(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-21
(45)【発行日】2024-08-29
(54)【発明の名称】板状材を印刷するための機械及びその機械を使用して板状材を印刷するための方法
(51)【国際特許分類】
B41J 3/407 20060101AFI20240822BHJP
B41J 3/60 20060101ALI20240822BHJP
B05D 1/26 20060101ALI20240822BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20240822BHJP
B05C 9/14 20060101ALI20240822BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20240822BHJP
B05C 13/02 20060101ALI20240822BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
B41J3/407
B41J3/60
B05D1/26 Z
B05C5/00 101
B05C9/14
B05C11/10
B05C13/02
B41J2/01 103
(21)【出願番号】P 2021569315
(86)(22)【出願日】2020-05-19
(86)【国際出願番号】 ES2020070320
(87)【国際公開番号】W WO2020234500
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2022-06-28
(32)【優先日】2019-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516277439
【氏名又は名称】バルベラン ラトーレ, イエズス フランシスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100158920
【氏名又は名称】上野 英樹
(72)【発明者】
【氏名】バルベラン ラトーレ, イエズス フランシスコ
【審査官】大関 朋子
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102011051021(DE,A1)
【文献】特開2016-215438(JP,A)
【文献】特開2012-040750(JP,A)
【文献】特開平08-072234(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0120249(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0243857(US,A1)
【文献】特開2009-050806(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01
B41J 3/407
B41J 3/60
B41M 3/06
B05D 1/26
B05C 5/00
B05C 9/14
B05C 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状材(1)を印刷するための機械であって、
-印刷ヘッド(2)と、ここで該印刷ヘッド(2)は、前記板状材(1)の表面に生産物を射出するための複数の射出ノズル(2.1)を有し、
-可動部分(3.1)を備えた移動手段(3)と、ここで該移動手段(3)は、前記可動部分(3.1)によって第1の軸(X)に一致して、前方への移動において前記板状材(1)を支持及び移動するように構成され、
-前記板状材(1)と前記印刷ヘッド(2)の間の相対位置を設定及び固定するための位置決め手段と、
-前記可動部分(3.1)をガイドするためのガイド手段(4)と、
-前記可動部分(3.1)に対して前記板状材(1)を固定するための保持手段と
を含み、前記板状材(1)が前記可動部分(3.1)に固定され、前記可動部分(3.1)が前記ガイド手段によってガイドされた状態で、前記板状材(1)は、射出される前記生産物を受けるために移動されることができ、前記印刷ヘッド(2)が相対的な位置を変えずに、前記板状材(1)が前記第1の軸(X)に一致して前記移動手段(3)により前方に移動されるように、前記印刷ヘッド(2)は処理される前記板状材(1)に応じて移動及び配置され、前記位置決め手段は、前記印刷ヘッド(2)を前記第1の軸(X)を中心に角度を変えるよう移動させるように構成され、更に前記位置決め手段は、
(i)前記印刷ヘッド(2)を、前記板状材(1)及び/若しくは前記可動部分(3.1)に近づけたり又はそれから遠ざけたりするために、第2の軸(Y)に従って直線的に移動させるように構成され、並びに/あるいは
(ii)前記板状材(1)の一方の側方で、前記第2の軸(Y)に従った前記板状材(1)との対応がない位置に配置されるために又は前記第2の軸(Y)に従った前記板状材(1)と対応する位置に配置されるために、第3の軸(Z)に従って直線的に移動させるように構成され、
前記第1の軸(X)、前記第2の軸(Y)及び前記第3の軸(Z)は、互いに直交して
おり、前記移動手段(3)は、接触によって、前記板状材(1)の支持及び移動をもたらすための前記可動部分(3.1)での突起(3.2)を含み、前記板状材(1)の少なくとも1つの端部(1.3’)及び該端部(1.3’)に近い領域は前記接触がなく、それにより前記印刷ヘッド(2)は、前記板状材(1)の表面に前記生産物を射出するために下面(1.1)と、上面(1.2)と、前記下面(1.1)と前記上面(1.2)を繋ぐ端部(1.3)に配置されることができる、機械。
【請求項2】
前記ガイド手段(4)は、前記可動部分(3.1)が配置される平面において、前記可動部分(3.1)の移動方向と垂直な方向の動きを防止するためのストッパを含むことを特徴とする、請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記保持手段は、吸引によって前記板状材(1)を固定するように構成されることを特徴とする、請求項1
又は2に記載の機械。
【請求項4】
前記保持手段は、前記移動手段(3)を通じて前記板状材(1)を固定するために配置された貫通孔を含むことを特徴とする、請求項1から
3のいずれか一項に記載の機械。
【請求項5】
前記射出ノズル(2.1)及び前記生産物の数が少なくとも3つであり、前記射出ノズル(2.1)は、それぞれの前記生産物を独立して射出するように構成され、前記生産物は、前記板状材の表面に直接配置される下処理生産物(1)と、印刷インクと、印刷された前記板状材(1)の外側を覆うための仕上げ生産物であることを特徴とする、請求項1から
4のいずれか一項に記載の機械。
【請求項6】
前記印刷ヘッド(2)は、それぞれの前記射出ノズル(2.1)に対して1つの乾燥用要素(2.2)を有し、それぞれの前記乾燥用要素(2.2)は、1つの前記射出ノズル(2.1)からの前記生産物を少なくとも部分的に硬化させるように構成されることを特徴とする、請求項1から
5のいずれか一項に記載の機械。
【請求項7】
射出された前記生産物の拡散が前記板状材(1)に到達するのを防ぐように構成されたマスキング手段を、前記印刷ヘッド(2)に更に含むことを特徴とする、請求項1から
6のいずれか一項に記載の機械。
【請求項8】
前記マスキング手段は、拡散した前記生産物を吸引するための吸引孔(5)及び/又は拡散した前記生産物を受けるためのフィルム(6)を含むことを特徴とする、請求項
7に記載の機械。
【請求項9】
前記板状材(1)に関するデータ及び印刷される模様に関するデータを提供するための制御手段を更に含み、前記制御手段は、前記位置決め手段、前記印刷ヘッド(2)、及び前記移動手段(3)に接続されて、前記データ及び実行されるパスの数に応じてそれぞれの前記射出ノズル(2.1)を動作させることを特徴とする、請求項1から
8のいずれか一項に記載の機械。
【請求項10】
前記板状材(1)に関するデータは、形状、寸法、移動速度、及び前記印刷ヘッド(2)に対する相対位置を含み、更に/又は前記模様に関するデータは、それぞれの前記射出ノズル(2.1)によって射出される前記生産物の構図及び量を含むことを特徴とする、請求項
9に記載の機械
。
【請求項11】
請求項1から
10のいずれか一項に記載の機械を使用して板状材を印刷する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状材への印刷に関する産業、より具体的には、異なる傾斜面による表面を有する板状材への印刷に関する産業に関する。
【背景技術】
【0002】
主に水平面に従って配置された平面を有する板状材表面に生産物を射出することは、今日広く知られている。したがって、板状材は、必要な生産物が板状材の上面に射出される印刷ヘッドに対応する位置まで、供給及び移動されることが知られている。
【0003】
しかしながら、板状材が時に突起と窪みの両方からなる浮き彫りの形成を有することを考えると、板状材が平面形態を有さない場合がある。同様に生産物は、時に両側の側方での端部並びに前方及び後方の端部に塗布される必要がある。このように、板状材は対応する複数の生産物によって処理される異なる複数の表面を有することがあり、それぞれの板状材のその表面は、異なる傾斜面に従って配置される。
【0004】
従来用いられている方法は、手作業での生産物の追加の塗布からなる。したがって、対応する板状材が上面及び/又は下面によって必要な生産物を受けたら、作業者は対応する生産物を表面に垂直な方向から表面に塗布する。この方法には、生産物で適切に処理された板状材を得るのに非常に長い時間を要する、又は印刷ヘッドによって提供される仕上がりとは異なる仕上がりであることに加えて、それぞれの板状材で仕上がりが変わるなど、様々な欠点がある。
【0005】
この問題を考慮して、生産物を塗布するために作業者によって行われる動きを行うために使用されるコンピュータ誘導機械が知られている。同様に、この同じ問題を考慮して、板状材は印刷ヘッドに対応して移動することが知られており、後者では様々な向きに配置される。これらの方法は、上述した方法に比べれば有利であるが、少なくとも1つの表面での生産物の間接的かつ望ましくない射出を考慮すると、それぞれの板状材の少なくとも1つの表面で高品質の仕上げを得るのを妨げる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在存在する方法が有する上述した欠点又は制限を考慮して、様々な傾斜面が配置された表面に生産物を塗布することを可能にするのと同時に、その生産物の質の高い塗布を提供する方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的に従い、これまでに記載された技術的問題を解決し、加えて以下から分かる追加の利点を提供するために、本発明は、板状材を印刷するための機械及びその機械を使用して板状材を印刷するための方法を提供する。
【0008】
板状材を印刷するための本発明の機械は、
板状材表面に生産物を射出するための少なくとも1つの射出ノズルを有する印刷ヘッドと、
可動部分を備えた移動手段と、ここで移動手段は、可動部分によって板状材を支持及び移動するように構成され、
板状材と印刷ヘッドの間の相対位置を設定及び固定するための位置決め手段と
を含む。
【0009】
本発明の機械は更に、可動部分をガイドするためのガイド手段と、可動部分に板状材を固定するための保持手段とを含む。したがって、板状材を可動部分に固定し、可動部分をガイド手段により誘導することにより、射出される生産物を受けるために板状材を移動させることができる。
【0010】
上記のガイド手段は、好ましくは、可動部分の横方向の動きを防止するためのストッパを含む。加えて又は代わりに、移動手段は、好ましくは可動部分での突起を含み、突起は、接触によって板状材の支持及び移動をもたらし、板状材の少なくとも1つの端部及び該端部に近い領域は接触しておらず、それにより印刷ヘッドは、板状材表面に生産物を射出するために板状材の下面と、板状材の上面と、下面と上面を繋ぐ端部に配置されることができる。
【0011】
保持手段は、好ましくは、吸引によって板状材を固定するように構成される。したがって、保持手段は、好ましくは、移動手段を通じて板状材を固定するために配置された貫通孔を含む。
【0012】
射出ノズル及び生産物の数は少なくとも3つであり、射出ノズルは、各生産物を独立して射出するように構成され、生産物は、板状材表面に直接配置される下処理生産物と、印刷インクと、印刷された板状材の外側を覆うための、すなわちその印刷が終わった際の仕上げ生産物である。
【0013】
印刷ヘッドは、各射出ノズルに対して1つの乾燥用要素を有し、各乾燥用要素は、1つの射出ノズルからの生産物を少なくとも部分的に硬化させるように構成される。
【0014】
本発明の機械は、射出された生産物の拡散が板状材に到達するのを防ぐように構成されたマスキング手段を印刷ヘッドに更に含む。マスキング手段は、好ましくは、拡散した生産物を吸引するための吸引孔及び/又は拡散した生産物を受けるためのフィルムを含む。
【0015】
本発明の機械は、板状材に関するデータ及び印刷される模様に関するデータを提供するための制御手段を更に含み、制御手段は、位置決め手段、印刷ヘッド、及び移動手段に接続されて、上記データ及び実行されるパスの数に応じて各射出ノズルを作動させる。
【0016】
板状材に関するデータは、好ましくは、形状、寸法、移動速度、及び印刷ヘッドに対する相対位置を含む。加えて又は代わりに、模様に関するデータは、好ましくは、各射出ノズルによって射出される生産物の構図及び量を含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1-3】異なる実施形態による、本発明の板状材を印刷するための機械に含まれる印刷ヘッド及び移動手段の部分的な概略図を示す。
【
図4】異なる位置による、本発明の板状材を印刷するための機械に含まれる印刷ヘッドの概略図を示す。
【
図5】
図5A、5B、5C、及び5Dは、印刷ヘッド及び板状材を支持する移動手段の概略図を示し、印刷ヘッドは、移動手段及び板状材に関して異なる位置にある。
【
図6】一実施形態による、本発明の板状材を印刷するための機械に含まれる印刷ヘッドの基部を示す。
【
図7】印刷ヘッド及び板状材の一連の動作の概略図を示し、板状材は印刷ヘッドに対して異なる相対位置にある。
【
図8】板状材と、2つの傾斜面によって構成される板状材の端部を1回のパスにより印刷するために2つの異なる位置で重ねられた2つの印刷ヘッドの概略図を示す。
【
図9】
図9A及び9Bは、板状材と、2つの傾斜面によって構成される板状材の端部を2回のパスにより印刷するために2つの異なる位置にされた印刷ヘッドの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、板状材(1)を印刷するための機械に加えて、板状材(1)をその機械により印刷する方法に関する。その方法は、以下の説明から導かれることができる。
【0019】
理解を容易にするために、本発明は、以下では座標として三次元直交座標系(X、Y、Z)を使用して説明される。
図1及び4に示されるこの座標系(X、Y、Z)は、第1軸(X)、第2軸(Y)、及び第3軸(Z)によって形成又は構成される。これらの3つの軸(X、Y、Z)は、互いに直交していると見なされる。
【0020】
処理される板状材(1)は、不連続の又は連続した形態を有する。すなわち、それらは、個別に独立した方法で、又はそれらが例えばロール形態から延ばされる又は引き出されるような連続した方法で、本発明の機械に供給されることができる要素である。
【0021】
同様に、板状材(1)は、木材(例えば、中密度繊維板(MDF)、高密度繊維板(HDF)、及びパーティクルボードによって)、HPL、プラスチック、複合材、及び例えば紙や段ボールなどのセルロース誘導体から好ましくは選択される材料を含む、様々な材料で作られることができる。
【0022】
対応する板状材(1)を処理又は印刷するために、本発明は、好ましくは少なくとも1つの生産物、より好ましくは2つ、更により好ましくは3つの生産物を射出することを含む。板状材(1)表面に射出される生産物は、下処理生産物、印刷生産物、仕上げ生産物、及びそれらの2つ以上のいずれかの組み合わせから選択されることができる。
【0023】
それらの生産物の少なくとも1つを塗布又は射出することによって対応する板状材(1)を処理又は印刷するために、本発明の機械は、少なくとも1つの印刷ヘッド(2)、好ましくは、1つに加えて、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上であり得るような印刷ヘッド(2)のアセンブリを含む。そして、各印刷ヘッド(2)は、対応する生産物を板状材(1)表面に射出するための少なくとも1つの射出ノズル(2.1)を有する。
【0024】
好ましくは、印刷ヘッド(2)は、板状材(1)表面に下処理生産物を射出するための下処理ユニット(A)を構成する少なくとも1つの射出ノズル(2.1)を有する。したがって、好ましくは、下処理ユニット(A)を構成し、下処理生産物を射出するために各印刷ヘッド(2)に配置されるいくつかの射出ノズル(2.1)がある。
【0025】
好ましくは、印刷ヘッド(2)は、板状材(1)表面に印刷生産物を射出するための印刷ユニット(B)を構成する少なくとも1つの射出ノズル(2.1)を有する。したがって、好ましくは、印刷ユニット(B)を構成し、印刷生産物を射出するために各印刷ヘッド(2)に配置されるいくつかの射出ノズル(2.1)がある。
【0026】
好ましくは、印刷ヘッド(2)は、板状材(1)表面に仕上げ生産物を射出するための仕上げユニット(C)を構成する少なくとも1つの射出ノズル(2.1)を有する。したがって、好ましくは、仕上げユニット(C)を構成し、仕上げ生産物を射出するために各印刷ヘッド(2)に配置されるいくつかの射出ノズル(2.1)がある。
【0027】
下処理生産物は、選択及び塗布されて板状材(1)表面に直接配置されて、それにより、任意の別の1つの生産物のその後の塗布のために、板状材(1)を下処理する。1つの可能な形態によれば、下処理生産物は、塗布される対応するその後の生産物の受け入れを促進するか、又はその生産物を強調するために選択及び塗布され、その生産物は、好ましくは印刷生産物である。したがって、下処理生産物を板状材(1)表面に射出することによって、「下塗り」と呼ばれる工程、又はより光沢のある又はより良い色調を得るための準備が行われる。
【0028】
別の可能な形態によれば、下処理生産物は、でこぼこの形態から平面形態に、すなわち平坦で滑らかに板状材(1)を整えるために選択されて塗布される。したがって、板状材(1)表面に下処理生産物を射出することにより、細孔及び他の小さな凹凸が緩和され、覆われ、又は除去される。このようにして、板状材(1)は、印刷生産物又は仕上げ生産物である対応するその後の生産物がそれに塗布されることができるように整えられる。
【0029】
下処理ユニット(A)は、下処理生産物を射出するように構成される。その下処理生産物は、射出可能であるなどの状態で、白い物質又はインク、パテ、ワニス、接着剤又は粘着性物質、及びそれらの2つ以上によるいずれかの組み合わせから選択されることができる。
【0030】
印刷生産物は、板状材(1)に模様や画像を定めるための印刷インクに相当する。
【0031】
印刷ユニット(B)は、印刷インクを射出するように構成される。そのインクは、少なくとも1つの色、好ましくはいくつかの色である。色は、好ましくは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、及びそれらの2つ以上のいずれかの組み合わせから選択されることができる。任意で、その色は、ライトシアン、ライトマゼンタ、先の4つの色とは異なる他の色、及びそれらの2つ以上のいずれかの組み合わせから追加で選択されることができる。したがって、印刷ユニット(B)を構成する射出ノズル(2.1)は、対応する1つ又は複数の色に従って射出するように配置される。
【0032】
板状材(1)の外側を覆うために、仕上げ生産物が選択及び塗布される。1つの可能な形態によれば、その仕上げ生産物は、少なくとも1つの塗布生産物、好ましくは少なくとも印刷生産物などの塗布生産物を保護するために選択されて塗布される。別の可能な形態によれば、仕上げ生産物が板状材(1)に質感を与えるために選択及び塗布される。
【0033】
続いて、仕上げユニット(C)が仕上げ生産物を射出するように構成される。その仕上げ生産物は、射出可能であるなどの状態で、ワニス、ラッカー、及びそれらの組み合わせから選択されることができる。
【0034】
印刷ヘッド(2)について上述したようにして、本発明の方法は、上述したように印刷ヘッドを使用することを含む。印刷ヘッド(2)に関して提供されたその説明には、射出ノズル(2.1)、ユニット(A、B、C)、及び生産物に関する説明が含まれる。
【0035】
本発明の機械は、第1の軸(X)に一致して、前方への移動において板状材(1)を支持及び移動させるように構成された移動手段(3)を含む。好ましくは、板状材(1)は、第2の軸(Y)に一致して沈むことによって又は重力によって移動手段(3)に配置された後に、第1の軸(X)に一致して、移動手段(3)によって前方への移動において長手方向に移動される。
【0036】
したがって、移動手段(3)は可動部分(3.1)を有し、可動部分(3.1)は板状材(1)と接触し、その可動部分(3.1)の動きに従って前方への移動において板状材を動かす又は移動させる。可動部分(3.1)は、好ましくはコンベヤーベルトである。加えて又は代わりに、可動部分(3.1)は、ローラーアセンブリ、駆動チェーンなどである。
【0037】
これらの移動手段(3)は、回転軸と駆動モータを有し、これらの回転軸のうちの少なくとも1つは、その駆動モータによって回転するように動作し、同時に少なくともその回転軸は、可動部分(3.1)を動かすように配置される。
【0038】
板状材(1)では、下面(1.1)は、可動部分(3.1)に対して面する配置により定義されることができ、上面(1.2)は、第2軸(Y)での下面(1.1)の配置と反対側の配置により定義されることができ、傾斜面(1.3)が定義されることができる。
【0039】
傾斜面(1.3)は、下面(1.1)及び上面(1.2)の方向とは異なる方向を有することによって定義される。すなわち、その傾斜面(1.3)を含む仮想平面は、下面(1.1)及び上面(1.2)を含む平面に対して、0°以外の角度を形成する。したがって、傾斜面(1.3)は、板状材(1)での端部(1.3’)、突起、及び窪みを定める面と見なすことができる。
【0040】
移動手段(3)及び板状材(1)について上述したようにして、本発明の方法は、上述したようにその手段及び板状材を使用することを含む。移動手段(3)に関して提供されたその説明は、可動部分(3.1)に関する説明及び板状材(1)での上述した表面(1.1、1.2、1.3)の定義を含む。
【0041】
本発明の機械は、板状材(1)と各印刷ヘッド(2)の間の相対位置を設定及び固定するための、図面には示されていない位置決め手段を含む。位置決め手段は、電気モータ、油圧アーム、歯車のセット、シャフトのセット、例えばナットなどのいくつかの締め付け要素、及びそれらの2つ以上のいずれかの組み合わせから選択されることができる要素である。
【0042】
好ましい実施形態によれば、上述の位置決め手段は、板状材(1)を処理又は印刷するために、可動部分(3.1)、したがってまた板状材(1)に対する射出の方向に従って、各印刷ヘッド(2)を移動及び位置決めするように構成される。
図4を参照されたい。
【0043】
印刷ヘッド(2)は、板状材(1)及び/又は可動部分(3.1)に近づいたり、あるいはそれから遠ざかったりするために、第2の軸(Y)に従って直線的に移動することができる。更に、印刷ヘッド(2)は、板状材(1)の一方の側方に、したがって第2の軸(Y)に従った板状材(1)との対応がない位置に配置されるために、又は第2の軸(Y)に従って板状材(1)と対応する位置に配置されるために、第3の軸(Z)に従って直線的かつ横方向に移動されることができる。
【0044】
同様に、印刷ヘッド(2)は、対応する傾斜面(1.3)に必要な生産物を射出するために、
図4及び
図5A~5Dの両方に見られるように、第1の軸(X)を中心に角度を変えるように又は回転するように動かされることができる。任意で、印刷ヘッド(2)はまた、第2の軸(Y)を中心に及び/又は第3の軸(Z)を中心に回転移動することもできる。
【0045】
この実施形態によれば、各印刷ヘッド(2)は処理される板状材(1)に応じて移動及び配置され、それにより印刷ヘッド(2)は動かずに、第1の軸(X)に一致して移動手段(3)により板状材(1)は前方に移動される。したがって、必要な各生産物の射出は、直線経路のみにより提供される。
【0046】
別の好ましい実施形態によれば、上述の位置決め手段は、板状材(1)を処理又は印刷するために、射出の方向に従って各印刷ヘッド(2)に対して、可動部分(3.1)、したがってまた板状材(1)を、移動及び位置決めするように構成される。
【0047】
可動部分(3.1)、したがってまた板状材(1)は、第2軸(Y)及び第3軸(Z)に一致して直線的に移動されることができる。更に、可動部分(3.1)、したがってまた板状材(1)は、第1の軸(X)を中心に、加えて任意で第2の軸(Y)及び/若しくは第3の軸(Z)を中心に角度を変えるように又は回転するように動かされることができる。
【0048】
図7は、本発明の機械により、本発明の方法に従って印刷されることができる1つの板状材(1)の、この他の好ましい実施形態による処理又は印刷過程を示す。この板状材(1)は処理される4つの表面を有し、これらの表面のうちの2つは下面(1.1)及び上面(1.2)であり、他の2つの表面は、板状材(1)の端部(1.3’)として傾斜面(1.3)に対応する。同様に、その
図7を考慮して、印刷ヘッド(2)の固定又は動かない配置を明確に推定することができ、板状材(1)は、印刷ヘッド(2)の射出を受けるために、この場合は第1の軸(X)を中心に回転することによって移動及び配置される。
【0049】
この他の実施形態によれば、位置決め手段が可動部分(3.1)、したがってまた板状材(1)を、印刷ヘッド(2)の射出の方向に応じて位置決めすると、その位置決めは維持されて、その板状材(1)は、第1の軸(X)に一致して長手方向又は前方に移動する。したがって、直線経路のみによりそれぞれの必要な生産物の射出が同様に提供される。
【0050】
位置決め手段について上述したようにして、本発明の方法は、上述したようにその手段を使用することを含む。位置決め手段に関して提供されたその説明は、好ましい実施形態に関する説明を含む。
【0051】
移動手段(3)は、板状材(1)の支持及び移動中に板状材(1)に接するための突起(3.2)を含む。具体的には、移動手段(3)は、可動部分(3.1)に突起(3.2)を含む。突起(3.2)は可動部分(3.1)に取り付けられるか、又は突起(3.2)と可動部分(3.1)は単一の部品で形成される。
【0052】
したがって、突起(3.2)により板状材(1)が可動部分(3.1)に対して離されている又は隔てられていると考えると、板状材(1)は、突起(3.2)により可動部分(3.1)によって間接的に支持及び移動される。突起(3.2)が板状材(1)に直接接していると考えると、板状材(1)は突起(3.2)によって直接支持及び移動される。
【0053】
したがって、突起(3.2)は、好ましくは、特定の又は正確な位置により板状材(1)に接するように、すなわち突起(3.2)は、板状材(1)の表面(1.1、1.2、1.3)のいずれともその表面全体では接しないようにして配置される。同様に、突起(3.2)は板状材(1)と、その端部(1.3’)の少なくとも1つ及びその端部(1.3’)に近接する領域と接しないで、それらの表面(1.1、1.2、1.3)の少なくとも1つで接するように配置される。
図1から3及び5Aから5Dを参照されたい。
【0054】
したがって、印刷ヘッド(2)の1つが、対応する端部(1.3’)を構成する傾斜面(1.3)に従い板状材(1)に対して、並びに下面(1.1)及び上面(1.2)に対して配置されることができるようにして、突起(3.2)は、対応する端部(1.3’)及びそれらの近くの領域と接触しないで、印刷される板状材(1)を支持する。この位置決めは、上記の移動手段(3)と位置決め手段の組み合わせにより行われることができる。
【0055】
突起(3.2)について上述したようにして、本発明の方法は、上述したようにその突起を使用することを含む。
【0056】
本発明の機械は、可動部分(3.1)をガイドするためのガイド手段(4)を含む。可動部分(3.1)は、そこでの隙間、均一でない動作、又は駆動モータのガクンとした動きなどにより、所定の所望の経路から外れる傾向があり得る。したがって、板状材(1)を前方に移動させるために動かす際に、可動部分(3.1)のこれらによる外れを防止するためにガイド手段(4)が配置される。
【0057】
ガイド手段(4)を使用することにより、処理される板状材(1)の理論的部分と、各印刷ヘッド(2)の射出によって処理される板状材(1)の実際の部分の間のずれが制限されるか、又は排除さえされる。対応する印刷ヘッド(2)に向けて前方へ移動される板状材(1)に対する各印刷ヘッド(2)の射出は、それにより精度に関してガイド手段(4)によって最適化される。したがって、上述したガイド手段(4)により、そのガイド手段(4)を使用しない場合に比べて、板状材(1)での処理や印刷に関して高品質な仕上がりの高解像度の結果を得ることができる。
【0058】
ガイド手段(4)は、好ましくはストッパを含み、そのストッパは、所望の解像度及び仕上げ品質に従って、可動部分(3.1)の望ましくない横方向の動き、すなわち第3の軸(Z)に沿った動きを防止するために、配置される。
【0059】
ストッパは、好ましくは可動部分(3.1)の片側に沿って配置され、より好ましくはその可動部分(3.1)の両側に沿って配置される。同様に、そのストッパは、突起(3.2)によって提供される可動部分(3.1)と板状材(1)の間の間隔に配置される。
【0060】
可動部分(3.1)がコンベヤーベルトである場合及びローラーアセンブリなどである場合の両方で、ストッパは本発明の機械に固定して配置された物理的な部品である。ガイド手段(4)、より具体的にはストッパは、それによって可動部分(3.1)との接触によって作用する。
【0061】
ガイド手段(4)について上述したようにして、本発明の方法は、上述したようにその手段を使用することを含む。ガイド手段(4)に関して提供されたその説明は、ストッパに関するものを含む。
【0062】
また、板状材(1)の印刷又は処理において高品質の仕上がりで高解像度の結果を得るために、本発明の機械は、可動部分(3.1)に対して対応する板状材(1)を固定し、言い換えれば板状材(1)は突起(3.2)を介して可動部分(3.1)と接しているので、可動部分(3.1)において間接的に対応する板状材(1)を固定し、固定を維持するための保持手段を含む。
【0063】
板状材(1)は、移動手段(3)での、より具体的には可動部分(3.1)での配置位置に対して、その長手方向移動における振動、対応する必要な生産物の塗布などにより、動く傾向があり得る。したがって、可動部分(3.1)に対するこれらによる動きを防止するための保持手段が設けられている。
【0064】
同様に、処理される板状材(1)の理論的部分と、各印刷ヘッド(2)の射出によって処理される板状材(1)の実際の部分の間のずれは、保持手段を使用することによって限定又は排除さえされる。各印刷ヘッド(2)に向けて前方へ移動される板状材(1)に対する各印刷ヘッド(2)の射出はまた、それにより精度に関して保持手段によって最適化される。
【0065】
上記の保持手段は、板状材(1)が可動部分(3.1)に対して配置されて固定された状態が維持されるようにして、板状材(1)に吸引を加えるように構成される。したがって、板状材(1)は、突起(3.2)を介して可動部分(3.1)と接している、すなわち機械的な固定要素がないため、板状材(1)は、間接的に可動部分(3.1)において真空により固定されて固定が維持される。
【0066】
したがって、その吸引によって、板状材(1)自体に損傷をもたらす、印刷又は処理される表面(1.1、1.2、1.3)に制限をもたらす、及び印刷ヘッド(2)と上記表面(1.1、1.2、1.3)の間での配置の制限をもたらすような方法で板状材(1)を保持することは、移動手段(3)及び位置決め手段の両方によって防止される。
【0067】
保持手段は、分かり易さのために図示されていない貫通孔を含む。これらの貫通孔は、保持手段が移動手段(3)を通して、より具体的には可動部分(3.1)を通して、より更に具体的には可動部分(3.1)及び突起(3.2)の両方を通して、板状材(1)に吸引力を及ぼすようにして配置される。保持手段は、吸引力を発生するための真空ポンプを更に含む。
【0068】
保持手段について上述したようにして、本発明の方法は、上述したようにその手段を使用することを含む。保持手段に関して提供されたその説明は、貫通孔及び真空ポンプに関するものを含む。
【0069】
また、板状材(1)の印刷又は処理において高品質の仕上がりでの高解像度の結果を得るために、印刷ヘッド(2)は、射出ノズル(2.1)により射出された生産物を少なくとも部分的に乾燥又は硬化させるように構成された乾燥用要素(2.2)を有する。好ましくは、乾燥用要素(2.2)は、UV、UV-LED、Eb、熱風、赤外線などの放射物放出源である。したがって、乾燥用要素(2.2)は、好ましくはランプである。あるいは、乾燥用要素(2.2)は、生産物の硬化を促進する化学物質の供給源である。したがって、乾燥用要素(2.2)は噴射装置である。
【0070】
より具体的には、印刷ヘッド(2)は、各射出ノズル(2.1)について1つの乾燥用要素(2.2)を有する。更に、各乾燥用要素(2.2)は、対応する射出ノズル(2.1)の近くに配置される。したがって、上述のユニット(A、B、C)は、対応する乾燥用要素(2.2)によって更に構成される。
図6を参照されたい。
【0071】
したがって、必要な生産物が対応する射出ノズル(2.1)によって射出された時から、その射出された生産物は、対応する乾燥用要素(2.2)の作用により乾燥されることができる。したがって、各射出ノズル(2.1)の射出は、所望の状態により板状材(1)において利用可能である。
【0072】
1つの選択肢によれば、上述の所望の状態は、半乾燥又は半硬化状態とも呼ばれる、中間の乾燥又は硬化状態に対応する。言い換えれば、対応するノズル(2.1)によって射出された生産物は、完全に又は十分に硬化することなく、部分的に硬化又は乾燥される。
【0073】
この選択肢によれば、本発明の機械は、好ましくは、塗布された複数の生産物に応じて板状材(1)を乾燥又は硬化させるために、図示されない1つの追加の乾燥用要素を含む。この乾燥又は硬化は、板状材(1)表面に射出又は印刷された複数の生産物が、半乾燥又は半硬化状態、つまり乾燥用要素(2.2)の使用に加えて、追加の乾燥用要素の使用によることができるように、少なくとも部分的であり、中間の乾燥状態により、対応する複数の生産物を板状材(1)表面に組み合わせて残すか配置することができる。同様に、上述の追加の乾燥用要素は、好ましくは本発明の機械の印刷ヘッド(2)に対して独立している。
【0074】
別の選択肢によれば、上述の所望の状態は、完全に乾燥又は硬化した状態とも呼ばれる、最終的な乾燥又は硬化状態に対応する。つまり、対応するノズル(2.1)によって射出された生産物は、十分に若しくは完全に硬化又は乾燥される。
【0075】
これらの選択肢に従って、それぞれの必要な生産物は、異なる層により板状材(1)に塗布されることができる。したがって、生産物の少なくとも1つは、その厚さ又は高さがその射出及び硬化の両方に従って、少なくとも1つの射出地点において局所的に増加するようにして異なる層により板状材(1)に塗布されることができ、それにより板状材(1)の表面(1.1、1.2、1.3)に浮き彫りが形成される。好ましくは、浮き彫りは、印刷生産物及び/又は仕上げ生産物の厚さの増加によって形成される。
【0076】
乾燥用要素(2.2)について上述したようにして、本発明の方法は、上述したようにその要素を使用することを含む。乾燥用要素(2.2)に関して提供されたその説明には、追加の乾燥用要素に関する説明が含まれる。
【0077】
図6は、印刷ヘッド(2)の基部(2.3)の実施形態を示す。この実施形態では、射出ノズル(2.1)が整列され、射出ノズル(2.1)は、対応する乾燥用要素(2.2)と交互に配置される。
【0078】
その整列された順序に従って、第1に下処理ユニット(A)が下処理生産物を射出するために配置され、その下処理ユニット(A)は、複数の射出ノズル(2.1)のうちの1つのみによって構成される。
【0079】
第2に、印刷ユニット(B)が、印刷生産物として印刷インクを射出するように配置され、その印刷ユニット(B)は、6つの射出ノズル(2.1)によって構成される。これらの6つの射出ノズル(2.1)のうち、1つはシアンカラー印刷インクを射出するためのもので、別の1つはマゼンタカラー印刷インクを射出するためのもので、別の1つはイエローカラー印刷インクを射出するためのもので、別の1つはブラックカラー印刷インクを射出するためのもので、別の1つはライトシアンカラー印刷インクを射出するためのもので、別の1つはライトマゼンタカラー印刷インクを射出するためのものである。
【0080】
第3に、仕上げユニット(C)が、仕上げ生産物を射出するために配置され、その仕上げユニット(C)は、複数の射出ノズル(2.1)のうちの1つのみによって構成される。
【0081】
上述したようにして、基部(2.3)は、使用の順序に従って整列された射出ノズル(2.1)で構成される。印刷ユニット(B)を構成する射出ノズル(2.1)の順序と数が記載されているが、板状材(1)に印刷される模様に応じて、順序と数の両方を変更することができる。同様に、下処理ユニット(A)及び仕上げユニット(C)を構成する射出ノズル(2.1)の数は変更されることができ、場合によってはそれより多くされる。
【0082】
板状材(1)の表面(1.1、1.2、1.3)の1つにおいて、処理又は印刷されるための基準地点として射出地点のいずれかを使用することにより、基部(2.3)の最初の射出ノズル(2.1)は、基準地点に対応して動かされた時に下処理ユニット(A)を構成するものであり、行われる処理又は印刷がその下処理生産物の塗布を必要とする場合、基準地点で下処理生産物が塗布可能であるようにされる。下処理生産物の塗布が不要又は必要とされない場合、その射出ノズル(2.1)は、その生産物を射出することなく、基準地点に対応して動かされる。
【0083】
印刷ユニット(B)を構成する射出ノズル(2.1)は、下処理ユニット(A)を構成する射出ノズル(2.1)の後に基準地点に対応して動かされる。印刷生産物を射出するために配置された複数の射出ノズル(2.1)は、塗布される異なる色及びその順序を参照して、印刷される模様によって決まる要求に対応した量及び順序で準備される。任意で、これらの射出ノズル(2.1)の少なくとも1つは、印刷生産物を射出することなく、基準地点に対応して動かされることができる。
【0084】
印刷ユニット(B)を構成する射出ノズル(2.1)の後に、基部(2.3)の最後の射出ノズル(2.1)は、基準地点に対応して移動された時に仕上げユニット(C)を構成するものであり、行われる処理又は印刷がその仕上げ生産物の塗布を必要とする場合、基準地点で仕上げ生産物は塗布可能であるようにされる。仕上げ生産物の塗布が不要又は必要でない場合、その射出ノズル(2.1)は、その生産物を射出することなく、基準地点に対応して移動される。
【0085】
上述されたことに加え、
図6において分かるように、基部(2.3)には、各射出ノズル(2.1)の直後に1つの乾燥用要素(2.2)を有する。したがって、基準地点に対応する各射出ノズル(2.1)の移動直後に、対応する乾燥用要素(2.2)もまた移動される。
【0086】
射出ノズル(2.1)は、互いに独立して作動されることができる。したがって、塗布される色を選択することに加えて、板状材(1)の各表面(1.1、1.2、1.3)の射出地点に対応した射出能力も提供される。
図5Aから5Dを参照されたい。そこでは、射出ノズル(2.1)の動作が各図に適用されてしている。
【0087】
同様に、乾燥用要素(2.2)は互いに独立して、そしてそれぞれが関連付けられた射出ノズル(2.1)に対して作動されることができる。これにより、より幅広い質感、浮き彫り形成、色調などの実現をもたらす。
【0088】
同様に、各印刷ヘッド(2)は、これらの基部(2.3)の1つ、2つ、3つ、又はそれ以上を有することができ、上述されたような印刷能力を高める。
【0089】
基部(2.3)について上述したようにして、本発明の方法は、上述したようにその基部を使用することを含む。
【0090】
板状材(1)の印刷又は処理において高品質の仕上げで高解像度の結果の実現を最適化するために、この本発明の機械はマスキング手段を含む。
【0091】
マスキング手段は、射出された生産物の少なくとも1つの、好ましくは複数の異なる射出された生産物の拡散が、板状材(1)に到達するのを防ぐように構成される。
【0092】
生産物が印刷ヘッド(2)によって射出ノズル(2.1)を通じて射出される時、この射出は、直線的に、すなわち、そのノズル(2.1)によって定められる方向に従って行われる。しかしながら、射出ノズル(2.1)による射出は射出された生産物の拡散を伴い、非常に低い割合であり、人間の目にはほとんど知覚できないが生じる。この拡散は、射出の直線経路に対する微小液滴の離脱又は逸脱によって定められることができる。
【0093】
この拡散により、各射出の射出地点に対応する場所以外の場所に望ましくない汚れが生じる。同様に、その拡散は、「ミスト」と呼ばれる、空気中に浮遊した生産物を生じる。したがって、拡散は、板状材(1)への印刷の結果を最適化することに対する汚れ又は障害をもたらす。
【0094】
したがって、マスキング手段は、拡散した生産物を吸引するための少なくとも1つの吸引孔(5)、好ましくはいくつかの吸引孔(5)を含み、対応する吸引孔(5)が印刷ヘッド(2)に配置される。
図2を参照されたい。
【0095】
拡散された生産物は、生産物の射出経路に好ましくは少なくとも実質的に平行である経路、より好ましくは平行である経路により、これらの吸引孔(5)を通って吸引されることができる。したがって、その吸引孔(5)は、対応する直線経路に従って射出された生産物との干渉が最小化されるかされ、同時に付随する拡散が板状材(1)に到達するのを防ぐ。
【0096】
好ましくは、別の方法では、
図3に見られるように、それは補助的な方法であり得るが、マスキング手段は、拡散した生産物を受け取って保持するためのフィルム(6)を含み、フィルム(6)は印刷ヘッド(2)に配置される。
【0097】
フィルム(6)は、不連続の又は連続した形態を有する。すなわち、対応する印刷ヘッド(2)で、個別の分離された方法で又は印刷ヘッド(2)の動きによって、連続した動き又は周期的な動きのいずれかに従って、利用及び除去可能である。フィルム(6)が連続した形態である場合、フィルム(6)は、動かされるためにロール形態から延ばされる。
【0098】
1つの可能な形態によれば、フィルム(6)は巻き戻される。したがって、フィルム(6)は、例えば後で使用、洗浄、又は廃棄するために、回収される。別の可能な形態によれば、フィルム(6)は、それが閉路、すなわち無端又は閉ループ路を定めるようにして連続した形態を有する。別の可能な形態によれば、本発明の機械は、フィルム(6)を連続的に洗浄するための洗浄手段を含む。
【0099】
図示されないこれらの洗浄手段は、対応する印刷ヘッド(2)に従ったその各部のそれぞれの動きの後に、その部分に衝突して保持された拡散した生産物がそこから洗浄されて、拡散した生産物を再び受け取るように配置及び構成される。
【0100】
これらの洗浄手段は、対応する生産物をフィルム(6)から除去する又は取り除くように構成される。したがって、その洗浄手段は、例えばローラーなどを用いて、溶媒を塗布した後に洗浄及び乾燥するように構成される。加えて又は代わりに、その洗浄手段は、対応する生産物をフィルム(6)から機械的に離すように、削り取る要素を使用するように構成される。任意で、洗浄手段は、上述したものに加えて又は代わりに、超音波を与えるように構成される。
【0101】
マスキング手段について上述したようにして、本発明の方法は、上述したようにその手段を使用することを含む。マスキング手段に関して提供されたその説明は、吸引孔(5)、フィルム(6)、及び洗浄手段に関する説明を含む。
【0102】
本発明の機械は、本発明の方法を適用する時に本発明の機械を管理するための制御手段を含む。その制御手段は、データを受信及び記憶するための記憶ユニットと、本発明の機械の動作を管理できるようにそのデータを処理するための処理ユニットとを含む。更にその制御手段は、例えば位置決め手段、印刷ヘッド(2)、及び移動手段(3)に接続されて、それらの動作を制御する。
【0103】
一方では、受信、保存、及び処理されるデータは、板状材(1)に関するデータであることができる。好ましくは、制御手段は、このデータを編集するように更に構成される。板状材(1)に関するデータは、形状、寸法、移動速度、及び印刷ヘッド(2)に対する相対位置を含む。
【0104】
他方で、受信、保存、及び処理されるデータは、板状材(1)に印刷される模様に関するデータであることができる。好ましくは、制御手段は、このデータを編集するように更に構成される。模様に関するデータは、各射出ノズル(2.1)によって射出される各生産物の構図及び量で構成される。したがって、制御手段は、射出される生産物、射出される印刷インクの色、並びに各生産物の射出及び硬化の両方に従って射出地点で局所的に得られる厚さを定める。
【0105】
したがって、制御手段は、板状材(1)及び模様に応じて、射出ノズル(2.1)及び乾燥用要素(2.2)の両方を含む印刷ヘッド(2)に加えて、位置決め手段及び移動手段(3)を動作させるように構成される。
【0106】
制御手段、より具体的には上述の記憶ユニットは、コンピュータファイルによって板状材(1)及び/又は模様に関するデータを受信及び記憶するように構成される。加えて又は代わりに、本発明の機械は、板状材(1)に関する上述したデータを生成するように、印刷又は処理される板状材(1)を検出して認識するための図示されない感知手段を含む。したがって、制御手段は、その生成されたデータを受信、記憶、及び処理するために、その感知手段と更に接続される。
【0107】
制御手段及び感知手段について上述したようにして、本発明の方法は、上述したようにその手段を使用することを含む。制御手段に関して提供されたその説明は、板状材(1)に関するデータ及び模様に関するデータを含む、記憶ユニット並びに処理ユニットに関するものを含む。
【0108】
任意で、制御手段によって受信、保存、及び処理されるデータは、位置決め手段、印刷ヘッド(2)、及び移動手段(3)に関するデータであり、そのデータにより、それらの動作を制御することに加えて、対応する板状材(1)を印刷する時に実行するパスの数を決定することができる。したがって、処理ユニットは、板状材(1)に関するデータと、模様に関するデータと、位置決め手段、印刷ヘッド(2)、及び移動手段(3)に関するデータとに応じて、パスの数を決定するように構成される。
【0109】
あるいは、パスの数は、本発明の機械に含まれる編集ソフトウェアを使用して作業者によって決定される。同様に、この編集は、板状材(1)に関するデータと、模様に関するデータと、位置決め手段、印刷ヘッド(2)、及び移動手段(3)に関するデータとに応じて行われる。
【0110】
決定されたパスの数が1回である場合、制御手段は、やはり印刷ヘッド(2)に依存して、各表面(1.1、1.2、1.3)の射出地点が1回のパスで必要な射出ノズル(2.1)によってカバーされ、各生産物の射出と硬化の両方に従って、射出される適切な生産物、射出される印刷インクの色、及び各射出地点での所定の厚さで印刷が得られるようにして、位置決め手段及び移動手段(3)の動作を設定及び実行する。
【0111】
決定されたパスの数が2回以上である場合、制御手段は、やはり印刷ヘッド(2)に依存して、各表面(1.1、1.2、1.3)の射出地点がそれぞれのパスの印刷を組み合わせる若しくは重ね合わせることによって必要な射出ノズル(2.1)でカバーされ、各生産物の射出と硬化の両方に従って、射出される適切な生産物、射出される印刷インクの色、及び各射出地点での所定の厚さで印刷が得られるようにして、位置決め手段及び移動手段(3)の動作を設定及び実行する。
【0112】
図8は、1つの板状材(1)と、図示される傾斜部分(1.3’)の対応する2つの傾斜面(1.3)が、実行される1回のパスで印刷されるようにして、互いに配置された2つの印刷ヘッド(2)とを示す。
【0113】
対照的に、
図9A及び9Bのそれぞれは、1つの板状材(1)と、対応する印刷ヘッド(2)とを示し、図示される傾斜部分(1.3’)の対応する2つの傾斜面(1.3)が2回のパスのそれぞれの実行で印刷され、1回のパスが対応する印刷ヘッド(2)によって印刷される各表面(1.3)に対するようにして、板状材(1)と印刷ヘッド(2)が互いに対して配置される。
【0114】
同様に、1回のパスを実行する場合と少なくとも2回のパスを実行する場合の両方で、各印刷ヘッド(2)は、対応する射出ノズル(2.1)によりそれぞれの必要な生産物を射出し、好ましくはマスク手段がそれぞれの印刷ヘッド(2)に配置される。
【符号の説明】
【0115】
1 板状材
1.1 下面
1.2 上面
1.3 傾斜面
1.3’ 端部、傾斜部分
2 印刷ヘッド
2.1 射出ノズル
2.2 乾燥用要素
2.3 印刷ヘッドの基部
3 移動手段
3.1 可動部分
3.2 突起
4 ガイド手段
5 吸引孔
6 フィルム
A 下処理ユニット
B 印刷ユニット
C 仕上げユニット
X 第1の軸
Y 第2の軸
Z 第3の軸