(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】枢動式歯を含む改善されたラチェッティングデバイスのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
F16G 11/12 20060101AFI20240821BHJP
A44B 99/00 20100101ALI20240821BHJP
A44B 11/25 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
F16G11/12 H
A44B99/00 611Z
A44B11/25
(21)【出願番号】P 2023524442
(86)(22)【出願日】2021-11-10
(86)【国際出願番号】 US2021072323
(87)【国際公開番号】W WO2022104336
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-05-25
(32)【優先日】2020-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513181366
【氏名又は名称】ナイト・アイズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】シーダー,レックス
【審査官】増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-139105(JP,A)
【文献】特表平4-500404(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0008480(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0272916(US,A1)
【文献】特開2007-255716(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16G 11/12
A44B 99/00
A44B 11/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラチェットデバイスであって、前記ラチェットデバイスは、
ラチェットホイールと;
第1のレバーであって、前記第1のレバーは、前記ラチェットホイールと回転可能に相互接続されている、第1のレバーと;
第2のレバーであって、前記第2のレバーは、前記ラチェットホイールと回転可能に相互接続されている、第2のレバーと;
第1の枢動式ブラケットであって、前記第1の枢動式ブラケットは、前記第1のレバーと枢動方向に相互接続されている、第1の枢動式ブラケットと;
第2の枢動式ブラケットであって、前記第2の枢動式ブラケットは、前記第2のレバーと枢動方向に相互接続されている、第2の枢動式ブラケットと
を含み、
前記第1の枢動式ブラケットは、第1の位置および第2の位置を有しており、前記第1の位置では、前記第1の枢動式ブラケットは、前記ラチェットホイールに係合するように回転させられており、前記第2の位置では、前記第1の枢動式ブラケットは、前記ラチェットホイールから係合解除するように回転させられて
おり、
前記第2の枢動式ブラケットは、第3の位置および第4の位置を有しており、前記第3の位置では、前記第2の枢動式ブラケットは、前記ラチェットホイールに係合するように回転させられており、前記第4の位置では、前記第2の枢動式ブラケットは、前記ラチェットホイールから係合解除するように回転させられており、
前記第1の枢動式ブラケットが前記第2の位置にあり、前記第2の枢動式ブラケットが前記第4の位置にあるときに、前記ラチェットホイールは、自由に回転し、
前記第1の枢動式ブラケットは、前記第2の枢動式ブラケットに係合するように構成されており、前記第1の枢動式ブラケットおよび前記第2の枢動式ブラケットが係合されているときに、前記第1の枢動式ブラケットは、前記第2の位置に保持されており、前記第2の枢動式ブラケットは、前記第4の位置に保持されており、
前記ラチェットデバイスは、キャプチャーアッセンブリをさらに含み、
前記第2のレバーは、第1および第2のサイドプレートを含み、前記キャプチャーアッセンブリは、前記第1のサイドプレートと前記第2のサイドプレートとの間に位置付けされており、
前記キャプチャーアッセンブリは、第3のサイドプレートおよび第4のサイドプレート、第1のピン、第2のピン、ならびに第3のピンを含み、前記第1のピンは、前記第1および第2のサイドプレートならびに前記第3のサイドプレートを相互接続しており、前記第2のピンは、前記第1および第2のサイドプレート、前記第3のサイドプレート、ならびに前記第4のサイドプレートを相互接続しており、前記第3のピンは、前記第4のサイドプレートの上に装着されている、
ラチェットデバイス。
【請求項2】
前記ラチェットホイールは、複数の歯を含み、前記第1の枢動式ブラケットは、第1の歯を含み、前記第1の歯は、前記複数の歯と接合するように形状決めされている、
請求項1に記載のラチェットデバイス。
【請求項3】
前記第2の枢動式ブラケットは、第2の歯を含み、前記第2の歯は、前記複数の歯と接合するように形状決めされている、
請求項2に記載のラチェットデバイス。
【請求項4】
前記ラチェットホイールの前記複数の歯は、第3の歯と第4の歯とを含み、
前記第1の歯は、前記複数の歯の
前記第3の歯と
前記第4の歯との間にフィットするように形状決めされており、前記第1の歯が、前記第3の歯と前記第4の歯との間のボイドを完全に充填するようになっている、
請求項3に記載のラチェットデバイス。
【請求項5】
前記第1の枢動式ブラケットは、第2の端部の反対側の第1の端部にタブを含み、前記第2の端部は、前記ラチェットホイールに係合しており、前記タブは、前記第2の枢動式ブラケットの中のエリアに係合するように形状決めされており、前記ラチェットホイールが自由に回転するときに、前記第1および第2の枢動式ブラケットが一緒に保持するようになっている、
請求項1に記載のラチェットデバイス。
【請求項6】
前記第4のサイドプレートは、スロット状開口部を介して前記第2のピンに相互接続されており、前記スロット状開口部は、前記第4のサイドプレートが前記第2のピンの周りに回転およびスライドすることを可能にする、
請求項1に記載のラチェットデバイス。
【請求項7】
前記第3のサイドプレートは、スロット状のキャプチャーエリアを含み、前記スロット状のキャプチャーエリアは、前記第4のサイドプレートが前記スロット状開口部の第1の端部にスライドされるときに、前記第3のピンを除去可能に取り込むように構成されている、
請求項6に記載のラチェットデバイス。
【請求項8】
前記第3のサイドプレートは、前記スロット状のキャプチャーエリアに隣接して、湾曲したエリアをさらに含み、前記湾曲したエリアは、前記第3のピンをガイドするように配向されている、
請求項7に記載のラチェットデバイス。
【請求項9】
前記第1のピンと前記第2のピンとの間の第1のギャップの中に、前記第3のピンの周りに、そして、前記第1のギャップを通って戻るように配向されている平坦なストラップは、前記第3のピンが前記スロット状のキャプチャーエリアの中にあるときに保持されている、
請求項8に記載のラチェットデバイス。
【請求項10】
ラチェットデバイスであって、前記ラチェットデバイスは、
ラチェットホイールと;
第1のレバーであって、前記第1のレバーは、前記ラチェットホイールと回転可能に相互接続されている、第1のレバーと;
第2のレバーであって、前記第2のレバーは、前記ラチェットホイールと回転可能に相互接続されている、第2のレバーと;
第1の枢動式ブラケットであって、前記第1の枢動式ブラケットは、前記第1のレバーと枢動方向に相互接続されている、第1の枢動式ブラケットと;
第2の枢動式ブラケットであって、前記第2の枢動式ブラケットは、前記第2のレバーと枢動方向に相互接続されている、第2の枢動式ブラケットと
を含み、
前記第1の枢動式ブラケットは、第1の位置および第2の位置を有しており、前記第1の位置では、前記第1の枢動式ブラケットは、前記ラチェットホイールに係合するように回転させられており、前記第2の位置では、前記第1の枢動式ブラケットは、前記ラチェットホイールから係合解除するように回転させられており、前記第2の枢動式ブラケットは、第3の位置および第4の位置を有しており、前記第3の位置では、前記第2の枢動式ブラケットは、前記ラチェットホイールに係合するように回転させられており、前記第4の位置では、前記第2の枢動式ブラケットは、前記ラチェットホイールから係合解除するように回転させられて
おり、
前記ラチェットデバイスは、キャプチャーアッセンブリをさらに含み、前記第2のレバーは、第1および第2のサイドプレートを含み、前記キャプチャーアッセンブリは、前記第1のサイドプレートと前記第2のサイドプレートとの間に位置付けされており、前記キャプチャーアッセンブリは、第3のサイドプレート、第4のサイドプレート、第1のピン、第2のピン、および第3のピンを含み、前記第1のピンは、前記第1および第2のサイドプレートならびに前記第3のサイドプレートを相互接続しており、前記第2のピンは、前記第1および第2のサイドプレート、前記第3のサイドプレート、ならびに前記第4のサイドプレートを相互接続しており、前記第3のピンは、前記第4のサイドプレートの上に装着されており、前記第4のサイドプレートは、スロット状開口部を介して前記第2のピンに相互接続されており、前記スロット状開口部は、前記第4のサイドプレートが前記第2のピンの周りに回転およびスライドすることを可能にする、
ラチェットデバイス。
【請求項11】
前記第3のサイドプレートは、スロット状のキャプチャーエリアを含み、前記スロット状のキャプチャーエリアは、前記第4のサイドプレートが前記スロット状開口部の第1の端部にスライドされるときに、前記第3のピンを除去可能に取り込むように構成されており、前記第3のサイドプレートは、前記スロット状のキャプチャーエリアに隣接して、湾曲したエリアをさらに含み、前記湾曲したエリアは、前記第3のピンをガイドするように配向されている、
請求項10に記載のラチェットデバイス。
【請求項12】
ラチェットデバイスを使用する方法であって、前記方法は、
ラチェットデバイスを提供するステップであって、前記ラチェットデバイスは、
ラチェットホイールと;
第1のレバーであって、前記第1のレバーは、前記ラチェットホイールと回転可能に相互接続されている、第1のレバーと;
第2のレバーであって、前記第2のレバーは、前記ラチェットホイールと回転可能に相互接続されている、第2のレバーと;
第1の枢動式ブラケットであって、前記第1の枢動式ブラケットは、前記第1のレバーと枢動方向に相互接続されている、第1の枢動式ブラケットと;
第2の枢動式ブラケットであって、前記第2の枢動式ブラケットは、前記第2のレバーと枢動方向に相互接続されている、第2の枢動式ブラケットと
を含み、
前記第1の枢動式ブラケットは、第1の位置および第2の位置を有しており、前記第1の位置では、前記第1の枢動式ブラケットは、前記ラチェットホイールに係合するように回転させられており、前記第2の位置では、前記第1の枢動式ブラケットは、前記ラチェットホイールから係合解除するように回転させられており、前記第2の枢動式ブラケットは、第3の位置および第4の位置を有しており、前記第3の位置では、前記第2の枢動式ブラケットは、前記ラチェットホイールに係合するように回転させられており、前記第4の位置では、前記第2の枢動式ブラケットは、前記ラチェットホイールから係合解除するように回転させられている、ステップと;
平坦なストラップを前記ラチェットデバイスに挿入するステップと;
前記第1および第2のレバーのうちの少なくとも1つを移動させることによって、前記ラチェットデバイスをラチェッティングし、張力を増加させるステップと;
前記第1および第2の枢動式ブラケットを枢動させ、前記平坦なストラップにかかる張力を解放するステップと;
前記平坦なストラップを除去するステップと
を
含み、
前記ラチェットデバイスは、キャプチャーアッセンブリをさらに含み、前記第2のレバーは、第1および第2のサイドプレートを含み、前記キャプチャーアッセンブリは、前記第1のサイドプレートと前記第2のサイドプレートとの間に位置付けされており、前記キャプチャーアッセンブリは、第3のサイドプレート、第4のサイドプレート、第1のピン、第2のピン、および第3のピンを含み、前記第1のピンは、前記第1および第2のサイドプレートならびに前記第3のサイドプレートを相互接続しており、前記第2のピンは、前記第1および第2のサイドプレート、前記第3のサイドプレート、ならびに前記第4のサイドプレートを相互接続しており、前記第3のピンは、前記第4のサイドプレートの上に装着されており、前記第4のサイドプレートは、スロット状開口部を介して前記第2のピンに相互接続されており、前記スロット状開口部は、前記第4のサイドプレートが前記第2のピンの周りに回転およびスライドすることを可能にする、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【背景技術】
【0002】
[0001]ストラップを固定し、ストラップの中に張力を誘発するように設計されている多くのデバイスが、今日では存在している。ストラップ張力付与ラチェットデバイスにおける現行技術は、これらのデバイスの大部分が特異設計を利用しているということを明らかにしている。これらのラチェット設計は、したがって、さまざまな外見で、ならびに、多数の形状およびサイズで実装されるが、いくつかの弊害に苦しんでいる。デバイスによって保持されているストラップから張力を解放することは、フラストレーションの溜まるほど困難である可能性があり、デバイスの性能は、時間の経過とともに著しく劣化する可能性があり、デバイスの設定可能性が制限されるということが問題として挙げられる。そのうえ、デバイスのサイズおよび重量は、とりわけ、恒久的に取り付けられたフックを組み込んだそれらのデバイスに関して、不利益となる可能性がある。
【0003】
[0002]
図35先行技術および
図36先行技術に示されているように、典型的な先行技術のラチェットデバイス400は、シャーシー402および回転式レバー404から構成されており、それぞれが、スライド式ブラケット412、414を有しており、ここで、スライド式ブラケットは、1対のラチェットホイール406に同時に係合しており、1対のラチェットホイール406は、2つのマッチしたハブクロスバー410の上に位置決めされており、ハブクロスバーは、断面に関して半円形形状を有している。ラチェットホイールは、サイズおよび形状に関して互いに同一になっており、それは、ディスク周囲の周りに位置決めされた歯408を備えたディスクである。ラチェットホイールは、ハブクロスバーの両端部に位置付けされており、ラチェットホイールの中に中央に位置付けされている相補的な開口部によって、ハブクロスバーが互いから離れるようにギャップを作られた状態になっている。また、ラチェットホイールは、重なっているシャーシーとレバー側壁部との間に位置決めされている。2つのハブクロスバーは、シャーシーおよびレバー側壁部の中の円形開口部の中に制約されており、ハブクロスバーが、円形開口部の中でそれらの長軸線の周りに自由に回転することができるようになっている。スプリング430(圧縮スプリングまたはトーションスプリングのいずれか)は、スライド式ブラケットに作用し、それぞれのスライド式ブラケットの上のブレード部分416とラチェットホイールのそれぞれの上の特異歯の上の相補的な縁部面との接触を誘発して維持する。ラチェットホイールおよびハブクロスバーは、組み合わせて、特異ユニットを構成しており、また、ハブクロスバーの端部の近くに位置付けされた孔部を通して挿入された可鍛性ワイヤーフォームによって、互いに位置的に固定されている。ワイヤーフォームの端部がその後に変形させられることは、シャーシーおよびレバーからのハブクロスバーの引き抜きを防止する。多くの場合、ワイヤーフォームパーツとレバー側壁部との間にバリアを提供するために、大径のワッシャーが含まれる。
【0004】
[0003]ラチェットデバイスのレバーがシャーシーに対して回転185させられるとき、レバーに固定されているスライド式ブラケットが、2つのラチェットホイールのそれぞれの上の歯に係合し、ラチェットホイールおよびハブクロスバーがシャーシー側壁部の中の円形開口部の中でユニットとして回転することを引き起こす。シャーシーの中のスライド式ブラケットは、ラチェットホイールの歯状のプロファイルに追従して前後に移動する。レバー回転の方向が逆にされるときに、シャーシーの中のスライド式ブラケットは、今度は、2つのラチェットホイールのそれぞれの上の特異歯に係合し、ラチェットホイールおよびハブクロスバーの回転を防止し、一方では、レバーのスライド式ブラケットは、2つのラチェットホイールの上のそれぞれの縁部プロファイルに自由に追従することができる。レバーのこの交互の回転移動は、両方のラチェットホイールおよび両方のハブクロスバーを特異方向に回転させるラチェットアクションを結果として生じさせる。
【0005】
[0004]2つのハブクロスバーの間に形成されたギャップを通してウェビングの端部を挿入することは、レバーが回転させられるときに、ウェビングがクロスバーの上に巻き付けられることを引き起こすこととなる。ウェビングがハブクロスバーの上に巻き付けられるとき、新しく巻き付けられたウェビングは、下層のウェビング層に重なり、ウェビングがデバイスから外にスリップすることを防止することとなる。シャーシースライド式ブラケットのブレード部分とそれぞれのラチェットホイールの上の特異歯との係合は、ウェビングの中に誘発された張力を保存し、ウェビングから張力を解放してデバイスからウェビングを解放することとなる方向に、ハブクロスバーおよびラチェットホイールの組み合わせが回転することを防止する。
【0006】
[0005]典型的なラチェットデバイスは、シャーシーに恒久的に固定された第3のクロスバー428を取り込むウェビングの中に縫い合わせられたループによって、ラチェットデバイスに恒久的に取り付けられた短い長さのウェビング431の一方の端部を有することとなる。フック432(さまざまな形状およびサイズで提供される)が、短いウェビングの反対側端部に恒久的に固着されている。第2の別個のおよび典型的により長い長さのウェビング(一方の端部は、また、恒久的に取り付けられたフック258を含有している)は、ラチェットデバイスの使用を可能にするために必要とされるコンポーネントを完成させる。デバイスの使用可能な構成は、それぞれのフックを別個のアンカー場所253、254を取り付け、より長い長さのウェビングの自由端部をハブクロスバー同士の間のギャップの中へ挿入し、ウェビングから弛みが除去されるまでバーを通してウェビングを引き出し、次いで、ラチェットデバイスのレバーを交互の方向185に回転させることによってウェビングに張力をかけることを含む。2つのアンカーポイントを接続するウェビングの長さの中に所望のレベルの張力が誘発されるまで、レバーの前後の回転が継続される。レバーの長さは、レバーが回転させられるときにかなりの量の張力がウェビングの中に誘発されることを可能にするという機械的な利点を提供する。
【0007】
[0006]張力解放は、より複雑である。張力を解放するために、レバーに固定されているスライド式ブラケットが、人差し指を使用して、レバーの自由端部に向けて引き戻される。これは、レバーがフリースピンすることを可能にし、レバーがラチェットホイールの上の歯に係合することなく回転することを可能にする。おおよそ100度の角度的変位にわたってレバーを回転させた後に、レバーに固定されているスライド式ブラケットは、シャーシー側壁部424の上の半径方向に隆起した部分に遭遇する。この位置においてレバースライド式ブラケットを解放することは、スライド式ブラケットがシャーシー側壁部の上の隆起したランディングと接触することを結果として生じさせ、そして、それは、レバーの上のスライド式ブラケットが2つのラチェットホイールの上の歯と係合することを防止する。レバーがさらに回転させられるとき、レバーアーム418の上の偏心形状の端部は、シャーシー402の中に制約されているスライド式ブラケット412のブレード端部416に係合し始め、したがって、ハブクロスバーおよびラチェットホイールに対してスライド式ブラケットを半径方向外向きに移動させる。レバーがおおよそ170度回転させられるとき、レバー偏心部は、ラチェットホイールの周囲の上に存在している歯からシャーシーの中のスライド式ブラケットを完全に係合解除するのに十分に遠くまで回転している。レバーの中のスライド式ブラケットが以前に係合解除された状態になっており、この時点で、シャーシーの中のスライド式ブラケットも係合解除された状態になっているので、ハブクロスバーおよびラチェットホイールの回転移動を防止するための手段がない状態のままになっている。ストラップの中の既存の張力は、前のラチェッティングアクションとは反対の方向にハブクロスバーおよびラチェットホイールが回転することを引き起こし、したがって、貯蔵されている張力をウェビングから解放することとなる。
【0008】
[0007]ほとんどのラチェットデバイスでは、シャーシー側壁部の縁部プロファイルの中にノッチ403が存在しており、それは、レバーが全開位置まで回転させられたときに、レバーを適切な場所にロックするためにレバーの上のスライド式ブラケットに係合することとなる。これは、レバーとシャーシーとの間にリジッドの構成を生成させ、一方では、ハブクロスバーおよびラチェットホイールは、自由に回転することができるままであり、したがって、ウェビングがデバイスから引っ張られることを可能にする。より低い誘発された張力レベルでは、張力を解放するためのこのメカニズムは、十分に上手く機能する。しかし、繰り返される使用、または、定格作業負荷限界の近くでの使用の後に、ほとんどのラチェットデバイスのコンポーネントは、摩耗および/または変形し始め、デバイスからのウェビングの除去が、実現するのにますますフラストレーションの溜まるものになるようになっている。周囲の構造体との閉ざされた範囲において(たとえば、トラックの荷台エリアなど)、ロックされたレバーは、ラチェットデバイスからのウェビングの除去を増進するのではなく、むしろ妨げることが可能である。
【0009】
[0008]追加的に、レバーが張力解放のための位置に向けて回転するとき、偏心部が解放ポイントに向けてシャーシースライド式ブラケットを押しているにもかかわらず、レバー端部偏心部を回転させるために印加される力が、レバーに与えられる不十分な機械的な利点に起因して損なわれる。高いウェビング張力のレベルにおいて、または、過度のデバイス摩耗によって、解放アクションが、弓矢装置の弓の弦を押すものと同様のアクションを模倣し始めることは珍しいことではない。弦(このケースでは、ウェビング)に対して垂直の方向に弾力性が大きくなり、レバーの長さおよびレバー端部の上の偏心部の形状から得られる機械的な利点が、デバイスに対する拘束の欠如によって中和されるようになっている。ウェビング張力を解放するときに、この挙動は、ラチェットデバイスの変位を物理的に制限するか、または、場合によっては、シャーシーに対するレバーの回転を強制するためにハブクロスバーとレバーとの間に長いシャフト状のスクリュードライバーを挿入することのいずれかによって、オペレーターが追加的なテコの利点を提供することを要求する可能性がある。両方の方法が、一般に使用されており、両方の方法が、デバイスのオペレーターに安全上のリスクをもたらす可能性がある。
【0010】
[0009]スライド式ブラケットを組み込んだラチェットデバイスでは、ウェビング張力解放アクションの間に一般に起こるコンポーネント変形のエリアが、レバー偏心部とシャーシースライド式ブラケットのブレード端部との間の接触インターフェース433に存在する。この接触エリアは、デバイスの中に高いレベルの局所的な応力を経験する。デバイスから張力を解放するときに、レバー偏心部は、シャーシースライド式ブラケットを外向きに移動させ、スライド式ブラケットをラチェットホイール歯から係合解除する。この特定のパーツ間の係合は、典型的に、スライド式ブラケットおよびレバーの上の2つの偏心形状の端部の両方の縁部面の上に起こり、そうであるので、比較的に小さいエリアに高い量の力を集中させる。よく使用される現行技術のラチェットデバイス(とりわけ、ダイカストレバーを利用するもの)の検査は、デバイスのこれらの場所において過度の摩耗および/または変形を示すこととなる。時間の経過とともに、これらの変形の累積効果は、ラチェットデバイスを恒久的に変更することとなる。レバー端部における偏心形状によってシャーシースライド式ブラケットの中に誘発されるトラベルの量は、スライド式ブラケットをラチェットホイール歯から係合解除するのに十分に遠くまでスライド式ブラケットを移動させるのにもはや十分ではない可能性がある。このポイントにおいて、張力解放は、ウェビングをカットするか、または、ラチェットホイール歯からのシャーシースライド式ブラケットの解放を強制するための補助工具を使用するかのいずれかによって達成される。
【0011】
[0010]この故障モードは、ラチェッティングアクションを作動させるためにスライド式ブラケットを利用するラチェットデバイスにおいて起こる。この懸念を緩和するためのさまざまな製造業者による長年にわたる試みは、設計上の解決策の急増につながった。しかし、ほとんどのパーツに関して、これらのデバイスは、本質的に同じままであり、故障挙動も同様である。
【0012】
[0011]典型的に、レバーおよびシャーシー側壁部の両方は、スライド式ブラケットを制約するスロット420、422を含有している。これらのスロットは、スライド式ブラケットがスロットの中で前方および後方に移動することを可能にする。また、左右方向の変位および回転変位が、(デバイスの意図される機能とは関係しないが、)スライド式ブラケットにおいて可能にされ、両方とも、対向する側壁部スロットによって画定される平面426、427の中で起こる。
【0013】
[0012]ウェビング張力を誘発するためにレバーが回転させられるとき、レバーの中に制約されているスライド式ブラケットのブレード部分416の端部は、ラチェットホイールの上の歯に係合し、ラチェットホイールおよびハブクロスバーを回転させる。レバーおよびシャーシーの両方の中のスライド式ブラケットのブレード端部は、ラチェットホイール歯、シャーシー側壁部スロット、シャーシー側壁部縁部プロファイル、およびレバー側壁部スロットとの接触を保証するために十分にサイズ決めされることができる。そのうえ、スライド式ブラケットの可能な左右方向のおよび面内の回転移動に対処するために、スライド式ブラケットの幅は、それにしたがって増加されることができる。
【0014】
[0013]誘発された張力(ウェビングの中に内在している)は、ラチェットホイール歯の縁部面をスライド式ブラケットのブレード端部部分の中へ押し込み、一方では、スライド式ブラケットは、同時に、レバーブラケットまたはシャーシーブラケットのいずれかのスロット縁部に押し付けられる。このアクションは、はさみによって1枚の紙を切るようなものであり、紙は、このケースでは、スライド式ブラケットのブレード部分である。この接触力は、ブレード面の上の小さなエリアに集中され、ブレード完全性をブレード端部におけるブレード材料の材料特性および厚さのみに依存するようにする。以前に述べられた幅要件は、デバイスの中に構成されているウェビングの周りに十分なクリアランスを提供するために追加された負担と組み合わせて、ブレードを補強する幾何学形状を導入することを除外し、ここで、それらは、より高い力負荷におけるブレード端部変形を防止することを助けることとなる。
【0015】
[0014]スライド式ブラケットの左右方向の並進移動および面内の回転移動の両方に関する可能性は、現行技術のラチェットデバイスにとって別の深刻な不利益を生成させる。それは、1つのラチェットホイールの上の1つの歯のみがスライド式ブラケットに係合することを結果として生じさせることとなるか、または、1つの歯が完全に係合し、反対側の歯が部分的にのみ係合することを結果として生じさせることとなる。いずれのケースでも、両方のラチェットホイールは、もはや完全に係合されてはいない。安全でない条件を生成させるにもかかわらず、負荷分散におけるアンバランスは、スライド式ブラケットのブレード部分(それがラチェットホイール歯に係合する)を容易に変形させることが可能である。スライド式ブラケットの上の今では変形させられたブレードによって、デバイスのその後の使用が困難にされる。
【0016】
[0015]とりわけ、より低い品質のより低い負荷定格デバイスにおいて、このミスアライメントの別の供給源は、張力がウェビングの中へラチェッティングされている間に、シャーシー自身がその長軸線の周りにツイストすることとなるということである。この挙動は、濡れたタオルから水を絞ることと同様に、シャーシースライド式ブラケットがラチェットホイール歯に対してアンバランスな負荷分散位置に着地することを結果として生じさせることとなる。
【0017】
[0016]スライド式ブラケットにおけるミスアライメントを緩和するために、いくつかの製造業者は、エンボス加工部429をスライド式ブラケットに追加し、レバーの側壁部またはシャーシーの側壁部の間に中心を置かれた状態にブラケットを維持する。しかし、エンボス加工部がシャーシーおよびレバー側壁部のあまりに近くに位置付けされている場合には、スライド式ブラケットは結合することとなり、十分に近くない場合には、スライド式ブラケットは、上記に説明されているように、平行から外れて回転することとなる。両方の効果が、ラチェットデバイスの現在の提供において観察される。これは、現行技術のラチェットデバイスの側壁部スロット/スライド式ブラケットの相互作用の設計限界であり、そのようなデバイスを使用する人に対するフラストレーションの供給源である。
【0018】
[0017]デバイス重量を最小化するために、および、独特の外観を生成させるために、いくつかの製造業者は、アルミニウムまたは亜鉛合金ダイカストレバーを利用する。これらのタイプのレバーは、オープンスロットの代わりに、特定の幾何学形状を組み込み、スライド式ブラケットのためのチャネルまたはガイドとしての役割を果たすことが可能である。しかし、より硬質のスライド式ブラケット材料のブレード端部は、レバーの端部に位置付けされているレバー偏心部の上のより軟質のダイカスト材料をガルし(gull)、および/または、削り取る傾向がある。作業負荷限界またはその近くでの繰り返される使用は、ダイカスト偏心表面を損ない、最終的に破壊し、デバイスを無効化し、ラチェッティングされた張力の解放を妨げることとなる。この条件において、ウェビングから張力を解放するために利用可能な手段は、ウェビングをカットすることか、または、補助的な工具を使用してシャーシースライド式ブラケットの解放を強制することのいずれかである(危険な提案であることが多い)。
【0019】
[0018]最後に、完全な構成(デバイス、ストラップ、フック(
図35先行技術))が考慮に入れられるときに、ラチェットデバイスの現行技術の全体的な有効性を制限する追加的な不利益が生じる。以前に説明されたように、ラチェットデバイスは、1つのアンカーポイントとして、デバイスにおよびフックに縫い合わせられた短い長さのウェビングの取り付け部を有している。そのような配置は、ラチェットデバイスが位置決めされることができる場所を制限する。多くの場合に、ラチェットデバイスを張力付与する際、または、ラチェットデバイスから張力を解放する際のいずれにおいても、理想的とは言えないアクセスがユーザーに与えられる。追加的に、恒久的に取り付けられたストラップおよびフックを備えたラチェットデバイスは、重くなる可能性があり、ラチェットデバイス、ストラップ、およびフックを最初に構成するときに、周囲の物体への損傷を防止するために特別な注意を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
[0019]本明細書で説明されている本実施形態は、現行技術のラチェットデバイスによって招かれる不利益を回避する、ウェビングの中の張力を誘発および解放するための手段を提供する。追加的に、本実施形態の中に組み込まれた特徴は、現行技術では利用不可能なストラップおよびフックの複数の構成を可能にする新しい手段を提供する。追加的に、これらの特徴のうちのいくつかは、他のストラップ張力付与デバイス(たとえば、カムロックなど)の中に組み込まれることができ、それらのデバイスの中にも同様の新しい特徴を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0021】
[0020]1つの実施形態では、ラチェットデバイスは、ラチェットホイールを含む。ラチェットデバイスは、第1のレバーをさらに含み、第1のレバーは、ラチェットホイールと回転可能に相互接続されている。ラチェットデバイスは、第2のレバーをさらに含み、第2のレバーは、ラチェットホイールと回転可能に相互接続されている。ラチェットデバイスは、第1の枢動式ブラケットをさらに含み、第1の枢動式ブラケットは、第1のレバーと枢動方向に相互接続されている。ラチェットデバイスは、第2の枢動式ブラケットをさらに含み、第2の枢動式ブラケットは、第2のレバーと枢動方向に相互接続されている。第1の枢動式ブラケットは、第1の位置および第2の位置を有しており、第1の位置では、第1の枢動式ブラケットは、ラチェットホイールに係合するように回転させられており、第2の位置では、第1の枢動式ブラケットは、ラチェットホイールから係合解除するように回転させられている。代替的に、第2の枢動式ブラケットは、第3の位置および第4の位置を有しており、第3の位置では、第2の枢動式ブラケットは、ラチェットホイールに係合するように回転させられており、第4の位置では、第2の枢動式ブラケットは、ラチェットホイールから係合解除するように回転させられている。随意的に、第1の枢動式ブラケットが第2の位置にあり、第2の枢動式ブラケットが第4の位置にあるときに、ラチェットホイールは、自由に回転する。1つの代替例では、第1の枢動式ブラケットは、第2の枢動式ブラケットに係合するように構成されており、第1の枢動式ブラケットおよび第2の枢動式ブラケットが係合されているときに、第1の枢動式ブラケットは、第2の位置に保持されており、第2の枢動式ブラケットは、第4の位置に保持されている。別の代替例では、ラチェットホイールは、複数の歯を含み、第1の枢動式ブラケットは、第1の歯を含み、第1の歯は、複数の歯と接合するように形状決めされている。代替的に、第2の枢動式ブラケットは、第2の歯を含み、第2の歯は、複数の歯と接合するように形状決めされている。別の代替例では、第1の歯は、複数の歯の第3の歯と第4の歯との間にフィットするように形状決めされており、第1の歯が、第3の歯と第4の歯との間のボイドを完全に充填するようになっている。代替的に、第1の枢動式ブラケットは、第2の端部の反対側の第1の端部にタブを含み、第2の端部は、ラチェットホイールに係合しており、タブは、第2の枢動式ブラケットの中のエリアに係合するように形状決めされており、ラチェットホイールが自由に回転するときに、第1および第2の枢動式ブラケットが一緒に保持するようになっている。1つの代替例では、ラチェットデバイスは、キャプチャーアッセンブリをさらに含み、キャプチャーアッセンブリは、平坦なストラップを安全な方式で取り込むように構成されている。代替的に、第2のレバーは、第1および第2のサイドプレートを含み、キャプチャーアッセンブリは、第1のサイドプレートと第2のサイドプレートとの間に位置付けされている。別の代替例では、キャプチャーアッセンブリは、第3のサイドプレートおよび第4のサイドプレート、第1のピン、第2のピン、ならびに第3のピンを含み、第1のピンは、第1および第2のサイドプレートならびに第3のサイドプレートを相互接続しており、第2のピンは、第1および第2のサイドプレート、第3のサイドプレート、ならびに第4のサイドプレートを相互接続しており、第3のピンは、第4のサイドプレートの上に装着されている。代替的に、第4のサイドプレートは、スロット状開口部を介して第2のピンに相互接続されており、スロット状開口部は、第4のサイドプレートが第2のピンの周りに回転およびスライドすることを可能にする。別の代替例では、第3のサイドプレートは、スロット状のキャプチャーエリアを含み、スロット状のキャプチャーエリアは、第4のサイドプレートがスロット状開口部の第1の端部にスライドされるときに、第3のピンを除去可能に取り込むように構成されている。代替的に、第3のサイドプレートは、スロット状のキャプチャーエリアに隣接して、湾曲したエリアをさらに含み、湾曲したエリアは、第3のピンをガイドするように配向されている。別の代替例では、第1のピンと第2のピンとの間の第1のギャップの中に、第3のピンの周りに、そして、第1のギャップを通って戻るように配向されている平坦なストラップは、第3のピンがスロット状のキャプチャーエリアの中にあるときに保持されている。
【0022】
[0021]1つの実施形態では、ラチェットデバイスは、ラチェットホイールと、第1のレバーとを含み、第1のレバーは、ラチェットホイールと回転可能に相互接続されている。ラチェットデバイスは、第2のレバーをさらに含み、第2のレバーは、ラチェットホイールと回転可能に相互接続されている。ラチェットデバイスは、第1の枢動式ブラケットをさらに含み、第1の枢動式ブラケットは、第1のレバーと枢動方向に相互接続されている。ラチェットデバイスは、第2の枢動式ブラケットをさらに含み、第2の枢動式ブラケットは、第2のレバーと枢動方向に相互接続されている。第1の枢動式ブラケットは、第1の位置および第2の位置を有しており、第1の位置では、第1の枢動式ブラケットは、ラチェットホイールに係合するように回転させられており、第2の位置では、第1の枢動式ブラケットは、ラチェットホイールから係合解除するように回転させられている。第2の枢動式ブラケットは、第3の位置および第4の位置を有しており、第3の位置では、第2の枢動式ブラケットは、ラチェットホイールに係合するように回転させられており、第4の位置では、第2の枢動式ブラケットは、ラチェットホイールから係合解除するように回転させられている。代替的に、ラチェットデバイスは、キャプチャーアッセンブリをさらに含み、キャプチャーアッセンブリは、平坦なストラップを安全な方式で取り込むように構成されており、第2のレバーは、第1および第2のサイドプレートを含み、キャプチャーアッセンブリは、第1のサイドプレートと第2のサイドプレートとの間に位置付けされており、キャプチャーアッセンブリは、第3のサイドプレート、第4のサイドプレート、第1のピン、第2のピン、および第3のピンを含み、第1のピンは、第1および第2のサイドプレートならびに第3のサイドプレートを相互接続しており、第2のピンは、第1および第2のサイドプレート、第3のサイドプレート、ならびに第4のサイドプレートを相互接続しており、第3のピンは、第4のサイドプレートの上に装着されており、第4のサイドプレートは、スロット状開口部を介して第2のピンに相互接続されており、スロット状開口部は、第4のサイドプレートが第2のピンの周りに回転およびスライドすることを可能にする。別の代替例では、第3のサイドプレートは、スロット状のキャプチャーエリアを含み、スロット状のキャプチャーエリアは、第4のサイドプレートがスロット状開口部の第1の端部にスライドされるときに、第3のピンを除去可能に取り込むように構成されており、第3のサイドプレートは、スロット状のキャプチャーエリアに隣接して、湾曲したエリアをさらに含み、湾曲したエリアは、第3のピンをガイドするように配向されている。
【0023】
[0022]1つの実施形態では、ラチェットデバイスを使用する方法は、ラチェットデバイスを提供するステップを含む。ラチェットデバイスは、ラチェットホイールを含む。ラチェットデバイスは、第1のレバーをさらに含み、第1のレバーは、ラチェットホイールと回転可能に相互接続されている。ラチェットデバイスは、第2のレバーをさらに含み、第2のレバーは、ラチェットホイールと回転可能に相互接続されている。ラチェットデバイスは、第1の枢動式ブラケットをさらに含み、第1の枢動式ブラケットは、第1のレバーと枢動方向に相互接続されている。ラチェットデバイスは、第2の枢動式ブラケットをさらに含み、第2の枢動式ブラケットは、第2のレバーと枢動方向に相互接続されている。第1の枢動式ブラケットは、第1の位置および第2の位置を有しており、第1の位置では、第1の枢動式ブラケットは、ラチェットホイールに係合するように回転させられており、第2の位置では、第1の枢動式ブラケットは、ラチェットホイールから係合解除するように回転させられている。代替的に、第2の枢動式ブラケットは、第3の位置および第4の位置を有しており、第3の位置では、第2の枢動式ブラケットは、ラチェットホイールに係合するように回転させられており、第4の位置では、第2の枢動式ブラケットは、ラチェットホイールから係合解除するように回転させられている。方法は、平坦なストラップをラチェットデバイスに挿入するステップをさらに含む。方法は、第1および第2のレバーのうちの少なくとも1つを移動させることによって、ラチェットデバイスをラチェッティングし、張力を増加させるステップをさらに含む。方法は、第1および第2の枢動式ブラケットを枢動させ、平坦なストラップにかかる張力を解放するステップと、平坦なストラップを除去するステップとをさらに含む。代替的に、ラチェットデバイスは、キャプチャーアッセンブリをさらに含み、キャプチャーアッセンブリは、平坦なストラップを安全な方式で取り込むように構成されており、第2のレバーは、第1および第2のサイドプレートを含み、キャプチャーアッセンブリは、第1のサイドプレートと第2のサイドプレートとの間に位置付けされており、キャプチャーアッセンブリは、第3のサイドプレート、第4のサイドプレート、第1のピン、第2のピン、および第3のピンを含み、第1のピンは、第1および第2のサイドプレートならびに第3のサイドプレートを相互接続しており、第2のピンは、第1および第2のサイドプレート、第3のサイドプレート、ならびに第4のサイドプレートを相互接続しており、第3のピンは、第4のサイドプレートの上に装着されており、第4のサイドプレートは、スロット状開口部を介して第2のピンに相互接続されており、スロット状開口部は、第4のサイドプレートが第2のピンの周りに回転およびスライドすることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】[0023]改良型ラチェット(Enhanced Ratchet)の1つの実施形態の等角図である。
【
図2】[0024]
図2aは、
図1の改良型ラチェットの等角図である。[0025]
図2bは、
図1の改良型ラチェットの等角図である。
【
図3】[0026]
図1の改良型ラチェットの分解組立図である。
【
図4】[0027]
図4aは、レバーが開位置にある状態の
図1の改良型ラチェットの等角図である。[0028]
図4bは、
図1の改良型ラチェットのラチェットホイール、ハブクロスバー、2つのシムワッシャー、2つのワイヤーフォームロック、ならびに、レバーおよびシャーシー側壁部の一部分を示す図である。[0029]
図4cは、異なる視認角度からの
図4bの分解図である。
【
図5】[0030]
図1に定義されているような長手方向平面AAを通る、
図1の改良型ラチェットの断面図である。
【
図6】[0031]
図1に定義されているような長手方向平面AAを通る、
図1の改良型ラチェットの断面図である。
【
図7】[0032]
図7aおよび
図7bは、本実施形態において構成されているウェビングからの張力解放を開始するように位置決めされている、
図1の改良型ラチェットの等角図である。
【
図8】[0033]
図8aおよび
図8bは、張力解放アクションの終わりにおける、
図1の改良型ラチェットの等角図である。
【
図9】[0034]
図9aおよび
図9bは、
図1の改良型ラチェットが
図7aおよび
図7bのように位置決めされた状態の、
図1に定義されているような長手方向平面AAの等角図および断面図である。
【
図10】[0035]
図10aおよび
図10bは、
図1の改良型ラチェットが
図8aおよび
図8bのように位置決めされた状態の、
図1に定義されているような長手方向平面AAの等角図および断面図である。
【
図11】[0036]
図11aから
図11dは、4つの固有の位置(それぞれ、ロック位置、アンロック位置、開位置、および非拘束位置)にあるキャプチャーフレームアッセンブリを示す図である。
【
図13】[0038]
図1に定義されているような長手方向平面AAを通る、
図1の改良型ラチェットの断面図である。
【
図14】[0039]
図14aは、
図1に定義されているような長手方向平面AAを通る、
図1の改良型ラチェットの断面図である。[0040]
図14bは、
図1に定義されているような長手方向平面AAを通る、
図1の改良型ラチェットの断面図である。
【
図15】[0041]
図15aから
図15hは、キャプチャーフレームアッセンブリによってウェビングのセクションに
図1の改良型ラチェットを除去可能に固定する段階的な進行を描写する一連の等角図である。
【
図16】[0042]
図16aから
図16gは、ウェビングのセクションに
図1の改良型ラチェットを除去可能に固定する段階的な進行を描写する一連の等角図である。
【
図17】[0043]
図17aから
図17dは、
図1の改良型ラチェットのラチェット張力付与部分の中にウェビングを構成するための、および、その後に、ウェビングの中へ張力を誘発するために改良型ラチェットのレバーを使用するための、段階的な進行を描写する一連の等角図である。
【
図18】[0044]
図18aから
図18eは、
図1の改良型ラチェットの中に構成されているウェビングから張力を解放するための段階的な進行を描写する一連の等角図である。
【
図19】[0045]
図19aから
図19iは、ストラップの上に
図1の改良型ラチェットを固定するための段階的な進行を描写する一連の等角図であり、上記ストラップは、縫い合わせられたループを含有する1つの端部を有している、図である。
【
図20】[0046]
図20aから
図20hは、所定の長さのウェビングの上に
図1の改良型ラチェットを固定するための段階的な進行を描写する一連の等角図である。
【
図21】[0047]
図21aから
図21hは、縫い合わせられた端部ループを含有するストラップの端部の上に
図1の改良型ラチェットを固定するための段階的な進行を描写する一連の等角図である。
【
図22】[0048]
図22aから
図22fは、所定の長さのウェビングの端部の上に
図1の改良型ラチェットを固定するための段階的な進行を描写する一連の等角図である。
【
図23】[0049]
図23aから
図23hは、アンカー場所に固定された縫い合わせられた端部ループを含有する短いストラップに
図1の改良型ラチェットを固定するための、および、その後に、恒久的に固着されたフックを含有する第2の長さのウェビングを使用して、2つのアンカー場所の間に固定端部構成を形成するための、段階的な進行を描写する一連の等角図である。
【
図24】[0050]
図24aから
図24hは、短いストラップがフックに除去可能に固定された状態の、
図23と同じシーケンスを示す図である。
【
図25】[0051]
図25aから
図25fは、アンカー場所に繋留された短い長さのウェビングに
図1の改良型ラチェットを固定するために、および、その後に、恒久的に固着されたフックを含有する第2の長さのウェビングを使用して、2つのアンカー場所の間に固定端部構成を形成するための、段階的な進行を描写する一連の等角図である。
【
図26】[0052]
図26aから
図26hは、改良型ラチェットの実施形態を固定するための段階的な進行を描写する一連の等角図である。
【
図27】[0053]
図27aから
図27eは、縫い合わせられた端部ループを含有するストラップに
図1の改良型ラチェットを固定するための段階的な進行を描写する一連の等角図である。
【
図28】[0054]
図28aから
図28fは、縫い合わせられた端部ループを含有するストラップに
図1の改良型ラチェットを固定するための、および、その後に、恒久的に固着されたフックを含有する第2のストラップを使用して、2つのアンカー場所の間に固定端部構成を形成するための、段階的な進行を描写する一連の等角図である。
【
図29】[0055]
図29aから
図29fは、短いストラップがフックを除去可能に固定した状態の、
図28と同じシーケンスを示す図である。
【
図30】[0056]
図30aおよび
図30bは、開位置およびウェビングロック位置の両方における代替的な実施形態を示す図であり、ここで、
図1の改良型ラチェットのキャプチャーフレームアッセンブリが、本実施形態をウェビングにロックするための「S字形状の」ワイヤーフォームと交換されている、図である。
【
図31】[0057]
図31aおよび
図31bは、開位置およびウェビングロック位置の両方における代替的な実施形態を示す図であり、ここで、
図1の改良型ラチェットのキャプチャーフレームアッセンブリは、ダイカストコンポーネントと交換されており、ダイカストコンポーネントは、本実施形態をウェビングにロックするために、別個のキャプチャーリングおよび側壁部エンボス加工部を利用する、図である。
【
図32】[0058]
図32aおよび
図32bは、開位置およびウェビングロック位置の両方における代替的な実施形態を示す図であり、ここで、
図1の改良型ラチェットのキャプチャーフレームアッセンブリは、成形されたシートメタルパーツによって交換されており、成形されたシートメタルパーツは、本実施形態をウェビングにロックするために、別個のキャプチャーリングおよびクロスバーを利用する、図である。
【
図33】[0059]改良型ラチェットのラチェット部分の代わりにキャプチャーフレームアッセンブリを備えたカムロックを組み込んだ代替的な実施形態の等角図である。
【
図34】[0060]固定端部構成を形成するためにウェビングとともに構成されている、
図33からの代替的な実施形態の等角図である。
【
図35】[0061]先行技術のラチェットを示す図である。
【
図38】
図38aは、先行技術のラチェットを示す図である。
図38bは、先行技術のラチェットを示す図である。
【
図39】[0062]
図39aは、シャーシー枢動式歯止めブラケットの別の実施形態を示す図である。
図39bは、シャーシー枢動式歯止めブラケットの別の実施形態を示す図である。
【
図40】シャーシー枢動式歯止めブラケットの別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[0063]さまざまな図および説明において、パーツおよび態様は、純粋に例示的な目的のために、以下のようにラベル付けされている。
図面参照番号
100 改良型ラチェット
100’ 改良型ラチェット100
101 シャーシー側壁部A
101’ 先行技術ラチェットデバイスシャーシーと共通のシャーシー側壁部A 101の部分
102 シャーシー側壁部B
102’ 先行技術ラチェットデバイスシャーシーと共通のシャーシー側壁部B 102の部分
103 円形開口部、シャーシー側壁部AおよびB
104 円形開口部、シャーシー側壁部AおよびB
105 円形開口部、シャーシー側壁部AおよびB
106 円形開口部、シャーシー側壁部AおよびB
107 円形開口部、シャーシー側壁部AおよびB
108 円形開口部、シャーシー側壁部AおよびB
109 改良型ラチェット100のための代替的なシャーシー
110 代替的なシャーシー構成360のためのシャーシー
111 スエージ加工された下側ショルダーピン
112 スエージ加工された下側ショルダーピン
113 スエージ加工された下側ショルダーピン
114 2つのスエージ加工された下側ショルダーピン112および113の間のギャップ
115 スエージ加工された下側ショルダーピン113と中央のスエージ加工されたショルダーピン173との間のギャップ
117 円形開口部、シャーシー側壁部AおよびB
118 円形開口部、シャーシー枢動式歯止めブラケット側壁部
119 改良型ラチェットの動作を防止するピンまたは所定の長さのワイヤー
121 レバー
121’ 先行技術ラチェットデバイスレバーと共通のレバー121の部分
122 レバー側壁部
123 円形開口部、レバー側壁部
124 円形開口部、レバー側壁部
125 円形開口部、レバー側壁部
127 レバーハンドルの中の凹部
128 サイドプレートBの上の円形エンボス加工部
129 レバーハンドル
131 ラチェットホイール
132 ラチェットホイール歯
133 ラチェットホイールを通る開口部
134 ハブクロスバー
135 横断方向の開口部
136 ハブクロスバーの長軸線
137 制約されたハブクロスバー間のギャップ
138 センタークロス部材
139 縁部面
141 シャーシー枢動式歯止めブラケット
142 側壁部
143 歯
144 円形開口部
147 カットアウト
148 リリーフ縁部
149 代替的なシャーシー構成360のためのシャーシー枢動式歯止めブラケット
151 レバー枢動式歯止めブラケット
152 側壁部
153 歯
154 円形開口部
155 タブ
156 半穿孔(semi-pierced)エンボス加工部
158 縁部に沿った開口部
159 開口部
161 ライナー
162 立設支持部
163 円形開口部
164 親指縁部
165 隆起したエリア
166 隆起したエリア
168 トラベルの方向、サイドプレートA
169 アーム支持部
170 キャプチャーフレームアッセンブリ
171 サイドプレートA
172 サイドプレートB
1172 サイドプレートBの湾曲した縁部
173 スエージ加工された中央ショルダーピン
174 円形開口部サイドプレートB
175 自立型ポスト
176 スロット状開口部、サイドプレートA
1176 スロット状開口部の端部
177 オープンスロット、サイドプレートB
178 円形開口部、サイドプレートA
179 円形開口部、サイドプレートB
180 ロック位置、キャプチャーフレームアッセンブリ
181 アンロック位置、キャプチャーフレームアッセンブリ
182 開位置、キャプチャーフレームアッセンブリ
183 非拘束位置、キャプチャーフレームアッセンブリ
184 トラベルの方向、実施形態
185 トラベルの方向、レバー
186 トラベルの方向、レバー枢動式歯止めブラケット
187 トラベルの方向、シャーシー枢動式歯止めブラケット
188 トラベルの方向、サイドプレートA
189 トラベルの方向、ラチェットホイール/ハブクロスバー
190 ラチェットで誘発されたウェビング張力の解放を実行するためのトラベルの方向、レバー
191 スエージ加工された枢動ピン、シャーシー歯止めブラケット
192 スエージ加工された枢動ピン、レバー歯止めブラケット
193 スエージ加工されたピン、スプリングストップ
194 トーションスプリング、シャーシー枢動式歯止めブラケット
195 トーションスプリング、レバー枢動式歯止めブラケット
196 シムワッシャー
197 ワイヤーフォームロック
198 底部シールド
199 ウェビングガイド
201 代替的なシャーシー構成360のためのコイルスプリング
240 ウェビングのセクション
241 より低い張力をかけられたウェビングの下層のセクション
242 より高い張力をかけられたウェビングの上層のセクション
250 所定の長さのウェビング
251 縫い合わせられた端部ループを備えた所定の長さのウェビング
252 縫い合わせられた端部ループを備えた短い長さのウェビング
253 固定されたアンカー場所を表す円筒のセクション
254 固定されたアンカー場所を表す円筒のセクション
255 S字フック
256 固定端部構成
257 ループ構成
258 縫い付けられたS字フックを備えた長い長さのウェビング
259 固定されたアンカー場所を表す円筒のセクション
284 防止されるトラベルの方向、実施形態
300 代替的な実施形態
320 代替的なシャーシー構成を有する代替的な改良型ラチェット
360 代替的なシャーシー構成
380 キャプチャーフレームアッセンブリ170を組み込んだカムロックデバイス
400 現行技術の汎用スタイルのラチェットデバイス
402 シャーシー
403 シャーシー側壁部の中のノッチ
404 レバー
406 ラチェットホイール
408 ラチェットホイール歯
410 ハブクロスバー
412 シャーシースライド式ブラケット
414 レバースライド式ブラケット
416 スライド式ブラケットの平坦なブレード部分
418 レバーの偏心形状の端部
420 シャーシー側壁部スロット
422 レバー側壁部スロット
424 シャーシー側壁部の上の半径方向に隆起した縁部
426 対向するシャーシー側壁部の上のスロット間に形成された平面
427 対向するレバー側壁部の上のスロット間に形成された平面
428 第3のクロスバー
429 エンボス加工部
430 スプリング
431 縫い付けられたウェビング長さ
432 縫い付けられたフック
433 レバー端部偏心部とスライド式ブラケットのブレード端部との間の接触エリア
435 ハイブリッドシャーシー
434 縫い付けられたストラップ、先行技術デバイス
501 方向矢印
510 515とラベル付けされた力の大きさの半分である、誘発されたラチェット張力から生じる反力Fの方向および相対的な大きさを示す記号
515 51とラベル付けされた力の大きさの2倍である、誘発されたラチェット張力から生じる反力2Fの方向および相対的な大きさを示す記号
3000 代替的なキャプチャーフレーム
3010 S字形状のキャプチャーバー
3020 第1のキャプチャーノッチ
3030 第2のキャプチャーノッチ
3110 側壁部エンボス加工部
3175 フローティングポスト
3220 別個のキャプチャーリング
3210 クロスバー
3310 カムロック
3320 プレスエリア
[0064]特定の専門用語は、本明細書において便宜のためのみに使用されており、枢動式歯を含む改善されたラチェッティングデバイス(改良型ラチェット)のためのシステムおよび方法の実施形態についての限定として解釈されるべきではない。改良型ラチェットの多くの実施形態において、デバイスは、ラチェットホイールと接合する第1の枢動式歯を含む。これは、ラチェットホイールと接合するためにスライド式ブラケットを利用する多くの先行技術デバイスとは際立って対照的である。多くの実施形態において、第1の枢動式歯は、第1の枢動式ブラケットの上に装着されている。この第1の枢動式ブラケットは、第1の枢動式歯がラチェットホイールから離れるように枢動することを可能にし、改良型ラチェットの性能および摩耗の増加を結果として生じさせる。多くの実施形態において、デバイスは、ラチェットホイールと接合する第2の枢動式歯を追加的に含む。多くの実施形態において、第2の枢動式歯は、第2の枢動式ブラケットの上に装着されている。この第2の枢動式ブラケットは、第2の枢動式歯がラチェットホイールから離れるように枢動することを可能にする。枢動式ブラケットは、対応するレバーアームの上に装着されており、ブラケットひいては歯がラチェットホイールから離れるように回転することひいてはターンすることを可能にし、ストラップが張力をかけられることを提供する。追加的に、多くの実施形態において、ラチェットホイールの歯は、第1および第2の枢動式歯に対して丸みを帯びたおよび相補的な形状を有しており、レバーアームが第1の回転方向に移動されるときには、第1および第2の枢動式歯のうちの第1のものが後ろに屈曲してラチェッティングするようになっており、レバーアームが第2の回転方向に移動されるときには、第1および第2の枢動式歯のうちの第2のものが後ろに屈曲してラチェッティングするようになっている。このラチェッティングの方法論は、ラチェットホイールの湾曲した表面に追従し、第1のまたは第2の歯がラチェッティングするときに、それがラチェットホイールの上を滑らかにスライドし、ラチェットホイールの形状に沿って近似的に移動するようになっている。
【0026】
[0065]改良型ラチェットの実施形態は、多くの利点および特徴を有している。本明細書におけるいくつかの実施形態は、同様にサイズ決めされた現行技術のラチェットデバイスと比較されるときに、デバイスの張力誘発能力を事実上2倍にするラチェットデバイスを提供する。いくつかの実施形態は、ストラップのいずれかの端部へのアクセスを必要とすることなく、ストラップに沿った任意の場所でのデバイス取り付けおよび取り外しを可能にする。いくつかの実施形態は、ラチェットデバイスをストラップの上に取り付けて位置決めする前に、ストラップのルーティングを可能にする。いくつかの実施形態は、ストラップ端部におけるアンカーフックの使用を可能にするが、それを必要とはしない。現行技術のラチェットデバイスに見出されるものと同様の材料を使用する際に、いくつかの実施形態は、デバイスの荷重負担場所において、より耐久性のあるより損傷を起こしにくいインターフェースを提供する。いくつかの実施形態は、ストラップの除去を補助するためにストラップへの便利なアクセスを提供しながら、高い張力レベルを解放するのに適切な信頼性の高い張力解放アクションを与える。1つまたは複数の態様のこれらのおよび他の利益は、以下に続く説明および添付の図面の考慮から明らかになることとなる。
【0027】
[0066]
図1は、改良型ラチェット100の1つの実施形態を示している。
図1は、閉位置にある改良型ラチェット100の等角図を示している。
図1において、断面線Aが示されている。追加的に、ピン119が示されている。ピン119は、販売または輸送のために、改良型ラチェットを動作不可能な位置にロックするために使用されることができる。本質的に、ピン119は、歯止めブラケット141を適切な場所にロックし、それは、ラチェットホイール131がターンすることを防止し、デバイスの本体部の残りの部分に対して歯止めブラケット141をロックする。
【0028】
[0067]
図2aは、キャプチャーフレームアッセンブリおよびレバーが開位置にある状態の改良型ラチェット100の等角図を示している。矢印は、レバー、キャプチャーフレームアッセンブリ、レバー枢動式歯止めブラケット、シャーシー枢動式歯止めブラケット、2つのラチェットホイール、および2つのハブクロスバーに関して、相対的な移動の方向を示している。この図では、多数の重要な特徴を見ることができる。第1に、この図では、ラチェットシステムが、2つの枢動式/回転式ブラケットを有しており、1つは、トラベル186の方向に回転するものであり、1つは、トラベル187の方向に回転するものであるということを見ることができる。これらの2つのブラケット(シャーシー枢動式歯止めブラケット141およびレバー枢動式歯止めブラケット151)の回転は、デバイスの動作を大きく改良する。これは、それらの回転が、ラチェットホイール131に沿った滑らかなラチェッティング、および/または、ラチェットホイール131からの解放を提供するからである。これは、デバイスの有用性および性能を大きく向上させる。また、キャプチャーフレームアッセンブリ170をここで見ることができる。改良型ラチェットのこのパーツは、デバイスの動作にとって重要である。その理由は、それが、取り付けエリアを提供し、取り付けエリアは、平坦なストラップの端部に対する、または、平坦なストラップに沿った、固定されたおよび解放可能な相互接続を可能にし、平坦なストラップを結ぶ必要性なしにデバイスを使用する機会をユーザーに提供するからである。
図2bは、開位置にある改良型ラチェット100の別の図を示している。
【0029】
[0068]
図3は、改良型ラチェット100の分解図を示している。この図では、デバイスのさまざまな詳細を見ることができる。この図における多くのものが重要であり、そのうちのいくつかが、より詳細に下記に説明されることとなる。多くの重要な態様のうちの1つは、レバー枢動式歯止めブラケット151の歯153および枢動式歯止めブラケット141の歯143の形状に関係したラチェットホイール歯132の形状である。歯は、滑らかなおよび相補的な形状を有しており、それらが互いの上を滑らかにスライドすることを可能にする。追加的に、トーションスプリング194、195が、レバー枢動式歯止めブラケット151および枢動式歯止めブラケット141に回転張力および回転力を提供するために使用されるということに留意することが重要である。これらのスプリングは、当然のことながら、単に例示的なものに過ぎず、他のタイプおよび場所のスプリングも利用されることができる。たとえば、コイルスプリングは、枢動式ブラケット同士の間に位置付けされ、フレームに対してブレースされ、回転力を提供することが可能である。これは、単なる1つの例に過ぎず、多くのものが、当業者に思い付くこととなる。加えて、ここで示されているフォームファクターおよびそれらの相対的なサイズは、単に例示的なものに過ぎず、多くの異なる実施形態は、異なるサイズのピースおよび構成を利用することが可能である。
【0030】
[0069]
図4aは、改良型ラチェット100の開放図を示している。
図4bは、
図4aからのラチェットホイール131、ハブクロスバー134、2つのシムワッシャー196、2つのワイヤーフォームロック197、ならびに、レバーおよびシャーシー側壁部の部分を示しており、改良型ラチェット100は、
図36先行技術の先行技術ラチェットデバイスと同様であることとなる。フロント部分101’および102’は、改良型ラチェット100の中に実際には存在しないということに留意されたい。その理由は、これらのエリアがシャーシーの側壁部の一部を形成しているからである。追加的に、改良型ラチェット100は先行技術デバイスのようなラチェットホイールを有することが可能であるが、ギアリング/歯の形状は、先行技術デバイスに見出されない可能性がある。破線エリアは、共通していないパーツを描写するために示されているということに留意されたい。
図4cは、異なる視認角度からの
図4bの分解図を示している。
【0031】
[0070]
図5は、
図1に定義されているような長手方向平面AAを通る改良型ラチェット100の断面図を示している。レバー枢動式歯止めブラケット151は、部分的に開けられており、レバー121がフリースピンすることを可能にする。これは、示されている実施形態では、レバー121が、レバー枢動式歯止めブラケット151を介してラチェットホイールに対してブレースされることを明らかにする。レバー枢動式歯止めブラケット151が枢動されて離れるとき、レバー121は、ラチェットホイール131に対してフリースピンすることが可能である。追加的に、ラチェットホイールの詳細の視認性を改善するために、シャーシー側壁部の一部は、ラチェットホイールの近くにおいて切り取られている。示されているようなシャーシー枢動式歯止めブラケット141の位置は、ウェビングの中に誘発されたラチェット張力を保存する。シャーシー枢動式歯止めブラケット141は、シャーシー側壁部101、102がラチェットホイール131に対してフリースピンすることを防止する。ウェビングは、
図5に示されていない。
【0032】
[0071]
図6は、
図1に定義されているような長手方向平面AAを通る改良型ラチェット100の断面図を示している。レバー枢動式歯止めブラケット151は、レバーが回転させられるときに、ウェビングの中に張力を誘発するように位置決めされている。レバー枢動式歯止めブラケットの上の歯153は、ラチェットホイール131の上の周囲の上に存在している歯132に係合している。追加的に、ラチェットホイール131の詳細の視認性を改善するために、シャーシー側壁部の一部は、ラチェットホイールの近くにおいて切り取られている。示されているようなシャーシー枢動式歯止めブラケット141の位置は、ウェビングの中に誘発されたラチェット張力を保存する。ウェビングは、
図6に示されていない。
【0033】
[0072]
図7aおよび
図7bは、本実施形態において構成されているウェビングからの張力解放を開始するように位置決めされている改良型ラチェット100の等角図を示している。張力解放を実行するためのレバートラベルの方向も示されている。ウェビングは、
図7aまたは
図7bに示されていない。これらの構成において、レバー枢動式歯止めブラケット151は回転させられ、シャーシー枢動式歯止めブラケット141と係合され、レバー枢動式歯止めブラケット151が、ラチェットホイール131から離れるように回転させられた位置へシャーシー枢動式歯止めブラケット141を押し、シャーシー枢動式歯止めブラケット141が、レバー枢動式歯止めブラケット151を回転させられた位置に保持するようになっている。そのような構成では、ブラケットのいずれもラチェットホイール131と係合されておらず、ラチェットホイール131は、自由に回転することが可能である。
【0034】
[0073]
図8aおよび
図8bは、張力解放アクションの終わりにおける改良型ラチェット100の等角図を示している。レバー、シャーシー、およびレバー枢動式歯止めブラケットの相対的な位置に留意されたい。この位置では、レバー枢動式歯止めブラケット151は、ラチェットホイール131から離れるようにシャーシー枢動式歯止めブラケット141を移動させており、シャーシー枢動式歯止めブラケット141をラチェットホイールから係合解除している。ハブクロスバー134は、ここで、いずれの方向にも自由に回転することができ、本実施形態において構成されているウェビングがハブクロスバー134から容易に引き抜かれることを可能にする。ウェビングは、
図8aまたは
図8bに示されていない。
【0035】
[0074]
図9aおよび
図9bは、改良型ラチェット100が
図7aおよび
図7bのように位置決めされた状態の、
図1に定義されているような長手方向平面AAの等角図および断面図を示している。シャーシー枢動式歯止めブラケット歯143とラチェットホイール歯132との係合に留意されたい。また、歯の相補的な構造にも留意されたい。そこでは、歯132のボイドが、歯143によって完全に充填されている。ウェビングは、
図9aまたは
図9bに示されていない。
【0036】
[0075]
図10aおよび
図10bは、改良型ラチェット100が
図8aおよび
図8bのように位置決めされた状態の、
図1に定義されているような長手方向平面AAの等角図および断面図を示している。ラチェットホイール歯132からのシャーシー枢動式歯止めブラケット歯143およびレバー枢動式歯止めブラケット歯153の両方の完全な係合解除に留意されたい。レバー枢動式歯止めブラケット151は、シャーシー枢動式歯止めブラケット141が係合解除される前に、ラチェットホイール131から係合解除されている。シャーシー枢動式歯止めブラケット141をラチェットホイール131から係合解除するためのメカニズムとして、レバー枢動式歯止めブラケット151の後端部(タブ155)を使用することは、レバー枢動式歯止めブラケット151が最初に係合解除することとなるということを保証する。ウェビングは、
図10aまたは
図10bに示されていない。
【0037】
[0076]
図11aから
図11dは、4つの固有の位置(それぞれ、ロック位置、アンロック位置、開位置、および非拘束位置)にあるキャプチャーフレームアッセンブリを示している。図は、
図1に定義されているような長手方向平面AAを通る改良型ラチェット100の断面図を表している。キャプチャーフレームアッセンブリの中に構成されているウェビングは示されていない。
【0038】
[0077]
図12aから
図12dは、キャプチャーフレームアッセンブリの中に構成されている単一の層のウェビング240の追加を伴う等角図として示された
図11aから
図11dを繰り返している。これは、単一のストラップの固定端部構成(
図19)を代表することとなる。
図12dにおけるキャプチャーフレームアッセンブリは、いずれかの方向へのウェビングに沿った改良型ラチェット100の自由移動を可能にするということに留意されたい。
【0039】
[0078]
図13は、
図1に定義されているような長手方向平面AAを通る改良型ラチェット100の断面図を示している。本実施形態は、ウェビングのセクションに除去可能に固定されている。キャプチャーフレームアッセンブリは、ロック位置で示されている。本実施形態において構成されているウェビングの上層のセクションにおける張力が、ウェビングの下層のセクションにおける張力よりも大きくなっているときはいつでも、改良型ラチェット100は、矢印によって示されている方向にウェビングに沿って移動することを防止される。この事例では、より高い張力をかけられたウェビングがより低い張力をかけられたウェビングの上層にあるということが、キャプチャーフレームアッセンブリの中央ショルダーピンにおいて起こる。
【0040】
[0079]改良型ラチェットは、反対方向へのウェビングに沿った移動を妨げられない。反対方向への移動(または、移動の欠如)は、本実施形態の適正な動作にとって取るに足らないものである。厚いまたは硬いウェビングが本実施形態とともに使用される場合には、反対方向への移動は妨害される可能性がある。
【0041】
[0080]
図14aは、
図1に定義されているような長手方向平面AAを通る改良型ラチェット100の断面図を示している。本実施形態は、ウェビングに除去可能に固定されている。キャプチャーフレームアッセンブリは、ロック位置で示されており、ウェビングが、繋留されたアンカー構成(
図25)で改良型ラチェットの中に構成されている。ウェビングの自由端部は、ウェビングの荷重負担セクションと前方に位置決めされたスエージ加工された下側ショルダーピンとの間に捕捉されている。この構成では、本実施形態は、矢印によって示されている方向に移動することを防止される。より高い張力をかけられたウェビングがより低い張力をかけられたウェビングの上層にあるということが、スエージ加工された下側ショルダーピンにおいて起こり、ここでは、2つのスエージ加工された下側ショルダーピンの間に形成されたギャップを通って、繋留されたアンカーウェビングが、改良型ラチェットに進入および退出する。
【0042】
[0081]
図14bは、
図1に定義されているような長手方向平面AAを通る改良型ラチェット100の断面図を示している。本実施形態は、ウェビングに除去可能に固定されている。キャプチャーフレームアッセンブリは、ロック位置で示されており、ウェビングが、繋留されたアンカー構成で本実施形態の中に構成されており、ここで、ウェビングの自由端部は、ウェビングの荷重負担セクションと前方に位置決めされたスエージ加工された下側ショルダーピンとの間に捕捉されていない。この構成では、本実施形態は、矢印によって示されている方向にウェビングに沿って移動することを防止される。より高い張力をかけられたウェビングがより低い張力をかけられたウェビングの上層にあるということが、キャプチャーフレームアッセンブリの中央ショルダーピンにおいて起こる。
【0043】
[0082]
図15aから
図15hは、キャプチャーフレームアッセンブリによってウェビングのセクションに改良型ラチェット100を除去可能に固定する段階的な進行を描写する一連の等角図を示している。本実施形態のキャプチャーフレーム部分、ならびに、シャーシー側壁部AおよびBのフロント端部のみが示されている。
図15hおよび
図13に示されているように、キャプチャーフレームアッセンブリがロック位置にあるときに、矢印によって示されている方向へのウェビングに沿った改良型ラチェットの移動が防止される。
図15eおよび
図12dに示されているように、キャプチャーフレームアッセンブリが非制限位置にあるときに、ウェビングに沿ったいずれかの方向への本実施形態の移動が可能にされる。
【0044】
[0083]
図16aから
図16gは、ウェビングのセクションに改良型ラチェット100を除去可能に固定する段階的な進行を描写する一連の等角図を示している。ウェビングの端部へのアクセスは、改良型ラチェットをウェビングに固定する際に必要とされない。改良型ラチェットは、キャプチャーフレームアッセンブリによってウェビングに固定される。改良型ラチェットは、示されている進行を逆にすることによって、ウェビングから除去される。ウェビングから改良型ラチェットを除去するために、ウェビングにおける張力が、最初に解放されなければならない。
図16gは、ウェビングに固定されている改良型ラチェット、および、ロック位置にあるキャプチャーフレームアッセンブリを示しており、したがって、矢印によって示されている方向へのウェビングに沿った本実施形態の移動を防止する。
【0045】
[0084]
図17aから
図17dは、改良型ラチェット100のラチェット張力付与部分の中にウェビングを構成するための、および、その後に、ウェビングの中へ張力を誘発するために改良型ラチェットのレバーを使用するための、段階的な進行を描写する一連の等角図を示している。アンカー場所における反力2Fは、改良型ラチェット100のラチェット部分によって誘発される張力Fの2倍である。
【0046】
[0085]
図18aから
図18eは、改良型ラチェット100の中に構成されているウェビングから張力を解放するための段階的な進行を描写する一連の等角図を示している。張力解放アクションは、片手を必要とし、シャーシー枢動式歯止めブラケットとの嵌合位置にレバーおよびレバー枢動式歯止めブラケットを位置決めしながら、同時にレバー枢動式歯止めブラケットを親指ではじく。次いで、ウェビング張力解放が、レバーおよびシャーシーを引き寄せることによって達成される。レバーおよび2つの枢動式歯止めブラケットの幾何学形状によって与えられる機械的な利点は、数百ポンドの誘発されたウェビング張力を解放するためにわずかな力の入力のみを必要とし、すべてが片手を使用して容易に達成されるということである。
【0047】
[0086]
図19aから
図19iは、ストラップの上に改良型ラチェット100を固定するための段階的な進行を描写する一連の等角図を示しており、上記ストラップは、縫い合わせられたループを含有する1つの端部を有している。この進行は、固定端部構成を描写しており、その後に、改良型ラチェット100によって張力をかけられる。固定端部構成は、2つのアンカー場所の間の距離にわたるストラップから構成されており、ストラップは、それぞれのアンカー場所において何らかの様式で固着されている。現行技術のラチェットデバイスとは異なり、単一の除去可能に取り付けられたストラップが使用され、改良型ラチェット100がストラップの長さに沿った任意の場所に位置決めされることを可能にする。
【0048】
[0087]
図20aから
図20hは、所定の長さのウェビングの上に改良型ラチェット100を固定するための段階的な進行を描写する一連の等角図を示している。ウェビングのいずれの端部も、任意のタイプの処理(縫い付けられたフック、縫い合わせられた端部ループ、またはその他)を含有していない。この進行は、固定端部構成を描写しており、改良型ラチェット100が、2つのアンカー場所の間の距離にわたってウェビングの中へ張力を引き出すために使用されている。端部処理のない単一の取り外し可能なストラップを使用するこの構成は、現行技術のラチェットデバイスを使用して可能ではない。改良型ラチェット100は、ウェビングの長さに沿った任意の場所に取り付けられることができる。
【0049】
[0088]
図21aから
図21hは、縫い合わせられた端部ループを含有するストラップの端部の上に改良型ラチェット100を固定するための段階的な進行を描写する一連の等角図を示している。取り付けられたストラップを備えた本実施形態は、次いで、3つのアンカー場所にわたるループ構成で構成されている。本実施形態およびストラップは、
図19に使用されているものと同じであり、したがって、複数の構成を生成させる際の本実施形態の多用途性を図示している。現行技術のラチェットデバイスは、典型的に、固定端部またはループ構成のいずれかにおいてのみ機能するように製造されている。
【0050】
[0089]
図22aから
図22fは、所定の長さのウェビングの端部の上に改良型ラチェット100を固定するための段階的な進行を描写する一連の等角図を示している。ウェビングの端部は、端部処理を含有していない。取り付けられたウェビングを備えた本実施形態は、次いで、3つのアンカー場所にわたるループ構成で構成されている。本実施形態およびウェビングは、
図20において使用されるものと同じであり、したがって、さまざまな長さの相互交換可能なストラップを使用して複数の構成を生成させる際の本実施形態の多用途性を図示している。現行技術のラチェットデバイスは、それらがそれとともに製造される恒久的に取り付けられたストラップから独立して使用されることができない。
【0051】
[0090]
図23aから
図23hは、アンカー場所に固定された縫い合わせられた端部ループを含有する短いストラップに改良型ラチェット100を固定するための、および、その後に、恒久的に固着されたフックを含有する第2の長さのウェビングを使用して、2つのアンカー場所の間に固定端部構成を形成するための、段階的な進行を描写する一連の等角図を示している。短いストラップは、用途に最良に適している適当な長さにサイズ決めされることができる。改良型ラチェット100は、ストラップに沿った任意の場所において、短いストラップに取り付けられることができる。除去可能に取り付けられたストラップの使用は、ストラップおよび第1の実施形態の組み合わせが、そうでなければ縫い付けられたフックを含有する縫い付けられたストラップには不適切であることが判明し得るさまざまなアンカー場所に固定されることを可能にするということに留意されたい。このタイプの接続は、繋留されたアンカーと称される。
【0052】
[0091]
図24aから
図24hは、短いストラップがフックに除去可能に固定された状態の、
図23と同じシーケンスを示している。示されている構成は、先行技術ラチェットデバイス(
図35先行技術)によって主に使用される構成を複製しており、主な違いは、改良型ラチェット100がフックまたはより短いストラップのいずれかに恒久的に取り付けられておらず、したがって、他の構成において使用されるその能力を保存しているということである。
【0053】
[0092]
図25aから
図25fは、アンカー場所に繋留された短い長さのウェビングに改良型ラチェット100を固定するために、および、その後に、恒久的に固着されたフックを含有する第2の長さのウェビングを使用して、2つのアンカー場所の間に固定端部構成を形成するための、段階的な進行を描写する一連の等角図を示している。繋留されたアンカー取り付けは、アンカー場所に固定するときに高度の多用途性を与える。そのようなアンカー固定オプションは、恒久的に固着されたアンカーストラップを利用するラチェットデバイスの現行技術では利用不可能である。
【0054】
[0093]
図26aから
図26hは、固定端部構成を形成する2つの固定位置の間にその後にアンカー固定される、縫い合わせられた端部ループおよび2つの除去可能に固着されたS字フックを含有する所定の長さのウェビングに改良型ラチェット100を固定するための段階的な進行を描写する一連の等角図を示している。示されているシーケンスは、
図24に描写されているシーケンスと同様であるが、その差は、2つのストラップの代わりに、単一のストラップが使用されているということである。実施形態100のラチェット部分の中に誘発される応力は、現行技術のデバイスのものと同等であるが、アンカー場所における反力の大きさは、事実上2倍になっている(
図17d、
図35d先行技術)。これは、現行技術を上回る重要な利点を表している。
【0055】
[0094]
図27aから
図27eは、縫い合わせられた端部ループを含有するストラップに改良型ラチェット100を固定するための段階的な進行を描写する一連の等角図を示している。ストラップが改良型ラチェットに固定される前に、縫い合わせられた端部ループを含有する端部は、アンカーポイントの周りにルーティングされ、次いで、それ自身の上に折り返されている。縫い合わせられた端部ループおよびその上層のストラップの両方が、次いで、キャプチャーフレームアッセンブリによって固定される。改良型ラチェット100の底部から退出するストラップの自由端部は、改良型ラチェットのラチェット部分の中へ再導入される前に、第2の遠いアンカーポイントの周りにルーティングされる。
図19と比較して、この構成は、デバイスの中に構成されているストラップの荷重負担能力を事実上2倍にする。改良型ラチェット100は、ストラップの長さに沿った任意の場所に取り付けられることができる。
【0056】
[0095]
図28aから
図28fは、縫い合わせられた端部ループを含有するストラップに改良型ラチェット100を固定するための、および、その後に、恒久的に固着されたフックを含有する第2のストラップを使用して、2つのアンカー場所の間に固定端部構成を形成するための、段階的な進行を描写する一連の等角図を示している。この進行の初期のステップは、
図27のものと同様であるが、その違いは、短いストラップが繋留されたアンカーを形成しているということである。これは、繋留されたアンカーにおける荷重負担能力を犠牲にすることなく、繋留されたアンカーストラップのためにより軽量のウェビングを使用するオプションをユーザーに与える。しかし、他の図(
図27)において説明されているようなラチェットアクションの倍増効果は、この構成では働かないということに留意されたい。この構成は、現行技術のデバイスによって使用される典型的な構成と機能的に同様である。
【0057】
[0096]
図29aから
図29fは、短いストラップがフックを除去可能に固定した状態の、
図28と同じシーケンスを示している。この構成は、現行技術のデバイス(
図35先行技術)のラチェット張力付与能力およびアンカー構成に密接にマッチしている。しかし、単一の位置に制約される現行技術のデバイスとは対照的に、繋留されたアンカーは、ストラップに沿った本実施形態の選択的な設置を可能にする際に追加的な多用途性を提供する。一方の端部において縫い合わせられたループを備えた平坦なストラップを構成し、改良型ラチェット100の一方の端部にループを形成することによって、フックが、2つのフックを介して張力を提供するために使用されることができる。
【0058】
[0097]
図30aおよび
図30bは、開位置およびウェビングロック位置の両方における代替的な実施形態を示しており、ここで、実施形態100のキャプチャーフレームアッセンブリが、本実施形態をウェビングにロックするための「S字形状の」ワイヤーフォームと交換されている。実施形態100のキャプチャーフレームアッセンブリは、本実施形態をウェビングにロックするための「S字形状の」キャプチャーバー3010(または、ワイヤーフォーム)を備えた代替的なキャプチャーアッセンブリ3000と交換されている。示されている実施形態では、ワイヤーフォーム3000は、平坦なストラップ(ウェビング - 本明細書では、ウェビング、平坦なストラップ、平坦なストラップウェビングという用語は、すべて、改良型ラチェットの実施形態とともに使用される材料を説明するために使用され得るということに留意されたい)を受け入れるように、ならびに、その後に、S字形状のキャプチャーバー3010が干渉フィット配置によって第1のキャプチャーノッチ3020および第2のキャプチャーノッチ3030に対してブレースした状態の位置へ回転し、S字形状のキャプチャーバー3010を固定することを提供するように配向されている。追加的に、平坦なストラップが適用されるときに、平坦なストラップにかかる張力は、S字形状のキャプチャーバー3010をノッチの中に保持することとなる。
【0059】
[0098]
図31aおよび
図31bは、開位置およびウェビングロック位置の両方における代替的な実施形態を示しており、ここで、実施形態100のキャプチャーフレームアッセンブリは、ダイカストコンポーネントと交換されており、ダイカストコンポーネントは、本実施形態をウェビングにロックするために、および、フローティングポスト3175を適切な場所に保持するために、別個のキャプチャーリングおよび側壁部エンボス加工部3110を利用する。
図32aおよび
図32bは、開位置およびウェビングロック位置の両方における代替的な実施形態を示しており、ここで、実施形態100のキャプチャーフレームアッセンブリは、成形されたシートメタルパーツによって交換されており、成形されたシートメタルパーツは、本実施形態をウェビングにロックするために、別個のキャプチャーリング3220およびクロスバー3210を利用する。
【0060】
[0099]
図33は、改良型ラチェットのラチェット部分の代わりにキャプチャーフレームアッセンブリを備えたカムロック3310を組み込んだ代替的な実施形態の等角図を示している。カムロック3310は、スプリング荷重式のカムロックであり、ここでは、改良型ラチェットの代替的な実施形態から離れるように平坦なストラップにかかる引っ張り力が、カムロック3310が回転およびクランプすることを引き起こす。カムロック3310は、プレスエリア3320を介して解放可能である。
図34は、固定端部構成を形成するためにウェビングとともに構成されている、
図33からの代替的な実施形態の等角図を示している。
【0061】
[00100]
図39aは、以前に示されている改良型ラチェット100からのシャーシーパーツを示している。
図39bは、改良型ラチェット100からの既存のシャーシーパーツと単一のシャーシーパーツ109との可能な交換を示している。
図40は、代替的なシャーシー構成360からのシャーシー110、シャーシー歯止めブラケット149、およびシャーシー歯止めブラケット枢動ピン11、コイルスプリング201を示している。この構成は、シャーシーの側部同士を接続するための異なる方式を提供している。
【0062】
[00101]1つの実施形態では、改良型ラチェット100は、シャーシー側壁部A 101と、シャーシー側壁部B 102と(スエージ加工された下側ショルダーピン111および112によって互いに固着されて平行に保持されている)、レバー121と、2つのラチェットホイール131(ラチェットホイールは、周辺に位置付けされている複数の歯132を含有しており、センタークロス部材138を有している)と、断面に関して半円形形状を有する2つのハブクロスバー134と、2つのシムワッシャー196と、2つのワイヤーフォームロック197と、スエージ加工された枢動ピン191によってシャーシー側壁部に取り付けられているシャーシー枢動式歯止めブラケット141と、スエージ加工された枢動ピン192によってレバーに取り付けられているレバー枢動式歯止めブラケット151と、キャプチャーフレームアッセンブリ170とを含有しており、キャプチャーフレームアッセンブリ170は、2つのサイドプレートA 171およびB 172(ショルダーピン173をガイドするための湾曲したエリア1172を含む)と、スエージ加工された中央ショルダーピン173と、スエージ加工された下側ショルダーピン113(一緒になって、サイドプレートAをシャーシー側壁部Aに、および、サイドプレートBをシャーシー側壁部Bにそれぞれ固定している)とから構成されている。いくつかの場所では、ピン173は、第2のピンと称される。追加的に、サイドプレートAには、自立型ポスト175がスエージ加工されている。本明細書におけるいくつかの説明では、自立型ポスト175は、第3のピンと称され得る。これらの態様は、
図1、
図2a、
図2b、
図3に示されている。これらの態様のすべては、例示的なものであり、当業者に思い付くこととなるように、異なるパーツ(または、省略されたパーツ)とともに異なって配置されることができるということに留意することが重要である。たとえば、代替例では、ラチェットホイールは、同一でなくてもよく;異なる歯がそれぞれのものの上で利用されることができ、または、異なるサイズのホイールが利用されることもでき、ほとんどのケースでは、ホイールは、歯および歯を担持するブラケットと有用な方式で接合する。
【0063】
[00102]サイドプレートAは、スロット状開口部176を含有しており、スロット状開口部176は、中央のスエージ加工されたショルダーピン173の周りでのサイドプレートの回転変位および並進変位の両方を可能にする。サイドプレートBは、中央のスエージ加工されたショルダーピン173およびスエージ加工された下側ショルダーピン113のうちの1つによって、シャーシー側壁部Bにリジッドに固定されている。サイドプレートBは、プレートの縁部に沿ったオープンスロット177と、アーム支持部169とを含有している。
【0064】
[00103]トーションスプリング194は、シャーシー枢動式歯止めブラケット141を位置的に付勢し、ラチェットホイール131の周囲縁部面139との接触を維持している。トーションスプリング195は、レバー枢動式歯止めブラケット151を位置的に付勢し、ラチェットホイール131の周囲縁部面139との接触を維持している。スエージ加工された枢動ピン191は、シャーシー枢動式歯止めブラケット141のための取り付けおよび枢動手段を提供する。スエージ加工された枢動ピン192は、レバー枢動式歯止めブラケット151のための取り付けおよび枢動手段を提供する。追加的なピン193は、レバー枢動式歯止めブラケット151のためのハードストップとしての役割を果たし、また、レバー枢動式歯止めブラケットを位置的に付勢するスプリング195のためのスプリングストップとしての役割を果たす。追加的に、ライナー161が、レバー枢動式歯止めブラケット151の下に存在しており、それは、レバー枢動式歯止めブラケットと、レバー枢動式歯止めブラケットをレバー121に固定するピン192とによって制約されている。ライナー161は、レバー枢動式歯止めブラケット側壁部152の中で、枢動ピン192に沿ってスプリング195を左右方向に中央に置く。ハンドル129は、レバー121の自由端部に恒久的に取り付けられている。
図1、
図2a、
図2b、
図3。これらの説明において、シャーシー枢動式歯止めブラケット141およびレバー枢動式歯止めブラケット151は、枢動式ブラケットとして説明されているということに留意されたい。多くのケースでは、枢動式ブラケットは、改良型ラチェットのための効果的な技法であることが可能である。しかし、これらの枢動式ブラケットがそのようになっているということが、すべてのケースにおいて必要であるというわけではない。改良型ラチェットの多くの動作形態のための機能を実現するために、改良型ラチェットのそれぞれの側における歯を、ホイールに係合する位置から、ホイールに係合しない位置へ枢動させることが必要である。張力を提供するためにラチェッティングするときに、ラチェットの一方の側の歯は、ホイールの歯の上をスリップし、一方では、ラチェットの他方の側において、歯は、位置を保持する。次いで、レバーアームが離れて延在させられると、動作が反転し、それによって、ラチェットの他方の側の歯が、ホイールの歯の上をスリップし、一方では、ラチェットの第1の側において、歯は、位置を保持する。したがって、歯を担持するメカニズムは、回転式ブラケットであるということが絶対的に必要ということではなく、単に、ラチェットのそれぞれの側の歯がホイールと係合しておよびホイールとの係合から外れて回転することを可能にする構造体であることを必要とする。多くの構成において、一斉に移動する2セットの歯を有することが有用であるが、しかし、それに限定されないが、歯の数、歯のサイズ、ホイールの数、および、ホイールのサイズを変化させることを含む、歯およびホイールのさまざまな構成も使用されることができる。
【0065】
[00104]追加的に、ウェビングガイド199および底部シールド198は、選択されたスエージ加工されたショルダーピン同士の間にスナップフィットし、本実施形態を通してウェビングを方向付ける際に補助する。
図1、
図2a、
図2b、
図3。
【0066】
[00105]シャーシー枢動式歯止めブラケット141は、枢動ピン191によってシャーシー側壁部AおよびB 101、102に固定されており、枢動ピン191は、端部スエージ加工されており、または、シャーシー枢動式歯止めブラケット側壁部142のそれぞれの中の円形開口部144の中へ圧入されており、また、シャーシー側壁部AおよびB 101、102のそれぞれの中の円形開口部103を通って延在している。シャーシー枢動式歯止めブラケットの枢動アクションは、圧縮されたトーションスプリング194によって作動され、トーションスプリング194は、スエージ加工された枢動ピン191の上に位置決めされており、スプリング脚部は、スエージ加工された下側ショルダーピン111に押し当てられており、スプリング中央セクションは、シャーシー枢動式歯止めブラケット141の底部に押し当てられている。ラチェットホイール131およびシャーシー側壁部AおよびB 101、102によって境界を定められた範囲内において、シャーシー枢動式歯止めブラケット141は、いずれかの方向187に自由に回転することができる。
図1、
図2a、
図2b、
図3。
【0067】
[00106]キャプチャーフレームアッセンブリ170は、シャーシーの中に制約されている。キャプチャーフレームアッセンブリは、2つのサイドプレートA 171およびB 172と、スエージ加工された中央ショルダーピン173とから構成されており、スエージ加工された中央ショルダーピン173は、サイドプレートAの中のスロット開口部176を通してサイドプレートAをシャーシー側壁部A 101に移動可能に固定しており、また、サイドプレートBの中の円形開口部179を通してサイドプレートBをシャーシー側壁部B 102にリジッドに固定している。また、スエージ加工された下側ショルダーピン113は、サイドプレートBの中の円形開口部174を通してサイドプレートBをシャーシー側壁部Bにリジッドに固定している。それぞれのシャーシー側壁部AおよびBの中の円形開口部107、108は、スエージ加工されたショルダーピンを位置的に位置付けする。追加的に、自立型ポスト175は、サイドプレートの中の円形開口部178を通してサイドプレートAに恒久的に固着されている。
図1、
図2a、
図2b、
図3。
【0068】
[00107]サイドプレートA 171が、シャーシー側壁部AおよびBに対して前方位置に存在しているとき、サイドプレートAは、スエージ加工された下側ショルダーピン113の上に載っている。スエージ加工された下側ショルダーピンは、サイドプレートAがこの位置に留まるときにはいつでも、サイドプレートAの回転を防止する。スエージ加工された下側ショルダーピンがサイドプレートAの回転を防止するのと同時に、サイドプレートBの中のスロット開口部177は、サイドプレートAにスエージ加工された自立型ポスト175の自由端部を制約し、自立型ポストの前方移動に対して機械的な支持を提供し、自立型ポストの前方移動を防止する。キャプチャーフレームアッセンブリ170を含むコンポーネントのこの特定の構成は、キャプチャーフレームアッセンブリの閉位置またはロック位置180と考えられることとなる(
図11a)。
【0069】
[00108]サイドプレートA 171が、シャーシー側壁部AおよびBに対して後方位置に存在しているとき、サイドプレートの底部縁部は、スエージ加工された下側ショルダーピン113から係合解除されており、したがって、サイドプレートAの回転を許容する。サイドプレートAがスエージ加工されたショルダーピンから係合解除していることと同時に、サイドプレートAにスエージ加工された自立型ポスト175は、サイドプレートBの中のスロット状開口部177から係合解除する。キャプチャーフレームアッセンブリを含むコンポーネントのこの特定の構成は、キャプチャーフレームアッセンブリのアンロック位置181と考えられることとなる(
図11b)。
【0070】
[00109]この後方位置では、サイドプレートA(スエージ加工された中央ショルダーピン173によってシャーシー側壁部Aに移動可能に固定されている)は、180度を近似する変位にわたって、スエージ加工されたピンの周りに自由に回転することができる。
【0071】
[00110]アンロック位置181から、サイドプレートA 171がおおよそ140度回転168させられるとき、ウェビングは、2つの前方に位置決めされたスエージ加工された下側ショルダーピン112、113の間に形成されたギャップ114を通して、次いで、2つのスエージ加工された下側ショルダーピン113のうちの1つの間に形成されたギャップ115を通して挿入され、その後に、サイドプレートAにスエージ加工された自立型ポスト175の周りに位置決めされることができる。キャプチャーフレームアッセンブリを含むコンポーネントのこの特定の構成は、キャプチャーフレームアッセンブリの開位置182と考えられることとなる(
図11c、
図12c)。
【0072】
[00111]サイドプレートA 171がさらにおおよそ200度まで回転168させられるときに、改良型ラチェットは、今では、本実施形態において構成されているウェビングの長さに沿っていずれかの方向184に移動することができ、ウェビングは、サイドプレートAにスエージ加工された自立型ポスト175の周りで自由に移動する。キャプチャーフレームアッセンブリを含むコンポーネントのこの特定の構成は、キャプチャーフレームアッセンブリの非拘束位置183と考えられることとなる(
図11d、
図12d)。
【0073】
[00112]進行中の説明にしたがって(
図12c、
図12d)、ウェビングがキャプチャーフレームアッセンブリ170の中に構成された後に、改良型ラチェット100は、キャプチャーフレームアッセンブリをロック位置180(
図12a)に移動させることによって、改良型ラチェットの中に構成されているウェビングの上に位置的に制約されることができる。これは、サイドプレートAの中のスロット開口部176がスエージ加工された中央ショルダーピン173に対抗して停止するまで、改良型ラチェットから離れるように方向188にサイドプレートA 171を引き出し、次いで、改良型ラチェットのラチェット端部に向かう方向に、スエージ加工された中央ショルダーピンの周りにサイドプレートAを回転168させることを含む。サイドプレートAにスエージ加工された自立型ポスト175は、それがサイドプレートB 172の上の延在させられたアーム169と接触するときに、サイドプレートAの回転を停止させることとなる。このポイントにおいて、サイドプレートAは、次いで、サイドプレートAの中のスロット176がスエージ加工された中央ショルダーピン173によってもう一度停止させられるまで、改良型ラチェットのラチェット端部から離れる方向に、改良型ラチェットのフロントに向けてスライドさせられる。サイドプレートA 171がスロット状開口部の端部1176までスライドさせられた状態で、平坦なストラップは、適切な場所にロックされる。このアクションと同時に、サイドプレートAにスエージ加工された自立型ポスト175は、サイドプレートB 172の中のオープンスロット177の端部に対抗して停止することとなる。キャプチャーフレームアッセンブリをロック位置180に移動させるアクションは、サイドプレートBの上のオープンスロット177から外向きに延在するアーム支持部169によって補助される。アーム支持部は、サイドプレートA 171にスエージ加工された自立型ポスト175に対する物理的なストップとして作用する。このストップは、サイドプレートAの回転トラベルを制限する。
【0074】
[00113]ロック位置またはほぼロック位置において、改良型ラチェットの中に構成されているウェビングの中にその後に誘発される任意の張力は、キャプチャーフレームアッセンブリ170がハードストップまで移動することおよび/またはハードストップに対抗して保持されることをさらに誘発することとなるということに留意されたい。これらのハードストップは、サイドプレートAにスエージ加工された自立型ポストであり、それは、サイドプレートBの中のスロットの端部に対抗して停止されており、サイドプレートAの中のスロットの端部は、スエージ加工された中央ショルダーピンに対抗して停止されている(
図12a、
図15aから
図15f)。
【0075】
[00114]ウェビングが改良型ラチェットの中に構成されており、サイドプレートAがロック位置180(
図12a)に存在している状態で、矢印284(
図13、
図16g)によって示されている方向へのウェビングに沿った改良型ラチェットの移動が防止される。ラチェッティングアクションによってウェビングの中に誘発される張力は、キャプチャーフレームアッセンブリ170をロック位置に制約し、したがって、サイドプレートAをアンロック位置181(
図11b、
図12b)に移動させる不注意なまたは意図的な試みを防止することとなる。改良型ラチェットの中に構成されているウェビングから張力が解放されない限り、キャプチャーフレームアッセンブリは、アンロック位置181または開位置182(
図11c、
図12c)に移動されることができない。多くの実施形態において(そのうちのいくつかは、本明細書に示されている)、代替的な構造体が、キャプチャーフレームアッセンブリ170と置換されることができるということに留意されたい。そのうえ、キャプチャーフレームアッセンブリは、平坦なストラップウェビングを保持することが望ましい任意のシナリオにおいて、ラチェッティングデバイスの文脈の外側で展開されることができる。
【0076】
[00115]レバー121は、2つのハブクロスバー134によってシャーシー側壁部AおよびB 101、102に回転可能に固定されており、2つのハブクロスバー134は、レバー側壁部122の中の対向する開口部123、ならびに、シャーシー側壁部AおよびB 101、102の中の対向する開口部105を通って延在している。レバー側壁部は、シャーシー側壁部AおよびBに重なっており、シャーシー側壁部AおよびBは、両方のシャーシー側壁部をレバー側壁部122に対して内向きに位置決めする。また、2つのハブクロスバー134は、2つのラチェットホイール131を制約し、それぞれのラチェットホイールは、ラチェットホイール131の中の2つの中央に位置付けされている開口部133によって、ハブクロスバーの対向する端部に位置決めされている。ハブクロスバー134は、ラチェットホイール131の上のセンタークロス部材138によって、互いに位置的に分離されている。それぞれのラチェットホイール131は、レバー側壁部の内部に、ならびに、シャーシー側壁部Aおよびシャーシー側壁部Bの外部にそれぞれ位置決めされている。
図1、
図2a、
図2b、
図3。
【0077】
[00116]レバー121、2つのハブクロスバー134、および2つのラチェットホイール131は、2つのシムワッシャー196および2つのワイヤーフォームロック197によって、互いに、ならびに、シャーシー側壁部AおよびB 101、102に位置的に固定されている。シムワッシャー196は、レバー側壁部122のそれぞれの外部表面の隣に、両方のハブクロスバー134の対向する端部の上に位置決めされている。次いで、ワイヤーフォームロック197が、ハブクロスバー134のそれぞれの端部の中に位置付けされた横断開口部135を通して位置決めされ、その後に、ハブクロスバーからの脱落を防止するために変形させられる。
図1、
図2a、
図2b、
図3。
【0078】
[00117]2つのハブクロスバー134、2つのラチェットホイール131、および2つのワイヤーフォームロック197から構成されるグルーピングは、レバー121の側壁部開口部123の範囲の中に、ならびに、シャーシー側壁部AおよびB 101、102の側壁部開口部105の範囲の中に同時に保持されながら、ハブクロスバーの長軸線136の周りにいずれかの方向189に自由に回転することができる特異ユニットを形成する。また、レバー121は、ハブクロスバーの長軸線136の周りにいずれかの方向185に回転する。
図1、
図2a、
図2b、
図3。
【0079】
[00118]レバーハンドル129は、シャーシー側壁部AおよびB 101、102に固定された端部の反対側のレバー121の端部に恒久的に固着されている。レバー枢動式歯止めブラケット151は、枢動ピン192によって、レバー121に回転可能に固定されており、枢動ピン192は、端部スエージ加工されており、または、それぞれのレバー側壁部122の中の円形開口部125の中へ圧入されており、また、それぞれのレバー枢動式歯止めブラケット側壁部152の中の円形開口部154を通って延在している。ライナー161は、レバー枢動式歯止めブラケットの直ぐ下に存在している。ライナー161の上部表面の上の隆起したエリア165、166は、レバー枢動式歯止めブラケット151の上部表面に位置付けされている相補的な開口部159、および、縁部158に沿った開口部によって、ライナーを位置的に位置付けする。また、ライナー161は、ライナーの下側に存在している2つの立設支持部162のそれぞれの中に位置付けされている円形開口部163によって、枢動ピン192によって制約される。また、ライナー161の上の隆起したエリア165、166(レバー枢動式歯止めブラケット151の上部表面を通って延在している)は、ウェビング張力解放を開始するためにレバー枢動式歯止めブラケットを位置決めする際に、視覚的インジケーターとしての役割も果たす。トーションスプリング195は、枢動ピン192の上にフィットしており、ライナー161の立設支持部162によってピンの上に中心を置かれている。トーションスプリングの脚部は、ライナーの下側表面に押し当てられている。ピン193は、2つのレバー側壁部122のそれぞれの中の開口部124を通してレバー121に恒久的に固着されており、トーションスプリング195の中央部分のためのハードストップとしての役割を果たす。トーションスプリングは、2つのラチェットホイール131の上の周囲縁部面139に接触するように、歯の詳細部153(それぞれのレバー枢動式歯止めブラケット側壁部152の上に存在している)を付勢する。また、ピン193は、レバー枢動式歯止めブラケット151のためのハードストップとしての役割も果たし、それは、歯止めブラケットに利用可能な回転トラベルを制限し、レバー枢動式歯止めブラケットを回転方向に位置決めし、シャーシー枢動式歯止めブラケット141とのその後の係合を可能にする。2つの歯止めブラケットの間のこの係合は、改良型ラチェット100の中に構成されているウェビングからの張力の解放を開始するために必要とされる。ラチェットホイール131およびピン193によって設定されるハードストップによって決定される限界の中で、レバー枢動式歯止めブラケット151は、いずれかの方向186に自由に回転することができる。
図1、
図2a、
図2b、
図3。
【0080】
[00119]シャーシー側壁部AおよびB 101、102のそれぞれの中の円形開口部103によって、シャーシー歯止めブラケット枢動ピン191をハブクロスバー134の下方に位置決めすることは、高いウェビング張力においてシャーシー枢動式歯止めブラケット141をラチェットホイール131から係合解除するために要求される必要な力が容易に達成可能であることを保証する。これは、レバー121とシャーシー側壁部AおよびB 101、102との間の容易に管理可能な角度的な分離を結果として生じさせるウェビング張力解放の間に重要な利点をもたらす。
図7aから
図10b。
【0081】
[00120]最後に、改良型ラチェット100が閉位置(
図1)にある状態で、十分な長さのワイヤーまたはリジッドピン119が、シャーシー枢動式歯止めブラケット側壁部142の中の整合された開口部118、ならびに、シャーシー側壁部AおよびB 101、102の中の開口部117を通して挿入され、シャーシー側壁部AおよびBに対するシャーシー枢動式歯止めブラケット141の移動を防止することが可能である。これは、ラチェットホイール131をロックするための手段としての役割を果たし、ラチェットの張力をかけられた構成の不注意な張力解放または望まれない不正使用を防止する。
【0082】
[00121]多くの実施形態において、シャーシー側壁部A、シャーシー側壁部B、レバー、ラチェットホイール、サイドプレートA、サイドプレートB、シャーシー枢動式歯止めブラケット、およびレバー枢動式歯止めブラケットは、金属シートから製作され、ダイスタンプされ、その後に従来の工具プラクティスを使用して形成されることができるパーツである。さまざまなスチール合金およびテンパー(temper)が、任意の所与の実施形態サイズに適当であると決定されたコストおよび性能パラメーターに応じて利用されることができる。本明細書で描写されている改良型ラチェット100は、2.54cm(1インチ)幅のウェビング材料を利用することを意図している。しかし、改良型ラチェットは、他のウェビングサイズおよび他の負荷要件に対処するために、より大きくまたはより小さくスケーリングされることができる。
【0083】
[00122]レバーハンドル129、ライナー、および底部シールドは、成形された熱可塑性材料から適当に製作されることとなる。レバーハンドルに関して、レバーの端部をカプセル化するためのインサートモールドを作り出すための工具は、非常に耐久性のあるコスト効率の良いパーツを作り出すための実現可能な手段であることとなる。ウェビングガイドは、安価な押し出し工具によって製作され、適切な長さにカットされることができる。
【0084】
[00123]多くの実施形態において、2つのトーションスプリング194、195は、一般に製造されたコンポーネントであり、焼き戻しされたミュージックワイヤーまたはステンレススチールワイヤーのいずれかから製作されることができる。
【0085】
[00124]多くの実施形態において、スエージ加工されたショルダーピン、自立型ポスト、スエージ加工された端部枢動ピン、およびピンストップは、さまざまなスチール合金およびテンパーから機械加工されるかまたは鍛造されることができる。ここでの意図は、さまざまなコンポーネントを組み立てた後に、それぞれのショルダーピンの上の端部をスエージ加工することであることとなる。固定具または工具治具が、スエージ加工動作において補助するためのパーツを位置決めする際に利用されることができる。示されていないが、単一ピースのスエージ加工されたショルダーピンを2ピースの構成体(2次的な中空のスリーブの中へスライドされたショルダー部なしの真っ直ぐなシャフト状ピン)と交換することが容易に達成されることとなる。さまざまなオプションが、材料選択および製作技法の両方に関して存在する。
【0086】
[00125]追加的に、改良型ラチェットの中に描写されている枢動ピン191、192は、ロールピンであることが可能であり、ロールピンの端部は、現場での使用の間の脱落を防止するために組み立ての後にフレア状にされることができる。これは、より低コストの材料を利用するより高いウェビング張力において使用することをターゲットとした実施形態に適当であることとなる。ロールピンの上の端部をフレア状にすることは、嵌め合いパーツにおけるある程度の孔部の歪みに対処することとなり、ここで、レバー側壁部およびシャーシー枢動式歯止めブラケット側壁部の両方の中の孔部は、より高い負荷の下で変形する可能性がある。これは、より低コストの金属合金がレバーおよび枢動式歯止めブラケットの製作において利用される場合にも適当であることとなる。
【0087】
[00126]特定の実施形態の動作
[00127]
図6、
図17。改良型ラチェット100のレバー121が、レバーとシャーシー側壁部AおよびBとの間の角度的な分離を増加させる方向に、シャーシー側壁部AおよびB 101、102に対して回転185させられるときに、レバーに固定されているレバー枢動式歯止めブラケット151が、2つのラチェットホイール131のそれぞれの上の歯132に係合し、それぞれのシャーシー側壁部AおよびBの中の円形開口部105の中で、ラチェットホイールおよびハブクロスバー134がユニットとして回転することを引き起こす。シャーシー側壁部AおよびBに固定されているシャーシー枢動式歯止めブラケット141は、回転するラチェットホイール131の歯状のプロファイルに追従して前後に枢動する。レバー回転185の方向が逆にされるときに、シャーシー枢動式歯止めブラケット141は、今度は、2つのラチェットホイール131のそれぞれの上の特異歯132に係合し、ラチェットホイール131およびハブクロスバー134の回転を防止し、一方では、レバー121に固定されているレバー枢動式歯止めブラケット151は、前後に枢動し、2つの静止したラチェットホイール131の上のそれぞれの縁部プロファイルに自由に追従する。交互の方向185へのレバー121の回転は、ラチェッティングアクションを結果として生じさせ、ここで、両方のラチェットホイール131および両方のハブクロスバー134が、特異ユニットとして特異方向に回転する。
【0088】
[00128]シャーシー歯止め枢動ピン191に取り付けられているトーションスプリング194、および、レバー121に固定されたレバー歯止め枢動ピン192に取り付けられているトーションスプリング195の存在および配向は、シャーシー枢動式歯止めブラケットの上の歯の詳細部153、および、レバー枢動式歯止めブラケット151の上の歯の詳細部143を付勢し、ラチェットホイール131の歯状のプロファイルに沿って縁部面139との継続的な接触を維持するための原動力を提供する。
図2a、
図2b、
図3、
図6。
【0089】
[00129]
図11aから
図16gに示されているように、キャプチャーフレームアッセンブリ170は、ウェビング240の長さに沿った任意の場所に、しっかりと固定された位置に、改良型ラチェット100を除去可能に取り付けるために使用される。改良型ラチェット100をウェビングに取り付けるために、レバー121は、最初に開位置まで回転させられ、キャプチャーフレームアッセンブリ170を開位置182(
図2a、
図11c)までスライドおよび回転させることがそれに続く。
【0090】
[00130]ウェビング240の短いセクションが、それ自身の上に折り重ねられ、2つの前方に位置決めされたスエージ加工された下側ショルダーピン112、113の間のギャップ114を通して、改良型ラチェット100の底部の中へ挿入される。いくつかの場所では、ピン113は、第1のピンと称され、ピン112は、第4のピンと称される。ウェビングガイド199は、折り重ねられたウェビングの端部を上向きに方向付け、次いで、前方に位置決めされたスエージ加工された下側ショルダーピン113とスエージ加工された中央ショルダーピン173との間の第2のギャップ115を通過することとなる。本明細書におけるいくつかの場所では、ギャップ115は、アパーチャーでもあり、第1のギャップと称されることもできる。次いで、ユーザーは、現在では開位置182に存在している、サイドプレートA 171にスエージ加工された自立型ポスト175の下を通るように、ウェビングの折り畳まれたセクションを方向付ける。ウェビングの折り畳まれたセクションの中に形成された端部ループは、次いで、自立型ポスト175の端部の周りに位置決めされる。キャプチャーフレームアッセンブリ(今では、ウェビングの折り畳まれたセクションの端部ループを制約している)をロック位置180に戻すことは、ウェビング240のセクションの上に改良型ラチェット100を固定し、位置的にロックする(
図2b、
図12a~c、
図15a~h、
図16a~g)。
【0091】
[00131]ウェビングが、改良型ラチェット100のキャプチャーフレームアッセンブリ170の中に構成されており、キャプチャーフレームアッセンブリが、ロック位置180に存在しており、ウェビング242の上層のセクションが、ウェビング241の下層のセクションよりも大きな引張状態へと応力をかけられるとき、矢印284によって示されている方向へのウェビングに沿った実施形態の移動が防止される(
図13、
図14a、
図14b、
図15h、
図16g)。
【0092】
[00132]改良型ラチェット100をウェビング240のセクションに固着した後に、2つのスエージ加工された下側ショルダーピン112、113を通して余分なウェビングを引っ張り戻すことによって、ウェビングにおける弛みが除去されることができる。スエージ加工された下側ショルダーピンのそれぞれの滑らかな円筒状の形状は、ウェビングを保護しており、ウェビングにおける張力がラチェッティングアクション(
図2b)によって増加されるときに、ウェビングに対する損傷を防止する。
【0093】
[00133]改良型ラチェット100をウェビング240から除去するために、
図15aから
図15fおよび
図16aから
図16gに示されている取り付けプロセスが逆にされる。多くのシナリオにおいて、それらの少なくとも一部分と同様に、改良型ラチェットをウェビングから取り外す前に、ウェビングにおける張力が解放されなければならない(
図18aから
図18e)。
【0094】
[00134]ラチェット張力をストラップ251の中に誘発する1つの方法は、キャプチャーフレームアッセンブリ170によって改良型ラチェット100をストラップに取り付けることを含む。2つのアンカー場所の間の固定された距離にわたるストラップは、一方の端部が1つのアンカー場所253にしっかりと取り付けられており、他方の端部は、第2のアンカー場所254の周りにルーティングされ、改良型ラチェット100に戻される。ストラップのその端部は、その後に、改良型ラチェット100のラチェット部分によって制約され、張力をかけられる(
図19)。
【0095】
[00135]張力をストラップ252の中に誘発する別の方法は、キャプチャーフレームアッセンブリ170によって改良型ラチェット100をストラップに取り付けることを含む。そのストラップの一方の端部は、アンカー場所253に固定される。第2のストラップ258(第2のアンカー場所254に取り付けられた一方の端部を有する)は、その後に、第1のストラップ252に固定された改良型ラチェット100のラチェット部分によって制約され、張力をかけられる(
図23)。
【0096】
[00136]いずれの方法においても、改良型ラチェット100のラチェット部分が、張力をストラップの中に誘発するために利用される。
[00137]改良型ラチェット100のラチェッティング手段を利用するために、多くのシナリオにおけるストラップは、最初に本実施形態のラチェット部分の中へ導入されることができる。ストラップ250の端部(または、折り重ねられたセクション)が、改良型ラチェット100の上の2つのハブクロスバー134の間のギャップ137を通して挿入される(
図17a)。次いで、すべての弛みがストラップから除去されるまで、ウェビングがギャップを通して引き出される(
図17b)。その後の交互の方向185へのレバー121の回転は、ハブクロスバー134が特異方向に回転することを引き起こし、ハブクロスバーの上にウェビングを巻き付けることとなる(
図17c)。ウェビングがハブクロスバーの上に巻き付けられるとき、新しく巻き付けられるウェビングは、下層のウェビング層に重なり、ウェビングをハブクロスバーに固定することとなる。交互の方向へのレバーの回転は、所望のレベルの張力が実現されるまで継続される(
図17a~
図17d)。
【0097】
[00138]シャーシー枢動式歯止めブラケット141のそれぞれの側壁部142の上の特異歯143とそれぞれのラチェットホイール131の上の特異歯132との係合は、ストラップにおいて誘発された張力を保存し、ストラップから張力を解放して改良型ラチェット100からストラップを解放することとなる方向に、ハブクロスバー134およびラチェットホイール131が回転することを防止する(
図6)。
【0098】
[00139]ラチェッティングアクションは、ラチェットデバイスの上のレバー121がストラップ張力を誘発するために交互の方向185に回転させられるという点において、現行技術のラチェットデバイスと同様である。また、現行技術のラチェットデバイスにおけるスライド式ブラケットの上のブレード端部と同様の方式で、枢動式歯止めブラケット141、151の上の個々の歯エレメント143、153が、ラチェットホイール131の周囲に位置付けされている特異歯132に係合する(
図6)。レバーが回転させられるときに、レバー枢動式歯止めブラケット151の上の歯153とラチェットホイール132の上の歯とのこの係合は、ハブクロスバー134およびラチェットホイール131に回転189を誘発する。そして、シャーシー枢動式歯止めブラケットの上の歯153によって、ハブクロスバー134およびラチェットホイール131の逆方向への回転を防止する。
図6、
図17。
【0099】
[00140]レバー121の長さは、レバーが回転させられるときにかなりの量の張力がストラップの中に誘発されることを可能にするという機械的な利点を提供する。張力を誘発するラチェットアクションが完了すると、レバー121が回転させられて閉位置に戻される(
図17d)。サイドプレートB 172の上のエンボス加工部128は、レバーハンドル129の下側の中へ成形された相補的な凹部127に係合し、レバーを閉位置に解放可能に固定する(
図2a)。
【0100】
[00141]枢動式歯止めブラケット141、151の使用を通して、いくつかの利点が生じる。コンポーネント耐久性および歯係合の完全性の観点から、枢動式歯止めブラケット141、151は、現行技術のデバイスの劣ったスライド式ブラケットには利用不可能な利点をもたらす。これらの利点のうちの2つは、最小限のパーツの歪みおよび最小限のパーツのミスアライメントである。これらの利点は、枢動ピン191、192、枢動式歯止めブラケット側壁部142、152における折り目、および、関与する荷重負担コンポーネントの物理的な近接性の組み合わせられた相乗効果から生じる(
図6)。
【0101】
[00142]側壁部に沿った折り目、および、枢動式歯止めブラケット141、151の外向きに面する表面に沿った折り目は、歯止めブラケットにおける最も高い応力が遭遇される場所において剛性を生成させる。そして、製造上の視点から、折り目が場合によっては公差の責任であると考えられたとしても、両方の枢動式歯止めブラケット141、151における折り目は、ブラケット枢動ピン場所103、124から枢動式歯止めブラケット歯とラチェットホイール歯との間の接触エリアへの公差経路に存在していない。ラチェットホイール131および枢動式歯止めブラケット141、151の両方に関して、公差の積み重ねが、スタンプされた孔部からスタンプされた縁部の幾何学形状から生じる(それは、製造業者に利用可能な最も経済的で容易に達成可能な公差制御である)。枢動式歯止めブラケット141、151における折り目は、公差の責任を招くことなく強度および剛性を追加する。追加的に、枢動式歯止めブラケット141、151が摩耗するとき、現行技術では可能であるように、張力解放のための手段を破壊するリスクが少なくなる。
【0102】
[00143]現行技術のデバイスでは、レバーの偏心形状の端部、または、ラチェットデバイスの定格作業負荷においてもしくはその近くにおいて繰り返される張力解放を通してブレード端部の中に誘発される実際のカットのいずれかに対する摩耗は、スライド式シャーシーブラケットのトラベルを最終的に制限することとなり、ラチェットホイール歯からのスライド式ブラケットの係合解除がもはや可能でないようになっている。本明細書で説明されている改良型ラチェット100では、ラチェットホイール歯またはシャーシー枢動式歯止めブラケットのいずれかに対する摩耗は、張力解放の開始の前に、それらのコンポーネントが互いにより近くに移動することのみを結果として生じさせることとなる。
【0103】
[00144]以前に説明されたように、現行技術のラチェットデバイスにおけるスライド式ブラケットは、それらのスプリング制約部の周りにいくらか枢動することが可能であり、それは、典型的に、荷重負担ブレード端部における係合インターフェースから比較的に大きな距離だけ離れるように位置付けされている。これは、スライド式ブラケットの上の荷重負担ブレード端部に関して、ミスアライメントの可能性および損傷の可能性の両方を悪化させる。
【0104】
[00145]他方では、枢動式歯止めブラケット141、151は、外来の移動から著しく制約される。枢動ピン191、192は、荷重負担歯係合が起こる場所に近接しており、荷重負担歯132、143、153(
図6)の間のミスアライメントから生じる損傷の可能性を著しく減少させる。
【0105】
[00146]第2に、シャーシー枢動式歯止めブラケット141をシャーシー側壁部AおよびB 101、102に固定する枢動ピン191は、ラチェットホイール歯132とシャーシー枢動式歯止めブラケット141の対向する側壁部142の上のそれぞれの歯143との間の接触係合が同時に起こることを保証する。したがって、負荷のアンバランスは、事実上排除される。これを現行技術のラチェットデバイスと対比する(現行技術のラチェットデバイスでは、損傷を起こしやすい負荷のアンバランスが、ラチェットホイール歯とスライド式ブラケットブレード端部との間で蔓延している)。これは、レバー121、レバー枢動ピン192、およびレバー枢動式歯止めブラケット151についても同様に当てはまる。
【0106】
[00147]最後に、枢動式歯止めブラケット141、151の左右方向の移動は、レバー122の側壁部とシャーシー側壁部AおよびB 101、102との間に限られている。ラチェットホイール131は、枢動式歯止めブラケット141、151のために使用されるものよりも大きい厚さを有する材料から製作されることとなる。これは、それぞれの枢動式歯止めブラケット側壁部142、152の上の歯の詳細部143、153が、ラチェットホイール歯132と信頼性の高い接触を行うこととなるということを保証する。そのような配置は、枢動式歯止めブラケット141、151の製造から生じる折り目公差の問題が容易に対処されることを可能にする。
【0107】
[00148]改良型ラチェット100によって用いられるラチェッティングアクションは、ウェビングの中に張力を誘発するために使用される。ウェビング250、251は、本実施形態の中に限られているが、また、何らかの方式で、本実施形態から所定の距離だけ離れたアンカー場所に(または、その周りに)固定される。以前に述べられているように、固定端部構成256にある典型的な現行技術のラチェットデバイスは、デバイスに恒久的に固着された構成で使用される2つのストラップのうちの1つを有している。ウェビングをアンカー場所に固定することは、デフォルトでは、ラチェットデバイスを同じアンカー場所に固定することを意味する。改良型ラチェット100は、その構成で使用されるストラップに恒久的に固着されてはおらず、そうであるので、ストラップの上に本実施形態を位置決めするための、および、その後の張力付与のためにストラップ長さを構成するための、はるかに多様な手段を提供する(
図19から
図29)。
【0108】
[00149]
図18は、改良型ラチェット100の中に構成されているウェビング250から張力を解放するための段階的な進行を描写する一連の等角図を示している。開位置(
図5)に向けてレバー121を移動させながら、親指縁部164(
図3)の上の親指を使用して、レバー枢動式歯止めブラケット151を回転させることは、レバー枢動式歯止めブラケット151の後端部の上のタブ155および半穿孔エンボス加工部156が、シャーシー枢動式歯止めブラケット141の上部表面の上に位置付けされているカットアウト147に係合するための位置まで回転させられることを可能にする。レバー121の回転方向をわずかに逆にすることは、レバー枢動式歯止めブラケット151の上のタブ155および半穿孔エンボス加工部156がシャーシー枢動式歯止めブラケット141の中のカットアウト147に完全に係合することを可能にすることとなる。レバー枢動式歯止めブラケット151から親指を解放することは、スプリング付勢されたレバー枢動式歯止めブラケット151がシャーシー枢動式歯止めブラケット141のカットアウト147の上のリリーフ縁部148に対抗して着座することを許容する。このポイントにおいて、2つの枢動式歯止めブラケット141、151は、タブ-イン-スロット配置によってインターロックされる(
図7a、
図7bおよび
図9a、
図9b)。
【0109】
[00150]ここで、レバー121ならびにシャーシー側壁部AおよびB 101、102を引き寄せることによって、実際の張力解放が起こる。上記に説明されているように、レバー枢動式歯止めブラケット151がシャーシー枢動式歯止めブラケット141と係合された状態で、シャーシー側壁部AおよびBに向けたレバーの移動は、レバー枢動式歯止めブラケット141がシャーシー枢動式歯止めブラケット151をラチェットホイール131から離れるように移動させることを引き起こし、それぞれのシャーシー枢動式歯止めブラケット側壁部143の上の歯をそれぞれのラチェットホイール131の上の係合されている歯132から係合解除することとなる(
図10a、
図10b)。
【0110】
[00151]レバー枢動式歯止めブラケット151がラチェットホイール131から以前に係合解除された状態になっており(
図5、
図9b)、今では、シャーシー枢動式歯止めブラケット141がラチェットホイール131から係合解除された状態になっているので、ハブクロスバー134およびラチェットホイール131の回転移動を防止するための手段がない状態のままになっている(
図10b)。ウェビングの中の既存の張力は、前のラチェッティングアクションとは反対の方向にハブクロスバーおよびラチェットホイールが回転することを引き起こし、したがって、貯蔵されている張力をウェビングから解放することとなる。レバーおよび2つの枢動式歯止めブラケットの幾何学形状によって与えられる機械的な利点は、数百ポンドの誘発されたウェビング張力を解放するためにわずかな力の入力のみを必要とする。解放アクション全体は、最初から最後まで、片手を使用して容易に達成される。
【0111】
[00152]
図8a、
図8bおよび
図10a、
図10bは、現行技術のラチェット張力付与デバイス(ラチェット張力付与および張力解放のためにスライド式ブラケットを利用する)と改良型ラチェット100(枢動式歯止めブラケット141、151を利用する)との間の大きな相違を明らかにする。他のどこかで説明されているように、スライド式ブラケット現行技術のラチェットデバイスから張力を解放することは、とりわけフラストレーションの溜まるものになる可能性がある。このフラストレーションの主な誘因は、スライド式ブラケットラチェットデバイスにおけるレバーが張力解放を実行するためにおおよそ170°開かなければならないということである(
図36先行技術)。張力解放において、レバーは、デバイスシャーシーに向かうのではなく、デバイスシャーシーから回転方向に離れるように移動している。より高い張力レベルにおいて、誘発されたウェビング張力を解放するためにレバーに係合している間にラチェットデバイスが物理的に拘束されていない場合には、ウェビング張力解放スキームにおけるレバーアクションに与えられる機械的な利点が損なわれる。したがって、先に言及された弓矢装置の類似性。
【0112】
[00153]ラチェットで誘発されたウェビング張力を改良型ラチェット100から解放するときに、レバー121は、シャーシーから離れるのではなくシャーシー101に向けて移動させられる(
図7a)。これは、ユーザーにとって改善された人間工学的な配置を生成させ、また、現行技術のデバイスと比較されるときに大きな利点を生成させる。ウェビング張力を解放する際に、レバー121およびシャーシー側壁部AおよびB 101、102は押し離されるのではなく引き寄せられるので、レバー121によって与えられる機械的な利点に対する妥協は事実上排除される。レバーならびにシャーシー側壁部AおよびBの中の力は、自己完結されており、無限の様式で互いに離れるように移動するのではなく、小さな角度的変位を通して互いに向けて移動する(
図18c、
図18d、
図18e)。
【0113】
[00154]解放された状態において、ハブクロスバー134は、いずれかの方向189に自由に回転することができ、改良型ラチェット100の中に構成されているウェビングがハブクロスバー134から容易に引き抜かれることを可能にする。ハブクロスバー134の周りのエリアは、遮るものがなく、改良型ラチェット100からウェビングを除去するときに便利なアクセスを可能にする。
図10b、
図18e。
【0114】
[00155]ラチェットで張力をかけられたストラップ構成から貯蔵されたエネルギーを解放することは、かなりの出来事である可能性がある。エネルギーの解放からの反動は、かなりのものである。現行技術のスライド式ブラケットベースのラチェット設計において張力解放を実行するためのレバートラベルの直感に反する方向は、容易にユーザーを危険にさらす可能性がある。数百ポンドの貯蔵されたエネルギーの解放を実行するためにレバーを押さなければならないということは、控えめに言っても危険なものである。解放の瞬間において、ユーザーは、ラチェットデバイスがどこに移動するかについてほとんど制御できない。デバイスは、文字通りジャンプする。現行技術において一般的なデバイスからウェビング張力を解放しようとする際に、身体的外傷の多くの事例が発生している。これは、特に、現在置かれている環境の閉ざされた範囲によってラチェットデバイスへのユーザーアクセスが制限されるときに、起こり得る。ここで、短いウェビングセグメントを介してアンカー固定フックに縫い合わせられることによるラチェットデバイスの設置についての位置的制限は、状況を大きく悪化させる。
【0115】
[00156]これを改良型ラチェット100と対照させると、改良型ラチェット100は、ウェビング張力を解放するために小さな角度的変位を通してレバーをシャーシーに移動させる、より安全ではるかに自然な手段を可能にする(
図7a、
図8a)。
【0116】
[00157]レバー枢動式歯止めブラケット151のタブ155の上の半穿孔エンボス加工部156は、張力解放の間の追加的なセーフガードを提供する。半穿孔エンボス加工部は、シャーシー枢動式歯止めブラケットの中のカットアウトリリーフ148の縁部に引っ掛かることとなり、反動エネルギーの多くを吸収し、一方では、シャーシー枢動式歯止めブラケット151からのレバー枢動式歯止めブラケット141の係合解除も防止する(
図10a、
図10b)。そのうえ、上記に説明されているような解放アクションは自己完結されており、片手で保持され、ハンドアクションのみに限られており、押すことは伴わない。これは、張力解放事象にユーザーを制御させるのではなく、ユーザーが張力解放事象を制御することを可能にする。
【0117】
[00158]軟質金属ダイカストレバーを利用する現行技術のラチェットデバイスは、レバー端部偏心部に起こる過度の摩耗を受けやすい。とりわけ、定格負荷限界に近いウェビング張力において、薄いスタンプされたシートメタルレバーを利用する現行技術のラチェットデバイスは、レバー端部偏心部の変形、または、レバー端部偏心部がシャーシースライド式ブラケットの上のブレード端部に切り込むことのいずれかの影響を受けやすい。これらのケースでは、張力解放を作動させるためのレバー端部偏心部の能力は、容易に損なわれ、デバイスを使い物にならなくする可能性がある。
【0118】
[00159]改良型ラチェット100におけるウェビング張力解放の開始時に、枢動式歯止めブラケット歯143、153およびラチェットホイール歯132の上に起こる摩耗は、レバー121とシャーシー側壁部AおよびB 101、102との間の分離の角度がわずかに減少することを引き起こすこととなる。これは、より高い張力レベルにおいても、張力解放に影響を与えるための本実施形態の能力を損なうこととはならない。したがって、ユーザーフレンドリーな解放アクションは、コンポーネント摩耗が本実施形態の寿命の全体を通して起こるときにも、信頼性高く効果的なままであることとなる。
図7aから
図10b。
【0119】
[00160]
図5は、フリースピン状態の改良型ラチェット100を描写している。フリースピンは、ハブクロスバー134およびラチェットホイール131に係合することなく、レバー121がいずれかの方向185に回転させられることを可能にし、それは、そうでなければ、ウェビングの中にラチェット張力を誘発することとなる。
図18における進行の第1のパーツは、改良型ラチェット100をフリースピン状態に位置決めするためのステップを描写している。フリースピンは、レバー枢動式歯止めブラケット151をラチェットホイール131から離れるように回転186させ、レバー枢動式歯止めブラケット151の上の歯153をラチェットホイール131の上の歯132から係合解除することによって可能にされる。フリースピンは、2つの目的を果たす。第1の目的は、
図7aおよび
図7bに示されているように、ウェビング張力解放を開始するためのレバー121およびレバー枢動式歯止めブラケット151の位置決めを可能にすることである。第2の目的は、
図5に示されているように、ウェビングの中に張力をラチェッティングするときに、より好ましい位置へのレバー121の再位置決めを可能にすることである。これは、より高いウェビング張力レベルにおいてとりわけ重要なものである。
【0120】
[00161]改良型ラチェットの構成
[00162]
図19から
図29は、ウェビングおよびストラップを構成する際に改良型ラチェット100を使用するさまざまな進行を描写している。図は、一目瞭然のものであり、有用性の観点から改良型ラチェット100の多用途性を明らかにする。そのような多用途性は、今日の技術分野において普及しているラチェットデバイスにおいて比類のないものである。
【0121】
[00163]
図19aおよび
図19bにおいて、ループ状の端部を有する平坦なストラップが、平坦なストラップをループ状の端部に通すことによって、アンカー位置253に固着されて示されている。その構成は、
図19cでは、きつく引っ張られている。
図19dでは、平坦なストラップ251の一部分が、改良型ラチェット100の前方で二重にされている。次いで、平坦なストラップの二重にされた部分は、
図19eにおいて、スエージ加工された下側ショルダーピン113とショルダーピン173との間のスペースに通されている。
図19fでは、二重にされた部分は、次いで、自立型ポスト175の周りに設置される。
図19gでは、改良型ラチェット100は、自立型ポスト175がオープンスロット177の中へ回転させられるまで(そのポイントにおいて、平坦なストラップは適切な位置に保持される)、平坦なストラップ251の上下にスライドさせられることができる。次いで、平坦なストラップ251の反対側端部は、アンカー位置254の周りにおよび改良型ラチェットの中へ通され、
図19hおよび
図19iにおいてきつくラチェッティングされる。
【0122】
[00164]同様の手順が、
図20a~
図20hにおいて使用され、
図20a~
図20hでは、ループ状の端部の平坦なストラップを有する代わりに、ループ状でない平坦なストラップ250が使用される。この構成では、平坦なストラップ250は、アンカー場所253の周りにループ状にされる。次いで、
図20bにおいて、平坦なストラップの2つの層が、両方とも一緒に二重にされ、次いで、
図20cにおいて、スエージ加工された下側ショルダーピン113とショルダーピン173との間のスペースを通される。
図20dにおいて、二重にされた部分は、次いで、自立型ポスト175の周りに設置される。
図20eにおいて、改良型ラチェット100は、自立型ポスト175が
図20fにおいてオープンスロット177の中へ回転させられるまで(そのポイントにおいて、平坦なストラップは適切な位置に保持される)、平坦なストラップ251の上下にスライドさせられることができる。次いで、平坦なストラップ251の反対側端部は、アンカー位置254の周りにおよび改良型ラチェットの中へ通され、
図20gおよび
図20hにおいてきつくラチェッティングされる。
【0123】
[00165]
図21a~
図21hの構成では、平坦なストラップ251が、改良型ラチェット100に固定される。
図21bにおいて、平坦なストラップ251のループ状の端部が、
図21cにおけるスエージ加工された下側ショルダーピン113とショルダーピン173との間のスペースを通される。
図21dにおいて、ループ部分は、次いで、自立型ポスト175の周りに設置される。
図21eおよび
図21fにおいて、自立型ポスト175は、
図20fにおけるオープンスロット177の中へ回転させられ、そのポイントにおいて、自立型ポスト175は適切な位置に保持される。次いで、平坦なストラップ251の反対側端部は、アンカー位置253、254、259の周りにおよび改良型ラチェットの中へ通され、
図21gおよび
図21hにおいてきつくラチェッティングされる。
【0124】
[00166]
図22a~
図22hの構成では、平坦なストラップ250が、改良型ラチェット100に固定される。
図22aにおいて、平坦なストラップは、ループ状にされる/折り畳まれる。
図22bにおいて、平坦なストラップ251のループ状の端部は、
図22cにおけるスエージ加工された下側ショルダーピン113とショルダーピン173との間のスペースに通される。
図22dにおいて、ループ部分は、次いで、自立型ポスト175の周りに設置される。
図22eおよび
図22fにおいて、自立型ポスト175は、
図20fにおけるオープンスロット177の中へ回転させられ、そのポイントにおいて、平坦なストラップは適切な位置に保持される。次いで、平坦なストラップ251の反対側端部は、アンカー位置253、254、259の周りにおよび改良型ラチェットの中へ通され、
図22gおよび
図22hにおいてきつくラチェッティングされる。
【0125】
[00167]
図23aおよび
図23bにおいて、ループ状の端部を有する平坦なストラップが、平坦なストラップをループ状の端部に通すことによって、アンカー位置253に固着されて示されている。その構成は、
図23cでは、きつく引っ張られている。
図23dでは、平坦なストラップ251の一部分が、改良型ラチェット100の前方で二重にされている。次いで、平坦なストラップの二重にされた部分は、
図23eにおいて、スエージ加工された下側ショルダーピン113とショルダーピン173との間のスペースに通されている。
図23fでは、二重にされた部分は、次いで、自立型ポスト175の周りに設置される。
図23gにおいて、自立型ポスト175は、オープンスロット177の中へ回転させられ、そのポイントにおいて、平坦なストラップは適切な位置に保持される。
図23hにおいて、第2の平坦なストラップ258が、アンカー場所254に引っ掛けられ、次いで、改良型ラチェット100の中へラチェッティングされる。
【0126】
[00168]
図24aおよび
図24bにおいて、ループ状の端部を有する平坦なストラップが、平坦なストラップをループ状の端部に通すことによって、フック255に固着されて示されている。その構成は、
図23cでは、きつく引っ張られており、フックは、アンカー場所253の周りに引っ掛けられている。
図24dでは、平坦なストラップ251の一部分が、改良型ラチェット100の前方で二重にされている。次いで、平坦なストラップの二重にされた部分は、
図24eにおいて、スエージ加工された下側ショルダーピン113とショルダーピン173との間のスペースに通されている。
図24fでは、二重にされた部分は、次いで、自立型ポスト175の周りに設置される。
図24gにおいて、自立型ポスト175は、オープンスロット177の中へ回転させられ、そのポイントにおいて、自立型ポスト175は適切な位置に保持される。
図24hにおいて、第2の平坦なストラップ258が、アンカー場所254に引っ掛けられ、次いで、改良型ラチェット100の中へラチェッティングされる。
【0127】
[00169]
図25a~
図25hでは、ループ状の端部平坦なストラップを有する代わりに、ループ状でない平坦なストラップ250が使用される。この構成では、平坦なストラップ250は、アンカー場所253の周りにループ状にされる。次いで、
図25bにおいて、平坦なストラップの2つの層が、両方とも一緒に二重にされ、次いで、
図25cにおいて、スエージ加工された下側ショルダーピン113とショルダーピン173との間のスペースを通される。
図25dにおいて、二重にされた部分は、次いで、自立型ポスト175の周りに設置される。
図25eにおいて、自立型ポスト175は、オープンスロット177の中へ回転させられ、そのポイントにおいて、平坦なストラップは適切な位置に保持される。次いで、第2の平坦なストラップ258は、アンカー位置254の周りにおよび改良型ラチェットの中へ引っ掛けられ、
図25fにおいてきつくラチェッティングされる。
【0128】
[00170]
図26aおよび
図26bにおいて、ループ状の端部を有する平坦なストラップが、平坦なストラップをループ状の端部に通すことによって、フック255に固着されて示されている。その構成は、
図23cでは、きつく引っ張られており、フックは、アンカー場所253の周りに引っ掛けられている。
図26dでは、平坦なストラップ251の一部分が、改良型ラチェット100の前方で二重にされている。次いで、平坦なストラップの二重にされた部分は、
図26eにおいて、スエージ加工された下側ショルダーピン113とショルダーピン173との間のスペースに通されている。
図26fでは、二重にされた部分は、次いで、自立型ポスト175の周りに設置される。
図26gにおいて、自立型ポスト175は、オープンスロット177の中へ回転させられ、そのポイントにおいて、平坦なストラップは適切な位置に保持される。
図26hにおいて、平坦なストラップ251は、フック255の周りにループ状にされ、それは、アンカー場所254に引っ掛けられ、次いで、改良型ラチェット100の中へラチェッティングされる。
【0129】
[00171]
図27aおよび
図27bにおいて、平坦なストラップ251のループ状の端部は、平坦なストラップと重ねられ、次いで、スエージ加工された下側ショルダーピン113とショルダーピン173との間のスペースを通される。
図27cでは、二重にされた部分は、次いで、自立型ポスト175の周りに設置され、残りの平坦なストラップは通過させられる。
図27dにおいて、自立型ポスト175は、オープンスロット177の中へ回転させられ、そのポイントにおいて、平坦なストラップは適切な位置に保持される。
図27eにおいて、ウェビング251は、アンカー場所253およびアンカー場所254の周りに通され、改良型ラチェット100の中へ戻され、きつくラチェッティングされる。上向きおよび下向きへの力515は、平坦なストラップのそれぞれのエリアにおける力510の2倍である。
【0130】
[00172]
図28aおよび
図28bにおいて、平坦なストラップ252のループ状の端部は、それ自身と重ねられ、アンカーポイント253の周りに巻かれ、次いで、スエージ加工された下側ショルダーピン113とショルダーピン173との間のスペースを通される。
図28cにおいて、二重にされた部分は、次いで、自立型ポスト175の周りに設置される。
図28dにおいて、自立型ポスト175は、オープンスロット177の中へ回転させられ、そのポイントにおいて、平坦なストラップは適切な位置に保持される。
図28eにおいて、ウェビング258は、アンカー場所254の周りに引っ掛けられ、改良型ラチェット100の中へ通される。
図28fにおいて、ウェビングは、きつくラチェッティングされる。
【0131】
[00173]
図29aおよび
図29bにおいて、平坦なストラップ252のループ状の端部は、それ自身と重ねられ、アンカーポイント253につり下げられているS字フック255の周りに巻かれ、次いで、平坦なストラップは、スエージ加工された下側ショルダーピン113とショルダーピン173との間のスペースを通される。
図29cにおいて、二重にされた部分は、次いで、自立型ポスト175の周りに設置される。
図29dにおいて、自立型ポスト175は、オープンスロット177の中へ回転させられ、そのポイントにおいて、平坦なストラップは適切な位置に保持される。
図29eにおいて、ウェビング258は、アンカー場所254の周りに引っ掛けられ、改良型ラチェット100の中へ通される。
図28fにおいて、ウェビングは、きつくラチェッティングされる。
【0132】
[00174]多くの現行技術のラチェットデバイス(恒久的に取り付けられたフックを有している)は、デバイスの近くにフックを位置付けする。限られた地域(quarters)にアンカー固定されるときに、ラチェットレバーの動作は、非常に困難になる可能性がある。とりわけ重要なものは、ストラップが使用のために位置決めされた後に、改良型ラチェット100をストラップセットアップの中へ追加する能力である。恒久的に取り付けられたラチェットデバイスのサイズおよび重量に対処する必要なしに、ストラップとともに作業することは、はるかに容易であることが多い。
【0133】
[00175]改良型ラチェット100は、ラチェットデバイスの景観を完全に変更するものである。ラチェットデバイスは、具体的には、固定されたストラップの中へ高レベルの張力を誘発することを意図している。キャプチャーフレームアッセンブリ170によって可能にされる単一のストラップ固定端部構成256(
図19)は、デバイスのラチェッティングアクションの張力付与能力を事実上2倍にする(
図17d)。この能力は、単独で、サイズに関してより小さく、重量に関してより軽いラチェットデバイスの製作を可能にし、それは、より大きくてより重い現行技術のデバイスの性能と同等であるかまたはそれを超える。
【0134】
[00176]ストラップの長さに沿った任意の場所においてラチェットデバイスを容易に調節可能に位置決めする能力(
図12d)、手元にあるタスクに相互交換可能におよび具体的に適したストラップを使用する能力、固定端部256構成またはループ257構成の間で選択的に切り換える能力、どのようなアンカー状況が提示されても信頼性高く固定する能力を有することと組み合わせられて、すべてが、本明細書において提示されている本実施形態の高度の能力を証明する。
【0135】
[00177]
図30aから
図32bは、改良型ラチェット100のキャプチャーフレームアッセンブリ170の機能的な属性を複製するためのさまざまな手段を利用する代替的な実施形態を描写している。
【0136】
[00178]
図38aおよび
図38bは、デバイスに縫い合わせられた短い長さのウェビングによって現行技術のスタイルのラチェットデバイスに恒久的に接続されている、キャプチャーフレームアッセンブリ170を組み込んだハイブリッドシャーシー435から構成された代替的な実施形態を描写している。いくらか扱いにくいが、本実施形態は、現行技術のラチェットデバイスを適宜修正することは、キャプチャーフレームアッセンブリ170による新しい技術において可能になったウェビング構成の多くを可能にすることとなるということを示している。
【0137】
[00179]
図33および
図34に示されているような実施形態380は、キャプチャーフレームアッセンブリ170をカムロックスタイルのウェビング張力付与デバイスの中へ組み込んでいる。具体的にはラチェットデバイスではないが、本実施形態は、張力付与デバイスであり、どのように典型的なカムロックデバイスがキャプチャーフレームアッセンブリによって改善され得るかということを示している。
【0138】
[00180]キャプチャーフレームアッセンブリ170のいくつかの実施形態において、デバイスは、ラチェットを備えない、または、より伝統的なラチェットを備えた代替的な構成において使用されることができる。キャプチャーフレームアッセンブリ170は、さまざまな文脈において使用可能である。
【0139】
[00181]改良型ラチェットの実施形態は、多くの文脈において、ウェビングの平坦なストラップの文脈において展開されているが、ラチェッティングレバーアームおよび回転式ブラケットの原理および設計は、平坦なストラップを含まないさまざまな文脈において展開されることができる。追加的に、いくつかの文脈では、平坦なストラップにかかる張力を解放するためのブラケットの回転嵌合は、可能にされる必要はなく、ユーザーは、平坦なストラップを解放するために、一斉にまたは別個にブラケットを押すことを要求される可能性がある。これは、利便性が低い可能性があるが、それは、使用可能な代替例を提供する可能性がある。
【0140】
[00182]特定の実施形態が先述の詳細な説明において詳細に説明されてきたが、本開示の全体的な教示およびその広い発明概念に照らして、それらの詳細に対するさまざまな修正例および代替例が開発されることができるということが当業者によって認識されることとなる。したがって、本開示の範囲は、本明細書で開示されている特定の例および実装形態に限定されるのではなく、添付の特許請求の範囲および任意のおよびすべてのその均等物によって定義されるようなその精神および範囲の中の修正例をカバーすることを意図しているということが理解される。