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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】計量スプーン
(51)【国際特許分類】
   G01F 19/00 20060101AFI20240821BHJP
   A47J 43/28 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
G01F19/00 A
A47J43/28
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024028652
(22)【出願日】2024-02-28
【審査請求日】2024-03-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】724003044
【氏名又は名称】中西 凜
(72)【発明者】
【氏名】中西 凜
【審査官】羽飼 知佳
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/125064(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/012690(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 19/00
A47J 43/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計量容器と、
前記計量容器の上部に固定された固定把持部と、
前記計量容器の外部で可動できる可動把持部と
前記可動把持部と一体に形成された可動把持リングと、を備え、
前記可動把持リングは、前記計量容器の上部周囲に回転可能取り付けられている
ことを特徴とする計量スプーン。
【請求項2】
前記可動把持リングが前記計量容器の上部周を回転できるように、前計量容器の上部周前記可動把持リングを挟む溝が形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の計量スプーン。
【請求項3】
計量容器と
前記計量容器に固定された固定把持部と、
前記計量容器の外部で可動できる可動把持部と、を備え、
前記可動把持部は、前記計量容器の底面部をくぐって回転可能取り付けられていることを特徴とする計量スプーン。
【請求項4】
前記可動把持部は、ピボットを有し、
前記計量容器は、上部にピボット受けを有し、
前記ピボットと前記ピボット受けは、回転自山に嵌まる
ことを特徴とする請求項3記載の計量スプーン。
【請求項5】
前記可動把持部は、ピボット受けを有し、
前記計量容器は、上部にピボットを有し、
前記ピボットと前記ピボット受けは、回転自由に嵌まる
ことを特徴とする請求項3記載の計量スプーン。
【請求項6】
前記固定把持部と前記可動把持部は一体的に重ね合わすことができるように構成されている
ことを特徴とする請求項1記載の計量スプーン。
【請求項7】
前記固定把持部と前記可動把持部は一体的に重ね合わすことができるように構成されている
ことを特徴とする請求項3記載の計量スプーン。
【請求項8】
前記可動把持部の端には、凹部端が設けられている
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の計量スプーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は計量スプーンに関るものである。特に粉末、液体などの量を計量するスプーン形状の計量スプーンに関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来の計量スプーンは計量を行うカップ部と持ち手部から構成されている。使用時には一方の手で計量スプーンを持ち、他の手で計量する調味料等を持つ状態になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-078117号公報
【文献】特開2010-237037号公報
【文献】特開2023-4088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の計量スプーン(図1参照)はカップ部と持ち手部から構成されている(図1参照)。そのため使用時には、その計量スプーンを調理台等の上置いて使用するとバランスが崩れ易いため、常に計量スプーンを手で持って、その上から調味料を注がなければならない。
【0005】
そこで、手間を少なくするためには、計量スプーンを手や指で把持することなく、調味料等を注ぐことできる形状の計量スプーンが望まれる。
【0006】
上記先行技術(特開2023-4088号公報「調理用容器セット」)は調理用ボウルを重ねて調理用容器セットとする発明である。当該発明では、セットに含まれるすべての調理用機について周囲に平面を設けて、その平面においてすべての調理器が重なり自立することを特徴としている。この構造を計量スプーンに適用してスプーンの底面を平面形状にすれば、計量スプーンを調理台等の上に多少なりとも安定的に置くことは可能である。
【0007】
しかし、小さな計量スプーンの開口部に上から調味料を注ぐと落下する調味料が計量スプーンの周辺部にあたると計量スプーンが傾き、そのため調味料が計量スプーンから漏れて計量スプーンに入らなくなる。そこで、計量スプーンを安定的に維持する機構が必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決する方策として、本発明は、調味料等を注ぐときには、計量スプーンを、調味料を注ぐべき調理中の料理を入れたナベ等の上部で安定的に維持できる形状とした新たな計量スプーンを提案している。
【0009】
具体的には、計量スプーンの把持部を2つ設け、通常の使用時には、2つの把持部を一体として保つことがきるように一体的に重ね合わすことができ(図2)、かつナベ等の上で使用するときは、可動把持部を固定把持部より180度開いた対抗する位置に移動させ当該計量スプーン形状部分が2つの把持部の間に位置し(図3)、その2つの把持部をナベ等の上部の縁に置く(図4)。これによって、計量スプーンを保持することなく、ナベ等の上部に安定に定置させる。
【0010】
これにより調味料を注ぐ調理中の具材の入ったナベなどの容器の上部に計量スプーンを橋渡しのように外部の補助なく置くことができる(図4)。計量カップに注ぎたい調味料の定量を注ぎ、注ぎ終わるとその調味料をナベ等に入れられた調理中の材料に加える。
【0011】
仮に、調味料を注ぐ際に計量スプーンの開口部に調味料が全て入らず計量スプーンからこぼれ落たり、あるいは計量スプーンが傾くことがあっても、調味料はナベなどの容器の容器に入るだけで無駄にはなることはない。計量スプーンによる計量した調味料の量そのものも、いったんは計量スプーンにより計量しているため、そこそこ大きくはずれることもない。
【0012】
したがって、本発明は上記先行技術とは、対象が調理用ボウルでかつ自立させることを特徴とするところ、本願発明は対象が計量スプーンであって安定的に調味料を注ぐことができることかつ、不安定になっても調味料が無駄にならないことを特徴としている。よって、本願発明は先行発明とは目的も効果も全く異なる別発明である。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、調味料を計って入れる際の手間を省くことができ、無駄な動作をなくすことが実現できる。また置くことによって計る際に片手ではなく両手で注ぐことができるので、体の不自由な方や小さい子供などでも計量しやすくすることが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】従来の計量スプーン
図2】本願発明(第1実施形態)の計量スプーン(固定把持部と可動把持部を重ねたとき)
図3】本願発明(第1実施形態)の計量スプーン(固定把持部と可動把持部を180度開いたとき)
図4】本願発明(第1実施形態)の計量スプーン(ナベの上部に置いた状態)
図5】本願発明(第1実施形態)の計量スプーンの可動把持部
図6】本願発明(第1実施形態)の計量スプーンのA-A’面での断面図
図7】第2実施形態に係る計量スプーン(固定把持部と可動把持部を重ねたとき)
図8】第2実施形態に係る計量スプーン(上部から眺めたとき)
図9】第2実施形態に係る計量スプーン(横から眺めたとき)
図10】第2実施形態に係る計量スプーン(固定把持部と可動把持部を180度に対抗する状態で上部から眺めたとき)
図11】第2実施形態に係る計量スプーン(固定把持部と可動把持部を180度に対抗する状態で横から眺めたとき)
図12】第2実施形態に係る計量スプーンの一部(可動把持部を外したとき)
図13】第2実施形態に係る計量スプーンの可動把持部の上面
図14】第2実施形態に係る計量スプーンの可動把持部の下面
図15】第3実施形態に係る願発明の計量スプーン
図16】第3実施形態に係る願発明の計量スプーン(固定把持部と可動把持部を180度に対抗する状態)
図17】第3実施形態に係る計量スプーン(ナベの上部に置いた状態)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明では、具体的には計量スプーンの把持部を2つ具備させ、その一方の把持部(以下、「固定把持部」と呼ぶ。)は計量スプーンに固定し、他方の把持部(以下、「可動把持部」と呼ぶ。)を 計量スプーンの周りで回転させて、2つの把持部を対抗する状態にすることができる構造としている(例えば、図2および図3参照)。この構成には次の実施形態がある。
【実施例1】
【0016】
図2から図6は本願発明に係る第1実施形態でもある。本計量スプーン10は、固定把持部11、可動把持部12、可動把持リング13、計量容器14からなる。固定把持部11は計量容器14に固定され、把持部12は計量スプーン10の周囲で計量容器14の上面の開口部面に平行な面で回転可動するように取り付けられている。
【0017】
可動把持リング13は可動把持部12と一体として構成されている。計量容器14には溝が設けられ、当該溝には可動把持リング13が計量容器14に回転可能な状態で取り付けられている。これにより、可動把持リング13は計量容器14の上部周囲でスライドして回転できる(図2、3参照)。図6は、第1実施形態の要部断面を示している。当該断面は、図2の面A-A‘でカットした断面を示している。計量容器14には溝が設けられ、当該溝には可動把持リング13が計量容器14に回転可能な状態で嵌められている。可動把持部12を計量容器14に嵌め込むときは、可動把持リング13の切れている部分を広げて計量容器14の溝に嵌め込む。
【0018】
計量容器14の上部は可動把持リング13が回転できるように上部は円筒面となっている。
【0019】
図4は実施形態1の計量スプーン300の可動把持部12を180度開いてナベ400の上部において使用している状態を示す。計量容器14は固定把持部11と可動把持部12で水平に安定的にナベ400の上で支えることが可能である。
【実施例2】
【0020】
図7~14は本発明の第2の実施形態である。この形態では把持部310は計量容器320に固定され、把持部350は計量容器320に回転可動となって把持部310の下で重なっている。可動把持部350は、計量部330を形作る計量容器320の下部を通り、反対側へ回転移動させることができる。移動させた際は固定把持部310と可動把持部350が一直線になる。実施形態1と同じように一方の把持部を回転させなければ、把持部は一体形状となり従来の計量スプーンと同じように使える。
【0021】
図8は実施形態2の計量スプーン300を横から眺めた状態を示している。固定把持部310は固定された計量容器320の一端に固定されている。固定把持部310を計量容器320と一体構造にしても良い。計量容器320の他端にはストッパ340が具備されている。ストッパ340は可動把持部350を計量容器320の他端に係止させる作用をする。
【0022】
図9は実施形態2の計量スプーン300を上から眺めた状態を示している。ストッパ340は計量容器320から飛び出るように一体的に構成されている。
【0023】
図10、11は実施形態2の計量スプーン300の可動把持部350を固定把持部310に対抗して180度の位置に回転移動させた状態を示している。回転移動は、可動把持部350を計量部330の開口上面近くの回転軸を中心として、計量部330の底面に沿って回転させることにより行う。これにより可動把持部350が計量容器320に固定されている固定把持部310の反対側に回転移動することができる。可動把持部350はこの回転移動により、固定把持部310と一直線状態にすることが可能である。可動把持部350の回転は2つのピボット受け(回転軸受け)345(図12)と2つのピボット(回転軸)370(図13、14)が構成する回転軸による。ピボット受け345は、掘り込まれた穴の形状であって、ピボット370をその内部で支持する。
【0024】
図12は実施形態2の計量スプーン300の可動把持部350、従って可動把持部アーム360の部分を計量容器320から外したものを横から眺めた状態を表している。可動把持部350が計量容器320に係止されていた部分には小さい穴形状のピボット受け345が形成されている。
【0025】
図13、14は実施形態2の計量スプーン300の可動把持部350のみの部分を示している。可動把持部350には、可動把持アーム360、計量容器320に具備したピボット受け345に入るようになっているピボット(回転軸)370から成り立っている。可動把持部350にはストッパ340が会合するストッパ受け380が設けられ(図14)、可動把持部350が計量容器320をまたいで固定把持部310と対抗する位置で保持されるように働く。
【0026】
可動把持部350の回転は、ピボット370とピボット受け345により実現されている。実施形態2では、ピボット370を可動把持アーム360に設け、ピボット受け345を計量容器320に設けているが、ピボット370とピボット受け345を相互に入れ替えて、ピボット370を計量容器320に設け、ピボット受け345を可動把持アーム360に設ける構造としても良い。
【0027】
図15は実施形態3に係る計量スプーン301である。当該計量スプーン301は実施形態2の計量スプーン300とは異なり、可動把持部351の終端に凹部端352が設けられている。計量スプーン301それ以外の構造は実施形態2の計量スプーン300と同じである。
【0028】
計量スプーン301の可動把持部351を計量容器320の底面部で半回転させて、固定把持部310と対抗する位置に置いた状態を示している。図17は本計量スプーン301の使い方の一例として、料理用のナベ400(破線で示している)の上部に置いた状態を示している。ここでは凹部端352をナベ400の縁に係合させ、固定把持部310をナベ400の対抗する縁に架けている。こうすることにより、計量スプーン301は安定的にナベ400の上で保持される。
【0029】
この状態では、計量スプーン301を手や指で把持する必要ものなく、両手で計量スプーン301に調味料を注ぐことができる。必要な調味料を計量容器320に注いだ後は、計量スプーン301をナベ400の上で固定把持部310および可動把持部351を軸として半回転させれば、計量部330に注ぎ込まれた調味料をナベ400に注ぎ込むことができる。
【0030】
実施形態3における凹部端352は実施形態1の可動把持部12の端に設けてもよい。これにより、計量スプーン10はナベの上に安定的に保持することができる。
【0031】
なお、上記いずれの実施形態でも計量容器14,320は上部が開口であれば底部は半球、回転台形あるいは立体台形、あるいはコーン形状を採用しても良い。実施形態2、3では把持部は可動把持部350、351を固定把持部310と重ねると両者は一体構造としているが、両者の大きさに多少の差異があっても良い。
【0032】
本願発明に係る計量スプーンはナベの上部に安定的に保持することができるという効果を有するため、調理中に容易にかつ安定的に調味料などを計量することができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本願発明は、調理用具として広く産業上利用できる。
【符号の説明】
【0034】
10、300、301 ・・・ 計量スプーン
11、310 ・・・ 固定把持部
12、350、351 ・・・ 可動把持部
13 ・・・ 可動把持リング
14、320 ・・・ 計量容器
330 ・・・ 計量部
340 ・・・ ストッパ
345 ・・・ ピボット受け
352 ・・・ 凹部端
360 ・・・ 可動把持部アーム
370 ・・・ ピボット
380 ・・・ ストッパ受け
400 ・・・ ナベ
【要約】
【課題】計量スプーンを使う場面で、計量スプーンを手で把持することなく、調味料等を注ぐことできる形状の計量スプーンが望まれる。
【解決手段】計量スプーンの持ち手を2つにし、一方を計量スプーンの計量容器に固定させ、他方は計量スプーンの外部で回転できる構造とすることにする。回転可能な把持部を180度回転させることで二つの把持部を一直線上にできる。このことにより、調味料を混ぜる容器に2つの把持部で計量スプーンを置くことができ、計量スプーンを持つ必要がなくなる。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17