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特許7541683向上されたコンピュータ心臓シミュレーション
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】向上されたコンピュータ心臓シミュレーション
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/346 20210101AFI20240822BHJP
   A61B 5/33 20210101ALI20240822BHJP
   A61B 5/339 20210101ALI20240822BHJP
   A61B 5/367 20210101ALI20240822BHJP
   G16H 30/20 20180101ALI20240822BHJP
   G16H 50/20 20180101ALI20240822BHJP
【FI】
A61B5/346
A61B5/33 110
A61B5/33 120
A61B5/33 210
A61B5/339
A61B5/367
G16H30/20
G16H50/20
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021538441
(86)(22)【出願日】2019-12-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-09
(86)【国際出願番号】 US2019069136
(87)【国際公開番号】W WO2020142539
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2022-12-23
(31)【優先権主張番号】62/786,973
(32)【優先日】2018-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506138351
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
(73)【特許権者】
【識別番号】521285355
【氏名又は名称】ベクター メディカル,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151987
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 信行
(72)【発明者】
【氏名】ヴィロンコ,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】クルンメン,デイヴィッド
【審査官】磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/112910(WO,A1)
【文献】特表2013-523344(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00- 5/398
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、該システムは:
少なくとも1つのプロセッサと、
心臓不整脈の複数のコンピュータシミュレーションの各々について、前記心臓不整脈の複数のコンピュータシミュレーションに関連する複数のシミュレーション特徴を記憶する少なくとも1つのデータストアと、
プログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を含み、前記プログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサによって実行される時:
複数の第1の臨床例の各々について、
第1のユーザークライアントから、前記第1の臨床例に関連付けられた第1の臨床データを受け取ることであって、前記第1の臨床データは、複数の第1の特徴に関連付けられていることと、
前記複数の第1の特徴と一致するシミュレーション特徴に関連付けられた前記心臓不整脈のコンピュータシミュレーションのうちの少なくとも1つに関連して前記第1の臨床データの少なくとも一部を少なくとも1つのデータストアに記憶することにより、前記第1の臨床例に索引付けをすることと、
複数の第2の特徴と一致する複数のシミュレーション特徴に関連付けられた索引付けをされた第1の臨床例に関連付けられた前記第1の臨床データの少なくとも一部を第2のユーザークライアントに少なくとも送ることにより、前記第2のユーザークライアントからの前記複数の第2の特徴を含むクエリに応答することと、を含む、動作を提供する、システム。
【請求項2】
前記第1の臨床データは、患者の解剖学的な情報、診断および/または処置のモダリティ、処置パラメータ、処置転帰、および医学的文献を含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数の第1の特徴は、患者の人口統計、病歴、および処置計画を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記索引付けをすることは、心臓不整脈の複数のコンピュータシミュレーションの各々について、前記第1の臨床データに関連付けられた前記複数の第1の特徴と、前記複数のコンピュータシミュレーションの各々に関連付けられる前記複数のシミュレーション特徴との間の一致の密接度を示す類似性スコアを求めることを含み、ここで、前記索引付けをすることは、前記複数のコンピュータシミュレーションのうちで最も高い類似性スコアを有する1つに前記第1の臨床データの前記少なくとも一部を関連付けることをさらに含む、請求項1から3のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の第2の特徴と一致する前記複数のシミュレーション特徴に関連付けられた前記心臓不整脈の前記コンピュータシミュレーションに関連して、第2の臨床データの少なくとも一部をデータストアに記憶することをさらに含む、請求項1から4のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項6】
第2の特徴は、患者のベクトル心電図(VCG)を含み、および、ここで、前記クエリに応答することは、前記患者の前記VCGと一致するVCGに関連付けられた前記心臓不整脈のコンピュータシミュレーションを特定することを含む、請求項1から5のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項7】
コンピュータにより実施される方法であって、該方法は:
心臓不整脈の複数のコンピュータシミュレーションの各々について、前記心臓不整脈の複数のコンピュータシミュレーションに関連する複数のシミュレーション特徴を記憶するデータストアにアクセスする工程と、
第1のユーザークライアントから、第1の臨床例に関連付けられた第1の臨床データを受け取る工程と、
複数の第1の特徴と一致する複数のシミュレーション特徴を有する心臓不整脈のコンピュータシミュレーションに関連して前記第1の臨床データの少なくとも一部を記憶することにより、前記第1の臨床例に索引付けをする工程と、
複数の第2の特徴と一致する複数のシミュレーション特徴に関連付けられた索引付けをされた第1の臨床例に関連付けられた前記第1の臨床データの少なくとも一部を第2のユーザークライアントに少なくとも送ることにより、前記第2のユーザークライアントからの複数の第2の特徴を含むクエリに応答する工程と、を含む、方法。
【請求項8】
前記第1の臨床データは、患者の解剖学的な情報、診断および/または処置のモダリティ、処置パラメータ、処置転帰、および医学的文献を含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の第1の特徴および前記複数の第2の特徴は、患者の人口統計、病歴、および処置計画を含むことを特徴とする、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記索引付けをすることは、心臓不整脈の複数のコンピュータシミュレーションの各々について、前記第1の臨床データに関連付けられた前記複数の第1の特徴と、前記複数のコンピュータシミュレーションの各々に関連付けられる前記複数のシミュレーション特徴との間の一致の密接度を示す類似性スコアを求めることを含み、ここで、前記索引付けをすることは、前記複数のコンピュータシミュレーションのうちで最も高い類似性スコアを有する1つに前記第1の臨床データの前記少なくとも一部を関連付けることをさらに含む、請求項7から9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
前記心臓不整脈のコンピュータシミュレーションとの関連付けを含む前記第1の臨床データの少なくとも前記一部をデータストアに記憶する工程をさらに含む、請求項7から10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
前記クエリは、患者のベクトル心電図(VCG)を含み、および、ここで、クエリに応答する前記工程は、前記患者の前記VCGと最も密接に一致する、心臓不整脈のコンピュータシミュレーションを特定することと、前記第1の臨床データの少なくとも前記一部を前記第2のユーザークライアントに送るために、前記索引付けをされた第1の臨床例に関連付けられた前記第1の臨床データの少なくとも前記一部を取り出すことと、を含む、請求項7から11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、該命令は、少なくとも1つのデータプロセッサーによって実行された時:
心臓不整脈の複数のコンピュータシミュレーションの各々について、前記心臓不整脈の複数のコンピュータシミュレーションに関連する複数のシミュレーション特徴を記憶するデータストアにアクセスすることと、
第1のユーザークライアントから、第1の臨床例に関連付けられた第1の臨床データを受け取ることと、
複数の第1の特徴と一致する複数のシミュレーション特徴を有する心臓不整脈のコンピュータシミュレーションに関連して前記第1の臨床データの少なくとも一部を記憶することにより、前記第1の臨床例に索引付けをすることと、
複数の第2の特徴と一致する複数のシミュレーション特徴に関連付けられた索引付けをされた第1の臨床例に関連付けられた前記第1の臨床データの少なくとも一部を第2のユーザークライアントに少なくとも送ることにより、前記第2のユーザークライアントからの複数の第2の特徴を含むクエリに応答することと、を含む動作をもたらす、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
装置であって、当該装置は:
心臓不整脈の複数のコンピュータシミュレーションの各々について、前記心臓不整脈の複数のコンピュータシミュレーションに関連する複数のシミュレーション特徴を記憶するデータストアにアクセスするための手段と、
第1のユーザークライアントから、第1の臨床例に関連付けられた第1の臨床データを受け取るための手段と、
複数の第1の特徴と一致する複数のシミュレーション特徴を有する心臓不整脈のコンピュータシミュレーションに関連して前記第1の臨床データの少なくとも一部を記憶することにより、前記第1の臨床例に索引付けをする手段と、
複数の第2の特徴と一致する複数のシミュレーション特徴に関連付けられた索引付けをされた第1の臨床例に関連付けられた前記第1の臨床データの少なくとも一部を第2のユーザークライアントに少なくとも送ることにより、前記第2のユーザークライアントからの複数の第2の特徴を含むクエリに応答するための手段と、を含む、装置。
【請求項15】
前記装置は、請求項7から12のいずれかに記載の方法を実行するための手段をさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
請求項7~12のいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、「HEART RELATED SYSTEMS AND METHODS」と題され、2018年12月31日に提出された米国仮特許出願第62/786,973についての優先権を主張する。その開示全体は、参照により本明細書に組込まれる。本出願は、またコンピュータモデルおよびコンピュータシミュレーションのライブラリに関する米国特許10,319,144“Computational Localization of Fibrillation Sources”を参照により組み込む。
【0002】
本明細書に記載された発明特定事項は、コンピュータによるモデリングとシミュレーションに関し、および、より具体的には、標的療法を可能にするために心臓不整脈の起源の位置を特定するための、コンピュータによるモデリングとシミュレーションを向上させることに、関する。
【背景技術】
【0003】
心臓不整脈は、心臓における異常な電気信号が心臓を最適以下の挙動で収縮させる、一般的な医的障害である。結果として、異常な心拍が、または不整脈が、心臓の心房において生じる(例えば、心房細動(AF))、および/または、心臓の心室において生じる(例えば、心室頻脈(VT)または心室細動(VF))場合がある。心臓不整脈の処置は、例えば、安定した電気的旋回、再発する電気的局所性(focal)起源、リエントラントな電気回路、などを含む、持続的な、および/または臨床的に有意な症状を誘発する機序を取り扱うことを試みる。未処置のままにされると、心臓不整脈は、病的状態(例えば、意識喪失、卒中、など)および死亡(例えば、突然心臓死(SCD))を含む重大な合併症を引き起こし得る。
【発明の概要】
【0004】
システム、方法、およびコンピュータプログラム製品を含む製品が、向上されたコンピュータ心臓シミュレーションのために提供される。いつくかの例示的な実施形態では、少なくとも1つのプロセッサおよび少なくとも1つのメモリを含むシステムが提供される。少なくとも1つのメモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行された時、動作を提供するプログラムコードを含み得る。前記動作は次のものを含み得る:第1のユーザーから臨床例に関連付けられた臨床データを受け取ること;臨床データに関連付けられた少なくとも第1の複数の特徴に基づいて臨床例に索引付けを行なうことであって、前記索引付けは、臨床データの少なくとも一部を、第1の複数の特徴と一致する第2の複数の特徴を有する心臓不整脈のコンピュータシミュレーションに関連付けることを含む、索引付けを行なうこと;および、索引付けをされた臨床例に関連付けられた臨床データの少なくとも一部を第2のユーザーに少なくとも送ることにより、第2のユーザーからの問合せに応答すること。
【0005】
いくつかの変形では、以下の特徴を含む1つ以上の、本明細書に開示される特徴は、任意の実現可能な組合せに随意に含まれ得る。臨床データは、患者の解剖学的な情報、診断および/または処置のモダリティ、処置パラメータ、処置転帰、および医学的文献を含み得る。
【0006】
いくつかの変形では、第1の複数の特徴と第2の複数の特徴は、患者の人口統計、病歴、および処置計画を含み得る。
【0007】
いくつかの変形では、索引付けは、ライブラリに含まれる心臓不整脈の複数のコンピュータシミュレーションの各々について、臨床データに関連付けられた第1の複数の特徴と、個々の複数のコンピュータモデルおよび/またはシミュレーションに関連付けられる第2の複数の特徴との間の一致の密接度を示す、類似性スコアを求めることを含み得る。索引付けは、複数の計算モデルおよび/またはシミュレーションのうちの最も高い類似性スコアを有する1つにデータの少なくとも一部を関連付けることをさらに含み得る。
【0008】
いくつかの変形では、心臓不整脈のコンピュータシミュレーションとの関連付けを含む臨床データの少なくとも一部は、データストアに記憶され得る。
【0009】
いくつかの変形では、問合せは、患者のベクトル心電図(VCG)を含み得る。問合せに対して応答することは、患者のベクトル心電図と最も密接に一致する、心臓不整脈のコンピュータモデルを特定することと、臨床データの少なくとも一部を第2のユーザーに送るために、索引付きの臨床例に関連付けられた臨床データの少なくとも一部を取り出すこと、とを含み得る。
【0010】
別の態様では、向上されたコンピュータ心臓シミュレーションのための方法が提供される。前記方法は:第1のユーザーから臨床例に関連付けられた臨床データを受け取ることと、臨床例に関連付けられる少なくとも第1の複数の特徴に基づいて臨床データ索引付けを行なうことであって、前記索引付けは、臨床データの少なくとも一部を、第1の複数の特徴と一致する第2の複数の特徴を有する心臓不整脈のコンピュータシミュレーションに関連付けることを含む、索引付けを行なうことと、索引付けをされた臨床例に関連付けられた臨床データの少なくとも一部を第2のユーザーに少なくとも送ることにより、第2のユーザーからの問合せに応答することと、を含み得る。
【0011】
いくつかの変形では、以下の特徴を含む1つ以上の、本明細書に開示される特徴は、任意の実現可能な組合せに随意に含まれ得る。臨床データは、患者の解剖学的な情報、診断および/または処置のモダリティ、処置パラメータ、処置転帰、および医学的文献を含み得る。
【0012】
いくつかの変形では、第1の複数の特徴と第2の複数の特徴は、患者の人口統計、病歴、および処置計画を含み得る。
【0013】
いくつかの変形では、索引付けは、ライブラリに含まれた心臓不整脈の複数のコンピュータシミュレーションの各々について、臨床データに関連付けられた第1の複数の特徴と、複数のコンピュータシミュレーションの各々に関連付けられる第2の複数の特徴との間の一致の密接度を示す、類似性スコアを求めることを含み得る。索引付けは、複数のコンピュータシミュレーションのうちで最も高い類似性スコアを有する1つにデータの少なくとも一部を関連付けることをさらに含み得る。
【0014】
いくつかの変形では、方法は、心臓不整脈のコンピュータシミュレーションとの関連を含む臨床データの少なくとも一部をデータストアに記憶させることをさらに含み得る。
【0015】
いくつかの変形では、問合せは、患者のベクトル心電図(VCG)を含み得る。問合せに対して応答することは、患者のベクトル心電図と最も密接に一致する、心臓不整脈のコンピュータモデルを特定することと、臨床データの少なくとも一部を第2のユーザーに送るために、索引付きの臨床例に関連付けられた臨床データの少なくとも一部を取り出すこと、とを含み得る。
【0016】
他の態様では、命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品が提供される。命令は、少なくとも1つのデータプロセッサーによって実行されてもよい動作をもたらし得る。前記動作は:第1のユーザーから臨床例に関連付けられた臨床データを受け取ることと;臨床例に関連付けられる少なくとも第1の複数の特徴に基づいて臨床データ索引付けを行なうことであって、前記索引付けは、臨床データの少なくとも一部を、第1の複数の特徴と一致する第2の複数の特徴を有する心臓不整脈のコンピュータシミュレーションに関連付けることを含む、索引付けを行なうことと;索引付けをされた臨床例に関連付けられた臨床データの少なくとも一部を第2のユーザーに少なくとも送ることにより、第2のユーザーからの問合せに応答することと、を含み得る。
【0017】
他の態様では、向上されたコンピュータ心臓シミュレーションのための装置が提供される。前記装置は次のものを含み得る:第1のユーザーから臨床例に関連付けられた臨床データを受け取る手段;臨床例に関連付けられる少なくとも第1の複数の特徴に基づいて臨床データ索引付けを行なう手段であって、前記索引付けは、臨床データの少なくとも一部を、第1の複数の特徴と一致する第2の複数の特徴を有する心臓不整脈のコンピュータモデルおよびシミュレーションに関連付けることを含む、索引付けを行なう手段;および、索引付けをされた臨床例に関連付けられた臨床データの少なくとも一部を第2のユーザーに少なくとも送ることにより、第2のユーザーからの問合せに応答する手段。
【0018】
他の態様では、少なくとも1つのプロセッサおよび少なくとも1つのメモリを含むシステムが提供される。少なくとも1つのメモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行された時、動作を提供するプログラムコードを含み得る。前記動作は次のものを含み得る:電気生理学的処理手順の間に収集された患者データを受け取ること;少なくとも患者データに基づいて、不整脈の1つ以上のコンピュータモデルおよび/またはシミュレーションを修正すること;心臓不整脈の、修正済の少なくとも1つ以上のコンピュータモデルおよび/またはシミュレーションに基づいて、不整脈の起源位置を求めること;および、患者データに基づく処置を通知するために心臓不整脈の起源位置の表示を提供すること。
【0019】
いくつかの変形では、以下の特徴を含む1つ以上の、本明細書に開示される特徴は、任意の実現可能な組合せに随意に含まれ得る。患者データは、活動電位持続回復データ、伝導速度回復データ、患者の解剖学的な幾何学、電圧マッピング、心臓内の超音波データ、経胸壁の超音波データ、コーンビーム・コンピューター断層撮影データ、X線透視法データ、患者の人口統計、心臓活性化パターン、局所的伝導速度、および電位図の特徴の少なくとも1つを含み得る。
【0020】
いくつかの変形では、修正することは、1つ以上のコンピュータモデルおよび/またはシミュレーションに、幾何学的に変形させること、および/または回転させることの少なくとも1つを含む、患者特異的な向上を適用することと、1つ以上のコンピュータシミュレーション上に電圧および/または電位図情報をインポーズすること、活性化情報を示すこと、心臓構造壁の厚みに関する全体的および/または局所的情報を加えること、および、乳頭筋、肺静脈、および/または左右の心耳の位置と形態に関する全体的および/または地理的な情報を組み込むこと、を含み得る。
【0021】
いくつかの変形では、修正は、実時間、または、ほぼ実時間で行なわれ得る。修正された、心臓不整脈の、1つ以上のコンピュータシミュレーションは、臨床用途のためにユーザーに返され得る。
【0022】
いくつかの変形では、1つ以上のコンピュータモデルおよび/またはシミュレーションは、心臓不整脈の非患者特異的なコンピュータシミュレーションのライブラリの一部であり得る。
【0023】
いくつかの変形では、心臓不整脈の、修正済みの1つ以上のコンピュータシミュレーションに関連付けられる少なくとも1つ以上の不整脈ソリューションに基づき、不整脈シミュレーションが始められる場合があり、それにより、コンピュータ不整脈マッピング処理に使用するための、患者向けに調整された不整脈ベクトル心電図ライブラリが生成され得る。
【0024】
いくつかの変形では、不整脈シミュレーションは、心臓不整脈の修正された1つ以上のコンピュータシミュレーションに少なくとも基づく複数の起源位置の各々について、実行され得る。不整脈シミュレーションは、起源位置の想定に基づいて行なわれ得る。複数の起源位置および対応する不整脈シミュレーションは、コンピュータ不整脈マッピング処理に使用するための、患者向けに調整された不整脈ライブラリを形成し得る。
【0025】
他の態様では、向上されたコンピュータ心臓シミュレーションのための方法が提供される。前記方法は:電気生理学的手順の間に収集された患者データを受け取る工程、少なくとも患者データに基づいて、不整脈の1つ以上のコンピュータモデルおよび/またはシミュレーションを修正する工程、心臓不整脈の、修正済の1つ以上のコンピュータモデルおよび/またはシミュレーションに少なくとも基づいて、不整脈の起源位置を求める工程、および、患者データに基づく処置を通知するために心臓不整脈の起源位置の表示を提供する工程、を含み得る。
【0026】
いくつかの変形では、以下の特徴を含む1つ以上の、本明細書に開示される特徴は、任意の実現可能な組合せに随意に含まれ得る。患者データは、活動電位持続回復データ、伝導速度回復データ、患者の解剖学的な幾何学、電圧マッピング、心臓内の超音波データ、経胸壁の超音波データ、コーンビーム・コンピューター断層撮影データ、X線透視法データ、患者の人口統計、心臓活性化パターン、局所的伝導速度、および電位図の特徴の少なくとも1つを含み得る。
【0027】
いくつかの変形では、修正する工程は、1つ以上のコンピュータモデルおよび/またはシミュレーションに、幾何学的に変形させる、および/または回転させることの少なくとも1つを含む、患者特異的な向上を適用することと、1つ以上のコンピュータシミュレーション上に電圧および/または電位図情報をインポーズすること、活性化情報を示すこと、心臓構造壁の厚みに関する全体的および/または局所的情報を加えること、および、乳頭筋、肺静脈、および/または左右の心耳の位置と形態に関する全体的および/または地理的な情報を組み込むこと、を含み得る。
【0028】
いくつかの変形では、修正は、実時間、または、ほぼ実時間で行なわれ得る。修正された、心臓不整脈の、1つ以上のコンピュータシミュレーションは、臨床用途のためにユーザーに返され得る。
【0029】
いくつかの変形では、1つ以上のコンピュータモデルおよび/またはシミュレーションは、心臓不整脈の非患者特異的なコンピュータシミュレーションのライブラリの一部であり得る。
【0030】
いくつかの変形では、前記方法は、修正済の心臓不整脈の1つ以上のコンピュータシミュレーションに関連付けられる少なくとも1つ以上の不整脈ソリューションに基づき、コンピュータ不整脈マッピング処理に使用するための、患者向けに調整された不整脈ベクトル心電図ライブラリを生成するために、不整脈シミュレーションを開始する工程をさらに含み得る。
【0031】
いくつかの変形では、前記方法は、複数の起源位置の各々について、修正された、心臓不整脈の、1つ以上のコンピュータシミュレーションに少なくとも基づく不整脈シミュレーションを実行する工程をさらに含み得る。不整脈シミュレーションは、起源位置の想定に基づいて行なわれ得る。複数の起源位置および対応する不整脈シミュレーションは、コンピュータ不整脈マッピング処理に使用するための、患者向けに調整された不整脈ライブラリを形成し得る。
【0032】
他の態様では、命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品が提供される。命令は、少なくとも1つのデータプロセッサーによって実行されてもよい動作をもたらし得る。前記動作は、電気生理学的処理手順の間に収集された患者データを受け取ることと、少なくとも患者データに基づいて、不整脈の1つ以上のコンピュータシミュレーションを修正することと、心臓不整脈の、修正された1つ以上のコンピュータシミュレーションに少なくとも基づいて、不整脈の起源位置を求めることと、患者データに基づく処置を通知するために心臓不整脈の起源位置の表示を提供することと、を含み得る。
【0033】
他の態様では、向上されたコンピュータ心臓シミュレーションのための装置が提供される。前記装置は:電気生理学的処理手順の間に収集された患者データを受け取るための手段と、少なくとも患者データに基づいて、不整脈の1つ以上のコンピュータシミュレーションを修正するための手段と、心臓不整脈の、少なくとも修正済の1つ以上のコンピュータモデルおよびシミュレーションに基づいて、不整脈の起源位置を求めるための手段と、患者データに基づく処置を通知するために心臓不整脈の起源位置の表示を提供するための手段と、を含み得る。
【0034】
他の態様では、少なくとも1つのプロセッサおよび少なくとも1つのメモリを含むシステムが提供される。少なくとも1つのメモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行された時、動作を提供するプログラムコードを含み得る。前記動作は、電気解剖学的マップにおいて、カテーテル、ペースメーカーのリード、または植え込み型除細動器のリードが1つ以上のペーシング刺激を適用する時に置かれる、n個のペーシング部位の各々の位置を求めることと、n個のペーシング部位の各々においてペーシングする間に収集された患者のベクトル心電図と一致するベクトル心電図に関連付けられるコンピュータモデルと不整脈のシミュレーションを、n個のペーシング部位の各々について、特定し、および、1つ以上の対応するペーシング部位をコンピュータモデル中で選択することと、電気解剖学的マップおよびコンピュータモデルにおけるn個のペーシング部位の各々のt位置に少なくとも基づいて、電気解剖学的マップとコンピュータモデルを位置合わせすることと、n個のペーシング部位の各々の位置に関連するコンピュータモデルにおいて、臨床的に重要な心臓不整脈の起源の位置の表示を少なくとも前記位置合わせに基づいて生成することと、を含み得る。
【0035】
いくつかの変形では、以下の特徴を含む1つ以上の、本明細書に開示される特徴は、任意の実現可能な組合せに随意に含まれ得る。n個のペーシング部位は、少なくとも3つのペーシング部位を含み得る。
【0036】
いくつかの変形では、位置合わせする工程は、電気解剖学的マップの第1の参照座標系とコンピュータシミュレーションの第2の参照座標系を位置合わせするために変換マトリクスを適用することを含み得る。
【0037】
いくつかの変形では、臨床的に重要な心臓不整脈の起源の位置は、少なくとも扁長回転楕円体座標系に基づく電気解剖学的マッピングシステムにさらに変換され得る。
【0038】
いくつかの変形では、処置は、少なくとも表示に基づいて、臨床的に重要な心臓不整脈の起源の位置に適用され得る。前記処置は、アブレーション、標的化遺伝子治療、放射線治療、および外科的介入の少なくとも1つを含む。
【0039】
いくつかの変形では、コンピュータモデル、電気解剖学的マップ、およびn個のペーシング部位を備えたマッピング結果は、位置合わせされた状態で、表示され得る。
【0040】
他の態様では、向上されたコンピュータ心臓シミュレーションのための方法が提供される。前記方法は:電気解剖学的マップにおいて、カテーテル、ペースメーカーのリード、または植え込み型除細動器のリードが1つ以上のペーシング刺激を適用する時に置かれる、n個のペーシング部位の各々の位置を求める工程と、n個のペーシング部位の各々においてペーシングする間に収集された患者のベクトル心電図と一致するベクトル心電図に関連付けられるコンピュータモデルと不整脈のシミュレーションを、n個のペーシング部位の各々について、特定し、および、1つ以上の対応するペーシング部位をコンピュータモデル中で選択する工程と、電気解剖学的マップおよびコンピュータモデルにおけるn個のペーシング部位の各々の位置に少なくとも基づいて、電気解剖学的マップとコンピュータモデルを位置合わせする工程と、n個のペーシング部位の各々の位置に関連するコンピュータモデルにおいて、臨床的に重要な心臓不整脈の起源の位置の表示を少なくとも前記位置合わせに基づいて生成する工程と、を含み得る。
【0041】
いくつかの変形では、以下の特徴を含む1つ以上の、本明細書に開示される特徴は、任意の実現可能な組合せに随意に含まれ得る。n個のペーシング部位は、少なくとも3つのペーシング部位を含み得る。
【0042】
いくつかの変形では、位置合わせする工程は、電気解剖学的マップの第1の参照座標系とコンピュータシミュレーションの第2の参照座標系を位置合わせするために変換マトリクスを適用することを含み得る。
【0043】
いくつかの変形では、臨床的に重要な心臓不整脈の起源の位置は、少なくとも扁長回転楕円体座標系に基づく電気解剖学的マッピングシステムにさらに変換され得る。
【0044】
いくつかの変形では、処置は、少なくとも表示に基づいて、臨床的に重要な心臓不整脈の起源の位置に適用される場合があり、ここで、前記処置は、アブレーション、標的化遺伝子治療、放射線治療、および外科的介入の少なくとも1つを含み得る。
【0045】
いくつかの変形では、前記方法は、コンピュータモデル、電気解剖学的マップ、およびn個のペーシング部位を備えたマッピング結果を、位置合わせされた状態で、表示することをさらに含み得る。
【0046】
他の態様では、命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品が提供される。命令は、少なくとも1つのデータプロセッサーによって実行されてもよい動作をもたらし得る。前記動作は、電気解剖学的マップにおいて、カテーテル、ペースメーカーのリード、または植え込み型除細動器のリードが1つ以上のペーシング刺激を適用する時に置かれる、n個のペーシング部位の各々の位置を求めることと、
n個のペーシング部位の各々においてペーシングする間に収集された患者のベクトル心電図と一致するベクトル心電図に関連付けられるコンピュータモデルと不整脈のシミュレーションを、n個のペーシング部位の各々について、特定し、および、1つ以上の対応するペーシング部位をコンピュータモデル中で選択することと、電気解剖学的マップおよびコンピュータモデルにおけるn個のペーシング部位の各々の位置に少なくとも基づいて、電気解剖学的マップとコンピュータモデルを位置合わせすることと、n個のペーシング部位の各々の位置に関連するコンピュータモデルにおいて、臨床的に重要な心臓不整脈の起源の位置の表示を少なくとも前記位置合わせに基づいて生成することと、を含み得る。
【0047】
別の態様において、向上されたコンピュータ心臓シミュレーションのための装置が提供される。前記装置は:電気解剖学的マップにおいて、カテーテル、ペースメーカーのリード、または植え込み型除細動器のリードが、1つ以上のペーシング刺激を適用する時に置かれる、n個のペーシング部位の各々の位置を求めるための手段と、n個のペーシング部位の各々においてペーシングする間に収集された患者のベクトル心電図と一致するベクトル心電図に関連付けられるコンピュータモデルと不整脈のシミュレーションを、n個のペーシング部位の各々について、特定するための、および、1つ以上の対応するペーシング部位をコンピュータモデル中で選択するための、手段と、電気解剖学的マップおよびコンピュータモデルにおけるn個のペーシング部位の各々のt位置に少なくとも基づいて、電気解剖学的マップとコンピュータモデルを位置合わせするための手段と、n個のペーシング部位の各々の位置に関連するコンピュータモデルにおいて、臨床的に重要な心臓不整脈の起源の位置の表示を少なくとも前記位置合わせに基づいて生成するための手段と、を含み得る。
【0048】
本発明の発明特定事項の実施は、一貫したシステムと方法を含んでもよく、1つ以上の特徴、ならびに、1台以上の機械(例えば、コンピューターなど)が本明細書に記載された動作をもたらすように動作可能な、実体的に具体化された機械可読媒体を含む物品が記載されることを含む。同様に、1台以上のプロセッサと、1台以上のプロセッサに結合された1つ以上のメモリとを含み得る、コンピュータシステムも記載される。コンピュータ可読記憶媒体を含み得るメモリは、本明細書に記載される動作の1つ以上を1台以上のプロセッサに実行させる1つ以上のプログラムをコード化し、記憶することなどを行うことを含み得る。1つ以上の本発明の特定事項の実施と一貫性がある、コンピュータに実行される方法は、単一のコンピューティングシステムまたは多数のコンピューティングシステムにおいて存在する1つ以上のデータプロセッサーによって実行され得る。そのような複合コンピューティングシステムは、1つ以上の接続を介して、連結され、データおよび/またはコマンドあるいは他の命令などを交換してもよく、前記接続は、例えば、ネットワーク上の接続(例えば、インターネット、無線広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、有線のネットワーク、など)、複合コンピューティングシステムの1つ以上との間の直接の接続、などを含む。
【0049】
本明細書に記載された発明特定事項の1つ以上の変形の詳細は、下記の添付の図面と記載において明らかにされる。本明細書に記載された発明特定事項の他の特徴および利点は、記載と図面、および特許請求の範囲から明白であり得る。現在開示されている発明特定事項のある特徴は、コンピュータ心臓シミュレーションに関する例証の目的のために記載されているが、そのような特徴が限定するようには意図されないことは容易に理解されるに違いない。本開示に続く特許請求の範囲は、それは保護される発明特定事項の範囲を明確にするように意図される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成している添付の図面は、本明細書に開示される発明特定事項の一定の態様を示し、および、記載と共に、開示された実施に関連付けられる原理のいくつかについて説明するのを支援する。その図面において、
【0051】
図1】いくつかの例示的な実施形態による、心臓不整脈管理システムの例を図示している系統図を表わす。
図2】いくつかの例示的な実施形態による、心臓不整脈管理システムにおけるデータフローの例を図示するフロー図を表わす。
図3A】いくつかの例示的な実施形態による、ある臨床例に関連付けられるデータの例を表わす。
図3B】いくつかの例示的な実施形態による、ユーザーインターフェースの例を表わす。
図3C】いくつかの例示的な実施形態による、ある臨床例に関連付けられるデータの別の例を表わす。
図3D】いくつかの例示的な実施形態による、ある臨床例に関連付けられるデータの別の例を表わす。
図4】いくつかの例示的な実施形態による、非患者特異的なコンピュータシミュレーションのライブラリを修正するプロセスの例を図示している、フローチャートを表わす。
図5A】いくつかの例示的な実施形態による、ある電気生理学的手順の間に収集されたデータの例を表わす。
図5B】いくつかの例示的な実施形態による、ある電気生理学的手順の間に収集されたデータの別の例を表わす。
図5C】いくつかの例示的な実施形態による、ある電気生理学的手順の間に収集されたデータの別の例を表わす。
図6A】いくつかの例示的な実施形態による、心臓不整脈のコンピュータモデルの例を表わす。
図6B】いくつかの例示的な実施形態による、電気解剖学的マッピングの例を表わす。
図6C】いくつかの例示的な実施形態による、ペーシング部位を含む電気解剖学的マッピングの例を表わす。
図6D】いくつかの例示的な実施形態による、ペーシング部位が特定されている心臓不整脈のコンピュータモデルの例を表わす。
図7A】いくつかの例示的な実施形態による、扁長回転楕円体座標系の幾何学を表わす。
図7B】いくつかの例示的な実施形態による、扁長回転楕円体座標系を表わす。
図8A】いくつかの例示的な実施形態による、心臓の幾何学的形状およびアブレーション部位を含む、電気解剖学的マッピングの例を表わす。
図8B】いくつかの例示的な実施形態による、定位切除放射線治療(stereotactic ablative radiotherapy)の事例を表わす。
図9A】いくつかの例示的な実施形態による、臨床例に関連付けられるデータを用いてコンピュータシミュレーションのライブラリを向上させるための処理の例を図示している、フローチャートを表わす。
図9B】いくつかの例示的な実施形態による、コンピュータシミュレーションのライブラリを修正するための処理の例を図示している、フローチャートを表わす。
図9C】いくつかの例示的な実施形態による、コンピュータシミュレーションを電気解剖学的マッピングと位置合わせするための処理の例を図示している、フローチャートを表わす。
図10】いくつかの例示的な実施形態による、コンピュータシステムを図示しているブロック図を表わす。
【0052】
役立つ場合、同様の参考番号は、同様の構造、特徴、または要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
心臓不整脈(例えば、心房細動、心室頻脈、心室細動)は、例えば、安定した電気的旋回、再発する電気的局所性起源、リエントラントな電気回路、などを含む、持続的な、および/または臨床的に有意な症状を誘発する機序を標的化することによって、処置される場合がある。アブレーションは、高周波、極低温、超音波、および/または放射線(例えば、定位切除放射線療法(SAbR))が心臓不整脈の起源に適用され得る、心臓不整脈処置の一例である。結果として病変は、異常な心臓活性化をもたらす不安定な電気信号を途絶させること、および/または除去することにより、心臓不整脈を緩和する場合がある。それにもかかわらず、アブレーションの結果は、不整脈の起源の正確な位置特定を含む様々な因子に依存し得る。既存の技法を用いて、正確に不整脈の起源を位置特定することは難問のままである。さらに、関連する患者の解剖学、処置パラメータ、および処置転帰を含む、先行の臨床例データに対する十分なアクセスがないことは、患者の心臓不整脈を処置するある種の従事者にさらなる不利益であり得る。そのため、本発明特定事項の様々な実施は、診断および標的化された処置を容易にするために、心臓不整脈の起源の位置特定を改善してコンピュータ心臓シミュレーションを向上させるための技術を含む。
【0054】
いつくかの例示的な実施形態では、心臓不整脈の複数のコンピュータモデルおよび/またはシミュレーションを含むライブラリ(米国特許10,319,144“Computational Localization of Fibrillation Sources”に記載)は、臨床例に関連付けられた臨床データを用いて向上され得る。例えば、第1のユーザーは、患者の解剖学的な情報を含む臨床例に関連付けられた臨床データ、電圧マップまたは電位図の特徴などのデータ、診断のおよび/または処置モダリティ、処置パラメータ、処置転帰、関連する医学的文献、などを、ライブラリと組み合わされたデータコントローラに送ってもよい。ライブラリの内容は、心臓不整脈のコンピュータモデルおよびシミュレーションの具体的な特徴に基づいて索引付けをされ得る。例えば、第1のユーザーから臨床データを受け取ると、コントローラーは、ライブラリにおいて、臨床例と一致するコンピュータモデルおよびシミュレーションを少なくとも特定し、および、対応する臨床データを一致するコンピュータモデルおよびシミュレーションに関連付けることによって、臨床例に索引付けをするように構成され得る。患者の心臓不整脈を処置する第2のユーザーは、患者データに基づき、ライブラリにクエリを実行することにより、一致する心臓不整脈のコンピュータシミュレーションへのアクセスを獲得し得るだけでなく、例えば、患者の解剖学的な情報、診断および/または処置のモダリティ、処置パラメータ、処置転帰、関連する医学的文献、などを含む、関連する臨床データへのアクセスを獲得し得る。
【0055】
いつくかの例示的な実施形態では、ライブラリに含まれる心臓不整脈の非患者特異的なコンピュータモデルおよびシミュレーションは、電気生理学的(EP)調査の間に収集された、例えば、活動電位持続(APD)回復データ、伝導速度回復データ、患者の解剖学的幾何学、電圧マッピング、心臓内超音波データ、経胸超音波データ、従来のコンピュータ断層撮影(CT)データ、コーンビーム・コンピューター断層撮影(CT)データ、陽電子射出断層撮影法(PET)スキャンデータ、X線透視法、磁気共鳴撮像データ、患者の人口統計、心臓活性化パターン、局所的伝導速度、電位図分析、などを含む患者データを使用して、向上され得る。例えば、ライブラリに結合されたコントローラーは、少なくとも患者データにもとづいて、ライブラリに含まれた1つ以上の非患者特異的なコンピュータシミュレーションを修正するように構成され得る。前記修正は、患者が不整脈の処置を受ける時に、コンピュータシミュレーションの修正済のライブラリが利用可能であるように、実時間(または、ほぼ実時間)で、行なわれ得る。例えば、心臓不整脈の起源の位置特定は、アブレーションが不整脈の起源に行なわれる前に、コンピュータシミュレーションの修正済のライブラリに基づいて行なわれ得る。
【0056】
患者の心臓のコンピュータ表現などの、患者の解剖学的コンピュータモデルは、患者の心臓における心臓不整脈の起源の標的化アブレーションなどの処置のための、補足的情報を提供するために使用され得る。コンピュータマッピングの結果は、コンピュータモデル内の心臓不整脈の起源の位置を視覚的に特定し得るが、コンピュータモデル、心臓の電気解剖学的マップと、患者の実際の解剖学との正確な関係は、不明瞭であり得る。そのため、いくつかの例示的な実施形態では、患者の解剖学的コンピュータモデルは、最初に、患者の解剖学に対する1つ以上のカテーテルの位置、ペースメーカーのリードの位置、または植え込み型除細動器(ICD)のリードの位置をトラッキングすることによって、電気解剖学的マップに位置合わせされ得る。次に、1つ以上のペーシング刺激を適用する時にカテーテル、ペースメーカーのリード、または植え込み型除細動器のリードが位置されるn個のペーシング部位の位置は、コンピュータモデルと電気解剖学的マップを位置合わせするためにn個の参照位置を提供するように、コンピュータモデルと電気解剖学的マップの両方において特定され得る。最後に、アブレーションは、患者の解剖学的コンピュータシミュレーションにおいて識別されたn個のペーシング部位の位置に対する位置参照を用いて、心臓不整脈(例えば、コンピュータモデルのマッピング結果によって求められた心室細動)の起源に対して行なわれ得る。
【0057】
図1は、いくつかの例示的な実施形態による、心臓不整脈管理システム(100)の例を図示している系統図を表わす。図1によると、心臓不整脈管理システム(100)は、データコントローラ(110)、およびデータストア(120)を含み得る。図1に示されるように、データコントローラ(110)およびデータストア(130)は、ネットワーク(140)を介して通信可能に結合され得る。さらに、図1は、例えば、第1のユーザー(145a)に関連付けられる第1のクライアント(140a)、第2のユーザー(145b)に関連付けられる第2のクライアント(140b)などを含む1つ以上のクライアントに、ネットワーク(140)を介して通信可能に結合されているデータコントローラ(110)を示す。第1のクライアント(140a)における第1のユーザー(145a)、および第2のクライアント(140b)における第2のユーザー(145b)は、データコントローラ(110)を介して、心臓不整脈のコンピュータシミュレーションのライブラリ(125)を含む場合があるデータストア(120)の内容にアクセスし得る。心臓不整脈管理システム(100)内にストアおよび/または伝送されデータをセキュア化および/または匿名化するために、例えば、アクセスコントロール、暗号化、ブロックチェーン、などを含む様々な技術が適用され得ることは、認識されよう。
【0058】
いつくかの例示的な実施形態では、心臓不整脈のコンピュータシミュレーションのコンピュータモデルおよびライブラリ(125)は、臨床例に関連付けられた臨床データを用いて向上され得る。さらに説明するために、図2は、心臓不整脈管理システム(100)におけるデータフロー(200)の例を図示するフロー図を表わす。図1図2によると、第1のクライアント(140a)の第1のユーザー(145a)は、図2に示されるように、患者の解剖学的な情報(210a)、診断および/または処置のモダリティ(210b)、処置パラメータ(210c)、臨床転帰(210d)、関連する医学的文献(210e)、などを含む、臨床例に関連付けられた臨床データをデータコントローラ(110)に送り得る。
【0059】
再び図2によると、患者の解剖学的情報(210a)の例は、心臓の幾何学的形状、瘢痕および線維化の位置、胸部の解剖学と病態生理学、などを含み得る。患者の解剖学的情報(210a)は、臨床例の最中に、および/または臨床例に先立って得られた画像調査において捕捉され得る。代替的に、および/または付加的に、患者の解剖学的情報(210a)は、電気解剖学的マッピング処理手順の間に捕捉され得る。患者の解剖学的情報(210)は、例えば、患者情報(例えば、電気生理学記録システムからの、電位図情報を包含している出力データファイル)のデータを包含しているテキストファイル、心臓内の超音波画像、経胸的な超音波画像、コンピュータ断層撮影(CT)画像、4次元コンピュータ断層撮影のビデオ、磁気共鳴撮像(MRI)画像、心筋灌流撮像試験(MIBI)、陽電子射出断層撮影法(PET)画像、放射線写真、などを含む、例えば、未加工の撮像情報を、ロードすることによって、ライブラリ(120)にロードされ得る。断層画像は、人的な解釈から自動化された三次元像生成および分析までの、解釈のスペクトラムを使用し得る。
【0060】
さらに、ライブラリ(120)に患者の解剖学的情報(210)をロードすることは、3次元電気解剖学的マッピングから幾可学的形状、カテーテル位置、電圧マップ、活性化データ、および分析データ、などのデジタル情報をインポートすることを含み得る。図3Aは、患者の心臓の左心室と右心室にわたる様々な位置での電圧と瘢痕/線維化密度の間の関係を示す電圧マップ(310)の例を表す。患者の解剖学的情報(210a)の少なくとも一部が第1のユーザー(145a)によって提供される注釈を含み得ることは認識されよう。図3Bは、データコントローラ(110)によって生成されたユーザーインターフェース320)の例を表わす。ユーザーインターフェース320)は、例えば、第1のクライアント(140a)において、第1のユーザー(145a)から、幾可学的形状の解釈、配向、電圧、活性化、および電気解剖学的マッピングシステムからの分析情報、に対応する1つ以上の入力を受け取るために、表示され得る。
【0061】
診断および/または処置モダリティ(210b)の例は、撮像技術(例えば、X線透視法、超音波、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴撮像(MRI)、陽電子射出断層撮影法(PET)、など)、シース(例えば、あらかじめ形成されたシース、操向性シース、など)、マッピングカテーテル(例えば、多重電極カテーテル)、および、アブレーションカテーテル(例えば、ソリッドまたは灌流式、8mmまたは3.5mmチップサイズ、など)を含み得る。いつくかの例示的な実施形態では、データコントローラ(110)は、第1のユーザー(145a)が臨床例に適用された診断および/または処置モダリティを入力することを可能にするように構成された、ドロップダウンメニュー(または別のタイプのグラフィカルユーザインターフェース要素)を含むユーザーインターフェースを生成する場合がある。代替的に、および/または付加的に、データコントローラ(110)は、第1のユーザー(145a)から、例えば、製品バーコード(例えば、当該臨床例において使用されるアブレーションカテーテルを包含している箱からのバーコード)、画像、などを含む、当該臨床例の最中に使用される1つ以上の製品を特定するスキャンを受け取り得る。
【0062】
処置パラメータ(210c)の例は、例えば、アブレーションのパワー、位置、病変留置の継続時間、および、病変の寸法および/または形状などの、アブレーションに関連付けられるパラメータを含み得る。例えば、処置パラメータ(210c)の1つ以上を含むデジタル情報は、電気解剖学的マッピングシステムからエクスポートされ、ライブラリ(125)にアップロードされ得る。図3Cは、アブレーション病変の位置をドットとして示す、電気解剖学的マップの例を表わす。代替的に、および/または付加的に、データコントローラ(110)は、アブレーションのパワー、位置、病変留置の継続時間、および病変の寸法および/または形状の解釈に対応する1つ以上の入力を第1のユーザー(145a)から受け取るために、第1のクライアント(140a)に表示されてもよいユーザーインターフェースを生成し得る。
【0063】
処置パラメータ(210c)の付加的な例は、定位切除放射線療法(SAbR)に関する、例えば、標的の輪郭データ、内部処置容積(ITV)、計画処置容積(PTV)、放射線量、放射エネルギー/照射時間、回避構造、呼吸器系と心臓の運動ゲーティングパラメーター、患者整位および/または抑制デバイス、治療中の麻酔による麻痺剤の使用、ペースメーカーまたは植え込み型除細動器(ICD)をプログラムするパラメータ、治療中の心律動、不整脈マッピング技術、関連するコンピュータ断層撮影(CT)撮像データ、関連する磁気共鳴撮像(MRI)撮像データ、関連する超音波撮像およびトラッキングのデータ、投薬、抗不整脈剤治療、血液凝固阻止薬治療、臨床転帰、合併症、および有害事象、などのパラメータを含み得る。例えば、処置パラメータ(210c)の1つ以上を含むデジタル情報は、定位切除放射線療法(SAbR)計画システムからエクスポートされ、ライブラリ(125)にアップロードされ得る。図3Dは、標的の体積、回避構造、および計算された放射線療法の投与量を示している、定位切除放射線療法(SAbR)のための計画ソフトウェアの例を表わす。代替的に、および/または付加的に、データコントローラ(110)は、第1のユーザー(145a)から、1つ以上の入力を受け取るために、第1のクライアント(140a)においてユーザーインターフェースを生成する場合があり、前記1つ以上の入力は、標的の輪郭データ、内部処置容積(ITV)、計画処置容積(PTV)、放射線量、放射エネルギー/照射時間、回避構造、呼吸器系と心臓の運動ゲーティングパラメーター、患者整位および/または抑制デバイス、治療中の麻酔による麻痺剤の使用、ペースメーカーまたは植え込み型除細動器(ICD)をプログラムするパラメータ、治療中の心律動、不整脈マッピング技術、関連するコンピュータ断層撮影(CT)撮像データ、関連する磁気共鳴撮像(MRI)撮像データ、関連する超音波診断およびトラッキングのデータ、投薬、抗不整脈剤治療、血液凝固阻止薬治療、臨床転帰、合併症、および有害事象、の解釈に対応する。
【0064】
臨床結果(210d)は、処置パラメータ(210c)を有するアブレーションに関連付けられる結果を含む場合があり、前記結果は、例えば、短期のアブレーション成功(例えば、不整脈を終結させるアブレーション、不整脈を非誘発可能にするアブレーション、6か月の臨床転帰、など)、および合併症を含み得る。図2に示される、関連する医学的文献(210e)の例は、ガイドライン、臨床試験、専門家の見解、および臨床例に関連するケース報告を含み、および、コンピュータモデルおよび不整脈シミュレーションのライブラリのパラメータ(例えば、不整脈タイプ、患者の心臓の幾可学的形状と瘢痕の構成、不整脈起源位置など)に従って索引付けをされている。データコントローラ(110)は、第1のユーザー(145a)が臨床結果の1つ以上の入力を選択することを可能とするように構成された、ドロップダウンメニュー(または別のタイプのグラフィカルユーザインターフェース要素)を含むユーザーインターフェースを生成する場合がある。
【0065】
いつくかの例示的な実施形態では、データコントローラ(110)は、第1のユーザー(145a)から受け取った臨床データに索引付けをするように構成されてもよく、その結果、臨床データは、例えば、第2のクライアント(140b)における第2のユーザー(145b)にとってアクセス可能となり得る。データコントローラ(110)は、ライブラリ(125)に含まれるコンピュータシミュレーションに少なくとも基づいて、第1のユーザー(145a)から受け取った臨床データに索引付けをするように構成されてもよく、その結果、臨床データは、対応する臨床例に最も密接に一致するコンピュータシミュレーションと関連付けられる。例えば、ライブラリ(125)に含まれるコンピュータシミュレーションは、各々、例えば、心臓のサイズ、形状、構造的な心臓疾患の有無、不整脈タイプ、などを含む、1つ以上の特徴に関連付けられ得る。データコントローラ(110)は、第1のユーザー(145a)から臨床例に関連付けられた臨床データを受け取ると、ライブラリ(125)内の各々のコンピュータシミュレーションについて、臨床例とコンピュータモデルとシミュレーション・ライブラリ(125)のそれぞれの特徴の間の一致の密接度を示す類似性スコアを計算するように構成され得る。臨床例に関連付けられた臨床データは、最も高い類似性スコアがあるコンピュータモデルに基づいて索引付けをされ得る。すなわち、臨床例に関連付けられた臨床データは、特徴(例えば、心臓サイズ、形状、構造的な心臓疾患の有無、不整脈タイプ、など)が、臨床例における特徴に最も密接に一致するコンピュータモデルおよび/またはシミュレーションに関連付けられ得る。
【0066】
一致する臨床例に関連付けられた臨床データで向上されたコンピュータモデルおよび/またはシミュレーションを含むシミュレーション・ライブラリ(125)のコンテンツは、第2のクライアント(140b)の第2のユーザー(145b)にとってアクセス可能であり得る。例えば、第2のユーザー(145b)は、重要な臨床例を特定するためにライブラリ(125)にクエリを実行してもよい。いつくかの例示的な実施形態では、第2のユーザー(145b)は、患者の心臓不整脈を処置している場合があり、従って、例えば、患者の年齢、病歴、不整脈タイプ、提案された処置計画、などを含む患者データに基づきライブラリ(125)にクエリを実行してもよい。データコントローラ(110)は、第2のユーザー(145b)からのクエリのパラメータと一致するライブラリ(120)に含まれる1つ以上の臨床例を少なくとも特定することにより、第2のユーザー(145b)からのクエリに応答し得る。代替的に、および/または付加的に、1つ以上の具体的な臨床例の代わりに、第2のユーザー(145b)は、例えば、不整脈起源位置の統計的確率を求めること、不整脈などのための様々な処置アプローチ(例えば、アブレーション病変の位置および/または標的の体積、数、およびパターン)に関連付けられる潜在的臨床転帰の確率解析を実行すること、などを含む、様々な認知的タスクを実行するように機械学習モデルを訓練するために、訓練データとしてライブラリ(120)からの臨床例のコレクションを適用してもよい。
【0067】
いつくかの例示的な実施形態では、機械学習モデルは、例えば、オートエンコーダなどのニューラルネットワークを含み得る。機械学習モデルは、機械学習モデルへの入力として収集され入られるかもしれない多くの患者の症例からの臨床データを含む訓練データに基づいて訓練され得る。訓練データは、患者の人口学的情報、心電図記録法(ECG)、およびベクトル心電計(VCG)トレーシング、および、特定された不整脈起源位置を含むグラウンドトルース・ラベルを含み得る。不整脈起源位置は、アブレーション部位、サイズ、体積、および技術(例えば、カテーテル・アブレーションか、定位切除放射線治療か)、および転帰(例えば、不整脈終結、短期アブレーション成功、長期アブレーション成功、など)のいくつかのランキングでさらに標識付けされ得る。さらに、機械学習モデルは、各患者のための処置アプローチにおける特徴(アブレーション病変の数、サイズ、体積、構成、治療投与量、など)を検討するように訓練され得る。付加的に、機械学習モデルは、他の訓練用症例データおよび/または比較される今後の症例の両方に対する関連性を判定するために、人口統計、不整脈タイプ、心臓の解剖学などに基づいて、異なる臨床例間の類似性メトリックを求めるように訓練され得る。ユーザーは、訓練された機械学習モデルを利用したい時、訓練された機械学習モデルへの入力として、患者の心電図(ECG)、またはベクトル心電図(VCG)、ならびに1つ以上の患者の特徴および不整脈の特徴を提供し得る。訓練された機械学習モデルは、少なくとも入力に基づき、不整脈起源位置の統計的確率、および、不整脈のための様々な処置アプローチ(例えば、アブレーション病変の位置、数、体積、構成、治療投与量など)に関連付けられる、潜在的な臨床転帰の確率解析を求め得る。いくつかの例において、データコントローラ(110)は、訓練された機械学習モデルの出力に少なくとも基づき、症例参照および手続き的な計画のための重要な臨床例のセレクションを特定するように構成され得る。
【0068】
いつくかの例示的な実施形態では、ライブラリ(125)に含まれる非患者特異的なコンピュータモデルおよび不整脈シミュレーションは、電気生理学ラボラトリ、放射線医学スイート、または手術室(OR)のいずれかにおいて、電気生理学的調査(EPS)の間に収集された患者データを使用して向上される場合があり、前記患者データには、例えば、活動電位持続(APD)回復データ、伝導速度回復データ、患者の解剖学的幾何学、電圧マッピング、心臓内超音波データ、経胸超音波データ、従来のコンピュータ断層撮影データ、コーンビーム・コンピューター断層撮影データ、4次元コンピュータ断層撮影(4-DCT)データ、磁気共鳴撮像(MRI)データ、陽電子射出断層撮影法(PET)データ、患者の人口統計、心臓活性化パターン、局所的伝導速度、電位図分析、などが含まれる。例えば、データコントローラ(110)は、少なくとも患者データにもとづいて、ライブラリ(125)に含まれる1つ以上の非患者特異的なコンピュータモデルおよび不整脈シミュレーションを修正するように構成され得る。この例では、電気解剖学的マッピングシステムによってアブレーション症例の最中に生成された患者の左心室の幾何学および電圧マップは、USBメモリスティックにエクスポートされ、アルゴリズムにアップロードされる。心臓のモデルは、左心室のサイズ、配向、および正常組織と瘢痕組織と線維化の位置に関する情報を含めるように更新される。次に、先に計算された心臓不整脈の電圧のソリューションは、その後、更新された心臓モデルに組み込まれ、および、前記電圧のソリューションは、患者について、心臓不整脈起源の可能な位置の各々に関連付けられる1つ以上のVCGループがあるベクトル心電図(VCG)ライブラリを計算するために、時間的に前に進められる。調整されたVCGライブラリおよび関連付けられた位置、および他の関連付けられたメタデータは、その後、実行されている臨床例を支援するために臨床のユーザーに返される。修正は、患者が不整脈の処置を受ける時に、コンピュータシミュレーションの修正済ライブラリ(125)が利用可能であるように、実時間(または、ほぼ実時間)で、行なわれ得る。例えば、心室細動の起源の位置特定は、アブレーションが心室細動の起源において行なわれる前に、コンピュータシミュレーションの修正済ライブラリ(125)に基づいて行なわれ得る。
【0069】
図4は、いくつかの例示的な実施形態による、非患者特異的なコンピュータシミュレーションのライブラリを修正するプロセス(400)の例を図示している、フローチャートを表わす。ボックスA.において示されるように、患者は、電気生理学ラボラトリ、放射線診療スイート、または手術室の中へ導かれ、処理手順用の台に配置され、および、処理手順は始められる(電気生理学調査(EPS)環境は図4の下部によって表わされる)。次に、ボックスB.に記載されるように、患者の心臓の幾可学的形状は非侵襲的技術(例えば、経胸的な超音波、X線透視法、コーンビームX線断層撮影、磁気共鳴撮像など)および/または侵襲的技術(例えば、侵襲性の電気生理学カテーテルが心臓に置かれ、心臓の全体にわたって操作される)の組合せを使用して作られる。心臓の幾可学的形状は、APD回復データ、伝導速度回復データ、電圧マッピング・データ、心臓内の超音波データ、患者の人口統計データ[年齢、体重、身長、駆出率]、心臓活性化パターン、局所的伝導速度、および電位図分析によって補われる。次に、これらのデータは収集され、分析のための高性能コンピューティングリソースに安全にエクスポートされる(図4の上部によって表わされる領域)。この環境では、心臓不整脈のコンピュータシミュレーションの、既存の非患者特異的なライブラリ(ボックス1)は、エクスポートされたデータに従って急速に比較され調節される(ボックス2)。一例では、心臓のモデルは、左心室のサイズ、配向、および正常組織と瘢痕組織と線維化の位置に関する情報を含めるように更新される。次に、心臓不整脈の先に計算された電圧のソリューションは、その後、最新の心臓のモデルに組み入れられ、および、前記ソリューションは、患者について、心臓不整脈起源の可能な位置の各々に関連付けられる1つ以上のVCGループがあるベクトル心電図(VCG)ライブラリを計算するために、時間的に前に進められる。ボックス3に示されるように、調整されたライブラリ、電圧のソリューション、および不整脈起源位置は、患者の不整脈マッピングについて、ローカルの電気生理学ラボラトリ、放射線診療スイート、または手術室(OR)マッピングシステムに返される。その間に、臨床例(ボックスC)では、必要ならば、不整脈誘発が試みられる。不整脈電位図は分析のために保存され、エクスポートされる。診断用カテーテルは外され(あれば)、および、アブレーションカテーテルが心臓内に配置されるか、定位切除放射線療法(SAbR)の計画が見直されるか、または、外科的なプランが評価されるか、のいずれかが行なわれる。ボックスDでは、不整脈起源マッピングは、ボックス3からの修正済VCGライブラリを使用して実行される。不整脈起源位置(コンピュータマッピング処理の結果)は、医師の解釈のために表示される。マッピング結果によって情報供給され、不整脈起源のカテーテル・アブレーション、定位切除放射線療法、または外科的介入が始められる(ボックスE)。
【0070】
図4によると、データコントローラ(110)は、図4において留意されるように、電気生理学(EP)調査の間に収集された患者データに基づくライブラリ(125)を修正するように構成されてもよく、前記患者データは、患者の人口統計、および患者の心臓内に1つ以上のカテーテルを配置することによって、または、植え込まれたペースメーカーあるいは植え込み型除細動器(ICD)の呼掛信号から、得られた情報を含んでおり、このことにより、例えば、活動電位持続(APD)回復データ、伝導速度回復データ、患者の解剖学的な幾可学的形状、電圧マッピング、心臓内の超音波データ、心臓活性化パターン、局所的な伝導速度、電位図分析、などの、患者特異的なデータが収集され得る。データコントローラ(110)は、ライブラリ(125)に含まれるコンピュータシミュレーションの1つ以上が、患者の特異的な特徴によりよく一致すように、1つ以上の患者特異的な補正を適用することによって、ライブラリ(125)を修正し得る。
【0071】
さらに説明するために、図5A~Cは、いくつかの例示的な実施形態による、ある電気生理学的手順の間に収集されたデータを表わす。例えば、図5Aは、心房における単一の期外刺激(extrastimulus)ペーシングの結果の例を表わしており、それは心房性の活動電位持続(APD)回復および活性化レイテンシーを例証し得る。図5Aにおいて示される活動電位持続(APD)回復および活性化レイテンシーは、患者の心臓内の心房性不整脈のより正確なシミュレーションのための正確なパラメータを求めるために使用され得る。
【0072】
図5Bは、非虚血性心筋症および心室性不整脈の患者における、心内膜の幾何学的形状および電圧マップの例を表わす。不整脈シミュレーションのプロセスに関連するデータの相当な量は、3次元の電気解剖学的マッピングシステムを使用して、電気生理学的マッピング処理中に作られ得る。例えば、心臓の幾可学的形状および配向は心臓内の電気生理学的カテーテルを動かすことにより獲得され得る。そのようなカテーテルで占められる点の集合は、心臓の心内膜および心外膜面を生成するために使用されてもよく、例えば、図5Bにおいて示される左心室(図の左側の幾可学的形状)および右心室(図の右側の幾可学的形状)の心内膜の幾何学的形状において示されている。
【0073】
図5Cは、左心室の心臓内の心超音波図(ICE)画像の例を表わし、ここで、心内膜の表面(下矢印)およびカテーテル・スプライン(上矢印)のバスケットが表わされる。心臓内の超音波心臓検査法(ICE)システムまたは経胸壁超音波心臓図検査システムは、心臓壁の厚み、様々な構造(例えば、乳頭筋、肺静脈、左右の心耳)の位置と厚み、および、他のマッピングおよびアブレーションカテーテルの位置に関する動的な高分解能データを収集する場合がある。図5Cにおいて示されるような、結果として生じる心超音波画像は、従って、図4のプロセス(400)によって説明され、および上に記載されるように、患者特異的な心臓の特徴に一致する、1つ以上の非患者特異的コンピュータシミュレーションをさらに精密にするために使用され得る。
【0074】
いつくかの例示的な実施形態では、患者データは、電気解剖学的マッピングシステムからエクスポートされ、データコントローラ(110)に直接転送され得る。例えば、患者の幾可学的形状、電圧マップ、活性化マップ、および電位図形態マップは、データコントローラ(110)にアップロードされる前に、データファイル(例えば、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)メモリスティック、コンパクトディスク(CD)、ディジタルバーサタイルディスク(DVD)、など)として保存され得る。あるいは、直接のエクスポートが実行可能でない時、データコントローラー(110)は、幾何学的な変形および回転、のために、コンピュータモデルおよび不整脈シミュレーション上への電圧および/または電位図情報のインポーズ、および活性化情報の表示のために、例えば、グラフィカルユーザインターフェースを介して、ユーザー編集可能な心臓のモデルおよびカスタマイズ可能なツールを提供し得る。心臓構造壁の厚み、ならびに乳頭筋、肺静脈、および左右の心耳、の位置および形態に関する大域的および/または局所的な情報は、幾可学的形状を変形させること、または壁の厚みを設定することにより、モデルに組み入れられ得る。例えば、アクセスコントロール、暗号化、ブロックチェーンなどを含む、様々な技術がデータコントローラ(110)に、および/またはデータコントローラ(110)から伝送されるデータをセキュア化および/または匿名化するために適用され得ることは、認識されよう。
【0075】
いつくかの例示的な実施形態では、患者データを受け取ると、データコントローラ(110)は、少なくとも患者データに基づいて、ライブラリ(125)内の1つ以上のコンピュータモデルおよび不整脈シミュレーションを実時間、またはほぼ実時間で、修正するように構成され得る。留意されるように、前記修正することは、ライブラリ(125)内のコンピュータシミュレーションが患者特異的な特徴にさらによく一致するように、1つ以上の患者特異的な補正を含み得る。例えば、データコントローラ(110)は、コンピュータ・メッシュに幾何学的なデータを適合させるように構成される場合があり、その結果、関心の患者について不整脈シミュレーションを計算するために、メッシュ関係が利用され得る。データコントローラ(110)は、より患者特異的なモデルへの中に、先にシミュレートされた旋回の電圧ソリューションおよび局所的起源を導入することもあり得る。その後、コンピュータシミュレーションは、不整脈成熟および順列が記録される(例えば疑似時間の数秒のために)ことを前にそのうちに可能にし始めるかもしれない。計算上の電圧ソリューションから、データコントローラ(110)はベクトル心電計法(VCG)データを計算し、および記録する場合があり、前記VCGデータは、不整脈の起源位置に索引付けをされ得る。代替的に、および/または付加的に、電圧ソリューションのコンピュータ・レンダリングは、不整脈のマッピングおよび検証のためのリソースとして実行され、および記録され得る(例えば、米国特許10,319,144“Computational Localization of Fibrillation Sources”の技術)。
【0076】
留意されるように、データコントローラ(110)は、患者が心室細動の処置を受ける時に、コンピュータシミュレーションの修正済ライブラリ(125)が利用可能であるように、ライブラリ(125)を実時間(または、ほぼ実時間)で、修正し得る。例えば、コンピュータによるベクトル心電図、および関連付けられる起源位置は、表現された電圧ソリューションと共に、暗号化されて第1のクライアント(140a)および/または第2のクライアント140bに送られる場合があり、そのことにより、少なくとも第1のユーザー145aおよび/または第2のユーザー(145b)が、例えば、心室細動の起源におけるアブレーションなどの処置を実行する前に患者の心室細動の位置を求めることが、可能とされ得る。修正済のライブラリ(125)が、第1のユーザー(145a)および/または第2のユーザー(145b)が心臓不整脈の起源の、より高忠実度の位置特定を実行することを可能にする場合があり、それによって心臓不整脈の起源を標的とする処置の臨床の転帰が改善され得ることは、理解されよう。
【0077】
いつくかの例示的な実施形態では、データコントローラ(110)は、患者の解剖学に対して、不整脈シミュレーションおよびコンピュータ不整脈マッピングに使用されるコンピュータモデルを、1つ以上のカテーテルの位置をトラッキングする3次元の電気解剖学的マップと位置合わせするように構成され得る。このことは、以下のワークフローで達成され得る:先ず、n個のペーシング手技が、操向性カテーテル、または、ペースメーカーあるいは植え込み型除細動器のペーシング電極のいずれかを使用して、患者の心臓内で行なわれる。次に、ペーシングの部位は、3次元電気解剖学的マッピングシステムを使用して、患者の心臓内に記録される。次に、ペーシングが行なわれたn個の部位は、ペーシングされたQRS群の各々を、分析し(例えば、ペーシングQRS群からベクトル心電図を計算される)、および、シミュレートされたペーシングのベクトル心電図のライブラリと比較することにより、コンピュータ不整脈マッピングシステムにおいて特定され得る。最も高い類似性スコアをもつベクトル心電図は、その心拍によってペーシングの部位の位置に関する情報を提供し得る。次に、コンピュータモデルと電気解剖学的マッピングシステムの幾可学的形状は、電気解剖学的マッピングの幾可学的形状をコンピュータモデル不整脈マッピングシステム中にエクスポートすること、あるいは、コンピュータモデルの幾可学的形状を電気解剖学的マッピングシステム中にエクスポートすること、のどちらかによって、または、概念的に、例えば、最小2乗当てはめアルゴリズムを使用することによって、n個のペーシング部位の位置を最も良くスーパーインポーズするために、組み合わされる。その後、患者の解剖学のコンピュータシミュレーションにおいて特定されたn個のペーシング部位の位置を参照しながら、心臓不整脈の起源においてアブレーションが実行され得る。
【0078】
図6Aは、いくつかの例示的な実施形態による、心室細動の起源が示された、コンピュータモデル(600)の例を表わす。図6Aにおいて示されるコンピュータシミュレーション(600)は、患者における心臓不整脈の起源の位置を示す「ヒートマップ」であり得る。図6Aにおいて示されるコンピュータモデルおよびマッピング・ソリューション(600)の例は、例えば、関心の不整脈の臨床用12リード心電図(ECG)データとその計算されたベクトル心電図とから生成され、シミュレートされた不整脈シミュレーションのベクトル心電図ライブラリに照合され得る。コンピュータモデル(600)は、心臓不整脈の起源の位置を示すが、患者の解剖学とコンピュータシミュレーション(600)の幾可学的形状の間の正確な関係を欠いている場合がある。そのため、コンピュータモデルおよびマッピング・ソリューション(600)は、単独では患者の心臓不整脈を処置する臨床医に十分な実用的データを提供しない恐れがある。
【0079】
患者の解剖学に関する心臓不整脈の起源の正確な位置を提供するために、データコントローラ(110)は、患者の解剖学のコンピュータシミュレーションを位置合わせするように構成される場合があり、例えば、図6Aにおいて示されるコンピュータモデルおよびマッピング出力(600)が、図6Bに示される電気解剖学的マッピング(610)に位置合わせされ得る。図6Bによると、電気解剖学的マッピング(610)は、1つ以上のカテーテル(上部の矢印で指す)、または、ペースメーカーあるいは植え込み型除細動器(ICD)のペーシング電極の、患者の解剖学(例えば左心室)に対するポジション、ならびに、低電圧の領域(下部矢印で指す)を、追跡する場合がある。そのため、ある例示的な実施形態において、データコントローラ(110)は、少なくとも電気解剖学的マッピングに基づいて、1つ以上のペーシング刺激が適用される時にカテーテル、またはペースメーカーあるいは植え込み型除細動器のペーシング電極が置かれるn個(例えば3以上)のペーシング部位の位置を求め得る。さらに説明するために、図6Cは、ペーシング部位(矢印で指す)を含む、電気解剖学的マップ(620)の例を表わす。データコントローラ(110)は、コンピュータ・マッピング・ソリューション(600)において、同じn個のペーシング部位の位置をさらに求め得る。図6Dは、n個のペーシング部位が小さな白いドット(矢印で指す)で示された、コンピュータモデル(600)を示す。図6Dにおいて示されるように、顕著に、心臓不整脈の起源の位置は、n個のペーシング部位の位置に関連して参照され得る。上述のように、コンピュータモデルの幾可学的形状は、n個のペーシング部位の位置を参照する3次元最小2乗当てはめアルゴリズムを使用して、3次元の電気解剖学的マッピングシステム幾可学的形状(または逆に)に位置合わせされ得る。この位置合わせプロセスの結果、更新された図6Dを生成し、ユーザーに表示する場合があり、および、標的化療法は、図6Dの(「不整脈の起源」標識付けされた)から関心部位ト、より正確に届けられ得る。
【0080】
いつくかの例示的な実施形態では、心臓不整脈の起源の位置は、扁長回転楕円体座標系を使用する電気解剖学的マッピングシステムに変換され場合があり、該電気解剖学的マッピングシステムは心室についての参照システムとして機能する。図7A図7Bは、いくつかの例示的な実施形態による、扁長回転楕円体座標系(700)を表わす。図7A図7Bの中で示されるように、扁長回転楕円体座標系(700)内の位置はσ、τ、およびφとして示されてもよく、ここで、タプルσ=cosh(μ)、およびτ=cos(ν)である。
【0081】
一旦、n個のペーシング部位の位置はコンピュータシミュレーション(600)および電気解剖学的地図(620)において知られると、n個のペーシング部位の位置は、変形用マトリックスAを使用しながら、コンピュータシミュレーション(600)のそれぞれの参照座標系と電気解剖学的地図(620)を位置合わせするために用いられ得る。心臓不整脈の起源の位置は、n個のペーシング部位の位置に基づいて、さらに明確にされ、伴う扁長回転楕円体座標系(700)においてタプルσsource、τsource、およびφsourceでプロットされ得る。n個のペーシング部位に関する心臓不整脈の起源の位置は、患者の心臓不整脈を処置する臨床医に対する実用的データであり得る。例えば、図6Dのコンピュータモデルは、最小2乗当てはめ処理を使用して、図6Cの電気解剖学的マッピング幾可学的形状と位置合わせされ得る。当てはめられる幾可学的形状は、回転、スケーリングおよび平行移動(例えば、扁長回転楕円体座標系内で)を組み合わせる処理を介して、基準幾可学的形状に変質することができた。組み合わされ、および位置合わせされデータ(「更新された」図6D)の新しい画像は、生成され、およびユーザーに不整脈起源の精密な標的化を可能とするように、表示され得る。具体的には、例えば、アブレーション、標的化遺伝子療法、定位切除放射線療法(例えば、ガンマ線、陽子線)、および外科的介入を含む処置は、心臓不整脈の起源であると特定された位置において実行され得る。例えば、図8Aは、心臓不整脈に関連する非同期的な心収縮を引き起こす不安定な電気信号を除去および/または途絶させて、心臓不整脈を緩和するために、高周波、極低温、超音波、および/または定位切除放射線療法が適用され得る複数のアブレーション部位がある左心室および右心室の幾何学的形状を表わす。図8Bは、難治性心室性不整脈の患者における定位切除放射線療法(SAbR)の照射の例を表わす。
【0082】
図9Aは、いくつかの例示的な実施形態による、臨床例に関連付けられるデータを用いてコンピュータシミュレーションのライブラリを向上させるための処理(900)の例を図示している、フローチャートを表わす。図1図2図3A~C、および図9Aを参照すると、処理(900)は、臨床例に関連付けられた臨床データと共にライブラリ(125)に含まれるコンピュータシミュレーションの1つ以上を補足するためにデータコントローラー(110)によって実行され得る。
【0083】
(902)において、データコントローラー(110)は、第1のユーザ(145a)から、臨床例に関連付けられた臨床データを受け取り得る。例えば、データコントローラー(110)は、第1のクライアント(140a)における第1のユーザ(145a)から、例えば、患者の解剖的情報、診断および/または処置モダリティ、処置パラメータ、処置成果、関連する医学的文献、などを含む、臨床例に関連した臨床データを受け取り得る。
【0084】
(904)において、データコントローラー(110)は、ライブラリ(125)中に、臨床例の特徴と最も密接に一致する特徴を有するコンピュータシミュレーション含む臨床データの少なくとも一部を臨床データと関連付けることによって記憶してもよい。例えば、データコントローラ(110)は、臨床例に関連付けられた臨床データを受け取ると、ライブラリ(125)の各々のコンピュータシミュレーションについて、臨床例とライブラリ(125)中のコンピュータシミュレーションのそれぞれの特徴の間の一致の密接度を示す類似性スコアを計算する場合がある。臨床例に関連付けられた臨床データは、最も高い類似性スコアを有するコンピュータシミュレーションに基づいて索引付けをされ得る。例えば、臨床例に関連付けられた臨床データは、特徴(例えば、心臓のサイズ、形状、構造的な心臓疾患の有無、不整脈のタイプ、など)が、臨床例におけるそれらと最も密接に一致するコンピュータシミュレーションと関連付けられる場合がある。
【0085】
(906)においては、データコントローラー(110)が、第2のユーザ(145b)に、臨床例に関連付けられた臨床データの少なくとも一部を含むライブラリ(125)からのデータを、少なくとも送ることにより、第2のユーザ(145b)からのクエリに応答し得る。例えば、第2のユーザ(145b)は、心臓不整脈について患者を処置している場合があり、従って、例えば、患者の年齢、病歴、提案された治療計画などを含む患者データに基づいてライブラリ(125)にクエリを行い得る。データコントローラ(110)は、第2のユーザー(145b)からのクエリのパラメータと一致するライブラリ(120)に含まれる1つ以上の臨床例を少なくとも特定することにより、第2のユーザー(145b)からのクエリに応答し得る。代替的に、および/または付加的に、1つ以上の具体的な臨床例の代わりに、第2のユーザー(145b)は、例えば、不整脈起源位置の統計的確率を求めること、不整脈のための様々な処置アプローチ(例えば、アブレーション病変の位置、数、およびパターン)に関連付けられる潜在的臨床転帰の確率解析を実行すること、などを含む、様々な認知的タスクを実行するように機械学習モデルを訓練するために、訓練データとしてライブラリ(120)からの臨床例のコレクションを適用してもよい。
【0086】
いつくかの例示的な実施形態では、例えば、機械学習モデルは、オートエンコーダなどのニューラルネットワークを含得る。機械学習モデルは、機械学習モデルの中への入力として収集され入力され得る多数の患者の事例からの臨床データを含む訓練データに基づいて訓練され得る。訓練データは、患者の人口学的情報、心電図記録法(ECG)とベクトル心電計(VCG)のトレース、および特定された不整脈起源位置を含むグラウンドトルース・ラベルを含み得る。不整脈起源位置は、アブレーションの部位、サイズ、技術、内部標的化体積(ITV)、計画標的化体積(PTV)、アブレーション・エネルギー投与量、および転帰の何らかのランキング(例えば、不整脈終止、短期アブレーション成功、長期的アブレーション成功、など)でさらに標識付けされ得る。さらに、機械学習モデルは、各々の患者ための処置アプローチにおいて存在する特徴(アブレーションの病変、数、サイズ、構成、内部標的化体積(ITV)、計画標的化体積(PTV)、アブレーション・エネルギー投与量、など)を検討するように訓練され得る。付加的に、機械学習モデルは、他の訓練用症例データおよび/または比較される将来の症例の両方に対する関連性を求めるために、異なる臨床例間の類似性メトリックを、人口統計、不整脈タイプ、心臓の解剖学的構造などに基づいて、求め得る。ユーザーが訓練された機械学習モデルを利用したい時、ユーザーは、訓練された機械学習モデルへの入力として、患者の心電図(ECG)あるいはベクトル心電図(VCG)、ならびに、患者と不整脈の1つ以上の特徴を提供し得る。訓練された機械学習モデルは、少なくとも前記入力に基づいて、不整脈起源位置の統計的確率、および不整脈のための様々な処置アプローチ(例えばアブレーション病変の位置、数、およびパターン)に関連付けられる潜在的臨床的転帰の確率解析を求め得る。従って、データコントローラ(110)は、訓練された機械学習モデルの出力に少なくとも基づいて、関連する臨床例のセレクションを、ケース参照および手続き計画のために、特定するように構成され得る。
【0087】
図9Bは、いくつかの例示的な実施形態による、コンピュータシミュレーションのライブラリを修正するための処理(920)の例を図示している、フローチャートを表わす。図1図4図5A~C、および図9Bによると、処理(920)は、ライブラリ(125)中の1つ以上のコンピュータシミュレーションを修正してよりよく患者特異的な特徴に適合させるためにデータコントローラー(110)によって実行され得る。
【0088】
(922)では、データコントローラー(110)が、電気生理学ラボラトリ、放射線診療スイート、または手術室のいずれかにおける電気生理学的調査の最中に収集された患者データを受け取り得る。いつくかの例示的な実施形態では、データ・コントローラー(110)は、電気生理学(EP)調査の間に収集された患者データを受け取る場合があり、含んでいること、例えば、活動電位持続(APD)回復データ、伝導速度回復データ、患者の解剖学的な幾可学的形状、電圧マッピング、心臓内の超音波データ、患者の人口統計、心臓活性化パターン、局所的伝導速度、電位図分析、などを含む。
【0089】
(924)では、データコントローラー(110)は、少なくとも患者データ基づいて、ライブラリ(125)に含まれる1つ以上のコンピュータシミュレーションを修正し得る。いつくかの例示的な実施形態では、データコントローラー(110)は、少なくとも患者データ基づいて、ライブラリ(125)に含まれる1つ以上の非患者特異的なコンピュータシミュレーションを修正する場合があり、その結果、1つ以上の非患者特異的なコンピュータシミュレーションが患者の特異的な特徴に、よりよく一致するようになる。これらの修正は、患者が不整脈の処置を受ける時に、コンピュータシミュレーションの修正済のライブラリ(125)が利用可能であるように、実時間(または、ほぼ実時間)で、行なわれ得る。
【0090】
(926)では、データコントローラ(110)は、第1のユーザー(145a)および/または第2のユーザー(145b)が、修正済のコンピュータシミュレーションに少なくとも基づいて、不整脈の起源の位置を求め、および、および心臓不整脈の起源の位置において1つ以上の処置を実行することを可能にするために、第1のクライアント(140a)および/または第2のクライアント(140b)に修正済コンピュータシミュレーションを送る場合がある。例えば、第1のユーザー(145a)および/または、第2のユーザ(145b)は、少なくとも修正済コンピュータシミュレーションに基づき、心臓不整脈の起源のより高い忠実性の位置特定を実行し得る。従って、心臓不整脈の起源において実行された後の処置の転帰は、心臓不整脈の起源のより高い忠実性の位置特定によって改善され得る。
【0091】
図9Cは、いくつかの例示的な実施形態による、コンピュータシミュレーションと電気解剖学的マッピングをを位置合わせするためのプロセス(930)の例を図示している、フローチャートを表わす。図1図6A~D、図7A~B、図8、および図9Cによると、処理(930)は、心臓不整脈の起源をさらに位置特定するために、データコントローラー(110)によって実行され得る。
【0092】
(932)では、データコントローラー(110)は、1つ以上のペーシング刺激を適用する時にカテーテルが置かれるn個のペーシング部位の位置を、電気解剖学的マップにおいて、特定し得る。例えば、図6Cにおいて示されるように、データコントローラー(110)は、電気解剖学的マップ(620)において、1つ以上ペーシング部位を特定し得る。
【0093】
(934)では、データコントローラー(110)は、患者の解剖学のコンピュータシミュレーションにおいて、n個のペーシング部位の位置を特定し得る。例えば、図6Dにおいて示されるように、データコントローラー(110)は、コンピュータシミュレーション(600)において、同じn個のペーシング部位の位置をさらに特定し得る。
【0094】
(936)では、データコントローラー(110)は、n個のペーシング部位の位置に少なくともに基づいて、電気解剖学的マップと患者の解剖学のコンピュータシミュレーションを位置合わせする場合があり、その結果、n個のペーシング部位の位置によって心臓不整脈の起源が表示される。いつくかの例示的な実施形態では、データコントローラー(110)は、n個のペーシング部位の位置に基づいて、電気解剖学的マップ(620)とコンピュータシミュレーション(600)を位置合わせする場合がある。例えば、一旦、n個のペーシング部位の位置がコンピュータシミュレーション(600)と電気解剖学的マップ(620)において知られると、n個のペーシング部位の位置は、変形用マトリックスAを使用しながら、コンピュータシミュレーション(600)のそれぞれの参照座標系と電気解剖学的マップ(620)を位置合わせするために使用され得る。例えば、最小2乗当てはめアルゴリズム組み込み、回転、平行移動、およびスケーリングを使用して、電気解剖学的マップ(620)とコンピュータシミュレーション(600)の位置合わせが達成される場合がある。このように、心臓不整脈の起源は、n個のペーシング部位の位置に基づいて、さらに表示され得る。
【0095】
(938)では、データコントローラ(110)は、n個のペーシング部位の位置に関連する心臓不整脈の起源の位置を表示するユーザーインターフェースを生成し得る。留意されるように、n個のペーシング部位に関する心臓不整脈の起源の位置は、患者の心臓不整脈を処置する臨床医に対する実用的データであり得る。従って、データコントローラー(110)は、例えば、n個のペーシング部位の位置に関連する心臓不整脈の起源の位置を表示するユーザーインターフェースを生成することにより、第1のユーザー(145a)および/または第2のユーザ(145b)にこの情報を提供し得る。例えば、アブレーション、標的化遺伝子療法、定位切除放射線療法(例えば、ガンマ線、陽子線)、および外科的介入を含む処置が、心臓不整脈の起源であると特定された位置において実行され得る。例えば、図8において示されるように、第1のユーザー(145a)および/または第2のユーザ(145b)は、不整脈に関連付けられる異常な心収縮を引き起こす不安定な電気信号を途絶させる、および/または除去することによって不整脈を緩和するように、心臓不整脈の起源の位置において、処置を実行し得る。
【0096】
図10は、いくつかの例示的な実施形態による、コンピュータシステム(1000)を図示しているブロック図を表わす。図1および図10によると、コンピューティングシステム(1000)は、データコントローラー(110)を、および/またはその中にあるいかなる構成要素も、実装するために使用することができる。
【0097】
図10において示されるように、コンピューティングシステム(1000)は、プロセッサ(1010)、メモリ(1020)、記憶デバイス(1030)、および入出力デバイス(1040)を含み得る。プロセッサ(1010)、メモリ(1020)、記憶デバイス(1030)、および入出力デバイス(1040)は、システムバス(1050)を介して相互接続され得る。プロセッサー(1010)は、コンピューティングシステム(1000)内で実行するための命令を処理することができる。そのような実行される命令は、例えば、データコントローラー(110)の1つ以上の構成要素を実装し得る。本発明の特定事項のいくつかの実装では、プロセッサー(1010)は、単一スレッドのプロセッサであり得る。あるいは、プロセッサー(1010)はマルチスレッドのプロセッサであり得る。プロセッサー(1010)は、入出力デバイス(1040)を介して提供されるユーザーインターフェースのために、グラフィカルな情報を表示するための、メモリ(1020)および/または記憶デバイス(1030)において記憶された命令を処理することができる。
【0098】
メモリ(1020)は、コンピューティングシステム(1000)内の情報を記憶する揮発性または不揮発性などのコンピュータ可読媒体である。メモリ(1020)は、例えば、構成オブジェクト・データベースを表わすデータ構造を記憶し得る。記憶デバイス(1030)は、コンピューティングシステム(1000)のために持続的な記憶を提供することができる。記憶デバイス(1030)は、フロッピーディスク・デバイス、ハードディスク・デバイス、光学ディスク・デバイス、またはテープデバイス、または他の適切な持続的な記憶手段であり得る。入出力デバイス(1040)は、コンピューティングシステム(1000)のために入出力動作を提供する。本発明の特定事項のいくつかの実施では、入出力デバイス(1040)は、キーボードおよび/またはポインティングデバイスを含む。様々な実施において、入出力デバイス(1040)は、グラフィカルユーザインターフェースの表示のためのディスプレー装置を含む。
【0099】
本発明の特定事項のいくつかの実施によると、入出力デバイス(1040)は、ネットワークデバイスのために入出力動作を提供し得る。例えば、入出力デバイス(1040)は、1つ以上の有線および/またはワイヤレス・ネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、インターネット)と通信するためのイーサネットポートまたは他のネットワーキングポートを含み得る。
【0100】
本発明の特定事項のいくつかの実施では、コンピューティングシステム(1000)は、様々なフォーマット(例えば、表)でデータを組織化、分析、および/または記憶するために使用され得る様々な対話型のコンピューターソフトウェア・アプリケーションを実行するために使用され得る。あるいは、コンピューティングシステム(1000)は、いかなるタイプのソフトウェアアプリケーションを実行するためにも使用され得る。これらのアプリケーションは、様々な機能、例えば、計画機能(例えば、スプレッドシート文書、ワードプロセッサー文書、および/または、他のオブジェクトなどの生成、管理、編集)、計算機能、通信機能などを実行するために使用され得る。そのアプリケーションは、様々なアドイン機能を含み得るか、またはスタンド・アロンのコンピューティング製品および/または機能であり得る。アプリケーション内で活動化されると、機能は、入出力デバイス(1040)を介して提供されるユーザーインターフェースを生成するために使用され得る。ユーザーインターフェースは、し、コンピューティングシステム(1000))によって、生成され、ユーザーに提示され得る(例えば、コンピュータ・スクリーンモニターなどの上に)。
【0101】
本明細書に記載された発明特定事項の1つ以上の態様または特徴は、デジタル電子回路、集積回路設計、特別に設計された特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)コンピューター・ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはその組み合わせにおいて実現され得る。これらの様々な態様または特徴は、少なくとも1台のプログラム可能なプロセッサを含むプログラム可能システム上で実行可能なおよび/または解釈可能である1つ以上のコンピュータプログラムにおける実施を含み得るが、前記プロセッサは、特別または多目的でありえ、データおよび命令を受け取るために、およびデータと命令を送信するために、記憶システム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つのデバイスに結合され得る。プログラム可能システムまたはコンピューティングシステムは、クライアントとサーバを含み得る。クライアントとサーバは、通常、互いから遠く離れ、および典型的には通信ネットワークを介して相互作用する。クライアントとサーバの関係は、それぞれのコンピュータに動作し、互いに対するクライアント・サーバーの関係を有しているコンピュータプログラムによって発生する。
【0102】
これらのコンピュータプログラム、また、それらはプログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コンポーネント、またはコードと呼ばれ得るが、プログラム可能プロセッサのための機械語命令を含み、および、高水準の手続型および/またはオブジェクト指向プログラミング言語で、および/またはアセンブリ/機械語で、実装され得る。本明細書に使用されるように、用語「機械可読媒体」は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、およびプログラム可能論理回路(PLD)などの、あらゆるコンピュータプログラム製品、装置、および/またはデバイスを指し、プログラム可能プロセッサに機械語命令および/またはデータ提供するために使用され、機械可読信号として機械語命令を受け取る機械可読媒体を含む。用語「機械可読信号」は、プログラム可能プロセッサに機械語命令および/またはデータを提供するために使用されるあらゆる信号を指す。機械可読媒体は、例えば、非一時的なソリッドステートメモリ、または磁気ハードドライブ、または任意の同等な記憶媒体などがするように、そのような機械語命令を非一時的に記憶し得る。機械可読媒体は、代替的に、または付加的に、例えば、1つ以上の物理的なプロセッサーコアに関連したプロセッサーキャッシュまたは他のランダムアクセスメモリなどがするように、一時的な方式において、そのような機械語命令を記憶する。
【0103】
本明細書に記載された発明特定事項は、望ましい構成に依存するシステム、装置、方法、および/または物品で具体化され得る。先に記載において明らかにされた実施は、本明細書に記載された発明特定事項と一致する全ての実施を表わすわけではない。むしろ、それらは、記載された発明特定事項に関連する態様と一致するいくつかの例にすぎない。若干の変形は上記に詳細に記載されたが、他の改良または追加は可能である。特に、さらなる特徴および/または変形は、本明細書において明らかにされたものに対して追加的に提供され得る。例えば、上に記載された実施は、開示された特徴の様々な組み合わせと下位組み合わせ(subcombination)、および/または、上記に開示された幾つかのさらなる特徴の組み合わせ、および下位組み合わせを対象とし得る。さらに、添付の図面で表わされ、および/または本明細書に記載されたロジック・フローは、望ましい結果を達成するためには、示された特定の順序、または連続する順序を必ずしも必要としない。他の実施は、以下の請求項の範囲内にあり得る。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10