(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20240822BHJP
【FI】
G06Q30/0241
(21)【出願番号】P 2021035707
(22)【出願日】2021-03-05
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】520040913
【氏名又は名称】株式会社アイズ
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】福島 範幸
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-225602(JP,A)
【文献】特開2020-119574(JP,A)
【文献】特開2020-201650(JP,A)
【文献】特開2019-164657(JP,A)
【文献】国際公開第2016/103480(WO,A1)
【文献】特開2004-021443(JP,A)
【文献】特開2013-054724(JP,A)
【文献】特開2009-276868(JP,A)
【文献】特開2003-150835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客により登録され、ネットワークを介した送信によって有効となる設定条件が成立することで設定金額の請求が前記顧客に対して可能とされる第1の情報にアクセスするための参照情報が埋め込まれたリンク文書を情報として取得可能な第1の情報取得手段と、
前記第1の情報毎に計数された前記設定条件が成立した回数を情報として取得可能な第2の情報取得手段と、
利用者が使用する端末に対して送信される、前記リンク文書が複数、配置されるWebページでの各リンク文書の配置上の優先順位を、各前記第1の情報の前記設定金額、及び前記各第1の情報で計数された回数を用いて決定する順位決定手段と、
前記各リンク文書を前記第1の情報取得手段により取得し、前記順位決定手段によって決定された優先順位に従って、取得した前記各リンク文書を配置した前記Webページを生成するページ生成手段と、
を備え、
前記参照情報が埋め込まれ、且つ前記リンク文書より情報量が多い詳細ページとともに、前記参照情報、及び前記詳細ページにアクセスするための他の参照情報が埋め込まれた前記リンク文書を前記顧客が登録可能であり、
前記第1の情報取得手段は、前記リンク文書、及び前記詳細ページが取得可能であり、
前記ページ生成手段は、前記他の参照情報により前記詳細ページが指定された場合、前記第1の情報取得手段により前記詳細ページを取得し、前記詳細ページを用いて送信すべきWebページを生成し、
前記第1の情報は、前記端末へのダウンロードを想定して前記顧客によって登録された、顧客が製品の購入、或いはサービスの利用を組織、或いは個人に促すための広告資料であり、
前記回数は、前記第1の情報がダウンロードされた場合に、前記設定条件が成立したとしてインクリメントされる、
情報処理装置。
【請求項2】
前記第2の情報取得手段は、定められた計数対象期間に限定し、前記第1の情報毎に、前記設定条件が成立した回数を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1の情報をダウンロードさせた前記利用者が会員として登録させた会員情報を取得可能な会員情報取得手段と、
前記会員情報取得手段が取得した前記会員情報を、前記第1の情報を登録させた前記顧客に対して提供するための情報提供手段と、
を更に備える請求項1
又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記顧客により前記設定金額の請求の有無が選択され、
前記順位決定手段は、前記設定金額が有るリンク文書と、前記設定金額が無いリンク文書とに分け、優先順位を決定し、
前記ページ生成手段は、前記設定金額が有るリンク文書と、前記設定金額が無いリンク文書とに分け決定された優先順位に従って、配置対象となるリンク文書のみを配置したWebページを生成する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記顧客により前記設定金額の予算額が設定され、
前記順位決定手段は、前記設定金額の支払い総額が前記予算額に達したリンク文書を除外したリンク文書の優先順位を決定し、
前記ページ生成手段は、前記設定金額の支払い総額が前記予算額に達したリンク文書を除外したリンク文書のみを配置したWebページを生成する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、他のWebページを含むコンテンツにアクセスするための参照情報が埋め込まれたリンク文書を配置させたWebページを生成することが広く行われている。検索結果の提示のために生成されるWebページには、検索により抽出されたWebページ、或いはファイル等を表すリンク文書が配置される。リンク文書の配置を決定するために、コンテンツは予め評価され、評価結果が高いほど、検索順位も高くなって、上位に配置されるのが普通である。
【0003】
リンク文書は、検索時以外でもWebページに広く配置される。例えばリンク文書は、Webページを広告媒体とする広告としてそのWebページに配置される場合もある。この場合、リンク文書には、広告主のWebサイトなどへの参照情報が埋め込まれる。それにより、リンク文書を配置したWebページを送信させる媒体運営者は、閲覧者がリンク文書の参照情報を経由して、広告主のWebサイトで会員登録、或いは商品購入等を行った場合、広告主から報酬を受けることができる。
【0004】
リンク文書のクリック率には、上位に配置されるほど高くなる傾向が知られている。しかし、評価の高いコンテンツを作成するのは困難なのが実情である。このことから、リンク文書の配置における単価として入札額を広告主に指定可能にさせ、指定された入札額が高いリンク文書ほど、その表示順位を高くさせることも行われている(例えば、特許文献1参照)。任意の入札額を指定可能にすることにより、広告主は、検索時か否かに係わらず、入札額を通して、リンク文書の表示順位を操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
広告主が指定した入札額に応じてリンク文書の表示順位を決定する場合、広告主は、検索時か否かに係わらず、入札額を通して、リンク文書の表示順位を操作することができる。しかし、入札額が高いリンク文書に埋め込まれた参照情報によりアクセス可能なコンテンツの質、或いはそのコンテンツが紹介する商品等が、閲覧者にとって望ましいものである確率が高いとは限らない。
【0007】
閲覧者にとって望ましくないリンク文書の表示順位が高い場合、閲覧者にとっては有用と思われるリンク文書を探すのにより長い時間が必要となる。このことから、閲覧者にとっての利便性が低下する恐れが大きい。他方の広告主にとっては、例え大きい入札額を指定したとしても、必ずしも望ましい結果が得られないことになる。
【0008】
そこで、本発明は、閲覧者にとっての利便性の低下を抑えつつ、広告主の要求を満たすことが可能なWebページを生成可能な情報処理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様は、顧客により登録され、ネットワークを介した送信によって有効となる設定条件が成立することで設定金額の請求が顧客に対して可能とされる第1の情報にアクセスするための参照情報が埋め込まれたリンク文書を情報として取得可能な第1の情報取得手段と、第1の情報毎に計数された設定条件が成立した回数を情報として取得可能な第2の情報取得手段と、利用者が使用する端末に対して送信される、リンク文書が複数、配置されるWebページでの各リンク文書の配置上の優先順位を、各第1の情報の設定金額、及び各第1の情報で計数された回数を用いて決定する順位決定手段と、各リンク文書を第1の情報取得手段により取得し、順位決定手段によって決定された優先順位に従って、取得した各リンク文書を配置したWebページを生成するページ生成手段と、を備える情報処理装置に関する。
【0010】
本発明の第2の態様は、顧客により登録されたリンク文書に埋め込まれた参照情報により、ネットワークを介した送信によって有効となる設定条件が成立することで設定金額の請求が顧客に対して可能とされる第1の情報毎に、設定条件が成立した回数、及び設定金額を情報として取得する情報取得手段と、リンク文書がWebページに複数、配置されることを想定し、第1の情報毎に、回数、及び設定金額を用いて、複数のリンク文書の間の配置上の優先順位を決定する順位決定手段と、を備える情報処理装置に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、閲覧者にとっての利便性の低下を抑えつつ、広告主の要求を満たすことが可能なWebページを生成可能な情報処理装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るWebサーバにより提供されるサービスの例の概要を説明する図である。
【
図2】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るWebサーバによるサービスの提供のために構築されたシステム、及びそのシステムが接続されたネットワーク環境の例を説明する図である。
【
図3】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るWebサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るWebサーバ上に実現される機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図8】リンク文書配置のWebページ送信処理の例を示すフローチャートである。
【
図9】優先順位決定処理の例を示すフローチャートである。
【
図10】DL監視処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、これは、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。本発明の技術的範囲には、様々な変形例も含まれる。
【0014】
図1は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るWebサーバにより提供されるサービスの例の概要を説明する図である。
【0015】
Webサーバは、営業支援サービス会社SCが本サービスの提供用に設置するか、或いはクラウドサービス提供会社から提供された情報処理装置である。ここでは、営業支援サービス会社SCに着目し、本サービスについて具体的に説明する。
【0016】
営業支援サービス会社SCは、提携企業CCを顧客とする。この提携企業CCは、営業支援サービス会社SCにとっては広告を掲載する広告主である。営業支援サービス会社SCは、顧客として登録した提携企業CCに対し、その提携企業CCにとって営業を行うのに望ましい組織、或いは個人の情報を提供する。組織、或いは個人に対しては、望ましい提携企業CCを検討するための広告である情報を提供する。それにより、営業支援サービス会社SCは、提携企業CCと組織、或いは個人とを結びつけるための場を提供し、提携企業CCと、組織、或いは個人との双方に対しサービスを行う。
【0017】
組織とは、具体的には企業、教育機関、官公庁、各種組合等が含まれる。営業支援サービス会社SCは、組織、或いは個人のうちで会員Mとして登録した組織、或いは個人に対してサービスを提供する。ここでは、混乱を避けるために、以降、提携企業CCが営業を行う対象となる組織、或いは個人は会員Mと総称する。営業支援サービス会社SCが提供するサービスを利用する利用者である会員Mは、提携企業CCの広告の閲覧を想定する主な閲覧者である。
【0018】
提携企業CCは、例えば自身が広告を掲載する広告媒体を有するか、或いは広告媒体を使用することが可能な企業である。広告媒体上に掲載する広告を作成するのを支援する企業も提携企業CCには含まれる。また、各種セミナーを開催する企業も提携企業CCには含まれる。ここでは混乱を避けるために、以降、特に断らない限り、提携企業CCとしては、広告媒体を有する企業のみを想定することとする。
【0019】
この想定では、提携企業CCは、自身が有する広告媒体に広告を掲載する会員Mを想定した自身の広告の掲載を営業支援サービス会社SCに対して依頼することになる。会員Mのうちで提携企業CCの広告を実際に閲覧するのは主にマーケターとなる。会員Mによる広告と、提携企業CCによる広告との混乱を避けるために、以降、提携企業CCによる広告のための情報は「媒体資料MM」と表記する。
【0020】
この媒体資料MMは、例えば提携企業CCが提供するサービスの詳細、及びそのサービスによって得られる利点等がまとめられたコンテンツである。会員Mが提携企業CCに対して掲載を依頼する広告は、例えばその会員Mが提供する製品、或いはサービスを周知させ、その製品の購入、或いはサービスの利用を組織、或いは個人に促すためのものである。
【0021】
媒体資料MMは、ダウンロード(DL)用の情報としている。これは、媒体資料MMの情報量が比較的に大きく、全体を検討するのに時間を要する、検討している間、媒体資料MMは繰り返し閲覧されると想定される、といった理由からである。ダウンロードによって媒体資料MMが会員Mの使用する端末上、或いはその端末がアクセス可能な記録媒体上に保存されることから、会員Mがより有用と予想する媒体資料MMをダウンロードすると期待できることも理由の一つである。
【0022】
図1に示すように、営業支援サービス会社SCは、媒体資料MMを登録させる場合、リンク文書LD、及び詳細ページDPを併せて提携企業CCに登録させるようにしている。リンク文書LDは、例えば詳細ページDP、及び媒体資料MMへのアクセスのための2つの参照情報が埋め込まれるコンテンツである。より具体的には、リンク文書LDは、例えば文章の他に、1つ以上の画像を含むコンテンツである。詳細ページDPは、リンク文書LDより情報量が大きく、媒体資料MMへの参照情報が埋め込まれるコンテンツである。より具体的には、詳細ページDPは、例えばリンク文書LDよりも詳報量の大きい文章、及びリンク文書LDよりも多くの画像を含むコンテンツである。参照情報は、例えば1つの以上の画像、或いは1つ以上の文章に埋め込まれる。画像は、参照情報が埋め込まれたボタンであっても良い。リンク文書LD、詳細ページDP、及び媒体資料MMの間に示す矢印は、埋め込まれる参照情報によるアクセス先を表している。媒体資料MMへの参照情報は、本実施形態における「参照情報」、詳細ページへの参照情報は、本実施形態における「他の参照情報」にそれぞれ相当する。
【0023】
リンク文書LDは、例えば詳細ページDPの一部か、或いはその内容の一部を抜粋して作成されたものである。媒体資料MMは、例えば詳細ページDPと比較して、より情報の多い文章、及びより多くの画像を含むコンテンツである。それにより、これらの間の情報量としては、最大が媒体資料MM、次に大きいのが詳細ページDP、最小なのがリンク文書LDという関係が成立している。以降は、リンク文書LD、詳細ページDP及び媒体資料MMをまとめて「掲載資料」と表記する。掲載資料は、そのうちの一つ以上を指す意味でも用いる。
【0024】
営業支援サービス会社SCは、複数のプランを用意し、媒体資料MMの登録を依頼する提携企業CCに対し、プランを選択させるようにしている。
図1に表記の「種別」は、提携企業CCが選択したプランの種類を示す情報である。選択可能なプランは、例えば無料プラン、有料プランの2つである。有料プランを選択した提携企業CCは、1会員Mによる1回の媒体資料MMのダウンロード単価である入札額を設定する必要がある。媒体資料MMの登録時には、これらはプラン情報PIとして営業支援サービス会社SCに送信される。
【0025】
なお、登録する媒体資料MM毎にプランを提携企業CCに選択させるのは、位置づけの異なる、例えば対象とする会員Mの属性の異なる複数の媒体資料MMを提携企業CCが登録させることがあり得るからである。例えば比較的に重要視していない媒体資料MMの登録は無料プラン、重要と考える媒体資料MMの登録は有料プランといったように、提携企業CCが媒体資料MMによってプランを変えたいと望むことがあり得るからである。
【0026】
営業支援サービス会社SCは、提携企業CCから登録を依頼された媒体資料MM、詳細ページDP、及びリンク文書LDを保存し、詳細ページDP、及びリンク文書LDには必要な参照情報を埋め込む。それにより、リンク文書LDから詳細ページDP、及び媒体資料MMへのアクセス、並びに詳細ページDPから媒体資料MMへのアクセスを可能にさせる。
【0027】
営業支援サービス会社SCは、登録した媒体資料MMに対し、キーワードを付与する。このキーワードは、会員Mが望む検索を可能にする他に、各種分類別にリンク文書LDの選択表示を可能にするためのものである。各種分類の項目としては、広告媒体、或いはその広告媒体に掲載される情報の種類による分類であるカテゴリ、広告の対象による分類であるターゲット、広告を掲載する意図による分類である目的、課金上の分類である料金形態、等がある。登録される媒体資料MMが該当する分類は、提携企業CC側で指定することができる。
【0028】
営業支援サービス会社SCは、リンク文書LDを配置したWebページWPを生成することにより、そのWebページWPを閲覧した会員Mが希望する詳細ページDPの送信、或いは媒体資料MMのダウンロードを可能にさせる。
WebページWPに配置すべきリンク文書LDは、付与されたキーワードから特定される。そのため、本実施形態では、媒体資料MMに対し、事前の評価を行わないようにしている。
【0029】
営業支援サービス会社SCは、会員Mの指定した内容に従って、その内容によって特定されるリンク文書LDを配置したWebページWPを生成して送信する。それにより、営業支援サービス会社SCは、会員Mが望む媒体資料MMをより容易、且つ短時間にダウンロードすることを可能にしている。
【0030】
媒体資料MMをダウンロードさせる前に、会員Mは、リンク文書LD、更には詳細ページDPを通して、ダウンロードすべき媒体資料MMを検討することができる。そのため、媒体資料MMをダウンロードした会員Mは、その媒体資料MMを登録さした提携企業CCにとって、契約を結ぶことがより高い確率で期待できる見込み客と見なすことができる。それにより、本実施形態では、会員Mがダウンロードした媒体資料MMを登録した提携企業CCに対し、その会員Mの会員情報を提供可能にさせている。このようにして、営業支援サービス会社SCは、提携企業CCと会員Mとの双方にとってより望ましいビジネスがより容易に行えるように支援する。
【0031】
上記のように、媒体資料MMをダウンロードさせた会員Mは、その媒体資料MMを登録させた提携企業CCにとっては優良な見込み客である確率が高い。一方、会員M側にとっては、より多くダウンロードされた媒体資料MMの価値が高い確率が高いことになる。これは、より良いサービスを提供する提携企業CCほど、その提携企業CCが掲載した媒体資料MMがダウンロードされると推定できるからである。そのような提携企業CCを利用した場合、より多くの組織、或いは個人に広告を提示できると期待することができる。また、見込み客についての情報を強く望む提携企業CCは、有料プランを選択し、より高い入札額を設定すると予想される。これらのことから、本実施形態では、WebページWP上に配置するリンク文書LDの配置上の優先順位は、入札額、及びダウンロード(DL)数に応じて決定するようにしている。そのようにリンク文書LDの配置を決定することにより、会員Mが自身の望む媒体資料MMのダウンロードを容易、且つ短時間に行えるようにしつつ、媒体資料MMを登録させる提携企業CCの要望にも沿うことができる。
【0032】
図1に示す例では、提携企業CCであるA~C社の3社がそれぞれ登録させたリンク文書LDA~LDCの間の優先順位は、1位、つまり優先順位の最も高いのがA社のリンク文書LDA、2位がB社のリンク文書LDB、3位がC社のリンク文書LDCという関係になっている。そのため、A社のリンク文書LDAが最も会員Mにとって視認しやすい位置となるWebページWPの上方に配置されている。
【0033】
ダウンロード数の多い媒体資料MMを登録させた提携企業CCにとっては、入札額を抑えつつ、多くの見込み客についての情報である会員情報を得ることが期待できる。このようなことから、入札額の他に、DL数を考慮してリンク文書LDのWebページWP上の配置を決定するようにした場合、会員M、及び提携企業CCの双方にとっての利点がある。
【0034】
第1の情報とは、ネットワークを介した送信によって有効となる設定条件が成立することで設定金額の顧客への請求が可能とされる情報のことである。本実施形態では、媒体資料MMが第1の情報に相当する。営業支援サービス会社SCは、その媒体資料MMのダウンロード、つまりネットワークを介した送信によって、そのダウンロード単価として入札額を提携企業CCに請求するようになっている。このため、本実施形態では、媒体資料MMのダウンロード、つまり第1の情報の送信が設定条件の成立、その設定条件の成立によって請求が可能となる設定金額が入札額にそれぞれ相当する。しかし、設定条件の成立、及び設定金額は、この例に限定されない。
【0035】
例えばリンク文書LDに埋め込まれる参照情報によってアクセス可能な第1の情報は、他のWebサイトが送信するWebページであっても良い。より具体的には、第1の情報は、商品の購入、或いはサービスへの申し込みのためのWebページであっても良い。サービスへの申し込みは、セミナー、旅行、各種施設利用、或いは各種アクティビティ等への申し込み、等であっても良い。このようなこともあり、第1の情報は、ダウンロードして保存する対象に限定されない。リンク文書LD、及び詳細ページDPは、第1の情報に応じて作成すれば良いものである。
【0036】
一方、設定条件は、第1の情報のネットワークを介した送信によって有効となるものであれば良い。そのため、設定条件の成立は、リンク文書LDに第1の情報へのアクセスのために埋め込まれた参照情報へのクリック操作であっても良い。そのクリック操作によって第1の情報がネットワークを介して送信されることになるから、第1の情報の送信を行わせるWebページの閲覧者による操作を設定条件の成立とさせても良い。
【0037】
また、設定条件の成立は、他のWebサイトが送信するWebページを経由した会員登録、商品購入、或いはセミナー等への参加申し込み、等であっても良い。これらは何れも、第1の情報であるWebページの送信を前提とする、そのWebページの閲覧者による行動であることから、設定条件として設定することができる。設定金額は、商品購入、或いはサービスへの申し込みによる手数料であっても良い。このように、第1の情報としては様々なものが採用でき、設定条件、設定金額は、採用する第1の情報に応じて決定すれば良いものである。
【0038】
以降は、
図2~
図10を参照しつつ、
図1に例示する本サービスの実現方法について詳細に説明する。
【0039】
図2は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るWebサーバによるサービスの提供のために構築されたシステム、及びそのシステムが接続されたネットワーク環境の例を説明する図である。
【0040】
そのシステムは、本実施形態に係るWebサーバ1とDB(Data Base)サーバ2とを例えばLAN(Local Area Network)により接続させたものであり、1つのWebサイト3を実現させている。なお、Webサーバ1、及びDBサーバ2は、上記のように、営業支援サービス会社SCが設置したものであっても良いが、クラウドサービスにより提供されたものであっても良い。
【0041】
Webサーバ1は、ネットワークNと接続されている。このため、Webサーバ1は、そのネットワークNを介した通信が可能な情報処理装置を端末として使用するユーザに対してサービスを提供することができる。
図2では、提携企業CCで使用される端末として企業側端末4-1~4-Kを示している。同様に、会員Mで使用される端末として会員側端末5-1~5-Lを示している。特に限定するような必要のない場合、企業側端末4-1~4-Kの総称として「企業側端末4」を用いる。同様に、会員側端末5-1~5-Lの総称として「会員側端末5」を用いる。企業側端末4、及び会員側端末5の種類は、特に限定されない。
【0042】
図3は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るWebサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。次に
図3を参照し、Webサーバ1のハードウェア構成例について具体的に説明する。
【0043】
Webサーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memoy)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16、入力部17と、記憶部18と、2つの通信部19、20と、ドライブ21と、を備えている。
【0044】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。Webサーバ1として機能させるアプリケーション・プログラムは、例えば記憶部18に記憶されている。そのアプリケーション・プログラムをCPU11が実行することにより、Webサーバ1は、企業側端末4、及び会員側端末5に対し、各種要求に応じた情報を送信することができる。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。そのデータには、CPU11が実行する各種プログラムも含まれる。
【0045】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、2つの通信部19、20及びドライブ21が接続されている。
【0046】
出力部16は、例えば液晶等のディスプレイを含む構成である。出力部16は、CPU11の制御により、各種画像を表示する。
入力部17は、例えばキーボード等の各種ハードウェア釦等を含む構成である。それにより、操作者は、入力部17を介して各種情報を入力することができる。
【0047】
記憶部18は、例えばハードディスク装置、或いはSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置である。データ量の大きいデータは、この記憶部18に記憶される。
通信部19は、ネットワークNを介した企業側端末4、及び会員側端末5との間の通信を可能にする。通信部20は、DBサーバ2との間の通信を可能にする。以降、混乱を避けるために、通信部19は「端末通信部19」、通信部20は「DB通信部20」とそれぞれ表記する。
【0048】
ドライブ21は、必要に応じて設けられる。ドライブ21には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリカード等のリムーバブルメディア31を装着させることができる。プログラムが記録されたリムーバブルメディア31をドライブ21に装着させた場合、そのプログラムを記憶部18に記憶させることができる。また、リムーバブルメディア31は、記憶部18に記憶されている各種データのコピー先、或いは移動先として用いることができる。
【0049】
このようなWebサーバ1が備えるハードウェア資源を各種プログラムによって制御することにより、Webサーバ1は提携企業CC、及び会員Mに対してサービスを提供することができる。各種プログラムには、OS(Operating System)、及びサービス提供用に開発されたアプリケーション・プログラムが含まれる。後述する各種処理は、OS上でそのアプリケーション・プログラムが実行されることにより実現される。
【0050】
DBサーバ2としては、Webサーバ1のハードウェア構成と基本的に同じものを採用することができる。そのため、ここでの詳細な説明は省略する。ただし、DBサーバ2としては、大容量のストレージが搭載されるか、或いはそのストレージと接続されたものを採用するのが望ましい。
【0051】
また、企業側端末4、及び会員側端末5としては、例えば一般的なPC(Personal Computer)、スマートフォン、或いはタブレットPC等を用いることができる。このことから、企業側端末4、及び会員側端末5についての詳細な説明も省略する。
【0052】
図4は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るWebサーバ上に実現される機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。次に
図4を参照し、Webサーバ1上に実現される機能的構成について詳細に説明する。
【0053】
Webサーバ1のCPU11上には、機能的構成として、
図4に示すように、要求解析部111、会員情報管理部112、提携企業情報管理部113、掲載資料管理部114、DL監視部115、計数部116、情報書込部117、情報取得部118、DL実行部119、優先順位決定部120、及びページ生成部121が実現されている。これらの機能的構成要素は何れも、CPU11がOS、及びアプリケーション・プログラムを実行することにより実現される。それにより、記憶部18上には、会員情報格納部181、提携企業情報格納部182、掲載管理情報格納部183、及びDL管理情報格納部184が情報の格納領域として確保されている。DBサーバ2の記憶部200上には、掲載資料格納部201が掲載資料の格納領域として確保されている。この記憶部200は、例えば大容量の1つ以上のストレージである。
【0054】
企業側端末4、及び会員側端末5は、表示されたWebページWPに対するクリック操作に応じた要求をWebサーバ1に対して行う。その要求は、端末通信部19によって受信され、CPU11に入力される。要求解析部111は、入力された要求を解析し、その解析結果に応じた制御を行う機能である。会員側端末5から会員の登録要求が送信された場合、要求解析部111は、要求の種類を認識し、その登録要求とともに送信された会員情報を会員情報管理部112に渡し、会員情報の保存を指示する。それにより、会員情報管理部112は、要求解析部111から渡された会員情報を会員情報格納部181に格納させる。
【0055】
図5は、会員情報の構成例を説明する図である。
会員情報は、
図5に示すように、会員ID(IDentifier)、企業名、企業URL(Uniform Resource Locator)、所在地、部署名、担当者名、電話番号、メールアドレス、担当区分、及び役職の各情報を含む構成である。このような構成の会員情報は、提携企業CCへの提供を前提として、会員登録を行う組織、或いは個人に入力が求められる。それにより、営業支援サービス会社SCは、見込み客とする会員Mの会員情報を提携企業CCに対して提供することができる。
【0056】
会員情報中の会員IDは、会員Mを一意に識別することを可能にする識別情報である。この会員IDは、会員情報管理部112によって自動的に決定されて追加される。
【0057】
提携企業CCとして登録を望む企業は、会員登録と同様に、WebページWP上で必要な情報を入力し、提携企業登録を要求することができる。そのようにして提携企業登録要求が企業側端末4から送信された場合、その要求は端末通信部19により受信され、CPU11に入力される。その結果、要求解析部111は、提携企業情報管理部113に提携企業情報を渡し、その保存を指示する。それにより、提携企業情報管理部113は、提携企業登録要求とともに送信された提携企業情報を提携企業情報格納部182に保存させる。
【0058】
提携企業情報には、提携企業CCを一意に識別することを可能にする企業IDが含まれる。この企業IDは、提携企業情報管理部113によって自動的に決定され、提携企業情報に追加される。提携企業情報の詳細についての説明は省略する。
【0059】
提携企業CCは、企業側端末4を使用して、リンク文書LD、詳細ページDP、及び媒体資料MMを掲載資料としてWebサーバ1に登録を要求することができる。その要求、つまり掲載資料登録要求は、例えば掲載資料、及びプラン情報PIとともに企業側端末4から送信され、端末通信部19によって受信される。
【0060】
端末通信部19によって受信された掲載資料登録要求、及び掲載資料は、CPU11に入力される。要求解析部111は、要求が掲載資料登録要求と特定した場合、掲載資料管理部114に対して掲載資料の登録管理を指示するとともに、掲載資料を情報書込部117に渡し、掲載資料の保存を指示する。
【0061】
掲載資料管理部114は、要求解析部111から登録管理を指示された場合、掲載資料を管理するための掲載管理情報を生成し、生成した掲載管理情報を掲載管理情報格納部183に保存する。要求解析部111から渡されたプラン情報PIは、掲載管理情報の一部として用いられる。
【0062】
図6は、掲載管理情報の構成例を説明する図である。
掲載管理情報は、
図6に示すように、資料ID、企業ID、掲載キーワード、プラン種別、入札額、予算額、総DL数、リンク文書URL、詳細ページURL、媒体資料URL、登録日の各情報を含む構成である。
【0063】
資料IDは、掲載資料を一意に識別することを可能にする識別情報である。この資料IDは、掲載資料管理部114によって決定される。企業IDは、掲載資料の登録を要求した提携企業CCに割り当てられた企業IDである。
【0064】
掲載キーワードは、掲載資料のうちのリンク文書LDを配置するWebページWPを指定する情報であり、一つ以上のキーワードが含まれる。この掲載キーワードとするキーワードは、掲載資料を登録する提携企業CCが選択可能となっている。
【0065】
プラン種別の例として表記の「0」「1」は、それぞれ無料プラン、有料プランを表している。無料プランを選択した提携企業CCは、入札額、及び予算額を指定する必要はない。そのため、入札額、及び予算額の各情報は存在しない。「NULL」は、情報が存在しないことを表している。
【0066】
上記のように、営業支援サービス会社SCは、媒体資料MMを会員Mがダウンロードすることにより、その媒体資料MMを登録させた提携企業CCに対し、入札額の報酬を求めるようになっている。それにより、媒体資料MMをダウンロードした会員Mの数がNとすると、提携企業CCに対し、入札額×N、により求められる金額を営業支援サービス会社SCは報酬として請求する。このことから、営業支援サービス会社SCは、報酬として支払いを求める金額の上限を提携企業CCが指定できるようにさせている。その金額の上限が予算額である。予算額としては、上限なしを選択することもできる。なお、本実施形態では、確定した請求額が予算額に達した掲載資料のリンク文書LDは、会員Mに対する閲覧対象から除外するようにしている。
【0067】
一方、有料プランを選択した提携企業CCでは、入札額、及び予算額の入力が必須となる。そのため、プラン情報PIには、プラン種別、入札額、及び予算額が含まれる。
【0068】
総DL数は、媒体資料MMがダウンロードされた総回数である。その初期値は0である。この総DL数は、掲載資料管理部114によって追加される。
【0069】
リンク文書URL、詳細ページURL、及び媒体資料URLは、それぞれ、リンク文書LD、詳細ページDP、及び媒体資料MMの保存先を表す情報である。掲載資料管理部114は、掲載資料として送信されたリンク文書LD、詳細ページDP、及び媒体資料MMの各保存先を決定し、リンク文書URL、詳細ページURL、及び媒体資料URLを生成する。生成したリンク文書URL、詳細ページURL、及び媒体資料URLは、全て情報書込部117に渡される。
【0070】
情報書込部117は、要求解析部111から保存を指示されたリンク文書LDの2つの参照情報として、詳細ページURL、及び媒体資料URLを埋め込む。詳細ページDPの参照情報としては、媒体資料URLを埋め込む。その後、情報書込部117は、DB通信部20を介してDBサーバ2に対し、リンク文書URL、詳細ページURL、及び媒体資料URLで指定される場所にリンク文書LD、詳細ページDP、及び媒体資料MMをそれぞれ保存するのを要求する。この結果、DBサーバ2は、記憶部200に確保された掲載資料格納部201にリンク文書LD、詳細ページDP、及び媒体資料MMを格納する。
【0071】
掲載管理情報のうちの登録日は、掲載資料を登録した日を表している。この登録日も掲載資料管理部114によって追加される。
【0072】
DL監視部115は、媒体資料MMのダウンロードを監視し、ダウンロードに係わる情報を更新する。掲載管理情報格納部183に格納された各掲載管理情報中の総DL数は、DL監視部115によって更新される。また、DL管理情報格納部184に保存されるDL管理情報の追加もDL監視部115によって行われる。
【0073】
図7は、DL管理情報の構成例を説明する図である。
DL管理情報は、
図7に示すように、資料ID、会員ID、及びDL日の各情報を含む。
【0074】
資料IDは、ダウンロードされた媒体資料MMに割り当てられた資料IDである。会員IDは、資料IDが割り当てられた媒体資料MMをダウンロードさせた会員Mの会員IDである。DL日は、媒体資料MMがダウンロードされた日である。
【0075】
このような構成のDL管理情報は、会員Mが初めて媒体資料MMをダウンロードさせた場合、DL管理情報格納部184に追加される。また、会員Mが初めて媒体資料MMをダウンロードさせてから設定期間が経過した後、同じ媒体資料MMを会員Mが再度ダウンロードさせた場合にも、DL管理情報が追加される。
【0076】
そのようにして、本実施形態では、営業支援サービス会社SCは、媒体資料MMをダウンロードさせてから設定期間が経過するまでの間に同じ媒体資料MMに対して行われたダウンロードには報酬を求めないようにしている。これは、ダウンロードさせた媒体資料MMを会員Mが誤って消去する、媒体資料MMの保存場所が分からなくなった、といったことが発生する可能性も考えられるからである。
【0077】
上記のように、媒体資料MMを参照しての検討には或る程度の期間が必要であると想定される。その期間内には、上記可能性により、同じ会員Mが同じ媒体資料MMを複数回、ダウンロードする可能性が比較的に高いと考えられる。これらのことから、本実施形態では、媒体資料MMを参照しての検討に必要とする期間を考慮して設定期間を設定し、その設定期間内で同じ媒体資料MMに対して行われた2回目以降のダウンロードには報酬を求めないようにしている。それにより、入札額を報酬として求めるうえで有効なダウンロードは、会員Mにとって初めての媒体資料MMのダウンロードか、或いは設定期間内ではない同じ媒体資料MMのダウンロードとしている。このことに合わせ、DL管理情報中のDL日は、有効なダウンロードが行われた日としている。
【0078】
このような設定期間を設けることにより、提携企業CCに対しては、設定期間内に同じ媒体資料MMに対して行われたダウンロードの数に応じた金額を請求しなくとも済む。つまり、提携企業CCに対しては、媒体資料MMがダウンロードされた数ではなく、見込み客と見なせる会員Mの数に応じた金額を請求できるようになる。そのため、提携企業CCにとっては、見込み客と見なせる会員Mの数に応じた金額の支払いをすれば良いことになって、事実上、無駄な支払いをするようなことが回避される。設定期間を設けることには、このような利点がある。具体的な設定期間としては、3ヶ月程度が考えられる。
【0079】
計数部116は、DL管理情報格納部184に格納されたDL管理情報を参照し、媒体資料MM毎に、ダウンロードされた数を計数する。本実施形態では、計数対象期間を定め、計数を行う日から計数対象期間前までの間にダウンロードされた数を媒体資料MM毎に計数するようにしている。
【0080】
上記のように、DL数は、WebページWP上に配置するリンク文書LDの配置上の優先順位の決定に用いられる。本実施形態では、DL数、及び入札額を用いてスコアを算出し、スコアが高くなるほど、優先順位を高くさせるようにしている。
【0081】
DL数は、掲載資料の登録日が早いほど多くなる傾向にある。しかし、単位期間当たりにダウンロードされる数は、常に一定であるとは限らない。状況によって変化することがあり得る。一時期、比較的に多くの会員Mによってダウンロードされたような媒体資料MMもあり得る。このようなことから、本実施形態では、計数対象期間を設定することにより、現在の状況がより強く反映されるスコアを算出できるようにしている。それにより、会員Mにとっては、より望ましいリンク文書LDが容易、且つ短時間に探せるようになる。提携企業CCにとっては、会員Mに対して有益な媒体資料MMを登録することにより、支払い金額を抑えつつ、より多くの見込み客となる会員Mの情報を得られるようになる。
【0082】
なお、計数対象期間は、特に限定されるものではないが、例えば1週間程度の期間とすることが考えられる。計数対象期間は、全体的な媒体資料MMのダウンロード頻度、その頻度が変化する傾向の他に、或いは代えて、媒体資料MMの種類、掲載資料が登録されてから次の掲載資料が登録されるまでの平均的な間隔等を考慮して設定するようにしても良い。
【0083】
上記のように、第1の情報は、リンク文書LDに埋め込まれる参照情報によってアクセス可能な他のWebサイトが送信するWebページであっても良い。設定条件の成立は、そのWebページでの商品の購入、或いはサービスへの申し込みであっても良い。設定金額は、商品の購入、或いはサービスへの申し込みによる手数料であっても良い。このようなことから、計数部116は必須の機能要素であるとは限らない。つまり、設定条件が成立した回数は、外部から取得する情報であっても良い。同様に、設定金額も外部から取得する情報であっても良い。
【0084】
スコアの算出は、優先順位決定部120によって行われる。要求解析部111は、リンク文書LDを複数、配置させたWebページWPを送信すべき要求が会員側端末5から送信された場合、掲載資料管理部114、計数部116、及び優先順位決定部120への指示を通して、配置すべきリンク文書LDの特定、各リンク文書LDの配置を決定させる。ページ生成部121には、特定されたリンク文書LDを決定された位置に配置させたWebページWPの生成を指示する。そのようにして生成されたWebページWPは、端末通信部19、更にはネットワークNを介して会員側端末5に送信される。
【0085】
この場合、掲載資料管理部114は、掲載管理情報を参照し、有料プラン、無料プランに分けて、配置対象となるリンク文書LDの資料IDを特定する。有料プランのリンク文書LDでは、入札額、及び予算額を併せて特定する。計数部116は、掲載資料管理部114が特定した資料ID毎に、計測対象期間内での媒体資料MMのDL数を計数する。
【0086】
優先順位決定部120は、有料プラン、無料プランに分けて、資料ID毎にスコアを算出する。有料プランでは、上記のように、DL数、及び入札額を用いてスコアを算出する。有料プランの資料IDのうちで、支払い総額が予算額に達しているものは、予算額を超える金額の請求を回避させるために、スコアを算出する対象から除外される。この結果、ページ生成部121は、有料プラン、無料プランに分け、決定された優先順位に従って、配置対象となるリンク文書LDのみを配置したWebページWPを生成する。配置するリンク文書LDは、掲載資料管理部114が情報取得部118に対してリンク文書URLを指定することにより、情報取得部118によってDB通信部20を介してDBサーバ2から取得され、ページ生成部121に渡される。
【0087】
なお、無料プランのリンク文書LDを対象にした優先順位の決定方法は、特に限定されるものではないが、例えば配置が動的にサイクリックに変更するように、各リンク文書LDの優先順位を決定しても良い。そのように優先順位を決定した場合、各リンク文書LDを公平に扱うことができる。
【0088】
会員側端末5から媒体資料MMのダウンロードが要求された場合、要求解析部111は、その要求とともに送信される媒体資料URLを情報取得部118に渡し、媒体資料MMのDBサーバ2からの取得を指示する。それにより、情報取得部118は、その媒体資料URLで指定される場所に格納されている媒体資料MMをDBサーバ2から取得し、取得した媒体資料MMをDL実行部119に渡す。この結果、DL実行部119は、端末通信部19を介して、情報取得部118から渡された媒体資料MMを送信する。一方の会員側端末5では、会員Mの指定する保存場所に、送信された媒体資料MMを保存することになる。
【0089】
提携企業CCは、企業側端末4を用いて、媒体資料MMをダウンロードさせた会員Mの会員情報の提供を営業支援サービス会社SCに対して要求することができる。ここでは、その要求は、期間を指定して行うことができる。
【0090】
その場合、要求解析部111は、例えばDL監視部115に期間、及び資料IDを渡して、その資料IDが割り当てられた媒体資料MMをダウンロードさせた会員Mの会員IDを抽出させる。この会員IDの抽出は、DL監視部115が、DL管理情報格納部184に格納されたDL管理情報を参照することにより行われる。より具体的には、DL監視部115が、全てのDL管理情報ののうちから、渡された資料ID、及びその期間内のDL日を有するDL管理情報を抽出することで行われる。
【0091】
抽出された会員IDは、例えば要求解析部111を介して会員情報管理部112に渡され、その会員IDを有する会員情報の抽出が会員情報管理部112に対して指示される。会員情報管理部112は、抽出した会員情報をページ生成部121に渡す。それにより、ページ生成部121は、会員情報管理部112から渡された会員情報を配置したWebページWPを生成し、端末通信部19を介して、生成したWebページWPを企業側端末4に送信することになる。この結果、提携企業CCは、媒体資料MMをダウンロードさせた会員Mを見込み客として、営業のための連絡を行うことができる。
【0092】
以降は、上記アプリケーション・プログラムをCPU11が実行することで実現される各種処理について、
図8~
図10を参照して詳細に説明する。
図8は、リンク文書配置のWebページ送信処理の例を示すフローチャートである。この処理は、会員側端末5からの要求により、その会員側端末5に対し、会員Mが望むリンク文書LDを配置させたWebページWPを送信するための処理である。この処理の実行により、要求解析部111、掲載資料管理部114、計数部116、情報取得部118、優先順位決定部120、及びページ生成部121のそれぞれの機能の一部が実現される。ここでは、処理を実行する主体としてCPU11を想定する。
【0093】
先ず、ステップS1では、CPU11は、掲載管理情報格納部183に格納された掲載管理情報を参照し、会員側端末5の要求に該当する掲載資料を特定する。続くステップS2では、CPU11は、特定した掲載資料のうちから、有料プランの掲載資料を抽出する。このとき、確定した支払い額の総額が予算額に達している掲載資料は除外される。それにより、結果的に抽出される掲載資料は、WebページWPに配置すべきもののみとなる。
【0094】
次にステップS3では、CPU11は、抽出した有料プランの掲載資料を対象に、その掲載資料の間の配置上の優先順位を決定する優先順位決定処理を実行する。次に移行するステップS4では、CPU11は、抽出した無料プランの掲載資料を対象に、その掲載資料の間の配置上の優先順位を決定する。その後、ステップS5に移行する。
【0095】
ステップS5では、CPU11は、抽出した掲載資料のリンク文書LDをDBサーバ2から取得し、決定した優先順位に従って、有料プラン、無料プランで分けてリンク文書LDを配置させたWebページWPを生成する。次に移行するステップS6では、CPU11は、端末通信部19を介して、生成したWebページWPを送信させる。その後、このWebページ送信処理が終了する。このWebページ送信処理を実行することにより、営業支援サービス会社SCは、
図1に示すようなWebページWPを生成して会員Mに閲覧させることができる。
【0096】
図9は、上記ステップS3として実行される優先順位決定処理の例を示すフローチャートである。次に
図9を参照して、この決定処理について詳細に説明する。この決定処理で優先順位を決定する対象となるのは、有料プランの掲載資料のみである。この決定処理の実行により、優先順位決定部120の一部が実現される。
【0097】
先ず、ステップS11では、CPU11は、掲載資料毎に、計数対象期間内でのDL数を計数する。上記のように、このDL数の計数は、実際には資料ID毎に、DL日が計数対象期間内となっているDL管理情報の数を計数することで行われる。
【0098】
続くステップS12では、CPU11は、スコアを算出する対象として1つの掲載資料を選択する。次に移行するステップS13では、CPU11は、選択した掲載資料中の入札額に応じた補正値αを決定する。その後に移行するステップS14では、選択した掲載資料の入札額、決定した補正値α、及び計数したDL数を用いてスコアを算出する。このスコアの算出は、例えば以下の式により行われる。
スコア=(入札額-α)×(DL数+1) (1)
【0099】
DL数に加算する1は、登録直後の掲載資料ではDLが行われていない可能性が高いために設定された値である。この値を設定することにより、入札額によってスコアの値を変化させることができる。また、補正値αは、入札額のスコアへの影響を緩和させ、DL数がスコアに影響する度合いをより高めるために用意した変数である。これらの値を用いた式(1)により、入札額、DL数をより適切に反映させたスコアを算出することができる。それにより、提携企業CCに対しては、適切と思われる金額を超える入札額を設定して、リンク文書LDの優先順位を上げようとする行為が行われないように抑制させることができる。なお、スコアを算出方法は、式(1)に限定されない。
【0100】
ステップS14に続くステップS15では、CPU11は、スコアを算出していない掲載資料があるか否か判断する。スコアを算出していない掲載資料が残っている場合、ステップS15の判断はYESとなって上記ステップS12に戻る。それにより、スコアが算出されていない別の掲載資料が選択されることになる。一方、スコアを算出していない掲載資料が存在しない場合、ステップS15の判断はNOとなって、ステップS16に移行する。
【0101】
ステップS16では、CPU11は、同スコアの掲載資料があるか否か判断する。複数の掲載資料で同じスコアが算出されていた場合、ステップS16の判断はYESとなってステップS17に移行する。各掲載資料で算出されたスコアが全て異なっている場合、ステップS16の判断はNOとなってステップS18に移行する。
【0102】
ステップS17では、CPU11は、同スコアの掲載資料毎に、その掲載資料間での優先順位を決定する。この優先順位の決定では、例えば登録日に着目して、より遅く登録されたほうの優先順位を高くするようにしても良い。或いは設定期間内のDLが行われた状況に着目し、DLの頻度がより増大傾向にあるほうの優先順位を高くするようにしても良い。
【0103】
ステップS17に続くステップS18では、CPU11は、有料プランの掲載資料間の優先順位を決定する。同スコアの掲載資料では、例えばそのスコアの前後となっているスコアと一致させないようにしつつ、スコアを操作する。そのようにして、各掲載資料の優先順位、つまりスコアを確定した後、優先順位決定処理が終了する。
【0104】
このようにして、WebページWPに配置される有料プランのリンク文書LDは、入札額、及びDL数を用いて優先順位が決定される。その結果、リンク文書LDは、入札額が高くなるほど、またDL数が大きくなるほど、WebページWP上のより視認しやすい位置に配置されることとなる。
【0105】
図10は、DL監視処理の例を示すフローチャートである。最後に
図10を参照して、DL監視処理について詳細に説明する。このDL監視処理は、媒体資料MMのダウンロードにより実行される処理である。このDL監視処理の実行により、DL監視部115の一部が実現される。
【0106】
先ず、ステップS21では、CPU11は、ダウンロードされた媒体資料MMの資料ID、及びその媒体資料MMをダウンロードした会員Mの会員IDを用いて、DL管理情報格納部184に格納されているDL管理情報のサーチを行う。
【0107】
続くステップS22では、CPU11は、サーチにより特定したDL管理情報のうちに、同じ会員IDを有するDL管理情報があるか否か判断する。会員Mがダウンロードした媒体資料MMを再度ダウンロードさせた場合、サーチに用いた資料ID、及び会員IDを有するDL管理情報がDL管理情報格納部184に格納されている。このため、その場合、ステップS22の判断はYESとなってステップS23に移行する。一方、ダウンロードされた媒体資料MMが会員Mにとって初めてダウンロードさせたものであった場合、ステップS22の判断はNOとなってステップS24に移行する。
【0108】
ステップS23では、CPU11は、サーチに用いた資料ID、及び会員IDを有する既存のDL管理情報中のDL日を参照し、設定期間内に会員Mがダウンロードしているか否か判断する。会員Mを見込み客と見なすダウンロードが行われた後、設定期間が経過する前に同じ媒体資料MMを会員Mが再度ダウンロードした場合、設定期間内のDL日を有するDL管理情報がDL管理情報格納部184に格納されている。このため、ステップS23の判断はYESとなり、ここでDL監視処理が終了する。一方、会員Mを見込み客と見なすダウンロードが行われてから設定期間が経過した後に再度ダウンロードされたものであった場合、ステップS23の判断はNOとなってステップS24に移行する。
【0109】
ステップS24では、CPU11は、サーチに用いた資料ID、会員ID、及び今日をDL日とするDL管理情報を生成してDL管理情報格納部184に追加する。続くステップS25では、掲載管理情報格納部183に格納された掲載管理情報のうちで、サーチに用いた資料IDを有する掲載管理情報中の総DL数をインクリメントすることで更新する。その後、DL監視処理が終了する。
【0110】
このようにして、媒体資料MMのダウンロードにより、必要に応じて、DL管理情報格納部184に新たなDL管理情報が保存される。新たなDL管理情報が保存される場合、その媒体資料MMの掲載管理情報中の総DL数が併せて更新される。それにより、有料プランが適用された媒体資料MMは、予算額に達しない範囲内でリンク文書LDがWebページWP上に配置される。また、DL管理情報格納部184に格納されたDL管理情報の参照により、指定された期間内に行われた有効なDL数の計数を行うことができる。
【0111】
なお、本実施形態では、第1の情報である媒体資料MMをWebサーバ1が送信することにより、媒体資料MMのDL数をWebサーバ1が計数するようになっているが、その計数は、別の情報処理装置が行っても良い。例えばWebサーバ1は、ダウンロードする媒体資料MMをDBサーバ2から取得することから、DL数の計数をDBサーバ2に行わせ、その計数結果をWebサーバ1に取得させるようにしても良い。つまり、DL数は、計数部116に実際に計数させることで取得するのではなく、情報取得部118等に取得させるようにしても良い。また、リンク文書LDの参照情報により、他のWebサーバが送信するWebページにアクセスできるようになっている場合にも、その他のWebサーバ、或いはそのWebサーバから情報を取得可能な情報処理装置に計数を行わせるようにしても良い。つまり、その計数結果を情報として、Webサーバ1が取得できるようにしても良い。その場合、設定条件が成立することで請求が可能となる設定金額も併せて、Webサーバ1が取得できるようにしても良い。DL数、及び設定金額の取得は、
図4に示す機能構成例では、例えば要求解析部111に行わせることができる。
【0112】
また、優先順位を決定するためのスコアの算出は、リンク文書LDを配置するWebページWPの送信時に行うようにしているが、必ずしもそのタイミングで行う必要はない。DL数の計数を計数対象期間に制限する想定では、例えば1日の定めた時刻に全ての掲載資料を対象にスコアを算出し、その後に有効なダウンロードが行われる毎に、そのダウンロードが行われた掲載資料のスコアを更新するようにしても良い。そのようにする場合、有効なダウンロードが行われた媒体資料MMのスコアを上記DL管理処理内で更新するようにしても良い。或いは1日のうちでスコアを更新する時刻を複数、定め、その時刻の到来により、全ての掲載資料を対象にしたスコアの更新を行うようにしても良い。
【0113】
また、例えば媒体資料MMをダウンロードする目的(自社に導入するための目的、代理販売ための目的など)により、会員Mを複数のカテゴリで分け、会員側端末5を使用する会員Mのカテゴリにより、掲載資料(リンク文書LD)間の優先順位を異ならせるようにしても良い。そのような場合であっても、カテゴリ別にスコアの算出方法を決定することにより、本実施形態を適用させることができる。これは、例えば
図5に示す会員情報には会員Mのカテゴリ種別を示す情報を追加し、
図7に示すDL管理情報にはそのカテゴリ種別を示す情報を追加して、会員Mのカテゴリ別にDL数を計数すれば良いからである。それにより、同じカテゴリに属する会員Mのみを対象にする形で掲載資料間の優先順位を決定することができる。カテゴリは、会員登録時に指定させても良い。しかし、掲載資料によってカテゴリが変わることが考えられる場合には、リンク文書LDを配置させたWebページWPの送信の前に、会員Mにカテゴリを選択させるようにしても良い。
【0114】
そのように会員Mのカテゴリを掲載資料間の優先順位の決定に反映させた場合、会員Mにとっては、WebページWP上の各リンク文書LDがより望ましい位置に配置されることになる。これは、会員Mのカテゴリによって異なる傾向に合わせられるからである。結果、会員Mは、ダウンロードすべき媒体資料MMを更に容易、且つ迅速にダウンロードできるようになると期待できる。それにより、提携企業CCにとっては、優良な見込み客をより多く獲得できると期待することができる。
【符号の説明】
【0115】
1 Webサーバ、2 DBサーバ、4、4-1~4-K 企業側端末、5、5-1~5-L 会員側端末、111 要求解析部、112 会員情報管理部、113 提携企業情報管理部、114 掲載資料管理部、115 DL監視部、116 計数部、117 情報書込部、118 情報取得部、119 DL実行部、120 優先順位決定部、121 ページ生成部、181 会員情報格納部、182 提携企業情報格納部、183 掲載管理情報格納部、184 DL管理情報格納部。