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特許7541701パラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルスのFタンパク質を表示する自己アセンブリするタンパク質ナノ構造およびその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】パラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルスのFタンパク質を表示する自己アセンブリするタンパク質ナノ構造およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C07K 19/00 20060101AFI20240822BHJP
   C07K 14/115 20060101ALI20240822BHJP
   C07K 14/00 20060101ALI20240822BHJP
   C07K 14/08 20060101ALI20240822BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20240822BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240822BHJP
   C12N 15/45 20060101ALI20240822BHJP
   C12N 15/40 20060101ALI20240822BHJP
   C12N 15/11 20060101ALI20240822BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240822BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20240822BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20240822BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240822BHJP
   A61K 39/12 20060101ALI20240822BHJP
   A61K 39/155 20060101ALI20240822BHJP
   A61K 47/64 20170101ALI20240822BHJP
   A61K 47/65 20170101ALI20240822BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20240822BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20240822BHJP
   B82Y 5/00 20110101ALI20240822BHJP
   B82Y 40/00 20110101ALI20240822BHJP
【FI】
C07K19/00 ZNA
C07K14/115
C07K14/00
C07K14/08
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C12N15/45
C12N15/40
C12N15/11 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61K39/12
A61K39/155
A61K47/64
A61K47/65
A61P31/14
A61P37/04
B82Y5/00
B82Y40/00
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022167524
(22)【出願日】2022-10-19
(62)【分割の表示】P 2019554692の分割
【原出願日】2018-04-03
(65)【公開番号】P2023002680
(43)【公開日】2023-01-10
【審査請求日】2022-11-15
(31)【優先権主張番号】62/481,331
(32)【優先日】2017-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514104933
【氏名又は名称】ユニヴァーシティ オブ ワシントン
(73)【特許権者】
【識別番号】511012938
【氏名又は名称】インスティテュート フォー リサーチ イン バイオメディシン
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】キング,ネイル,ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ニッカーソン,ブルーク
(72)【発明者】
【氏名】スチュワート,ランス,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ペレス,ローラン
(72)【発明者】
【氏名】ランザベッキア,アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】マーカンダリ,ジェシカ
【審査官】白井 美香保
(56)【参考文献】
【文献】特許第7168938(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2016/0122392(US,A1)
【文献】国際公開第2014/124301(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/177312(WO,A1)
【文献】特表2016-533332(JP,A)
【文献】Science,2013年,vol.342, issue 6158,p.592-598
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 1/00-19/00
C12N 15/00-15/90
A61K 38/00-38/58
A61K 39/00-39/44
CAPLUS/BIOSIS/MEDLINE/EMBASE(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノ構造であって、
(a)複数の第1のアセンブリであって、各々の第1のアセンブリが複数の同一の第1のポリペプチドを含む、複数の第1のアセンブリ;
(b)複数の第2のアセンブリであって、各々の第2のアセンブリが複数の同一の第2のポリペプチドを含み、前記第2のポリペプチドが前記第1のポリペプチドと異なる、複数の第2のアセンブリ;
を含み、
前記複数の第1のアセンブリが前記複数の第2のアセンブリと非共有結合的に相互作用してナノ構造を形成し;
前記ナノ構造が、1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントの複数のコピーを前記ナノ構造の外面に表示し、
前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドが、配列番号7および配列番号34に対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む、ナノ構造。
【請求項2】
前記1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントが、配列番号53、61~68、および101からなる群から選択されるポリペプチド、または配列番号59を含まない配列番号53、61~68、および101からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドを含む、請求項1に記載のナノ構造。
【請求項3】
前記1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントが、前記第1のポリペプチドとの融合タンパク質として発現される、請求項1または2に記載のナノ構造。
【請求項4】
前記第1のポリペプチドのサブセットのみが、Fタンパク質またはその抗原フラグメントとの融合タンパク質を含み、あるいは前記複数の第1のアセンブリが、合計で2つ以上のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントを含む、請求項3に記載のナノ構造。
【請求項5】
各々の第1のアセンブリが、前記第1のポリペプチドのホモ三量体を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のナノ構造。
【請求項6】
前記1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントが、配列番号53のアミノ酸配列の26~513残基に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のナノ構造。
【請求項7】
各々の融合タンパク質が、前記第1のポリペプチドと前記1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントとの間に配置されたアミノ酸リンカーを含み、
任意で、前記アミノ酸リンカー配列がGly-Serリンカーおよび/または配列番号58を含む、請求項3~6のいずれか1項に記載のナノ構造。
【請求項8】
各々の第1のポリペプチドが、アミノ酸リンカーを介して配列番号7に連結した配列番号53のアミノ酸配列の26~513残基の融合タンパク質を含み、前記アミノ酸リンカー配列がGly-Serリンカーを含む、請求項6に記載のナノ構造。
【請求項9】
各々の融合タンパク質が、配列番号73~77および81~90からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列、またはMELLILKANAITTILTAVTFCFASG(配列番号59)のシグナルペプチドを含まない配列番号73~77および81~90からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項3~8のいずれか1項に記載のナノ構造。
【請求項10】
各々の第2のポリペプチドが、I53-50B(配列番号8)、I53-50B.1(配列番号32)、I53-50B.1NegT2(配列番号33)、またはI53-50B.4PosT1(配列番号34)からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、任意で、各々の第2のポリペプチドが、I53-50B.4PosT1(配列番号34)のアミノ酸配列を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のナノ構造。
【請求項11】
前記第1のポリペプチドが、I53-50A(配列番号7)のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含み、および/または前記第2のポリペプチドが、I53-50B.4PosT1(配列番号34)のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載のナノ構造。
【請求項12】
前記第1のポリペプチドがI53-50A(配列番号7)のアミノ酸配列に対して100%の同一性を有するポリペプチドを含み、および/または前記第2のポリペプチドがI53-50B.4PosT1(配列番号34)のアミノ酸配列に対して100%の同一性を有するポリペプチドを含む、請求項11に記載のナノ構造。
【請求項13】
前記1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントが、DS-Cav1(配列番号53)のアミノ酸配列の26~513残基を含む、請求項11または12に記載のナノ構造。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載のナノ構造をコードする組換え核酸、プロモーターに作動可能に連結された前記組換え核酸を含む組換え発現ベクター、または前記組換え核酸を含む組換え宿主細胞。
【請求項15】
被験体においてパラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルスのFタンパク質に対する免疫応答を生じさせる方法において使用するための、請求項1~13のいずれか1項に記載のナノ構造、または請求項14に記載の組換え核酸であって、前記方法が、それを必要とする前記被験体に、前記ナノ構造の有効量を投与して免疫応答を生じさせることを含み、任意で前記投与により前記被験体におけるパラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルスの中和抗体が産生され、任意で前記中和抗体が、少なくとも1,000の力価(1/ID50)で前記被験体の血清中に存在する、ナノ構造、または組換え核酸。
【請求項16】
被験体においてパラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルスの感染を治療または予防に使用するための、請求項1~13のいずれか1項に記載のナノ構造、または請求項14に記載の組換え核酸であって、任意で前記治療が、被験体対象におけるパラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルスの中和抗体の産生を含み、任意で前記中和抗体が、少なくとも1,000の力価(1/ID50)で前記被験体の血清中に存在する、ナノ構造、または組換え核酸。
【請求項17】
請求項1~13のいずれか1項に記載のナノ構造をアセンブリさせるin vitroプロセスであって、前記ナノ構造の前記複数の第1のアセンブリと前記複数の第2のアセンブリとを水性条件で1:1のモル比で混合する工程を含む、in vitroプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2017年4月4日提出の米国特許仮出願第62/481331号(その全体が本明細書中で参考として援用される)の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
背景
タンパク質の高秩序の対称超分子複合体への分子自己アセンブリおよび共アセンブリは、原子スケールで物質をパターン形成する的確かつ強力な手段である。近年、バイオマテリアル、特に、核酸から構成される自己組織化バイオマテリアルの開発が進んでいる。DNAは、例えば、ナノスケールの形状およびパターン、分子コンテナ、および三次元の巨視的結晶を作製するために使用されている。自己アセンブリするタンパク質の設計方法の進歩についてはやや遅れているものの、タンパク質の機能性および物理的性質は、高度な機能性材料を開発するための基本単位として魅力的である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
発明の概要
1つの態様では、ナノ構造であって、
(a)複数の第1のアセンブリであって、各々の第1のアセンブリが複数の同一の第1のポリペプチドを含む、複数の第1のアセンブリ;
(b)複数の第2のアセンブリであって、各々の第2のアセンブリが複数の同一の第2のポリペプチドを含み、第2のポリペプチドが第1のポリペプチドと異なる、複数の第2のアセンブリ;
を含み、
複数の第1のアセンブリが複数の第2のアセンブリと非共有結合的に相互作用してナノ構造を形成し;
ナノ構造が、1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントの複数のコピーをナノ構造の外面に表示している、ナノ構造を提供する。
【0004】
1つの実施形態では、(a)第1のポリペプチドが、配列番号1~51からなる群から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含み;
(b)第2のポリペプチドが、配列番号1~51からなる群から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含む。
【0005】
別の実施形態では、1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントは、配列番号53、61~68、および101からなる群から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含む。
【0006】
種々の実施形態では:
(a)第1のポリペプチドは、T33-31A(配列番号51)のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含み、第2のポリペプチドは、T33-09B/T33-31B(配列番号44)のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含むか;
(b)第1のポリペプチドは、T33-15B(配列番号46)のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含み、第2のポリペプチドは、T33-15A(配列番号45)のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含むか;
(c)第1のポリペプチドは、I53-50A(配列番号7)、I53-50A.1(配列番号29)、I53-50A.1NegT2(配列番号30)、およびI53-50A.1PosT1(配列番号31)からなる群から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有し、第2のポリペプチドは、I53-50B(配列番号8)、I53-50B.1(配列番号32)、I53-50B.1NegT2(配列番号33)、およびI53-50B.4PosT1(配列番号34)からなる群から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するか;あるいは
(d)第1のポリペプチドは、I32-28A(配列番号21)のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含み、第2のポリペプチドは、I32-28B(配列番号22)のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含む。
【0007】
1つの実施形態では、1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントは、第1のポリペプチドとの融合タンパク質として発現される。1つのかかる実施形態では、複数の第1のアセンブリの各々は、同一の第1のポリペプチドを含み;別のかかる実施形態では、複数の第1のアセンブリは、合計で2つ以上のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントを含む。別の実施形態では、第1のポリペプチドのサブセットのみが、Fタンパク質またはその抗原フラグメントとの融合タンパク質を含む。さらなる実施形態では、各々の第1のアセンブリは、第1のポリペプチドのホモ三量体を含む。
【0008】
別の実施形態では、融合タンパク質は、第1のポリペプチドとパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントとの間に配置されたアミノ酸リンカーを含む。1つのかかる実施形態では、融合タンパク質は、第1のポリペプチドとパラミクソウイルスFタンパク質またはその抗原フラグメントとの間に配置されたアミノ酸リンカーを含む。1つの実施形態では、アミノ酸リンカー配列は、1つまたは複数の三量体化ドメインを含み;別の実施形態では、アミノ酸リンカー配列は、Gly-Serリンカーを含む。
【0009】
種々の実施形態では、第1のポリペプチドは、DS-Cav1-foldon-T33-31A(配列番号69)、DS-Cav1-T33-31A(配列番号70)、DS-Cav1-foldon-T33-15B(配列番号71)、DS-Cav1-T33-15B(配列番号72)、DS-Cav1-foldon-I53-50A(配列番号73)、DS-Cav1-I53-50A(配列番号74)、およびDS-Cav1-I32-28A(配列番号75)からなる群から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する第1のポリペプチドを含むか、それらからなる。他の実施形態では、
(a)各々の第1のポリペプチドが、DS-Cav1-foldon-T33-31A(配列番号69)またはDS-Cav1-T33-31A(配列番号70)のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するとき、各々の第2のポリペプチドは、T33-31B(配列番号44)のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するか;
(b)各々の第1のポリペプチドが、DS-Cav1-foldon-T33-15B(配列番号71)またはDS-Cav1-T33-15B(配列番号72)のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するとき、各々の第2のポリペプチドは、T33-15A(配列番号45)のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するか;
(c)各々の第1のポリペプチドが、DS-Cav1-foldon-I53-50A(配列番号73)またはDS-Cav1-I53-50A(配列番号74)のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するとき、各々の第2のポリペプチドは、I53-50B(配列番号8)、I53-50B.1(配列番号32)、I53-50B.1NegT2(配列番号33)、またはI53-50B.4PosT1(配列番号34)からなる群から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するか;あるいは
(d)各々の第1のポリペプチドが、DS-Cav1-I32-28A(配列番号75)のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するとき、各々の第2のポリペプチドは、I32-28Bのアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する。
【0010】
1つの実施形態では、1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントは、DS-Cav1(配列番号53)のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含む。1つのかかる実施形態では、各々の第1のポリペプチドは、配列番号7(I53-50A)のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドに、アミノ酸リンカーを介して連結したDS-Cav1のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドの融合ポリペプチドを含む。別の実施形態では、アミノ酸リンカーは、Gly-Serリンカーを含む。さらなる実施形態では、各々の融合タンパク質は、配列番号69~100からなる群から選択されるアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含む。特定の実施形態では、各々の融合タンパク質は、配列番号76(F10)のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含む。他の実施形態では、各々の第2のポリペプチドは、I53-50B(配列番号8)、I53-50B.1(配列番号32)、I53-50B.1NegT2(配列番号33)、またはI53-50B.4PosT1(配列番号34)からなる群から選択されるアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含む。特定の実施形態では、各々の第2のポリペプチドは、I53-50B.4PosT1(配列番号34)のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含む。
【0011】
他の態様では、第1のポリペプチド融合物を発現する組換え発現核酸、プロモーターに連結された組換え核酸を含む組換え発現ベクター、および組換え発現ベクターを含む組換え宿主細胞を提供する。
【0012】
本明細書中に開示の任意の実施形態または実施形態の組み合わせのナノ構造を含む免疫原性組成物、および薬学的に許容され得る担体も提供する。1つの実施形態では、免疫原性組成物は、アジュバントをさらに含み得る。
【0013】
他の態様では、被験体においてRSV Fタンパク質に対する免疫応答を生じさせるか、被験体においてRSV感染を処置するか制限する方法であって、有効量の本明細書中に開示の実施形態または実施形態の組み合わせのナノ構造または免疫原性組成物を、それを必要とする被験体に投与して、被験体において免疫応答を生じさせるか、RSV感染を処置または予防する工程を含む方法を提供する。
【0014】
本明細書中に開示の任意の実施形態または実施形態の組み合わせのナノ構造をアセンブリさせるプロセスであって、2つ以上のナノ構造の構成成分を水性条件で混合して、所望のナノ構造の自発的アセンブリを駆動する工程を含むプロセスも提供する。
【0015】
図面の簡単な説明
本発明の前述の態様およびそれに伴う利点の多くは、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによってより深く理解されるようになるにつれて、より容易に認識されるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】in vitroアセンブリによる抗原保有ナノ構造の産生の概要図を示す。所与のナノ構造の2つの構成成分または基本単位を発現させて個別に精製することができ、この精製された構成成分をin vitroで混合することによってナノ構造のアセンブリを開始させることが可能である(in vitroアセンブリと呼ばれるプロセス)。いくつかの実施形態では、ナノ構造の2つの構成成分を異なる発現宿主(例えば、ヒトHEK293F細胞または細菌大腸菌細胞)内で発現させることができる。図は、HEK293F細胞内で産生された抗原-ナノ構造三量体融合タンパク質および大腸菌内で産生されたナノ構造五量体タンパク質のin vitroアセンブリを介した20の三量体抗原(60の抗原サブユニット)を保有する120-サブユニットのナノ構造のアセンブリを模式的に示す。
図2】組織培養上清中に分泌されたDS-Cav1、DS-Cav1-foldon-T33-31A、およびDS-Cav1-T33-31A融合タンパク質の検出を示すグラフを示す。DS-Cav1(上)、DS-Cav-1-foldon-T33-31A/T33-31B(左下)、およびDS-Cav-1-T33-31A/T33-31B(右下)を発現する細胞由来の組織培養上清に対してELISAアッセイを行った。RSV Fに結合する4つの異なるモノクローナル抗体を、上清中のDS-Cav1またはDS-Cav1融合タンパク質の存在を評価するために使用した。結果により、十分に折り畳まれたRSV F抗原を含むタンパク質の分泌が確認される。
図3】DS-Cav1-I53-50Aのサイズ排除クロマトグラフィを示す。固定金属アフィニティクロマトグラフィによって組織培養上清から精製されたタンパク質を、Superose(商標)6 10/300GLサイズ排除カラムに適用した。タンパク質は、単一の単分散種として溶出された。
図4】in vitroでアセンブリしたDS-Cav1-I53-50ナノ構造のサイズ排除クロマトグラフィを示す。精製されたDS-Cav1-I53-50Aタンパク質およびI53-50B.4PT1タンパク質をおよそ1:1のモル比で混合し、4℃で一晩インキュベートし、次いで、Sephacryl S-500 16/60 HRサイズ排除カラムにアプライした。アセンブリしたナノ構造は、65mLあたりに単一の単分散ピークとして溶出され、一方で、過剰なDS-Cav1-I53-50A三量体成分は90mLあたりに溶出された。
図5】in vitroでアセンブリしたDS-Cav1-I53-50ナノ構造の陰性染色による顕微鏡写真および二次元クラスの平均を示す。サイズ排除クロマトグラフィによって精製したin vitroでアセンブリしたDS-Cav1-I53-50ナノ構造を、陰性染色電子顕微鏡法によって画像化した(上)。多数のナノ構造を平均することにより、ナノ構造のI53-50部分が高秩序かつ一貫しており、一方で、表示された抗原の精密な三次元の位置が、DS-Cav1-I53-50A融合タンパク質のDS-Cav1ドメインとI53-50Aドメインとの間のリンカーの可動性に起因してわずかに変動することを示す二次元クラスの平均(下)が得られた。
図6】DS-Cav1-I53-50ナノ構造の抗原性を示す一連のグラフを示す。4つのRSV F特異的モノクローナル抗体(融合前特異的抗体MPE8、D25、およびRSD5が含まれる)を使用したELISAによる精製されたDS-Cav1-I53-50ナノ構造の分析(A)は、DS-Cav1抗原が、DS-Cav1-I53-50ナノ構造上に多価で表示されたときに正確に折り畳まれて融合前の状態が維持されることを示した。この所見は、複数のRSV F特異的抗体を使用した表面プラズモン共鳴の測定値によって確認され(B~C)、三量体DS-Cav1と比較したときにDS-Cav1の多価表示により抗体の解離速度が低下するアビディティー効果が得られることがさらに示唆された。
図7】DS-Cav1-I53-50ナノ構造で免疫化されたマウス由来のDS-Cav1特異的血清抗体価を示すグラフである。マウス群を、さらなる抗原である三量体DS-Cav1を欠くI53-50ナノ構造または結合価が33%、66%、または100%でDS-Cav1抗原を保有するI53-50ナノ構造で免疫化した。DS-Cav1特異的血清抗体価を、ELISAによってDS-Cav1でコーティングしたプレートに対して測定した。各マウスについての血清抗体価を円としてプットし、プロットした各群内の幾何平均を水平線として付した。
図8】DS-Cav1-I53-50ナノ構造での免疫化によって誘発された血清中和活性を示すグラフである。マウス群を、さらなる抗原である三量体DS-Cav1を欠くI53-50ナノ構造または結合価が33%、66%、または100%でDS-Cav1抗原を保有するI53-50ナノ構造で免疫化した。各マウスについての中和力価を円としてプットし、プロットした各群内の幾何平均を水平線として付した。
図9】DS-Cav1-foldon I53-50ナノ構造での免疫化によって誘発された霊長類免疫系における免疫原性を示すグラフである。アカゲザルに、遊離DS-Cav1三量体または結合価100%でDS-Cav1を示すDS-Cav1-foldon-I53-50ナノ構造のいずれかを0週目および4週目に注射した。両方の場合において、DS-Cav1抗原の用量は50μgであり、免疫原を、MF59様スクアレン系水中油型乳濁液アジュバントSWEを用いて製剤化した。6週目および16週目に動物から得た血清を、抗DS-Cav1抗体価(A)およびRSV-中和抗体価(B)について評価した。
図10】I53-50Aに融合したときおよび/または正二十面体ナノ構造にさらにアセンブリしたときのDS-Cav1の物理的安定性を示すグラフである。等濃度のDS-Cav1を含む三量体DS-Cav1、三量体DS-Cav1-foldon-I53-50A、およびDS-Cav1-foldon-I53-50ナノ構造の試料を、4つのアリコートに分割し、20、50、70、または80℃で1時間インキュベートした。室温に冷却後、D25結合を、表面プラズモン共鳴(SPR)によってアッセイした。
図11】ナノ構造の物理的安定性を示すグラフである。トリプトファン自家蛍光によってモニタリングされる塩酸グアニジン(GdnHCl)の化学的変性を、三量体DS-Cav1(A~B)、DS-Cav1-foldon-I53-50A(C~D)、DS-Cav1-foldon-I53-50(E~F)、I53-50(G~H)、およびI53-50A(I~J)の物理的安定性を評価するための第2の抗体非依存性技術として使用した。データは、I53-50Aナノ構造の構成成分に遺伝的に融合したときのDS-Cav1抗原の優れた物理的安定性を示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の詳細な説明
引用された全ての参考文献は、その全体が本明細書中で参考として援用される。本出願内で、別段に記述しない限りは、利用した技術を、以下などのいくつかの周知の参考文献のいずれかに見出すことができる:Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Sambrookら,1989,Cold Spring Harbor Laboratory Press)、Gene Expression Technology(Methods in Enzymology,Vol.185,edited by D.Goeddel,1991. Academic Press,San Diego,CA)、“Guide to Protein Purification” in Methods in Enzymology(M.P.Deutshcer,ed.,(1990)Academic Press,Inc.);PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications(Innisら.1990.Academic Press,San Diego,CA)、Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique,2nd Ed.(R.I.Freshney.1987. Liss,Inc.New York,NY)、Gene Transfer and Expression Protocols,pp.109-128,ed.E.J.Murray,The Humana Press Inc.,Clifton,N.J.)、およびAmbion 1998 Catalog(Ambion,Austin,TX)。
【0018】
本明細書中で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」には、文脈上他の意味を明確に示さない限り、複数形が含まれる。本明細書中で使用される「および」を、具体的に他の意味を示さない限り、「または」と互換的に使用する。
【0019】
本明細書中で使用する場合、アミノ酸残基を、以下のように省略する: アラニン(Ala;A)、アスパラギン(Asn;N)、アスパラギン酸(Asp;D)、アルギニン(Arg;R)、システイン(Cys;C)、グルタミン酸(Glu;E)、グルタミン(Gln;Q)、グリシン(Gly;G)、ヒスチジン(His;H)、イソロイシン(Ile;I)、ロイシン(Leu;L)、リジン(Lys;K)、メチオニン(Met;M)、フェニルアラニン(Phe;F)、プロリン(Pro;P)、セリン(Ser;S)、トレオニン(Thr;T)、トリプトファン(Trp;W)、チロシン(Tyr;Y)、およびバリン(Val;V)。
【0020】
本明細書中で使用する場合、「約」は、引用したパラメーターの±5%を意味する。
【0021】
文脈上他の意味を明確に示さない限り、本発明の任意の態様の全ての実施形態を組み合わせて使用することができる。
【0022】
文脈上明白に他の意味に解釈すべき場合を除き、説明および特許請求の範囲を通して、用語「含む(comprise)」および「含む(comprising)」などは、排他的または網羅的な意味とは対照的な包括的な意味で解釈されるものとする;換言すると、「~が含まれるが、これに限定されない」を意味する。単数または複数を使用する用語には、それぞれ、複数および単数も含まれる。さらに、用語「本明細書中」、「上記」、「下記」、および類似の意味の用語は、本出願で使用するとき、本出願の特定の部分ではなく、本出願全体を指すものとする。
【0023】
本開示の実施形態の説明は、網羅的であることや、開示された正確な形態に本開示が制限されることを意図しない。本開示の特定の実施形態およびその例は、例示のみを目的として本明細書中に記載されているが、当業者が認識するように、本開示の範囲内で種々の等価な修正が可能である。
【0024】
第1の態様では、本開示は、ナノ構造であって、
(a)複数の第1のアセンブリであって、各々の第1のアセンブリが複数の同一の第1のポリペプチドを含む、複数の第1のアセンブリ;
(b)複数の第2のアセンブリであって、各々の第2のアセンブリが複数の同一の第2のポリペプチドを含み、第2のポリペプチドが第1のポリペプチドと異なる、複数の第2のアセンブリ;
を含み、
複数の第1のアセンブリが複数の第2のアセンブリと非共有結合的に相互作用してナノ構造を形成し;
ナノ構造が、1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントの複数のコピーをナノ構造の外面に表示している、ナノ構造を提供する。
【0025】
ナノ構造の外面にパラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルスのFタンパク質を多価で表示する自己アセンブリするポリペプチドナノ構造を本明細書中に開示する。第1のおよび第2のポリペプチドの対の複数のコピーが自己アセンブリして、正二十面体ナノ構造などのナノ構造を形成することができる。ナノ構造は、第1のアセンブリおよび第2のアセンブリをナノ構造(正二十面体対称を有するナノ構造など)に配向させる対称的に反復した非天然の非共有結合性ポリペプチド-ポリペプチド界面を含む。
【0026】
本発明のナノ構造は、天然に存在しないという点で合成である。第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、任意の適切な手段(組換え産生または化学合成が含まれる)によって産生することができる天然に存在しないタンパク質である。複数の第1のポリペプチドの各メンバーは、相互に同一であり(しかしながら、第1のポリペプチドが1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントとの融合ポリペプチドとして存在する場合、Fタンパク質またはその抗原フラグメントは、一方の第1のポリペプチドと他方とが異なり得る)、複数の第2のポリペプチドの各メンバーは相互に同一である。第1のタンパク質および第2のタンパク質は異なる。第1のおよび第2のポリペプチドについての一次アミノ酸配列の特定の要件を持たない。米国特許出願公開第20160122392号およびPCT出願公開WO2014/124301号は、合成ナノ構造を設計する方法であって、ナノ構造が第1のおよび第2のポリペプチドの特定の一次アミノ酸配列に依存しない方法を記載している。
【0027】
複数の(2、3、4、5、6、またはそれを超える)第1のポリペプチドが自己アセンブリして第1のアセンブリを形成し、複数の(2、3、4、5、6、またはそれを超える)第2のポリペプチドが自己アセンブリして第2のアセンブリを形成する。次いで、複数のこれらの第1のおよび第2のアセンブリが設計された界面を介して非共有結合的に自己アセンブリしてナノ構造が産生される。
【0028】
第1のアセンブリ中の第1のポリペプチドの数は、第2のアセンブリ中の第2のポリペプチドの数と同一でも異なっていてもよい。1つの例示的な実施形態では、第1のアセンブリは第1のポリペプチドの三量体を含み、第2のアセンブリは第2のポリペプチドの二量体を含む。さらなる例示的な実施形態では、第1のアセンブリは第1のポリペプチドの三量体を含み、第2のアセンブリは第2のポリペプチドの三量体を含む。さらなる例示的な実施形態では、第1のアセンブリは第1のポリペプチドの三量体を含み、第2のアセンブリは第2のポリペプチドの五量体を含む。
【0029】
第1のおよび第2のポリペプチドは、得られるナノ構造の所与の目的に適した任意の長さであり得る。1つの実施形態では、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、典型的には30~250アミノ酸長であり;第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドの長さは、同一でも異なっていてもよい。種々のさらなる実施形態では、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、30~225、30~200、30~175、50~250、50~225、50~200、50~175、75~250、75~225、75~200、75~175、100~250、100~225、100~200、100~175、125~250、125~225、125~200、125~175、150~250、150~225、150~200、および150~175アミノ酸長である。
【0030】
配列番号1~51の単離されたポリペプチドを、対で自己アセンブリして正二十面体ナノ構造などのナノ構造を形成することができるように設計した。この設計は、ナノ構造を形成するためにアセンブリすることができるポリペプチド対の各メンバーに適切な界面残基の設計であった。そのように形成されたナノ構造は、第1のアセンブリおよび第2のアセンブリをナノ構造(正二十面体対称を有するナノ構造など)に配向させる対称的に反復した非天然の非共有結合性ポリペプチド-ポリペプチド界面を含む。したがって、1つの実施形態では、第1のおよび第2のポリペプチドは、配列番号1~51の群から選択される。いずれの場合にも、N末端メチオニン残基は任意選択である。
【0031】
【表1】
I53-40A属(配列番号35)
(M)TKKVGIVDTTFARVDMASAAILTLKMESPNIKIIRKTVPGIKDLPVACKKLLEEEGCDIVMALGMPGK(A/K)EKDKVCAHEASLGLMLAQLMTNKHIIEVFVHEDEAKDDAELKILAARRAIEHALNVYYLLFKPEYLTRMAGKGLRQGFEDAGPARE

I53-40B属(配列番号36)
(M)(S/D)(T/D)INNQLK(A/R)LKVIPVIAIDNAEDIIPLGKVLAENGLPAAEITFRSSAAVKAIMLLRSAQPEMLIGAGTILNGVQALAAKEAGA(T/D)FVVSPGFNPNTVRACQIIGIDIVPGVNNPSTVE(A/Q)ALEMGLTTLKFFPAEASGGISMVKSLVGPYGDIRLMPTGGITP(S/D)NIDNYLAIPQVLACGGTWMVDKKLV(T/R)NGEWDEIARLTREIVEQVNP

I53-47A属(配列番号37)
(M)PIFTLNTNIKA(T/D)DVPSDFLSLTSRLVGLILS(K/E)PGSYVAVHINTDQQLSFGGSTNPAAFGTLMSIGGIEP(S/D)KN(R/E)DHSAVLFDHLNAMLGIPKNRMYIHFV(N/D)L(N/D)GDDVGWNGTTF

I53-47B属(配列番号38)
(M)NQHSHKD(Y/H)ETVRIAVVRARWHADIVDACVEAFEIAMAAIGGDRFAVDVFDVPGAYEIPLHARTLAETGRYGAVLGTAFVV(N/D)GGIY(R/D)HEFVASAVIDGMMNVQL(S/D)TGVPVLSAVLTPH(R/E)Y(R/E)DS(A/D)E(H/D)H(R/E)FFAAHFAVKGVEAARACIEIL(A/N)AREKIAA

I53-50A属(配列番号39)
(M)KMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGH(T/D)ILKLFPGEVVGP(Q/E)FV(K/E)AMKGPFPNVKFVPTGGV(N/D)LD(N/D)VC(E/K)WF(K/D)AGVLAVGVG(S/K/D)ALV(K/E)G(T/D/K)PDEVRE(K/D)AK(A/E/K)FV(E/K)(K/E)IRGCTE

I53-50B属(配列番号40)
(M)NQHSHKD(Y/H)ETVRIAVVRARWHAEIVDACVSAFEAAM(A/R)DIGGDRFAVDVFDVPGAYEIPLHARTLAETGRYGAVLGTAFVV(N/D)GGIY(R/D)HEFVASAVI(D/N)GMMNVQL(S/D/N)TGVPVLSAVLTPH(R/E/N)Y(R/D/E)(D/K)S(D/K)A(H/D)TLLFLALFAVKGMEAARACVEILAAREKIAA

T32-28A(配列番号41)
(M)GEVPIGDPKELNGMEIAAVYLQPIEMEPRGIDLAASLADIHLEADIHALKNNPNGFPEGFWMPYLTIAYALANADTGAIKTGTLMPMVADDGPHYGANIAMEKDKKGGFGVGTYALTFLISNPEKQGFGRHVDEETGVGKWFEPFVVTYFFKYTGTPK

T32-28B(配列番号42)
(M)SQAIGILELTSIAKGMELGDAMLKSANVDLLVSKTISPGKFLLMLGGDIGAIQQAIETGTSQAGEMLVDSLVLANIHPSVLPAISGLNSVDKRQAVGIVETWSVAACISAADLAVKGSNVTLVRVHMAFGIGGKCYMVVAGDVLDVAAAVATASLAAGAKGLLVYASIIPRPHEAMWRQMVEG

T33-09A(配列番号43)
(M)EEVVLITVPSALVAVKIAHALVEERLAACVNIVPGLTSIYRWQGSVVSDHELLLLVKTTTHAFPKLKERVKALHPYTVPEIVALPIAEGNREYLDWLRENTG

T33-09B(配列番号44)
(M)VRGIRGAITVEEDTPAAILAATIELLLKMLEANGIQSYEELAAVIFTVTEDLTSAFPAEAARLIGMHRVPLLSAREVPVPGSLPRVIRVLALWNTDTPQDRVRHVYLNEAVRLRPDLESAQ

T33-15A(配列番号45)
(M)SKAKIGIVTVSDRASAGITADISGKAIILALNLYLTSEWEPIYQVIPDEQDVIETTLIKMADEQDCCLIVTTGGTGPAKRDVTPEATEAVCDRMMPGFGELMRAESLKEVPTAILSRQTAGLRGDSLIVNLPGDPASISDCLLAVFPAIPYCIDLMEGPYLECNEAMIKPFRPKAK

T33-15B(配列番号46)
(M)VRGIRGAITVNSDTPTSIIIATILLLEKMLEANGIQSYEELAAVIFTVTEDLTSAFPAEAARQIGMHRVPLLSAREVPVPGSLPRVIRVLALWNTDTPQDRVRHVYLSEAVRLRPDLESAQ

T33-21A(配列番号47)
(M)RITTKVGDKGSTRLFGGEEVWKDSPIIEANGTLDELTSFIGEAKHYVDEEMKGILEEIQNDIYKIMGEIGSKGKIEGISEERIAWLLKLILRYMEMVNLKSFVLPGGTLESAKLDVCRTIARRALRKVLTVTREFGIGAEAAAYLLALSDLLFLLARVIEIEKNKLKEVRS

T33-21B(配列番号48)
(M)PHLVIEATANLRLETSPGELLEQANKALFASGQFGEADIKSRFVTLEAYRQGTAAVERAYLHACLSILDGRDIATRTLLGASLCAVLAEAVAGGGEEGVQVSVEVREMERLSYAKRVVARQR

T33-28A(配列番号49)
(M)ESVNTSFLSPSLVTIRDFDNGQFAVLRIGRTGFPADKGDIDLCLDKMIGVRAAQIFLGDDTEDGFKGPHIRIRCVDIDDKHTYNAMVYVDLIVGTGASEVERETAEEEAKLALRVALQVDIADEHSCVTQFEMKLREELLSSDSFHPDKDEYYKDFL

T33-28B(配列番号50)
(M)PVIQTFVSTPLDHHKRLLLAIIYRIVTRVVLGKPEDLVMMTFHDSTPMHFFGSTDPVACVRVEALGGYGPSEPEKVTSIVTAAITAVCGIVADRIFVLYFSPLHCGWNGTNF

T33-31A(配列番号51)
(M)EEVVLITVPSALVAVKIAHALVEERLAACVNIVPGLTSIYREEGSVVSDHELLLLVKTTTDAFPKLKERVKELHPYEVPEIVALPIAEGNREYLDWLRENTG
【0032】
表1は、第1のおよび第2のポリペプチドのアミノ酸配列を提供する;表1の右側のカラムは、各々の例示的なポリペプチド中の、得られたアセンブリしたナノ構造の界面に存在すると同定された残基(すなわち、「同定された界面残基」)の番号を同定している。認められるように、配列番号1~34の例示的なポリペプチドの界面残基の番号は、4~13の範囲である。種々の実施形態では、第1のおよび第2のポリペプチドは、配列番号1~34からなる群から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列に対して、その長さにわたって少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であり、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13の同定された界面位置(所与のポリペプチドについての界面残基の番号に依存する)で同一であるアミノ酸配列を含む。他の実施形態では、第1のおよび第2のポリペプチドは、配列番号1~51からなる群から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列に対して、その長さにわたって少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であり、少なくとも20%、25%、33%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、または100%の同定された界面位置で同一であるアミノ酸配列を含む。
【0033】
一般にタンパク質の場合と同様に、ポリペプチドは、後続アセンブリをナノ構造に分裂させることなく設計された配列ではいくらかの変動(特に、かかる変動が保存的アミノ酸置換を含む場合)に耐えると予想される。本明細書中で使用する場合、「保存的アミノ酸置換」は、以下を意味する:疎水性アミノ酸(Ala、Cys、Gly、Pro、Met、See、Sme、Val、Ile、Leu)を他の疎水性アミノ酸のみと置換することができる;嵩高い側鎖を有する疎水性アミノ酸(Phe、Tyr、Trp)を嵩高い側鎖を有する他の疎水性アミノ酸のみと置換することができる;正電荷の側鎖を有するアミノ酸(Arg、His、Lys)を、正電荷の側鎖を有する他のアミノ酸のみと置換することができる;負電荷の側鎖を有するアミノ酸(Asp、Glu)を、負電荷の側鎖を有する他のアミノ酸のみと置換することができる;極性無電荷側鎖を有するアミノ酸(Ser、Thr、Asn、Gln)を、極性無電荷側鎖を有する他のアミノ酸のみと置換することができる。
【0034】
表2は、配列番号1~34と表示された本発明の各々の例示的なポリペプチドについての表面アミノ酸残基番号を列挙している。したがって、種々の実施形態では、本発明のポリペプチド中の1つまたは複数の(少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27 28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、またはそれを超える)これらの表面残基を改変することができる。括弧内の残基は任意選択である。
【0035】
【表2】
【0036】
本発明のナノ構造の種々の実施形態では、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、以下の対、またはその改変バージョン(すなわち、本発明のポリペプチドについて開示の許容可能な改変:つまり、配列番号で示すアミノ酸配列に対して、その長さにわたって少なくとも75% 80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一であり、かつ/または少なくとも1つの同定された界面位置で同一であるアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド):
配列番号1および配列番号2(I53-34AおよびI53-34B);
配列番号3および配列番号4(I53-40AおよびI53-40B);
配列番号3および配列番号24(I53-40AおよびI53-40B.1);
配列番号23および配列番号4(I53-40A.1およびI53-40B);
配列番号35および配列番号36(I53-40A属およびI53-40B属);
配列番号5および配列番号6(I53-47AおよびI53-47B);
配列番号5および配列番号27(I53-47AおよびI53-47B.1);
配列番号5および配列番号28(I53-47AおよびI53-47B.1NegT2);
配列番号25および配列番号6(I53-47A.1およびI53-47B);
配列番号25および配列番号27(I53-47A.1およびI53-47B.1);
配列番号25および配列番号28(I53-47A.1およびI53-47B.1NegT2);
配列番号26および配列番号6(I53-47A.1NegT2およびI53-47B);
配列番号26および配列番号27(I53-47A.1NegT2およびI53-47B.1);
配列番号26および配列番号28(I53-47A.1NegT2およびI53-47B.1NegT2);
配列番号37および配列番号38(I53-47A属およびI53-47B属);
配列番号7および配列番号8(I53-50AおよびI53-50B);
配列番号7および配列番号32(I53-50AおよびI53-50B.1);
配列番号7および配列番号33(I53-50AおよびI53-50B.1NegT2);
配列番号7および配列番号34(I53-50AおよびI53-50B.4PosT1);
配列番号29および配列番号8(I53-50A.1およびI53-50B);
配列番号29および配列番号32(I53-50A.1およびI53-50B.1);
配列番号29および配列番号33(I53-50A.1およびI53-50B.1NegT2);
配列番号29および配列番号34(I53-50A.1およびI53-50B.4PosT1);
配列番号30および配列番号8(I53-50A.1NegT2およびI53-50B);
配列番号30および配列番号32(I53-50A.1NegT2およびI53-50B.1);
配列番号30および配列番号33(I53-50A.1NegT2およびI53-50B.1NegT2);
配列番号30および配列番号34(I53-50A.1NegT2およびI53-50B.4PosT1);
配列番号31および配列番号8(I53-50A.1PosT1およびI53-50B);
配列番号31および配列番号32(I53-50A.1PosT1およびI53-50B.1);
配列番号31および配列番号33(I53-50A.1PosT1およびI53-50B.1NegT2);
配列番号31および配列番号34(I53-50A.1PosT1およびI53-50B.4PosT1);
配列番号39および配列番号40(I53-50A属およびI53-50B属);
配列番号9および配列番号10(I53-51AおよびI53-51B);
配列番号11および配列番号12(I52-03AおよびI52-03B);
配列番号13および配列番号14(I52-32AおよびI52-32B);
配列番号15および配列番号16(I52-33AおよびI52-33B)
配列番号17および配列番号18(I32-06AおよびI32-06B);
配列番号19および配列番号20(I32-19AおよびI32-19B);
配列番号21および配列番号22(I32-28AおよびI32-28B);
配列番号23および配列番号24(I53-40A.1およびI53-40B.1);
配列番号41および配列番号42(T32-28AおよびT32-28B);
配列番号43および配列番号44(T33-09AおよびT33-09B);
配列番号45および配列番号46(T33-15AおよびT33-15B);
配列番号47および配列番号48(T33-21AおよびT33-21B);
配列番号49および配列番号50(T33-28AおよびT32-28B);ならびに
配列番号51および配列番号44(T33-31AおよびT33-09B(T33-31Bとも呼ばれる))から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
【0037】
1つの実施形態では、1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントは、第1のおよび/または第2のポリペプチドとの融合タンパク質として発現される。これらの実施形態では、1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントが融合タンパク質のN末端に存在することが好ましく、この立体配置により、常に、ナノ構造の外面の1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントの提示を容易にすることができる。このように融合タンパク質のN末端にパラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルスのFタンパク質が存在することが好ましいのは、Fタンパク質三量体の一端(「底部」)にパラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルスのFタンパク質のC末端が存在するからである;このポイントに遺伝子融合物が存在することにより、大部分のFタンパク質構造はナノ構造外面に表示され、接近可能であろう。さらなる実施形態では、ナノ構造は、少なくとも2つのドメイン-パラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメント、ならびに三量体アセンブリドメイン(すなわち、各々の第1のアセンブリは、第1のポリペプチドのホモ三量体である)を含む融合タンパク質の1つまたは複数のコピー-および第2のオリゴマーブロックの1つまたは複数のコピー(すなわち、各々の第2のアセンブリは第2のポリペプチドの2つ以上のコピーのオリゴマーである)を含む。別の実施形態では、第1のまたは第2のポリペプチドを、1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントが、第1のおよび/または第2のポリペプチドに共有結合するように改変することができる。1つの非限定的な例では、第1のおよび/または第2のポリペプチドを、1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントの連結を容易にするように定義した位置に種々のシステイン残基を導入することなどによって改変することができる。
【0038】
他の実施形態では、1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントは、任意の適切な技術(共有結合による化学的な架橋(任意の適切な架橋技術による)および非共有結合(人為的静電相互作用が含まれる)が含まれるが、これらに限定されない)によって第1のまたは第2のポリペプチドに付着している。
【0039】
三量体アセンブリドメイン
三量体パラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントを含む三量体アセンブリの1つの実施形態では、パラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントは、第1のポリペプチドに遺伝的に融合され、それにより三量体アセンブリに自己アセンブリする。三量体アセンブリは、第1のポリペプチドの3つのコピーを自己会合させて三量体基本単位を形成するように誘導するタンパク質-タンパク質界面を含む。第1のポリペプチドの各々のコピーは、第2のアセンブリドメイン上の相補的な表面が暴露した界面と相互作用する表面が暴露した界面をさらに含む。Kingら(Nature 510,103-108,2014)、Baleら(Science 353,389-394,2016)、および特許公開WO2014124301A1号およびUS20160122392A1号に記載のように、三量体アセンブリドメインと第2のアセンブリドメインとの間の相補的なタンパク質-タンパク質界面は、三量体アセンブリドメインの複数のコピーおよび第2のアセンブリドメインの標的ナノ構造へのアセンブリを駆動する。いくつかの実施形態では、ナノ構造の三量体アセンブリドメインの各々のコピーは、遺伝子融合物としてパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントを保有し;これらのナノ構造は、完全な結合価でFタンパク質を表示する。他の実施形態では、本発明のナノ構造は、遺伝子融合物としてパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントを保有する三量体アセンブリドメインの1つまたは複数のコピーならびに遺伝子融合物としてFタンパク質を保有しない1つまたは複数の三量体アセンブリドメインを含み;これらのナノ構造は、部分的結合価でFタンパク質を表示する。三量体アセンブリドメインは、三量体を形成し、第2のアセンブリドメインと相互作用して標的ナノ構造へのアセンブリを駆動する任意のポリペプチド配列であり得る。
【0040】
1つの特定の実施形態では、第1のポリペプチドは、T33-31A(配列番号51)のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含み、第2のポリペプチドは、T33-09B/T33-31B(配列番号44)のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含む(括弧内の残基は、任意選択である)

T33-31A(配列番号51)
(M)EEVVLITVPSALVAVKIAHALVEERLAACVNIVPGLTSIYREEGSVVSDHELLLLVKTTTDAFPKLKERVKELHPYEVPEIVALPIAEGNREYLDWLRENTG

>T33-31B(配列番号44)
(M)VRGIRGAITVEEDTPAAILAATIELLLKMLEANGIQSYEELAAVIFTVTEDLTSAFPAEAARLIGMHRVPLLSAREVPVPGSLPRVIRVLALWNTDTPQDRVRHVYLNEAVRLRPDLESAQ
【0041】
別の特定の実施形態では、第1のポリペプチドは、T33-15A(配列番号45)のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含み、第2のポリペプチドは、T33-15B(配列番号46)のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含む。
【0042】
種々のさらなる特定の実施形態では、第1のポリペプチドは、I53-50A(配列番号7)、I53-50A.1(配列番号29)、I53-50A.1NegT2(配列番号30)、およびI53-50A.1PosT1(配列番号31)からなる群から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含み、第2のポリペプチドは、I53-50B(配列番号8)、I53-50B.1(配列番号32)、I53-50B.1NegT2(配列番号33)、およびI53-50B.4PosT1(配列番号34)からなる群から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含む。
【0043】
別の特定の実施形態では、第1のポリペプチドは、I32-28A(配列番号21)のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含み、第2のポリペプチドは、I32-28B(配列番号22)のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含む。
【0044】
本発明のナノ構造は、1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントの複数の(すなわち、2、3、またはそれを超える)コピーを、ナノ構造の外面に表示している。例示的なパラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルスには、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)およびヒトメタニューモウイルス(hMPV)が含まれるが、これらに限定されない(C.L.Afonsoら,Taxonomy of the order Mononegavirales:update 2016.Arch.Virol.161,2351-2360(2016))。
【0045】
本明細書中で使用する場合、「ナノ構造の外面に」は、1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントの抗原部分が、B細胞受容体、抗体、または抗体フラグメントによる結合のために接近可能でなければならず、ナノ構造内に埋没していてはならないことを意味する。
【0046】
1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントは、パラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルスのFタンパク質に結合する抗体を生成する免疫応答を誘導することができる任意の適切な未変性Fタンパク質、融合後抗原、または融合前(preF)抗原、またはその変異体を含み得る。ナノ構造は、1つを超えるFタンパク質を表示することができる;したがって、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントは、1、2、3、4、またはそれを超えるFタンパク質またはその抗原フラグメントを含む。1つの実施形態では、1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントは、米国特許出願公開第2016/0046675A1号に定義の通りであり得る。いくつかの実施形態では、米国特許出願公開第2016/0046675号に開示のように、1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントは、配列番号1~350、370~382、389~693、698~1026、1429~1442、1456~1468、および1474~1478からなる群から選択される。他の実施形態では、1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントは、WO2012158613号、US20160102123号、US20140141037号、WO2014079842号、WO2014160463号、US20140271699号、EP2970393号、WO2014174018号、US20140271699号、US20160176932号、US20160122398号、WO2017040387号、WO2017109629号、WO2017172890号、WO2017207477号、Krarupら(2015)Nature Communications 6:8143、およびWO2017207480号に定義の通りであり得る。
【0047】
特定の実施形態では、1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントは、以下に示すDS-Cav1のアミノ酸配列に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含む(括弧内の残基は任意選択である;分泌中に括弧内のN末端残基がタンパク質から切断される-成熟N末端がQNITEEF・・・(配列番号52)から開始されることに留意のこと)。DS-Cav1は、融合前安定化形態の融合(F)糖タンパク質を含み、この糖タンパク質は、マウスおよびマカクにおいて、融合後RSV Fと比較して呼吸器合胞体ウイルス(RSV)に対して改善された防御応答を誘発する(McLellanら(2013)Science 342:592-8)。

DS-Cav1(配列番号53):
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATNNRARRELPRFMNYTLNNAKKTNVTLSKKRKRRFLGFLLGVGSAIASGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSISNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIR(KSDELL)
【0048】
他の実施形態では、Fタンパク質は、以下から選択されるポリペプチドに対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含み得る:

RSV F
sc9-10 DS-Cav1 A149C Y458C(配列番号61)
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATGSGSAICSGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSISNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSRTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYCVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIR(KSDELL)

sc9-10 DS-Cav1 A149C Y458C S46G K465Q S215P E92D(配列番号62)
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLGALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTDLQLLMQSTPATGSGSAICSGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSIPNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSRTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYCVNKQEGQSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIR(KSDELL)
【0049】
配列番号61~62は、第2世代の安定化DS-Cav1免疫原を示す;DS-Cav1に対する変異が記述されており、本開示が上記の配列番号61または62中の単一の記述されたアミノ酸置換、または2つ以上の記述されたアミノ酸置換が異なるDS-Cav1変異体の使用を意図することに留意すべきである。他の実施形態では、Fタンパク質は、以下のうちの1つまたは複数を含むことができ、その各々が、上記の配列番号61または62中の1、2、またはそれを超える記述したアミノ酸置換をさらに含み得る:

RSV F SC-DM(N67I、S215P)(配列番号63)
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKKIKCNGTDAKIKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATNNQARGSGSGRSLGFLLGVGSAIASGVAVSKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTSKVLDLKNYIDKQLLPIVNKQSCSIPNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMSIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIR(KSDELLSAIGGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFL)

SC-TM(N67I、S215P、およびE487Q)(配列番号64)
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKKIKCNGTDAKIKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATNNQARGSGSGRSLGFLLGVGSAIASGVAVSKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTSKVLDLKNYIDKQLLPIVNKQSCSIPNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMSIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDQFDASISQVNEKINQSLAFIR(KSDELLSAIGGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFL)

HMPV Fタンパク質、CAN97-83(A2)株(配列番号65)
(MSWKVVIIFSLLITPQHG)LKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCSDGPSLIKTELDLTKSALRELKTVSADQLAREEQIENPRQSRFVLGAIALGVATAAAVTAGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKTTNEAVSTLGNGVRVLATAVRELKDFVSKNLTRAINKNKCDIDDLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSGKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTAAGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPIKFPEDQFNVALDQVFENIENSQALVDQSNRILSSAEKGNTG

A113C、A339C、T160F、I177Lを有するHMPVF(配列番号66)
(MSWKVVIIFSLLITPQHG)LKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCSDGPSLIKTELDLTKSALRELKTVSADQLAREEQIENPRQSRFVLGAIALGVCTAAAVTAGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKTTNEAVSTLGNGVRVLAFAVRELKDFVSKNLTRALNKNKCDIDDLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSGKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTACGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPIKFPEDQFNVALDQVFENIENSQALVDQSNRILSSAEKGNTG

A113C、A120C、A339C、T160F、I177L、およびQ426Cを有するHMPV F(配列番号67)
(MSWKVVIIFSLLITPQHG)LKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCSDGPSLIKTELDLTKSALRELKTVSADQLAREEQIENPRQSRFVLGAIALGVCTAAAVTCGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKTTNEAVSTLGNGVRVLAFAVRELKDFVSKNLTRALNKNKCDIDDLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSGKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTACGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYCLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPIKFPEDQFNVALDQVFENIENSQALVDQSNRILSSAEKGNTG

HMPV F>AAK62968.2融合タンパク質[ヒトメタニューモウイルス](配列番号101)
(MSWKVVIIFSLLITPQHG)LKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCADGPSLIKTELDLTKSALRELRTVSADQLAREEQIENPRQSRFVLGAIALGVATAAAVTAGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKKTNEAVSTLGNGVRVLATAVRELKDFVSKNLTRAINKNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGFLIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSGKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTAAGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPVKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNRILSSAEKGNTG

115-BV(A185P)(配列番号68)
(MSWKVVIIFSLLITPQHG)LKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCADGPSLIKTELDLTKSALRELRTVSADQLAREEQIENPRRRRFVLGAIALGVATAAAVTAGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKKTNEAVSTLGNGVRVLATAVRELKDFVSKNLTRAINKNKCDIPDLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSEKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTAAGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPVKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNRILSSAEKGNT(SGRENLYFQGGGGSGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGGIEGRHHHHHH)
【0050】
他の実施形態では、1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントは、配列番号53および61~64からなる群から選択されるRSV Fタンパク質またはその変異体に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含むことができ、ポリペプチドは、以下の残基:67I、149C、458C、46G、465Q、215P、92D、および487Qのうちの1つまたは複数を含む。
【0051】
他の実施形態では、1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントは、配列番号65~68および101からなる群から選択されるMPV Fタンパク質またはその変異体に対してその全長に沿って少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するポリペプチドを含むことができ、ポリペプチドは、以下の残基:113C、120C、339C、160F、177L、185P、および426Cのうちの1つまたは複数を含む。
【0052】
Fタンパク質と三量体アセンブリドメインとの間のリンカーおよび幾何学的要件
本発明のナノ構造では、Fタンパク質および三量体アセンブリドメインを、これらの両方が単一のポリペプチド中に存在するように遺伝子融合することができる。好ましくは、Fタンパク質と三量体アセンブリドメインとの間の連結により、Fタンパク質またはその抗原フラグメントが本発明のナノ構造の外面に表示される。そのようなものとして、三量体アセンブリドメインの接続点は、任意のFタンパク質の非存在下で三量体アセンブリドメインおよび第2のアセンブリドメインによって形成されたナノ構造の外面に存在すべきである。当業者によって理解されるように、多種多様のポリペプチド配列を使用して、パラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントならびに三量体アセンブリドメインを連結することができる。これらのポリペプチド配列を、リンカーと呼ぶ。任意の適切なリンカーを使用することができる;適切なリンカーとしての機能を果たすためのアミノ酸配列の要件は存在しない。Fタンパク質またはその抗原フラグメントが本発明のナノ構造の外面に表示されることを可能にする要件を超えるリンカーがFタンパク質またはその抗原フラグメントの三量体アセンブリドメインへの強固な相対的配向を強いる要件は存在しない。いくつかの実施形態では、リンカーは、三量体の形態のFタンパク質の安定化を補助するさらなる三量体化ドメイン(例えば、T4フィブリチンのfoldonドメイン)を含む。
【0053】
T4フィブリチンfoldonドメイン(リンカー領域中任意選択)(配列番号54)
GYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFL
他の実施形態では、リンカーは、任意の適切な長さのGly-Serリンカー(すなわち、グリシン残基およびセリン残基からなるリンカー)を含み得る。種々の実施形態では、Gly-Serリンカーは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれを超えるアミノ酸長であり得る。種々の実施形態では、Gly-Serリンカーは、GSGGSGSGSGGSGSG(配列番号55)、GGSGGSGS(配列番号56)、またはGSGGSGSG(配列番号57)のアミノ酸配列を含み得るか、これらのアミノ酸配列からなり得る。
【0054】
さらなる実施形態では、リンカーは、1つまたは複数のパラミクソウイルスおよび/もしくはニューモウイルスのFタンパク質、またはその抗原フラグメントとの融合ポリペプチドとして発現されたときに、第1のポリペプチドのN末端ヘリックスを伸張するように機能を果たし得るヘリックス伸張ドメインを含むことができ、そのため、リンカーはナノ構造表面の外面に配置される。ヘリックス伸張は、本明細書中に記載の他のリンカー成分と組み合わせて存在しても、存在しなくても良い。ヘリックス伸張は、任意の適切な長さ(すなわち、7、8、9、10、11、12、またはそれを超えるアミノ酸)であってよく、任意の適切な一次アミノ酸配列を含み得る。1つの実施形態では、ヘリックス伸張は、アミノ酸配列EKAAKAEEAAR(配列番号58)を含み得るか、このアミノ酸配列からなり得る。
【0055】
したがって、Fタンパク質が第1のポリペプチドとの融合タンパク質として存在し、リンカーが使用される種々の非限定的な実施形態では、Fタンパク質-リンカー配列は、以下(これらの非限定的な実施形態においてFタンパク質としてDS-Cav1によって例示される)を含み得る。括弧内の残基は任意選択であり、アミノ酸配列MELLILKANAITTILTAVTFCFASG(配列番号59)は、プロセシング中に切断されるN末端DS-Cav1シグナルペプチドを示す。

DS-Cav1-foldon(配列番号60):
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATNNRARRELPRFMNYTLNNAKKTNVTLSKKRKRRFLGFLLGVGSAIASGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSISNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIRKSDELLGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFL
【0056】
種々のさらなる実施形態では、第1のポリペプチドは、Fタンパク質に融合した第1のポリペプチドの融合ポリペプチドを含むか、この融合ポリペプチドからなり、融合タンパク質は、以下から選択される配列を有する(括弧内は任意選択の残基):

DS-Cav1-foldon-T33-31A(配列番号69)
(MELLILKANVIATILTAVTFCFASS)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATNNRARRELPRFMNYTLNNAKKTNVTLSKKRKRRFLGFLLGVGSAIASGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSISNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIRKSDELLGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGGSMEEVVLITVPSALVAVKIAHALVEERLAACVNIVPGLTSIYREEGSVVSDHELLLLVKTTTDAFPKLKERVKELHPYEVPEIVALPIAEGNREYLDWLRENTG

DS-Cav1-T33-31A(配列番号70)
(MELLILKANVIATILTAVTFCFASS)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATNNRARRELPRFMNYTLNNAKKTNVTLSKKRKRRFLGFLLGVGSAIASGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSISNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIRKSDELLGGSMEEVVLITVPSALVAVKIAHALVEERLAACVNIVPGLTSIYREEGSVVSDHELLLLVKTTTDAFPKLKERVKELHPYEVPEIVALPIAEGNREYLDWLRENTG

DS-Cav1-foldon-T33-15B(配列番号71)
(MELLILKANVIATILTAVTFCFASS)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATNNRARRELPRFMNYTLNNAKKTNVTLSKKRKRRFLGFLLGVGSAIASGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSISNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIRKSDELLGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGGSMVRGIRGAITVNSDTPTSIIIATILLLEKMLEANGIQSYEELAAVIFTVTEDLTSAFPAEAARQIGMHRVPLLSAREVPVPGSLPRVIRVLALWNTDTPQDRVRHVYLSEAVRLRPDLESAQ

DS-Cav1-T33-15B(配列番号72)
(MELLILKANVIATILTAVTFCFASS)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATNNRARRELPRFMNYTLNNAKKTNVTLSKKRKRRFLGFLLGVGSAIASGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSISNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIRKSDELLGGSMVRGIRGAITVNSDTPTSIIIATILLLEKMLEANGIQSYEELAAVIFTVTEDLTSAFPAEAARQIGMHRVPLLSAREVPVPGSLPRVIRVLALWNTDTPQDRVRHVYLSEAVRLRPDLESAQ

DS-Cav1-foldon-I53-50A(配列番号73)
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATNNRARRELPRFMNYTLNNAKKTNVTLSKKRKRRFLGFLLGVGSAIASGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSISNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIRGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGSGSHHHHHHHHGGSGGSGSEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

DS-Cav1-I53-50A(配列番号74)
(MELLILKANVIATILTAVTFCFASS)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATNNRARRELPRFMNYTLNNAKKTNVTLSKKRKRRFLGFLLGVGSAIASGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSISNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIRGGSGGSGSEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

DS-Cav1-I32-28A(配列番号75)
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATNNRARRELPRFMNYTLNNAKKTNVTLSKKRKRRFLGFLLGVGSAIASGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSISNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIRKSDELLGGSGGSGSDDARIAAIGDVDELNSQIGVLLAEPLPDDVRAALSAIQHDLFDLGGELCIPGHAAITEDHLLRLALWLVHYNGQLPPLEEFILPGGARGAALAHVCRTVCRRAERSIKALGASEPLNIAPAAYVNLLSDLLFVLARVLNRAAGGADVLWDRTRAH

DS-Cav1-8GS-HelExt-I53-50A(F10)(配列番号76)
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATNNRARRELPRFMNYTLNNAKKTNVTLSKKRKRRFLGFLLGVGSAIASGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSISNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIRGSGGSGSGEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

DS-Cav1-foldon-15GS-HelExt-I53-50A(F14)(配列番号77)
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATNNRARRELPRFMNYTLNNAKKTNVTLSKKRKRRFLGFLLGVGSAIASGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSISNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIRGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGSGGSGSGSGGSGSGEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE
HMPV F wt_CAN97-83株-I53-50A(配列番号78)
(MSWKVVIIFSLLITPQHG)LKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCSDGPSLIKTELDLTKSALRELKTVSADQLAREEQIENPRQSRFVLGAIALGVATAAAVTAGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKTTNEAVSTLGNGVRVLATAVRELKDFVSKNLTRAINKNKCDIDDLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSGKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTAAGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPIKFPEDQFNVALDQVFENIENSQALVDQSNRILSSAEKGNTGFIIVIILIAVLGSSMILVSIFIIIKKTKKPTGAPPELSGVTNNGFIPHSGSGSHHHHHHHHGGSGGSGSEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

HMPV F A113C_A339C_T160F_I177L-I53-50A(配列番号79)
(MSWKVVIIFSLLITPQHG)LKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCSDGPSLIKTELDLTKSALRELKTVSADQLAREEQIENPRQSRFVLGAIALGVCTAAAVTAGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKTTNEAVSTLGNGVRVLAFAVRELKDFVSKNLTRALNKNKCDIDDLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSGKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTACGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPIKFPEDQFNVALDQVFENIENSQALVDQSNRILSSAEKGNTGGSGSHHHHHHHHGGSGGSGSEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

HMPV F A113C_A339C_T160F_I177L_A120C、Q426C変異-I53-50A(配列番号80)
(MSWKVVIIFSLLITPQHG)LKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCSDGPSLIKTELDLTKSALRELKTVSADQLAREEQIENPRQSRFVLGAIALGVCTAAAVTCGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKTTNEAVSTLGNGVRVLAFAVRELKDFVSKNLTRALNKNKCDIDDLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSGKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTACGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYCLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPIKFPEDQFNVALDQVFENIENSQALVDQSNRILSSAEKGNTGGSGSHHHHHHHHGGSGGSGSEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

sc-DS2-I53-50A(配列番号81)
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATGSGSCIASGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSISNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYCVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIRGSGSHHHHHHHHGGSGGSGSEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

tc-DS2-I53-50A(配列番号82)
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATNNRARRELPRFMNYTLNNAKKTNVTLSKKRKRRFLGFLLGVGSCIASGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSISNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYCVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIRGSGSHHHHHHHHGGSGGSGSEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

DS-Cav1-12GS-HelExt-I53-50A(F11)(配列番号83)
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATNNRARRELPRFMNYTLNNAKKTNVTLSKKRKRRFLGFLLGVGSAIASGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSISNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIRGSGGSGSGSGGSEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

DS-Cav1-16GS-HelExt-I53-50A(F12)(配列番号84)
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATNNRARRELPRFMNYTLNNAKKTNVTLSKKRKRRFLGFLLGVGSAIASGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSISNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIRGSGGSGSGSGGSGSGGEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

DS-Cav1-foldon-10GS-HelExt-I53-50A(F13(配列番号85)
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATNNRARRELPRFMNYTLNNAKKTNVTLSKKRKRRFLGFLLGVGSAIASGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSISNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIRGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGSGGSGSGSGEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

DS-Cav1-foldon-20GS-HelExt-I53-50A(F15)(配列番号86)
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATNNRARRELPRFMNYTLNNAKKTNVTLSKKRKRRFLGFLLGVGSAIASGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSISNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIRGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGSGGSGSGSGGSGSGGSSGSEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

sc9-10 DS-Cav1 A149C Y458C-foldon-I53-50A実施形態(配列番号87)
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATGSGSAICSGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSISNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSRTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYCVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIR(KSDELL)GYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGSGSHHHHHHHHGGSGGSGSEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

sc9-10 DS-Cav1 A149C Y458C-I53-50A-F10実施形態(配列番号88)
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATGSGSAICSGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSISNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSRTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYCVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIR(KSDELL)GSGGSGSGEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

sc9-10 DS-Cav1 A149C Y458C S46G K465Q S215P E92D-foldon-I53-50A実施形態(配列番号89)
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLGALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTDLQLLMQSTPATGSGSAICSGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSIPNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSRTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYCVNKQEGQSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIR(KSDELL)GYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGSGSHHHHHHHHGGSGGSGSEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

sc9-10 DS-Cav1 A149C Y458C S46G K465Q S215P E92D-I53-50A-F10実施形態(配列番号90)
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLGALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTDLQLLMQSTPATGSGSAICSGVAVCKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTFKVLDLKNYIDKQLLPILNKQSCSIPNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMCIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSRTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYCVNKQEGQSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIR(KSDELL)GSGGSGSGEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

SC-DM(N67I、S215P)-foldon-I53-50A実施形態(配列番号91)
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKKIKCNGTDAKIKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATNNQARGSGSGRSLGFLLGVGSAIASGVAVSKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTSKVLDLKNYIDKQLLPIVNKQSCSIPNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMSIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIR(KSDELL)GYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGSGSHHHHHHHHGGSGGSGSEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

SC-DM(N67I、S215P)-I53-50A-F10実施形態(配列番号92)
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKKIKCNGTDAKIKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATNNQARGSGSGRSLGFLLGVGSAIASGVAVSKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTSKVLDLKNYIDKQLLPIVNKQSCSIPNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMSIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIR(KSDELL)GSGGSGSGEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

SC-TM(N67I、S215P、およびE487Q)-foldon-I53-50A実施形態(配列番号93)
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKKIKCNGTDAKIKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATNNQARGSGSGRSLGFLLGVGSAIASGVAVSKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTSKVLDLKNYIDKQLLPIVNKQSCSIPNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMSIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDQFDASISQVNEKINQSLAFIR(KSDELL)GYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGSGSHHHHHHHHGGSGGSGSEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

SC-TM(N67I、S215P、およびE487Q)-I53-50A-F10実施形態(配列番号94)
(MELLILKANAITTILTAVTFCFASG)QNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKKIKCNGTDAKIKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPATNNQARGSGSGRSLGFLLGVGSAIASGVAVSKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTSKVLDLKNYIDKQLLPIVNKQSCSIPNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMSIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVNLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDQFDASISQVNEKINQSLAFIR(KSDELL)GSGGSGSGEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

A113C、A339C、T160F、I177L-foldon-I53-50A実施形態を有するHMPV-F(配列番号95)
(MSWKVVIIFSLLITPQHG)LKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCSDGPSLIKTELDLTKSALRELKTVSADQLAREEQIENPRQSRFVLGAIALGVCTAAAVTAGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKTTNEAVSTLGNGVRVLAFAVRELKDFVSKNLTRALNKNKCDIDDLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSGKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTACGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPIKFPEDQFNVALDQVFENIENSQALVDQSNRILSSAEKGNTGGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGSGSHHHHHHHHGGSGGSGSEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

A113C、A339C、T160F、I177L-I53-50A F10実施形態を有するHMPV-F(配列番号96)
(MSWKVVIIFSLLITPQHG)LKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCSDGPSLIKTELDLTKSALRELKTVSADQLAREEQIENPRQSRFVLGAIALGVCTAAAVTAGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKTTNEAVSTLGNGVRVLAFAVRELKDFVSKNLTRALNKNKCDIDDLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSGKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTACGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPIKFPEDQFNVALDQVFENIENSQALVDQSNRILSSAEKGNTGGSGGSGSGEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

A113C、A120C、A339C、T160F、I177L、およびQ426C-foldon-I53-50A実施形態を有するHMPV-F(配列番号97)
(MSWKVVIIFSLLITPQHG)LKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCSDGPSLIKTELDLTKSALRELKTVSADQLAREEQIENPRQSRFVLGAIALGVCTAAAVTCGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKTTNEAVSTLGNGVRVLAFAVRELKDFVSKNLTRALNKNKCDIDDLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSGKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTACGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYCLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPIKFPEDQFNVALDQVFENIENSQALVDQSNRILSSAEKGNTGGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGSGSHHHHHHHHGGSGGSGSEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

A113C、A120C、A339C、T160F、I177L、およびQ426C-F10実施形態を有するHMPV-F(配列番号98)
(MSWKVVIIFSLLITPQHG)LKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCSDGPSLIKTELDLTKSALRELKTVSADQLAREEQIENPRQSRFVLGAIALGVCTAAAVTCGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKTTNEAVSTLGNGVRVLAFAVRELKDFVSKNLTRALNKNKCDIDDLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSGKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTACGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYCLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPIKFPEDQFNVALDQVFENIENSQALVDQSNRILSSAEKGNTGGSGGSGSGEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

HMPV-F 115-BV(A185P)-foldon-I53-50A実施形態(配列番号99)
(MSWKVVIIFSLLITPQHG)LKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCADGPSLIKTELDLTKSALRELRTVSADQLAREEQIENPRRRRFVLGAIALGVATAAAVTAGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKKTNEAVSTLGNGVRVLATAVRELKDFVSKNLTRAINKNKCDIPDLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSEKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTAAGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPVKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNRILSSAEKGNTGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGSGSHHHHHHHHGGSGGSGSEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE

HMPV-F 115-BV(A185P)-I53-50A-F10実施形態(配列番号100)
(MSWKVVIIFSLLITPQHG)LKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCADGPSLIKTELDLTKSALRELRTVSADQLAREEQIENPRRRRFVLGAIALGVATAAAVTAGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKKTNEAVSTLGNGVRVLATAVRELKDFVSKNLTRAINKNKCDIPDLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSEKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTAAGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPVKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNRILSSAEKGNTGSGGSGSGEKAAKAEEAARKMEELFKKHKIVAVLRANSVEEAIEKAVAVFAGGVHLIEITFTVPDADTVIKALSVLKEKGAIIGAGTVTSVEQCRKAVESGAEFIVSPHLDEEISQFCKEKGVFYMPGVMTPTELVKAMKLGHTILKLFPGEVVGPQFVKAMKGPFPNVKFVPTGGVNLDNVCEWFKAGVLAVGVGSALVKGTPDEVREKAKAFVEKIRGCTE
【0057】
第2のアセンブリ
本発明のナノ構造は、三量体の第1のアセンブリの複数のコピーおよび第2のアセンブリの複数のコピーを含み得る。第2のアセンブリは、第2のポリペプチドの複数のコピーが自己会合して第2のアセンブリを形成するのを誘導するタンパク質-タンパク質界面を含む。第2のアセンブリの複数のオリゴマー状態は、ナノ構造形成と適合し得る(二量体(2コピー)、三量体(3コピー)、四量体(4コピー)、五量体(5コピー)、六量体(6コピー)、またはそれを超えるオリゴマー状態が含まれる)。第2のアセンブリの各々のコピーは、三量体アセンブリドメイン上の相補的な表面が暴露した界面と相互作用する表面が暴露した界面をさらに含む。Kingら、Baleら、ならびに特許公開WO2014124301A1号およびUS20160122392A1号に記載のように、三量体アセンブリドメインと第2のアセンブリドメインとの間の相補的な界面は、三量体アセンブリドメインおよび第2のアセンブリドメインの複数のコピーの標的ナノ構造へのアセンブリを駆動する。種々の特定の実施形態では、
(a)各々の第1のポリペプチドがDS-Cav1-foldon-T33-31A(配列番号69)またはDS-Cav1-T33-31A(配列番号70)であるとき、各々の第2のポリペプチドはT33-31B(配列番号44)であり;
(b)各々の第1のポリペプチドがDS-Cav1-foldon-T33-15B(配列番号71)またはDS-Cav1-T33-15B(配列番号72)であるとき、各々の第2のポリペプチドはT33-15A(配列番号45)であり;
(c)各々の第1のポリペプチドがDS-Cav1-foldon-I53-50A(配列番号73)またはDS-Cav1-I53-50A(配列番号74)であるとき、各々の第2のポリペプチドはI53-50B(配列番号8)、I53-50B.1(配列番号32)、I53-50B.1NegT2(配列番号33)、またはI53-50B.4PosT1(配列番号34)であり;
(d)各々の第1のポリペプチドがDS-Cav1-I32-28A(配列番号75)であるとき、各々の第2のポリペプチドはI32-28Bである。
【0058】
2つの構成成分のin vitroアセンブリによる完全な結合価のナノ構造のアセンブリ
いくつかの実施形態では、ナノ構造の各々の三量体の第1のアセンブリは、遺伝子融合物として同一のFタンパク質を保有する;これらのナノ構造は、完全な(100%)結合価でFタンパク質を表示する。かかるナノ構造は、in vitroアセンブリと呼ばれるプロセスにおいて精製された第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドから産生される。Fタンパク質を含む精製された三量体の第1のポリペプチドを、適切な第2のポリペプチドと、水性条件下にておよそ1:1のモル比で混合する(図1を参照のこと)。第2のアセンブリは、標的ナノ構造のアセンブリを駆動するために三量体の第1のアセンブリと相互作用する。標的ナノ構造の首尾の良いアセンブリを、タンパク質またはタンパク質アセンブリの物理的サイズを査定するために使用される一般的な生物学的方法または生物物理学的方法(サイズ排除クロマトグラフィ、未変性(非変性)ゲル電気泳動、動的光散乱、多角度光散乱、分析用超遠心法、陰性染色電子顕微鏡法、低温電子顕微鏡法、またはX線結晶学が含まれるが、これらに限定されない)によるin vitroアセンブリ反応の分析によって確認することができる。必要ならば、アセンブリしたナノ構造を、その物理的サイズによってタンパク質を単離するために一般的に使用される分取技術(サイズ排除クロマトグラフィ、分取超遠心分離、接線流濾過、または分取ゲル電気泳動が含まれるが、これらに限定されない)を使用してin vitroアセンブリ反応物中に存在する他の種または分子から精製することができる。ナノ構造中のFタンパク質の存在を、水溶液中のタンパク質分子の同一性を決定するために一般に使用される技術(SDS-PAGE、質量分析、タンパク質配列決定、またはアミノ酸分析が含まれるが、これらに限定されない)によって査定することができる。粒子外面のFタンパク質の接近可能性およびその高次構造または抗原性を、抗原の存在および高次構造を検出するために一般に使用される技術(モノクローナル抗体、高次構造特異的モノクローナル抗体、または抗原に特異的な抗血清による結合が含まれるが、これらに限定されない)によって査定することができる。
【0059】
部分的結合価のナノ構造のin vitroアセンブリ
他の実施形態では、本発明のナノ構造は、遺伝子融合物としてFタンパク質を保有する三量体の第1のアセンブリの1つまたは複数のコピーおよび遺伝子融合物としてFタンパク質を保有しない1つまたは複数の三量体の第1のアセンブリを含む;これらのナノ構造は、部分的結合価でFタンパク質を表示する。これらの部分的結合価のナノ構造は、遺伝子融合物としてFタンパク質を保有する三量体の第1のアセンブリの割合が、得られるナノ構造中の抗原の所望の結合価に等しい第1のポリペプチドの混合物を使用したin vitroアセンブリによって産生される。in vitroアセンブリ反応は、典型的には、全ての第1のポリペプチドおよび全ての第2のポリペプチドをおよそ1:1のモル比で含む。非限定的な例として、第1のポリペプチドの半分が遺伝子融合物としてFタンパク質を保有する三量体アセンブリの混合物を用いたin vitroアセンブリ反応を行うことにより、結合価が50%のFタンパク質を有するアセンブリしたナノ構造が得られるであろう。すなわち、ナノ構造上にFタンパク質表示が可能な部位が50%を占めるであろう。非限定的な例として、ナノ構造が正二十面体対称を有する120サブユニットアセンブリである場合、ナノ構造は、合計20の三量体基本単位を含み、結合価50%のナノ構造は、可能な20のFタンパク質三量体のうちの10を表示する。このようにして、in vitroアセンブリ反応におけるFタンパク質を保有する第1のポリペプチドのFタンパク質を欠く第1のポリペプチドに対する比を使用して、得られるナノ構造のFタンパク質の結合価を正確に調整することができる。この様式で調整することができるのは平均結合価であり;混合物中の個別のナノ構造の結合価は平均付近を中心として分布しているということが当業者に理解されるであろう。かかる部分的結合価のナノ構造の首尾の良いアセンブリを、完全な結合価のナノ構造を評価するための上記の技術を使用して査定することができ、必要ならば、部分的結合価のナノ構造を、完全な結合価のナノ構造の精製について記載の方法を使用して精製することができる。所与の試料中のFタンパク質を保有する第1のポリペプチドの平均結合価を、完全な結合価のナノ構造中のFタンパク質の存在を評価するための上記の技術を使用した定量分析によって査定することができる。
【0060】
複数のFタンパク質を同時表示するナノ構造のin vitroアセンブリ
他の実施形態では、本発明のナノ構造は、遺伝子融合物として異なるFタンパク質を保有する2つ以上の別個の第1のポリペプチドを含み;これらのナノ構造は、同一のナノ構造上に複数の異なるFタンパク質を同時に表示する。これらの多抗原ナノ構造は、各々の第1のポリペプチドが遺伝子融合物として2つ以上の別個のFタンパク質のうちの1つを保有する第1のポリペプチドの混合物を用いてin vitroアセンブリを行うことによって産生される。混合物中の各々の第1のポリペプチドの割合は、得られるナノ構造中の各々のFタンパク質の平均結合価を決定づける。in vitroアセンブリ反応は、典型的には、全ての三量体の第1のポリペプチドの全ての第2のポリペプチドに対するモル比がおよそ1:1である。所与の試料中の各々のFタンパク質を保有する第1のポリペプチドの存在および平均結合価を、完全な結合価のナノ構造中のFタンパク質の存在を評価するための上記の技術を使用した定量分析によって査定することができる。
【0061】
種々の実施形態では、ナノ構造は、直径が約20ナノメートル(nm)~約40nmであり、内腔の横幅が約15nm~約32nmであり、タンパク質シェルの孔径が最長寸法で約1nm~約14nmである。
【0062】
1つの実施形態では、ナノ構造は、正二十面体対称を有する。この実施形態では、ナノ構造は、60コピーの第1のポリペプチドおよび60コピーの第2のポリペプチドを含み得る。1つのかかる実施形態では、各々の第1のアセンブリ中の同一の第1のポリペプチド数は、各々の第2のアセンブリ中の同一の第2のポリペプチド数と異なる。例えば、1つの実施形態では、ナノ構造は、12の第1のアセンブリおよび20の第2のアセンブリを含み;この実施形態では、各々の第1のアセンブリは、例えば、5コピーの同一の第1のポリペプチドを含むことができ、各々の第2のアセンブリは、例えば、3コピーの同一の第2のポリペプチドを含むことができる。別の実施形態では、ナノ構造は、12の第1のアセンブリおよび30の第2のアセンブリを含み;この実施形態では、各々の第1のアセンブリは、例えば、5コピーの同一の第1のポリペプチドを含むことができ、各々の第2のアセンブリは、例えば、2コピーの同一の第2のポリペプチドを含むことができる。さらなる実施形態では、ナノ構造は、20の第1のアセンブリおよび30の第2のアセンブリを含み;この実施形態では、各々の第1のアセンブリは、例えば、3コピーの同一の第1のポリペプチドを含むことができ、各々の第2のアセンブリは、例えば、2コピーの同一の第2のポリペプチドを含むことができる。これらの実施形態の全ては、規則的な正二十面体対称を有する合成ナノ材料を形成することができる。種々のさらなる実施形態では、第1のおよび第2のポリペプチドのオリゴマー状態は、以下の通りである:
I53-34A:三量体+I53-34B:五量体;
I53-40A:五量体+I53-40B:三量体;
I53-47A:三量体+I53-47B:五量体;
I53-50A:三量体+I53-50B:五量体;
I53-51A:三量体+I53-51B:五量体;
I32-06A:二量体+I32-06B:三量体;
I32-19A:三量体+I32-19B:二量体;
I32-28A:三量体+I32-28B:二量体;
I52-03A:五量体+I52-03B:二量体;
I52-32A:二量体+I52-32B:五量体;および
I52-33A:五量体+I52-33B:二量体
【0063】
別の実施形態では、本発明の任意の実施形態または実施形態の組み合わせのナノ構造は、1つまたは複数の以下の特徴を有し、各々、以下の実施例で証明されている:
(a)融合前F特異的抗体(モノクローナル抗体D25が含まれるが、これに限定されない)に結合すること;
(b)対称構造(正二十面体構造が含まれるが、これに限定されない)を形成すること;
(c)50℃で安定であること;および/または
(d)2.25M塩酸グアニジン中で安定であること。
【0064】
別の態様では、本発明は、本発明の融合タンパク質をコードする単離された核酸を提供する。単離された核酸配列は、RNAまたはDNAを含み得る。本明細書中で使用する場合、「単離された核酸」は、ゲノム中またはcDNA配列中の通常では取り囲んでいる核酸配列から取り出されている核酸である。かかる単離された核酸配列は、コードされたタンパク質の発現および/または精製を促進するのに有用なさらなる配列(polyA配列、改変Kozak配列、およびエピトープタグをコードする配列、移行シグナル、および分泌シグナル、核局在シグナル、および原形質膜局在化シグナルが含まれるが、これらに限定されない)を含み得る。本明細書中の技術に基づいて、どのような核酸配列が本発明のタンパク質をコードするのかについては当業者に明らかであろう。
【0065】
さらなる態様では、本発明は、適切な調節配列に作動可能に連結された本発明の任意の実施形態または実施形態の組み合わせの単離された核酸を含む組換え発現ベクターを提供する。「組換え発現ベクター」には、遺伝子産物を発現させることができる任意の調節配列に核酸コード領域または核酸コード遺伝子を作動可能に連結しているベクターが含まれる。本発明の核酸配列に作動可能に連結された「調節配列」は、核酸分子を発現させることができる核酸配列である。調節配列は、これらがその発現を指示するように機能する限り、核酸配列に隣接する必要はない。したがって、例えば、翻訳されないが転写される介在配列がプロモーター配列と核酸配列との間に存在することができ、プロモーター配列は、依然としてコード配列に「作動可能に連結された」と見なすことができる。他のかかる調節配列には、ポリアデニル化シグナル、終止シグナル、およびリボソーム結合部位が含まれるが、これらに限定されない。かかる発現ベクターは、当該分野で公知の任意のタイプのものであり得る(プラスミドおよびウイルス系発現ベクターが含まれるが、これらに限定されない)。哺乳動物系における開示された核酸配列の発現を駆動するために使用される調節配列は、構成性(種々のプロモーター(CMV、SV40、RSV、アクチン、EFが含まれるが、これらに限定されない)のいずれかによって駆動される)または誘導性(いくつかの誘導性プロモーター(テトラサイクリン応答性、エクジソン応答性、ステロイド応答性のプロモーターが含まれるが、これらに限定されない)のいずれかによって駆動される)であり得る。原核細胞のトランスフェクションで用いる発現ベクターの構築も当該分野で周知であり、したがって、標準的な技術によって実施することができる(例えば、Sambrook,Fritsch,and Maniatis,in:Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989;Gene Transfer and Expression Protocols,pp.109-128,ed.E.J.Murray,The Humana Press Inc.,Clifton,N.J.)およびAmbion 1998カタログ(Ambion,Austin,TX)を参照のこと)。発現ベクターは、エピソームとしてか、宿主染色体DNA内への組込みによって宿主細胞内で複製可能でなければならない。好ましい実施形態では、発現ベクターはプラスミドを含む。しかし、本発明は、ウイルスベクターなどの等価な機能を果たす他の発現ベクターが含まれることが意図される。
【0066】
別の態様では、本発明は、本明細書中に開示の組換え発現ベクターでトランスフェクトされている宿主細胞を提供し、宿主細胞は、原核細胞または真核細胞のいずれか(哺乳動物細胞など)であり得る。細胞を、一過性または安定してトランスフェクトすることができる。原核細胞および真核細胞への発現ベクターのかかるトランスフェクションを、当該分野で公知の任意の技術(標準的な細菌形質転換、リン酸カルシウム共沈、エレクトロポレーション、またはリポソーム媒介、DEAE デキストラン媒介、ポリカチオン媒介、またはウイルス媒介のトランスフェクションが含まれるが、これらに限定されない)によって行うことができる(例えば、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Sambrookら,1989,Cold Spring Harbor Laboratory Press;Culture of Animal Cells:A Manual of Basic Technique,2nd Ed.(R.I.Freshney.1987.Liss,Inc.New York,NYを参照のこと)。本発明のポリペプチドの産生方法は、本発明のさらなる部分である。この方法は、(a)ポリペプチドを発現させる条件下で本発明のこの態様の宿主を培養する工程、および(b)任意選択的に、発現したポリペプチドを回収する工程を含む。
【0067】
さらなる態様では、本発明は、有効量の本発明の任意の実施形態または実施形態の組み合わせのナノ構造を含む免疫原性組成物、および薬学的に許容され得る担体を提供する。組成物は、(a)溶解保護剤;(b)界面活性剤;(c)増量剤;(d)張性調整剤;(e)安定剤;(f)防腐剤、および/または(g)緩衝液を含み得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、医薬組成物中の緩衝液は、トリス緩衝液、ヒスチジン緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、または酢酸緩衝液である。組成物は、溶解保護剤(例えば、スクロース、ソルビトール、またはトレハロース)も含み得る。一定の実施形態では、組成物は、防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、クロロヘキシジン、フェノール、m-クレゾール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロブタノール、o-クレゾール、p-クレゾール、クロロクレゾール、硝酸フェニル水銀(II)、チロメサール、安息香酸、およびこれらの種々の混合物)を含む。他の実施形態では、組成物は、グリシンのような増量剤を含む。さらに他の実施形態では、組成物は、界面活性剤(例えば、ポリソルベート-20、ポリソルベート-40、ポリソルベート-60、ポリソルベート-65、ポリソルベート-80 ポリソルベート-85、ポロクサマー-188、ソルビタンモノラウラート、ソルビタンモノパルミタート、ソルビタンモノステアラート、ソルビタンモノオレアート、ソルビタントリラウラート、ソルビタントリステアラート、ソルビタントリオレアート(sorbitan trioleaste)、またはその組み合わせ)を含む。組成物は、張性調整剤(例えば、製剤をヒトの血液と実質的に等張または等浸透圧にする化合物)も含み得る。例示的な張性調整剤には、スクロース、ソルビトール、グリシン、メチオニン、マンニトール、デキストロース、イノシトール、塩化ナトリウム、アルギニン、および塩酸アルギニンが含まれる。他の実施形態では、組成物は、安定剤(例えば、凍結乾燥形態または液体の形態のナノ構造の化学的および/または物理的な不安定性を実質的に防止または低下させる分子)をさらに含む。例示的な安定剤には、スクロース、ソルビトール、グリシン、イノシトール、塩化ナトリウム、メチオニン、アルギニン、および塩酸アルギニンが含まれる。
【0069】
ナノ構造は、組成物中の唯一の活性薬剤であり得るか、組成物は、意図する用途に適切な1つまたは複数の他の薬剤(一般的に免疫系を刺激して全体的な免疫応答を改善するアジュバントが含まれるが、これに限定されない)をさらに含み得る。任意の適切なアジュバントを使用することができる。用語「アジュバント」は、抗原に対する免疫応答を増強する化合物または混合物を指す。例示的なアジュバントには、Adju-Phos(商標)、Adjumer(商標)、アルブミン-ヘパリン微粒子、藻類グルカン、アルガムリン、ミョウバン、抗原製剤、AS-2アジュバント、自家樹状細胞、自家PBMC、アブリジン(商標)、B7-2、BAK、BAY R1005、ブピバカイン、ブピバカイン-HCl、BWZL、カルシトリオール、リン酸カルシウムゲル、CCR5ペプチド、CFA、コレラホロ毒素(CT)およびコレラ毒素Bサブユニット(CTB)、コレラ毒素A1-サブユニット-タンパク質A D-フラグメント融合タンパク質、CpG、CRL1005、サイトカイン含有リポソーム、D-ムラパルミチン、DDA、DHEA、ジフテリアトキソイド、DL-PGL、DMPC、DMPG、DOC/ミョウバン複合体、鶏痘、フロイント完全アジュバント、γイヌリン、Gerbuアジュバント、GM-CSF、GMDP、hGM-CSF、hIL-12(N222L)、hTNF-α、IFA、IFN-γ含有pcDNA3、IL-12 DNA、IL-12プラスミド、IL-12/GMCSF プラスミド(Sykes)、IL-2含有pcDNA3、IL-2/Igプラスミド、IL-2/Igタンパク質、IL-4、IL-4含有pcDNA3、Imiauimod(商標)、ImmTher(商標)、共刺激分子に対する抗体を含む免疫リポソーム、インターフェロン-γ、インターロイキン-1β、インターロイキン-12、インターロイキン-2、インターロイキン-7、ISCOM(商標)、Iscoprep7.0.3(商標)、キーホールリンペットヘモシアニン、脂質系アジュバント、リポソーム、ロキソリビン、LT(R192G)、LT-OAまたはLT Oralアジュバント、LT-R192G、LTK63、LTK72、MF59、MONTANIDE ISA 51、MONTANIDE ISA 720、MPL.TM.、MPL-SE、MTP-PE、MTP-PEリポソーム、ムラメチド、ムラパルミチン、NAGO、nCT未変性コレラ毒素、非イオン性界面活性剤小胞、コレラ毒素mCT-E112Kの非毒性変異体E112K、p-ヒドロキシ安息香酸メチルエステル、pCIL-10、pCIL12、pCMVmCAT1、pCMVN、Peptomer-NP、Pleuran、PLG、PLGA、PGA、およびPLA、プルロニックL121、PMMA、PODDS(商標)、Poly rA:Poly rU、ポリソルベート80、タンパク質コクレアート、QS-21、QuadriAサポニン、Quil-A、RehydragelHPA、RehydragelLV、RIBI、Ribilikeアジュバントシステム(MPL、TMD、CWS)、S-28463、SAF-1、Sclavoペプチド、Sendaiプロテオリポソーム、Sendai含有脂質マトリックス、Span85、Specol、スクアラン1、スクアレン2、ステアリルチロシン、破傷風トキソイド(TT)、Theramide(商標)、トレオニルムラミルジペプチド(TMDP)、Ty粒子、およびWalter Reedリポソームが含まれるが、これらに限定されない。アジュバントの選択は、治療される被験体に依存する。好ましくは、薬学的に許容され得るアジュバントを使用する。
【0070】
別の態様では、本発明は、被験体においてパラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルスのFタンパク質に対する免疫応答を生じさせる方法であって、有効量の本発明の任意の実施形態または実施形態の組み合わせの免疫原性組成物を被験体に投与して免疫応答を生じさせる工程を含む方法を提供する。さらなる態様では、本発明は、被験体におけるパラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルス感染を治療または予防する方法であって、有効量の本発明の任意の実施形態または実施形態の組み合わせの免疫原性組成物を被験体に投与し、それにより、被験体におけるパラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルス感染を治療または予防する工程を含む方法を提供する。
【0071】
1つの実施形態では、パラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルスは、呼吸器合胞体ウイルスを含む。「呼吸器合胞体ウイルス」および「RSV」は、特に小児において呼吸器疾患を引き起こす一本鎖マイナス鎖RNAウイルスを指す。方法がRSV感染の処置を含むとき、免疫原性組成物を、既にRSVに感染しており、そして/または被験体がRSVに感染している可能性が高いことを示す症状(下気道感染、上気道感染、細気管支炎、肺炎、発熱、倦怠、食欲減退、再発性喘鳴、および喘息が含まれるが、これらに限定されない)を患っている被験体に投与する。本明細書中で使用する場合、「治療する」または「治療」には、以下のうちの1つまたは複数の達成が含まれるがこれらに限定されない:(a)被験体におけるパラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルス力価の低下;(b)被験体におけるパラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルス力価の任意の増加の制限;(c)パラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルスの症状の重症度の軽減;(d)感染後のパラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルスの症状の発生の制限または防止;(e)パラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルスの症状の悪化の抑制;(f)以前にパラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルス感染の症状があった被験体におけるパラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルスの症状の再発の制限または防止;および/または(母系免疫後の)パラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルス抗体の乳児への母系伝達の促進。
【0072】
方法がパラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルス感染の制限を含むとき、免疫原性組成物を、パラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルスの感染が知られていないが、暴露リスクがあり得る被験体に予防的に投与する。本明細書中で使用する場合、「制限」は、RSV感染リスクのある被験体におけるRSV感染を制限することを意味する。特にリスクの高い群には、18歳未満の小児(特に、3歳以下の乳児)、65歳を超える成人、および任意のタイプの免疫不全を罹患している個体が含まれる。
【0073】
本明細書中で使用する場合、「有効量」は、RSV感染の処置および/または制限に有効な免疫原性組成物の量を指す。免疫原性組成物を、典型的には、医薬組成物(上に開示の医薬組成物など)として製剤化し、従来の薬学的に許容され得る担体、アジュバント、およびビヒクルを含む投薬単位製剤において任意の適切な経路(経口、非経口(parentally)、吸入噴霧、直腸、または局所が含まれる)を介して投与することができる。本明細書中で使用される非経口という用語には、皮下、静脈内、動脈内、筋肉内、胸骨内、腱内、脊髄内、頭蓋内、胸腔内、注入技術、または腹腔内が含まれる。ポリペプチド組成物を、適切な組織(血液など)に導入されるミクロスフェア、リポソーム、免疫刺激複合体(ISCOM)、または他の微粒子送達系もしくは徐放製剤を介して投与することもできる。投薬レジメンを、最適な望ましい応答(例えば、治療反応または予防反応)が得られるように調整することができる。適切な投薬範囲は、例えば、0.1ug/kg体重~100mg/kg体重のFタンパク質またはその抗原フラグメントであり得る。組成物を、単回ボーラスで送達させることができるか、主治医が決定する場合、1回超(例えば、2、3、4、5、またはそれを超える回数)で投与してもよい。
【0074】
1つの実施形態では、投与により、被験体内にパラミクソウイルスおよび/またはニューモウイルス中和抗体が産生される。別の実施形態では、中和抗体は、少なくとも1,000の力価(1/ID50)で被験体の血清中に存在する;他の実施形態では、中和抗体は、2,000または5,000の力価で被験体の血清中に存在する。
【0075】
実施例
方法:
Fタンパク質および三量体アセンブリドメインを含む三量体基本単位の発現およびスクリーニング
DS-Cav1融合物を含むか欠く三量体基本単位のためのヒトコドン最適化配列を、Genscriptから取り寄せた。単一構成成分のナノ構造(すなわち、I3-01)の基本単位を、1つのCMVプロモーターを含むpcDNA3.1ベクター(ThermoFisher Scientific)にクローン化し、一方で、2構成成分のナノ構造(例えば、I53-50)の基本単位を、CMVプロモーターおよびEF-1αプロモーターの両方を含むpBudCE4.1(商標)ベクター(ThermoFisher Scientific)にクローン化した。組換えタンパク質を、ポリエチレンイミン(PEI)を使用したExpi293F(商標)細胞(ThermoFisher Scientific)の一過性トランスフェクションによって発現させた。細胞培養物を、トランスフェクションの5日後に遠心分離によって回収した。分泌されたタンパク質を、細胞上清の直接コーティングを使用したELISAまたはサンドイッチELISAのいずれかによって分析した。簡潔に述べれば、96ウェルMaxiSorp(商標)プレート(Nunc)に、直接ELISAについては細胞上清をコーティングし、サンドイッチELISAについてはマウス抗Hisタグモノクローナル抗体(ThermoFisher Scientific)をコーティングした。分泌されたタンパク質を、ヒトパリビズマブ、MPE8、RSD5、およびD25モノクローナル抗体を使用して検出した。トランスフェクトされたExpi293F細胞を固定し、BDcytofix/cytoperm(BD Biosciences)を使用して透過処理し、ヒトパリビズマブ、MPE8、およびD25モノクローナル抗体とインキュベートし、アレクサフルオル647抱合抗ヒトIgG抗体(Jackson ImmunoResearch)で染色した。染色された細胞を、FACS Fortessa(商標)フローサイトメーター(BD Biosciences)で計数した。FlowJo(商標)ソフトウェアを使用して解析した。細胞株を、マイコプラズマ汚染について定常的に試験した。
【0076】
DS-Cav1-I53-50Aの発現および精製
レンチウイルスを、直鎖25kDaポリエチレンイミン(PEI;Polysciences)を使用した293T(ATCC)細胞の一過性トランスフェクションによって産生した。簡潔に述べれば、4×10細胞を、10cm組織培養プレート上にプレートした。24時間後、3μgのpsPAX2、1.5μgのpMD2G(それぞれ、Addgene(商標)プラスミド番号12260および番号12259)、および6μgのレンチウイルスベクタープラスミドを、500μl希釈剤(5mM HEPES、150mM NaCl、pH=7.05)および42μlのPEI(1mg/ml)で混合し、15分間インキュベートした。次いで、DNA/PEI複合体をプレートに滴下した。トランスフェクションの48時間後にレンチウイルスを回収し、8000gで18時間の低速遠心分離によって100倍に濃縮した。10×10細胞を含む10mL成長培地を含む125mL振盪フラスコ中で標的細胞株を形質導入した。100uLの100×レンチウイルスをフラスコに添加し、細胞を、37℃で振盪(225rpm)しながら、8%CO中で4~6時間インキュベートした。4~6時間後に20mLの成長培地を振盪フラスコに添加した。
【0077】
形質導入した細胞を、最終培養サイズが4Lに到達するまで、1×10細胞/mlの密度まで1日おきに拡大させた。17日間の全てのインキュベーション後、最終細胞濃度(約5×10細胞/mL)および生存度(約90%生存可能)の測定後に培地を回収した。培養上清を低速遠心分離によって回収して、上清から細胞を取り出した。NaClおよびNaNを、それぞれ250mMおよび0.02%の最終濃度まで添加した。上清を、AKTA Pure(商標)(GE Healthsciences)によって1つの5mL HisTrap(商標)FF Crudeカラム(GE Healthsciences)に5ml/分でロードした。ニッケル溶出をHiLoad(商標)16/600 Superdex 200pgカラム(GE Healthsciences)に適用して、サイズ排除クロマトグラフィによって標的タンパク質をさらに精製した。サイズ排除によって精製された標的タンパク質を、液体窒素中で急速凍結し、-80℃で保存した。
【0078】
DS-Cav1保有ナノ構造のin vitroアセンブリ
結合価100%の粒子(正二十面体ナノ構造あたり20のDS-Cav1三量体)を、それぞれ50μMのDS-Cav1-foldon-I53-50A三量体およびI53-50B.4PT1五量体を混合し、ロッキングしながら4℃で一晩インキュベートすることによって調製した。場合によっては、GE Sephacryl S-500 HR 16/60カラムを使用した25mM Tris(pH8)、250mM NaCl、5%グリセロールを含む緩衝液中でのin vitroアセンブリ反応物中に残存した過剰成分からアセンブリしたナノ構造を精製した。試料の負荷およびSEC画分を、還元剤の存在下および非存在下でのSDS-PAGEによって分析した。ピーク画分をプールし、GE Vivaspin(商標)20 30kDa MWCO遠心濾過器を使用して濃縮し、Agilent 8454分光光度計を使用して定量した。
【0079】
結合価66%の粒子(正二十面体ナノ構造あたり約14のDS-Cav1三量体)を、それぞれ50、25、および75μMのDS-Cav1-foldon-I53-50A三量体、I53-50A三量体、およびI53-50B.4PosT1五量体の混合によって調製した。結合価33%の粒子(正二十面体ナノ構造あたり約7のDS-Cav1三量体)を、それぞれ25、50、75μMのDS-Cav1-foldon-I53-50A三量体、I53-50A三量体、およびI53-50B.4PosT1五量体の混合によって調製した。in vitroアセンブリ反応物を、ロッキングしながら4℃で一晩インキュベートした。場合によっては、GE Sephacryl(商標)S-500 HR16/60カラムを使用した25mM Tris(pH8)、250mM NaCl、5%グリセロールを含む緩衝液中でのin vitroアセンブリ反応物中に残存した過剰成分からアセンブリしたナノ構造を精製した。試料の負荷およびSEC画分を、還元剤の存在下および非存在下でのSDS-PAGEによって分析した。ピーク画分をプールし、GE Vivaspin(商標)20 30kDa MWCO遠心濾過器を使用して濃縮し、約21,000gにて4℃で10分間の遠心分離後にAgilent8454分光光度計を使用して定量した。次いで、試料を、低温貯蔵用チューブに1mLアリコートにて、結合価33%の粒子については1.1mg/mL、結合価66%の粒子については0.6mg/mLを移し、液体窒素中で急速冷凍し、-80℃で保存した。
【0080】
DS-Cav1保有ナノ構造電子顕微鏡法
25mM Tris(pH8)、250mM NaCl、5%グリセロールを使用して0.01mg/mLまで希釈することによってネガティブ染色EMのための試料を調製し、3.5μLをグロー放電した銅製の炭素コーティングしたグリッド上で20秒間インキュベートした後、Whatman No.1濾紙片を用いて液体を吸い取った。試料の吸い取りから数秒以内に、3.5μLの染色液の液滴(2%w/vギ酸ウラニル)を沈着させ、直ちに吸い取り、次いで、第2サイクルの染色/ブロッティングを行った。
【0081】
円二色性(CD)分光偏光分析
Fタンパク質(0.5mg ml-1)由来のCDスペクトルを、Chirascan(商標)分光偏光計(Applied Photophysics)にて、バンド幅1nm、ステップサイズ0.5nm、および1秒/ステップで波長範囲195~260nmにわたって記録した。遠紫外域のスペクトルには3スキャンの平均が必要であり、このスペクトルを、緩衝液を用いて行ったブランクスペクトルから差し引いた。各温度で1分間の平衡後に1℃間隔でスキャンすることによって熱変性をモニタリングした。データを、単純一次曲線に対してフィッティングした。ΔA222の値を、20℃で記録した値の百分率としてy軸上に示した。
【0082】
酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)
抗体または血清の特異的結合を試験するために、96ウェルMaxiSorp(商標)プレート(Nunc)に、Fタンパク質および三量体アセンブリドメインまたは2μg ml-1の以下の精製したタンパク質を含む三量体基本単位を発現する細胞由来の組織培養上清の系列希釈物でコーティングした:foldonを有するDs-Cav1、三量体の第1のポリペプチドに融合したDs-Cav1、またはDS-Cav1を表示するナノ構造。プレートを、1%ウシ血清アルブミン(BSA)でブロッキングし、滴定した抗体(D25、MPE8、パリビズマブ、RSD5)またはマウス血清とインキュベートし、その後にAP抱合ヤギ抗ヒトIgG(Southern Biotech,2040-04)またはヤギ抗マウスIgG(Southern Biotech,1030-04)とインキュベートした。次いで、プレートを、PBS緩衝液(Gibco、Invitrogen)で洗浄し、0.05%Tween-20および基質(p-NPP、Sigma)を添加し、プレートを405nmで読み取った。
【0083】
表面プラズモン共鳴(SPR)
ProteON(商標)XPR-36装置(Bio-Rad Laboratories)にて25℃のPBS緩衝液(Gibco,Invitrogen)、0.05% Tween-20中で実験した。1000反応単位(RU)でのアミンカップリングによってD25mAbをGLMセンサーチップ表面上に固定し、タンパク質を含まないブランク表面を、基準として使用するために同一のカップリング条件下で作製した。モノクローナル抗体(D25、MPE8、パリビズマブ、および131-2a)を、流速100μl/分、濃度50nMで異なるセンサーチャネル中に注入した。データを、Proteonソフトウェアを使用して処理し、データの局所フィッティング前にブランク表面および緩衝液のみの注入を差し引くことによって二重に参照した。
【0084】
ワクチン接種および血清学的分析
6~9週齢の雌BALB/cマウスを、ENVIGO Laboratories(Italy)から入手した。全タンパク質を、製造者の説明書に従ってAddaVax(商標)アジュバント(Invivogen)を用いて製剤化した。0、14、および28日目に、50%AddaVax(商標)を含むPBS中の5μgのDS-Cav1抗原等価物に相当する総タンパク質用量を用いてマウスの皮下(s.c)に免疫化した。24日目および40日目にマウスから採血した。回収した血清を使用して、結合力価および中和力価を測定した。結合力価を、3μg/mlのDS-Cav1、I53-50ナノ構造、またはI53-50ナノ構造サブユニットのコーティングによって測定した。
【0085】
ウイルス中和アッセイおよび顕微鏡分析
血清によるRSV感染の中和を、マイクロ中和フローサイトメトリー系アッセイを使用して測定した。血清の系列希釈物を、RSVと37℃で1時間プレインキュベートし、96ウェル平底プレート中に10000 HEp-2(ATCC(登録商標)CCL-23(商標))細胞/ウェルまで添加した(MOIは1)。24時間後、細胞を洗浄し、剥離し、2%ホルムアルデヒドで固定した。GFP陽性細胞の百分率を、自動化プラットフォームと連結したIntellicytを使用した高処理FACSによって測定した。組織培養阻止希釈(TCID)での50%感染中和(TCID50)を、Prism 7(GraphPad Software)を使用した非線形回帰によって計算した。
【0086】
非ヒト霊長類(NHP)の免疫化
アカゲザルを、0週目および4週目に、MF59様アジュバントSWEで製剤化した三量体DS-Cav1(50μg;n=4)またはDS-Cav1-foldon-I53-50ナノ構造(96μg、50μgの表示されたDS-Cav1を含む;n=5)でi.m.(右四頭筋)にて免疫化した。血清学的分析のために、6週目および16週目に血清を得た。
【0087】
D25への相対的結合によるDS-Cav1保有ナノ構造の安定性
ProteON(商標)XPR-36装置(Bio-Rad Laboratories)にて20℃のPBS緩衝液(Gibco,Thermo Fisher Scientific)および0.05%Tween-20(Sigma)中で実験した。100nM D25抗体をアミンカップリング(EDC/NHS化学)によってGLMセンサーチップ表面上に固定し、抗体を含まないブランク表面を、基準として使用するために同一のカップリング条件下で作製した。異なる温度(20、50、70、または80℃)で1時間熱ストレスを与えた分析タンパク質(可溶性DS-Cav1、可溶性DS-Cav1-I53-50A、およびDS-Cav1-foldon-I53-50ナノ構造)を、流速100μl/分、濃度50nMで異なるセンサーチャネル中に注入した。データを、Proteonソフトウェアを使用して処理し、データの局所フィッティング前にブランク表面および緩衝液のみの注入を差し引くことによって二重に参照した。
【0088】
ナノ構造関連タンパク質の化学的変性
三量体DS-Cav1、DS-Cav1-I53-50A、DS-Cav1-I53-50、I53-50、三量体I53-50A、または五量体I53-50B.4PT1を、0Mから6.5Mまでの範囲で0.25Mずつ増加する種々の濃度の塩酸グアニジンを有する25mM Tris(pH8)、250mM NaCl、5%グリセロールで最終濃度2.5μMまで希釈した。試料を三連で調製し、周囲温度で16時間インキュベートした。Cary Eclipse蛍光分光光度計にて、自家蛍光を、各々のタンパク質および各々の複製の各々の塩酸グアニジン濃度のために測定した。Peltierコントローラをセルホルダー中で使用して、全実験を通して25℃に維持した。10mmセル(Agilent Cuvette、部品番号6610021600)を使用して、290nmで励起し、310nmから510nmまでの発光をバンド幅1nmにて速度60nm/分でスキャニングした蛍光スペクトルを収集した。
【0089】
統計解析
試料サイズを予め決定するために統計学的方法を使用しなかった。データを、Prism 6(GraphPad(商標)ソフトウェア)にて2群比較のための両側ノンパラメトリックマン・ホイットニーU検定または3群以上を比較するときのクラスカル・ウォリス検定(およびDunnのポストテスト)を使用して解析した。
【0090】
結果
Fタンパク質および三量体アセンブリドメインを含む三量体基本単位
各々が三量体アセンブリドメインに遺伝子融合したFタンパク質を含むいくつかの三量体基本単位は、HEK293F細胞から分泌されたことが見出され、ELISAアッセイにおける融合前特異的モノクローナル抗体結合によって判断したところ、そのFタンパク質は、十分に折り畳まれた融合前高次構造であった。図2は、DS-Cav1-foldon、DS-Cav1-foldon-T33-31A、およびDS-Cav1-T33-31Aを発現するHEK293F細胞の上清を分析したELISAデータの例を示す。いくつかの他の三量体基本単位により、十分に折り畳まれた融合前Fタンパク質が検出可能に分泌された。
【0091】
DS-Cav1-foldon-I53-50Aの発現および精製
DS-Cav1-foldon-I53-50Aをコードするレンチウイルスベクターを使用して、大量発現のためにHEK293F細胞を形質導入した。分泌されたタンパク質を、固定金属アフィニティクロマトグラフィおよびサイズ排除クロマトグラフィによって組織培養上清から精製した。サイズ排除クロマトグラム(図3)は、精製したタンパク質が単一の単分散種を形成することを示した。
【0092】
I53-50B.4PT1の発現および精製
I53-50B.4PT1(正二十面体I53-50系ナノ構造のアセンブリを駆動するためにI53-50AまたはDS-Cav1-foldon-I53-50A内の三量体アセンブリドメインと相互作用する第2のアセンブリドメインを含む五量体タンパク質)を、Baleらおよび特許公開US20160122392A1号に記載のように発現および精製した。
【0093】
DS-Cav1保有I53-50ナノ構造のin vitroアセンブリおよび特徴づけ
I53-50は、Baleらが最近記載しているように、20の三量体(I53-50A)および12の五量体(I53-50B)の基本単位を含む正二十面体対称を有する120サブユニットの2構成成分のナノ構造である。I53-50AのN末端は、I53-50ナノ構造の外面に露出しており、それにより、I53-530AのN末端への遺伝子融合によるナノ構造外面への抗原の表示が可能である。精製されたDS-Cav1-foldon-I53-50AおよびI53-50B.4PT1をin vitroでアセンブリして、2つの精製されたタンパク質を種々のモル比で混合することによってナノ構造外面に種々の量のDS-Cav1を表示する120サブユニットの正二十面体ナノ構造を形成した。個別の調製物において、結合価が100%(20の三量体)、66%(約14の三量体)、および33%(約7の三量体)でDS-Cav1を表示するナノ構造を、上記のように調製した。一晩のインキュベーション後のin vitroアセンブリ反応物中に存在する種を、いくつかの技術(サイズ排除クロマトグラフィ-多角度光散乱(SEC-MALS)、動的光散乱、およびUV/可視分光法が含まれる)によって査定した。アセンブリした120サブユニットのナノ構造を、サイズ排除クロマトグラフィを使用してin vitroアセンブリ反応物から精製した(結合価100%のナノ構造を使用して得たクロマトグラムの例を、図4に示す)。精製したナノ構造が陰性染色電子顕微鏡法によって特徴づけられ、これにより、DS-Cav1がコア正二十面体I53-50アセンブリから外向きに突出したスパイクとして明確に視認可能である単分散粒子領域が明らかとなった(結合価100%の粒子を使用して得た顕微鏡写真の例を、図5に示す)。融合前高次構造に特異的なモノクローナル抗体を使用したELISAアッセイにおいて、上記のようにナノ構造外面に表示されたDS-Cav1が十分に折り畳まれており、抗原性がインタクトであることが確認された(図6)。モノクローナル抗体結合の動態を評価する表面プラズモン共鳴実験により、結合価100%のDS-Cav1-foldon-I53-50ナノ構造からの抗体の解離がDS-Cav1-foldon三量体からの解離より遅いことが明らかとなり、これは、ナノ構造外面上のDS-Cav1の多価提示に由来するアビディティー効果に起因する可能性が高い(図6)。まとめると、これらの実験から、DS-Cav1-foldon-I53-50ナノ構造が、十分に折り畳まれた、抗原性がインタクトなDS-Cav1三量体をその外面に表示している単分散正二十面体ナノ構造を形成することが確認された。これらの所見は、動物におけるDS-Cav1に対する体液性免疫応答を誘導するための免疫原としてのDS-Cav1-foldon-I53-50ナノ構造の有用性を評価する実験を行う動機づけとなった。
【0094】
DS-Cav1-foldon-I53-50ナノ構造の免疫原性
結合価が33%、66%、および100%でDS-Cav1を表示するDS-Cav1-foldon-I53-50ナノ構造を、上記のプライム・ブーストストラテジーを使用してマウスに注射した。さらなるマウス群に、ナノ構造によるDS-Cav1に対して誘導された体液性免疫応答のベンチマークとしての三量体DS-Cav1-foldonまたはDS-Cav1特異的応答のネガティブコントロールとしてのDS-Cav1を表示しないI53-50ナノ構造を注射した。注射後の規定の時点でのマウスから抽出した血清のELISAアッセイを使用して、注射した動物の血清中に存在するDS-Cav1特異的抗体価を測定した(図7)。予想通り、DS-Cav1を表示しないI53-50ナノ構造を注射した動物由来の血清は、DS-Cav1に特異的な抗体を含まなかった。以前の結果(McClellanら)に従って、三量体DS-Cav1-foldonは、DS-Cav1特異的抗体を誘導した。結合価が33%、66%、および100%のDS-Cav1ナノ構造は全て、三量体DS-Cav1-foldonよりも高いDS-Cav1特異的抗体価を誘導し、この抗体価は、DS-Cav1結合価が増加するにつれて増加した。DS-Cav1特異的力価は、DS-Cav1と比較して結合価が100%のDS-Cav1-foldon-I53-50ナノ構造を注射したマウスにおいて平均しておよそ2.5倍高かった。これらの結果は、パラミクソウイルスFタンパク質が自己アセンブリしたタンパク質ナノ構造上に多価で表示されている免疫原が、動物に注射されたときにより高い体液性免疫応答を誘導することができることを証明している。
【0095】
上記の一連の免疫原を注射したマウス由来の血清も、HEp-2細胞における標準的な中和アッセイを使用して中和抗体価の存在について評価した(図8)。血清中和抗体価の傾向は、DS-Cav1特異的結合抗体価で認められる傾向との相関が高かった。DS-Cav1を表示しないI53-50ナノ構造を注射された動物由来の血清はウイルスを中和せず、これは、これらの血清中にDS-Cav1特異的抗体を欠くことと一致していた。三量体DS-Cav-1-foldonを注射された動物由来の血清は、平均力価(1/ID50)3,030でウイルスを中和した。結合価が33%、66%、および100%のDS-Cav1-I53-50ナノ構造は、三量体DS-Cav1-foldonより高い中和抗体価を誘導し、それぞれの平均力価は9,400、20,000、および30,500であった。これらの結果は、パラミクソウイルスFタンパク質が自己アセンブリするタンパク質ナノ構造上に多価で表示される免疫原によって誘導されるより高い体液性応答によってウイルスがより有効に中和されることを証明している。
【0096】
霊長類免疫系におけるその免疫原性を評価するために、DS-Cav1-foldon-I53-50ナノ構造をアカゲザルにも注射した。この動物に、0週目および4週目に、遊離DS-Cav1三量体または結合価100%でDS-Cav1を表示するDS-Cav1-foldon-I53-50ナノ構造のいずれかを筋肉内注射した。両方の場合、DS-Cav1抗原の用量は50μgであり、免疫原を、MF59様のスクアレン系水中油型乳濁液アジュバントSWEを用いて製剤化した。6週目および16週目の動物から得た血清を、抗DS-Cav1抗体価およびRSV-中和抗体価について評価した(図9)。結果は、マウスで得た結果を反映していた。16週目に、DS-Cav1-foldon-I53-50ナノ構造を注射した動物における平均抗DS-Cav1抗体価は、三量体DS-Cav1を注射した動物と比較して4倍であった。16週目のDS-Cav1-foldon-I53-50ナノ構造を注射した動物における平均RSV-中和抗体価は、三量体DS-Cav1を注射した動物と比較して16倍であった。これらの結果は、霊長類免疫系において、パラミクソウイルスFタンパク質が自己アセンブリするタンパク質ナノ構造上に多価で表示される免疫原が三量体パラミクソウイルスFタンパク質のみよりも頑強な体液性免疫応答(高レベルのウイルス中和抗体が含まれる)を誘導することを証明している。
【0097】
I53-50Aへの融合によるDS-Cav1の物理的安定化
融合前Fの重要な抗原特性を考慮して、本発明者らは、I53-50Aに融合したときおよび/または正二十面体ナノ構造にさらにアセンブリしたときのDS-Cav1の物理的安定性を測定するための2つの直交性アプローチを使用した。第1のアッセイは、温度ストレス後の融合前特異的mAb(D25)による結合の持続時間を測定した(融合前F安定性を特徴づけるために以前に使用されていたアプローチ)(McLellanら、2013;Joyceら、2016;Krarupら、2015)。等濃度(50nM)のDS-Cav1を含む三量体DS-Cav1、三量体DS-Cav1-I53-50A、およびDS-Cav1-I53-50ナノ構造の試料を、4つのアリコートに分割し、20、50、70、または80℃で1時間インキュベートした。室温に冷却後、D25結合を、表面プラズモン共鳴(SPR)によってアッセイした。本発明者らは、DS-Cav1について以前に報告されているように(McLellanら,2013;Joyceら,2016)、全ての試料は20℃および50℃でD25に等しく結合したが、80℃で1時間後にはD25に対する反応性のほとんどが失われることを見出した(図10)。興味深いことに、D25も70℃で1時間インキュベートした三量体DS-Cav1に結合することはできなかったが、三量体DS-Cav1-I53-50AおよびDS-Cav1-I53-50ナノ構造は、そのそれぞれの結合シグナルの50%および80%を保持していた(図10)。DS-Cav1-I53-50ナノ構造の多価性が三量体DS-Cav1との直接的な定量的比較を複雑にしているが、これらの結果は、I53-50A三量体への遺伝子融合がDS-Cav1の融合前高次構造をさらに安定化していることを示し、この安定性の増加がアセンブリしたナノ構造免疫原の状況において維持されていることを示唆している。
【0098】
本発明者らは、トリプトファン自家蛍光によってモニタリングされる塩酸グアニジン(GdnHCl)の化学的変性を、物理的安定性を評価するための第2の抗体非依存性技術として使用した。0~6.5M GdnHCl中でインキュベートしたDS-Cav1からの蛍光発光の分析により、タンパク質が2つのわずかに異なる移行(一方は0.25Mと2.25Mとの間のGdnHCl、他方は2.25Mと5.75Mとの間のGdnHCl)を受けることが明らかとなった(図11)。対照的に、三量体DS-Cav1-I53-50Aについては、2.25Mと6.25Mとの間のGdnHClで生じる単一の移行のみが明らかである(図11)。DS-Cav1について認められたより低い[GdnHCl]での移行が三量体DS-Cav1-I53-50Aに存在しないのか、あるいは、より高い[GdnHCl]に単にシフトしたのかについては現時点では明らかではない。しかし、DS-Cav1の未変性の高次構造が三量体I53-50Aへの遺伝子融合によって安定化されたことは明らかであり、これは温度ストレス後のD25結合の測定によって得られた結果を反映している。DS-Cav1-I53-50ナノ構造およびI53-50ナノ構造のみ(融合DS-Cav1を欠く)のデータを比較すると、正二十面体ナノ構造へのアセンブリの際に安定化が維持されることを示していた(図11)。この効果は、I53-50A三量体の極度の安定性に由来する可能性が高い。I53-50Aは、超好熱性細菌T.maritimaのKDPGアルドラーゼから誘導され、非常に高い(>5.75M)GdnHCl濃度で蛍光が変化し始めるだけであった(図11)。
【0099】
本発明者らは、GSの反復数およびFoldon部分などの安定化ドメインの必要性を査定するために、さらなる構築物を作製した。
配列情報
【0100】
【表3】
【0101】
研究は、少量一過性トランスフェクションにおける発現収量に基づいた。関連構築物を発現することができるプラスミドを、NEB5α大腸菌細胞に形質転換し、LB+カルベニシリン寒天プレート上で選択した。1mL培養物を、TB培地への細菌コロニーの播種および50ug/mLカルベニシリンでの再度の選択によって調製した。Qiagen Mini Prepキットをそのプロトコールに従って使用して、大腸菌培養物からプラスミドを精製した。Expi293F(商標)細胞(ThermoFisher)を、ペニシリン(100u/mL)およびストレプトマイシン(100μg/mL)を補足したExpi293(商標)発現培地(ThermoFisher)中にて125rpmで振盪しながら8%CO、37℃で培養した。
【0102】
トランスフェクションの前日に、細胞を2E6細胞/mLの濃度で播種した。トランスフェクション当日に、細胞を、細胞生存度を判定するためのトリパンブルーを含むCountess II(ThermoFisher)によって計数した。細胞濃度を2.5E6細胞/mLに調整し、細胞を、無処理12ウェルプレート(Corning)に体積1mLでプレートした。製造者の説明書に従ってExpifectamine(商標)(ThermoFisher)を使用して、各々のウェルあたり1μgのDNAプラスミドをトランスフェクトした。エンハンサー(ThermoFisherのExpifectamine(商標)トランスフェクションキットの構成要素)を、トランスフェクションの18時間後に添加した。トランスフェクションの5日後に1mLの培養物を回収し、1,500×gにて4℃で5分間の遠心分離によって上清から細胞をペレット化した。PVDF膜を備えた0.45μM濾過器によって上清を濾過した。
【0103】
DS-Cav1-I53-50A構築物を含む濾過した上清を変性させ、2-メルカプトエタノールを含む2×Laemmli緩衝液中にて95℃で10分間ボイルした。試料画分をSDS-PAGEで分離し、次いで、ニトロセルロースメンブレンに移し、パリビズマブで探索後、HRPに抱合した抗ヒト二次抗体で探索した。ブロットを、Clarity Western ECLブロッティング基質(Bio-Rad)を使用して画像化した。
【0104】
DS-Cav1-I53-50A構築物を含む濾過した上清を、2倍希釈系列でNunc MaxiSorp(商標)96ウェルプレートに結合させた。融合前高次構造特異的抗体D25、その後にHRPに抱合した二次抗ヒト抗体を使用して、DS-Cav1-I53-50Aを検出した。タンパク質収量を基質TMBによる比色分析によって判定し、450nmの吸光度を収集した。
【0105】
融合前特異的mAb D25の発現収量および結合(データ示さず)は、全ての構築物が十分に発現し、融合前高次構造にあることを示す。当業者は、異種三量体化ドメイン(foldonなど)が融合前F構築物の適切な発現および折り畳みに必要であると予想していたであろう。本発明者らの結果は、I53-50Aナノ構造の構成成分がfoldonのような三量体化ドメインを使用せずにDS-Cav1の発現および適切な折り畳みを支持することができることを示す。これらの構築物へのD25の結合は、構築物の抗原性がインタクトであり、DS-Cav1-foldon-I53-50融合ポリペプチドを含むナノ構造に類似する強力な免疫応答(抗体の中和が含まれる)を誘導すると予想されることを示唆している。
図1
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図11-1】
図11-2】
図11-3】
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図11-5】
【配列表】
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