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  • 特許-放射パネルおよびその製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】放射パネルおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 5/00 20060101AFI20240822BHJP
   F24D 3/16 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
F24F5/00 101B
F24D3/16 C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021001572
(22)【出願日】2021-01-07
(65)【公開番号】P2022106518
(43)【公開日】2022-07-20
【審査請求日】2023-11-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000143972
【氏名又は名称】株式会社ササクラ
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】弁理士法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】奥中 亮介
(72)【発明者】
【氏名】岡田 夕紀
【審査官】塩田 匠
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-040663(JP,A)
【文献】特開2014-240744(JP,A)
【文献】米国特許第06910526(US,B1)
【文献】特開2010-043810(JP,A)
【文献】特開2005-050919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 5/00
F24D 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル本体と、前記パネル本体に並列配置される複数のヒートシンクとを備え、前記ヒートシンクは、熱媒流体が通過するパイプが装着される装着部を有する放射パネルであって、
複数の前記ヒートシンクを横断するように前記パネル本体に固定される押圧部材を更に備え、
前記押圧部材は、前記ヒートシンクに接触して前記ヒートシンクを前記パネル本体に押し付けるように、複数が互いに間隔をあけて設けられており、
前記ヒートシンクは、複数の前記押圧部材の間における少なくとも一部で、前記パネル本体に対して接着剤により接着されており、
前記押圧部材は、帯状に形成されて長手方向に延びる一方側縁に複数の切欠部を有する押圧板を備えており、前記各切欠部に前記各ヒートシンクの端部がそれぞれ嵌合された状態で前記パネル本体に取り付けられている放射パネル。
【請求項2】
前記切欠部は、両側縁部が前記ヒートシンクに形成されたくびれ部に係合する請求項に記載の放射パネル。
【請求項3】
前記装着部は、断面円弧状に形成されて帯状の基板に支持されており、
前記くびれ部は、前記基板と前記装着部との間に形成されている請求項に記載の放射パネル。
【請求項4】
前記装着部に装着されたパイプと、前記パイプを上方から押さえるように前記パネル本体に固定された保持部材とを更に備え、
前記保持部材は、前記パネル本体に対する前記ヒートシンクの接着箇所の直上を押圧するように配置されている請求項1からのいずれかに記載の放射パネル。
【請求項5】
パネル本体と、前記パネル本体に並列配置される複数のヒートシンクとを備え、前記ヒートシンクは、熱媒流体が通過するパイプが装着される装着部を有する放射パネルの製造方法であって、
複数の前記ヒートシンクを並列配置して両端部を複数の押圧部材によりそれぞれ連結することにより、ヒートシンクユニットを形成するユニット形成工程と、
前記ヒートシンクユニットを前記パネル本体に配置して、複数の前記押圧部材を前記パネル本体に固定することにより、前記ヒートシンクの両端部を前記押圧部材により前記パネル本体に押し付けるユニット取付工程とを備え、
前記ユニット取付工程は、複数の前記押圧部材の間における少なくとも一部で、前記ヒートシンクを前記パネル本体に対して接着剤により接着する工程を備える放射パネルの製造方法。
【請求項6】
前記押圧部材は、帯状に形成されて長手方向に延びる一方側縁に複数の切欠部を有する押圧板を備えており、
前記ユニット形成工程は、前記各切欠部に複数の前記ヒートシンクの端部をそれぞれ嵌合する工程を備える請求項に記載の放射パネルの製造方法。
【請求項7】
前記ヒートシンクユニットは、前記装着部に装着されたパイプを備えており、
前記ユニット取付工程は、前記パイプを上方から押さえる保持部材を前記パネル本体に固定して、前記パネル本体に対する前記ヒートシンクの接着箇所の直上を前記保持部材により押圧する工程を備える請求項5または6に記載の放射パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射パネルおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
室内の冷暖房を行うため、天井等に放射パネルを施工することが従来から行われている。例えば、特許文献1には、熱交換パイプを保持する保持部材がパネル本体(原文では輻射パネル)の裏面に取り付けられた冷暖房パネルが開示されている。保持部材は、金属製のヒートシンクであり、パネル本体の裏面に塗布されたホットメルト接着剤を介して放射パネルに接着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-43810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記従来の冷暖房パネルのように、放射パネルに対する保持部材の取り付けが、ホットメルト接着剤を用いた接着のみによって行われる場合には、ヒートシンクおよびパネル本体の部品公差や反り等の影響を受けて両者の間に部分的な剥がれが生じ易いことから、ヒートシンクに保持された熱交換パイプからパネル本体に熱を効率良く伝えることが困難であった。また、ヒートシンクを両面テープでパネル本体に接着することも従来から行われているが、両面テープの伝熱性が低く剥がれ易いために、接着剤で接着する場合と同様の問題を生じていた。
【0005】
そこで、本発明は、伝熱性の向上により空調を効率良く行うことができる放射パネルおよびその製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の前記目的は、パネル本体と、前記パネル本体に並列配置される複数のヒートシンクとを備え、前記ヒートシンクは、熱媒流体が通過するパイプが装着される装着部を有する放射パネルであって、複数の前記ヒートシンクを横断するように前記パネル本体に固定される押圧部材を更に備え、前記押圧部材は、前記ヒートシンクに接触して前記ヒートシンクを前記パネル本体に押し付けるように、複数が互いに間隔をあけて設けられており、前記ヒートシンクは、複数の前記押圧部材の間における少なくとも一部で、前記パネル本体に対して接着剤により接着されており、前記押圧部材は、帯状に形成されて長手方向に延びる一方側縁に複数の切欠部を有する押圧板を備えており、前記各切欠部に前記各ヒートシンクの端部がそれぞれ嵌合された状態で前記パネル本体に取り付けられている放射パネルにより達成される。
【0008】
前記切欠部は、両側縁部が前記ヒートシンクに形成されたくびれ部に係合することが好ましい。前記装着部が断面円弧状に形成されて帯状の基板に支持された構成において、前記くびれ部は、前記基板と前記装着部との間に形成される。
【0009】
上記の放射パネルは、前記装着部に装着されたパイプと、前記パイプを上方から押さえるように前記パネル本体に固定された保持部材とを更に備える構成にすることができる。前記保持部材は、前記パネル本体に対する前記ヒートシンクの接着箇所の直上を押圧するように配置されていることが好ましい。
【0010】
また、本発明の前記目的は、パネル本体と、前記パネル本体に並列配置される複数のヒートシンクとを備え、前記ヒートシンクは、熱媒流体が通過するパイプが装着される装着部を有する放射パネルの製造方法であって、複数の前記ヒートシンクを並列配置して両端部を複数の押圧部材によりそれぞれ連結することにより、ヒートシンクユニットを形成するユニット形成工程と、前記ヒートシンクユニットを前記パネル本体に配置して、複数の前記押圧部材を前記パネル本体に固定することにより、前記ヒートシンクの両端部を前記押圧部材により前記パネル本体に押し付けるユニット取付工程とを備え、前記ユニット取付工程は、複数の前記押圧部材の間における少なくとも一部で、前記ヒートシンクを前記パネル本体に対して接着剤により接着する工程を備える放射パネルの製造方法により達成される。
【0011】
この放射パネルの製造方法において、前記押圧部材は、帯状に形成されて長手方向に延びる一方側縁に複数の切欠部を有する押圧板を備えることが好ましく、前記ユニット形成工程は、前記各切欠部に複数の前記ヒートシンクの端部をそれぞれ嵌合する工程を備えることが好ましい。
【0012】
前記ヒートシンクユニットが、前記装着部に装着されたパイプを備える構成において、前記ユニット取付工程は、前記パイプを上方から押さえる保持部材を前記パネル本体に固定して、前記パネル本体に対する前記ヒートシンクの接着箇所の直上を前記保持部材により押圧する工程を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、安価な構成により空調を効率良く行うことができる放射パネルおよびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る放射パネルの平面図である。
図2図1のA-A断面図である。
図3図1に示す放射パネルの要部を示す分解平面図である。
図4図1のB-B断面図である。
図5図1に示す放射パネルの分解図である。
図6図1に示す放射パネルの要部を変形例と共に示す断面図である。
図7図1に示す放射パネルの他の変形例を示す要部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る放射パネルの平面図である。図1に示す放射パネル1は、屋内の天井に取り付けられる冷暖房用の放射パネルであり、パネル本体10と、パネル本体10の上面に並列配置される複数(本実施形態では6つ)のヒートシンク20と、ヒートシンク20の両端部をそれぞれパネル本体10に向けて押圧する複数の押圧部材30,30と、ヒートシンク20の中央部をパネル本体10に向けて押圧する保持部材40とを備えている。
【0016】
パネル本体10は、アルミニウム、鉄等の熱伝導性が高い金属材料等からなる平面視矩形状の平板状の部材であり、短手方向の両側にフランジ部11a,11bが形成され、長手方向の両側にフランジ部13a,13bが形成されている。パネル本体10の下面側は、本実施形態においては平坦状に形成されているが、複数のリブや湾曲部等を設けてもよい。パネル本体10には、必要に応じて多数の小孔を形成してもよい。
【0017】
ヒートシンク20は、熱伝導性が高い金属製の部材であり、帯状の基板21と、基板21の長手方向に沿って延びる装着部22とを備え、例えば押出成形によって製造される。ヒートシンク20は、複数が等間隔に平行に配置されており、それぞれの装着部22には、パイプ90の直線部91が装着される。
【0018】
パイプ90は、流路が蛇行するように、隣接する直線部91の端部同士が曲線部92を介して接続されており、一方端部側93から他方端部側94に向けて熱媒流体が内部を通過する。パイプ90の材料は特に限定されないが、アルミニウム等からなる金属管や、この金属管の内外面がポリエチレン等の樹脂でコーティングされた三層管など、軽量且つある程度の剛性を有する材料を好ましく例示することができる。
【0019】
押圧部材30は、帯状の押圧板31を備えており、複数のヒートシンク20の端部を横断するようにパネル本体10に固定されて、押圧板31がヒートシンク20の並列方向(ヒートシンク20の長手方向に対して直交する方向)に沿って配置されている。押圧板31の長手方向に延びる一方側縁には、複数の切欠部33が形成されており、各切欠部33にヒートシンク20が嵌合されている。押圧板31の長手方向に延びる他方側縁には、上面側に起立する補強板32が折り曲げによって形成されている。
【0020】
図2は、図1のA-A断面図である。図2に示すように、ヒートシンク20の装着部22は、上方が開口する断面円弧状に形成されており、下側を支持する基板21との間に、くびれ部23が形成されている。押圧部材30の切欠部33は、図3に分解平面図で示すように平面視矩形状に形成されており、図3の矢示方向への水平移動により、各切欠部33の両側縁部331,332が、ヒートシンク20のくびれ部23に係合する。こうして、複数のヒートシンク20が、押圧部材30により端部で連結される。
【0021】
図2に示すように、パネル本体10の左右両側に形成されたフランジ部11a,11bは、外側が起立するように折り曲げられて、取付部12a,12bが形成されている。一方、押圧部材30の左右両側には、フランジ部11a,11bおよび取付部12a,12bとそれぞれ接合する水平部34a,34bおよび起立部35a,35bが、折り曲げによって形成されている。取付部12a,12bおよび起立部35a,35bは、リベット孔に打ち込まれたリベット36により互いに固定される。こうして、押圧部材30がパネル本体10のフランジ部11a,11bに取り付けられて、押圧板31が、各ヒートシンク20の基板21をパネル本体10に押し付ける。
【0022】
保持部材40は、帯状の保持板41を備えており、複数のヒートシンク20の中央部を横断するようにパネル本体10に固定されている。保持板41の長手方向に延びる両側縁には、上面側に起立する補強板42,43が設けられている。
【0023】
図4は、図1のB-B断面図である。図4に示すように、保持部材40の長手方向両側には、パネル本体10の取付部12a,12bにそれぞれ接合する起立部44a,44bが、保持板41の折り曲げによって形成されている。取付部12a,12bおよび起立部44a,44bは、リベット孔に打ち込まれたリベット45により互いに固定される。こうして、保持部材40が、パネル本体10のフランジ部11a,11bに取り付けられて固定される。
【0024】
起立部44a,44bの上部は、鉤状に屈曲してフック47a,47bが形成されており、フック47a,47bを利用して、パネル本体10を天井等に取り付けることができる。但し、フックは、パネル本体10の他の箇所に設けてもよく、あるいは、フックを使用せずに、例えば、井桁状の天井フレームにフランジ部12a,12bを係止させたり、保持部材40に取り付けた吊りボルト(図示せず)を用いる等して、パネル本体10を天井等に取り付けることもできる。
【0025】
保持板41の下面側にはスポンジ等からなる緩衝材46が設けられており、保持部材40がパネル本体10に取り付けられることにより、緩衝材46の下面がパイプの直線部91に接触して、直線部91がヒートシンク20の装着部22に確実に保持される。保持板41が緩衝材46を介して直線部91を押圧することにより、直線部91の広範囲を均一に押圧することができるので、後述する接着剤50の厚みを薄くして、ヒートシンク20からパネル本体10への伝熱性を良好にすることができる。但し、緩衝材46を設けずに、保持板41が直線部91を直接押圧するように構成してもよい。
【0026】
図1および図4に示すように、ヒートシンク20は、保持部材40の直下において、接着剤50によりパネル本体10に部分的に接着されている。接着剤50の材料は、必ずしも限定されないが、パネル本体10のたわみ変形やねじれ変形等への追従性を高めるため、シリコンシーラント、コーキング剤、ホットメルト接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤等の弾性接着剤を好ましく使用することができ、熱伝導性が高い材料であることが好ましい。
【0027】
上記の構成を備える放射パネル1は、並列配置した複数のヒートシンク20の両端部を、押圧部材30,30の各切欠部33に嵌合してそれぞれ連結することにより、図5に示すヒートシンクユニット100を形成するユニット形成工程と、形成されたヒートシンクユニット100をパネル本体10に配置し、押圧部材30,30をパネル本体10にそれぞれ固定して、各ヒートシンク20の両端部を押圧部材30,30によりパネル本体10に押し付けるユニット取付工程とを備える製造方法により、製造することができる。図5に示すように、パネル本体10の長手方向中央部において各ヒートシンク20が配置される箇所に、予め接着剤50を塗布しておくことで、上記のユニット取付工程において、各ヒートシンク20をパネル本体10に対して接着剤50により部分的に接着することができる。接着剤50は、パネル本体10に塗布する代わりに、ヒートシンク20に塗布してもよく、あるいは、パネル本体10およびヒートシンク20の双方に塗布してもよい。
【0028】
上記のユニット取付工程は、図5に示すヒートシンクユニット100をパネル本体10に取り付けた後、図1に示すように、各ヒートシンク20の装着部22にパイプ90の直線部91を叩き込んで、パイプ90を各ヒートシンク20に装着する。ついで、図5に示すように、保持部材40をパネル本体10に固定し、各ヒートシンク20に装着されたパイプ(図5では図示せず)を上方から保持部材40で押さえることにより、接着剤50による各ヒートシンク20の接着箇所の直上を、保持部材40により押圧する。
【0029】
本実施形態の放射パネル1は、複数のヒートシンク20に接触して各ヒートシンク20をパネル本体10に押し付ける複数の押圧部材30を備えることにより、パネル本体10とヒートシンク20との間に隙間が生じるのを安価な構成により確実に防止して、良好な伝熱性を維持することができる。したがって、接着剤50によるパネル本体10に対するヒートシンク20の接着は、複数の押圧部材30,30間における少なくとも一部であればよい。例えば、パネル本体10とヒートシンク20とを押圧部材30,30間で部分的に接着することにより、製造コストの低減を図ることができると共に、パネル本体10とヒートシンク20との間に接着剤50が介在しない箇所においては、両者を直接接触させることができるため、熱伝導性をより向上させて、空調効率を高めることができる。但し、複数の押圧部材30,30間におけるヒートシンク20の全体を、接着剤50によりパネル本体10に接着してもよい。
【0030】
更に、保持部材40が、パネル本体10に対するヒートシンク20の接着箇所の直上を押圧するように配置されているので、接着剤50によるパネル本体10とヒートシンク20との接着を、容易且つ確実に行うことができる。但し、パネル本体10とヒートシンク20との接着箇所は、必ずしも保持部材40で押圧する必要はなく、例えば、保持部材40を備えない構成や、保持部材40が接着箇所以外を押圧する構成であってもよい。
【0031】
複数の押圧部材30によるヒートシンク20の押圧箇所は、必ずしもヒートシンク20の長手方向両端部である必要はなく、例えば、3つ以上の押圧部材30をヒートシンク20の長手方向に沿って等間隔に配置してもよい。パネル本体10に対するヒートシンク20の接着箇所は、間隔をあけて配置された複数の押圧部材30, 30間の任意の箇所とすることができるが、パネル本体10とヒートシンク20との間で隙間が生じ易い箇所であることが好ましい。例えば、パネル本体10の長手方向中央部は、放射パネル1を設置する際のたわみによってヒートシンク20との間に隙間が生じ易いため、この部分を接着剤50によりヒートシンク20に接着することが好ましい。
【0032】
押圧板31には、切欠部33が形成された一方側縁とは反対側の他方側縁から起立する起立板32が設けられているため、押圧板31の剛性を高めて複数のヒートシンク20の端部を、パネル本体10に確実に密着させることができる。図3に示すように、補強板32と切欠部33との間には、若干の切り残し部Uを確保することが好ましく、補強板32と切欠部33との距離Dは、例えば、3~10mm程度とすることが好ましい。
【0033】
ヒートシンク20は、図6(a)に拡大断面図で示すように、装着部22が断面円弧状に形成されて帯状の基板21に支持された一般的な形状であり、押圧部材30の切欠部33による連結を、このような汎用のヒートシンク20のくびれ部23を利用して行うため、製造コストの低減を図ることができる。
【0034】
くびれ部23は、ヒートシンク20の幅方向(図6の左右方向)に狭まるように形成されていればよく、その形状は特に限定されるものではない。例えば、図6(b)に示すように、押圧板31の厚みと略同じ開口高さを有する断面矩形状に形成されてもよく、これによって切欠部33にヒートシンク20を確実に嵌合させることができる。切欠部33の両側縁部には上面側に突出する突部33a,33bを設けて、切欠部33とヒートシンク20との嵌合を、より確実にしてもよい。くびれ部23は、本発明において必須のものではなく、例えば図6(c)に示すように、くびれ部を備えないヒートシンク20であっても、ヒートシンク20を切欠部33に嵌合させることができる。
【0035】
本実施形態の切欠部33は、矩形状に形成されているが、図7に示すように、開口側である押圧板31の一方側縁から他方側縁に向けて徐々に幅狭となるように形成してもよく、これによって、切欠部33の両側縁部331,332によるヒートシンクの挟持力を高めることができる。
【0036】
パネル本体10に対する押圧部材30や保持部材40の取り付けは、リベット36以外にボルトやネジ等の他の締結具などの固定手段を使用して行ってもよい。また、締結具等を使用せずに押圧部材30や保持部材40を取り付けることも可能であり、例えば、押圧部材30や保持部材40をパネル本体10のフランジ部11a,11bの間に嵌め込んで、パネル本体10に取り付けてもよい。
【0037】
押圧部材30は、本実施形態のように複数のヒートシンク20を連結可能な構成とすることにより、放射パネル1を迅速容易に製造することができるが、ヒートシンク20に接触してヒートシンク20をパネル本体10に押し付けることが可能な構成であれば、他の構成であってもよい。本実施形態のようにヒートシンク20が帯状の基板21を備える場合には、押圧部材30が基板21の上面に接触して、基板21をパネル本体10に向けて押圧するように構成されていることが好ましい。
【符号の説明】
【0038】
1 放射パネル
10 パネル本体
20 ヒートシンク
21 基板
22 装着部
23 くびれ部
30 押圧部材
31 押圧板
32 補強板
33 切欠部
40 保持部材
50 接着剤
90 パイプ
100 ヒートシンクユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7