(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】アンテナの取付構造およびアンテナ取付用ブラケット
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/12 20060101AFI20240822BHJP
H01Q 1/24 20060101ALI20240822BHJP
H04M 1/02 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
H01Q1/12 E
H01Q1/24 A
H04M1/02 C
(21)【出願番号】P 2020198068
(22)【出願日】2020-11-30
【審査請求日】2023-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】敦賀 直明
(72)【発明者】
【氏名】西川 晃勝
(72)【発明者】
【氏名】都築 一郎
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-054105(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/12
H01Q 1/24
H04M 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ挿入孔を有するケースと、
前記アンテナ挿入孔に挿入可能な基端部を有するアンテナと、
前記アンテナ挿入孔に挿入された前記アンテナの前記基端部を前記ケースに回動自在に取付けるアンテナ取付用ブラケットとからなるアンテナの取付構造であって、
前記アンテナ取付用ブラケットは、
前記基端部が前記ケースに対して回動する際の軸線とは直交する方向から前記基端部を覆う形状に形成され、前記基端部に押し付けられる状態で前記基端部を支持する支持部と、
前記支持部と一体に形成され、前記ケースに締結部材によって取付けられる取付部とを有し
、
前記アンテナ挿入孔は、前記ケースの1枚の壁を貫通する孔で、
前記アンテナの前記基端部におけるケース内側の一端と、ケース外側の他端とにそれぞれフランジが設けられ、
前記ケース内側に位置する前記フランジは、前記アンテナ挿入孔に押し込むことが可能に形成され、
前記ケース外側に位置する前記フランジは、前記アンテナ挿入孔に押し込むことができないように形成され、
前記支持部が前記基端部を支持する状態において、前記ケース内側に位置する前記フランジは、前記基端部に前記アンテナ挿入孔から引き抜く方向へ力が加えられたときにストッパーとして機能することを特徴とするアンテナの取付構造。
【請求項2】
請求項1記載のアンテナの取付構造において、
前記アンテナの前記基端部は円柱状に形成され、
前記アンテナ取付用ブラケットの前記支持部における前記基端部の外周面と対向する内面には、前記基端部の外周面に接触する複数の凸部が設けられていることを特徴とするアンテナの取付構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載のアンテナの取付構造において、
前記アンテナ取付用ブラケットの前記支持部は、前記アンテナの前記基端部を径方向の両側から挟む一対の腕部を有し、
前記ケースは、前記一対の腕部を前記径方向の両側から挟む規制壁を有していることを特徴とするアンテナの取付構造。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか一つに記載のアンテナの取付構造において、
前記ケースは、前記アンテナ取付用ブラケットの前記支持部が前記アンテナの前記基端部を覆う方向に組合わせられる第1のケース半部と第2のケース半部とを有し、
前記アンテナ取付用ブラケットは、前記第1のケース半部と前記第2のケース半部とのうち何れか一方のケース半部に取付けられ、
前記アンテナ取付用ブラケットの前記支持部は、前記第1のケース半部と前記第2のケース半部とのうち前記アンテナ取付用ブラケットが取付けられていない他方のケース半部に当接する突起を有していることを特徴とするアンテナの取付構造。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか一つに記載のアンテナの取付構造に使用されるアンテナ取付用ブラケットであって、
前記アンテナの前記基端部を径方向の一方から覆う形状に形成され、前記基端部に押し付けられる状態で前記基端部を支持する支持部と、
前記支持部と一体に形成され、前記ケースに締結部材によって取付けられる取付部とを有し、
前記支持部は、前記アンテナの前記基端部を径方向の両側から挟む一対の腕部を有し、
前記取付部は、前記一対の腕部の先端部どうしを互いに連結していることを特徴とするアンテナ取付用ブラケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク機器やコードレス電話機など、無線による通信手段をもつ電子機器に設けられるアンテナをケースに回動自在に取付けるためのアンテナの取付構造およびアンテナ取付用ブラケットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からWifi等の無線に接続する無線通信機能を有する電子機器において、筐体の側壁の一部に孔を設け、その孔にアンテナを挿入してブラケットで固定するアンテナの取付構造が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載されているアンテナの取付構造は、ケースのアンテナ挿入孔にケース内側から挿入されるブラケットを備えている。ブラケットは、アンテナの基端部が通される貫通孔を有しているとともに、アンテナの基端部に突設された取付片とともにケースに取付けられる板状片を有している。
【0003】
このような従来のアンテナの取付構造においては、アンテナ挿入孔に嵌め込まれたブラケットをアンテナ挿入孔から外れることがないように指で押しながら、アンテナがケースに取付けられる。このときブラケットには、アンテナの基端部をアンテナ挿入孔に挿入する方向の力に対して逆向きの力が加えられる。このため、アンテナ取付時は、ケースの内側でブラケットをアンテナの挿入方向の力に負けない力で保持しておく必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、アンテナを固定する部位の周囲には基板や他の部品が配置されていることが多く、指で一定以上の力でブラケットを保持することが困難であったり、更には指を挿入するスペースを確保することすら難しい場合がある。このため、従来のアンテナの取付構造では、アンテナを取付ける際の作業性が悪いという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、アンテナ取付時にブラケットを押さえておくために指の力を必要としたり、指を挿入するスペースを確保する必要がなく、簡易な構造で容易かつ強固にアンテナを取付けることが可能なアンテナの取付構造およびアンテナ取付用ブラケットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために本発明に係るアンテナの取付構造は、アンテナ挿入孔を有するケースと、前記アンテナ挿入孔に挿入可能な基端部を有するアンテナと、前記アンテナ挿入孔に挿入された前記アンテナの前記基端部を前記ケースに回動自在に取付けるアンテナ取付用ブラケットとからなるアンテナの取付構造であって、前記アンテナ取付用ブラケットは、前記基端部が前記ケースに対して回動する際の軸線とは直交する方向から前記基端部を覆う形状に形成され、前記基端部に押し付けられる状態で前記基端部を支持する支持部と、前記支持部と一体に形成され、前記ケースに締結部材によって取付けられる取付部とを有しているものである。
【0008】
本発明は、前記アンテナの取付構造において、前記アンテナの前記基端部は円柱状に形成され、前記アンテナ取付用ブラケットの前記支持部における前記基端部の外周面と対向する内面には、前記基端部の外周面に接触する複数の凸部が設けられていてもよい。
【0009】
本発明は、前記アンテナの取付構造において、前記アンテナ取付用ブラケットの前記支持部は、前記アンテナの前記基端部を径方向の両側から挟む一対の腕部を有し、前記ケースは、前記一対の腕部を前記径方向の両側から挟む規制壁を有していてもよい。
【0010】
本発明は、前記アンテナの取付構造において、前記ケースは、前記アンテナ取付用ブラケットの前記支持部が前記アンテナの前記基端部を覆う方向に組合わせられる第1のケース半部と前記第2のケース半部とを有し、前記アンテナ取付用ブラケットは、前記第1のケース半部と前記第2のケース半部とのうち何れか一方のケース半部に取付けられ、前記アンテナ取付用ブラケットの前記支持部は、前記第1のケース半部と前記第2のケース半部とのうち前記アンテナ取付用ブラケットが取付けられていない他方のケース半部に当接する突起を有していてもよい。
【0011】
本発明に係るアンテナ取付用ブラケットは、前記アンテナの取付構造に使用されるアンテナ取付用ブラケットであって、前記アンテナの前記基端部を径方向の一方から覆う形状に形成され、前記基端部に押し付けられる状態で前記基端部を支持する支持部と、前記支持部と一体に形成され、前記ケースに締結部材によって取付けられる取付部とを有し、前記支持部は、前記アンテナの前記基端部を径方向の両側から挟む一対の腕部を有し、前記取付部は、前記一対の腕部の先端部どうしを互いに連結しているものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ケースのアンテナ挿入孔に挿入されたアンテナの基端部にアンテナ取付用ブラケットの支持部を被せ、このアンテナ取付用ブラケットの取付部を締結部材でケースに取付けることによって、アンテナがケースに回動自在に取付けられる。このアンテナの取付構造は、ケース外から容易に押すことが可能なアンテナ取付用ブラケットを使用する簡単な取付構造であるため、アンテナの取付作業をケース内の狭い空間でも容易に行うことができ、しかも強固にアンテナをケースに取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明に係るアンテナの取付構造が採用された電子機器の斜視図である。
【
図2】
図2は、ケースを分解した状態を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、アンテナを取り外した要部の斜視図である。
【
図4】
図4は、アンテナの一部を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、アンテナ取付用ブラケットを外した要部の斜視図である。
【
図7】
図7は、アンテナ取付用ブラケットの斜視図である。
【
図8】
図8は、アンテナ取付用ブラケットの斜視図である。
【
図10】
図10は、ケースを破断して示す要部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るアンテナの取付構造およびアンテナ取付用ブラケットの一実施の形態を
図1~
図11を参照して詳細に説明する。
図1に示す電子機器1は、Wifi等の無線に接続する無線通信機能を有する電子機器である。この電子機器1は、箱状のケース2と、このケース2の一側部に後述するアンテナの取付構造3によって取付けられたアンテナ4とを備えている。
ケース2は、
図2に示すように、2分割可能に形成されている。この実施の形態において、電子機器1の各部品を説明するにあたって方向を示す場合には、ケース2の分割方向を上下方向とし、ケース2のアンテナ4が取付けられる部分を前部として説明する。
【0015】
ケース2は、
図2において下側に位置するケース本体5と、このケース本体5の上端部に取付けられる蓋体6とによって構成されている。この実施の形態においては、ケース本体5が本発明でいう「第1のケース半部」を構成し、蓋体6が本発明でいう「第2のケース半部」を構成している。ケース本体5は、上方に向けて開口する箱状に形成されており、前壁5aと、後壁5bと、左側壁5cと、右側壁5dと、底壁5eとを有している。
【0016】
ケース本体5の前壁5aには、アンテナ挿入孔7が形成されている。アンテナ挿入孔7は、後述するアンテナ4の基端部8を挿入するための孔で前壁5aを貫通している。アンテナ挿入孔7の孔壁には、
図3に示すように、アンテナ挿入孔7内に向けて突出する複数の凸部9が所定の間隔をおいてアンテナ挿入孔7の全域にわたって設けられている。アンテナ挿入孔7の下部は、前壁5aのケース内側に設けられたアンテナ支持座10に接続されている。アンテナ支持座10は、アンテナ挿入孔7の下部の孔壁をケース2内に延長したような形状の座面を有している。
【0017】
アンテナ支持座10の左右方向の両側には、上下方向に延びる一対の規制壁11,12がアンテナ支持座10から所定の間隔をおいて離間する状態で設けられている。
一対の規制壁11,12のうちケース2の左側(
図3においては右側)に位置する一方の規制壁12の近傍には、左側壁5cに沿って上下方向に延びるねじ止め用ボス13が設けられている。ねじ止め用ボス13にはねじ孔13aが形成されている。
【0018】
蓋体6は、ケース本体5の上端に重ねられてケース本体5の開口部分を閉塞するように形成されており、図示していない固定用ねじによってケース本体5に固定されている。
アンテナ4は、
図4に示すように、棒状に形成された本体部14と、この本体部14の一端に支軸15を介して回動自在に連結された基端部8とを備えている。基端部8は、アンテナ挿入孔7に挿入可能な円柱状に形成されており、円柱部8aと、円柱部8aの先端に設けられた第1のフランジ8bと、円柱部8aの他端に設けられた第2のフランジ8cとを有している。なお、図示してはいないが、基端部8の軸心部には、アンテナケーブルが通されている。
【0019】
第1および第2のフランジ8b,8cは、それぞれ円板状に形成されている。第1のフランジ8bの外径は、アンテナ挿入孔7に押し込むことが可能な径である。第2のフランジ8cの外径は、アンテナ挿入孔7に挿入することができない径である。基端部8は、第2のフランジ8cが前壁5aの外面に当接するまでアンテナ挿入孔7に挿入される。このようにアンテナ挿入孔7に基端部8が挿入されることによって、
図5に示すように第1のフランジ8bがアンテナ支持座10を越えて後方に位置付けられ、第1のフランジ8bと第2のフランジ8cとの間の円柱部8aがアンテナ支持座10に上方から載せられるようになる。
【0020】
アンテナ支持座10に載せられた円柱部8aには、
図6に示すように、上方からアンテナ取付用ブラケット21が重ねられる。アンテナ取付用ブラケット21は、アンテナ挿入孔7に挿入されたアンテナ4の基端部8をケース2に回動自在に取付けるものである。この実施の形態によるアンテナの取付構造3は、ケース2およびアンテナ4とアンテナ取付用ブラケット21とによって構成されている。
【0021】
アンテナ取付用ブラケット21は、
図7および
図8に示すように、前後方向から見て上方に向けて凸になるU字状に形成された支持部22と、支持部22の下端部に接続されて左右方向に延びる取付部23とによって構成されている。支持部22と取付部23とは、一体成形により一体に形成されている。
この実施の形態による支持部22は、ケース本体5に蓋体6を取付ける方向と同じ方向からアンテナ4の基端部8を覆う形状に形成されている。詳述すると、支持部22は、基端部8がケース2に対して回動する際の軸線C(
図9参照)とは直交する方向であって、上方から基端部8を覆っている。
【0022】
支持部22は、上方に向けて凸になるU字状を呈する湾曲部22aと、湾曲部22aの両端から下方に延びる一対の腕部22bとを有している。湾曲部22aは、
図5に示すように、基端部8の円柱部8aと重なる。このため、基端部8の第1のフランジ8bは、湾曲部22aより後方に位置するようになり、基端部8にアンテナ挿入孔7から引き抜く方向へ(前方へ)力が加えられたときにストッパーとして機能する。
【0023】
湾曲部22aの内径は、基端部8の円柱部8aの外径より僅かに小さい。このため、支持部22は、基端部8に押し付けられる状態で基端部8を支持する。
湾曲部22aの上面には、上方に向けて突出する二つの突起24が設けられている。これらの突起24は、
図10に示すように、ケース本体5に固定された蓋体6の内面に当接するように形成されている。
【0024】
湾曲部22aの内面(基端部8の外周面と対向する内面)には、
図8に示すように、基端部8の外周面に接触する複数の凸部25が設けられている。この凸部25は、支持部22の前端から後端まで延びる突条となるように形成されている。この実施の形態による支持部22には3つの凸部25が設けられている。
【0025】
一対の腕部22bは、支持部22がアンテナ4の基端部8に上方から被せられた状態で基端部8を径方向の両側から挟むように形成されている。これらの腕部22bは、
図9および
図10に示すように、ケース本体5の一対の規制壁11,12どうしの間に挿入される。一対の規制壁11,12は、一対の腕部22bを基端部8の径方向の両側から挟んでいる。
一対の腕部22bの先端部は、
図7に示すように、支持部22より後側に突出するように形成されている。一対の腕部22bの先端部どうしは、取付部23によって互いに連結されている。この取付部23は、
図11に示すように、締結部材としての取付用ねじ31によってケース本体5に取付けられる。詳述すると、取付部23の左側の端部は、腕部22bより左側に突出している。
【0026】
突出部23aには、
図7に示すように、上下方向に延びる貫通孔32が形成されている。突出部23aは、アンテナ取付用ブラケット21を基端部8に被せた状態でケース本体5のねじ止め用ボス13に上方から重なるように構成されている。また、貫通孔32は、突出部23aがねじ止め用ボス13に重ねられた状態でねじ止め用ボス13のねじ孔13a(
図6参照)と重なるように形成されている。このように突出部23aがねじ止め用ボス13に重ねられた状態で取付用ねじ31を貫通孔32に通してねじ孔13aにねじ込むことによって、アンテナ取付用ブラケット21がケース本体5に取付けられる。
【0027】
このように構成されたアンテナの取付構造3によってアンテナ4をケース2に取付けるためには、先ず、アンテナ4の基端部8をアンテナ挿入孔7に挿入し、円柱部8aをアンテナ支持座10に載せる(
図6参照)。そして、アンテナ取付用ブラケット21を上方からアンテナ4の基端部8に被せ、取付部23を取付用ねじ31によってケース本体5に取付ける。このアンテナの取付構造3によれば、アンテナ取付用ブラケット21の支持部22が基端部8に上方から嵌合してアンテナ支持座10と協働して基端部8を回動自在に支持するから、アンテナ4がケース2に回動自在に取付けられる。
【0028】
このアンテナの取付構造3は、ケース2外から容易に押すことが可能なアンテナ取付用ブラケット21を使用する簡単な取付構造である。すなわち、アンテナ取付時にアンテナ取付用ブラケット21を押さえておくために指の力を必要としたり、指を挿入するスペースを確保する必要はない。このため、アンテナ4の取付作業をケース2内の狭い空間でも容易に行うことができ、しかも強固にアンテナ4をケース2に取付けることができる。
【0029】
この実施の形態によるアンテナ4の基端部8は円柱状に形成されている。アンテナ取付用ブラケット21の支持部22における基端部8の外周面と対向する内面には、基端部8の外周面に接触する複数の凸部25が設けられている。このため、アンテナ取付用ブラケット21に対して基端部8が回動する際に適切な大きさの摩擦抵抗を付与することができるから、基端部8の回動方向においてアンテナ4を所望の角度で保持することができる。
【0030】
この実施の形態によるアンテナ取付用ブラケット21の支持部22は、アンテナ4の基端部8を径方向の両側から挟む一対の腕部22bを有している。ケース本体5は、一対の腕部22bを基端部8の径方向の両側から挟む規制壁11,12を有している。
このため、アンテナ4の回動を繰り返すことでアンテナ取付用ブラケット21が開いてアンテナ4に対する規制が緩くなる(支持部22に対して円柱部8aが回動する際の摩擦抵抗が小さくなる)ことを防ぐことができる。
【0031】
この実施の形態によるケース2は、アンテナ取付用ブラケット21の支持部22がアンテナ4の基端部8を覆う方向に組合わせられるように形成されたケース本体5と蓋体6とを有している。アンテナ取付用ブラケット21は、ケース本体5に取付けられている。アンテナ取付用ブラケット21の支持部22は、蓋体6に当接する突起24を有している。
アンテナ取付用ブラケット21は、取付部23のみでケース本体5に取付けられるために、取付用ねじ31を締め込むことにより、支持部22が上方に浮く方向に力が加えられるおそれがある。しかし、突起24が蓋体6の内面に当接するために、このようなアンテナ取付用ブラケット21の浮き上がりが防止され、アンテナ4を適切に固定することができる。
【0032】
この実施の形態によるアンテナ取付用ブラケット21は、アンテナ4の基端部8を径方向の一方から覆う形状に形成され、基端部8に押し付けられる状態で基端部8を支持する支持部22と、支持部22と一体に形成されてケース本体5に取付用ねじ31によって取付けられる取付部23とを有している。支持部22は、アンテナ4の基端部8を径方向の両側から挟む一対の腕部22bを有している。取付部23は、一対の腕部22bの先端部どうしを互いに連結している。
このため、取付部23が一対の腕部22bの補強部品としても機能し、腕部22bどうしの間隔が変わることがないから、アンテナ4を支持するにあたって信頼性が高いアンテナ取付用ブラケットが得られる。
【符号の説明】
【0033】
1…電子機器、2…ケース、3…アンテナの取付構造、4…アンテナ、5…ケース本体(第1のケース半部)、6…蓋体(第2のケース半部)、7…アンテナ挿入孔、8…基端部、11,12…規制壁、21…アンテナ取付用ブラケット、22…支持部、22b…腕部、23…取付部、24…突起、25…凸部、31…取付用ねじ(締結部材)。