(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】システム及び端末
(51)【国際特許分類】
A61B 5/16 20060101AFI20240822BHJP
A61B 5/352 20210101ALI20240822BHJP
【FI】
A61B5/16 110
A61B5/352
(21)【出願番号】P 2020143785
(22)【出願日】2020-08-27
【審査請求日】2023-08-14
(73)【特許権者】
【識別番号】519220490
【氏名又は名称】株式会社おせっかい倶楽部
(74)【代理人】
【識別番号】100119301
【氏名又は名称】蟹田 昌之
(72)【発明者】
【氏名】森谷 敏夫
【審査官】▲高▼木 尚哉
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-135819(JP,A)
【文献】特開2020-092817(JP,A)
【文献】特開2017-127496(JP,A)
【文献】特開2020-016943(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0223773(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/05-5/0538
A61B 5/06-5/22
A61B 5/24-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置と端末を備えたシステムであって、
前記装置は、複数のRR間隔と前記複数のRR間隔それぞれの測定日時とを前記端末から受信し、
前記装置は、前記受信した複数のRR間隔から所定の時間間隔における複数のRR間隔を選択し、前記選択した複数のRR間隔を用いて自律神経に関わる第1の値及び第2の値を算出し、
前記装置は、前記算出に用いた複数のRR間隔の測定日時と、前記算出した第1の値と、前記算出した第2の値と、に対応する情報を記憶装置から選択し、
前記装置は、前記選択した情報を前記端末に送信し、
前記端末は、前記装置に対して、前記複数のRR間隔と前記複数のRR間隔それぞれの測定日時とを送信し、
前記端末は、前記装置から前記選択された情報を受信する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
装置と端末を備えたシステムであって、
前記装置は、複数のRR間隔と前記複数のRR間隔それぞれの測定日時とユーザの活動状態を示すデータを前記端末から受信し、
前記装置は、前記受信した複数のRR間隔から所定の時間間隔における複数のRR間隔を選択し、前記選択した複数のRR間隔を用いて自律神経に関わる第1の値及び第2の値を算出し、
前記装置は、前記算出に用いた複数のRR間隔の測定日時と、前記算出した第1の値と、前記算出した第2の値と、前記受信したユーザの活動状態を示すデータと、に対応する情報を記憶装置から選択し、
前記装置は、前記選択した情報を前記端末に送信し、
前記端末は、前記装置に対して、前記複数のRR間隔と前記複数のRR間隔それぞれの測定日時と前記ユーザの活動状態を示すデータとを送信し、
前記端末は、前記装置から前記選択された情報を受信する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項3】
装置と端末を備えたシステムにおける前記端末であって、
前記装置は、複数のRR間隔と前記複数のRR間隔それぞれの測定日時とを前記端末から受信し、
前記装置は、前記受信した複数のRR間隔から所定の時間間隔における複数のRR間隔を選択し、前記選択した複数のRR間隔を用いて自律神経に関わる第1の値及び第2の値を算出し、
前記装置は、前記算出に用いた複数のRR間隔の測定日時と、前記算出した第1の値と、前記算出した第2の値と、に対応する情報を記憶装置から選択し、
前記装置は、前記選択した情報を前記端末に送信し、
前記端末は、前記装置に対して、前記複数のRR間隔と前記複数のRR間隔それぞれの測定日時とを送信し、
前記端末は、前記装置から前記選択された情報を受信する、
ことを特徴とする端末。
【請求項4】
装置と端末を備えたシステムにおける前記端末であって、
前記装置は、複数のRR間隔と前記複数のRR間隔それぞれの測定日時とユーザの活動状態を示すデータを前記端末から受信し、
前記装置は、前記受信した複数のRR間隔から所定の時間間隔における複数のRR間隔を選択し、前記選択した複数のRR間隔を用いて自律神経に関わる第1の値及び第2の値を算出し、
前記装置は、前記算出に用いた複数のRR間隔の測定日時と、前記算出した第1の値と、前記算出した第2の値と、前記受信したユーザの活動状態を示すデータと、に対応する情報を記憶装置から選択し、
前記装置は、前記選択した情報を前記端末に送信し、
前記端末は、前記装置に対して、前記複数のRR間隔と前記複数のRR間隔それぞれの測定日時と前記ユーザの活動状態を示すデータとを送信し、
前記端末は、前記装置から前記選択された情報を受信する、
ことを特徴とする端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律神経に関わる情報を処理する装置、システム、及び端末に関する。
【背景技術】
【0002】
電気的筋肉刺激システムが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施形態は、自律神経に関してユーザに分かりやすい情報を提供する装置、システム、及び端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、次の一実施形態を含む。
【0006】
複数のRR間隔と前記複数のRR間隔それぞれの測定日時とを端末から受信し、
前記受信した複数のRR間隔から所定の時間間隔おける複数のRR間隔を選択し、前記選択した複数のRR間隔を用いて自律神経に関わる第1の値及び第2の値を算出し、
前記算出に用いた複数のRR間隔の測定日時と、前記算出した第1の値と、前記算出した第2の値と、に対応する情報を記憶装置から選択し、
前記選択した情報を出力及び/又は前記端末に送信する、装置。
【0007】
複数のRR間隔と前記複数のRR間隔それぞれの測定日時とユーザの活動状態を示すデータを端末から受信し、
前記受信した複数のRR間隔から所定の時間間隔における複数のRR間隔を選択し、前記選択した複数のRR間隔を用いて第1の値及び第2の値を算出し、
前記算出に用いた複数のRR間隔の測定日時と、前記算出した第1の値と、前記算出した第2の値と、前記受信したユーザの活動状態を示すデータと、に対応する情報を記憶装置から選択し、
前記選択した情報を出力及び/又は前記端末に送信する、装置。
【0008】
上記の端末。
【0009】
上記の装置と上記の端末を備えたシステム。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、自律神経に関してユーザに分かりやすい情報を提供する装置、システム、及び端末を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】実施形態1に係るシステムの構成例を示す模式図である。
【
図1B】実施形態1に係るシステムの動作例を説明する図である。
【
図1C】実施形態1に係る情報の記憶例を説明する図である。
【
図2A】実施形態2に係るシステムの動作例を説明する図である。
【
図2B】実施形態2に係る情報の記憶例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施形態1に係るシステム1]
図1Aは、実施形態1に係るシステムの構成例を示す模式図である。
図1Aに示すように、実施形態1に係るシステム1は、装置10と端末20とを備えたシステムである。なお、後述の実施形態2に係るシステム2も、実施形態1のシステム1と同様の装置構成を有することから、
図1には、システムの符号を「1,2」と記載している。
【0013】
(装置10)
装置10は、端末20と通信が可能な装置である。装置10の一例としては、インターネットに接続されるサーバや、自宅や職場に設置された装置などを挙げることができる。なお、装置10と端末20は、1つの筐体に収容可能な装置として構成されていてもよい。
【0014】
(端末20)
端末20は、装置10に対して、複数のRR間隔と複数のRR間隔それぞれの測定日時とを送信する装置である。端末20は、自装置により、ユーザのRR間隔を測定することができる装置であることが好ましいが、他の装置で測定されたユーザのRR間隔を実施形態に係る装置10に送信する装置であってもよい。ユーザとは、端末20の使用者をいう。端末20のユーザは、例えば端末20を身につけている者、例えば端末20を手首に装着している者である。端末20の一例としては、ウェラブルデバイスやスマートフォン等を挙げることができる。ウェラブルデバイスの一例としては、腕時計型の装置やメガネ型の装置などを挙げることができる。端末20は、RR間隔や測定日時などの、本実施形態の端末20が処理するデータのみを処理する装置であってもよいが、時刻の表示やメールの送受信などの他のデータを処理することもできる汎用の装置であってもよい。つまり、本実施形態の端末20には、本実施形態の端末20としての機能が例えばアプリとしてインストールされた汎用の装置も含まれる。
【0015】
装置10と端末20が通信する方式の一例としては、無線通信及び/又は有線通信を挙げることができる。このほか、端末20を装置10にかざしたり接触させたりする通信方式も、装置10と端末20が通信する方式の一例として挙げることができる。
【0016】
RR間隔(RRI:RR Interval)とは、心電図における、R波のピーク位置からその次のR波のピーク位置までの時間間隔をいう。心臓は、R波の発生タイミングで心室収縮がおこることから、RR間隔は心拍周期とほぼ等しくなる。上記の時間間隔そのものでなくても、血流、体動など上記の時間間隔に対応する時間間隔は、本明細書におけるRR間隔に含まれるものとする。端末20は、公知の方法により、ユーザのRR間隔を測定し、あるいは、他の装置10からユーザのRR間隔を取得することができる。
【0017】
(動作例)
図1Bは、実施形態1に係るシステムの動作例を説明する図である。以下、
図1Bを参照しつつ、実施形態1に係るシステム1の動作例を説明する。
【0018】
(ステップS11)
まず、装置10が、複数のRR間隔と複数のRR間隔それぞれの測定日時とを端末20から受信する。端末20から受信した複数のRR間隔と測定日時は、例えば、テーブル形式(表形式)、つまり、RR間隔と測定日時を同じ行の異なる列に格納する形式で記憶することにより、RR間隔と測定日時の対応関係が分かるように記憶されることが好ましい。
【0019】
本明細書において、「測定日時」の一例には、例えば、2020年8月10日9時11分00秒11のように、測定した日と測定した時刻を含むデータだけでなく、例えば、9時11分00秒11のように、測定した時刻を含むが測定した日を含まないデータも含まれるものとする。
【0020】
時刻は少なくとも十ミリ秒単位までを特定するものであることが好ましい。このようにすれば、後述の周波数解析において必要となる等時間間隔データの作成(例:端末20から受信した複数のRR間隔を等時間間隔のサンプルデータに変換する処理)や、データが欠損している場合の補完(例:端末20が測定できなったRR間隔を補完する処理)が可能となる。
【0021】
(ステップS12)
次に、装置10が、ステップS11で受信した複数のRR間隔から所定の時間間隔における複数のRR間隔を選択し、この選択した複数のRR間隔を用いて自律神経に関わる第1の値及び第2の値を算出する。例えば、所定の時間間隔が4分間に設定されている場合であって、端末20から、
RR間隔1:2020年8月10日9時11分00秒11、
RR間隔2:2020年8月10日9時11分00秒97、
RR間隔3:2020年8月10日9時11分01秒83、
・・・・・
RR間隔279:2020年8月10日9時15分00秒02
RR間隔280:2020年8月10日9時15分00秒88
という合計280セットのRR間隔と測定日時を受信した場合は、最初に受信したRR間隔1の測定日時である2020年8月10日9時11分00秒11から4分をはじめて超える2020年8月10日9時15分00秒88までのRR間隔を選択することができる。つまり、RR間隔1からRR間隔280までの合計280のRR間隔を選択することができる。なお、上記した補完とは、例えば、RR間隔3の上記データが欠損している場合(諸事情により端末10がRR間隔3を測定できなかった場合)に、これを補完することをいう。
【0022】
本実施形態は、所定の時間間隔を4分間とするが、所定の時間間隔は装置10の提供者、販売者、または管理者、あるいはユーザなどが任意の時間間隔に設定することができる、あるいは予め設定されている複数の時間間隔のうちの1つに設定することができる。
【0023】
装置10は、ステップS11で受信した複数のRR間隔と複数のRR間隔それぞれの測定日時を周波数解析することによりパワースペクトルを算出する。具体的には、例えば、端末20から受信した複数のRR間隔を等時間間隔のサンプルデータに変換し、このようにして得られた等時間間隔のサンプルデータを高速フーリエ変換で解析することによりパワースペクトルを算出する方法があるが、周波数解析手法はこれに限らない。上記のとおり、サンプルデータの変換に際し、端末20が測定できなったRR間隔については、端末20から受信した測定日時を用いて補完することができる。これら等時間間隔データの作成やデータの補完は、選択した複数のRR間隔に加えて、複数のRR間隔の測定日時を用いて行われる。このように測定日時を用いる場合も、選択した複数のRR間隔を用いていることに変わりはなく、選択した複数のRR間隔を用いて第1の値及び第2の値を算出する形態に含まれるものとする。周波数解析は、高速フーリエ変換であることが好ましいが、その他の周波数解析方法でパワースペクトルを求めることも可能である。
【0024】
RR間隔は、後述のように自律神経により制御されており、刻々と変化している。この変化の中には周期的に起こるものがあり、それらはパワースペクトルを計算することでとらえることができる。パワースペクトルは、RR間隔変動の周波数成分をパワー(エネルギー)として表したものであり、パワー(p)と周波数(F)の関係を示す情報である。パワースペクトルを用いれば、目的の周波数帯(F0~Fn)に、どの程度のパワー(p)が集中しているかを特定することができる。パワースペクトルの縦軸はパワー(p)で示される値であり、パワースペクトルの横軸で示される値は周波数(F)である。パワー(p)の単位はms2(ミリ秒の二乗)であり、周波数(F)の単位はHzである。
【0025】
装置10は、算出したパワースペクトルを用いてパワーを第1周波数(F1)から第2周波数(F2)まで積分することによりLFを算出する。また、装置10は、算出したパワースペクトルを用いてパワーを第2周波数(F2)から第3周波数(F3)まで積分することによりHFを算出する。パワースペクトルからは、当該周波数のパワーの値が直接読み取れるため、F1≦x≦F2の範囲でパワーを足し算することによりLFを算出し、F2≦x≦F3の範囲で足し算することによりHFを算出することができる。
【0026】
LFは、上記のとおり、第1周波数(F1)から第2周波数(F2)までパワーを積分した値である。第1周波数(F1)は例えば0.03Hzであり、第2周波数(F2)は例えば0.15Hzである。LFは、低周波(Low Frequency)の略語であり、メイヤー波と呼ばれる約10秒周期の血圧変化を信号源とする変動波が、心拍変動にどの程度含まれているかを示す。
【0027】
HFは、上記のとおり、第2周波数(F2)から第3周波数(F3)までパワーを積分した値である。第2周波数(F2)は例えば0.15Hzであり、第3周波数(F3)は例えば0.4Hzである。HFは、高周波(High Frequency)の略語であり、3秒から4秒程度の周期を持つ呼吸を信号源とする変動波が、心拍変動にどの程度含まれているかを示す。
【0028】
装置10は、このようにして算出したHFとLFの和(LF+HF)を用いて第1の値を算出し、HFとLFの商(LF/HF)を用いて第2の値を算出することができる。装置10は、例えば、HFとLFの和(LF+HF)そのものを第1の値とし、HFとLFの商(LF/HF)そのものを第2の値とすることができるが、第1の値や第2の値としては、これら和や商そのもののほか、これら和や商を用いて算出される値(これら和や商に係数を掛けるなどして算出される値)を用いることができる。なお、商は割合の一例である。
【0029】
交感神経と副交感神経の緊張状態のバランスによって、心拍変動に現れるHFとLFの大きさが異なってくる。HFは、呼吸変動を反映しており、副交感神経が優位な場合により多く心拍変動に現れる。他方、LFは、交感神経が優位な場合も、副交感神経が優位な場合も心拍変動に同程度に現れる。これらのHFとLFを用いることにより、自律神経のバランスを推定することができる。交感神経が優位な場合、つまり、心拍変動においてLFの成分が多い場合は、「ストレスな状態」であると推定でき、副交感神経が優位な場合、つまり、心拍変動においてHFの成分が多い場合は、「リラックスした状態」であると理解できる。第1の値としてHFとLFの和あるいは当該和を用いた値を用いる場合には、第1の値により、自律神経の総合的な活動の度合いを示すことができる。また、第2の値としてHFとLFの商(LF/HF)あるいは当該商を用いた値を用いる場合には、交感神経が優位であるのか副交感神経が優位であるのかを示すことができる。
【0030】
(ステップS13)
次に、装置10が、ステップS12での算出に用いた複数のRR間隔の測定日時と、ステップS12で算出した第1の値と算出した第2の値とに対応する情報を記憶装置30から選択する。記憶装置30は、装置10の内部及び/又は外部に設置されている。
【0031】
情報を選択するキーの一つに測定時間が含まれるため、同一日かつ、第1の値と第2の値が同じでも、測定時間が異なる場合には、異なる内容の情報が選択され、ユーザに送信されることになる。自律神経の状態を正しく観察し、ユーザに提供するためには、第1の値や第2の値の日内変動(24時間内の変動)が大切である。そこで、本実施形態では、時間帯ごとに情報を分け、ユーザに提供することとしている。
【0032】
装置10には例えば
図1Cに示すように、測定時間の範囲と第1の値の範囲と第2の値の範囲とに対応付けて情報が対応付けて記憶されている。
図1C中のY1及びY2としては、任意の数字が設定される。本実施形態では、情報01から情報08の合計8つの情報がそれぞれ対応付けて記憶されているが、さらに細分化することも可能である。各情報は、自律神経の状態をわかりやすくした情報である。このように、本実施形態によれば、ユーザの自律神経の総合的な活動の度合いを示す第1の値と、交感神経と副交感神経のどちらが優位であるのかの第2の値とに基づいて、これらの値をそのままユーザに提示するのではなく、自律神経の状態をわかりやすくした情報に置き換えて提示することができるため、ユーザに自律神経の状態を分かりやすく伝えることができる。情報01乃至情報08の各情報は、画像、文字、動画、及び音声の少なくとも1つを用いて構成される情報であればよい。これら情報の一例としては、「深呼吸をしてリラックスしましょう」、「ストレッチして筋肉をほぐしましょう」などの文字情報や、自律神経の状態に応じたイラストや写真などを挙げることができる。
【0033】
(ステップS14)
次に、装置10が、ステップS13で選択した情報を端末20に送信する。端末20は、受信した情報を、端末20が備える出力装置(例:端末20に内蔵された画面、スピーカー、振動装置)、あるいは端末20に接続された出力装置(例:端末20に外付けされた画面、スピーカー、振動装置)に出力する。なお、装置10は、選択した情報を、端末20に送信することに加えて、あるいは端末20に送信することに代えて、装置10が備える出力装置(例:装置10に内蔵された画面、スピーカー、振動装置)、あるいは装置10に接続された出力装置(例:装置10に外付けされた画面、スピーカー、振動装置)に出力してもよい。
【0034】
以上説明した実施形態によれば、端末20から取得した複数のRR間隔を用いて、自律神経に関する適切な情報を端末20に送信することができる。具体的には、測定時刻、心電図のRR間隔(RRI)に相当する値を継続的に収集・分析し、ユーザの状況を分かりやすくフィードバックするシステム1を提供することができる。また、24時間の日内変動が大切なことから、各時間帯のデータを収集し結果をフィードバックすることができる。また、ユーザの自律神経の総合的な活動の度合いを示す第1の値と、交感神経と副交感神経のどちらが優位であるのかの第2の値とに基づいて、これらの値をそのままユーザに提示するのではなく、自律神経の状態をわかりやすくした情報に置き換えて提示する。このようにして、ユーザに状態を分かりやすく伝えることができる。
【0035】
[実施形態2に係るシステム2]
実施形態2に係るシステム2は、装置10が、複数のRR間隔と複数のRR間隔それぞれの測定日時とユーザの活動状態を示すデータを端末20から受信し、受信した複数のRR間隔から所定の時間間隔における複数のRR間隔を選択し、選択した複数のRR間隔を用いて第1の値及び第2の値を算出し、算出に用いた複数のRR間隔の測定日時と、算出した第1の値と、算出した第2の値と、受信したユーザの活動状態を示すデータと、に対応する情報を記憶装置30から選択し、選択した情報を出力及び/又は端末20に送信する点で、実施形態1に係るシステム1と相違し、その他の点は同じ構成を有する。以下では、相違する点を説明し、同じ構成である点の説明は省略する。
【0036】
(動作例)
図2Aは、実施形態2に係るシステム2の動作例を説明する図である。以下、
図2Aを参照しつつ、実施形態2に係るシステム2の動作例を説明する。
【0037】
(ステップS21)
まず、装置10が、複数のRR間隔と、複数のRR間隔それぞれの測定日時と、ユーザの活動状態を示すデータと、を端末20から受信する。ユーザの活動状態を示すデータの一例としては、歩数、血糖値、及び血圧の少なくとも1つを挙げることができる。これらの活動状態を示すデータは、端末20から取得しても良いし、外部から取得しても良い。
【0038】
(ステップS22)
次に、装置10が、ステップS21で受信した複数のRR間隔から所定の時間間隔における複数のRR間隔を選択し、この選択した複数のRR間隔を用いて自律神経に関わる第1の値及び第2の値を算出する。
【0039】
(ステップS23)
次に、装置10が、ステップS22での算出に用いた複数のRR間隔の測定日時と、ステップS22で算出した第1の値と算出した第2の値と、ステップS21で受信したユーザの活動状態を示すデータと、に対応する情報を記憶装置30から選択する。
【0040】
装置10には、実施形態1の場合と同様に、測定日時の範囲と第1の値の範囲と第2の値の範囲とに対応付けて情報が対応付けて記憶されている。
図2Bに示すように、実施形態2では、さらに、活動状態を示すデータ(本実施形態では、その一例である歩数)の範囲に対応付けて、各情報が記憶されている。例えば、
図2Bでは、測定日時の範囲と第1の値の範囲と第2の値の範囲とを対応付けて格納するテーブルを、活動状態を示すデータの範囲ごとに作成することにより、測定日時の範囲と第1の値の範囲と第2の値の範囲と活動状態を示すデータの範囲とに対応付けて情報01から情報16が記憶されている。これにより、活動状態を示すデータも踏まえたうえで、自律神経に関する適切な情報(例:「動きましょう」)をユーザに提供することが可能となる。
図2B中のX、Y1、及びY2としては、任意の数字が設定される。
【0041】
(ステップS24)
次に、装置10が、ステップS23で選択した情報を端末20に送信する。端末20は、受信した情報を、端末20が備える出力装置(例:端末20に内蔵された画面、スピーカー、振動装置)、あるいは端末20に接続された出力装置(例:端末20に外付けされた画面、スピーカー、振動装置)に出力する。なお、装置10は、選択した情報を、端末20に送信することに加えて、あるいは端末20に送信することに代えて、装置10が備える出力装置(例:装置10に内蔵された画面、スピーカー、振動装置)、あるいは装置10に接続された出力装置(例:装置10に外付けされた画面、スピーカー、振動装置)に出力してもよい。
【0042】
以上説明した実施形態2によれば、実施形態1の場合の効果に加えて、ユーザの活動状態に合わせた改善法(処方)を、ユーザに提供することができる。
【0043】
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの説明は、本発明の一例に関するものであり、本発明は、これらの説明によって何ら限定されるものではない。
【符号の説明】
【0044】
1、2 システム
10 装置
20 端末
30 記憶装置