(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】ゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
A63B 53/06 20150101AFI20240822BHJP
A63B 53/04 20150101ALI20240822BHJP
A63B 53/02 20150101ALI20240822BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20240822BHJP
【FI】
A63B53/06 D
A63B53/04 H
A63B53/02
A63B102:32
(21)【出願番号】P 2020046585
(22)【出願日】2020-03-17
【審査請求日】2023-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】513163487
【氏名又は名称】株式会社 ロア・ジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】小林 賢司
(72)【発明者】
【氏名】小林 勇一郎
【審査官】相川 俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-004849(JP,A)
【文献】特開2007-215714(JP,A)
【文献】特開2011-072436(JP,A)
【文献】特開平09-225077(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0346634(US,A1)
【文献】特開2009-061002(JP,A)
【文献】米国特許第07156752(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/06
A63B 53/04
A63B 53/02
A63B 102/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブヘッドであって、
ボールを打撃するフェース面を有するフェース部材と、
前記フェース部材の前記フェース面とは反対側の裏面に着脱可能に結合されている本体部材と、
を有し、
前記本体部材は、前記フェース部材に結合された状態で、前記ゴルフクラブヘッドの高さ方向の中央位置に対して上方の領域の重量と前記中央位置に対して下方の領域の重量とが異なっており、
前記中央位置に対して上下をひっくり返して前記裏面に着脱可能であることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記裏面に着脱可能に結合されており、チタン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、ステンレス、タングステン、及びカーボンのうちの少なくとも一つにより構成されるプレートをさらに有し、
前記本体部材は、前記プレートを介して前記フェース部材と着脱可能に結合されていることを特徴とする、
請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記本体部材は、
前記高さ方向において延伸しており、前記裏面に固定されている前面板部と、
前記前面板部の右側に結合された右側部と、
前記前面板部の左側に結合された左側部と、
を有し、
前記右側部及び前記左側部は、前記前面板部に結合された状態で前記高さ方向の中央位置に対して上方の領域の重量と前記中央位置に対して下方の領域の重量とが異なっていることを特徴とする、
請求項1又は2に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記右側部における前記上方の領域の重量と前記下方の領域の重量との比は、前記左側部における前記上方の領域の重量と前記下方の領域の重量との比と同一であることを特徴とする、
請求項3に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記本体部材は、前記上方の領域又は前記下方の領域のいずれか一方の領域において前記右側部と前記左側部との間に設けられた結合部をさらに有することを特徴とする、
請求項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記フェース部材は、
前記本体部材の右側において前記裏面から後方に延びる右側延伸部と、
前記本体部材の左側において前記裏面から後方に延びる左側延伸部と、
を有し、
前記本体部材の後端の位置が、前記右側延伸部の後端の位置及び前記左側延伸部の後端の位置よりも後方であることを特徴とする、
請求項1から5のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフクラブヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、芝に応じて高重心又は低重心のパターヘッドを交換可能なゴルフパターが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のゴルフパターにおいては、ヘッド全体を上下反転することにより重心位置を変えることができた。しかしながら、ヘッド全体を上下反転することにより、フェース面の上下も変化してしまう。フェース面の上下が変化すると、重心以外の特性が変わってしまう場合がある。例えば、フェース面に上下方向に非対称の模様のミーリング加工が施されている場合、フェース面の上下が変化してしまうことにより、ユーザの好みに反して打感や打音が変わってしまったり、ロフト角が変わってしまったりするという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、フェース面の状態を変えることなく重心の位置を変更可能なゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、ゴルフクラブヘッドであって、ボールを打撃するフェース面を有するフェース部材と、前記フェース部材の前記フェース面とは反対側の裏面に着脱可能に結合されている本体部材と、を有し、前記本体部材は、前記フェース部材に結合された状態で、前記ゴルフクラブヘッドの高さ方向の中央位置に対して上方の領域の重量と前記中央位置に対して下方の領域の重量とが異なっていることを特徴とするゴルフクラブヘッドを提供する。
【0007】
また、前記裏面に着脱可能に結合されており、チタン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、ステンレス、タングステン、及びカーボンのうちの少なくとも一つにより構成されるプレートをさらに有し、前記本体部材は、前記プレートを介して前記フェース部材と着脱可能に結合されていてもよい。
【0008】
また、前記本体部材は、前記高さ方向において延伸しており、前記裏面に固定されている前面板部と、前記前面板部の右側に結合された右側部と、前記前面板部の左側に結合された左側部と、を有し、前記右側部及び前記左側部は、前記前面板部に結合された状態で前記高さ方向の中央位置に対して上方の領域の重量と前記中央位置に対して下方の領域の重量とが異なっていてもよい。
【0009】
また、前記右側部における前記上方の領域の重量と前記下方の領域の重量との比は、前記左側部における前記上方の領域の重量と前記下方の領域の重量との比と同一であってもよい。
【0010】
また、前記本体部材は、前記上方の領域又は前記下方の領域のいずれか一方の領域において前記右側部と前記左側部との間に設けられた結合部をさらに有していてもよい。また、前記フェース部材は、前記本体部材の右側において前記裏面から後方に延びる右側延伸部と、前記本体部材の左側において前記裏面から後方に延びる左側延伸部と、を有し、前記本体部材の後端の位置が、前記右側延伸部の後端の位置及び前記左側延伸部の後端の位置よりも後方であってもよい。
【0011】
また、前記フェース部材に着脱可能に設けられた、シャフトを結合するためのホーゼルをさらに有していてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ゴルフクラブヘッドにおいて、フェース面の状態を変えることなく重心の位置が変更可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態に係るゴルフクラブヘッドが設けられているゴルフクラブの構成を示す図である。
【
図2】本実施形態に係るゴルフクラブヘッドの斜視図である。
【
図3】ゴルフクラブヘッドを構成する部材が分離された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[ゴルフクラブTの構成]
図1は、本実施形態に係るゴルフクラブヘッド1が設けられているゴルフクラブTの構成を示す図である。
【0015】
ゴルフクラブTは、例えばパターである。ゴルフクラブTは、ゴルフクラブヘッド1、シャフト2、及びグリップ3を有する。ゴルフクラブヘッド1は、ゴルフクラブTの下端に設けられており、ゴルフクラブTにおけるボールを当てる部位である。ゴルフクラブヘッド1の詳細は後述する。シャフト2は、ゴルフクラブヘッド1に接続されている棒状の部位である。グリップ3は、ゴルフクラブTの上端に設けられており、ユーザが把持する部位である。
【0016】
[ゴルフクラブヘッド1の構成]
図2は、本実施形態に係るゴルフクラブヘッド1の斜視図である。
図3は、ゴルフクラブヘッド1を構成する部材が分離された状態を示す図である。なお、
図3は、
図2に示すゴルフクラブヘッド1と本体部材13の上下が変更された状態を示している。
【0017】
ゴルフクラブヘッド1は、フェース部材11、プレート12、本体部材13、結合部材14、及びホーゼル15を有する。フェース部材11は、フェース面111、裏面112、収容部113、凹部114、右側延伸部115、及び左側延伸部116を有する。フェース面111は、ボールを打撃する面である。裏面112は、フェース部材11のフェース面111とは反対側の面である。
【0018】
収容部113は、後述するプレート12を収容する凹部である。収容部113は、フェース部材11の裏面112側に形成されている。ゴルフクラブヘッド1の高さ方向(以下、「高さ方向」という。)において、収容部113の高さ方向における中心の位置は、フェース部材11の高さ方向における中心の位置と同じである。ゴルフクラブヘッド1の左右方向(以下、「左右方向」という。)において、収容部113の左右方向における中心の位置は、フェース部材11の左右方向における中心の位置と同じである。
【0019】
凹部114は、断面が円形状であり、後述する結合部材14が挿入される。凹部114の少なくとも一部には、螺旋状の溝が形成されている。凹部114は、フェース部材11の裏面112側において、収容部113の内側に形成されている。凹部114は、収容部113のゴルフクラブヘッド1の前後方向(以下、「前後方向」という。)における前方側の面に形成されている。凹部114は、例えば、フェース部材11の高さ方向における中心に形成されている。
図3に示すフェース部材11の裏面112側には、左右方向において2つの凹部114が形成されているが、凹部114の数は任意である。
【0020】
右側延伸部115は、本体部材13の右側において裏面112から後方に延びる板状の部分を含む部位である。左側延伸部116は、本体部材13の左側において裏面112から後方に延びる板状の部分を含む部位である。
【0021】
プレート12は、裏面112に着脱可能に結合されている。プレート12は、例えば長方形の板状であるが、他の形状であってもよい。プレート12は、チタン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、ステンレス、タングステン、及びカーボンのうちの少なくとも一つにより構成される。プレート12には、穴121が形成されている。穴121は、断面が円形状であり、後述する結合部材14が挿入される。穴121は、例えば、プレート12の高さ方向における中心に形成されている。
図3に示すプレート12には、左右方向において2つの穴121が形成されているが、穴121の数は任意である。プレート12は、フェース部材11と本体部材13との間に位置する。
【0022】
高さ方向において、プレート12の高さ方向における中心の位置は、例えば、フェース部材11の高さ方向における中心の位置と同じである。また、左右方向において、プレート12の左右方向における中心の位置は、例えば、フェース部材11の左右方向における中心の位置と同じである。
【0023】
本体部材13は、裏面112に着脱可能に結合されている。本体部材13は、フェース部材11に結合された状態で、高さ方向の中央位置に対して上方の領域の重量と当該中央位置に対して下方の領域の重量とが異なっている。高さ方向において、本体部材13の前後方向における前端の高さは、フェース部材11のフェース面111及び裏面112の高さと同じである。また、左右方向において、本体部材13の左右方向における中心の位置は、フェース部材11の左右方向における中心の位置と同じである。本体部材13の詳細は後述する。
【0024】
ゴルフクラブヘッド1は、このような本体部材13が裏面112に着脱可能に結合されている。よって、ゴルフクラブヘッド1においては、本体部材13を高さ方向の中央位置に対して上下をひっくり返してフェース部材11に着脱することで、フェース面111の状態を変化させることなく、ゴルフクラブヘッド1を高重心のゴルフクラブヘッド1又は低重心のゴルフクラブヘッド1にすることができる。
【0025】
例えば、高さ方向の中央位置に対して上方の領域の重量が当該中央位置に対して下方の領域の重量よりも大きい状態で、本体部材13がフェース部材11に結合されている場合、ゴルフクラブヘッド1は高重心のゴルフクラブヘッド1になる。一方、例えば、高さ方向の中央位置に対して下方の領域の重量が当該中央位置に対して上方の領域の重量よりも大きい状態で、本体部材13がフェース部材11に結合されている場合、ゴルフクラブヘッド1は低重心のゴルフクラブヘッド1になる。
【0026】
結合部材14は、例えばボルトである。結合部材14の少なくとも一部(例えば結合部材14の先端から所定の範囲内)には螺旋状の溝が形成されている。ゴルフクラブヘッド1は、2つの結合部材14を有するが、結合部材14の数は任意である。本体部材13は、結合部材14を後述する本体部材13に形成されている穴132、プレート12に形成されている穴121、及びフェース部材11に形成されている凹部114に挿入して回転させて締め付けることで、フェース部材11に結合されている。
【0027】
ホーゼル15は、フェース部材11に着脱可能に設けられた、シャフト2を結合するための部品である。ホーゼル15は、例えばインナーホーゼルである。ホーゼル15は、断面が円形の凹部が形成されている円柱形状である。当該凹部には、シャフト2の下端が挿入された状態で固定される。
【0028】
ホーゼル15は、フェース部材11の高さ方向における上面に形成されている凹部に挿入された状態で、当該凹部に固定されている。ホーゼル15は、ねじをフェース部材11の高さ方向における下面側から、当該凹部の底面に形成されている穴、及びホーゼル15の底面に形成されている凹部に挿入して、回転させて締め付けることで、当該凹部に固定されている。高さ方向において、ホーゼル15の上端の位置は、フェース部材11の上面の位置と略同じである。
【0029】
ホーゼル15の形状は任意であり、ホーゼル15の上端の位置がフェース部材11の上面から突出していてもよい。すなわち、ホーゼル15は、
図3に示すようなインナーホーゼルに限らず、ロングホーゼル、ショートホーゼル、アウトホーゼル等の任意の形状でよい。ゴルフクラブヘッド1においては、このようにホーゼル15が着脱可能にフェース部材11に結合されていることで、ユーザは、ホーゼル15の種類を変えることによってもゴルフクラブヘッド1の重心の位置を変更することができる。
【0030】
本体部材13は、プレート12を介してフェース部材11と着脱可能に結合されている。ゴルフクラブヘッド1においては、このようにプレート12が着脱可能に結合されていることで、飛距離性能及び打感を変更可能になる。例えば、プレート12の硬度が大きくなるにつれて、プレート12が結合されているゴルフクラブヘッド1でボールを打撃したときの打感が柔らかくなり、飛距離性能が小さくなる。この結果、ゴルフクラブヘッド1は、ユーザの好みの飛距離性能及び打感に合わせて容易に調整することができる。
【0031】
[本体部材13の構造]
本体部材13は、前面板部131、右側部133、左側部134、及び結合部135を有する。前面板部131は、高さ方向において延伸しており、裏面112に固定されている部位である。前面板部131には、穴132が形成されている。穴132は、断面が円形状であり、結合部材14が挿入される。穴132は、前面板部131の高さ方向における中心に形成されている。前面板部131には、左右方向において2つの穴132が形成されている。穴132の数は任意である。
【0032】
右側部133は、前面板部131の右側に結合されている部位である。左側部134は、前面板部131の左側に結合されている部位である。右側部133及び左側部134は、前面板部131に結合された状態で高さ方向の中央位置に対して上方の領域の重量と当該中央位置に対して下方の領域の重量とが異なっている。
図3に示すように、右側部133及び左側部134は、略角筒形状である。右側部133及び左側部134は、前面板部131に結合された状態で上方の領域の高さ方向における厚みと下方の領域の高さ方向における厚みとが異なっている。
【0033】
ゴルフクラブヘッド1においては、前面板部131に前述したような右側部133及び左側部134が結合されていることで、本体部材13を高さ方向の中央位置に対して上下をひっくり返してフェース部材11に着脱することで、ゴルフクラブヘッド1を高重心のゴルフクラブヘッド1又は低重心のゴルフクラブヘッド1にすることができる。
【0034】
また、ゴルフクラブヘッド1においては、前面板部131における穴132の右側及び左側にそれぞれ右側部133及び左側部134が結合されている。このように、穴132の後方が開放状態になっていることで、ユーザが後方からドライバー等の工具の先端を前面板部131に形成されている穴132に近づけ易くなる。よって、ユーザは、工具を用いて結合部材14を回転させ易くなるので、本体部材13をフェース部材11に対して着脱させ易くなる。
【0035】
右側部133における上方の領域の重量と下方の領域の重量との比は、左側部134における上方の領域の重量と下方の領域の重量との比と同一である。ゴルフクラブヘッド1においては、本体部材13にこのような右側部133及び左側部134が設けられていることで、本体部材13の上下を入れ替えたとしても、左右の重量バランスが変化しないようにすることができる。
【0036】
結合部135は、上方の領域又は下方の領域のいずれか一方の領域において右側部133と左側部134との間に設けられた部位である。ゴルフクラブヘッド1は、このような結合部135が設けられている本体部材13を有することで、高さ方向において、ゴルフクラブヘッド1の重心の位置を結合部135が設けられている領域の側により近づけることができる。よって、ゴルフクラブヘッド1においては、ゴルフクラブヘッド1を、より高重心なゴルフクラブヘッド1又はより低重心なゴルフクラブヘッド1にすることができる。
【0037】
本体部材13の後端の位置は、右側延伸部115の後端の位置及び左側延伸部116の後端の位置よりも後方である。ゴルフクラブヘッド1においては、このようにフェース部材11に本体部材13が結合されていることで、重心深度を深くすることができる。重心深度は、重心の深さであり、ゴルフクラブヘッド1の重心からフェース面111までの距離である。
【0038】
[変形例1]
上記実施形態においては、ゴルフクラブヘッド1は、プレート12を有する例を示したが、これに限定されない。ゴルフクラブヘッド1は、フェース部材11、本体部材13、結合部材14、及びホーゼル15を有するものの、プレート12を有していなくてもよい。
【0039】
[変形例2]
上記実施形態においては、フェース部材11には着脱可能にホーゼル15が設けられており、ホーゼル15は、インナーホーゼルである例を示したが、これに限定されない。ホーゼル15は、例えば、ロングホーゼル、ショートホーゼル、又はアウトホーゼルであってもよい。ロングホーゼルは、フェース部材11の上面から上方に向かって延伸している延伸部を有し、当該延伸部の上端にシャフト2の下端が挿入された状態で固定される凹部が形成されている。ショートホーゼルの延伸部は、ロングホーゼルの延伸部よりも短い。
【0040】
アウトホーゼルは、円柱形状を有する。この場合、シャフト2は、シャフト2の下端の凹部にアウトホーゼルが挿入された状態でアウトホーゼルに固定される。または、フェース部材11の凹部には、ホーゼル15が設けられておらず、シャフト2はフェース部材11の凹部に結合されていてもよい。
【0041】
[変形例3]
上記実施形態においては、本体部材13が、上方の領域又は下方の領域のいずれか一方の領域において右側部133と左側部134との間に設けられた結合部135を有する例を示したが、これに限定されない。本体部材13は、例えば、上方の領域又は下方の領域のいずれか一方の領域において右側部133と左側部134との間に設けられた第1結合部を有し、上方の領域又は下方の領域のうち第1結合部が設けられている側の領域とは反対側の領域には、第1結合部の重量と異なる重量の第2結合部を有していてもよい。
【0042】
さらに、第1結合部及び第2結合部が着脱可能に右側部133及び左側部134に固定されていてもよい。第1結合部及び第2結合部が着脱可能になっていることで、第1結合部及び第2結合部それぞれの重量又は重量比を変えることにより、ゴルフクラブヘッド1の重量又は重心位置をさらに柔軟に変えることが可能になる。
【0043】
[変形例4]
上記実施形態においては、フェース部材11には、プレート12を収容するための収容部113が形成されている例を示したが、これに限定されない。例えば、本体部材13の前面板部131の前面側にプレート12を収容するための収容部が形成されていてもよい。または、フェース部材11及び本体部材13には、プレート12を収容するための収容部が形成されていなくてもよい。この場合、プレート12はフェース部材11の裏面112と本体部材13の前面板部131の前面との間に挟まれた状態で、裏面112に着脱可能に結合される。
【0044】
[本実施形態に係るゴルフクラブヘッド1による効果]
本実施形態に係るゴルフクラブヘッド1は、ボールを打撃するフェース面111を有するフェース部材11と、フェース部材11のフェース面111とは反対側の裏面112に着脱可能に結合されている本体部材13と、を有する。そして、本体部材13は、フェース部材11に結合された状態で、ゴルフクラブヘッド1の高さ方向の中央位置に対して上方の領域の重量と当該中央位置に対して下方の領域の重量とが異なっている。
【0045】
ゴルフクラブヘッド1は、このような本体部材13が裏面112に着脱可能に結合されている。よって、ゴルフクラブヘッド1においては、本体部材13を高さ方向の中央位置に対して上下をひっくり返してフェース部材11に着脱することで、フェース面111の状態を変えることなく、ゴルフクラブヘッド1を高重心のゴルフクラブヘッド1又は低重心のゴルフクラブヘッド1にすることができる。
【0046】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0047】
T・・・ゴルフクラブ
1・・・ゴルフクラブヘッド
11・・・フェース部材
111・・・フェース面
112・・・裏面
113・・・収容部
114・・・凹部
115・・・右側延伸部
116・・・左側延伸部
12・・・プレート
121・・・穴
13・・・本体部材
131・・・前面板部
132・・・穴
133・・・右側部
134・・・左側部
135・・・結合部
14・・・結合部材
15・・・ホーゼル
2・・・シャフト
3・・・グリップ