(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】畦塗り機
(51)【国際特許分類】
A01B 35/00 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
A01B35/00 C
(21)【出願番号】P 2021094300
(22)【出願日】2021-06-04
【審査請求日】2023-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】田副 隼
(72)【発明者】
【氏名】大村 英昭
(72)【発明者】
【氏名】上杉 拓也
【審査官】伊藤 裕美
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-322604(JP,A)
【文献】特開2011-041501(JP,A)
【文献】特開平08-154405(JP,A)
【文献】特開2012-075401(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0383696(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 35/00-49/06
A01B 27/00-31/00
A01C 5/00-5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車の後部の3点リンクに連結される機体と、
畦塗り作業をする作業手段と、
液体を供給する液体供給手段と
、
前記作業手段を少なくとも作業状態及び格納状態に切換可能な駆動手段とを備え、
前記液体供給手段は、液体が貯留されるタンクを有し、
前記タンクは、少なくとも半分以上が前記機体のトップピンの中心よりも下方に位置する
ことを特徴とする畦塗り機。
【請求項2】
走行車の後部の3点リンクに連結される機体と、
畦塗り作業をする作業手段と、
液体を供給する液体供給手段と、
前記作業手段を少なくとも作業状態及び格納状態に切換可能な駆動手段とを備え、
前記液体供給手段は、液体が貯留されるタンクを有し、
前記タンクは、当該タンク内に液体を入れるための開口部を有し、
前記開口部は、前記機体のトップピンの中心よりも下方に位置する
ことを特徴とする畦塗り機。
【請求項3】
機体は、走行車からの動力を入力する入力軸を有し、
平面視で、作業手段が前記入力軸よりも一側方に位置し、かつ、タンクが前記入力軸よりも他側方に位置する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の畦塗り機。
【請求項4】
機体は、走行車の後部の3点リンクに連結される固定機枠を有し、
液体供給手段は、タンクを支持するタンク支持体を有し、
前記タンク支持体は、前記固定機枠に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の畦塗り機。
【請求項5】
タンク支持体は、
固定機枠に取り付けられた対をなす取付部材と、
前記取付部材間に架設され、タンクを支持する支持部材とを有する
ことを特徴とする請求項4記載の畦塗り機。
【請求項6】
タンクは、配管が接続される接続口を底部に有し、
前記接続口は、機体のロワピンの中心よりも下方に位置する
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一記載の畦塗り機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、畦塗り作業をする畦塗り機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載された畦塗り機が知られている。
【0003】
この従来の畦塗り機は、例えばトラクタ等の走行車の後部の3点リンクに連結される機体と、畦塗り作業をする作業手段と、この作業手段の整畦体の表面に液体を間欠的に供給可能な液体供給手段とを備えている。
【0004】
また、液体供給手段(液体供給装置)は、水等の液体を貯留するタンクを有し、このタンクは、上方に突出して位置するように機体のヒッチフレームに取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の畦塗り機では、液体供給手段のタンクの位置が高いため、タンク内に液体を入れる作業がやりづらく、作業者の負担が大きいという問題がある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、作業者の負担軽減を図ることができる畦塗り機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る畦塗り機は、走行車の後部の3点リンクに連結される機体と、畦塗り作業をする作業手段と、液体を供給する液体供給手段とを備え、前記液体供給手段は、液体が貯留されるタンクを有し、前記タンクは、少なくとも半分以上が前記機体のトップピンの中心よりも下方に位置するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、作業者の負担軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る畦塗り機の平面図である。
【
図5】散水装置のタンクへの給水作業の様子を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施の形態について
図1ないし
図5を参照して説明する。
【0012】
図中の1は畦塗り機で、この畦塗り機1は、走行車であるトラクタ2の後部の3点リンク3に連結されて使用される農作業機である。そして、畦塗り機1は、トラクタ2の走行により、畦に沿って移動しながら畦塗り作業(畦修復作業)をする。なお、トラクタ2の後部の3点リンク(3点支持装置)3の種類は、任意であり、例えば標準3点リンク及び特殊3点リンクのいずれでもよい。
【0013】
畦塗り機1は、
図1や
図2等に示すように、トラクタ2の後部の3点リンク3に着脱可能に連結される機体6と、この機体6に設けられ、トラクタ2に対する所望のオフセット位置で畦塗り作業をする作業手段(オフセット作業手段)7と、この作業手段7に液体である水を供給する液体供給手段である散水装置8とを備えている。
【0014】
機体6は、トラクタ2の後部の3点リンク3に着脱可能に連結される固定機枠11と、この固定機枠11に対して左右方向に移動可能(トラクタに対してオフセット可能)な可動機枠12とを有している。可動機枠12は、2本の回動アーム13,14を有した連結手段15を介して固定機枠11に連結されており、この可動機枠12に作業手段7が設けられている。なお、可動機枠12は、畦塗り機1の後側に位置する回動支点10を中心として、回動アーム14に対して回動可能となっている。
【0015】
そして、例えば電動油圧シリンダ等の伸縮駆動手段であるシリンダ18の伸縮に基づいて、可動機枠12が固定機枠11に対して移動することで、作業手段7は少なくとも作業状態(前進作業状態)及び格納状態に選択的に切り換わる。そして、作業手段(作業部)7は、格納状態ではトラクタ2の後方領域に位置するが、作業状態(オフセット状態)ではその後方領域から側方にずれたオフセット位置に位置する。なお、シリンダ18の伸縮によって、作業状態でのオフセット量も調整可能である。また、例えば手動で切り換える構成や、リターン作業状態(後進作業状態)にも切り換え可能な構成等でもよい。
【0016】
固定機枠(前フレーム)11は、例えば図示しないカプラを介して3点リンク(3点ヒッチ部)3に着脱可能に連結される3点連結部20を有している。3点連結部20は、1本のトップマスト21と、2本のロワアーム22と、トップマスト21の先端部に取り付けられたトップピン(上側ピン)23と、ロワアーム22の先端部に取り付けられたロワピン(下側ピン)24とを有している。
【0017】
そして、トップピン23は、左右方向に軸方向を有する丸軸状の部材からなるもので、3点連結部20のトップマスト21の先端部に形成された複数の取付孔部25の中から選択された一の取付孔部25に着脱可能に取り付けられている。トップマスト21の基端部は、マスト取付部28に取り付けられている。なお、マスト取付部28には、右側の回動アーム14の前端部が回動可能に取り付けられている。
【0018】
固定機枠11は、例えば図示しないPTO軸に接続した動力伝達用のジョイントに着脱可能に接続され、トラクタ2のPTO軸の回転時にそのトラクタ2からの動力を入力する入力軸26を有している。
【0019】
そして、入力軸26によって入力された動力は、動力伝達手段27を介して作業手段7に伝達される。作業手段7は、その伝達された動力に基づいて作業を行う。なお、入力軸26の上方は、入力軸カバー17で覆われている。
【0020】
固定機枠11は、左右方向に細長い長手状のフレーム部30を有している。フレーム部30の長手方向の両端部には、スタンド(図示せず)を着脱可能に取り付けるコ字枠状のスタンドホルダー部31が設けられている。フレーム部30の長手方向中間の2箇所には取付板部32が固設され、この各取付板部32にはロワアーム22の基端部(上端部)が取り付けられている。
【0021】
また、長手状のフレーム部30のうち、左側の取付板部32の近傍に位置する部分からは、長手状の突出フレーム部33が後斜め下方に向かって突出している。そして、突出フレーム部33の後端部には、左側の回動アーム13の前端部が回動可能に取り付けられている。なお、突出フレーム部33は、水(液体)が貯留される容器状の液体貯留部であるタンク71の側方近傍に配置されている。
【0022】
作業手段7は、所定方向に回転しながら田面及び畦(元畦)を耕耘して土を盛り上げる盛土体36と、所定方向に回転しながら盛土体36による盛土(耕耘土)を締め固めて畦(新畦)を形成する畦形成体37と、所定方向に回転しながら畦(元畦)の上面を削る上面削り体38とを有している。これら盛土体36、畦形成体37及び上面削り体38は、いずれも可動機枠12に回転可能に設けられている。
【0023】
また、可動機枠12には、盛土体カバー41、畦形成体カバー42及び上面削り体カバー43が設けられている。盛土体カバー41の右側(外側)の側板部44には、盛土体36の側方を覆う土飛散防止用の板状のサイドカバー体(ガイド板)45が上下一対のリンク部材46,47を介して上下動可能に設けられている。
【0024】
ここで、盛土体36は、可動機枠12で支持された回転軸51と、この回転軸51に着脱可能に取り付けられた複数の耕耘爪(盛土用爪)52とを有している。上面削り体38は、可動機枠12で支持された回転軸53と、この回転軸53に着脱可能に取り付けられた複数の耕耘爪(削り用爪)54とを有している。なお、これら盛土体36及び上面削り体38の作業深さ(耕耘深さ)は、例えば電動油圧シリンダ等の伸縮駆動手段であるシリンダ55の伸縮によって調整可能(手動で調整可能な構成でもよい)となっている。
【0025】
畦形成体37は、可動機枠12で支持された回転軸56と、この回転軸56に着脱可能に取り付けられた畦形成部材57とを有している。畦形成部材57は、畦側面を形成する段差付きの円錐台状の畦側面形成部58と、畦上面を形成する段差付きの円筒状の畦上面形成部59とで構成されている。
【0026】
畦側面形成部58は、ベース61と、このベース61に着脱可能に装着された複数(例えば8枚)の畦側面形成板(面板)62とを有する。各畦側面形成板62は、例えば扇形状でかつ外面側に凸の湾曲板状に形成されている。畦上面形成部59は、上面ローラ63からなり、この上面ローラ63の外周面には、複数の螺旋状の段差部64が形成されている。
【0027】
散水装置8は、例えば粘りが強い土質である場合に畦形成体37への土付着を抑制するために、畦形成体37に対して水を散水して供給するものである。例えばトラクタ2の運転席に乗った作業者は、リモコンを操作して散水装置8のポンプを制御することにより、散水量(ゼロを含む)を調整できる。なお、例えばコックを操作して散水量を調整する構成や、畦形成体37の表面に付着した土を検知して散水量を自動調整する構成等でもよい。
【0028】
そして、散水装置8は、機体6の固定部である固定機枠11に着脱可能に取り付けられたタンク支持体70と、このタンク支持体70によって支持され、少なくとも一部(少なくとも半分以上)、すなわち例えば全体(略全体を含む)が固定機枠11のトップピン23の中心よりも下方に位置するタンク71と、このタンク71の底部に形成された接続口(液体出口部)72に基端側が接続されかつ先端側が畦形成体37まで延在して当該畦形成体37の近傍に位置する配管であるホース73とを有している。
【0029】
また、散水装置8は、タンク71の上部に形成された開口部である上面開口部(液体入口部)77を開閉する開閉蓋(キャップ)78を有し、この開閉蓋78は、タンク71の上部に着脱可能に装着されている。
【0030】
さらに、散水装置8は、可撓性を有した細長いホース73の途中に設けられたモータ駆動式のポンプ(図示せず)と、ホース73の先端側に取り付けられ、畦形成体37と対向する複数の散水ノズル74とを有している。散水ノズル74は、可動機枠12に取り付けられたノズル取付部材75に向き調整可能に取り付けられている。
【0031】
ここで、タンク71は、例えば前後左右の4つの側面を有した直方体状の容器部材からなるもので、当該タンク71内に水を入れるための円形状の上面開口部77を上面(上端)に有し、この上面開口部77は開閉蓋78で開閉可能である。
【0032】
具体的には、
図4に示すように、タンク(容器部材)71は、水を貯留する本体部79と、この本体部79の上面部に上方に向かって突設された短円筒状の円筒部80とを有し、この円筒部80の上端面開口によって上面開口部(円形空間)77が構成され、この上面開口部77が円筒部80に装着された開閉蓋78で開閉可能に閉鎖されている。
【0033】
そして、タンク71の本体部79の内部に水を入れるための上面開口部(給水口)77は、タンク71の水平姿勢(畦塗り機の作業姿勢)において、トップピン23の中心(換言するとトップピンの軸芯を通る左右方向の中心軸線X)よりも下方に位置する。
【0034】
つまり、
図4の如くタンク71が水平姿勢(略水平姿勢を含む)となっている状態時において、タンク71の上端の上面開口部77は、水平方向の中心軸線Xを含む水平面Sよりも下方に位置する。また、この図示した例では、給水口である上面開口部77は、マスト取付部28の上面29よりも下方に位置しており、上面29及び上面開口部77間の距離L1は、水平面S及び上面29間の距離L2よりも大きい。
【0035】
また一方、タンク71の底部の接続口72は、ロワピン24の中心よりも下方(換言するとロワピンの軸芯を通る左右方向の中心軸線Y)よりも下方に位置する。なお、この状態で入力軸26の水平方向に対する傾斜角度αは、例えば5度である。
【0036】
また、この状態において、平面視で、オフセットした作業状態の作業手段7が前後方向の入力軸26よりも一側方(右側)に位置し、かつ、水平姿勢のタンク71が前後方向の入力軸26よりも他側方(左側)に位置する(
図1参照)。
【0037】
このとき、
図1から明らかなように、平面視で、タンク71は、畦塗り機1の前側の位置(固定機枠側の位置)であって盛土体36の側方に位置しており、これらタンク71及び盛土体36は平面視で左右方向に並んだ状態となっている。つまり、タンク71は、畦塗り機1の後側の回動支点10よりも前方に位置しており、可動機枠12と一緒に回動しない位置に配置されている。
【0038】
また、タンク71の左側面(左端部)71aは、左側のスタンドホルダー部(固定機枠の左端部)31よりも外側方に突出して位置する。つまり、平面視で、タンク71の少なくとも一部(左側部)、すなわち例えばタンク71のうち上面開口部77の少なくとも一部を含む左側部分(外側部分)が機体6の左端部よりも左側方に突出して位置する。さらに、タンク71の後方には、給水作業をする作業者が立ってその作業をするための作業用スペース60が存在する(
図1及び
図5参照)。
【0039】
そして、このようにタンク71を固定機枠11側の位置(畦塗り機の前側位置)に固定的に支持するタンク支持体70は、
図3に示すように、固定機枠11の左側に着脱可能に取り付けられ、互いに離間対向する左右一対の取付部材(2つのステー)81,82と、これら取付部材81,82間に架設され、タンク71を支持する支持部材(1つのタンク台)83とを有している。
【0040】
左右の取付部材81,82は、例えばL字状の部材からなるもので、第1長手部81a,82aと、この第1長手部81a,82aの前端部から立ち上がった第2長手部81b,82bとを有する。
【0041】
そして、支持部材83が左右の第1長手部81a,82a間に架設され、かつ、左側の第2長手部81bがフレーム部30の左端部に取り付けられるとともに、右側の第2長手部82bが取付板部32の下部に取り付けられている。右側の第1長手部82aには、図示しないが、散水装置8のポンプが取り付けられている。なお、ポンプの取付位置は、それ以外でもよく、例えば支持部材83やタンク71等に取り付けた構成でもよい。
【0042】
支持部材83は、両取付部材81,82の第1長手部81a,82aに取り付けられた取付部85と、タンク71の下部を内側に嵌合保持する環状の支持部86とを有している。この支持部86は、前後方向に長手状の板部材87を左側に有し、この板部材87に平面視コ字状をなす枠部材88の端部及び2本のパイプ部材89の端部が連結固定されている。
【0043】
次に、畦塗り機1の作用等を説明する。
【0044】
例えば粘りが強い土質の畦に対して畦塗り作業をする場合には、その強い粘土質の土が畦形成体37の表面に付着してしまうため、その土付着を抑制すべく散水装置8で散水を行う必要がある。
【0045】
このような場合、畦塗り作業の開始前に、作業者は、
図5に示すように、トラクタ2の3点リンク3で畦塗り機1を当該
図5に示す作業姿勢(タンクの水平姿勢)に設定して、散水装置8のタンク71に対して給水作業を行う。
【0046】
つまり、作業者は、畦塗り機1を田面に接地させた
図5に示す作業姿勢にしてから、開閉蓋78をタンク71から一旦取り外して、タンク71の上面開口部(給水口)77を上方に開口させた状態で、例えばポリタンク等の容器90を用いて、当該容器90内の水を上面開口部77からタンク71内に所定量(例えば20リットル或いは30リットル等)まで入れる。
【0047】
このとき、上方に開口した上面開口部77は、固定機枠11の3点連結部20の上部のトップピン23よりも低い低位置に位置するため、作業者はその給水作業を容易に行うことが可能である。
【0048】
そして、給水作業が完了した後、トラクタ2の走行により畦塗り機1を畦に沿って前方(進行方向)に移動させつつ、散水装置8により畦形成体37に向けて散水しながら、畦塗り作業を行う。
【0049】
具体的には、上面削り体38が畦の上面側を耕耘して削り、その後方で盛土体36が田面及び畦を耕耘して土を盛り上げ、その後方で畦形成体37が盛土体36による盛土を締め固めて畦を形成する。
【0050】
この際、散水ノズル74がタンク71内の水を畦形成体37に向けて散水することで、所望量の水が畦形成体37に供給される。それゆえ、粘りが強い土質であっても、畦形成体37の畦形成部材57における畦側面形成部58及び畦上面形成部59の各表面には土が付着しにくい。なお、例えば土の水分が少なく畦をきれいに塗れない場合等において、散水装置8で土に水を供給してもよい。
【0051】
そして、畦塗り機1によれば、散水装置8のタンク71の上面開口部77は、機体6の固定機枠11の3点連結部20の上部のトップピン23の中心よりも下方に位置するため、従来に比べて、タンク71内に水を入れる給水作業がやりやすく、作業者の負担軽減を図ることができる。
【0052】
また、畦塗り機1で畦塗り作業をする作業時において、平面視で、トラクタ2に対してオフセットした作業状態の作業手段7が入力軸26よりも一側方に位置し、かつ、タンク71が入力軸26よりも他側方に位置するとともに当該タンク71が畦塗り機1の前側に位置するため、全体の重量バランスが良好で、畦塗り作業がやりやすく、作業者の負担軽減をより一層図ることができる。
【0053】
さらに、タンク71を支持するタンク支持体70は、固定機枠11に取り付けられた対をなす取付部材81,82と、これら取付部材81,82間に架設された支持部材83とを有するものであるから、簡単な構成のタンク支持体70によって、タンク71をその全体が固定機枠11のトップピン23よりも下方に位置しかつ可動機枠12の回動支点10よりも前方に位置するように適切に支持できる。
【0054】
なお、上記実施の形態では、液体供給手段が散水装置である場合について説明したが、これには限定されず、液体供給手段は、例えば液状の除草剤等の薬剤(液体)や土を固める薬液等を土や作業手段に散布して供給するものでもよい。
【0055】
また、液体供給手段のタンクは、その全体がトップピンの中心よりも下方に位置する構成には限定されず、例えばタンクの一部(例えば液体をタンク内に入れるための開口部)がトップピンの中心よりも下方に位置する構成等でもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 畦塗り機
2 走行車であるトラクタ
3 3点リンク
6 機体
7 作業手段
8 液体供給手段である散水装置
11 固定機枠
23 トップピン
26 入力軸
70 タンク支持体
71 タンク
77 開口部である上面開口部
81,82 取付部材
83 支持部材