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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-20
(45)【発行日】2024-08-28
(54)【発明の名称】バン貨物管理システム
(51)【国際特許分類】
   B60P 7/06 20060101AFI20240821BHJP
   B60P 3/00 20060101ALI20240821BHJP
【FI】
B60P7/06 Z
B60P3/00 Z
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2024513152
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(86)【国際出願番号】 CA2022051327
(87)【国際公開番号】W WO2023039659
(87)【国際公開日】2023-03-23
【審査請求日】2024-02-26
(31)【優先権主張番号】63/244,030
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】597005820
【氏名又は名称】マルティマティック インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【弁理士】
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100170184
【弁理士】
【氏名又は名称】北脇 大
(72)【発明者】
【氏名】グルーバー、ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】レフティ、マイケル ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】ゲビング、ダニエル ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ハディスタント、ロバート
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-132070(JP,A)
【文献】特開2019-55800(JP,A)
【文献】特開昭61-104985(JP,A)
【文献】米国特許第7025548(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 7/06
B60P 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バン貨物管理システムであって、当該バン貨物管理システムは:
複数のコンテナを保持するように適合する、床および対向する側壁を有する概して長方形のバン貨物空間を有し;
前記貨物空間への入口および前記貨物空間からの出口を提供する、後方開口部を有し;
前記貨物空間の床から選択されたコンテナを捕捉し、前記の選択されたコンテナを前記床から上に距離をおいて前記貨物空間の側壁に隣接させて収納し、かつ、前記の選択されたコンテナを前記貨物空間の床へと戻すように適合する、少なくとも1つの収納機構を有する、
前記バン貨物管理システム。
【請求項2】
前記の少なくとも1つの収納機構が、前記の選択されたコンテナを前記貨物空間の床から前記貨物空間における内部車輪格納部より上の高さへと持ち上げ、かつ、前記の選択されたコンテナを前記高さにて収納するように適合する、請求項1に記載のバン貨物管理システム。
【請求項3】
前記の少なくとも1つの収納機構が、前記貨物空間の各側部に収納機構を有する、請求項2に記載のバン貨物管理システム。
【請求項4】
前記貨物空間の中へのコンテナの荷積み、および、前記貨物空間から外へのコンテナの荷降ろしを各々促進するために中央廊下をさらに有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のバン貨物管理システム。
【請求項5】
複数のコンテナをさらに有し、各収納機構が複数の収納機構モジュールを有し、各収納機構モジュールは、前記の複数のコンテナのうちの1つを収納および解放するように適合する、請求項3に記載のバン貨物管理システム。
【請求項6】
各コンテナについて、前記コンテナを収納位置へと移動させ、前記コンテナを前記収納位置で保持し、かつ、前記コンテナを前記収納位置から解放するように適合する、少なくとも1つのロック機構および少なくとも1つの連結機構をさらに有する、請求項5に記載のバン貨物管理システム。
【請求項7】
前記貨物空間の中へとコンテナを入れること、および、前記貨物空間からコンテナを出すことを各々促進するために、前記後方開口部に隣接して搭載されたランプおよび昇降プラットフォームの一方をさらに有する、請求項1に記載のバン貨物管理システム。
【請求項8】
前記コンテナが車輪付きトロリーを有する、請求項1に記載のバン貨物管理システム。
【請求項9】
前記コンテナが無線識別手段を備え、配達場所における前記貨物空間の床への解放のための収納されたコンテナの選択を促進する、請求項1に記載のバン貨物管理システム。
【請求項10】
各コンテナが、GPSデータおよび標準的な配達ルートに沿って配置された、固定された電子的、磁気的または電磁的デバイスのうちの1つ以上によって引き起こされる到着信号によって解放のために個別かつ自動的に選択される、請求項9に記載のバン貨物管理システム。
【請求項11】
前記コンテナが小包を保持するように適合する、請求項1に記載のバン貨物管理システム。
【請求項12】
前記小包が無線識別手段を備え、解放のための収納されたコンテナにおける小包の選択を促進する、請求項11に記載のバン貨物管理システム。
【請求項13】
閉じられ、かつ、ロックされてバンの外側からの前記貨物空間へのアクセスを防止し、かつ、ロックが解除され、かつ、開かれてコンテナの積み降ろしを促進し得る、少なくとも1つの後方ドアをさらに有する、請求項1に記載のバン貨物管理システム。
【請求項14】
前記の少なくとも1つの後方ドアがさらに、ランプとして機能する、請求項13に記載のバン貨物管理システム。
【請求項15】
車輪付きトロリーを有する1つ以上のコンテナの収納位置からの解放を制御するために、バンの内部に配置されるか、バンの外部に搭載されるか、手持ちであるか、または、遠隔的に制御される、コントローラーをさらに有する、請求項1に記載のバン貨物管理システム。
【請求項16】
少なくとも1つのコンテナが、配達場所へ到着の際に前記貨物空間の床への解放のために自動的に選択される、請求項1に記載のバン貨物管理システム。
【請求項17】
電磁的に感知または通信して前記貨物バン空間からのコンテナの出入りの最中に前記コンテナの位置づけを促進する、床案内手段を前記床に、対応するコンテナ案内手段を前記コンテナにさらに有する、請求項1に記載のバン貨物管理システム。
【請求項18】
収納位置からのコンテナの解放を許容するためのバンの駐車ギアモードについての要件およびバンの運転ギアモードが係合することを許容するための、すべてのコンテナが安全に収納されている旨の信号についての要件のうちの少なくとも1つを有する安全インターロックシステムをさらに有する、請求項1に記載のバン貨物管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2021年9月14日付けで出願の米国仮特許出願第63/244,030号(参照によってその全体が本明細書に組み込まれる)からの優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
背景
近年、クーリエ便配達の使用が劇的に増加している。地域または地方レベルでは、小包は典型的には、それらの最終目的地への配達のためにバンまたは類似の車両に積み込まれる。時々、小包は、車両の貨物領域の棚または床に置かれる。小包は代替的には、輸送のために車両に積まれてもよく、かつ、車両から降ろされてもよい、個別のコンテナに保管されてもよい。論理的にグループ化された小包を保持するための複数の車輪付きカートまたはトロリーの使用は、緩く積み重ねられた、または、保管された小包に価値のある代替案を提供する。車輪付き保管トロリーの使用は、車両からの除去のために車輪なしのコンテナを保持するように操作されなければならない別個の手持ちの台車の必要性を排除する。例えば、単一の目的地行き、または、街区もしくは街路の一部のように合理的に近い地理的領域内の複数の目的地行きの小包は、トロリーにおいてグループ化されてもよい。各トロリーは、配達人のみがトロリー内に含まれた小包にアクセスできるように、ロックされてもよく、そうでなければ固定されてもよい。この特徴は、窃盗に対する安全性を提供し、かつ、配達指示または実装における混乱に起因するその他の配達問題を最少化する。
【0003】
現代技術を用いて、各小包はまた、有意な量の情報で電子的に特定され、かつ、タグ付けされてもよい。RFD(無線周波デバイス)、または、その他の無線技術が、この目的のために採用されてもよい。したがって、トロリーが積まれるときに各小包が適切なトロリーに置かれていることを確認することが可能である。配達バンのドライバーまたはバンに乗っている別の指定された人物が、小包の行き先をそのトロリーにおける小包と素早く照合して、適切な停留所で小包を取り出すこともまた、可能である。
【0004】
特定の状況では、バンからトロリー全体またはトロリーのグループを除去して最終目的地または一連の目的地へと転がすことが適切であろう。明確なことに、バンの貨物領域の幾何学的形状が、常時保持されてもよいトロリーの数を規定する。選択された時間に適切なトロリーまたはトロリーのグループが降ろされてもよいように、貨物領域内でトロリーを移動させるためのシステムもまた必要とされる。トロリーはまた、選択されたトロリーが車両のドアから除去されてもよいように、たらい回しにされてもよい。かかるドアは典型的には、車両の側部または後部に配置される。かかるシステムは有用であるが、それらは利用可能な床面積によって制限され、該利用可能な床面積は次に、内部車輪格納部によって制限される。また、バン貨物領域におけるトロリーの数に基づいて、それらを移し替えて所望のトロリーを解放するための工程は、多少複雑であろう。極限では、トロリーがバン内でそれらを移し替える余地を残さず詰め込まれれば、残りのトロリーが移し替えられることを可能にするために1つ以上のトロリーがバンから除去されなければならないであろう。
【発明の概要】
【0005】
概要
したがって、輸送され得るコンテナまたはトロリーの数を最適化し、同時に選択されたコンテナもしくはトロリーまたはコンテナもしくはトロリーのグループの選択およびバンからの除去ならびに交換の容易性を促進するバン貨物管理システムを提供することが有用であろう。本明細書ではバンという用語が用いられているが、かかる貨物管理システムは、パネルバン、キューブバン、引越用トラックなどを含む種々の車両用途において有用であろう。
【0006】
本発明の主たる態様では、バン貨物保管領域の少なくとも片側に沿ってコンテナまたはトロリーを収納するための一列のドッキングステーションが提供され、かつ、バンの後部から個別に、あるいは、グループで、コンテナまたはトロリーを積み、かつ、降ろすための廊下が提供される。好ましくは、ドッキングステーションは自動化されている。
【0007】
本発明のさらなる態様では、バンまたはその他の車両の車輪格納部によるコンテナまたはトロリーの保管および除去との干渉は排除される。このことは、ドッキングステーションへの収納のためにトロリーを捕捉し、かつ、車輪格納部の高さより上に持ち上げて、貨物領域の床で利用可能なものを超えて利用可能な保管面積を最大化する、モーター付き機構を提供することによって達成される。個別のコンテナまたはトロリーは、必要とされるまでドッキングステーションにおいて維持されてもよい。該機構は、すべてのコンテナまたはトロリーを捕捉し、かつ、車輪格納部の高さより上に持ち上げてもよく、車輪格納部の近くにあるもののみを捕捉し、かつ、車輪格納部の高さより上に持ち上げてもよい。すべてのコンテナまたはトロリーを貨物保管領域の床の高さより上に収納する利点は、特に個別の小包または限定された数の小包が配達のためにそこから除去されるべき場合における、オペレーターによるコンテナまたはトロリーへの改善されたアクセスである。
【0008】
さらなる態様では、トロリーは、車両の後部から積まれ、かつ、降ろされる。トロリーは貨物領域における廊下を移動し、したがって車両からの除去のためにトロリーを移し替えて1つ以上のトロリーを選択する必要性を排除する。貨物保管領域のいずれかの側部でドッキングステーションに維持されるトロリーの場合、中央廊下が最適である。
【0009】
さらなる態様では、トロリーは収納されるときには所定の位置においてロックされ、かつ、固定されてもよく、したがってトロリーにおいてロックされた小包の窃盗およびトロリー自体の権限のない除去の危険性の両方を最少化するので、後部ドアは排除されてもよく、かつ、トロリーは、開いたポータルを通して積まれ、かつ、降ろされてもよい。積み降ろしのために、傾斜したランプ(単数)またはランプ(複数)が配備されてもよい。代替的には、貨物領域の床の高さから地面の高さへと下に、または、いっそう高い積荷領域へと上に鉛直方向に移動して再び戻る昇降プラットフォームが採用されてもよい。ランプ(単数)またはランプ(複数)も、昇降プラットフォームも、手で操作されてもよいが、オペレーターの関わりの必要性を減らすためには動力付きの操作が好ましい。
【0010】
さらなる態様では、1つ以上の後部ドアが提供されてもよい。前記ドアは通常の様式で機能してもよく、修正されて、ドア(単数)またはドア(複数)として機能してもよく、かつ、代替的にはランプ(単数)またはランプ(複数)として機能してもよい。
【0011】
さらなる態様では、コンテナまたはトロリーは、コントローラーを操作するオペレーターが、配達場所もしくは配達場所の分類に対応してコンテナ(単数)もしくはトロリー(単数)もしくはコンテナ(複数)もしくはトロリー(複数)を選択し、収納位置からコンテナ(単数)もしくはトロリー(単数)もしくはコンテナ(複数)もしくはトロリー(複数)を引き出し、かつ、除去のために廊下にコンテナ(単数)もしくはトロリー(単数)もしくはコンテナ(複数)もしくはトロリー(複数)を置くことを可能にする、電子的識別子またはタグを備える。貨物空間領域のいずれかの側部に収納されたコンテナまたはトロリーの場合、廊下は好ましくは中央に配置されて、解放されたコンテナまたはトロリーがドッキングステーションに収納されたコンテナまたはトロリーの列の間を通過することを可能にする。
【0012】
個別の小包およびコンテナまたはトロリーの電子的識別に関し、バンの運転室にコントローラーが配置されて、ドライバーまたはその他のオペレーターが解放待ちの配達のために小包または1つ以上のコンテナを選択することを可能にしてもよい。コンテナまたはトロリーをそれらの収納位置から解放する工程は、運転室から開始されてもよい。代替的または追加的には、コントローラーは、オペレーターがドア(単数)もしくはドア(複数)の開放またはランプ(単数)もしくはランプ(複数)の配備の容認性を視認し得るように、バンの後部に隣接して搭載されてもよい。さらなる代替案では、コントローラーは手持ちであってもよく、かつ、オペレーターとともに運搬されてもよい。
【0013】
さらなる態様では、コンテナまたはトロリーが、バンが移動している間に収納からの除去のために予め選択されてもよいが、バンが停車し、かつ、駐車モードで置かれるとき(そのときにバンからの除去のために固定が解除される)まで固定されたままであってもよい。コンテナまたはトロリーのグループがまた、そのように予め選択されてもよい。
【0014】
さらなる態様では、バンが移動状態に置かれる前にすべてのコンテナまたはトロリーが固定されて収納されることを確実にするために、安全インターロックシステムが採用されてもよい。このシステムは、バンのギアシフトを制御して、すべてのコンテナまたはトロリーが安全に収納されている旨の電子的確認があるまで運転モードギアへとシフトすることを防止してもよい。
【0015】
さらなる態様では、トロリーの底に搭載されたセンサーと通信してもよい磁気ストリップのような案内手段が、貨物保管領域の床に、かつ、バンの後部におけるランプ(単数)またはランプ(複数)に搭載されてもよい。トロリーは電気モーターを備えていてもよく、かつ、案内手段によって案内されたバンの中へと、かつ、バンから外へと制御された速度で移動するよう適合していてもよい。したがって、トロリーは、一旦トロリーが適切に配置され、かつ、案内手段と通信するとオペレーターの補助の必要性を伴わずにバンから積み降ろしされてもよい。トロリーは、トロリーを収納および解放するための機構を用いてバン保管領域内に正確に配置されてもよい。バンの外側では、オペレーターがトロリーを案内手段に隣接して置かなければならないか、代替的には、トロリーが遠隔制御を通して案内されてもよい。
【0016】
さらなる態様では、コントローラーは、遠隔で、かつ、バンから離れて操作されてもよく、積み降ろしの全工程が遠隔制御されてもよいようになっている。このことはとりわけ、ヒトのドライバーまたはオペレーターが存在しない自律車両の場合に有用である。
【0017】
さらなる態様では、コンテナまたはトロリーは、コンテナまたはトロリーの側部へと延びてもよく、その頭上へと延びてもよく、その両方であってもよいロッキングアームによってそれらの収納位置に固定される。
【0018】
添付の図面および付属の説明から、本発明のさらなる態様が明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、貨物空間の内部を示す貨物バンの斜視図である。
図2図2は、貨物空間におけるコンテナの移動を示す貨物バンの斜視図であり、バンの運転室に配置された制御パネルが拡大されている。
図3図3は、ランプとしての後部ドアの使用および後方開口部に隣接して配置された制御パネルを示す、貨物バンの斜視図である。
図4図4は、配備された二作用ドアおよびランプならびに貨物空間に収納されたコンテナの内容物にアクセスするオペレーターを示す、バンの後ろからの斜視図である。
図5図5は、運転室にいるオペレーターおよび運転室への開放アクセスを示す、バンの後部からの貨物空間の斜視部分図である。
図6図6は、運転室への閉じたアクセスおよび側部毎に3つの収納されたコンテナを示す、バンの後部からの貨物空間の斜視部分図である。
図7図7は、収納されたコンテナの解放を開始する保管機構モジュールを示す、図6の図である。
図8図8は、保管機構モジュールによって部分的に配備されたコンテナを示す、図6の図である。
図9図9は、床の高さへと下げられたコンテナを示す、図6の図である。
図10図10は、閉じた後部ドアおよび制御パネルにアクセスするオペレーターを示す、バンの背面図である。
図11図11は、単一のコンテナが床の中央廊下に配備され、かつ、ドアがランプとして部分的に配備された状態の、図10の図である。
図12図12は、ドアがランプとして完全に配備された状態の、図11の図である。
図13図13は、ランプの両端におけるフラップが部分的に配備された状態の、図12の図である。
図14図14は、ランプの両端におけるフラップが完全に配備された状態の、図13の図である。
図15図15は、コンテナが図11の位置からランプに向かって移動している状態の、図14の図である。
図16図16は、コンテナが一部ランプを下っている状態の、図14の図である。
図17図17は、コンテナがランプの終点の近くにある状態の、図14の図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
詳細な説明
本発明は種々の車両に適用されてもよいが、典型的な用途は貨物バンにおけるものである。バン(1)は、貨物管理システム(3)を備える。典型的なバンは、運転室(5)および貨物空間(7)を有する。とりわけ自律車両の場合、運転室(5)は必要とされなくてもよく、かつ、貨物管理システム(3)は遠隔制御されてもよく、自律制御されてもよい。バン貨物空間(7)は概して、長方形の基部を有するが、該基部は正方形であってもよく、それ自体が本明細書に記載の貨物管理システム(3)に適する別の形状であってもよい。貨物空間(7)は、床(9)、屋根(11)、前壁(13)、後壁(15)および側壁(17,19)によって定められる。好ましい実施形態では、後壁(15)は、貨物空間(7)へのアクセスを提供するために後方開口部(21)を備える。貨物空間(7)は、複数のコンテナ(23)を保持するように設計される。好ましい実施形態では、少なくとも2つのコンテナ(23)が、各側壁(17,19)に隣接して長手方向に収納されるように適合する。
【0021】
図1に示されているように、特定の貨物空間(7)の長さについては側部毎に3つのコンテナ(23)が最適であってもよいが、貨物管理システム(3)は、側部毎に任意の適切な数のコンテナ(23)を可能にする。輸送される貨物のタイプに基づいて、コンテナ(23)は、いっそう大きくてもよく、いっそう小さくてもよい。典型的な貨物は、小包(41)を含むか、小包(41)を排他的に有する。追加的には、所望の用途、利用可能な駐車条件などに基づいて、いっそう短い、または、いっそう長い車輪ベースの車両が採用されてもよい。
【0022】
コンテナ(23)が側壁(17,19)に対して収納されるとき、収納されたコンテナ(23)の間には中央廊下(25)が残る。中央廊下(25)は、必要に応じて、コンテナ(23)の積み降ろし、および、車両のオペレーターまたはその他の人物によるコンテナ(23)へのアクセスを許容する。各コンテナ(23)は、収納機構(27)を用いて、側壁(17,19)に隣接して所定の位置に保持され、かつ、廊下(25)の中へ、かつ、廊下(25)から外へ動かされる。
【0023】
典型的なバン(1)は4つの車輪(29)を有するが、その他の車輪構成が可能である。各車輪(29)の一部が概して、貨物空間(7)の床(9)の高さより上に突出する。車輪(29)は、車輪(29)を貨物空間(7)から分離する車輪格納部(31)内に部分的に位置する。したがって、車輪(29)の近くでは、床(9)は車輪格納部(31)によって妨げられ、車輪格納部(31)が配置される床(9)の高さにて側壁(17,19)に密接してコンテナを並べることを不可能にする。
【0024】
したがって、収納機構(27)は、床(9)の上にあるコンテナ(23)に係合して、コンテナ(23)を車輪格納部(31)より上の点へと上げ、かつ、コンテナ(23)を側壁(17,19)に隣接する収納位置へと引くように適合する。収納機構(27)は、複数の収納機構モジュール(27a~27f)を有していてもよい。各コンテナ(23)について個別の収納機構モジュール(27a~27f)が提供されてもよく、一体的な収納機構(27)が、所望のコンテナ(単数)もしくはコンテナ(複数)(23)のみを捕捉または解放しながら、同時にすべてのコンテナ(23)を移動させてもよい。明確なことに、一度に単一のコンテナ(23)のみを移動させることが、コンテナ(23)が収納され、または、引き出されるたびにすべてのコンテナ(23)を移動させるよりもエネルギー効率がよい。典型的には、単一のコンテナ(23)が各収納機構モジュール(27a~27f)にて収納されるであろう。廊下(25)において横向きであり、その後で保管空間(7)では長手方向後ろ向きであるコンテナ(23)の移動の方向が、図2において矢印(A,B)によって示されている。電気モーターは典型的には、推進力を提供して、コンテナ(23)をそれらの収納位置へと、かつ、それらの収納位置から移動させる。
【0025】
図6~9には、代表的な収納機構モジュール(27d)の機能が示されている。図6では、コンテナ(23)が車輪格納部(31)の高さより上で側壁(17)に隣接して収納され、かつ、コンテナ(23)の頂部の一部を捕捉するキャップ(28)によって移動を抑制される。図7に示されているように、コンテナ(23)を解放するために、キャップ(28)は、コンテナが廊下(25)に向かって自由に並進するまで、側壁(17)に隣接するジョイントの周りを上方後ろ向きに回転する。図8および9に示されているように、連結機構(30)が廊下(25)の中へと横方向にコンテナ(23)を移動させ、かつ、その後で床(9)の高さへとコンテナ(23)を下げる。キャップ(28)および連結機構(30)は、各収納機構モジュール(27a~27f)の一部を形成する。コンテナ(23)は、プラットフォーム上にあってもよく、連結機構(30)のアームによって係合し、かつ、解放されてもよい。
【0026】
しかしながら、コンテナ(23)がそれを可能にするように適切にサイズ決めされるときには、収納機構(27)は、それぞれの個別の収納機構モジュール(27a~27f)にて複数のコンテナを積み重ねるように構成されてもよい。例えば、それぞれのかかる収納機構モジュール(27a~27f)にて2つのコンテナ(23)を収納することが望まれるであろう;両方が収納されるとき、一方のコンテナ(23)は他方のコンテナ(23)の上に積み重ねられるであろう。コンテナ(23)が係合し、持ち上げられ、かつ、収納されるためには収納機構モジュール(27a~27f)に隣接して廊下(25)における床(9)に配置されなければならないので、典型的には単一のコンテナ(23)が任意の時点で任意の個別の収納機構モジュール(27a~27f)によって動かされるであろう。複数のコンテナ(23)が廊下(25)に配置され、かつ、個別の収納機構モジュール(27a~27f)によって同時に係合してもよい。例えば、側部毎に3つのコンテナ(23)が収納され、かつ、3つのコンテナ(23)が廊下(25)における床(9)に長手方向に配置されることを可能にする構成では、2つの収納機構モジュール(例えば、27aおよび27b、または、27bおよび27c、または、27aおよび27c)が貨物空間(7)の片側に2つのコンテナを収納してもよい一方で、1つの収納機構モジュール(例えば、27f、27dまたは27e)が貨物空間(7)の逆側で1つのコンテナ(23)を同時に収納してもよい。代替的には、3つのコンテナ(23)は、別個かつ個別に直列で収納されてもよい。同様の考慮が、廊下(25)における床(9)への配置のための収納場所からのコンテナの除去になされてもよい。コンテナ(23)が廊下(25)における廊下(9)上の空間について互いに競合しない限り、コンテナ(23)の同時収納および除去の任意の適切な組み合わせが受け入れ可能である。
【0027】
中央の長手方向廊下(25)を有する貨物空間(7)の側壁(17,19)に隣接して収納されるコンテナ(23)の配置構成は、後壁(15)における後方開口部(21)を通したバン(1)の後部からの保管空間(7)へのアクセスに適している。貨物空間(7)への不要なアクセスを防止するため、かつ、安全性の考慮のため、後方開口部(21)は典型的には、1つ、または、2つのドア(29)を備える。単一のドア(29)が側部へと揺れて、後方開口部(21)を露出させてもよい。バン(1)の後部に引き出し式ランプが提供されて、コンテナ(23)の積み降ろしを促進してもよい。いっそう好ましくは、ドア(単数)またはドア(複数)(29)は、折り曲げられてランプ(単数)またはランプ(複数)として役立ってもよい。図3における矢印(C,D)は、回転して開いてランプとして機能するドア(29)の動きの方向を示している。図4は配備されたランプを示している一方で、図10~14はランプの配備を示している。かかる二作用ドアおよびランプシステムは、本出願人のともに係属している出願であるPCT/CA2022/051081に記載されている。ランプの両端には、バンの床(9)とドア(29)との間およびドア(29)と地面の高さとの間の隙間を閉じるために、または、積み降ろし条件に基づいて必要に応じて、フラップ(32a,32b,32c,32d)が配置される。代替的には、コンテナ(23)を床(9)の高さから地面の高さ、または、別の適切な荷積み高さへと下げるために、昇降プラットフォームが採用されてもよい。
【0028】
好ましくは、貨物空間(7)の中への、かつ、貨物空間(7)から外に出るコンテナ(23)の移動を促進するために、図12~17に示されているような車輪付きコンテナ(23)が採用される。動力なしの車輪付きコンテナ(23)は、ヒトのオペレーターによって貨物空間(7)の中へと、かつ、貨物空間(7)から外へと転がされてもよい。ヒトのオペレーターによって現場で、遠隔のオペレーターによって遠隔的に、または、自律的に制御される動力ありの車輪付きコンテナ(23)は、コンテナの積み降ろしの容易性の利益および遠隔制御の選択肢を提供する。コンテナ(23)の移動を方向付けるために、各コンテナ(23)の基部(33)に隣接する適切な電気的、磁気的またはEMFセンサー(37)とともに、好ましくは廊下(25)の中心線に、あるいは、中心線の周りに配置される電気もしくは磁気ストリップまたは一連のセンサー(35)が採用されてもよい。コントローラー(39)は、現場のヒトのオペレーターの制御を促進するために、運転室(5)に搭載されてもよく、バン(1)の後部(1c)に隣接して搭載されてもよい。コントローラー(39)はまた、ヒトのオペレーターがバン(1)の近くの任意の便宜な見晴らしのよい地点からコンテナ(23)の移動を制御してもよいように、手持ちユニットに組み込まれてもよい。代替的には、コントローラー(39)は、中心の場所にてオペレーターによって遠隔制御されてもよく、このことは自律車両の場合にとりわけ有用である。
【0029】
典型的には、各コンテナ(23)は、有利なことに貯蔵所のような中心の場所にてコンテナ(23)に積まれる複数の個別の小包(41)を含むであろう。小包(41)はまた、有利なことに、コンテナ(23)がバン(1)から降ろされ、かつ、その後で開かれて個別の小包(41)の配達を可能にしてもよいように、地理的目的地によってグループ化されてもよい。各小包(41)はまた、有利なことに、RFIDのような電子的または電磁的識別の手段を備えていてもよい。この方式では、各コンテナ(23)および小包(41)の識別ならびに追跡が促進される。代替的には、小包(41)ではなくコンテナ(23)がそのように電子的にラベル付けされていてもよく、その逆であってもよい。配達場所への到着の際に、貨物空間の床(9)への解放のためにコンテナ(23)が自動的に選択されてもよい。到着信号は、GPSデータによって自動的に引き起こされてもよく、住所への到着に気付いた現場のオペレーターもしくは遠隔的に配置されたオペレーターによって引き起こされてもよく、または、バン上もしくはバン内に配置されたデバイスによって感知される標準的な配達ルートに沿って配置された、RFIDもしくはその他の電子的、磁気的もしくは電磁的デバイスのようなその他の適切な手段によって引き起こされてもよい。バンが停車しているときにのみコンテナ(23)が動かされてもよいこと、または、コンテナ(23)が安全に収納されているときにのみバンが動かされてもよいことを確実にするためのシステムが提供されてもよい。例えば、システムは、収納場所からのコンテナ(23)の移動が開始する前にギアが「駐車」モードに置かれることを必要としてもよい。逆に、すべてのコンテナ(23)が安全に収納されている旨の信号が、バンのギアを「運転」モードにシフトする前に必要とされてもよい。
【0030】
貨物空間(7)の内容物を固定するためにヒトのオペレーターが存在してもよいが、コンテナ(23)は典型的には、それらの内容物(すなわち、小包(41)またはその他の貨物)へのアクセスが必要とされるまでロックされるであろう。図4には、コンテナ(23)から小包(41)を引き出すオペレーターが示されている。他方、自律車両の場合、ヒトのオペレーターが常時存在しないので、コンテナ(23)を必要とされるまでロックされた状態で維持することは、さらにいっそう重要である。自動化されたバン(1)の場合、運送の最中に収納されたコンテナ(23)が、選択された停留所にて降ろされるであろう。その時点で、それはロックされたコンテナ(23)を開けることによって内容物にアクセス可能なヒトの配達人によって取られるか、コンテナは、貨物の安全性に加えてヒトの配達人があまり裁量を持たないように遠隔的にロックが解除されてもよい。代替的には、貨物空間(7)から降ろされるコンテナ(23)が、トラック、トロリー、ワゴンもしくはヘリコプターのような自律的な配達デバイスまたは遠隔制御された配達デバイスへと移されてもよい。
【0031】
時として、ヒトのオペレーターが、単一の小包(41)または少数の小包(41)を除去するために、コンテナ(23)が収納されている間にその内容物にアクセスすることを可能にすることが望ましいであろう。この場合、ヒトのオペレーターは、後方開口部(21)を通って貨物空間(7)に入ってもよい。代替的には、運転室(5)から前壁(13)を通る通過が許容されてもよい。通路は、図示されているように永久的な開口部であってもよく、図示されてはいないが運転室アクセスドアを備えた開口部であってもよい。典型的には、ヒトのオペレーターは、選択されたコンテナ(23)のロックを解除し、かつ、その後で該コンテナ(23)をロックし直すために、遠隔制御(43)または専用のキーもしくはフォブを採用するであろう。
【0032】
先に注目されたように、コンテナ(23)が運送中に損傷しないこと、または、安全上の問題を提示しないことを確実にするために、安全インターロックシステムが採用されて、バン(1)が移動状態に置かれる前にすべてのコンテナ(23)またはトロリーが固定されて収納されることを確実にしてもよい。このシステムは、バンのギアシフトを制御して、すべてのコンテナ(23)またはトロリーが安全に収納された旨の電子的確認があるまで、運転モードギアにシフトすることを防止してもよい。逆に、コンテナ(23)が収納位置から動かされる前に、バンのギアシフトが駐車モードに置かれた旨の電子的信号が必要とされてもよい。
【0033】
図示された実施形態において具体的な部品の配置構成が開示されているが、その他の配置構成が本明細書から利益を得るであろうことが理解されるべきである。具体的なステップの順番が示され、説明され、かつ、請求されているが、逆のことが示されていなければステップが任意の順番で実行されてもよく、分離されてもよく、組み合わされてもよく、かつ、本発明からまだ利益を得るであろうことが理解されるべきである。
【0034】
異なる例が図示された特定の部品を有するが、本発明の実施形態はそれらの具体的な組み合わせに限定されない。例のうちの1つからの部品または特徴のうちのいくつかを、例のうちの別のものからの特徴または部品と組み合わせて用いることが可能である。
【0035】
例示的な実施形態が開示されてきたが、当業者であれば、特定の修正が請求の範囲内に入ることを認識するであろう。かかる理由により、以下の請求の範囲は、それらの真の範囲および内容を決定するために検討されるべきである。
【要約】
バン貨物保管領域の少なくとも片側に沿ってコンテナまたはトロリーを収納するための1列のドッキングステーションが提供され、かつ、バンの後部から個別に、またはグループで、コンテナまたはトロリーを積み降ろしするための廊下が提供される。好ましくは、ドッキングステーションは自動化されている。バンまたはその他の車両の車輪格納部によるコンテナまたはトロリーの保管および除去との干渉が排除される。モーター化された機構が、ドッキングステーションにおける収納のためにコンテナまたはトロリーを捕捉し、かつ、車輪格納部の高さより上に持ち上げて、貨物領域の床において利用可能なものを超える利用可能な保管領域を最大化する。個別のコンテナまたはトロリーは、必要とされるまでドッキングステーションに維持されてもよい。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13
図14
図15
図16
図17