(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】電話制御装置および告知制御方法
(51)【国際特許分類】
H04Q 3/58 20060101AFI20240822BHJP
H04M 3/42 20060101ALI20240822BHJP
H04M 3/537 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
H04Q3/58 101
H04M3/42 J
H04M3/537
(21)【出願番号】P 2020033070
(22)【出願日】2020-02-28
【審査請求日】2023-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 史人
(72)【発明者】
【氏名】木村 隆昭
(72)【発明者】
【氏名】久野 伊織
(72)【発明者】
【氏名】平野 優
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-246459(JP,A)
【文献】特開平10-107902(JP,A)
【文献】特開2003-219444(JP,A)
【文献】米国特許第05652784(US,A)
【文献】特開平01-114147(JP,A)
【文献】特開2000-134368(JP,A)
【文献】特開平08-149206(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B19/00-31/00
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
H04Q3/58-3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内線電話端末を電話網に交換接続する電話制御装置であって、
前記内線電話端末の利用者に告知すべき告知情報を記憶する記憶部と、
前記告知情報を音声ガイダンスに音声変換する音声処理部と、
前記内線電話端末で発信操作が検出された場合、前記内線電話端末に出力するダイヤルトーンに代えて、前記音声処理部で得られた前記告知情報の音声ガイダンスを前記内線電話端末に出力する制御部と
を備え
、
前記告知情報は、通信網を介してスケジュールサーバから取得された前記内線電話端末の利用者に関するスケジュール情報に関する告知情報である
ことを特徴とする電話制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電話制御装置において、
前記制御部は、前記内線電話端末に対して前記音声ガイダンスを出力している状態で、前記内線電話端末でダイヤル操作が検出された場合、前記音声ガイダンスの出力を直ちに停止することを特徴とする電話制御装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電話制御装置において、
前記制御部は、前記記憶部に前記内線電話端末の告知情報が記憶されているか否か確認し、記憶されている場合には、前記内線電話端末での発信操作に応じて、前記告知情報の音声ガイダンスを前記内線電話端末に出力し、記憶されていない場合には、前記内線電話端末での発信操作に応じて、前記内線電話端末にダイヤルトーンを出力することを特徴とする電話制御装置。
【請求項4】
内線電話端末を電話網に交換接続する電話制御装置で用いられて、前記内線電話端末の利用者に告知情報を告知するための告知制御方法であって、
記憶部が、前記内線電話端末の利用者に告知すべき告知情報を記憶するステップと、
音声処理部が、前記告知情報を音声ガイダンスに音声変換するステップと、
制御部が、前記内線電話端末で発信操作が検出された場合、前記内線電話端末に出力するダイヤルトーンに代えて、前記音声処理部で得られた前記告知情報の音声ガイダンスを前記内線電話端末に出力するステップと
を備え
、
前記告知情報は、通信網を介してスケジュールサーバから取得された前記内線電話端末の利用者に関するスケジュール情報に関する告知情報である
ことを特徴とする告知制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者への告知情報を電話制御装置から内線電話端末を介して告知するための告知制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ビジネスホンの主装置やPBXシステムのPBXなどの電話制御装置では、提供するサービスの多様化に伴い、音声通話に関する呼制御以外のサービスとして、電子メールの送受信を行うメール管理サービスを有しているものがある(例えば、特許文献1など参照)。また、他のサービスとして、各利用者のスケジュールを管理するスケジュール管理サービスを有しているものもある。
【0003】
このような電話制御装置は、例えば、メール管理サービスの場合、メールサーバとの間で電子メールを送受信する機能を備え、メールサーバから新たなメールを受信した場合、そのメールの宛先となる内線電話端末に新たなメールを受信したことを、予め設定されているメール着信音を内線電話端末のスピーカから出力し、あるいは、内線電話端末のLCD画面で新たなメールに関する情報を文字で画面表示することにより告知する方法が一般的である。また、スケジュール管理サービスの場合、予め設定されている事前告知時刻の到来時に、登録した予定内容を利用者の内線電話端末のLCD画面で画面表示することにより告知する方法が一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来技術では、メールやスケジュールなどに関する告知情報を、利用者へ告知する場合、メール受信時や事前告知時刻到来時に、電話制御装置が当該利用者の内線電話端末を制御して、内線電話端末のLCD画面やスピーカから告知するものである。このため、利用者は告知情報を内線電話端末で確認したとしても、その後、告知の内容を忘れる場合が多いという問題点があった。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、利用者が再確認操作を行わなくても告知情報を容易に再確認できる告知制御技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明にかかる電話制御装置は、内線電話端末を電話網に交換接続する電話制御装置であって、前記内線電話端末の利用者に告知すべき告知情報を記憶する記憶部と、前記告知情報を音声ガイダンスに音声変換する音声処理部と、前記内線電話端末で発信操作が検出された場合、前記内線電話端末に出力するダイヤルトーンに代えて、前記音声処理部で得られた前記告知情報の音声ガイダンスを前記内線電話端末に出力する制御部とを備え、前記告知情報は、通信網を介してスケジュールサーバから取得された前記内線電話端末の利用者に関するスケジュール情報に関する告知情報である。
【0008】
また、本発明にかかる上記電話制御装置の一構成例は、前記制御部が、前記内線電話端末に対して前記音声ガイダンスを出力している状態で、前記内線電話端末でダイヤル操作が検出された場合、前記音声ガイダンスの出力を直ちに停止するようにしたものである。
【0009】
また、本発明にかかる上記電話制御装置の一構成例は、前記制御部が、前記記憶部に前記内線電話端末の告知情報が記憶されているか否か確認し、記憶されている場合には、前記内線電話端末での発信操作に応じて、前記告知情報の音声ガイダンスを前記内線電話端末に出力し、記憶されていない場合には、前記内線電話端末での発信操作に応じて、前記内線電話端末にダイヤルトーンを出力するようにしたものである。
【0012】
また、本発明にかかる告知制御方法は、内線電話端末を電話網に交換接続する電話制御装置で用いられて、前記内線電話端末の利用者に告知情報を告知するための告知制御方法であって、記憶部が、前記内線電話端末の利用者に告知すべき告知情報を記憶するステップと、音声処理部が、前記告知情報を音声ガイダンスに音声変換するステップと、制御部が、前記内線電話端末で発信操作が検出された場合、前記内線電話端末に出力するダイヤルトーンに代えて、前記音声処理部で得られた前記告知情報の音声ガイダンスを前記内線電話端末に出力するステップとを備え、前記告知情報は、通信網を介してスケジュールサーバから取得された前記内線電話端末の利用者に関するスケジュール情報に関する告知情報である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、内線電話端末でのオフフック操作等の発信操作に応じて、内線電話端末のハンドセットまたはスピーカから、記憶部に保存されている音声ガイダンスが出力される。このため、利用者はオフフック操作等の発信操作を行うごとに、メール情報やスケジュール情報などの告知情報を音声信号により確認することが可能となる。したがって、利用者が再確認操作を行わなくても告知情報を容易に再確認することが可能となり、結果として、利用者が告知の内容を忘れるケースを削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】電話システムおよび電話制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】告知情報と音声ガイダンスを示す説明図である。
【
図3】告知制御方法の動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[電話システム]
まず、
図1を参照して、本実施の形態にかかる電話システム1の電話制御装置10について説明する。
図1は、電話システムおよび電話制御装置の構成を示すブロック図である。
この電話システム1は、全体としてビジネスホンやPBXシステムなどの電話システムからなり、複数の内線電話端末20と、これら内線電話端末20を電話網31に対して交換接続する電話制御装置10とから構成されている。
【0016】
[電話制御装置]
電話制御装置10は、全体としてビジネスホンの主装置やPBXシステムのPBX装置などの電話制御装置からなり、主な処理部として、網I/F11、内線I/F12、音声処理部13、記憶部14、および制御部15を備えている。
【0017】
[網I/F]
網I/F11は、通信回線L1を介して電話網31との間でデータ通信を行うことにより、呼制御メッセージや音声データをやり取りする機能と、通信回線L2を介して通信網32との間でデータ通信を行うことにより、メールサーバ33のメール情報やスケジュールサーバ34のスケジュール情報を取得する機能とを有している。
【0018】
以下では、電話網31がIP電話網、ISDN網、携帯電話網などのデジタル電話網からなり、通信網32がインターネットからなる場合を例として説明する。電話網31についてはPSTN網などのアナログ電話網であってもよい。アナログ電話網の場合、網I/F11は、呼制御メッセージや音声データに代えて呼制御信号や音声信号をアナログ電話網との間でやり取りする。
【0019】
[内線I/F]
内線I/F12は、内線回線LNを介して内線電話端末20との間でデータ通信を行うことにより、内線電話端末20で利用者が操作した内容を示す操作データや、利用者への告知情報を示す音声ガイダンスをやり取りする機能を有している。
【0020】
[音声処理部]
音声処理部13は、制御部15から入力されたテキストデータからなる告知情報を、音声データに音声変換することにより音声ガイダンスを生成して出力する機能と、制御部15から入力された音声ガイダンスを音声データに変換して出力する機能とを有している。なお、音声処理部13については、制御部15の処理部により実現してもよい。
【0021】
[記憶部]
記憶部14は、半導体メモリやハードディスクなどの記憶装置からなり、電話制御装置10の処理動作に用いる各種の処理データやプログラム14Pを記憶する機能を有している。
プログラム14Pは、制御部15のCPUと協働することにより、制御部15での呼制御処理や告知制御処理を実行するための各種処理部を実現するプログラムである。プログラム14Pは、電話制御装置10に接続された外部装置や記録媒体(ともに図示せず)から、予め読み込まれて記憶部14に保存される。
【0022】
記憶部14で記憶する主な処理データとして、告知情報14Aと音声ガイダンス14Bがある。
図2は、告知情報と音声ガイダンスを示す説明図である。
図2に示すように、記憶部14には、内線番号などの内線電話端末20を識別するための識別情報、告知情報14A、および音声ガイダンス14Bが、対応付けて記憶されている。告知情報14Aは、電子メールの受信状況や未読/既読状況などのメール情報を、テキストデータに変換したものである。音声ガイダンス14Bは、音声処理部13により告知情報14Aを音声データに変換して得られた音声データファイルである。
【0023】
図2の例では、内線番号「1001」の内線電話端末20に対して、「新たなメールが届いています」という告知情報14Aと、「1001-01.wav」という当該告知情報14Aに関する音声ガイダンス14Bとの組と、「3月12日13:00から進捗会議が予定されています」という告知情報14Aと、「1001-02.wav」という当該告知情報14Aに関する音声ガイダンス14Bとの組とが記憶されている。また、内線番号「1002」の内線電話端末20に対して、「未読メールがあります」という告知情報14Aと、「1002-01.wav」という当該告知情報14Aに関する音声ガイダンス14Bとの組が記憶されている。
【0024】
[制御部]
制御部15は、CPUとその周辺部を有し、CPUと記憶部14のプログラム14Pとを協働させることにより、呼制御処理や告知制御処理を実行するための各種処理部を実現する機能を有している。制御部15で実現する主な処理部として、呼制御部15Aと告知制御部15Bがある。
【0025】
呼制御部15Aは、網I/F11および通信回線L1を介して電話網31との間で呼制御メッセージや音声データをやり取りするとともに、内線I/F12および内線回線LNを介して内線電話端末20との間で制御データや音声データをやり取りすることにより、電話網31を用いた、発信・着信・保留・転送などの一般的な各種の電話サービスを内線電話端末20に提供する機能を有している。
【0026】
告知制御部15Bは、網I/F11および通信網32を介してメールサーバ33から内線電話端末20の利用者に関する新たな受信メールまたは未読メールに関するメール情報を取得する機能と、網I/F11および通信網32を介してスケジュールサーバ34から内線電話端末20の利用者に関するスケジュール情報を取得する機能とを有している。
【0027】
また、告知制御部15Bは、取得したメール情報やスケジュール情報をテキストデータからなる告知情報に変換し、内線電話端末20の内線電話番号と対応付けて記憶部14に保存する機能と、記憶部14に保存している告知情報が、取得したメール情報やスケジュール情報から得られない場合には、記憶部14に保存している告知情報および音声ガイダンスを削除する機能と、記憶部14に新たに保存した告知情報を音声処理部13により音声ガイダンスに変換し、内線電話端末20の内線電話番号と対応付けて記憶部14に保存する機能とを有している。
【0028】
また、告知制御部15Bは、内線電話端末20から出力された操作データにより発信操作が検出された場合、内線電話端末20の内線番号に基づいて記憶部14を参照して、当該内線番号と対応付けられた音声ガイダンスの有無を確認する機能と、音声ガイダンスが存在していた場合、当該音声ガイダンスを音声処理部13により音声データに変換し、内線I/F12および内線回線LNを介して内線電話端末20へ出力する機能と、音声ガイダンスを出力している状態で、内線電話端末20から出力された操作データによりダイヤル操作が検出された場合、音声ガイダンスを直ちに停止する機能とを有している。ここで、本実施の形態における発信操作には、内線電話端末のオフフック操作や、内線電話端末のスピーカボタンの操作等の利用者による発信を行うための操作が含まれる。以下の説明においても同様である。
【0029】
利用者に音声ガイダンスで告知する告知情報については、メール情報やスケジュール情報に限定されるものではない。例えば、通信網32のニュース配信サーバ(図示せず)や気象情報配信サーバから取得したニュース情報や天気情報から生成した告知情報を音声ガイダンスで告知してもよい。また、電話網31や通信網32の網管理サーバ(図示せず)から取得した通信障害に関するネットワーク状況や、電話制御装置10の呼制御部15Aで生成された呼制御処理状況に関する告知情報を音声ガイダンスで告知してもよい。
【0030】
[本実施の形態の動作]
次に、
図3を参照して、本実施の形態にかかる電話制御装置10の告知制御方法について説明する。
図3は、告知制御方法の動作を示すシーケンス図である。
制御部15の告知制御部15Bは、告知情報生成タイミングが到来した場合、網I/F11、通信回線L2、および通信網32を介してメールサーバ33にアクセスし、内線電話端末20の内線番号と対応付けられているメールアドレスに基づいて、内線電話端末20の利用者に関する新たな受信メールまたは未読メールに関するメール情報を取得し(ステップS100)。
【0031】
次に、告知制御部15Bは、取得したメール情報をテキストデータに変換することにより告知情報を生成し、内線電話端末20の内線電話番号と対応付けて記憶部14に保存する(ステップS101)。また、告知制御部15Bは、得られた告知情報を音声処理部13により音声データに変換することにより音声ガイダンスを生成し、内線電話端末20の内線電話番号と対応付けて記憶部14に保存する(ステップS102)。
【0032】
また、告知制御部15Bは、告知情報生成タイミングが到来した場合、網I/F11、通信回線L2、および通信網32を介してスケジュールサーバ34にアクセスし、内線電話端末20の利用者に関するスケジュール情報を取得する(ステップS103)。
【0033】
次に、告知制御部15Bは、取得したスケジュール情報をテキストデータに変換することにより告知情報を生成し、内線電話端末20の内線電話番号と対応付けて記憶部14に保存する(ステップS104)。また、告知制御部15Bは、得られた告知情報を音声処理部13により音声データに変換することにより音声ガイダンスを生成し、内線電話端末20の内線電話番号と対応付けて記憶部14に保存する(ステップS105)。
【0034】
メール情報やスケジュール情報を告知情報に変換する際に、メール情報やスケジュール情報の内容と対応するひな形テキストデータを用いて変換すればよい。例えば、新たなメールが届いていることを示すメール情報であれば、その内容に対応するひな形テキストデータ「新たなメールが届いています」を告知情報として選択すればよい。また、スケジュール情報が予定の到来を示す内容であれば、その内容に対応するひな形テキストデータ「x月x日x:xからxが予定されています」に、スケジュール情報に含まれる日付、予定開始時刻、予定内容を追加すればよい。
【0035】
この後、内線電話端末20で利用者によりオフフック操作等の発信操作が行われた場合(ステップS110)、その操作データが内線電話端末20から内線回線LNを介して内線I/F12で受信される(ステップS111)。
告知制御部15Bは、受信した操作データによりオフフック操作等の発信操作が検出された場合、その内線電話端末20の内線番号に基づいて記憶部14を参照して、当該内線番号と対応付けられた音声ガイダンスの有無を確認する(ステップS112)。
【0036】
ここで、ステップS112において、当該内線番号と対応付けられた音声ガイダンスが存在しない場合(ステップS112:NO)、告知制御部15Bは、音声処理部13で生成されたダイヤルトーン(音声データ)を内線I/F12および内線回線LNを介して内線電話端末20へ出力する。これにより、内線電話端末20のハンドセットまたはスピーカから通常と同様にダイヤルトーンが出力される(ステップS113)。
【0037】
一方、ステップS112において、当該内線番号と対応付けられた音声ガイダンスが存在する場合(ステップS112:YES)、告知制御部15Bは、記憶部14から当該音声ガイダンス(音声データファイル)を取得し(ステップS120)、これを音声処理部13で音声データに変換した後、内線I/F12および内線回線LNを介して内線電話端末20へ出力する(ステップS121)。これにより、内線電話端末20のハンドセットまたはスピーカから告知情報を示す音声ガイダンスが再生出力され(ステップS122)、利用者はメール情報やスケジュール情報などの告知情報を音声信号により確認することになる。
【0038】
この後、内線電話端末20において利用者によりダイヤル操作が行われた場合(ステップS130)、その操作データが内線電話端末20から内線回線LNを介して内線I/F12で受信される(ステップS131)。
告知制御部15Bは、受信した操作データによりダイヤル操作が検出された場合、その内線電話端末20に対する音声ガイダンスの出力を直ちに停止する(ステップS132)。この後、内線電話端末20に関する発信処理が呼制御部15Aにより実行されることになる(ステップS133)。
【0039】
[本実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、電話制御装置10の制御部15が、内線電話端末20でオフフック操作等の発信操作が検出された場合、内線電話端末20に出力するダイヤルトーンに代えて、音声処理部13で得られた告知情報の音声ガイダンスを内線電話端末20に出力するようにしたものである。
【0040】
これにより、内線電話端末20でのオフフック操作等の発信操作に応じて、内線電話端末20のハンドセットまたはスピーカから、記憶部14に保存されている音声ガイダンスが出力される。このため、利用者は、オフフック操作等の発信操作を行うごとに、メール情報やスケジュール情報などの告知情報を音声信号により確認することが可能となる。したがって、利用者が再確認操作を行わなくても告知情報を容易に再確認することが可能となり、結果として、利用者が告知の内容を忘れるケースを削減することが可能となる。
【0041】
また、本実施の形態において、制御部15が、内線電話端末20に対して音声ガイダンスを出力している状態で、内線電話端末20で発信のための操作が検出された場合、音声ガイダンスの出力を直ちに停止するようにしてもよい。これにより、音声ガイダンスが利用者による発信の邪魔となることを回避することができる。
【0042】
また、本実施の形態において、制御部15が、記憶部14に内線電話端末20の告知情報が記憶されているか否か確認し、記憶されている場合には、内線電話端末20でのオフフック操作等の発信操作に応じて、告知情報の音声ガイダンスを内線電話端末20に出力し、記憶されていない場合には、内線電話端末20でのオフフック操作等の発信操作に応じて、内線電話端末20にダイヤルトーンを出力するようにしてもよい。これにより、告知情報の有無に応じてダイヤルトーンと音声ガイダンスとを効果的に使い分けることができる。
【0043】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0044】
1…電話システム、10…電話制御装置、11…網I/F、12…内線I/F、13…音声処理部、14…記憶部、14A…告知情報、14B…音声ガイダンス、14P…プログラム、15…制御部、15A…呼制御部、15B…告知制御部、20…内線電話端末、31…電話網、32…通信網、33…メールサーバ、34…スケジュールサーバ、L1,L2…通信回線、LN…内線回線。