
機器TM1は、通信部140と、制御部150と、記憶部160とを備える。なお、機器TM2の構成についても機器TM1と同様であるため、機器TM2についての説明を省略する。
【0037】
通信部140は、制御部150の制御に基づいて、有線通信又は無線通信を利用して、他の機器との間で各種情報のやりとりを行うものである。
【0038】
制御部150は、記憶部160に記憶されている各種プログラムに基づいて各部を制御するものである。制御部150は、例えば、CPU等の処理装置により実現される。なお、制御部150により実行される各処理については、図6乃至図20等を参照して詳細に説明する。
【0039】
記憶部160は、各種情報を記憶する記憶媒体である。例えば、記憶部160には制御部150が各種処理を行うために必要となる各種情報(例えば、制御プログラム、駐車場PL1を特定するための設置場所識別情報)が記憶される。また、記憶部160には、通信部140を介して取得された各種情報が記憶される。記憶部160として、例えば、ROM、RAM、SRAM、HDD、SSD、又は、これらの組み合わせを用いることができる。なお、記憶部160については、取り外し可能な記憶部とするようにしてもよく、機器TM1に内蔵される記憶部としてもよい。また、機器TM1には、取り外し可能な記憶部と、内蔵される記憶部との双方を設けるようにしてもよい。
【0040】
[各機器間で使用される通信例]
図3に示すように、サーバ100、電子機器MC1、MC2、機器TM1、TM2のそれぞれは、所定の通信を利用して各情報のやりとりを行う。そこで、ここでは、各機器間で使用される通信例について説明する。
【0041】
サーバ100は、有線通信又は無線通信を利用した通信方式によってネットワークNW1に接続される。
【0042】
また、電子機器MC1、MC2、機器TM1、TM2のそれぞれは、有線通信又は無線通信を利用した通信方式によってネットワークNW1に接続される。例えば、電子機器MC1、MC2、機器TM1、TM2のそれぞれは、無線通信として、無線LAN(Local Area Network)(例えば、Wi-Fi(Wireless Fidelity))、Bluetooth(登録商標)(IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.15.1)、ZigBee(登録商標)(IEEE802.15.4)、WiMax、赤外線通信などの各種の無線通信規格の無線通信のうちの少なくとも1つを行うことができるものとする。また、電子機器MC1、MC2、機器TM1、TM2のそれぞれは、無線通信として、例えば、公衆網(例えば、3G(3rd Generation)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、6G(6th Generation)、LTE(Long Term Evolution)等の移動通信システム)を用いるようにしてもよい。なお、これらは、無線通信の一例であり、他の無線通信規格の無線通信などに各実施の形態を適用するようにしてもよい。
【0043】
また、電子機器MC1(又はMC2)及び機器TM1(又はTM2)間の通信については、上述した各無線通信規格の無線通信を利用することが可能である。ここで、本実施形態では、電子機器MC1及び機器TM1間での通信が行われることにより、電子機器MC1を所有するユーザU1(車両C1)が駐車場PL1に来たことが検出される。そこで、電子機器MC1(又はMC2)及び機器TM1(又はTM2)間の通信については、両者の機器が比較的近い位置に存在することを適切に判定するため、近距離無線通信(例えば、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、非接触型通信)を利用することが好ましい。
【0044】
[駐車場に来た車両を検出する検出例]
次に、駐車場PL1に来た車両をサーバ100が検出する検出方法について説明する。なお、本実施形態では、駐車場PL1に来たユーザU1を検出すると称するときは、駐車場PL1に来た車両C1(ユーザU1が乗車)を検出することも含むものとする。同様に、駐車場PL1に来た車両C1を検出すると称するときは、駐車場PL1に来たユーザU1(車両C1に乗車)を検出することも含むものとする。また、本実施形態では、車両C1に乗車するユーザU1が電子機器MC1を所有すると称するときは、ユーザU1が電子機器MC1を手等で持っていること、ユーザU1が電子機器MC1を手から離して車両C1内における何れかの場所に設置していること等を含むものとする。
【0045】
また、ここでは、主に、電子機器MC1及び機器TM1を用いて駐車場PL1に来た車両を検出する検出方法について説明するが、電子機器MC2、機器TM2を用いる場合についても同様である。また、図6乃至図17等では、主に、無線通信(特に、近距離無線通信)を利用して電子機器MC1と機器TM1との間で所定のやり取りが行われ、電子機器MC1と機器TM1とが近接したことが検出されたことを条件に、電子機器MC1を所有するユーザU1(車両C1)が駐車場PL1に来たことを検出する検出方法を例として示す。このように、電子機器MC1と機器TM1との近接が検出され、ユーザU1が乗車する車両C1が駐車場PL1に来たことが検出されると、駐車場PL1の駐車スペースを使用する権利(使用権)がユーザU1(及び同乗者)に付与される。
【0046】
[近距離無線通信を利用した入場検出例]
最初に、近距離無線通信(例えば、非接触型通信、NFC(Near field communication))を利用して駐車場PL1に来た車両C1を検出する検出方法について説明する。例えば、電子機器MC1及び機器TM1の双方が近距離無線通信に対応する機器であるものとする。この場合には、電子機器MC1を所有するユーザU1(車両C1)が駐車場PL1に来た場合には、ユーザU1が電子機器MC1を手に持ち、電子機器MC1を機器TM1に近づけることにより、電子機器MC1及び機器TM1間で近距離無線通信が行われる。この通信により、機器TM1の記憶部160に記憶されている設置場所識別情報(駐車場PL1を特定するための識別情報)を電子機器MC1が取得可能となり、電子機器MC1の記憶部173に記憶されている機器識別情報(電子機器MC1を特定するための識別情報)を機器TM1が取得可能となる。これにより、電子機器MC1及び機器TM1の双方が、設置場所識別情報及び機器識別情報を所定情報(例えば入場情報、出場情報)として取得可能である。そして、電子機器MC1及び機器TM1のうちの少なくとも1つが、その取得された所定情報をサーバ100に送信することにより、サーバ100の制御部120は、駐車場PL1にユーザU1(車両C1)が来ること、又は、駐車場PL1からユーザU1(車両C1)が出ることを検出可能である。
【0047】
例えば、機器TM1と電子機器MC1とが近接した場合には、無線通信を利用して機器TM1及び電子機器MC1間で所定のやりとりが行われ、機器TM1の制御部150は、電子機器MC1の機器識別情報を取得することが可能である。この場合には、機器TM1の制御部150は、取得された電子機器MC1の機器識別情報と、記憶部160に記憶されている設置場所識別情報(駐車場PL1の識別情報)とを含めた入場情報をサーバ100に送信することが可能である。
【0048】
また、例えば、機器TM1と電子機器MC1とが近接した場合には、無線通信を利用して機器TM1及び電子機器MC1間で所定のやりとりが行われ、電子機器MC1の制御部172は、機器TM1の記憶部160に記憶されている設置場所識別情報(駐車場PL1の識別情報)を取得することが可能である。この場合には、電子機器MC1の制御部172は、取得された設置場所識別情報(駐車場PL1の識別情報)と、電子機器MC1の機器識別情報とを含めた入場情報をサーバ100に送信することが可能である。
【0049】
ここで、入場情報は、駐車場管理を実行する場所(例えば駐車場PL1)に、駐車スペースの使用権を付与する車両(すなわちユーザ(例えばユーザU1))が来たことをサーバ100に通知するための情報である。例えば、入場情報には、駐車場管理を実行する場所(例えば駐車場PL1)と、駐車スペースの使用権を付与するユーザ(例えばユーザU1)が所有する電子機器(例えば電子機器MC1)とを特定するための情報が含まれる。
【0050】
なお、機器TM1及び電子機器MC1のうちの1つが入場情報をサーバ100に送信してもよく、機器TM1及び電子機器MC1の双方が入場情報をサーバ100に送信してもよい。なお、機器TM1及び電子機器MC1の双方が入場情報をサーバ100に送信した場合には、双方から受信した入場情報に含まれる各要素(機器識別情報、設置場所識別情報)が一致するため、サーバ100の制御部120は、電子機器MC1に関する登録処理をより適切に実行することが可能である。
【0051】
[無線通信を利用した入場検出例]
次に、近距離無線通信以外の無線通信(例えば、Wi-Fi、Bluetooth)を利用して駐車場PL1に来たユーザU1を検出する検出方法について説明する。例えば、電子機器MC1及び機器TM1の双方が無線通信に対応する機器であるものとする。この場合には、電子機器MC1を所有するユーザU1が駐車場PL1に近づいた場合には、電子機器MC1及び機器TM1間で無線通信が行われる。この通信により、機器TM1の記憶部160に記憶されている設置場所識別情報を電子機器MC1が取得可能となり、電子機器MC1の記憶部173に記憶されている機器識別情報を機器TM1が取得可能となる。これにより、電子機器MC1及び機器TM1の双方が所定情報(例えば入場情報)を取得することが可能である。そして、その取得された入場情報をサーバ100に送信することにより、サーバ100の制御部120は、駐車場PL1にユーザU1が来たことを検出可能である。この場合には、上述したように、機器TM1及び電子機器MC1のうちの1つが入場情報をサーバ100に送信してもよく、機器TM1及び電子機器MC1の双方が入場情報をサーバ100に送信してもよい。なお、電子機器MC1が機器TM1に所定距離(例えば数m乃至数十m)まで近づいたことを条件に、駐車場PL1にユーザU1が来たことを検出してもよい。例えば、電子機器MC1及び機器TM1間でやりとりされる電波の受信強度に基づいて、機器TM1を基準とする所定範囲内に電子機器MC1が近づいたことを判定可能である。そこで、その電波の受信強度に基づく判定方法を用いて電子機器MC1が機器TM1に近づいたことを検出してもよい。
【0052】
[位置情報を利用した入場検出例]
次に、電子機器MC1の位置情報を利用して駐車場PL1に来たユーザU1を検出する検出方法について説明する。例えば、電子機器MC1の位置情報取得部175により取得された位置情報を所定タイミングでサーバ100に送信する。この場合には、記憶部130に記憶されている地図情報における駐車場PL1の位置と、電子機器MC1の位置情報とに基づいて、サーバ100の制御部120は、駐車場PL1にユーザU1が来たことを検出可能である。
【0053】
[画像読取を利用した入場検出例]
次に、電子機器MC1の画像取得部174を利用して駐車場PL1に来たユーザU1を検出する検出方法について説明する。例えば、駐車場PL1内またはその付近(例えば、機器TM1、TM2)に所定の画像情報(例えば、1次元コード、2次元コード)を設ける。この画像情報は、駐車場PL1を識別可能な識別情報を読み取り可能な情報であるものとする。例えば、機器TM1の外部にQRコードが記載されたシールを貼り付けておく。そして、電子機器MC1を所有するユーザU1が駐車場PL1に来た場合には、ユーザU1が手に持った電子機器MC1を機器TM1に近づけ、画像取得部174を利用して機器TM1の外部に記載されたQRコードを読み取る。この読み取りにより電子機器MC1の制御部172は、駐車場PL1を識別可能な識別情報を取得することが可能である。このため、電子機器MC1の制御部172が、その取得された駐車場PL1の識別情報と、電子機器MC1の機器識別情報とを含めた入場情報をサーバ100に送信することにより、サーバ100の制御部120は、駐車場PL1にユーザU1が来たことを検出可能である。
【0054】
[ユーザの手動操作を利用した入場検出例]
次に、電子機器MC1を所有するユーザU1の手動操作を利用して駐車場PL1に来たユーザU1を検出する検出方法について説明する。例えば、電子機器MC1を所有するユーザU1が駐車場PL1に来た場合には、ユーザU1は、電子機器MC1のUI部180を用いて所定操作を行う。例えば、駐車場PL1に来たことを示す文字入力操作、選択操作等を行う。この所定操作により電子機器MC1の制御部172は、駐車場PL1を識別可能な識別情報を取得することが可能である。このため、電子機器MC1の制御部172が、その取得された駐車場PL1の識別情報と、電子機器MC1の機器識別情報とを含めた入場情報をサーバ100に送信することにより、サーバ100の制御部120は、駐車場PL1にユーザU1が来たことを検出可能である。
【0055】
[駐車場から出場する車両を検出する検出例]
次に、駐車場PL1に入場した車両が、駐車場PL1から出場する場合に、その出場をサーバ100が検出する検出方法について説明する。上述した何れかの検出方法により、駐車場PL1に入場する車両をサーバ100が検出することが可能であるため、入場時の検出方法と同様の方法により、駐車場PL1から出場する車両をサーバ100が検出することが可能である。
【0056】
ここで、駐車場PL1に入場する車両がサーバ100により検出された場合には、その車両(又はユーザ、電子機器)及び駐車場PL1に関する情報が駐車場管理DB200(機器識別情報208)、電子機器管理DB210(駐車場識別情報213)に格納される。そこで、駐車場管理DB200(機器識別情報208)、電子機器管理DB210(駐車場識別情報213)の内容に基づいて、駐車場PL1に入場中の車両を判定可能である。例えば、サーバ100の制御部120は、入場時の検出方法と同様に、出入口EE1又はEE2に近接する車両を検出し、その検出された車両が入場中の車両である場合には、その検出された車両が出場することを検出可能である。
【0057】
また、画像読取を利用した入場検出例、ユーザの手動操作を利用した入場検出例等と同様に、画像読取を利用して出場を検出してもよく、ユーザの手動操作を利用して出場を検出してもよい。
【0058】
[駐車場管理DBの構成例]
図4は、記憶部130に格納されている駐車場管理DB200の構成例を示す図である。
【0059】
駐車場管理DB200には、駐車可能台数202と、入場台数203と、使用料204と、駐車スペース識別情報205と、駐車スペース使用情報206と、入場時刻207と、機器識別情報208とが駐車場識別情報201に関連付けて格納される。また、駐車場管理DB200には、駐車スペースの配置を表示するための画像情報(図6参照)が駐車場識別情報201及び駐車スペース識別情報205に関連付けて格納される。
【0060】
駐車場識別情報201は、管理対象となる駐車スペースが設置されている駐車場を識別するための識別情報である。図4では、説明を容易にするため、図1に示す駐車場PL1の符号「PL1」を駐車場PL1の識別情報として駐車場識別情報201に格納する例を示す。
【0061】
駐車可能台数202は、管理対象となる駐車場に駐車可能な車両の数を示す情報である。すなわち、管理対象となる駐車場に設けられている駐車スペースの数が駐車可能台数202に格納される。
【0062】
入場台数203は、管理対象となる駐車場に入場した車両の数を示す情報である。具体的には、利用可能な駐車場について、上述した車両の入場を検出する検出方法により検出された車両の数から、上述した車両の出場を検出する検出方法により検出された車両の数を引いた数が、入場台数203に格納される。例えば、駐車場PL1が午前5:00から午後23:00まで利用可能であり、利用不可能な時間帯には車両が停車していない場合を想定する。この場合には、午前5:00以降に入場した車両の合計値(入場合計値)と、午前5:00以降に出場した車両の合計値(出場合計値)とを、サーバ100の制御部120が算出し、その算出された入場合計値から出場合計値を引いた数が、駐車場PL1に対応する入場台数203に格納される。なお、入場台数203に格納される数は、管理対象となる駐車場に存在する車両の数であり、管理対象となる駐車場に設けられている駐車スペースに駐車された数を意味するものではない。
【0063】
使用料204は、管理対象となる駐車場の利用料金を示す情報である。例えば、サーバ100の制御部120は、駐車場PL1に駐車していた車両が出場する場合には、入場時刻207に格納されている時刻から、その出場までの経過時間を算出し、この経過時間と、使用料204に格納されている情報とに基づいて、その車両のユーザに請求する使用料を算出することが可能である。例えば、午前7:30に駐車場PL1に入場して駐車した車両が、午後13:00に出場する場合には、駐車場PL1に入場してから出場までの時間が5時間30分である。この場合には、サーバ100の制御部120は、その車両のユーザに請求する使用料として1100円を算出する。
【0064】
駐車スペース識別情報205は、管理対象となる駐車場に設置されている各駐車スペースを識別するための識別情報である。図4では、説明を容易にするため、図1に示す駐車スペースPS1乃至PS21の各符号を各駐車スペースの識別情報として駐車スペース識別情報205に格納する例を示す。
【0065】
駐車スペース使用情報206は、管理対象となる駐車場に設置されている各駐車スペースの使用の有無を管理するための管理情報である。図4では、説明を容易にするため、使用されている駐車スペースには「使用中」を格納し、使用可能な駐車スペースには「使用可能」を格納する例を示す。
【0066】
入場時刻207は、管理対象となる駐車場にユーザ(車両に乗車)が入場した時刻を示す時間情報である。例えば、駐車場PL1に設置されている機器TM1に電子機器MC1を近接させると、機器TM1と電子機器MC1との間で所定の通信が行われ、入場情報がサーバ100に送信される。これにより、サーバ100は、ユーザU1が駐車場PL1に来たことを検出可能となる。この検出時刻が入場時刻212(図5参照)に格納される。そして、ユーザU1が乗車する車両C1が駐車スペースに駐車したタイミングで、入場時刻212の値(時刻)が入場時刻207に格納される。
【0067】
機器識別情報208は、管理対象となる駐車場に設置されている各駐車スペースを使用するユーザが所有する機器を識別するための機器識別情報である。この機器識別情報は、例えば、各機器を一意に識別可能な情報(例えば、端末識別情報、シリアル情報)である。機器識別情報として、例えば、IMEI(International Mobile Equipment Identity)を用いることが可能である。なお、図4では、説明を容易にするため、図1に示す電子機器MC1、MC2の各符号を各電子機器の識別情報として機器識別情報208に格納する例を示す。
【0068】
[電子機器管理DBの構成例]
図5は、記憶部130に格納されている電子機器管理DB210の構成例を示す図である。なお、電子機器管理DB210は、1又は複数の駐車場において各ユーザが使用する電子機器を管理するものである。例えば、本実施形態に係る駐車場管理システムを利用するための所定の手続をした電子機器を電子機器管理DB210に格納して登録することが可能である。例えば、駐車場管理システムを利用するためのアプリケーション(駐車場管理アプリ)をインストールした電子機器を管理対象として登録することが可能である。
【0069】
電子機器管理DB210には、入場時刻212と、駐車場識別情報213と、駐車スペース識別情報214と、待ち情報215とが機器識別情報211に関連付けて格納される。なお、機器識別情報211、入場時刻212、駐車場識別情報213及び駐車スペース識別情報214は、図3に示す同一名称の各情報に対応するため、ここでの説明を省略する。
【0070】
待ち情報215は、管理対象となる駐車場にユーザが入場した際に、待ち情報が送信されたか否かを示す情報である。図5では、説明を容易にするため、待ち情報が送信された電子機器には「送信」を格納し、待ち情報が送信されていない電子機器には「-」を格納する例を示す。例えば、駐車場PL1にユーザU1が入場した際に、駐車場PL1に空き駐車スペースが存在しない場合には、ユーザU1が所有する電子機器MC1に待ち情報が送信される。この待ち情報に基づいて、満車を示す案内情報が電子機器MC1のUI部180に表示される。例えば、図10に示す表示画面400が表示される。
【0071】
なお、図4図5に示す各DBの各情報は、駐車場管理に用いる情報の一例であり、必要に応じて、一部の情報を省略してもよく、他の情報を用いてもよい。また、図4図5では、2のDBを用いる例を示すが、駐車場管理に必要となる情報については、1、又は、3以上のDBを用いて管理してもよい。また、駐車場管理に必要となる情報については、1の機器により管理してもよく、複数の機器により管理してもよい。
【0072】
[空き駐車スペースが存在する場合の表示例]
図6は、電子機器MC1を機器TM1に近接させた場合にUI部180に表示される表示画面300の一例を示す図である。図6乃至図8では、駐車場PL1に設置されている駐車スペースPS1乃至PS21のうちの少なくとも一部が空いている場合の例を示す。なお、ここでは、電子機器MC1を機器TM1に近接させた場合の例を示すが、電子機器MC1を機器TM2に近接させた場合についても同様である。
【0073】
なお、本実施形態で示す電子機器MC1のユーザ操作については、車両C1を運転するドライバが行う場合には、車両C1を停車させて行うものとする。また、ドライバ以外の同乗者が行う場合には、車両C1の走行中に行ってもよい。
【0074】
表示画面300は、電子機器MC1を所有するユーザU1が駐車場PL1に来たことを検出した旨を示す表示画面である。表示画面300には、メッセージ表示領域301と、駐車スペース案内画像表示領域302と、現在地標識303と、OKボタン304と、キャンセルボタン305とが表示される。
【0075】
メッセージ表示領域301には、電子機器MC1を所有するユーザU1が乗車する車両C1が駐車場PL1に入場したことを受け付けた旨と、空き駐車スペースが存在する旨とが表示される。
【0076】
駐車スペース案内画像表示領域302には、駐車場PL1に設置されている駐車スペースPS1乃至PS21を示す駐車スペース画像が、駐車スペースPS1乃至PS21の配置に応じて表示される。また、各駐車スペース画像内には、駐車スペースの使用状況が表示される。すなわち、使用されている駐車スペースには「使用中」が表示され、使用可能な駐車スペースには「空」が表示される。また、使用中の駐車スペースと使用可能な駐車スペースとを識別可能な他の表示態様としてもよい。例えば、使用中の駐車スペースと使用可能な駐車スペースとの色を変更(例えば、使用中の駐車スペースを赤で表示し、使用可能な駐車スペースを緑で表示する)したり、使用中の駐車スペースと使用可能な駐車スペースとのサイズを変更(例えば、使用中の駐車スペースを小さく表示し、使用可能な駐車スペースを大きく表示する)したりして表示することが可能である。また、点滅表示、線の太さを変更する等の各種の表示態様を利用して使用中の駐車スペースと使用可能な駐車スペースとを識別可能に表示することが可能である。図6では、「使用中」及び「空」の文字表示とともに、使用可能な駐車スペースを太線の枠で囲むことにより、使用中の駐車スペースと使用可能な駐車スペースとを識別可能に表示する例を示す。図6では、使用可能な駐車スペース(矩形の内部に「使用中」の文字表示)を符号306乃至309で示す。これにより、ユーザU1は、使用可能な駐車スペースを目視で容易に確認することが可能となる。なお、これらの各情報については、駐車場管理DB200に基づいて表示される。
【0077】
現在地標識303には、駐車場PL1におけるユーザU1(電子機器MC1)の現在地(車両C1の現在地)が表示される。例えば、電子機器MC1が備える位置情報取得部(例えば、GPS機器)により取得された位置情報を、無線通信を利用して、サーバ100が取得することにより、サーバ100の制御部120は、電子機器MC1を所有するユーザU1の位置を取得することが可能である。そこで、制御部120は、記憶部130に記憶されている地図情報における駐車場PL1の位置情報と、ユーザU1の位置情報とに基づいて、現在地標識303を表示することが可能である。ただし、屋内でGPS信号を受信できないことも想定される。この場合には、駐車場PL1内又はその周囲に設置されている無線機器(例えば、Wi-Fi機器、機器TM1、TM2等)と、電子機器MC1との間で行われる通信に関する電波強度を利用した位置測定技術を利用して電子機器MC1を所有するユーザU1の位置を取得することが可能である。また、電子機器MC1及び機器TM1間での近距離無線通信を利用して電子機器MC1を所有するユーザU1が駐車場PL1に来たことが検出された場合には、その検出時におけるユーザU1の位置は、機器TM1の設置位置に近接していると考えられる。そこで、その検出時には、機器TM1の設置位置に基づいてユーザU1の位置を推定可能である。これらにより、ユーザU1は、自身の位置と、使用可能な駐車スペースの位置とを容易に確認することが可能となる。
【0078】
OKボタン304は、駐車スペース案内画像表示領域302に表示されている使用可能な駐車スペースを使用することを所望する場合に選択されるボタンである。OKボタン304の選択操作がされた場合の表示例を図7に示す。
【0079】
キャンセルボタン305は、駐車スペース案内画像表示領域302に表示されている使用可能な駐車スペースを使用することをキャンセルする場合に選択されるボタンである。例えば、駐車場PL1で所望する駐車スペースの確保ができないとユーザU1が判断した場合等にキャンセルボタン305が選択される。この場合には、車両C1が駐車場PL1から出場したことを条件に、ユーザU1に付与された駐車場PL1での駐車スペースの使用権が抹消される。なお、本実施形態では、電子機器管理DB210の入場時刻212、駐車場識別情報213に各情報が格納された場合に、駐車場PL1での駐車スペースの使用権が付与されたと称する。また、駐車場管理DB200の入場時刻207、機器識別情報208から各情報が削除されるとともに、電子機器管理DB210の駐車スペース識別情報214から情報が削除された場合に、駐車場PL1での駐車スペースの使用権が抹消されたと称する。なお、ここで示す使用権の付与、抹消は、一例であり、他の条件に基づいて使用権の付与、抹消を判定してもよい。例えば、車両C1の駐車場PL1への入場が検出されたタイミングで使用権を付与してもよく、車両C1の駐車場PL1からの出場が検出されたタイミングで使用権を抹消してもよい。
【0080】
図7は、表示画面300においてOKボタン304の選択操作がされた後にUI部180に表示される表示画面310の一例を示す図である。
【0081】
表示画面310は、ユーザU1が所望する駐車スペースに移動した後にその駐車スペースの識別情報を送信する旨を示す表示画面である。表示画面310には、メッセージ表示領域311と、画像読取領域312と、読取ボタン313と、戻るボタン314とが表示される。
【0082】
メッセージ表示領域311には、ユーザU1が所望する駐車スペースに車両C1が駐車した後にその駐車スペースに貼ってある使用開始画像GS1(図2参照)を読み取る旨が表示される。
【0083】
画像読取領域312は、電子機器MC1の画像取得部174を用いて取得された撮像画像が表示される領域である。具体的には、ユーザU1が所望する駐車スペースに貼ってある使用開始画像GS1を取得するため、画像読取領域312内に使用開始画像GS1を表示させる。例えば、ユーザU1が所望する駐車スペースに車両C1を駐車した後にその駐車スペースの内部又はその付近に貼ってある使用開始画像GS1(図2参照)に電子機器MC1のレンズの光軸を向けることにより、画像読取領域312内に使用開始画像GS1を表示させることが可能である。これにより、ユーザU1は、画像読取領域312内に表示される使用開始画像GS1を確認することが可能となる。
【0084】
読取ボタン313は、画像読取領域312に使用開始画像GS1が表示されている場合に、その読み取り動作を確定する際に選択されるボタンである。読取ボタン313の選択操作がされた場合の表示例を図8に示す。
【0085】
戻るボタン314は、直前の表示画面に戻したい場合に選択されるボタンである。例えば、駐車スペース案内画像表示領域302(図6参照)に表示される使用可能な駐車スペースの位置等を再度確認したい場合等に戻るボタン314が選択される。
【0086】
なお、この例では、ユーザU1の手動操作に基づいて、ユーザU1が使用する駐車スペースに関する駐車スペース情報を電子機器MC1が取得し、その駐車スペース情報に基づいて、ユーザU1が乗車する車両C1が駐車したことを示す駐車情報を電子機器MC1がサーバ100に送信する例を示す。ただし、ユーザU1が駐車スペースに近接した場合に、その駐車スペースに関する駐車スペース情報を電子機器MC1が自動で取得し、その駐車スペース情報に基づいて、電子機器MC1が駐車情報をサーバ100に自動で送信してもよい。電子機器MC1と駐車スペースとの距離については、上述した位置情報に基づく判定方法、無線通信に基づく判定方法等を用いることが可能である。
【0087】
例えば、表示画面310に相当する表示画面を表示した状態で、使用可能な駐車スペースにユーザU1が近づき、その駐車スペース又はその付近に所定時間(例えば数分)以上、ユーザU1が存在していることが検出されたことを条件に、電子機器MC1の制御部172は、その駐車スペースの識別情報を取得し、その識別情報を含む駐車情報をサーバ100に送信することが可能である。例えば、各駐車スペースに所定の電波(各駐車スペースを識別可能な情報を含む電波(例えば、ビーコン))を出力可能な通信機器を設置し、この通信機器から出力される電波の受信強度に基づいて、各駐車スペースと電子機器MC1との距離を、制御部172は判定可能である。そして、制御部172は、その受信強度が所定値以上となる電波を検出した場合には、その電波を出力した通信機器が設置された駐車スペースの識別情報を含む駐車情報をサーバ100に送信する。
【0088】
また、例えば、各駐車スペースに近距離無線通信が可能な通信機器を設置し、この通信機器と電子機器MC1との間で所定のやりとりが行われたことに基づいて、その通信機器が設置された駐車スペースに関する駐車スペース情報を電子機器MC1が取得し、その駐車スペース情報に基づいて、電子機器MC1がサーバ100に駐車情報を送信することが可能である。
【0089】
また、例えば、電子機器MC1により取得された位置情報に基づいてサーバ100が駐車情報を取得してもよい。例えば、電子機器MC1により取得された位置情報をサーバ100に送信し、サーバ100の制御部120は、その位置情報と、記憶部130に記憶されている地図情報における駐車スペースの位置とを比較して、その一致度に基づいて、ユーザU1が近づいた駐車スペースを判定可能である。そこで、使用可能な駐車スペースにユーザU1が近づき、その駐車スペース又はその付近に所定時間(例えば数分)以上、ユーザU1が存在していることが検出されたことを条件に、制御部120は、その駐車スペースの識別情報を取得し、その識別情報に基づいて駐車情報を取得することが可能である。
【0090】
図8は、表示画面310において読取ボタン313の選択操作がされた後にUI部180に表示される表示画面320の一例を示す図である。
【0091】
表示画面320は、ユーザU1が使用する駐車スペースの登録が終了した後に表示される表示画面である。表示画面320には、メッセージ表示領域321と、出庫ボタン322と、キャンセルボタン323とが表示される。
【0092】
メッセージ表示領域321には、ユーザU1が使用する駐車スペースの登録が終了した旨と、駐車スペースの使用が終了したら出庫ボタンを選択する旨とが表示される。
【0093】
出庫ボタン322は、登録された駐車スペースの使用が終了した場合に選択されるボタンである。出庫ボタン322の選択操作がされた場合の表示例を図9に示す。
【0094】
キャンセルボタン323は、駐車スペースの使用登録をキャンセルする場合に選択されるボタンである。例えば、使用する予定で駐車スペースを確保した後に、その駐車スペースの使用が不要となった場合等にキャンセルボタン323が選択される。なお、ユーザU1が駐車スペースを確保することができた後に、キャンセルボタン323が選択された場合には、ユーザU1に付与された駐車スペースの使用権を抹消してもよい。
【0095】
なお、表示画面320が表示された後に、駐車場PL1が設置されている施設等(例えば、飲食店、ショッピングセンタ等の商業施設)に関する各情報(例えば、ショッピング情報、メニュー情報、リンク情報)を、電子機器MC1のUI部180に表示させてもよい。例えば、表示画面320に飲食店ボタンを表示させ、この飲食店ボタンの選択操作後に飲食店に関する各情報を表示してもよい。なお、これらの各情報については、駐車場PL1に関連付けて記憶部130に記憶しておき、その記憶された各情報を用いて電子機器MC1のUI部180に各表示画面を表示することが可能である。又は、それらの各情報をサーバ100から受信し、その受信された各情報を用いて電子機器MC1のUI部180に各表示画面を表示することが可能である。これにより、ユーザU1は、駐車スペースを確保した後に速やかに所望の行動を実行することが可能である。なお、それらの各情報については、満車である場合にも、ユーザU1に予め提供することが可能である。例えば、図10に示す表示画面400に飲食店ボタン、ショッピングボタン等を表示させ、これらのボタンの選択操作後に、選択されたボタンに関する各情報を表示してもよい。この場合には、ユーザU1は、駐車スペースが空くのを待っている間に、所望の飲食、商品等に関する情報を見ることが可能である。
【0096】
図9は、表示画面320において出庫ボタン322の選択操作がされた後にUI部180に表示される表示画面330の一例を示す図である。
【0097】
表示画面330は、ユーザU1が駐車スペースの使用の終了操作をした後に表示される表示画面である。表示画面330には、メッセージ表示領域331と、確認ボタン332とが表示される。
【0098】
メッセージ表示領域331には、ユーザU1が使用した駐車スペースの使用終了登録が完了した旨と、その駐車スペースから離れる旨とが表示される。
【0099】
確認ボタン332は、メッセージ表示領域331の内容を確認した後に選択されるボタンである。例えば、駐車場管理アプリを起動させて図6乃至図9に示す各処理が実行される場合には、確認ボタン332の選択操作がされた後に駐車場管理アプリが終了する。
【0100】
[空き駐車スペースが存在しない場合の表示例]
図10は、電子機器MC1を機器TM1に近接させた場合にUI部180に表示される表示画面400の一例を示す図である。図10乃至図12では、駐車場PL1に設置されている駐車スペースPS1乃至PS21の全てが使用されている場合の例を示す。なお、表示画面400は、図6に示す表示画面300の一部を変更したものであるため、表示画面300と共通する部分には共通の符号を付してこれらの説明の一部を省略する。また、図10乃至図12に示す例のうち、図6乃至図9に示す例と共通する部分については、図示及び説明を適宜省略する。
【0101】
表示画面400は、電子機器MC1を所有するユーザU1が駐車場PL1に来たことを検出した旨を示す表示画面である。表示画面400には、メッセージ表示領域401と、駐車スペース案内画像表示領域302と、現在地標識303と、OKボタン304と、キャンセルボタン305とが表示される。
【0102】
メッセージ表示領域401には、電子機器MC1を所有するユーザU1の駐車場PL1への入場を受け付けた旨と、空き駐車スペースが存在しない旨とが表示される。例えば、メッセージ表示領域401において、空き駐車スペースを待っている車両の数等を表示することが可能である。この数については、上述したように、駐車場管理DB200(図4参照)の駐車可能台数202、入場台数203に基づいて表示可能である。
【0103】
OKボタン304は、メッセージ表示領域401に表示されている条件で待った後に、空き駐車スペースの案内を所望する場合に選択されるボタンである。OKボタン304の選択操作がされた後に空き駐車スペースが検出された場合の表示例を図11に示す。
【0104】
キャンセルボタン305は、メッセージ表示領域401に表示されている条件で待つことをキャンセルする場合に選択されるボタンである。例えば、駐車場PL1で所望の時間内に駐車スペースの確保ができないと判断した場合等にキャンセルボタン305が選択される。この場合には、ユーザU1に付与された駐車場PL1での駐車スペースの使用権を抹消してもよい。
【0105】
[空き駐車スペースが検出された場合の表示例]
図11は、表示画面400においてOKボタン304の選択操作がされた後に空き駐車スペースが検出された場合にUI部180に表示される表示画面410の一例を示す図である。なお、表示画面410は、図6に示す表示画面300の一部を変更したものであるため、表示画面300と共通する部分には共通の符号を付してこれらの説明の一部を省略する。
【0106】
表示画面410は、空いた駐車スペースをユーザU1が案内するための表示画面である。表示画面410には、メッセージ表示領域411と、駐車スペース案内画像表示領域302と、現在地標識303と、空き駐車スペース表示領域412と、使用ボタン413と、キャンセルボタン305とが表示される。
【0107】
メッセージ表示領域411には、検出された空き駐車スペースを案内するためのメッセージと、空き駐車スペースの使用の有無を確認するためのメッセージとが表示される。なお、空き駐車スペースの位置については、他の駐車スペースと識別可能な表示態様で表示することが可能である。図11では、空き駐車スペースの位置を太線で囲んで空き駐車スペース表示領域412として示す。
【0108】
使用ボタン413は、メッセージ表示領域411に表示されている空き駐車スペースの使用を所望する場合に選択されるボタンである。使用ボタン413の選択操作がされた場合の表示例を図12に示す。
【0109】
キャンセルボタン305は、メッセージ表示領域411に表示されている空き駐車スペースの使用をキャンセルする場合に選択されるボタンである。例えば、メッセージ表示領域411に表示されている空き駐車スペースが所望する駐車スペースでないと判断した場合等にキャンセルボタン305が選択される。この場合には、ユーザU1に付与された駐車場PL1での駐車スペースの使用権を抹消してもよい。また、表示画面410が表示されたタイミングを基準として所定時間(例えば数分乃至数十分)が経過するまでの間に、ユーザU1による何らかの操作が行われないことも想定される。例えば、駐車場PL1での駐車スペースの使用権が付与された後に、他の予定が発生したり、駐車する時間が無くなったりすることも想定される。このような場合も考慮して、表示画面410が表示されたタイミングを基準として所定時間(例えば数分乃至数十分)が経過した場合には、キャンセルボタン305の選択操作が行われたときと同様に、駐車場PL1での駐車スペースの使用権を抹消してもよい。本実施形態では、表示画面410が表示されたタイミングを基準として5分が経過したときに、駐車場PL1での駐車スペースの使用権を抹消する例を示す。この場合の表示例を図13に示す。
【0110】
図12は、表示画面410において使用ボタン413の選択操作がされた後にUI部180に表示される表示画面420の一例を示す図である。なお、表示画面420は、図7に示す表示画面310の一部を変更したものであるため、表示画面310と共通する部分には共通の符号を付してこれらの説明の一部を省略する。
【0111】
表示画面420は、メッセージ表示領域411(図11参照)に表示されている空き駐車スペースに移動した後にその駐車スペースの識別情報を送信する旨を示す表示画面である。表示画面420には、メッセージ表示領域421と、画像読取領域312と、読取ボタン313と、戻るボタン314とが表示される。
【0112】
メッセージ表示領域421には、メッセージ表示領域411(図11参照)に表示されている空き駐車スペースに移動した後にその駐車スペースに貼ってある使用開始画像GS1(図2参照)を読み取る旨が表示される。
【0113】
戻るボタン314は、直前の表示画面に戻したい場合に選択されるボタンである。例えば、駐車スペース案内画像表示領域302(図11参照)に表示される使用可能な駐車スペースの位置等を再度確認したい場合等に戻るボタン314が選択される。
【0114】
読取ボタン313の選択操作がされた後の表示例については図8図9と同様である。
【0115】
[ユーザ操作がされずに所定時間が経過した場合の表示例]
図13は、表示画面410(図11参照)においてユーザ操作がされずに所定時間が経過した後にUI部180に表示される表示画面430の一例を示す図である。
【0116】
表示画面430は、表示画面410が表示されたタイミングを基準として所定時間(例えば数分乃至数十分)が経過した後に表示される表示画面である。表示画面430には、メッセージ表示領域431と、確認ボタン432とが表示される。
【0117】
メッセージ表示領域431には、ユーザU1に空き駐車スペースを案内してから所定時間が経過するまでの間、ユーザ操作が行われなかった旨と、その案内した空き駐車スペースの使用をキャンセルする旨とが表示される。
【0118】
確認ボタン432は、メッセージ表示領域431の内容を確認した後に選択されるボタンである。例えば、駐車場管理アプリを起動させて上述した各処理が実行される場合には、確認ボタン432の選択操作がされた後に駐車場管理アプリが終了する。
【0119】
なお、表示画面430が表示される状況では、ユーザU1が電子機器MC1のUI部180を見ないことも想定される。そこで、表示画面430が表示されたタイミングを基準として所定時間(例えば数分乃至数十分)が経過するまでの間に、ユーザU1による何らかの操作が行われないことも想定される。このような場合も考慮して、表示画面430が表示されたタイミングを基準として所定時間(例えば数分乃至数十分)が経過した場合には、確認ボタン432の選択操作が行われたときと同様に終了処理を実行してもよい。
【0120】
[駐車場に関する各種情報を提供する例]
上述したように、有料の駐車場も存在する。この場合には、車両が駐車場から出場する際に利用料の支払処理が必要になることもある。また、駐車場に車両を駐車したユーザにとっては、利用料が気になることも考えらえる。また、駐車場に車両を駐車したユーザが駐車した位置を忘れてしまうことも考えらえる。この場合には、駐車場における車両の駐車スペースの位置をユーザが容易に把握できることが重要である。そこで、以下では、駐車場に関する各種情報(例えば、利用料金、駐車スペースの位置)をユーザに提供する例について説明する。
【0121】
[駐車場に関する各種情報を提供する例]
図14図15は、車両C1を駐車場PL1に駐車させた後に、電子機器MC1のUI部180に表示される表示画面600の一例を示す図である。ここで、駐車場PL1が商業施設等に設置されていることも想定される。この場合には、車両C1を駐車場PL1に駐車させたユーザU1は、駐車場PL1から徒歩で行くことが可能な商業施設等でショッピング、各種サービスの利用、飲食等をすることも想定される。この場合に、ユーザU1が電子機器MC1を用いて支払をすることも想定される。この支払に応じて駐車場PL1の利用料金を割り引く場合には、サーバ100は、その支払額に基づいて駐車場PL1の利用料金を求めることが可能である。そこで、図14図15には、駐車場PL1の関連施設で何らかの買い物をした場合に、その買い物の金額に応じて駐車場PL1の利用料金が減算される場合の例を示す。
【0122】
図14には、駐車場PL1に駐車させた車両C1の駐車に関する利用料金を表示する表示画面600の表示例を示す。表示画面600は、電子機器MC1を所有するユーザU1に駐車場PL1の駐車に関する利用料金を示す表示画面である。表示画面600には、メッセージ表示領域601と、周囲案内画像表示領域602と、確認ボタン603と、駐車位置標識605と、現在地標識606とが表示される。なお、表示画面600については、所定タイミング(例えば、所定間隔、所定時刻)で表示してもよく、ユーザ操作に応じて表示してもよい。
【0123】
メッセージ表示領域601には、駐車場PL1に駐車させた車両C1の駐車に関する利用料金等に関する各情報が表示される。駐車時間76分については、入場時刻207(図4参照)、入場時刻212(図5参照)からの経過時間に基づいて表示可能である。また、駐車料金200円については、駐車時間76分と、使用料204(図4参照)とに基づいて算出可能である。また、図14に示すように、例えば、何らかの割引等が存在する場合には、その旨がメッセージ表示領域601に表示される。なお、利用料金の割引等に関する料金情報については、駐車場管理DB200の駐車場識別情報201に関連付けておき、その料金情報に基づいて表示が可能である。
【0124】
周囲案内画像表示領域602には、駐車場PL1を含む周囲の上面画像が、電子機器MC1の位置に応じて表示される。また、周囲案内画像表示領域602には、駐車場PL1に駐車させた車両C1の位置を示す駐車位置標識605と、ユーザU1(電子機器MC1)の位置を示す現在地標識606とが表示される。駐車位置標識605については、駐車場管理DB200の各情報(例えば、駐車スペース識別情報205、機器識別情報208)に基づいて表示可能である。また、現在地標識606については、上述した現在地標識303と同様に、電子機器MC1が備える位置情報取得部(例えば、GPS機器)により取得された位置情報に基づいて表示可能である。これにより、ユーザU1は、車両C1の位置を容易に把握可能となる。
【0125】
確認ボタン603は、表示画面600に表示されている内容を確認した後に選択されるボタンである。確認ボタン603の選択操作がされた後には、他の表示画面が表示される。
【0126】
図15には、駐車場PL1に駐車させた車両C1の駐車に関する利用料金が変更された場合に表示される表示画面610の表示例を示す。表示画面610は、駐車場PL1の駐車に関する利用料金が変更されたことを示す表示画面である。表示画面610には、メッセージ表示領域611と、確認ボタン612とが表示される。なお、表示画面610については、所定タイミング(例えば、所定間隔、所定時刻、利用料が変更されたタイミング)で表示してもよく、ユーザ操作に応じて表示してもよい。
【0127】
メッセージ表示領域611には、車両C1の駐車に関する利用料金が変更されたこと等に関する各情報が表示される。駐車時間95分については、図14に示す例と同様に表示可能である。また、駐車料金0円については、駐車時間95分と、使用料204(図4参照)と、ユーザU1の購買情報(購入情報)とに基づいて算出可能である。
【0128】
ここで、ユーザU1の購買情報をサーバ100が取得する例について説明する。例えば、電子機器MC1を用いてA店でユーザU1が購買行動をする場合を想定する。例えば、A店、B店、C店のそれぞれには、電子機器MC1を用いた購入処理を実行するための店舗機器が設置されているものとする。この場合に、電子機器MC1を用いてA店でユーザU1が3000円の商品を購買する場合には、A店の店舗機器は、電子機器MC1との間で所定情報のやりとりを行い、決済処理を実行する。このやりとりにおいて、A店の店舗機器は、電子機器MC1の機器識別情報を取得し、その機器識別情報と決済額(3000円)とを含めた決済情報をサーバ100に送信することが可能である。これにより、電子機器MC1がA店で3000円の購買をしたことをサーバ100が把握することが可能となる。なお、A店(例えば運営会社)とサーバ100とが提携し、ユーザU1の購買情報をサーバ100が取得してもよい。例えば、ユーザU1が、A店の会員登録をしているような場合には、その会員情報に基づいてユーザU1の購買履歴を取得可能である。また、クレジットカード会社又はオンライン決済サービス会社と、サーバ100とが提携し、ユーザU1の購買情報をサーバ100が取得してもよい。
【0129】
[サーバの動作例]
図16は、サーバ100による駐車場管理処理の一例を示すフローチャートである。この駐車場管理処理は、記憶部130(図3参照)に記憶されているプログラムに基づいて制御部120(図3参照)により実行される。また、この駐車場管理処理は、制御周期毎に常時実行される。また、この駐車場管理処理では、図1乃至図15を適宜参照して説明する。
【0130】
最初に、制御部120は、ネットワークNW1を介して入場情報を受信したか否かを判定する(ステップS501)。例えば、無線通信を利用して電子機器MC1と機器TM1との間で所定のやり取りが行われたことを条件に、電子機器MC1の制御部172は、機器TM1に近接したことを検出し、入場情報をサーバ100に送信する。このように、制御部172は、入場情報をサーバ100に送信した場合には、ユーザU1(車両C1)が駐車場PL1から出場するまでの間、その入場情報を記憶部173に保持させる。すなわち、その入場情報が記憶部173に保持されている状態で、無線通信を利用して電子機器MC1と機器TM1との間で所定のやり取りが行われ、機器TM1が電子機器MC1に近接したことが検出された場合には、電子機器MC1の制御部172は、車両C1が駐車場PL1から出場した判定する。この場合には、電子機器MC1の制御部172は、車両C1が駐車場PL1から出場したことを示す出場情報をサーバ100に送信する。この出場情報については、ステップS514で示す。
【0131】
なお、図1では、入口及び出口が共通する出入口EE1、EE2を備える駐車場PL1の例を示すが、入口及び出口が異なる駐車場も存在する。このように、入口及び出口が異なる駐車場については、入口及び出口のそれぞれの付近に機器(機器TM1、TM2に相当)を設置する。すなわち、入口の付近には、車両C1の入場を検出するための入口機器(機器TM1、TM2に相当)を設置し、出口の付近には、車両C1の出場を検出するための出口機器(機器TM1、TM2に相当)を設置する。そして、入口機器に電子機器MC1が近接したことが検出された場合には、ユーザU1(車両C1)が入場すると判定することが可能である。また、出口機器に電子機器MC1が近接したことが検出された場合には、ユーザU1(車両C1)が出場すると判定することが可能である。
【0132】
次に、制御部120は、受信した入場情報に基づいて、駐車場管理DB200(図4参照)及び電子機器管理DB210(図5参照)を更新する(ステップS502)。例えば、制御部120は、受信した入場情報に含まれる電子機器MC1に係る機器識別情報211「MC1」に関連付けて電子機器管理DB210に格納されている各情報を更新する。具体的には、制御部120は、受信した入場情報に含まれる駐車場PL1に係る駐車場識別情報「PL1」を電子機器管理DB210の駐車場識別情報213に格納し、その入場情報をサーバ100が受信した時刻を入場時刻212に格納する。このように、電子機器管理DB210の入場時刻212、駐車場識別情報213に各情報が格納されることにより、受信した入場情報に含まれる電子機器MC1を所有するユーザU1に駐車場PL1の駐車スペースを使用する権利(使用権)が付与される。すなわち、ステップS502は、駐車場PL1に来たことが検出されたユーザU1に対して駐車スペースを使用する使用権を付与する付与処理の一例である。
【0133】
また、制御部120は、受信した入場情報に含まれる駐車場PL1に係る駐車場識別情報「PL1」に対応する入場台数203(図4参照)の値に「1」を加算する。これにより、制御部120は、駐車場PL1に入場している車両の台数を把握することが可能となる。
【0134】
次に、制御部120は、駐車場管理DB200(図4参照)に基づいて、ステップS501で受信した入場情報に係る駐車場において、その入場情報を送信したユーザの車両を駐車する駐車スペースが存在するか否かを判定する(ステップS503)。例えば、ステップS501で受信した入場情報に係る駐車場が駐車場PL1である場合には、駐車場PL1の駐車可能台数202は21台である。そこで、制御部120は、駐車可能台数202の値(21台)と、入場台数203の値とを比較し、入場台数203の値が駐車可能台数202の値(21台)以下である場合には、駐車場PL1において新たな車両を駐車する駐車スペースが存在すると判定する。一方、制御部120は、入場台数203の値が駐車可能台数202の値(21台)よりも大きい場合には、駐車場PL1において新たな車両を駐車する駐車スペースが存在しないと判定する。その入場情報を送信したユーザの車両を駐車する駐車スペースが存在する場合には、ステップS505に進む。一方、その入場情報を送信したユーザの車両を駐車する駐車スペースが存在しない(すなわち、駐車不可能)である場合には、ステップS504に進む。
【0135】
次に、制御部120は、ステップS503で駐車が不可能と判定されたユーザに待ち情報を送信する(ステップS504)。具体的には、制御部120は、電子機器管理DB210(図5参照)の機器識別情報211に基づいて、ステップS503で駐車スペースが存在しないと判定されたユーザが所有する電子機器に、使用可能な駐車スペースが存在しないことを案内するための待ち情報を送信する。例えば、図10に示す表示画面400を表示させるための情報が待ち情報として送信される。この場合に、駐車可能台数202の値と入場台数203の値との差分値に基づいて、図10に示す表示画面400の「現在の待ち車両は5台です」を表示することが可能である。また、制御部120は、待ち情報を送信した電子機器に関連付けて電子機器管理DB210の待ち情報215に「送信」を格納する。
【0136】
次に、制御部120は、電子機器管理DB210(図5参照)に基づいて、待ち状態の車両がいる駐車場が存在するか否かを判定する(ステップS505)。例えば、制御部120は、電子機器管理DB210に機器識別情報211、入場時刻212、駐車場識別情報213が格納されている各情報のうち、駐車スペース識別情報214に駐車スペース識別情報が格納されていない情報が存在する場合には、待ち状態の車両が存在すると判定する。この場合には、制御部120は、駐車場識別情報213に基づいて、待ち状態の車両が存在する駐車場を検出可能である。一方、制御部120は、電子機器管理DB210に機器識別情報211、入場時刻212、駐車場識別情報213が格納されている各情報のうち、駐車スペース識別情報214の全てに駐車スペース識別情報が格納されている場合には、待ち状態の車両が存在しないと判定する。待ち状態の車両がいる駐車場が存在する場合には、ステップS506に進む。一方、待ち状態の車両がいる駐車場が存在しない場合には、ステップS508に進む。
【0137】
次に、制御部120は、駐車場管理DB200に基づいて、ステップS505で待ち状態の車両が存在すると判定された駐車場において、使用可能な駐車スペースが存在するか否かを判定する(ステップS506)。使用可能な駐車スペースが存在する場合には、ステップS507に進む。一方、使用可能な駐車スペースが存在しない場合には、ステップS504に進む。
【0138】
ここでは、ステップS505で待ち状態の車両が存在すると判定された駐車場が駐車場PL1であった場合を想定する。この場合には、制御部120は、駐車場管理DB200(図4参照)の駐車場識別情報201の「PL1」に関連付けられている各情報のうち、駐車スペース使用情報206に「使用可能」が格納されている情報が存在するか否かを判定する。そして、制御部120は、駐車場識別情報201の「PL1」に関連付けられている各情報のうち、駐車スペース使用情報206に「使用可能」が格納されている情報が存在する場合には、駐車場PL1において使用可能な駐車スペースが存在すると判定する。一方、制御部120は、駐車場識別情報201の「PL1」に関連付けられている各情報のうち、駐車スペース使用情報206に「使用可能」が格納されている情報が存在しない場合には、駐車場PL1において使用可能な駐車スペースが存在しないと判定する。
【0139】
なお、ステップS505で、複数の駐車場において、待ち状態の車両が存在すると判定されることも想定される。このような場合には、1つの駐車場についてステップS506乃至S509の各処理を順次実行した後に、他の駐車場についてステップS506乃至S509の各処理を順次実行してもよく、複数の駐車場についてステップS506乃至S509の各処理を並列的に順次実行してもよい。
【0140】
また、ステップS506で使用可能な駐車スペースが存在しないと判定された場合には、制御部120は、電子機器管理DB210(図5参照)の機器識別情報211に基づいて、上述したように、待ち情報を送信する。この場合には、駐車場管理DB200の情報に基づいて、最新の情報を含めた待ち情報を送信する。なお、待ち情報を送信した電子機器に関連付けて電子機器管理DB210の待ち情報215に「送信」が格納されている場合には、待ち情報215の格納状態「送信」を維持する。
【0141】
制御部120は、ステップS505で待ち状態と判定されたユーザに駐車スペース案内情報を送信する(ステップS507)。具体的には、制御部120は、電子機器管理DB210(図5参照)の機器識別情報211に基づいて、ステップS505で待ち状態と判定されたユーザが所有する電子機器に、ステップS506で検出された使用可能な駐車スペースを案内するための駐車スペース案内情報を送信する。この場合に、電子機器管理DB210の待ち情報215に「-」が格納されている電子機器には、待ち情報が送信されていないため、待ち情報の送信前に駐車スペース案内情報を送信することになる。このため、電子機器管理DB210の待ち情報215に「-」が格納されている電子機器には、空き駐車スペースが存在することを案内する表示画面(例えば、表示画面300(図6参照)、表示画面310(図7参照))を表示させるための表示情報が駐車スペース案内情報として送信される。
【0142】
一方、電子機器管理DB210の待ち情報215に「送信」が格納されている電子機器には、満車であることを案内する待ち情報が既に送信され、満車であることを案内する表示画面(例えば表示画面400(図10参照))が表示されている。このため、電子機器管理DB210の待ち情報215に「送信」が格納されている電子機器には、空き駐車スペースが検出されたことを案内する表示画面(例えば、表示画面410(図11参照)、表示画面420(図12参照))を表示させるための表示情報が駐車スペース案内情報として送信される。この場合に、送信対象となる電子機器を所有するユーザと同じ車両に乗車する他のユーザにも同様の情報を送信して駐車スペース案内をしてもよい。例えば、電子機器管理DB210の機器識別情報211に関連付けて1又は複数の他の電子機器の機器識別情報を記憶しておき、これらの機器識別情報に対応する各電子機器のユーザにも使用権を付与し、駐車スペース案内情報を送信してもよい。例えば、ユーザU1が所有する電子機器MC1とともに、ユーザU1と同じ車両C1に乗車する1又は複数のユーザのそれぞれが所有する1又は複数の電子機器を、電子機器管理DB210の機器識別情報211に関連付けて格納しておく。この場合には、ユーザU1の1度の入場操作に基づいて、車両C1に同乗する他のユーザにも駐車場PL1での駐車スペースの使用権が付与される。この場合には、ユーザU1の予定が変更されてユーザU1が駐車場PL1からいなくなっても、本実施形態で示す各処理を他のユーザが所有する何れかの電子機器を用いて実行することにより、駐車場PL1の駐車スペースを使用することが可能である。ただし、これらの使用権は、1つの駐車スペースを使用する権利であり、複数の駐車スペースを使用する必要がある場合には、使用する駐車スペースの数だけ各ユーザが新たな入場操作を実行する必要がある。
【0143】
なお、駐車場PL1において、待ち状態の車両が複数存在することも想定される。この場合には、電子機器管理DB210(図5参照)の入場時刻212に格納されている時刻に基づいて、入場時刻が早い順に、使用可能な駐車スペースを割り振るようにする。例えば、待ち状態の車両が3台存在し、駐車場管理DB200(図4参照)の駐車場識別情報201の「PL1」に関連付けられている各情報のうち、駐車スペース使用情報206に「使用可能」が格納されている情報が2つ存在する場合を想定する。この場合には、電子機器管理DB210の入場時刻212に格納されている時刻が早い2台には、駐車スペース案内情報を送信し、時刻が最も遅い1人には、待ち情報を送信する。
【0144】
次に、制御部120は、ステップS507で駐車スペース案内情報を送信した電子機器から、駐車情報を受信したか否かを判定する(ステップS508)。駐車情報を受信した場合には、ステップS509に進む。一方、駐車情報を受信していない場合には、ステップS510に進む。なお、図13で示したように、駐車スペース案内情報を送信した電子機器においてユーザ操作がされずに所定時間が経過することも想定される。そこで、ステップS508において所定時間が経過しても駐車情報を受信しない場合には、空き駐車スペースの案内のキャンセルを通知するための表示画面(例えば、表示画面430(図13参照))を表示させるための通知情報を電子機器に送信してキャンセル処理を実行してもよい。
【0145】
例えば、図6に示す表示画面300においてOKボタン304の選択操作が行われた後に、図7に示す表示画面310において読取ボタン313の選択操作が行われた場合には、サーバ100から受信した駐車スペース案内情報に対する駐車情報が電子機器MC1からサーバ100に送信される。
【0146】
また、例えば、図11に示す表示画面410において使用ボタン413の選択操作が行われた後に、図12に示す表示画面420において読取ボタン313の選択操作が行われた場合には、サーバ100から受信した駐車スペース案内情報に対する駐車情報が電子機器MC1からサーバ100に送信される。これらの駐車情報には、電子機器MC1の画像取得部174により取得された画像に基づいて取得された駐車場識別情報及び駐車スペース識別情報と、電子機器MC1に関する機器識別情報とが含まれる。また、これらの各情報については、出庫情報を送信する際に用いられるため、電子機器MC1の記憶部173に保持される。
【0147】
次に、制御部120は、受信した駐車情報に基づいて、駐車場管理DB200(図4参照)及び電子機器管理DB210(図5参照)を更新する(ステップS509)。例えば、制御部120は、受信した駐車情報に含まれる駐車場識別情報201及び駐車スペース識別情報205に関連付けて、その駐車情報に含まれる機器識別情報を機器識別情報208に格納し、その機器識別情報に対応して電子機器管理DB210の入場時刻212に格納されている時刻を入場時刻207に格納し、駐車スペース使用情報206を「使用可能」から「使用中」に変更する。また、制御部120は、受信した駐車情報に含まれる機器識別情報211及び駐車場識別情報213に関連付けて、その駐車情報に含まれる駐車スペース識別情報を駐車スペース識別情報214に格納する。この場合に、受信した駐車情報に含まれる機器識別情報211及び駐車場識別情報213に関連付けられている待ち情報215に「送信」が格納されている場合には、待ち情報215を「-」に変更する。
【0148】
また、制御部120は、駐車情報を受信した後に、駐車スペースの使用登録が完了した旨を示す表示画面320(図8参照)を表示するための登録完了情報を電子機器MC1に送信する(ステップS509)。
【0149】
次に、制御部120は、駐車場管理DB200の管理対象となる駐車場に関する各種情報を、各電子機器に提供する(ステップS510)。例えば、制御部120は、駐車場管理DB200の内容に基づいて、管理対象となる駐車場に関する利用料金に関する情報を、電子機器管理DB210の入場時刻212、駐車場識別情報213に情報が格納されている電子機器(機器識別情報211)に送信する。駐車場に関する各種情報は、例えば、表示画面600(図14参照)、表示画面610(図15参照)を表示させるための情報である。なお、駐車場に関する各種情報については、所定タイミング(例えば、所定間隔、所定時刻)で提供してもよく、ユーザからの要求(所定のユーザ操作)に応じて提供してもよい。
【0150】
次に、制御部120は、出庫情報を受信したか否かを判定する(ステップS511)。出庫情報を受信した場合には、ステップS512に進む。一方、出庫情報を受信していない場合には、ステップS514に進む。例えば、図8に示す表示画面320において出庫ボタン322の選択操作が行われた場合には、出庫情報が電子機器MC1からサーバ100に送信される。この出庫情報には、駐車情報に含まれていた各情報(駐車場識別情報、駐車スペース識別情報、電子機器MC1に関する機器識別情報)が含まれる。これらの各情報は、上述したように、駐車情報の送信処理のタイミングで電子機器MC1の記憶部173に保持される。
【0151】
次に、制御部120は、受信した出庫情報に基づいて、駐車場管理DB200(図4参照)及び電子機器管理DB210(図5参照)を更新する(ステップS512)。例えば、制御部120は、受信した出庫情報に含まれる駐車場識別情報201及び駐車スペース識別情報205に関連付けて格納されている機器識別情報(その出庫情報に含まれる機器識別情報)を、駐車場管理DB200の機器識別情報208から削除するとともに、これに関連付けられている時刻を入場時刻207から削除する。また、制御部120は、受信した出庫情報に含まれる駐車場識別情報201及び駐車スペース識別情報205に関連付けて格納されている駐車スペース使用情報206を「使用中」から「使用可能」に変更する。また、制御部120は、受信した出庫情報に含まれる機器識別情報211に関連付けられている駐車スペース識別情報214を削除する。なお、出庫時の操作をユーザが忘れることも想定される。この場合には、ステップS514で出場情報を受信したことを条件にステップS512の更新処理を実行してもよい。
【0152】
次に、制御部120は、駐車スペース案内処理が終了したことを示す駐車スペース案内終了情報を、出庫情報を送信した電子機器に送信する(ステップS513)。この駐車スペース案内終了情報は、空き駐車スペースを案内する駐車スペース案内処理を終了することを示す表示画面(例えば表示画面330(図9参照))を表示させるための表示情報である。
【0153】
次に、制御部120は、ネットワークNW1を介して出場情報を受信したか否かを判定する(ステップS514)。出場情報を受信した場合には、ステップS515に進む。一方、出場情報を受信していない場合には、駐車場管理処理の動作を終了する。この出場情報には、駐車情報に含まれていた各情報(駐車場識別情報、駐車スペース識別情報、電子機器MC1に関する機器識別情報)が含まれる。これらの各情報は、上述したように、駐車情報の送信処理のタイミングで電子機器MC1の記憶部173に保持される。
【0154】
次に、制御部120は、受信した出場情報に基づいて、駐車場管理DB200(図4参照)及び電子機器管理DB210(図5参照)を更新する(ステップS515)。例えば、制御部120は、受信した出場情報に含まれる駐車場PL1に係る駐車場識別情報「PL1」に対応する入場台数203(図4参照)の値から「1」を引算する。これにより、制御部120は、駐車場PL1に入場している車両の台数を把握することが可能となる。また、制御部120は、受信した出場情報に含まれる機器識別情報211に関連付けられている各情報(入場時刻212、駐車場識別情報213)を削除する。また、制御部120は、必要に応じて、使用料204(図4参照)と入場時刻212(図5参照)とに基づいて、出庫情報を送信した電子機器(車両)に関する駐車場の使用料を算出し、ユーザ、管理会社等に提示したり、決済処理を実行したりすることが可能である。また、制御部120は、駐車場管理DB200の駐車場識別情報201に、利用料金の割引等に関する料金情報が関連付けられている場合には、必要に応じて、割引等の処理を反映させて駐車場の使用料を算出することが可能である。
【0155】
[電子機器の動作例]
図17は、電子機器MC1による駐車スペース予約処理の一例を示すフローチャートである。駐車スペース予約処理は、記憶部173(図3参照)に記憶されているプログラムに基づいて制御部172(図3参照)により実行される。また、この駐車スペース予約処理は、制御周期毎に常時実行される。また、この駐車スペース予約処理では、図1乃至図16を適宜参照して説明する。なお、図17では、説明を容易にするため、駐車場PL1(図1参照)にユーザU1が来た場合の例を示す。また、図17では、無線通信(例えば、Wi-Fi、Bluetooth)を利用して駐車場PL1に来たユーザU1を検出する例を示す。
【0156】
最初に、制御部172は、駐車場PL1の機器TM1又はTM2(図3参照)に近接したか否かを判定する(ステップS521)。図16に示す例と同様に、無線通信を利用して電子機器MC1と機器TM1又はTM2との間で所定のやり取りが行われたことを条件に、制御部172は、機器TM1又はTM2に近接したことを検出可能である。駐車場PL1の機器TM1又はTM2に近接した場合には、ステップS522に進む。一方、駐車場PL1の機器TM1及びTM2の何れにも近接していない場合には、駐車スペース予約処理の動作を終了する。
【0157】
次に、制御部172は、駐車場PL1の入場情報をサーバ100に送信する(ステップS522)。この入場情報は、図16に示す入場情報と同様である。また、図16に示す例と同様に、制御部172は、入場情報をサーバ100に送信した場合には、その入場情報を記憶部173に保持させる。
【0158】
次に、制御部172は、サーバ100から待ち情報を受信したか否かを判定する(ステップS523)。待ち情報を受信した場合には、ステップS524に進む。一方、待ち情報を受信していない場合には、ステップS525に進む。
【0159】
次に、制御部172は、ステップS523でサーバ100から受信した待ち情報を出力する出力処理を実行する(ステップS524)。例えば、制御部172は、表示画面400(図10参照)をUI部180に表示させる。なお、制御部172は、表示画面400を表示させる前に、所定の音声出力、電子機器MC1の振動等により表示画面400の表示をユーザU1に通知してもよい。また、制御部172は、表示画面400の表示とともに、又は、単独で、表示画面400の表示内容に相当する音声を、出力部182の音出力部から出力させてもよい。又は、ユーザU1が予め登録しておいた所定の機器(例えば、ウェアラブル機器、他のユーザが所有する電子機器)に待ち情報を転送して出力してもよい。
【0160】
次に、制御部172は、サーバ100から駐車スペース案内情報を受信したか否かを判定する(ステップS525)。駐車スペース案内情報を受信した場合には、ステップS526に進む。一方、駐車スペース案内情報を受信していない場合には、ステップS523に戻る。
【0161】
次に、制御部172は、ステップS525でサーバ100から受信した駐車スペース案内情報を出力する出力処理を実行する(ステップS526)。ここで、ステップS523で待ち情報を受信せずに、ステップS525で駐車スペース案内情報を受信した場合には、ユーザU1が駐車場PL1に来たことが検出された直後に駐車スペース案内情報が出力される。例えば、制御部172は、表示画面300(図6参照)をUI部180に表示させる。一方、ステップS523で待ち情報を受信した後に、ステップS525で駐車スペース案内情報を受信した場合には、ユーザU1が駐車場PL1に来たことが検出されてから、空き駐車スペースが検出された後に駐車スペース案内情報が出力される。例えば、制御部172は、表示画面410(図11参照)をUI部180に表示させる。
【0162】
なお、ユーザU1が駐車場PL1に来てから比較的長い時間が経過した後に、表示画面410がUI部180に表示されることも想定される。そこで、制御部172は、表示画面410を表示させる前に、所定の音声出力、電子機器MC1の振動等により表示画面410の表示をユーザU1に通知してもよい。また、制御部172は、表示画面410の表示とともに、又は、単独で、表示画面410の表示内容に相当する音声を、出力部182の音出力部から出力させてもよい。又は、ユーザU1が予め登録しておいた所定の機器(例えば、ウェアラブル機器、他のユーザが所有する電子機器)に駐車スペース案内情報を転送して出力してもよい。
【0163】
次に、制御部172は、ユーザU1の操作に基づいて、又は、自動で、駐車スペース情報を取得したか否かを判定する(ステップS527)。駐車スペース情報を取得した場合には、ステップS528に進む。一方、駐車スペース情報を取得していない場合には、駐車スペース情報の取得判定処理を継続して行う。
【0164】
例えば、表示画面300のOKボタン304の選択操作がされた後に表示される表示画面310を用いて、駐車スペース案内情報により案内された駐車スペースに貼ってある2次元コードを画像読取領域312に表示させた状態で読取ボタン313の選択操作がされた場合には、制御部172は、駐車スペース情報を取得したと判定可能である。同様に、表示画面410の使用ボタン413の選択操作がされた後に表示される表示画面420を用いて、駐車スペース案内情報により案内された駐車スペースに貼ってある2次元コードを画像読取領域312に表示させた状態で読取ボタン313の選択操作がされた場合には、制御部172は、駐車スペース情報を取得したと判定可能である。なお、駐車スペース情報には、駐車場PL1の駐車場識別情報と、駐車スペースを識別する駐車スペース識別情報とが含まれる。
【0165】
次に、制御部172は、ステップS527で取得された駐車スペース情報に基づいて、駐車情報をサーバ100に送信する送信処理を実行する(ステップS528)。この駐車情報は、図16に示す駐車情報と同様である。また、制御部172は、駐車情報をサーバ100に送信した後に、サーバ100から送信される登録完了情報に基づいて、駐車スペースの使用登録が完了した旨を示す表示画面(例えば、表示画面320(図8参照))をUI部180に表示する。
【0166】
次に、制御部172は、ユーザU1の操作に基づいて、又は、自動で、駐車場に関する情報を取得したか否かを判定する(ステップS529)。駐車場に関する情報を取得した場合には、ステップS530に進む。一方、駐車場に関する情報を取得していない場合には、ステップS531に進む。駐車場に関する情報は、例えば、車両C1を駐車した駐車スペースの位置、車両C1を駐車した駐車場の利用料金等である。
【0167】
次に、制御部172は、ステップS529で取得された駐車場に関する情報に基づいて、駐車場に関する情報をUI部180から出力する。例えば、制御部172は、表示画面600(図14参照)、表示画面610(図15参照)をUI部180に表示したり、これらに対応する内容をUI部180から音声出力する。
【0168】
次に、制御部172は、ユーザU1の操作に基づいて、又は、自動で、出庫情報を取得したか否かを判定する(ステップS531)。出庫情報を取得した場合には、ステップS532に進む。一方、出庫情報を取得していない場合には、ステップS529に戻る。
【0169】
例えば、表示画面320(図8参照)の出庫ボタン322の選択操作がされた場合には、制御部172は、出庫情報を取得したと判定可能である。
【0170】
次に、制御部172は、出庫情報をサーバ100に送信する送信処理を実行する(ステップS532)。この出庫情報は、図16に示す出庫情報と同様である。
【0171】
次に、制御部172は、駐車場PL1の機器TM1又はTM2(図3参照)に再度近接したか否かを判定する(ステップS533)。すなわち、駐車場PL1に入場していた車両C1が駐車場PL1から出場するか否かが判定される。図16に示す例と同様に、記憶部173に入場情報が保持されている状態で、無線通信を利用して電子機器MC1と機器TM1との間で所定のやり取りが行われたことを条件に、制御部172は、機器TM1又はTM2に再度近接したことを検出可能である。駐車場PL1の機器TM1又はTM2に再度近接した場合には、ステップS534に進む。一方、駐車場PL1の機器TM1及びTM2の何れにも近接していない場合には、近接判定処理を繰り返し行う。
【0172】
次に、制御部172は、駐車場PL1の出場情報をサーバ100に送信する(ステップS534)。この出場情報は、図16に示す出場情報と同様である。また、制御部172は、出場情報をサーバ100に送信した場合には、その出場情報に対応する入場情報を記憶部173から削除する。
【0173】
[目的地として設定された場所に関連する駐車場に関する各種情報を提供する例]
以上では、駐車場に来たユーザ(車両)に対して駐車場に関する各種情報を提供する例を示した。ここで、目的地となる場所(例えば商業施設の駐車場)に車両で移動する場合に、その目的地までの経路をナビゲーション装置を用いて設定することが考えられる。この場合に、設定された目的地の駐車場が満車であり、かつ、待ち台数が多い場合には、その駐車場での待機時間が長くなるおそれがある。そこで、駐車場での待機時間を短くしたり、待機時間をなくしたりするため、目的地となる駐車場に関する各種情報(例えば、満車情報、待ち台数情報)をユーザに提供することができれば便利である。
【0174】
[目的地を設定する例]
図18は、電子機器MC1を用いて目的地を設定する例を示す図である。具体的には、電子機器MC1のUI部180に表示される表示画面700を用いて、車両C1で移動する際の目的地を設定する例を示す。
【0175】
表示画面700は、ユーザU1が移動したい目的地を設定するための表示画面である。表示画面700には、目的地項目表示領域701と、地図表示領域702と、設定ボタン703とが表示される。なお、表示画面700については、公知のナビゲーション技術を用いて表示可能である。
【0176】
目的地項目表示領域701は、目的地の候補を表示する領域である。例えば、現在地を基準とする目的地の候補、過去のユーザの移動履歴に基づく目的地の候補等を目的地項目表示領域701に表示させ、目的地項目表示領域701に表示されている複数の候補から1又は複数の目的地を指定することが可能である。なお、目的地の指定方法については、接触操作、近接操作等の公知の指定技術を用いることが可能である。
【0177】
地図表示領域702は、地図を用いて目的地を設定する場合に用いる領域である。例えば、目的地を含むその周囲の地図を地図表示領域702に表示させ、地図表示領域702に表示されている地図上において目的地を指定することが可能である。なお、地図上における目的地の指定方法については、接触操作、近接操作等の公知の指定技術を用いることが可能である。また、目的地の設定方法については、これらに限定されず、他の設定方法を用いてもよい。例えば、目的地の名称を入力して検索する設定方法等を用いることが可能である。
【0178】
設定ボタン703は、目的地項目表示領域701又は地図表示領域702において指定された目的地を設定する際に選択されるボタンである。設定ボタン703の選択操作がされた後の表示例については、図19に示す。なお、図18図19では、ショッピングセンタABCを目的地として設定する例を示す。
【0179】
[駐車場に関する各種情報を提供する例]
図19は、電子機器MC1を用いて設定された目的地又はその周囲の駐車場に関する各種情報を提供する例を示す図である。具体的には、電子機器MC1のUI部180に表示される表示画面710を用いて、目的地又はその周囲の駐車場に関する各種情報を提供する例を示す。
【0180】
表示画面710は、表示画面700を用いて設定された目的地までの移動経路を表示する表示画面である。表示画面710には、メッセージ表示領域711と、移動経路表示領域712と、変更ボタン713と、確定ボタン714とが表示される。なお、移動経路の設定方法については、公知のナビゲーション技術を用いて設定可能である。
【0181】
メッセージ表示領域711には、目的地までの移動経路に関する情報と、目的地又はその周囲の駐車場に関する各種情報とが表示される。目的地又はその周囲の駐車場に関する各種情報として、例えば、目的地又は隣接する場所に駐車場が設置されている場合には、その駐車場に関する各種情報が表示される。この情報は、例えば、駐車場管理DB200(図4参照)の駐車可能台数202、入場台数203に基づいて表示可能である。この表示内容の算出方法については、図10に示す例と同様である。なお、駐車可能台数202、入場台数203に基づいて、駐車場の駐車率を求めて表示してもよい。駐車率は、駐車場の混雑度を示す値であり、例えば、駐車場における駐車可能台数に対する入場した車両の数の割合を示す値とすることが可能である。例えば、入場台数203の値を駐車可能台数202の値で除算して、駐車率を求めることが可能である。
【0182】
移動経路表示領域712は、目的地に関する地図情報を表示する領域である。この地図情報として、例えば、現在地及び目的地を含む地図上に現在地から目的地までの移動経路717を表示することが可能である。図19では、現在地を現在地標識715として示し、目的地を目的地標識716として示す。また、目的地に存在する駐車場も目的地標識716として示し、目的地の周囲に存在する他の駐車場を駐車場標識718、719で示す。また、目的地標識716、駐車場標識718、719には、駐車場に関する情報が表示される。例えば、駐車場の有無、満車の有無、待ち台数等を表示することが可能である。なお、地図上における移動経路の表示方法については、公知の表示技術を用いることが可能である。また、各駐車場の位置については、駐車場管理DB200の駐車場識別情報201に位置情報(例えば緯度経度)を関連付けておき、その位置情報に基づいて表示が可能である。
【0183】
変更ボタン713は、表示画面700を用いて設定された目的地を変更する際に選択されるボタンである。例えば、メッセージ表示領域711又は移動経路表示領域712に表示されている駐車場に関する情報を見たユーザは、目的地の駐車場の混雑度を確認することが可能である。そして、目的地の駐車場の混雑度が高い場合には、目的地の周囲の駐車場を利用することも考えられる。このように、目的地の周囲の駐車場を利用する場合には、その周囲の駐車場を目的地として変更する必要がある。この場合には、変更ボタン713の選択操作を行い、表示画面700を表示させ、新たな目的地を再度設定することが可能である。
【0184】
確定ボタン714は、表示画面700を用いて設定された目的地を確定する際に選択されるボタンである。確定ボタン714の選択操作がされた場合には、ナビゲーション機能が開始され、目的地までの誘導動作(例えば誘導表示、誘導音声出力)が開始される。
【0185】
[サーバの動作例]
図20は、サーバ100による駐車場情報提供処理の一例を示すフローチャートである。この駐車場情報提供処理は、記憶部130(図3参照)に記憶されているプログラムに基づいて制御部120(図3参照)により実行される。また、この駐車場情報提供処理は、制御周期毎に常時実行される。また、この駐車場情報提供処理では、図1乃至図19を適宜参照して説明する。
【0186】
最初に、制御部120は、ネットワークNW1を介して目的地設定情報を受信したか否かを判定する(ステップS801)。例えば、表示画面700(図18参照)を用いて目的地が指定され、設定ボタン703の選択操作がされた場合には、電子機器MC1の制御部172は、その指定された目的地に関する情報(例えば、緯度経度、名称、場所識別情報)と、電子機器MC1の機器識別情報とを関連付けた目的地設定情報をサーバ100に送信する。目的地設定情報を受信した場合には、ステップS802に進む。一方、目的地設定情報を受信していない場合には、駐車場情報提供処理の動作を終了する。
【0187】
次に、制御部120は、ステップS801で受信した目的地設定情報に基づいて、目的地設定情報に含まれる目的地までの移動経路を設定する(ステップS802)。この移動経路の設定方法については、公知の設定技術を用いることが可能である。
【0188】
次に、制御部120は、ステップS801で受信した目的地設定情報に含まれる目的地及びその周辺の駐車場情報を取得する(ステップS803)。具体的には、制御部120は、目的地に関する情報(例えば、緯度経度、名称、場所識別情報)に基づいて、駐車場管理DB200の駐車場識別情報201から、その目的地に対応する駐車場と、その目的地の周辺の駐車場とを抽出する。なお、目的地の周辺の駐車場については、例えば、目的地を基準とする所定範囲内(例えば所定値の半径を有する円内)の駐車場を抽出してもよく、目的地を基準として距離が近い所定数の駐車場を抽出してもよい。そして、制御部120は、抽出された1又は複数の駐車場の駐車可能台数202、入場台数203を抽出し、抽出された1又は複数の駐車場の満車の有無、待ち台数、駐車率等を駐車場毎に求める。
【0189】
次に、制御部120は、ステップS802で設定された移動経路に関する経路情報と、ステップS803で取得された目的地及びその周辺の駐車場情報とを含む提供情報を、ステップS801で受信した目的地設定情報の送信元の電子機器に送信する(ステップS804)。例えば、その提供情報を受信した電子機器MC1は、その提供情報に基づいて、表示画面710(図19参照)をUI部180に表示させることが可能である。
【0190】
次に、制御部120は、ネットワークNW1を介して目的地変更情報を受信したか否かを判定する(ステップS805)。例えば、表示画面710(図19参照)において変更ボタン713の選択操作がされた場合には、電子機器MC1の制御部172は、目的地を変更するための表示画面を表示し、新たな目的地の設定を受け付ける。そして、制御部172は、その表示画面を用いて新たな目的地が指定され、設定ボタン(設定ボタン703に相当)の選択操作がされた場合には、電子機器MC1の制御部172は、その指定された目的地に関する情報(例えば、緯度経度、名称、場所識別情報)と、電子機器MC1の機器識別情報とを関連付けた目的地変更情報をサーバ100に送信する。目的地変更情報を受信した場合には、ステップS802に進む。一方、目的地変更情報を受信していない場合には、ステップS806に進む。
【0191】
次に、制御部120は、ステップS802で設定された移動経路に関する経路情報を確定する(ステップS806)。そして、制御部120は、その経路情報に基づいて、ナビゲーション機能に基づく動作を開始する。
【0192】
[本実施形態の効果例]
このように、本実施形態によれば、駐車場PL1の駐車スペースを使用する権利(使用権)を、駐車場PL1に来た順番に付与し、その使用権が付与された順番に従って、使用可能な駐車スペースを各ユーザに適切に割り振ることが可能である。例えば、飲食を提供する飲食店に隣接する駐車場の場合には、昼食時等では、食事を所望する人が多数となるため、使用可能な駐車スペースが存在しないことも想定される。このような状況で空いた駐車スペースが出た場合には、駐車場PL1に早く来た人がその空いた駐車スペースを適切に確保することが可能となる。
【0193】
また、本実施形態では、駐車場PL1において機器TM1、TM2を設置し、各駐車スペースSP1乃至SP21に使用開始画像GS1、駐車スペース名称表示TN1等を設けることにより実現可能である。このため、駐車場PL1においてカメラ、駐車場所表示板、誘導表示灯等を設置する必要がなく、駐車場PL1の管理に係る設置費用及び管理費用を抑制することが可能である。また、近年では、スマートフォン等の携帯型の電子機器を所有するユーザが多いため、これらの電子機器を用いて、複数のユーザに適切に駐車スペースを割り振ることができる。
【0194】
[車載機器を用いる例]
以上では、車両C1に乗車するユーザU1が所持する電子機器MC1(又は同乗者が所持する電子機器)を用いて車両C1の入場、出場、駐車スペースへの駐車、駐車スペースからの出庫等に関する各情報をサーバ100に送信し、サーバ100からの各情報を電子機器MC1が受信して各処理を実行する例を示した。ただし、車両C1にせられた他の電子機器を用いてそれらの各情報をサーバ100に送信してもよい。例えば、車両C1の車載機器を用いることが可能である。例えば、機器TM1及びTM2との間で無線通信が可能な無線通信機器と、各種画像を表示可能な表示機器と、車両C1の外部の被写体を撮像可能な撮像機器(例えばカメラ)とを用いることが可能である。この場合には、車載機器の無線通信機器を用いて車両C1の入場、出場、駐車スペースへの駐車、駐車スペースからの出庫等を検出してそれらに関する各情報をサーバ100に送信し、車載機器の撮像機器を用いて駐車スペースの使用開始画像GS1(図2参照)を取得し、サーバ100から送信された各情報を表示機器に表示させることが可能である。例えば、使用開始画像GS1を駐車スペースの後方に設ける場合を想定する。この場合には、車両C1の外部の撮像機器として車両C1の後方の被写体を撮像可能なカメラを用いて使用開始画像GS1を取得することが可能である。なお、無線通信機器、表示機器、撮像機器等は、1の機器であってもよく、複数の機器であってもよい。例えば、ナビゲーション機器、IVIシステム(次世代車載情報通信システム:In-Vehicle Infotainment system)等を用いることが可能である。
【0195】
[駐車場以外の場所での適用例]
以上では、車両を駐車する駐車場の駐車スペースを割り振る例を示したが、駐車場以外の場所についても本実施形態を適用可能である。例えば、多数の飲食店が設けられ、食事のための椅子及びテーブルが設置されている場所について適用可能である。この場所は、例えば、フードコートである。フードコートは、フードコート内、又は、フードコートの周囲に多数の飲食店が設けられ、食事のための椅子及びテーブルが設置されている場所を意味する。また、フードコートでは、セルフサービス形式で食事が行われることが多いため、何れかの飲食店で所望する食べ物を購入して空いている座席に着座して食事をすることが可能である。フードコートに適用する場合には、駐車スペースを使用する使用権の代わりに、テーブル又は座席を使用する使用権を付与することが可能である。また、フードコートの出入口に機器TM1、TM2等を設置し、各テーブル(又は各座席)に、使用開始画像GS1、テーブル名称表示(又は座席名称表示)(駐車スペース名称表示TN1に相当)等を設けるようにする。上述したように、広く普及しているスマートフォン等の携帯型の電子機器(車載機器等を含む)を用いて、複数のユーザに適切にスペース(又は、空間上の領域(例えば、テーブル、座席))を割り振ることができれば便利である。本実施形態では、複数のスペース(又は、空間上の所定領域)を備える所定場所(例えば、駐車場、フードコート)において、その所定場所に来たユーザに対して適切にスペース(又は、空間上の領域)を割り振ることが可能である。言い換えると、本実施形態は、スペース(又は、空間上の領域)を割り振ることが可能な情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムの一例である。
【0196】
[他の機器、他のシステムにおいて各処理を実行させる例]
なお、以上では、入場・出場検出処理、使用権付与処理、使用可能な駐車スペース判定処理、情報出力処理(情報送信処理)等をサーバ100(又は情報処理システム1)において実行する例を示したが、それらの各処理の全部又は一部を他の機器において実行してもよい。この場合には、それらの各処理の一部を実行する各機器により情報処理システムが構成される。例えば、駐車場PL1、その周辺施設、又は、その関連施設に設置された機器、ユーザが使用可能な機器(例えば、機器TM1、TM2、電子機器MC1、MC2、他のスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ)、インターネット等の所定のネットワークを介して接続可能なサーバ等の各種情報処理装置、各種電子機器を用いて各処理の少なくとも一部を実行させることができる。
【0197】
また、サーバ100(又は情報処理システム1)の機能を実行可能な情報処理システムの一部(又は全部)については、インターネット等の所定のネットワークを介して提供可能なアプリケーションにより提供されてもよい。このアプリケーションは、例えばSaaS(Software as a Service)である。
【0198】
[本実施形態の構成例及びその効果]
本実施形態に係る情報処理システム1は、複数の駐車スペースSP1乃至SP21が確保されている駐車場PL1に設けられている機器TM1、TM2(通信機器の一例)と、車両C1にせられている電子機器MC1(又は、車載機器)と、複数の駐車スペースSP1乃至SP21の使用の有無を管理するサーバ100(情報処理装置の一例)とを用いて、複数の駐車スペースSP1乃至SP21を車両C1に割り振ることが可能な情報処理システムである。サーバ100(制御部120)は、機器TM1、TM2と電子機器MC1との無線通信を利用して駐車場PL1に車両C1が入場することを検出することと、駐車場PL1に入場することが検出された車両C1に乗車するユーザU1に対して駐車スペースを使用する使用権を付与することと、複数の駐車スペースSP1乃至SP21の使用の有無を管理する駐車場管理DB200(管理部の一例)の管理内容に基づいて、駐車場PL1において使用可能な駐車スペースが存在するかを判定することと、使用可能な駐車スペースが存在すると判定された場合には、使用権が付与されたユーザU1に当該駐車スペースを案内するための第1案内情報を電子機器MC1から出力させ、一方、使用可能な駐車スペースが存在しないと判定された場合には、駐車場PL1に使用可能な駐車スペースが存在しないため使用可能な駐車スペースが検出されるまで待機することを使用権が付与されたユーザU1に案内するための第2案内情報を電子機器MC1から出力させることと、を実行する。また、駐車スペース又はその周囲には、当該駐車スペースの使用を開始する際に、電子機器MC1を用いて使用開始情報を送信するための識別情報が設置される。また、サーバ100は、第1案内情報を送信した電子機器MC1から識別情報に基づく使用開始情報が送信された場合には、当該識別情報に係る駐車スペースに関する駐車場管理DB200の管理内容を使用中に変更する。ここで、使用中は、駐車スペースに車両が駐車中であることを示す情報の一例であり、駐車スペースが使用不可能であることを示す情報の一例である。また、本実施形態に係る情報処理方法は、これらの各処理を実行する処理方法である。また、本実施形態に係るプログラムは、これらの各処理をコンピュータに実行させるプログラムである。言い換えると、本実施形態に係るプログラムは、サーバ100が実行可能な各機能をコンピュータに実現させるプログラムである。
【0199】
この構成によれば、駐車スペースを使用する使用権を、駐車場PL1に来た順番に付与し、その使用権が付与された順番に従って、使用可能な駐車スペースを各車両に適切に割り振ることが可能である。また、駐車スペースを使用するユーザU1は、その駐車スペース又はその周囲に設置されている識別情報(例えば、使用開始画像GS1、駐車スペース名称表示TN1)を用いて、使用開始情報を送信することが可能であるため、その使用開始情報の送信操作が容易である。また、その駐車スペースに関する駐車スペース使用情報206を「使用可能」から「使用中」に変更することにより、その駐車スペースの使用状態を迅速に変更することが可能となる。また、駐車場PL1においてカメラ、駐車場所表示板、誘導表示灯等を設置する必要がなく、駐車場PL1の管理に係る設置費用及び管理費用を抑制することが可能である。
【0200】
サーバ100(情報処理装置の一例)は、複数の駐車スペースSP1乃至SP21が設けられている駐車場PL1に入場する車両C1にせられている電子機器MC1を利用して駐車スペースを使用する使用権を車両C1に付与し、複数の駐車スペースSP1乃至SP21の使用の有無を管理する駐車場管理DB200(管理部の一例)の管理内容に基づいて、使用可能な駐車スペースを、使用権が付与された車両C1のユーザU1に案内するための第1案内情報(例えば、表示画面300(図6参照)、表示画面410(図11参照))を電子機器MC1から出力させる制御を実行する制御部120を備える。なお、サーバ100の代わりに、サーバ100により実現される各処理を実行可能な複数の機器により構成される情報処理システムとしてもよい。
【0201】
この構成によれば、駐車スペースを使用する使用権を、駐車場PL1に来た順番に付与し、その使用権が付与された順番に従って、使用可能な駐車スペースを各車両に適切に割り振ることが可能である。また、駐車場PL1においてカメラ、駐車場所表示板、誘導表示灯等を設置する必要がなく、駐車場PL1の管理に係る設置費用及び管理費用を抑制することが可能である。
【0202】
制御部120は、駐車場PL1又はその付近に設置されている機器TM1又はTM2と電子機器MC1との間で行われる無線通信を利用して駐車場PL1に車両C1が入場することを検出する。
【0203】
この構成によれば、ユーザU1の車両C1が駐車場PL1又はその近くに来たタイミングで、車両C1の入場を検出可能であるため、ユーザU1に適切なタイミングで使用権を付与することが可能となる。
【0204】
制御部120は、駐車場PL1又はその付近に設けられている識別情報(例えば、駐車場PL1を識別可能な識別情報、QRコードの読み取りにより取得可能な識別情報)を取得した電子機器MC1から送信された取得情報(例えば、QRコードの読み取りにより取得された情報)を受信したことに基づいて駐車場PL1に車両C1が入場することを検出する。
【0205】
この構成によれば、ユーザU1の車両C1が駐車場PL1又はその近くに来たタイミングで、車両C1の入場を検出可能であるため、ユーザU1に適切なタイミングで使用権を付与することが可能となる。
【0206】
制御部120は、駐車場PL1に車両C1が入場することが検出された場合において、駐車場PL1に使用可能な駐車スペースが存在するときには、当該駐車スペースを案内するための第1案内情報(例えば、表示画面300(図6参照))を電子機器MC1から出力させる。また、制御部120は、駐車場PL1に車両C1が入場することが検出された場合において、駐車場PL1に使用可能な駐車スペースが存在しないときには、その旨を使用権が付与された車両C1のユーザU1に案内するための第2案内情報(例えば、表示画面400(図10参照))を電子機器MC1から出力させ、その第2案内情報の出力後において、駐車場PL1に使用可能な駐車スペースが新たに検出されたときには、その新たに検出された駐車スペースを案内するための第1案内情報(表示画面410(図11参照))を電子機器MC1から出力させる制御を実行する。
【0207】
この構成によれば、駐車スペースを使用する使用権が付与された順番に従って、使用可能な駐車スペースを各車両に適切に割り振ることが可能である。
【0208】
本実施形態では、駐車スペース又はその付近には、当該駐車スペースの使用を開始する際に、電子機器MC1を用いて使用開始情報を送信するための識別情報(例えば、使用開始画像GS1、駐車スペース名称表示TN1)が設置される。制御部120は、第1案内情報を送信した電子機器MC1から識別情報に基づく使用開始情報が送信された場合には、その識別情報に係る駐車スペースに関する駐車場管理DB200(管理部の一例)の駐車スペース使用情報206(管理内容の一例)を「使用可能」から「使用中」に変更する。
【0209】
この構成によれば、駐車スペースを使用するユーザU1は、その駐車スペース又はその付近に設置されている識別情報(例えば、使用開始画像GS1、駐車スペース名称表示TN1)を用いて、使用開始情報を送信することが可能であるため、その使用開始情報の送信操作が容易である。また、その駐車スペースに関する駐車スペース使用情報206を「使用可能」から「使用中」に変更することにより、その駐車スペースの使用状態を迅速に変更することが可能となる。
【0210】
制御部120は、使用開始情報を送信した電子機器MC1から、その使用開始情報に係る駐車スペースの使用を終了する旨の出庫情報が送信された場合には、その駐車スペースに関する駐車場管理DB200(管理部の一例)の駐車スペース使用情報206(管理内容の一例)を「使用中」から「使用可能」に変更する。
【0211】
この構成によれば、駐車スペースの使用が終了したユーザU1の電子機器MC1から出庫情報が送信された場合には、その駐車スペースに関する駐車スペース使用情報206を「使用中」から「使用可能」に変更することにより、次にその駐車スペースを使用するユーザに迅速にその駐車スペースを案内することが可能となる。
【0212】
制御部120は、駐車場PL1において車両C1が駐車した後に、車両C1が駐車した駐車スペースの位置を示す画像情報(例えば、周囲案内画像表示領域602(図14参照)内の画像情報)を、電子機器MC1のUI部180(表示部の一例)に表示させる。
【0213】
この構成によれば、車両C1の駐車後に、車両C1が駐車した駐車スペースの位置をユーザU1が視覚的に容易に把握することが可能となる。これにより、ユーザU1は、駐車場PL1の外部から戻るときに、車両C1が駐車された駐車スペースに迅速に移動することが可能となる。
【0214】
制御部120は、駐車場PL1において車両C1が駐車した後に、駐車場PL1での車両C1の駐車により発生する費用に関する費用情報を、電子機器MC1のUI部180(表示部の一例)に表示させる。
【0215】
この構成によれば、車両C1の駐車後に、駐車場PL1での車両C1の駐車により発生する費用をユーザU1が視覚的に容易に把握することが可能となる。これにより、ユーザU1は、駐車場PL1の外部にいるときでも費用に関して安心して過ごすことが可能となる。
【0216】
制御部120は、駐車場PL1に入場している車両の数に基づいて駐車場PL1の混雑度を求め、駐車場PL1の混雑度に関する混雑度情報を出力機器から出力させる制御を実行する。例えば、表示画面710の移動経路表示領域712において、目的地の駐車場に対応する目的地標識716に駐車場に関する情報(例えば、駐車場の有無、満車の有無、待ち台数、駐車率等)を表示することが可能である。また、目的地の付近の駐車場についても駐車場に関する情報を表示することが可能である。
【0217】
この構成によれば、駐車場PL1を目的地として検索する場合に、駐車場PL1の混雑度をユーザU1が視覚的に容易に把握することが可能となる。これにより、ユーザU1は、これから駐車場PL1に向かう場合に、駐車できるか否かに関して容易に情報を把握することが可能となる。
【0218】
本実施形態に係る情報処理方法は、複数の駐車スペースSP1乃至SP21が確保されている駐車場PL1に設けられている機器TM1、TM2(通信機器の一例)と車両C1にせられている電子機器MC1との無線通信を利用して駐車場PL1に車両C1が入場することを検出することと、駐車場PL1に入場することが検出された車両C1に乗車するユーザU1に対して駐車スペースを使用する使用権を付与することと、複数の駐車スペースSP1乃至SP21の使用の有無を管理する駐車場管理DB200(管理部の一例)の管理内容に基づいて、駐車場PL1において使用可能な駐車スペースが存在するかを判定することと、使用可能な駐車スペースが存在すると判定された場合には、使用権が付与された車両C1に当該駐車スペースを案内するための第1案内情報(例えば、表示画面300(図6参照)、表示画面410(図11参照))を電子機器MC1から出力させ、一方、使用可能な駐車スペースが存在しないと判定された場合には、駐車場PL1に使用可能な駐車スペースが存在しないため使用可能な駐車スペースが検出されるまで待機することを使用権が付与されたユーザU1に案内するための第2案内情報(例えば、表示画面400(図10参照))を電子機器MC1から出力させることとを含む。また、本実施形態に係るプログラムは、これらの各処理をコンピュータに実行させるプログラムである。言い換えると、本実施形態に係るプログラムは、サーバ100が実行可能な各機能をコンピュータに実現させるプログラムである。
【0219】
この構成によれば、駐車スペースを使用する使用権を、駐車場PL1に来た順番に付与し、その使用権が付与された順番に従って、使用可能な駐車スペースを各車両に適切に割り振ることが可能である。また、駐車場PL1においてカメラ、駐車場所表示板、誘導表示灯等を設置する必要がなく、駐車場PL1の管理に係る設置費用及び管理費用を抑制することが可能である。
【0220】
なお、本実施形態で示した各処理手順は、本実施形態を実現するための一例を示したものであり、本実施形態を実現可能な範囲で各処理手順の一部の順序を入れ替えてもよく、各処理手順の一部を省略したり他の処理手順を追加したりしてもよい。
【0221】
なお、本実施形態の各処理は、各種の処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムに基づいて実行される。本実施形態は、それらの各処理を実行する機能を実現するプログラム、そのプログラムを記憶する記録媒体の実施形態としても把握することができる。例えば、情報処理装置、電子機器等に新機能を追加するためのアップデート処理により、そのプログラムを各機器の各記憶装置に記憶させることができる。これにより、そのアップデートされた各装置に本実施形態で示した各処理を実施させることが可能となる。
【0222】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0223】
1 情報処理システム
100 サーバ
110、140、171 通信部
120、150、172 制御部
130、160、173 記憶部
174 画像取得部
175 位置情報取得部
180 UI部
181 受付部
182 出力部
MC1、MC2 電子機器
TM1、TM2 機器
NW1 ネットワーク
【要約】
【課題】複数の駐車スペースが設けられている駐車場に来た車両に対して適切に駐車スペースを割り振る。
【解決手段】制御部120は、駐車場PL1に車両C1が入場することを検出し、入場が検出された車両C1に乗車するユーザU1に対して駐車スペースを使用する使用権を付与する。制御部120は、複数の駐車スペースSP1乃至SP21の使用の有無を管理する駐車場管理DB200の管理内容に基づいて、駐車場PL1において使用可能な駐車スペースが存在するかを判定する。制御部120は、使用可能な駐車スペースが存在する場合には、駐車スペースを案内するための第1案内情報を電子機器MC1から出力させる。一方、制御部120は、使用可能な駐車スペースが存在しない場合には、使用可能な駐車スペースが存在しないため待機することを案内するための第2案内情報を電子機器MC1から出力させる。
【選択図】図3
図1
図2
図3
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図5
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図7
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図10
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